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技術 内燃機関用の点火コイル及びその製造方法

出願人 株式会社デンソー
発明者 小西敦之
出願日 2016年7月21日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-143275
公開日 2018年1月25日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-014416
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の点火装置 変成器又はリアクトル一般
主要キーワード ターミナルコネクタ 外側ケース体 連結辺 収容部品 矩形柱状 高電圧出力端子 モジュール体 螺合孔
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月25日)のものです。
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図面 (14)

課題

ケース内充填樹脂クラックが生じることを防止できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を抑制できる内燃機関用点火コイル及びその製造方法を提供すること。

解決手段

第1の充填樹脂14は二次スプール16及び二次コイル12を少なくとも外周側から覆うように配されている。第2の充填樹脂15は、ケース3内に充填され、一次コイル11、二次スプール16、二次コイル12、中心コア13、外周コア2、及び第1の充填樹脂14を有する被封止部5を封止する。コネクタ4はケース3の外側に向かって突出している。ケース3は被固定部331を有する。第2の充填樹脂15は外周コア2を覆っている。第2の充填樹脂15は第1の充填樹脂14よりも低い弾性率を有する。点火コイル1は、ケース3内に、第1の充填樹脂14を充填し、該第1の充填樹脂14を硬化させた後に第2の充填樹脂15を充填することにより製造する。

概要

背景

内燃機関用点火コイルとして、互いに磁気結合された一次コイル及び二次コイルと、金属製のコアと、これらを収容するケースと、点火コイルを外部機器に接続するためのコネクタとを有するものがある。ケースには、ケースの外側に向かって突出形成された被固定部が設けられている。点火コイルは、上記被固定部において、内燃機関に固定される。また、点火コイルは、ケース内充填樹脂充填されており、一次コイル、二次コイル等の点火コイルの構成部品がケース内において封止されている。

特許文献1に記載の点火コイルは、ケース内の二次コイルの周囲に充填する充填樹脂と、ケース内におけるその他の領域に充填する充填樹脂とを、異なる充填樹脂としている。具体的には、二次コイル周囲の充填樹脂を、その他の領域に充填する充填樹脂よりも軟らかいものとしている。これにより、二次コイル周辺において、冷熱ストレスに起因して充填樹脂にクラックが生じることを防止しようとしている。
なお、特許文献1に記載の点火コイルは、コアの周囲に、硬い充填樹脂が充填されている。また、軟らかい充填樹脂は、硬い充填樹脂に内包されるよう配されている。

概要

ケース内の充填樹脂にクラックが生じることを防止できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を抑制できる内燃機関用の点火コイル及びその製造方法を提供すること。第1の充填樹脂14は二次スプール16及び二次コイル12を少なくとも外周側から覆うように配されている。第2の充填樹脂15は、ケース3内に充填され、一次コイル11、二次スプール16、二次コイル12、中心コア13、外周コア2、及び第1の充填樹脂14を有する被封止部5を封止する。コネクタ4はケース3の外側に向かって突出している。ケース3は被固定部331を有する。第2の充填樹脂15は外周コア2を覆っている。第2の充填樹脂15は第1の充填樹脂14よりも低い弾性率を有する。点火コイル1は、ケース3内に、第1の充填樹脂14を充填し、該第1の充填樹脂14を硬化させた後に第2の充填樹脂15を充填することにより製造する。

目的

以上のごとく、上記態様によれば、ケース内の充填樹脂にクラックが生じることを抑制できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を低減できる内燃機関用の点火コイル及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一次コイル(11)と、該一次コイルの外周側に配された二次スプール(16)に巻回された二次コイル(12)と、上記一次コイル及び上記二次コイルの内周側に配された中心コア(13)と、上記一次コイル及び上記二次コイルの外周側に配された外周コア(2)と、上記二次コイルから外部へ電圧を出力する、導電性を有する高電圧出力部(19)と、上記一次コイル、上記二次コイル、上記二次スプール、上記中心コア、上記外周コア、及び上記高電圧出力部を収容するケース(3)と、該ケース内の一部の領域に充填され、上記二次スプールに巻かれた上記二次コイルを少なくとも外周側から覆うように配された第1の充填樹脂(14)と、上記ケース内に充填され、上記一次コイル、上記二次スプール、上記二次コイル、上記中心コア、上記外周コア、及び上記第1の充填樹脂を有する被封止部(5)を封止する第2の充填樹脂(15)と、上記ケースの外側に向かって突出したコネクタ(4)と、を有し、上記ケースは、内燃機関に対して固定される被固定部(331)を有し、上記第2の充填樹脂は、上記外周コアを覆っており、かつ、上記第1の充填樹脂よりも低い弾性率を有する、内燃機関用点火コイル(1)。

請求項2

上記ケースは、上記被固定部を設けた側と異なる側に向かって開口した開口部(30)を有し、上記第2の充填樹脂は、上記開口部から上記ケースの外側に向かって露出した露出面(151)を有し、上記コネクタは、上記露出面から突出している、請求項1に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項3

上記露出面は、上記コネクタの全周に形成されている、請求項2に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項4

上記一次コイルを巻回する一次スプール(119)を更に有し、上記コネクタと上記一次スプールとは、一体的に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項5

上記コネクタは、上記ケースにおける上記被固定部が設けられた側と反対側に突出している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項6

上記第2の充填樹脂と上記第1の充填樹脂とは、熱硬化性樹脂と該熱硬化性樹脂よりも線膨張係数が小さいフィラーとを含有しており、上記第2の充填樹脂における上記フィラーの含有率は、上記第1の充填樹脂における上記フィラーの含有率よりも低い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項7

