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技術 再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法

出願人 ダイワボウホールディングス株式会社ダイワボウレーヨン株式会社
発明者 中野将林誠富安弘嗣
出願日 2017年6月30日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2017-129427
公開日 2018年1月18日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2018-009276
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維 複合繊維
主要キーワード ドライシート 吸着除去効率 アンモニア消臭率 ビスコース液 精練処理後 B型粘度計 衛生シート 圧縮ローラー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月18日)のものです。
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課題

良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物が付与され、洗濯した場合や染色後さらに洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落変性が起こりにくい再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法を提供する。

解決手段

本発明は、カルボキシル基を含有する化合物を含む再生セルロース繊維であり、上記カルボキシル基を含有する化合物は、アクリル酸マレイン酸共重合体である再生セルロース繊維に関する。本発明の再生セルロース繊維は、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、上記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、かつ必要に応じて上記ビスコースレーヨン糸条をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することで作製することができる。

概要

背景

再生セルロース繊維は、ビスコース法銅アンモニア法溶剤紡糸法など様々な方法で製造されることが知られている。レーヨン繊維などの再生セルロース繊維は基質セルロースであるため、それ自体肌に優しい性質を有する。従来から、このようなレーヨン繊維の性質を利用しつつ、消臭性などの機能性を持たせるため、カルボキシル基を含有する化合物を付与することが提案されている。

例えば、特許文献1には、再生セルロース繊維をポリカルボン酸で処理することで、再生セルロース繊維にカルボキシル基を含有する化合物を付与することが提案されている。また、特許文献2には、酢酸ビニルマレイン酸共重合体を含む水混合液セルロース系繊維を含む布帛を浸漬することで、セルロース系繊維にカルボキシル基を含む化合物を付与することが提案されている。しかし、このように後処理でポリカルボン酸や酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を再生セルロース繊維に付与した場合、洗濯等によってポリカルボン酸や酢酸ビニル−マレイン酸共重合体が脱落しやすいという問題があった。そこで、紡糸の段階でカルボキシル基を含有する化合物を再生セルロース繊維に練り込むことが行われている。例えば、特許文献3には、ポリアクリル酸未中和物を含む紡糸用ビスコース液を用いてセルロース内にポリアクリル酸が混合された再生セルロース繊維を得ることが提案されている。

概要

良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物が付与され、洗濯した場合や染色後さらに洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法を提供する。本発明は、カルボキシル基を含有する化合物を含む再生セルロース繊維であり、上記カルボキシル基を含有する化合物は、アクリル酸−マレイン酸共重合体である再生セルロース繊維に関する。本発明の再生セルロース繊維は、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、上記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、かつ必要に応じて上記ビスコースレーヨン糸条をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することで作製することができる。なし

目的

本発明は、上記従来の問題を解決するため、良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物が付与され、洗濯した場合や染色後にさらに洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

カルボキシル基を含有する化合物を含む再生セルロース繊維であり、前記カルボキシル基を含有する化合物は、アクリル酸マレイン酸共重合体であることを特徴とする再生セルロース繊維。

請求項2

前記再生セルロース繊維は、セルロースに対してアクリル酸−マレイン酸共重合体を1〜35質量%含む請求項1に記載の再生セルロース繊維。

請求項3

前記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、マレイン酸を5〜95質量%含む請求項1又は2に記載の再生セルロース繊維。

請求項4

前記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、重量平均分子量が5000〜500000である請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項5

繊維pHが4.0〜8.0である請求項1〜4のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項6

前記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量は0.3〜1.6mmol/gである請求項1〜5のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項7

前記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、45〜100%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項8

さらに鉄、亜鉛コバルトニッケルマンガン及び銀からなる群から選ばれる一種以上の金属を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項9

前記再生セルロース繊維は、アンモニア消臭率が70%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維。

請求項10

請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維を含む繊維構造物

請求項11

請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維の製造方法であって、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、前記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、かつ必要に応じて前記ビスコースレーヨン糸条をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする再生セルロース繊維の製造方法。

請求項12

前記アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液は、粘度が50〜5000mPa・sである請求項11に記載の再生セルロース繊維の製造方法。

請求項13

請求項1〜9のいずれか1項に記載の再生セルロース繊維を含む繊維構造物の製造方法であって、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、前記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、前記ビスコースレーヨン糸条を含む繊維構造物を作製し、かつ必要に応じて前記繊維構造物をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする繊維構造物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法に関する。

背景技術

0002

再生セルロース繊維は、ビスコース法銅アンモニア法溶剤紡糸法など様々な方法で製造されることが知られている。レーヨン繊維などの再生セルロース繊維は基質セルロースであるため、それ自体肌に優しい性質を有する。従来から、このようなレーヨン繊維の性質を利用しつつ、消臭性などの機能性を持たせるため、カルボキシル基を含有する化合物を付与することが提案されている。

0003

例えば、特許文献1には、再生セルロース繊維をポリカルボン酸で処理することで、再生セルロース繊維にカルボキシル基を含有する化合物を付与することが提案されている。また、特許文献2には、酢酸ビニルマレイン酸共重合体を含む水混合液セルロース系繊維を含む布帛を浸漬することで、セルロース系繊維にカルボキシル基を含む化合物を付与することが提案されている。しかし、このように後処理でポリカルボン酸や酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を再生セルロース繊維に付与した場合、洗濯等によってポリカルボン酸や酢酸ビニル−マレイン酸共重合体が脱落しやすいという問題があった。そこで、紡糸の段階でカルボキシル基を含有する化合物を再生セルロース繊維に練り込むことが行われている。例えば、特許文献3には、ポリアクリル酸未中和物を含む紡糸用ビスコース液を用いてセルロース内にポリアクリル酸が混合された再生セルロース繊維を得ることが提案されている。

先行技術

0004

特開2012−202012号公報
特開平5−132871号公報
特開2013−204206号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献3で用いたポリアクリル酸の未中和物は、重量平均分子量が非常に大きいことから、10質量%以上の濃度で練り込みを行うと、凝集物が発生して紡糸性が悪化するという問題があった。

0006

本発明は、上記従来の問題を解決するため、良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物が付与され、洗濯した場合や染色後にさらに洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい再生セルロース繊維、それを含む繊維構造物及びそれらの製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、カルボキシル基を含有する化合物を含む再生セルロース繊維であり、上記カルボキシル基を含有する化合物は、アクリル酸−マレイン酸共重合体であることを特徴とする再生セルロース繊維に関する。

0008

本発明は、また、上記の再生セルロース繊維の製造方法であって、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、上記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、かつ必要に応じて上記ビスコースレーヨン糸条をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする再生セルロース繊維の製造方法に関する。

