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図面 (8)

課題

体液性応答誘導することができる組成物の使用、及び体液性免疫応答によって改善される疾患、障害又は病気処置における組成物の使用方法の提供。

解決手段

リポソーム、体液性免疫応答を誘導することができる抗原疎水性物質連続相を含む担体、及びtoll様受容体2(TLR2)を活性化するか又はその活性を増加させるアジュバントを含む組成物。

概要

背景

ワクチン接種によって誘導される免疫応答は、体液性または細胞性の型に大きく分類
ることができる。体液性応答ウイルスまたは細菌の侵入者から保護することが一般的に
求められるが、ウイルス感染細胞およびがん細胞に対する免疫は細胞媒介性の応答を一般
的に含む。体液性免疫B細胞による高レベル抗体産生象徴されるが、細胞性免疫
細胞毒性CD8Tリンパ球活性化の増加を特徴とする。

ワクチンによって誘導される免疫の型は、ワクチンに含まれるアジュバントの型に大き
く依存する。パルミチン酸に基づくアジュバント、例えばジパルミトイル−S−グリセリ
ル−システイン(PAM2Cys)およびトリパルミトイル−S−グリセリル−システイ
ン(PAM3Cys)およびその変異体は、様々な抗原に対して体液性および細胞性の応
答を強化することが報告されている。実用上の理由で、そのようなアジュバントの溶解性
は、親水性非免疫原性アミノ酸残基(例えばリシン)の添加で一般的に向上させられて
いる。そのようなアジュバントは抗原と混合されるが、多くの場合、パルミチン酸ベース
のアジュバントは対象へ投与する前に抗原と共有結合されている。パルミチン酸アジュバ
ントは、担体としてリポソームを用いて抗原と同時送達されてもいる。タンパク質ベース
および炭水化物ベースの抗原は、抗体およびT細胞応答を生成するためにパルミチン酸ア
ジュバントと結合されている。がん適用のためのパルミチン酸アジュバントの使用は十分
記述されており、活性は細胞性応答によって主に媒介される。

パルミチン酸誘導体はB細胞を増殖させ、アイソタイプスイッチングを誘導し、IgG
分泌形質細胞へのヒトBリンパ球分化を誘導し、いくつかの副刺分子MHCI、
II、CD80など)の発現を増加させることが知られているが、抗体応答を誘導するパ
ルミチン酸アジュバントの報告は、抗体応答を強化することができるというものから、そ
のような応答を生成するために特に有益でないというものまで文献によって異なっている

概要

体液性応答を誘導することができる組成物の使用、及び体液性免疫応答によって改善される疾患、障害又は病気処置における組成物の使用方法の提供。リポソーム、体液性免疫応答を誘導することができる抗原、疎水性物質連続相を含む担体、及びtoll様受容体2(TLR2)を活性化するか又はその活性を増加させるアジュバントを含む組成物。

目的

本発明は、脂質をベースとしたアジュバントを含有し、免
疫された対象で高レベルの抗体を誘導するのに特に有益であるワクチン組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

リポソーム体液性免疫応答誘導することができる抗原疎水性物質連続相を含む担体;およびtoll様受容体2(TLR2)を活性化するか、またはその活性を増加させるアジュバントを含む組成物

請求項2

アジュバント、好ましくは脂質をベースとしたアジュバントが、TLR2またはTLR1/2もしくはTLR2/6などのTLR2二量体を活性化するか、またはその活性を増加させる、請求項1に記載の組成物。

請求項3

アジュバントが、例えばリポアミノ酸リポグリカンリポ多糖リポタイコ酸、またはグラム陽性菌もしくはグラム陰性菌、ロドシュードモナスビリディス(Rhodopseudomonas viridis)またはマイコプラズマ細胞壁構成成分を含む、少なくとも1つの天然、合成または半合成脂質部分脂質構成成分またはその類似体もしくは誘導体を含む化合物である、請求項1または2に記載の組成物。

請求項4

アジュバントが、PAM2Cys−Ser−(Lys)4、PAM3Cys−Ser−(Lys)4、PAM3Cys−SKKKK(β照射)、R−PAM3Cys−SKKKK、S−PAM3Cys−SKKKK、PAM3Cys−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK(ローダミン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK−FLAG−タグ、PHC−SKKKK、PHC−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SSNAKDQLSSDVQT、PAM3Cys−SSNKSTTGSGETTTA、PAM3Cys−SSTKPVSQDTSPKPA、PAM3Cys−SSGSKPSGGPLPDAK、PAM3Cys−SSGNKSAPSSSASSS、PAM3Cys−GSHQMKSEGHANMQL、PAM3Cys−SSSNNDAAGNGAAQT、PAM3Cys−KQNVSSLDEKNSVSV、PAM3Cys−NNSGKDGNTSANSAD、PAM3Cys−NNGGPELKSDEVAKS、PAM3Cys−SQEPAAPAEATPAG、PAM3Cys−SSSKSSDSSAPKAYG、PAM3Cys−AQEKEAKSELDYDQT、PAM2Cys−SKKKK(RRおよびRS立体異性体の混合物)、R−PAM2Cys−SKKKK(RR立体異性体)、S−PAM2Cys−SKKKK(RS立体異性体)、PAMCys(PAM)−SKKKK、PAM2Cys−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)−NH2、PAM2Cys−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)−NH2、PAM2Cys−SKKKK(ローダミン−Aca−Aca)−NH2、PAM2Cys−SKKKK−FLAG−タグ、PAM−Dhc−SKKKK、PAM−CSKKKK、PAM−Dhc−GDPKHPKSF、PAM−CGDPKHPKSF、FSL−1(Pam2CGDPKHPKSF)、FSL−1−Ala、マクロファージ活性化リポペプチド−2(MALP−2)、M.スメグマチス(M. smegmatis)からのリポアラビノマンナン(LAM−MS)、M.スメグマチス(M. smegmatis)からのリポマンナン(LM−MS)、P.ジンジバリス(P. gingivalis)からのリポ多糖(LPSPG超高純度)、枯草菌(B. subtilis)(LTA−BS)もしくは黄色ブドウ球菌(S. aureus)(LTA−SA)からのリポタイコ酸、またはその誘導体もしくは類似体であるか、またはグラム陽性菌もしくはグラム陰性菌の細胞壁構成成分を含む加熱死菌である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。

請求項5

アジュバントがパルミチン酸アジュバントである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。

請求項6

アジュバントがジパルミトイル−S−グリセリルシステイン(PAM2Cys)またはトリパルミトイル−S−グリセリル−システイン(PAM3Cys)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。

請求項7

アジュバントがPAM2Cys−Ser−(Lys)4またはPAM3Cys−Ser−(Lys)4である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。

請求項8

抗原がポリペプチドまたは炭水化物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。

請求項9

抗原がB細胞エピトープまたは複数のB細胞エピトープを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。

請求項10

B細胞エピトープが、例えばインフルエンザウイルス百日咳菌(Bordetella pertussis)または炭疽菌(Bacillus anthracis)を含むウイルスまたは細菌に由来する、請求項9に記載の組成物。

請求項11

B細胞エピトープが、H5N1インフルエンザウイルスの血球凝集素タンパク質のエピトープ、百日咳トキソイドタンパク質のエピトープまたは炭疽菌組換え防御抗原のエピトープである、請求項10に記載の組成物。

請求項12

抗原が、感染性疾患と関連する抗原;膜表面に結合したがん抗原;毒素花粉などのアレルゲン;または循環中の抗原、例えばアミロイドタンパク質を隔離することが望ましい疾患と関連する抗原である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。

請求項13

抗原がリポソームに封入されるか、抗原とアジュバントの両方がリポソームに封入される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。

請求項14

単回投与で体液性免疫応答を誘導することが可能である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。

請求項15

体液性免疫応答によって改善される疾患または障害処置または予防のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。

請求項16

感染性疾患;膜表面に結合したがん抗原を伴うがん;または、アルツハイマー病などの、循環中の抗原を隔離することが望ましい疾患もしくは障害の処置または予防のための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。

請求項17

毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。

請求項18

請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む、体液性免疫応答によって改善される疾患または障害を処置または予防する方法。

請求項19

感染性疾患、膜表面に結合したがん抗原を伴うがん;または、アルツハイマー病などの、循環中の抗原を隔離することが望ましい疾患もしくは障害を処置または予防する方法であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。

請求項20

毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和する方法であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2011年10月6日に出願の米国特許仮出願第61/544,020号の
利益および優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本出願は、免疫された対象で抗原特異的抗体の生成を強化するワクチン組成物に関する

背景技術

0003

ワクチン接種によって誘導される免疫応答は、体液性または細胞性の型に大きく分類
ることができる。体液性応答ウイルスまたは細菌の侵入者から保護することが一般的に
求められるが、ウイルス感染細胞およびがん細胞に対する免疫は細胞媒介性の応答を一般
的に含む。体液性免疫B細胞による高レベル抗体産生象徴されるが、細胞性免疫
細胞毒性CD8Tリンパ球活性化の増加を特徴とする。

0004

ワクチンによって誘導される免疫の型は、ワクチンに含まれるアジュバントの型に大き
く依存する。パルミチン酸に基づくアジュバント、例えばジパルミトイル−S−グリセリ
ル−システイン(PAM2Cys)およびトリパルミトイル−S−グリセリル−システイ
ン(PAM3Cys)およびその変異体は、様々な抗原に対して体液性および細胞性の応
答を強化することが報告されている。実用上の理由で、そのようなアジュバントの溶解性
は、親水性非免疫原性アミノ酸残基(例えばリシン)の添加で一般的に向上させられて
いる。そのようなアジュバントは抗原と混合されるが、多くの場合、パルミチン酸ベース
のアジュバントは対象へ投与する前に抗原と共有結合されている。パルミチン酸アジュバ
ントは、担体としてリポソームを用いて抗原と同時送達されてもいる。タンパク質ベース
および炭水化物ベースの抗原は、抗体およびT細胞応答を生成するためにパルミチン酸ア
ジュバントと結合されている。がん適用のためのパルミチン酸アジュバントの使用は十分
記述されており、活性は細胞性応答によって主に媒介される。

0005

パルミチン酸誘導体はB細胞を増殖させ、アイソタイプスイッチングを誘導し、IgG
分泌形質細胞へのヒトBリンパ球分化を誘導し、いくつかの副刺分子MHCI、
II、CD80など)の発現を増加させることが知られているが、抗体応答を誘導するパ
ルミチン酸アジュバントの報告は、抗体応答を強化することができるというものから、そ
のような応答を生成するために特に有益でないというものまで文献によって異なっている

発明が解決しようとする課題

0006

したがって、様々な抗原に対して強力な体液性応答を生成するためのワクチン組成物の
開発の必要性が残されている。本発明は、脂質をベースとしたアジュバントを含有し、免
疫された対象で高レベルの抗体を誘導するのに特に有益であるワクチン組成物を提供する

課題を解決するための手段

0007

一態様では、以下を含む組成物が提供される:リポソーム;体液性免疫応答を誘導する
ことができる抗原;疎水性物質連続相を含む担体;および、例えばTLR1/2または
TLR2/6などのTLR2二量体相互作用させることによって、toll様受容体
(TLR2)の活性を活性化するか増加させるアジュバント。

0008

本明細書に記載される組成物の一実施形態では、アジュバントは脂質をベースとしたア
ジュバントである。

0009

本明細書に記載される組成物の一実施形態では、脂質をベースとしたアジュバントはパ
ルミチン酸アジュバントである。

0010

本明細書に記載される組成物の実施形態では、脂質をベースとしたアジュバントは、ジ
パルミトイル−S−グリセリル−システイン(PAM2Cys)またはトリパルミトイル
−S−グリセリル−システイン(PAM3Cys)を含むか;または、脂質をベースとし
たアジュバントは、Pam−2−Cys−Ser−(Lys)4またはPam−3−Cy
s−Ser−(Lys)4である。

0011

本明細書に記載される組成物の別の実施形態では、脂質をベースとしたアジュバントは
、合成ジアシルリポタンパクFSL−1(Pam2CGDPKHPKSF)、マイコプ
ラズマ・サリバリウム(Mycoplasma salivarium)に由来する合成リポタンパク、または
マイコプラズマ・フェルメンタンス(Mycoplasma fermentans)からのマクロファージ
性化リポペプチド(MALP−2)であるかそれらを含む。

0012

一実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1つの他の適当なアジュバントと組み
合わせた本明細書に記載されるアジュバントを含んでもよい。

0013

本明細書に記載される組成物の別の実施形態では、抗原はポリペプチドまたは炭水化物
である。

0014

本明細書に記載される組成物の一実施形態では、抗原はB細胞エピトープまたは複数の
B細胞エピトープを含む。

0015

本明細書に記載される組成物の別の実施形態では、抗原は、膜表面に結合したがん抗原
毒素花粉などのアレルゲン;またはアミロイドタンパク質である。

0016

本明細書に記載される組成物の別の実施形態では、リポソームは、リン脂質または非エ
テルコレステロールを含む。

0017

別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、単回投与で対象の体液性免疫応答
を誘導することが可能である。

0018

さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含
む、体液性免疫応答によって改善される疾患または障害処置または予防する方法を提供
する。

0019

別の態様では、本発明は、感染性疾患、膜表面に結合したがん抗原を伴うがん;または
、例えばアルツハイマー病を処置する場合のアミロイドタンパク質などの循環中の抗原を
隔離することが望ましい疾患もしくは障害を処置または予防する方法であって、本明細書
に記載される組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。

0020

別の態様では、本発明は、毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和する方
法であって、本明細書に記載される組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。

0021

本発明の一実施形態では、本明細書で言及される対象は哺乳動物である。

0022

本発明の別の実施形態では、本明細書で言及される対象はヒトである。

0023

別の態様によれば、本発明は、本明細書に記載される疾患もしくは障害を処置もしくは
予防するのに、または毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和するのに有益
キットであって、本明細書に記載される組成物およびその使用説明書を含むキットに関
する。

