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技術 複合基板および電子装置

出願人 京セラ株式会社
発明者 堀之内直樹小西芳紀
出願日 2016年7月15日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-140445
公開日 2018年1月18日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-011020
状態 特許登録済
技術分野 プリント板の構造 半導体または固体装置の冷却等 セラミックスの接合 半導体または固体装置のマウント
主要キーワード 活性金属材料 電子制御機構 黄銅ろう 温度センサ素子 粒状材 半金属材料 晶出温度 基体部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

比較的厚い第2金属板絶縁基板に対する放熱性の高い電子モジュール製作が容易な複合基板等を提供すること。

解決手段

上面および下面を有する絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に接合された下面を有する第1金属板2と、絶縁基板1の下面に接合された上面を有し、第1金属板2よりも厚い第2金属板3と、絶縁基板1と第2金属板3とを接合している接合部4とを備えている。接合部4は、ろう材およびろう材に添加された活性金属を含有する活性ろう材からなり、絶縁基板1の下面と第2金属板3の上面との間に介在している第1接合部4aと、活性ろう材と、ろう材よりも熱膨張率が小さい材料からなる粒状材4mとを含有しており、第1接合部4bの外周から第2金属板3の側面および絶縁基板1の下面にかけて形成されたフィレット状の第2接合部4bとを含んでいる複合基板10等である。

概要

背景

パワーモジュールまたはスイッチングモジュール等の、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電子部品が搭載される複合基板として、セラミック焼結体等から
なる絶縁基板と、絶縁基板にろう材を介して接合された金属板とを含む複合基板が用いられている(例えば、特許文献1参照)。

複合基板は、例えば、絶縁基板の上面側の金属板上に電子部品が搭載されて電子装置となり、各種の電子機器に含まれるマザーボードまたは放熱体等の外部部材実装される。

上記複合基板および電子装置では、近年、搭載される電子部品から発生する熱量の増加に対応する必要が出てきている。これに対しては、下面の金属板を上面の金属板よりも厚くして、外部への放熱性を高めることが考えられる。

概要

比較的厚い第2金属板の絶縁基板に対する放熱性の高い電子モジュール製作が容易な複合基板等を提供すること。 上面および下面を有する絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に接合された下面を有する第1金属板2と、絶縁基板1の下面に接合された上面を有し、第1金属板2よりも厚い第2金属板3と、絶縁基板1と第2金属板3とを接合している接合部4とを備えている。接合部4は、ろう材およびろう材に添加された活性金属を含有する活性ろう材からなり、絶縁基板1の下面と第2金属板3の上面との間に介在している第1接合部4aと、活性ろう材と、ろう材よりも熱膨張率が小さい材料からなる粒状材4mとを含有しており、第1接合部4bの外周から第2金属板3の側面および絶縁基板1の下面にかけて形成されたフィレット状の第2接合部4bとを含んでいる複合基板10等である。

目的

したがって、第2金属板と絶縁基板との接合の信頼性についても効果的に向上された複合基板
を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上面および下面を有する絶縁基板と、該絶縁基板の上面に接合された下面を有する第1金属板と、前記絶縁基板の下面に接合された上面を有し、前記第1金属板よりも厚い第2金属板と、前記絶縁基板と前記第2金属板とを接合している接合部とを備えており、該接合部は、ろう材および該ろう材に添加された活性金属を含有する活性ろう材からなり、前記絶縁基板の下面と前記第2金属板の上面との間に介在している第1接合部と、前記活性ろう材と、前記ろう材よりも熱膨張率が小さい材料からなる粒状材とを含有しており、前記第1接合部の外周から前記第2金属板の側面および前記絶縁基板の下面にかけて形成されたフィレット状の第2接合部とを含んでいる複合基板

請求項2

前記ろう材が、互いに熱膨張率が異なる複数の金属材料または半金属材料を含有しており、前記第1接合部および前記第2接合部において前記複数の金属材料または半金属材料のうち熱膨張率が小さい方の金属材料または半金属材料の初晶が存在しており、前記第1接合部における前記初晶の割合よりも前記第2接合部における前記初晶の割合の方が大きい請求項1に記載の複合基板。

