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技術 蓄電装置を備えた電動射出成形機

出願人 株式会社日本製鋼所
発明者 高松俊輔
出願日 2016年7月12日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-137723
公開日 2018年1月18日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-008397
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の射出成形 チル鋳造・ダイキャスト
主要キーワード 突出装置 交流直流変換器 直流電圧線 直流電圧変換回路 突出軸 流出電流 停電時運転 蓄電池電流
関連する未来課題
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図面 (7)

課題

電力平滑化して停電時に成形サイクルを継続するための蓄電装置を備え、蓄電装置が適切な容量と能力とを有しているか否かを評価できる電動射出成形機を提供する。

解決手段

蓄電池(28)からなる蓄電装置(7)が設けられている電動射出成形機として構成される。蓄電装置(7)は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようにする。この蓄電装置(7)に対して流入/流出する電流である蓄電池電流を検出し、蓄電装置(7)の電荷量の変化である蓄電収支を蓄電池電流の時間積分により計算する。成形サイクル毎に蓄電収支を監視し、所定の回数の成形サイクルにおいて蓄電収支が連続してマイナスになったら警報を出力する。

概要

背景

電動射出成形機は、金型型締めする型締装置樹脂溶融して金型内射出する射出装置、等の各装置がモータによって駆動されるようになっている。電動射出成形機にはコンバータが設けられ、工場から供給される三相交流電圧直流電圧に変換される。それぞれのモータにはインバータが設けられ、この直流電圧がインバータによって任意の周波数で任意の電圧の三相交流電圧に変換されてモータに供給され、モータが駆動されるようになっている。このように工場からの電力供給によって駆動されるようになっているので、停電が発生すると電動射出成形機は停止せざるを得ないが、一応、次に説明するように停電時に所定時間成形サイクルを継続できる電動射出成形機も提案されてはいる。ところで成形品成形する成形サイクルは、樹脂を溶融して計量する計量工程、金型を型締めする型締工程、樹脂を射出する射出工程等からなるが、射出工程は短時間に大量の電力消費するのに対し、他の工程は比較的電力消費は少ない。つまり成形サイクルにおいては消費される電力が大きく変動する。従って、従来の電動射出成形機においてはコンバータは消費される最大電力に見合うように十分な容量が要求されている。また消費電力の変動が大きいので工場の受電設備に対して大きな負荷をかけている。

概要

電力を平滑化して停電時に成形サイクルを継続するための蓄電装置を備え、蓄電装置が適切な容量と能力とを有しているか否かを評価できる電動射出成形機を提供する。蓄電池(28)からなる蓄電装置(7)が設けられている電動射出成形機として構成される。蓄電装置(7)は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようにする。この蓄電装置(7)に対して流入/流出する電流である蓄電池電流を検出し、蓄電装置(7)の電荷量の変化である蓄電収支を蓄電池電流の時間積分により計算する。成形サイクル毎に蓄電収支を監視し、所定の回数の成形サイクルにおいて蓄電収支が連続してマイナスになったら警報を出力する。

目的

すなわちこの電動射出成形機は停電時に蓄電装置によって運転が可能となる時間は計算されるようになっているが、この情報をユーザに提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

外部から供給される三相交流電流直流電流に変換する交流直流変換器と、直流電流の供給を受けてモータを駆動する複数個インバータとの間に、蓄電池からなる蓄電装置が設けられている電動射出成形機であって、前記蓄電装置は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流が蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようになっており、前記電動射出成形機は、前記蓄電装置に対して流入/流出する電流である蓄電池電流が検出され、蓄電装置の電荷量の変化である蓄電収支が前記蓄電池電流の時間積分により計算され、成形サイクル毎に前記蓄電収支が監視され、所定の回数の成形サイクルにおいて前記蓄電収支のマイナスが連続して検出されたら警報が出力されることを特徴とする電動射出成形機。

請求項2

請求項1に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機に設けられているモニタには、成形サイクル毎に変化する前記蓄電収支がグラフ表示されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機。

請求項3

請求項1または2に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機は外部からの三相交流電圧の供給が停止する停電時には前記蓄電装置から供給される直流電流により運転されるようになっており、外部からの三相交流電圧が正常に供給されているときは、前記交流直流変換器から直流電圧が供給される直流電圧線において電流を時間積算して1回の成形サイクル当たりに必要な電荷量である成形サイクル電荷量が計算され、前記蓄電装置に蓄電されている電荷量を前記成形サイクル電荷量で除して、停電時において前記蓄電装置からの電力供給により運転可能な成形サイクルの回数である停電時運転可能成形サイクル回数が計算されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機。

請求項4

請求項3に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機に設けられているモニタには、前記停電時運転可能成形サイクル回数が表示されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機。

技術分野

0001

本発明は、蓄電装置を備えた電動射出成形機に関するものであり、より詳しくは、コンバータサーボアンプに供給している直流電力を、電力消費が少ない工程において蓄電し大電力が必要な工程において供給するようにして、成形サイクル全体において電力を平滑化するようになっている蓄電装置を備えた電動射出成形機に関するものである。

