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技術 チラーの制御方法及び装置

出願人 オリオン機械株式会社
発明者 清水卓也村田圭
出願日 2016年7月14日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-139631
公開日 2018年1月18日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-009746
状態 特許登録済
技術分野 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械 空調制御装置
主要キーワード 付属要素 レベルライン 閉ポジション 低負荷モード 可変制御範囲 シフト温度 高温発熱 冷却液タンク
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

モード切換時の安定性を向上させ、温度制御の継続的な高精度化を実現するとともに、モード切換の制御をより最適化することのできるチラー制御方法及び装置を提供する。

解決手段

通常制御モードMs時に、回転数RsをPID制御によるインバータにより可変して被冷却媒体の温度Twを、予め設定した目標温度Tsに制御し、低負荷モード換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつPID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、低負荷制御モードMd時に、温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら予め設定した継続時間の経過後に、通常制御モードMsに切換える。

概要

背景

一般に、電子機器精密機械等における高温発熱部に対して、冷却水を供給することにより冷却を行うチラーは知られている。この種のチラーは、通常、冷却水タンク貯留した冷却水を高温発熱部に循環させる冷却水回路及びこの冷却水回路に接続した冷却ユニットを備えるとともに、所定の制御方法によりチラーの制御を行うことにより冷却水の温度を設定した目標温度に維持している。

従来、このようなチラーを制御する制御方法としては、既に、本出願人が提案した特許文献1における冷却装置の制御方法が知られている。この制御方法は、省エネルギ性を高めるとともに、安定した冷却精度を維持することを目的としたものであり、具体的には、冷凍サイクルを構成するコンプレッサ回転周波数インバータにより一定の範囲で可変して被冷却物の温度を制御するとともに、温度がインバータによっては制御できない温度まで低下したなら、ホットガスバイパス回路を開く制御を行うものであり、特に、ホットガスバイパス回路を開いた状態で温度が上昇したなら、当該ホットガスバイパス回路を開いた状態でコンプレッサの回転周波数を上昇させるとともに、当該回転周波数が予め設定した設定周波数に達したならホットガスバイパス回路を閉じ、かつコンプレッサの回転周波数を低下させる制御を行うものである。

概要

モード切換時の安定性を向上させ、温度制御の継続的な高精度化を実現するとともに、モード切換の制御をより最適化することのできるチラーの制御方法及び装置を提供する。通常制御モードMs時に、回転数RsをPID制御によるインバータにより可変して被冷却媒体の温度Twを、予め設定した目標温度Tsに制御し、低負荷モード換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつPID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、低負荷制御モードMd時に、温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら予め設定した継続時間の経過後に、通常制御モードMsに切換える。

目的

この制御方法は、省エネルギ性を高めるとともに、安定した冷却精度を維持することを目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

冷凍サイクルの一部を構成する熱交換器により被冷却媒体を冷却し、前記熱交換器の負荷状態に応じて通常制御モード又は低負荷制御モードに切換えるとともに、前記通常制御モードでは、前記冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機の回転数可変して前記被冷却媒体の温度を制御し、かつ前記低負荷制御モードでは、前記冷凍サイクルに接続したホットガスバイパス回路における制御弁開度を可変して前記温度を制御するチラー制御方法であって、前記通常制御モード時に、前記回転数をPID制御によるインバータにより可変して前記被冷却媒体の温度を、予め設定した目標温度に制御し、予め設定した低負荷モード換条件を満たしたなら、少なくとも、前記回転数に対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の前記目標温度よりも高いシフト温度に変更して前記低負荷制御モードに切換えるとともに、前記低負荷制御モード時に、前記温度が予め設定した切換判定温度を越えたなら、予め設定した継続時間の経過後に、前記通常制御モードに切換えることを特徴とするチラーの制御方法。

請求項2

前記低負荷モード切換条件は、前記回転数が最低回転数になり、かつ前記温度が予め設定した切換判定温度を下回ること、を条件とすることを特徴とする請求項1記載のチラーの制御方法。

請求項3

前記通常制御モード時に、前記低負荷モード切換条件を満たしたなら、前記回転数を最低回転数よりも大きい予め設定したシフト回転数に変更して前記低負荷制御モードに切換えるとともに、この後、前記温度が予め設定した判定温度範囲にある第一条件,この第一条件が予め設定した監視時間継続する第二条件及び前記制御弁が予め設定した判定開度以上にある第三条件を満たしたなら、前記シフト回転数から予め設定した単位回転数を減算する中間処理を行うことを特徴とする請求項1記載のチラーの制御方法。

請求項4

冷凍サイクルの一部を構成することにより被冷却媒体を冷却する熱交換器の負荷状態に応じて通常制御モード又は低負荷制御モードへ切換制御するモード切換制御機能と、前記冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機の回転数を可変して前記被冷却媒体の温度を制御する前記通常制御モードを実行する通常制御機能と、前記冷凍サイクルに接続したホットガスバイパス回路における制御弁の開度を可変して前記温度を制御する前記低負荷制御モードを実行する低負荷制御機能とを備えてなるチラーの制御装置であって、前記通常制御モード時に前記回転数をPID制御によるインバータにより可変して前記被冷却媒体の温度を予め設定した目標温度に制御する通常制御機能と、低負荷モード切換条件を満たしたなら、少なくとも、前記回転数に対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の前記目標温度よりも高いシフト温度に変更して前記低負荷制御モードに切換える低負荷モード切換制御機能と、前記低負荷制御モード時に前記温度が予め設定した切換判定温度を越えたなら予め設定した継続時間の経過後に前記通常制御モードに切換える通常モード切換制御機能とを備えてなることを特徴とするチラーの制御装置。

