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課題

芳香族ハロゲン化合物からハロゲン原子含有量が低減された芳香族化合物を効率よく得る、芳香族化合物の製造方法を提供する。

解決手段

芳香族ハロゲン化合物をパラジウム触媒塩基及び溶媒存在下で脱ハロゲン水素化する工程を含む芳香族化合物の製造方法であって、前記パラジウム触媒は、パラジウム錯体であって配位子ホスフィン化合物であるのが好ましく、前記脱ハロゲン水素化は窒素気流下又はアルゴン気流下で、還流しながら50〜200℃で加熱して反応させるのが好ましい。

概要

背景

芳香族ハロゲン化合物は、クロスカップリング反応原料として有用であり、医薬品や機能素材合成原料として用いられている。

しかし、芳香族ハロゲン化物の中には、環境や人体に悪影響を及ぼすものも多く、使用を法令により禁止されているものもある。また、芳香族ハロゲン化合物を原料とした反応で医薬品や機能素材を製造した場合、副生成物として生じた別の芳香族ハロゲン化合物や未反応の原料芳香族ハロゲン化合物生成物中に残留することで、人体への悪影響やデバイス性能の大幅低下を引き起こすことが懸念される。

例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う。)は薄膜ディスプレイ素子液晶ディスプレイバックライト平面光源等の分野に広く使用されている。有機EL素子内に、原料であるハロゲン化有機化合物材料等による不純物が多量に残留していると、発光効率発光輝度に影響を与える。そこで、有機EL素子における有機化合物層を構成する有機化合物材料(例えば芳香族化合物)のハロゲン不純物濃度を1,000質量ppm未満に制御することにより、有機EL素子の輝度劣化を抑制できることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。上記有機化合物材料を、所望のハロゲン不純物濃度に制御する方法として、上記特許文献には昇華精製再結晶高速液体クロマトグラフィーといった精製技術を適宜組み合わせることが開示されている。

概要

芳香族ハロゲン化合物からハロゲン原子含有量が低減された芳香族化合物を効率よく得る、芳香族化合物の製造方法を提供する。芳香族ハロゲン化合物をパラジウム触媒塩基及び溶媒存在下で脱ハロゲン水素化する工程を含む芳香族化合物の製造方法であって、前記パラジウム触媒は、パラジウム錯体であって配位子ホスフィン化合物であるのが好ましく、前記脱ハロゲン水素化は窒素気流下又はアルゴン気流下で、還流しながら50〜200℃で加熱して反応させるのが好ましい。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機エレクトロニクス材料に用いられる芳香族化合物に含まれるハロゲン元素含有量を効果的に低減し得る芳香族化合物の製造方法、及びこの方法によって製造された、ハロゲン含有量を低減した芳香族化合物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記パラジウム触媒は、パラジウム錯体であって配位子ホスフィン化合物である請求項1記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項3

前記パラジウム触媒は、配位子がトリ−tert−ブチルホスフィンであるパラジウム錯体である請求項1又は2記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項4

前記塩基が有機塩基である請求項1〜3のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項5

前記芳香族ハロゲン化合物のハロゲン原子が、臭素又はヨウ素である請求項1〜4のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項6

前記芳香族ハロゲン化合物が、別の芳香族ハロゲン化合物を原料として製造した生成物である請求項1〜5のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項7

前記生成物である芳香族ハロゲン化合物が、オリゴマ又はポリマである請求項6記載の芳香族化合物の製造方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法によって製造された芳香族化合物。

請求項9

請求項8記載の芳香族化合物を含む有機エレクトロニクス材料

請求項10

請求項9記載の有機エレクトロニクス材料を用いて作製した有機エレクトロニクス素子

技術分野

0001

本発明は、芳香族化合物の製造方法及びこの製造方法で得られた芳香族化合物を含む有機エレクトロニクス材料に関する。

背景技術

0002

芳香族ハロゲン化合物は、クロスカップリング反応原料として有用であり、医薬品や機能素材合成原料として用いられている。

0003

しかし、芳香族ハロゲン化物の中には、環境や人体に悪影響を及ぼすものも多く、使用を法令により禁止されているものもある。また、芳香族ハロゲン化合物を原料とした反応で医薬品や機能素材を製造した場合、副生成物として生じた別の芳香族ハロゲン化合物や未反応の原料芳香族ハロゲン化合物生成物中に残留することで、人体への悪影響やデバイス性能の大幅低下を引き起こすことが懸念される。

