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技術 排ガス浄化用触媒担体、それを用いた排ガス浄化用触媒、及び排ガス浄化用触媒担体の製造方法

出願人 株式会社豊田中央研究所トヨタ自動車株式会社
発明者 須田明彦森川彰熊谷直樹田辺稔貴兒玉智己三浦真秀鈴木宏昌佐藤仁俊渡辺友祐野口真宜山田美幸
出願日 2016年7月15日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2016-140781
公開日 2018年1月18日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2018-008255
状態 特許登録済
技術分野 触媒による排ガス処理 排気の後処理 触媒
主要キーワード 高剪断速度領域 全陽イオン ノズルセット 酸化雰囲気ガス 孔タイプ 還元雰囲気ガス 金属酸化物混合物 微分細孔容積分布
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課題

高温に長時間曝された場合であっても高い酸素放出速度を示す排ガス浄化用触媒を形成することが可能な排ガス浄化用触媒担体を提供すること。

解決手段

アルミナセリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体からなり、 前記多孔体に0.1質量%以上含有されるすべての金属元素について、球面収差補正機能付き走査透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散X線分光分析により20nm角微小分析範囲における前記金属元素の含有率(質量%)を100箇所の測定点で測定して得られた各金属元素の含有率の標準偏差が10以下であり、BET法により求めた前記多孔体の比表面積が30m2/g以上であり、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の比表面積の低下率が50%以下であり、還元雰囲気酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が55%以下であり、 還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が80%以下である、ことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体。

概要

背景

従来から、自動車等の内燃機関から排出される有害物質を含むガス浄化するための排ガス浄化用触媒として、白金ロジウム及びパラジウム等の貴金属アルミナチタニアシリカジルコニアセリア等からなる複合金属酸化物担体担持した三元触媒が広く知られている。このような複合金属酸化物からなる触媒担体の製造方法としては、粉末混合法や共沈法等が知られているが、これらの方法により製造された触媒担体は、耐熱性が必ずしも十分なものではなく、高温に曝された場合に酸素ストレージ能が低下することがあった。このため、より耐熱性に優れた複合金属酸化物からなる触媒担体が求められてきた。

例えば、国際公開2011/030875号(特許文献1)には、所定の高い剪断速度となっている領域に、アルミニウムイオンを含有する原料溶液高分子分散剤を含有する原料溶液とを独立に直接導入して均質混合することにより第一のコロイド溶液を調製し、また、所定の高い剪断速度となっている領域に、ジルコニウムイオンを含有する原料溶液と高分子分散剤を含有する原料溶液とを独立に直接導入して均質混合することにより第二のコロイド溶液を調製し、得られた第一のコロイド溶液と第二のコロイド溶液とを所定のpH条件下で混合してコロイド溶液を調製した後、前記コロイド溶液のpHを所定の条件に調整することによって凝集物を調製し、この凝集物を熱処理することによって、アルミナを含有する第一の超微粒子とジルコニアを含有する第二の超微粒子とが極めて高い分散性で均一に混合されている複合金属酸化物多孔体が得られ、この複合金属酸化物多孔体が、触媒活性とその高温耐久性を高水準で実現する理想的な触媒をもたらす触媒担体として有用であることが記載されている。しかしながら、このような複合金属酸化物多孔体においても、耐熱性は必ずしも十分なものではなく、高温に曝された場合に、金属元素の分散性が低下し、酸素ストレージ能が低下することがあった。

また、特開2014−24058号公報(特許文献2)には、アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液と、高分子分散剤を含有する第二の原料溶液とを、所定の高い剪断速度となっている領域に、独立に直接導入して均質混合することにより金属化合物のコロイド溶液を調製し、得られたコロイド溶液のpHを所定の条件に調整し、必要に応じて有機アミンを添加してゲル化させた後、酸化雰囲気下で熱処理することによって、高温に曝された場合であっても、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に微細かつ均一に分散している複合金属酸化物多孔体が得られ、この複合金属酸化物多孔体が、高温に曝された場合であっても、優れた酸素ストレージ能を示す触媒の担体として有用であることが記載されている。しかしながら、このような複合金属酸化物多孔体においても、耐熱性は必ずしも十分なものではなく、高温に長時間曝された場合に、比表面積が大きく低下したり、細孔径が大きく増加したりするため、前記複合酸化物多孔体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度が低下し、触媒周囲の酸素分圧過渡的な変化に素早く対応できないことがあった。