0024

別の態様によれば、本発明は、本明細書に記載される本発明の組成物を作製する方法に
関する。

0025

本発明の他の態様および特徴は、本発明の具体的な実施形態の以下の記載を付随図と合
わせて検討することにより、当業者に明らかになるであろう。

0026

以下の図面において、本発明の実施形態を例としてだけ図示する。

図面の簡単な説明

0027

本発明に従って作製されたワクチン(「ワクチンA」)によって生成される体液性免疫応答を例示する図である。マウスの2つの群(n=8または9)に、以下の通りにワクチン接種をした:第1群のマウスは、無水/リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンA)として製剤化された50マイクロリットル用量中の、1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのPam−3−Cys−Ser−(Lys)4の単回投与(単一用量)でワクチン接種をした。第2群のマウスは、50マイクロリットル用量の対照ミョウバンワクチンにつき1マイクログラムのrHAおよび50マイクログラムのミョウバンで処置し;ワクチン接種の28日後にマウスを追加免疫した。前記のようにELISAで体液性免疫応答を測定した。各処置群につき、エンドポイント抗体価のlog10値を平均し、各時点について標準偏差を計算した。
本発明に従って作製されたワクチン(「ワクチンB」)の単回投与の作用を例示する図である。マウスの3つの群(n=9または11)に、以下の通りにワクチン接種をした:第1群のマウスは、無水/リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンB)として製剤化された50マイクロリットル用量中の、1マイクログラムのPTおよび1マイクログラムのPam−3−Cys−Ser−(Lys)4の単回投与でワクチン接種をした。第2群および第3群のマウスは、100マイクロリットル用量の対照ミョウバンワクチンにつき1マイクログラムのPTおよび100マイクログラムのミョウバンで処置し;第2群のマウスは単回投与を受け、第3群のマウスは21日目および31日目に追加免疫した。群4群のマウスは、ワクチン接種をしないままだった。マウスはワクチン接種の56日後に百日咳菌(Bordetella pertussis)によるエアゾール接種抗原投与し、抗原投与の8日および15日後に細菌数確定した。各処置群につき、肺1つあたりのコロニー形成単位のlog10値を平均し、各時点について標準偏差を計算した。
本発明に従って作製されたワクチン(「ワクチンC」)の単回投与の作用を例示する図である。ウサギの2つの群(N=8)に、以下の通りにワクチン接種をした:第1群のウサギは、リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンC)として製剤化された100マイクロリットル用量中の、8マイクログラムのrPAおよび2マイクログラムのPam−3−Cysの単回投与でワクチン接種をした。第2群のウサギは、100マイクロリットル用量の対照ミョウバンワクチンにつき8マイクログラムのrPAおよび350マイクログラムの水酸化アルミニウムで処置し;ワクチン接種の28日および84日後にウサギを追加免疫した。前記のようにELISAで体液性免疫応答を測定した。各処置群につき、エンドポイント抗体価のlog10値を平均し、各時点について標準偏差を計算した。
抗原、リポソーム、パルミチン酸アジュバントおよび疎水性担体を特に含む本発明のワクチンAが、最大の免疫原性シミュレーションすることが可能であることを示す図である。マウスの4つの群(N=10)に、以下の通りにワクチン接種をした:第1群のマウスは、リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンA、本発明)として製剤化された50マイクロリットル用量中の、1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのPam−3−Cysの単回投与でワクチン接種をした。第2群のマウスは、50マイクロリットル用量につき1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのP3Cで処置した。第3群のマウスは、水/リポソーム/P3Cワクチンとして製剤化された50マイクロリットル用量につき1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのP3Cで処置し;第4群のマウスは、リポソーム/疎水性担体ワクチンとして製剤化された1マイクログラムのrHAで処置した。前記のようにELISAで体液性応答を測定した。各処置群につき、エンドポイント抗体価のlog10値を平均し、各時点について標準偏差を計算した。
脂質をベースとしたアジュバント(すなわちPam−3−Cys)を含む本発明のワクチンDが、不活性化ウイルスワクチン製剤への免疫応答を強化することが可能であることを示す図である。パネル(A)は単一のワクチン接種の28日後にA/PR/8/34(H1N1)インフルエンザで抗原投与したマウスの臨床スコアを、パネル(B)はその全体の生存率を示す。第1群のマウスは、50マイクロリットルの食塩水で処置した。第2群のマウスは、ミョウバンを含む50マイクロリットルの2.56×103TCID50A/PR/8/34で処置した。第3群のマウスは、リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンD)として製剤化された50マイクロリットルの2.56×103TCID50A/PR/8/34および1マイクログラムのPam−3−Cysで処置した。ウイルス抗原投与の後、各マウスの臨床徴候を10日の間毎日追跡し、身体的外観姿勢活性レベル挙動体温、体重および水分補給に基づいて評価した。12を超えるスコアのあらゆるマウス(可能性のある全18匹中)を、安楽死させた。
本発明のワクチンAが、異なるアジュバントで調製された同等のワクチン(リポソーム/IMQ/疎水性担体)より有意に強力である特定の免疫応答を刺激することが可能であることを示す図である。マウスの2つの群(N=9)に、以下の通りにワクチン接種をした:第1群のマウスは、リポソーム/P3C/疎水性担体ワクチン(ワクチンA)として製剤化された50マイクロリットル用量中の、1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのPam−3−Cysの単回投与でワクチン接種をした。第2群のマウスは、リポソーム/IMQ/疎水性担体ワクチン(対照ワクチン)として製剤化された50マイクロリットル用量につき1マイクログラムのrHAおよび1マイクログラムのイミキモドで処置した。前記のようにELISAで体液性免疫応答を測定した。各処置群につき、エンドポイント抗体価のlog10値を計算した。統計分析は、対応のないt検定で実施した、P<0.005。
Pam3CysおよびPam2Cysの両方が、B細胞の強力な増殖を誘導することが可能であることを示す図である。C57BL6マウスから精製されたB細胞は、抗Igおよび抗CD40の存在下で3つの異なる濃度のPam2Cys(A)、Pam3Cys(B)、ポリI:C(C)またはLPS(D)によってin vitroで3日の間刺激した。[3H]−チミジン取込みで増殖を測定し、1分あたりのカウント数CPM)として数量化した。N=2〜10、統計分析はANOVAによって実施した。

0028

ワクチンによって誘導される免疫の型は、ワクチンに含まれるアジュバントの型に大き
く依存する。そのような応答の大きさおよび持続時間は、用いられるアジュバントの型、
ならびに抗原およびアジュバントを免疫系に提示する組成物または方法に依存する。例え
ば、その後にin vivoで生成されて抗原提示細胞によって容易に提示される、対象
の抗原のための遺伝子を送達するために、生弱毒化ウイルスを用いることができ;の抗
原とアジュバントとがなし得るよりも優れた免疫応答を作動させるために、抗原提示細胞
へ抗原およびアジュバントを直接に同時送達するために、リポソームを用いることができ
る。

0029

本発明は、予想外に強力な抗体応答を生成するために、TLR2を活性化するか、また
はその活性を増加させるアジュバントを用いるワクチン組成物を提供する。一部の実施形
態では、本発明のワクチン組成物は、単回投与と同じくらい少ない量で対象を病原因子
ら保護することが可能であったが、本明細書の例で示すように、対照ワクチンはそのよう
抗体レベルを生成することができず、ワクチン接種した対象を同じ程度に保護すること
ができない。

0030

体液性免疫応答を誘導することができる抗原、TLR2を活性化するか、またはその活
性を増加させるアジュバント、リポソーム、および疎水性物質の連続相を含む担体を組み
合わせた本発明の組成物は、水性アルミニウムをベースとした対照組成物より驚くほど高
い抗体価を可能にした。さらに、本発明の組成物の単回投与はマウスを細菌抗原投与から
効果的に防御し、肺から感染を完全に除去したが、そのことは水性アルミニウムをベース
とした対照組成物では観察されなかった。

0031

本発明(例えば実施例1〜4)の記載される組成物の構成成分を用いる少なくとも1回
の免疫により、頑強持続性の体液性免疫応答を引き起こす能力は、広範囲医療用途
例えば本明細書に記載されるものでのこれらの組成物の特定の有用性を例示する。本明細
書の例で示すように、本発明の組成物は、少なくとも免疫から3週間後という早い時期に
強力で強化された免疫応答をもたらすことができ、免疫応答は長寿命であり、抗体価は免
疫から少なくとも24週間高いままである(例えば図3)。

0032

抗原、リポソーム、TLR2を活性化するか、またはその活性を増加させるアジュバン
ト、および疎水性物質の連続相を含む担体を含んでいる本発明の組成物は、頑強で持続性
の体液性免疫応答を引き起こすことができる。例えば、本明細書の実施例4に記載される
データは、第1群のマウス(本発明のワクチン)によって生成された抗体価が、リポソー
ムなし(第2群)、疎水性担体なし(第3群)、または脂質をベースとしたアジュバント
なし(第4群)の対照群のマウスによって生成された抗体価より有意に高かったことを示
す。

0033

したがって、脂質をベースとしたアジュバントを含有する本発明のワクチン組成物は、
免疫された対象で高レベルの抗体産生を伴う強力な体液性免疫応答を生成することが可能
である。

0034

本明細書に記載される組成物は、体液性免疫応答によって改善される疾患および/また
は障害(例えばB細胞および抗体産生が関与するもの)を処置するか予防するために有用
であり得る。組成物は、体液性免疫応答または抗体産生を誘導するために抗原を対象に投
与することが望まれる、あらゆる場合に適用される。

0035

本明細書で用いるように、免疫応答を「誘導する」こととは、免疫応答を導き出し、お
よび/または強化することである。免疫応答を誘導することは、前の免疫応答状態、例え
ば本発明の組成物の投与の前と比較して、免疫応答が宿主の利益になるように強化される
か、上昇するか、向上するか強化される場合を包含する。

0036

体液性免疫応答は、細胞媒介性免疫と対照的に、Bリンパ系の細胞(B細胞)で生産
れる分泌抗体によって媒介される。そのような分泌抗体は、抗原に、例えば外来物質およ
び/または病原体(例えばウイルス、細菌など)の表面の抗原に結合し、破壊のために標
識をつける。

0037

「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によって実質的
または部分的にコードされる1つまたは複数のポリペプチドを含むタンパク質である。認
知された免疫グロブリン遺伝子には、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域遺伝子
ならびに無数免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。軽鎖は、κまたはλのいずれ
かに分類される。重鎖は、γ、μ、α、δまたはεと分類され、それらは次に免疫グロ
リンクラス、IgG、IgMIgAIgDおよびIgEをそれぞれ定義する。一般的
免疫グロブリン(抗体)構造単位は、4つのポリペプチドを含有するタンパク質を含む
。各抗体構造単位は、ポリペプチド鎖の2つの同一の対で構成され、各対は1つの「軽」
および1つの「重」鎖を有する。各鎖のN末端は、抗原認識を主に担う可変領域を規定す
る。抗体構造単位(例えばIgAおよびIgMクラスのもの)は、互いとの、および、例
えばJ鎖ポリペプチドに結合するIgM五量体のように追加のポリペプチド鎖とのオリゴ
マー形に組み立てることもできる。

0038

抗体は、Bリンパ球(B細胞)と呼ばれる白血球サブセットの抗原特異的糖タンパク
質生成物である。B細胞の表面で発現される抗体による抗原の組込みは、活性化され、有
分裂を経、最後に、抗原特異的抗体の合成および分泌を専門にする形質細胞に分化する
ようにB細胞を刺激することを含む、抗体応答を誘導することができる。

0039

B細胞は免疫応答の間の抗体の唯一生産者であり、したがって効果的な体液性免疫の
鍵となるエレメントである。大量の抗体を生産することに加えて、B細胞は抗原提示細胞
役割もし、T細胞、例えばヘルパーT CD4または細胞毒性CD8に抗原を提示する
ことができ、このように免疫応答を増殖させる。B細胞、ならびにT細胞は、ワクチン効
力のために必須である適応性免疫応答の一部である。ワクチン接種または自然感染のいず
れかによって誘導される能動免疫応答の間、抗原特異的B細胞は活性化され、クローン的
に増殖する。増殖の間、B細胞は発展し、エピトープに対してより高い親和性を有する。
B細胞の増殖は、活性化ヘルパーT細胞によって間接に誘導すること、およびtoll様
受容体(TLR)などの受容体の刺激を通して直接に誘導することもできる。

0040

抗原提示細胞、例えば樹状細胞およびB細胞は、ワクチン接種部位に引き寄せられ、ワ
クチンに含有される抗原およびアジュバントと相互作用することができる。アジュバント
は細胞を刺激して活性化させ、抗原は標的の青写真(blueprint)を提供する。異なる型
のアジュバントは、異なる刺激シグナルを細胞に送る。例えば、ポリI:C(TLR3ア
ニスト)は、樹状細胞を活性化することができるがB細胞を活性化することはできない
。Pam3Cys、Pam2CysおよびFSL−1などのアジュバントは、B細胞を活
性化してその増殖を開始させるのが特に得意であり、それは抗体応答の生成を促進すると
予想される(Moyleら、Curr Med Chem、2008年;So.、J Immunol、2012年)。

0041

本明細書で用いるように、用語「抗体応答」は、対象の体内への抗原の導入に応じて起
こる、対象の体における抗原特異的抗体の量の増加を指す。

0042

抗体応答を評価する1つの方法は、特定の抗原と反応性である抗体の力価を測定するこ
とである。これは、当技術分野で公知の様々な方法、例えば動物から得られる抗体含有物
質の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いて実施することができる。例えば、特
定の抗原に結合する血清抗体の力価は、抗原への曝露の前と後の両方において対象で判定
することができる。抗原への曝露の後の抗原特異的抗体の力価における統計的に有意な増
加は、対象が抗原への抗体応答を開始したことを示すであろう。

0043

抗原特異的抗体の存在を検出するために用いることができる他のアッセイには、それら
に限定されずに、免疫学的アッセイ(例えばラジオイムノアッセイRIA))、免疫沈
降アッセイおよびタンパク質ブロット(例えばウェスタンブロット)アッセイ;ならびに
中和アッセイ(例えば、in vitroかin vivoアッセイでのウイルス伝染
の中和)が含まれる。

0044

本発明の組成物は、強力な抗体応答を刺激することによって、体液性免疫応答を誘導す
ることができる抗原と関連する疾患、障害または病気から対象を保護することが可能であ
ろう。

0045

限定せずに、これには、例えば感染性疾患、抗体によって認識される膜表面に結合した
がん抗原を伴うがん、循環中の抗原、例えばアミロイドタンパク質(例えばアルハイ
ー病)を隔離すること;抗体で毒素を中和すること;抗体でウイルスもしくは細菌を中和
すること;またはアレルギーの処置のためにアレルゲン(例えば花粉)を中和することが
望ましい疾患が含まれる。

0046

本明細書で言及する「体液性免疫応答」は、抗体産生およびそれに付随する副工程、例
えばヘルパーT2(Th2)細胞の活性化およびサイトカイン生成、アイソタイプスイッ
チング、親和性成熟および記憶細胞の活性化に関する。それは、抗体のエフェクター機能
、例えば毒素中和、古典的補体活性化、ならびに食作用および病原体除去の促進も指す。
体液性免疫応答はCD4+Th2細胞によって助けられ、したがって、この細胞型の活性
化または生成は本明細書で言及される体液性免疫応答の指標ともなる。