0004

例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う。)は薄膜ディスプレイ素子液晶ディスプレイバックライト平面光源等の分野に広く使用されている。有機EL素子内に、原料であるハロゲン化有機化合物材料等による不純物が多量に残留していると、発光効率発光輝度に影響を与える。そこで、有機EL素子における有機化合物層を構成する有機化合物材料(例えば芳香族化合物)のハロゲン不純物濃度を1,000質量ppm未満に制御することにより、有機EL素子の輝度劣化を抑制できることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。上記有機化合物材料を、所望のハロゲン不純物濃度に制御する方法として、上記特許文献には昇華精製再結晶高速液体クロマトグラフィーといった精製技術を適宜組み合わせることが開示されている。

先行技術

0005

特許第3290432号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、精製法による分離は、目的物ハロゲンを含有する不純物との物性の差が大きい場合にのみ有効であり、特にオリゴマポリマ等の高分子系材料の一部に芳香族ハロゲン化合物が残留する場合は、精製法で分離することは物性の差がほとんど無いため、困難であった。またオリゴマやポリマ等の高分子系材料では昇華精製等の精製法を適用することは、分子量が大きく熱分解が進行するため、著しく困難であった。

0007

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機エレクトロニクス材料に用いられる芳香族化合物に含まれるハロゲン元素含有量を効果的に低減し得る芳香族化合物の製造方法、及びこの方法によって製造された、ハロゲン含有量を低減した芳香族化合物を提供することを目的とする。さらに、前記芳香族化合物を含む有機エレクトロニクス材料、及びこの有機エレクトロニクス材料を用いて製造した有機エレクトロニクス素子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、芳香族ハロゲン化合物をパラジウム(Pd)触媒塩基及び溶媒存在下で反応させることで脱ハロゲン水素化が進行し、脱ハロゲン水素化した芳香族化合物を高い収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、以下の製造方法に関する。

0010

(1)芳香族ハロゲン化合物をパラジウム触媒、塩基及び溶媒存在下で脱ハロゲン水素化する工程を含む芳香族化合物の製造方法。

0011

(2)前記パラジウム触媒は、パラジウム錯体であって配位子ホスフィン化合物である前記(1)記載の芳香族化合物の製造方法。

0012

(3)前記パラジウム触媒は、配位子がトリ−tert−ブチルホスフィンであるパラジウム錯体である前記(1)又は(2)記載の芳香族化合物の製造方法。

0013

(4)前記塩基が有機塩基である前記(1)〜(3)のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

0014

(5)前記芳香族ハロゲン化合物のハロゲン原子が、臭素又はヨウ素である前記(1)〜(4)のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

0015

(6)前記芳香族ハロゲン化合物が、別の芳香族ハロゲン化合物を原料として製造した生成物である前記(1)〜(5)のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法。

0016

(7)前記生成物である芳香族ハロゲン化合物が、オリゴマ又はポリマである前記(6)記載の芳香族化合物の製造方法。

0017

また、本発明は、(8)前記(1)〜(7)のいずれか記載の芳香族化合物の製造方法によって製造された芳香族化合物に関する。

0018

また、本発明は、(9)前記(8)記載の芳香族化合物を含む有機エレクトロニクス材料に関する。

0019

また、本発明は、(10)前記(9)記載の有機エレクトロニクス材料を用いて作製した有機エレクトロニクス素子に関する。

発明の効果

0020

本発明によれば、芳香族ハロゲン化合物から、ハロゲン原子を含まない芳香族化合物を高収率で得ることができる。また、原料である芳香族ハロゲン化合物よりもハロゲン原子含有量が低減された芳香族化合物を、反応生成物として効率よく得ることができる。特に芳香族ハロゲン化合物がオリゴマやポリマ等の高分子系材料の一部に残留する場合であっても、容易にハロゲン原子含有量を低減することができる。本発明の製造方法により、ハロゲン原子含有量を低減した芳香族化合物は有機エレクトロニクス材料として有用である。