上記ケースは、該ケース内の収容部品を、下側から覆う第一ケース(31)と、上記二次スプール、上記二次コイル、及び上記第1の充填樹脂を、上記第一ケースの一部とともに収容する第二ケース(32)と、上記一次コイル、上記二次スプール、上記二次コイル、上記第1の充填樹脂、上記中心コア、上記外周コア、及び上記第2の充填樹脂を、上記第一ケースとともに収容する第三ケース(33)と、を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項8

上記第三ケースに、上記被固定部が形成されており、上記第三ケースと上記被封止部とは、互いに離間しており、上記第三ケースと上記被封止部との間には、上記第2の充填樹脂が配されている、請求項7に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項9

上記高電圧出力部は、金属からなる高電圧出力端子であり、かつ、上記ケースに設けられた、該ケース内外に貫通する開口穴(312)を覆っている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイル。

請求項10

請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関用の点火コイルを製造する方法であって、上記ケース内に、上記第1の充填樹脂を充填し、該第1の充填樹脂を硬化させた後に、上記第2の充填樹脂を充填する、内燃機関用の点火コイルの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関用点火コイル及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

内燃機関用の点火コイルとして、互いに磁気結合された一次コイル及び二次コイルと、金属製のコアと、これらを収容するケースと、点火コイルを外部機器に接続するためのコネクタとを有するものがある。ケースには、ケースの外側に向かって突出形成された被固定部が設けられている。点火コイルは、上記被固定部において、内燃機関に固定される。また、点火コイルは、ケース内充填樹脂充填されており、一次コイル、二次コイル等の点火コイルの構成部品がケース内において封止されている。

0003

特許文献1に記載の点火コイルは、ケース内の二次コイルの周囲に充填する充填樹脂と、ケース内におけるその他の領域に充填する充填樹脂とを、異なる充填樹脂としている。具体的には、二次コイル周囲の充填樹脂を、その他の領域に充填する充填樹脂よりも軟らかいものとしている。これにより、二次コイル周辺において、冷熱ストレスに起因して充填樹脂にクラックが生じることを防止しようとしている。
なお、特許文献1に記載の点火コイルは、コアの周囲に、硬い充填樹脂が充填されている。また、軟らかい充填樹脂は、硬い充填樹脂に内包されるよう配されている。

先行技術

0004

特開2014−96473号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の点火コイルにおいては、コア周辺に硬い充填樹脂を充填しているため、コア周辺の充填樹脂に、冷熱に起因したクラックが生じることが懸念される。コアは、充填樹脂と比べて線膨張係数が小さくなりやすく、かつ、二次コイルに比べて剛性が高い。そのため、二次コイルから充填樹脂に作用する熱応力よりも、コアから充填樹脂に作用する熱応力の方が大きくなりやすい。そのため、二次コイル周囲よりもむしろ、コア周囲において、充填樹脂のクラックが懸念される。

0006

また、特許文献1に記載の点火コイルにおいては、軟らかい充填樹脂が硬い充填樹脂に内包されるよう配されている。それゆえ、充填樹脂を含む、ケース内に収容された部品と、ケースとからなる構造体は、強固に形成される。これに伴い、点火コイルを被固定部において内燃機関に固定した場合において、内燃機関の振動が、被固定部からコネクタに伝わりやすくなってしまう。コネクタの振動が大きくなってしまうと、該コネクタと、該コネクタに接続される外部機器との間の電気的接続への影響が懸念される。

0007

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ケース内の充填樹脂にクラックが生じることを抑制できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を低減できる内燃機関用の点火コイル及びその製造方法を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様は、一次コイル(11)と、
該一次コイルの外周側に配された二次スプール(16)に巻回された二次コイル(12)と、
上記一次コイル及び上記二次コイルの内周側に配された中心コア(13)と、
上記一次コイル及び上記二次コイルの外周側に配された外周コア(2)と、
上記二次コイルから外部へ電圧を出力する、導電性を有する高電圧出力部(19)と、
上記一次コイル、上記二次コイル、上記二次スプール、上記中心コア、上記外周コア、及び上記高電圧出力部を収容するケース(3)と、
該ケース内の一部の領域に充填され、上記二次スプールに巻かれた上記二次コイルを少なくとも外周側から覆うように配された第1の充填樹脂(14)と、
上記ケース内に充填され、上記一次コイル、上記二次スプール、上記二次コイル、上記中心コア、上記外周コア、及び上記第1の充填樹脂を有する被封止部(5)を封止する第2の充填樹脂(15)と、
上記ケースの外側に向かって突出したコネクタ(4)と、を有し、
上記ケースは、内燃機関に対して固定される被固定部(331)を有し、
上記第2の充填樹脂は、上記外周コアを覆っており、かつ、上記第1の充填樹脂よりも低い弾性率を有する、内燃機関用の点火コイル(1)にある。

0009

本発明の他の態様は、上記内燃機関用の点火コイルを製造する方法であって、
上記ケース内に、上記第1の充填樹脂を充填し、該第1の充填樹脂を硬化させた後に、上記第2の充填樹脂を充填する、内燃機関用の点火コイルの製造方法にある。

発明の効果

0010

上記内燃機関用の点火コイルにおいては、第2の充填樹脂が、外周コアを含む上記被封止部を封止している。そして、外周コアに密着した充填樹脂は、第2の充填樹脂である。第2の充填樹脂は、弾性率が第1の充填樹脂よりも低い。それゆえ、第2の充填樹脂が変形することにより、第2の充填樹脂と外周コアとの線膨張係数差に起因した熱応力を吸収することができる。それゆえ、熱応力の発生が懸念されやすい外周コアの周囲において、充填樹脂にクラックが発生することを抑制することができる。