請求項3

前記ろう材が、互いにイオンマイグレーションの起こりやすさが異なる複数の金属材料を含有しており、前記第2接合部の外周部に、前記複数の金属材料のうちイオンマイグレーションの起こりにくい方の金属材料の初晶が存在している請求項1に記載の複合基板。

請求項4

前記ろう材が銀ろうであり、前記粒状材を形成している材料が、モリブデンおよびタングステンから選択される少なくとも1種の金属材料である請求項2に記載の複合基板。

請求項5

前記ろう材が、銀−銅共晶組成よりも銅の含有率が大きい銀ろうであり、前記粒状材を形成している材料がモリブデンである請求項4に記載の複合基板。

請求項6

前記第2接合部は、縦断面視において、前記絶縁基板の下面に沿った方向における寸法よりも、前記第2金属板の側面に沿った方向における寸法の方が大きい請求項1〜請求項5のいずれかに記載の複合基板。

請求項7

請求項1〜請求項6のいずれかに記載の複合基板と、前記第1金属板上に配置された電子部品とを備える電子装置

技術分野

0001

本発明は、絶縁基板接合された金属板を含む複合基板および電子装置に関するものである。

背景技術

0002

パワーモジュールまたはスイッチングモジュール等の、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電子部品が搭載される複合基板として、セラミック焼結体等から
なる絶縁基板と、絶縁基板にろう材を介して接合された金属板とを含む複合基板が用いられている(例えば、特許文献1参照)。

0003

複合基板は、例えば、絶縁基板の上面側の金属板上に電子部品が搭載されて電子装置となり、各種の電子機器に含まれるマザーボードまたは放熱体等の外部部材実装される。

0004

上記複合基板および電子装置では、近年、搭載される電子部品から発生する熱量の増加に対応する必要が出てきている。これに対しては、下面の金属板を上面の金属板よりも厚くして、外部への放熱性を高めることが考えられる。

先行技術

0005

特開平3−261669号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、絶縁基板の下面の金属板を上面の金属板よりも厚くすると、絶縁基板の下面側で、金属板およびろう材を含む金属部分と絶縁基板との間に生じる熱応力がより大きくなるため、下面側の金属板と絶縁基板との接合の信頼性を向上させることが難しくなる可能性がある。

課題を解決するための手段

0007

本発明の1つの態様の複合基板は、上面および下面を有する絶縁基板と、該絶縁基板の上面に接合された下面を有する第1金属板と、前記絶縁基板の下面に接合された上面を有し、前記第1金属板よりも厚い第2金属板と、前記絶縁基板と前記第2金属板とを接合している接合部とを有している。該接合部は、活性金属が添加された活性ろう材からなり、前記絶縁基板の下面と前記第2金属板の上面との間に介在している第1接合部と、前記ろう材よりも熱膨張率が小さい材料からなる粒状材を含有する活性ろう材からなり、前記第1接合部の外周から前記第2金属板の側面および前記絶縁基板の下面にかけて形成されたフィレット状の第2接合部とを含んでいる。

0008

本発明の1つの態様の電子装置は、上記構成の複合基板と、前記第1金属板上に搭載された電子部品とを備える。

発明の効果

0009

本発明の一つの態様による複合基板によれば、上記構成であり、第1および第2接合部を含むため、信頼性が向上する。すなわち、第2接合部が上記粒子を含有しているため、接合部の外周に位置する第2接合部の熱膨張が比較的小さい。そのため、接合部の熱膨張が低減され、接合部を含む金属部分と絶縁基板との間に生じる熱応力が低減される。したがって、第2金属板と絶縁基板との接合の信頼性についても効果的に向上された複合基板
を提供することができる。

0010

本発明の1つの態様の電子装置によれば、上記構成の複合基板を含んでいることから、第2金属板と絶縁基板との接合の信頼性が高く、放熱性の向上等についても有効な電子装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