0047

本明細書で言及される「体液性免疫応答」は、ヘルパーT17(Th17)細胞の生成
および/または活性化を包含することもできる。Th17細胞は、IL−17、IL−1
7FおよびIL−22などの宿主防御サイトカインの分泌によって特徴づけられるヘルパ
ー−エフェクターTリンパ球のサブセットである。Th17細胞はTh1およびTh2細
胞と発生的に異なるとみなされ、体液性免疫応答を促進すると、例えば、抗微生物免疫
重要な機能を提供し、感染から保護すると仮定されている。IL−22のそれらの生成は
上皮細胞を刺激して抗微生物性タンパク質を生産させると考えられ、IL−17の生成
は、様々な細菌および真菌種による宿主感染から保護する好中球動員、活性化および移
動に関与することができる。

0048

体液性免疫応答は、有効な感染性疾患ワクチンの主な機構である。しかし、体液性免疫
応答は、がんと闘うためにも有用であり得る。がん細胞を認識して破壊することができる
細胞毒性CD8 T細胞応答を起こすように設計されるがんワクチンと異なり、B細胞に
よって媒介される応答は、一部の例では最大恩恵のために細胞毒性CD8 T細胞と協力
することができる他の機構を通して、がん細胞を標的にすることができる。B細胞によっ
て媒介される(例えば体液性免疫応答によって媒介される)抗腫瘍応答の機構の例には、
限定されずに以下のものが含まれる:1)腫瘍細胞または腫瘍形成に影響する他の細胞の
上で見出される表面抗原に結合するB細胞によって生成される抗体。例えば、そのような
抗体は、免疫系が認識することができるさらなる抗原の放出を潜在的にもたらす、抗体依
存性の細胞媒介細胞傷害性ADCC)または補体結合を通して、標的細胞の殺滅を誘導
することができる;2)腫瘍細胞の上の受容体に結合してそれらの刺激をブロックし、事
実上それらの作用を中和する抗体;3)腫瘍または腫瘍関連細胞によって放出されるかそ
れに関連する因子に結合して、がんを支えシグナル伝達または細胞経路モジュレート
する抗体;ならびに4)細胞内標的に結合し、現在未知の機構を通して抗腫瘍活性を媒介
する抗体。

0049

ワクチン接種に続く体液性免疫の誘導を実証するために、いくつかの方法を用いること
ができる。これらは、以下の検出に大きく分類することができる:i)特異的抗原提示
胞;ii)特異的なエフェクター細胞およびそれらの機能;ならびにiii)サイトカイ
ンなどの可溶性媒介物の放出。

0050

i)抗原提示細胞:樹状細胞およびB細胞(および、より低い程度でマクロファージ)
は、強化されたT細胞活性化を可能にする特別な免疫賦活性受容体を備え、プロフェッシ
ナルな抗原提示細胞(APC)と呼ばれる。これらの免疫賦活性分子(副刺激分子とも
呼ばれる)は、感染またはワクチン接種の後、CD4およびCD8細胞傷害性T細胞など
のエフェクター細胞への抗原提示の過程でこれらの細胞の上で上方制御される。そのよう
な副刺激分子(CD80、CD86、MHCクラスIまたはMHCクラスIIなど)は、
APC(樹状細胞のためのCD11cなど)を特異的に確認する抗体に加えて、これらの
分子に対する蛍光色素コンジュゲート抗体フローサイトメトリーを用いて検出すること
ができる。

0051

ii)CD4+「ヘルパー」T細胞:CD4+リンパ球またはヘルパーT細胞は、免疫
応答媒介物であり、適応性の免疫応答能力を確立し、最大にするのに重要な役割をする。
これらの細胞は、細胞毒性または食細胞活性を有さず、感染細胞死滅させるか病原体を
除去することができないが、本質的には、これらの作業を実施するように他の細胞に指示
することによって、免疫応答を「管理する」。各々異なる型の病原体を除去するように設
計されているTh1およびTh2と命名されたプロフェッショナルなAPCによって、2
種類のエフェクターCD4+ヘルパーT細胞応答を誘導することができる。

0052

ヘルパーT細胞は、MHCクラスII分子に結合した抗原を認識するT細胞受容体(T
CR)を発現する。ナイーブなヘルパーT細胞の活性化はそれにサイトカインを放出させ
、それは、それを活性化したAPCを含む多くの細胞型の活性に影響する。2つのTh細
集団、Th1およびTh2は、生成されるエフェクタータンパク質(サイトカイン)の
パターンが異なる。一般に、Th1細胞は、マクロファージおよび細胞傷害性T細胞の活
性化によって細胞性免疫応答支援するが、Th2細胞は、形質細胞への変換のためのB
細胞の刺激および抗体の形成によって体液性免疫応答を促進する。Th2型の細胞によっ
て調節される応答は、マウスのIgG1(ヒトではIgG2)の生成を主に強化すること
ができる。Th1またはTh2応答と関連するサイトカインの測定は、良好なワクチン接
種の尺度を与える。Th1−サイトカイン、例えばIFN−γ、IL−2、IL−12、
TNF−αその他、またはTh2−サイトカイン、例えば中でもIL−4、IL−5、I
L10のために設計された特異的なELISAによって、これを達成することができる。

0053

別のTh細胞集団は、Th17細胞である。Th17細胞と関連するサイトカインの測
定は、良好なワクチン接種の尺度を与えることもできる。これは、例えば、IL−17、
IL−17FおよびIL−22などのTh17サイトカインのために設計された特異的な
ELISAによって達成することができる。

0054

iii)所属リンパ節から放出されるサイトカインの測定は、良好な免疫の優れた指標
を与える。抗原提示ならびにAPCおよび免疫エフェクター細胞、例えばCD4およびC
D8 T細胞の成熟の結果、いくつかのサイトカインがリンパ節細胞によって放出される
。抗原の存在下でこれらのLNCをin vitroで培養することによって、体液性免
疫応答の検出のためにIL−4、IL−5およびIL10などの特定の重要なサイトカイ
ンの放出を測定することによって、抗原特異的免疫応答を検出することができる。標準
して培養上清および組換えサイトインを用いるELISAによって、これを行うことが
できる。

0055

それらに限定されないが、機能的抗体を検出するための赤血球凝集阻止(HAI)およ
血清中和阻止アッセイ;ワクチン接種の効力を判定するために、ワクチン接種をされる
対象が関連病原体で抗原投与される抗原投与研究;ならびに、例えば活性化または記憶リ
ンパ球の識別における、特異的細胞表面マーカーを発現する細胞の集団を判定するための
蛍光活性細胞分取(FACS)の使用を含む、当業者に公知であるいくつかのさらなる
方法で、良好な免疫をさらに判断することができる。さらに、体液性免疫応答の刺激にお
けるワクチン効力は、免疫された対象の血清中の抗原特異的抗体レベルのELISA検出
によって評価することができる。他の公知の方法を用いて、本発明の組成物による免疫が
体液性(または抗体媒介性)の応答を導き出したかどうかを、当業者は判断することもで
きる。例えば、Current Protocols in Immunology Coliganら編、(Wiley Interscience
、2007年)を参照。本明細書で用いる用語「感染性疾患」は、例えば、病原性生物因子の
感染、存在および/または増殖からもたらされるあらゆる伝染病接触感染症または伝染
性疾患を指すことができる。限定せずに、感染性の病原体には、例えばウイルス、細菌、
真菌、原生動物および寄生虫を含めることができる。感染性疾患の非限定例には、インフ
エンザ(例えばインフルエンザウイルスによる感染)、呼吸器官感染症、例えば細気管
支炎および肺炎(例えばRSウイルスによる感染)、百日咳、すなわち百日咳(例えば百
菌(Bordetella pertussis)による感染)、炭疽(例えば炭疽菌(Bacillus anthrac
is)による感染)およびマラリア(例えば四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)
熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vi
vax)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)または二日熱マラリア原虫(Plasmodium
knowlesi)による感染)が含まれる。

0056

本明細書で用いるように、用語「がん」、「がん細胞」、「腫瘍」および「腫瘍細胞」
互換的に用いられる)は、細胞増殖の制御のかなりの喪失または不死化された細胞によ
って特徴づけられる異常増殖を示す細胞を指す。用語「がん」または「腫瘍」には、転移
性だけでなく非転移性のがんまたは腫瘍が含まれる。がんは、悪性腫瘍の存在を含む、当
技術分野で一般に容認されている基準を用いて診断することができる。

0057

本明細書で用いるように、「毒素」は、疾患もしくは病気を引き起こすことができる生
細胞もしくは生物体(例えば植物、動物、微生物など)によって生成されるあらゆる物質
、または感染性の物質、または有害作用が可能である組換えもしくは合成の分子を指す。
毒素は、例えば、小分子、ペプチドまたはタンパク質であってもよい。毒素には、薬物物
質、例えばコカインが含まれる。

0058

本明細書で用いるように、「アレルゲン」は、アレルギーを引き起こすことができるあ
らゆる物質を指す。アレルゲンは、限定されずに、植物、動物、真菌、昆虫食品、薬物
、ちりおよびダニの細胞、細胞抽出物、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、多糖、多
糖コンジュゲート、多糖のペプチドおよび非ペプチド模倣剤、ならびに他の分子、小分子
、脂質、糖脂質および炭水化物に由来してもよい。アレルゲンには、それらに限定されな
いが、環境空気アレルゲン:植物花粉(例えばブタクサ花粉症);雑草花粉アレルゲン
草花粉アレルゲン;ジョンソングラス樹木花粉アレルゲン;ライグラスクモ形動物
アレルゲン(例えばチリダニアレルゲン);貯蔵ダニアレルゲンスギ花粉/花粉症;カ
ビ/カビ胞子アレルゲン;動物アレルゲン(例えば、イヌモルモットハムスター、ス
ネズミラット、マウスなどのアレルゲン);食品アレルゲン(例えば甲殻類ナッツ
類;柑橘類果実小麦粉コーヒー);昆虫アレルゲン(例えばノミゴキブリ);毒:
膜翅目、ホホナガスメバチミツバチ、ジガバチスズメバチ、フシアリ);細菌性
アレルゲン(例えば連鎖球菌性抗原;カイチュウ抗原などの寄生虫アレルゲン);ウイル
ス性抗原;薬物アレルゲン(例えばペニシリン);ホルモン(例えばインスリン);酵素
(例えばストレプトキナーゼ);ならびに不完全抗原またはハプテンとして作用すること
ができる薬物または化学物質(例えば酸無水物およびイソシアネート)が含まれる。

0059

ハプテンが本発明の組成物で用いられる場合、それは、担体、例えばタンパク質に結合
してハプテン−担体付加物を形成することができる。ハプテン−担体付加物は体液性免疫
応答を開始することが可能であるが、ハプテン自体は抗体産生を導き出さない。ハプテン
の非限定例は、アニリンウルシオールツタウルシの毒素)、ヒドララジン、フルオレ
セイン、ビオチンジゴキシゲニンおよびジニトロフェノールである。

0060

本明細書で言及される「処置すること」もしくは「の処置」、または「予防すること」
もしくは「の予防」は、臨床結果を含む有益であるか、または所望の結果を得るためのア
ローチを指す。有益であるか、または所望の臨床結果には、それらに限定されないが、
1つまたは複数の症状または状態の軽減または改善、疾患の程度の低下、疾患の状態の安
定化、疾患の発達の予防、疾患の拡散の予防、疾患進行遅延または減速、疾患発症の遅
延または減速、病原因子に対して防御免疫を付与すること、および疾患状態の改善または
緩和が含まれる。「処置すること」または「予防すること」は、処置の不在下で予想され
るものを越えて患者生存期間を長くすることを意味することもでき、疾患の進行を一時
的に阻止することを意味することもできるが、より好ましくは、それは、例えば対象で感
染を予防することによって疾患の発生を予防することを含む。

0061

処置対象は、任意の脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトであってもよ
い。

0062

アジュバント
本発明の組成物の適当なアジュバントは、TLR2を活性化するか、またはその活性を
増加させるアジュバントである。一部の実施形態では、アジュバントは脂質をベースとし
たアジュバントであり、それは少なくとも1つの脂質部分または脂質構成成分を含むいか
なるアジュバントも包含する。

0063

本明細書で用いるように、表現「脂質部分」または「脂質構成成分」は、あらゆる脂肪
酸(例えば脂肪アシル)またはその誘導体を指し、例えばトリグリセリドジグリセリド
およびモノグリセリドを含む。例示的脂肪酸には、限定されずに、パルミトイル、ミリス
トイル、ステアロイルおよびデカノイル基、または任意のC2〜C30の飽和または不飽
脂肪アシル基、好ましくは任意のC14〜C22の飽和または不飽和脂肪アシル基、よ
り好ましくはC16の飽和または不飽和脂肪アシル基が含まれる。したがって、本明細書
で言及されるように、表現「脂質をベースとしたアジュバント」は、脂肪アシル基または
その誘導体を含むあらゆるアジュバントを包含する。

0064

本発明の脂質をベースとしたアジュバントは最低でも少なくとも1つの脂質部分、また
は合成/半合成の脂質部分類似体を含有し、それはアミノ酸オリゴペプチドまたは他の
分子(例えば炭水化物、グリカン、多糖、ビオチン、ローダミンなど)に結合されてもよ
い。したがって、限定されずに、脂質をベースとしたアジュバントは、例えば、リポアミ
ノ酸、リポペプチド、リポグリカン、リポ多糖またはリポタイコ酸であってもよい。さら
に、ビルトインアジュバントの特性を有する抗原性化合物を作製するために、脂質部分ま
たは脂質部分を含有する構造は、抗原に共有結合または非共有結合で結合させることがで
きる。例えば、限定されずに、脂質をベースとした部分は、非共有結合のために陽電荷
提供するために、カチオン(例えばニッケル)を含んでもよい。

0065

一部の実施形態では、脂質部分または脂質構成成分は、例えばグラム陽性菌またはグラ
陰性菌、ロドシュードモナスビリディス(Rhodopseudomonas viridis)またはマイコ
プラズマからの細胞壁構成成分(例えばリポタンパク)などの、天然に存在するものでよ
い。他の実施形態では、脂質部分または脂質構成成分は、合成または半合成であってもよ
い。

0066

脂質をベースとしたアジュバントは、アジュバントの脂質部分または構成成分の少なく
とも1つとして、パルミチン酸(PAM)を含んでもよい。そのような脂質をベースとし
たアジュバントは、本明細書において「パルミチン酸アジュバント」と呼ばれる。パル
チン酸は、大腸菌(Escherichia coli)の免疫学的反応性のブラウンのリポタンパクで見
出される低分子量の脂質である。パルミチン酸の他の一般的な化学名には、例えば、IU
PAC命名法でのヘキサデカン酸、および1−ペンタデカンカルボン酸が含まれる。パル
ミチン酸の分子式は、CH3(CH2)14CO2Hである。当業者に理解されるであろ
うように、パルミチン酸の脂質鎖は変更されてもよい。パルミチン酸アジュバントとして
本明細書で用いることができる例示的な化合物、およびそれらの合成方法は、例えば、米
国特許出願公開US2008/0233143;US2010/0129385;および
US2011/0200632に記載され、その開示は本明細書に組み込まれる。

