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技術 配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化計算方法

出願人 株式会社日立製作所東北電力株式会社
発明者 江頭諒樺澤祐一郎瀬戸寿之武蔵利行
出願日 2016年7月19日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2016-141140
公開日 2018年1月25日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-014774
状態 未査定
技術分野 給配電網の遠方監視・制御 交流の給配電
主要キーワード 換算電圧 電流力 計測データベース 実施指令 系統末端 オプティマイゼーション 末端電圧 要否判定結果
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図面 (19)

課題

柱上変圧器タップ変更と電圧調整器の最適整定値および最適配置を組み合わせて最適な系統構成を算出する配電系統系統最適化計算装置および系統最適化計算方法を提供することを目的とする。

解決手段

配電線路上に複数のタップ付柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の潮流計算により、所定時間帯における個々のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第1の平均値と、所定時間帯における複数のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第2の平均値とを求める第1の手段と、タップ付柱上変圧器について、第1の平均値が第2の平均値に近づくようにタップ値を変更する第2の手段と、タップ値変更についての所定の条件を満たすまでタップ値変更の処理を実行する第3の手段を備えたことを特徴とする。

概要

背景

配電系統電圧は、配電用変電所に設置された変圧器負荷時タップ切替変圧器LRTLoad Ratio Control Transformer)のタップ切替や、配電線上に設置された自動電圧調整器SVR:Step Voltage Regulator、TVR:Thyristor Voltage Regulator)などのタップ切替によって制御されている。

これらの電圧調整器(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRおよびTVR)は、基準電圧線路電圧降下補償装置LDC(Line Drop Compensator:系統の電圧低下を補償するように負荷時タップ切替変圧器LRTや、自動電圧調整器SVRおよびTVR二次側電圧を決定する制御装置)の整定値を適切に設定することで、タップ制御による適性電圧維持を実現している。なお電圧調整器の設置に当たり、過剰な設備投資を避けるために、配電線上に設置された自動電圧調整器SVRおよびTVRは適切に配置して極力設置台数を少なくすることが望ましい。

他方、日本国内の配電系統における電圧管理電圧は、電気事業法により低圧で101±6Vの適正範囲内に収めることが義務付けられている。一般的な家庭で使用される電力は、6600kV系の電圧を柱上変圧器で100V系に変換している。柱上変圧器のタップ値によって変化する変圧比は一般的に105/6750、105/6600、105/6450等が使われており、タップ値を1段変えることで低圧電圧は約2.5V変化することから、低圧電圧を適正範囲内に収めるためには柱上変圧器タップ値の適切な設定も重要となる。

電圧調整器(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRおよびTVR)の最適配置方法や最適整定値算出方法に関して、以下の手法が知られている。特許文献1には、パーティクルスウォームオプティマイゼーション(PSO)を使用して設置コストを最小化する電圧自動調整器の最適配置手法が示されている。また、特許文献2には、電圧調整器の理想値Vsと配電系統の電気量の計測値との相関重回帰分析することによって、電圧自動調整器の整定パラメータを決定する手法が示されている。

概要

柱上変圧器のタップ変更と電圧調整器の最適整定値および最適配置を組み合わせて最適な系統構成を算出する配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化計算方法を提供することを目的とする。配電線路上に複数のタップ付柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の潮流計算により、所定時間帯における個々のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第1の平均値と、所定時間帯における複数のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第2の平均値とを求める第1の手段と、タップ付柱上変圧器について、第1の平均値が第2の平均値に近づくようにタップ値を変更する第2の手段と、タップ値変更についての所定の条件を満たすまでタップ値変更の処理を実行する第3の手段を備えたことを特徴とする。

目的

本発明においては、運用者が算出結果の妥当性二次元グラフ上で確認可能となる手法で、柱上変圧器のタップ変更と自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適整定値の算出をする配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

配電線路上に複数のタップ柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の潮流計算により、所定時間帯における個々の前記タップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第1の平均値と、所定時間帯における複数の前記タップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第2の平均値とを求める第1の手段と、前記タップ付柱上変圧器について、前記第1の平均値が前記第2の平均値に近づくようにタップ値を変更する第2の手段と、タップ値変更についての所定の条件を満たすまでタップ値変更の処理を実行する第3の手段を備えたことを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項2

請求項1に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第2の手段は、前記第2の平均値からの乖離が大きい前記第1の平均値を示す低圧電圧の前記タップ付柱上変圧器を優先して、前記第1の平均値が前記第2の平均値に近づくようにタップ値を変更することを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第3の手段におけるタップ値変更についての所定の条件は、タップ値変更回数であり、または前記タップ付柱上変圧器の低圧電圧についての最大値最小値の差が所定値以内になったこととされていることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第3の手段において、タップ値変更についての所定の条件が満たされるとき、前記第2の手段でタップ値を変更することにされた配電線路上のタップ付柱上変圧器について、タップ変更作業実施指令を出力することを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記所定時間帯は、複数の時間帯であり、複数の時間帯において、前記タップ値変更についての所定の条件を満たすことを確認することを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第3の手段において、タップ値変更についての所定の条件が満たされないとき、前記配電線路上に新たな電圧調整器の設置指令を出力することを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項7

請求項6に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、所定時間帯における複数個所の前記タップ付柱上変圧器の低圧電圧について、その最大電圧最小電圧の差が、目標電圧より大きい場合、新たな電圧調整器の設置位置を決定する第4の手段を備えたことを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項8

請求項7に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第4の手段は、配電系統の前記所定時間帯における潮流計算により求めた亘長に対する低圧電圧の分布を用いて、最大電圧または最小電圧が低圧の配電系統に設定された上限値または下限とであるときに最小電圧または最大電圧が低圧の配電系統に設定された下限値または上限値となる配電系統の位置を新たな電圧調整器の設置位置とすることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項9

請求項7または請求項8に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第4の手段は、配電系統の複数の前記所定時間帯における潮流計算により求めた亘長に対する低圧電圧の分布を用いて、最大電圧が低圧の配電系統に設定された上限値であるときに最小電圧が低圧の配電系統に設定された下限値となる配電系統の第1の位置と、最小電圧が低圧の配電系統に設定された下限値であるときに最大電圧が低圧の配電系統に設定された上限値となる配電系統の第2の位置を求め、より電源側に近い位置を新たな電圧調整器の設置位置とすることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項10

請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の前記所定時間帯における潮流計算により求めた亘長に対する低圧電圧の分布を用いて、電圧調整器が与える高圧電圧の値を決定する第5の手段を備えることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項11

請求項10に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、前記第5の手段が与える高圧電圧の値は、配電系統の前記所定時間帯における潮流計算により求めた亘長に対する低圧電圧の分布を用いて、最大電圧と上限値の差及び最小電圧と下限値の差が同じ状態となる観点から定められていることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項12

請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、電圧調整器は、その負荷側配電系統の幹線上における特定の位置を負荷中心点に定め、負荷中心点の電圧を一定に制御する線路電圧降下補償機能を備えていることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項13

請求項12に記載の配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の複数の前記所定時間帯における潮流計算により求めた亘長に対する低圧電圧の分布を用いて、最大電圧と最小電圧の差が最も小さくなる負荷側配電系統の幹線上の位置を負荷中心点に定めることを特徴とする配電系統の系統最適化計算装置。

