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技術 傾動式重力鋳造装置および傾動式重力鋳造法

出願人 リョービ株式会社
発明者 加戸洋輔小川悦司
出願日 2016年10月28日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-211261
公開日 2018年1月25日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-012137
状態 特許登録済
技術分野 鋳型中の金属の処理 鋳造前の予備処理と金属の鋳造
主要キーワード 所定スピード 形状条件 傾動駆動 寸法条件 勾配角度 傾動範囲 ガス抜き溝 加圧ピン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

湯道付近ヒケが発生することがなく、高品質鋳造製品を製造可能な傾動式重力鋳造装置と、この装置を用いた新たな傾動式重力鋳造法を提供する。

解決手段

傾動式重力鋳造装置1は、金型2にラドル7を備え、当該ラドル7に溶湯Mを溜め、金型2が傾けられたときに湯道5を介して当該金型2のキャビティ6に溶湯Mを注ぐ装置である。そして、この傾動式重力鋳造装置1は、湯道5を遮断するための遮断部材18と、キャビティ6の溶湯Mを加圧するための加圧ピン23と、湯道5の溶湯Mを加圧するために遮断部材18と加圧ピン23との間に設置される補助加圧ピン53と、を備える。

概要

背景

金型湯溜りラドル)を備え、この湯溜りに溶湯を溜め、金型が傾けられたときに湯道を介して金型のキャビティへ溶湯を注ぐ傾動式重力鋳造装置が公知である(例えば、下記特許文献1等参照)。この傾動式重力鋳造装置を用いた傾動式重力鋳造法は、金型を繰り返し使用できるため、高い生産性と良好な製品精度を得られる利点を有している。また、傾動式重力鋳造法では、ダイカスト法のように高速で溶湯を流し込むことはなく、金型に対して十分に水冷を効かせることができる。したがって、冷却速度を比較的早くすることができ、例えば、結晶粒微細化を図って機械的性質に優れた製品を製造できるなど、種々の利点を享受することのできる鋳造法となっている。

概要

湯道付近ヒケが発生することがなく、高品質鋳造製品を製造可能な傾動式重力鋳造装置と、この装置を用いた新たな傾動式重力鋳造法を提供する。傾動式重力鋳造装置1は、金型2にラドル7を備え、当該ラドル7に溶湯Mを溜め、金型2が傾けられたときに湯道5を介して当該金型2のキャビティ6に溶湯Mを注ぐ装置である。そして、この傾動式重力鋳造装置1は、湯道5を遮断するための遮断部材18と、キャビティ6の溶湯Mを加圧するための加圧ピン23と、湯道5の溶湯Mを加圧するために遮断部材18と加圧ピン23との間に設置される補助加圧ピン53と、を備える。

目的

本発明は、上述した従来技術に存在する課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、湯道付近にヒケ巣が発生することがなく、高品質の鋳造製品を製造可能な傾動式重力鋳造装置と、この装置を用いた新たな傾動式重力鋳造法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金型ラドルを備え、当該ラドルに溶湯を溜め、前記金型が傾けられたときに湯道を介して当該金型のキャビティに溶湯を注ぐ傾動式重力鋳造装置において、前記湯道を遮断するための遮断部材と、前記キャビティの溶湯を加圧するための加圧ピンと、前記湯道の溶湯を加圧するために前記遮断部材と前記加圧ピンとの間に設置される補助加圧ピンと、を備えることを特徴とする傾動式重力鋳造装置。

