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技術 睡眠時の気道変形予測システム

出願人 国立大学法人鹿児島大学
発明者 岩崎智憲山崎要一
出願日 2016年7月21日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-143249
公開日 2018年1月25日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-011770
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 各特定部位 原因部位 線形結合式 流体モデル 通気状態 形状予測 流体解析 生理データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる睡眠時の気道変形予測システム等を提供する。

解決手段

変換式生成部14は、複数の被検者における覚醒上気道形状モデル22と睡眠時上気道形状モデル21とを用いて、覚醒時の上気道の特定部位位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式(変換式パラメータ24)を生成する。推定部15は、被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式パラメータ24を変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する。

概要

背景

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS;Obstructive Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中上気道閉塞して呼吸障害が生じ、全身に様々な悪影響を及ぼす呼吸器系の疾患である。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下、単に、睡眠時無呼吸症候群という)は、夜間に十分な睡眠が得られず日中に過度眠気を催すようになることから、重大交通事故の原因として注目されている。

睡眠時無呼吸症候群の診断を行う方法が従来より提案されている。例えば、非特許文献1には、3次元CT(Computer Tomography)画像に基づいて上気道の流体モデルコンピュータ上に構築し、その流体モデルを用いた流体解析を行って、睡眠時無呼吸症候群の診断を行う方法が提案されている。この方法によれば、上気道内の圧力分布、空気の速度分布に基づいて、通気障害部位をある程度、絞り込むことができる。

概要

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる睡眠時の気道変形予測システム等を提供する。変換式生成部14は、複数の被検者における覚醒時上気道形状モデル22と睡眠時上気道形状モデル21とを用いて、覚醒時の上気道の特定部位位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式(変換式パラメータ24)を生成する。推定部15は、被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式パラメータ24を変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する。

目的

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる睡眠時の気道変形予測システム、気道変形予測方法及びプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の被検者における覚醒時の上気道形状モデル睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成部と、被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定部と、を備える睡眠時の気道変形予測システム

請求項2

前記変換式生成部は、複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルから得られる覚醒時の上気道の特定部位の位置情報と、覚醒時の上気道の形状モデルから得られる睡眠時の当該特定部位の位置情報とを用いた回帰分析により、前記変換式の変換係数を生成する、請求項1に記載の睡眠時の気道変形予測システム。

請求項3

前記変換式は、覚醒時の上気道の特定部位の位置座標の項と、覚醒時の上気道の3次元モデルを用いた流体解析により得られた前記特定部位に生ずる圧力の項と、を含む線形結合式である、請求項2に記載の睡眠時の気道変形予測システム。

請求項4

前記変換式は、無呼吸低呼吸指数の項をさらに含む線形結合式である、請求項3に記載の睡眠時の気道変形予測システム。

請求項5

前記変換式は、被検者の肥満度に関する指数の項をさらに含む線形結合式である、請求項3又は4に記載の睡眠時の気道変形予測システム。

請求項6

複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成ステップと、被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定ステップと、を含む睡眠時の気道変形予測方法

請求項7

コンピュータを、複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成部、被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定部、として機能させるプログラム

技術分野

0001

本発明は、睡眠時の気道変形予測システム、気道変形予測方法及びプログラムに関する。

背景技術

0002

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS;Obstructive Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中上気道閉塞して呼吸障害が生じ、全身に様々な悪影響を及ぼす呼吸器系の疾患である。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下、単に、睡眠時無呼吸症候群という)は、夜間に十分な睡眠が得られず日中に過度眠気を催すようになることから、重大交通事故の原因として注目されている。

0003

睡眠時無呼吸症候群の診断を行う方法が従来より提案されている。例えば、非特許文献1には、3次元CT(Computer Tomography)画像に基づいて上気道の流体モデルコンピュータ上に構築し、その流体モデルを用いた流体解析を行って、睡眠時無呼吸症候群の診断を行う方法が提案されている。この方法によれば、上気道内の圧力分布、空気の速度分布に基づいて、通気障害部位をある程度、絞り込むことができる。

先行技術

0004

Iwasaki et al, "Evaluation of upper airway obstruction in Class II children with fluid-mechanical simulation",[online], February 2011、Vol 139, Issue 2, American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics

