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技術 指用プロテクター部材

出願人 有限会社ポルテ
発明者 竹北孝文竹北昌成
出願日 2017年6月29日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2017-127772
公開日 2018年1月18日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2018-009275
状態 特許登録済
技術分野 職業用、工業用またはスポーツ用保護衣
主要キーワード 側接合片 重合一体化 素材状態 側連結片 金属薄板部分 防護構造 作業面側 合成繊維生地
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月18日)のものです。
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図面 (20)

課題

作業用手袋指サックなど、指部の自由な作業性と確実な耐針性が必要な製品に適した指用プロテクター部材を提供する。

解決手段

本願発明は、上記課題を解決するために、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを熱接着シートを介して接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化した。

概要

背景

近年、遊園地公園オフィスビルホテルショッピングセンター空港など、不特定多数の人々が利用する施設におけるゴミ回収清掃作業に関して、回収すべきゴミのなかに使用済みの注射針(特にインスリン注入器用の注射針)が含まれていることが問題となっている。すなわち、最近では在宅医療推進され、糖尿病患者自らがインスリン注入器を携帯し、外出先などでインスリン投与するケースが増えている。このような携帯型のインスリン注入器は、例えばペン型注入器の先端にA型の専用注射針を着脱可能に装着して使用するカートリッジ式キット式のものが多く、一旦使用された注射針は取り外して廃棄することができるようになっている。

この一旦使用された専用の注射針は、本来医療廃棄物として適切に保存して自宅持ち帰り、かかりつけの病院等を通して正規に廃棄してもらうのが正しい処分の仕方である。ところが、人によっては、そのような適切な処分の仕方が期待できず、外出先の上記のような施設のゴミ箱トイレなどに簡単に捨ててしまうケースも多い。特に、海外からの観光客等が多い施設にその傾向が顕著である。

このようなゴミの回収作業やトイレ等の清掃作業において、従来一般のゴム手袋軍手などを用いて作業に当たると、上記注射針が作業者の指部に刺さり、怪我をするだけでなく、肝炎等の病気罹患する危険性がある。

勿論、最近では、アラミド繊維などの高強度の合成繊維よりなる布綿を採用し、同布綿の表面の繊維をマイクロフィラメント化して高密度に絡み合わせることによって、耐切創性や耐突き刺し性を向上させた作業用手袋(たとえば特許文献1を参照)や同アラミド繊維等の高強度繊維からなる布綿と極細の繊維製編物とを多層構造に積層させることによって耐切創性や耐突き刺し性を向上させた作業用手袋(たとえば特許文献2を参照)なども提案されている。

前者の場合、表面繊維をマイクロフィラメント化した布綿自体の厚さを所定値以上に厚くすることにより、また、後者の場合、積層する布綿及び極細の繊維編み物の厚さを所定値以上に厚くすることにより、それぞれ所定のレベルの耐突き刺し性を得ることができ、柚子収穫などの針部材に対しては、一応安全な処理作業に寄与させることができる。

概要

作業用手袋や指サックなど、指部の自由な作業性と確実な耐針性が必要な製品に適した指用プロテクター部材を提供する。本願発明は、上記課題を解決するために、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを熱接着シートを介して接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化した。

目的

本願発明は、このような課題を解決するためになされたもので、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを熱接着シートを介して接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化することによって、作業用手袋の指部や指サックなどに適用可能な、指部を自由に曲げ伸ばしすることができ、かつ金属薄板により、確実に耐針性、耐突き刺し性を確保することができるようにした指用プロテクター部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置するようにし、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化してなる指用プロテクター部材。

請求項2

保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設するとともに、当該各金属薄板間から当該各金属薄板の後端側金属薄板の左右両側に掛け切り込みを設けて、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に挿入されるようにし、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が交互に上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化してなる指用プロテクター部材。

請求項3

指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数枚の金属薄板を上下2枚の合成繊維シート間に接合一体化するに際しては、上下2枚の合成繊維シートと複数枚の金属薄板との間に、それぞれ両面テープ機能のある熱接着シートを配して相互に接合し、その後、加熱溶着することによって接合一体化することを特徴とする請求項1または2記載の指用プロテクター部材。

請求項4

上下2枚の合成繊維シート間に在って指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数の金属薄板は、所定の大きさの一枚の金属薄板を必要な複数のパーツ形状部を残して枠体につながった状態でプレスカットし、該枠体付きの状態で、上記上下2枚の合成繊維シート及び熱接着シート間に配置され、上記上下2枚の熱接着シートの両面テープ機能を利用して一枚のプレート状態に接合した上でホットプレスされ、その後、耳部で所定の形状にカットするようにしたことを特徴とする請求項1または3記載の指用プロテクター部材。

請求項5

複数の各金属薄板部は、指部前方に凸の円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の指用プロテクター部材。

技術分野

0001

本願発明は、注射針等の針材に対して、耐針性および耐突き刺し性を有する指用プロテクター部材の構成に関するものである。

背景技術

0002

近年、遊園地公園オフィスビルホテルショッピングセンター空港など、不特定多数の人々が利用する施設におけるゴミ回収清掃作業に関して、回収すべきゴミのなかに使用済みの注射針(特にインスリン注入器用の注射針)が含まれていることが問題となっている。すなわち、最近では在宅医療推進され、糖尿病患者自らがインスリン注入器を携帯し、外出先などでインスリン投与するケースが増えている。このような携帯型のインスリン注入器は、例えばペン型注入器の先端にA型の専用注射針を着脱可能に装着して使用するカートリッジ式キット式のものが多く、一旦使用された注射針は取り外して廃棄することができるようになっている。

0003

この一旦使用された専用の注射針は、本来医療廃棄物として適切に保存して自宅持ち帰り、かかりつけの病院等を通して正規に廃棄してもらうのが正しい処分の仕方である。ところが、人によっては、そのような適切な処分の仕方が期待できず、外出先の上記のような施設のゴミ箱トイレなどに簡単に捨ててしまうケースも多い。特に、海外からの観光客等が多い施設にその傾向が顕著である。

0004

このようなゴミの回収作業やトイレ等の清掃作業において、従来一般のゴム手袋軍手などを用いて作業に当たると、上記注射針が作業者の指部に刺さり、怪我をするだけでなく、肝炎等の病気罹患する危険性がある。

0005

勿論、最近では、アラミド繊維などの高強度の合成繊維よりなる布綿を採用し、同布綿の表面の繊維をマイクロフィラメント化して高密度に絡み合わせることによって、耐切創性や耐突き刺し性を向上させた作業用手袋(たとえば特許文献1を参照)や同アラミド繊維等の高強度繊維からなる布綿と極細の繊維製編物とを多層構造に積層させることによって耐切創性や耐突き刺し性を向上させた作業用手袋(たとえば特許文献2を参照)なども提案されている。

0006

前者の場合、表面繊維をマイクロフィラメント化した布綿自体の厚さを所定値以上に厚くすることにより、また、後者の場合、積層する布綿及び極細の繊維編み物の厚さを所定値以上に厚くすることにより、それぞれ所定のレベルの耐突き刺し性を得ることができ、柚子収穫などの針部材に対しては、一応安全な処理作業に寄与させることができる。

先行技術

0007

特開2007−107139号公報
特開2007−321262号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところが、上記従来の構成の作業用手袋の場合には、次のような課題があった。
(1)表面繊維をマイクロフィラメント化した布綿自体の厚さを所定値以上に厚くすることにより、また、積層する布綿及び極細の繊維編み物の厚さを所定値以上に厚くすることにより、必要なレベルの耐突き刺し特性を得るようにしているため、必然的に手袋生地の厚さが厚くなって、剛性が高くなり、可撓性、柔軟性が無くなるので、操作性、作業性が悪い。
(2)インスリン注入器の専用注射針のような挿入力(突き刺し性能)の高いものには、必ずしも有効に対応できず、注射針の侵入を阻止できなかった。すなわち、耐突き刺し性はあっても、それよりも高い耐針性は期待し得なかった。

0009

なお、本願では、以下の説明においても、このインスリン注入器の専用注射針のような挿入力(突き刺し性能)の高い針材に対する高い耐突き刺し性を指して、特に「耐針性」と呼ぶことにする。
(3)上記(2)のような耐針性は、従来のような作業用手袋に限られるものではなく、たとえば点滴針を扱うときに看護師が指に装着する防護用指サックなどにも求められる。

0010

本願発明は、このような課題を解決するためになされたもので、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを熱接着シートを介して接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化することによって、作業用手袋の指部や指サックなどに適用可能な、指部を自由に曲げ伸ばしすることができ、かつ金属薄板により、確実に耐針性、耐突き刺し性を確保することができるようにした指用プロテクター部材を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

本願発明は、上記の課題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。

0012

(1)請求項1の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段における指用プロテクター部材は、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設し、それらを熱接着シートを介して接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化することにより形成されている。

0013

この指用プロテクター部材は、たとえば作業用手袋の場合であれば、当該重合一体化された2枚のインナープレートよりなるプロテクター部材を所定の作業用手袋の作業面側超高密度クロス材などの外装材と共に縫着することにより、作業用手袋として構成され、また、指サックの場合であれば、同プロテクター部材を当該指サックの内側に収納一体化して使用される。さらに、同プロテクター部材を保護すべき指面に当てて、絆創膏で止めることにより、汎用性のある指用プロテクターとして使用することもできる。