請求項2

請求項1に記載の傾動式重力鋳造装置において、前記加圧ピンと前記補助加圧ピンは、それぞれに対して設置された加圧用油圧シリンダと補助加圧用油圧シリンダによって稼働可能とされており、前記加圧用油圧シリンダと前記補助加圧用油圧シリンダは、同一の油圧ポンプからタイミングをずらして油圧を受けることで駆動されることを特徴とする傾動式重力鋳造装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の傾動式重力鋳造装置において、前記湯道の溶湯が前記補助加圧ピンによって加圧される加圧時間は、前記キャビティの溶湯が前記加圧ピンによって加圧される加圧時間に対して1/4〜1/2となるように構成されていることを特徴とする傾動式重力鋳造装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の傾動式重力鋳造装置において、前記遮断部材の前記補助加圧ピンが設置される側の面には、抜き勾配形状が形成されていることを特徴とする傾動式重力鋳造装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の傾動式重力鋳造装置を用いて鋳造することを特徴とする傾動式重力鋳造法

技術分野

0001

本発明は、傾動式重力鋳造装置およびこの装置を用いた傾動式重力鋳造法に関するものである。

背景技術

0002

金型湯溜りラドル)を備え、この湯溜りに溶湯を溜め、金型が傾けられたときに湯道を介して金型のキャビティへ溶湯を注ぐ傾動式重力鋳造装置が公知である(例えば、下記特許文献1等参照)。この傾動式重力鋳造装置を用いた傾動式重力鋳造法は、金型を繰り返し使用できるため、高い生産性と良好な製品精度を得られる利点を有している。また、傾動式重力鋳造法では、ダイカスト法のように高速で溶湯を流し込むことはなく、金型に対して十分に水冷を効かせることができる。したがって、冷却速度を比較的早くすることができ、例えば、結晶粒微細化を図って機械的性質に優れた製品を製造できるなど、種々の利点を享受することのできる鋳造法となっている。

先行技術

0003

特開2013−193099号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上掲した特許文献1に記載の傾動式重力鋳造装置には、キャビティ内の溶湯を加圧するための加圧ピンが設置されており、この加圧ピンによってキャビティ内に導入された溶湯を加圧することで、鋳造製品内部品質を向上することができるようになっていた。

0005

しかしながら、従来の傾動式重力鋳造装置を用いて傾動式重力鋳造法を行った場合には、湯道付近ヒケが発生する可能性があり、かかる不具合を改良する余地が残されていた。

0006

本発明は、上述した従来技術に存在する課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、湯道付近にヒケ巣が発生することがなく、高品質の鋳造製品を製造可能な傾動式重力鋳造装置と、この装置を用いた新たな傾動式重力鋳造法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。

0008

本発明に係る傾動式重力鋳造装置(1)は、金型(2)にラドル(7)を備え、当該ラドル(7)に溶湯(M)を溜め、前記金型(2)が傾けられたときに湯道(5)を介して当該金型(2)のキャビティ(6)に溶湯(M)を注ぐ傾動式重力鋳造装置(1)であって、前記湯道(5)を遮断するための遮断部材(18,18´)と、前記キャビティ(6)の溶湯(M)を加圧するための加圧ピン(23)と、前記湯道(5)の溶湯(M)を加圧するために前記遮断部材(18,18´)と前記加圧ピン(23)との間に設置される補助加圧ピン(53)と、を備えることを特徴とするものである。

0009

本発明に係る傾動式重力鋳造装置(1)において、前記加圧ピン(23)と前記補助加圧ピン(53)は、それぞれに対して設置された加圧用油圧シリンダ(20)と補助加圧用油圧シリンダ(50)によって稼働可能とされており、前記加圧用油圧シリンダ(20)と前記補助加圧用油圧シリンダ(50)は、同一の油圧ポンプからタイミングをずらして油圧を受けることで駆動されることとすることができる。

0010

また、本発明に係る傾動式重力鋳造装置(1)では、前記湯道(5)の溶湯(M)が前記補助加圧ピン(53)によって加圧される加圧時間は、前記キャビティ(6)の溶湯(M)が前記加圧ピン(23)によって加圧される加圧時間に対して1/4〜1/2となるように構成されていることが好適である。

0011

さらに、本発明に係る傾動式重力鋳造装置(1)において、前記遮断部材(18´)の前記補助加圧ピン(53)が設置される側の面には、抜き勾配形状(18d)が形成されていることが好適である。