0067

脂質部分について一般的に上で記載されるように、パルミチン酸アジュバントは、最低
でも少なくとも1つのパルミチン酸部分を含有し、それはアミノ酸、オリゴペプチドまた
は他の分子に結合されてもよい。ビルトインアジュバントの特性を有する抗原性化合物を
作製するために、パルミチン酸部分またはパルミチン酸を含有する構造は、抗原に共有
合または非共有結合で結合させることができる。パルミチン酸部分またはパルミチン酸を
含有する化学構造は、直鎖状および分枝状構造を含むアジュバントの様々な構造的構成を
可能にするために、システインペプチド(Cys)にコンジュゲートさせることができる
。向上した溶解性を有するアジュバント化合物を作製するために、システイン残基は、C
末端セリン(Ser)および/またはリシン(Lys)などの極性残基によって一般的
拡張されている。強化された免疫応答を起こさせるために、パルミチン酸含有アジュバ
ント化合物は、抗原と混合するか、非共有結合性相互作用を通して抗原と会合させるか、
あるいは、直接に、またはリンカースペーサーを使って抗原に共有結合させることがで
きる。最も一般的には、前記のように複数の構成で用いることもできる、ジパルミトイル
−S−グリセリル−システイン(PAM2Cys)またはトリパルミトイル−S−グリセ
リル−システイン(PAM3Cys)を作製するために、2つのパルミチン酸部分がグリ
セリル骨格およびシステイン残基に結合される。

0068

パルミチン酸アジュバントは、B細胞を活性化させ、抗体の急速な増殖および生成を引
き起こすことが公知である。B細胞はワクチン製剤中のアジュバントと同時送達される抗
原を認識し、親和性成熟を通して、抗原への特異性の増加を伴って増殖する。活性化B細
胞は、細菌などの血液中に存在する可溶性標的に結合することができる可溶性免疫グロブ
リン抗体を大量に分泌することが公知である。抗体エフェクター機能は、i)オプソニン
化;ii)抗体依存性の細胞媒介細胞傷害性(ADCC);iii)補体活性化;iv)
中和である。大部分のB細胞は抗体分泌形質細胞に成熟するが、一部は免疫応答が感染を
制御した後にも持続する記憶B細胞に分化するはずである。これは、病原体への以降の曝
露に対する長期免疫を提供する。理想的には、予防ワクチンは、強力な記憶B細胞集団を
誘導するべきである。

0069

したがって、一実施形態では、本発明の組成物のアジュバントは、パルミチン酸部分ま
たは構成成分を含んでいる任意の型のアジュバントである。パルミチン酸部分は、in
vitroまたはin vivoでのその安定性を向上させるか、受容体(例えば下記の
toll様受容体)へのその結合を強化するか、その生物学的活性を強化するために、変
更または操作することができる。

0070

特定の実施形態では、パルミチン酸アジュバントは、PAM2Cysを含んでもよい。

0071

別の特定の実施形態では、パルミチン酸アジュバントは、PAM3Cysを含んでもよ
い。

0072

別の特定の実施形態では、パルミチン酸アジュバントは、Pam−2−Cys−Ser
−(Lys)4またはPam−3−Cys−Ser−(Lys)4であってもよい。その
ようなパルミチン酸アジュバントは、例えば研究試薬としてEMCMicrocoll
ections GmbH(Germany)およびInvivoGen(San Di
ego、California、USA)から入手できる。

0073

標識類似体を含むPam−2−Cys−Ser−(Lys)4およびPam−3−Cy
s−Ser−(Lys)4の様々な類似体も、EMCMicrocollection
sから入手できる。これらの類似体は本明細書に包含され、限定されずに、PAM3Cy
s−SKKKK(β−照射)、R−PAM3Cys−SKKKK、S−PAM3Cys−
SKKKK、PAM3Cys−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)、PAM3Cy
s−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK(ロ
ーダミン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK−FLAG−タグ、PHC−
SKKKK、PHC−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SS
NAKDQLSSDVQT、PAM3Cys−SSNKSTTGSGETTTA、PA
M3Cys−SSTKPVSQDTSPKPA、PAM3Cys−SSGSKPSGGP
LPDAK、PAM3Cys−SSGNKSAPSSSASSS、PAM3Cys−GS
HQMKSEGHANMQL、PAM3Cys−SSSNNDAAGNGAAQT、PA
M3Cys−KQNVSSLDEKNSVSV、PAM3Cys−NNSGKDGNT
ANSAD、PAM3Cys−NNGGPELKSDEVAKS、PAM3Cys−SQ
EPAAPAEATPAG、PAM3Cys−SSSKSSDSSAPKAYG、PA
M3Cys−AQEKEAKSELDYDQT、Pam2Cys−SKKKK(RRおよ
びRS立体異性体の混合物)、R−Pam2Cys−SKKKK(RR立体異性体)、S
−Pam2Cys−SKKKK(RS立体異性体)、PamCys(Pam)−SKKK
K、Pam2Cys−SKKKK(ビオチン−Aca−Aca)−NH2、Pam2Cy
s−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)−NH2、PAM2Cys−SKK
KK(ローダミン−Aca−Aca)−NH2およびPAM2Cys−SKKKK−FL
AG−タグが含まれる。適切な場合には、パルミチン酸アジュバントまたはその類似体は
立体化学的に規定された化合物として、または立体異性体の混合物として用いることが
できる。

0074

アジュバントは、toll様受容体(TLR)を活性化するか、またはその活性を増加
させるもの、好ましくはTLR2を活性化するか、またはその活性を増加させるものであ
る。本明細書で用いるように、TLRを「活性化する」かその「活性を増加させる」アジ
ュバントにはいかなるアジュバントも含まれ、一部の実施形態では、TLRアゴニスト
して作用する脂質をベースとしたアジュバントが含まれる。さらに、TLR2を活性化す
るか、またはその活性を増加させることは、いかなるモノマーホモダイマーまたはヘテ
ダイマー形でのその活性化を包含し、下記でさらに詳述されるように、TLR1または
TLR6とのヘテロダイマー(すなわちTLR1/2またはTLR2/6)としてのTL
R2の活性化を特に含む。

0075

TLRは、樹状細胞(DC)およびマクロファージ、プロフェッショナルな抗原提示細
胞などの白血球の上で主に見出される膜貫通型受容体の保存されたファミリーである。T
LRは、病原体関連の分子パターン、例えば細菌性リポタンパクおよびリポペプチドなら
びにウイルスの二本鎖RNAを認識し、それに対する免疫応答を誘導するように特異的に
発展した。10を超える異なるTLRがマウスおよびヒトで同定されているが、一部につ
いてはリガンドおよびシグナル伝達経路がまだ知られていない(下記の表1を参照)。1
3個の同定されたTLRがヒトで存在し、1から13までの番号がつけられている。

0076

0077

TLRはホモダイマーを一般的に形成するが、例外は、TLR1またはTLR6とヘテ
ロダイマーを形成して異なるリガンド特異性をもたらすTLR2である。TLR2は下流
シグナル伝達を媒介するので、これらのヘテロダイマーはTLR2としばしば総称される
(Takeuchi, O.およびS. Akira、Cell、2010年、140巻(6号):805〜20頁)。DC上の
TLRの刺激は、MHCおよび副刺激分子の上方制御をもたらし、それは、これらの細胞
の抗原提示機能、ならびにTh1型サイトカインの生成および交差提示の促進を強化する
(Lahiriら、Vaccine、2008年、26巻(52号):6777〜83頁;Weltersら、Vaccine、2007
年、25巻(8号):1379〜89頁;Matsumotoら、Adv Drug Deliv Rev、2008年、60巻(7号
):805〜12頁;Blander, J.M.、Ann Rheum Dis、2008年、67巻、増補3号:iii44〜9頁)
。TLRを通しての刺激は免疫応答の増強に直接的な作用を有するので、TLRアゴニス
トは潜在的なアジュバントとして研究されている(Barchetら、Curr Opin Immunol、2008
年、20巻(4号):389〜95頁)。

0078

TLRは、細胞活性化につながる下流シグナル伝達経路を促進するアダプター分子と関
連するToll−インターロイキン1受容体(TIR)と呼ばれる保存されたサイトゾル
ドメインを有する。それらが関連するアダプタータンパク質、MyD88またはTRI
によって、TLRは大きく分類することができる。TLR4だけは、両方の経路でシグナ
ル伝達することができる。両方のシグナル伝達経路は、転写因子NF−KBの活性化に収
束する(Ouyangら、Biochem Biophys Res Commun、2007年、354巻(4号):1045〜51頁)
。異なるTLRがいくつかの下流シグナル伝達分子を共有するが、各受容体は炎症誘発性
媒介物の特異なプロファイルを生成することを、いくつかの研究は実証した(Weltersら
、Vaccine、2007年、25巻(8号):1379〜89頁;Seyaら、Evid Based Complement Altern
at Med、2006年、3巻(1号):31〜8頁および考察133〜7頁;Ghoshら、Cell Immunol、20
06年、243巻(1号):48〜57頁;Re, F.およびStrominger, J.L.、J Immunol、2004年、1
73巻(12号):7548〜55頁;Avrilら、J Immunother、2009年、32巻(4号):353〜62頁
)。TLR受容体の完全な下流経路は完全には解明されてないが、活性化の差は、リガ
ドの強度、受容体の細胞下の位置、細胞型およびインターフェロン調節因子(IRF)の
存在の結果であり得る。

0079

パルミチン酸アジュバントは、toll様受容体2(TLR2)を通してシグナル伝達
すると報告されている。例えば、PAM2Cysは、ヘテロダイマーTLR2およびTL
R6によって認識される。さらに例として、ヘテロダイマーTLR1およびTLR2によ
って認識されるPAM3Cysは、体液性活性によって象徴される抗細菌性応答を誘発す
る。対照的に、ウイルスからの二本鎖RNAはTLR3によって認識され、通常インター
フェロン放出およびT細胞活性を特徴とする、抗ウイルス性応答を誘導する。細胞性応答
を媒介することは、TLR2と関連づけられている。

0080

Pam3Cysは、様々な動物モデルおよびヒトでのフェーズ臨床試験試験され、
副作用は報告されていない(Moyle, P.M.およびToth. I.、Curr Med Chem、2008年、15巻
(5号):506〜16頁;Wiedemannら、J Pathol、1991年、164巻(3号):265〜71頁)。マ
ウスDC上のTLRアゴニストのスクリーニングにおいて、in vitroでのPam
3Cysによる刺激は、試験した他のTLRアゴニストと比較して少量のアジュバントだ
けで達成された、高レベルの炎症誘発性サイトカインIL−12p40、IL−6および
TNFαをもたらした(Weltersら、Vaccine、2007年、25巻(8号):1379〜89頁)。

0081

当業者によって認められるように、本発明は、TLRを活性化するか、またはその活性
を増加させるアジュバント、またはTLRへのアゴニストとして作用するアジュバント、
特に脂質をベースとしたアジュバントを包含する。特定の実施形態では、脂質をベースと
したアジュバントは、TLR2を活性化するか、またはその活性を増加させる。限定せず
に、そのような脂質をベースとしたアジュバントは、TLRを活性化するか、またはその
活性を増加させるパルミチン酸アジュバント、例えばPAM2CysまたはPAM3Cy
sを含むパルミチン酸アジュバントであってもよい。

0082

本発明の組成物で脂質をベースとしたアジュバントとして用いることができる他の例示
的なTLR2アゴニストには、限定されずに、細胞壁構成成分、例えばグラム陽性菌から
のリポタイコ酸およびリポタンパク、ならびにマイコバクテリアからのリポアラビノマン
ナンが含まれる。いくつかのこれらの細胞壁構成成分は、M.スメグマチス(M. smegmat
is)からのリポアラビノマンナン(LAM−MS)、M.スメグマチス(M. smegmatis)
からのリポマンナン(LM−MS)、P.ジンジバリス(P. gingivalis)からのリポ多
糖(LPS−PGUltrapure)、および枯草菌(B. subtilis)(LTA−B
S)および黄色ブドウ球菌(S. aureus)(LTA−SA)からのリポタイコ酸など、I
nvivoGen(San Diego、California、USA)から入手でき
る。一部の実施形態では、TLR2を活性化するか、またはその活性を増加させる脂質を
ベースとしたアジュバントは、上記の細胞壁構成成分のいずれか1つまたは複数を含む加
熱死菌を包含することができる。そのような加熱死菌は、例えば、InvivoGen(
San Diego、California、USA)から入手できる。

0083

TLRアゴニストとして作用する合成リポタンパクも本発明に包含され、限定されずに
、パルミチン酸アジュバントおよび上記の類似体、およびInvivoGen(San
Diego、California、USA)およびEMCMicrocollect
ions GmbH(Germany)から入手できる合成ジアシル化リポタンパクFS
L−1が含まれる。FSL−1(Pam2CGDPKHPKSF)は、マイコプラズマ・
サリバリウム(Mycoplasma salivarium)の44kDaリポタンパクLP44のN末端部
分を表す合成リポタンパクである。FSL−1はPAM2Cysを含み、マイコプラズマ
ファーメンタンス(Mycoplasma fermentans)由来のリポペプチド、マクロファージ活
性化リポペプチド−2(MALP−2)と類似したフレームワーク構造を有する。リポリ
化(lipolyated)N末端ジアシル化システイン残基を含有するFSL−1およびMALP
−2は、二量体TLR2およびTLR6 9TLR2/6)によって認識されると仮定さ
れる。合成MALP−2は、Enzo Life Sciences(Farmingd
ale、New York、USA)から入手できる。

0084

一実施形態では、本発明の脂質をベースとしたアジュバントは、FSL−1またはMA
LP−2を含むか、脂質をベースとしたアジュバントはFSL−1またはMALP−2で
ある。適切な場合には、FSL−1またはMALP−2は、立体化学的に規定された化合
物として、または立体異性体の混合物として用いることができる。FSL−1またはMA
LP−2は、標識されてもよい(例えばビオチン、フルオレセイン、ローダミンなど)。
FSL−1は、9つの異なるFSL−1−Ala化合物を含むFSL−1 Alaスキ
コレクション(EMCMicrocollections)としても入手できる。こ
れらのFSL−1−Ala分子の各々は、個々に、または組合せで本明細書に包含される