請求項5

前記被冷却媒体には、少なくとも冷却液を含むことを特徴とする請求項4記載のチラーの制御装置。

請求項6

前記通常制御モード時に、前記低負荷モード切換条件を満たしたなら、前記回転数を最低回転数よりも大きい予め設定したシフト回転数に変更して前記低負荷制御モードに切換える低負荷モード切換制御機能と、前記低負荷制御モードへの切換後に、前記温度が予め設定した判定温度範囲にある第一条件,この第一条件が予め設定した監視時間継続する第二条件及び前記制御弁が予め設定した判定開度以上にある第三条件を満たしたなら、前記シフト回転数から予め設定した単位回転数を減算する処理を行う中間処理機能とを備えることを特徴とする請求項4記載のチラーの制御装置。

請求項7

前記熱交換器は、一次側を前記冷凍サイクルに接続し、かつ二次側を前記冷却液が流通する冷却液回路に接続してなることを特徴とする請求項4記載のチラーの制御装置。

請求項8

前記制御弁は、前記ホットガスバイパス回路に直列接続した電子膨張弁であることを特徴とする請求項4記載のチラーの制御装置。

技術分野

0001

本発明は、熱交換器負荷状態に応じて通常制御モード又は低負荷制御モードに切換える際に用いて好適なチラー制御方法及び装置に関する。

背景技術

0002

一般に、電子機器精密機械等における高温発熱部に対して、冷却水を供給することにより冷却を行うチラーは知られている。この種のチラーは、通常、冷却水タンク貯留した冷却水を高温発熱部に循環させる冷却水回路及びこの冷却水回路に接続した冷却ユニットを備えるとともに、所定の制御方法によりチラーの制御を行うことにより冷却水の温度を設定した目標温度に維持している。

0003

従来、このようなチラーを制御する制御方法としては、既に、本出願人が提案した特許文献1における冷却装置の制御方法が知られている。この制御方法は、省エネルギ性を高めるとともに、安定した冷却精度を維持することを目的としたものであり、具体的には、冷凍サイクルを構成するコンプレッサ回転周波数インバータにより一定の範囲で可変して被冷却物の温度を制御するとともに、温度がインバータによっては制御できない温度まで低下したなら、ホットガスバイパス回路を開く制御を行うものであり、特に、ホットガスバイパス回路を開いた状態で温度が上昇したなら、当該ホットガスバイパス回路を開いた状態でコンプレッサの回転周波数を上昇させるとともに、当該回転周波数が予め設定した設定周波数に達したならホットガスバイパス回路を閉じ、かつコンプレッサの回転周波数を低下させる制御を行うものである。

先行技術

0004

特開2001−74318号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上述した特許文献1における冷却装置(チラー)の制御方法は、次のような解決すべき課題が存在した。

0006

即ち、コンプレッサの回転周波数(回転数)を可変して被冷却物の温度を制御する通常制御モードと、冷凍サイクルに接続したホットガスバイパス回路における制御弁開度を可変して被冷却物の温度を制御する低負荷制御モードとを設け、通常の負荷状態では通常制御モードを使用するとともに、負荷が小さくなった低負荷状態では低負荷制御モードを使用するものであり、特に、低負荷制御モードから通常制御モードに切換える際は、負荷が予め設定した大きさになったこと、具体的には、低負荷制御モード時における被冷却物の温度を監視し、この温度が予め設定した切換判定温度を上回り、かつ上回る時間が設定時間継続することを切換条件として通常制御モードへの切換えを行っていた。

0007

したがって、この場合、低負荷制御モードでは、ホットガスバイパス回路における制御弁の開度を可変して被冷却物の温度を制御する一方、圧縮機の回転数に対する制御は停止、即ち、回転数はいわばオープンループ制御により最低回転数に固定していた。しかし、通常制御モードでは、前記圧縮機の回転数に対してPID制御によるインバータにより可変制御するため、低負荷制御モードから通常制御モードへの切換時は、オープンループ制御状態からクローズドループ制御状態に切換わることになる。この結果、応答遅れ等の制御上の相違による切換直後のオーバーシュートが大きくなる可能性を有していた。

0008

結局、この制御方法では、モード切換時における不安定性が無視できないとともに、温度制御高精度化を継続的に実現する観点からは不十分となり、特に、低負荷制御モードから通常制御モードへ切換える際の制御をより最適化する観点からは更なる改善の余地があった。

0009

本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したチラーの制御方法及び装置の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係るチラーCの制御方法は、上述した課題を解決するため、冷凍サイクル2の一部を構成する熱交換器3により被冷却媒体Lを冷却し、熱交換器3の負荷状態に応じて通常制御モードMs又は低負荷制御モードMdへの切換制御を行うとともに、通常制御モードMsでは、冷凍サイクル2の一部を構成する圧縮機4の回転数Rsを可変して被冷却媒体Lの温度Twを制御し、かつ低負荷制御モードMdでは、冷凍サイクル2に接続したホットガスバイパス回路5における制御弁6の開度Qsを可変して温度Twを制御するに際し、通常制御モードMs時に、回転数RsをPID制御によるインバータ4iにより可変して被冷却媒体Lの温度Twを、予め設定した目標温度Tsに制御し、予め設定した低負荷モード切換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、低負荷制御モードMd時に、温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら予め設定した継続時間Zcの経過後に、通常制御モードMsに切換えるようにしたことを特徴とする。