0012

また、本発明に係る傾動式重力鋳造法は、上記した傾動式重力鋳造装置(1)を用いて鋳造することを特徴とするものである。

発明の効果

0013

本発明によれば、湯道付近にヒケ巣が発生することがなく、高品質の鋳造製品を製造可能な傾動式重力鋳造装置と、この装置を用いた新たな傾動式重力鋳造法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置の縦断面を示す図である。
本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置が備える遮断部材を示した外観斜視図である。
本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置に形成される湯道形状を示す断面図である。
金型傾動工程により金型が15°傾いた状態を説明する図である。
金型傾動工程により金型が45°傾いた状態を説明する図である。
遮断部材で湯道を遮断した後にキャビティ内の加圧ピンで溶湯を加圧している状態を説明する図である。
金型傾動工程が完了した状態を説明する図である。
金型傾動工程が完了した後に補助加圧ピンで湯道内の溶湯を加圧している状態を説明する図である。
本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置を用いた傾動式重力鋳造法の工程を説明するためのフローチャート図である。
本発明に係る傾動式重力鋳造装置が備える遮断部材の改良形態を例示する外観斜視図である。

実施例

0015

以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

0016

まず、図1図3を用いて、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置の全体構成を説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置の縦断面を示す図である。また、図2は、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置が備える遮断部材を示した外観斜視図である。さらに、図3は、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置に形成される湯道形状を示す断面図である。

0017

図1に示されるように、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1は、下側の固定型3と上側の可動型4とから構成される金型2を備えており、固定型3と可動型4とによって湯道5とキャビティ6を画成している。本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1においては、可動型分割面4Aに形成された溝4B(図3参照)と、固定型分割面3Aとにより湯道5が画成されている。固定型3にはラドル7が固定されており、このラドル7にアルミニウム合金等の溶湯Mが溜められている。

0018

固定型3はベース8の上面8aに固定されている。ガイド軸9の下端がベース8に固定され、ガイド軸9の上端トッププレート10に固定されている。トッププレート10の上面10aには油圧シリンダ11が固定されており、トッププレート10を貫通したシリンダロッド12の先端がトッププレート10の下方に配設された可動プレート13に連結されている。油圧シリンダ11が駆動されると、可動プレート13はガイド軸9にガイドされてベース8とトッププレート10の間を図1紙面上下方向に移動可能となっている。可動プレート13の下側には連結部材14が設けられ、この連結部材14によって可動プレート13と可動型4が連結されている。したがって、可動型4は可動プレート13と共にベース8とトッププレート10の間を図1の紙面上下方向に移動可能となっている。

0019

本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1は、不図示の傾動機構を備えている。傾動機構は公知の構成であり、ベース8に設けられ、図1の紙面の表と裏を結ぶ方向に延出する不図示の傾動軸と、傾動軸を支持する不図示の支持アームと、この支持アームに取り付けられている不図示の傾動駆動手段とを備えている。不図示の傾動機構により、ベース8および金型2は、図1に示す水平状態から、符号αで示す矢印の方向に所定スピードで傾動することができるように構成されており、その傾動範囲は略90度の角度範囲となっている。

0020

可動型4の上面4aには油圧シリンダ15が固定されている。油圧シリンダ15のシリンダロッド16は、可動型4に形成された穴部4b内においてカップリング17により遮断部材18と連結されている。図2に示すように、遮断部材18はカップリング17内に収容される円柱状の頭部18aと、四角柱状の軸部18bとを備えている。遮断部材18は湯道5の出口5Bに比較的近い位置に配置されており、軸部18bの先端面は可動型4の溝4Bと固定型分割面3Aと共に湯道5を画成している。軸部18bの先端面にはガス抜き溝の一部を構成する逆V字形状の溝18cが3本形成されている。油圧シリンダ15が駆動されると、軸部18bの先端面は湯道5内に侵入し、湯道5を遮断するように構成されている。