0009

本発明は、また、上記の再生セルロース繊維を含む繊維構造物に関する。

0010

本発明は、また、上記の繊維構造物の製造方法であって、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、上記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出し、凝固再生させてビスコースレーヨン糸条とし、上記ビスコースレーヨン糸条を含む繊維構造物を作製し、かつ必要に応じて上記繊維構造物をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することを特徴とする繊維構造物の製造方法に関する。

発明の効果

0011

本発明は、カルボキシル基を含有する化合物としてアクリル酸−マレイン酸共重合体を用いることで、良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物を付与し、洗濯した場合や染色後にさらに洗濯した(以下において、「染色・洗濯」とも記す。)場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい再生セルロース繊維及びそれを含む繊維構造物を提供する。

0012

本発明は、また、セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液を混合して調製した紡糸用ビスコース液を用いることで、良好な紡糸性でカルボキシル基を含有する化合物を付与し、洗濯した場合や染色・洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい再生セルロース繊維及びそれを含む繊維構造物を作製することができる。

0013

本発明の発明者らは、カルボキシル基を含有する化合物としてアクリル酸−マレイン酸共重合体を用いることにより、紡糸性を阻害することなく、再生セルロース繊維にカルボキシル基を含有する化合物を付与し得るとともに、洗濯した場合や染色・洗濯した場合でも、繊維に付与されたカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくいことを見出して本発明に至った。また、本発明の再生セルロース繊維は、アクリル酸−マレイン酸共重合体を含有することにより、アンモニアに対して高い消臭性を有することを見出した。特に、アクリル酸−マレイン酸共重合体が繊維中に練り込まれ、セルロース内にアクリル酸−マレイン酸共重合体が混合されている場合は、アクリル酸−マレイン酸共重合体が繊維全体に均一に分散していることから、アクリル酸−マレイン酸共重合体が繊維から脱落しにくいうえ、風合いも良好である。本発明において、アクリル酸−マレイン酸共重合体は、アクリル酸−マレイン酸共重合体中のカルボキシル基がHのままの酸型及び/又はHの部位がNa等の金属イオン等で置換された塩型である。

0014

本発明の再生セルロース繊維において、カルボキシル基を含有する化合物がアクリル酸−マレイン酸共重合体であることにより、すなわち共重合体質量あたりカルボキシル基量が多いマレイン酸を含むことにより、物質を消臭する際や機能剤担持する際の反応サイトが多くなり、繊維の消臭性等の機能性を高めることができる。なお、マレイン酸そのものを用いると、ビスコース添加時に硫化水素ガスが発生することから紡糸することができず、すなわち、繊維中に練り込むことができない場合がある。そして、マレイン酸と同様、カルボキシル基を有するアクリル酸を含むことで、物質を消臭する際や機能剤を担持する際の反応サイトとして機能し、繊維の消臭性等の機能性を付与することができる。

0015

本発明の再生セルロース繊維は、アクリル酸−マレイン酸共重合体を含む。再生セルロース繊維の作製時に、ビスコース原液にアクリル酸−マレイン酸共重合体を混合して調製した紡糸用ビスコース液を紡糸することで、繊維中にアクリル酸−マレイン酸共重合体を練り込むこと、再生セルロース繊維をアクリル酸−マレイン酸共重合体を含む水溶液等に浸漬して繊維中にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含浸させること、再生セルロース繊維にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含む水溶液等を噴霧や塗布して再生セルロース繊維にアクリル酸−マレイン酸共重合体を付着させること等により、再生セルロース繊維中にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含ませることができる。その中でも、練り込みは、アクリル酸−マレイン酸共重合体が繊維の表面及び内部の全体に均一に混合されて分散している為、繊維表面だけではなく、内部に入り込んだ臭いの原因となる物質や重金属を含む処理液などの物質に対しても効果を発揮できるため好ましい。また、噴霧や塗布等によりアクリル酸−マレイン酸共重合体を付与した場合には、繊維表面のアクリル酸−マレイン酸共重合体の濃度不均一による繊維の風合いの低下が生じやすいが、練り込みの場合は、アクリル酸−マレイン酸共重合体が繊維の表面及び内部の全体に均一に混合されて分散していることから、風合いの低下が起きにくい。

0016

本発明において、アクリル酸−マレイン酸共重合体は、アクリル酸及びアクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下において、アクリル酸系単量体とも記す。)を含むエチレン性不飽和単量体と、マレイン酸、マレイン酸塩及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下において、マレイン酸系単量体とも記す。)を含むエチレン性不飽和単量体の重合体であってもよく、アクリル酸及びアクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、マレイン酸、マレイン酸塩及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むエチレン性不飽和単量体の重合体であってもよい。また、繊維にカルボキシル基を付与しやすい観点から、アクリル酸−マレイン酸共重合体は、アクリル酸及びアクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むエチレン性不飽和単量体と、マレイン酸及びマレイン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むエチレン性不飽和単量体の重合体、及び/又は、アクリル酸及びアクリル酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、マレイン酸及びマレイン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むエチレン性不飽和単量体の重合体であることが好ましい。また、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記アクリル酸−マレイン酸重合体は、アクリル酸系単量体、マレイン酸系単量体以外の他の単量体を共重合したものであってもよい。上記他の単量体は、マレイン酸及び/又はマレイン酸塩のカルボキシル基の消臭効果等の機能性を発揮しやすくする観点から、不飽和モノカルボン酸系単量体であることが好ましい。

0017

上記再生セルロース繊維において、上記アクリル酸−マレイン酸共重合体の含有量は、セルロース100質量%に対して1〜35質量%であることが好ましく、4〜33質量%であることがより好ましく、6〜30質量%であることがさらに好ましく、10〜25質量%であることが特に好ましい。上記再生セルロース繊維において、上記アクリル酸−マレイン酸共重合体の含有量がセルロースに対して1質量%未満では、カルボキシル基による消臭性などの機能性が発揮しにくい傾向があり、35%質量を超えると、繊維強度が低下するため細繊化できない恐れがある。

0018

上記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、重量平均分子量(質量平均分子量とも称される。)が5000〜500000であることが好ましく、6000〜250000であることがより好ましく、10000〜100000であることがさらに好ましく、30000〜80000であることが特に好ましい。重量平均分子量が上述した範囲内であると、再生セルロース中に練り込みやすい上、洗濯した場合や染色・洗濯した場合でもカルボキシル基を含有する化合物の脱落や変性が起こりにくい。

