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技術 ヒータチップ及び接合装置及び接合方法

出願人 株式会社工房PDA
発明者 原田慎一
出願日 2016年7月19日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-141192
公開日 2018年1月25日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-012200
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のライニング、接合 溶融はんだ付
主要キーワード 温度測定信号 電流測定信号 分岐電流 縦断面形 フィードバック制御方式 給電用導体 定温度制御 異種材質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月25日)のものです。
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図面 (16)

課題

複数の加工ポイントに対して熱カシメまたはハンダ付けによる同時の接合加工を可能とし、さらには熱カシメまたはハンダ付けの加工品質および信頼性の向上を可能とすること。

解決手段

このヒータチップ10のコテ部12は、一対の接続端子部14L,14Rの間で延びる第1および第2のコテ発熱部16,18と、複数の加工ポイント(図示せず)とそれぞれ対向するように両コテ発熱部16,18に設けられる複数のコテ先部M1,M2,M3,M4と、両コテ発熱部16,18の長手方向の中心部にて両コテ発熱部16,18の間に延在する中間介在部20とを有し、熱電対24は中間介在部20の上に取り付けられる。両コテ発熱部16,18の間には、その対向する方向において隣接する加工ポイントの間隔に応じた空きスペースが設けられる。

概要

背景

熱カシメは、樹脂部材異種材料(たとえば、金属、ガラス等)の板状部材とを接合する用途でよく用いられている。このような接合用途において、熱カシメの工法は、典型的には、樹脂部材および異種材料の部材の合わせ面または対向面に同一の配置パターンで多数のボス(またはリベット)および貫通孔をそれぞれ形成し、各ボスが各対応する貫通孔を貫通するようにして両部材を重ね合わせ、ボスに上方から加熱と加圧を同時にかける。そうすると、ボスの貫通孔の上に突出している部分が太く広がるように塑性変形して、樹脂部材に異種材料の板状部材がかしめられる。

従来より、樹脂の熱カシメの一工法として、ヒータチップ方式が用いられている。ヒータチップ方式は、タングステンモリブデン等の高融点金属からなる通電発熱型の治具またはヒータチップを樹脂部材のボスに押し当てて加熱と加圧を与え、ボスが所定の形状に塑性変形した合いで通電を止めて冷却し、ヒータチップを引き離すようにしている。ヒータチップ方式の接合装置は、赤外線方式の接合装置や超音波方式の接合装置と比べて装置構成が簡便であり、また、上記のような樹脂の熱カシメだけでなく、リフローハンダ付けにもよく用いられている。

概要

複数の加工ポイントに対して熱カシメまたはハンダ付けによる同時の接合加工を可能とし、さらには熱カシメまたはハンダ付けの加工品質および信頼性の向上を可能とすること。このヒータチップ10のコテ部12は、一対の接続端子部14L,14Rの間で延びる第1および第2のコテ発熱部16,18と、複数の加工ポイント(示せず)とそれぞれ対向するように両コテ発熱部16,18に設けられる複数のコテ先部M1,M2,M3,M4と、両コテ発熱部16,18の長手方向の中心部にて両コテ発熱部16,18の間に延在する中間介在部20とを有し、熱電対24は中間介在部20の上に取り付けられる。両コテ発熱部16,18の間には、その対向する方向において隣接する加工ポイントの間隔に応じた空きスペースが設けられる。

目的

本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、複数の加工ポイントに対して熱カシメまたはハンダ付けによる同時の接合加工を可能とし、さらには熱カシメまたはハンダ付けの加工品質および信頼性の向上を可能とするヒータチップおよびこれを用いる接合装置ならびに接合方法を提供する。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の加工ポイントに対する熱カシメまたはハンダ付け接合加工を行うためのヒータチップであって、前記接合加工時に前記複数の加工ポイントに熱と圧力を与えるためのコテ部と、ヒータ電源からの給電用導体との物理的かつ電気的な接続をとるために、前記コテ部と一体的にその左右両端部から対称または非対称に延びる一対の接続端子部と、前記コテ部の温度を測定するための熱電対とを有し、前記コテ部は、前記一対の接続端子部の間で延びる第1および第2のコテ発熱部と、前記複数の加工ポイントとそれぞれ対向するように前記第1および第2のコテ発熱部に設けられる複数のコテ先部と、前記第1および第2のコテ発熱部の長手方向の中心部にて両コテ発熱部の間に延在する中間介在部とを有し、前記熱電対は、前記中間介在部の上に取り付けられる、ヒータチップ。

請求項2

前記中間介在部は、前記コテ先部側から見て前記第1および第2のコテ発熱部の背面付近に設けられる、請求項1に記載のヒータチップ。

請求項3

前記第1および第2のコテ発熱部は、前記背面付近で互いに最も近接し、前記複数のコテ先部側に向かって次第に離間距離が大きくなる、請求項2に記載のヒータチップ。

請求項4

前記第1および第2のコテ発熱部は、両者合わさってハ字状縦断面形状を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項5

前記第1および第2のコテ発熱部は、その長手方向において、断面積が変化し、中心部で最も大きく、両端部に向かって次第に小さくなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項6

前記第1および第2のコテ発熱部は、その長手方向において、縦方向のサイズが変化し、中心部で最も大きく、両端部に向かって次第に小さくなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項7

前記複数のコテ先部は、前記第1および第2のコテ発熱部において前記熱電対の取付位置を中心点として点対象の位置に設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項8

前記コテ先部は、前記第1および第2のコテ発熱部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項9

前記第1および第2のコテ発熱部の前記加工ポイントと対向する作用面は平坦であり、前記コテ先部は、前記第1および第2のコテ発熱部の前記作用面から突出している、請求項1〜8のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項10