0021

溶湯Mの通路となる湯道5は、図1の紙面の表と裏を結ぶ方向で切った断面形状が図3に示すように略四角形状であり、可動型分割面4Aに形成された溝4Bと、固定型分割面3Aとによって、図1の紙面左右方向に延びるように画成されている。図3に示すように、溝4Bの底面にはガス抜き溝としての逆V字形状の3本の溝4Cが、図1の紙面左右方向に延びるように形成されている。上述した遮断部材18が配置されている部分には、溝4Cは形成されていないが、図1に示すように、遮断部材18の先端面が湯道5を画成している際には先端面に形成された3本の溝18cの位置が溝4Cの位置と一致し、3本のガス抜き溝が湯道5の入口5Aから出口5Bに亘って形成されるように構成されている。なお、可動型4の逆V字形状の溝4Cと遮断部材18の逆V字形状の溝18cは、ラドル7内の溶湯Mが湯道5を介してキャビティ6内に注がれる際に、溝内が溶湯Mで完全に満たされることを表面張力により確実に阻止し、溝内に空間を確保することができるサイズと形状により形成されている。

0022

また、ベース8の下面8bには、支持棒19によって加圧用油圧シリンダ20が固定されている。加圧用油圧シリンダ20のシリンダロッド21は、カップリング22を介して加圧ピン23に連結されている。この加圧ピン23はベース8を貫通し、固定型3に形成された孔3a内に配置されている。この孔3aはキャビティ6に対して導通するように形成されているので、加圧用油圧シリンダ20が駆動されると、加圧ピン23の先端はキャビティ6内に侵入し、加圧ピン23がキャビティ6内の溶湯Mを加圧するように構成されている。

0023

さらに、ベース8の下面8bには、支持棒49によって補助加圧用油圧シリンダ50が固定されている。補助加圧用油圧シリンダ50のシリンダロッド51は、カップリング52を介して補助加圧ピン53に連結されている。この補助加圧ピン53はベース8を貫通し、固定型3に形成された孔3b内に配置されている。この孔3bは湯道5に対して導通するように形成されているので、補助加圧用油圧シリンダ50が駆動されると、補助加圧ピン53の先端は湯道5内に侵入し、補助加圧ピン53が湯道5内の溶湯Mを加圧するように構成されている。なお、本実施形態に係る補助加圧ピン53は、図1に示すように湯道5の出口5B付近近傍の位置に配置されており、湯道5の溶湯Mを加圧するための遮断部材18と加圧ピン23との間に設置される部材として構成されるものである。

0024

なお、本実施形態に係る金型2には、不図示の押出ピンが複数設けられており、可動型4を固定型3から離間させた後に、不図示の押出ピンで湯道5内とキャビティ6内で凝固した溶湯Mを押出して金型2から取り出すことが可能となっている。また、不図示の押出ピンの周囲には空隙が設けられており、この空隙は金型2を貫通する不図示のガス排出通路として構成されており、このガス排出通路に不図示のガス抜き手段が接続され、後述の金型傾動工程(図9のステップS11〜S14)においてキャビティ6内を吸引してガスを排出したり、後述の離型剤塗布工程(図9のステップS18)においてガス排出通路内にエアを供給したりすることが可能となっている。

0025

次に、図4図9参照図面に加えることで、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1を用いた傾動式重力鋳造法について説明する。ここで、図4は、金型傾動工程により金型が15°傾いた状態を説明する図であり、図5は、金型傾動工程により金型が45°傾いた状態を説明する図である。また、図6は、遮断部材で湯道を遮断した後にキャビティ内の加圧ピンで溶湯Mを加圧している状態を説明する図である。さらに、図7は、金型傾動工程が完了した状態を説明する図であり、図8は、金型傾動工程が完了した後に補助加圧ピンで湯道内の溶湯Mを加圧している状態を説明する図である。またさらに、図9は、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置を用いた傾動式重力鋳造法の工程を説明するためのフローチャート図である。