0019

上記アクリル酸−マレイン酸共重合体は、マレイン酸を5〜95質量%含むことが好ましく、20〜80質量%含むことがより好ましく、30〜70質量%含むことがさらに好ましく、40〜60質量%含むことが特に好ましい。アクリル酸−マレイン酸共重合体におけるマレイン酸の含有量が上記範囲であると、再生セルロース繊維にカルボキシル基を付与しやすく、カルボキシル基による消臭性等の機能性を発揮しやすい。再生セルロース繊維中に、アクリル酸−マレイン酸共重合体を同質量含ませた場合、マレイン酸比率が高いアクリル酸−マレイン酸共重合体を含ませた再生セルロース繊維の方が、消臭性能が良好になる。これは、マレイン酸の方がアクリル酸より共重合体の質量当たりのカルボキシル基量が多く、H型カルボキシル基の量も多くなることに起因すると推測される。

0020

本発明において、アクリル酸−マレイン酸共重合体中のマレイン酸比率は、アクリル酸−マレイン酸共重合体中の有機物成分がアクリル酸とマレイン酸のみであると仮定し、下記のように測定算出することができる。
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5mL程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させる。
(2)約50mg程度乾燥試料を約0.7mL程度の重水に溶解する。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素メチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分(A)とマレイン酸成分(M)の組成比を求める。測定回数は16回とし、平均値を求める。

0021

上記再生セルロース繊維において、マレイン酸の含有量は、セルロース100質量%に対して0.05〜28質量%であることが好ましく、0.2〜24質量%であることがより好ましく、0.3〜21質量%であることがさらに好ましく、0.4〜18質量%であることが特に好ましい。上記再生セルロース繊維において、マレイン酸の含有量が上述した範囲であると、消臭性等の機能性を発揮しやすくなる。再生セルロース繊維中のマレイン酸の含有量については、例えば、セルロースに対するアクリル酸−マレイン酸共重合体の添加率含有率)及びアクリル酸−マレイン酸共重合体中のマレイン酸の含有率に基づいて算出することができる。

0022

上記再生セルロース繊維は、アンモニア等の塩基性ガスを消臭する目的の場合には、繊維pHが4.0〜8.0であることが好ましく、より好ましくは5.3〜7.5であり、さらに好ましくは5.5〜7.5である。繊維pHが上記範囲内にあると、pHコントロール性、消臭性の洗濯耐久性などの機能性が高まる。上記再生セルロース繊維にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含ませるとともに、さらに亜鉛や鉄を担持して消臭性や抗菌性を付与する場合には、繊維pHは3.5〜6.5であることが好ましく、より好ましくは3.5〜6.0であり、さらに好ましくは4.0〜6.0である。上記再生セルロース繊維にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含ませるとともに、さらに亜鉛や鉄を担持して砒素などの吸着体として用いる場合には、
繊維pHは3.0〜6.0であることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.5であり、さらに好ましくは3.0〜5.0である。

0023

上記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量は、好ましくは0.3〜1.6mmol/gであり、より好ましくは0.4〜1.5mmol/gであり、さらに好ましくは0.5〜1.4mmol/gである。カルボキシル基の総量が0.3mmol/g未満では、カルボキシル基による消臭性、洗濯後の消臭性、染色・洗濯後の消臭性などの機能性が低く、1.6mmol/gを超えると、繊維がアルカリサイドになりやすく、加熱するような加工で、セルロースの黄変が生じる恐れがある。本発明において、カルボキシル基の総量、H型カルボキシル基の量及び塩型カルボキシル基の量は、後述するとおりに測定算出する。

0024

上記再生セルロース繊維において、H型カルボキシル基の量は、好ましくは1.4mmol/g以下であり、より好ましくは0.2〜1.3mmol/gであり、さらに好ましくは0.3〜1.2mmol/gである。また、上記再生セルロース繊維において、塩型カルボキシル基の量は、好ましくは1.0mmol/g以下であり、より好ましくは0.05〜0.8mmol/gであり、さらに好ましくは0.07〜0.6mmol/gである。

0025

上記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、45〜100%であることが好ましく、より好ましくは50〜98%であり、さらに好ましくは55〜95%である。上記再生セルロース繊維において、カルボキシル基の総量に対する塩型カルボキシル基の量の割合は、50%以下であることが好ましく、より好ましくは45%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。H型(酸型)カルボキシル基の割合が高いほど、カルボキシル基の末端にアンモニアなどのアルカリ性臭気成分吸着されやすいこととなる。一方、塩型カルボキシル基の割合が高いほど、酸性臭気成分に対する消臭性能が高まる。

0026

上記再生セルロース繊維は、中性洗剤(JAFET標準洗剤)を用い、JIS L 0217(103)に準じて洗濯を10回行った後において、カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、10〜55%であることが好ましく、より好ましくは15〜50%であり、さらに好ましくは20〜47%である。洗濯した後においても、アンモニアなどのアルカリ性臭気成分に対する消臭性能が高い。

0027

上記再生セルロース繊維は、カチオン染色した後において、カルボキシル基の総量に対するH型カルボキシル基の量の割合は、10〜55%であることが好ましく、より好ましくは15〜50%であり、さらに好ましくは20〜47%である。染色した後においても、アンモニアなどのアルカリ性臭気成分に対する消臭性能が高い。

0028

上記再生セルロース繊維は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、アクリル酸−マレイン酸共重合体に加えて、その他の機能剤や金属イオン等を含んでもよい。金属イオンは、特に限定されないが、例えば鉄、亜鉛、コバルトニッケルマンガン、銀などが好ましい。このような金属を担持することにより、消臭性が向上する上、抗菌性、防カビ性重金属類(砒素、クロムシアン、水銀、セレン及び鉛等)、フッ素及びホウ素の除去等の機能を発揮することができる。また、アクリル酸−マレイン酸共重合体に加えて、その他の機能剤や金属イオン等を含む再生セルロース繊維は、その用途に応じて、適宜繊維pHを調整してもよい。

0029

上記再生セルロース繊維は、アクリル酸−マレイン酸共重合体及び金属(金属イオン)を含む場合、例えば、砒素除去剤として用いることができ、金属が鉄の場合、砒素除去剤として好適である。砒素吸着性により優れるという観点から、3価の鉄イオンであることが好ましい。特に、液体被処理対象と接触させて水中の砒素を吸着除去する砒素除去剤として使用するのに適している。液体の被処理対象としては、特に限定されないが、飲料水河川水海水地下水下水工業用水工業用排水、汚染土壌溶出液などが挙げられる。具体的には、低濃度の砒素でも吸着除去可能であり、吸着除去効率が高い。例えば、砒素(砒酸イオン亜砒酸イオン)の濃度が0.01〜100ppmの広範囲について処理可能である。上記再生セルロース繊維(原綿)を開繊カラムに詰め、詰め綿又は詰め材料として使用して飲料水などの液体被処理対象の濾過にも使用可能であるし、原綿に対して各種加工を行い、使用環境に合わせた仕様にすることもできる。