(a)は本発明の実施形態の複合基板を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。
図1に示す複合基板の要部を拡大して示す断面図である。
本発明の実施形態の電子装置を示す断面図である。
図2に示す複合基板の要部の変形例を示す断面図である。
図3に示す電子装置の第1の変形例を示す断面図である。
図3に示す電子装置の第2の変形例を示す断面図である。

実施例

0012

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に複合基板および電子装置が使用される際の上下を限定するものではない。また、以下の各図においては、形状等をわかりやすくするために、曲率を含む寸法を実際よりも強調して示す場合がある。

0013

(複合基板)
図1(a)は本発明の実施形態の複合基板を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。図2は、図1に示す複合基板の要部を拡大して示す断面図である。図3は、本発明の実施形態の電子装置を示す断面図である。

0014

複合基板10は、絶縁基板1と、絶縁基板1の上面に接合された第1金属板2と、絶縁基板1の下面に接合部4にとって接合された第2金属板3とによって基本的に構成されている。また、この実施形態の例において第1金属板2は上部接合部5によって絶縁基板1に接合されている。複合基板10に電子部品6が搭載されて実施形態の電子装置20が形成される。

0015

絶縁基板1、第1金属板2および第2金属板3は、複合基板10を基本的に構成する部分である。例えば、第1金属板2の上面の一部が電子部品の搭載部として用いられる。また、第2金属板3の下面の一部または全部が外部部材21との接続用の部位として利用される。外部部材21は、電子機器、車両または産業用機械等の各種の機器に含まれる電子回路または放熱部材等であり、これに複合基板10が電気的および熱的に接続される。電子装置20が外部部材21に実装されて、電子モジュール30が形成される。

0016

絶縁基板1は、第1金属板2と第2金属板3との電気絶縁性を確保しながら保持する基体として機能する。第1金属板2の上面に電子部品6が搭載されて後述する電子装置20が形成され、さらに第2金属板3の下面が外部部材に接続されれば後述する電子モジュール30が形成される。この場合には、電子部品6で発生した熱が、第1金属板2、絶縁基板1および第2金属板3を通って外部部材に伝導される。

0017

絶縁基板1は、平面視で矩形状または角部を曲面状に成形面取り)した板状等の形状である。絶縁基板1は、電気絶縁材料からなり、例えば、窒化ケイ素質焼結体酸化アルミニウム質焼結体ムライト質焼結体炭化ケイ素質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体等の材料からなる。これらの材料の中で、放熱性に影響する熱伝導性重視する場合には、窒化ケイ素質焼結体、炭化ケイ素質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体等が用
いられる。また、機械的な強度も考慮したときには、例えば窒化ケイ素質焼結体または炭化ケイ素質焼結体が用いられる。

0018

絶縁基板1が窒化ケイ素質焼結体のように機械的強度が比較的大きいセラミック材料からなる場合、より厚みの厚い(厚さが大きい)第1金属板2および第2金属板3を用いたとしても、絶縁基板1にクラック等の機械的な破壊が生じる可能性を低減できる。そのため、小型化を図りながら、より大きな電流を流すことができる複合基板10を実現することができる。

0019

絶縁基板1の厚みは、薄い方が熱伝導性の点ではよい。ただし、機械的強度や電気絶縁性等を考慮した場合には、薄くなり過ぎないようにする。絶縁基板1の厚みは、例えば約0.1mm〜1mmであり、複合基板10の大きさまたは用いる材料の熱伝導率または強度に
応じて選択すればよい。絶縁基板1の大きさは、平面視で、例えば、縦が5〜50mm程度であり、横が10〜60mm程度である。

0020

絶縁基板1は、例えば窒化ケイ素質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、窒化ケイ素酸化アルミニウム酸化マグネシウムおよび酸化イットリウム等の原料粉末に適当な有機バインダー可塑剤および溶剤添加混合して作製したスラリードクターブレード法またはカレンダーロール法等の方法でシート状に成形してセラミックグリーンシートを形成する。次にこのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工等を施して所定形状にするとともに、必要に応じて複数枚を積層して成形体に加工する。その後、この成形体を窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気中、1600〜2000℃の温度で焼成する。以上の工程によって絶縁基板1を製作することができる。