発明が解決しようとする課題

0005

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の上気道における原因部位患者によって様々である。OSASの治療方法は原因部位によって異なるため、原因部位を特定することが治療の第一歩となる。原因部位を特定するため、X線、CT(MRI(Magnetic Resonance Imaging))、内視鏡等により、被検者の上気道の状態を計測することなどが行われている。しかしながら、覚醒中と睡眠中とでは上気道の状態が異なっており、その計測結果からOSASの原因部位を特定するのは容易ではない。

0006

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる睡眠時の気道変形予測システム、気道変形予測方法及びプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る睡眠時の気道変形予測システムは、
複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成部と、
被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定部と、
を備える。

0008

この場合、前記変換式生成部は、
複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルから得られる覚醒時の上気道の特定部位の位置情報と、覚醒時の上気道の形状モデルから得られる睡眠時の当該特定部位の位置情報とを用いた回帰分析により、前記変換式の変換係数を生成する、
ようにしてもよい。

0009

前記変換式は、
覚醒時の上気道の特定部位の位置座標の項と、覚醒時の上気道の3次元モデルを用いた流体解析により得られた前記特定部位に生ずる圧力の項と、を含む線形結合式である、
こととしてもよい。

0010

前記変換式は、
無呼吸低呼吸指数の項をさらに含む線形結合式である、
こととしてもよい。

0011

前記変換式は、
被検者の肥満度に関する指数の項をさらに含む線形結合式である、
こととしてもよい。

0012

本発明の第2の観点に係る気道変形予測方法は、
複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成ステップと、
被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定ステップと、
を含む。

0013

本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、最適化手法により、覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する変換式生成部、
被検者の覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を、生成された変換式に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道の特定部位の位置情報を推定する推定部、
として機能させる。

発明の効果

0014

本発明によれば、複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、覚醒時の上気道の形状モデルから睡眠時の上気道の形状モデルを被検者毎に統計的に予測することができるので、睡眠時の上気道の形状を明らかにして、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる。

図面の簡単な説明

0015

この発明の実施の形態に係る気道変形予測システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図1のコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
気道変形予測システムの気道変形予測の動作(予測処理)のフローチャートである。
図3の変換式生成工程のサブルーチンのフローチャートである。
図3の予測工程のサブルーチンのフローチャートである。
睡眠時無呼吸症候群の原因部位を例示する図である。
図7(A)は、覚醒時に撮像された被検者の顎顔面部のCT画像である。図7(B)は、睡眠時に撮像された被検者の顎顔面部のCT画像である。図7(C)は、睡眠時に撮像された被検者の顎顔面部のCT画像で、気道が閉塞している状態を示す画像である。
図8(A)は、覚醒時における上気道形状モデルを示す画像である。図8(B)は、睡眠時における上気道形状モデルを示す画像である。
図9(A)は、被検者の顎顔面部における上気道の位置を示す図である。図9(B)は、上気道内の圧力分布を示す図である。
図10(A)及び図10(B)は、上気道における各部位およびその間隔を示す図である。

実施例

0016

以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

0017

図1に示すこの実施の形態1に係る気道変形予測システム100は、睡眠時無呼吸症候群の原因部位を特定すべく、被検者である人体の睡眠時の上気道の通気状態をコンピュータ上で予測するために用いられる。気道変形予測システム100は、被検者の上気道の通気状態を再現するために、X線CT(Computer Tomography)装置等により取得された被検者の上気道の計測データに基づいて、睡眠時の上気道の変形を予測する。上気道とは、から鼻腔鼻咽腔咽頭喉頭までをいい、本実施の形態では、主として咽頭、喉頭の形状の変化について取り扱う。

0018

図1に示すように、気道変形予測システム100は、撮像装置1と、コンピュータ2と、計測装置3と、を備える。撮像装置1とコンピュータ2との間は、通信ネットワークで接続されている。この通信ネットワークにより、撮像装置1とコンピュータ2との間でデータの送受信が可能となる。

0019

撮像装置1は、X線CT装置である。撮像装置1は、被検者の顎顔面部の3次元X線CT画像を撮像する。撮像装置1は、X線管検出器とを備える。X線CTスキャンが実行されると、X線管から照射され、被検者を透過したX線が検出器により検出される。検出器の検出結果は、生データとして撮像装置1に保存される。