背景技術

0002

電動射出成形機は、金型型締めする型締装置樹脂溶融して金型内射出する射出装置、等の各装置がモータによって駆動されるようになっている。電動射出成形機にはコンバータが設けられ、工場から供給される三相交流電圧直流電圧に変換される。それぞれのモータにはインバータが設けられ、この直流電圧がインバータによって任意の周波数で任意の電圧の三相交流電圧に変換されてモータに供給され、モータが駆動されるようになっている。このように工場からの電力供給によって駆動されるようになっているので、停電が発生すると電動射出成形機は停止せざるを得ないが、一応、次に説明するように停電時に所定時間成形サイクルを継続できる電動射出成形機も提案されてはいる。ところで成形品成形する成形サイクルは、樹脂を溶融して計量する計量工程、金型を型締めする型締工程、樹脂を射出する射出工程等からなるが、射出工程は短時間に大量の電力を消費するのに対し、他の工程は比較的電力消費は少ない。つまり成形サイクルにおいては消費される電力が大きく変動する。従って、従来の電動射出成形機においてはコンバータは消費される最大電力に見合うように十分な容量が要求されている。また消費電力の変動が大きいので工場の受電設備に対して大きな負荷をかけている。

0003

特許第5497624号公報
特開2013−18152号公報

0004

特許文献1には、停電時にも成形サイクルを継続することができる電動射出成形機が記載されている。この文献に記載の電動射出成形機は、電力を貯蔵する蓄電装置を備えている。工場からの三相交流電圧が正常に供給されているときは、コンバータによって変換された直流電力を蓄電装置に貯蔵する。停電が発生すると、蓄電装置から直流電圧線に直流電力を供給する。これによって停電時にも電動射出成形機の運転を継続することができる。ところで特許文献1に記載の電動射出成形機は、蓄電装置の蓄電残量を測定し、1回分の成形サイクルに必要な消費電力量をもとに、蓄電装置によって運転が可能な時間を計算する。そしてこの時間内においては電動射出成形機の運転を継続させ、停電が解消すればその後も運転を継続する。しかしながら時間内に停電が解消しなければ電動射出成形機を停止させるようになっている。

先行技術

0005

特許文献2には、直流電流を所定の電力量だけ貯蔵できる電力貯蔵装置を備えた電動射出成形機が記載されている。この電力貯蔵装置は、電動射出成形機の電源装置の直流電圧線側に設けられており、各サーボモータを駆動するサーボアンプと並列に接続されている。この電力貯蔵装置は、コイルコンデンサと2個のスイッチと2個のダイオードとからなる電力貯蔵回路を備えており、直流電圧から電力の供給を受けて、電圧を昇圧してコンデンサに蓄電することができる。電力貯蔵装置に貯蔵された電力によって、停電時にも各モータを所定時間だけ駆動でき、これによって各装置を安全な状態にして停止できるようになっている。ところで、特許文献2に記載の電動射出成形機は、工場からの電力供給が正常なときには、電力消費を平滑化する作用も奏する。すなわち、成形サイクルのうち電力消費が比較的少ない工程においては電力貯蔵装置に電力を貯蔵し、短時間に大電力が必要な射出工程において、電力貯蔵装置から貯蔵した電力が供給されるようになっている。従って、成形サイクルにおいて供給する電力を平滑化することができ、コンバータ等の電源装置の容量は小さくすることができ、工場の受電設備の負担を軽減することができる。

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1に記載の電動射出成形機は、停電時にも蓄電装置に蓄電された電力によって成形サイクルを継続することができ、優れてはいる。また特許文献2に記載の電動射出成形機は、停電時には各装置を安全な状態にして停止することができるし、さらには特許文献2に記載の電動射出成形機は成形サイクルにおける供給電力が平滑化されるので、コンバータの容量を小さくできるし工場の受電設備に対する負担も軽減でき優れてはいる。しかしながら、これらの文献に記載の電動射出成形機については改善すべき点も見受けられる。まず、特許文献1に記載の電動射出成形機に関しては、電力供給が正常な時において供給する電力を平滑化する点は考慮されていない。つまり停電が発生していない正常時の運転においては、蓄電装置は電力を貯蔵するだけであり、射出工程のように消費電力が大きい工程において蓄電装置から電力を供給するような点は考慮されていない。また特許文献1に記載の電動射出成形機は、停電時に蓄電装置からの電力供給で運転継続ができるが、ユーザに対する情報の提供について解決すべき問題がある。すなわちこの電動射出成形機は停電時に蓄電装置によって運転が可能となる時間は計算されるようになっているが、この情報をユーザに提供するような点は考慮されていないからである。停電が発生しても、ユーザは運転が可能な時間を知ることができない。ユーザは、電動射出成形機が停止してはじめて運転可能な時間が経過したことを知ることになる。さらには蓄電装置からの電力供給によって運転が可能となる時間を計算してはいるが、その計算方法について不明な点も問題であると言える。つまり具体的にどのように計算するのかは示されていない。蓄電装置における蓄電状態に関する情報と、成形サイクルに必要な消費電力量とをもとにして計算するとされているが、蓄電状態に関する情報がどのようなデータであるのかの記載がない。仮に蓄電状態に関する情報が、蓄電装置に蓄電されている電力量のことを意味するのであれば、この蓄電されている電力量を1成形サイクルに必要な電力量によって除すようにすれば運転可能な時間は計算できそうである。しかしながら、一般的な回路においては回路の色々な部分において電力ロスが発生することを考慮すると、さらには蓄電池自身が放電時に電力をロスすることを考慮すると、蓄電装置に蓄電されている電力量がロス無く全て成形サイクルを実施するために消費されるとは考えられない。そうすると、計算によって得られた運転が可能な時間の精度は高くないと考えられる。電力量によって計算する以上、電力ロスの影響を受けてしまうからである。