請求項14

配電線路上に複数のタップ付柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算方法であって、データベースとして、配電系統の各時間の電気量の計測値を格納する計測データベース、配電系統の潮流計算に必要な系統構成データ、潮流計算や状態推定計算計算結果を格納する潮流計算データベース、電圧調整器の基準電圧やLDCの整定値を格納する制御装置整定データベース、各時刻の電圧調整器出力電圧理想値の計算結果を格納する電圧調整器理想電圧データベース、電圧調整器の最適配置を格納する制御装置配置データベース、柱上変圧器タップ変更結果を格納する柱上変圧器タップデータベースに記憶された情報を用い、潮流計算結果や状態推定結果に基いて、柱上変圧器の最適タップを計算し、電圧調整器の送出電圧の理想値を算出して電圧調整器が必要な箇所および既存電圧調整器の要否を計算し、並びに理想電圧としたときの各ノード到達電圧に基づいて電圧調整器の整定パラメータを計算することを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

請求項15

請求項14に記載の配電系統の系統最適化計算方法であって、他ノードの低圧換算電圧との乖離が大きいノードの柱上変圧器を優先的に変更することによって、最小限の柱上変圧器タップ変更数の中で電圧調整器の設置台数の配置を求めることを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

請求項16

請求項14または請求項15に記載の配電系統の系統最適化計算方法であって、各電圧調整器が可能な限り末端電柱まで適正範囲に電圧を収められるような電圧調整器の送出電圧の理想値とすることで、電圧調整器の設置台数を最小化して配置を求めることを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

請求項17

請求項14から請求項16のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算方法であって、各電圧調整器の電圧管理範囲における最大電圧と最小電圧の差から既存の電圧調整器の要否を判定し、既存の電圧調整器の設置台数を最小化してかつ電圧上下限への余裕が最大となる配置を求めることを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

請求項18

請求項14から請求項17のいずれか1項に記載の配電系統の系統最適化計算方法であって、複数時間断面の潮流計算結果から電圧余裕が最大となる電圧調整器の各時間断面の理想電圧を算出し、到達電圧の最大値と最小値の差が最小となるノードを負荷中心点として求め、負荷中心点の到達電圧と電圧調整器から負荷中心点までのインピーダンスおよびリアクタンスから電圧調整器の最適整定値を求めることを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

請求項19

請求項18に記載の配電系統の系統最適化計算方法であって、電圧調整器より負荷側の系統において、当該電圧調整器から系統末端となる各ノードまでのリアクタンスを算出して電圧調整器からリアクタンスが最大となったノードまでのルート、または当該電圧調整器から系統末端となる各ノードまでに設置された電圧調整器台数が最も多くかつ当該電圧調整器からのリアクタンスが最大となったノードまでのルートを幹線と定義して、負荷中心点を幹線から抽出することを特徴とする配電系統の系統最適化計算方法。

技術分野

0001

本発明は、配電系統系統最適化計算装置および系統最適化計算方法に係り、特に複数台電圧調整装置を、自端情報で協調動作させ、電圧維持や運用効率化を可能とする配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化計算方法に関する。

背景技術

0002

配電系統の電圧は、配電用変電所に設置された変圧器負荷時タップ切替変圧器LRTLoad Ratio Control Transformer)のタップ切替や、配電線上に設置された自動電圧調整器SVR:Step Voltage Regulator、TVR:Thyristor Voltage Regulator)などのタップ切替によって制御されている。

0003

これらの電圧調整器(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRおよびTVR)は、基準電圧線路電圧降下補償装置LDC(Line Drop Compensator:系統の電圧低下を補償するように負荷時タップ切替変圧器LRTや、自動電圧調整器SVRおよびTVR二次側電圧を決定する制御装置)の整定値を適切に設定することで、タップ制御による適性電圧維持を実現している。なお電圧調整器の設置に当たり、過剰な設備投資を避けるために、配電線上に設置された自動電圧調整器SVRおよびTVRは適切に配置して極力設置台数を少なくすることが望ましい。

0004

他方、日本国内の配電系統における電圧管理電圧は、電気事業法により低圧で101±6Vの適正範囲内に収めることが義務付けられている。一般的な家庭で使用される電力は、6600kV系の電圧を柱上変圧器で100V系に変換している。柱上変圧器のタップ値によって変化する変圧比は一般的に105/6750、105/6600、105/6450等が使われており、タップ値を1段変えることで低圧電圧は約2.5V変化することから、低圧電圧を適正範囲内に収めるためには柱上変圧器タップ値の適切な設定も重要となる。

0005

電圧調整器(負荷時タップ切替変圧器LRTや自動電圧調整器SVRおよびTVR)の最適配置方法や最適整定値算出方法に関して、以下の手法が知られている。特許文献1には、パーティクルスウォームオプティマイゼーション(PSO)を使用して設置コストを最小化する電圧自動調整器の最適配置手法が示されている。また、特許文献2には、電圧調整器の理想値Vsと配電系統の電気量の計測値との相関重回帰分析することによって、電圧自動調整器の整定パラメータを決定する手法が示されている。

先行技術

0006

特開2008−312323号公報
特開2010−220283号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1に記載の方法では、電圧調整器を最適配置することができるが、ここでは柱上変圧器タップの変更と組み合わせた検討が想定されていない。このため、柱上変圧器タップを変更することで電圧調整器の設置台数を削減できる系統において、電圧調整器の設置台数を最小とした最適配置を実現できない場合がある。また特許文献1の方法は、電圧調整器の最適なタップ位置を算出することで適正電圧を維持する手法であり、実運用において現場機器に設定する整定値の算出手法までは示されていない。

0008

また、特許文献2に記載の方法では、電圧調整器の配置が決定している系統に対しては最適な整定値を算出することが可能であるが、最適配置と最適整定を組み合わせて検討するのは困難である。また、本手法は電圧調整器が電圧を一定に保とうとする地点負荷中心点)の決定が困難である負荷時タップ切替変圧器LRTの整定値算出において非常に有用な手法であるが、負荷中心点の決定が比較的容易である自動電圧調整器SVRおよびTVRにおいては重回帰分析による整定値算出を適用しなくても精度の高い最適整定値算出が可能である。また、重回帰分析による三次元での算出となるため、最適整定値の算出結果を運用者グラフ上で確認することは容易ではない。

0009

このように、柱上変圧器のタップ変更によって自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適配置が変化する配電系統において、柱上変圧器のタップ変更を考慮した自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適配置方法は確立されておらず、配電系統の設備形成を担当する実務者にとって困難な問題として残されている状況である。

0010

以上のことから本発明においては、運用者が算出結果の妥当性二次元グラフ上で確認可能となる手法で、柱上変圧器のタップ変更と自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適整定値の算出をする配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化方法を提供することを目的とする。

0011

また、本発明の実施例においては、柱上変圧器のタップ変更と電圧調整器の最適整定値および最適配置を組み合わせて最適な系統構成を算出する配電系統の系統最適化計算装置および系統最適化計算方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