0030

上記再生セルロース繊維において、砒素吸着性の観点から、鉄の含有量は、0.05〜5.5であることが好ましく、1.0〜5.0質量%であることがより好ましく、さらにより好ましくは1.2〜4.0質量%である。本発明において、再生セルロース繊維中の鉄の含有量(存在量)は、以下のように測定する。

0031

<鉄の含有量の測定>
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定する。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出する。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量を算出する。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100

0032

上記再生セルロース繊維は、好ましくはアンモニア消臭率が70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。本発明において、アンモニア消臭率とは、社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)の消臭加工繊維製品認定基準(平成23年4月1日改訂版)で定めている測定方法により測定するアンモニア減少率をいう。

0033

上記再生セルロース繊維は、耐洗濯性に優れており、例えば、中性洗剤(JAFET標準洗剤)を用い、JIS L 0217(103)に準じて洗濯を10回行った後でも、アンモニア消臭率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。

0034

上記再生セルロース繊維は、染色・洗濯後の消臭性等の機能性が高く、例えば、カチオン染色を行った後にさらに洗濯した場合でも、アンモニア消臭率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。

0035

上記再生セルロース繊維は、繊度が0.3〜8.0dtex(デシテックス)であることが好ましい。より好ましくは0.6〜6.0dtexであり、さらに好ましくは0.7〜3.6dtexである。繊度が0.3dtex未満であると、延伸時に単繊維切れが発生しやすい傾向にある。繊度が8.0dtexを越えると、繊維の再生状態が不良になりやすく、繊維の色相等が悪くなる場合がある。

0036

上記再生セルロース繊維は、長繊維状又は短繊維状の形態で提供され、繊維構造物を形成することが好ましい。上記長繊維状としては、例えば、トウフィラメント、不織布等が挙げられ、上記短繊維状としては、例えば、湿式抄紙用原綿、エアレイド不織布用原綿、カード用原綿等が挙げられる。上記繊維構造物としては、例えば、トウ、フィラメント、紡績糸中綿(詰め綿)、紙、不織布、織物編物等が挙げられ、編物、織物及び不織布からなる群から選ばれる一種の布帛であることがより好ましい。

0037

本発明の再生セルロース繊維は、特に限定されないが、原料ビスコースにアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液を混合して調製した紡糸用ビスコース液を紡糸し、得られたビスコースレーヨン糸条を、必要に応じてpH調整処理することで製造することが好ましい。これにより、紡糸性を阻害することなく、アクリル酸−マレイン酸共重合体を再生セルロース繊維中に練り込み、セルロース内にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含ませている。アクリル酸−マレイン酸共重合体を練り込んだ再生セルロース繊維において、アクリル酸−マレイン酸共重合体は繊維の表面及び内部の全体に均一に分散している。上記アクリル酸−マレイン酸共重合体塩は、アクリル酸−マレイン酸共重合体中のカルボキシル基のHの部位がNa等の金属イオン等で置換された型である。

0038

原料ビスコースとしては、セルロースを7〜10質量%、水酸化ナトリウムを5〜8質量%、二硫化炭素を2〜3.5質量%含むビスコース原液を調製して用いるとよい。このとき、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸EDTA)、二酸化チタンなどの添加剤を使用することもできる。原料ビスコースの温度は18〜23℃に保持するのが好ましい。セルロースを含むビスコース原液に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液を混合して紡糸用ビスコース液を調製する。

0039

アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液は、粘度が50〜5000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは500〜4000mPa・sであり、さらに好ましくは1000〜3000mPa・sである。粘度が50mPa・s未満の場合、紡糸工程においてアクリル酸−マレイン酸共重合体塩のロスが生じる恐れがある。一方、粘度が5000mPa・sを超えると、ハンドリング性が悪くなる傾向がある。アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液としては、特に限定されないが、例えば、株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」、「アクアリック TL213」、「アクアリック TL200」等の市販品を用いても良い。

0040

アクリル酸−マレイン酸共重合体塩は、原料ビスコース中のセルロース100質量%に対して、1〜30質量%になるように添加することが好ましく、より好ましくは4〜28質量%であり、さらに好ましくは6〜25質量%であり、特に好ましくは10〜20質量%である。上述した範囲内であると、繊維強度を高くしつつ、再生セルロース繊維中にアクリル酸−マレイン酸共重合体を効果的に練り込むことができる。

0041

紡糸浴ミューラー浴)としては、硫酸を95〜130g/L、硫酸亜鉛を10〜17g/L、硫酸ナトリウム芒硝)を290〜370g/L含む強酸性浴を用いることが好ましい。より好ましい硫酸濃度は、100〜120g/Lである。

0042

上記再生セルロース繊維は、例えば通常の円形ノズルを用いて製造することができる。紡糸ノズルとしては、目的とする生産量にもよるが、直径0.05〜0.12mmであり、ホール数が1000〜20000である円形ノズルを用いることが好ましい。また、異型断面のノズルを使用してもよく、例えばY型ノズルを使用して紡糸を行えば、表面積が大きく、特に初期吸水速度の優れた繊維となる。上記紡糸ノズルを用いて、上記紡糸用ビスコース液を紡糸浴中に押し出して紡糸し、凝固再生させる。紡糸速度は30〜80m/分の範囲が好ましい。また、延伸率は39〜55%が好ましい。ここで延伸率とは、延伸前のスライバー速度を100としたとき、延伸後のスライバー速度をどこまで速くしたかを示すものである。倍率で示すと、延伸前が1、延伸後は1.39〜1.55倍となる。

0043

上記のようにして得られたレーヨン繊維糸条を所定の長さにカットし、精練処理を行う。精練工程は、通常の方法で、熱水処理、水硫化処理脱硫)、漂白、及び酸洗いの順で行うことができる。精練工程の後、油剤を付与してもよい。その後、必要に応じて圧縮ローラー真空吸引等の方法で余分な油剤、水分を繊維から除去し、乾燥処理を施してポリアクリル酸を含有するレーヨン繊維(以下において、単にポリアクリル酸含有レーヨン繊維とも記す。)を得ることができる。