0007

特許文献2に記載の電動射出成形機に関しては、電力貯蔵装置において電力を貯蔵する対象がコンデンサである点について考慮が必要と言える。コンデンサは蓄電池に比して貯蔵できる電力は少ないので、停電時において成形サイクルを継続することができるだけの電力量を貯蔵することはできない。またコンデンサに電力を貯蔵する場合、高電圧に昇圧しなければならないという点も注意が必要である。例えばサーボアンプに供給する直流電圧は150V、300V等のように高電圧であるが、電力貯蔵装置のコンデンサにはそれよりも更に高い電圧に昇圧して蓄電する必要がある。高電圧は取り扱いが大変であるし、絶縁に対する十分な対策も必要になる。つまりコンデンサに電力を貯蔵する場合には色々考慮すべき点が多い。特許文献2に記載の電動射出成形機においては、電力貯蔵装置が適切な容量と単位時間あたり十分な蓄電/放電する能力とを備えているかどうか評価する手段がないという問題もある。電力貯蔵装置の容量が小さくても、そして蓄電/放電能力が高くなくても、ある程度は消費電力の変動を抑制することはできる。しかしながら、電力貯蔵装置の容量が十分に大きく、そして単位時間あたりに蓄電/供給できる電力量が十分に高ければ、成形サイクルにおいて消費電力を実質的に一定にできるはずである。一応コンデンサは単位時間あたりに蓄電/供給できる蓄電/放電能力は十分に大きい。そうすると蓄電量つまり容量が十分であるか否かが問題になるが、特許文献2に記載の電動射出成形機においては、電力貯蔵装置の容量が適切か否かを評価する手段がないという問題がある。

0008

本発明は、上記したような問題点を解決した電動射出成形機を提供することを目的とし、具体的には、大電力を貯蔵できる蓄電装置を備え、工場からの電力供給が正常なときには供給する電力を平滑化することができ、停電時には蓄電装置に蓄電された電力によって成形サイクルを継続できるようになっている電動射出成形機であって、蓄電装置が供給電力を平滑化するのに適切な容量と適切な蓄電/放電能力とを有しているか否かを評価することができると共に、停電時に運転が継続できる成形サイクルの回数を精度良く予想でき、このような情報をユーザに提供するようになっている電動射出成形機を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、上記目的を達成するために、蓄電池からなる蓄電装置が設けられている電動射出成形機として構成される。そして蓄電装置は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流が蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようにする。この蓄電装置に対して流入/流出する電流である蓄電池電流を検出し、蓄電装置の電荷量の変化である蓄電収支を蓄電池電流の時間積分により計算する。成形サイクル毎に蓄電収支を監視し、所定の回数の成形サイクルにおいて蓄電収支が連続してマイナスになったら警報を出力するように構成する。

0010

すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、外部から供給される三相交流電流を直流電流に変換する交流直流変換器と、直流電流の供給を受けてモータを駆動する複数個のインバータとの間に、蓄電池からなる蓄電装置が設けられている電動射出成形機であって、前記蓄電装置は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流が蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようになっており、前記電動射出成形機は、前記蓄電装置に対して流入/流出する電流である蓄電池電流が検出され、蓄電装置の電荷量の変化である蓄電収支が前記蓄電池電流の時間積分により計算され、成形サイクル毎に前記蓄電収支が監視され、所定の回数の成形サイクルにおいて前記蓄電収支のマイナスが連続して検出されたら警報が出力されることを特徴とする電動射出成形機として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機に設けられているモニタには、成形サイクル毎に変化する前記蓄電収支がグラフ表示されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機は外部からの三相交流電圧の供給が停止する停電時には前記蓄電装置から供給される直流電流により運転されるようになっており、外部からの三相交流電圧が正常に供給されているときは、前記交流直流変換器から直流電圧が供給される直流電圧線において電流を時間積算して1回の成形サイクル当たりに必要な電荷量である成形サイクル電荷量が計算され、前記蓄電装置に蓄電されている電荷量を前記成形サイクル電荷量で除して、停電時において前記蓄電装置からの電力供給により運転可能な成形サイクルの回数である停電時運転可能成形サイクル回数が計算されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電動射出成形機において、前記電動射出成形機に設けられているモニタには、前記停電時運転可能成形サイクル回数が表示されるようになっていることを特徴とする電動射出成形機として構成される。