0026

本実施形態に係る傾動式重力鋳造法においては、まず、ラドル7内に溶湯Mを溜める溶湯準備工程を行い、図1に示す状態とする(図9のステップS10)。

0027

次に、図1に示す状態から、符号αで示す矢印の方向に金型2を略90°傾けてラドル7内の溶湯Mを湯道5を介してキャビティ6に注ぐ金型傾動工程を開始する(ステップS11)。金型2は、不図示の傾動機構によって所定スピードで傾動していく。この金型傾動工程の開始(ステップS11)によって金型2が傾くと、ラドル7内の溶湯Mは湯道5を介してキャビティ6内に注がれる。図4に示すように、金型傾動工程の初期のタイミングにおいて溶湯Mが湯道5を閉鎖するような状態になったとしても、湯道5の入口5Aから出口5Bに亘って形成されたガス抜き溝(可動型4の逆V字形状の溝4Cと遮断部材18の逆V字形状の溝18c)によりキャビティ6内のガスは湯道5を介して外部に排出される。金型傾動工程(ステップS11〜S14)においては、湯道5を介してだけでなく、不図示の押出ピンの周囲等のガス排出通路を介してもガス抜きが行われる。

0028

金型傾動工程が完了するまでの間(ステップS11〜S14)に、湯道遮断工程(ステップS12)と加圧工程(ステップS13)とが実行される。まず、図5に示すように、金型2が略45°傾いてキャビティ6が溶湯Mで満たされた後のタイミングにおいて、油圧シリンダ15を駆動し、遮断部材18を湯道5内に侵入させ、遮断部材18の先端面を固定型分割面3Aに当接(又は近接)させて湯道5を遮断する湯道遮断工程を行う(ステップS12)。本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1では、不図示の傾動機構による傾動スピードを速くした場合であっても、湯道遮断工程(ステップS12)により遮断部材18が湯道5内に侵入するまでの間に湯道5が溶湯Mで完全に閉塞されることがなく、湯道5の入口5Aから出口5Bに亘って形成されたガス抜き溝(可動型4の逆V字形状の溝4Cと遮断部材18の逆V字形状の溝18c)を介してキャビティ6内のガスが金型2の外部に排出される。したがって、ガス抜き効率を高めることができ、鋳造品にガスが残留して不良品となってしまうことを防ぐことができる。

0029

湯道遮断工程(ステップS12)により湯道5が遮断部材18により遮断された後、加圧用油圧シリンダ20を駆動して加圧ピン23をキャビティ6内に侵入させる加圧工程(ステップS13)を開始する(図6参照)。このように金型傾動工程が完了するまでの所定タイミングにおいて湯道5を遮断した状態でキャビティ6の溶湯Mを加圧ピン23で加圧する加圧工程(ステップS13)を開始することにより、凝固収縮により金型2から離れようとするキャビティ6内の溶湯Mの表面層を金型2に押しつけることができる。また、凝固収縮分の溶湯Mを加圧補充することができ、鋳造品C(図7参照)の主要部でヒケ巣等の鋳造欠陥が生じることを充分に防ぐことができる。なお、加圧工程(ステップS13)が完了した後も傾動は継続され、図1の状態から略90°傾いた図7に示す状態になると傾動が停止され、金型傾動工程が完了する(ステップS14)。

0030

図7で示す金型傾動工程が完了(ステップS14)すると、直ちに補助加圧用油圧シリンダ50を駆動して補助加圧ピン53を湯道5内に侵入させる補助加圧工程(ステップS15)を開始する(図8参照)。このように、湯道遮断工程(ステップS12)における遮断部材18による湯道5の遮断と、加圧工程(ステップS13)における加圧ピン23によるキャビティ6内の溶湯Mの加圧が実施されるとともに、金型傾動工程が完了(ステップS14)した状態で、湯道5の溶湯Mを補助加圧ピン53で加圧する補助加圧工程(ステップS15)を実施することにより、凝固収縮により金型2から離れようとするキャビティ6の端部である湯道5内の溶湯Mの表面層を金型2に押しつけることができる。また、従来技術ではヒケ巣等の内部欠陥が生じ易かった湯道5およびその近傍箇所の溶湯Mを十分に加圧して凝固収縮分の体積変動を吸収することができるので、鋳造完成品C´(図8参照)の全体でヒケ巣等の鋳造欠陥が生じることを好適に防止することができる。