0044

必要に応じて、精練処理後のレーヨン繊維糸条(アクリル酸−マレイン酸共重合体含有レーヨン繊維)を、pH調整処理し、繊維をpH8.0以下に調整してもよい。pH調整処理は、pHが6.0以下の緩衝液に繊維を浸漬することで行うことができる。浸漬時の浴比は、特に限定されないが、1:10〜1:30であることが好ましく、より好ましくは1:15〜1:25である。また、浸漬時間は、特に限定されないが、0.5〜50分間であることが好ましく、より好ましくは1〜20分間である。上記pH調整用緩衝液としては、特に限定されないが、例えば、酢酸酢酸ナトリウム緩衝液など一般的な緩衝溶液を使用することが可能であるが、緩衝溶液中ナトリウムを含んでいることが望ましい。pH調整用緩衝液に浸漬した後、水洗を施し、乾燥処理してもよい。

0045

前記レーヨン繊維をさらに鉄イオン等の金属イオンで処理することで鉄等の金属を担持させることができる。金属イオンによる処理は、精練工程中で行ってもよく、精練工程後に後加工として行ってもよい。要求された品質を満たすために適切なタイミングで金属イオンによる処理を行うことが可能である。

0046

例えば、精練処理時に、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含有するレーヨン繊維を連続した糸状のまま鉄化合物等の金属化合物浴中を通過させて鉄イオン等の金属イオンを付着させてもよいし、精練工程で担体を含有するレーヨン繊維に鉄化合物等の金属化合物の水溶液をシャワーして鉄イオン等の金属イオンを付着させてもよい。或いは、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含有するレーヨン繊維(原綿)を、鉄化合物等の金属化合物の浴中に浸漬し、その後絞ることにより鉄イオン等の金属イオンを付着させてもよい。

0047

鉄化合物による処理は、鉄イオンを含む水溶液を用いて行うことができる。鉄イオンを含む水溶液は、水溶液中で鉄イオンを形成する鉄化合物を用いて調製することができる。水溶液中で鉄イオンを形成する鉄化合物としては、例えば、塩化第一鉄塩化第二鉄硫酸第一鉄硫酸第二鉄などが挙げられ、砒素吸着性により優れるという観点から、水溶液中で3価の鉄イオンを形成する塩化第二鉄、硫酸第二鉄などを用いることが好ましい。鉄イオンを含む水溶液のpHは、鉄化合物が鉄イオンを形成することができればよく特に限定されないが、加工性の観点から、pH2〜8の範囲であることが好ましく、pH3〜6の範囲がより好ましい。鉄イオンを含む水溶液は、特に限定されないが、鉄イオン濃度が0.1〜30g/Lであることが好ましく、より好ましくは、0.5〜10g/Lである。処理温度については、鉄イオンを繊維に付着できればよく、特に限定がない。例えば、操作の簡便性から、室温(20±5℃)で処理してもよい。

0048

また、カルボキシル基の置換反応の関係から、カルボキシル基のHがNa、Ca、Mgで置換された状態の物に、Fe3+などの鉄イオンを作用させた方が、効率良く鉄イオンを繊維内部に導入できる。前記カルボキシル基のHのNaへの置換は、例えば、精練工程中に、水硫化処理後の繊維を炭酸ソーダ水溶液に所定時間浸漬し、脱水し、水洗し、乾燥することで行うことができる。或いは、前記カルボキシル基のHのNaへの置換は、例えば、精練工程中に、水硫化処理後の繊維に炭酸ソーダ水溶液をシャワーすることで行ってもよい。

0049

上記再生セルロース繊維は、染色してもよい。染色は、特に限定されず、例えば、一般的なセルロース繊維の反応染色方法やカチオン染色方法で行うことができる。

0050

本発明の繊維構造物は、上記再生セルロース繊維を10質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは20〜50質量%含み、さらに好ましくは25〜40質量%含む。再生セルロース繊維の含有率が低いと該繊維の性能が発揮されにくくなり、再生セルロース繊維の含有率が高いとレーヨンの風合いが前面に出ることで、製品によってはそのドレープ性により繊維集合体張りが損なわれてしまう恐れがある。

0051

上記繊維構造物は、特に限定されないが、例えば、紡績糸、不織布、織物又は編物であることが好ましく、編物、織物及び不織布からなる群から選ばれる一種の布帛であることがより好ましい。

0052

上記繊維構造物が紡績糸である場合、上記再生セルロース繊維のみで構成されていてもよく、他の繊維と混紡複合してもよい。他の繊維としては、上記再生セルロース繊維以外の他の再生セルロース繊維、天然繊維合繊繊維等が挙げられる。他の再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ溶剤紡糸セルロースポリノジック等が挙げられる。天然繊維としては、例えば、コットンウールシルクパルプ等が挙げられる。合成繊維としては、例えば、アクリル繊維ポリエステル繊維ポリアミド繊維ポリオレフィン繊維ポリウレタン繊維等が挙げられる。上記合成繊維は、単一繊維であってもよく、複合繊維であってもよい。このような紡績糸は、例えば織物や編物に加工されて衣料等に用いることができる。

0053

上記繊維構造物が織物や編物である場合、上記再生セルロース繊維のみで構成されていてもよく、他の繊維を含んでもよい。上記再生セルロース繊維以外の他の再生セルロース繊維、天然繊維、合繊繊維等が挙げられる。他の再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、溶剤紡糸セルロース、ポリノジック等が挙げられる。天然繊維としては、例えば、コットン、麻、ウール、シルク、パルプ等が挙げられる。合成繊維としては、例えば、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられる。上記合成繊維は、単一繊維であってもよく、複合繊維であってもよい。織物や編物の組織は特に限定されない。例えば、編物では、丸編み横編み、経編みトリコット)が、織物では、平織綾織繻子織が、本発明の風合い効果がよく発揮できることから好ましい繊維構造物の形態である。

0054

上記繊維構造物が不織布である場合、上記再生セルロース繊維のみで構成されていてもよく、他の繊維と混綿してもよい。上記再生セルロース繊維以外の他の再生セルロース繊維、天然繊維、合繊繊維等が挙げられる。他の再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、溶剤紡糸セルロース、ポリノジック等が挙げられる。天然繊維としては、例えば、コットン、麻、ウール、シルク、パルプ等が挙げられる。合成繊維としては、例えば、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられる。上記合成繊維は、単一繊維であってもよく、複合繊維であってもよい。不織布の形態としては、例えば、湿式不織布(湿式抄紙)、エアレイド不織布、水流交絡不織布、ニードルパンチ不織布などが挙げられる。このような不織布は、例えば、ウェットティッシュ、対人・対物用ワイパー等のウェットシートドライシート水解シート等に用いることができる。また、化粧パフフェイスマスク吸収体等の衛生シートに用いることができる。