0011

また、第2の充填樹脂は、第1の充填樹脂を含む上記被封止部を封止している。それゆえ、第2の充填樹脂及び第1の充填樹脂を含む、ケース内に収容された部品と、ケースとからなる構造体は、ある程度軟らかく形成される。そのため、点火コイルを被固定部において内燃機関に固定した場合であっても、内燃機関の振動は、被固定部からコネクタに伝わり難い。すなわち、ケース内に収容された部品とケースとからなる構造体は、ある程度軟らかく形成されるため、上記振動は、被固定部からコネクタへ向かうにつれて減衰する。

0012

また、二次スプールに巻回された二次コイルの外周側の領域には、ケース内の他の領域とは異なる樹脂を充填している。それゆえ、二次スプールに巻回された二次コイルの周囲の第1の充填樹脂の種類の選択自由度を向上させることができる。これにより、例えば、高電圧となる二次コイルの周囲の領域に配する樹脂を、ケース内における他の領域に配する樹脂よりも、絶縁性の高い材料としたりすることができる。このように、二次コイル周辺には、用途に応じた樹脂を充填することができる。

0013

また、上記内燃機関用の点火コイルの製造方法においては、ケース内に第1の充填樹脂を充填し、該第1の充填樹脂を硬化させた後に、第2の充填樹脂を充填する。それゆえ、第1の充填樹脂の硬化時に、第1の充填樹脂が第2の充填樹脂から熱応力を受けて第1の充填樹脂の硬化後に第1の充填樹脂に残留歪みが生じることを防止することができる。

0014

以上のごとく、上記態様によれば、ケース内の充填樹脂にクラックが生じることを抑制できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を低減できる内燃機関用の点火コイル及びその製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

図面の簡単な説明

0015

実施形態1における、内燃機関用の点火コイルの断面図。
図1の、II−II線矢視断面図相当の図。
図1の、III−III線矢視断面図相当の図。
実施形態1における、点火コイルを内燃機関に取り付けた取り付け構造を示す断面図。
実施形態1における、点火コイルの製造方法を説明するための断面図であって、内側ケース体内に第1の充填樹脂を充填する直前の状態を示す図。
実施形態1における、点火コイルの製造方法を説明するための断面図であって、内側ケース体内に第1の充填樹脂を充填した直後の状態を示す図。
実施形態1における、点火コイルの製造方法を説明するための断面図であって、ケース内に第2の充填樹脂を充填する直前の状態を示す図。
実施形態2における、内燃機関用の点火コイルの断面図。
図8の、IX−IX線矢視断面図。
実施形態3における、内燃機関用の点火コイルの断面図。
実施形態4における、内燃機関用の点火コイルの断面図。
実施形態5における、内燃機関用の点火コイルの断面図。
実施形態6における、内燃機関用の点火コイルの断面図。

実施例

0016

(実施形態1)
内燃機関用の点火コイルの実施形態につき、図1図4を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル11と二次コイル12と中心コア13と外周コア2と高電圧出力部とケース3と第1の充填樹脂14と第2の充填樹脂15とコネクタ4とを有する。

0017

図1図2に示すごとく、二次コイル12は、一次コイル11の外周側に配された二次スプール16に巻回されている。中心コア13は、一次コイル11及び二次コイル12の内周側に配されている。外周コア2は、一次コイル11及び二次コイル12の外周側に配されている。高電圧出力部は、二次コイル12から外部へ電圧を出力する。さらに、高電圧出力部19は、導電性を有する。ケース3は、一次コイル11、二次コイル12、二次スプール16、中心コア13、外周コア2、及び高電圧出力部19を収容している。第1の充填樹脂14は、ケース3内の一部の領域に充填されている。また、第1の充填樹脂14は、二次スプール16に巻かれた二次コイル12を少なくとも外周側から覆うように配されている。第2の充填樹脂15は、ケース3内に充填され、被封止部5を封止する。被封止部5は、一次コイル11、二次スプール16、二次コイル12、中心コア13、外周コア2、及び第1の充填樹脂14を有する。コネクタ4は、ケース3の外側に向かって突出している。なお、本実施形態において、高電圧出力部は、金属からなる高電圧出力端子19である。以下において、高電圧出力部を、高電圧出力端子19という。

0018

図1図3図4に示すごとく、ケース3は、内燃機関に対して固定される被固定部331を有する。図1図2に示すごとく、第2の充填樹脂15は、外周コア2を覆っている。そして、第2の充填樹脂15は、第1の充填樹脂14よりも低い弾性率を有する。

0019

本実施形態において、第2の充填樹脂15と第1の充填樹脂14とは、熱硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂よりも線膨張係数が小さいフィラーとを含有している。第2の充填樹脂15におけるフィラーの含有率は、第1の充填樹脂14におけるフィラーの含有率よりも小さい。そして、第2の充填樹脂15と第1の充填樹脂14とは、フィラーの含有率を上述のように異ならせることにより、上述のように弾性率を異ならせている。本実施形態において、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であり、フィラーはシリカである。

0020

本実施形態の点火コイル1は、例えば、自動車コージェネレーション等の内燃機関に用いるものとすることができる。

0021

以下において、便宜上、一次コイル11及び二次コイル12の巻回軸方向を、前後方向Xという。また、前後方向Xに直交する方向を、上下方向Zという。また、前後方向Xと上下方向Zとの双方に直交する方向を、横方向Yという。前後方向Xの一方を前方、他方を後方という。上下方向Zの一方を上方、他方を下方ということもある。

0022

図1図2に示すごとく、ケース3は、第一ケース31と第二ケース32と第三ケース33とを有する。第一ケース31は、ケース3内の収容部品を下側から覆っている。第二ケース32は、二次スプール16、二次コイル12、高電圧出力部19及び第1の充填樹脂14を、第一ケース31の一部とともに収容する。第三ケース33は、一次コイル11、二次スプール16、二次コイル12、第1の充填樹脂14、中心コア13、外周コア2、及び第2の充填樹脂15を、第一ケース31とともに収容する。