前記接続端子部は、外部の導体着脱可能に結合されるための端子部と、この端子部と前記コテ部の両端部とを接続するコテ接続部とを有し、前記コテ接続部は、前記端子部から前記コテ部に向かってアーム状に延びる主接続部と、この主接続部から2つに分岐して前記第1および第2のコテ発熱部に接続する分岐接続部とを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヒータチップ。

請求項11

前記主接続部は、前記端子部の板厚方向において前記端子部より小さな板厚を有し、前記分岐接続部は、前記主接続部よりも小さな断面積を有する、請求項10に記載のヒータチップ。

請求項12

請求項1〜11のいずれか一項に記載のヒータチップと、前記ヒータチップを支持し、複数の加工ポイントに対する熱カシメまたはハンダ付けの接合加工を同時に行う際に、前記複数のコテ先部を前記複数の加工ポイントにそれぞれ加圧接触させるヒータヘッドと、前記ヒータチップに抵抗発熱用の電流を供給するヒータ電源とを有する接合装置

請求項13

請求項12に記載の接合装置を用いて、樹脂部材の複数の被カシメ部について熱カシメの接合加工を行う接合方法であって、前記樹脂部材の前記複数の被カシメ部に前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ当てる第1の工程と、前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップを前記樹脂部材に所定の加圧力押し付ける第2の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップを通電し、各々の前記コテ部からの加熱と加圧により各々の前記被カシメ部を塑性変形させる第3の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップの通電を所定のタイミングで停止し、所定時間後に前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップの前記複数のコテ先部を前記樹脂部材の前記複数の被カシメ部から同時に引き離す第4の工程とを有する接合方法。

請求項14

請求項12に記載の接合装置を用いて、複数の第1の金属部材と複数の第2の金属部材とのハンダ付けを行う接合方法であって、前記複数の第1の金属部材にハンダを介してそれぞれ対応する前記複数の第2の金属部材を重ねる第1の工程と、前記ヒータヘッドを制御して、前記複数の第2の金属部材に前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ当てて所定の加圧力を加える第2の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップを通電し、前記コテ部からの加熱により前記ハンダを溶かす第3の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップの通電を所定のタイミングで停止し、所定時間後に前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ前記複数の第2の金属部材から同時に引き離す第4の工程とを有する接合方法。

請求項15

ヒータ電源からの給電用導体との物理的かつ電気的な接続をとるための平板状の一対の端子部と、各々の前記端子部から前記端子部の板面と平行な一方向に延びる主接続部と、各々の前記主接続部から分岐して延びる第1および第2の分岐接続部と、一方の前記端子部に一方の前記主接続部を介して繋がっている一方の前記第1の分岐接続部と、他方の前記端子部に他方の前記主接続部を介して繋がっている他方の前記第1の分岐接続部との間に延在する第1のコテ発熱部と、一方の前記端子部に一方の前記主接続部を介して繋がっている一方の前記第2の分岐接続部と、他方の前記端子部に他方の前記主接続部を介して繋がっている他方の前記第2の分岐接続部との間に延在する第2のコテ発熱部と、前記第1および前記第2のコテ発熱部にそれぞれ一体的に設けられている第1および第2のコテ先部とを有するヒータチップ。

請求項16

前記主接続部と第1および第2の分岐接続部とは、側面視で逆さY字状の形体をなしている、請求項15に記載のヒータチップ。

請求項17

前記第1のコテ発熱部と前記第2のコテ発熱部との間に中間介在部が設けられ、前記中間介在部の上に熱電対が取り付けられる、請求項15または請求項16に記載のヒータチップ。

技術分野

0001

本発明は、熱カシメおよびリフローハンダ付け接合加工に用いるヒータチップ接合装置および接合方法に関する。

背景技術

0002

熱カシメは、樹脂部材異種材料(たとえば、金属、ガラス等)の板状部材とを接合する用途でよく用いられている。このような接合用途において、熱カシメの工法は、典型的には、樹脂部材および異種材料の部材の合わせ面または対向面に同一の配置パターンで多数のボス(またはリベット)および貫通孔をそれぞれ形成し、各ボスが各対応する貫通孔を貫通するようにして両部材を重ね合わせ、ボスに上方から加熱と加圧を同時にかける。そうすると、ボスの貫通孔の上に突出している部分が太く広がるように塑性変形して、樹脂部材に異種材料の板状部材がかしめられる。

0003

従来より、樹脂の熱カシメの一工法として、ヒータチップ方式が用いられている。ヒータチップ方式は、タングステンモリブデン等の高融点金属からなる通電発熱型の治具またはヒータチップを樹脂部材のボスに押し当てて加熱と加圧を与え、ボスが所定の形状に塑性変形した合いで通電を止めて冷却し、ヒータチップを引き離すようにしている。ヒータチップ方式の接合装置は、赤外線方式の接合装置や超音波方式の接合装置と比べて装置構成が簡便であり、また、上記のような樹脂の熱カシメだけでなく、リフローハンダ付けにもよく用いられている。

先行技術

0004

特開2015−51603号公報

発明が解決しようとする課題

0005

熱カシメやリフローハンダ付けに用いられている従来のヒータチップは、一時に1つの加工ポイントでしか接合加工を行うことができないチップ構造および機能になっている。しかしながら、熱カシメやリフローハンダ付けの接合加工においては、被加工部材またはワークに多数の加工ポイント(被カシメ部、被ハンダ付け部等)が設けられるのが普通である。このため、1つのワークにたとえば8箇所の加工ポイントが設けられた場合は、ヒータチップによる加熱・加圧動作(ヒータチップを通電発熱させ、1つの加工ポイントに押し当て、所定時間後に通電を止めて引き離す動作)を8箇所の加工ポイントについて合計8回繰り返さなければならず、接合加工タクトの低いことが課題となっている。