0014

すなわち、この発明の指用プロテクター部材の場合、上述のごとく、まず指部の腹面等、保護すべき指部の形状、寸法に対応した上下2枚の合成繊維シート間に指部の前後方向に複数に分割された可撓性のある複数枚の金属薄板を、指部の前後方向に当該各金属薄板の前後方向の幅よりも狭い所定の間隔をあけて並設し、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の前後の縁部同士が上下に平行に重なるように前後方向に位置をずらせて重合一体化することによって形成されている。

0015

その結果、上記上下2枚のインナープレートよりなる指用プロテクター部材は、各インナープレートの指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板の厚さが薄く、それ自体として十分な可撓性があることに加え、それぞれが相互に独立していて、相互に自由に相対移動できることから、同プロテクター部材を装着した作業者の指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりすると、それに応じて、自由、かつスムーズに追従して曲がったり、伸びたりするようになる。

0016

しかも、上記上下2枚のインナープレートにおける指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板は、それぞれその前後方向の幅よりも狭い所定の間隔をあけて並設されており、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に位置し、それら各金属薄板の前後の縁部同士が上下に重なるように前後方向に位置をずらせて重合されている。

0017

したがって、上記のように、指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりしても、相互の間に隙間ができるようなことはなく、保護面の全体に亘って確実な耐針性、耐突き刺し性を維持することができる。

0018

(2)請求項2の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段における指用プロテクター部材は、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板を、指部長手方向に当該各金属薄板の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設するとともに、当該各金属薄板間から当該各金属薄板の後端側金属薄板の左右両側に掛け切り込みを設けて、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に挿入されるようにし、それら各金属薄板の指部長手方向の縁部同士が交互に上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせてて重合一体化することにより構成されている。

0019

この指用プロテクター部材は、たとえば作業用手袋の場合であれば、当該重合一体化された2枚のインナープレートよりなるプロテクター部材を所定の作業用手袋の作業面側に超高密度クロス材などの外装材と共に縫着することにより、作業用手袋として構成され、また、指サックの場合であれば、同プロテクター部材を当該指サックの内側に収納一体化して使用される。さらに、同プロテクター部材を保護すべき指面に当てて、絆創膏で止めることにより、汎用性のある指用プロテクターとして使用することもできる。

0020

すなわち、この発明の指用プロテクター部材の場合、上述のごとく、まず指部の腹面等、保護すべき指部の形状、寸法に対応した上下2枚の合成繊維シート間に指部の前後方向に複数に分割された可撓性のある複数枚の金属薄板を、指部の前後方向に当該各金属薄板の前後方向の幅よりも狭い所定の間隔をあけて並設し、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレートを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレートを、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に、当該各金属薄板の間から当該各金属薄板の内の後端側金属薄板の左右両側に亘って設けられた切り込みを利用して斜めに挿入され、それら各金属薄板の前後の縁部同士が交互に上下に重なるように前後方向に位置をずらせて重合一体化することによって形成されている。

0021

その結果、上記上下2枚のインナープレートよりなる指用プロテクター部材は、各インナープレートの指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板の厚さが薄く、それ自体として十分な可撓性があることに加え、さらに、それぞれが相互に独立していて、相互に自由に相対移動できることから、同プロテクター部材を装着した作業者の指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりすると、それに応じて、自由、かつスムーズに追従して曲がったり、伸びたりするようになる。

0022

しかも、上記上下2枚のインナープレートにおける指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板は、それぞれその前後方向の幅よりも狭い所定の間隔をあけ、かつ当該各金属薄板の間から当該各金属薄板の内の後端側金属薄板の左右両側に亘る切り込みを設けて並設されており、一方のインナープレートの各金属薄板が他方のインナープレートの各金属薄板の間に斜めに挿入され、それら各金属薄板の前後の縁部同士が上下互い違いに重なるように前後方向に位置をずらせて重合されている。

0023

したがって、重合部の重なり状態の安定性が良く、また曲げ伸ばし性も良くなり、上記のように、指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりしても、相互の間に隙間ができるようなことはなく、保護面の全体に亘って一層確実な耐針性、耐突き刺し性を維持することができる。

0024

(3)請求項3の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段における指用プロテクター部材は、上記第1または第2の課題解決手段の構成において、指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数枚の金属薄板を上下2枚の合成繊維シート間に接合一体化するに際しては、上下2枚の合成繊維シートと複数枚の金属薄板との間に、それぞれ両面テープ機能のある熱接着シートを配して相互に接合し、その後、加熱溶着することによって接合一体化していることを特徴としている。

0025

すなわち、該発明の課題解決手段の構成によると、指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数枚の金属薄板を上下2枚の合成繊維シート間に接合一体化するに際して、まず上下2枚の合成繊維シートと複数枚の金属薄板との間に、それぞれ両面テープ機能のある熱接着シートを配して相互に接合し、複数枚の金属薄板が動かないように固定し、その上で、最終的に熱接着シートを加熱溶融することによって接合一体化するようにしているので、上記上下2枚の合成繊維シート間において指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設された複数枚の金属薄板は、最初から最後まで位置ずれすることなく、確実に上下2枚の合成繊維シート間に固定されることになる。

0026

したがって、最終的に重ね合わされる各インナープレート相互の間の金属薄板同士の位置関係も正確なものとなる。その結果、それら2枚のインナープレートを各々の金属薄板の前後両縁部が上下に重なりあうように前後方向に位置をずらせて重合した場合にも、確実な重合が可能となって、より確実な耐針面を形成することができる。

0027

(4)請求項4の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段における指用プロテクター部材は、上記第1の課題解決手段の構成において、上下2枚の合成繊維シート間に在って指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数枚の金属薄板は、所定の大きさの一枚の金属薄板を必要な複数のパーツ形状部を残して枠体につながった状態でプレスカットし、該枠体付きの状態で、上記上下2枚の合成繊維シート及び熱接着シート間に配置され、上記上下2枚の熱接着シートの両面テープ機能を利用して一枚のプレート状態に接合した上でホットプレスされ、その後、耳部で所定の形状にカットされるようになっていることを特徴としている。

0028

このような構成によると、上記上下2枚の合成繊維シート間において指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設される複数枚の金属薄板が、最初から最後まで位置ずれすることなく、確実に上記上下2枚の合成繊維シート間に熱接着シートを介して固定されることになる。

0029

したがって、最終的に重ね合わされる各インナープレート相互の間の金属薄板同士の位置関係も正確なものとなる。その結果、それら2枚のインナープレートを各々の金属薄板の前後両縁部が上下に重なりあうように前後方向に位置をずらせて重合した場合にも、確実な重合が可能となって、より確実な耐針面を有するプロテクター部材が形成されることになる。

0030

しかも、複数枚の金属薄板の製造効率が高くなる。
(5)請求項5の発明の課題解決手段
この発明の課題解決手段における指用プロテクター部材は、上記第2の課題解決手段の構成において、複数の各金属薄板部は、指部前方に凸の円弧形状に形成されていることを特徴としている。

0031

このような構成によると、十分なプロテクター機能を実現しながら、指部のより自由な曲げ伸ばしが可能となる。

発明の効果

0032

以上の結果、本願発明の指用のプロテクター部材によると、ごみ収集時等に使用される作業用手袋の指部や点滴時の注射針を扱うときの保護用指サックなどに適用可能な、屈伸性に富み、金属薄板による耐針性、耐突き刺し性に優れた信頼性の高い指用プロテクター部材を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0033