0011

一方、本発明に係るチラーCの制御装置1は、上述した課題を解決するため、冷凍サイクル2の一部を構成することにより被冷却媒体Lを冷却する熱交換器3の負荷状態に応じて通常制御モードMs又は低負荷制御モードMdへ切換制御するモード切換制御機能と、冷凍サイクル2の一部を構成する圧縮機4の回転数Rsを可変して被冷却媒体Lの温度Twを制御する通常制御モードMsを実行する通常制御機能と、冷凍サイクル2に接続したホットガスバイパス回路5における制御弁6の開度Qsを可変して温度Twを制御する低負荷制御モードMdを実行する低負荷制御機能とを備えてなる制御装置を構成するに際して、通常制御モードMs時に回転数RsをPID制御によるインバータ4iにより可変して被冷却媒体Lの温度Twを、予め設定した目標温度Tsに制御する通常制御機能と、低負荷モード切換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換える低負荷モード切換制御機能と、低負荷制御モードMd時に温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら、予め設定した継続時間Zcの経過後に通常制御モードMsに切換える通常モード切換制御機能とを備えてなることを特徴とする。

0012

また、本発明は、好適な態様により、低負荷モード切換条件は、回転数Rsが最低回転数Rdになり、かつ温度Twが予め設定した切換判定温度Tdを下回ること、を条件とすることができる。さらに、通常制御モードMs時に、低負荷モード切換条件を満たしたなら、回転数Rsを最低回転数Rdよりも大きいシフト回転数Ruに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、この後、温度Twが予め設定した判定温度範囲Dsにある第一条件,この第一条件が予め設定した監視時間Zs継続する第二条件及び制御弁6が予め設定した判定開度Qp以上にある第三条件を満たしたなら、シフト回転数Ruから予め設定した単位回転数Roを減算する中間処理Mmを行うことができる。他方、被冷却媒体Lには、少なくとも冷却液Lwを含ませることができる。なお、冷却液Lwには、冷却水をはじめ、不凍液や各種溶剤等が含まれる。このため、熱交換器3は、一次側3fを冷凍サイクル2に接続し、かつ二次側3sを冷却液Lwが流通する冷却液回路11に接続することができる。さらに、制御弁6には、ホットガスバイパス回路5に直列接続した電子膨張弁6eを用いることができる。

発明の効果

0013

このような本発明に係るチラーCの制御方法及び装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。

0014

(1)通常制御モードMs時に、回転数RsをPID制御によるインバータ4iにより可変して被冷却媒体Lの温度Twを、予め設定した目標温度Tsに制御し、予め設定した低負荷モード切換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、低負荷制御モードMd時に、温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら予め設定した継続時間Zcの経過後に、通常制御モードMsに切換えるようにしたため、低負荷制御モードMdから通常制御モードMsへの切換時にはPID制御の中断を招くことなく制御の連続性を確保できる。この結果、モード切換時における温度Twの無用な変動(オーバーシュート)を抑制し、安定性をより高めることができるとともに、温度制御の継続的な高精度化を実現できるなど、低負荷制御モードから通常制御モードへ切換える制御をより最適化できる。

0015

(2) 好適な態様により、通常制御モードMs時に、低負荷モード切換条件を満たしたなら、回転数Rsを最低回転数Rdよりも大きいシフト回転数Ruに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、この後、温度Twが予め設定した判定温度範囲Dsにある第一条件,この第一条件が予め設定した監視時間Zs継続する第二条件及び制御弁6が予め設定した判定開度Qp以上にある第三条件を満たしたなら、シフト回転数Ruから予め設定した単位回転数Roを減算する中間処理Mmを行うようにすれば、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdへの切換時においても、切換時の安定性を向上させ、温度制御の継続的な高精度化を実現できるとともに、消費電力が大きくなる不具合を回避できるなど、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdへ切換える制御もより最適化できる。

0016

(3) 好適な態様により、被冷却媒体Lに少なくとも冷却液Lwを含ませれば、安定性に優れ、高精度の温度制御を実現できる最も一般的な水冷方式による冷却システムを容易に構築することができる。

0017

(4) 好適な態様により、熱交換器3の一次側3fを冷凍サイクル2に接続し、かつ二次側3sを冷却液Lwが流通する冷却液回路11に接続すれば、電子機器や精密機械等における高温発熱部に対して高精度に温度制御された冷却液Lwを継続的に供給できるため、この種の用途に最適なチラーCとして提供できる。

0018

(5) 好適な態様により、制御弁6に、ホットガスバイパス回路5に直列接続した電子膨張弁6eを用いれば、各種チラーに備えるホットガスバイパス回路及び電子膨張弁をそのまま利用可能になるため、冷凍サイクル2に対するハードウェア上の追加要素を不要にできる。したがって、ソフトウェア変更等により容易に実現できるとともに、低コストに実施できる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の好適実施形態に係る制御方法に基づく処理手順を説明するためのフローチャート
同制御方法に通常制御モードから低負荷制御モードへの切換時の具体的な処理手順を加えたフローチャート、
同制御方法を利用できるチラーを含む冷却システムの全体構成図、
本発明の好適実施形態に係るチラーのブロック系統図、
同制御方法を実施した際の通常制御モードから低負荷制御モードに切換える際における各部の状態を示すタイムチャート
同制御方法を実施した際の低負荷制御モードから通常制御モードに切換える際における各部の状態を示すタイムチャート、