発明の効果

0011

以上のように本発明は、外部から供給される三相交流電流を直流電流に変換する交流直流変換器と、直流電流の供給を受けてモータを駆動する複数個のインバータとの間に、蓄電池からなる蓄電装置が設けられている電動射出成形機を対象としている。そして蓄電装置は成形サイクルにおいて消費電力が小さいときに直流電流が蓄電されると共に消費電力が大きいときに直流電流が供給されるようになっている。つまり成形サイクルにおいて大きく変動する消費電力に対して供給する電力の変動を抑制して平滑化する電動射出成形機を対象としている。そして本発明によると、電動射出成形機は、蓄電装置に対して流入/流出する電流である蓄電池電流が検出され、蓄電装置の電荷量の変化である蓄電収支が蓄電池電流の時間積分により計算されている。そもそも蓄電池の蓄電量は電流と時間の積、つまり電荷量で評価されるので、本発明が蓄電収支を計算し、これによって蓄電装置の電荷量の変化を評価しているのは合理的である。そして本発明によると、成形サイクル毎に蓄電収支が監視され、所定の回数の成形サイクルにおいて蓄電収支が連続してマイナスとして検出されたら警報が出力されるように構成されている。つまり蓄電収支は、成形サイクルの所定のタイミングで成形サイクル毎に監視されるようになっており、蓄電装置に対して適切に電荷量が流入/流出しているか否かが確認されている。交流直流変換器からの直流電流が十分に供給されていれば、毎回の成形サイクルにおいて蓄電装置の蓄電収支はほぼゼロになるはずであるが、蓄電装置を構成している蓄電池の単位時間あたりの蓄電/放電の能力が小さいとき、蓄電収支がマイナスになる。本発明はこの蓄電収支の低下を検出して警報が出力されるので、蓄電装置の能力不足を検出することができる。つまり蓄電装置が消費電力を平滑化するのに適切な容量と適切な蓄電/放電能力とを有しているか否かを評価することができる。他の発明によると、電動射出成形機に設けられているモニタには、成形サイクル毎に変化する蓄電収支がグラフ表示されるようになっているので、電動射出成形機のユーザは、蓄電装置の容量と蓄電/放電能力とに関してこれらが十分であるか否かを容易に評価することができる。

0012

また他の発明によると、電動射出成形機は外部からの三相交流電圧の供給が停止する停電時には蓄電装置から供給される直流電流により運転されるようになっており、外部からの三相交流電圧が正常に供給されているときは、交流直流変換器から直流電圧が供給される直流電圧線において電流を時間積算して1回の成形サイクル当たりに必要な電荷量である成形サイクル電荷量が計算され、蓄電装置に蓄電されている電荷量を成形サイクル電荷量で除して、停電時において蓄電装置からの電力供給により運転可能な成形サイクルの回数である停電時運転可能成形サイクル回数が計算されるように構成されている。つまり、停電時運転可能成形サイクル回数を計算するとき、蓄電装置に蓄電されている電荷量を、1回の成形サイクルに対して必要な電荷量である成形サイクル電荷量で除すようにしているので、すべて電荷量で計算するようになっている。電力量により計算すると、回路における電力ロスや電圧の変化を考慮しなければならないが、実質的にほとんどロスがない電荷量によって計算するので、停電時運転可能成形サイクル回数は精度良く計算することができる。つまり精度良く、停電時運転可能成形サイクル回数を予測することができる。そしてこの発明によって予測される停電時運転可能成形サイクル回数が1回に満たないとき、通常の運転時においても蓄電装置の電荷量が一時的にゼロになることを意味しているので、蓄電装置の容量が消費電力を平滑化するのに十分でないと判断することもできる。他の発明によると、電動射出成形機に設けられているモニタには、停電時運転可能成形サイクル回数が表示されるようになっている。電動射出成形機のユーザは、停電時において運転可能な成形サイクル回数を容易に知ることができるので、適切な対応を採ることが可能になる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施の形態に係る電動射出成形機の電力供給システムを模式的に示す配線図である。
本発明の実施の形態に係る蓄電装置を示す回路図である。
その(ア)〜(オ)は色々な条件下において本実施の形態に係る電動射出成形機において成形サイクルを実施したときの、各装置を駆動するために消費される電流と、交流直流変換器から供給される電流と、蓄電装置の蓄電量である電荷量の変化を示すグラフである。
本実施の形態に係る電動射出成形機のモニタに表示されるグラフであり、その(ア)は成形サイクル毎の蓄電装置における蓄電収支を、その(イ)は最新の蓄電装置における蓄電収支を、その(ウ)は成形サイクル毎に変化する蓄電装置の電荷量を、その(エ)は現在の蓄電装置の電荷量を、それぞれ示すグラフである。
第2の実施の形態に係る電動射出成形機の電力供給システムを模式的に示す配線図である。
第2の実施の形態に係る蓄電装置を示す回路図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の第1の実施の形態に係る電動射出成形機は、従来周知の電動射出成形機と同様に、金型を型締めする型締装置、加熱シリンダスクリュとからなり樹脂を溶融して射出する射出装置、成形品を突き出す突出装置、等から構成され、これらの各装置はサーボモータ等のモータによって駆動されるようになっている。これらのモータを駆動するための電力供給システム1が図1に示されている。

0015

第1の実施の形態において、電力供給システム1は、従来の電動射出成形機と同様に、工場電源2からの三相交流電圧を直流電圧に変換する交流直流変換器6、直流電圧の供給を受けて射出軸可塑化軸、型開閉軸、突出軸等のモータM、M、M、…を駆動するインバータであるサーボアンプ12、13、14、15等から構成されている。交流直流変換器6は本実施の形態においてはPWMコンバータから構成され、安定した電圧の直流電圧に変換できるようになっている。