0023

第一ケース31は、上下方向Zに直交する面方向に形成された底壁部311を有する。図1に示すごとく、ケース3には、ケース3内外に貫通する開口穴312が形成されている。開口穴312は、第一ケース31の底壁部311の中央部に、上下方向Zに貫通するよう形成されている。そして、第一ケース31は、開口穴312の周囲から下側に向かって突出形成された筒状の高圧タワー部313を有する。図1図2に示すごとく、底壁部311の上面には、内側嵌合凸部311a及び外側嵌合凸部311bが形成されている。内側嵌合凸部311aは、外側嵌合凸部311bの内側に形成されている。内側嵌合凸部311aは、底壁部311から上側に向かって突出形成されている。また、内側嵌合凸部311aは、第二ケース32を嵌合する。外側嵌合凸部311bは、底壁部311の端縁から上側に向かって突出形成されており、第三ケース33を嵌合する。

0024

第二ケース32は、対向第二ケース部321と側方第二ケース部322とを有する。対向第二ケース部321は、上下方向Zにおいて第一ケース31の底壁部311上面の中央部に対向している。図1に示すごとく、対向第二ケース部321は、一部が、開口穴312と上下方向Zに重なる位置に配されている。また、対向第二ケース部321は、前後方向Xに沿った辺及び横方向Yに沿った辺を有する矩形板状を呈している。側方第二ケース部322は、対向第二ケース部321における横方向Yの両端の辺と後端の辺との三辺から下方に向かって延設されている。図3に示すごとく、側方第二ケース部322は、上下方向Zに直交する断面の形状が、前方に向かって開口したU字状を呈している。図1図2に示すごとく、側方第二ケース部322の下端部には、第一ケース31の内側嵌合凸部311aに嵌合される内側嵌合凹部322aが形成されている。そして、第二ケース32は、内側嵌合凹部322aにおいて、第一ケース31の内側嵌合凸部311aに嵌合されている。

0025

図1図2に示すごとく、第三ケース33は、対向第三ケース部331と側方第三ケース部332とを有する。対向第三ケース部331は、上下方向Zにおいて第一ケース31の底壁部311上面の略全体に対向している。また、対向第三ケース部331は、前後方向Xに沿った辺及び横方向Yに沿った辺を有する矩形板状を呈している。側方第三ケース部332は、対向第三ケース部331における横方向Yの両端の辺と後端の辺との三辺から下方に向かって延設されている。図3に示すごとく、側方第三ケース部332は、上下方向Zに直交する断面の形状が、前方に向かって開口したU字状を呈している。図1図2に示すごとく、側方第三ケース部332の下端部には、第一ケース31の外側嵌合凸部311bに嵌合される外側嵌合凹部332bが形成されている。そして、第三ケース33は、外側嵌合凹部332bにおいて、第一ケース31の内側嵌合凸部311aに嵌合されている。

0026

なお、以下において、図1図3に示すごとく、側方第二ケース部322の一部であって、対向第二ケース部321の後端の辺から下側に向かって延設された壁部を後方第二ケース部323ということもある。側方第三ケース部332の一部であって、対向第三ケース部331の後端の辺から下側に向って延設された壁部を、後方第三ケース部333ということもある。

0027

図1図3に示すごとく、第三ケース33には、被固定部331が形成されている。被固定部331は、後方第三ケース部333から、後方に向かって突出するよう形成されている。被固定部331には、上下方向Zに貫通形成されたボルト挿通孔331aが形成されている。また、ボルト挿通孔331aには、金属を筒状に形成したブッシュ331bが嵌合されている。

0028

ここで、図4に示すごとく、本実施形態の点火コイル1は、高圧タワー部313をシリンダヘッド17のプラグホール170へ挿入するよう配されて使用される。シリンダヘッド17には、点火コイル1をボルト締結するためのボス部171が形成されている。そして、点火コイル1は、被固定部331のブッシュ331b内にボルトBを挿通するとともに、ボルトBをシリンダヘッド17の螺合孔螺合させることにより、シリンダヘッド17に締結固定される。なお、点火コイル1の第一ケース31とシリンダヘッド17との間には、ゴム製のシールラバー18が配される。これにより、点火コイル1とシリンダヘッド17との間がシールされる。

0029

図1に示すごとく、ケース3は、被固定部331を設けた側と異なる側に向かって開口した開口部30を有する。本実施形態において、ケース3は、被固定部331を設けた側と反対側に向かって開口した開口部30を有する。すなわち、本実施形態において、ケース3は、前方に向かって開口している。具体的には、ケース3の外形を構成する、第一ケース31と第三ケース33とからなる外側ケース体7が、開口部30を有する。なお、本実施形態において、第一ケース31と第二ケース32とからなる内側ケース体6も、前方に向かって開口した前方開口部60を有する。

0030

図1図3に示すごとく、内側ケース体6の内側に、二次スプール16が配されている。二次スプール16は、樹脂からなり、筒状に形成されている。二次スプール16の外周面に、二次コイル12が巻回されている。図1に示すごとく、二次スプール16は、その後端縁が、第二ケース32における環状凹部61に嵌合されている。環状凹部61は、後方第二ケース部323に、二次スプール16の後端縁が嵌合できるよう、環状に形成されている。

0031

図1図2に示すごとく、本実施形態においては、内側ケース体6の内側であって、二次スプール16及び二次コイル12の外周側に、第1の充填樹脂14が充填されている。第1の充填樹脂14によって、二次コイル12が封止されている。本実施形態において、第1の充填樹脂14は、二次スプール16の内周側には充填されていない。なお、図1に示すごとく、第一ケース31の開口穴312には、金属からなる高電圧出力端子19が嵌合されている。これにより、高電圧出力端子19は、開口穴312を覆っている。そして、第一ケース31の開口穴312が閉塞されて、開口穴312からケース3外に第1の充填樹脂14が漏出しないようになっている。図3において、第1の充填樹脂14は、外形線のみを図示している。

