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技術 誘電体導波管型共振部品およびその特性調整方法

出願人 宇部興産株式会社
発明者 原田信洋中村浩
出願日 2016年7月15日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-140301
公開日 2018年1月18日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2018-011256
状態 特許登録済
技術分野 導波管型周波数選択装置および共振器
主要キーワード 摂動量 寸法ずれ 略六面体 銀メッキ処理 固定用ナット 各方向毎 タッピンねじ 嫌気性接着剤
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図面 (10)

課題

誘電体導波管共振部品において、製造過程誘電体ブロック導体膜導電板などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、共振周波数微調整することができ、製品歩留まりを向上させる。

解決手段

相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、該誘電体ブロックの前記凹部を除く外面に形成された導体膜と、少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、前記導電板を貫通し、先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入された特性調整ねじと、を備える。

概要

背景

携帯電話機などの移動通信機器に用いられる誘電体共振部品としては、図1に示すような誘電体ブロックを用い、外部に外導体を設け内部に内導体を設けたTEMモードの誘電体共振部品がしばしば用いられる。

図1において、長さL、幅W及び高さHの略六面体形状の誘電体ブロック901は、互いに対向する第1の面903及び第2の面905と、これら2つの面に連なる各方向毎の4つの側壁面907とを有する。誘電体ブロック901には、第1の面903から第2の面905にかけて内部を貫通する貫通孔907が形成されている。貫通孔907の内壁面909には内導体が付されており、第1の面903を除く誘電体ブロック901の外面(合計5面)には外導体が付されている。かくして、貫通孔907に対応して1/4波長型の共振部品900が形成される。第1の面903には、内導体に接続された周波数調整電極911が形成されている。このような誘電体共振部品は、ブロックの比誘電率εrにおける1/4波長に対応したL寸法で、比較的簡単に共振周波数を設定でき、さらに、周波数調整電極911を削り取ることで共振周波数の微調整が可能となる。しかしながら、このような構造の誘電体共振部品において、高い無負荷Q値を得るためは、開放端断面積(WxH)を大きくする必要があるが、L寸法は誘電体材料の比誘電率εrと共振周波数で決まっているため、共振周波数が高い場合、L寸法が短くなり、形状がアンバランスになる問題があった。また、高次共振モードの共振周波数が、利用しようとするTEMモードの共振周波数に近接するため、無負荷Q値を向上させるにも限界があった。

一方、導波管型の誘電体共振部品として、誘電体ブロックの外面に外導体を形成したものが知られている。図2は、TE101モードの誘電体導波管型共振部品920の模式的斜視図である。誘電体ブロック(WxHxL)内の電界方向が矢印で示してあり、電界方向はL方向に平行で、電界強度はWxHの中央部が最大となる。この共振部品920内部の波長λgは、λg=2WH/√(W2+H2)となり、W、Hの寸法で共振周波数が定まる。このような誘電体導波管型共振部品920は、同じ比誘電率の材料を使用した場合、同じ共振周波数を有するTEMモード誘電体共振部品に比べサイズが大きくなり、高い無負荷Qを得ることができる。しかしながら、共振周波数は、W、Hの寸法のみによって決まるため、誘電体ブロックの加工寸法を厳しく管理しなければならない。また、周波数毎に金型を準備する必要がありコスト上の問題があった。さらに、TEMモード誘電体共振部品900のような、周波数調整電極がないため、共振周波数の微調整ができずに、歩留まりが低下する問題があった。

このような課題を解決するために、特許文献1において、WxH面に電極のない窪みを設けて、同じ誘電体ブロック寸法でも様々な周波数を設定できるようにする方法が開示されている。特許文献1は、この文献の図3、図5に示されているように、誘電体ブロックに導電体膜の無い貫通孔、或いは窪みを設け、その形状、深さを設定することで共振周波数を変化させ、誘電体ブロックの外形が同じであっても、所望の共振周波数を得るものである。しかしながら、特許文献1において、穴径や窪みの形状は金型等で決められており、製造過程で若干の寸法ずれが発生した場合、あとから微調整をすることができない。そのため、製品の歩留まりを悪化させる問題がある。

概要

誘電体導波管型共振部品において、製造過程で誘電体ブロック、導体膜導電板などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、共振周波数を微調整することができ、製品歩留まりを向上させる。相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、該誘電体ブロックの前記凹部を除く外面に形成された導体膜と、少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、前記導電板を貫通し、先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入された特性調整ねじと、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、該誘電体ブロックの前記凹部を除く外面に形成された導体膜と、少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、前記導電板を貫通し、先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入された特性調整ねじと、を備えることを特徴とする誘電体導波管共振部品