0020

さらに、撮像装置1において、保存された生データに基づいて画像再構成処理を施すことにより被検者の顎顔面部の横断面データスライス画像データ)が生成される。さらに、撮像装置1は、スライス画像データに基づいて、被検者の顎顔面部の3次元画像データを生成する。被検者の顎顔面部の3次元画像データは、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)データとして、通信ネットワークを介してコンピュータ2に送信される。

0021

DICOMデータとは、DICOM規格に基づいて生成されたデータをいう。DICOM規格は、主に医療用画像データフォーマットとして用いられている。DICOMデータは、上記3次元画像データとDICOM規格に準じた付帯情報とで構成される。付帯情報は、患者情報撮影条件情報画像情報及び表示情報等の画像データの属性情報であり、DICOMデータにタグ情報として埋め込まれる。

0022

コンピュータ2は、受信したDICOMデータに含まれる3次元X線CT画像データに基づいて、被検者の睡眠時の上気道の変形を予測する。この予測は、回帰分析等の最適化手法を用いて行われる。

0023

図2は、図1のコンピュータ2のハードウエア構成を示す。図2に示すように、コンピュータ2は、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35及び通信部36を備える。主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35及び通信部36はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。

0024

制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等から構成されている。このCPUが、外部記憶部33に記憶されているプログラム39を実行することにより、図1に示すコンピュータ2の各構成要素が実現される。

0025

主記憶部32は、RAM(Random-Access Memory)等から構成されている。主記憶部32には、外部記憶部33に記憶されているプログラム39がロードされる。この他、主記憶部32は、制御部31の作業領域(データの一時記憶領域)として用いられる。

0026

外部記憶部33は、フラッシュメモリハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成される。外部記憶部33には、制御部31に実行させるためのプログラム39があらかじめ記憶されている。また、外部記憶部33は、制御部31の指示に従って、このプログラム39の実行の際に用いられるデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。

0027

操作部34は、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボード及びポインティングデバイス等を内部バス30に接続するインターフェイス装置から構成されている。操作部34を介して、操作者が操作した内容に関する情報が制御部31に入力される。

0028

表示部35は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(ElectroLuminescence)などから構成される。操作者が操作情報を入力する場合は、表示部35には、操作用画面が表示される。また、表示部35には、後述のとおり、被検者の上気道の形状などが表示される。

0029

通信部36は、シリアルインターフェイスまたはパラレルインターフェイスから構成されている。通信部36が、通信ネットワークを介して、撮像装置1と接続され、撮像装置1から送られた3次元X線CT画像データを受信する。

0030

図1に示すコンピュータ2の各種構成要素は、図2に示すプログラム39が、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35及び通信部36などをハードウエア資源として用いて実行されることによってその機能を発揮する。

0031

図2に示すようなハードウエア構成を有するコンピュータ2は、その機能構成として、図1に示すように、記憶部10と、生理データ生成部11と、上気道モデル生成部12と、流体解析部13と、変換式生成部14と、推定部15と、を備える。

0032

記憶部10は、図2に示すハードウエア構成のうち、図2の外部記憶部33に対応する。記憶部10は、各種データを記憶する。記憶部10によって記憶されるデータには、生理データ20、睡眠時上気道形状モデル21、覚醒時上気道形状モデル22、覚醒時圧力データ23、変換式パラメータ24及び上気道形状予測モデル25がある。

0033

生理データ生成部11は、図2に示すハードウエア構成のうち、制御部31及び通信部36に対応する。生理データ生成部11は、計測装置3で計測された被検者の各種データを入力する。このようなデータには、被検者の体重、身長などの体型に関するデータや、睡眠時における呼吸の状態、血圧、血中酸素など、被検者に関する様々なデータがある。生理データ生成部11は、受信したデータに基づいて、睡眠時の上気道の変形に関連する各種生理データを生成する。生成されたデータは、生理データ20として、複数の被検者のものが記憶部10に記憶される。

0034

上気道モデル生成部12は、撮像装置1から送信された顎顔面部の3次元X線CT画像データ(DICOMデータ)を受信する。上気道モデル生成部12は、受信したDICOMデータに基づいて、各種上気道データを生成して、記憶部10に記憶する。