本願発明の第1の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第1のインナープレートの構成を示す平面図である。
同第1のインナープレートの裏面図である。
同第1のインナープレートの図1平面状態において上部側の合成繊維シート及び熱接着シートを剥がした状態における複数枚の金属薄板の配設状態を示す図である。
図3で剥がされた上部側の合成繊維シートの裏面側(接合面側)の構成を示す図である。
図1のA−A断面図である。
本願発明の第1の実施例に係る第1のインナープレートの複数枚の金属薄板の成形パーツ状態の構造を示す平面図である。
本願発明の第1の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第2のインナープレートの構成を示す平面図である。
同第2のインナープレートの裏面図である。
同第2のインナープレートの図7の平面状態において上部側の合成繊維シート及び熱接着シートを剥がした状態における複数枚の金属薄板の配設状態を示す図である。
図9で剥がされた上部側の合成繊維シートの裏面側(接合面側)の構成を示す図である。
図7のB−B断面図である。
本願発明の第1の実施例に係る第2のインナープレートの複数枚の金属薄板の成形パーツ状態の構造を示す平面図である。
図5の第1のインナープレートおよび図11の第2のインナープレートを重ね合わせて構成された本願発明の第1の実施例に係る指用プレート部材の構成を示す断面図である。
本願発明の第2の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第1のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第2の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第2のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第3の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第1のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第3の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第2のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第4の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第1のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第4の実施例に係る指用プロテクター部材を構成する第2のインナープレートの構成を示す平面図である。
本願発明の第3の実施例に係る指用プロテクター部材を用いて構成された本願発明の第5の実施例に係る医療用指サックの構成を示す斜視図である。
同本願発明の第5の実施例に係る医療用指サックの構成を示す断面図である。
同本願発明の第5の実施例に係る指サックに用いられている第1のインナープレートの構成を示す平面図である。
同本願発明の第5の実施例に係る指サックに用いられている第2のインナープレートの構成を示す平面図である。
同本願発明の第5の実施例に係る指サックの指サック本体を形成するベース生地及びカバー生地と第1、第2のインナープレートとの関係を示す組み付け前の平面図である。
同本願発明の第5の実施例に係る指サックの指サック本体を形成するベース生地及びカバー生地の構成を示す平面図(展開図)である。
本願発明の第5の実施例に係る指サックの耐針部を構成する第1のインナープレート内の金属薄板部分のみの構成を示す平面図である。
本願発明の第5の実施例に係る指サックの耐針部を構成する第2のインナープレート内の金属薄板部分のみの構成を示す平面図である。
本願発明の第1の実施例に係る指用プロテクター部材を用いて構成された本願発明の第6の実施例に係る作業用手袋の手の平側の構成を示す斜視図である。
同本願発明の第6の実施例に係る作業用手袋の甲部側の構成を示す斜視図である。
同本願発明の第6の実施例に係る作業用手袋の指部の構成を示す断面図である。
同本願発明の第6の実施例に係る作業用手袋の全指部に対する各プロテクター部材の対応関係と手の平部に対する超高密度クロス材の対応関係を示す正面図である。
本願発明の第4の実施例に係る指用プロテクター部材と略同様のプロテクター部材を用いて構成された本願発明の第7の実施例に係る作業用手袋の指部の構成を示す拡大平面図である。
本願発明の第8の実施例に係る指用プロテクター部材を用いて構成された医療用指サックの裏返し状態の平面図である。
同医療用指サックの断面図(図33のA−A)である。
同医療用指サックにおける第1のインナープレートの平面図である。
同医療用指サックにおける第1のインナープレートの断面図(図35のA−A)である。
同医療用指サックにおける第2のインナープレートの平面図である。
同医療用指サックにおける第2のインナープレートの断面図(図37のA−A)である。
同医療用指サックの耐針部を構成する第1のインナープレートの金属薄板の成形パーツ状態の構成を示す平面図である。
同医療用指サックの耐針部を構成する第2のインナープレートの金属薄板の成形パーツ状態の構成を示す平面図である。
同医療用指サックの第1のインナーパネルを構成する合成繊維シート部分の平面図である。
同医療用指サックの第2のインナーパネルを構成する合成繊維シート部分の平面図である。
同医療用指サックの指用プロテクター部材を構成するクロス材(基材部分)の平面図である。
同医療用指サックの指用プロテクター部材部分の平面図である。
同医療用指サックの指サック本体部分の掌側平面図である。
同医療用指サックの指サック本体部分の甲部側平面図である。
同医療用指サックの指サック本体構成する面側シートの平面図である。
同医療用指サックの指サック本体を構成する掌面側シートの平面図である。
同医療用指サックの指サック本体の一部を構成する帯部材部分の平面図である。
同医療用指サックの指サック本体部分の変形例(装着感向上例)の構成を示す平面図である。

実施例

0034

次に、添付の図面(図1図50)を参照して、本願発明の幾つかの実施例に係る指用プロテクター部材の構成と作用について、詳細に説明する。

0035

まず図1図13には、本願発明の基本となる第1の実施例に係る耐針性のあるプロテクター部材10の構成が、また図14図15には、本願発明の基本となる第2の実施例に係る耐針性のあるプロテクター部材10の構成が、また図16図17には、本願発明の基本となる第3の実施例に係る耐針性のあるプロテクター部材10の構成が、また図18図19には、本願発明の基本となる第4の実施例に係る耐針性のあるプロテクター部材10の構成が、次に図20図27には、上記第1の実施例に係るプロテクター部材10を用いて構成した本願発明の第5の実施例に係る耐針性のある医療用(点滴注射針取り扱い用)の指サックの構成が、次に図28図31には、上記第1の実施例に係る指用プロテクター部材10を用いて構成した本願発明の第6の実施例に係る耐針性のある作業用手袋の構成が、また図32には、上記第4の実施例に係る指用プロテクター部材10と略同様の構成の指用プロテクター部材10を用いて構成した本願発明の第7の実施例に係る作業用手袋の指部の構成が、さらに図33図50には、本願発明の第8の実施例に係る医療用指サックの構成が、それぞれ示されている。

0036

(1)各実施例の基本となる第1の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成と作用について
この実施例に係る指用プロテクター部材10では、まず図1図5に示すように、保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・とを有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて長手方向(前後方向)に並設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図1図2図5に示すような第1のインナープレート10Aを形成している。

0037

また、同様にして、図7図11に示すように、保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・とを有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて長手方向(前後方向)に配設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図7図8図11に示すような第2のインナープレート10Bを形成している。

0038

このように耐針性を実現するインナープレートは、この実施例の場合、少なくとも第1、第2の2枚のインナープレート10A、10Bがセットで形成され、該第1、第2の2枚のインナープレート10A,10Bを、たとえば図13(全体断面図)に示すように上下に重ね合わせ、一方側インナープレート10A(10B)の上記各金属薄板3,3・・が他方側のインナープレート10B(10A)の各金属薄板3,3・・の間に位置し、しかも、それら上下の各金属薄板3,3・・、3,3・・の前後の縁部同士が所定幅上下に重なり合うように前後方向に位置をずらせた状態で重ね合わされ、同重ね合わせ状態で、例えば所定のクロス材を介して相互に縫合(または接合)一体化することによって、最終的に所定の指用の独立した1枚のプロテクター部材10が構成されるようになっている。

0039

上記第1のインナープレート10Aには、上記第2のインナープレート10Bとの関係において、上記のような相互に位置ずれした状態での正確な重ね合わせが実現されるように、その両側部に位置して所定寸側方張り出した突片状の第1、第2、第3、第4の4組の位置決め部12、12、12、12が設けられている。

0040

また、上記第2のインナープレート10Bにも、上記第1のインナープレート10Aとの関係において、上記のような相互に位置ずれした状態での正確な重ね合わせが実現されるように、その両側部に位置して同じく所定寸法側方に張り出した突片状の第1、第2、第3、第4の4組の位置決め部12、12、12、12が設けられている。

0041

そして、各インナープレート10A、10Bは、これら第1、第2、第3、第4の4組の位置決め部12、12、12、12部分が相互に重なるように位置合わせして、重ね合わせさえすれれば、一方側インナープレート10A(10B)の上記各金属薄板3,3・・が他方側のインナープレート10B(10A)の各金属薄板3,3・・の間に位置し、しかも、それら上下の各金属薄板3,3・・、3,3・・の前後の縁部同士が所定幅上下に重なり合うように、簡単、かつ確実に重ね合わすことができる。

0042

なお、これら第1、第2、第3、第4の4組の位置決め部12、12、12、12部分は、後述する各種の実施例に示すような縫合時において、対応する所定のクロス材(図20の44a,44b、図28図32の8a,8aなど)との縫い合わせ縁部となり、また各インナープレート10A、10B同士を相互に一体に連結する連結縁部としても利用されるようになっている。そのために、特に基礎側となる上記下部側第1のインナープレート10Aには、さらに先端1a側にも同様の突片状の位置決め部11が設けられており、この部分を利用して位置合わせをした後に、相互に及び所定の対象物および外装用のクロス材に縫い付けられる(たとえば、後述する第7の実施例における図32の構成を参照)。

0043

すなわち、この指用プロテクター部材10の縫合(インナープレート10A、10Bを一体に重ね合わせた上での縫合)は、以下の各実施例に示されるように、適用される製品の形態に応じて、各種の縫合形態が採用される。

0044

そして、この指用プロテクター部材10が、例えば看護士用の点滴針取り扱い用の指サックの場合であれば、以下の第2の実施例に示すように、別途作成したクロス製指サックの内側に縫着し、その外側に、さらにシームレスタイプの指サックを被せるなどして、インナープロテクター部材として使用される。

0045

また、ごみ収集用の作業用手袋の場合であれば、以下の第6の実施例に示すように、当該指用のプロテクター部材10を保護すべき指の長さ及び幅に応じて、同指の本数分準備し、それらをアウタープロテクター部材(手袋の指部の外側に取り付けられるという意味で)として、軍手など所定の作業用手袋の作業面側(手の平側)に所定の外装材で覆う形で一体に縫い付けることにより、耐針性を有する作業用手袋として構成される。そして、該手袋は、それ自体単独で使用するようにしても良いが、必要に応じ、同手袋をインナー手袋として装着し、その上に防水性があり、洗浄も容易なアウター手袋を装着する形で使用される。

0046

また、必要な場合には、上記指用プロテクター部材10を保護すべき指部の腹面に当て、その周囲を絆創膏で止めることにより、直付けの簡便な指用プロテクターとして使用することもできるなど、耐針性、作業性の良さを生かした各種の用途に使用することができる。

0047

このような構成の指用プロテクター部材10の場合、上述のように、まず図1図5に示すように、保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・を有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて前後方向(長手方向)に並設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図1図2図5に示すような第1のインナープレート10Aが形成される。

