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図面 (12)

課題

より安定した電気的特性酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜を提供する。また、当該酸化物半導体膜を用いることにより、半導体装置に安定した電気的特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供する。

解決手段

酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜において、当該酸化物半導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略平行である六方晶結晶構造と、a−b面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と、を有する酸化物半導体膜である。

概要

背景

液晶表示装置に代表されるように、ガラス基板等に形成されるトランジスタアモルファ
スシリコン多結晶シリコンなどによって構成されている。アモルファスシリコンを用い
たトランジスタは、ガラス基板の大面積化に容易に対応することができる。しかし、アモ
ファスシリコンを用いたトランジスタは、電界効果移動度が低いという欠点を有してい
る。また、多結晶シリコンを用いたトランジスタは電界効果移動度が高いが、ガラス基板
の大面積化には適していないという欠点を有している。

このような欠点を有するシリコンを用いたトランジスタに対して、酸化物半導体を用いて
トランジスタを作製し、電子デバイス光デバイスに応用する技術が注目されている。例
えば酸化物半導体として、In、Zn、Ga、Snなどを含むアモルファス(非晶質)の
酸化物を用いてトランジスタを作製する技術が特許文献1で開示されている。また、同様
のトランジスタを作製して表示装置画素スイッチング素子などに用いる技術が特許文
献2で開示されている。

また、このようなトランジスタに用いる酸化物半導体について、「酸化物半導体は不純物
に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリ
ウムのようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使える」といった
ことも述べられている(非特許文献1参照)。

概要

より安定した電気的特性酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜を提供する。また、当該酸化物半導体膜を用いることにより、半導体装置に安定した電気的特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供する。酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜において、当該酸化物半導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略平行である六方晶結晶構造と、a−b面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と、を有する酸化物半導体膜である。

目的

このような問題に鑑み、電気的特性の安定した酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜
を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ゲート電極と、前記ゲート電極上の第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上面と接する非単結晶酸化物半導体膜と、前記酸化物半導体膜に電気的に接続するソース電極及びドレイン電極と、前記酸化物半導体膜上の第2の絶縁膜と、を有し前記第1の絶縁膜は、酸化シリコン酸化窒化シリコン窒化シリコン窒化酸化シリコン酸化アルミニウム酸化窒化アルミニウム、または酸化ガリウムのいずれかを有し、前記酸化物半導体膜は酸化インジウム亜鉛を有し、前記酸化物半導体膜は、a−b面が前記酸化物半導体膜表面に概略平行である六方晶結晶構造と、a−b面が前記酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と、を有することを特徴とする表示装置

請求項2

請求項1において、前記ゲート電極は、チタンまたは銅を有することを特徴とする表示装置。

技術分野

0001

酸化物半導体膜、及び該酸化物半導体膜を用いる半導体装置に関する。

0002

なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、電気光学装置半導体回路及び電子機器は全て半導体装置である。

背景技術

0003

液晶表示装置に代表されるように、ガラス基板等に形成されるトランジスタアモルファ
スシリコン多結晶シリコンなどによって構成されている。アモルファスシリコンを用い
たトランジスタは、ガラス基板の大面積化に容易に対応することができる。しかし、アモ
ファスシリコンを用いたトランジスタは、電界効果移動度が低いという欠点を有してい
る。また、多結晶シリコンを用いたトランジスタは電界効果移動度が高いが、ガラス基板
の大面積化には適していないという欠点を有している。

0004

このような欠点を有するシリコンを用いたトランジスタに対して、酸化物半導体を用いて
トランジスタを作製し、電子デバイス光デバイスに応用する技術が注目されている。例
えば酸化物半導体として、In、Zn、Ga、Snなどを含むアモルファス(非晶質)の
酸化物を用いてトランジスタを作製する技術が特許文献1で開示されている。また、同様
のトランジスタを作製して表示装置画素スイッチング素子などに用いる技術が特許文
献2で開示されている。

0005

また、このようなトランジスタに用いる酸化物半導体について、「酸化物半導体は不純物
に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリ
ウムのようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使える」といった
ことも述べられている(非特許文献1参照)。

0006

特開2006−165529号公報
特開2006−165528号公報

先行技術

0007

神谷、野、細野、「アモルファス酸化物半導体の物性とデバイス開発の現状」、固体物理、2009年9月号、Vol.44、pp.621−633

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、酸化物半導体膜がアモルファスのままであると、酸化物半導体膜に酸素欠損やダ
グリングボンドが生じやすく、これら単独あるいは酸素欠損やダングリングボンドが水
素等と結合することにより膜中にキャリアを発生させてしまう。そのため、酸化物半導体
膜の電気伝導度等の電気的特性が変化する恐れがある。また、酸化物半導体膜を用いたト
ランスタにとっても電気的特性が変化する要因となり、半導体装置の信頼性を低下させ
ることになる。

0009

酸化物半導体膜の中でも、とりわけインジウム及び亜鉛を有する酸化物半導体膜である酸
化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide)膜は、移動度等の電気的特性
に優れており、トランジスタのチャネル領域を形成する有望な材料として期待されている
。しかしながらインジウム及び亜鉛を有する酸化物半導体膜がアモルファスの場合には、
上述したように、酸素欠損やダングリングボンドに起因した酸化物半導体膜に共通の課題
である電気的特性の変動による信頼性の低下の問題が残る。

0010

その一方で、酸化物半導体膜の成膜過程において、当該酸化物半導体膜の結晶性を向上さ
せ電気的特性が改善することが明らかになりつつある。また酸化物半導体膜の成膜過程に
おいて、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタの信頼性を向上させることが、明らか
になりつつある。

0011

このような問題に鑑み、電気的特性の安定した酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜
を提供することを課題の一とする。また、当該酸化物半導体膜を用いることにより、半導
体装置に安定した電気的特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供することを課題の
一とする。

課題を解決するための手段

0012

開示する発明の一態様は、酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜において、酸化物半
導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略平行である六方晶結晶構造と、a−b
面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と、を有する酸化物半導
体膜である。

0013

開示する発明の一態様は、酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜において、酸化物半
導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略平行である六方晶の結晶構造と、a−b
面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と、を有し、六方晶の結
晶構造は、In:Zn=1:1の組成比を有する酸化物半導体の結晶構造であり、菱面体
晶の結晶構造は、In:Zn=2:1の組成比を有する酸化物半導体の結晶構造である酸
化物半導体膜である。

0014

開示する発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられた第1の絶縁膜と、第
1の絶縁膜上に設けられた酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜
と接するように設けられたソース電極およびドレイン電極と、酸化物半導体膜上に設けら
れた第2の絶縁膜と、を有し、酸化物半導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略
平行である六方晶の結晶構造と、a−b面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面
体晶の結晶構造と、を有する半導体装置である。

0015

開示する発明の一態様は、ゲート電極と、ゲート電極上に設けられた第1の絶縁膜と、第
1の絶縁膜上に設けられた酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜
と接するように設けられたソース電極およびドレイン電極と、酸化物半導体膜上に設けら
れた第2の絶縁膜と、を有し、酸化物半導体膜は、a−b面が酸化物半導体膜表面に概略
平行である六方晶の結晶構造と、a−b面が該酸化物半導体膜表面に概略平行である菱面
体晶の結晶構造と、を有し、六方晶の結晶構造は、In:Zn=1:1の組成比を有する
酸化物半導体の結晶構造であり、菱面体晶の結晶構造は、In:Zn=2:1の組成比を
有する酸化物半導体の結晶構造である半導体装置である。

発明の効果

0016

本発明の一態様で開示する酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜は、安定した電気
特性を有することができる。このような酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜をトラ
ンジスタに用いることによって、安定した電気的特性を有する、信頼性の高い半導体装置
とすることができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一態様に係る断面TEM像
本発明の一態様に係る電子線回折図
本発明の一態様に係るXRDスペクトル図。
本発明の一態様に係るXRDスペクトル図。
本発明の一態様に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
スパッタリング装置を説明する模式図である。
種結晶の結晶構造を説明する模式図である。
本発明の一態様に係る半導体装置の作製工程を説明する断面図。
本発明の一態様に係る半導体装置を説明する断面図。
本発明の一態様を示すブロック図及び等価回路図
本発明の一態様を示す電子機器の外観図

実施例

0018

本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明
に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々
に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構
成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共
通して用い、その繰り返しの説明は省略する。

0019

なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明
瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない

0020

また、本明細書にて用いる第1、第2、第3などの用語は、構成要素の混同を避けるため
に付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「
第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。

0021

(実施の形態1)
本実施の形態では、酸化インジウム亜鉛でなる酸化物半導体膜(以下、酸化インジウム亜
鉛膜という)の構成について、図1乃至図4を用いて説明する。

0022

本実施の形態に係る酸化インジウム亜鉛膜は、結晶構造を有する領域を含む。当該結晶
造を有する領域は、a−b面が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である六方晶の結晶
構造と、a−b面が該酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造と
、を有する。

0023

ここで、実際に作製した、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化イン
ウム亜鉛膜の断面を透過型電子顕微鏡TEM:transmission elect
ron microscope)で観察した結果(断面TEM像)を図1に示す。図1
示す断面TEM像では、層状に原子配向した領域が、酸化インジウム亜鉛膜中に複数観
察される。

