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技術 排ガス含有水分回収装置

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 阿部法光早見徳介出健志堀川大介柴崎理太原俊男
出願日 2016年7月20日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-142525
公開日 2018年1月25日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-013285
状態 特許登録済
技術分野 煙突・煙道 タービンの細部・装置 ガスタービン、高圧・高速燃焼室
主要キーワード 頂点部位 過飽和蒸気 両側側壁 結露温度 過飽和水 下流縁 気ファン装置 上流縁
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重要な関連分野

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図面 (14)

課題

火力で発生させた蒸気エネルギーを利用する設備に外部から供給する水量を従来に比べ効率的に大きく減少出来る排ガス含有水分回収装置を提供することである。

解決手段

この装置は:排ガスEGを重力方向と交差する方向に導く導管に介在され、これら2つの方向に細長くこれらの方向と交差する幅方向Wの寸法がこれらの方向の寸法より小さい排ガス流路を夫々が規定し幅方向に相互に離間した複数のラジエータ管を含み、これらの管の上方,幅方向の両外側のラジエータ管の外側方,幅方向のこれらの管の相互間の隙間,これらの管の下方への前記導管からの排ガス流れを阻止しこれらの管の前記流路へと前記導管からの排ガスを導くラジエータ部材14;この部材に設けられ前記隙間に冷却用気体CGを通過させる送気装置16;前記複数の流路の下部に設けられ前記流路を通過する排ガスからの回収水を前記部材の外部に排出する排出管路18と、を備える。

概要

背景

火力を使用して発生させた蒸気エネルギーを利用する設備、例えば火力発電プラントが多量の水を使用することは広く知られている。ここで多量の水の内容は、例えば、蒸気復水器において蒸気を冷却して水に戻す為に必要な冷却用水ボイラー水から保守の為に抜き取られた量を補填する為に必要なボイラー補給水、そして火力源として石炭を使用する場合における石炭粉石炭殻の舞い上がりを防止するとともに石炭の自然発火を防止する為に必要な散水用水である。従って、従来は前述した如き設備は多量の水を容易に得ることが可能な海岸近傍又は大河近傍に設置せざるを得ず、設備の設置場所制約されている。

しかも、火力を得る為の燃料、例えば石炭,石油そして天然ガス等が前記設置場所の近傍で得られない場合には、遠方の燃料産出地から燃料を設備まで運搬する必要があり、この運搬の為に多額の費用や多くのエネルギーを必要としている。

そこで近年は、蒸気復水器を空冷式とすることが提案されている。空冷式蒸気復水器を使用した場合、蒸気復水器は冷却用水を必要としないので、設備は海岸近傍又は大河近傍に設置しなくとも良くなり、設備の設置場所の選定条件が緩やかになる。従って、設備を燃料産出地の近傍に設置することが出来る可能性が高まる。この結果として、燃料の運搬に要する費用やエネルギーを大きく減少させることが出来る。

しかしながら、空冷式蒸気復水器を使用した場合でも依然として、少なくともボイラー補給水が、さらに火力源として石炭を使用する場合には散水用水も必要である。

海岸近傍又は大河近傍でない場合、設備の為に使用可能な外部の水量は少なく、設備の為に使用しなければならない外部の水量は可能な限り減らしたいという要望が存在している。

概要

火力で発生させた蒸気エネルギーを利用する設備に外部から供給する水量を従来に比べ効率的に大きく減少出来る排ガス含有水分回収装置を提供することである。この装置は:排ガスEGを重力方向と交差する方向に導く導管に介在され、これら2つの方向に細長くこれらの方向と交差する幅方向Wの寸法がこれらの方向の寸法より小さい排ガス流路を夫々が規定し幅方向に相互に離間した複数のラジエータ管を含み、これらの管の上方,幅方向の両外側のラジエータ管の外側方,幅方向のこれらの管の相互間の隙間,これらの管の下方への前記導管からの排ガス流れを阻止しこれらの管の前記流路へと前記導管からの排ガスを導くラジエータ部材14;この部材に設けられ前記隙間に冷却用気体CGを通過させる送気装置16;前記複数の流路の下部に設けられ前記流路を通過する排ガスからの回収水を前記部材の外部に排出する排出管路18と、を備える。

目的

本発明が解決しようとする課題は、火力を使用して発生させた蒸気のエネルギーを利用する設備の為に使用しなければならない外部の水量を従来に比べ効率的に大きく減少させることが出来る排ガス含有水分回収装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

火力を使用して発生させた蒸気エネルギーを利用する設備において使用されボイラーから排出される排ガスに含有されている水分を回収する排ガス含有水分回収装置であって、前記排ガスを重力作用方向と交差する排ガス流れ方向に導く排ガス導管に介在され、重力作用方向及び排ガス流れ方向に細長く重力作用方向及び排ガス流れ方向と交差する幅方向の寸法が重力作用方向及び排ガス流れ方向の寸法よりも小さい排ガス流路を夫々が規定していて前記幅方向に相互に離間して配置された複数のラジエータ管を含み、前記複数のラジエータ管の上方,前記幅方向における両外側のラジエータ管の外側方,前記幅方向における前記複数のラジエータ管の相互間の隙間,そして前記複数のラジエータ管の下方への前記排ガス導管からの排ガスの流れを阻止し前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路へと前記排ガス導管からの排ガスの流れを導くラジエータ部材と、前記ラジエータ部材に設けられ、前記複数のラジエータ管の相互間の隙間に冷却用気体を通過させる冷却用気体送気装置と、前記ラジエータ部材の前記複数の排ガス流路の下部に設けられ、前記複数のラジエータ管の相互間の隙間を通過した冷却用気体により冷却された前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路を通過する前記排ガスから回収され重力の作用により前記排ガス流路の下部に到達した水を前記ラジエータ部材の外部に排出する水排出管路と、を備えたことを特徴とする排ガス含有水分回収装置。