0032

図1図2に示すごとく、二次スプール16の内側には、一次コイル11が配されている。一次コイル11及び二次コイル12は、同心状に重なって配置されている。また、点火コイル1は、一次コイル11を巻回する一次スプール110を更に有する。コネクタ4と一次スプール110とは、一体的に形成されている。

0033

一次スプール110は、筒状に形成されている。図1に示すごとく、第二ケース32の後方第二ケース部323には、前後方向Xに貫通した貫通穴320が形成されている。そして、一次スプール110の後端部は、後方第二ケース部323の貫通穴320に挿入されて、貫通穴320から後方に突出している。

0034

コネクタ4には、例えば、点火コイル1を外部機器に電気接続するためのワイヤーハーネスターミナルコネクタが接続される。図1図3に示すごとく、コネクタ4は、ケース3における被固定部331が設けられた側と反対側に突出している。すなわち、コネクタ4は、前方に向かって突出している。

0035

コネクタ4は、コネクタハウジング41と複数の端子部材42とを有する。コネクタハウジング41は、樹脂製である。コネクタハウジング41は、筒状部411と延設部412とを有する。筒状部411は、前方に向かって突出形成され、筒状を呈している。また、筒状部411は、ケース3の外側に配されている。延設部412は、筒状部411からケース3の内側に向かって延設されている。延設部412には、端子部材42の一部が埋設されている。

0036

端子部材42は、延設部412から筒状部411の内側に向かって突出した外側端子と、延設部412からケース3内側に突出した内側端子とを有する。外側端子及び内側端子は、例えば、コネクタ4に接続されるワイヤーハーネス等を介して接地される接地端子外部電源と一次コイル11とを接続するための電源端子、又は後述するイグナイタ113にスイッチング信号伝送するための信号端子である。

0037

図3に示すごとく、コネクタ4と一次スプール110とは、連結部111によって連結されて一体的に形成されている。連結部111は、延設部412の後端から後方に延びるとともに、一次スプール110の前端から前方に延びている。コネクタハウジング41と一次スプール110と連結部111とは、樹脂によって一体成形されている。

0038

図1図2に示すごとく、一次スプール110の内側に、中心コア13が配されている。中心コア13は、軟磁性材料からなる平板状の鋼板を、その厚み方向に複数積層してなる。中心コア13は、全体として、前後方向Xに長尺な略矩形柱状を呈している。一次スプール110は、中心コア13を内側に配した状態でインサート成形されている。図1に示すごとく、中心コア13の前端面及び後端面は、一次スプール110から露出している。

0039

図1図3に示すごとく、中心コア13を、前後方向Xの両側及び横方向Yの両側から取り囲むように、外周コア2が配されている。図1図3に示すごとく、外周コア2は、中心コア13に対して前方から対向する前対向辺部21と、中心コア13に対して後方から対向する後対向辺部22とを有する。さらに、図3に示すごとく、外周コア2は、前対向辺部21及び後対向辺部22の横方向Yの両側の端部同士を連結するとともに、前後方向Xに沿って形成された一対の連結辺部23を有する。外周コア2は、矩形環状の鋼板を、その厚み方向に複数積層してなる。図3に示すごとく、外周コア2は、全体として、上下方向Zに開口する矩形枠体形状を呈している。

0040

上下方向Zから見たとき、外周コア2は、第二ケース32の外側に配されている。外周コア2は、前対向辺部21が、連結部111の下方に位置するよう配されている。

0041

図1図3に示すごとく、前対向辺部21とコネクタ4との間にはイグナイタ113が配されている。イグナイタ113は、一次コイル11への通電及びその遮断を行う。イグナイタ113は、スイッチング素子を内蔵するイグナイタ本体部113aと、イグナイタ本体部113aから突出したイグナイタ端子113bとを有する。イグナイタ端子113bは、コネクタ4の内側端子に接続されている。

0042

本実施形態において、イグナイタ113は、イグナイタ本体部113aの後方の主面を、外周コア2の前対向辺部21に前後方向Xに対向させるよう配されている。また、イグナイタ113は、イグナイタ本体部113aの前方の主面を、コネクタ4の延設部412の後面に前後方向Xに対向させるよう配されている。そして、イグナイタ113は、一体的に形成されているコネクタ4のコネクタハウジング41、連結部111、及び一次スプール110と、外周コア2の前対向辺部21とによって位置決めされている。イグナイタ113は、コネクタ4の延設部412の後面と、前対向辺部21の前面との間に挟まれるように配されている。これにより、イグナイタ113を、一次スプール110及び一次スプール110と一体化されたコネクタ4に対して、精度良く位置決めすることができる。

0043

イグナイタ113は、コネクタ4の電源端子を構成する端子部材42を介して、一次コイル11に接続されている。すなわち、イグナイタ11と一次コイルとコネクタ4の端子部材42とは互いに電気的に接続される。そのため、これらの間の相対的な位置精度を高くする必要がある。そこで、上述のように、本実施形態によれば、イグナイタ113と一次スプール110とコネクタ4との間の位置決めを精度良く行うことができるため、イグナイタ113、一次スプール110に巻回された一次コイル11、及びコネクタ4の端子部材42との間の電気的接続を、精度良く行うことができる。