以上のことから本発明においては、配電線路上に複数のタップ付柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算装置であって、配電系統の潮流計算により、所定時間帯における個々のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第1の平均値と、所定時間帯における複数のタップ付柱上変圧器の低圧電圧についての第2の平均値とを求める第1の手段と、タップ付柱上変圧器について、第1の平均値が第2の平均値に近づくようにタップ値を変更する第2の手段と、タップ値変更についての所定の条件を満たすまでタップ値変更の処理を実行する第3の手段を備えたことを特徴とする。

0013

また本発明は、配電線路上に複数のタップ付柱上変圧器を備える配電系統の最適な系統構成を求める配電系統の系統最適化計算方法であって、データベースとして、配電系統の各時間の電気量の計測値を格納する計測データベース、配電系統の潮流計算に必要な系統構成データ、潮流計算や状態推定計算計算結果を格納する潮流計算データベース、電圧調整器の基準電圧やLDCの整定値を格納する制御装置整定データベース、各時刻の電圧調整器出力電圧の理想値の計算結果を格納する電圧調整器理想電圧データベース、電圧調整器の最適配置を格納する制御装置配置データベース、柱上変圧器タップ変更結果を格納する柱上変圧器タップデータベースに記憶された情報を用い、潮流計算結果や状態推定結果に基いて、柱上変圧器の最適タップを計算し、電圧調整器の送出電圧の理想値を算出して電圧調整器が必要な箇所および既存電圧調整器の要否を計算し、並びに理想電圧としたときの各ノード到達電圧に基づいて電圧調整器の整定パラメータを計算することを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、柱上変圧器のタップ変更と電圧調整器の最適整定値および最適配置を組み合わせて最適な系統構成を算出することができる。

0015

また、本発明の望ましい実施態様によれば、柱上変圧器のタップ変更を実施する系統においても自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適配置を算出することが可能となる。

0016

また、本発明の望ましい実施態様によれば、自動電圧調整器SVRおよびTVRの最適配置を算出するのと同時に最適整定値を算出することが可能となる。

0017

また、本発明の望ましい実施態様によれば、3断面以上の複数時間断面の潮流計算結果に対し、最適整定値算出結果の妥当性を二次元グラフ上で確認することが可能となる。

0018

本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。

図面の簡単な説明

0019

本発明に係る系統最適化計算装置が適用可能な典型的な配電系統の例を示す図。
本発明の実施例1に係る系統最適化計算装置10のハード構成を示す図。
既存設置された電圧調整器を考慮しないケースにおける、柱上変圧器タップ値、電圧調整器の最適配置および最適整定値計算アルゴリズムを示すフローチャート
変電所出口端を起点とし配電線路上の各点における電圧を示した図。
配電線路上の高圧電圧分布例として、ほぼ一定を示す電圧分布例を示す図。
図5aの時の柱上変圧器の低圧電圧例を示す図。
乖離が大きい柱上変圧器のタップを調整した結果としての柱上変圧器の低圧電圧例を示す図。
改善された低圧電圧分布の結果を受けて、変電所出口端のSVRにより電圧調整したときの電圧分布例を示す図。
低圧換算電圧が他の電柱と乖離している電柱を特定するための考え方を示す図。
最大電圧Vamaxを記録している地点のほうがSVRに近い事例を示す図。
最小電圧Vaminを記録している地点のほうがSVRに近い事例を示す図。
電圧逸脱が発生しない系統における低圧電圧の分布例を示す図。
柱上変圧器設置点における低圧電圧と上下限電圧との余裕が同じ状態を示す図。
高圧電圧側の状態を示す図。
本発明の実施例1により求めた負荷中心点の概念を示す図。
本発明の実施例2に係る既存の電圧調整器の要否判定による柱上変圧器タップ値、電圧調整器の最適配置および最適整定値計算アルゴリズムを示すフローチャート。
配電線路上の電圧調整器SVR2が撤去可能な事例を示す図。
配電線路上の電圧調整器SVR2が撤去不可能な事例を示す図。

0020

以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。

0021

図1は、本発明に係る系統最適化計算装置が適用可能な典型的な配電系統の例を示す図である。

0022

図1において配電系統100は、配電変電所110とノード(母線)120およびそれらを接続する配電線路140、ノード120に接続される負荷150や発電機130、配電線路に設置されるセンサ170などで構成されている。配電系統100内には、電圧調整器の一例としてSVR300が、配電系統100の配電線路140に直列に設置されており、そのタップ位置がタップ制御装置310により制御される。

0023

センサ170は、線路電流、流力率有効電力P、無効電力Q、ノード電圧Vなどを測定し、通信端局180、通信ネットワーク190を介して系統最適化計算装置10に情報を送る。系統最適化計算装置10は、通信ネットワーク190、通信端局180を介して電圧調整器であるSVR300内のタップ制御装置310に対して制御信号送り、タップ位置を適正に制御する。

0024

図2は、本発明の実施例に係る系統最適化計算装置10のハード構成を示している。系統最適化計算装置10は、いわゆる計算機システムにより構成されるが、その場合の主要な機能構成を示している。

0025

系統最適化計算装置10は、表示装置11、キーボードマウス等の入力手段12、コンピュータ(CPU)13、通信手段14、RAM15、およびメモリ31がバス線30に接続されて構成されている。このうちコンピュータ(CPU)13は、計算プログラムを実行して表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。RAM15は、表示用の画像データ、潮流計算結果、計測データ一覧、整定パラメータ計算結果、電圧調整器理想電圧計算結果および柱上変圧器タップ変更結果、電圧調整器最適配置計算結果等の計算結果データを一旦格納するメモリである。これらのデータに基づき、CPU13によって必要な画像データを生成して、表示装置11(例えば表示ディスプレイ画面)に表示する。

0026

メモリ31内には各種データベースDBが構成されているが、これらは各種データ保存用に計測データデータベースDB1、潮流計算データデータベースDB2、制御装置整定データデータベースDB3、電圧調整器理想電圧データデータベースDB4、制御装置配置データデータベースDB5、柱上変圧器タップデータデータベースDB6を備え、このほかにコンピュータ(CPU)13で実行するプログラムを保存するプログラムデータデータベースDB7を備える。

0027

このうち潮流計算データデータベースDB1には、線路140のインピーダンスを示す線路定数Z(=R+jX)、負荷・発電量、並びに系統の線路や電圧調整器、ノードの接続状況を表す系統構成データが記憶されている。この他に、潮流計算や状態推定計算によって求められた各時間断面の線路の電流、電流力率、有効電力P、無効電力Q、負荷や発電量、およびノード電圧Vなどの情報も格納される。これらのデータを系統データと称することにする。

0028

計測データデータベースDB2には、配電系統100内のセンサ170で計測された各時間断面の線路の電流、電流力率、有効電力P、無効電力Q、負荷や発電量、およびノード電圧Vなどの情報が格納される。これらのデータは、通信ネットワーク190や系統最適化計算装置10の通信手段14を介して伝送される。センサ170で計測されたこれらのデータを計測データと称することにする。

0029

制御装置整定データデータベースDB3には、計算結果である基準電圧やLDCの整定パラメータ値であるR、Xなどが格納される。電圧調整器理想電圧データデータベースDB4には、各時刻の電圧調整器出力電圧の理想値の計算結果が格納される。制御装置配置データデータベースDB5には、計算結果である電圧調整器の最適配置が格納される。柱上変圧器タップデータデータベースDB6には、計算結果である柱上変圧器タップ変更結果が格納される。