0035

上気道モデル生成部12は、被検者が覚醒しているときに撮像されたDICOMデータ(例えば、図7(A)参照)から生成した上気道形状モデル(例えば、図8(A)参照)を、覚醒時上気道形状モデル22として記憶部10に記憶する。一方、上気道モデル生成部12は、被検者が寝ているときに撮像されたDICOMデータ(例えば、図7(B)、図7(C)参照)から生成した上気道形状モデル(例えば、図8(B)参照)を、睡眠時上気道形状モデル21として記憶部10に記憶する。覚醒時上気道形状モデル22及び睡眠時上気道形状モデル21は、統計処理に十分な複数の被検者のものが記憶されている。

0036

流体解析部13は、覚醒時上気道形状モデル22を用いた流体解析を行って、その上気道内における圧力データ(例えば、図9(A)、図9(B)参照)を算出する。この圧力データは、覚醒時圧力データ23として記憶部10に記憶される。覚醒時圧力データ23は、覚醒時上気道形状モデル22における被検者毎に生成され記憶されている。

0037

変換式生成部14は、生理データ20、睡眠時上気道形状モデル21、覚醒時上気道形状モデル22及び覚醒時圧力データ23を入力する。変換式生成部14は、複数の被検者における覚醒時の上気道の形状モデルと睡眠時の上気道の形状モデルとを用いて、覚醒時の上気道の特定部位の位置情報を覚醒時の当該特定部位の位置情報に変換する変換式を生成する。図7(A)と図7(C)、あるいは図8(A)と図8(B)とを比較するとわかるように、覚醒時と睡眠時とでは同じ被検者でも、上気道の形状が異なる。変換式生成部14は、このような違いを変換式に表現し、その変換式を生成する。

0038

ここで、変換式について説明する。まず、覚醒時の上気道のある特定部位の位置座標を(Xpre,Ypre,Zpre)とし、睡眠時のその特定部位の位置座標を(Xpost,Ypost,Zpost)とする。また、覚醒時にその特定部位に係る気道内の圧力をPとする。覚醒時の上気道のある特定部位の位置座標(Xpre,Ypre,Zpre)と、睡眠時のその特定部位の位置座標(Xpost,Ypost,Zpost)との関係は、以下の3つの線形結合式で表される。
Xpost=Xpre+a×P+b×AHI+c×BMI+…+d …(1)
Ypost=Xpre+e×P+f×AHI+g×BMI+…+h …(2)
Zpost=Xpre+i×P+j×AHI+k×BMI+…+l …(3)
ここで、a〜iは、各項の係数である。

0039

AHI(Apena Hypopnea Index)は、無呼吸低呼吸指数である。睡眠中の無呼吸とは、呼吸が10秒以上止まる状態を指し、1時間に無呼吸が起こる回数を無呼吸指数AIという。また低呼吸とは、呼吸による換気が10秒以上50%以下に低下する状態を指し、1時間に低呼吸が起こる回数を低い呼吸指数(HI)という。睡眠中の1時間の無呼吸と低呼吸の回数の合計が無呼吸低呼吸指数(AHI)となる。

0040

また、BMI(Body Mass Index)は、体重と身長との関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数である。

0041

変換式生成部14は、複数の被検者における覚醒時の上気道位置座標データ(Xpre,Ypre,Zpre)と、睡眠時の上気道位置座標データ(Xpost,Ypost,Zpost)、AHI、BMIと、式(1)〜(3)に代入して、回帰分析を行い、予測される睡眠時の上気道の位置座標データと、実測データ(Xpost,Ypost,Zpost)との残差が最小となるような係数a〜iを算出する。算出された係数a〜iは、変換式パラメータ24として記憶部10に記憶される。

0042

推定部15は、新たに得られた被検者の覚醒時上気道形状モデル22を、生成された変換式(1)〜(3)(変換式パラメータ24の係数が設定された変換式)に代入することにより、当該被検者の睡眠時の上気道形状予測モデル25を生成する。生成された上気道形状予測モデル25において、気道が細く又はつぶれている箇所がある場合には、その箇所が、睡眠時無呼吸症候群の原因部位であると疑われる。