0085

本発明の脂質をベースとしたアジュバントのさらなる実施形態には、モノアシル化され
たリポペプチドなどのTLR2リガンドの下部構造を含めることができる。限定せずに、
これらには、例えば、Pam−Dhc−SKKKK、Pam−CSKKKK、Pam−D
hc−GDPKHPKSFまたはPam−CGDPKHPKSF(EMCMicroc
ollections)を含めることができる。

0086

TLR2を活性化するか、またはその活性を増加させる他の脂質をベースとしたアジュ
バントは、例えば、InvivoGen(San Diego、California、
USA)HEK−Blue(登録商標)TLR2活性化リポーター系を用いることにより
確認することができる。この系は、ヒト(hTLR2)またはマウス(mTLR2)細胞
のいずれかでTLR2を刺激する、潜在的なTLR2リガンドの能力の評価を可能にする

0087

一部の実施形態では、本発明の組成物の脂質をベースとしたアジュバントは、TLR2
だけ、ヘテロダイマーTLR1およびTLR2(TLR1/2)、および/またはヘテロ
ダイマーTLR2およびTLR6(TLR2/6)を活性化するか、またはその活性を増
加させるが、他のTLRを活性化しないものである。さらなる実施形態では、脂質をベー
スとしたアジュバントは、ヘテロダイマーTLR1/2および/またはTLR2/6だけ
を活性化するか、またはその活性を増加させるが、他のTLRを活性化しない。

0088

本発明の組成物は、少なくとも1つの他の適当なアジュバントと組み合わせた上記のア
ジュバントを含んでもよい。少なくとも1つの他のアジュバントの例示的な実施形態は、
決してそれらに限定されないが、合成、非生物、または生物供給源に由来する有機および
無機の化合物、ポリマー、タンパク質、ペプチド、糖(それらに限定されないが、それら
の構成成分のビロゾームウイルス様粒子、ウイルスおよび細菌を含む)を包含する。

0089

適合するアジュバントのさらなる例には、限定されずに、ケモカイン、Toll様受容
体アゴニスト、コロニー刺激因子、サイトカイン、1018 ISS、アルミニウム塩
Amplivax、AS04、AS15、ABM2、Adjumer、アルガミュリン、
AS01B、AS02(SBASA)、ASO2A、BCGカルシトリオールキト
ン、コレラトキシン、CP−870,893、CpG、ポリIC、CyaA、臭化ジメチ
ジオタデシルアンモニウムDDA)、ジブチルフタレート(DBP)、dSLIM
ガンマイヌリンGMCSF、GMDP、グリセロール、IC30、IC31、イミ
キモド、ImuFact IMP321、IS Patch、ISCOM、ISCOMA
TRIX、JuvImmune、LipoVac、LPS、脂質コアタンパク質、MF
9、モノホスホリルリピドA、Montanide(登録商標)IMS1312、Mon
tanide(登録商標)をベースとしたアジュバント、OK−432、OM−174、
OM−197−MP−EC、ONTAK、PepTelベクター系、他のパルミトイルを
ベースとした分子、PL微粒子レジキモド、スクアレン、SLR172、YF−17
DBCG、QS21、QuilA、P1005、ポロキサマーサポニン、合成ポリヌク
レオチド、ザイモサン百日咳毒素を含めることができる。

0090

したがって、組成物は1つまたは複数の薬学的に許容されるアジュバントを含むことが
でき、そこで、組成物のアジュバントの少なくとも1つはTLR2を活性化するか、また
はその活性を増加させるアジュバントである。

0091

別の実施形態では、アジュバント特性を提供するために、抗原は脂質部分、例えばパル
ミチン酸部分に結合することができる。当技術分野で公知であるように、組成物はさらな
る薬学的に許容される賦形剤希釈剤などを含むこともできる。例えば、Remington's Ph
armaceutical Sciences(Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Comp
any、Easton、Pa.、USA 1985)および1999年に発行されたThe United States Pharma
copoeia:The National Formulary(USP 24 NF19)を参照。

0092

一実施形態では、そのようなさらなる適当なアジュバントは、CpGを含有するオリゴ
デオキシヌクレオチド(CpGODN)、例えば5’−TCCATACGTTC
TGACGTT−3’を含んでもよい。当業者は、標的種および効力に基づいて適切なC
pGを選択することができる。

0093

用いられるアジュバントの量は、抗原の量およびアジュバントの型に依存する。当業者
は、経験的な試験によって特定用途で必要なアジュバントの量を容易に判断することがで
きる。

0094

抗原
本発明の組成物は、1つまたは複数の抗原を含む。本明細書で用いるように、用語「抗
原」は、抗体に特異的に結合することができる物質を指す。組成物の適当な抗原は、対象
で体液性免疫応答を誘導することが可能なものである。

0095

本発明の組成物で有益な抗原には、限定されずに、ポリペプチド、炭水化物、微生物ま
たはその一部、例えば生きている、弱毒化された、不活性化された、または死滅させられ
た細菌、ウイルスまたは原生動物、またはその一部が含まれる。抗原は、例えば、病原性
生物因子、毒素、アレルゲン、ペプチド、適当な天然、非天然、組換え型または変性され
たタンパク質もしくはポリペプチド、またはその断片、または対象で体液性免疫応答を起
こすことが可能であるエピトープであってもよい。

0096

本明細書および特許請求の範囲で用いるように、用語「抗原」には、抗原として機能す
るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも含まれる。ポリヌクレオチドを含有する
ワクチン組成物が対象に投与される、核酸をベースとしたワクチン接種戦略が公知である
。ポリヌクレオチドによってコードされる抗原性ポリペプチドは、ワクチン組成物自体が
ポリペプチドを含有しているかのように、抗原性ポリペプチドが最終的に対象に存在する
ように対象で発現される。本発明のために、用語「抗原」は、文脈が指示する場合、抗原
として機能するポリペプチドをコードするそのようなポリヌクレオチドを包含する。

0097

本発明で抗原として有用であり得るポリペプチドまたはその断片には、限定されずに、
コレラトキソイド破傷風トキソイドジフテリアトキソイドB型肝炎表面抗原血球
凝集素ヘマグルチニン)(例えばH5N1組換え血球凝集素タンパク質)、炭疽菌組換
防御抗原(List Biologics;Campbell、CA)、ノイラミニダ
ーゼ、インフルエンザMタンパク質、PfHRP2、pLDHアルドラーゼ、MSP1
、MSP2、AMA1、Der−p−1、Der−f−1、アジポフィリンAFP、A
IM−2、ART−4、BAGE、αフェトプロテイン、BCL−2、Bcr−Abl、
BING−4、CEACPSF、CT、サイクリンD1Ep−CAM、EphA2、E
phA3、ELF−2、FGF−5、G250、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン、HE
R−2、腸管カルボキシルエステラーゼ(iCE)、IL13Rα2、MAGE−1、M
AGE−2、MAGE−3、MART−1、MART−2、M−CSF、MDM−2、M
MP−2、MUC−1、NY−EOS−1、MUM−1、MUM−2、MUM−3、百日
咳トキソイドタンパク質、p53、PBF、PRAME、PSA、PSMA、RAGE−
1、RNF43、RU1、RU2AS、SART−1、SART−2、SART−3、S
AGE−1、SCRN1、SOX2、SOX10、STEAP1、サバイビン、テロメラ
ーゼ、TGFβRII、TRAG−3、TRP−1、TRP−2、TERTおよびWT1
に由来するものが含まれる。

0099

一実施形態では、本発明の組成物は、それを必要とする対象でインフルエンザウイルス
感染を処置および/または予防するために用いることができる。インフルエンザはオルソ
ミクソウイルス科の一本鎖RNAウイルスであり、ウイルス粒子の外側の2つの大きな糖
タンパク質、血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)に基づいてしばしば特
徴づけられる。インフルエンザA型の多数のHAサブタイプが同定されている(Kawaoka
ら、Virology(1990)179巻:759〜767頁;Websterら、「Antigenic variation among ty
pe A influenza viruses」、127〜168頁。P. PaleseおよびD. W. Kingsbury(編)、Gene
tics of influenza viruses。Springer-Verlag、New York)。

0100

本発明で抗原として有益な細菌またはその部分には、限定されずに、炭疽菌(炭疽菌(
Bacillus anthracis))、ブルセラ(Brucella)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、
カンジダ(Candida)、肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)、オウム病クラミジア
(Chlamydia psittaci)、コレラ、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、コクシジ
オイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、クリプトコックス(Cryptococcus)、
ジフテリア、大腸菌(Escherichia coli)O157:H7、腸管出血性大腸菌(Enterohe
morrhagic Escherichia coli)、腸管毒素原性大腸菌(Enterotoxigenic Escherichia co
li)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクターピロリ(Helico
bacter pylori)、レジオネラ(Legionella)、レプトスピラ(Leptospira)、リステリ
ア(Listeria)、髄膜炎菌(Meningococcus)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumo
niae)、マイコバクテリウム(Mycobacterium)、百日咳(Pertussis)、肺炎(Pneumoni
a)、サルモネラ(Salmonella)、赤痢菌(Shigella)、スタフィロコッカス(Staphyloc
occus)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)および腸炎エルシニア(Yersinia
enterocolitica)が含まれる。

0101

あるいは、抗原は、原生動物起源、例えばマラリアを引き起こすプラスモディウム属
Plasmodium)(熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(P
lasmodium malariae)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、卵形マラリア原虫(
Plasmodium ovale)または二日熱マラリア原虫(Plasmodium knowlesi))のものであっ
てもよい。

0102

あるいは、抗原は、天然に存在するか合成された毒素、例えば薬物物質(例えばコカ
ン)であってもよい。

0103

用語「ポリペプチド」は、長さ(例えば、少なくとも6、8、10、12、14、16
、18または20アミノ酸)または翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化
に関係なくアミノ酸の任意の鎖を包含し、例えば、天然のタンパク質、合成または組換え
ポリペプチドおよびペプチド、エピトープ、ハイブリッド分子、変異体、同族体、類似体
ペプトイドペプチド様物質などを含む。したがって、変異体または誘導体は、切断物
および断片を含む欠失;挿入および付加、例えば保存的置換部位特異的突然変異体およ
対立遺伝子の変異体;ならびに改変、例えばペプチドおよび翻訳後修飾に共有結合され
る1つまたは複数の非アミノアシル基(例えば、糖、脂質など)を有するペプトイドを含
む。本明細書で用いるように、用語「保存されたアミノ酸置換」または「保存的置換」は
、ペプチドの所与の位置での1つのアミノ酸の別のものへの置換を指し、置換は関連する
機能の実質的な消失なしで果たすことができる。そのような変更を加えることにおいて、
類似のアミノ酸残基の置換は、側鎖置換基の相対的類似性、例えばそれらのサイズ、電荷
疎水性、親水性などに基づいて果たすことができ、そのような置換は、ペプチドの機能
に及ぼすそれらの影響について通常の試験によって検査することができる。保存的置換の
具体的な非限定例には、以下の例が含まれる:
元の残基 保存的置換
Ala Ser
Arg Lys
Asn Gln、His
Asp Glu
Cys Ser
Gln Asn
Glu Asp
His Asn;Gln
Ile Leu、Val
Leu Ile;Val
Lys Arg;Gln;Glu
Met Leu;Ile
Phe Met;Leu;Tyr
Ser Thr
Thr Ser
Trp Tyr
Tyr Trp;Phe
Val Ile;Leu

0104

好ましい抗原配列と実質的な同一性を有するポリペプチドまたはペプチドを用いること
ができる。最適に整列させる(ギャップを許容する)ときに、それらが少なくともおよそ
50%の配列同一性を共有するか、それらの配列が規定の機能的モチーフを共有するなら
ば、2つの配列は実質的な同一性を有するとみなされる。代替の実施形態では、最適に整
列させた配列は、それらが特定の領域で少なくとも60%、70%、75%、80%、8
5%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性を共有するならば、実
質的に同一である(すなわち、実質的な同一性を有する)とみなすことができる。用語「
同一性」は、2つのポリペプチド分子の間の配列類似性を指す。同一性は、整列させた配
列中の各位置を比較することによって判定することができる。アミノ酸配列間の同一性の
程度は、例えば特定領域における、配列によって共有される位置での同一であるか一致す
るアミノ酸の数の関数である。同一性の比較のための配列の最適アラインメントは、当技
術分野で公知である様々なアルゴリズム、例えばhttp://clustalw.genome.ad.jpで入手で
きるClustalWプログラム、SmithおよびWaterman、1981年、Adv. Appl. Math 2巻
:482頁のローカルホモロジーアルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch、1970年、J. Mol.
Biol. 48巻:443頁のホモロジーアラインメントアルゴリズム、PearsonおよびLipman、19
88年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85巻:2444頁の類似性検索法、およびこれらのアル
リズム(例えば、Wisconsin Genetics Software Pac
kage、Genetics Computer Group、Madison、WI、
U.S.A.に含まれるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)のコ
ピュータでの実行を用いて実行することができる。配列同一性は、Altschulら、1990年
、J. Mol. Biol. 215巻:403〜10頁(公表されたデフォルト設定を用いる)に記載される
、BLASTアルゴリズムを用いて判定することもできる。例えば、National
Center for Biotechnology Informationを通して
インターネットサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/bl2seq/wblast2.cgiを通し
て)入手できる「BLAST2配列」ツールを、以下のデフォルト設定で「blastp
」プログラムを選択して用いることができる:予想閾値10;ワードサイズ3;マトリッ
クスBLOSUM62;ギャップコスト存在11、エクステンション1。別の実施形態で
は、当業者は、所与の任意の配列を容易および適切に整列させ、単なる目視検査によって
配列同一性および/または相同性を推測することができる。

0105

本発明の実施で用いられるポリペプチドおよびペプチドは、天然の供給源から単離され
るか、合成であるか、または組換えで生成されたポリペプチドであってもよい。ペプチド
およびタンパク質は、in vitroまたはin vivoで組換えにより発現させる
ことができる。本発明の実施で用いられるペプチドおよびポリペプチドは、当技術分野で
公知の任意の方法を用いて作製することおよび単離することができる。本発明の実施で用
いられるポリペプチドおよびペプチドは、当技術分野で周知である化学的方法を用いて、
全体または一部を合成することもできる。例えば、Caruthers(1980)Nucleic AcidsRes
. Symp. Ser. 215〜223頁;Hom(1980)Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225〜232頁;Ba
nga, A. K、Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delive
ry Systems(1995)Technomic Publishing Co.、Lancaster、Paを参照。例えば、ペプチ
ド合成は、様々な固相技術を用いて実施することができ(例えば、Roberge(1995)Scien
ce 269巻:202頁;Merrifield(1997)Methods Enzymol. 289巻:3〜13頁を参照)、自動
化合成は、例えばABI431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)を製造
業者によって提供される説明書に従って用いることによって達成することができる。