実施例

0020

次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。

0021

まず、本実施形態に係る制御方法の理解を容易にするため、同制御方法を実施できるチラーCの構成について、図3及び図4を参照して説明する。

0022

図3は、チラーCの全体構成を示す。チラーCは、基本的な構成として、冷凍サイクル2により構成する冷却ユニット20と冷却液タンク51を有する冷却液回路11を備える。この場合、冷却ユニット20は、図3に示すように、冷凍サイクル2を構成する四要素となる、圧縮機4,凝縮器21,電子膨張弁22及び熱交換器(冷却器)3を備えており、熱交換器3における一次側3fの一端口冷媒流入口)には、電子膨張弁22の冷媒流出側を接続するとともに、熱交換器3における一次側3fの他端口(冷媒流出口)には、圧縮機4の冷媒流入側を接続する。なお、図3中、21fは凝縮器21を空冷する凝縮器ファン、23は凝縮器21と電子膨張弁22間に接続したストレーナをそれぞれ示す。これにより、矢印Fc方向に冷媒が循環する基本的な冷凍サイクル本体が構成される。

0023

また、圧縮機4の下流側(凝縮器21の上流側)と、電子膨張弁22の下流側(熱交換器3の一次側3fの上流側)は、ホットガスバイパス回路5を介して接続するとともに、このホットガスバイパス回路5の中途には電子膨張弁6eを直列接続する。この電子膨張弁6eは加熱側の制御弁6として機能する。このように、制御弁6として電子膨張弁6eを用いれば、各種チラーに備えるホットガスバイパス回路及び電子膨張弁をそのまま利用可能になるため、冷凍サイクル2に対するハードウェア上の追加要素を不要にできる。したがって、ソフトウェア変更等により容易に実現できるとともに、低コストに実施できる利点がある。なお、電子膨張弁22は冷却側の制御弁として機能する。

0024

さらに、圧縮機4の駆動には電動モータを使用し、この電動モータはインバータ4iに接続する。これにより、インバータ4iに対して回転数制御信号Sr(図4)を付与すれば、電動モータに基づく圧縮機4の回転数を当該回転数制御信号Srに対応した回転数Rsに可変制御することができる。また、このインバータ4iは、回転数Rsに対してPID制御を行うことができる。したがって、インバータ4iには、最適化されたPID定数が予め設定されている。なお、4mは、インバータ4iを除く圧縮機本体を示す。

0025

このように、圧縮機4の回転数Rsを、PID制御を行うインバータ4iにより可変制御するようにすれば、各種チラーに内蔵するインバータ圧縮機をそのまま利用可能になるため、冷凍サイクル2に対するハードウェア上の追加要素を不要にできる。したがって、上述した電子膨張弁6eを利用することと併せ、ソフトウェア変更等により容易に実現できるとともに、低コストに実施できる利点がある。

0026

一方、冷却液回路11は、被冷却媒体Lとなる冷却液Lwを貯留する冷却液タンク51を備える。例示の冷却液タンク51は、上面部を開放したタンク本体部51mと、このタンク本体部51mの上面部を覆うタンク蓋部51cにより構成する。なお、冷却液タンク51は、要部のみを示し、付属要素であるドレンラインフロートスイッチ液面計,ストレーナ等は省略してある。このように、被冷却媒体Lとして冷却液Lwを適用すれば、安定性に優れ、高精度の温度制御を実現できる最も一般的な水冷方式による冷却システムを容易に構築できる利点がある。この場合、冷却液Lwには、冷却水をはじめ、不凍液や溶剤等、各種の冷却液が含まれる。

0027

また、タンク蓋部51cには、タンク本体部51mにおける液面側の冷却液Lwを吸上げ圧送ポンプ52を取付け、この圧送ポンプ52の吐出側を、配水管を介して熱交換器3における二次側3sの一端口(流入口)に接続するとともに、熱交換器3における二次側3sの他端口(流出口)は、中途位置開閉バルブ53を接続した配水管54を介して、電子機器や精密機械等における高温発熱部となる被冷却部71の供給口に接続する。そして、この配水管54の中途には液温センサ55を付設する。この液温センサ55は冷却液Lwの温度(液温)Twを計測する機能を備える。さらに、タンク本体部51mの底部側は、中途位置に開閉バルブ56を接続した配水管を介して、被冷却部71の戻し口に接続する。

0028

これにより、冷却液タンク51に貯留された冷却液Lwは、圧送ポンプ52により吸い上げられるとともに、吸い上げられた冷却液Lwは、熱交換器3の二次側3sに供給される。そして、熱交換器3の二次側3sを流通する際に、一次側3fの冷却された冷媒との熱交換が行われることにより冷却され、この冷却された冷却液Lwが配水管54を介して被冷却部71の供給口に供給される。そして、被冷却部71に供給された冷却液Lwにより被冷却部71が冷却される。また、被冷却部71を冷却した冷却液Lwは、被冷却部71における戻り口を介して冷却液タンク51に戻される。以上により、冷却液Lwが循環する冷却液回路11が構成される。

0029

このように、熱交換器3の一次側3fを冷凍サイクル2に接続し、かつ二次側3sを冷却液Lwが流通する冷却液回路11に接続すれば、電子機器や精密機械等における高温発熱部(被冷却部71)に対して高精度に温度制御された冷却液Lwを継続的に供給できるため、この種の用途に最適なチラーCとして提供できる利点がある。