0048

また、同様にして、図7図11に示すように、保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・とを有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて前後方向(長手方向)に配設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図7図8図11に示すような第2のインナープレート10Bが形成されている。

0049

その結果、上記第1、第2の上下2枚のインナープレート10A,10Bよりなる指用プロテクター部材10は、各インナープレート10A,10Bの指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板3,3・・の厚さが薄く、十分な可撓性があることに加え、それぞれが相互に独立していて、相互に自由に相対移動できることから、同プロテクター部材10を装着した作業者の指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりすると、それに応じて、自由、かつスムーズに追従して曲がったり、伸びたりするようになる。

0050

しかも、上記2枚のインナープレート10A,10Bにおける指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板3,3・・は、それぞれその前後方向の幅よりも狭い所定の間隔を空けて配設されており、一方のインナープレート10A(10B)の各金属薄板3,3・・が他方のインナープレート10B(10A)の各金属薄板3,3・・の間に位置し、しかも、それら各金属薄板3,3・・の前後の縁部同士が上下に所定の幅だけ重なるように前後方向に位置をずらせて重合されている。

0051

したがって、上記のように、指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりしても、相互の間に隙間ができるようなことはなく、保護すべき面の全体に亘って確実な耐針性、耐突き刺し性を維持することができる。

0052

そして、上記第1、第2のインナープレート10A,10Bを形成するに際し、それぞれ上記指の長手方向に所定の間隔を置いて並設した複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、上記上下2枚の合成繊維シート1,1と上記複数枚の金属薄板3,3・・との間に、それぞれ両面テープ機能のある熱接着シート2,2を介して相互に加熱溶着(加熱圧着)することによって接合一体化するようにしている。

0053

したがって、一体化作業が容易であるだけでなく、重合状態における相互の位置ずれが生じることもなく、確実に一体化される。

0054

また、以上の構成の場合、作業用手袋等を形成するに際しても、上記のようにして構成された指用プロテクター部材10を軍手等の手袋本体の作業面側に外装材で覆って縫い付けるだけで、耐針性、耐突き刺し性のある防護用手袋を実現することができるから、手袋自体防護構造にする場合に比べて、構成が簡単で、製造効率も高い。

0055

これらの結果、この第1の実施例による指用のプロテクター部材10によると、看護士が点滴時の注射針を扱うときの保護用指サックやごみ収集時に使用される作業用手袋の指部の保護などに適用可能な、屈伸性に富み、金属薄板による耐針性、耐突き刺し性に優れたプロテクター部材を提供することが可能となる。

0056

なお、以上の構成の場合、上記合成繊維シート1,1としては、例えば強度の高いポリエステル製のクロス材が、また熱接着シート2,2としては、例えばポリウレタン系やポリエステル系のシート状のものを採用することができる。この熱接着シート2,2は、特に限定するものではないが、一例として、たとえば厚さが70〜100ミクロン程度で、融点が100℃〜140℃程度のものが適している。

0057

さらに、上記外装材としては、例えば極細の所定の合成繊維(例えばナイロン繊維)を高密度に織編した織編生地のような、注射針等の針材に対して、十分な耐突刺性機能を有する防護用のシート材を採用することができる。

0058

また、それ以外にも、たとえばアウター手袋を使わないように構成する場合などには、強度に加えて、摩擦力が高く、滑りにくい素材のものを採用して、より作業性を向上させる構成が採用される。

0059

ところで、この実施例の場合、以上に述べたように、第1、第2のインナープレート10A,10Bは、それぞれ指部の長手方向に所定の間隔を置いて並設した複数枚の金属薄板3,3・・を上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化することにより構成されるようになっており、指の長手方向に所定の間隔を置いて並設した複数枚の金属薄板3,3・・を上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、上記上下2枚の合成繊維シート1,1と上記複数枚の金属薄板3,3・・との間に、それぞれ両面テープ機能のある上下2枚の熱接着シート2,2を介して相互に加熱溶着(加熱圧着)することによって接合一体化するようにしているが、これは、より具体的に説明すると、次のようにしてなされる。

0060

すなわち、上記第1のインナープレート10Aの複数枚の金属薄板3,3・・は、たとえば図6に示すように、1枚の長方形状成形用の金属薄板30Aを用い、これから図示のように必要な所望の形状・寸法の金属薄板(パーツ)3,3・・を材料無駄なくプレスカットして切り出すことにより形成される。しかも、この時、枠体部30bおよび左右一対の耳部(リブ細片)3a,3b、3a,3b・・を残して切り出し、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、この図6の状態のままで接合一体化される。

0061

すなわち、上記上下2枚の熱接着シート2,2は両面テープ構造となっており、図6の状態の金属薄板30Aの上下両面側に、それら熱接着シート2,2を配し、さらにその上下両面側に合成繊維シート1,1を重ねて加熱溶着すると、当該金属薄板30A上の複数枚の金属薄板3,3・・は、そのままの状態で合成繊維シート1,1間に挟着一体化される。

0062

そこで、その後、同合成繊維シート1,1が一体化された状態の金属薄板30Aをレーザー裁断機に掛けて、予めティーチングされた図1の形状の第1のインナープレート10Aに裁断する。これにより、図1及び図2のような第1のインナープレート10Aが形成される。

0063

このため、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間において指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設された複数枚の金属薄板3,3・・、3,3・・は、最初から最後まで位置ずれすることなく、確実に上下2枚の合成繊維シート1,1間に固定された状態となる。なお、図6中の符号30aは、金属材をカット(除去)した後の空間部を示している。

0064

また、同様に、上記第2のインナープレート10Bの金属薄板3,3・・の場合にも、たとえば図12に示すように、1枚の長方形状の成形用の金属薄板30Bを用い、これから図示のように必要な所望の形状・寸法の金属薄板(パーツ)3,3・・を材料無駄なくプレスカットして切り出すことにより形成される。しかも、この時にも、上記第1のインナープレート10Aの場合と同様に、枠体部30bおよび左右一対の耳部(リブ細片)3a,3b、3a,3b・・を残して切り出し、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、この図12の状態のままで接合一体化される。

0065

すなわち、上記上下2枚の熱接着シート2,2は上記のように両面テープ構造となっており、図12の状態の金属薄板30Bの上下両面側に、それら熱接着シート2,2を配し、さらにその上下両面側に合成繊維シート1,1を重ねて加熱溶着すると、当該金属薄板30B上の複数枚の金属薄板3,3・・は、そのままの状態で合成繊維シート1,1間に挟着一体化される。

0066

そこで、その後、同合成繊維シート1,1が一体化された状態の金属薄板30Bをレーザー裁断機に掛けて、予めティーチングされた図7の形状の第2のインナープレート10Bに裁断する。これにより、図7及び図8のような第2のインナープレート10Bが形成される。

0067

このため、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間において指部の長手方向に所定の間隔をあけて配設された複数枚の金属薄板3,3・・、3,3・・は、最初から最後まで位置ずれすることなく、確実に上下2枚の合成繊維シート1,1間に固定された状態となる。なお、図12中の符号30aは、金属材をカット(除去)した後の空間部を示している。

0068

したがって、以上のような構成によれば、最終的に重ね合わせて一体化される第1、第2のインナープレート10A、10B相互の間の金属薄板3,3・・、3,3・・同士の位置関係も常に正確なものとなる。その結果、それら2枚のインナープレート10A、10Bを各々の金属薄板3,3・・、3,3・・の前後両縁部が上下に重なりあうように前後方向に位置をずらせて重合した場合にも、確実な重合が可能となって、より確実な耐針面を形成することができる。

0069

さらに、この場合、上記図6図12の説明では、第1、第2のインナープレート10A、10Bを個別に一組ごとに形成する形で説明したが、それでは製作効率が悪い。

0070

そこで、実際には、これら図6および図12に示す成形用の金属薄板30A、30Bの4枚程度が1枚となった大きさの成形用金属薄板を用い、同時に2組(2枚×2)のインナープレート10A,10B、10A,10Bの製作を行うようにする。もちろん、それ以上の複数組での製作も可能である。

0071

これら成形用の金属薄板としては、あくまでも一例であるが、たとえばSUS304で、厚さが0.03mm位のものが採用される。

0072

なお、このようにして制作された上記第1、第2のインナープレート10A、10Bの基端部1b、1bには、必要に応じて、1〜5の数の指表示用の孔部13が設けられる。これは個数によって使用される指の位置を示すものであり、後述する第6、第7の実施例のように作業用の手袋を縫製する場合に有効となる。この指表示用の孔部13も、また各インナープレート10A、10B相互の位置合わせ用の基準として利用することができる。

0073

(2)第1の実施例に係る指用プロテクター部材10において、同プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープレート10A、10Bに切り込みを設けた第2の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成について
この第2の実施例に係る指用プロテクター部材10は、たとえば図14および図15に示すように、上記第1の実施例の図1及び図7の構成に対応した構成において、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの各金属薄板3,3・・、3,3・・の中間部分に、それぞれ左右方向に所定の長さの切込み1d,1d・・、1d,1d・・を設けたことを特徴とするものである。その他の構成は、同様である。