0055

上記繊維構造物として、例えば、パイル等に加工した場合、上記再生セルロース繊維のみで構成されていてもよく、他の繊維と混綿してもよい。上記再生セルロース繊維以外の他の再生セルロース繊維、天然繊維、合繊繊維等が挙げられる。他の再生セルロース繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、溶剤紡糸セルロース、ポリノジック等が挙げられる。天然繊維としては、例えば、コットン、麻、ウール、シルク、パルプ等が挙げられる。合成繊維としては、例えば、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられる。上記合成繊維は、単一繊維であってもよく、複合繊維であってもよい。

0056

本発明の繊維構造物は、上記再生セルロース繊維を用いて製造することができる。或いは、本発明の繊維構造物は、セルロースを含むビスコース原液にアクリル酸−マレイン酸共重合体を含む水溶液を混合して調製した紡糸用ビスコース液を紡糸し、得られたビスコースレーヨン糸条を用いて繊維構造物を作製し、必要に応じて上記繊維構造物をpHが8.0以下になるようにpH調整処理することで製造してもよい。繊維構造物をpH調整処理すること以外は、上述した再生セルロース繊維の製造の場合と同様にして製造することができる。

0057

以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。

0058

(実施例1)
[紡糸用ビスコース液の調製]
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」、重量平均分子量が50000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを40質量%含む水溶液、粘度:1990mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が45質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロース100質量%に対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加し、混合機にて攪拌混合を行い、紡糸用ビスコース液を調製した。温度は20℃に保った。原料ビスコースとしては、セルロース8.5質量%、水酸化ナトリウム5.7質量%、二硫化炭素2.8質量%を含むビスコース原液を用いた。なお、実施例及び比較例において、粘度は、東京計器株式会社製のB型粘度計を用い、20℃で測定した。また、カルボキシル基を含有する化合物(以下において、単に化合物とも記す。)の重量平均分子量は、後述するとおりに測定算出した。
紡糸条件
得られた紡糸用ビスコース液を、2浴緊張紡糸法により、紡糸速度60m/分、延伸率50%で紡糸して、繊度1.4dtexのビスコースレーヨンの糸条を得た。第1浴(紡糸浴)としては、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/Lを含むミューラー浴(50℃)を用いた。また、ビスコースを吐出する紡糸口金には、円形ノズル(孔径0.06mm、ホール数4000)を用いた。紡糸中、単糸切れ等の不都合は生じず、混合ビスコースの紡糸性は良好であった。
[精練、油剤付与及び乾燥条件
上記で得られたビスコースレーヨンの糸条を、繊維長38mmにカットし、精練処理を行った。精練工程では、熱水処理後に水洗を行い、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施した。得られた処理綿を再度水洗し、次亜塩素酸ソーダで漂白し、酸洗い後水洗した後、油剤をシャワーにて付与して、圧縮ローラーで余分な水分と油剤を繊維から落とし、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Aを得た。

0059

(実施例2)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して15質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Bを得た。

0060

(実施例3)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して20質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Cを得た。

0061

(実施例4)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」)に代えて、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL213」、重量平均分子量が10000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを36質量%含む水溶液、粘度:100〜200mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が40質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して15質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Dを得た。

0062

(実施例5)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックT L213」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例4と同様にして、繊維Eを得た。

0063

(実施例6)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックTL400」)に代えて、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリック TL200」、重量平均分子量が60000のアクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウムを40質量%含む水溶液、粘度:2100mPa・s、アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム中のマレイン酸の含有量が30質量%)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Fを得た。

0064

(実施例7)
アクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液(株式会社日本触媒製の「アクアリックT L200」)を、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩がセルロースに対して20質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例6と同様にして、繊維Gを得た。

0065

(比較例1)
実施例1のアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液に代えて、ポリアクリル酸の水分散液(荒川化学の「タマノリG−37」、重量平均分子量1500000〜2000000のポリアクリル酸未中和物を8.5質量%含む水分散液、粘度3000〜6000mPa・s)を、ポリアクリル酸がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Hを得た。

0066

(比較例2)
実施例1のアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の水溶液に代えて、スチレン−マレイン酸共重合体塩(荒川化学の「ポリマロン1318」、重量平均分子量40000のスチレン−マレイン酸共重合体塩を15質量%含む水分散液、粘度85)を、ポリアクリル酸がセルロースに対して10質量%となるように、原料ビスコースへ添加した以外は、実施例1と同様にして、繊維Iを得た。

0067

(比較例3)
原料ビスコースをそのまま紡糸用ビスコース液として用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維Jを得た。

0068

(実施例8)
<アクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の作製>
精練工程において、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施し、脱硫後の繊維を0.3〜0.5質量%の炭酸ソーダ水溶液に30分間浸漬し、遠心脱水機で1分間脱液後、水洗し、再度遠心脱水機による脱水を1分間行い、60℃、7時間で乾燥処理を行い、カルボキシル基のHをNa型に置換した以外は、実施例2と同様にしてアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を作製した。
<鉄イオンの担持>
塩化鉄水和物(Fe3+)を使用して鉄イオンの濃度が0.10質量%の鉄イオンを含む水溶液(pH3)を調製し、得られた鉄イオンを含む水溶液に、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、室温(25℃)で5分間放置した。その後繊維をイオン交換水洗浄し、遠心脱水機で脱水を1分間行い、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Kを得た。

0069

(実施例9)
鉄イオンを含む水溶液中のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の浸漬時間を30分間に変更した以外は、実施例8と同様にして、繊維Lを得た。

0070

(実施例10)
鉄イオンを含む水溶液中の鉄イオンの濃度を0.30質量%になるように変更した以外は、実施例9と同様にして、繊維Mを得た。

0071

(実施例11)
<アクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維の作製>
精練工程において、水硫化ソーダをシャワーして脱硫を実施し、脱硫後の繊維を0.3〜0.5質量%の炭酸ソーダ水溶液に30分間浸漬し、遠心脱水機で1分間脱液後、水洗し、再度遠心脱水機による脱水を1分間行い、60℃、7時間で乾燥処理を行い、カルボキシル基のHをNa型に置換した以外は、実施例3と同様にしてアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を作製した。
<鉄イオンの担持>
塩化鉄6水和物(Fe3+)を使用して鉄イオンの濃度が0.60質量%の鉄イオンを含む水溶液(pH3)を調製し、得られた鉄イオンを含む水溶液に、繊維との浴比が1:20になるように、乾燥後のアクリル酸−マレイン酸共重合体含有繊維を浸漬し、室温(25℃)で30分間放置した。その後繊維をイオン交換水で洗浄し、遠心脱水機で脱水を1分間行い、乾燥処理(60℃、7時間)を施し、繊維Nを得た。