0030

他方、チラーCは、本実施形態に係る制御方法を実行できる図4に示す制御装置1を内蔵する。この制御装置1は、主要部となるチラーコントローラ30を備え、このチラーコントローラ30には、CPU,内部メモリ31m等のハードウェアを含むコントローラ本体31を内蔵する。

0031

そして、このコントローラ本体31には、前述した冷却液回路11に設けた液温センサ55を接続する。これにより、液温センサ55により計測される液温Twに係わる計測データがコントローラ本体31に付与される。また、コントローラ本体31には、冷却ユニット20に備えるホットガスバイパス回路5の電子膨張弁6eを接続するとともに、冷凍サイクル本体に備える電子膨張弁22を接続する。これにより、本実施形態に係る制御方法の実行時には、コントローラ本体31から開度制御信号Spが加熱側となる電子膨張弁6eに付与されることにより、電子膨張弁6eの開度Qsが可変制御される。さらに、コントローラ本体31には、圧縮機4に備えるインバータ4iを接続する。これにより、本実施形態に係る制御方法の実行時には、コントローラ本体31から回転数制御信号Srがインバータ4iに付与されることにより、圧縮機4の回転数Rsが可変制御される。

0032

一方、コントローラ本体31には、入力部(操作部)32及び出力部(表示部)33をそれぞれ接続する。この入力部32により、本実施形態に係る制御方法を実行する際における各種制御条件の設定を行うことができるとともに、出力部33により、設定した各種制御条件に係わる数値データや各種計測データを表示することができる。34は、コントローラ本体31に内蔵する計時用タイマ機能を示す。

0033

また、内部メモリ31mは、各種データを書き込み可能データエリア31mdを有するとともに、各種プログラムを格納可能なプログラムエリア31mpを有する。したがって、データエリア31mdには、本実施形態に係る制御方法の実施に関連して、少なくとも、設定した各種制御条件に係わる数値データや各種計測データを書き込むことができる。この場合、具体的なデータとしては、圧縮機4の最低回転数Rdに係わるデータ,低負荷制御モードMdへの切換判定時に使用する切換判定温度Tdに係わるデータ,低負荷制御モードMdへの切換判定時に使用するシフト回転数Ruに係わるデータ,シフト回転数Ruに対して設定する単位回転数Roに係わるデータ,第一条件を満たすか否かを判定する液温Twに対する判定温度範囲Dsに係わるデータ,第二条件を満たすか否かを判定する継続時間条件に対する監視時間Zsに係わるデータ,第三条件を満たすか否かを判定する電子膨張弁6eの判定開度Qpに係わるデータ等が含まれる。

0034

他方、プログラムエリア31mpには、PLCプログラム及びHMIプログラムを格納するとともに、各種演算処理算出処理)及び各種制御処理シーケンス制御)を実行するための各種処理プログラムを格納する。したがって、チラーコントローラ30は、基本的に、コンピュータシステムとして構成し、チラーC全体の制御を司る機能を備える。なお、PLCプログラムは、チラーCにおける各種シーケンス動作やチラーCの監視等を実現するためのソフトウェアであり、HMIプログラムは、制御装置1に係わるデータの設定及び表示等を実現するためのソフトウェアである。

0035

さらに、プログラムエリア31mpには、本実施形態に係る制御方法を実行するための制御プログラムを格納する。この制御プログラムにより、圧縮機4の回転数Rsを可変して液温Twを制御する通常制御モードMsを実現する通常制御機能,ホットガスバイパス回路5における電子膨張弁6eの開度Qsを可変して液温Twを制御する低負荷制御モードMdを実現する低負荷制御機能,冷却液Lwを冷却する熱交換器3の負荷状態に応じて通常制御モードMs又は低負荷制御モードMdに切換制御するモード切換制御機能であって、特に、低負荷モード切換条件である、通常制御モードMs時における圧縮機4の回転数Rsが最低回転数Rdになり、かつ液温Twが予め設定した切換判定温度Tdを下回る条件を満たしたなら、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更し、さらに、回転数Rsを予め設定したシフト回転数Ruに変更して低負荷制御モードMdに切換える低負荷モード切換制御機能,低負荷モード切換制御機能による切換後に、液温Twが予め設定した判定温度範囲Dsにある第一条件とこの第一条件が予め設定した監視時間Zs継続する第二条件と制御弁6が予め設定した判定開度Qp以上にある第三条件とを満たしたなら、シフト回転数Ruから予め設定した単位回転数Roを減算する中間処理Mmを行う中間処理機能,低負荷制御モードMd時に温度Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら、予め設定した継続時間Zcの経過後に通常制御モードMsに切換える通常モード切換制御機能,等を実行することができる。

0036

次に、このような構成を備える制御装置1を用いた本実施形態に係る制御方法について、図3図6を参照しつつ図1及び図2に示すフローチャートに従って説明する。

0037

なお、図1に示すフローチャートは、低負荷制御モードMdから通常制御モードMsに切換える際の処理手順をより具体化し、図2に示すフローチャートは、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdに切換える際の処理手順をより具体化したものである。