0044

また、イグナイタ113は、外周コア2、一次スプール110、及びコネクタ4とともにユニット化されている。これにより、被固定部331から点火コイル1に振動が伝達しても、上記ユニットを覆う第2の充填樹脂が振動を低減するため、コネクタ4の端子部材42と、イグナイタ端子113bとの接続箇所、及び、コネクタ4の端子部材42と一次コイル11との接続箇所、に振動が伝わることを抑制することができる。それゆえ、コネクタ4の端子部材42とイグナイタ端子113bとの接続箇所、及び、コネクタ4の端子部材42と一次コイル11との接続箇所に、負荷が与えられ難くなる。以上により、イグナイタ113、コネクタ4、一次コイル11との間の電気的導通性を向上させることができる。

0045

図1図3に示すごとく、イグナイタ113の上方には、ダイオード114が配されている。図3に示すごとく、ダイオード114は、素子を内蔵したダイオード本体部114aと、ダイオード本体部114aから突出した一対のリード線114bとを有する。本実施形態において、ダイオード本体部114aは、長手方向を前後方向Xとするよう配されている。また、一対のリード線114bのうち、一方は二次コイル12の一端と接続されており、他方はコネクタ4の端子部材42のうちの接地される端子部材42と接続されている。ダイオード114は、例えば、一次コイル11への通電時に、二次コイル12に発生する電圧を抑制するものである。なお、ダイオード114と二次コイル12との接続に関する図示は省略している。

0046

図1に示すごとく、本実施形態において、イグナイタ113及びダイオード114は、第1の充填樹脂14の外側に配されている。

0047

図1に示すごとく、ケース3内における、一次スプール110、一次コイル11、二次スプール16、二次コイル12、中心コア13、外周コア2、イグナイタ113、ダイオード114、及び第1の充填樹脂14を有する被封止部5の周囲の領域に、第2の充填樹脂15が充填されている。図1図2に示すごとく、第三ケース33と被封止部5とは、互いに離間している。そして、第三ケース33と被封止部5との間には、第2の充填樹脂15が配されている。第三ケース33の内側であって、第二ケース32の外側には、第2の充填樹脂15が配されている。本実施形態において、内側ケース体6の内側における二次スプール16及び二次コイル12の内周側であって、一次スプール110及び一次コイル11の外周側にも、第2の充填樹脂15が配されている。外周コア2の表面には、第1の充填樹脂14が接触していない。なお、図3において、第2の充填樹脂15は、外形線のみを図示している。

0048

図1に示すごとく、第2の充填樹脂15は、ケース3の開口部30からケース3の外側に向かって露出した露出面151を有する。そして、コネクタ4は、露出面151から突出している。本実施形態において、コネクタ4は、露出面151から前方に向かって突出している。そして、コネクタ4の一部は、第2の充填樹脂15に接触している。本実施形態において、露出面151は、コネクタ4の全周に形成されている。コネクタ4は、延設部412の全周において、第2の充填樹脂15に接触している。コネクタ4は、開口部30の中央部からケース3の外側に突出するよう形成されている。

0049

次に、本実施形態の内燃機関用の点火コイル1の製造方法の一例につき、図1図5図7を用いて説明する。

0050

図5に示すごとく、第一ケース31の内側嵌合凸部311aに、第二ケース32の内側嵌合凹部322aを嵌合させる。これにより、内側ケース体6を構成する。そして、第一ケース31の開口穴312を塞ぐように、高圧タワー部313の上端部に高電圧出力端子19を嵌入する。次に、第二ケース32の環状凹部61に、二次コイル12を巻回した二次スプール16の後端縁を嵌合させる。

0051

次に、図6に示すごとく、内側ケース体6と、二次コイル12及び二次スプール16と、に囲まれた空間に、第1の充填樹脂14を充填する。第1の充填樹脂14は、前方開口部60から、内側ケース体6内に充填される。また、第1の充填樹脂14は、前方開口部60付近まで充填される。このとき、上述のごとく、高電圧出力端子19がケース31の開口穴312を塞いでいるため、第1の充填樹脂14は、第一ケース31の開口穴312から漏れることはない。すなわち、二次コイル12によって昇圧された電圧を点火コイル1の外部に出力する、導電性を有する高電圧出力端子19を、ケース31の開口穴312の封止部材としても活用している。そして、第1の充填樹脂14を加熱し、硬化させる。

0052

そして、図7に示すごとく、端子部材42を内側に埋設したコネクタ4、中心コア13を内側に埋設した一次スプール110、及び連結部111を一体成形してなる一体成形品に、外周コア2、イグナイタ113、及びダイオード114等を組み付け、モジュール体を構成する。そして、当該モジュール体を、二次スプール16の内側に挿入し、モジュール体の一次スプール110の後端部を、第二ケース32の貫通穴320に挿入する。

0053

また、第一ケース31の外側嵌合凸部311bに、第三ケース33の外側嵌合凹部322bを嵌合させる。これにより、外側ケース体7を構成する。

0054

そして、図1に示すごとく、外側ケース体7の内側に、外側ケース体7の開口部30から、第2の充填樹脂15を充填する。すなわち、ケース3内に、第1の充填樹脂14を充填し、該第1の充填樹脂14を硬化させた後に、第2の充填樹脂15を充填する。第2の充填樹脂15は、外側ケース体7の開口部30まで充填される。以上のように、本実施形態の点火コイル1を製造することができる。

0055

次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
本実施形態においては、第2の充填樹脂15が、外周コア2を含む被封止部5を封止している。そして、外周コア2に密着した充填樹脂は、第2の充填樹脂15である。第2の充填樹脂15は、弾性率が第1の充填樹脂14よりも低い。それゆえ、第2の充填樹脂15が変形することにより、第2の充填樹脂15と外周コア2との線膨張係数差に起因した熱応力を吸収することができる。それゆえ、熱応力の発生が懸念されやすい外周コア2の周囲において、充填樹脂にクラックが発生することを抑制することができる。さらには、充填樹脂内においてクラックが進展し、点火コイル1に不具合が生じることを抑制することができる。