0030

プログラムデータデータベースDB7は、計算プログラムである潮流計算プログラムPr1、状態推定計算プログラムPr2、最適整定値算出プログラムPr3、柱上変圧器タップ変更プログラムPr4および最適配置計算プログラムPr5を格納する。これらのプログラムPrは、必要に応じてCPU13に読み出され、計算が実行される。

0031

図3は、既存設置された電圧調整器を考慮しないケースにおける、柱上変圧器タップ値、電圧調整器の最適配置および最適整定値の計算アルゴリズムを示すフローチャートである。この図に示す系統最適化計算装置10の計算処理内容について説明する。図には、配電系統内のセンサの電圧計測データと各時間の潮流計算結果を基に、柱上変圧器タップ値および電圧調整器の最適整定値を決定する手順の例を示している。以下、処理の流れを説明する。

0032

図3には大きく2つの処理内容が含まれている。その一つは配電系統100に設けられた柱上変圧器のタップ調整による対応策図3の処理ステップS1からS3)である。2つ目は、柱上変圧器のタップ調整を行ったのみでは対応が不十分である場合に新たな電圧調整器の設置が必要であり、その設置場所を特定するための対応策(図3の処理ステップS4からS11)である。

0033

図3のフローチャートにおける最初の処理ステップS1では、処理に必要なデータ読み込みを行い、分析対象とする期間を決め(例えば、過去1週間など、ユーザが指定してもよい)、対象期間の各時間について潮流計算を実施するのに必要な配電系統内の計測データおよび系統データを用いて、配電系統内に電圧調整器が設置されていないケースにおける複数時間断面の潮流計算を実施する。ここでの潮流計算では、図2の潮流計算プログラムPr1、状態推定計算プログラムPr2が用いられる。なお電圧降下が大きく計算が収束しない場合は、600V程度の電圧降下が発生する地点に電圧調整器を仮で設置することで計算を収束させるのがよい。

0034

潮流計算の結果は、例えば変電所出口端を起点とし各配電線路140上の各点における電圧の値として求められる。図4は求められた電圧分布例であり、縦軸に配電線路140上の高圧電圧、横軸に配電線路140の変電所出口端からの亘長(km)を示している。一般に高圧電圧は、配電線路における電圧降下により変電所出口端から遠くなるほど低下する電圧分布例LD1、LD2の傾向を示す。しかし、近年では太陽光発電の普及に伴い太陽光発電が発電を行う昼間や、夜間・休日高圧負荷と併設されたコンデンサの影響により発生するフェランチ現象によって、末端電圧が高くなる電圧分布例LU1、LU2の傾向を示すことがある。なお変電所出口端には、電圧調整器が設置されているものとする。

0035

これに対し、配電線路140上の各所に設けられている柱上変圧器により定まる低圧電圧は、柱上変圧器のタップ値により定まる。図5aには、図4に例示した配電線路140上の高圧電圧の電圧分布例のうち、ほぼ一定を示す電圧変動LU2を例示している。また図5bにはこの時の柱上変圧器の低圧電圧の分布を例示している。一般に、配電線路140上の各所に設けられている柱上変圧器は、末端になるほど少ないタップ値を採用している。図5aの図示例では、亘長上の電柱位置PT1、PT2に柱上変圧器が設置されており、PT1より変電所出口端側では6750タップ、PT1とPT2の間では6600タップ、PT2後段では6450タップとした例で示している。これにより、上記各区間での変圧比は、それぞれ105/6750、105/6600、105/6450となり、高圧電圧が一定(図5a)であっても、低圧電圧は配電線路末端になるほど電圧上昇する(図5b)傾向を示すことが理解できる。

0036

日本国内の配電系統における電圧管理電圧は、電気事業法により低圧で101±6Vの適正範囲内に収めることを義務付けており、図5bに示す柱上変圧器の低圧電圧が上限電圧Vu(107V)、下限電圧Vl(95V)の範囲を超えるときには、範囲内への移行制御が行われる。

0037

次に、処理ステップS2では、複数時間断面の電圧解析結果に基づいて、柱上変圧器タップを用いて各ノードの低圧換算電圧を算出し、その平均値Vaを算出する。これは例えば図5bに示す柱上変圧器の例でいうと、亘長上のPT1、PT2に示した柱上変圧器設置点ごとに、そこでの低圧電圧を例えば1時間単位の平均値Vaとして、24時間分求めることを意味している。ここではとりあえず、9時から10時までの1時間の時間帯内で求めた低圧電圧の平均値Vaを例にして説明する。このときの亘長上の各地点における低圧電圧の平均値Vaは図5bに示されたようなものである。

0038

次に、処理ステップS3では、低圧換算電圧の平均値Vaの中から最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminを抽出する。図5bに示された例では、変電所出口端近傍で最小電圧Vaminを観測し、亘長上のPT2よりも末端側で最大電圧Vamaxを観測している。図示の例では、低圧換算電圧の最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminの差Vd(Vamax−Vamin)が、上限値VLuと下限値Vlの差(Vu−Vl)よりも大きい場合を示しており、この状態では変電所出口端に設置した電圧調整器であるSVRの送出電圧をどのように調整しても、配電線路上のいずれかの場所では電圧逸脱が発生してしまうことになる。そこで本発明では、柱上変圧器タップを適切に設定することで逸脱を解消できるか確認する。

0039

このとき、タップを変更する柱上変圧器の個数を最小化するためには、各電圧調整器が電圧管理を担当する区間において、低圧換算電圧が他の電柱と乖離している電柱の柱上変圧器タップを優先的に変更することが望ましい。柱上変圧器タップが適切でない電柱は、常に他の電柱よりも低圧換算電圧が高めまたは低めの傾向が現れる。

0040

そこで処理ステップS3では、低圧換算電圧の時系列データから、電圧管理区間全体の低圧換算電圧の全体平均電圧Vbを算出し、各ノードでの平均電圧Vaと全体平均電圧Vbの差ΔVgapを(1)式で算出する。
[数1]
ΔVgap=Va—Vb (1)
図6は、低圧換算電圧が他の電柱と乖離している電柱を特定するための考え方を示した図である。図6において、●は各電柱上の柱上変圧器で計測した平均電圧Vaであり、図6の例では8か所の柱上変圧器で計測した平均電圧Vaを示している。Vbは電圧管理区間全体の8か所の低圧換算電圧の全体平均電圧である。全体平均Vbとの差ΔVgapが著しい平均電圧Vaを示す電柱位置の柱上変圧器タップが、優先的に制御するのが好ましい柱上変圧器タップとされる。図示の例ではVa1が最も乖離している。

0041

具体的には処理ステップS3では、ΔVgapの絶対値を乖離度|ΔVgap|として算出し、|ΔVgap|が最大となる電柱の柱上変圧器(この場合Va1を示す柱上変圧器)から優先的に柱上変圧器タップを変更する。変更後のタップ値については、ΔVgapが0より大きい、すなわち区間内の平均電圧より高めの場合はタップを上げ、ΔVgapが0より小さい、すなわち区間内の平均電圧より低めの場合はタップを下げる方向に変更する。