0024

なお図1に示す酸化インジウム亜鉛膜の断面TEM像のサンプルは、石英基板上に酸化イ
ンジウム亜鉛を50nmの膜厚成膜したものである。酸化インジウム亜鉛膜の断面TE
M像は、In:Zn=2:1の組成比の酸化インジウム亜鉛をターゲットにして、スパ
タリング装置で成膜したものを成膜直後に観察したものである。スパッタリング装置での
成膜条件は、石英基板を200℃に加熱した状態で、100WのDC電源酸素の流量:
アルゴン及び酸素の混合気体の流量=3:10としたガスを用いて、成膜圧力を0.4P
aとして行ったものである。

0025

次いで、図1の六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜
断面に対して垂直に電子線を照射して得られた電子線回折パターン図2(A)及び図2
(B)に示す。ここで、図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンがサンプル
の断面となるので、パターンの垂直(縦)方向がc軸方向となる。

0026

なお断面TEM像及び電子線回折パターンは、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製の透
電子顕微鏡H−9000NARを用い、加速電圧を300kVとして800万倍の倍率
撮影したものである。

0027

図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンは、結晶構造の逆格子点を表してい
る。試料が結晶構造を持つ場合にはスポット状(図中、A点、B点、C点)になり、結晶
方位ランダム多結晶構造またはアモルファス構造の場合にはリング状(同心円状とも
いう)となる。従って、図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンより、図1
に示す酸化インジウム亜鉛膜は結晶構造を有することがわかる。また図2(A)及び図2
(B)に示す電子線回折パターンの違いは、結晶構造の違いを表している。

0028

図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンにおいて、A点、B点、C点の各回
折スポットは、電子線の入射による格子面からの回折スポットを表したものである。電子
線は、酸化インジウム亜鉛膜の断面に対して、垂直となる方向より入射させている。

0029

図2(A)及び図2(B)のA点は、ほぼ紙面水平軸に対して概略垂直な軸上に位置する
。そのため、酸化インジウム亜鉛膜の当該結晶構造は、a軸及びb軸に平行な石英基板上
の平面に対して、概略垂直となるc軸方向に配向していることがわかる。すなわち、酸化
インジウム亜鉛膜は、石英基板に概略平行な平面である酸化インジウム亜鉛膜の表面に対
し、概略平行なa軸及びb軸でなるa−b面を有する結晶構造を有することがわかる。

0030

図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンにおいて、電子ビームを入射し、回
折せずに酸化インジウム亜鉛膜を透過した電子波の回折スポットを(000)スポット(
電子線回折パターンの中心点:図中、O点)とする。各回折スポットと当該回折スポット
の間の(000)スポットとのなす角は、各格子面の法線のなす角を表す。これらの角度
を調べることにより結晶構造を類推することができる。

0031

具体的には、図2(A)中のA点、O点、B点でなる角度AOBは、90.0°である。
また、図2(B)中のA点、O点、B点でなる角度AOBは、69.0°であり、A点、
O点、C点でなる角度AOCは、38.7°であり、B点、O点、C点でなる角度BOC
は、30.3°である。これらより類推すると、図2(A)に示す電子線回折パターンは
菱面体晶(三方晶ともいう)であり、図2(B)に示す電子線回折パターンは六方晶であ
るとわかる。

0032

従って、図2(A)及び図2(B)に示す電子線回折パターンから図1に示す酸化インジ
ウム亜鉛膜は、a−b面が酸化物半導体膜の表面に概略平行である菱面体晶の結晶構造、
及びa−b面が酸化物半導体膜の表面に概略平行である六方晶の結晶構造を有するとわか
る。

0033

さらに、各回折スポットと(000)スポットとの距離[m]をr(hkl)、格子面間
隔[m]をd(hkl)、電子線の波長[m]をλ、酸化インジウム亜鉛膜と回折パター
ン像が得られるフィルムとの間の距離(カメラ長)[m]をLとおけば以下の式(1)が
成り立つ。

0034

r(hkl)×d(hkl)=λ×L (1)

0035

なお電子線回折パターンの測定時、カメラ長Lは0.8に設定している。また電子線の波
長λは、式(2)より導出するものである。

0036

λ=(h2/(2mE))1/2 (2)

0037

式(2)より電子線の波長λは、2.75×10−12mであることがわかる。なお式(
2)においてhはプランク定数(6.626×10−34J・s)であり、mは電子の静
止質量(9.10×10−31kg)、Eは電子の加速エネルギーを表す。ここで、電子
の加速電圧を200kVに設定したので電子の加速エネルギーEは200×103×1.
6×10−19Jとなる。

0038

上記の通り、電子線の波長λ及びカメラ長Lは既知なので、電子線回折パターンからr(
hkl)を測定すれば格子面間隔d(hkl)を見積もることができる。見積もられた格
面間隔d(hkl)を表1に示す。なお格子面間隔d(hkl)に対応するミラー指数
は、該当する可能性のある物質の既知の結晶データ、例えばJCPDSカードを参照して
得られる指数である。

0039

0040

格子面間隔d(hkl)及びミラー指数による解析により、図2(A)に示す電子線回折
パターンは、In:Zn=2:1の組成比を有するIn2ZnO4によるパターンであり
図2(B)に示す電子線回折パターンはIn:Zn=1:1の組成比を有するIn2Z
n2O5によるパターンであると推定される。なお図2(A)に示す電子線回折パターン
において、得られる回折スポットのc軸方向のミラー指数である「l」が3の倍数である
ことがわかる。当該結果からも、対称性を考慮すれば、図2(A)に示す電子線回折パタ
ーンは菱面体晶(三方晶ともいう)のパターンであるとわかる。また図2(B)に示す電
子線回折パターンにおいて、得られる回折スポットのc軸方向のミラー指数である「l」
が2の倍数であることがわかる。当該結果からも、対称性を考慮すれば、図2(B)に示
す電子線回折パターンは六方晶のパターンであるとわかる。

0041

次いで表2には、ミラー指数が見積もられた2カ所の回折スポットと、当該回折スポット
の間の(000)スポットと、を結んでなす角の角度を測定した結果を示す。なお表1及
び表2をみると、図2(A)における菱面体晶と図2(B)における六方晶とは、格子面
間隔d(hkl)、ミラー指数が見積もられた各回折スポットと、当該回折スポットの間
の(000)スポットと、を結んでなす角が異なることがわかる。

0042

0043

表2に示す結果と、前述の推定された既知の結晶データとの照合によって、図2(A)に
示す電子線回折パターンは、In:Zn=2:1の組成比を有するIn2ZnO4による
パターンであり、図2(B)に示す電子線回折パターンはIn:Zn=1:1の組成比を
有するIn2Zn2O5によるパターンであると同定される。

0044

以上の図1及び図2(A)、図2(B)の結果から、本実施の形態に係る酸化インジウム
亜鉛膜は、菱面体晶の結晶構造であるIn2ZnO4、及び六方晶であるIn2Zn2O
5を有する領域を含むことがわかる。すなわち、当該結晶構造を有する領域は、a−b面
が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である六方晶のIn2Zn2O5による結晶構造
と、a−b面が該酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である菱面体晶のIn2ZnO4
による結晶構造と、を有するものである。

0045

従って六方晶及び菱面体晶の結晶構造を含む酸化インジウム亜鉛膜は、全体がアモルファ
ス構造の酸化物半導体膜と比較して良好な結晶性を有するので、酸素欠損やダングリング
ボンド、あるいはダングリングボンドなどに結合する水素などの不純物が低減されている
。これらの酸素欠損やダングリングボンド、あるいはダングリングボンドなどに結合する
水素などは、酸化物半導体膜中でキャリアのトラップあるいはキャリアの供給源のように
機能するため、当該酸化物半導体膜の電気伝導度が変動する原因となりうる。よって、こ
れらが低減されている、六方晶及び菱面体晶の結晶構造を含む酸化物半導体膜は、電気伝
導度が安定しており、可視光紫外光などの照射に対してもより電気的に安定な構造を有
することができる。

0046

なお本実施の形態に係る酸化インジウム亜鉛膜は、菱面体晶及び六方晶の結晶構造を有す
る領域を複数含んでいても良く、それぞれの領域において、結晶構造のa軸あるいはb軸
の方向は互いに異なっていてもよい。ただし、a軸あるいはb軸の方向が異なる領域どう
しが接しないようにすることで、互いの領域が接する界面に粒界を形成しないようにする
ことが好ましい。よって、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する領域を覆う
ようにアモルファス構造の領域を有する酸化物半導体膜とすることが好ましい。

0047

また、酸化インジウム亜鉛膜についてさらにX線回折(XRD:X−ray diffr
action)測定を行い、上記の図1及び図2(A)、図2(B)の結果を補強する測
定結果を示す。

0048

図3(A)に酸化インジウム亜鉛膜について、out−of−plane法を用いてXR
スペクトルを測定した結果を示す。また図3(B)に比較例として、ガリウムを含む酸
化インジウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide:IGZO)
膜について、out−of−plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示
す。図3(A)、図3(B)は、縦軸X線回折強度任意単位)をとり、横軸回転角
2θ(deg.)をとって測定したものである。