請求項2

前記ラジエータ部材の前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路中に前記重力作用方向及び前記排ガス流れ方向に沿い複数配置され、前記幅方向に相互に離間し夫々が前記重力作用方向及び前記排ガス流れ方向に沿い広がり前記排ガス流路中の排ガスに接触し前記排ガス中に含有されている水分を捕える複数の捕水シートを夫々が含む水分捕集ユニットを更に備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項3

前記幅方向における前記複数の捕水シートの夫々の両側面の少なくとも一方が疎水層と前記疎水層中に点在された複数の親水層とを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項4

前記複数の水分捕集ユニットの夫々が、前記複数の捕水シートの上方を覆う上壁部とともに前記幅方向に於ける両外側の捕水シートを外側から覆う両側壁部とを有する捕水シート覆い枠を含んでおり、前記重力作用方向において上下に隣接して配置されている2つの水分捕集ユニット中で上方に位置する水分捕集ユニットの補水シート覆い枠の両側側壁部の下端が下方に位置する分捕集ユニットの補水シート覆い枠の上壁部に載置されている、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項5

前記排ガス流路中において前記複数の水分捕集ユニットは前記重力作用方向には相互に積層され前記排ガス流れ方向には相互に離間して配置されている、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項6

前記複数の水分捕集ユニットが、前記ラジエータ部材の前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路中において、前記排ガス流れ方向の下流側にのみ前記重力作用方向及び前記排ガス流れ方向に沿い配置されている、ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項7

前記複数の水分捕集ユニットが、前記ラジエータ部材の前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路中において、前記重力作用方向には等間隔で、前記排ガス流れ方向では下流に向かうのに伴い大きな間隔で配置されている、ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の排ガス含有水分回収装置。

請求項8

前記排ガス流れ方向において排ガス含有水分回収装置よりも上流側に隣接した前記排ガス導管の部分が排ガス含有水分回収装置に近づくのに伴い前記排ガス導管の半径方向において徐々に寸法を拡大させる拡大ダクトとして構成されており、そして前記排ガス流れ方向において排ガス含有水分回収装置よりも下流側に隣接した前記排ガス導管の部分が排ガス含有水分回収装置から遠ざかるのに伴い前記排ガス導管の半径方向において徐々に寸法を縮小させる縮小ダクトとして構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の排ガス含有水分回収装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、排ガス含有水分回収装置に関する。

背景技術

0002

火力を使用して発生させた蒸気エネルギーを利用する設備、例えば火力発電プラントが多量の水を使用することは広く知られている。ここで多量の水の内容は、例えば、蒸気復水器において蒸気を冷却して水に戻す為に必要な冷却用水ボイラー水から保守の為に抜き取られた量を補填する為に必要なボイラー補給水、そして火力源として石炭を使用する場合における石炭粉石炭殻の舞い上がりを防止するとともに石炭の自然発火を防止する為に必要な散水用水である。従って、従来は前述した如き設備は多量の水を容易に得ることが可能な海岸近傍又は大河近傍に設置せざるを得ず、設備の設置場所制約されている。

0003

しかも、火力を得る為の燃料、例えば石炭,石油そして天然ガス等が前記設置場所の近傍で得られない場合には、遠方の燃料産出地から燃料を設備まで運搬する必要があり、この運搬の為に多額の費用や多くのエネルギーを必要としている。

0004

そこで近年は、蒸気復水器を空冷式とすることが提案されている。空冷式蒸気復水器を使用した場合、蒸気復水器は冷却用水を必要としないので、設備は海岸近傍又は大河近傍に設置しなくとも良くなり、設備の設置場所の選定条件が緩やかになる。従って、設備を燃料産出地の近傍に設置することが出来る可能性が高まる。この結果として、燃料の運搬に要する費用やエネルギーを大きく減少させることが出来る。

0005

しかしながら、空冷式蒸気復水器を使用した場合でも依然として、少なくともボイラー補給水が、さらに火力源として石炭を使用する場合には散水用水も必要である。

0006

海岸近傍又は大河近傍でない場合、設備の為に使用可能な外部の水量は少なく、設備の為に使用しなければならない外部の水量は可能な限り減らしたいという要望が存在している。

先行技術

0007

特開2000−325742号公報
特開2013−104643号公報
特開2015−101965号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明が解決しようとする課題は、火力を使用して発生させた蒸気のエネルギーを利用する設備の為に使用しなければならない外部の水量を従来に比べ効率的に大きく減少させることが出来る排ガス含有水分回収装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

実施形態は、火力を使用して発生させた蒸気のエネルギーを利用する設備において使用されボイラーから排出される排ガスに含有されている水分を回収する排ガス含有水分回収装置であり、前記排ガスを重力作用方向と交差する排ガス流れ方向に導く排ガス導管に介在されたラジエータ部材を備える。このラジエータ部材は、重力作用方向及び排ガス流れ方向に細長く重力作用方向及び排ガス流れ方向と交差する幅方向の寸法が重力作用方向及び排ガス流れ方向の寸法よりも小さい排ガス流路を夫々が規定していて前記幅方向に相互に離間して配置された複数のラジエータ管を含む。前記ラジエータ部材は、前記複数のラジエータ管の上方,前記幅方向における両外側のラジエータ管の外側方,前記幅方向における前記複数のラジエータ管の相互間の隙間,そして前記複数のラジエータ管の下方への前記排ガス導管からの排ガスの流れを阻止し前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路へと前記排ガス導管からの排ガスの流れを導く。この実施形態の排ガス含有水分回収装置はさらに、前記ラジエータ部材に設けられ前記複数のラジエータ管の相互間の隙間に冷却用気体を通過させる冷却用気体送気装置と、前記ラジエータ部材の前記複数の排ガス流路の下部に設けられた水排出管路と、を備える。この水排出管路は、前記複数のラジエータ管の相互間の隙間を通過した冷却用気体により冷却された前記複数のラジエータ管の夫々の前記排ガス流路を通過する前記排ガスから回収され重力の作用により前記排ガス流路の下部に到達した水を前記ラジエータ部材の外部に排出する。