0074

上記第1の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成の場合、同プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bは、それぞれ長手方向に分割された可撓性のある複数枚の金属薄板3,3・・、3,3・・により構成されている。そして、それらが上下に重ね合わされているだけである。

0075

したがって、その周囲を相互に縫い合わせるなどして、相互に一体化したとしても、それらは相互の継ぎ目部で自由に変形屈曲し、指部に一体化した場合にも、自由に指部と共に曲げ伸ばされる。そのため、指部の関節部分での屈曲に特別な抵抗感じさせることなく、自由な作業を実現することができる。

0076

しかし、そうは言っても、上記第1、第2のインナープロテクター10A、10B内の各金属薄板3,3・・、3,3・・が、図5図11のように、強度の高い合成繊維シート1,1間に一体に熱接着されている場合、それらが2枚一体に重合されていることもあり、指の曲げ伸ばしに際しては、どうしても一定の引張り抵抗が生じ、十分に自由な曲げ伸ばしが実現できているとは言い難い。

0077

ところが、上述のように、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの各金属薄板3,3・・、3,3・・の中間部分に、それぞれ左右方向に所定の長さの切込み1d,1d・・、1d,1d・・を設けると、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bそのものが各金属薄板3,3・・、3,3・・部分で自由に折れ曲がり、引っ張り力を生じさせないので、切込み1d,1d・・がない場合に比べて、遥かに指の曲げ伸ばしが楽になる。

0078

(3)第1の実施例に係る指用プロテクター部材10において、同プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの金属薄板3,3・・、3,3・・の形状を弓形の形状に変更した第3の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成について
この第3の実施例に係る指用プロテクター部材10は、たとえば図16および図17に示すように、上記第1の実施例の図1及び図7の構成に対応した構成において、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10B内の各金属薄板3,3・・、3,3・・の形状を、それぞれ弓形の形状に変更したことを特徴とするものである。

0079

上記第1の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成の場合、プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bは、それぞれ一定の幅で左右方向にストレートに伸びる複数枚の金属薄板3,3・・、3,3・・を長手方向に複数に分割して配設しており、それらが上下に一体に重ね合わされているだけである。

0080

したがって、指部の関節部分での屈曲に特別な抵抗を感じさせることなく、自由な作業を実現することができるとは言っても、上記第1、第2のインナープロテクター10A、10B内の各金属薄板3,3・・、3,3・・が、図5図11のように、強度の高い合成繊維シート1,1間に一体に熱接着されており、それらが2枚一体に重合されている関係で、指の曲げ伸ばしに際しては、どうしても一定の引張り抵抗が生じ、十分に自由な曲げ伸ばしが実現できているとは言い難い。

0081

そこで、この第3の実施例では、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの各金属薄板3,3・・、3,3・・を、それぞれ長手方向中央部のものを除いて、上部側及び下部側の各金属薄板3,3・・、3,3・・を中央部に向けて凸となるような弓形の形状のものに変更する。

0082

このようにすると、上記第2の実施例のような、切込み1d,1d・・、1d,1d・・を設けなくても、当該プロテクター部材10を構成する第1、第2のインナープロテクター10A、10Bそのものが各金属薄板3,3・・、3,3・・部分で比較的折れ曲がりやすくなり、相対的に引っ張り力が弱くなるので、指の曲げ伸ばしが楽になる。

0083

(4)第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの各金属薄板3,3・・、3,3・・を、それぞれ長手方向中央部のものを除いて、中央部に向けて凸となるような弓形の形状のものとした第3の実施例に係る指用プロテクター部材10において、さらに上記第2の実施例のものと同様に、第1、第2のインナープロテクター10A、10Bに切り込みを設けた第4の実施例に係る指用プロテクター部材10の構成について
この第4の実施例に係る指用プロテクター部材10は、たとえば図18および図19に示すように、上記第3の実施例の図16及び図17の構成に対応した構成において、中央部のものを除いて弓形の形状にした第1、第2のインナープロテクター10A、10Bの各金属薄板3,3・・、3,3・・の中間部分に、さらに左右方向に所定の長さの切込み1d,1d・・、1d,1d・・を設けたことを特徴とするものである。

0084

このように、上述した第3の実施例のように各金属薄板3,3・・、3,3・・を弓形にして屈曲性を増大させた第1、第2のインアープレート10A、10Bに、さらに第2の実施例と同様の左右方向の切込み1d,1d・・、1d,1d・・を入れると、第1、第2のインナープロテクター10A、10Bそのものが各金属薄板3,3・・、3,3・・部分で一層自由に折れ曲がるようになり、殆ど合繊維シート1,1による引っ張り力を生じさせないので、左右方向にストレートな形状で、全く切込み1d,1d・・がない場合に比べて、遥かに指の曲げ伸ばしが楽になる。

0085

(5)第1及び第3の実施例に係る指用プロテクター部材10の基本構成を用いて構成した第5の実施例に係る医療用指サックの構成について
この実施例に係る医療用指サック40は、たとえば図20図27に示すように、指先部分保護形状が一部異なるものの、基本的には上記第1及び第3の実施例によって構成された指用のプロテクター部材10を用いて構成されている。

0086

すなわち、この医療用指サック40は、指が挿入される筒状の指サック本体部分を構成する下部側ベース生地40aと上部側カバー生地40b、これらベース生地40aとカバー生地40bよりなる筒状の指サック本体内底部に一緒に縫い合わせて固定されている指用プロテクター部材10とからなっている。

0087

ベース生地40aとカバー生地40bは、相互に上下に重ね合わされて、上部が山形に高く、下部が円弧状の断面形状をなす筒状のサック本体を形成するものであるが、これらの各生地40a、40bは、たとえば図21及び図25に示すように、先端側折り曲げ部41で相互につながっており、同部分で折り曲げて重ね合わされ、相互の間に上記指用プロテクター部材10を挟み込んで、図20に示すように周縁44a、44bを縫い合わせることによって、それぞれを一体化するようになっている。

0088

このように、ベース生地40a及びカバー生地40bが相互につながっており、それぞれの先端部(全体の中間部)で折り曲げて周縁を重ね合わせるように構成されていると、重ね合わせる時の位置合わせ、プロテクター部材10の配置が、それぞれ容易になり、正確な縫製、作業性の良い縫製が可能となる。

0089

また、ベース生地40a及びカバー生地40bは、強度が高くて、しかも縦及び横の両方向にある程度の伸縮性があるニット系の合成繊維生地が採用され、指を挿入するときに挿入しやすく、挿入後には一定の柔らかな締め付け力が維持される装着感の良いものとされている。そして、上部側のカバー生地40bには、例えば所定の形状、所定の寸法の円形の開口42,43が設けられている。

0090

この指サック40の指用プロテクター部材10の場合にも、たとえば図21図23に示すように、基本的には上記第1の実施例の図1図13に示すものと同様の構成のプロテクター部材10が採用されているが、この実施例の場合には、図21図22図23図27から明らかなように、同プロテクター部材10を構成する下部側第1のインナープレート10A、上部側第2のインナープレート10Bの構成が、上記第1の実施例の図1図13に示すものとは少し異なっている。

0091

すなわち、まず下部側第1のインナープレート10Aの場合、合成繊維シート1,1間に熱接着シート2,2を介して接合一体化される前後方向に複数枚配設された金属薄板3,3・・が、先端側のものでは、上述したベース生地40aの全体及びカバー生地40bの折り曲げ部(基端部)41の形状に対応した瓢箪形(先端3Aと後端3Bが半円状に大きくて中間に縊れ部3Cを設けたカップ形)の形状をなしており、またその他の金属薄板3,3・・は前方側に凸の円弧形状(弓型形状)をなして配設されている。

0092

また、上部側第2のインナープレート10Bの場合、前述のように合成繊維シート1,1間に熱接着シート2,2を介して接合一体化される前後方向に複数枚配設された金属薄板3,3・・が、全ての金属薄板3,3・・で同じ形状、同じ寸法に形成されているが、何れも前方側に凸の円弧形状(弓形の形状)をなして配設されている。

0093

そして、これら第1のインナープレート10A(図22)、第2のインナープレート10B(図23)が、たとえば図24に示すように、展開状態にある図25の構成のベース生地40a及びカバー生地40bの内側面に対して配設され、同配設状態で上記折り曲げ部41部分でカバー部生地40b側を内側に折り曲げ、第1のインナープレート10Aの先端側金属薄板3の先端側半円形状の部分3Aを上記中間の縊れ部3B部分で同様に折り曲げて(折り返して)、図21に示す状態まで変形させる。これにより、指部先端指先から爪部の上部を覆う上部側プロテクター部10aが形成される。

0094

その上で、上記ベース生地40a、第1のインナープレート10A、第2のインナープレート10B、カバー生地40bを外周縁部40a,40b側で相互に縫い合わせて、たとえば図20図21のように、指の腹部および指先の上下に複数枚の上下に重なり合う金属薄板3,3・・によって対針機能が付与された指サック40を構成する。

0095

このような構成の医療用指サック40によると、同指サック40に耐針防護が必要な指を入れ、その上からシームレス構成の通気性のある指カバーを装着するなどすれば、見栄えも良く、自由な作業ができる耐針プロテクター機能を持った指サックとなる。したがって、点滴用の針の装着、付け替えなどを行う看護士の作業用指サックとして有効なものとなる。