0006

本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、複数の加工ポイントに対して熱カシメまたはハンダ付けによる同時の接合加工を可能とし、さらには熱カシメまたはハンダ付けの加工品質および信頼性の向上を可能とするヒータチップおよびこれを用いる接合装置ならびに接合方法を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第1の観点におけるヒータチップは、複数の加工ポイントに対する熱カシメまたはハンダ付けの接合加工を行うためのヒータチップであって、前記接合加工時に前記複数の加工ポイントに熱と圧力を与えるためのコテ部と、ヒータ電源からの給電用導体との物理的かつ電気的な接続をとるために、前記コテ部と一体的にその左右両端から対称または非対称に延びる一対の接続端子部と、前記コテ部の温度を測定するための熱電対とを有し、前記コテ部は、前記一対の接続端子部の間で平行に延びる第1および第2のコテ発熱部と、前記複数の加工ポイントとそれぞれ対向するように前記第1および第2のコテ発熱部に設けられる複数のコテ先部と、前記第1および第2のコテ発熱部の長手方向の中心部にて両コテ発熱部の間に延在する中間介在部とを有し、前記熱電対は前記中間介在部の上に取り付けられる。

0008

上記構成のヒータチップを通電させると、一方の接続端子部→コテ部(第1および第2のコテ発熱部)→他方の接続端子部の経路またはその逆向きの経路でヒータ電源(図示せず)からの電流が流れる。このようにコテ部内では電流が分岐して第1および第2のコテ発熱部を流れ、両コテ発熱部内で発生したジュール熱の一部は複数のコテ先部を介して複数の加工ポイントに同時に供給される。一方で、両コテ発熱部内で発生したジュール熱の他の一部が中心部の中間介在部に集まって、この中間介在部を介して熱電対に伝わり、熱電対よりコテ温度の測定値を表す電気信号が得られる。中間介在部には、電流はほとんど流れず、熱だけが流れる。かかる構成および作用により、ヒータチップの消費電力の低減、急速発熱(昇温)/急速冷却等を実現できるとともに、熱電対の応答性ないし感度を良くすることもできる。

0009

本発明の好適な形態においては、本発明の上記作用効果を一層高めるために、上記の基本構成に加えて、
(a) 中間介在部が、コテ先部側から見て第1および第2のコテ発熱部の背面付近に設けられる構成、
(b) 第1および第2のコテ発熱部が、両コテ発熱部の背面付近で互いに最も近接し、上記複数のコテ先部側に向かって次第に離間距離が大きくなる構成、
(c) 第1および第2のコテ発熱部が両者合わさってハ字状縦断面形状を有するような構成、
(d) 第1および第2のコテ発熱部が、その長手方向において、断面積が変化し、中心部で最も大きく、両端部に向かって次第に小さくなる構成、
(e) 第1および第2のコテ発熱部は、その長手方向において、縦方向のサイズが変化し、中心部で最も大きく、両端部に向かって次第に小さくなる構成、
(f) 複数のコテ先部が、第1および第2のコテ発熱部において熱電対の取付位置を中心点として点対象の位置に設けられる構成、
(g)接続端子部が、外部の導体着脱可能に結合されるための端子部と、この端子部とコテ部の両端部とを接続するコテ接続部とを有し、コテ接続部が、端子部からコテ部に向かってアーム状に延びる主接続部と、この主接続部から2つに分岐して第1および第2のコテ発熱部に接続する分岐接続部とを有する構成、
(h) 主接続部が端子部の板厚方向において端子部より小さな板厚を有し、分岐接続部が主接続部よりも小さな断面積を有する構成、
のいずれか一つまたは複数が採られる。

0010

本発明の接合装置は、本発明のヒータチップと、前記ヒータチップを支持し、複数の加工ポイントに対する熱カシメまたはハンダ付けの接合加工を同時に行う際に、前記複数のコテ先部を前記複数の加工ポイントにそれぞれ加圧接触させるヒータヘッドと、前記ヒータチップに抵抗発熱用の電流を供給するヒータ電源とを有する。

0011

本発明の第1の接合方法は、本発明の接合装置を用いて、樹脂部材の複数の被カシメ部について熱カシメの接合加工を行う接合方法であって、前記樹脂部材の前記複数の被カシメ部に前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ当てる第1の工程と、前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップを前記樹脂部材に所定の加圧力押し付ける第2の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップを通電し、各々の前記コテ部からの加熱と加圧により各々の前記被カシメ部を塑性変形させる第3の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップの通電を所定のタイミングで停止し、所定時間後に前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップの前記複数のコテ先部を前記樹脂部材の前記複数の被カシメ部から同時に引き離す第4の工程とを有する。

0012

本発明の第2の接合方法は、本発明の接合装置を用いて、複数の第1の金属部材と複数の第2の金属部材とのハンダ付けを行う接合方法であって、前記複数の第1の金属部材にハンダを介してそれぞれ対応する前記複数の第2の金属部材を重ねる第1の工程と、前記ヒータヘッドを制御して、前記複数の第2の金属部材に前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ当てて所定の加圧力を加える第2の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップを通電し、前記コテ部からの加熱により前記ハンダを溶かす第3の工程と、前記ヒータ電源を制御して前記ヒータチップの通電を所定のタイミングで停止し、所定時間後に前記ヒータヘッドを制御して前記ヒータチップの前記複数のコテ先部をそれぞれ前記複数の第2の金属部材から同時に引き離す第4の工程とを有する。