0049

また図3(A)に示すXRDスペクトルを測定した結果は、酸化インジウム亜鉛の成膜時
基板加熱温度を室温(Tsub=R.T.)、酸化インジウム亜鉛の成膜時に基板の
加熱温度を100℃(Tsub=100℃)、または酸化インジウム亜鉛の成膜時に基板
の加熱温度を200℃(Tsub=200℃)として、酸化インジウム亜鉛を成膜した際
の膜について、並べて示したものである。また図3(B)に示すXRDスペクトルを測定
した結果は、ガリウムを含む酸化インジウム亜鉛の成膜時に基板の加熱温度を200℃(
Tsub=200℃)として、ガリウムを含む酸化インジウム亜鉛を成膜した際の膜につ
いて示したものである。なお基板である石英基板の温度以外について、酸化インジウム亜
鉛、及びガリウムを含む酸化インジウム亜鉛は、同じ条件である。

0050

図3(A)の基板の加熱温度を200℃(Tsub=200℃)として成膜した酸化イン
ジウム亜鉛膜では、2θ=30°近傍に強いピークが見られるのに対して、基板の加熱温
度を100℃(Tsub=100℃)及び室温(Tsub=R.T.)として成膜した酸
化インジウム亜鉛膜では、ほとんどピークが見られないことが分かる。同様に、図3(B
)の基板の加熱温度を200℃(Tsub=200℃)として成膜したガリウムを含む酸
化インジウム亜鉛膜でも、2θ=30°近傍のピークが見られないことが分かる。当該図
3(A)のピークは、In2Zn2O5の結晶構造の(008)面における回折に起因す
るものである。このことから、基板の加熱温度を200℃(Tsub=200℃)として
成膜した酸化インジウム亜鉛膜は、同じ基板加熱温度の条件で成膜したガリウムを含む酸
化インジウム亜鉛膜よりも結晶化しやすいことが分かる。

0051

また図4(A)には基板の加熱温度を200℃(Tsub=200℃)として成膜した成
膜直後の酸化インジウム亜鉛膜について、out−of−plane法を用いてXRDス
クトルを測定した結果を示し、図4(B)には基板の加熱温度を200℃(Tsub=
200℃)として成膜した成膜後に窒素及び酸素を含む雰囲気中で350℃の熱処理をし
た酸化インジウム亜鉛膜について、out−of−plane法を用いてXRDスペクト
ルを測定した結果を示す。熱処理の前後において、基板の加熱温度を200℃(Tsub
=200℃)として成膜した酸化インジウム亜鉛膜では、2θ=30°近傍に強いピーク
が見られるのが分かる。当該ピークは前述したように、In2Zn2O5の結晶構造の(
008)面における回折に起因するものである。このことから、成膜後の結晶構造が安定
した結晶構造であることがわかる。

0052

以上説明したX線回折測定により、本実施の形態に係る酸化インジウム亜鉛膜は、アモル
ファス構造の酸化物半導体膜と明確に異なり、結晶構造を有するものと言うことができる
。また本発明の一態様に係る酸化インジウム亜鉛膜は、同じ温度条件で成膜したガリウム
を有する酸化物半導体膜である酸化インジウム亜鉛膜と比較して、成膜する基板の温度が
低温であっても結晶構造を取りうることが可能である。なお本実施の形態に係る酸化イン
ジウム亜鉛膜の結晶構造は、a−b面が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である六方
晶のIn2Zn2O5による結晶構造と、a−b面が該酸化インジウム亜鉛膜表面に概略
平行である菱面体晶のIn2ZnO4による結晶構造と、を有するものである。

0053

なお、本実施の形態に係る酸化インジウム亜鉛膜は、酸化物半導体膜中のアルカリ金属等
の不純物は低減されていることが好ましい。例えば、酸化物半導体膜において、リチウム
の濃度が5×1015cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下、ナトリウム
の濃度が5×1016cm−3以下、好ましくは1×1016cm−3以下、さらに好ま
しくは1×1015cm−3以下、カリウムの濃度が5×1015cm−3以下、好まし
くは1×1015cm−3以下とする。

0054

アルカリ金属、及びアルカリ土類金属は酸化物半導体にとっては悪性の不純物であり、少
ないほうがよい。特に、当該不純物を含む酸化物半導体膜をトランジスタに用いる場合、
アルカリ金属のうちナトリウムは酸化物半導体膜に接する絶縁膜に拡散し、トランジスタ
閾値電圧の変動などを引き起こす可能性がある。また酸化物半導体膜内において、金属
と酸素の結合を分断し、あるいは結合中に割り込む。その結果、トランジスタ特性劣化
(例えば、ノーマリオン化(しきい値の負へのシフト)、移動度の低下等)をもたらす。
加えて、特性のばらつきの原因ともなる。

0055

よって、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化物半導体膜中の不純物を
極めて低減し、アルカリ金属の濃度を5×1016atoms/cm3以下、水素の濃度
を5×1019atoms/cm3以下とすることが好ましい。

0056

以上説明した六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜は
、全体がアモルファス構造の酸化物半導体膜と比較して良好な結晶性を有するので、酸素
欠損やダングリングボンド、あるいはダングリングボンドなどに結合する水素などの不純
物が低減されている。これらの酸素欠損やダングリングボンド、あるいはダングリングボ
ンドなどに結合する水素などは、酸化物半導体膜中でキャリアのトラップ、あるいはキャ
リアの供給源のように機能するため、当該酸化物半導体膜の電気伝導度が変動する原因と
なりうる。よって、これらが低減されている、六方晶及び菱面体晶の結晶構造を含む酸化
物半導体膜は、電気伝導度が安定しており、可視光や紫外光などの照射に対してもより電
気的に安定な構造を有することができる。

0057

以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み
合わせて用いることができる。

0058

(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示す、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有
する酸化インジウム亜鉛膜、及び当該酸化インジウム亜鉛膜を有するトランジスタの作製
方法について図5乃至図9を用いて説明する。図5は、半導体装置の構成の一形態である
トップゲート構造のトランジスタ120の作製工程を示す断面図である。

0059

まず、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜を成膜す
る前に、図5(A)に示すように、基板51上に下地絶縁膜53を形成することが好まし
い。

0060

基板51は、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要
となる。基板51としてガラス基板を用いる場合、歪み点が730℃以上のものを用いる
ことが好ましい。ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラスアルミノホウ
酸ガラスバリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられる。なお、B2O3
よりBaOを多く含むガラス基板を用いることが好ましい。基板51がマザーガラスの場
合、基板の大きさは、第1世代(320mm×400mm)、第2世代(400mm×5
00mm)、第3世代(550mm×650mm)、第4世代(680mm×880mm
、または730mm×920mm)、第5世代(1000mm×1200mmまたは11
00mm×1250mm)、第6世代(1500mm×1800mm)、第7世代(19
00mm×2200mm)、第8世代(2160mm×2460mm)、第9世代(24
00mm×2800mm、または2450mm×3050mm)、第10世代(2950
mm×3400mm)等を用いることができる。マザーガラスは、処理温度が高く、処理
時間が長いと大幅に収縮するため、マザーガラスを使用して大量生産を行う場合、作製工
程の加熱処理は、600℃以下、好ましくは450℃以下とすることが望ましい。

0061

なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶
縁体でなる基板を用いることができる。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる
。さらには、シリコンウェハ等の半導体基板の表面や金属材料よりなる導電性の基板の表
面に絶縁層を形成したものを用いることもできる。

0062

下地絶縁膜53は、加熱処理により酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜を用いて形成する
ことが好ましい。加熱処理により酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜としては、化学量論
比を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。加熱処理
により酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜を下地絶縁膜53に用いることで、後の工程で
加熱処理を行う際に酸化インジウム亜鉛膜に酸素を拡散させることができる。加熱処理に
より酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜としては、代表的には、酸化シリコン、酸化窒化
シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム酸化ガリウム酸化ハフニウム
酸化イットリウム等の膜を用いることができる。

0063

下地絶縁膜53は、50nm以上、好ましくは200nm以上500nm以下とする。下
地絶縁膜53を厚くすることで、下地絶縁膜53からの酸素放出量を増加させることがで
きると共に、その増加によって下地絶縁膜53及び後に形成される酸化インジウム亜鉛膜
との界面における欠陥を低減することが可能である。

0064

下地絶縁膜53は、スパッタリング法CVD法等により形成する。なお、加熱処理によ
り酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜は、スパッタリング法を用いることで容易に形成す
ることができる。加熱処理により酸素の一部を放出する酸化物絶縁膜をスパッタリング法
により形成する場合は、成膜ガス中の酸素量が高いことが好ましく、酸素、または酸素及
希ガス混合ガス等を用いることができる。代表的には、成膜ガス中の酸素濃度を6%
以上100%以下にすることが好ましい。

0065

また、下地絶縁膜53は、必ずしも加熱処理により酸素の一部が放出する酸化物絶縁膜を
用いて形成する必要はなく、窒化シリコン窒化酸化シリコン、窒化アルミニウムなどを
用いて窒化物絶縁膜を形成してもよい。また、下地絶縁膜53は、上記の酸化物絶縁膜と
窒化物絶縁膜の積層構造としてもよく、その場合には窒化物絶縁膜上に酸化物絶縁膜を設
けることが好ましい。下地絶縁膜53として窒化物絶縁膜を用いることにより、アルカリ
金属などの不純物を含むガラス基板を用いる場合、アルカリ金属などの酸化インジウム亜
鉛膜への侵入を防止できる。リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属は、酸化
インジウム亜鉛に対して悪性の不純物であるために酸化インジウム亜鉛膜中の含有量を少
なくすることが好ましい。窒化物絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法等で形成するこ
とができる。