0021

第1金属板2は、絶縁基板1の上面に接合され、第2金属板3は、絶縁基板1の下面に接合されている。第1金属板2および第2金属板3は、例えば銅もしくは銅を主成分とする合金またはアルミニウム等の金属材料によって形成されている。

0022

実施形態の複合基板10および電子装置20において、第2金属板3の厚みが第1金属板2の厚みの2倍以上に設定されている。具体例を挙げれば、第1金属板2の厚みが約0.4〜0.6mm程度に設定され、第2金属板3の厚みが約0.8〜1.2mm程度に設定される。この場合、第2金属板3の厚みは、放熱性の向上、熱応力に起因する積層体9の変形の抑制および経済性等を考慮しながら、1.2mmを超える厚みに設定されても構わない。

0023

第1金属板2および第2金属板3は、例えば、銅の原板(図示せず)を金型打ち抜き加工またはエッチング加工等の所定の金属加工で成形した後に絶縁基板1に張り付けられている。また、銅の原板を絶縁基板1の上面または下面に接合した後に、この原板にエッチング加工等の加工を施して第1金属板2または第2金属3を形成することもできる。第1金属板2および第2金属板3は、絶縁基板1にろう付け等の接合法で接合されている。ろう材は、例えば、銀ろうを主成分とするものであり、銀ろうにさらにチタン等の活性金属材料が添加された活性ろう材である。第2金属板3を絶縁基板1に接合する活性ろう材等が上記の接合部4を形成している。なお、上部接合部5についても、活性ろう材等のろう材を用いて形成することができる。接合部4の詳細については次に詳しく説明する。

0024

絶縁基板1と第2金属板3とを接合している接合部4は、ろう材およびろう材に添加された活性金属とを含有する活性ろう材からなり、絶縁基板1の下面と第2金属板3の上面との間に介在している第1接合部4aと、ろう材よりも熱膨張率が小さい材料からなる粒状材4mを含有する活性ろう材からなり、第1接合部4aの外周から第2金属板3の側面および絶縁基板1の下面にかけて形成されたフィレット状の第2接合部4bとを含んでいる。

0025

第1接合部4aと第2接合部4bとは、互いに同様の種類のろう材を含んでいて構わない。このようなろう材としては、例えば銀ろう(銀−銅ろう)、銅ろう、金合金系ろう、アルミニウム合金ろうおよび黄銅ろう等のろう材が挙げられる。

0026

第2金属板3が無酸素銅等の銅からなるものである場合には、接合の強度、作業性及び経済性等を考慮して、上記のろう材として銀ろう(銀−銅ろう)が用いられる。銀ろうの組成は、銀−銅共晶の組成でもよく、それよりも銅の含有率が大きい組成でもよい。

0027

また、第1接合部4aおよび第2接合部4bともに、互いに同じ程度の含有率で活性金属がろう材に添加されたものでも構わない。活性金属としては、チタン以外にジルコニウムハフニウム等が挙げられる。ろう材に対する活性金属の添加の割合は、例えば、ろう付けの強度および作業性ならびに経済性等を考慮して、ろう材を100質量部としたときの
外添加で1.7〜4.3質量%とすればよい。または、活性ろう材における活性金属の含有率が1.6〜3.8質量%程度であればよい。

0028

粒状材4mを形成している、融点が比較的高い材料としては、ろう材が上記のような銀ろうである場合には、銅よりも融点が高い金属材料を用いることができる。このような金属材料としては、例えば、モリブデンタングステンニッケル等の金属材料が挙げられる。

0029

なお、ろう材が銀ろう以外のろう材である場合にも、それぞれのろう材の成分の融点よりも高い金属材料または半金属材料からなる粒状材4mを用いることができる。例えば、ろう材がアルミニウム合金ろうのときには、クロムを用いることができ、ろう材が黄銅ろうのときには、ニッケルおよびケイ素の少なくとも1種を用いることができる。