図面の簡単な説明

0021

本発明の実施例1の原料である、N,N´-ビス(4-ブロモフェニル)-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンの1H−NMRスペクトルである。
N,N´-ビス(4-ブロモフェニル)-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンの脱ハロゲン水素化物である、N,N´-ジフェニル-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンの1H−NMRスペクトルである。

0022

本発明における芳香族ハロゲン化合物は、芳香族化合物の環を構成する原子にハロゲン原子が直接化学結合した構造を含む化合物であれば特に限定されない。前記「芳香族化合物の環を構成する原子」とは、例えばベンゼン環を構成する炭素原子が挙げられる。ベンゼン環は一個であっても二個以上であってもよく、ベンゼン環はナフタレン環のように縮合環式構造であってもよい。また、芳香族性を有していれば環構造はベンゼン環に限定されず、複素環式であってもよいし、六員環以外の五員環七員環等であってもよい。さらに、芳香族ハロゲン化合物は、一種類のみを使用しても、異なる複数種を併用してもよい。

0023

また、芳香族ハロゲン化合物は誘導体であってもよく、例えば芳香族アミンのように窒素原子又は酸素原子を有していたり、脂肪族炭化水素基等のような有機基置換されていたりしてもよい。

0024

芳香族ハロゲン化合物は重合体であっても単量体であってもよく、別の芳香族ハロゲン化合物を原料として製造した、重合体のような生成物であってもよい。重合体の場合はオリゴマのような低分子化合物であっても、高分子化合物(ポリマ)であってもよい。重合体の場合、芳香族ハロゲン化合物は重合体を構成する単量体の全部であっても一部であってもよい。特に高分子系材料の一部に芳香族ハロゲン化合物が残留する場合は、従来の精製法で分離してハロゲン原子を低減することが困難であることから、本発明の方法が有用である。これにより高分子化合物のハロゲン原子含有量を低減できる。

0025

本発明において、「脱ハロゲン水素化」とは、ハロゲン原子を含む有機化合物の少なくとも一部を反応させて、ハロゲン原子を含まない有機化合物を得ることを示すものとする。ハロゲン原子を含まない有機化合物としては、上記ハロゲン原子を含む有機化合物におけるハロゲン原子が、水素原子に置換した化合物が挙げられる。

0026

芳香族ハロゲン化合物として、例えば(1)目的とする芳香族化合物を調製するための原料、(2)目的とする芳香族化合物を調製する途中で、前記芳香族化合物にハロゲン原子が置換している構造である中間体、又は(3)目的とする芳香族化合物の中に残留している前記中間体が挙げられる。

0027

(3)の場合、残留している前記中間体は、目的とする芳香族化合物と共に本発明の製造方法に使用しても良いし、中間体のみを取り出して使用しても良い。

0028

以上から、具体的な芳香族ハロゲン化合物としては例えば、芳香族アミン等の芳香族炭化水素及びその誘導体の、ハロゲン化物ナフタレンアントラセンピレン等の縮合環芳香族化合物のハロゲン化物;カルバゾールピリジンチオフェンイミダゾール等の複素環式化合物のハロゲン化物;これらの誘導体、及びこれらを構造の一部に含むオリゴマ又はポリマなどが挙げられる。

0029

芳香族ハロゲン化合物に含まれるハロゲン原子は、カップリング反応活性が高い点で臭素又はヨウ素が好ましく、原料化合物として種類が豊富である点で臭素がより好ましい。一分子中に同種又は異種のハロゲン原子を複数有していてもよい。