0038

今、チラーCは、通常の負荷状態にあり、制御装置1により通常制御モードMsによる制御が行われているものとする(ステップS1)。したがって、この場合、冷却ユニット20では、圧縮機4の回転により冷凍サイクル2内を冷媒が循環し、熱交換器3の一次側3fが冷却状態となる。なお、ホットガスバイパス回路5の電子膨張弁6eは閉ポジション(開度Qsは0)に制御されている。これにより、熱交換器3では、冷凍サイクル2の冷媒と冷却液回路11の冷却液Lw間で熱交換が行われ、冷却液Lwが冷却されるとともに、冷却された冷却液Lwは被冷却部71に供給される。この際、冷却液Lwの液温Twは、液温センサ55により計測され、コントローラ本体31に付与される。そして、液温Twが目標温度Tsとなるようにフィードバック制御される。また、必要に応じて電子制御弁22の開度が制御される。

0039

即ち、通常制御モードMsでは、基本的に圧縮機4の回転数Rsがインバータ4iにより可変制御されるとともに、インバータ4iはPID制御方式により制御される。したがって、熱交換器3の負荷状態が大きくなり、液温Twが目標温度Tsよりも高まる傾向のときは、圧縮機4の回転数Rsが大きくなり、冷却能力が高められるとともに、熱交換器3の負荷状態が小さくなり、液温Twが目標温度Tsよりも低くなる傾向のときは、圧縮機4の回転数Rsが小さくなり、冷却能力が抑制される。なお、目標温度Tsに対しては許容範囲としてのディファレンシャルが設定されている。

0040

また、通常制御モードMsの運転中は、コントローラ本体31により、液温Twと圧縮機4の回転数Rsの監視が行われる。即ち、圧縮機4の回転数Rsが最低回転数Rdになったか否かを監視するとともに、液温Twが切換判定温度Tdを下回ったか否かを監視する(ステップS2,S3)。インバータ4iにより制御される圧縮機4の場合、回転数Rsに対する可変可能な制御領域が存在し、最低回転数Rdを下回る領域では実質的な回転数制御ができない。さらに、この状態において、液温Twが、目標温度Tsに対して設定されるディファレンシャルの下限温度を下回る状態、即ち、この状態を検出する切換判定温度Tdになった状態は、制御限界にあるため、圧縮機4の回転数Rsが最低回転数Rdになり、かつ液温Twが設定液温Tdを下回ることを、低負荷制御モードMdに切換える切換条件に設定している。

0041

ところで、通常制御モードMsと低負荷制御モードMdを切換えて運転を行うこの種の制御装置1は、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdに切換えた場合、モード切換時の挙動が不安定になりやすい傾向がある。即ち、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdに切換える際には、通常制御モードMs時における圧縮機4の回転数Rsと液温Twを監視し、この回転数Rsが最低回転数Rdになり、かつ液温Twが予め設定した切換判定温度Tdを下回ることを切換条件として低負荷制御モードMdへの切換えを行うため、負荷変動などの負荷の状態により、通常制御モードMsと低負荷制御モードMd間のモード切換が頻繁に行われてしまうとともに、圧縮機4の制御限界となる最低回転数Rdにおいて電子膨張弁6e(制御弁6)による制御に切換わるため、モード切換時の挙動が不安定になりやすい。結局、モード切換時における安定性を向上させ、温度制御の高精度化を継続的に実現する観点からは必ずしも十分であるとはいえず、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdへ切換える際の制御を最適化する観点からは更なる改善の余地があった。

0042

このため、本実施形態に係る制御装置1では、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdに切換える際に、通常制御モードMsと実質的な低負荷制御モードMdの間において中間処理Mmを行うとともに、低負荷制御モードMdから通常制御モードMsに切換える際には本実施形態に係る制御方法を適用し、各モード切換時における制御の最適化を実現した。

0043

今、負荷状態が大きく低下した低負荷状態になり、当該切換条件を満たした場合を想定する。この場合、圧縮機4の回転数Rsは最低回転数Rdに達し、かつ液温Twは設定液温Tdを下回る状態となるため、本実施形態に係る制御方法に従って、低負荷モード切換処理が行われる(ステップSA)。この場合、従来では、圧縮機4の回転数Rsに対する制御がいわばオープンループ制御に切換えられ、回転数Rsが最低回転数Rdに固定される。これに対して、本実施形態に係る制御方法では、いわばクローズドループ制御が維持、即ち、回転数RsがPID制御によるインバータ4iにより可変される制御が維持される(ステップS4)。

0044

しかし、そのまま維持した場合には、圧縮機4の回転数Rsに対する制御と電子膨張弁6eの開度Qsに対する制御が干渉するため、PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更するようにした(ステップS5)。なお、電子膨張弁6eの開度Qsによる制御ループにおける目標温度は変更しないため、正規の目標温度Tsが維持される。図6(b)中、Tcがシフト温度のレベルラインを示す。これにより、圧縮機4の回転数Rsによる制御の目標温度は、正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに設定されるため、低負荷制御モードMdの実行中における圧縮機4の回転数Rsは、最低回転数Rdに維持される(図6(d)参照)。したがって、低負荷制御モードMdにおける電力消費が最少限に抑制されるなど、本来の低負荷制御モードMdの利点は確保される。