0072

繊維A〜繊維Lのカルボキシル基の総量、H型カルボキシル基の量、塩型カルボキシル基及びpHを下記のように測定し、その結果を下記表1及び表2に示した。また、繊維A、D〜Jを下記のように洗濯した後のカルボキシル基の総量、H型カルボキシル基の量を測定し、その結果を下記表1に示した。また、繊維A、C〜E、H、Iを下記のように染色・洗濯した場合のカルボキシル基の総量、H型カルボキシル基の量を測定し、その結果を下記表1に示した。また、繊維A、D、G〜Jを下記のように洗濯した後の消臭性能(評価1)を下記のように測定し、その結果を下記表1に示した。また、繊維C、Kを下記のように洗濯した後の消臭性能(評価2)を下記のように測定し、その結果を下記表2に示した。また、繊維A、C、G〜Iの染色・洗濯した場合の消臭性能を下記のように測定し、その結果を下記表1に示した。なお、消臭性能の測定において、繊維A及び繊維Gの染色・洗濯後の消臭性能の測定には繊維0.4gを用い、それ以外では繊維0.3gを用いた。下記表1において、「−」は、未測定を意味する。また、繊維K〜Nの鉄含有量及び砒素除去率を下記のように測定算出し、その結果を下記表2に示した。

0073

また、実施例1〜11では、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸含有率を下記のように測定算出し、セルロースに対するアクリル酸−マレイン酸共重合体塩の添加率及びアクリル酸−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸の含有率に基づいて、セルロースに対するマレイン酸の添加率を算出し、その結果を下記表1及び表2に示した。比較例2では、スチレン−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸含有率を下記のように測定算出し、セルロースに対するスチレン−マレイン酸共重合体塩の添加率及びスチレン−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸の含有率に基づいて、セルロースに対するマレイン酸の添加率を算出し、その結果を下記表1に示した。

0074

(重量平均分子量の測定)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により、以下の条件で測定し、重量平均分子量(Mw)を求めた。重量平均分子量を算出する際には、GPCで得られたチャート上の分子量300以上の部分を重合体と定義して求めた。
カラム:GF−7MHQ(昭和電工株式会社製)。
移動相リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5g、及び、リン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて全量を5,000gとし、その後0.45ミクロンメンブランフィルターで濾過した水溶液。
検出器:UV 214nm(日本ウォーターズ(株)30 製、モデル481型)。
ポンプ:L−7110(日立(株)製)。
流量:0.5mL/min。
温度:35℃。
検量線ポリアクリル酸ソーダ標準サンプル(創和科学株式会社製)。

0075

(カルボキシル基の総量の測定)
(1)1mol/Lの塩酸水溶液(pH0.1)50mLに試料1.2gを浸漬、撹拌して5分間放置した。その後、再び撹拌して水溶液のpHが2.5になるように調整した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基はすべてH型として存在することになる。次に、試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。試料を水洗することにより、繊維に付着している過剰の塩酸がすべて除去されることになる。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)(1)で作製した試料1gを精[W1(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。これにより、試料(繊維)におけるカルボキシル基は全て塩型に変換されることになる。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬フェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX1(mL)とした。
(4)下記式に基づいてカルボキシル基の総量Y(mmol/g)を算出した。このように、水酸化ナトリウムの総量から残余の水酸化ナトリウムの量を差し引くことにより求めた水酸化ナトリウムの量は、試料(繊維)における全体のカルボキシル基の量に対応することになる。
カルボキシル基の総量Y(mmol/g)=[[(0.1×20)−(0.1×X1)]×(120/60)]/W1

0076

(H型カルボキシル基の量及び塩型カルボキシル基の量の測定)
(1)試料を水洗し、定温送風乾燥機で105℃、2時間乾燥させて、絶乾にした。
(2)ビーカーにイオン交換水100mL、塩化ナトリウム0.4g、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液20mLを入れた。
(3)試料1gを精秤[W2(g)]し、撹拌子に巻きつかない大きさまで細かく切断して、(2)で準備したビーカーに入れ、スターラーで15分間撹拌した。撹拌した試料は吸引ろ過した。ろ過液を60mL採って、指示薬にフェノールフタレインを使用して0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定し、滴定量をX2(mL)とした。
(4)下記式に基づいてH型カルボキシル基の量Z(mmol/g)、塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)、H型カルボキシル基の量の割合(%)及び塩型カルボキシル基の量の割合(%)を算出した。
H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)=[{(0.1×20)−(0.1×X2)]×(120/60)]/W2
塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)=カルボキシル基の総量Y(mmol/g)−H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)
H型カルボキシル基の量の割合(%)={H型カルボキシル基の量Z(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100
塩型カルボキシル基の量の割合(%)={塩型カルボキシル基の量U(mmol/g)]
/{カルボキシル基の総量Y(mmol/g)]×100

0077

(繊維pHの測定)
まず、0.1NのNaOHと0.1NのHClを使用して純水のpHを7.0±0.5になるように調整し、5分間沸騰し、pH標準液を調製した。次に、試料5.0gを精秤してビーカーに入れ、そこに常温まで冷却したpH標準液を50mL入れ、フタをして30分間放置した。その後、pH標準液のpHを測定機で測定し、試料のpHとした。

0078

(消臭性能)
消臭性能の評価は、社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)の消臭加工繊維製品認定基準(平成23年4月1日改訂版)で定める方法に準用して行った。ガス種としては、アンモニアを用いた。アンモニアに対する消臭性認定基準は、減少率70%以上である。なお、アンモニアの濃度の測定において、測定対象アンモニア濃度高低に応じて、GASTEC社のガス検知管3L(測定範囲0.5〜78ppm)及び3La(測定範囲2.5〜200ppm)を適宜に選択して用いた。

0079

<評価1>
具体的には、社団法人繊維評価技術評議会で規定している機器分析検知管法)に準じ、次のように評価した。所定の量の試料を5Lのテドラーバックに入れて密封した。次に、シリンジを用いて規定の初期濃度になるようにアンモニアガス3Lをテドラーバックに注入した。アンモニアガスを注入してから2時間後に、テドラーバックのアンモニアの濃度を検知管により測定した。同様に空試験を行い、下記式によりアンモニアの減少率を求めた。アンモニアの初期濃度は、100ppmであった。
減少率(%)=[(2時間後の空試験における測定値−2時間後の試料を用いた場合の測定値)/2時間後の空試験における測定値}×100
<評価2>
具体的には、社団法人繊維評価技術評議会で規定している機器分析(検知管法)に準じ、次のように評価した。所定の量の試料を5Lのテドラーバックに入れて密封した。次に、シリンジを用いて規定の初期濃度になるようにアンモニアガス3Lをテドラーバックに注入した。アンモニアガスを注入してから30分後に、テドラーバックのアンモニアの濃度を検知管により測定した。同様に空試験を行い、下記式によりアンモニアの減少率を求めた。アンモニアの初期濃度は、100ppmであった。
減少率(%)=[(30分後の空試験における測定値−30分後の試料を用いた場合の測定値)/30分後の空試験における測定値}×100