図面の簡単な説明

0010

実施形態の排ガス含有水分回収装置を使用した、火力を使用して発生させた蒸気のエネルギーを利用する設備の排ガス処理システムを概略的に示す図である。
実施形態の排ガス含有水分回収装置の全体の外観を概略的に示す斜視図である。
実施形態の排ガス含有水分回収装置を流れる排ガスの温度と実施形態の排ガス含有水分回収装置を流れる冷却用気体との間の温度差が、実施形態の排ガス含有水分回収装置を排ガスが流れる間に小さくなることを概略的に説明する為の図である。
図2の排ガス含有水分回収装置を排ガスの流れの上流側から概略的に示す正面図である。
図2の排ガス含有水分回収装置を重力作用方向の上方から概略的に示す上面図である。
図2の排ガス含有水分回収装置を重力作用方向及び排ガスの流れ方向と直交する幅方向から概略的に示す側面図である。
図2の排ガス含有水分回収装置のラジエータ部材の複数のラジエータ管の夫々の排ガス流路中に配置された複数の水分捕集ユニットを概略的に示す斜視図である。
図5に示されている水分捕集ユニットの重力作用方向における上端部と下端部の組立固定要素の近傍の幅方向に沿った横断面を拡大して示す横断面図である。
図5及び図6の水分捕集ユニットの複数の捕水シートの1枚を排ガスの流れ方向及び重力作用方向と直交する幅方向から概略的に示す側面図である。
図5及び図6の水分捕集ユニットの複数の捕水シートの夫々における排ガスからの水分回収作用を概略的に示す捕水シートの一部分の幅方向における拡大された断面図である。
図2の排ガス含有水分回収装置のラジエータ部材の複数のラジエータ管の夫々の排ガス流路中における複数の水分捕集ユニットの配置を幅方向から概略的に示す図である。
図2の排ガス含有水分回収装置のラジエータ部材の複数のラジエータ管の夫々の排ガス流路中における複数の水分捕集ユニットの配置の第1変形例を幅方向から概略的に示す図である。
図2の排ガス含有水分回収装置のラジエータ部材の複数のラジエータ管の夫々の排ガス流路中における複数の水分捕集ユニットの配置の第2変形例を幅方向から概略的に示す図である。

実施例

0011

以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。

0012

図1は、実施形態の排ガス含有水分回収装置10を使用した、蒸気のエネルギーを利用する設備の排ガス処理システムを概略的に示している。

0013

この実施形態の排ガス含有水分回収装置10を使用した排ガス処理システムは、火力を得る為の燃料として、例えば石炭,石油又は天然ガスを利用している設備において使用されていて、この設備は例えば火力発電所である。

0014

排ガス処理システムは、火力を使用して蒸気を発生させる為のボイラー102から排出された排ガスを煙突104まで導く煙道を構成している排ガス導管に順次介在された脱硝器106,熱交換器108,熱回収器110,電気集塵装置112,脱硫装置114,排ガス含有水分回収装置10,そして排ガス昇圧器116を備える。

0015

脱硝器106は、ボイラー102から排出された排ガスに含まれている窒素酸化物NOxを除去する。熱交換器108は、ボイラー102から排出された排ガスの熱で熱交換流体を加熱する。熱交換流体は例えば空気であることが出来る。熱交換器108で加熱された熱交換流体は設備やその周辺で種々の目的の為に使用されるが、例えば熱交換流体が空気でありボイラー102の火力源が石炭である場合には、石炭をボイラー102で燃焼させる前に予熱する為に使用することが出来る。熱回収器110は熱交換器108からの排ガスから更に熱交換により熱を回収し、ここで回収された熱もまた設備やその周辺で種々の目的の為に使用される。電気集塵装置112は、排ガス中から煤煙を除去する。脱硫装置114は、排ガスに含まれている硫黄酸化物SOxを除去する。脱硫装置114から排出された直後の排ガスは、温度が略50℃であり相対湿度が略99%である。そして排ガス含有水分回収装置10は、排ガス中に含まれている水分を回収する。排ガス昇圧器116は、ボイラー102から排出された後に脱硝器106,熱交換器108,熱回収器110,電気集塵装置112,脱硫装置114,そして排ガス含有水分回収装置10を通過することにより圧力が低下した排ガスに圧力を付加し、排ガスを煙突104から速やかに排出させる。

0016

図2は、実施形態の排ガス含有水分回収装置10の全体の外観を概略的に示している。

0017

この実施形態において前記排ガス処理システムの煙道を構成している排ガス導管は、少なくとも排ガス含有水分回収装置10の上流側及び下流側に隣接した排ガス導管の部分が排ガスEGを重力作用方向Gと交差する方向、好ましくは水平方向Hに、導くよう構成されている。さらに、詳細には、排ガス含有水分回収装置10の上流側に隣接した排ガス導管の部分は排ガス含有水分回収装置10に近づくに従い排ガス導管の半径方向に徐々に寸法を拡大させる拡大ダクト12Aとして構成されていて、そして排ガス含有水分回収装置10の下流側に隣接した排ガス導管の部分は排ガス含有水分回収装置10から遠ざかるに従い排ガス導管の半径方向に徐々に寸法を縮小させる縮小ダクト12Bとして構成されている。