0043

次に、この気道変形予測システム100による気道変形予測の流れについて説明する。図3に示すように、まず、撮像装置1が、被検者のDICOMデータを撮像し、計測装置3が、被検者の生理データ20を計測する撮像・計測工程を行う(ステップS1)。これにより、撮像装置1から被検者の顎顔面部のDICOMデータ(図7(A)、図7(B))がコンピュータ2に送られ、また、計測装置3から被検者の生理データ20がコンピュータ2に送られる。

0044

上気道モデル生成部12は、DICOMデータに基づいて睡眠時上気道形状モデル21と覚醒時上気道形状モデル22とを生成して記憶部10に記憶する。また、生理データ生成部11は、計測装置3の計測結果に基づいてAHI,BMIなどの変換式の各項に定義された諸値を算出し、生理データ20として記憶部10に記憶する。

0045

続いて、コンピュータ2は、流体解析を行い、流体解析工程を行う(ステップS2)。具体的には、流体解析部13は、覚醒時上気道形状モデル22を用いて流体解析を行い、覚醒時圧力データ23(図9(B)参照)を生成して記憶部10に記憶する。

0046

続いて、コンピュータ2は、変換式を生成する変換式生成工程を行う(ステップS3)。具体的には、図4に示すように、変換式生成部14は、変換式の係数a〜iに仮の値を設定する、すなわち変換式パラメータの仮設定を行う(ステップS31)。続いて、変換式生成部14は、覚醒時の上気道の特定部位の位置座標(Xpre,Ypre,Zpre)、その特定部位の圧力値P、AHI、BMI等を入力することにより、変換式を算出する(ステップS32)。続いて、変換式生成部14は、変換式の算出結果と、睡眠時の位置座標の実測値との残差を算出する(ステップS33)。

0047

続いて、変換式生成部14は、終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS34)。終了条件は、例えば、残差が許容範囲内であることである。

0048

終了条件を満たさないと判定されると(ステップS34;No)、変換式生成部14は、変換式パラメータの仮設定(係数a〜iの値を変更)を行い(ステップS31)、変換式を算出し(ステップS32)、残差を算出し(ステップS33)、終了条件の判定を行う(ステップS34)。

0049

このように、終了条件を満たすようになるまで、ステップS31→S32→S33→S34が繰り返され、残差が終了条件を満たす最適な変換式パラメータ(係数a〜i)が探索される。

0050

終了条件を満たすようになると(ステップS34;Yes)、変換式生成部14は、その時点での変換式の係数(変換式パラメータ24)を記憶部10に記憶する(ステップS35)。

0051

図3戻り、続いて、コンピュータ2は、予測工程を行う(ステップS4)。具体的には、図5に示すように、まず、撮像装置1で予測対象となる被検者の覚醒時での撮像を行い、計測装置3を用いて被検者の生理データ20の計測を行い、その結果を、コンピュータ2に送信する(ステップS41)。これにより、上気道モデル生成部12は、受信した結果に基づいて、覚醒時上気道形状モデル22を生成して記憶部10に記憶し、生理データ生成部11は、生理データ20を生成して記憶部10に記憶する。

0052

続いて、流体解析部13は、覚醒時上気道形状モデル22を用いて流体解析を行って、覚醒時圧力データ23(図9(B)参照)を生成し、記憶部10に記憶する(ステップS42)。

0053

続いて、推定部15は、変換式パラメータ24を読み込んで、変換式の係数a〜iとして設定し、覚醒時上気道形状モデル22の位置座標(Xpre,Ypre,Zpre)を代入して、睡眠時の位置座標(Xpost,Ypost,Zpost)を算出し、上気道形状予測モデル25を生成する(ステップS43)。そして、推定部15は、上気道形状予測モデル25を記憶部10に記憶する(ステップS44)。ここで必要であれば、上気道形状予測モデル25が表示部35に表示される。これにて処理が終了する。

0054

なお、本実施の形態では、上気道全体の形状を予測する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれには限られない。上気道の特定部位に絞って、睡眠時のその位置座標の変化を予測するだけでもよい。そのような特定部位には、例えば図10に示すRA−P、RA−A、TSA−P、TSA−A、OA−P、OA−A、HA−P、HA−Aなどがある。図10(B)におけるwRA、wTSA、wOA、wHAは、各特定部位の間隔、すなわちその部位での気道の幅である。