0106

一部の実施形態では、抗原は、例えば約25%〜50%の純度、約50%〜約75%の
純度、約75%〜約85%の純度、約85%〜約90%の純度、約90%〜約95%の純
度、約95%〜約98%の純度、約98%〜約99%の純度、または99%を超える純度
の精製された抗原であってもよい。

0107

上記のように、用語「抗原」には、抗原として機能するポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドも含まれる。本明細書および特許請求の範囲で用いるように、用語「ポリヌ
クレオチド」は、任意の長さ(例えば9、12、18、24、30、60、150、30
0、600、1500ヌクレオチドまたはそれ以上)または鎖数(例えば一本鎖二本鎖
)のヌクレオチドの鎖を包含する。ポリヌクレオチドは、DNA(例えばゲノムDNAま
たはcDNA)またはRNA(例えばmRNA)またはその組合せであってもよい。それ
らは天然または合成(例えば化学的合成)であってもよい。ポリヌクレオチドは、ヌクレ
オチド鎖中の1つまたは複数の窒素塩基ペントース糖またはリン酸基の改変を含有する
ことができると考えられる。そのような改変は当技術分野で周知であり、例えばポリヌク
レオチドの安定性の向上のためであってもよい。

0108

ポリヌクレオチドは、様々な形で送達することができる。一部の実施形態では、裸のポ
リヌクレオチドは、線状で用いることができるか、発現プラスミドなどのプラスミドに挿
入されてもよい。他の実施形態では、ウイルスまたは細菌ベクターなどの生きているベク
ターを用いることができる。

0109

RNAへのDNAの転写および/またはポリペプチドへのRNAの翻訳を助ける、1つ
または複数の調節配列が存在してもよい。場合によっては、例えばメッセンジャーRNA
(mRNA)分子であるポリヌクレオチドの場合、転写過程に関する調節配列(例えばプ
モーター)は必要とされず、タンパク質発現プロモーターの不在下で実行することが
できる。状況が必要とする場合は、当業者は適当な調節配列を含めることができる。

0110

一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは発現カセットに存在し、そこにおいてそれは
、本発明の組成物が投与される対象でポリヌクレオチドを発現させる調節配列に作動可能
に連結される。発現カセットの選択は、組成物が投与される対象ならびに発現されるポリ
ペプチドに望まれる特徴に依存する。

0111

一般的に、発現カセットは、対象で機能し、構成的または誘導可能であってもよいプロ
モーター;リボソーム結合部位;必要に応じて開始コドン(ATG);対象のポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド;終止コドン;および、任意選択で3’末端領域(翻訳
および/または転写ターミネーター)を含む。シグナルペプチドをコードする領域などの
さらなる配列が含まれてもよい。対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、
発現カセット中の他の調節配列のいずれかと同種または異種であってもよい。対象のポリ
ペプチドと一緒に発現される配列、例えばシグナルペプチドコード領域は、一般的に発現
されるタンパク質をコードするポリヌクレオチドに隣接して位置し、適切な読み枠に置か
れる。発現されるタンパク質だけ、または発現される他の任意の配列(例えばシグナル
プチド)と一緒にコードするポリヌクレオチドで構成される読取り枠は、組成物が投与さ
れる対象で転写および翻訳が起こるように、プロモーターの制御下に置かれる。

0112

本明細書に記載される組成物による単回処置で用いられる抗原の量は、抗原の型および
対象のサイズによって異なってよい。当業者は、過度実験なしで、特定用途で用いる抗
原の有効量を判断することができる。本明細書で用いられる用語「有効量」は、所望の結
果を達成するのに有効な、必要な投薬量および期間での量を意味する。

0113

別の実施形態では、抗原は体液性免疫応答を誘導することができるB細胞エピトープで
あるか、またはそれを含んでもよい。例えば、抗原は、ウイルス、例えばインフルエンザ
ウイルスまたはRSウイルスに由来するB細胞エピトープであるか、またはそれを含んで
もよい。

0114

別の実施形態では、B細胞エピトープは、H5N1インフルエンザウイルスの血球凝集
糖タンパク質に由来するエピトープであってもよい。

0115

別の実施形態では、抗原は、細菌、例えば百日咳菌(Bordetella pertussis)または炭
疽菌(Bacillus anthracis)に由来するB細胞エピトープであるか、またはそれを含んで
もよい。

0116

別の実施形態では、B細胞エピトープは、百日咳菌(Bordetella pertussis)によって
生成される百日咳トキソイドタンパク質のエピトープであってもよい。

0117

別の実施形態では、B細胞エピトープは、炭疽菌の組換え防御抗原のエピトープであっ
てもよい。

0118

別の実施形態では、抗原は、感染性疾患と関連するB細胞エピトープであるか、または
それを含んでもよい。

0119

別の実施形態では、抗原は、原生動物、例えばプラスモディウム属(Plasmodium)に由
来するB細胞エピトープであるか、またはそれを含んでもよい。

0120

別の実施形態では、抗原は、がんまたは腫瘍関連のタンパク質、例えば、抗体が認識す
ることが可能である膜表面に結合したがん抗原であってもよい。

0121

本発明の組成物の使用または投与によって処置および/または予防することができるが
んには、限定されずに、がん腫、腺がんリンパ腫白血病肉腫芽細胞腫骨髄腫
よび胚細胞腫瘍が含まれる。一実施形態では、がんはウイルスなどの病原体に起因するこ
とができる。がんの発達と関連づけられるウイルスは当業者に公知であり、それらに限定
されないが、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、ジョン・カニンガムウイルス(JCV)、
ヒトヘルペスウイルス8、エプスタインバーウイルスEBV)、メルケル細胞ポリオ
マウイルス、C型肝炎ウイルスおよびヒトT細胞白血病ウイルス1が含まれる。本発明の
組成物は、がんの処置または予防のために、例えばがんの重症度の低減またはがん再発
予防で用いることができる。本発明の組成物から恩恵を受けることができるがんには、1
つまたは複数の腫瘍特異抗原を発現するいかなる悪性細胞も含まれる。

0122

別の実施形態では、抗原は、抗体が中和することができる毒素またはアレルゲンであっ
てもよい。一実施形態では、毒素は薬物物質、例えばコカインである。

0123

別の実施形態では、抗原は、循環中の抗原、例えばアミロイドタンパク質を隔離するこ
とが望ましい疾患(例えばアルツハイマー病)と関連する抗原であってもよい。したがっ
て、本発明の組成物は、それを必要とする対象で神経変性疾患の処置および/または予防
で使用するために適当であり得、神経変性疾患は抗原の発現と関連している。対象は神経
変性疾患を有してもよいか、または神経変性疾患を発症する危険があってもよい。本発明
の組成物の使用または投与によって処置および/または予防することができる神経変性
患には、限定されずに、アルツハイマー病、パーキンソン病ハンチントン病および筋萎
縮性側索硬化症ALS)が含まれる。例えば、

0124

アルツハイマー病は、アルツハイマー病患者の脳での、βアミロイドプラークおよび/
またはタウタンパクの結合によって特徴づけられる(例えば、GoedertおよびSpillantini
、Science、314巻:777〜781頁、2006年を参照)。単純ヘルペスウイルス1型も、apo
E遺伝子の感受性バージョンを持つ人々で原因となる役割を演ずると提案されている(It
zhakiおよびWozniak、J Alzheimers Dis 13巻:393〜405頁、2008年)。

0125

さらなる実施形態では、組成物は、体液性免疫応答を誘導するための抗原として、B細
胞エピトープの混合物を含んでもよい。B細胞エピトープを連結させて、単一のポリペプ
チドを形成することができる。

0126

別の実施形態では、抗原は、標的の腫瘍細胞の上の特定の立体構造への特定の体液性免
疫応答を誘導することができる、任意のペプチドまたはポリペプチドであってもよい。

0127

ヘルパーTエピトープ
ヘルパーTエピトープは、ヘルパーT活性を有するアミノ酸(天然または非天然のアミ
ノ酸)の配列である。ヘルパーTエピトープは、免疫系の能力を確立し、最大にする重要
な役割を果たすヘルパーTリンパ球によって認識され、他の免疫細胞を活性化し、指示す
ること、例えばB細胞抗体クラススイッチングに関与する。

0128

ヘルパーTエピトープは、連続的または不連続なエピトープからなることができる。し
たがって、ヘルパーTのあらゆるアミノ酸が必ずしもエピトープの一部とは限らない。し
たがって、ヘルパーTエピトープの類似体およびセグメントを含むヘルパーTエピトープ
は、免疫応答を強化するか刺激することが可能である。免疫優勢ヘルパーTエピトープは
、広く多岐にわたるMHC型の動物およびヒト集団で広く反応性である(Celisら(1988
)J. Immunol. 140巻:1808〜1815頁;Demotzら(1989)J. Immunol. 142巻:394〜402頁
;Chongら(1992)Infect. Immun. 60巻:4640〜4647頁)。対象ペプチドのヘルパーTド
メインは、約10〜約50アミノ酸、好ましくは約10〜約30アミノ酸を有する。複数
のヘルパーTエピトープが存在するならば、各ヘルパーTエピトープは独立して作用する

0129

一実施形態では、本明細書に記載される組成物は、少なくとも1つのヘルパーTエピ
ープを含むこともできる。場合によっては、ヘルパーTエピトープは、抗原の一部を形成
することができる。詳細には、抗原が十分なサイズであるならば、それはヘルパーTエピ
トープとして機能するエピトープを含有することができる。他の実施形態では、ヘルパー
Tエピトープは、抗原とは別々の分子である。

0130

別の実施形態では、ヘルパーTエピトープ類似体は、ヘルパーTエピトープ中に1〜約
10アミノ酸残基の置換、欠失および挿入を含んでもよい。ヘルパーTセグメントは、免
疫応答を強化または刺激するのに十分であるヘルパーTエピトープの連続した部分である
。ヘルパーTセグメントの例は、単一のより長いペプチドに由来する一連重複するペプ
チドである。

0131

本発明で用いられるヘルパーTエピトープの供給源には、例えば、B型肝炎表面抗原ヘ
ルパーT細胞エピトープ、百日咳毒素ヘルパーT細胞エピトープ、はしかウイルスFタン
パク質ヘルパーT細胞エピトープ、クラミジアトラコミティス(Chlamydia trachomiti
s)主外膜タンパク質ヘルパーT細胞エピトープ、ジフテリア毒素ヘルパーT細胞エピト
ープ、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)スポロゾイト周囲ヘルパーT細胞
エピトープ、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)トリオースリン酸イソメラーゼ
ヘルパーT細胞エピトープ、大腸菌(Escherichia coli)TraTヘルパーT細胞エピト
ープ、ならびにこれらのヘルパーTエピトープのいずれかの免疫強化類似体およびセグ
ントが含まれる。

0132

一実施形態では、ヘルパーTエピトープは、汎用性ヘルパーTエピトープである。本明
細書で用いられる汎用性ヘルパーTエピトープは、クラスII(CD4+T細胞)制限様
式でT細胞機能を活性化させる方法で複数のMHCクラスII分子に結合する、ペプチド
または他の免疫原性分子、またはその断片を指す。

0133

別の実施形態では、ヘルパーTエピトープは、汎用性ヘルパーTエピトープ、例えばペ
プチド配列AKXVAAWTLKAAAを含むPADRE(パン−DRエピトープ)であ
ってよく、そこでXはシクロヘキシルアラニルであってもよい。PADREはCD4+ヘ
ルパーTエピトープを特異的に有し、すなわち、それはPADRE特異的CD4+ヘルパ
ーT応答の誘導を刺激する。

0134

破傷風トキソイドは、PADREに類似した様式で働くヘルパーTエピトープを有する
破傷風およびジフテリア毒素は、ヒトCD4+細胞のための汎用性エピトープを有する
。(Diethelm-Okita, B.M.ら、Universal epitopes for human CD4+ cells on tetanus a
nd diphtheria toxins。J. Infect. Diseases、181巻:1001〜1009頁、2000年)。別の実
施形態では、ヘルパーTエピトープは、破傷風トキソイドペプチド、例えばペプチド配列
FNNFTVSFWLRVPKVSASLE(アミノ酸947〜967)を含むF21
Eであってもよい。

0135

別の実施形態では、融合ペプチドを作製するために、ヘルパーTエピトープは、少なく
とも1つの抗原(すなわち、ペプチド)、または抗原の混合物に融合される。

0136

担体
組成物の担体は、疎水性物質、好ましくは液体疎水性物質の連続相を含む。連続相は、
実質的に純粋な疎水性物質、または疎水性物質の混合物であってもよい。さらに、疎水性
物質が連続相を構成するならば、担体は疎水性物質中の水の乳濁液、または疎水性物質の
混合物中の水の乳濁液であってもよい。さらに、別の実施形態では、担体はアジュバント
として機能することができる。

0137

本明細書に記載される組成物で有益である疎水性物質は、薬学的および/または免疫学
的に許容されるものである。担体は好ましくは液体であるが、気温で液体でない特定の疎
水性物質を、例えば加温によって液化してもよく、それらも本発明で有益である。一実施
形態では、疎水性担体は、リン酸緩衝食塩水フロイント不完全アジュバントPBS
FIA)乳濁液であってもよい。

0138

油または油中水型の乳濁液は、本発明で用いるのに特に適当な担体である。油は、薬学
的および/または免疫学的に許容されるべきである。適当な油には、例えば、鉱油(特に
、Drakeol(登録商標)6VRなどの軽質または低粘度の鉱油)、植物油(例えば
ダイズ油)、ナッツ油(例えば、落花生油)またはそれらの混合物が含まれる。一実施
形態では、油は、Montanide(登録商標)ISA51として市販されている、鉱
油溶液中のオレイン酸マンナイドである。動物脂肪および人工疎水性ポリマー材料、特に
気温で液体であるもの、または比較的容易に液化することができるものを用いることもで
きる。

0139

組成物が無水リポソーム懸濁液(「無水」)であると記載される本明細書の実施形態で
は、水が担体の非連続相に存在するならば、これらの「無水」組成物の疎水性担体は少量
の水をなお含有していてもよい。例えば、組成物の個々の構成成分は、真空凍結乾燥また
蒸発などの工程によって完全に除去することができない結合水を有することができ、特
定の疎水性担体は、その中に溶解される少量の水を含有することができる。一般に、「無
水」であると記載される本発明の組成物は、例えば、組成物の担体構成成分の総重量の重
量/重量ベースで、約10%未満、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、
1%、0.5%、0.1%、0.05%または0.01%の水を含有する。