0031

補助加圧工程(ステップS15)が終了し、不図示の金型冷却手段によりキャビティ6内の溶湯Mが凝固したら、型開き工程(ステップS16)が実行される。ここで、キャビティ6内の溶湯Mは、加圧ピン23付近の凝固が最も遅く、湯道5付近は早く凝固する。そこで、型開き工程(ステップS16)では、補助加圧ピン53を先に湯道5内から後退させ、その後にキャビティ6内から加圧ピン23を後退させる動作が実行される。この様に動作させることで、従来技術に比べても補助加圧ピン53の後退動作の追加によって鋳造サイクルタイム伸びることが無いので、生産効率を悪化させることが無く好ましい。

0032

なお、本実施形態では、湯道5の溶湯Mが補助加圧ピン53によって加圧される加圧時間は、キャビティ6の溶湯Mが加圧ピン23によって加圧される加圧時間に対して1/4〜1/2となるように構成されている。湯道5付近の補助加圧については、加圧ピン23による加圧よりも早く補助加圧ピン53を湯道5内に進出させると溶湯Mが液状で加圧効果が得られ難いという事情が存在する。したがって、上述したように、補助加圧ピン53による加圧時間を加圧ピン23による加圧時間よりも短くなるように設定したのである。ちなみに、本実施形態の設定条件をより具体的に説明すると、補助加圧ピン53のストロークは10〜35mmとなっており、その加圧時間は15秒前後であり、加圧ピン23の加圧時間である30〜60秒に対して1/4〜1/2の加圧時間となっている。

0033

上記の状態から、さらに型開き工程(ステップS16)が継続して実行される。すなわち、油圧シリンダ11を駆動し、可動プレート13と共に可動型4を図7の右方向に移動させ、可動型4を固定型3から離間させる。そして、金型2に設けられた不図示の押出ピンで鋳造完成品C´を金型2から取り出す鋳造品取出し工程(ステップS17)と、湯道5やキャビティ6に離型剤を塗布する離型剤塗布工程(ステップS18)と、油圧シリンダ11を駆動し、可動プレート13と共に可動型4を図7の左方向に移動させ、可動型4を固定型3に当接させる型締め工程(ステップS19)とを順次行う。最後に、不図示の傾動機構によって金型2を図1の状態に復帰させる復帰工程(ステップS20)が実行される。復帰工程(ステップS20)の完了により、再度の傾動式重力鋳造の実施が可能となる。以上で説明した内容が、本実施形態に係る傾動式重力鋳造法である。

0034

なお、本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1が備える4つの油圧シリンダ(油圧シリンダ11、油圧シリンダ15、加圧用油圧シリンダ20、補助加圧用油圧シリンダ50)については、同一の油圧ポンプからタイミングをずらして油圧を受けることで駆動される構成が採られている。すなわち、各油圧シリンダ(油圧シリンダ11、油圧シリンダ15、加圧用油圧シリンダ20、補助加圧用油圧シリンダ50)によって稼働されるシリンダロッド12、遮断部材18、加圧ピン23、補助加圧ピン53は、単一の駆動源である油圧ポンプ(不図示)からの動力を受けて稼働可能となっている。この様な構成とすることで、傾動式重力鋳造装置1を構成する部材を少なくすることができるので、製造コスト削減効果を得ることができる。