0013

本発明の第2の観点におけるヒータチップは、ヒータ電源からの給電用導体との物理的かつ電気的な接続をとるための平板状の一対の端子部と、各々の前記端子部から前記端子部の板面と平行な一方向に延びる主接続部と、各々の前記主接続部から分岐して延びる第1および第2の分岐接続部と、一方の前記端子部に一方の前記主接続部を介して繋がっている一方の前記第1の分岐接続部と、他方の前記端子部に他方の前記主接続部を介して繋がっている前記第1の分岐接続部との間に延在する他方の第1のコテ発熱部と、一方の前記端子部に一方の前記主接続部を介して繋がっている一方の前記第2の分岐接続部と、他方の前記端子部に他方の前記主接続部を介して繋がっている他方の前記第2の分岐接続部との間に延在する第2のコテ発熱部と、前記第1および前記第2のコテ発熱部にそれぞれ一体的に設けられている第1および第2のコテ先部とを有する。

発明の効果

0014

本発明のヒータチップによれば、上記のような構成および作用により、複数の加工ポイントに対して熱カシメまたはハンダ付けによる同時接合加工を可能とすることが可能であり、さらには熱カシメまたはハンダ付けの加工品質および信頼性を向上させることもできる。

0015

また、本発明の接合装置または接合方法によれば、本発明のヒータチップを用いることにより、多数の加工ポイントを有する被加工物に対する熱カシメまたはハンダ付けの接合加工においてタクトの向上および品質向上をはかることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明のヒータチップの要部の基本構成を示す分解斜視図である。
比較例の構成を示す分解斜視図である。
本発明の第1の実施形態におけるヒータチップの外観構成を示す斜視図である。
上記ヒータチップの正面図、側面図および下面図である。
図3のA−A線についての断面図である。
図3のB−B線についての一部断面上面図である。
上記実施形態における接合装置の全体構成を示す図である。
上記接合装置を用いて樹脂部材に異種材質の部材を熱カシメで接合する加工の一実施例の様子を示す斜視図である。
上記熱カシメ接合加工の各段階を示す一部断面正面図である。
通電中の上記ヒータチップにおける熱電対回りの熱の流れを模式的に示す図である。
上記接合加工において、一組の加工ポイントに対する一括的な熱カシメの加工が済んだ直後の状態を示す斜視図である。
上記接合加工において、すべての加工ポイントに対する熱カシメの加工が終了したときの状態を示す斜視図である。
第2の実施形態におけるヒータチップの外観構成を示す斜視図である。
上記実施形態における接合装置を用いて導線端子部材にリフローのハンダ付けで接合する一例の被加工物を示す平面図である。
上記リフローハンダ付けの各段階を示す一部断面正面図である。

実施例

0017

[本発明の基本構成および作用]

0018

図1Aに、本発明のヒータチップの要部の基本構成を示す。図示のように、本発明のコテ部2は、一対の接続端子部4L,4Rの間で延びる第1および第2のコテ発熱部6,8と、複数の加工ポイント(図示せず)とそれぞれ対向するように両コテ発熱部6,8に設けられる複数(たとえば4個)のコテ先部m1,m2,m3,m4と、両コテ発熱部6,8の長手方向の中心部にて両コテ発熱部6,8の間に延在する中間介在部5とを有し、熱電対9は中間介在部5の上に取り付けられる。両コテ発熱部6,8の間には、その対向する方向(長手方向と直交する横方向)において隣接する加工ポイントの間隔に応じた空きスペースSが設けられる。

0019

このヒータチップの通電中は、一方側の接続端子部4L→コテ部2(コテ発熱部6,8)→他方の接続端子部4Rの経路またはその逆向きの経路でヒータ電源(図示せず)からの電流Iが流れる。ここで、両コテ発熱部6,8の形状およびサイズが同じであるとすると、両コテ発熱部6,8には分岐電流I/2,I/2がそれぞれ流れる。両コテ発熱部6,8内で発生したジュール熱の一部はコテ先部m1,m2,m3,m4を介して複数の加工ポイントに同時に供給される。一方で、コテ発熱部6,8内で発生したジュール熱の他の一部が中心部の中間介在部5に集まって、この中間介在部5を介して熱電対9に伝わり、熱電対9よりコテ温度の測定値を表す電気信号が得られる。中間介在部5には、電流はほとんど流れず、熱だけが流れる。

0020

図1Bに、比較例として、コテ部2をコテ発熱部6,8に2分割しないで単体とする構成を示す。上記空きスペースSの形状および体積が各コテ発熱部6,8の形状および体積に等しいと仮定すると、この比較例の構成においてコテ部2内の各部に本発明のものと同一の電流密度を得ようとすれば、ヒータ電源より1.5倍の電流(1.5I)を供給しなくてはならない。この比較例においては、消費電力が多いことや、コテ部2のボリュームが大きいため急速発熱(昇温)/急速冷却を実現することが難しいことや、通電中のヒータチップより周囲に与える誘導磁界が大きいこと等の課題がある。さらには、上記空きスペースSを埋めた中間部(7)から熱電対9に流れる熱の影響により熱電対9とコテ先部m1,m2,m3,m4との間の熱の流れの感度が相対的に弱められるため、熱電対9の応答性ないし感度がよくない。本発明によれば、そのような比較例の課題が上手に解決される。

[本発明の好適な実施形態]

0021

以下、図2図10を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。

0022

図2図3および図4A図4Bに、本発明の第1の実施形態におけるヒータチップの構成を示す。図2は、このヒータチップの外観構成を示す斜視図である。図3は、このヒータチップの正面図、右側面図および下面図である。図4Aおよび図4Bは、図3のA−A線およびB−B線についての断面図である。

0023

この実施形態におけるヒータチップ10は、たとえば4mm程度の厚さを有する硬い板状の高融点金属たとえば圧延加工タングステンまたは焼結タングステンからなり、たとえばワイヤ放電加工により図示のような正面視で略凹状の一体物モノシリック体)に製作されている。