0016

本実施の第1の形態に係る電力供給システム1においては、交流直流変換器6とサーボアンプ12、13、…とを接続する直流電圧線には蓄電装置7が介装されている。正確に説明すると、この第1の実施の形態においては交流直流変換器6と蓄電装置7は第1の直流電圧線9で接続され、蓄電装置7とサーボアンプは第2の直流電圧線10で接続されている。つまり、第1、2の直流電圧線9、10は蓄電装置7を介して接続されている。次に説明するように、第1の直流電圧線9に供給される直流電圧は、蓄電装置7に設けられている蓄電池に蓄電するのに適した比較的低電圧になっており、第2の直流電圧線10に供給される直流電圧はサーボアンプ12、13、…を駆動するのに適した比較的高電圧になっている。

0017

第1の実施の形態に係る蓄電装置7は、図2に示されているように、直流電圧を蓄電すると共に必要に応じて供給する蓄電池28と、直流電圧を昇圧したり降圧するいわゆるチョッパ回路つまり直流電圧変換回路17とから構成されている。蓄電池28は、第1の直流電圧線9に接続されており、交流直流変換器6からの比較的低電圧の直流電圧が供給されるようになっている。これに対して直流電圧変換回路17は、第1、2の直流電圧線9、10に介装され、第1の直流電圧線9の直流電圧を、サーボアンプ12、13、…の駆動に適した直流電圧に昇圧して第2の直流電圧線10に供給するようになっている。直流電圧変換回路17を詳しく説明すると、1個のインダクタ18と、IGBTからなる第1、2のトランジスタ20、21と、第1、2のダイオード23、24とからなる。まずインダクタ18は、第1の直流電圧線9の正の電圧線P1に設けられ、このインダクタ18から延びる電圧線は二股分岐して、一方の分岐には第1のトランジスタ20が介装されて負の電圧線Nに接続され、他の分岐には第1のダイオード23が介装されて第2の直流電圧線10の正の電圧線P2に接続されている。第1のトランジスタ20は駆動されると正の電圧線P1から負の電圧線Nの方向に電流が流れるように設けられ、第1のダイオード23は第1の直流電圧線9の正の電圧線P1から第2の電圧線10の正の電圧線P2の方向に電流が流れるように設けられている。従って、第1のトランジスタ20をON/OFFすると、ONのときに正の電圧線P1から負の電圧線Nに電流が流れてインダクタ18に磁気エネルギが蓄えられ、OFFのときにインダクタ18に起電力が生じて第1の直流電圧線9を流れる第1の直流電圧が昇圧されて第2の直流電圧線10に供給されることになる。第1のトランジスタ20と、第1のダイオード23には、それぞれ第2のダイオード24と第2のトランジスタ21とが並列に接続されている。第2のダイオード24は負の電圧線Nから正の電圧線P1に電流が流れるように設けられ、第2のトランジスタ21は駆動されると第2の電圧線10の正の電圧線P2から第1の直流電圧線9の正の電圧線P1の方向に電流が流れるように設けられている。従って、第2のトランジスタ21をON/OFFすると、ONのときに第2の直流電圧線10から第1の直流電圧線9に電流が流れてインダクタ18に磁気エネルギが蓄えられ、OFFのときにインダクタ18に生じる起電力によって負の電圧線Nから正の電圧線P1に電流が流れる。このようにして第2の直流電圧線10の第2の直流電圧を降圧して第1の直流電圧線9の第1の直流電圧に戻すことができる。このような直流電圧変換回路17は制御装置27によって制御されるが、制御装置27にはインダクタ18の隣に設けられている第1の電流センサ26からの電流と、第1、2の直流電圧線9、10の電圧とが入力されている。そして制御装置27は、第2の直流電圧線10の電圧が一定になるように制御している。このような電力供給システム1において第2の直流電圧線10に直流電圧を平滑化する平滑化コンデンサ30が設けられている。

0018

本発明は、蓄電装置7に対して蓄電される電荷量、および蓄電装置7から外部に供給される電荷量を精度良く検出して蓄電装置7の電荷量の変化である蓄電収支を監視している。この実施の形態においては蓄電装置7に対する蓄電収支は蓄電池28に対する蓄電収支を意味している。蓄電収支は電荷量の変化なので電流の時間積算で得られる。従って蓄電池28に対する蓄電収支を得るには、蓄電池28に対して流入したり、蓄電池28から流出する電流、つまり蓄電池電流を精度良く検出する必要がある。蓄電池電流を得るために本実施の形態においては2個の電流センサが設けられている。1個の電流センサ、つまり第1の電流センサ26は、前記したようにインダクタ18の隣に設けられている。他の1個の電流センサつまり第2の電流センサ29は、本実施の形態においては蓄電池28より上流側の第1の直流電圧線9に、つまり交流直流変換器6の近傍に設けている。この第2の電流センサ29において検出される電流も制御装置27に入力されている。本実施の形態においては、第2の電流センサ29によって符号Aの箇所を流れる電流が、第1の電流センサ26によって符号Cの箇所を流れる電流がそれぞれ検出されるので、符号Bの箇所を流れる電流、つまり蓄電池電流は、符号A、Cの箇所の電流の差分として計算される。このように、蓄電収支を計算するための蓄電池電流は計算によって得るようにしているが、この符号Bの箇所に電流センサを設けて直接蓄電池電流を検出するようにしてもよい。