0045

また、以下に述べる中間処理Mmが行われる(ステップS6)。この中間処理Mmの具体的な処理手順を図2に示す。上述した切換条件を満たすことにより、圧縮機4の回転数Rsは予め設定したシフト回転数Ruに変更される(ステップS6−1)。このシフト回転数Ruは、最低回転数Rdよりも大きい値に設定される。例えば、一例として、最低回転数Rdが1000〔rpm〕に設定されている場合、シフト回転数Ruは、1200〔rpm〕に設定することができる。変更する目安は、特定の条件に拘束されるものではないが、最低回転数Rd及び回転数Rsの可変制御範囲を考慮することにより、最低回転数Rdに対して、1〜3割程度大きくすることができる。最低回転数Rdに代えて設定されるシフト回転数Ruは固定値として設定される。

0046

そして、低負荷制御モードMdへの切換が行われる(ステップS6−2)。具体的には、電子膨張弁6eに対する閉ポジションの制御を解除し、ホットガスバイパス回路5の機能を有効にする。これにより、電子膨張弁6eは液温Twに対応して可変制御される。なお、低負荷制御モードMdへの切換は、上述した各処理、即ち、低負荷モード切換処理及びシフト回転数Ruへの変更処理(ステップSA,S6−1)と同時に行われる。

0047

図5(d)は、圧縮機4の回転数Rsが低下し、ts時点で最低回転数Rdになった状態を示すとともに、図5(b)は、液温Twが低下し、ts時点から経過したt1時点で切換判定温度Tdを下回った状態を示している。例示の場合、ts時点からt1時点までの経過時間は概ね数〔分〕程度である。したがって、例示の場合、t1時点で切換条件を満たすため、このタイミングにより回転数Rsがシフト回転数Ruに変更されるとともに、低負荷制御モードMdへの切換が行われる。なお、電子膨張弁6eの開度Qsは、図5(c)に示すように、t1時点から液温Twに対応した制御が行われている状態を示している。

0048

この後、コントローラ本体31は、液温Twに対する第一条件,継続時間条件に対する第二条件及び開度Qsに対する第三条件を満たすか否かを監視する。

0049

即ち、最初に、液温Twが判定温度範囲Dsにあるか否かを監視する(ステップS6−3)。判定温度範囲Dsは、例えば、設定液温Tsに対して±0.05〔℃〕等のように設定できる。したがって、判定温度範囲Dsは、通常制御モードMsにおける設定した目標温度Tsに対するディファレンシャルと同じに設定してもよいし、異ならせることにより、より厳しい(或いはより緩い)条件に設定してもよい。これにより、液温Twが判定温度範囲Dsにあれば、第一条件を満たすことになる(ステップS6−4)。図5(b)の場合、t2時点で第一条件を満たした状態を示している。

0050

また、この第一条件が、予め設定した監視時間Zsを継続したか否かを監視するため、第一条件を満たした時点からタイマ機能34により計時を行う(ステップS6−5)。この計時(監視)は、液温Twの大きさが安定したか否かを判定するものであり、経験等により任意の時間を設定可能である。これにより、例示の場合、図5(b)及び(d)に示すように、t2時点から監視時間Zsが経過しても第一条件を満たした状態にあれば、第二条件を満たすことになる(ステップS6−6)。

0051

さらに、この状態において、電子膨張弁6eが予め設定した判定開度Qp以上になっているか否かを確認する(ステップS6−7)。判定開度Qpとしては、例えば、全開(100〔%〕)に対して10〜45〔%〕の開度を選定することができる。そして、この際、判定開度Qp以上であれば、第三条件を満たすことになる(ステップS6−8)。例示する図5(c)は、t2時点及びt3時点のいずれにおいても第三条件を満たした状態を示している。

0052

この場合、第一条件から第三条件のいずれか一つでも満たさないときは、現状を維持する制御を継続する。これに対して、第一条件から第三条件の全てを満たしたなら、シフト回転数Ruから予め設定した単位回転数Roを減算する処理を行う(ステップS6−9)。単位回転数Roの大きさの目安は、特定の条件に拘束されるものではないが、シフト回転数Ruに対して、例えば、4〜8回程度の減算処理を行うことにより最低回転数Rdになる大きさを設定できる。したがって、例示の場合には、単位回転数Roを50〔rpm〕程度に設定可能である。

0053

図5に示す場合、t3時点で第一条件から第三条件の全ての条件を満たすため、t3時点でシフト回転数Ruから単位回転数Roを減算する処理が行われる。例示の場合、1200〔rpm〕から50〔rpm〕を減算する処理を行う。これにより、シフト回転数Ruは、1150〔rpm〕に変更される。以降も同様の処理を繰り返して行う(ステップS6−10,S6−3…)。図5は、t3時点からt5時点まで計三回の減算処理が行われた状態を示している。

0054

また、減算処理を行った際に、シフト回転数Ruが最低回転数Rd又はこの近辺で安定したか否かを判定する(ステップS6−10)。例示の場合、t5時点では減算処理が行われている途上にあり、安定したとはいえないため、同様の監視を継続する。これに対して、図5(c)に示すように、t6時点では、電子膨張弁6eが判定開度Qp以上となる第三条件を満たさないため、シフト回転数Ruから単位回転数Roを減じる減算処理を行なわずに現状態を維持する。この場合、シフト回転数Ruは、最低回転数Rd又はこの近辺で安定したものと判断できるため、t5時点からは、実質的に、安定した低負荷制御モードMsに移行したものと見做すことができる。即ち、t1時点からt5時点までの期間は、本実施形態に係る制御方法による中間処理Mmが行われたことになり、t5時点以降から本来の低負荷制御モードMdによる制御が行われている(ステップS6−10,S7)。以上の切換及び処理に係わるイメージ図5(a)に示す。