0024

このヒータチップ10は、通常使用形態姿勢において最下端に位置する横長のコテ部12と、このコテ部12と一体的にその上部の左右両端部から上方に対称(または非対称)に延びる左右一対の接続端子部14L,14Rとを有している。

0025

コテ部12は、左右一対の接続端子部14L,14Rの間で平行にまっすぐ延びる棒状または板状の第1および第2のコテ発熱部16,18と、これらのコテ発熱部16,18の作用面(下面)16a,18aの左右両端部にそれぞれ設けられる複数個たとえば4個のコテ先部M1,M2,M3,M4と、両コテ発熱部16,18の長手方向(左右方向)の中心部にて両コテ発熱部16,18の間に延在する中間介在部20とを有している。この中間介在部20の上に突部22を介して熱電対24が取り付けられる。

0026

両コテ発熱部16,18は、縦方向において、それらの背面(上面)16b,18b付近が中間介在部20を介して最近接し、作用面(下面)16a,18a側に向かって両者の離間距離が次第に大きくなる形体を有し、側面視では両者合わさってハ字状の断面形状を有している。また、長手方向(左右方向)においては、縦方向のサイズが中心部で最も大きく、両端部に向かって次第に小さくなるような形状(正面視で二等辺三角形の形状)を有している。両コテ発熱部16,18の断面積も、長手方向(左右方向)の中心部が最も大きく、両端部にいくほど小さくなっている。中間介在部20は、この二等辺三角形の頂部付近に局在して設けられている。この構成においては、通電中に電流がほとんど流れず専らコテ発熱部から熱電対24への熱の伝達に寄与する中間介在部20のボリュームを可及的に小さくすることができる。

0027

接続端子部14L,14Rは、ボルト通し孔26L,26Rが形成されている幅広で平板状の端子部28L,28Rと、これらの端子部28L,28Rとコテ部12の両端部とを接続するコテ接続部30L,30Rとを有している。これらのコテ接続部30L,30Rは、側面視で逆さY字状の形体を有しており、端子部28L,28Rからコテ部12に向かってアーム状に平行に延びる主接続部32L,32Rと、この主接続部32L,32Rから端子部28L,28Rの板厚方向に分岐して延びて第1および第2のコテ発熱部16,18に接続する一対の分岐接続部34L/36L,34R/36Rとを有している。

0028

図3に示すように、端子部28L,28Rの厚みの寸法D28は、コテ部12全体の幅方向の寸法D12と略同じである。逆さY字状のコテ接続部30L,30Rにおいて、主接続部32L,32Rの厚みの寸法(板厚)D32は端子部28L,28Rの厚みの寸法(板厚)D28よりも格段に小さく(約1/3)、端子部28L,28Rと主接続部32L,32Rとの間には下に向かって板厚が次第に小さくなるテーパ部29が形成されている。また、分岐接続部34L/36L,34R/36Rの厚みの寸法D34,D36は、主接続部32L,32Rの厚みの寸法D32よりもさらに小さい(約1/2〜2/3)。つまり、分岐接続部34L/36L,34R/36の断面積は、主接続部32L,32Rの断面積よりもさらに一段と小さい。

0029

この実施形態において、分岐接続部34L/36L,34R/36Rは、両コテ発熱部16,18の長手方向における中心部と略同一の断面形状を有しており(図3の右側面図、図4B)、実質的に両コテ発熱部16,18の一部つまり両端部をなしている。

0030

コテ部12において、4個のコテ先部M1,M2,M3,M4は、図3(コテ部12の下面図)および図4A(コテ部12の上面図)に示すように、中間介在部20の中心位置(熱電対24の取付位置)を基準(中心)点として点対象の位置であるコテ発熱部16,18の両端部(4箇所)にそれぞれ設けられている。つまり、熱電対24の取付位置と各コテ先部M1,M2,M3,M4との距離は実質的に同一または均等である。ヒータチップ10を通電すると、熱電対24とコテ発熱部16,18の両端部(コテ先部M1,M2,M3,M4)との間の4つのコテ部区間で実質的に同一または均一の熱伝達特性が得られるようになっている。

0031

なお、この実施形態におけるコテ先部M1,M2,M3,M4は、矩形横断面積平坦な先端面を有し、コテ発熱部16,18の作用面16a,18aから少しだけ(たとえば1mm程度)突出しているが、このようなコテ先部の形状・プロファイルは一例であり、任意の断面形状、突出形状、先端面形状、配置形態を採ることができる。別の実施例として、コテ発熱部16,18の平坦な作用面16a,18aをコテ先部として用いることも可能である。

0032

図5に、この実施形態における接合装置40の全体構成を示す。この接合装置40は、上述した構成を有するヒータチップ10と、このヒータチップ10を支持し、被加工物を接合する際にヒータチップ10の複数(4個)のコテ先部(M1,M2,M3,M4)を被加工物上の複数(4箇所)の加工ポイントに加圧接触させるヒータヘッド70と、ヒータチップ10に抵抗発熱用の電流を供給するヒータ電源42と、装置内の各部および全体の動作を制御する制御部56とを備えている。

0033

ヒータ電源42は、交流波形インバータ式電源回路を用いている。この電源回路におけるインバータ44は、GTR(ジャイアント・トランジスタ)またはIGBT絶縁ゲートバイポーラ・トランジスタ)等からなる4つのトランジスタ・スイッチング素子46,48,50,52を有している。

0034

これら4つのスイッチング素子46〜52のうち、第1組(正極側)のスイッチング素子46,50はドライブ回路54を介して制御部56からの同相駆動パルスG1,G3 により所定のインバータ周波数(たとえば4kHz)で同時にスイッチングオンオフ)制御され、第2組(負極側)のスイッチング素子48,52はドライブ回路54を介して制御部56からの同相(駆動パルスG1,G3 とは逆相)の駆動パルスG2,G4 により上記インバータ周波数で同時にスイッチング制御されるようになっている。