0096

(6)第1の実施例に係る指用プロテクター部材10を用いて構成した第6の実施例に係る作業用手袋50の構成について
この実施例は、たとえば図28図31に示すように、上記第1の実施例によって構成された指用のプロテクター部材10を用いて、インスリン注入器用の注射針等を含むゴミの回収作業その他の用途に安心して使用することができる作業用の手袋50を構成したことを特徴としている。

0097

この実施例に係る作業用手袋50は、たとえばアラミド繊維等の高機能繊維により織編された軍手タイプの作業用手袋本体50Aを利用し、該作業用手袋本体50Aの指部51〜55(親指から小指)の腹部面(必要な防護面)に対して、それぞれ上述した第1の実施例に係るものと同様の構成の指用プロテクター部材10,10・・を外部カバーとしての超高密度クロス材8、8・・で覆って一体に縫い付けることにより、たとえばインスリン注入器用の注射針等に対して有効な耐針性のある作業用手袋として構成されている。

0098

すなわち、この実施例の場合、符号50Aは、一例として、アラミド繊維等の高機能繊維により織編された軍手タイプの作業用の手袋本体であり、この手袋本体50Aは、たとえば図28図29に示されるように、一例として芳香族ポリアミド樹脂を素材として編まれたニット製の手袋(例えば軍手構造のケブラー手袋など/ケブラーは米デュポン社の登録商標)であり、親指部51〜小指部55から、手の平部(部)56a、甲部56b、手首部57までの全体に亘って、耐切創性があり、強度が高くて、軽量、かつ熱安定性も高い特徴を有している。そして、その手首部57の開口部にはゴムが織り込まれている。

0099

この手袋本体50Aの作業面(手の平面)の内、たとえば図28図29に示す各指部51〜55の腹部面には、上述した第1の実施例に係るものと同様の指用プロテクター部材10,10・・が全体に亘って当接されるとともに(図31を参照)、その外周面側には、さらに2枚の超高密度クロス材8,8が当接重合され(図30を参照)、それらが重合状態で一体に縫い付けられている(同じく図30を参照)。この縫い付け方法には、強度の高い千鳥構造の縫い付け方法が採用されている(図28を参照)。

0100

また、この各指部51〜55の基部から後端側(手首側)の手の平部(掌部)56a部分には、上記指用プロテクター部材10,10・・の基端部1b,1b・・側に所定幅だけ重なる形で延設された2枚の内面側超高密度クロス材8,8が設けられており(同じく図30を参照)、この超高密度クロス材8,8は、上記外面側の超高密度クロス材8,8と4層に重合される形で、手の平部(掌部)56a面全体に広く延設して、手袋本体50Aの手の平側ニット材61(62は甲部56b側のニット材を示す)に対してZ形ステッチ60,60・・を掛ける形で縫い付けられている(図28および図31を参照)。

0101

これにより、たとえば図30に示されるように、当該手袋本体50Aの指部51〜55及び掌部56面全体が2層及び4層構造の超高密度クロス材8,8、8,8でカバーされている。

0102

この結果、上記作業用手袋50は、その手袋本体部50Aの各指部51〜55部分が、たとえば図30および図31に示されるように、上記十分な対針性のある指用プロテクター部材10,10・・で有効に保護されるようになり、また、手の平部(掌部)56a部分が4層構造の超高密度クロス材8,8、8,8で保護されるようになる。

0103

なお、図31の構成では、構成を分かりやすくするために、各指部51〜55のプロテクター部材10,10・・および手の平部(掌部)56aにおける外装側2枚の超高密度クロス材8,8を除去した素材状態で示している。

0104

したがって、この作業用手袋50を用いてゴミの回収等の作業をする場合、指部51〜55部分は上下2層で、相互に重なり合った複数枚の金属薄板3,3・・、3,3・・よりなり、相互の間で指関節の自由な曲げ伸ばしが可能でありながら、確実な耐針性のある作業が可能となり、また、手の平部(掌部)56aについても、手袋本体50Aの全体が、強度が高くて、耐切創性に優れた芳香族ポリアミド樹脂が採用されていることに加えて、さらに4層構造の超高密度クロス材8,8、8,8でカバーされて、さらに耐切創性、耐突き刺し性が高くなり、より安全な作業が可能となる。

0105

なお、この実施例において、および超高密度クロス材8,8、8,8を手袋本体50Aに縫い付けるについては、たとえば図28図30図31に示すようにして縫い付けられる。

0106

すなわち、上述した手袋本体50Aの各指部51〜55の腹部面に対して上記第1、第2のインナープレート10A、10Bを当接させ、その上に上述した超高密度クロス材8,8をカバーさせる形で重ね合わせ、その外周縁部(縫い付け縁部)8a,8aを千鳥形状に縫い付けて行って一体化する(図28の符号15部分を参照)。また、プロテクター部材10が配置されない手の平部分(掌部分)56aでは、符号60,60,60で示すようなステッチを掛けて、各指のプロテクター部材10,10・・基端部1b,1b・・との連結を図るとともに、面責の広い内外4層の超高密度クロス材8,8、8,8の重ね合わせ部分を重合一体化している。

0107

これにより、たとえば図30に示すように、手袋本体50Aの親指51から小指55までの各指の腹部面が、上述したインスリン注射針などに対して耐針性の高いプロテクター部材10,10・・で確実に保護され、又その他の手の平部分(掌部分)56aが高強度で耐突き刺し性、耐切創性のある4層構造の超高密度クロス材8,8、8,8で保護された信頼性の高い作業用手袋50を得ることができる。

0108

なお、この実施例では、上記第1の実施例によって構成された指用のプロテクター部材10を用いて作業用の手袋を構成したが、これは第2、第3、第4の何れの実施例の何れのプロテクター部材10,10・・を用いて構成しても良いことは言うまでもなく、それぞれのプロテクター部材の構成の特徴を生かした一層有効な作業用手袋を得ることができる。

0109

また、以上の説明では、手袋本体50Aについて、一例として、アラミド繊維等の高機能繊維により織編された軍手タイプの作業用手袋を例に挙げたが、この手袋本体50Aは、ニット製のものであれば、天然素材である綿製等のいわゆる軍手タイプの手袋であっても良いことは言うまでもない。綿製の場合、天然素材であるため、肌に優しく、アレルギー反応を生じさせないメリットが生じる。また、その他にも、同様の手袋本体を構成することができる各種の素材を用いることができる。

0110

また、この作業用手袋50は、それ自体(図28図29の構成のもの)を単独で使用するように構成しても良いし、この作業用手袋をインナー手袋として構成し、その上に、たとえば防水機能を持った洗浄の容易な所定の素材のアウター手袋を装着して作業をするようにして、洗浄しにくいインナー手袋の汚れを防止するとともに、より作業の安全性を高めるようにしても良い。

0111

なお、以上の構成では、統計的なデータから見て注射針が刺さる事故の多い指部を中心として、プロテクター部材10を設けるようにしているが、必要に応じて手の平部56aに対しても、例えば金属薄板を鱗状に配設するなどしてプロテクター部材とすることも可能である。

0112

この実施例の構成の作業用手袋50に対する耐針性の実験を行ったところ、同構成では、上述したインスリン注入器用の注射針だけでなく、それよりも強度の高い点滴等に使用されている30ゲージの注射針に対しても、十分な耐針性を有することが確認された(圧力をかけていくと、針の先が貫通せずに折れ曲がってしまった)。

0113

(7)第4の実施例に係る指用プロテクター部材10を用いて構成した第7の実施例に係る作業用手袋50の指部の構成(縫い付け縁部の構成)について
この第7の実施例に係る作業用手袋50の指部の構造では、たとえば図32に示すように、基本的には、上記第4の実施例の指用プロテクター部材10の場合と同様に、第1、第2のインナープレート10A、10Bについて、それぞれ使用される金属薄板3,3・・が弓型の形状のものを採用し、それら各金属薄板3,3・・の間に同様に弓形に曲がった切込み1d,1d・・(ただし、中央部のものは直線)を入れた構成のものとし、それによって指部の各関節が曲がりやすく、作業性が良いものとしている。

0114

このような作業用手袋の指用プロテクター部材10の場合、上記第6の実施例で述べたように、上述した手袋本体50Aの各指部51〜55の腹部面外周縁部に対して、超高密度クロス材8,8をカバーさせた形で、その外周縁部8a,8aを千鳥形状に縫い付けて行って一体化する(図28の符号15部分を参照)。また、手の平部分(掌部分)では、符号60で示すようなステッチを掛けて、各指のプロテクター部材10,10・・との連結を図るとともに、広い重ね合わせ部を一体化する。

0115

ところで、この場合に、上記第1、第2のインナープレート10A、10Bの各金属薄板3,3・・両側の耳部3a,3b、3a,3b・・や先端側の位置決め部11及び左右両側の位置決め部12,12、12,12が長いと、外装材である超高密度クロス材8,8の縫い付け縁部8a,8aの外周まで金属片が突出し、危険である。