0019

本実施の形態においては、このように蓄電池28に対する蓄電収支が計算されている。蓄電収支は蓄電池電流を時間積算して得ているので精度は高い。従って、比較的短期間において、例えば1回の成形サイクルにおいて蓄電池28の電荷量の変化を精度良く評価することはできる。しかしながら長期間にわたって電荷量の変化を評価しようとすると、蓄電池電流を検出するときや、時間積分によるわずかな誤差が累積して精度が落ちてしまう。また、蓄電収支のみを監視して蓄電池28に蓄電された電荷量を得ても、その精度は高くはない。そこで、本実施の形態においては、定期的に蓄電池28の端子間の電圧が測定され、これによってその時点において蓄電池28の電荷量つまり外部に供給可能な電荷量が検出されている。端子間電圧から検出される蓄電池28の電荷量はそれほど精度が高くないので、これによって成形サイクルにおける電荷量の変化を精度良く評価することはできないが、誤差の累積という問題はない。そこで本実施の形態においては、蓄電池28に蓄電されている電荷量を計算するときは、初回については蓄電池28の端子間電圧から検出するようにし、その後は蓄電収支によって逐次電荷量を計算するようにする。ただし誤差の累積を考慮して定期的に蓄電池28の端子間電圧から検出して電荷量を補正するようにしている。

0020

本実施の形態に係る電動射出成形機は、蓄電装置7が十分な容量を備えているか、蓄電/放電能力が適切であるかどうか、等を監視するようになっている。蓄電装置7すなわち蓄電池28は一般的に十分な容量の電荷量を蓄電でき、蓄電/放電能力も十分にあるが、経年劣化等により容量が低下したり、蓄電/放電能力とくに蓄電能力が低下する。本実施の形態に係る電動射出成形機は、このような容量の低下、蓄電/放電能力の低下を監視することができる。最初に、図3の各グラフによって、色々な条件において成形サイクルを実施したときの、蓄電池28の蓄電収支、交流直流変換器6から供給される電流の変化等を説明する。これらの図3の各グラフには、1回の成形サイクルにおいて第1の電流センサ26において検出される電流Sと、第2の電流センサ29において検出される電流Cと、蓄電池28の蓄電量つまり電荷量Dの変化が示されている。電流Sは電動射出成形機の各装置において消費される電流であり、電流Cは交流直流変換器6から供給される電流になっている。なお、電動射出成形機において消費される電流として、第2の直流電圧線10における電流ではなく電流Sを採用しているのは、蓄電池28の蓄電収支を計算するのに都合がいいからである。電流Cと電流Sの差分が蓄電池28に対する流入/流出電流つまり蓄電池電流であるので、これを時間積分すると蓄電収支が得られるからである。ところで、本実施の形態に係る電動射出成形機は、電動射出成形機に設けられているモニタに、図3に示されているグラフが表示されるようになっている。つまり、ユーザに対して蓄電池28に対する蓄電収支等の情報を提供している。従ってユーザは、蓄電池28が十分な容量を備えているか、蓄電/放電能力が十分であるか否かを監視することができる。

0021

図3の(ア)には、蓄電池28が十分な容量があると共に蓄電/放電能力も大きく、そして交流直流変換器6からの電流Cも必要な大きさで供給されているときにおける運転の例が示されている。まず、成形サイクルの最初の工程である型締工程においては、消費電力が小さいので電流Sは符号S1に示されているように比較的小さい。成形サイクルの開始において蓄電池28は十分に充電されているので、電荷量Dは符号D1で示されているように変化しない。蓄電池電流はゼロなので、交流直流変換器6から供給される電流Cは符号C1に示されているように符号S1の電流Sと実質的に同じになる。型締工程の次に射出工程を実施する。射出工程においては消費電力が大きいので、電流Sは符号S2に示されているように大きい。電流Cは所定の大きさになり、不足分が蓄電池28から供給される。すなわち蓄電池電流として流出し、蓄電池28の電荷量Dは符号D2に示されているように低下する。引き続き保圧工程を実施する。保圧工程では消費電力は小さく、電流Sは符号S3に示されているように小さい。電流Cと電流Sの差分が蓄電池電流として蓄電池28に流入し、電荷量Dは符号D3に示されているように回復する。型開工程、突出工程、および可塑化工程を実施すると、電流Sは符号S4、S5で示されているように変化する。電流Sは電流Cに比して小さいので蓄電池28の電荷量Dは符号D4、D5で示されているように回復する。符号D5において蓄電池28の電荷量Dは実質的に完全に回復するので、それ以降は電荷量Dは一定になり蓄電池電流はゼロになる。すなわち電荷量Dが完全に回復したら、交流直流変換器6からの電流Cは符号C2に示されているように低下する。