0042

電圧管理範囲における低圧換算電圧の最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminの差(Vamax−Vamin)をVdとすると、上記の方向に柱上変圧器タップを変更することでVdが小さくなる。Vdが目標値Vd’より小さくなる、または柱上変圧器タップ変更数があらかじめ設定した上限数に到達した時点で柱上変圧器タップの変更を終了する。なお目標値Vd’は上限値と下限値の差よりも小さい値とする。柱上変圧器タップ変更数が上限に到達してもVdがVd’よりも大きい場合は、柱上変圧器タップを変更しても電圧逸脱を解消できない。このため新たな電圧調整器の設置が必要となるため、処理ステップS4に進む。

0043

かくして、平均電圧Vaと全体平均電圧Vbの差ΔVgapが大きい柱上変圧器タップであるほど、小さなタップ値となるように配電系統全体の柱上変圧器タップが調整される。なお、上記の例では、9時から10時までの1時間の時間帯内で求めた低圧電圧の平均値Vaを用いて処理を行ったが、同様にして他の時間帯についても柱上変圧器タップの変更を検討し、最終的には極力多くの時間帯で低圧電圧が上下限値から逸脱しない柱上変圧器タップの組み合わせが模索されることになる。なお、このようにして最適なタップ値が求められた場合には、作業員が当該柱上変圧器を載置している電柱に赴いて、個別にタップ値を調整することになる。

0044

処理ステップS3までの処理の結果として、系統最適化計算装置10から運転監視員に向けて、指令出力がなされる。例えば、タップ値変更についての所定の条件が満たされるとき、タップ値を変更することにされた配電線路上のタップ付柱上変圧器について、タップ変更作業実施指令が出力される。またタップ値変更についての所定の条件が満たされないとき、配電線路上に新たな電圧調整器の設置指令が出力される。

0045

図5cは、上記により乖離が大きい柱上変圧器のタップを調整した結果としての柱上変圧器の低圧電圧例を示している。図5cでは、ΔVgapが0より大きい、すなわち区間内の平均電圧より高めの柱上変圧器の位置PT2のタップ値を、従前の6450タップから6600タップに上げる方向に変更した結果として、柱上変圧器の位置PT2よりも後段の低圧電圧は上限値Vuを超過することなく、所定の制御範囲内に収まる結果を示している。

0046

さらに図5dは、図5cの改善された低圧電圧分布の結果を受けて、変電所出口端の電圧調整器により電圧調整したときの電圧分布例を示している。図5bの状態では変電所出口端の電圧調整器による電圧調整は所定範囲内に収める目的では有効に機能し得なかったが、低圧電圧側も含めて所定範囲内に収めることができている。

0047

以上の処理ステップS1からS3により、昼夜のいずれの時間帯でも低圧電圧が上下限値から逸脱しない柱上変圧器タップの組み合わせが定まった場合には、以後の処理を必要としないが、定まらなかった場合には、以下のようにして配電線路上に新設する電圧調整器であるSVRの設置場所を定めていく。

0048

配電線路上に新設する電圧調整器の設置場所を決定する処理における最初の処理ステップS4では、電圧調整器の理想電圧Vsを算出する。電圧管理範囲における低圧換算電圧の最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminの差Vd(Vamax−Vamin)が、目標値Vd’よりも大きい場合、電圧逸脱が発生する。各電圧調整器は可能な限り末端の電柱まで適正範囲に電圧を収めることで設置台数を最小化することが望ましい。そのためには、最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminを記録している地点のうち、どちらのほうが電源側に設置された電圧調整器に近いかによって電圧調整器二次側電圧理想値Vsを算出する必要がある。

0049

図7aは、最大電圧Vamaxを記録している地点が電源側に近い低圧電圧分布の例であり、図7bは、最小電圧Vaminを記録している地点が電源側に近い低圧電圧分布の例である。図7aの場合には、低圧電圧が下限電圧Vl以下になる地点よりも電源側に電圧調整器が新設設置される必要があり、図7bの場合には、低圧電圧が上限電圧Vu以上になる地点よりも電源側に電圧調整器が新設設置される必要がある。

0050

最大電圧Vamaxを記録している地点のほうが電圧調整器に近い図7aの事例の場合、最大電圧Vamaxが上限逸脱とならない範囲で電圧調整器の二次側電圧を高めで設定(従ってVamax=Vu)し、下限逸脱となった地点Plに電圧調整器を追加するものとする。なお図7aの事例は、Vamax=Vuに設定した状態の電圧分布を例示している。理想電圧Vs、補正量ΔVは、具体的には以下の(2)(3)式によって算出する。
[数2]
Vs=V+{(Vu×Tpmax/105)−Vamax} (2)
[数3]
ΔV=(Vu×Tpmax/105)−Vamax (3)
ここで、Vは現状の電圧調整器(変電所出口端に設置の電圧調整器)の二次側電圧、Vuは低圧電圧の上限値、Vamaxは低圧電圧の最大電圧、Tpmaxは低圧電圧の最大電圧Vamaxとなるノードの柱上変圧器タップ値である。

0051

一方、最小電圧Vaminを記録している地点のほうが電圧調整器に近い図7bの事例の場合は、最小電圧Vaminが下限逸脱とならない範囲で電圧調整器の二次側電圧を低めに設定(従ってVamin=Vl)し、上限逸脱となった地点に電圧調整器を追加する。なお図7bの事例は、Vamin=Vlに設定した状態の電圧分布を例示している。理想電圧Vs、補正量ΔVは、具体的には以下の(4)(5)式によって算出する。
[数4]
Vs=V+{(Vl×Tpmin/105)−Vamin} (4)
[数5]
ΔV=(Vl×Tpmin/105)−Vamin (5)
ここで、Vlは低圧電圧の下限値、Vaminは低圧電圧の最小電圧、Tpminは低圧電圧の最小電圧Vaminとなるノードの柱上変圧器タップ値である。

0052

次に、処理ステップS5では、電圧調整器二次側電圧(変電所出口端に設置の電圧調整器の二次側電圧)を理想電圧としたときの電圧を算出するために、各時間断面の各ノードの電圧計算結果に基づく到達電圧をΔVだけ補正する。補正した電圧を24時間の全時間断面で重ねると、理想電圧としても電圧逸脱が発生する電柱が確認できる。電圧逸脱が発生するノードのうち、最も電源側の地点に電圧調整器を追加する。

0053

例えば夜間運用の特性を意味している図7aの低圧電圧分布例では地点Plが電圧調整器の追加設置点として推奨され、また太陽光発電を用いる昼間運用の特性を意味している図7bの低圧電圧分布例では地点Plが電圧調整器の追加設置点として推奨されているとした場合には、24時間の全時間断面で重ねた電圧逸脱が発生するノードのうち、最も電源側の地点である図7aの地点Plに電圧調整器を追加設置することとする。