0066

次に、図5(B)に示すように、スパッタリング装置を用いたスパッタリング法により、
下地絶縁膜53上に厚さ30nm以上50μm以下の六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結
晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜55を成膜する。

0067

ここで、スパッタリング装置の処理室について、図6(A)を用いて説明する。処理室3
1には、排気手段33及びガス供給手段35が接続される。また、処理室31内には、基
板支持体40及びターゲット41が設けられる。ターゲット41は、電源装置37に接続
される。

0068

処理室31は、GNDに接続されている。また、処理室31のリークレートを1×10−
10Pa・m3/秒以下とすることで、スパッタリング法により成膜する膜への不純物の
混入を低減することができる。

0069

リークレートを低くするには、外部リークのみならず内部リークを低減する必要がある。
外部リークとは、微小な穴やシール不良などによって真空系の外から気体が流入すること
である。内部リークとは、真空系内のバルブなどの仕切りからの漏れや内部の部材からの
放出ガスに起因する。リークレートを1×10−10Pa・m3/秒以下とするためには
、外部リーク及び内部リークの両面から対策をとる必要がある。

0070

外部リークを減らすには、処理室31の開閉部分メタルガスケットでシールするとよい
。メタルガスケットは、フッ化鉄、酸化アルミニウム、または酸化クロムによって被覆
れた金属材料を用いると好ましい。メタルガスケットはOリングと比べ密着性が高く、外
部リークを低減できる。また、フッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどの不動態
よって被覆された金属材料を用いることで、メタルガスケットから生じる水素を含む放出
ガスが抑制され、内部リークも低減することができる。

0071

処理室31の内壁を構成する部材として、水素を含む放出ガスの少ないアルミニウム、ク
ロムチタンジルコニウムニッケルまたはバナジウムを用いる。また、前述の材料を
鉄、クロム及びニッケルなどを含む合金材料に被覆して用いてもよい。鉄、クロム及びニ
ッケルなどを含む合金材料は、剛性があり、熱に強く、また加工に適している。ここで、
表面積を小さくするために部材の表面凹凸研磨などによって低減しておくと、放出ガス
を低減できる。あるいは、前述の成膜装置の部材をフッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化ク
ロムなどの不動態で被覆してもよい。

0072

処理室31の内部に設ける部材は、極力金属材料のみで構成することが好ましく、例えば
石英などで構成される覗き窓などを設置する場合も、放出ガスを抑制するために表面をフ
ッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどの不動態で薄く被覆するとよい。

0073

さらに、スパッタリングガスを処理室31に導入する直前に、スパッタリングガスの精製
機を設けることが好ましい。このとき、精製機から処理室31までの配管の長さを5m以
下、好ましくは1m以下とする。配管の長さを5m以下または1m以下とすることで、配
管からの放出ガスの影響を長さに応じて低減できる。

0074

シリンダから処理室31まで、スパッタリングガスを流すための配管にはフッ化鉄、酸化
アルミニウム、酸化クロムなどの不動態で内部が被覆された金属配管を用いることが好ま
しい。前述の配管は、例えばSUS316L−EP配管と比べ、水素を含むガスの放出量
が少なく、成膜ガスへの不純物の混入を低減できる。また、配管の継手には、高性能超小
型メタルガスケット継手(UPG継手)を用いるとよい。また、配管の材料を全て金属材
料で構成することで、樹脂等を用いた場合と比べ、生じる放出ガス及び外部リークの影響
を低減できるため好ましい。

0075

処理室31の排気は、ドライポンプなどの粗引きポンプと、スパッタイオンポンプ、ター
分子ポンプ及びクライオポンプなどの高真空ポンプとを適宜組み合わせて行うとよい。
ターボ分子ポンプは大きいサイズの分子の排気が優れる一方、水素や水の排気能力が低い
。そこで、水の排気能力の高いクライオポンプ及び水素の排気能力の高いスパッタイオン
ポンプを組み合わせることが有効となる。

0076

処理室31の内側に存在する吸着物は、内壁に吸着しているために処理室31の圧力に影
響しないが、処理室31を排気した際のガス放出の原因となる。そのため、リークレート
排気速度相関はないが、排気能力の高いポンプを用いて、処理室31に存在する吸着
物をできる限り脱離し、予め排気しておくことが重要である。なお、吸着物の脱離を促す
ために、処理室31をベーキングしてもよい。ベーキングすることで吸着物の脱離速度
10倍程度大きくすることができる。ベーキングは100℃以上450℃以下で行えばよ
い。このとき、不活性ガスを導入しながら吸着物の除去を行うと、排気するだけでは脱離
しにくい水などの脱離速度をさらに大きくすることができる。

0077

排気手段33は、処理室31内の不純物を排気すると共に、処理室31内の圧力を制御す
ることができる。排気手段33は、吸着型真空ポンプを用いることが好ましい。例えば
、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好まし
い。上記吸着型の真空ポンプを用いることで、酸化インジウム亜鉛膜に含まれる水素の量
を低減することができる。

0078

なお、酸化インジウム亜鉛膜に含まれる水素は、水素原子の他、水素分子、水、水酸基
または水素化物として含まれる場合もある。

0079

ガス供給手段35は、ターゲットをスパッタリングするためのガスを処理室31内に供給
する手段である。ガス供給手段35は、ガスが充填されたシリンダ、圧力調整弁、ストッ
プバルブ、マスフローコントローラ等で構成されている。なお、ガス供給手段35に精製
機を設けることで、処理室31内に導入するガスに含まれる不純物を低下することができ
る。ターゲットをスパッタリングするガスとしては、ヘリウムネオン、アルゴン、キセ
ノン、クリプトン等の希ガスを用いる。または、上記希ガスの一と、酸素との混合ガスを
用いることができる。

0080

電源装置37は、RF電源装置、AC電源装置、DC電源装置等を適宜用いることができ
る。なお、図示しないがターゲットを支持するターゲット支持体の内部または外側にマグ
ネットを設けると、ターゲット周辺に高密度プラズマを閉じこめることができ、成膜速
度の向上及び基板へのプラズマダメージを低減できる。当該方法は、マグネトロンスパッ
タリング法とよばれる。更には、マグネトロンスパッタリング法において、マグネット
回転可能にすると、磁界偏りを低減できるため、ターゲットの使用効率が高まり、かつ
基板の面内における膜質のばらつきを低減できる。

0081

基板支持体40は、GNDに接続されている。基板支持体40にはヒータが設けられてい
る。ヒータとしては、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処
理物を加熱する装置を用いることができる。

0082

ターゲット41としては、亜鉛を含む金属酸化物ターゲットを用いることが好ましい。タ
ゲット41は、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系金属酸化物のターゲットを用
いることができる。In−Zn−O系金属酸化物のターゲットは、一例として、In2O
3:ZnO=1:1[mol数比]の組成比を有するターゲットを用いることができるが
、In2O3:ZnOのモル数比はこれに限定されない。

0083

なお、ターゲット41と基板51との間隔(T−S間距離)は、原子量の小さい原子が優
先的に基板51上の下地絶縁膜53に到着することが可能な間隔とすることが好ましい。

0084

図6(A)に示すように、スパッタリング装置の処理室31において、下地絶縁膜53が
形成された基板51を基板支持体40上に設置する。次に、ガス供給手段35から処理室
31にターゲット41をスパッタリングするガスを導入する。ターゲット41の純度は、
99.9%以上、好ましくは99.99%以上のものを用いる。次に、ターゲット41に
接続される電源装置37に電力を供給する。この結果、ガス供給手段35から処理室31
に導入されたスパッタリングガスのイオン43及び電子が、ターゲット41をスパッタ
ングする。

0085

ここで、ターゲット41及び基板51の間隔を、原子量の小さい原子が優先的に基板51
上の下地絶縁膜53に到着し堆積することが可能な間隔としておくことにより、拡大部
0として図6(B)に示すように、ターゲット41に含まれる原子において、原子量の少
ない原子45が、原子量の大きい原子47より優先的に基板側へ移動することができる。

0086

亜鉛は、インジウムよりも原子量が小さい。このため、亜鉛が優先的に下地絶縁膜53上
に堆積する。また、成膜時の雰囲気に酸素を含み、基板支持体40には、成膜時に基板及
堆積膜を加熱するヒータが設けられるため、下地絶縁膜53上に堆積した亜鉛が酸化さ
れ、亜鉛を含む六方晶または菱面体晶の結晶構造の種結晶55a、代表的には酸化亜鉛
有する六方晶または菱面体晶の結晶構造の種結晶が形成される。

0087

六方晶または菱面体晶の結晶構造の種結晶55a、例えば亜鉛を含む六方晶の結晶構造の
種結晶は、a−b面において六角形格子を有する結合を有する。亜鉛を含む六方晶の結
晶構造の種結晶の場合、亜鉛を含み、a−b面が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行で
あり、c軸が該酸化インジウム亜鉛膜表面に垂直である六方晶のウルツ鉱構造の結晶を有
する。