0018

排ガス含有水分回収装置10は、排ガス導管の拡大ダクト12Aの拡大出口開口と縮小ダクト12Bの拡大入口開口との間に介在され、これら拡大出口開口及び拡大入口開口に排ガス漏れを生じさせることなく連結されているラジエータ部材14を備えている。

0019

ラジエータ部材14は、拡大ダクト12Aの拡大出口開口から縮小ダクト12Bの拡大入口開口まで排ガスEGを重力作用方向Gと交差する方向、好ましくは水平方向Hに、導くよう構成されている。ラジエータ部材14はさらに、このように導かれている排ガスEGに直接接触させることなく排ガスEGの流れ方向と交差する方向、この実施形態では重力作用方向Gとは正反対の方向、に冷却用気体CG、この実施形態では空気、を通過させるようにも構成されている。冷却用気体CGの温度は、ラジエータ部材14を通過する排ガスEGの温度よりも低い。

0020

このようにラジエータ部材14に冷却用気体CGを通過させる為に排ガス含有水分回収装置10は、ラジエータ部材14に設けられた冷却用気体送気装置16を備えている。この実施形態では冷却用気体送気装置16はラジエータ部材14の上部に配置されていて、送気ファン装置を有する。

0021

脱硫装置114からラジエータ部材14に向かう排ガスEGは、排ガス導管の拡大ダクト12Aを通過する間に排ガス導管の半径方向に拡散して圧力が減少され流れ速度が低下された状態でラジエータ部材14に流入する。ラジエータ部材14に流入した拡散された状態の排ガスEGは、ラジエータ部材14中を排ガス導管の縮小ダクト12Bに向かい低速度で時間を掛けて移動する間に、冷却用気体CGにより冷却される。この結果、排ガスEG中の水分は過飽和状態となり水滴を生じさせる。冷却用気体CGはラジエータ部材14の表面も冷却して前記表面の温度を排ガスEGの露点温度以下にするので、この表面に触れた排ガスEG中の水分は結露して水滴を生じさせる。

0022

図3には、排ガス含有水分回収装置10において、ラジエータ部材14中における排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差がラジエータ部材14中における排ガスEGの移動距離に応じて急速に小さくなることが概略的に示されている。

0023

このようにして生じた水滴は重力の作用によりラジエータ部材14中を前記冷却用気体と直接接触することなく重量作用方向Gに落下する。

0024

排ガス含有水分回収装置10はさらに、ラジエータ部材14中でこのようにして生じ落下した水滴を回収しラジエータ部材14の外部に排出させる為にラジエータ部材14の下部に設けられている水排出管路18を備えている。

0025

次に、図4A図4B図4Cを参照しながら図2中の排ガス含有水分回収装置10についてより詳細に説明する。

0026

図4Aは、図2の排ガス含有水分回収装置10を、排ガス含有水分回収装置10中を流れる排ガスEGの流れの上流側から概略的に示す正面図である。図4Bは、図2の排ガス含有水分回収装置10を重力作用方向Gの上方から概略的に示す上面図である。図4Cは、図2の排ガス含有水分回収装置10を重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向と直交する幅方向Wから概略的に示す側面図である。

0027

排ガス含有水分回収装置10のラジエータ部材14は、重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に細長く重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向と交差する幅方向Wの寸法が重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向の寸法よりも小さい排ガス流路EGPを夫々が規定している複数のラジエータ管14Aを含んでいる。そして複数のラジエータ管14Aは、幅方向Wに相互に離間して配置されている。この実施形態において、排ガスEGの流れ方向は水平方向Hであり、複数のラジエータ管14Aは幅方向Wに相互に等間隔に離間して配置されている。

0028

夫々の排ガス流路EGPには排ガスEGが流されるので、複数のラジエータ管14Aの夫々は排ガスEG中の成分により腐食されない材料、例えばステンレス、により形成されている。

0029

ラジエータ部材14は、複数のラジエータ管14Aの上方,幅方向Wにおける両外側のラジエータ管14Aの外側方,幅方向Wにおける複数のラジエータ管14Aの相互間の隙間,そして複数のラジエータ管14Aの下方への排ガス導管からの排ガスの流れを阻止し複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGPのみへと排ガス導管からの排ガスEGの流れを導くよう構成されている。

0030

より詳細には、幅方向Wにおける両外側のラジエータ管14Aの外側方は外側板14Bにより覆われている。外側板14Bは、対応する外側のラジエータ管14Aの外側面から幅方向Wに離れて前記外側面の全体を覆う本体14B−1と、排ガスEGの流れ方向における前記外側面の上流縁及び下流縁の夫々の全体に渡り重力作用方向Gに延出していて本体14B−1に連続している上流端部14B−2及び下流端部14B−3を含む。

0031

外側のラジエータ管14Aの外側面と対応する外側板14Bの本体14B−1,上流端部14B−2及び下流端部14B−3で囲まれた空間は冷却用気体CGの為の通路となっている。

0032

排ガスEGの流れ方向における上流側及び下流側に位置する外側板14Bの上流端部14B−2及び下流端部14B−3は、これらに沿って流れる排ガスEGに生じる抵抗を出来る限り小さくするよう滑らかに傾斜した外形状であって良い。

0033

複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間は、複数のラジエータ管14Aにおいて幅方向Wで相互に対向する内側面の排ガスEGの流れ方向における上流縁及び下流縁の夫々の全体に渡り重力作用方向Gに延出している上流端板14C及び下流端板14Dにより覆われて塞がれている。複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間は、複数のラジエータ管14Aにおいて幅方向Wで相互に対向する内側面の排ガスEGの流れ方向における上流縁及び下流縁の夫々を上流端板14C及び下流端板14Dにより覆われ塞がれることにより冷却用気体の為の通路となっている。