0056

また、第2の充填樹脂15は、第1の充填樹脂14を含む被封止部5を封止している。それゆえ、第2の充填樹脂15及び第1の充填樹脂14を含む、ケース3内に収容された部品と、ケース3とからなる構造体は、ある程度軟らかく形成される。そのため、点火コイル1を被固定部331においてシリンダヘッド17に固定した場合であっても、シリンダヘッド17の振動は、被固定部331からコネクタ4に伝わり難い。すなわち、ケース3内に収容された部品とケース3とからなる構造体は、ある程度軟らかく形成されるため、上記振動は、被固定部331からコネクタ4へ向かうにつれて減衰する。これにより、点火コイル1内の部品同士の電気的な接続信頼性を高めることができる。

0057

また、二次スプール16に巻回された二次コイル12の外周側の領域には、ケース3内の他の領域とは異なる樹脂を充填している。それゆえ、二次スプール16に巻回された二次コイル12の周囲の第1の充填樹脂14の種類の選択自由度を向上させることができる。これにより、例えば、高電圧となる二次コイル12及び高電圧出力端子19の周囲の領域に配する樹脂を、ケース3内における他の領域に配する樹脂よりも、絶縁性の高い材料としたりすることができる。このように、二次コイル12及び高電圧出力端子19の周辺には、用途に応じた樹脂を充填することができる。

0058

また、コネクタ4は、露出面151から露出している。すなわち、コネクタ4の少なくとも一部は、第2の充填樹脂15に接触している。そのため、第2の充填樹脂15は、コネクタ4の振動を直接的に吸収することができる。また、本実施形態において、露出面151は、コネクタ4の全周に形成されている。すなわち、コネクタ4は、全周において第2の充填樹脂15に接触している。それゆえ、第2の充填樹脂15によるコネクタ4の振動吸収の効果を、一層得ることができる。

0059

また、コネクタ4と一次スプール110とは、一体的に形成されている。それゆえ、部品点数の削減及び組付工数の削減を図りやすい。また、本実施形態においては、第三ケース33と被封止部5との間には、第2の充填樹脂15が配されている。すなわち、被固定部331が形成された第三ケース33と被封止部5を構成する一次スプール110との間には、第2の充填樹脂15が介在している。それゆえ、仮に、シリンダヘッド17の振動が、被固定部331から第三ケース33に伝わったとしても、上記振動が第三ケース33から一次スプール110へ伝わることを抑制することができる。これに伴い、一次スプール110と一体的に形成されたコネクタ4の振動も抑制できる。

0060

また、コネクタ4は、ケース3における被固定部331が設けられた側と反対側に突出している。それゆえ、被固定部331とコネクタ4との間の距離を長く確保することが可能となり、第2の充填樹脂15によって振動をより減衰させることができる。また、被固定部331とコネクタ4との並び方向である前後方向Xに直交する横方向Yにおいて、点火コイル1が大型化することを抑制することができる。一方、この場合、コネクタ4は、ケース3における被固定部331と反対側に突出しているため、仮に被固定部331とコネクタ4とが一体となって振動するとすれば、被固定部331が振動の固定端、コネクタ4が振動の自由端となり、コネクタ4の振動が懸念される。しかしながら、上述のごとく、第2の充填樹脂15が、第1の充填樹脂14を含む被封止部5を封止していることにより、被固定部331からコネクタ4への振動の伝搬を抑制できる。そのため、本実施形態においては、コネクタ4の振動の抑制を図りつつ、横方向Yにおける点火コイル1の大型化を抑制することができる。

0061

また、第2の充填樹脂15と第1の充填樹脂14とは、熱硬化性樹脂とフィラーとを含有している。そして、第2の充填樹脂15におけるフィラーの含有率は、第1の充填樹脂14におけるフィラーの含有率よりも低い。それゆえ、第2の充填樹脂15と第1の充填樹脂14とを、互いに主材料を同じとしつつ、フィラーの含有率を異ならせることにより、作製することができる。それゆえ、点火コイル1の生産性を向上させやすい。

0062

また、ケース3は、第一ケース31と第二ケース32と第三ケース33とを有する。第一ケース31の一部及び第二ケース32により、第1の充填樹脂14を充填する領域を区画することができ、第一ケース31及び第三ケース33により、第2の充填樹脂15を充填する領域を区画することができる。それゆえ、ケース3内への、第1の充填樹脂14及び第2の充填樹脂15の充填作業を容易にすることができる。

0063

また、第三ケース33に、被固定部331が形成されている。さらに、第三ケース33と被封止部5とは、互いに離間している。そして、第三ケース33と被封止部5との間には、第2の充填樹脂15が配されている。それゆえ、仮に、シリンダヘッド17の振動が、被固定部331から第三ケース33に伝わったとしても、上記振動が第三ケース33からケース3内の収容部品に伝わることを抑制することができる。これにより、点火コイル1の信頼性を高めることができる。

0064

また、高電圧出力端子19は、第一ケース31の開口穴312を覆っている。それゆえ、高電圧出力端子19に、二次コイル12によって昇圧された電圧を点火コイル1の外部に出力する役割に加え、ケース31の開口穴312の封止部材としての役割をも、持たせることができる。

0065

また、本実施形態の点火コイル1の製造方法においては、ケース3内に第1の充填樹脂14を充填し、該第1の充填樹脂14を硬化させた後に、第2の充填樹脂15を充填する。それゆえ、第1の充填樹脂14の硬化時に、第1の充填樹脂14が第2の充填樹脂15から熱応力を受けて第1の充填樹脂14の硬化後に第1の充填樹脂14に残留歪みが生じることを抑制することができる。

0066

以上のごとく、本実施形態によれば、ケース内の充填樹脂にクラックが生じることを抑制できるとともに、被固定部からコネクタへ伝わる振動を低減できる内燃機関用の点火コイル及びその製造方法を提供することができる。