0088

ここで、亜鉛を含み、a−b面において六角形の格子を有する結合を有し、a−b面が酸
化インジウム亜鉛膜表面に概略平行であり、c軸が該酸化インジウム亜鉛膜表面に垂直で
ある六方晶の結晶構造の結晶について、図7を用いて説明する。ここでは、亜鉛を含む六
方晶の結晶構造の結晶の代表例として、酸化亜鉛を用いて説明し、黒丸が亜鉛、白丸が酸
素を示す。図7(A)は、a−b面における、六方晶の結晶構造を有する酸化亜鉛の模式
図であり、図7(B)は、紙面の縦方向をc軸方向とした、六方晶の結晶構造を有する酸
化亜鉛の模式図である。図7(A)に示すように、a−b面における上平面において、亜
鉛及び酸素が六角形をなす結合をしている。また、図7(B)に示すように、亜鉛及び酸
素がなす六角形の格子を有する結合を有する層が積層され、c軸方向はa−b面に垂直で
ある。種結晶55aは、a−b面において六角形の格子を有する結合を有する層をc軸方
向に1原子層以上有する。

0089

なお種結晶55aは、亜鉛を含む六方晶の結晶構造の種結晶の他にも、亜鉛を含む菱面体
晶の結晶構造の種結晶を有し、この場合種結晶55aは、a−b面において四角形の格子
を有する結合を有する。亜鉛を含む菱面体晶の結晶構造の種結晶の場合、亜鉛を含み、a
−b面が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行であり、c軸が該酸化インジウム亜鉛膜表
面に非垂直である菱面体晶の結晶構造の結晶を有する。

0090

連続して、ターゲット41をスパッタリングガスでスパッタリングすることで、種結晶5
5a上にターゲットに含まれる原子が堆積するが、このとき種結晶55aを核として結晶
成長するため、種結晶55a上に六方晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜55b
を形成することができる。なお、基板51は、基板支持体40に設けられるヒータによっ
て加熱されるため、種結晶55aを核とし、被表面に堆積する原子が酸化されつつ結晶成
長する。

0091

酸化インジウム亜鉛膜55bは、六方晶または菱面体晶の結晶構造の種結晶55aを核と
し、ターゲット41の表面における原子量の大きい原子、及び種結晶55aの形成の後に
スパッタリングされた原子量の小さい原子が酸化されつつ結晶成長するため、種結晶55
aと同様に、a−b面において六角形または四角形の格子を有する結合を有し、a−b面
が酸化インジウム亜鉛膜表面に概略平行である結晶構造を有する領域を含む。なお、図5
(B)では、種結晶55aと酸化インジウム亜鉛膜55bの界面を点線で示し、酸化イン
ジウム亜鉛膜の積層構造を説明しているが、明確な界面が存在しているのではなく、あく
まで分かりやすく説明するために図示している。

0092

このときのヒータによる基板の加熱温度は100℃より大きく400℃以下、好ましくは
250℃以上350℃以下とする。100℃より大きく400℃以下、好ましくは250
℃以上350℃以下に基板を加熱しながら成膜をすることによって、成膜と同時に加熱処
理がなされるので、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜
鉛膜を成膜することができる。なお、スパッタリング時における被成膜面の温度は、25
0℃以上基板の熱処理上限温度以下とする。

0093

なお、スパッタリングガスは、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、希ガス及び酸素の
混合ガスを適宜用いる。また、スパッタリングガスには、水素、水、水酸基または水素化
物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。

0094

なお、基板支持体40及びターゲット41を有する処理室の圧力を0.4Pa以下とする
ことで、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜の表面
及び膜中への、アルカリ金属、水素等の不純物の混入を低減することができる。

0095

また、スパッタリング装置の処理室のリークレートを1×10−10Pa・m3/秒以下
とすることで、スパッタリング法による成膜途中における六方晶の結晶構造及び菱面体晶
の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜への、アルカリ金属、水素、水、水酸基または
水素化物等の不純物の混入を低減することができる。また、排気系として吸着型の真空
ンプを用いることで、排気系からアルカリ金属、水素、水、水酸基または水素化物等の不
純物の逆流を低減することができる。

0096

また、ターゲット41の純度を、99.99%以上とすることで六方晶の結晶構造及び菱
面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜鉛膜に混入するアルカリ金属、水素、水、水
酸基または水素化物等を低減することができる。また、当該ターゲットを用いることで、
酸化インジウム亜鉛膜55において、リチウムの濃度を5×1015cm−3以下、好ま
しくは1×1015cm−3以下、ナトリウムの濃度を5×1016cm−3以下、好ま
しくは1×1016cm−3以下、さらに好ましくは1×1015cm−3以下、カリ
ムの濃度を5×1015cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下とすること
ができる。

0097

上記の成膜方法では、同一のスパッタリング工程において、ターゲットに含まれる原子量
の違いを利用し、原子量の小さい亜鉛を優先的に酸化絶縁膜に堆積させ、種結晶を形成す
ると共に、種結晶上に原子量の大きいインジウム等を結晶成長させつつ堆積させるため、
複数の工程を経ずとも、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウ
ム亜鉛膜を形成することができる。

0098

上記の酸化インジウム亜鉛膜55の成膜方法では、スパッタリング法によって、種結晶5
5aと酸化インジウム亜鉛膜55bとを一括で成膜しながら結晶化したが、本実施の形態
に係る酸化物半導体膜は必ずしもこのように成膜する必要はない。たとえば、種結晶と酸
化インジウム亜鉛膜の成膜と結晶化をそれぞれ別々に行っても良い。

0099

以下に、図8を用いて、種結晶と酸化インジウム亜鉛膜の成膜と結晶化をそれぞれ別々に
行う方法について説明する。また、以下のように六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構
造を有する酸化インジウム亜鉛膜を成膜する方法を、本明細書中で2step法とよぶ場
合がある。

0100

まず、下地絶縁膜53上に膜厚1nm以上10nm以下の第1の酸化インジウム亜鉛膜を
形成する。第1の酸化インジウム亜鉛膜の形成は、スパッタリング法を用い、そのスパッ
タリング法による成膜時の基板温度は200℃以上400℃以下とすることが好ましい。
その他の成膜条件については、上記の酸化インジウム亜鉛膜の成膜方法と同様である。

0101

次いで、基板を配置するチャンバー雰囲気を窒素、または乾燥空気とし、第1の加熱処理
を行う。第1の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下とする。第1の加熱処理に
よって、第1の酸化インジウム亜鉛膜を結晶化し、種結晶56aを形成する(図8(A)
参照)。

0102

第1の加熱処理の温度にもよるが、第1の加熱処理によって、膜表面から結晶化が起こり
、膜の表面から内部に向かって結晶成長し、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を
有する酸化物半導体膜が得られる。第1の加熱処理によって、亜鉛と酸素が膜表面に多く
集まり、上平面において六角形及び四角形をなす結合をしている亜鉛と酸素からなるグラ
フェンタイプの二次元結晶が最表面に1層または複数層形成され、これが膜厚方向に成長
して重なり積層となる。加熱処理の温度を上げると表面から内部、そして内部から底部と
結晶成長が進行する。

0103

また、下地絶縁膜53に加熱処理により酸素の一部が放出される酸化インジウム亜鉛膜を
用いることにより、第1の加熱処理によって、下地絶縁膜53中の酸素を種結晶56aと
の界面またはその近傍(界面からプラスマイナス5nm)に拡散させて、種結晶56aの
酸素欠損を低減することができる。

0104

次いで、種結晶56a上に10nmよりも厚い第2の酸化インジウム亜鉛膜を形成する。
第2の酸化インジウム亜鉛膜の形成は、スパッタリング法を用い、その成膜時における基
板温度は200℃以上400℃以下とする。その他の成膜条件については、上記の酸化イ
ンジウム亜鉛膜の成膜方法と同様である。

0105

次いで、基板を配置するチャンバー雰囲気を窒素、または乾燥空気とし、第2の加熱処理
を行う。第2の加熱処理の温度は、400℃以上750℃以下とする。第2の加熱処理に
よって、第2の酸化インジウム亜鉛膜を結晶化し、酸化インジウム亜鉛膜56bを形成す
る(図8(B)参照)。第2の加熱処理は、窒素雰囲気下、酸素雰囲気下、或いは窒素と
酸素の混合雰囲気下で行うことにより、酸化インジウム亜鉛膜56bの高密度化及び酸素
欠損数の減少を図る。第2の加熱処理によって、種結晶56aを核として膜厚方向、即ち
底部から内部に結晶成長が進行して六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸
化インジウム亜鉛膜56bが形成される。このようにして、種結晶56aと酸化インジウ
ム亜鉛膜56bとからなる酸化インジウム亜鉛膜56が形成される。図8(B)では、種
結晶56aと酸化インジウム亜鉛膜56bの界面を点線で示し、酸化インジウム亜鉛膜と
説明しているが、明確な界面が存在しているのではなく、あくまで分かりやすく説明する
ために図示している。