0054

次に、処理ステップS6では、追加した電圧調整器についても同様に処理ステップS2〜処理ステップS5を繰り返して、タップ変更、理想電圧Vsおよび補正量ΔVの算出、解析結果の補正、電圧調整器の追加検討を実施し、系統末端における電圧逸脱が解消されるまで柱上変圧器タップの変更と電圧調整器追加を実施する。なおこの場合には、追加した電圧調整器の位置を変電所出口端とみなして後段側の電圧分布を再検討することになる。そのうえで電圧逸脱が解消される系統構成となったら、分岐先にそれぞれ設置されている電圧調整器を分岐手前集約できるか検討し、可能な限り台数の最小化を実施して電圧調整器の必要台数を決定する。このときの配置を最適配置として記録する。処理ステップS6までで電圧調整器設置台数の最小化は実現できたため、各電圧調整器を最大限活用することによる電圧余裕最大化を実現する。

0055

次に、処理ステップS7では、電圧調整器を有効に活用できていないケースに該当していないかを検討する。そのため、具体的には低圧電圧の上下限値Vu、Vlを狭めて、処理ステップS1〜処理ステップS6を実施する。

0056

ここで、電圧調整器を有効に活用できていないケースとは、電源側から直列に順次接続された電圧調整器ごとに電圧管理対象範囲内の電圧余裕にばらつきがあるケースである。特に末端付近に設置された電圧調整器は電圧管理対象範囲が狭いため、他の電圧調整器よりも電圧余裕が大きくなっていることが想定される。これを解消するためには、上下限値を狭めて電圧調整器を全て撤去したと同じ状態を仮に想定し、ここから再度最適配置を検討し、電圧余裕の小さかった電圧調整器の電圧余裕を大きくすることを検討する。

0057

この手法によれば、上下限を狭めることで条件が厳しくなり、電圧調整器の設置位置は電源側に移動する。電圧調整器の設置位置を算出したら、分岐先の電圧調整器の集約を実施して設置台数を最小化し、電圧調整器の設置台数を決定する。このとき、処理ステップS6で求めた電圧調整器の必要台数を超過していない場合、設置台数の最小化を実現しながら電圧余裕を拡大できたため、電圧調整器の最適配置を更新する。上下限値を狭めていくと、電圧調整器の設置台数が先に求めた必要台数を超過するため、必要台数を超過しない範囲で最も上下限値を狭めたときの配置を最適配置とする。

0058

処理ステップS7までで電圧調整器設置台数の最小化および各電圧調整器を最大限活用することによる電圧余裕最大化は実現できたため、この系統構成に対する各電圧調整器の最適整定値を求める。

0059

次に、処理ステップS8で、各電圧調整器の理想電圧を算出する。ここでの理想電圧は処理ステップS4で求めたときと異なり、電圧逸脱が発生しない系統に対するものであるため、電圧余裕が最大となる送出電圧を求める。

0060

ここでの処理の考え方について図8a図8b図8cを用いて説明する。まず図8aは電圧逸脱が発生しない系統における低圧電圧の分布例を示している。電圧調整器SVRの二次側電圧は低下傾向を示す電圧分布例を示しており、途中で柱上変圧器のタップが6750タップから6600タップに変更され、後段における電圧が上がっている事例である。但し、いずれの地点においても低圧電圧は上下限電圧Vu、Vlの範囲内に収まっている。電圧調整器SVRの二次側電圧は、解析時の電圧調整器の送出電圧Vである。このときに、柱上変圧器設置点における低圧電圧と上下限電圧Vu、Vlとの差が、それぞれVdu、Vdlであったとする。この関係は、Vdu<Vdlであり、明らかに下限側の余裕が大きく、上限側の余裕が少ないことが理解できる。

0061

図8bは、柱上変圧器設置点における低圧電圧と上下限電圧Vu、Vlとの差について、Vdu=Vdlとしたものであり、上下限とも余裕が同じ状態を示している。係る状態を実現する電圧調整器の送出電圧のことを理想電圧Vsということにする。図8cは、高圧電圧側の状態を示している。

0062

以下においては、タップ数も考慮の上で図8bの関係を実現するための具体手法について説明する。処理ステップS8では、理想電圧Vsを以下の(6)(7)(8)式を用いて算出する。ここで理想電圧Vsとは、電圧管理対象範囲の全電柱の中から低圧換算電圧の最大電圧Vamaxと最小電圧Vaminを抽出し、上限値Vuと下限値Vlに対する電圧余裕が等しくなる、すなわち系統全体として上下限への電圧余裕が最大となるような送出電圧のことである。
[数6]
Vs=V+(Vdu−Vdl)/2 (6)
[数7]
Vdu=(Vu×Tpa/105)−Va (7)
[数8]
Vdl=Vb−(Vl×Tpb/105) (8)
ここで、Vsは電圧調整器の理想電圧、Vは解析時の電圧調整器の送出電圧、Vduは上限に対する電圧余裕、Vdlは下限に対する電圧余裕、Vuは低圧での上限値、Vaは電圧管理対象範囲内で低圧換算電圧が最大電圧となった電柱aの高圧電圧、Tpaは電柱aの柱上変圧器タップ値、Vlは低圧での下限値、Vbは電圧管理対象範囲内で低圧換算電圧が最小電圧となった電柱bの高圧電圧、Tpbは電柱bの柱上変圧器タップ値である。

0063

このとき、理想電圧Vsに対する電圧補正量ΔVは以下の式で算出する。
[数9]
ΔV=Vs−V=(Vdu−Vdl)/2 (9)
次に、処理ステップS9で各時間断面の各電柱の電圧計算結果に基づく到達電圧をΔVだけ補正し、上下限への電圧余裕が最大となったときの各ノードの到達電圧を算出する。本検討は時系列の電圧解析結果を用いるため、nケースの電圧解析結果がある場合はnケースの補正量ΔVおよび各電柱の解析による到達電圧をΔVだけ補正する処理を実施する。

0064

上記までの処理において、電圧余裕を最大化したが、次の段階ではさらに配電線路における電圧降下補償機能を実現する。例えば変電所出口端の電圧調整器は二次側電圧一定制御を実施しているが、この場合の二次側電圧とは、配電線路における仮想点(負荷中心点)の電圧である。処理ステップS10、S11では、配電線路における電圧降下補償機能を実現する。

0065

このために処理ステップS10では、まず電圧調整器二次側電圧が理想電圧であるときの複数時間断面の電圧カーブにおいて、全時間帯を通じて到達電圧の変化が小さいノードを求める。具体的には、ノードごとに到達電圧の最大値最小値を抽出し、その差分を算出する。

0066

ここで、実系統において電圧調整器からのインピーダンスがR、リアクタンスがXとなる地点を負荷中心点とすると、電圧調整器はLDC整定値で設定されたインピーダンスRとリアクタンスXを用いて内部で仮想配電線を模擬し、電圧調整器の通過有効電力・無効電力から負荷中心点までの電圧降下量を算出する。負荷中心点の到達電圧が設定された基準電圧となるように、想定した電圧降下量に基づいて電圧調整器のタップ値を変更することで適切な電圧調整を実現する。