0034

排ガスEGの流れ方向における上流側及び下流側に位置する上流端板14C及び下流端板14Dは、これらに沿って流れる排ガスEGに生じる抵抗を出来る限り小さくするよう滑らかに傾斜した外形状であって良い。

0035

複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間の上端及び外側のラジエータ管14Aの外側面と対応する外側板14Bとの間の空間の上端は、上蓋部材14Eの内部空間により覆われていて、上蓋部材14Eに冷却用気体送気装置16が設けられている。上蓋部材14Eの周壁の下端部は、外側板14Bの外面の上端部、上流端板14C及び下流端板14Dの外面の上端部、そして複数のラジエータ管14Aにおける排ガスEGの流れ方向の上流端面及び下流端面の上端部に密着されている。

0036

その為に、冷却用気体送気装置16が動作すると、ラジエータ部材14の下方の冷却用気体としての空気が、複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間の下端及び外側のラジエータ管14Aの外側面と対応する外側板14Bとの間の空間の下端を介しこれらの隙間及び空間に吸い込まれる。これらの隙間及び空間に吸い込まれた空気は、これらの隙間及び空間を重力作用方向Gとは正反対の方向に向かい通過した後に、図4Aに2点鎖線の矢印で示されている如く、複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間の上端及び外側のラジエータ管14Aの外側面と対応する外側板14Bとの間の空間の上端を介し上蓋部材14Eの内部空間に流入し、さらにこの内部空間から冷却用気体送気装置16に吸い上げられて外部に排出される。

0037

また幅方向Wにおける複数のラジエータ管14Aの相互間の隙間及び幅方向Wの両外側のラジエータ管14Aの外側方へと向かう排ガス導管からの排ガスEGの流れは、外側板14Bの上流端部14B−2及び下流端部14B−3、そして上流端板14C及び下流端板14Dにより阻止されている。この結果として、前記隙間及び前記外側方を介した複数のラジエータ管14Aの上方及び下方への排ガス導管からの排ガスEGの流れが阻止されている。

0038

従って、排ガス導管の拡大ダクト12Aによりラジエータ部材14に導入されてきた排ガスEGは複数のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPのみを通過して排ガス導管の縮小ダクト12Bに到達する。複数のラジエータ管14Aは排ガス導管の拡大ダクト12Aの拡大出口開口の全体に渡り配置されていて、複数のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPは重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に細長く延出しているので、複数のラジエータ管14Aは排ガスEGの流れに大きな抵抗を生じさせない。

0039

ラジエータ管14Aの排ガス流路EGPのみを通過する排ガスEGは、外側のラジエータ管14Aの外側面と対応する外側板14Bとの間の通路及び複数のラジエータ管14Aの幅方向Wにおける相互間の隙間を通過する冷却用気体CGとは直接接触せず、複数のラジエータ管14Aの夫々において排ガス流路EGPを取り囲んでいる周壁を介して間接的に接触することにより冷却用気体CGにより熱を奪われ温度が低下される。この結果、前述した如く、排ガスEGに含まれている水分が過飽和状態となり水滴を生じさせる。また、複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGPの内表面の温度が排ガスEGに含まれている水分の露点温度以下になり、前記内表面に接触した排ガスEGに含まれている水分を結露させて小滴を生じさせる。これらの水滴は重力により重力作用方向Gに落下する。

0040

個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPは重力作用方向Gに向かい開口した下方開口を有している。従って、排ガス流路EGP中で排ガスEGから生じ重力作用方向Gに落下した水滴は、ラジエータ部材14の下部に設けられている水排出管路18により回収される。

0041

この実施形態において水排出管路18は、個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPの前記下方開口を覆う集水部材18Aと、複数のラジエータ管14Aの複数の排ガス流路EGPに対応した複数の集水部材18Aに連通した水回収管18Bと、を含む。個々の集水部材18Aは、図4A及び図4C中に示されている如く、対応するラジエータ管14Aの排ガス流路EGPの前記下方開口の幅方向Wの両側縁及び排ガスEGの流れ方向の上流縁及び下流縁の夫々から斜め下方に幅方向W及び前記流れ方向の中心に向かい傾斜した細長い四角錐形状をしている。そして、水回収管18Bは複数の集水部材18Aの夫々の頂点部位で夫々の内部空間に連通している。即ち、ラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPにおいて排ガスEGから生じさせられ重力作用方向Gに落下した水滴は水排出管路18の複数の集水部材18Aにより収集された後に水回収管18Bを介して排ガス含有水分回収装置10の外部に回収される。

0042

この実施形態の排ガス含有水分回収装置10は、そこを通過する排ガスEGからの水分回収効率をさらに上げることを目的として、図5中に示されている如く、複数のラジエータ管14Aの個々の排ガス流路EGP中に重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に沿い配置された複数の水分捕集ユニット20を備えている。

0043

複数の水分捕集ユニット20の夫々は、幅方向Wに相互に離間し夫々が重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に沿い広がり排ガス流路EGP中の排ガスEGに接触し排ガスEG中に含有されている水分を捕える複数の捕水シート20Aを含む。この実施形態において複数の捕水シート20Aの夫々は略0.1mm〜略1mmの厚さを有する。

0044

排ガス流路EGP中の排ガスEGの流れに対し、排ガス流路EGP中で前述した如く夫々が重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に沿い広がっている複数の捕水シート20Aは、排ガス流路EGP中を流れる排ガスEGに対し大きな抵抗、即ち圧力損失、を生じさせることがない。

0045

複数の水分捕集ユニット20の夫々の複数の捕水シート20Aは、個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中の排ガスEGに対する接触面積を拡大させている。