0030

本発明に用いられるパラジウム触媒として、パラジウム(0)錯体又はパラジウム(II)塩が好ましく、より好ましくはパラジウム(0)錯体である。パラジウム触媒は溶媒に溶解した溶液の状態で本発明の製造方法に使用してもよい。

0031

また、パラジウム触媒が溶液である場合、脱ハロゲン水素化反応に使用する溶媒と共通する溶媒を使用してもよい。さらに、パラジウム触媒の調製後の溶液が、脱ハロゲン水素化反応に充分な量の溶媒を含んでいれば、このパラジウム触媒溶液を用いる脱ハロゲン水素化反応において、別途溶媒を追加しなくともよい。

0032

好ましい具体的なパラジウム錯体としては、例えば、テトラキストリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体酢酸パラジウム(II)又は塩化パラジウム(II)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンジクロロパラジウム(II)、(2,2´−ビピリジル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリルクロニトロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノエタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、トランスジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(N,N,N´,N´−テトラメチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム(II)、シス−ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−オルトトルイルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、臭化パラジウム(II)、パラジウム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウムトリフルオロ酢酸パラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(IV)、臭化カリウムパラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(II)、塩化ナトリウムパラジウム(II)、硝酸テトラアンミンパラジウム(II)、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、及びテトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられる。
これらは、単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。

0033

カップリング反応の触媒活性に影響する立体障害性と、分子設計拡張性の高さとの観点から、パラジウム錯体の配位子がホスフィン化合物を含むことがより好ましく、パラジウム錯体の配位子がホスフィン化合物であることがより好ましい。

0034

前記配位子に用いられるホスフィン化合物は、一般式がR1R2R3P(ただし、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は有機基)で示される化合物であれば特に制限はなく、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフィン、トリ−メタ−トリルホスフィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(オルト−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(メタ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(メタ−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(パラ−クロロフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2´−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2´,6´−ジメトキシ−1,1´−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2´−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2´−メチル−ビフェニル、及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2´,4´,6´−トリ−イソプロピル−1,1´−ビフェニル等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。また、特開2011−183366公報に「支持配位子」として挙げられた各種ホスフィン化合物も使用できる。

0035

ホスフィン化合物のうち、嵩高く電子供与性の高いものがより好ましく、特に脱ハロゲン化反応の活性の高さからトリ−オルト−トリルホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、及びトリ−tert−ブチルホスフィンが好ましく、これらの中でもトリ−tert−ブチルホスフィンが特に好ましい。

0036

パラジウム錯体の配位子にホスフィンを含まない場合には、配位子となる化合物(以下、配位子用化合物という。)として、ホスフィン化合物の少なくとも一種を、配位子にホスフィンを含まない前記パラジウム錯体と併用することが好ましい。この場合、ホスフィン化合物は上記のホスフィン化合物を援用でき、そのうちで好ましいホスフィン化合物も、上述の好ましいホスフィン化合物と同じものである。

0037

これにより、前記ホスフィンを含まないパラジウム錯体を触媒のパラジウム源として、配位子用化合物が配位子である錯体と同様に脱ハロゲン水素化反応に触媒作用することができる。具体的には配位子にホスフィンを含まないパラジウム錯体と、配位子用化合物とを予め混合してもよいし、両者を脱ハロゲン水素化反応系内に添加してもよい。

0038

配位子にホスフィンを含まない場合のパラジウム錯体(又はパラジウム源)の好ましい例としては、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体、及び酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。また、複素カルベン配位子を有するパラジウム錯体を使用してもよい。
より好ましくは、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。これらパラジウム錯体は、単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。

0039

パラジウム触媒の使用量としては、例えば、芳香族ハロゲン化合物1モルに対して、パラジウム触媒1×10−6モル〜0.5モル等を挙げることができる。より好ましくは芳香族ハロゲン化合物1モルに対して、パラジウム触媒1×10−5モル〜1×10−2モルである。1×10−6モル以上であれば反応が充分生じ、0.5モル以下であれば効率的に反応させることができる。