0035

インバータ44の入力端子(L0 ,L1)は三相整流回路58の出力端子に接続されている。三相整流回路58は、たとえば6個のダイオード三相ブリッジ結線してなり、三相交流電源端子(R,S,T)より入力する商用周波数三相交流電圧全波整流して直流電圧に変換する。三相整流回路58より出力された直流電圧は、コンデンサ60で平滑されてからインバータ44の入力端子[L0 ,L1]に与えられる。

0036

インバータ44の出力端子(N0 ,N1)は、溶接トランス62の一次側コイルの両端にそれぞれ接続されている。溶接トランス62の二次側コイルの両端は、整流回路を介さずに二次側導体72L,72Rを介してヒータチップ10の接続端子部14L,14Rにそれぞれ接続されている。

0037

制御部56は、マイクロコンピュータを含んでおり、ヒータ電源42内の一切の制御たとえば通電制御(特にインバータ制御)や各種ヒート条件の設定ないし表示処理等を行うほか、ヒータヘッド70に対しても所要の制御を行う。

0038

このヒータ電源42では、ヒータチップ10のコテ部12に取り付けられている熱電対24より、ヒータチップ10のコテ部12の温度(より正確には、コテ先部M1,M2,M3,M4の温度に比例対応した温度)を表す電気信号(コテ温度測定信号)がケーブル35を介して制御部56に与えられる。電流フィードバック制御を行う場合は、一次側回路の導体にたとえばカレントトランスからなる電流センサ64が取り付けられる。この電流センサ64の出力信号から電流測定回路66において一次電流または二次電流の測定値(たとえば実効値平均値またはピーク値)が求められ、その電流測定信号が制御部56に与えられる。

0039

この接合装置40は、インバータ式ヒータ電源42の高速かつ精細な通電制御機能により、ヒータチップ10の有する急速発熱/急速冷却機能を最大限に発揮させることができる。

[樹脂熱カシメの接合加工に関する実施例]

0040

次に、図6図9Bを参照して、上記構成の接合装置40を用いて樹脂部材と異種材料の部材たとえば金属部材とを熱カシメで接合する一実施例を説明する。

0041

図6において、ヒータヘッド70は、ヒータ電源42(図5)の出力端子に通じる一対の給電用導体72L,72Rの一側面にボルト74L,74Rでヒータチップ10の左右接続端子14L,14Rを物理的かつ電気的にそれぞれ結合しており、給電用導体72L,72Rを介してヒータチップ10を上下に移動させる昇降機構やワークWに向けて押圧する加圧機構(図示せず)を有している。給電用導体72L,72Rの間には両者を電気的に分離するための絶縁体76が挟まれている。

0042

この実施例におけるワークWは、板状の樹脂部材80の上に板状の金属部材82を熱カシメによって接合固定するものであり、熱カシメのために、金属部材82の周縁部に複数個(図示の例では8個)の貫通孔H1〜H8が形成されるとともに、樹脂部材80の上面には貫通孔H1〜H8とそれぞれ対応する位置(8箇所)にボスB1〜B8が一体的に形成されている。金属部材82を樹脂部材80の上に位置合わせして重ねると、図示のように、樹脂部材80のボスB1〜B8が金属部材82の貫通孔H1〜H8をそれぞれ貫通して突き出るようになっている。

0043

樹脂部材80は、図示のような単体の板体であってもよく、あるいはアッセンブリ(図示せず)の一部たとえば蓋体であってもよい。ボスB1〜B8のサイズは任意でよいが、携帯電子機器等に搭載される小型精密部品のワークWにあっては、ボスB1〜B8の口径がたとえば0.3mm以下のものもめずらしくない。ヒータチップ10においては、各コテ先部M1,M2,M3,M4の口径がボスB1〜B8の口径より一回り大きなサイズ(たとえば0.5mm)に選ばれる。

0044

このような小型精密部品のワークWに対する熱カシメでは、ヒータチップ10の各加工ポイント(熱カシメ部)に与える加熱の特性または機能に精細で再現性の高い性能が要求される。すなわち、加熱が足りないときは、ボスの軟化が不十分で破損することがあり、加熱が過大であるときは、ボスが溶け糸引きバリを起こしやすい。ワークW上に存在する複数のボスB1〜B8の一箇所でも熱カシメ加工に不良があれば、ワークW全体が不良品になる。

0045

この実施形態における接合装置40は、以下に詳しく述べるように、熱カシメ加工のタクトの大幅な向上を実現できるだけでなく、各加工ポイントに対して精細で信頼性および再現性の高い熱カシメ加工を施すことが可能であり、接合加工の歩留まりを向上させることもできる。

0046

なお、図6において、ワークW上の加工ポイントB1/H1〜B8/H8の配置パターンと、ヒータチップ10におけるコテ先部M1〜M4の配置パターンとの間には所定の対応関係がある。すなわち、ヒータチップ10の4個のコテ先部(M1,M2,M3,M4)は、ワークWの一方(遠方側)の端部に設けられている4箇所の加工ポイント(B1/H1,B2/H2,B3/H3,B4/H4)とそれぞれ1対1で向き合える関係にあるとともに、ワークWの他方(手前側)の端部に設けられている4箇所の加工ポイントB5/H5,B6/H6,B7/H7,B8/H8ともそれぞれ1対1で向き合える関係に設定されている。

0047

ワークWは、たとえばXYテーブル(図示せず)上に固定されている。図6および図7の(a)に示すように、ワークWの4個一組の加工ポイント(B1/H1,B2/H2,B3/H3,B4/H4)がヒータチップ10のコテ先部(M1,M2,M3,M4)の真下に位置するように位置合わせが行われる。