0046

複数の水分捕集ユニット20の夫々は、複数の捕水シート20Aの上方を覆う上壁部UWとともに幅方向Wに於ける両外側の捕水シート20Aを外側から覆う両外側の側壁部SWとを有する捕水シート覆い枠20Bを含んでいる。そして、図5中に示されている如く、重力作用方向Gにおいて上下に隣接して配置されている2つの水分捕集ユニット20中で上方に位置する水分捕集ユニット20の補水シート覆い枠20Bの両外側の側壁部SWの下端が、下方に位置する分捕集ユニット20の補水シート覆い枠20Bの上壁部UWに載置されている。

0047

図5及び図6中に示されている如く、夫々の水分捕集ユニット20において、補水シート覆い枠20Bの両外側の側壁部SWの上端部位排気ガスEGの流れ方向に相互に離間した複数、この実施形態では2つ、の位置及び前記両外側の側壁部SWの下端部位で排気ガスEGの流れ方向に相互に離間した複数、この実施形態では2つ、の位置に、前記両外側の側壁部SW間を幅方向Wに延出した組立固定要素20Cが固定されている。組立固定要素20Cは、例えばボルトナットの組み合わせであることが出来る。

0048

そして、前記両外側の側壁部SW間で組立固定要素20Cには相互に同じ厚さの複数のスペーサ20Dが支持されているとともに、複数の捕水シート20Aの上端部位又は下端部位が支持されている。組立固定要素20C上で複数の捕水シート20Aの夫々の上端部位又は下端部位は隣接する2つのスペーサ20D間に挟持されていて、複数の捕水シート20Aは複数のスペーサ20Dのお蔭で幅方向Wに相互に等間隔に配置されている。この実施形態では、複数の捕水シート20Aの相互間の間隔は、夫々の捕水シート20Aの表面に付着した水滴が隣接する捕水シート20Aの表面に付着出来ない距離である。

0049

図7には、図5及び図6の水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aの1枚が、排ガスEGの流れ方向及び重力作用方向Gと直交する幅方向Wから概略的に示されている。捕水シート20Aは、基材BM(図8参照)の幅方向Wにおける両側面の少なくとも一方、この実施形態では両方、に、疎水層SLと疎水層SL中に点在された複数の親水層ILとを有する。

0050

前述した如く個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中で冷却用気体CGにより間接的に冷却されて過飽和状態になった排ガスEG中の水分は微小水滴白煙となる。そして前述した如く、微小水滴は相互に接触して重力により落下するほどの大きさの水滴になるのであるが、排ガス流路EGPを通過中に重力により落下するほどの大きさの水滴にならない微小水滴も存在している。

0051

水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aは、排ガス流路EGPを通過中に重力により落下するほどの大きさの水滴にならない微小水滴を、重力により落下するほどの大きさの水滴にまで積極的に成長させるよう機能する。即ち、複数の水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20A無しではラジエータ管14Aの排ガス流路EGPを通過中に重力により落下するほどの大きさの水滴にならない微小水滴を、複数の水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aは、重力により落下するほどの大きさの水滴にまで積極的に成長させる。

0052

この結果として、排ガスEGは冷却用気体CGによって大気温度付近まで冷却され、これにより発生した過飽和水は、排ガス含有水分回収装置10のラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの排ガス流路EGPの夫々の複数の水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aにより回収されるので、排ガス含有水分回収装置10を通過した後の排ガスEGは、大気温度と同等の温度の湿りガスとなる。従って排ガスEGが排ガス含有水分回収装置10通過後に排ガス昇圧器116により加圧されて煙突104から外部に排出される際に、排ガスEGと大気との温度差に起因して発生する水蒸気による白色化を抑制することが出来る。

0053

図8には、図5及び図6の水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aの夫々における排ガスEGからの水分回収作用が概略的に示されている。

0054

捕水シート20Aの親水層ILは、水分に対する親和性が強いので、そこに接触又は接近した前述した微小水滴22の白煙を吸着する。その結果、時間の経過とともに吸着された微小水滴22は、親水層ILの表面で、この表面に対し大きな接触角CALを有する水膜24に成長する。

0055

成長した水膜24はやがて重力により親水層ILの下側の疎水層SLに移動し、水との親和性の無い疎水層SLの表面上で疎水層SLの表面に対し小さな接触角CASを有する水滴26になる。疎水層SLの表面上のこの水滴26は、直ちに重力の作用により下方の水分捕集ユニット20の補水シート覆い枠20Bの上壁部UWに向かい落下する。その後、上方の水分捕集ユニット20の補水シート覆い枠20Bの中を通過する排ガスEGに押され上壁部UW上を排ガスEGの流れ方向に移動した後、排ガスEGの流れ方向の下流側の上壁部UWの下流端から水排出管路18(図4A及び図4C参照)の集水部材18Aに向かい落下し、前述した如く集水部材18Aから水回収管18により排ガス含有水分回収装置10の外部に回収される。

0056

即ち、この実施形態の複数の水分捕集ユニット20では、上方の水分捕集ユニット20において排ガスEGの水蒸気から収集された水滴26は、下方の水分捕集ユニット20に流入しない。これによって、個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中で、図5中に示されている如く、重力作用方向Gに積層されている複数の水分捕集ユニット20において、下方に位置する水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aの相互間の隙間に上方に位置する水分捕集ユニット20で排ガスEGの水蒸気から収集された水滴26が流入して、下方に位置する水分捕集ユニット20が複数の捕水シート20Aによる前述した如き本来の水分回収機能を発揮することが出来なくなることが確実に阻止されている。

0057

この実施形態の複数の水分捕集ユニット20の夫々を構成している前述した種々の部材の全ては、当然のことながら排ガスEG中の成分により腐食されない材料、例えばステンレス、により形成されている。