0030

(複合基板の製造方法)
実施形態の複合基板10は、例えば次のような工程を含む製造方法で製作することができる。ただし、複合基板10の製造方法は、この例に限定されず、用いる材料の種類または寸法、生産性および経済性等に応じて適宜変更することができる。

0031

まず、前述したような方法で絶縁基板1を作製する。絶縁基板1は、製作する複合基板10の外形寸法、所定の特性および経済性等に応じて、その外形の寸法を設定し、用いる材料を選択する。例えば、厚みが約0.1mm〜1mmであり、平面視における1辺の寸法が
複5〜60mm程度の矩形状(正方形状または長方形状)の絶縁基板1を、セラミックグリーンシートを焼成する方法で作製する。

0032

次に、第1金属板2および第2金属板3を作製する。第1金属板2および第2金属板3は、例えば無酸素銅等の銅の原板に対して、切断、圧延およびエッチング等の所定の金属加工を施すことによって作製することができる。第1金属板2および第2金属板3は、例えば、平面視において上記の絶縁基板1よりも若干小さい外形寸法を有する平板として作製する。

0033

このときに、例えば第2金属板3の厚みが第1金属板2の厚みの約2倍程度に大きく(厚く)するためには、上記の金属加工時の寸法を調整すればよい。なお、第1金属板2および第2金属板3の平面視における大きさ(寸法)は、製作する複合基板10における第1金属板2および第2金属板3の平面視における大きさに応じて適宜調整して構わない。例えば、作製する第1金属板2および第2金属板3の少なくとも一方を、平面視において絶縁基板1以上の大きさにしてもよい。

0034

次に、第1金属板2および第2金属板3を絶縁基板1に接合する。この接合は、例えば、まず、それぞれ前述した第1接合部4a、第2接合部4bおよび上部接合部5となる活性ろう材のペーストまたはプレフォーム等を介して第1金属板2および第2金属板3をそれぞれ絶縁基板1に位置合わせする。その後、これらをジグ等で仮固定しながら炉中で加熱する方法で、上記のろう付けを行なうことができる。このときに、第2接合部4bとなるペーストまたはプレフォームに粒状材4mを添加しておいてもよい。

0035

なお、上記のろう付けは、第1金属板2と第2金属板3とで同時に行なってもよく、別々に(順次)行なってもよい。また、第2金属板3の絶縁基板1に対する接合についても、第1接合部4aを介した接合と第2接合部4bの形成とを別々に(第1接合部4a、第2接合部4bの順に)行なってもよく、同時に行なってもよい。

0036

なお、このろう付け時に、第1接合部4aと第2接合部4bとを同時に行なうようにしたときには(つまり同じ温度条件であれば)、第2接合部4bとなる、粒状材4mを含有する活性ろう材の流動性が、第1接合部4aとなる活性ろう材よりも小さい。そのため、第2接合部4bの外側への流れ出しが抑制される。これによって、フィレット部分を含む接合部4全体としても、第2金属板3と絶縁基板1との接合強度に有効な領域から外側に流れ出ることが抑制される。したがって、比較的厚い第2金属板3と絶縁基板1との接合の強度も効果的に高めることができる。

0037

また、接合部4の流れ出しが効果的に抑制されるため、第2金属板3と他の金属板(図示せず)との、流れ出したろう材等による電気絶縁性の低下および電気的短絡も効果的に抑制することができる。なお、第2金属板3を含む部分におけるイオンマイグレーションの具体例については後述する。

0038

(変形例)
図4は、図2に示す複合基板10の要部の変形例を示す断面図である。図4において図2と同様の部位には同様の符号を付している。

0039

図4に示す例において、第1接合部4aおよび第2接合部4bともに、ろう材中の成分の初晶4pが含有されている。この場合のろう材は、複数の金属材料または半金属材料を含有しているものであり、いずれかの金属材料または半金属材料が初晶として晶出するものである。このときの複数の金属材料または半金属材料は、互いに熱膨張率が異なる複数の金属材料または半金属材料であってもよい。