0067

この場合に、到達電圧の最大値と最小値の差分が小さいノードを負荷中心点として、電圧調整器から負荷中心点までのインピーダンスおよびリアクタンス、到達電圧から電圧調整器の整定値を算出すべきであるが、負荷中心点は電圧調整器の通過有効電力・無効電力との差が小さい地点から抽出する必要がある。負荷中心点を分岐線から抽出すると、電圧調整器から負荷中心点までの間で通過有効電力、無効電力が大きく変化する可能性がある。電圧調整器が想定する電圧降下量は、電圧調整器の通過有効電力・無効電力が負荷中心点まで流れたときの電圧降下量である。そのため、負荷中心点までの間で有効電力・無効電力が小さくなると、想定した電圧降下量と実際の電圧降下量が乖離し、電圧調整器のタップ動作によって電圧が悪化する恐れがある。

0068

そのため、幹線と定義したルートの中から到達電圧の最大値と最小値の差分が最小となるノードを負荷中心点とする。幹線の定義としては、幹線は太めの配電線が使用されてリアクタンスが大きくなることを考慮して、電圧調整器より末端側の系統について末端ノードを抽出して電圧調整器からのリアクタンスを算出し、電圧調整器からリアクタンスが最大となった電柱までのルートを幹線とする手法がある。

0069

次に、処理ステップS11では、電圧調整器から負荷中心点までのインピーダンスからLDCのR成分、電圧調整器から負荷中心点までのリアクタンスからLDCのX成分、負荷中心点の全期間の到達電圧の平均値または負荷中心点の全期間の到達電圧の最大電圧と最小電圧の中間値から基準電圧を最適整定値として算出する。

0070

このとき、横軸を亘長、縦軸を電圧として幹線の各電柱の到達電圧の最大電圧と最小電圧をグラフ化すると、負荷中心点の抽出結果をグラフ上で確認できる。負荷中心点までのインピーダンスとリアクタンスおよび到達電圧の平均値または最大電圧と最小電圧の中間値をグラフ上に表記することで、運用者が複数時間断面の解析結果に基づく整定値の算出過程を確認することが容易となる。

0071

図9は上記のようにして求める負荷中心点の概念を示した図である。左側の高圧電圧分布例に対して右側の図は、複数の高圧電圧分布例で定まる最大電圧と最小電圧の差分を亘長上の各点ごとに求めてプロットしている。最大電圧と最小電圧の差分が最小となる点を負荷中心点として、変電所出口端の電圧調整器において配電線路における電圧降下補償機能を行う考え方が示されている。

0072

実施例1では、配電線路上に電圧調整器を新規追加する方向での検討について説明した。これに対し、実施例2では既に設置されている電圧調整器についてその必要性の判定あるいは各種聖定を最適化するための手法について説明する。

0073

図10は、本発明の実施例2に係る既存の電圧調整器の要否判定による柱上変圧器タップ値、電圧調整器の最適配置および最適整定値計算アルゴリズムを示すフローチャートである。この図に示す系統最適化計算装置10の計算処理内容について説明する。図には、配電系統内のセンサの電圧計測データと各時間の潮流計算結果を基に、柱上変圧器タップ値および電圧調整器の最適整定値を決定する手順の例を示している。

0074

実施例2の説明の前提として、対象とする配電系統には変電所出口端の電圧調整器以外に配電線路上にも1台以上の電圧調整器を備えている。図11図12は縦軸に配電線路の低圧電圧、横軸に配電線路の亘長を示しているが、変電所出口端の電圧調整器SVR1と配電線路上の電圧調整器SVR2を備えている。ここでは、配電線路上の電圧調整器SVR2が撤去可能か否か、図11は撤去可能な事例、図12は撤去不可能な事例を示している。

0075

以下、図10のフローチャート処理の流れを説明する。なお処理ステップS1、S2およびS3´の途中までの処理は、図3と同じであるので、簡便に説明する。

0076

最初の処理ステップS1では、処理に必要なデータ読み込みを行う。分析対象とする期間を決め(例えば、過去1週間など、ユーザが指定してもよい)、対象期間の各時間について潮流計算を実施するのに必要な系統内の計測データおよび系統データを取得し、要否判定対象とする電圧調整器を撤去した系統における複数時間断面の潮流計算を実施する。

0077

処理ステップS2では、複数時間断面の電圧解析結果に基づいて、柱上変圧器タップを用いて各ノードの低圧換算電圧を算出し、その平均値を算出する。

0078

処理ステップS3´では、低圧換算電圧の平均値の中から最大電圧と最小電圧を抽出する。低圧換算電圧の最大電圧と最小電圧の差が、上限値と下限値の差よりも大きい場合、電圧調整器の送出電圧をどのように調整しても電圧逸脱が発生してしまう。そこで、柱上変圧器タップを適切に設定することで逸脱を解消できるか確認する。

0079

このとき、タップを変更する柱上変圧器を最小化するためには、各電圧調整器が電圧管理を担当する区間において、低圧換算電圧が他の電柱と乖離している電柱の柱上変圧器タップを優先的に変更することが望ましい。柱上変圧器タップが適切でない電柱は、常に他の電柱よりも低圧換算電圧が高めまたは低めの傾向が現れる。そこで、低圧換算電圧の時系列データから、各電柱の低圧換算電圧の平均値Vaおよび電圧管理区間の低圧換算電圧の平均値Vbを算出する。各電柱においてVaとVbの差の絶対値を乖離度|ΔVa|として算出し、|ΔVa|が最大となる電柱から優先的に柱上変圧器タップを変更する。変更後のタップ値については、Va−Vbが0より大きい、すなわち区間内の平均電圧より高めの場合はタップを上げ、Va−Vbが0より小さい、すなわち区間内の平均電圧より低めの場合はタップを下げる。電圧管理範囲における低圧換算電圧の最大電圧と最小電圧の差をVdとすると、柱上変圧器タップを変更することでVdが小さくなる。Vdが目標値Vd’より小さくなる、または柱上変圧器タップ変更数があらかじめ設定した上限数に到達した時点で柱上変圧器タップの変更を終了する。

0080

図10のフローチャートにおけるここまでの処理は、図3のフローチャートの処理と基本的に同じである。図10のフローチャートの処理ステップS3´では、さらに以下の処理を実行する。

0081

図10のフローチャートの処理ステップS3´では、目標値Vd’は上限値と下限値の差よりも小さい値とする。柱上変圧器タップ変更数が上限に到達してもVdがVd’よりも大きい場合は、柱上変圧器タップを変更しても電圧逸脱を解消できないため電圧調整器が必要となり、要否判定対象の電圧調整器は必要と判定する。Vdが目標値Vd’より小さくなった場合は、要否判定対象の電圧調整器を不要と判定する。

0082

図11は、最大電圧と最小電圧の差Vdが目標値Vd’より大きいので撤去可能と判断される事例であり、図12は最大電圧と最小電圧の差Vdが目標値Vd’より小さいので撤去不可能な事例を示している。図11では電圧調整器SVR2を撤去しても低圧電圧は上下限値の範囲内に収まるが、図12では電圧調整器SVR2を撤去すると低圧電圧は上下限値の範囲内に収まらない状態となる。

0083

次に、処理ステップS14では、複数電圧調整器を撤去した図11のケースについて処理ステップS1〜処理ステップS3を繰り返し、必要と判定する電圧調整器台数が最小となる配置ケースを抽出する。設置台数が最小となるが配置ケースが複数存在する場合、各ケースで各電圧調整器を理想電圧としたときの電圧余裕の最小値を求め、電圧余裕の最小値が最も大きい、すなわち電圧余裕を最も大きくすることのできる配置ケースを要否判定結果の最適配置とする。