0022

図3の(ア)に示されている例では、蓄電池28の電荷量Dについては、成形サイクルにおいては完全に回復しているので、成形サイクルを通じて蓄電収支はゼロである。また、成形サイクルにおいて、交流直流変換器6からの電流Cは、概ね一定になっている。つまり大きく変化している消費電流つまり電流Sに比して、供給電流つまり電流Cは概ね平滑化されている。平滑化できているので蓄電装置7の容量は十分であると言える。ただし、電流Cは若干変化している時間帯もある。

0023

図3の(イ)には、交流直流変換器6から供給している電流Cが小さいときの運転例が示されている。電動射出成形機において消費される電流Sは図3の(ア)と同じになるので説明を省略する。電流Cは小さいので、蓄電池28から蓄電池電流が供給される。従って電荷量Dは型締工程においてわずかに低下し、射出工程において符号D2に示されているように大きく低下する。保圧工程、型開工程、突出工程、および可塑化工程を実施すると電荷量Dは回復するが、電流Cが小さいので回復は遅い。そして符号D6で示されているように、成形サイクル完了時において電荷量Dは完全には回復しない。つまり成形サイクルを通じて蓄電収支はマイナスになる。成形サイクルを複数回継続すると、やがて蓄電池28の蓄電量つまり電荷量Dは減少してしまう。

0024

蓄電池28が劣化すると蓄電/放電能力のうち特に蓄電能力が大きく低下するが、図3の(ウ)には、このような場合における運転例が示されている。電動射出成形機において消費される電流Sは図3の(ア)と同じになるので説明を省略する。型締工程においては符号S1で示されているように電流Sは小さく、蓄電池28から蓄電池電流は供給されないので、電荷量Dは符号D1に示されているように一定になる。射出工程において、電流Sは符号S2に示されているように大きいので、蓄電池28から蓄電池電流が供給されて蓄電池28の電荷量Dは符号D2のように低下する。保圧工程、型開工程、突出工程、可塑化工程において電荷量Dは徐々に回復するが、蓄電能力が小さく蓄電に時間を要するので、成形サイクルの終了時であっても符号D6で示されているように電荷量Dは十分に回復しない。つまり蓄電収支はマイナスになる。保圧工程から可塑化工程にかけて、電流Cは符号C2、C3、C4で示されているように変動する。つまり蓄電池28の蓄電/放電能力が小さいときは、蓄電収支はマイナスになり、交流直流変換器6から供給する電流Cの平滑化は十分に達成されない。

0025

蓄電池28は劣化等により容量が小さくなるが、図3の(エ)には、蓄電池28の容量が小さい場合の運転例が示されている。ただしこの例では、蓄電/放電能力は十分に大きいと仮定している。電動射出成形機において消費される電流Sは図3の(ア)と同じになる。蓄電池28は容量が小さいので、射出工程において符号D7に示されているように電荷量Dがゼロになってしまう。つまり成形サイクル内において蓄電池28が供給可能な電荷量が一時的にゼロになり蓄電池電流もゼロになる。従って必要な電流Sを得るために、交流直流変換器6からの電流Cは一時的に符号C5で示されているように高くなる。つまり交流直流変換器6から供給する電流Cの平滑化は十分に達成できなくなる。一応、保圧工程から可塑化工程にかけては蓄電池28の電荷量Dは回復するので、蓄電収支は成形サイクルを通してゼロになる。ところでこの例では、蓄電/放電能力は十分に大きいと仮定したので、このように蓄電収支はゼロになっているが、蓄電池28が劣化すると一般的に蓄電/放電能力も低下する。その場合には蓄電収支は成形サイクルを通してマイナスになる。

0026

図3の(オ)には、蓄電池28が容量が十分に大きいと共に蓄電/放電能力も十分に大きく、かつ交流直流変換器6からの電流Cの大きさが最適な場合の運転例が示されている。電動射出成形機において消費される電流Sを1回分の成形サイクルに対して時間積算すると、1回の成形サイクル当たりに必要な電荷量である成形サイクル電荷量が得られる。このような成形サイクル電荷量を成形サイクルの時間で除すと、最適な電流Cが得られる。つまり交流直流変換器6から供給している電流Cを成形サイクルにおいて一定にすることができ、実質的に完全に供給電流を平滑化できる。図3の(オ)には、電流Cをこのように最適な大きさにしたときの、電流S、電流C、電荷量Dの変化が示されている。蓄電池28の電荷量Dは、符号D6で示されているように、成形サイクルの終了時のタイミングで完全に回復している。

0027

本実施の形態に係る電動射出成形機は、上で説明したように成形サイクル毎に蓄電装置7における蓄電収支が計算され、成形サイクル毎の蓄電収支のグラフが付属しているモニタに表示されている。図4の(ア)にはモニタに表示されるグラフの例が示されている。棒状のグラフは、それぞれ1回の成形サイクル当たりの蓄電収支t1、t2、…を示しているが、蓄電収支t5〜t9は4回の成形サイクルにおいて連続でマイナスになっている。所定の成形サイクルの回数について、例えば4回以上、連続して蓄電収支t5、t6、…がマイナスになったら、電動射出成形機は警報を出力する。蓄電収支t5、t6、…が連続する所定の回数の成形サイクルにおいて連続してマイナスになるとき、蓄電装置7つまり蓄電池28の蓄電/放電能力が低下していたり、交流直流変換器6から供給する電流が不足している可能性がある。ユーザは適宜対応する。図4の(イ)には、モニタに表示される他のグラフの例が示されている。図4の(イ)に示されているグラフは、最新の成形サイクルにおける蓄電収支ttを示している。蓄電収支ttがゼロから大きく逸脱しているときは、問題が発生している可能性がある。特にマイナスになっているときには、蓄電池28の蓄電/放電能力の低下や、交流直流変換器6からの供給電流の不足が疑われる。