0040

配位子用化合物を併用する場合のパラジウム触媒の使用量としては、例えば、パラジウム触媒1モルに対して配位子用化合物0.1モル〜10モル等を挙げることができる。より好ましくはパラジウム触媒1モルに対して配位子用化合物1モル〜8モルである。

0041

本発明に用いられる塩基は、水酸化物イオン源となるものや、水との併用で水酸化物イオン源となる物質を生成するようなルイス塩基を含む。

0042

塩基のうち、無機塩基としては、アルカリ金属無機酸塩水溶液、例えば、炭酸ナトリウム炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩の水溶液;水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液などが例示される。有機塩基としては、テトラメチルアンモニウムハイドライドテトラエチルアンモニウムハイドライド等の4級アンモニウム水酸化物の水溶液などが例示される。

0043

好ましくは、アルカリ金属水酸化物の水溶液又は4級アンモニウム水酸化物の水溶液である。反応性の点で、4級アンモニウム水酸化物のような有機塩基がより好ましい。塩基は、単一のものであってもよいし、異なる種類の塩基が混合されたものであってもよい。

0044

塩基の使用量は、芳香族ハロゲン化物のモル数に対して塩基が当量以上、好ましくは1〜10倍当量である。塩基濃度は高いほど脱ハロゲン水素化反応が進行しやすい。好ましくは0.01M以上、より好ましくは0.1M以上、さらに好ましくは0.5M以上である。

0045

本発明の製造方法において、パラジウム触媒と併用して相間移動触媒を用いてもよい。相間移動触媒としては、例えば、4級アンモニウム及びその塩、ホスホニウム塩クラウンエーテル、及びクリプタンド等が挙げられる。好ましい相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、及びテトラアルキル水酸化アンモニウム等が挙げられる。

0046

相間移動触媒の使用量としては、例えば、本発明に用いられる芳香族ハロゲン化合物1モルに対して少なくとも0.001モルが好ましく、より好ましくは0.01モル〜1モル等を挙げることができる。0.001モル以上であれば反応が充分生じる。

0047

本発明に用いられる溶媒は、芳香族ハロゲン化合物が溶解する溶媒であり、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。溶媒としては、例えば、メタノールエタノールイソプロピルアルコール等のアルコールペンタンヘキサンオクタン等のアルカンシクロヘキサン等の環状アルカンベンゼントルエンキシレンメシチレンテトラリンジフェニルメタン等の芳香族炭化水素;エチレングリコールジメチルエーテルエチレングリコールジエチルエーテルプロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソールフェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル酢酸エチル酢酸n−ブチル乳酸エチル乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル酢酸フェニルプロピオン酸フェニル安息香酸メチル安息香酸エチル安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒ジメチルスルホキシドテトラヒドロフランアセトン、クロロホルム、及び塩化メチレンなどが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族エーテル、及び芳香族エーテルである。これらは、単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。

0048

脱ハロゲン水素化反応における溶媒だけでなく、別途パラジウム触媒を調製する際に使用する溶媒も上記で挙げたものを使用できる。どちらの場合も、予め窒素バブルにより脱気してから使用するのが好ましい。

0049

脱ハロゲン水素化反応は、芳香族ハロゲン化合物と、パラジウム触媒と、塩基と、溶媒との混合物を、還流しながら加熱して反応させるのが好ましい。反応温度は、通常50〜200℃の範囲で選択され、70〜150℃が好ましい。反応時間は、通常1〜48時間の範囲で選択され、2〜24時間が好ましい。さらに、反応は窒素気流下又はアルゴン気流下で行うことが好ましい。

0050

脱ハロゲン水素化反応終了後、反応生成物は水洗した後、溶媒を除去し、乾燥させるのが好ましい。

0051

上記反応により、芳香族ハロゲン化合物におけるハロゲン原子の位置に水素原子が置換する。例として、N,N´−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N´−ビス(4−トリル)ベンジジンを脱ハロゲン化水素化する反応の概略を下記の反応式(1)に示す。