請求項2

前記特性調整ねじの少なくとも1つは、挿入量が調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項3

前記特性調整ねじの少なくとも1つは、前記導電板に形成されたねじ穴に螺合する雄ねじであることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項4

前記特性調整ねじの少なくとも1つは、前記導電板に形成された下穴適合される際に前記導電板への螺合がなされたタッピンねじであることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項5

相互に結合された誘電体導波管型共振器を複数備える誘電体導波管型共振部品であって、各誘電体導波管型共振器は、相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックを備え、前記第1の面における相互に隣接する誘電体導波管型共振器の境界に設けられた追加の凹部と、相互に隣接する誘電体導波管型共振器の境界にある側壁面に設けられた窪みと、前記凹部及び前記追加の凹部を除く外面に形成された導体膜と、少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部並びに前記追加の凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、複数の誘電体導波管型共振器に跨り、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入されるように前記導電板を貫通する特性調整ねじと、先端が前記追加の凹部に空隙を保ちつつ挿入されるように前記導電板を貫通する追加の特性調整ねじと、両端の誘電体導波管型共振器にそれぞれ設けられた一対の入出力電極と、を更に備えることを特徴とする誘電体導波管型共振部品。

請求項6

前記特性調整ねじ及び前記追加の特性調整ねじの少なくとも1つは、挿入量が調整可能であることを特徴とする請求項5に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項7

前記特性調整ねじ及び前記追加の特性調整ねじの少なくとも1つは、前記導電板に形成されたねじ穴に螺合する雄ねじであることを特徴とする請求項5又は6に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項8

前記特性調整ねじ及び前記追加の特性調整ねじの少なくとも1つは、前記導電板に形成された下穴に適合される際に前記導電板への螺合がなされたタッピンねじであることを特徴とする請求項5又は6に記載の誘電体導波管型共振部品。

請求項9

請求項1乃至4の何れか1項に記載の誘電体導波管型共振部品に対して、前記特性調整ねじの挿入量の少なくとも1つで特性を調整することを特徴とする特性調整方法

請求項10

請求項5乃至8の何れか1項に記載の誘電体導波管型共振部品に対して、前記特性調整ねじ及び前記追加の特性調整ねじの挿入量の少なくとも1つで特性を調整することを特徴とする特性調整方法。

技術分野

0001

本発明は、誘電体導波管共振部品に関し、特にマイクロ波帯ミリ波帯での使用に適した誘電体導波管型共振部品に関する。

背景技術

0002

携帯電話機などの移動通信機器に用いられる誘電体共振部品としては、図1に示すような誘電体ブロックを用い、外部に外導体を設け内部に内導体を設けたTEMモードの誘電体共振部品がしばしば用いられる。

0003

図1において、長さL、幅W及び高さHの略六面体形状の誘電体ブロック901は、互いに対向する第1の面903及び第2の面905と、これら2つの面に連なる各方向毎の4つの側壁面907とを有する。誘電体ブロック901には、第1の面903から第2の面905にかけて内部を貫通する貫通孔907が形成されている。貫通孔907の内壁面909には内導体が付されており、第1の面903を除く誘電体ブロック901の外面(合計5面)には外導体が付されている。かくして、貫通孔907に対応して1/4波長型の共振部品900が形成される。第1の面903には、内導体に接続された周波数調整電極911が形成されている。このような誘電体共振部品は、ブロックの比誘電率εrにおける1/4波長に対応したL寸法で、比較的簡単に共振周波数を設定でき、さらに、周波数調整電極911を削り取ることで共振周波数の微調整が可能となる。しかしながら、このような構造の誘電体共振部品において、高い無負荷Q値を得るためは、開放端断面積(WxH)を大きくする必要があるが、L寸法は誘電体材料の比誘電率εrと共振周波数で決まっているため、共振周波数が高い場合、L寸法が短くなり、形状がアンバランスになる問題があった。また、高次共振モードの共振周波数が、利用しようとするTEMモードの共振周波数に近接するため、無負荷Q値を向上させるにも限界があった。

0004

一方、導波管型の誘電体共振部品として、誘電体ブロックの外面に外導体を形成したものが知られている。図2は、TE101モードの誘電体導波管型共振部品920の模式的斜視図である。誘電体ブロック(WxHxL)内の電界方向が矢印で示してあり、電界方向はL方向に平行で、電界強度はWxHの中央部が最大となる。この共振部品920内部の波長λgは、λg=2WH/√(W2+H2)となり、W、Hの寸法で共振周波数が定まる。このような誘電体導波管型共振部品920は、同じ比誘電率の材料を使用した場合、同じ共振周波数を有するTEMモード誘電体共振部品に比べサイズが大きくなり、高い無負荷Qを得ることができる。しかしながら、共振周波数は、W、Hの寸法のみによって決まるため、誘電体ブロックの加工寸法を厳しく管理しなければならない。また、周波数毎に金型を準備する必要がありコスト上の問題があった。さらに、TEMモード誘電体共振部品900のような、周波数調整電極がないため、共振周波数の微調整ができずに、歩留まりが低下する問題があった。