0140

リポソーム
リポソームは、取り込まれた水性容量を含有する、完全に密閉された脂質二重層膜であ
る。リポソームは単層小胞(単一の二重層膜を保有する)、または多重膜二重層によって
特徴づけられる多層小胞であってよく、各二重層は水層によって隣から分離されても分離
されなくてもよい。リポソームの総論は、Gregoriadis G. Immunol. Today、11巻:89〜9
7頁、1990年;およびFrezard, F.、Braz. J. Med. Bio. Res.、32巻:181〜189頁、1999
年に見出すことができる。本明細書および特許請求の範囲で用いるように、用語「リポソ
ーム」は、限定されずに「ニオソーム」、「トランスファーソーム」および「ビロソーム
」のような当技術分野で記載されるものを含む、前記の全てのそのような小胞構造を包含
するものとする。

0141

古細菌脂質から作製されるリポソームを含むいかなるリポソームも本発明で用いること
ができるが、特に有益なリポソームは、リポソーム製剤でリン脂質および非エステル化
レステロールを用いる。コレステロールはリポソームを安定させるために用いられ、リポ
ソームを安定させるいかなる他の化合物もコレステロールにとって代わることができる。
他のリポソーム安定化化合物は、当業者に公知である。例えば、飽和リン脂質は、向上し
た安定性を示すより高い遷移温度のリポソームを生成する。

0142

リポソームの調製で好ましくは用いられるリン脂質は、ホスホグリセロール、ホスホエ
タノールアミンホスホセリンホスホコリンおよびホスホイノシトールからなる群から
選択される少なくとも1つの頭基を有するものである。94〜100%ホスファチジル
リンである脂質を含むリポソームが、より好ましい。そのような脂質は、レシチンPho
spholipon(登録商標)90Gで市販されている。非エステル化コレステロール
もリポソーム製剤で用いられる場合は、コレステロールはリン脂質の重量の約10%に等
しい量で用いられる。リポソームを安定させるためにコレステロール以外の化合物が用い
られる場合は、当業者は組成物で必要な量を容易に判断することができる。

0143

リポソーム組成物は、例えば、天然脂質、合成脂質、スフィンゴ脂質エーテル脂質、
ステロールカルジオリピンカチオン性脂質、ならびにポリ(エチレングリコール)お
よび他のポリマーで改変される脂質を用いて得ることができる。合成脂質は、以下の脂肪
酸構成要素を含んでもよい;ラウロイルミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、
アラキドイル、オレオイル、リノレオイル、エルコイル、またはこれらの脂肪酸の組合せ

0144

組成物
本発明のさらなる実施形態は、リポソーム;体液性免疫応答を誘導することができる抗
原;疎水性物質の連続相を含む担体;TLR2を活性化するか、またはその活性を増加さ
せるアジュバントを含む本発明の組成物の作製方法を含む。

0145

リポソームの作製方法は、当技術分野で周知である。例えば、両方とも上で引用されて
いるGregoriadis(1990)およびFrezard(1999)を参照。リポソームを作製するのに適す
るいかなる方法も、本発明の実施で用いることができ、またはリポソームは民間の供給元
から得ることができる。リポソームは、脂質二重層を形成するリポソーム構成成分(例え
ばリン脂質およびコレステロール)を、純水、または水に溶解させた1つまたは複数の構
成成分の溶液、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)、無リン酸食塩水もしくは生理的に適
合する他の任意の水溶液であってもよい水溶液で水和させることによって一般的に調製さ
れる。

0146

一実施形態では、リポソーム構成成分またはリポソーム構成成分の混合物、例えばリン
脂質(例えばPhospholipon(登録商標)90G)およびコレステロールは、
有機溶媒、例えばクロロホルムおよびメタノールの混合物に可溶化させ、続いて濾過(例
えばPTFE0.2μmフィルター)および、溶媒を除去するために例えば回転蒸発によ
って乾燥させることができる。

0147

生じた混合脂質の水和は、例えば水溶液に混合脂質を注入するか、混合脂質および水溶
液を超音波処理することによって実行することができる。リポソームの形成の間に、リポ
ソーム構成成分は、リポソーム構成成分を水和する水溶液の一定容量を囲む単一の二重層
(単層)または複数の二重層(多層)を形成する。

0148

一部の実施形態では、リポソームは、例えば凍結乾燥または真空凍結乾燥によって次に
脱水される。

0149

リポソームは、連続疎水相を含む担体と合わされる。これは、様々な方法で実行するこ
とができる。

0150

担体が疎水性物質または疎水性物質の混合物だけで構成される(例えば、100%の鉱
油担体を用いる)ならば、リポソームを単に疎水性物質と混合することができるか、複数
の疎水性物質がある場合は、それらのいずれか1つまたは組合せと混合することができる

0151

代わりに疎水性物質の連続相を含む担体が不連続な水相を含有する場合は、一般的に、
担体は、油中水型乳濁液などの、疎水相中の水相の乳濁液の形態をとる。乳濁液を安定さ
せ、リポソームの均一な分布を促進するために、そのような組成物は乳化剤を含有するこ
とができる。この点に関しては、担体でリポソームの均一な分布を促進するために、無水
担体が用いられる場合でも、乳化剤は有用であり得る。一般的な乳化剤には、オレイン酸
マンナイド(Arlacel(商標)A)、レシチン(例えばS100レシチン)、リン
脂質、Tween(商標)80およびSpans(商標)20、80、83および85が
含まれる。一般的に、疎水性物質対乳化剤の容量比(v/v)は約5:1〜約15:1の
範囲内であり、約10:1の比が好ましい。

0152

リポソームを完成した乳濁液に加えることができるか、それらは乳化の前に水相か疎水
相に存在してもよい。

0153

抗原は、製剤工程の様々な異なる段階で導入することができる。組成物に複数の型の抗
原(例えば不活性化ウイルス、弱毒化生ウイルス、タンパク質またはポリペプチド)を組
み込むことができる。

0154

一部の実施形態では、抗原は、リポソームの脂質二重層を形成するために用いられる構
成成分(例えばリン脂質(複数可)およびコレステロール)を水和させるために用いられ
る水溶液に存在する。この場合には、抗原は、その水性の内部に存在するリポソームに封
入される。疎水性物質の連続相を含む担体と最終的に混合される残留水溶液が存在するよ
うに、生じるリポソームが洗浄されないか、乾燥されない場合には、最終生成物のリポソ
ームの外部にさらなる抗原が存在し得る。関連技術では、抗原は、水溶液による水和の前
に、リポソームの脂質二重層を形成するために用いられる構成成分と混合されてもよい。
抗原は予め形成されたリポソームに加えることもでき、その場合には、抗原をリポソーム
に能動的に加えることができるか、リポソームの表面に結合させることができるか、また
は抗原はリポソームの外部に留まってもよい。そのような実施形態では、抗原の添加の前
に、予め形成されたリポソームは空のリポソーム(例えば封入された抗原または脂質をベ
ースとしたアジュバントを含有しない)であってもよいか、または予め形成されたリポソ
ームはリポソームに組み込まれるかそれと関連づけられる脂質をベースとしたアジュバン
トを含有することができる。これらのステップは、好ましくは、疎水性物質の連続相を含
む担体と混合する前に起こることができる。

0155

代替のアプローチでは、担体がリポソームと合わされる前、その間または後に、抗原は
、疎水性物質の連続相を含む担体と代わりに混合されてもよい。担体が乳濁液である場合
は、抗原は乳化の前に水相または疎水相の一方または両方と混合されてもよい。あるいは
、抗原は乳化の後に担体と混合されてもよい。

0156

リポソームの中に、および疎水性物質の連続相を含む担体の両方に抗原が存在するよう
に、抗原を担体と合わせる技術は、前記のようにリポソームへの抗原の封入と一緒に用い
ることができる。

0157

抗原を組成物に導入するための上記の手法は、本発明の組成物のアジュバントにも適用
される。すなわち、アジュバントは、例えば以下のいずれか1つまたは複数に、担体がリ
ポソームと合わされる前、その間または後に導入することができる:(1)リポソームの
脂質二重層を形成するために用いられる構成成分を水和させるために用いられる水溶液、
(2)リポソームの脂質二重層の形成の後の水溶液、(3)リポソームの脂質二重層を形
成するために用いられる構成成分、または(4)疎水性物質の連続相を含む担体。担体が
乳濁液である場合は、アジュバントは乳化の前、その間または後に、水相または疎水相の
一方または両方と混合されてもよい。

0158

リポソームの内部および/または外部に、ならびに疎水性物質の連続相を含む担体にア
ジュバントが存在するように、アジュバントを担体と合わせる技術は、リポソームへのア
ジュバントの封入、またはリポソームへのアジュバントの添加と一緒に用いることができ
る。

0159

アジュバントは、同じ処理ステップで抗原と一緒に、または異なる処理ステップで別々
に、組成物に組み込むことができる。例えば、抗原およびアジュバントの両方がリポソー
ムに封入されるように、脂質二重層形成リポソーム構成成分を水和させるために用いられ
る水溶液に抗原およびアジュバントの両方が存在してよい。あるいは、抗原はリポソーム
に封入されてよく、アジュバントは疎水性物質の連続相を含む担体と混合されてよい。さ
らなる実施形態では、リポソーム−抗原調製物手動ミニエクストルーダに通し、得られ
たリポソーム−抗原調製物を、例えばリン酸緩衝液中の脂質をベースとしたアジュバント
と次に混合することによって、抗原封入ステップの後にアジュバントを組成物に組み込む
ことができる。アジュバントがリポソームと関連するか、またはその外部に留まるように
、リポソームを形成した後に、アジュバントを単独で、または抗原と一緒に組成物に組み
込むこともできる。アジュバントは、抗原の添加の前にリポソームに組み込むかそれと関
連づけることもでき、抗原は予め形成されたリポソームの外部に留まるか、さらなる処理
によってリポソームに加えられる/関連づけられる。そのような実施形態では、生じるリ
ポソーム−抗原−アジュバント調製物を真空凍結乾燥させ、疎水性物質の連続相を含む担
体で次に再構成することができる。そのような多くの組合せが可能であることが理解され
る。

0160

組成物が1つまたは複数のさらなるアジュバントを含有する場合は、そのようなさらな
るアジュバントは、アジュバントについて上に記載したのと類似した方法で、または追加
のアジュバント(複数可)に適するであろう方法のいくつかを組み合わせることによって
組成物に組み込むことができる。

0161

抗原の有効期間を長くするために生物学的活性を維持するか化学的安定性を向上させる
糖、抗酸化剤または保存料などの安定剤、アジュバント、リポソームまたは連続疎水性担
体をそのような組成物に加えることができる。

0162

一部の実施形態では、抗原/アジュバント混合物を用いることができ、その場合には、
抗原およびアジュバントは同時に組成物に組み込まれる。「抗原/アジュバント混合物」
は、抗原およびアジュバントが少なくとも組成物への組込みの前に同じ希釈剤中にある実
施形態を指す。抗原/アジュバント混合物中の抗原およびアジュバントは、必ずしもその
必要性はないが、例えば共有結合によって化学的に連結されてよい。

0163

一部の実施形態では、疎水性物質の連続相を含む担体は、それ自体がアジュバント活性
を有することができる。不完全フロインドアジュバントは、アジュバント作用を有する疎
水性担体の例である。本明細書および特許請求の範囲で用いるように、用語「アジュバン
ト」が用いられる場合、これは、疎水性物質の連続相を含む担体によって提供される任意
のアジュバント活性に加えて、アジュバントの存在を示すものとする。

0164

一実施形態では、本発明の組成物を製剤化するために、S100レシチンおよびコレス
テロールの均一な混合物(例えば10:1 w:w)を、任意選択でリン酸緩衝液中で、
抗原の存在下で水和して、封入された抗原を有するリポソームを形成する。次に、リポソ
ーム調製物を、任意選択で手動ミニエクストルーダを通して押し出し、任意選択でリン酸
緩衝液中でアジュバントと混合して、アジュバントを組み込む。この懸濁液を次に真空
結乾燥させ、疎水性物質の連続相を含む担体で再構成して、無水リポソーム懸濁液を形成
することができる。

0165

一部の実施形態では、任意選択でリン酸緩衝液中で、抗原および適当なアジュバント(
例えばPam−3−Cys)の存在下で、S100レシチンおよびコレステロールの均一
な混合物(例えば10:1 w:w)を水和させ、封入された抗原およびアジュバントを
有するリポソームを形成することによって組成物を製剤化することができる。次に、リポ
ソーム/抗原/アジュバント調製物は、任意選択で水を用いて十分な量に希釈し、真空凍
結乾燥させることができる。次に、真空凍結乾燥させたリポソームを疎水性物質(例えば
鉱油またはMontanide(登録商標)ISA51)の連続相を含む担体で再構成し
、無水リポソーム懸濁液を形成することができる。

0166

一部の実施形態では、任意選択で、リン酸緩衝液中で、抗原および適当なアジュバント
(例えばPam−3−Cys−Ser−(Lys)4)の存在下で、ジオレオイル−ホス
ファチジルコリン(DOPC)およびコレステロールの均一な混合物(例えば10:1
w:w)を水和させ、抗原およびアジュバントを封入したリポソームを形成することによ
って組成物を製剤化することができる。次に、リポソーム/抗原/アジュバント調製物を
真空凍結乾燥させ、生じた生成物を疎水性物質(例えば鉱油またはMontanide(
登録商標)ISA51)の連続相を含む担体で再構成し、無水リポソーム懸濁液を形成す
ることができる。

0167

あるいは、抗原または抗原/アジュバント複合体は、リポソームと関連づけるか、接触
させるか、分離することができ、リポソームに封入されなくてもよい。疎水性環境に置か
れ、または凍結乾燥したときに、大部分の抗原がリポソームの外面と関連しているように
なるように、一部の親水性の抗原または親水性の抗原/アジュバント複合体のリポソーム
封入の効率は劣っていてよい。これは、本発明の別の実施形態を表す。

0168

さらなる実施形態では、B細胞エピトープおよびPADRE(抗原と融合しているか分
離している)を有する抗原(ペプチドまたはポリペプチド)は、リポソームに一緒に封入
されてもよい。別の実施形態では、複数の抗原が同じリポソーム中に一緒に置かれてもよ
い。さらなる実施形態では、ヘルパーTエピトープ、例えば破傷風トキソイドペプチド(
複数可)を有する他の物質が、PADREの代わりに用いられてもよい。別の実施形態で
は、アジュバント、好ましくはPAM2CysまたはPAM3Cysを含むパルミチン酸
をベースとしたアジュバントも、リポソームに封入することができる。リポソームは、好
ましくはPBSに懸濁される。この懸濁液は、疎水性担体、例えばISA51または鉱油
で次に乳化される。その結果、抗原(複数可)およびアジュバント(複数可)を含有する
リポソームはPBSに懸濁され、それは、疎水性担体、例えばISA51または鉱油で次
に乳化される。