0040

初晶4pの晶出の有無、晶出温度および晶出し得るろう材の組成等は、接合部4のろう材を構成する金属材料または半金属材料の状態図で確認することができ。例えば共晶型状態図に相当する組成のものを用いることができる。

0041

このようなろう材としては、例えば、銀−銅共晶ろう、アルミニウム合金ろう等が挙げられる。

0042

例えばろう材が銀ろうであれば、熱膨張率(線膨張係数)が小さい方の金属材料は銅である。また、ろう材がアルミニウム合金ろうであれば、熱膨張率が小さい方の金属材料または半金属材料はケイ素である。

0043

なお、熱膨張率が小さい方の金属材料または半金属材料の熱膨張率は、粒状材4mの熱膨張率よりも小さくてもよく、大きくてもよく、同じであってもよい。

0044

この場合、熱膨張率が小さい方の金属材料または半金属材料の初晶が存在していてもよ
く、第1接合部4aにおける初晶4pの割合よりも第2接合部4bにおける初晶4pの割合の方が大きくてもよい。

0045

熱膨張率が小さい方の金属材料または半金属材料の初晶4pが存在しているとともに、その初晶4pの割合が第1接合部4aよりも第2接合部4bにおいて大きい場合には、第2接合部4bの熱膨張(見かけの熱膨張率)をより小さく抑えることができる。そのため、比較的厚い第2金属板3と絶縁基板1との間に生じる熱応力を効果的に低減することができる。したがって、絶縁基板1と第2金属板3との接合の信頼性が効果的に向上した複合基板10とすることができる。

0046

図4に示す例のように接合部4がろう材の初晶を含む構成において、接合部4を構成しているろう材が、互いにイオンマイグレーションの起こりやすさが異なる複数の金属材料を含有しているものであってもよく、第2接合部4bの外周部に、複数の金属材料のうちイオンマイグレーション(エレクトロケミカルマイグレーション)が起こりにくい方の金属材料の初晶が存在しているものであってもよい。

0047

この場合には、ろう材中の成分の初晶4pは、イオンマイグレーションが起こりにくい方の金属材料が、ろう付け時に最初に晶出して形成されたものである。このようなろう材としては、例えば、銀−銅共晶ろう、アルミニウム合金ろう等が挙げられる。

0048

イオンマイグレーションが起こりにくい方の金属材料の初晶4pは、少なくとも第2接合部4bの外周部に存在していることによって、接合部4のイオンマイグレーションを効果的に抑制することができる。これによって、上記のイオンマイグレーショに起因した
第2金属板3と他の金属板(図示せず)等の他の導体との、電気絶縁性の低下、または電気的な短絡も効果的に抑制することができる。

0049

イオンマイグレーションを起こしやすい金属としては、銀、銅および鉛を挙げることができる。これらの金属材料は、上記の順にマイグレーションを起こしやすい。

0050

なお、接合部4を形成することができる上記の金属材料または半金属材料、つまり銀、銅、金、アルミニウム、ケイ素および黄銅亜鉛)等を含む組成であって、初晶を生じ得る成分としては、銅およびケイ素等が挙げられる。

0051

例えば上記の組成のものから、上記の熱膨張率の大小またはイオンマイグレーションの発生のしにくさ等の条件を適宜考慮して、ろう材の組成を決めることができる。

0052

なお、第1金属板2と絶縁基板1とを接合している上部接合部5についても、例えば第2接合部4と同様に、初晶を含むものとすることができる。この場合には、上部接合部5においても接合部4と同様の効果を得ることができる。

0053

上記の変形例において、ろう材が銀ろうであり、熱膨張率が小さい材料が、モリブデンおよびタングステンから選択される少なくとも1種の金属材料であるときには、無酸素銅等からなる第1金属板2および第2金属板3に対する、ろう材を含む活性ろう材の濡れ性等の向上が容易である。そのため、接合部4および上部接合部5を介した第1金属板2および第2金属板3の絶縁基板1に対する接合強度を効果的に向上させることができる。