0005

このような課題を解決するために、特許文献1において、WxH面に電極のない窪みを設けて、同じ誘電体ブロック寸法でも様々な周波数を設定できるようにする方法が開示されている。特許文献1は、この文献の図3図5に示されているように、誘電体ブロックに導電体膜の無い貫通孔、或いは窪みを設け、その形状、深さを設定することで共振周波数を変化させ、誘電体ブロックの外形が同じであっても、所望の共振周波数を得るものである。しかしながら、特許文献1において、穴径や窪みの形状は金型等で決められており、製造過程で若干の寸法ずれが発生した場合、あとから微調整をすることができない。そのため、製品の歩留まりを悪化させる問題がある。

先行技術

0006

特開平10−93311号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、誘電体導波管型共振部品において、製造過程で誘電体ブロック、導体膜導電板などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、共振周波数を微調整することができ、製品歩留まりを向上させることにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックと、
該誘電体ブロックの前記凹部を除く外面に形成された導体膜と、
少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、
前記導電板を貫通し、先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入された特性調整ねじと、
を備えることを特徴とする誘電体導波管型共振部品が提供される。
また、本発明によれば、
相互に結合された誘電体導波管型共振器を複数備える誘電体導波管型共振部品であって、
各誘電体導波管型共振器は、相互に反対側に位置する第1の面および第2の面と、該第1の面の外周縁と前記第2の面の外周縁との間に位置する複数の側壁面と、前記第1の面に設けられた凹部と、を有する誘電体ブロックを備え、
前記第1の面における相互に隣接する誘電体導波管型共振器の境界に設けられた追加の凹部と、
相互に隣接する誘電体導波管型共振器の境界にある側壁面に設けられた窪みと、
前記凹部及び前記追加の凹部を除く外面に形成された導体膜と、
少なくとも前記凹部の開口面及びその辺縁部並びに前記追加の凹部の開口面及びその辺縁部を覆い、複数の誘電体導波管型共振器に跨り、前記導体膜と電気的に接合された導電板と、
先端が前記凹部に空隙を保ちつつ挿入されるように前記導電板を貫通する特性調整ねじと、
先端が前記追加の凹部に空隙を保ちつつ挿入されるように前記導電板を貫通する追加の特性調整ねじと、
両端の誘電体導波管型共振器にそれぞれ設けられた一対の入出力電極と、
を更に備えることを特徴とする誘電体導波管型共振部品が提供される。

発明の効果

0009

本発明によれば、製造過程で誘電体ブロック、導体膜、導電板などの構成部品に若干の寸法ずれが発生しても、特性調整ねじの挿入量を調整することにより、共振周波数を微調整することができ、従って、製品歩留まりが向上する。

図面の簡単な説明

0010

従来例によるTEMモードの誘電体共振部品を示す模式的斜視図である。
従来例によるTE101モードの誘電体導波管型共振部品の模式的斜視図である。
本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。
本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的分解斜視図である。
本実施形態の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品における図3のV−V’及び本実施形態の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品における図6のV−V’断面部分図である。
本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品である誘電体導波管フィルタを示す上面側の模式的斜視図である。
本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品である誘電体導波管フィルタを示す底面側の模式的斜視図である。
本発明の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品である誘電体導波管フィルタを示す模式的分解斜視図である。
本実施形態の第2の実施形態による誘電体導波管型共振部品における図6のIX−IX’断面部分図である。

実施例

0011

以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。

0012

図3は本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図4は本発明の第1の実施形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的分解斜視図である。
誘電体導波管型共振部品101は、誘電体ブロック103と導電板105と特性調整ねじ107を有する。誘電体ブロック103の材質としては、たとえばMg2SiO4を主成分とするフォルステライトセラミックであり比誘電率εrが10程度の誘電体セラミックスを使用することができる。

0013

誘電体ブロック103は、長さL、幅W及び高さHの略直方体基本形状を持つ。長さLはたとえば約10mmであり、幅Wはたとえば約18mmであり、高さHはたとえば約19.5mmである。誘電体ブロック103は、長さLを隔てて互いに反対側に位置する第1の面109および第2の面111と、該第1の面109の外周縁と前記第2の面111の外周縁との間に位置する複数の側壁面113とを有する。