0169

一実施形態では、リポソーム/H5N1組換え血球凝集素タンパク質(抗原)/Pam
−3−Cys−Ser−(Lys)4(アジュバント)/疎水性担体を含む本発明の組成
物(ワクチンA)の単回投与で筋肉内注射されたマウスから得られた抗体価は、水性アル
ミニウムをベースとした対照ワクチンで処置され(追加免疫された)マウスと比較して、
免疫から3、4および8週間後に有意に強化されていた(図1)。例えば、本発明のワク
チンAは、ワクチン接種から3および4週間後に最高1/2,048,000の、および
ワクチン接種から8週間後に最高1/8,192,000のエンドポイント抗体価を生成
することが可能であったが、対照ワクチンのエンドポイント抗体価は、ワクチン接種から
3、4および8週間後にそれぞれわずか最高1/512,000、1/256,000お
よび1/4,096,000であった。これらの結果は、本発明の組成物が、単一投与の
結果、単一のまたは追加免疫された水性ミョウバンをベースとした対照ワクチンと比較し
て、強化されたin vivo体液性免疫応答を生成することができることを示す。

0170

一実施形態では、リポソーム/百日咳トキソイドタンパク質(抗原)/Pam−3−C
ys−Ser−(Lys)4(アジュバント)/疎水性担体を含む本発明の組成物(ワク
チンB)による単一の処置によるマウスの免疫が、肺細菌数を、百日咳菌(Bordetella p
ertussis)による抗原投与から8日目の肺1つあたり6.2×104cfuの高さから抗
原投与から15日目の肺1つあたり0cfuに低減することができた(図2)。これらの
結果は、本発明の組成物の単回投与は、マウスを細菌抗原投与から効果的に防御し、肺か
ら感染を完全に除去することを示す。

0171

一実施形態では、リポソーム/炭疽菌組換え防御抗原(抗原)/Pam−3−Cys(
アジュバント)/疎水性担体を含む本発明の組成物(ワクチンC)を単回投与で筋肉内注
射されたウサギから得られた抗体価は、初期(追加免疫前)の時点で水性アルミニウムを
ベースとした対照ワクチンで処置したウサギと比較して有意に強化された(図3)。例え
ば、本発明のワクチンCは、ワクチン接種から3および4週間後に最高1/2,048,
000の、およびワクチン接種から8週間後に最高1/8,192,000のエンドポイ
ント抗体価を生成することが可能であったが、対照ワクチンのエンドポイント抗体価は、
ワクチン接種から3、4および8週間後にそれぞれわずか最高1/64,000、1/2
56,000および1/2,048,000であった。これらの結果は、本発明の組成物
が単一のワクチン接種から3週後という早い時期に、驚くほど強力なin vivo体液
性免疫応答を生成することができることを示す。

0172

一実施形態では、本発明のワクチンAを単回投与で筋肉内注射したマウス(第1群)か
ら得られた抗体価は、リポソームなし(第2群)、疎水性担体なし(第3群)、または脂
質をベースとしたアジュバントなし(第4群)の対照組成物の単回投与の投与と比較して
有意に強化された(図4)。例えば、本発明のワクチンCは、ワクチン接種から8週間後
に最高1/2,048,000のエンドポイント抗体価を生成することが可能であったが
、第2、3および4群は、同じ時点でそれぞれ1/64,000、1/128,000お
よび1/128,000のエンドポイント抗体価を生成することができただけである。こ
れらの結果は、抗原、リポソーム、脂質をベースとしたアジュバントおよび疎水性物質の
連続相を含む担体の各々を含む本発明の組成物が、頑強で持続性のin vivo体液性
免疫応答を起こさせることが可能であることを示す。

0173

本明細書に記載される組成物は、経口、経鼻、経直腸または非経口投与に適する形に製
剤化することができる。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、筋肉内、経上皮
肺内クモ膜下および局所様式の投与が含まれる。好ましい経路は、デポ作用を達成す
るために、筋肉内、皮下および皮内である。

0174

所望の結果を達成するために、当業者は、任意の特定の用途に適する処置体系、投与経
路、投薬量などを判断することができる。考慮されてもよい因子には、例えば、以下のも
のが含まれる:抗原の性質;予防または処置する疾患状態;対象の年齢身体的状態、体
重、性別および食事;ならびに他の臨床因子。例えば、The National Institute of Heal
thのResearcher's Associates (Gaku-yuu-kai)編集による「Vaccine Handbook」(1994)
;「Manual of Prophylactic Inoculation、8版」、Mikio Kimura、Munehiro Hirayamaお
よびHarumi Sakai編、Kindai Shuppan(2000);「Minimum Requirements for Biologica
l Products」、Association of Biologicals Manufacturers of Japan編(1993)を参照

0175

最適な免疫応答を導き出すアジュバントおよび抗原の最適量は、限定されずに、組成物
、疾患、対象を含むいくつかの因子によって決めることができ、例えば宿主での抗体価お
よび他の免疫原性応答の観察を含む標準の試験を用いて、当業者が容易に確認することが
できる。

0176

本明細書に記載される組成物は、単一の適用で投与されるときに効果を発揮することが
できる。

0177

別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、他の療法と一緒に、その前にまた
は後に用いることができる。

0178

キットおよび試薬
本発明は、任意選択でキットとして使用者に提供される。例えば、本発明のキットは、
本発明の組成物の1つまたは複数を含有する。キットは、1つまたは複数の追加の試薬、
パッケージング材料、キットの構成成分を保持するための容器、およびキット構成成分を
用いる好ましい方法を詳述するインストラクションセットまたは利用者マニュアルをさら
に含んでもよい。

0179

本発明の実施形態
本発明の特定の実施形態には、それらに限定されないが以下のものが含まれる:
1.リポソーム;体液性免疫応答を誘導することができる抗原;疎水性物質の連続相を
含む担体;およびTLR2を活性化するか、またはその活性を増加させるアジュバント、
好ましくは脂質をベースとするアジュバントを含むか、それらからなるか、または実質的
になる組成物。

0180

2.アジュバントがtoll様受容体2(TLR2)またはTLR1/2もしくはTL
R2/6などのTLR二量体を活性化するか、またはその活性を増加させる、段落1の組
成物

0181

3.アジュバントが、TLR2、ヘテロダイマーTLR1/2およびヘテロダイマーT
LR2/6から選択されるtoll様受容体(TLR)を活性化するか、またはその活性
を増加させるだけであり、他のTLRを活性化しないかその活性を増加させない、段落1
の組成物。

0182

4.アジュバントが、例えばリポアミノ酸、リポグリカン、リポ多糖、リポタイコ酸、
またはグラム陽性菌もしくはグラム陰性菌、ロドシュードモナス・ビリディス(Rhodopse
udomonas viridis)またはマイコプラズマの細胞壁構成成分を含む、少なくとも1つの天
然、合成または半合成の脂質部分、脂質構成成分またはその類似体もしくは誘導体を含む
か、それからなるか、または実質的になる化合物である、段落1〜3のいずれか1つの組
成物。

0183

5.アジュバントが、PAM2Cys−Ser−(Lys)4、PAM3Cys−Se
r−(Lys)4、PAM3Cys−SKKKK(β照射)、R−PAM3Cys−SK
KKK、S−PAM3Cys−SKKKK、PAM3Cys−SKKKK(ビオチン−A
ca−Aca)、PAM3Cys−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)、P
AM3Cys−SKKKK(ローダミン−Aca−Aca)、PAM3Cys−SKKK
K−FLAG−タグ、PHC−SKKKK、PHC−SKKKK(ビオチン−Aca−A
ca)、PAM3Cys−SSNAKIDQLSSDVQT、PAM3Cys−SSNK
STTGSGETTTA、PAM3Cys−SSTKPVSQDTSPKPA、PAM3
Cys−SSGSKPSGGPLPDAK、PAM3Cys−SSGNKSAPSSSA
SSS、PAM3Cys−GSHQMKSEGHANMQL、PAM3Cys−SSSN
NDAAGNGAAQT、PAM3Cys−KQNVSSLDEKNSVSV、PAM3
Cys−NNSGKDGNTSANSAD、PAM3Cys−NNGGPELKSDEV
AKS、PAM3Cys−SQEPAAPAAEATPAG、PAM3Cys−SSSK
SSDSSAPKAYG、PAM3Cys−AQEKEAKSELDYDQT、PAM2
Cys−SKKKK(RRおよびRS立体異性体の混合物)、R−PAM2Cys−SK
KKK(RR立体異性体)、S−PAM2Cys−SKKKK(RS立体異性体)、PA
MCys(PAM)−SKKKK、PAM2Cys−SKKKK(ビオチン−Aca−A
ca)−NH2、PAM2Cys−SKKKK(フルオレセイン−Aca−Aca)−N
H2、PAM2Cys−SKKKK(ローダミン−Aca−Aca)−NH2、PAM2
Cys−SKKKK−FLAG−タグ、PAM−Dhc−SKKKK、PAM−CSKK
KK、PAM−Dhc−GDPKHPKSF、PAM−CGDPKHPKSF、FSL−
1(Pam2CGDPKHPKSF)、FSL−1−Ala、マクロファージ活性化リポ
ペプチド−2(MALP−2)、M.スメグマチス(M. smegmatis)からのリポアラビノ
マンナン(LAM−MS)、M.スメグマチス(M. smegmatis)からのリポマンナン(L
M−MS)、P.ジンジバリス(P. gingivalis)からのリポ多糖(LPS−PG超高純
度)、枯草菌(B. subtilis)(LTA−BS)もしくは黄色ブドウ球菌(S. aureus)(
LTA−SA)からのリポタイコ酸、またはその誘導体もしくは類似体を含むか、それか
らなるか、または実質的になるか、またはグラム陽性菌もしくはグラム陰性菌の細胞壁
成成分を含む加熱死菌である、段落1〜4のいずれか1つの組成物。

0184

6.アジュバントがパルミチン酸アジュバントである、段落1〜5のいずれか1つの組
成物。

0185

7.アジュバントがジパルミトイル−S−グリセリル−システイン(PAM2Cys)
またはトリパルミトイル−S−グリセリル−システイン(PAM3Cys)を含むか、そ
れからなるか、または実質的になる、段落1〜6のいずれか1つの組成物。

0186

8.アジュバントがPAM2Cys−Ser−(Lys)4、PAM3Cys−Ser
−(Lys)4、FSL−1またはMALP−2である、段落1〜6のいずれか1つの組
成物。

0187

9.アジュバントがPAM2Cys−Ser−(Lys)4である、段落8の組成物。

0188

10.アジュバントがPAM3Cys−Ser−(Lys)4である、段落8の組成物

0189

11.TLR2を活性化するか、またはその活性を増加させるアジュバントに加えて、
少なくとも1つの他の適当なアジュバントをさらに含む、段落1〜10のいずれか1つの
組成物。

0190

12.抗原がポリペプチドまたは炭水化物である、段落1〜11のいずれか1つの組成
物。

0191

13.抗原がB細胞エピトープまたは複数のB細胞エピトープを含むか、それからなる
か、または実質的になる、段落1〜12のいずれか1つの組成物。

0192

14.B細胞エピトープがウイルスまたは細菌に由来する、段落13の組成物。

0193

15.B細胞エピトープがインフルエンザウイルス、百日咳菌(Bordetella pertussis
)または炭疽菌(Bacillus anthracis)に由来する、段落14の組成物。

0194

16.B細胞エピトープが、H5N1インフルエンザウイルスの血球凝集素タンパク質
のエピトープ、百日咳トキソイドタンパク質のエピトープまたは炭疽菌組換え防御抗原の
エピトープである、段落15の組成物。

0195

17.抗原が、感染性疾患と関連する抗原;膜表面に結合したがん抗原;毒素;花粉な
どのアレルゲン;または循環中の抗原、例えばアミロイドタンパク質を隔離することが望
ましい疾患と関連する抗原である、段落1〜13のいずれか1つの組成物。

0196

18.感染性疾患がインフルエンザ、ヒトRSウイルスに起因する呼吸器官感染症、百
日咳、炭疽またはマラリアである、段落17の組成物。

0197

19.毒素がコカインなどの薬物物質である、段落17の組成物。

0198

20.抗原がハプテン−担体付加物である、段落1〜13のいずれか1つの組成物。

0199

21.リポソームが、リン脂質または非エステル化コレステロールを含むか、それから
なるか、または実質的になる、段落1〜20のいずれか1つの組成物。

0200

22.抗原がリポソームに封入されるか、抗原とアジュバントの両方がリポソームに封
入される、段落1〜21のいずれか1つの組成物。

0201

23.無水リポソーム懸濁液である、段落1〜22のいずれか1つの組成物。

0202

24.単回投与で体液性免疫応答を誘導することが可能である、段落1〜23のいずれ
か1つの組成物。

0203

25.体液性免疫応答が抗原特異的抗体産生で特徴づけられる、段落24の組成物。

0204

26.対象のワクチン接種から約3週後までに最高約1/2,048,000の抗体価
の抗原特異的抗体を生成することが可能である、段落25の組成物。

0205

27.対象のワクチン接種から約8週後までに最高約1/8,192,000の抗体価
の抗原特異的抗体を生成することが可能である、段落25の組成物。

0206

28.体液性免疫応答がヘルパーT2(Th2)細胞またはヘルパーT17(Th17
)細胞の活性化または生成と関連する、段落24〜27のいずれか1つの組成物。

0207

29.体液性免疫応答によって改善される疾患または障害の処置または予防のための、
段落1〜28のいずれか1つの組成物。

0208

30.感染性疾患;膜表面に結合したがん抗原を伴うがん;または、アルツハイマー病
などの、循環中の抗原を隔離することが望ましい疾患もしくは障害の処置または予防のた
めの、段落1〜28のいずれか1つの組成物。

0209

31.毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和するための、段落1〜28
のいずれか1つの組成物。

0210

32.体液性免疫応答によって改善される疾患または障害を処置または予防する方法で
あって、段落1〜28のいずれか1つの組成物を対象に投与することを含むか、それから
なるか、または実質的になる方法。

0211

33.感染性疾患、膜表面に結合したがん抗原を伴うがん;または、アルツハイマー病
などの、循環中の抗原を隔離することが望ましい疾患もしくは障害を処置または予防する
方法であって、段落1〜28のいずれか1つの組成物を対象に投与することを含むか、そ
れからなるか、または実質的になる方法。

0212

34.感染性疾患がインフルエンザ、ヒトRSウイルスに起因する呼吸器官感染症、百
日咳、炭疽またはマラリアである、段落33の方法。

0213

35.毒素、ウイルス、細菌またはアレルゲンを抗体で中和する方法であって、段落1
〜28のいずれか1つの組成物を対象に投与することを含むか、それからなるか、または
実質的になる方法。

0214

36.毒素がコカインなどの薬物物質である、段落35の方法。

0215

37.対象が哺乳動物、好ましくはヒトである、段落32〜36のいずれか1つの方法

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