0058

この実施形態においては、個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中で複数の水分捕集ユニット20は、図5中に示されている如く、重力作用方向Gには相互に積層されているとともに排ガスEGの流れ方向には相互に離間して配置されている。

0059

個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中で複数の水分捕集ユニット20が排ガスEGの流れ方向には相互に離間して配置されていることにより、排ガスEGの流れ方向において個々の水分捕集ユニット20の上流側には必ず排ガス流路EGPの内面の一部が露出された空間が存在する。

0060

個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中で前記空間中に到達した排ガスEGは、この空間に露出していて前述した如く冷却用気体CGにより冷却されている排ガス流路EGPの内面の一部により、排ガス流路EGPの内面から遠ざけられている個々の水分捕集ユニット20中よりも良く冷却される。従って、前記空間中では、排ガスEG中の水分は、過飽和により生成された微小水滴22の白煙からの水滴の生成に加えて、排ガス流路EGPの内面の一部に接触することによる結露による水滴の生成も行われる。このことは、前記空間中では個々の水分捕集ユニット20中よりも排ガスEG中の水分の回収効率が高いことを意味するが、排ガスEGの流れの方向で前記空間の下流に位置する水分捕集ユニット20では前記空間中では回収しきれなかった過飽和により生成された微小水滴22の白煙からの水滴の生成を更に積極的に行うことが出来る。さらに、排ガスEGの流れの方向において水分捕集ユニット20の上流側の前記空間で排ガスEG中の水分の回収を効率良く行うことにより、水分捕集ユニット20の複数の捕水シート20Aが排ガスEG中に残留している微小水滴22の白煙から過剰に水分を回収してしまうことによる複数の捕水シート20Aの相互間の隙間に生じた水滴による前記隙間の目詰りを防止することが出来る。

0061

前述したことから、個々のラジエータ管14Aの排ガス流路EGP中における排ガスEGの流れの方向での前記空間と水分捕集ユニット20との1つの組み合わせの繰り返しが、排ガス流路EGP中を通過する排ガスEGからの水分の回収効率を高めている。

0062

前述した如く構成されている実施形態の排ガス含有水分回収装置10を通過した後の排ガスEGには白煙となる微小水滴22がほとんど残らないので、この実施形態の排ガス含有水分回収装置10を使用した前述の排ガス処理システムの煙突104(図1参照)から排出される排ガスEGには白煙が含まれない。

0063

実施形態のラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々において複数の水分捕集ユニット20は、図9中に示されている如く、重力作用方向W及び排ガスEGの流れ方向に沿い等間隔に配置されていることが出来る。

0064

[第1変形例]
図10には、図2の排ガス含有水分回収装置10のラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中における複数の水分捕集ユニット20の配置の第1変形例が幅方向Wから概略的に示されている。

0065

図10中に示されているこの変形例においては、複数の水分捕集ユニット20が、ラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中において、排ガスEGの流れ方向の下流側の領域DRにのみ重力作用方向W及び排ガスEGの流れ方向に沿い配置されている。そして、夫々の排ガス流路EGP中において、排ガスEGの流れ方向の上流側の領域URには水分捕集ユニット20が全く配置されていない。

0066

図3中に示されていた如く、排ガス含有水分回収装置10において、ラジエータ部材14中における排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差は、ラジエータ部材14中における排ガスEGの移動距離に応じて急速に小さくなる。

0067

排ガス流路EGP中における排ガスEGの流れ方向の上流端では排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差が大きく、排ガスEGの過飽和蒸気量が大きい。そして、排ガスEGが排ガス流路EGP中における上流側の領域URを通過する間に排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差が急速に小さくなるので、この間に過飽和蒸気は急速に微小水滴になり、さらに微小水滴が集まって重力で落下する程度の大きさの多量の小滴を生じさせる。また同時に、過飽和蒸気は、上流側の領域URに露出し前述した如く冷却用気体CGにより冷却されて排ガスEG中の水分の結露温度になっている排ガス流路EGPの内面に接触することにより結露し、重力で落下する程度の大きさの多量の小滴を生じさせる。

0068

排ガス流路EGP中の上流側の領域URにおいて重力で落下する程度の大きさになった多量の小滴は重量作用方向Gに落下し、前述した如くラジエータ部材14の下方の水分排出管路18(図2図4A図4Bそして図4C参照)により排ガス含有水分回収装置10の外部に排出されて回収される。

0069

即ち、排ガス含有水分回収装置10においてラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中に入ってきた排ガスEGの水分のかなりの部分を、排ガス流路EGP中における上流側の領域URにおいて排ガス含有水分回収装置10の外部に回収することが出来る。

0070

しかしながら、排ガス流路EGP中の上流側の領域URを通過して冷却用気体CGとの間の温度差が小さくなった排ガスEG中には、重力で落下する程度の大きさの小滴にはなれなかった過飽和蒸気の微小水滴が依然として存在している。このような微小水滴は、排ガス流路EGP中の下流側の領域DR中に配置されている複数の水分捕集ユニット20の夫々の複数の捕水シート20Aにより図8を参照して前述した如く効率よく集水され重力で落下する程度の大きさの小滴にされた後に、ラジエータ部材14の下方の水分排出管路18(図2図4A図4Bそして図4C参照)により排ガス含有水分回収装置10の外部に排出されて回収される。