0048

位置合わせの後に接合装置40(図5)を起動させると、最初にヒータヘッド70が作動する。ヒータヘッド70は、ヒータチップ10を降ろして、図7の(b)に示すようにコテ先部M1,M2,M3,M4の先端をワークWの4個の被カシメ部つまりボスB1,B2,B3,B4の頂部にそれぞれ当てる。次に、ヒータ電源42(図5)が作動してヒータチップ10の通電を開始するとともに、ヒータヘッド70がヒータチップ10を通じてボスM1,M2,M3,M4に所定の圧力または荷重を加える。

0049

通電が開始されると、ヒータチップ10においては、左側の接続端子部14L→コテ発熱部16,18→右側の接続端子部14Rの経路またはその逆向きの経路でヒータ電源42からの電流Iが流れ、電流Iが流れる各部(特にコテ発熱部16,18内の各部)で電流Iの実効値の自乗に比例してジュール熱が発生する。この場合、ヒータチップ10の各部の材質は同じで電気抵抗率は一定であるから、上記経路上で断面積(電流Iの経路と直交する面積)の小さい箇所ほど、電流が集中して、ジュール熱が多く発生する。

0050

このヒータチップ10においては、コテ先部M1,M2,M3,M4が設けられているコテ発熱部16,18の両端部(分岐接続部34L/36L,34R/36も含まれる)付近の断面積が最も小さく、これらの部位でジュール熱が最も多く発生する。これにより、コテ発熱部16,18の両端部から直近のコテ先部M1,M2,M3,M4を介してボスB1,B2,B3,B4に熱が効率よく供給されるとともに、コテ発熱部16,18の中心部に位置している中間介在部20にも四方から熱が集まって中間介在部20上の熱電対24に吸収される。

0051

この実施例では、ヒータチップ10上で熱電対24はコテ先部M1,M2,M3,M4に対して点対象の中心点に位置しており、熱電対24によって検出されるコテ温度(測定温度)と各コテ先部M1,M2,M3,M4の実際の温度(加熱温度)との間に均一かつ高精度の対応関係が得られる。しかも、ハ字状の断面構造を有する両コテ発熱部16,18の長手方向の中心部(頂部付近)に中間介在部20が設けられ、この中間介在部20の上に熱電対24が取り付けられているので、図8に矢印F1,F2,F3,F4で示すように、コテ発熱部16,18の両端部(4領域)からの熱が均等かつ最短伝熱ルートでスムーズに熱電対24に集まるため、熱電対24の応答性が非常に良い。

0052

こうして、ワークW上では、樹脂部材80のボスB1,B2,B3,B4が、ヒータチップ10のコテ先部M1,M2,M3,M4より加熱と加圧を同時に受けて軟化し、図7の(c)に示すように、各ボスB1,B2,B3,B4の先端部分が金属部材82の上で太く広がるように塑性変形する。

0053

制御部56は、熱電対24の出力信号(コテ温度測定値)をモニタし、コテ温度測定値が設定値に達したタイミングで(この時、各コテ先部M1,M2,M3,M4の温度(加熱温度)はほぼ均一に所定値に達している)、ヒータチップ10の通電を止める。すると、ヒータチップ10の各部で抵抗発熱が止み、それまで最も高温に発熱していた熱容量の小さいコテ発熱部16,18の両端部から熱容量の大きい比較的低温の端子部28L,28R側へ主接続部32L,32Rを介してコテ部の熱が瞬時に移動し、これによってコテ先部M1,M2,M3,M4が急速かつ均一に冷やされ、ひいてはボスB1,B2,B3,B4の塑性変形部[B1],[B2],[B3],[B4]も急速かつ均一に冷やされる。

0054

この急速かつ均一の冷却効果により、ヒータチップ10の通電を止めた後直ぐにヒータヘッド70がヒータチップ10を引き上げてよく、図7の(d)に示すように、ボスB1,B2,B3,B4の塑性変形部[B1],[B2],[B3],[B4]のいずれからも糸引きを起こさずにコテ先部M1,M2,M3,M4を引き離すことができる。

0055

こうして、ワークWに対し、ヒータチップ10を用いる1回の加熱・加圧動作により、図9Aに示すように4箇所の加工ポイントで熱カシメの加工を同時に行うことができる。

0056

なお、ヒータチップ10のコテ先部M1,M2,M3,M4を被カシメ部(ボス)B1,B2,B3,B4に加圧接触させたまま、ヒータチップ10の通電(オン・オフ)を複数回繰り返してから完全な通電の停止(終了)を行うことも可能であり、この場合も加熱動作は1回である。

0057

上記のようにして4個一組の加工ポイント(B1/H1,B2/H2,B3/H3,B4/H5)に対する熱カシメが済んだ後は、XYテーブルが作動して、ワークWの他の4個一組の加工ポイント(B5/H5,B6/H6,B7/H7,B8/H8)がヒータチップ10のコテ先部(M1,M2,M3,M4)の真下にそれぞれ位置するように、位置合わせが行われる。次いで、それら4個一組の加工ポイント(B5/H5,B6/H6,B7/H7,B8/H8)に対して、ヒータチップ10を用いる1回の加熱・加圧動作が上記と全く同じ手順および条件の下で行われる。この結果、2回のヒータチップ加熱・加圧動作により、図9Bに示すように、樹脂部材80の上に金属部材82を接合固定する熱カシメ加工が終了する。

0058

上述したように、この実施形態においては、ワークWに対してヒータチップ10を用いる1回の加熱・加圧動作により複数(上記の例では4箇所)の加工ポイントで熱カシメの加工を同時に行うことにより、熱カシメ加工の生産タクトを大幅に向上させることができる。また、上記のように、ヒータチップ10に取り付けられる熱電対24の応答性および測定精度も優れており、複数の加工ポイントに対して急速加熱および急速冷却の熱カシメ加工を施すことができ、小型精密部品に対する樹脂熱カシメ加工の信頼性および再現性の向上もはかれる。