0080

染色処理
(1)試料に対して、付着オイル等を取り除くため炭酸ソーダ3g/Lにて浴比1:50、温度70℃、時間10分で染色前精練を行った。
(2)酢酸1g/Lにて浴比1:50、常温、時間10分でpH調整をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(3)カチオン染色浴(Nichilon Red TR(日成化成株式会社製)1%owfと酢酸1g/Lの組成)にて、浴比1:50、温度150℃、1時間カチオン染色を行い、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(4)ソルジンSD(日成化成株式会社製)5g/Lにて浴比1:50、温度70℃、10分間ソーピングし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(5)反応染色浴(Sumifix Supra Red 4BNF (住友ケムテックス株式会社製)1%owf、芒硝50g/L、炭酸ソーダ4g/Lの組成)にて、浴比1:50、温度50℃、1時間で反応染色をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(6)センカノールC−100(センカ株式会社製)1.5g/Lにて、浴比1:50、温度70℃、10分間ソーピングし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(7)酢酸1g/Lにて浴比1:50、常温、時間10分でpH調整をし、その後70℃で10分間湯洗を行った。
(8)送風乾燥機を使用し60℃、7時間で乾燥させた。

0081

洗濯処理
試験試料:原綿
洗濯方法:JIS L 0217(103)に準じて行った。
使用洗剤:中性洗剤(JAFET標準洗剤)
洗濯回数:10回

0082

(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸の含有率)
(1)試料(アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5ml程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させた。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7ml程度の重水に溶解した。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、アクリル酸成分とマレイン酸成分の組成比を求めた。測定回数は16回とし、平均値を求めた。

0083

(スチレン−マレイン酸共重合体塩中のマレイン酸の含有率)
(1)試料(スチレン−マレイン酸共重合体塩を含む水溶液)4〜5ml程度をガラス製のバイアル瓶に入れて、110℃で20時間加熱して乾燥させた。
(2)約50mg程度の乾燥試料を約0.7ml程度の重水に溶解した。
(3)試料の重水溶液に対してFT−NMR装置(日本電子株式会社製、JMTC−300/54/SS)を用いて1H−NMR分析を行い、高分子主鎖中のメチレン基炭素とメチン基炭素の存在比率から、スチレン成分とマレイン酸成分の組成比を求めた。測定回数は16回とし、平均値を求めた。

0084

(鉄の含有量の測定)
(a)繊維(原綿)を105℃で2時間定温送風乾燥機内に放置し、その後秤量瓶にいれ、デシケータに1時間入れ室温(20±5℃)になったら、絶乾質量を測定した。
(b)上記で得られた乾燥後の原綿を800℃で灰化し、灰を硝酸で溶解してJIS K 0102の吸光光度法により鉄を定量分析し、鉄の質量を算出した。
(c)下記式により、繊維中の鉄の含有量(存在量)を算出した。
鉄の含有量(質量%)=(吸光光度による鉄の質量/繊維の絶乾質量)×100

0085

(砒素の吸着試験
(a)砒素として換算した濃度が約1ppmの砒酸五価)の水溶液を原液として用いた。原液における砒素濃度を初期砒素濃度とした。
(b)原液100mLと試料1.0gをポリプロピレン容器に入れ、所定時間振盪させた後、試料を取り除き、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS、島津製作所製、「ICPM−8500」)を使用して残液中の砒素濃度を測定した。残液中の砒素濃度を吸着後砒素濃度とした。
(c)下記式により、砒素除去率を算出した。
砒素除去率(%) = 100−{(吸着後砒素濃度/初期砒素濃度)×100}

0086

0087

0088

表1の結果から分かるように、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩を用いた実施例1〜7では、紡糸性を阻害することなく、カルボキシル基を繊維に付与することができた。また、実施例1、4〜7のデータから分かるように、アクリル酸−マレイン酸共重合体を繊維中に練り込んだ実施例の再生セルロース繊維は、洗濯後においてもカルボキシル基の総量がほとんど変化せず、洗濯によるアクリル酸−マレイン酸共重合体の脱落がほぼなかった。また、実施例1、3〜5のデータから分かるように、染色・洗濯した場合においてもカルボキシル基の総量の変化は小さく、染色・洗濯によるアクリル酸−マレイン酸共重合体の脱落が少なかった。

0089

表1の結果から分かるように、洗濯後の実施例1、4、7の再生セルロース繊維のアンモニア消臭率が70%以上であり、消臭性が良好であった。また、染色・洗濯後でも、実施例1、3、7の再生セルロース繊維のアンモニア消臭率が70%以上であり、消臭性が良好であった。

0090

一方、ポリアクリル酸を用いた比較例1、及びスチレン−マレイン酸共重合体を用いた比較例2では、紡糸中に凝集物が多量に生じており、紡糸性が悪かった。また、比較例1の繊維は染色・洗濯後の消臭性が劣っており、比較例2の繊維は洗濯後及び染色・洗濯後のいずれの場合も消臭性が劣っていた。比較例3は、ビスコース液にカルボキシル基を含有する化合物を添加せず、原料ビスコースをそのまま紡糸した再生セルロース繊維であるが、このような再生セルロース繊維も、ある程度カルボキシル基を含むことは知られている。また、比較例3では、紡糸直後の繊維pHが酸性側であることから、カルボキシル基はすべてH型として存在することになる。

実施例

0091

表2の結果から分かるように、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩及び鉄イオンを含む実施例8〜11の繊維は、砒素を吸着して除去する性能が高かった。また、鉄イオンを担持した実施例8の繊維Kの方が、鉄イオンを担持していない実施例3の繊維Cと比較して、消臭性がより高かった。

0092

本発明の再生セルロース繊維は、例えば、紡績糸、編物、織物、不織布、トウ、フィラメント、中綿(詰め綿)、紙などの繊維構造物に用いることができる。また、本発明の繊維構造物は、衣料、化粧パフ、フェイスマスク、吸収体等の衛生材料、ウェットティッシュ、対人・対物ワイパー等のウェットシート、ドライシート、水解性シートドライワイパー、フィルターなどに用いることができる。

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