0054

ろう材が銀ろうであり、熱膨張率が小さい材料が、モリブデンおよびタングステンから選択される少なくとも1種の金属材料である構成において、ろう材が、銀−銅共晶組成よりも銅の含有率が大きい銀ろうであり、熱膨張率が小さい材料がモリブデンであってもよい。この場合には、接合部4となる活性ろう材(ろう材)における初晶4pの晶出が容易
であり、初晶4pを含む接合部4の実現が容易である。

0055

上記の実施形態および変形例を含む各例において、第2接合部4bは、例えば図2に示すような縦断面視において、絶縁基板1の下面に沿った方向における寸法(幅)L1よりも、第2金属板3の側面に沿った方向における寸法(高さ)L2の方が大きいもの(L1<L2)でもよい。

0056

この場合には、第2金属板3の側面との接合によって、絶縁基板1、第1金属板2および第2金属板3で構成される基体部分(基体部分としては符号なし)と第2接合部4bとの接合強度を高めながら、第2接合部4bを介した第2金属板3と絶縁基板1の第2金属板3と同じ面に接合された他の金属板(図示せず)等との、電気絶縁性の低下および電気的な短絡も効果的に抑制することができる。

0057

上記のようにL1<L2であるときに、第2接合部4bのうち絶縁基板1の下面に対する接触角θ1よりも、第2金属板3の側面に対する接触角θ2の方が小さい。θ1は、例えば約30〜70度であり、θ2は、例えば約10〜50度である。

0058

(電子装置)
前述したように、図3は、本発明の実施形態の電子装置20を示す断面図である。上記構成の複合基板10と、第1金属板2上に搭載された電子部品6とによって実施形態の電子装置20が基本的に構成されている。この電子装置20は、例えば矢印の方向で外部部材21に実装される。以下の各図においても、図3と同様に、実装または搭載等の方向を矢印で示すことがある。

0059

電子部品6は、例えば平面視において矩形状である第1金属板2の上面の中央部に搭載される。電子部品6は、例えば、トランジスタ、CPU(Central Processing Unit)用
のLSI(Large Scale Integrated circuit)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)またはMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)等の半導体素子である。電子部品6は、半導体素子に限らず、温度センサ素子等のセンサ素子および容量素子等の受動部品を含む各種の電子部品から適宜選択されたものでもよく、複数個でもよい。また、互いに異なる種類の電子部品(図示せず)が搭載されてもよい。

0060

電子部品6は、部品用接合材(図示せず)を介した接合等の接合法で第1金属板2の上面に接合される。部品用の接合材は、例えば、金属または導電性樹脂等からなる。部品用の接合材は、例えば、はんだ(スズ−鉛共晶はんだ等)、金−スズ(Au−Sn)合金またはスズ−銀−銅(Sn−Ag−Cu)合金等である。

0061

なお、第1金属板2の表面に、めっき法によってめっき膜(図示せず)を形成してもよい。この構成によれば、部品用の接合材の濡れ性が向上するので、電子部品6を第1金属板2の上面に対する接合の強度を向上させることができる。めっき膜は、導電性および耐食性が高い金属を用いればよく、たとえば、ニッケル、コバルト、銀、銅または金等のめっき膜である。めっき膜は、これらの金属材料を主成分とする合金材料でもよく、複数層が順次被着されたものでもよい。めっき膜の厚みは、たとえば0.1〜10μmであればよい

0062

電子部品6として搭載された半導体素子は、例えばボンディングワイヤ等の導電性接続材(図示せず)によって外部電気回路(図示せず)と電気的に接続される。外部電気回路は外部部材21に含まれるものであり、半導体素子と外部電気回路との間で各種の信号または接地等の所定の電位が授受される。

0063

例えば外部部材21がコンピュータまたは自動車等の電子制御機構を有する機器の回路基板(マザーボード等)であるときには、演算基礎になる情報が外部部材21から電子部品6に伝送され、電子部品6から外部電気回路に演算結果または記憶情報等が伝送される。