0071

この変形例では、排ガス含有水分回収装置10においてラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中の上流側の領域URには水分捕集ユニット20が配置されず、下流側の領域DRのみに水分捕集ユニット20が配置されている。従って、図10中に示されているこの変形例は、図9中に示されている如くラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中に重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に等間隔に複数の水分捕集ユニット20が配置されている場合に比べると、使用する水分捕集ユニット20の数が少ないので、排ガス含有水分回収装置10の構成を簡易にすることが出来て製造コスト及びメンテナンスコストを大きく低下させることが出来る。さらに、ラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの複数の排ガス流路EGPがこれらを通過する排ガスEGに与える抵抗が減少するので、ラジエータ部材14を通過することによる排ガスEGの圧力損失が減少する。この結果、変形例のラジエータ部材14を含む排ガス含有水分回収装置10を使用した排ガス処理システムに於いては、排ガス含有水分回収装置10の下流側の排ガス昇圧器116が、排ガスEGを煙突104から速やかに排出させるために排ガスEGに負荷しなければならない圧力が低下する。このことは、排ガス昇圧器116が必要とするエネルギーを削減出来ることを意味している。

0072

[第2変形例]
図11には、図2の排ガス含有水分回収装置10のラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中における複数の水分捕集ユニット20の配置の第2変形例が幅方向Wから概略的に示されている。

0073

この変形例においては、図11中に示されている如く、複数の水分捕集ユニット20が、ラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中において、重力作用方向Gには等間隔で、排ガスEGの流れ方向では下流に向かうのに伴い大きな間隔で配置されている。

0074

図3中に示されていた如く、排ガス含有水分回収装置10において、ラジエータ部材14中における排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差は、ラジエータ部材14中における排ガスEGの移動距離に応じて急速に小さくなる。

0075

排ガス流路EGP中における排ガスEGの流れ方向の上流ほど排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差が大きく、排ガスEGの過飽和蒸気量が大きい。そして、排ガスEGが排ガス流路EGP中を通過する間に排ガス流路EGPの上流ほど多くの量の過飽和蒸気が微小水滴になる。

0076

しかしながら図11中に示されている第2変形例は、排ガスEGの流れ方向におけるラジエータ部材14の上流端に入って来る排ガスEGの温度と冷却用気体CGとの間の温度差が小さくて、ラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの複数の排ガス流路EGPの夫々の上流側の領域で排ガスEGの水分の飽和蒸気量が少ない場合に有効である。

0077

この変形例では、複数の水分捕集ユニット20が、ラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中において、重力作用方向Gには等間隔で、排ガスEGの流れ方向では下流に向かうのに伴い大きな間隔で、即ち上流ほど小さな間隔で、配置されている。従って、排ガス流路EGP中の排ガスEGの流れ方向における上流側で排ガスEG中の水分が過飽和蒸気になるや否や、多数の水分捕集ユニット20により積極的に捕水して回収する。さらには、排ガス流路EGP中の排ガスEGの流れ方向における排ガスEGの移動距離が大きくなるのに伴い排ガスEGと冷却用気体CGとの間の温度差がさらに小さくなり、排ガスEG中の過飽和蒸気量がさらに少なくなる。この為、この変形例では、複数の水分捕集ユニット20が、ラジエータ部材14の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中において、重力作用方向Gには等間隔であるが、排ガスEGの流れ方向では下流に向かうのに伴い大きな間隔で配置されている。

0078

即ち、この変形例では、複数の水分捕集ユニット20が、排ガス流路EGP中で生じる排ガスEG中の過飽和蒸気量に対応して排ガス流路EGP中に複数の水分捕集ユニット20が配置されていることになる。

0079

従って、図11中に示されているこの変形例では、図9中に示されている如くラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの夫々の排ガス流路EGP中に重力作用方向G及び排ガスEGの流れ方向に等間隔に複数の水分捕集ユニット20が配置されている場合に比べると、使用する水分捕集ユニット20の数が少ないので、排ガス含有水分回収装置10の構成を簡易にすることが出来て製造コスト及びメンテナンスコストを大きく低下させることが出来る。さらに、ラジエータ部材14中の複数のラジエータ管14Aの複数の排ガス流路EGPがこれらを通過する排ガスEGに与える抵抗が減少するので、ラジエータ部材14を通過することによる排ガスEGの圧力損失が減少する。この結果、変形例のラジエータ部材14を含む排ガス含有水分回収装置10を使用した排ガス処理システムに於いては、排ガス含有水分回収装置10の下流側の排ガス昇圧器116が、排ガスEGを煙突104から速やかに排出させるために排ガスEGに負荷しなければならない圧力が低下する。このことは、排ガス昇圧器116が必要とするエネルギーを削減出来ることを意味している。

0080

以上詳述したことから明らかなように、前述した実施形態及び変形例に従った排ガス含有水分回収装置10は、火力を使用して発生させた蒸気のエネルギーを利用する設備の排ガス処理システム中で使用されて排ガス処理システムで処理された排ガス中に含まれている水分のほとんどを効率的に回収することが出来る。回収された水分の量は、前記設備の為に使用しなければならない水の量を満たし、従来は前記設備の為に外部から供給していた水を殆どなくすことができる、即ち前記設備の為に従来外部から供給することが必要であった水を効率的に大きく減少させることが出来る。

0081

本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0082

10…排ガス含有水分回収装置、EG…排ガス、G…重力作用方向、H…水平方向、12A…拡大ダクト、12B…縮小ダクト、14…ラジエータ部材、14A…ラジエータ管、EGP…排ガス流路、14B…外側板、14B−1…本体、14B−2…上流端部、14B−3…下流端部、14C…上流端板、14D…下流端板、14E…上蓋部材、CG…冷却用気体、16…冷却用気体送気装置、18…水排出管路、18A…集水部材、18B…水回収管、20…水分捕集ユニット、20A…集水シート、SL…疎水層、IL…親水層、20B…捕水シート覆い枠、UW…上壁部、SW…側壁部、20C…組立固定要素、20D…スペーサ、22…微小水滴、CAL…大きな接触角、CSL…小さな接触角、26…水滴、UR…上流側の領域、DR…下流側の領域。

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