0106

また、下地絶縁膜53の形成から第2の加熱処理までの工程を大気に触れることなく連続
的に行うことが好ましい。下地絶縁膜53の形成から第2の加熱処理までの工程は、水素
及び水分をほとんど含まない雰囲気(不活性雰囲気減圧雰囲気乾燥空気雰囲気など)
下に制御することが好ましく、例えば、水分については露点−40℃以下、好ましくは露
点−50℃以下の乾燥窒素雰囲気とすることが好ましい。

0107

上記の成膜方法では、原子量の小さい原子を優先的に酸化絶縁膜に堆積させる成膜方法と
比較して、成膜時の基板温度が低くても、良好な六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構
造を有する酸化インジウム亜鉛膜を形成することができる。なお、上記の2step法を
用いて成膜した、酸化インジウム亜鉛膜56も、原子量の小さい原子を優先的に酸化絶縁
膜に堆積させる成膜方法を用いて成膜した酸化インジウム亜鉛膜55と同程度の結晶性を
有し、電気伝導度も安定している。よって、どちらの方法で成膜した酸化インジウム亜鉛
膜を用いても、安定した電気的特性を有する、信頼性の高い半導体装置を提供することが
できる。なお、以下の工程においては、酸化インジウム亜鉛膜55を用いてトランジスタ
120を作製する工程を説明するが、もちろん同様に酸化インジウム亜鉛膜56も用いる
ことができる。

0108

以上の工程により、下地絶縁膜53上に種結晶55aと酸化インジウム亜鉛膜55bの積
層からなる酸化インジウム亜鉛膜55を成膜することができる。次に、基板51に加熱処
理を施して、酸化インジウム亜鉛膜55から水素を放出させると共に、下地絶縁膜53に
含まれる酸素の一部を、酸化インジウム亜鉛膜55と、下地絶縁膜53と酸化インジウム
亜鉛膜55の界面近傍と、に拡散させることが好ましい。

0109

加熱処理温度は、酸化インジウム亜鉛膜55から水素を放出させると共に、下地絶縁膜5
3に含まれる酸素の一部を放出させ、さらには酸化インジウム亜鉛膜55に拡散させる温
度が好ましく、代表的には、150℃以上基板51の歪み点未満、好ましくは250℃以
上450℃以下とする。なお、加熱処理温度は、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構
造を有する酸化物半導体膜の成膜温度より高くすることで、下地絶縁膜53に含まれる酸
素の一部をより多く放出させることができる。

0110

加熱処理は、水素及び水分をほとんど含まない、不活性ガス雰囲気、酸素雰囲気、窒素雰
囲気、酸素と窒素の混合雰囲気などで行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気としては、
代表的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガス雰囲気で行
うことが好ましい。また、加熱処理の加熱時間は1分以上24時間以下とする。

0111

当該加熱処理により、酸化インジウム亜鉛膜55から水素を放出させると共に、下地絶縁
膜53に含まれる酸素の一部を、酸化インジウム亜鉛膜55と、下地絶縁膜53と酸化イ
ンジウム亜鉛膜55の界面近傍と、に拡散させることができる。当該工程により、酸化イ
ンジウム亜鉛膜55中に含まれる酸素欠損を低減することができる。この結果、水素濃度
及び酸素欠損が低減された六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化物半導
体である酸化インジウム亜鉛膜を形成することができる。

0112

次に、図5(C)に示すように、酸化インジウム亜鉛膜55上にマスクを形成し、当該マ
スクを用いて酸化インジウム亜鉛膜55を選択的にエッチングして、酸化インジウム亜鉛
膜59を形成する。この後、マスクは除去する。

0113

酸化インジウム亜鉛膜55をエッチングするためのマスクは、フォトリソグラフィ法、イ
クジェット法、印刷法等を適宜用いて作製することができる。また、酸化インジウム亜
鉛膜55のエッチングはウエットエッチングまたはドライエッチングを適宜用いることが
できる。

0114

次に、図5(D)に示すように、酸化インジウム亜鉛膜59に接するソース電極61a及
びドレイン電極61bを形成する。

0115

ソース電極61a及びドレイン電極61bは、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チ
タンモリブデンタングステンマンガン、ジルコニウムから選ばれた金属元素、また
は上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金などを用
いて形成することができる。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、
モリブデン、クロム、ネオジムスカンジウムから選ばれた金属元素を単数または複数組
み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。また、ソース電極61a及びドレイ
電極61bは、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを
含むアルミニウム膜の単層構造、Cu−Mg−Al合金膜上に銅膜を積層する2層構造
アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造窒化チタン膜上にチタン膜を積層する
二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜上にタ
ングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層
し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造などがある。

0116

また、ソース電極61a及びドレイン電極61bは、インジウム錫酸化物、酸化タング
テンを含むインジウム酸化物酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタ
ンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化
物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を適用す
ることもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とす
ることもできる。

0117

ソース電極61a及びドレイン電極61bは、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で
導電膜を形成した後、該導電膜上にマスクを形成して導電膜をエッチングして形成する。
導電膜上に形成するマスクは印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を適宜用
いることができる。また、ソース電極61a及びドレイン電極61bは、印刷法またはイ
ンクジェット法により直接形成することもできる。

0118

ここでは、酸化インジウム亜鉛膜59及び下地絶縁膜53上に導電膜を成膜した後、導電
膜を所定の形状にエッチングしてソース電極61a及びドレイン電極61bを形成する。

0119

なお、酸化インジウム亜鉛膜55上に導電膜を形成した後、多階調フォトマスクを用いて
、酸化インジウム亜鉛膜55及び導電膜のエッチングを行って、酸化インジウム亜鉛膜5
9、ソース電極61a及びドレイン電極61bを形成しても良い。このように、凹凸状の
マスクを形成し、当該マスクを用いて酸化インジウム亜鉛膜55及び導電膜をエッチング
した後、アッシングにより凹凸状のマスクを分離し、当該分離されたマスクにより導電膜
を選択的にエッチングすることで、酸化インジウム亜鉛膜59、ソース電極61a及びド
レイン電極61bを形成することができる。当該工程により、フォトマスク数及びフォト
リソグラフィ工程数を削減することができる。

0120

次に、図5(E)に示すように、酸化インジウム亜鉛膜59、ソース電極61a及びドレ
イン電極61b上にゲート絶縁膜63を形成する。

0121

ゲート絶縁膜63は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコ
ン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または酸化ガリウムを単層でまたは積層
して形成することができる。なお、ゲート絶縁膜63は、酸化インジウム亜鉛膜59と接
する部分が酸素を含むことが好ましく、特に好ましくは下地絶縁膜53と同様に加熱処理
により酸素を放出する酸化物絶縁膜を用いて形成する。酸素を放出する酸化物絶縁膜とし
酸化シリコン膜を用いることで、後の工程で加熱処理を行う際に酸化インジウム亜鉛膜
59に酸素を拡散させることができ、トランジスタ120の特性を良好にすることができ
る。

0122

また、ゲート絶縁膜63として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、窒素が添加さ
れたハフニウムシリケート(HfSixOyNz)、窒素が添加されたハフニウムアルミ
ネート(HfAlxOyNz)、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh−k
材料を用いることでゲートリークを低減できる。さらには、high−k材料と、酸化シ
リコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化
窒化アルミニウム、及び酸化ガリウムのいずれか一以上との積層構造とすることができる
。ゲート絶縁膜63の厚さは、1nm以上300nm以下、より好ましくは5nm以上5
0nm以下とするとよい。ゲート絶縁膜63の厚さを5nm以上とすることで、ゲート
ーク電流を低減することができる。

0123

なお、ゲート絶縁膜63を形成する前に、酸化インジウム亜鉛膜59の表面を、酸素、オ
ゾン、一酸化二窒素等の酸化性ガスのプラズマに曝し、酸化インジウム亜鉛膜59の表面
を酸化し、酸素欠損を低減してもよい。

0124

次に、ゲート絶縁膜63上であって、酸化インジウム亜鉛膜59と重畳する領域にゲート
電極65を形成する。

0125

ゲート電極65は、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タング
ステン、マンガン、ジルコニウムから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分
とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金などを用いて形成することができる
。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオ
ジム、スカンジウムから選ばれた金属元素を単数または複数組み合わせた合金膜、もしく
は窒化膜を用いてもよい。また、ゲート電極65は、単層構造でも、二層以上の積層構造
としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上に
チタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタ
ン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜上にタングステン膜を積層
する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上に
チタン膜を形成する三層構造などがある。

0126

また、ゲート電極65は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化
物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物
、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加した
インジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、I
n−Ga−Zn−O系金属酸化物をターゲットとし、窒素を含む雰囲気中でスパッタリン
グすることにより得られる化合物導電体を用いても良い。また、上記透光性を有する導電
性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。

0127

さらに、ゲート電極65上に保護膜として絶縁膜69を形成してもよい(図5(E)参照
)。また、ゲート絶縁膜63及び絶縁膜69にコンタクトホールを形成した後、ソース
極61a及びドレイン電極61bに接続する配線を形成してもよい。

0128

絶縁膜69は、ゲート絶縁膜63と同様の絶縁膜を適宜用いて形成することができる。ま
た、絶縁膜69としてスパッタリング法で得られる窒化シリコン膜を形成すると、外部か
らの水分やアルカリ金属の侵入を防止することが可能であり、酸化インジウム亜鉛膜59
の不純物の含有量を低減することができる。