0055

表示された上気道形状予測モデル25を見れば、被検者の睡眠時の上気道の形状を確認することができる。これらの情報に基づいて、上気道のどの部分が狭窄しているかを検出することができる。上気道が狭窄している部分がわかれば、睡眠時無呼吸症候群の原因部位を特定するのが容易になる。

0056

例えば、図6に示すように、B1の部分、すなわち鼻の粘膜に炎症を起こしている場合には、投薬などで炎症を抑えることが適切な治療法として考えられる。

0057

また、B2の部分、鼻の奥が腫れている場合には、手術による切除を行うことが適切な治療法として考えられる。

0058

また、B3の部分、の奥が分厚くなっている場合には、CPAP等の器械永続的に使用することが適切な治療法として考えられる。

0059

また、B4の部分、扁桃腺が腫れている場合には、手術により扁桃腺を切除することが適切な治療法として考えられる。

0060

また、上気道の下側がつぶれているか細くなっている場合には、B5の部分(下顎)が、原因部位として考えられる。この場合には、治療すべき部位は、下顎となる。上歯と下歯との噛み合わせの矯正、減量、下顎を前に出す手術、マウスピースの使用などが主な治療方法となる。

0061

また、睡眠時無呼吸症候群の原因部位は1つとは限らない。図6に示すB1〜B5の部位のうち、複数の部位が原因部位となっていることもある。この実施の形態に係る上気道の睡眠時の変形の予測を行えば、複数の部位が睡眠時無呼吸症候群の原因となっていることも突き止め易くなる。

0062

以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、複数の被検者における覚醒時上気道形状モデル22と睡眠時上気道形状モデル21とから最適化手法を用いて推定された変換式を用いて、覚醒時の上気道の形状から睡眠時の上気道の形状を被検者毎に統計的に予測することができるので、睡眠時の上気道の形状を明らかにして、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の原因部位を正確に特定することができる。

0063

なお、上記実施の形態では、変換式にボディマス指数の項を設定したが、本発明はこれには限られない。例えば、ボディマス指数に変えて、肥満度を表す他の指数(例えば体重/身長、脂肪率ローレル指数、肥満度)を用いるようにしてもよい。

0064

上記実施の形態では、撮像装置1とX線CT装置としたが、この発明はこれには限られない。MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置又は超音波診断装置を撮像装置1としてもよい。さらに、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置から得られる複数の3次元画像データから1つの3次元画像データを生成し、生成された画像データから、各組織の3次元形状のモデルを生成するようにしてもよい。

0065

また、上記実施の形態では、回帰分析により変換式の係数を最適化したが、本発明はこれには限られない。遺伝的アルゴリズム等、他の最適化手法を用いて最適な変換式のパラメータを求めるようにしてもよい。この場合、標準から著しく外れたデータは、最適化から除外するようにしてもよい。

0066

上記各実施の形態では、睡眠時無呼吸症候群の診断及び治療を行う場合について説明したが、この発明はこれには限られない。呼吸器系の疾患であって上気道の形状に係る疾患であれば、診断及び治療に評価システムを用いることができる。また、高血圧等の症状の原因の特定にもこの発明を用いることができる。

0067

その他、コンピュータ2のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。

0068

制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、操作部34、表示部35及び通信部36、内部バス30などから構成されるコンピュータ2の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体フレキシブルディスクCD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するコンピュータ2を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでコンピュータ2を構成してもよい。

0069

コンピュータ2の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラム分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。

0070

送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。

0071

この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

0072

本発明は、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)等の上気道の疾患の原因部位の特定に利用することができる。

0073

1撮像装置、2コンピュータ、3計測装置、10 記憶部、11生理データ生成部、12上気道モデル生成部、13流体解析部、14変換式生成部、15推定部、20 生理データ、21睡眠時上気道形状モデル、22覚醒時上気道形状モデル、23 覚醒時圧力データ、24 変換式パラメータ、25 上気道形状予測モデル、30内部バス、31 制御部、32主記憶部、33外部記憶部、34 操作部、35 表示部、36通信部、39プログラム、100気道変形予測システム。

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