0014

図4図5に示すように、誘電体ブロック103には、第1の面109のほぼ中央部に凹部115が形成されている。凹部115の形状はたとえば直径が約4mm、深さが約3.5mmの円柱状である。誘電体ブロック103の外面すなわち第1の面109、第2の面111及び側壁面113には凹部115を除き導体膜117が付されている。導体膜117の材質としては、たとえば銀が使用される。

0015

導電板105は、誘電体ブロック103の第1の面109上に、例えば、半田などの接合部材により、電気的に接合している。導電板105の材質は誘電体ブロック103の材質と熱膨張係数の近いものが好ましく、たとえば鉄系の金属、特に表面を錫めっきした鉄などを用いることができる。導電板105は、誘電体ブロック103の凹部115に合わせてねじ孔119が設けてあり、これには雄ねじである特性調整ねじ107が螺合されている。導電板105の接合部材は、半田に限るものではなく、導電性接着剤ロウでも良い。

0016

特性調整ねじ107としては、たとえばφ3mmのねじが用いられ、材料はたとえば導電性を有する鉄系であり、特に表面にクロメート処理したものや銀メッキ処理したものが用いられる。

0017

図5に、本実施形態における図3のV−V’断面部分図を示す。特性調整ねじ107は、導電性を有する金属製であり、導電板105の裏側、すなわち誘電体ブロック103の第1の面109側に突出して螺合されており、凹部115に所定の空隙121を隔てて挿入されている。

0018

かくして、本実施形態では、TE101モードの誘電体導波管型共振部品が構成される。
本実施形態において、導電性の特性調整ねじ107が、誘電体導波管型共振部品101の凹部115に挿入されたことによって、挿入部分が電界に摂動として作用し、共振周波数が下降する。また、特性調整ねじ107の挿入深さで摂動量が変化するため、挿入深さに対して共振周波数を細かく調整することができる。

0019

TE101モード導波管型共振部品101の場合、電界の最も強い位置は第1の面109の中央部分であり、この位置に特性調整ねじ107を設定することで共振周波数をより広い範囲で調整することができる。

0020

表1は、本実施形態における特性調整ねじ107の挿入深さと誘電体導波管型共振部品の共振周波数との関係を示したものである。ここで、ねじ挿入量とは、導電板から裏面に突出した部分を意味する。表1より、挿入量を多くすることで、共振周波数を下げることができ、1mmから3mmまで挿入量を変化させることで、43MHz共振周波数をさげることができる。そのため、サイズを大きくしなくても低い周波数の共振部品を提供することができる。

0021

0022

特性調整ねじは、固定用ナットを用いることで、導電板に固定することができる(図示せず)。固定用ナットは、予め特性調整ねじに螺入されており、特性調整後に特性調整ねじを導電板に固定するように締め付けられる。また、特性調整ねじ107は、そのねじ部を接合部材で固定することができる。接合部材としては、半田、エポキシ系接着剤シリコーン系接着剤嫌気性接着剤熱硬化樹脂などがある。接合剤を用いることで、タッピンねじと導電板105との接合がより強固となり、さらにねじが緩みにくくなる。さらに、固定用ナットと接合部材を併用することもできる。

0023

また、特性調整ねじ107としては、タッピンねじを使用することができる。この場合、導電板105には予めタッピンねじを挿入するに好適な下穴を開けておく。タッピンねじは自ら雌ねじを形成しながら螺入するため、導電板105には、雌ねじをあらかじめ形成する必要がない。また、雌ねじは徐々に押し広げられて形成されるため、最小の大きさとなり、雄ねじと雌ねじとの遊びが殆どなく所定の螺入位置で固定することができる。従って、固定用ナットを具備する必要がないため、部材を削減することができ、また、ねじ固定のための工数を削減することができる。

0024

図6図7は本発明の第2の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的斜視図である。図8は本発明の第2の実施の形態による誘電体導波管型共振部品を示す模式的分解斜視図である。本発明の第2の実施の形態による誘電体導波管型共振部品201は、おおまかにいうと第1の実施の形態による誘電体導波管型共振部品101で用いられている誘電体導波管型共振器と同様な3つの誘電体導波管型共振器201−1、201−2、201−3を結合したものであり、誘電体導波管型フィルタとして利用される。

0025

誘電体ブロック203は、第1の実施形態と同じく長さLを隔てて互いに反対側に位置する第1の面209および第2の面211と、該第1の面209の外周縁と前記第2の面211の外周縁との間に位置する複数の側壁面213とを有する。誘電体ブロック203は長さL、幅W及び高さHの略直方体の基本形状を持つ。長さLはたとえば約10mmであり、幅Wはたとえば約59mmであり、高さHはたとえば約19.5mmである。