0028

本実施の形態に係る電動射出成形機は、蓄電装置7つまり蓄電池28に蓄電されている電荷量dについてもモニタにグラフ表示されている。図4の(ウ)にはグラフの例が示されているが、成形サイクルにおける所定のタイミングで検出された電荷量d1、d2、…が、複数回の成形サイクルに渡って示されている。なお、このグラフには、蓄電池28に充電可能な最大の電荷量MDと、成形サイクル電荷量SDも示されている。成形サイクル電荷量SDは、第1の電流センサ26を流れる電流Sを1回分の成形サイクルに対して時間積算したものであり、上で説明したように、電動射出成形機において1回の成形サイクル当たりに必要な電荷量である。電荷量d1、d2、…が成形サイクル電荷量SDを下回れば、蓄電池28の容量不足であると判断され、警報が出力される。図4の(エ)には、モニタに表示される他のグラフの例が示されているが、この例では、現在の蓄電容量ddが表示されるようになっている。

0029

本実施の形態に係る電動射出成形機は、停電時において交流直流変換器6からの電流の供給が停止しても、蓄電装置7つまり蓄電池28から蓄電池電流を供給することによって成形サイクルを継続できるようになっている。停電時に運転が継続できる成形サイクルの回数、つまり停電時運転可能成形サイクル回数は、次式によって計算される。
停電時運転可能成形サイクル回数=電荷量/成形サイクル電荷量 1式
ただし、電荷量は蓄電池28から供給可能な電荷量とする。
電動射出成形機のモニタには、この停電時運転可能成形サイクル回数も表示されてユーザに情報が提供されるようになっている。なお、停電時運転可能成形サイクル回数が1に満たないときは、蓄電池28の容量が小さいと判断し、警報が出力される。

0030

第2の実施の形態に係る電動射出成形機について説明する。第2の実施の形態に係る電動射出成形機の電力供給システム1’は図5に示されているが、第1の実施の形態と同様の装置については同じ符号を付して説明を省略する。第2の実施の形態に係る電動射出成形機においては、交流直流変換器6が変換する直流電圧は、直流電圧線40を介して直接サーボアンプ12、13、…に供給されるようになっている。そして蓄電装置7’は、この直流電圧線40から分岐した分岐線41に接続されている。この実施の形態に係る蓄電装置7’も、図6に示されているように、直流電圧変換回路17と蓄電池28’とから構成されている。つまり第1の実施の形態に係る蓄電装置7と実質的に同様の構成になっている。ただし、直流電圧変換回路17は、直流電圧線40の分岐線41と、蓄電池28’に接続されている直流電圧線42との間で直流電圧を変換するようになっている。直流電圧変換回路17の作用は第1の実施の形態において詳しく説明した。従って当業者であれば容易に理解できるように、この直流電圧変換回路17において、第1のトランジスタ20をON/OFFすれば、分岐線41の直流電圧が降圧されて直流電圧線42に供給される。これによって蓄電池28’に蓄電されることになる。また第2のトランジスタ21をON/OFFすれば、蓄電池28’から直流電圧線42に供給される直流電圧が昇圧されて分岐線41に供給されることになる。

0031

第2の実施の形態においては、図5に示されているように、第3、4の電流センサ45、46が、直流電圧線40に設けられ、一方は交流直流変換器6のすぐ後に、そして他方は蓄電装置7’の下流にそれぞれ設けられている。これによって、符号X、Y、Zで示されている箇所の電流がすべて検出できることになる。第2の実施の形態においては、蓄電池電流は符号Yの箇所における電流とし、この蓄電池電流を時間積算して蓄電装置7’に対する蓄電収支を計算するものとする。また、このようにして計算した蓄電収支を累積し、蓄電装置7’全体に対して蓄電されている電荷量を計算するようにする。このようにして計算によって得られた電荷量は、実際に蓄電池28’に蓄電されている電荷量より小さくなるはずである。それは、蓄電池28’に対しては降圧された直流電流が蓄電されるので、必然的に蓄電池28’には大量の電荷量が蓄電されるからである。この実施の形態においては、蓄電装置7’の電荷量とは、蓄電池28’の電荷量のことではなく、符号Yの箇所で検出された蓄電池電流から計算された電荷量のこととする。第2の実施の形態において、成形サイクル電荷量は、第4の電流センサ46で検出される電流を成形サイクルにおいて時間積算したものとして得る。そうすると、停電時運転可能成形サイクル回数は、既に説明した1式で計算できる。ただし、この式中における電荷量は、蓄電装置7’の電荷量とする。

0032

給電システム2工場電源
6交流直流変換器7蓄電装置
9 第1の直流電圧線10 第2の直流電圧線
12、13、14、15サーボアンプ
17直流電圧変換回路26 第1の電流センサ
27制御装置28蓄電池
29 第2の電流センサ

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