0064

また、電子部品6の作動に伴い発生する熱は、例えば第2金属板3に伝導され、第2金属板3から外部部材21に伝導される。この場合には、上記の回路基板が伝熱および外部への放熱を促進するものであってもよい。また、外部電気回路以外の放熱用の外部部材21が第2金属板3に接合されて、外部への放熱が促進されてもよい。

0065

(電子装置の変形例)
図5は、図2に示す電子装置20の第1の変形例を示す断面図である。図5において図1図3と同様の部位には同様の符号を付している。

0066

図5に示す例では、複合基板10が上下ひっくり返されて用いられ、電子装置20が形成されている。前述したように、複合基板10が実際に用いられるときの上下は上記実施形態およびその変形例(図1図6に示す例等)に限定されるものではなく、図5の例のように第2金属板3が上向きになるようにして用いてもよく、第2金属板3上に電子部品6が搭載されてもよい。また第1金属板2が外部部材21に対向して実装されてよい。

0067

図5に示す例は、絶縁基板1の上向きの面に配置された電子部品6搭載用の金属板として、比較的厚い第2金属板3を用いるようにした例とみなすことができる。この場合に、第2金属板3が平面視で複数個に分割された形態(図示せず)であってもよい。複数個に分かれた第2金属板3は、電子部品6が直接に搭載されるものと、電子部品6の電極が接続されるものとを含んでいる。

0068

このときに、前述したように第2接合部4bの外周部(接合部4の最外周部分)におけるイオンマイグレーションが抑制されていれば、複数の第2金属板3間の電気絶縁性の低下および電気的短絡を効果的に抑制することができる。つまり、個々の第2金属板3について、イオンマイグレーションが起こりにくい方の金属材料(銅等)の初晶4pが存在していれば、よりイマイグレーションを起こしやすい金属材料(銀等)のイオンマイグレーションを抑制することができる。

0069

図5に示す形態の電子装置20の場合でも、上記構成の複合基板10を含んでいることから、比較的厚い第2金属板3と絶縁基板1との接合の信頼性が高く、放熱性の向上等についても有効な電子装置20を提供することができる。

0070

図6は、図3に示す電子装置20の第2の変形例を示す断面図である。図6に示す例では、複合基板10が縦方向になって外部部材21に実装されている。このように、複合基板10が実際に用いられるときの上下を含む方向は、上記実施形態およびその変形例には限定されない。

0071

また、図6に示す例では、複数の電子部品6が複合基板10に実装されている。電子部品6についても、1つに限らず、複数でもよく、互いに種類が異なるものが複数搭載されていても構わない。複数の電子部品6が搭載されるときには、電子装置30としての高機能化が効果的に行なわれる。

0072

図6に示す形態の電子装置20の場合でも、図3の電子装置20の場合と同様に、実施形態の複合基板10を含んでいることから、実装時に効果的に平坦化して、電子装置20と外部部材21との密着性の高い電子モジュール30とすることができる。

0073

搭載される複数の電子部品6は、互いに同じ種類のもの(例えば、記憶用の複数の半導体素子等)であってもよく、互いに異なるもの(例えば、半導体集積回路素子とセンサ素子および受動部品との組み合わせ等)であってもよい。

0074

電子装置20が実装される外部部材21についても、前述した例におけるマザーボード等には限定されず、放熱フィン等を含む放熱部材21(21A)でもよい。これによって、放熱性が向上した電子装置20の実装構造を形成することができる。

0075

また、外部部材21は、バスバー21B等でもよい。バスバー21(21B)は、例えば電動機を搭載する各種の車両における電池等の電源部分に電気的に接続されている。これによって、ハイブリッド車または電動車等の電導機構を有する車両の電源の管理、制御が効果的に行なわれる。

0076

1・・絶縁基板
2・・第1金属板
3・・第2金属板
4・・接合部
4a・・第1接合部
4b・・第2接合部
4m・・粒状材
4p・・初晶
5・・上部接合部
6・・電子部品
10・・複合基板
20・・電子装置
21・・外部部材
30・・電子モジュール

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