0129

なお、ゲート絶縁膜63の形成の後、または絶縁膜69の形成の後、加熱処理を行っても
よい。当該加熱処理によって、酸化インジウム亜鉛膜59から水素を放出させると共に、
下地絶縁膜53、ゲート絶縁膜63または絶縁膜69に含まれる酸素の一部を、酸化イン
ジウム亜鉛膜59と、下地絶縁膜53と酸化インジウム亜鉛膜59の界面近傍と、ゲート
絶縁膜63と酸化インジウム亜鉛膜59の界面近傍と、に拡散させることができる。当該
工程により、酸化インジウム亜鉛膜59中に含まれる酸素欠損を低減することができると
共に、酸化インジウム亜鉛膜59と下地絶縁膜53、または酸化インジウム亜鉛膜59と
ゲート絶縁膜63の界面における酸素欠損を低減することができる。この結果、水素濃度
及び酸素欠損が低減された酸化インジウム亜鉛膜59を形成することができる。

0130

以上の工程により、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウム亜
鉛膜をチャネル領域に有するトランジスタ120を作製することができる。図5(E)に
示すように、トランジスタ120は、基板51上に設けられた下地絶縁膜53と、下地絶
縁膜53上に設けられた酸化インジウム亜鉛膜59と、酸化インジウム亜鉛膜59の上面
及び側面と接するように設けられたソース電極61a及びドレイン電極61bと、酸化イ
ンジウム亜鉛膜59上に設けられたゲート絶縁膜63と、酸化インジウム亜鉛膜59と重
畳してゲート絶縁膜63上に設けられたゲート電極65と、ゲート電極65上に設けられ
た絶縁膜69とを有する。

0131

トランジスタ120に用いられている六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する
酸化物半導体である酸化インジウム亜鉛膜は、全体がアモルファス構造の酸化物半導体膜
と比較して良好な結晶性を有するので、酸素欠損やダングリングボンド、あるいはダン
リングボンドなどに結合する水素などの不純物が低減されている。これらの酸素欠損に代
表されるような欠損やダングリングボンド、あるいはダングリングボンドなどに結合する
水素などは、酸化物半導体膜中でキャリアのトラップあるいはキャリアの供給源のように
機能するため、当該酸化物半導体膜の電気伝導度が変動する原因となりうる。よって、こ
れらが低減されている、六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する酸化インジウ
ム亜鉛膜は、電気伝導度が安定しており、可視光や紫外光などの照射に対してもより電気
的に安定な構造を有する。このような六方晶の結晶構造及び菱面体晶の結晶構造を有する
酸化インジウム亜鉛膜をトランジスタに用いることによって、安定した電気的特性を有す
る、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。

0132

また、本発明の一態様に係る半導体装置は、図5に示すトランジスタ120に限られるも
のではない。例えば、図9(A)に示すトランジスタ130のような構造としても良い。
トランジスタ130は、基板51上に設けられた下地絶縁膜53と、下地絶縁膜53上に
設けられたソース電極61a及びドレイン電極61bと、ソース電極61a及びドレイン
電極61bの上面及び側面と接するように設けられた酸化インジウム亜鉛膜59と、酸化
インジウム亜鉛膜59上に設けられたゲート絶縁膜63と、酸化インジウム亜鉛膜59と
重畳してゲート絶縁膜63上に設けられたゲート電極65と、ゲート電極65上に設けら
れた絶縁膜69とを有する。つまり、トランジスタ130は、酸化インジウム亜鉛膜59
がソース電極61a及びドレイン電極61bの上面及び側面と接するように設けられてい
る点において、トランジスタ120と異なる。

0133

また、図9(B)に示すトランジスタ140のような構造としても良い。トランジスタ1
40は、基板51上に設けられた下地絶縁膜53と、下地絶縁膜53上に設けられたゲー
ト電極65と、ゲート電極65上に設けられたゲート絶縁膜63と、ゲート絶縁膜63上
に設けられた酸化インジウム亜鉛膜59と、酸化インジウム亜鉛膜59の上面及び側面と
接するように設けられたソース電極61a及びドレイン電極61bと、酸化インジウム亜
鉛膜59上に設けられた絶縁膜69とを有する。つまり、トランジスタ140は、ゲート
電極65とゲート絶縁膜63が酸化インジウム亜鉛膜59の下に設けられた、ボトムゲー
ト構造である点において、トランジスタ120と異なる。

0134

また、図9(C)に示すトランジスタ150のような構造としても良い。トランジスタ1
50は、基板51上に設けられた下地絶縁膜53と、下地絶縁膜53上に設けられたゲー
ト電極65と、ゲート電極65上に設けられたゲート絶縁膜63と、ゲート絶縁膜63上
に設けられたソース電極61a及びドレイン電極61bと、ソース電極61a及びドレイ
ン電極61bの上面及び側面と接するように設けられた酸化インジウム亜鉛膜59と、酸
化インジウム亜鉛膜59上に設けられた絶縁膜69とを有する。つまり、トランジスタ1
50は、ゲート電極65とゲート絶縁膜63が酸化インジウム亜鉛膜59の下に設けられ
た、ボトムゲート構造である点において、トランジスタ130と異なる。

0135

以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。

0136

(実施の形態3)
本実施の形態では、同一基板上に少なくとも駆動回路の一部と、画素部に配置するトラン
ジスタを作製する例について以下に説明する。

0137

画素部に配置するトランジスタは、実施の形態2に従って形成する。また、当該トランジ
スタはnチャネル型とすることが容易なので、駆動回路のうち、nチャネル型のトランジ
スタで構成することができる駆動回路の一部を画素部のトランジスタと同一基板上に形成
する。このように、画素部や駆動回路に先の実施の形態に示すトランジスタを用いること
により、信頼性の高い表示装置を提供することができる。

0138

アクティブマトリクス型表示装置のブロック図の一例を図10(A)に示す。表示装置の
基板500上には、画素部501、第1の走査線駆動回路502、第2の走査線駆動回路
503、信号線駆動回路504を有する。画素部501には、複数の信号線が信号線駆動
回路504から延伸して配置され、複数の走査線が第1の走査線駆動回路502、及び第
2の走査線駆動回路503から延伸して配置されている。なお走査線と信号線との交差領
域には、各々、表示素子を有する画素がマトリクス状に設けられている。また、表示装置
の基板500はFPC(Flexible PrintedCircuit)等の接続
部を介して、タイミング制御回路コントローラ、制御ICともいう)に接続されている

0139

図10(A)では、第1の走査線駆動回路502、第2の走査線駆動回路503、信号線
駆動回路504は、画素部501と同じ基板500上に形成される。そのため、外部に設
ける駆動回路等の部品の数が減るので、コストの低減を図ることができる。また、基板5
00外部に駆動回路を設けた場合、配線を延伸させる必要が生じ、配線間の接続数が増え
る。同じ基板500上に駆動回路を設けた場合、その配線間の接続数を減らすことができ
、信頼性の向上、又は歩留まりの向上を図ることができる。

0140

また、画素部の回路構成の一例を図10(B)に示す。ここでは、VA型液表示パネル
画素構造を示す。

0141

この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極層が有り、それぞれの画素電極層にトラン
ジスタが接続されている。各トランジスタは、異なるゲート信号で駆動されるように構成
されている。すなわち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極層に印
加する信号を、独立して制御する構成を有している。

0142

トランジスタ516のゲート配線512と、トランジスタ517のゲート配線513は、
異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機
能するソース電極層又はドレイン電極層514は、トランジスタ516とトランジスタ5
17で共通に用いられている。トランジスタ516とトランジスタ517は先の実施の形
態に示すトランジスタを適宜用いることができる。これにより、信頼性の高い液晶表示
ネルを提供することができる。

0143

トランジスタ516と接続する第1の画素電極層と、トランジスタ517と接続する第2
の画素電極層の形状は異なっており、スリットによって分離されている。V字型に広がる
第1の画素電極層の外側を囲むように第2の画素電極層が形成されている。第1の画素電
極層と第2の画素電極層に印加する電圧のタイミングを、トランジスタ516及びトラン
ジスタ517により異ならせることで、液晶の配向を制御している。トランジスタ516
はゲート配線512と接続し、トランジスタ517はゲート配線513と接続している。
ゲート配線512とゲート配線513に異なるゲート信号を与えることで、トランジスタ
516とトランジスタ517の動作タイミングを異ならせることができる。

0144

また、容量配線510と、誘電体として機能するゲート絶縁膜と、第1の画素電極層また
は第2の画素電極層と接続する容量電極とで保持容量を形成する。

0145

第1の画素電極層と液晶層対向電極層が重なり合うことで、第1の液晶素子518が形
成されている。また、第2の画素電極層と液晶層と対向電極層が重なり合うことで、第2
の液晶素子519が形成されている。また、一画素に第1の液晶素子518と第2の液晶
素子519が設けられたマルチドメイン構造である。

0146

なお、図10(B)に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図10(B)に示
す画素に新たにスイッチ、抵抗素子容量素子、トランジスタ、センサ、又は論理回路
どを追加してもよい。