0052

以上の製造方法によってハロゲン原子が低減された芳香族化合物は、そのままで、又は他の原料と混合して、有機エレクトロニクス材料に使用される。有機エレクトロニクス材料から、有機エレクトロニクス素子が作製される。

0053

例えば有機薄膜EL素子の場合、二つの電極の間に、有機化合物の正孔注入層正孔輸送層発光層、及び電子注入層等を含む。本発明の芳香族化合物又は有機エレクトロニクス材料は、これらの層のいずれに使用してもよい。

0054

以下、実施例により本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、「ミリリットル」を以下「mL」と表記する。

0055

(パラジウム触媒の調製)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、室温下、サンプル管にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(73.2mg、80μmol)を秤り取り、アニソール(15mL)を加え、30分間撹拌して溶液1を得た。同様に、別のサンプル管にトリ−tert−ブチルホスフィン(129.6mg、640μmol)を秤り取り、アニソール(5mL)を加え、5分間撹拌して溶液2を得た。前記溶液1と溶液2とを混合し、室温で30分間撹拌してパラジウム触媒のアニソール溶液(4mM)を得た。なお、上記アニソールはいずれも30分以上、窒素バブルにより予め脱気した後で使用し、また、以上の全ての操作は窒素気流下で行った。

0056

(実施例1)
口丸底フラスコに、N,N´-ビス(4-ブロモフェニル)-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジン(8mmol)と、予め30分以上窒素バブルにより脱気したアニソール(20mL)を窒素気流下で加え、さらに上記で調製したパラジウム触媒溶液(1.0mL、4μmol)を加えて混合物1を得た。なお、後述する加熱・還流の終了まで、全ての操作は窒素気流下で行った。

0057

上記混合物1を30分撹拌した後、予め30分以上窒素バブルにより脱気した10%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(12mL)を加えて混合物2を得た。

0058

この混合物2を窒素気流下、95℃で2時間加熱・還流して脱ハロゲン化反応させた。

0059

反応終了後、反応系から水相を除去し、有機相を水洗した後、溶媒を除去し生成物を回収した。生成物の質量測定NMR測定とにより、生成物は、N,N´-ジフェニル-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンであることを確認した。また、回収率は100%であることがわかった。以上の反応の概略を下記の反応式(1)に示す。

0060

本実施例の原料である、N,N´-ビス(4-ブロモフェニル)-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンの1H−NMRスペクトルを図1に示す。また、N,N´-ジフェニル-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンの1H−NMRスペクトルを図2に示す。得られた生成物の1H−NMR測定の結果から、原料由来シグナルが、生成物には含まれていないことを確認した。

0061

(実施例2)
触媒調製に使用した溶媒アニソール(15mL+5mL)と、脱ハロゲン化反応に使用した溶媒アニソール(20mL)とを、それぞれ同量のトルエンに変更した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。生成物の質量測定とNMR測定によれば、生成物は、実施例1と同じN,N´-ジフェニル-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンであり、回収率は100%であった。

0062

(実施例3)
脱ハロゲン化反応の溶媒アニソール(20mL)をTHF(テトラヒドロフラン)(20mL)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応終了後、水に反応溶液滴下して再沈殿させた。生成した沈殿物を回収した結果、生成物は実施例1と同じN,N´-ジフェニル-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンであり、回収率は74%であった。

0063

(実施例4)
原料であるN,N´-ビス(4-ブロモフェニル)-N,N´-ビス(4-トリル)ベンジジンを1−ブロモナフタレン(8mmol)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。生成物の質量測定とNMR測定によれば、生成物はナフタレン(65.6%)と未反応の1-ブロモナフタレン(34.4%)であった。