0055

一方、低負荷制御モードMdの実行中は、通常制御モードMsに切換えるための切換条件が発生したか否かを監視する(ステップSB)。具体的には、液温Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたか否かを監視する(ステップS8)。なお、例示は、切換判定温度Tuとシフト温度Tcを同一に設定した場合を示すが、異ならせてもよい。この監視時における各部の状態を図6に示す。そして、液温Twが切換判定温度Tuを越えたなら、予め設定した継続時間Zcが経過するか否かを監視する。この場合、液温Twが切換判定温度Tuを越えた時点からタイマ機能34により計時を行う(ステップS9,S10)。この切換判定温度Tuは、目標温度Tsに対して設定されるディファレンシャルの上限温度をやや上回る温度を設定できるとともに、継続時間Zcは、経験等により任意の時間を設定可能である。

0056

図6(b)におけるtc時点は、液温Twが切換判定温度Tuを越えた時点を示している。また、図6の場合、t7時点が継続時間Zcが経過した時点を示すとともに、このt7時点まで液温Twが切換判定温度Tuを越えていることを示している。

0057

したがって、図6の場合、t7時点で切換条件を満たすため、通常制御モードMsへの切換を行う(ステップS11,S12)。これにより、通常制御モードMsによる制御が行われる(ステップS1…)。この場合、図6(a)に示すように、t7時点から通常制御モードMsが実行される。この結果、図6(c)に示すように、t7時点で電子膨張弁6eは閉ポジション(開度Qsは0)に制御されるとともに、シフト温度Tcの設定が解除され、圧縮機4の回転数Rsによる制御ループにおける目標温度が正規の目標温度Tsが変更される。なお、tc時点では液温Twが切換判定温度Tuを越えると同時に、シフト温度Tcを越えるため、図6(d)に示すように、圧縮機4の回転数Rsは最低回転数Rdから上昇を開始する。

0058

よって、このような本実施形態に係るチラーCの制御方法によれば、通常制御モードMs時に、回転数RsをPID制御によるインバータ4iにより可変して冷却液Lwの液温Twを、予め設定した目標温度Tsに制御し、低負荷モード切換条件を満たしたなら、少なくとも、回転数Rsに対するPID制御を維持しつつ当該PID制御による目標温度を正規の目標温度Tsよりも高いシフト温度Tcに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、低負荷制御モードMd時に、液温Twが予め設定した切換判定温度Tuを越えたなら予め設定した継続時間Zcの経過後に、通常制御モードMsに切換えるようにしたため、低負荷制御モードMdから通常制御モードMsへの切換時にはPID制御の中断を招くことなく制御の連続性を確保できる。この結果、モード切換時における温度Twの無用な変動(オーバーシュート)を抑制し、安定性をより高めることができるとともに、温度制御の継続的な高精度化を実現できるなど、低負荷制御モードから通常制御モードへ切換える制御をより最適化できる。

0059

しかも、通常制御モードMs時に、低負荷モード切換条件を満たしたなら、回転数Rsを最低回転数Rdよりも大きいシフト回転数Ruに変更して低負荷制御モードMdに切換えるとともに、この後、液温Twが予め設定した判定温度範囲Dsにある第一条件,この第一条件が予め設定した監視時間Zs継続する第二条件及び電子膨張弁6eが予め設定した判定開度Qp以上にある第三条件を満たしたなら、シフト回転数Ruから予め設定した単位回転数Roを減算する中間処理Mmを行うようにしたため、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdへの切換時においても、切換時の安定性を向上させ、温度制御の継続的な高精度化を実現できるとともに、消費電力が大きくなる不具合を回避できるなど、通常制御モードMsから低負荷制御モードMdへ切換える制御もより最適化できる。

0060

以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,手法,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に、変更,追加,削除することができる。

0061

例えば、被冷却媒体Lとして、冷却液Lwを例示したが、その他、空気やガス等の気体であってもよいし、固体の被冷却媒体Lを排除するものではない。したがって、熱交換器3の形態やこの熱交換器3の二次側3sに接続される冷却液回路11や被冷却部71は、他の各種構造体により置換できる。また、圧縮機4の駆動手段としてインバータ4iにより制御される電動モータを例示したが、駆動手段としては、オイルモータエアモータエンジン等の他の駆動手段であっても同様に適用できる。さらに、制御弁6(22)として電子膨張弁6eを用いた場合を示したが、同様の機能を発揮できる他の制御弁の使用を排除するものではない。

0062

本発明に係るチラーの制御方法及び装置は、熱交換器の負荷状態に応じて通常制御モード又は低負荷制御モードへのモード切換制御機能を備える各種形態のチラー(冷却装置)に利用できる。

0063

1:制御装置,2:冷凍サイクル,3:熱交換器,3f:熱交換器の一次側,3s:熱交換器の二次側,4:圧縮機,4i:インバータ,5:ホットガスバイパス回路,6:制御弁,6e:電子膨張弁,11:冷却液回路,C:チラー,L:被冷却媒体,Lw:冷却液,Ms:通常制御モード,Md:低負荷制御モード,Mm:中間処理,Rs:回転数,Rd:最低回転数,Ru:シフト回転数,Ro:単位回転数,Tw:被冷却媒体の温度(液温),Ts:目標温度(正規の目標温度),Tc:シフト温度,Tu:切換判定温度,Td:切換判定温度,Qs:開度,Qp:判定開度,Zc:継続時間,Zs:監視時間,Ds:判定温度範囲

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