0035

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。

0036

例えば、上述した実施形態では、傾動式重力鋳造装置1が備える遮断部材18の軸部18bは略矩形形状をしたものであった。ところで、上述した本実施形態に係る傾動式重力鋳造装置1では、遮断部材18の近傍に補助加圧ピン53を配置する構成のため、遮断部材18の軸部18b付近には、従来技術に比べて大きな圧力が加わることとなる。したがって、遮断部材18の軸部18bの形状が略矩形形状である場合、鋳造が完了してキャビティ6内の溶湯Mが凝固した後、遮断部材18の引き抜きが困難になる可能性がある。そこで、本発明では、このような課題を解消するために、傾動式重力鋳造装置が備える遮断部材の外郭形状に改良を加える形態を採用することが可能となっている。その改良形態の具体的な構成を、図10に示す。ここで、図10は、本発明に係る傾動式重力鋳造装置が備える遮断部材の改良形態を例示する外観斜視図である。

0037

図10で示す本発明の改良形態に係る遮断部材18´は、遮断部材18´の補助加圧ピン53が設置される側の面に対して、抜き勾配形状18dを形成したことを特徴とするものである。この抜き勾配形状18dの形状条件としては、例えば、勾配角度0.38度、遮断部材18´の全長116mmに対して勾配部分の長さが30mmという寸法条件を採用することができる。このような抜き勾配形状18dを形成することで、補助加圧ピン53の作用によって遮断部材18´の軸部18bに加わる圧力が増したとしても、抜き勾配形状18dの形状作用によって、鋳造終了後にスムーズに遮断部材18´を引き抜くことが可能となる。なお、図10で例示した遮断部材18´では、遮断部材18´における補助加圧ピン53が設置される側の面に対して、抜き勾配形状18dが形成された場合を例示したが、遮断部材18´の他の面に対して同様の抜き勾配形状を形成することも可能である。ただし、遮断部材18´の本来の機能である溶湯Mの確実な遮断効果を得るためには、図10で例示した形態を採用することが好ましい。

0038

また、上述した実施形態では、加圧ピン23や補助加圧ピン53は固定型3側に配置されていたが、可動型4側に配置されるように構成してもよい。

0039

また、上述した実施形態では、湯道5の入口5Aから出口5Bに亘って3本の溝によって構成されるガス抜き通路が形成されていたが、ガス抜き通路を構成する溝の本数は任意であり、湯道5に少なくとも1本のガス抜き溝が形成されていればよい。

0040

また、上述した実施形態では、可動型4の溝4Cと遮断部材18の溝18cは逆V字形状であったが、ガス抜き溝の形状は逆V字形状に限定されない。溝内が溶湯Mで完全に満たされることを表面張力により確実に阻止し、溝内に空間を確保できる構成であれば、その形状とサイズは任意に選択することができる。

0041

また、上述した実施形態では、湯道5のガス抜き溝は可動型4の溝4Cと遮断部材18の溝18cとにより構成されていたが、湯道5の入口5Aから出口5Bまで連続して延びる溝を可動型4又は固定型3に形成するようにしてもよい。

0042

その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

0043

1傾動式重力鋳造装置、2金型、3固定型、3A固定型分割面、3a,3b 孔、4可動型、4A 可動型分割面、4B,4C 溝、4a 上面、4b穴部、5湯道、5A 入口、5B出口、6キャビティ、7ラドル、8ベース、8a 上面、8b 下面、9ガイド軸、10トッププレート、10a 上面、11油圧シリンダ、12シリンダロッド、13可動プレート、14連結部材、15 油圧シリンダ、16 シリンダロッド、17カップリング、18,18´遮断部材、18a 頭部、18b 軸部、18c 溝、18d抜き勾配形状、19支持棒、20加圧用油圧シリンダ、21 シリンダロッド、22 カップリング、23加圧ピン、49 支持棒、50補助加圧用油圧シリンダ、51 シリンダロッド、52 カップリング、53 補助加圧ピン、M溶湯、C鋳造品、C´鋳造完成品。

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