0147

また、画素部の回路構成の一例を図10(C)に示す。ここでは、有機EL素子を用いた
表示パネルの画素構造を示す。

0148

有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔
がそれぞれ発光性有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャ
リア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成
し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このよう
な発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。

0149

有機EL素子を駆動可能な画素の構成及び画素の動作について説明する。ここでは酸化イ
ンジウム亜鉛膜をチャネル領域に用いるnチャネル型のトランジスタを1つの画素に2つ
用いる例を示す。

0150

画素520は、スイッチング用トランジスタ521、駆動用トランジスタ522、発光素
子524及び容量素子523を有している。スイッチング用トランジスタ521は、ゲー
ト電極層が走査線526に接続され、第1電極(ソース電極層及びドレイン電極層の一方
)が信号線525に接続され、第2電極(ソース電極層及びドレイン電極層の他方)が駆
動用トランジスタ522のゲート電極層に接続されている。駆動用トランジスタ522は
、ゲート電極層が容量素子523を介して電源線527に接続され、第1電極が電源線5
27に接続され、第2電極が発光素子524の第1電極(画素電極)に接続されている。
発光素子524の第2電極は共通電極528に相当する。共通電極528は、同一基板上
に形成される共通電位線に接続される。

0151

スイッチング用トランジスタ521および駆動用トランジスタ522は実施の形態2に示
すトランジスタを適宜用いることができる。これにより、信頼性の高い有機EL素子を用
いた表示パネルを提供することができる。

0152

なお、発光素子524の第2電極(共通電極528)には低電源電位が設定されている。
なお、低電源電位とは、電源線527に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<
高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定され
ていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子524に印加して、発
光素子524に電流を流して発光素子524を発光させるため、高電源電位と低電源電位
との電位差が発光素子524の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設
定する。

0153

なお、容量素子523は駆動用トランジスタ522のゲート容量を代用して省略すること
も可能である。駆動用トランジスタ522のゲート容量については、チャネル領域とゲー
ト電極層との間で容量が形成されていてもよい。

0154

ここで、アナログ階調駆動を行う場合、駆動用トランジスタ522のゲート電極層に発光
素子524の順方向電圧+駆動用トランジスタ522のVth以上の電圧をかける。発光
素子524の順方向電圧とは、所望の輝度とする場合の電圧を指しており、少なくとも順
方向しきい値電圧を含む。なお、駆動用トランジスタ522が飽和領域で動作するような
ビデオ信号を入力することで、発光素子524に電流を流すことができる。駆動用トラン
ジスタ522を飽和領域で動作させるため、電源線527の電位は、駆動用トランジスタ
522のゲート電位よりも高くする。ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子52
4にビデオ信号に応じた電流を流し、アナログ階調駆動を行うことができる。

0155

なお、図10(C)に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図10(C)に示
す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、センサ、トランジスタ又は論理回路など
を追加してもよい。

0156

以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。

0157

(実施の形態4)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用すること
ができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置テレビ、またはテレビジョン
受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタデジタルカメラデジタルビデオカメ
ラ等のカメラデジタルフォトフレーム携帯電話機携帯電話携帯電話装置ともいう
)、携帯型ゲーム機携帯情報端末音響再生装置パチンコ機などの大型ゲーム機など
が挙げられる。上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の例について説明
する。

0158

図11(A)は、携帯型の情報端末であり、本体1001、筐体1002、表示部100
3a、1003bなどによって構成されている。表示部1003bはタッチパネルとなっ
ており、表示部1003bに表示されるキーボードボタン1004に触れることで画面
作や、文字入力を行うことができる。勿論、表示部1003aをタッチパネルとして構成
してもよい。先の実施の形態で示したトランジスタをスイッチング素子として液晶パネル
有機発光パネルを作製して表示部1003a、1003bに適用することにより、信頼
性の高い携帯型の情報端末とすることができる。

0159

図11(A)に示す携帯型の情報端末は、様々な情報(静止画動画テキスト画像など
)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表
示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェアプログラム)によって処理を
制御する機能、等を有することができる。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子
イヤホン端子USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。

0160

また、図11(A)に示す携帯型の情報端末は、無線で情報を送受信できる構成としても
よい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロード
する構成とすることも可能である。

0161

図11(B)は、携帯音楽プレイヤーであり、本体1021には表示部1023と、
装着するための固定部1022と、スピーカー、操作ボタン1024、外部メモリスロッ
ト1025等が設けられている。先の実施の形態で示したトランジスタをスイッチング
子として液晶パネルや有機発光パネルを作製して表示部1023に適用することにより、
より信頼性の高い携帯音楽プレイヤーとすることができる。

0162

さらに、図11(B)に示す携帯音楽プレイヤーにアンテナマイク機能無線機能を持
たせ、携帯電話と連携させれば、乗用車などを運転しながらワイヤレスによるハンズフリ
ーでの会話も可能である。

0163

図11(C)は、携帯電話であり、筐体1030及び筐体1031の二つの筐体で構成さ
れている。筐体1031には、表示パネル1032、スピーカー1033、マイクロフォ
ン1034、ポインティングデバイス1036、カメラ用レンズ1037、外部接続端子
1038などを備えている。また、筐体1030には、携帯電話の充電を行う太陽電池
ル1040、外部メモリスロット1041などを備えている。また、アンテナは筐体10
31内部に内蔵されている。先の実施の形態で示したトランジスタを表示パネル1032
に適用することにより、信頼性の高い携帯電話とすることができる。

0164

また、表示パネル1032はタッチパネルを備えており、図11(C)には映像表示され
ている複数の操作キー1035を点線で示している。なお、太陽電池セル1040で出力
される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路実装している。

0165

例えば、昇圧回路などの電源回路に用いられるパワートランジスタも先の実施の形態に示
したトランジスタの酸化物半導体膜の膜厚を2μm以上50μm以下とすることで形成す
ることができる。

0166

表示パネル1032は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネル
1032と同一面上にカメラ用レンズ1037を備えているため、テレビ電話が可能であ
る。スピーカー1033及びマイクロフォン1034は音声通話に限らず、テレビ電話、
録音再生などが可能である。さらに、筐体1030と筐体1031は、スライドし、図
11(C)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適
した小型化が可能である。

0167

外部接続端子1038はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブル接続可
であり、充電及びパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また、外部
メモリスロット1041に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動に対応でき
る。

0168

また、上記機能に加えて、赤外線通信機能テレビ受信機能などを備えたものであっても
よい。

0169

図11(D)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置1050は、
筐体1051に表示部1053が組み込まれている。表示部1053により、映像を表示
することが可能である。また、ここでは、CPUを内蔵したスタンド1055により筐体
1051を支持した構成を示している。先の実施の形態で示したトランジスタを表示部1
053に適用することにより、信頼性の高いテレビジョン装置1050とすることができ
る。

0170

テレビジョン装置1050の操作は、筐体1051が備える操作スイッチや、別体のリモ
コン操作機により行うことができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から
出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。

0171

なお、テレビジョン装置1050は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機に
より一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線に
よる通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向
(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。

0172

また、テレビジョン装置1050は、外部接続端子1054や、記憶媒体再生録画部10
52、外部メモリスロットを備えている。外部接続端子1054は、USBケーブルなど
の各種ケーブルと接続可能であり、パーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能で
ある。記憶媒体再生録画部1052では、ディスク状の記録媒体を挿入し、記録媒体に記
憶されているデータの読み出し、記録媒体への書き込みが可能である。また、外部メモリ
スロットに差し込まれた外部メモリ1056にデータ保存されている画像や映像などを表
示部1053に映し出すことも可能である。

0173

以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。

0174

31処理室
33排気手段
35ガス供給手段
37電源装置
40基板支持体
41ターゲット
43イオン
45原子
47 原子
50拡大部
51基板
53下地絶縁膜
55酸化インジウム亜鉛膜
55a種結晶
55b 酸化インジウム亜鉛膜
56a 種結晶
56b 酸化インジウム亜鉛膜
56 酸化インジウム亜鉛膜
59 酸化インジウム亜鉛膜
61aソース電極
61bドレイン電極
63ゲート絶縁膜
65ゲート電極
69絶縁膜
120トランジスタ
130 トランジスタ
140 トランジスタ
150 トランジスタ
500 基板
501画素部
502走査線駆動回路
503 走査線駆動回路
504信号線駆動回路
510容量配線
512ゲート配線
513 ゲート配線
514ドレイン電極層
516 トランジスタ
517 トランジスタ
518液晶素子
519 液晶素子
520 画素
521スイッチング用トランジスタ
522駆動用トランジスタ
523容量素子
524発光素子
525信号線
526走査線
527電源線
528共通電極
1001 本体
1002筐体
1003a 表示部
1003b 表示部
1004キーボードボタン
1021 本体
1022 固定部
1023 表示部
1024 操作ボタン
1025外部メモリスロット
1030 筐体
1031 筐体
1032表示パネル
1033スピーカー
1034マイクロフォン
1035操作キー
1036ポインティングデバイス
1037カメラ用レンズ
1038外部接続端子
1040太陽電池セル
1041 外部メモリスロット
1050テレビジョン装置
1051 筐体
1052記憶媒体再生録画部
1053 表示部
1054 外部接続端子
1055スタンド
1056 外部メモリ

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