0084

図10のフローにおける以後の処理は、基本的に図3のフローの処理ステップS8からS11と同じである。

0085

処理ステップS8では、要否判定結果が要である図11のケースの最適配置の系統構成において、電圧余裕が最大となるような各電圧調整器の理想電圧を算出する。電圧管理対象範囲の全電柱の中から低圧換算電圧の最大電圧と最小電圧を抽出し、上限値と下限値に対する電圧余裕が等しくなる、すなわち系統全体として上下限への電圧余裕が最大となるような送出電圧を理想電圧Vsを算出する。理想電圧Vsは、図3のフローの処理ステップS8における(6)(7)(8)式で算出する。

0086

またこのとき、理想電圧に対する電圧補正量ΔVは、図3のフローの処理ステップS8における(9)式で算出する。

0087

次に、処理ステップS9で各時間断面の各電柱の電圧計算結果に基づく到達電圧をΔVだけ補正し、上下限への電圧余裕が最大となったときの各ノードの到達電圧を算出する。本検討は時系列の電圧解析結果を用いるため、nケースの電圧解析結果がある場合はnケースの補正量ΔVおよび各電柱の解析による到達電圧をΔVだけ補正する処理を実施する。

0088

上記までの処理において、電圧余裕を最大化したが、次の段階ではさらに配電線路における電圧降下補償機能を実現する。例えば変電所出口端の電圧調整器は二次側電圧一定制御を実施しているが、この場合の二次側電圧とは、配電線路における仮想点(負荷中心点)の電圧である。処理ステップS10、S11では、配電線路における電圧降下補償機能を実現する。

0089

このために処理ステップS10では、まず電圧調整器二次側電圧が理想電圧であるときの複数時間断面の電圧カーブにおいて、全時間帯を通じて到達電圧の変化が小さいノードを求める。具体的には、ノードごとに到達電圧の最大値と最小値を抽出し、その差分を算出する。

0090

ここで、実系統において電圧調整器からのインピーダンスがR、リアクタンスがXとなる地点を負荷中心点とすると、電圧調整器はLDC整定値で設定されたインピーダンスRとリアクタンスXを用いて内部で仮想配電線を模擬し、電圧調整器の通過有効電力・無効電力から負荷中心点までの電圧降下量を算出する。負荷中心点の到達電圧が設定された基準電圧となるように、想定した電圧降下量に基づいて電圧調整器のタップ値を変更することで適切な電圧調整を実現する。

0091

この場合に、到達電圧の最大値と最小値の差分が小さいノードを負荷中心点として、電圧調整器から負荷中心点までのインピーダンスおよびリアクタンス、到達電圧から電圧調整器の整定値を算出すべきであるが、負荷中心点は電圧調整器の通過有効電力・無効電力との差が小さい地点から抽出する必要がある。負荷中心点を分岐線から抽出すると、電圧調整器から負荷中心点までの間で通過有効電力、無効電力が大きく変化する可能性がある。電圧調整器が想定する電圧降下量は、電圧調整器の通過有効電力・無効電力が負荷中心点まで流れたときの電圧降下量である。そのため、負荷中心点までの間で有効電力・無効電力が小さくなると、想定した電圧降下量と実際の電圧降下量が乖離し、電圧調整器のタップ動作によって電圧が悪化する恐れがある。

0092

そのため、幹線と定義したルートの中から到達電圧の最大値と最小値の差分が最小となるノードを負荷中心点とする。幹線の定義としては、幹線は太めの配電線が使用されてリアクタンスが大きくなることを考慮して、電圧調整器より末端側の系統について末端ノードを抽出して電圧調整器からのリアクタンスを算出し、電圧調整器からリアクタンスが最大となった電柱までのルートを幹線とする手法がある。

0093

次に、処理ステップS11では、電圧調整器から負荷中心点までのインピーダンスからLDCのR成分、電圧調整器から負荷中心点までのリアクタンスからLDCのX成分、負荷中心点の全期間の到達電圧の平均値または負荷中心点の全期間の到達電圧の最大電圧と最小電圧の中間値から基準電圧を最適整定値として算出する。

0094

このとき、横軸を亘長、縦軸を電圧として幹線の各電柱の到達電圧の最大電圧と最小電圧をグラフ化すると、負荷中心点の抽出結果をグラフ上で確認できる。負荷中心点までのインピーダンスとリアクタンスおよび到達電圧の平均値または最大電圧と最小電圧の中間値をグラフ上に表記することで、運用者が複数時間断面の解析結果に基づく整定値の算出過程を確認することが容易となる。

0095

以上説明した本発明及びその実施例は、多くの特徴を有している。その主要点を概略すると、以下のようである。

0096

第1に本発明及びその実施例はその一面において、配電系統の各時間の電気量の計測値を格納する計測データベースと、潮流計算によって配電系統の電圧を算出する計算装置と、配電系統の複数時間断面の電圧解析結果を格納するデータベースと、既存の電圧調整器の設置位置や柱上変圧器のタップ値を格納する設備データベースと、最適な柱上変圧器のタップ値と電圧調整器の整定値と電圧調整器の配置を算出する最適計算装置を有し、最適な柱上変圧器のタップ値と電圧調整器の整定値と配置は配電系統の電圧解析結果から計算する。

0097

また第2に、本発明及びその実施例は他の一面において、柱上変圧器のタップ変更と組み合わせることで電圧調整器の新設・移設を少なくする電圧調整器の整定値を求める。

0098

また第3に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の整定値を、分析対象期間において配電系統の分析対象ノードの電圧上下限値範囲内となるような電圧自動調整器の出力電圧理想値を決定し、電圧調整器の通過負荷との差が小さくなるように幹線と定義したルート上において、複数時間断面における到達電圧の最大値と最小値の差が最小となる地点を負荷中心点として抽出し、電圧調整器の整定値として電圧調整器から負荷中心点までの配電線のインピーダンスとリアクタンスから線電圧降下補償装置LDC、負荷中心点の到達電圧から基準電圧を求める。

0099

また第4に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の整定値算出結果を二次元グラフ上で確認できる手法によって求める。

0100

また第5に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の配置を柱上変圧のタップ変更と組み合わせて電圧調整器の設置台数を最小化する。

0101

また第6に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の配置と柱上変圧のタップ変更が実施された系統における電圧調整器の最適整定値を同時に求める。

0102

また第7に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の配置において、配電系統の分析対象ノードの電圧上下限値範囲内に収めることが可能であるかによって系統に既に設置されている電圧調整器の要否を判定して設置台数を最小化し、不要と判定したSVRを撤去した系統における電圧調整器の最適整定値を同時に求める。

実施例

0103

また第8に、本発明及びその実施例は他の一面において、電圧調整器の配置における電圧調整器の要否判定において、設置台数を最小化して、かつ上下限値に対する電圧余裕を最大とする配置を求める。

0104

10:系統最適化計算装置
100:配電系統
110:配電変電所
120:ノード(母線)
140:配電線路
150:負荷
130:発電機
170:センサ
180:通信端局
190:通信ネットワーク
300:電圧調整器
310:タップ制御装置

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