0116

上記各金属薄板3,3・・両側の耳部3a,3b、3a,3b・・は、一応上記合成繊維シート1,1の両側1c、1c部分でレーザーカットされるので、問題はない。しかし、先端側の位置決め部11や左右両側の位置決め部12,12、12,12は、そのままでは縫い付け縁部8a,8aから少し突出する可能性がある。

0117

そこで、このような問題を解決するために、上記第6の実施例のような作業用手袋50として構成する時は、たとえば図32に示すように、上記先端側の位置決め部11及び左右両側の位置決め部12,12、12,12の各端部が外部に突出しないように短めにカットしたうえで、その外周側を余裕をもって縫い付けるようにする。

0118

なお、符号14は、平板上の超高密度クロス材8,8から指部の形状に応じて、超高密度クロス材8,8をルーレットカットしたカッティングラインである。

0119

(8)第8の実施例に係る医療用指サックの構成について
この第8の実施例に係る医療用指サックの指用プロテクター部材10の構造では、たとえば図33図50に示すように、基本的には、上記第4の実施例の指用プロテクター部材10(図18の10A、図19の10B)の場合と同様に、第1、第2のインナープレート10A、10Bについて、それぞれ使用される金属薄板3,3・・が曲げ伸ばしが容易な弓型の形状(指部前方に凸、後方に凹の円弧形状)のものを採用し、それら各金属薄板3,3・・の中間に同様に前方に凸の弓形に曲がった切り込み1d,1d・・を入れた構成のものとしているが、特に該左右方向の切り込み1d,1dに加えて、さらに指部後方側の金属薄板3,3・・の左右両側にも連続する形で切り込み1e,1eを入れることによって、全体としてコの字形の切り込みとし、各金属薄板3,3・・が互に相手側の切り込み内に挿入されて交互に重なり合う形で個別に重合するようにし、それによって後端側と前端側および前端側と後端側で互に重なり合う第1、第2のインナープレート10A、10Bの各金属薄板3,3・・部分の相対移動の自由度をさらに高くしている。

0120

すなわち、この実施例の場合、第1、第2のインナープレート10A、10Bの各金属薄板3,3・・の後端側と前端側および前端側と後端側を相互に重なり合わせるに際しては、上記のような構成の複数枚の金属薄板3,3・・を備えた第1、第2のインナープレート10A、10Bを、上述した各実施例のように、単に金属薄板3,3・・の位置を相互にずらせて上下に平行に重ねるだけではなくて、一方のインナープレート10A又は10Bの各金属薄板3,3・・を上記形態の切り込み1d,1e,1eを利用して他方のインナープレート10B又は10Aの各金属薄板3,3・・の間(前後の金属薄板3,3間)に斜めに挿入し、それら各金属薄板3,3・・、3,3・・の前後の縁部同士が上下互い違いに重なるように構成している。

0121

そして、それによって上下金属薄板3,3・・、3,3・・相互のより自由な相対移動を実現し、プロテクター部材10装着時における指部の各関節部分が、より自由に曲がりやすく、作業性が良いものとしているとともに、曲がった部分での金属薄板3,3・・同士のより確実な重なり状態を維持できるようにしている。

0122

先ず、図33および図34は、上述した第5の実施例の場合と同様に、医療用の指サック(ナースキャップ)として構成された本実施例における指用プロテクター部材10の全体的な構成を示しており、同指用プロテクター部材10は、指サック(指挿入体)60の腹部面側に一体に取り付けられるようになっている。

0123

同指用プロテクター部材10は、それぞれ複数枚の金属薄板3,3・・を備えた第1のインナープレート10A(図35図36参照)と第2のインナープレート10B(図37図38参照)とからなり、これら第1、第2のインナープレート10A,10Bを、図33および図34に示すように、一方のインナープレート10A又は10Bの各金属薄板3,3・・が他方のインナープレート10B又は10Aの各金属薄板3,3・・の間に所定の長さ挿入されるようにし、それら各金属薄板3,3・・、3,3・・の指部長手方向の縁部同士(前縁部と後縁部および後縁部と前縁部))が上下に重なった状態で重合一体化されるようになっている。

0124

第1のインナープレート10Aは、例えば図41に示すような、切込み1d,1e,1e、1d,1e,1e・・を形成した保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・(図示省略)と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・とを有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて長手方向(前後方向)に並設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図35および図36に示すような第1のインナープレート10Aを形成している。

0125

上記複数枚の金属薄板3,3・・は、例えば図39に示すように、1枚の長方形状の成形用の金属薄板30Aを用い、これから図示のように必要な所望の形状・寸法の金属薄板(パーツ)3,3・・を材料無駄なくプレスカットして切り出すことにより形成される。しかも、この時、枠体部および左右一対の耳部(リブ細片)・・を残して切り出し、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、この図39の状態のままで接合一体化される。これらの構成及び作用は、前述の第1の実施例の場合とまったく同様である。

0126

そして、この実施例の場合、上記上下2枚の合成繊維シート1,1には、例えば図35図36図41に示すように、上記のように熱接着シート2,2・・を介して挟みこまれる複数枚の金属薄板3,3・・部分の曲げ変形が一層自由になるように、左右両方向の円弧上の切り込み1dに加えて、さらに左右両側に前後方向の切り込み1e,1eが形に連続する形で設けられており、それらが相互に連続して全体として前方に凸の弓形コの字状の切り込み1d,1e,1eを形成している。そして、この前方に凸の弓形コの字状の切り込み1d、1e,1eの内側に位置して、金属薄板3,3・・の挟み込み部1fが形成され、同挟み込み部1f部分の前端側および左右両側に熱接着用の縁部を残して金属薄板3,3・・がシール状態で保持されている。なお、図36では、煩雑さを避けるために、上記複数枚の金属薄板3,3・・間の中間位置(熱接着シート2,2・・中間位置)において形成されている上記左右の切り込み1d、1d・・の表示を省略している。

0127

第2のインナープレート10Bは、例えば図42に示すような、切り込み1d,1e、1e、1d,1e,1e・・を形成した保護すべき指部の腹部面の形状及び寸法(長さ・幅)に対応した上下2枚の合成繊維シート1,1と、該上下2枚の合成繊維シート1,1の間に配設された同様の形状及び寸法(前後方向の幅及び左右方向の長さ)の上下2枚の熱接着シート2,2・・(図示省略)と、該上下2枚の熱接着シート2,2の間に位置して、その長手方向(前後方向)に所定の間隔を置いて並設された前後方向に所定の幅及び左右方向に所定の長さを有する耐針性のある複数枚の金属薄板3,3・・とを有し、これら上下2枚の合成繊維シート1,1、上下2枚の熱接着シート2,2、複数枚の金属薄板3,3・・の相互の位置を正確に位置決めし、上下に確実に重ね合わせた状態に置いて、ホットプレス機に掛けて加熱圧着し、上記上下2枚の熱接着シート2,2・・部分を溶融させることによって、上記所定の間隔を置いて長手方向(前後方向)に並設された複数枚の金属薄板3,3・・を上記上下2枚の合成繊維シート1,1によって確実に挟み込んで1枚のプレート状態に接合一体化し、それによって、図37および図38に示すような第2のインナープレート10Bを形成している。

0128

この第2のインナープレート10Bの場合にも、上記複数枚の金属薄板3,3・・は、たとえば図40に示すように、1枚の長方形状の成形用の金属薄板30Bを用い、これから図示のように必要な所望の形状・寸法の金属薄板(パーツ)3,3・・を材料無駄なくプレスカットして切り出すことにより形成される。しかも、この時、枠体部および左右一対の耳部(リブ細片)・・を残して切り出し、上記上下2枚の合成繊維シート1,1間に接合一体化するに際しては、この図39の状態のままで接合一体化される。これらの構成及び作用は、前述の第1の実施例の場合とまったく同様である。

0129

上記第1、第2のインナープレート10A,10Bの構成及び形状は、基本的には同様であるが、第2のインナープレート10B側には、先端側に特に指先用の山形形状の広い面積の金属薄板3が設けられている。

0130

そして、この実施例の場合、上記上下2枚の合成繊維シート1,1には、例えば図37図38図42に示すように、上記のように熱接着シート2,2・・を介して挟みこまれる複数枚の金属薄板3,3・・部分の曲げ変形が一層自由になるように、左右両方向の円弧上の切り込み1dに加えて、左右両側に前後方向の切込み1e,1eが鉤形に連続する形で設けられており、それらが相互に連続して全体として前方に凸の弓形コの字状の切り込みを形成している。そして、この前方に凸の弓形コの字状の切り込み1d、1e,1eの内側に位置して、金属薄板3,3・・の挟込み部1fが形成され、同1f部分の前端側および左右両側に熱接着用の縁部を残して金属薄板3,3・・が熱シール状態で保持されている。なお、図38では、煩雑さを避けるために、上記複数枚の金属薄板3,3・・間の中間位置(熱接着シート2,2・・中間位置)において形成されている上記左右の切り込み1d、1d・・の表示を省略している。