0067

(実施形態2)
本実施形態は、図8図9に示すごとく、実施形態1に対して、ケース3内における第1の充填樹脂14の充填領域を変更した実施形態である。すなわち、本実施形態においては、第1の充填樹脂14は、内側ケース体6の内側における二次スプール16及び二次コイル12の内周側であって、一次スプール110及び一次コイル11の外周側にも配されている。図8に示すごとく、本実施形態において、一次スプール110の後方の部位と、第二ケース32の貫通穴320の周囲の部位とは、互いに嵌合可能に構成されている。そして、一次スプール110と第二ケース32とが嵌合することによって、一次スプール110と第二ケース32との間がシールされており、内側ケース体6から第1の充填樹脂14が漏出しないようになっている。

0068

その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。

0069

(実施形態3)
本実施形態は、図10に示すごとく、実施形態1に対して、イグナイタ113の配置箇所を変更した実施形態である。本実施形態において、イグナイタ113は、内側ケース体6の内側に配されている。そして、イグナイタ113は、第1の充填樹脂14の内側に埋設されている。イグナイタ113は、二次コイル12の上側に配されている。イグナイタ113は、上下方向Zにおいて、イグナイタ本体部113aの主面が二次コイル12に対向するような姿勢で配置されている。

0070

その他は、実施形態1と同様である。また、本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。

0071

(実施形態4)
本実施形態は、図11に示すごとく、実施形態3に対して、ダイオード114の配置箇所を変更した実施形態である。本実施形態において、ダイオード114は、内側ケース体6の内側に配されている。そして、ダイオード114は、第1の充填樹脂14の内側に埋設されている。なお、本実施形態において、ダイオード本体部114aは、長手方向を横方向Yとするよう配されている。

0072

その他は、実施形態3と同様である。また、本実施形態においても、実施形態3と同様の作用効果を有する。

0073

(実施形態5)
本実施形態は、図12に示すごとく、実施形態1に対して、ケース3の開口部30の位置を変更した実施形態である。本実施形態において、開口部30は、ケース3の上面に形成されている。第三ケース33は、矩形筒状を呈している。第三ケース33は、実施形態1の図1等に示した対向第三ケース部331を有さない。

0074

図12に示すごとく、本実施形態において、露出面151は、上側を向いた面である。そして、コネクタ4は、露出面151から上側に向かって突出している。

0075

その他は、実施形態1と同様である。また、本実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。

0076

(実施形態6)
本実施形態は、図13に示すごとく、実施形態1に対して、コネクタ4とケース3とを一体的に形成した実施形態である。本実施形態においては、第三ケース33の対向第三ケース部331の前端部とコネクタ4の延設部412とが連結されている。コネクタ4及び第三ケース33は、一体成形されている。本実施形態において、第三ケース33の対向第三ケース部331と側方第三ケース部332とは、変形可能な程度薄く形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。

0077

本実施形態において、点火コイル1を被固定部331においてシリンダヘッドに固定した場合であっても、シリンダヘッドの振動は、第三ケース33及びこれに密着した第2の充填樹脂15が変形することにより、被固定部331からコネクタ4に伝わるまでに吸収される。それゆえ、本実施形態においても、コネクタ4が振動することを抑制することができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。

0078

本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、上記各実施形態において、第1の充填樹脂及び第2の充填樹脂の弾性率を、フィラーの含有率によって調整したが、これに限られない。例えば、第1の充填樹脂と第2の充填樹脂とにおいて、樹脂の種類を変えることもできる。この場合、例えば、第1の充填樹脂をエポキシ樹脂とし、第2の充填樹脂をシリコーンとすることができる。また、第1の充填樹脂及び第2の充填樹脂をいずれもエポキシ樹脂としつつ、第1の充填樹脂と第2の充填樹脂とでエポキシ樹脂の組成を変更、調節しても、第1の充填樹脂と第2の充填樹脂との弾性率を調整することができる。

0079

また、上記各実施形態において、例えば上記第1の充填樹脂中、あるいは上記第2の充填樹脂中に、上記で示した部品以外の部品を埋設することも可能である。例えば、上記コネクタの内側端子のうちの、電源端子と接地端子とを接続し、電磁ノイズを防止するためのコンデンサを、第1の充填樹脂中、あるいは上記第2の充填樹脂中に埋設してもよい。

0080

また、ケースの開口部の位置も、上記各実施形態に限定されるものではなく、種々の態様が考えられる。例えば、実施形態1等において、ケースの開口部を、横方向の一方に向かって開口した構成を採用した実施形態も考えられる。また、実施形態1等において、ケースの開口部を、例えば斜め前方に向かって開口した構成を採用した実施形態等も考えられる。

0081

また、上記各実施形態において、内側ケース体は、前方に向かって開口している実施形態を示したが、これに限られず、例えば上方に向かって開口していてもよい。

0082

また、実施形態6において、第三ケースとコネクタとを、一体成形により構成した形態を示したが、これに限られず、例えばコネクタを第三ケースと別体としてもよい。この場合、例えば、コネクタと第三ケースとを互いに嵌合可能に構成し、第三ケースとコネクタとを嵌合させることにより、コネクタとケースとを一体的に形成することもできる。

0083

また、上記各実施形態において、高電圧出力部は、金属からなる高電圧出力端子としたが、これに限られない。例えば、高電圧出力部は、点火コイルに接続されるスパークプラグからのノイズ電流を抑制するための抵抗体等としても良い。

0084

1内燃機関用の点火コイル
12二次コイル
14 第1の充填樹脂
15 第2の充填樹脂
16二次スプール
2外周コア
3ケース
331 被固定部
4コネクタ
5 被封止部

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