0026

誘電体ブロック203の材質としては、たとえばMg2SiO4を主成分とするフォルステライト系セラミックであり比誘電率εrが10程度の誘電体セラミックスを使用することができる。

0027

誘電体ブロック203は、中に3個の共振器201−1、201−2、201−3を構成するように第1の面209から第2の面211にかけて側壁面213に形成された窪み231によって仕切られており、窪み231の大きさで共振器間の結合を調整することができる。窪み231の大きさは、たとえば幅3mm、深さ6.5mm、長さ10mmである。

0028

誘電体ブロック203の第1の面209には、長手方向で見て、共振器201−1、201−2、201−3の各々の中央部に凹部215が、窪み231を形成している仕切り部の各々に追加の凹部233(合計で5つの凹部)が形成してある。誘電体ブロック203の凹部215及び追加の凹部233以外の外面には導体膜217が形成してある。凹部215を通過する断面V−V’を図5に示す。追加の凹部233を通過する断面IV−IV’を図9に示す。第2の面211には、一対の舌片状の入出力電極230が形成してあり、これらの入出力電極230は両端の共振器201−1、201−3と結合している。これらの入出力電極230は、外部回路(図示せず。)に接続されており、外部回路との間で信号のやり取りを行っている。

0029

導電板205は、誘電体ブロック203の第1の面209の上面に電気的に接合しており、たとえば第1の面209の上面に半田で接合される。導電板205は、誘電体ブロック203の3つの凹部215及び2つの追加の凹部233にそれぞれ合わせて3つのねじ孔219及び2つのねじ孔235(合計で5つのねじ孔)が設けてある。ねじ孔219の各々には特性調整ねじ207が、ねじ孔235の各々には追加の特性調整ねじ237が(合計で5つの特性調整ねじが)螺合されている。かくして、本実施形態では、TE101モードの3段誘電体導波管型バンドパスフィルタが構成される。

0030

特性調整ねじ207は、導電性を有する金属製であり、導電板205の裏側、すなわち誘電体ブロック203の第1の面209側に突出して螺合されており、凹部215に所定の空隙221を隔てて挿入されている。

0031

同様に、追加の特性調整ねじ237は、導電性を有する金属製であり、導電板205の裏側、すなわち誘電体ブロック203の第1の面209側に突出して螺合されており、追加の凹部233に所定の空隙221を隔てて挿入されている。

0032

長手方向で見て共振器201−1、201−2、201−3の中央部に位置する3つの特性調整ねじ207の挿入深さを調整することにより、共振周波数を調整することができ、窪み231の部分に位置する2つの追加の特性調整ねじ237の挿入深さを調整することにより共振器201−1、201−2、201−3相互間の結合を調整することができる。

0033

本実施形態によれば、製造上若干の寸法バラツキがあっても、特性調整ねじ207で共振周波数を調整することができ、追加の特性調整ねじ237で共振器間結合を調整することができ、歩留まりの良い誘電体導波管型フィルタを提供できる。

0034

特許文献1において、孔部に導体を挿入して、周波数調整、或いは結合量調整をすることは全く考慮されてなく、そのような構造も示唆されていない。あくまで、窪みの大きさや位置によって共振周波数を設定するものであり、また、特許文献1は、孔を空けることによって共振周波数が上昇するため、目的の周波数を得るためには、サイズを大きくしなければならない。一方、本実施形態によれば、特性調整ねじを挿入することで、周波数を下げることができ、共振部品サイズが小さくても所定の周波数を得ることができる。また、ねじ構造になっているため、特性の微調整が可能となる。

0035

なお、共振器の個数は、3個に限るものではない。また、凹部の形状は、ねじが挿入可能な形状であればよく円筒形に限るものではない。

0036

本発明は、高性能化が要請されている基地局用途などの移動体通信機器に好適に共振部品として適用することができる。

0037

101誘電体導波管型共振部品
103誘電体ブロック
105導電板
107特性調整ねじ
109 第1の面
111 第2の面
113側壁面
115 凹部
117導体膜
119 ねじ孔
121 空隙
201 誘電体導波管型共振部品(誘電体導波管型フィルタ)
201−1、201−2、201−3 誘電体導波管型共振器
203 誘電体ブロック
205 導電板
207 特性調整ねじ
209 第1の面
211 第2の面
213 側壁面
215 凹部
217 導体膜
219、235 ねじ孔
221 空隙
230入出力電極
231 窪み
233 追加の凹部
237 追加の特性調整ねじ

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