0064

以上の反応の概略を下記の反応式(2)に示す。

0065

実施例1〜4から、芳香族ハロゲン化合物を高い収率で脱ハロゲン水素化できたことが確認できた。

0066

(芳香族ハロゲン化合物のポリマの合成例)
芳香族ハロゲン化合物のポリマを次の手順で合成した。合成の概略を下記の反応式(3)に示す。

0067

三口丸底フラスコに、下記反応式(3)式に示す構造のモノマ1(2.0mmol、0.964g)、モノマ2(5.0mmol、2.767g)及びモノマ3(4.0mmol、1.541g)と、アニソール(20mL)とを窒素気流下で加え、さらに上記で調製したパラジウム触媒溶液(7.5mL、3μmol)を加えて混合物1を得た。なお、後述する加熱・還流の終了まで、全ての操作は窒素気流下で行った。

0068

混合物1を30分撹拌した後、1M濃度炭酸カリウム水溶液(230mL)を加えて混合物2を得た。なお、溶媒であるアニソール及び炭酸カリウム水溶液は予め30分以上窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物2を2時間95℃で加熱・還流してポリマを合成した。

0069

反応終了後、反応系から水相を除去し、有機相を水洗し、有機相をメタノール−水(容量比9:1)に注いだ。生じた沈殿吸引ろ過し、メタノール−水(容量比9:1)で洗浄した。得られた沈殿をトルエンに溶解し、メタノールに滴下して再沈殿させた。得られた沈殿を吸引ろ過し、トルエンに溶解し、トリフェニルホスフィンポリマ結合スチレンジビニルベンゼン共重合体(StremChemicals社製、ポリマ100mgに対して200mg)を加えて、一晩撹拌した。撹拌終了後、未反応のトリフェニルホスフィンポリマ結合スチレン−ジビニルベンゼン共重合体と不溶物をろ過して取り除き、ろ液をメタノール−アセトン(容量比8:3)に滴下して再沈殿した。生じた沈殿を吸引ろ過し、メタノール−アセトン(容量比8:3)で洗浄した。得られた沈殿を真空乾燥し、芳香族ハロゲン化合物部位を含むポリマを得た。

0070

得られたポリマの重量平均分子量を、溶離液にTHFを用いたGPC(ポリスチレン換算)により測定したところ、42,000であった。

0071

このポリマを試料として20mgをイオンクロマトグラフ前処理用自動試料燃焼装置(株式会社三菱化学アナリテック型番AQF−100)で加熱燃焼させ、生成ガス吸収液中に吸収し、次いで燃焼イオンクロマトグラフダイオネクス社製 型番ICS−1600)により吸収液中のイオン量を定量した結果、ポリマ中のBr量は1400ppmであった。

0072

また、上記ポリマ試料300mgと超純水フッ素樹脂容器に入れ、100℃で2時間保ち、ろ過を行いろ液をイオンクロマトグラフ(ダイオネクス社製型番ICS−2000)で測定した結果、ポリマ試料中に含まれる遊離のBrイオン量は10ppm以下であることが分かった。

0073

以上の二つの測定結果から、ポリマ試料中に含まれるBrはポリマと化学結合した状態で存在していると推察される。

0074

(実施例5)
三口丸底フラスコに窒素気流下で、上記で調製したポリマ試料(0.75g)とトルエン(14.7mL)を加え、さらに20%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液(9.0mL)を加えた。なお、後述する加熱・還流の終了まで、全ての操作は窒素気流下で行った。さらに上記で調製したパラジウム触媒溶液(0.4mL、1.6μmol)を加えた。なお、上記トルエン及び20%テトラエチルアンモニウム水酸化物水溶液は、予め30分以上、窒素バブルにより脱気した後、使用した。この混合物を窒素気流下95℃で2時間加熱・還流して脱ハロゲン化反応させた。

実施例

0075

この脱ハロゲン化水素化したポリマを試料として、20mgを前出のイオンクロマトグラフ前処理用自動試料燃焼装置で加熱燃焼させ、生成ガスを吸収液中に吸収し、次いで前出の燃焼イオンクロマトグラフにより吸収液中のイオン量を定量した結果、このポリマ試料中のBr量は7ppmであった。以上により、芳香族ハロゲン化合物部位を含むポリマのBr含有量が、脱ハロゲン化水素化により大幅に低減したことを確認できた。

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