0131

このように構成された第1、第2の2枚のインナープレート10A、10Bは、一方側インナープレート10A(又は10B)の上記合成繊維で包まれた平面コの字状の各金属薄板3,3・・が他方側のインナープレート10B(又は10A)の同様の形状の各金属薄板3,3・・の間に同様のコの字状の切り込み1d、1e,1e、1d、1e,1e・・を利用して挿入され、それら相互の各金属薄板3,3・・、3,3・・の前後の縁部同士が所定幅相互に重なり合う状態で重ね合わされ(図33および図34の重なり状態を参照)、同重ね合わせ状態で、例えば図43に示すような形状の所定のクロス材6に対して、図44のように、左右両側部4,4および前端部5部分を縫い合わせることによって、所定の指用の独立した1枚のプロテクター部材10が構成される。

0132

この図44の状態の指用プロテクター部材10は、半製品ではあるが、汎用性のある半製品として、本実施例のような医療用指サックとしてだけでなく、手袋用の指プロテクターその他の各種の用途に使用することが可能である。したがって、上記クロス材6の材質および形状は、その様な使用すべき用途に応じて所望のものが選ばれる。

0133

この実施例の場合には、上記クロス材(プロテクター取り付け基材)6は、例えば図45および図46に示すような裏返し状態の指サック70の腹部面に一体に取り付けて医療用指サックを形成するようになっており、そのために繊維材として、例えば弾力性のあるポリエステルメッシュ滑り止め機能の或るポリウレタンシートを重合したものが採用されており、その前端側には後述する指サック(指サック本体:指挿入用の袋部)70の掌面側シート9の前端9a側との連結片接合片)6aが、また後端側には後述する指サック70の掌面側シート9の後端9bとその掌面側帯部材91との間に挿入されて熱溶着される接合片6bが設けられている。

0134

一方、指サック(指サック本体)70は、例えば図45(掌面側)および図46(甲部面側)に示すように、図47に示す形状の掌面側シート9と図48に示す形状の甲部面側シート18を周囲に熱接着シートを介して相互に重ね合わせ、後端側開口面を除いて、その周囲を熱溶着するとともに縫い合わせることにより、指を挿入することができる指袋状に形成されている。そして、その掌面側シート9の掌面側後端部には、上記クロス材6の後端側接合片6bを挿入して一体に熱溶着する図49に示す帯部材91が設けられている。また、上記掌面側シート9の後端側縁部は、上記甲部面側シート18とは異なり、台形状に所定幅後方に延出されている。

0135

帯部材91は、図45に示すように、その左右両端91c、91c側を上記掌面側シート9と甲部面側シート8と共に相互に重ね合わせて縫い合わされており、その内面側には熱接着シートが設けられている。そして、その前端側縁部は円弧状に所定幅前方に延出されている一方、後端側縁部は上記掌面側シート9の後端側縁部に合わせて台形状に所定幅後方に延出されている。

0136

そして、上記のように指用プロテクター部材10を縫着一体化したクロス材6は、その先端側連結片6aを上記指サック60の掌面側シート9の前端に接合されたのち、上記甲部面側シート18の前端18aとの間に縫着されて連結されるとともに、当該連結片6aの中間部分で後方に折り返されて、上記指サック70の掌面側シート9の掌面側に重合され、その後、その後端側接合片6bを熱接着シートを備えた帯部材91内に挿入し、掌面側シート9、後端側接合片6b、帯部材91の相互に対応する全面を熱溶着することにより上記指サック70の掌面側シート9の掌面に接合一体化する。そして、必要に応じ、さらに帯部材91の前縁部分を上記クロス材6の後端側接合縁部6bと共に上記指サック60側に縫いつける。これにより、より強固に一体化される。

0137

なお、上記指サック70の掌面側シート9、甲部面側シート18、帯部材91には、それぞれ例えばパワーガ—ドルなどで使用されている弾力性(伸縮性)のあるポリエステルメッシュが採用される。

0138

これらの結果、例えば図33および図34に示すように、上記指サック70の掌面側シート9の掌面側に、上記プロテクター部材10の甲部面側が重合一体化された医療用指サックが実現される。なお、この図33及び図34の状態は、当該医療用指サックの内側プロテクター部材10を露出させた内側面を示す裏返し状態の図面であり、実際の使用状態では、上記指サック70部分が現在の状態から逆に裏返され、当該指サック(指サック本体)70内の腹部面側にプロテクター部材10がクロス材6でカバーされた状態で位置する、前記図20の医療用指サック40と略同様な状態の構成体となる。

0139

したがって、同状態において、上記のようにクロス材6が弾力性のあるポリエステルメッシュに対して滑り止め機能の高いポリウレタンシートを重合した柔軟で、しかも滑り止め機能のあるクロス材となっていると、装着した指の滑りがなくなり、特に作業性の良いものとなる。

0140

また、指への装着感(フィット感)を向上させるための構成として、例えば図50に示すように、当該指サック70の第1関節と第2関節の間の間隔を所定寸法絞り狭窄部18c、18cを形成)、同部分に図示のような両端側に比べて中央部の幅が狭くなる形で、ポリウレタンシート18dを熱接着し、同部分の伸縮度を部分的に小さくすることにより、同部分の指に対するバインディング力を高めるなどの構成も必要に応じて採用される。この場合、当然ながら、指サック70内部の指用プロテクター部材10の形状も略同様の形状に絞られる。

0141

本実施例における指用プロテクター部材10は、以上のように、保護すべき指部に対応する上下2枚の合成繊維シート1,1間に指部長手方向に複数に分割された可撓性のある金属薄板3,3・・を、指部長手方向に当該各金属薄板3,3・・の指部長手方向の幅よりも狭い間隔をあけて配設するとともに、当該各金属薄板3,3・・間から当該各金属薄板3,3・・の後端側金属薄板3,3.・・の左右両側に掛けて切り込み1d,1e,1eを設けて、それらを接合一体化することによって1枚のインナープレート10A,10Bを形成するとともに、該インナープレートを少なくとも2枚用い、該2枚のインナープレート10A,10Bを、一方のインナープレート10A(10B)の各金属薄板3,3・・が他方のインナープレート10B(10A)の各金属薄板3,3・・の間に挿入されるようにし、それら各金属薄板3,3・・の指部長手方向の縁部同士が交互に上下に重なるように指部長手方向に位置をずらせて重合一体化することにより構成されている。

0142

その結果、上記上下2枚のインナープレート10A,10Bよりなる指用プロテクター部材10は、各インナープレート10A,10Bの指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板3,3・・の厚さが薄く、それ自体として十分な可撓性があることに加え、さらに、それぞれが相互に独立していて、相互に自由に相対移動できることから、同プロテクター部材10を装着した作業者の指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりすると、それに応じて、自由、かつスムーズに追従して曲がったり、伸びたりするようになる。

0143

しかも、上記上下2枚のインナープレート10A,10Bにおける指の長手方向に並設された複数枚の金属薄板3,3・・は、それぞれその前後方向の幅よりも狭い所定の間隔をあけ、かつ当該各金属薄板3,3・・の間から当該各金属薄板3,3・・の内の後端側金属薄板3,3・・の左右両側に亘る切込み1d,1e,1eを設けて並設されており、一方のインナープレート10A(10B)の各金属薄板3,3・・が他方のインナープレート10B(10A)の各金属薄板3,3・・の間に斜めに挿入され、それら各金属薄板3,3・・の前後の縁部同士が上下互い違いに重なるように前後方向に位置をずらせて個別に重合されている。

0144

したがって、重合部は実質的に日本瓦を重ねたような前後3枚重ねの重なり状態となり、重なり状態の安定性が良く、また曲げ伸ばし性も良くなり、上記のように、指が各関節部分で折り曲げられたり、伸ばされたりしても、相互の間に隙間ができるようなことはなく、保護面の全体に亘って一層確実な耐針性、耐突き刺し性を維持することができる。
また、同指用プロテクター部材10では、複数の各金属薄板3,3・・が、それぞれ指部前方に凸の円弧形状に形成されている。したがって、十分なプロテクター機能を実現しながら、指部のより自由な曲げ伸ばしが可能となる。

0145

そして、この指用プロテクター部材10は、たとえば作業用手袋の場合であれば、当該重合一体化された2枚のインナープレート10A,10Bよりなるプロテクター部材を所定の作業用手袋の作業面側に超高密度クロス材などの外装材と共に縫着することにより、作業用手袋として構成され、また、指サックの場合であれば、同プロテクター部材を当該指サック60の内側腹部面側にポリエステルメッシュ等(必要に応じてポリウレタンシートを重合)のクロス材6を介してカバーし、収納一体化して使用される。

0146

さらに、同プロテクター部材10を保護すべき指面に当てて、絆創膏で止めることにより、汎用性のある安価な指用プロテクターとして使用することもできる。

0147

1は合成繊維シート、1dは切込み、2は熱接着シート、3は金属薄板、3a,3bは金属薄板3の耳部、8は超高密度クロス材、9は掌面側シート、10は指用プロテクター部材、10Aは第1のインナープレート、10Bは第2のインナープレート、11は位置決め部、12は位置決め部、13は指表示用の孔部、18は甲部面側シート、30Aは成形用の金属薄板、30bは枠体部、40は指サック、40aはベース生地、40bはカバー生地、50は作業用手袋、50Aは手袋本体、51〜55は指部、56aは手の平部(掌部)、56bは甲部、57は手首部、70は指サック(指サック本体)である。

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