0059

なお、上述した実施例は樹脂部材に対する熱カシメに係るものであったが、この実施形態におけるヒータチップ10および接合装置40は他の材質の部材に対する熱カシメにも適用可能である。

[他の実施形態又は変形例]

0060

以下、図10図12を参照して、本発明のヒータチップに係る他の実施形態または変形例を説明する。

0061

図10に、本発明の第2の実施形態におけるヒータチップ10Pの構成を示す。このヒータチップ10Pは、上述した第1の実施形態におけるヒータチップ10と同様に、コテ部12を第1および第2のコテ発熱部16,18に二分割し、両コテ発熱部16,18の間に挟まりまたは跨って延在する中間介在部20を有し、この中間介在部20の上に熱電対24を取り付ける。

0062

ただし、この実施形態では、接続端子部14L,14R(端子部28L,28R、コテ接続部30L,30R)の板厚は上端から下端まで均一であり、両コテ発熱部16,18の側面または板面は接続端子部14L,14Rの板面と平行かつ面一である。また、両コテ発熱部16,18の離間距離は左右方向および上下方向のいずれの方向でも均一である。このため、中間介在部20のボリュームは上述した第1の実施形態のものより大きくなる。

0063

この第2の実施形態におけるヒータチップ10Pを用いても、1回の加熱・加圧動作により複数(たとえば4箇所)の加工ポイントで熱カシメの加工を同時に行うことが可能であり、熱カシメ加工の生産タクトを従来技術に比して大幅に向上させることができる。また、熱カシメ加工の信頼性および再現性の向上もはかれる。

0064

もっとも、熱電対24の応答性ひいてはヒータ電源42の温度制御機能等の面では、第2の実施形態のヒータチップ10Pよりも,上述した第1の実施形態のヒータチップ10の方が優位であることが実験で確認されている。

0065

図11および図12に、上記実施形態の接合装置40およびヒータチップ10を用いて多数の導線J1,J2,‥‥をセラミック基板86上の多数の端子部材(配線導体)K1,K2,‥‥にリフローのハンダ付けで接合する一実施例を説明する。一般に、この種の端子部材Kの材質は銀または銀合金である。

0066

この場合、端子部材Kの表面には、あらかじめクリーム状のハンダまたはメッキのハンダ88が塗布される。各導線Ji(i=1,2, ‥‥)の先端部を各対応する端子部材Kiの上に載せ、図11および図12の(a)に示すようにヒータチップ10のコテ先部(M1,M2,M3,M4)の真下にワークW上の4個一組の加工ポイントたとえば(J1/K1,J2/K2,J3/K3,J4/K4)が位置するように位置合わせを行ってから、ヒータヘッド70(図5)によりヒータチップ10を下ろす。

0067

そうすると、図12の(b)に示すように、ヒータチップ10のコテ先部M1,M2,M3,M4が端子部材K1,K2,K3,K4上の導線J1,J2,J3,J4にそれぞれ適度な加圧力で接触する。この加圧状態の下で、ヒータ電源42(図5)がオンしてヒータチップ10に電流Iを供給すると、ヒータチップ10の各部(特にコテ発熱部16,18の両端部が最も多く)に発熱し、コテ先部M1,M2,M3,M4を介して加工ポイントJ1/K1,J2/K2,J3/K3,J4/K4に熱を供給する。これによって、各導線J1,J2,J3,J4の絶縁被膜が熱で溶けて剥がれ、各導線J1,J2,J3,J4の周囲でハンダ88が速やかに溶ける。溶けたハンダ80は、図12の(c)に示すように、各導線J1,J2,J3,J4の露出した導体の周面に沿って這い上がるように幾ら盛り上がる。

0068

制御部56は、熱電対24の出力信号(コテ温度測定値)をモニタし、各コテ先部M1,M2,M3,M4の温度(加熱温度)をオン・オフ制御方式またはフィードバック制御方式によって制御し、所定のタイミングでヒータチップ10の通電を完全に止める。そして、通電終了から一定時間(保持時間)経過後にヒータヘッド70が図12の(d)に示すようにヒータチップ10を上昇させてコテ先部M1,M2,M3,M4を加工ポイントJ1/K1,J2/K2,J3/K3,J4/K4からそれぞれ引き離す。そうすると、ハンダ88が凝固して、加工ポイントJ1/K1,J2/K2,J3/K3,J4/K4がハンダ付けによって結合する。

0069

この実施例でも、ヒータチップ10の加熱動作において、各コテ先部M1,M2,M3,M4について高速かつ均一な昇温、安定した定温度制御および急速の冷却を行うことができるので、リフローハンダ付け加工のタクトおよび品質を向上させることができる。

0070

別の実施形態または変形例として、図示省略するが、ヒータチップ10のコテ部12において、コテ発熱部16,18の形状または断面積を長手方向で任意の変化させる構成、コテ発熱部16,18の中間部または中心部にコテ先部を設ける構成、第1および第2のコテ発熱部16,18の他に第3のコテ発熱部を備える構成等も可能である。

0071

10ヒータチップ
12コテ部
14L,14R端子接続
16,18 コテ発熱部
20 中間介在部
24熱電対
28L,28R端子部
30L,30R コテ接続部
32L,32R 主接続部
34L/36L,34R/36R分岐接続部
40接合装置
42ヒータ電源
70ヒータヘッド
80樹脂部材
82金属部材
B1〜B8ボス
H1〜H8貫通孔
J1,J2,‥‥導線
K1,K2,‥‥ 端子部材

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