概要

高温に長時間曝された場合であっても高い酸素放出速度を示す排ガス浄化用触媒を形成することが可能な排ガス浄化用触媒担体を提供すること。アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体からなり、 前記多孔体に0.1質量%以上含有されるすべての金属元素について、球面収差補正機能付き走査透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散X線分光分析により20nm角微小分析範囲における前記金属元素の含有率(質量%)を100箇所の測定点で測定して得られた各金属元素の含有率の標準偏差が10以下であり、BET法により求めた前記多孔体の比表面積が30m2/g以上であり、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の比表面積の低下率が50%以下であり、還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が55%以下であり、 還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が80%以下である、ことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体。なし

目的

本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示す排ガス浄化用触媒、このような触媒を形成することが可能な排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法を提供する

効果

実績

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請求項1

アルミナセリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体からなり、前記多孔体に0.1質量%以上含有されるすべての金属元素について、球面収差補正機能付き走査透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散X線分光分析により20nm角微小分析範囲における前記金属元素の含有率(質量%)を100箇所の測定点で測定して得られた各金属元素の含有率の標準偏差が10以下であり、BET法により求めた前記多孔体の比表面積が30m2/g以上であり、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の比表面積の低下率が50%以下であり、下記条件:還元雰囲気:H2(2容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧酸化雰囲気:O2(1容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が55%以下であり、前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が80%以下である、ことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体

請求項2

窒素吸着法により求めた前記多孔体の微分細孔容積分布における最大頻度細孔径が0.001〜0.2μmの範囲内にあり、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が90%以下であり、前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が100%以下であり、前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が260%以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化用触媒担体。

請求項3

2.5原子%以下の原子比ランタンを更に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒担体。

請求項4

2.0原子%以下の原子比でイットリウムを更に含有することを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒担体。

請求項5

請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒担体と、該触媒担体担持されている貴金属とを備えていることを特徴とする排ガス浄化用触媒

請求項6

アルミニウムイオンセリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液を調製する工程と、過酸化水素を含有する第二の原料溶液を調製する工程と、中和剤を含有する第三の原料溶液を調製する工程と、第一の原料溶液と第二の原料溶液と第三の原料溶液とを5000〜40000sec−1の剪断速度となっている領域に独立に直接導入して均質混合し、金属化合物ナノスラリーを得る工程と、前記ナノスラリーを脱脂し、酸化雰囲気下で加熱して、アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体を得る工程と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体の製造方法。

請求項7

前記第三の原料溶液が分散剤を更に含有するものであることを特徴とする請求項6に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。

請求項8

前記第二の原料溶液がグリセロールを更に含有するものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。

請求項9

前記第一の原料溶液中の全カウンターアニオンのうち、47〜65モル%が塩化物イオンであり、35〜53モル%が硝酸イオンであることを特徴とする請求項6〜8のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。

請求項10

前記第一の原料溶液がランタンイオン及びイットリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを更に含有するものであることを特徴とする請求項6〜9のうちのいずれか一項に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、排ガス浄化用触媒担体、それを用いた排ガス浄化用触媒、及び排ガス浄化用触媒担体の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、自動車等の内燃機関から排出される有害物質を含むガス浄化するための排ガス浄化用触媒として、白金ロジウム及びパラジウム等の貴金属アルミナチタニアシリカジルコニアセリア等からなる複合金属酸化物担体担持した三元触媒が広く知られている。このような複合金属酸化物からなる触媒担体の製造方法としては、粉末混合法や共沈法等が知られているが、これらの方法により製造された触媒担体は、耐熱性が必ずしも十分なものではなく、高温に曝された場合に酸素ストレージ能が低下することがあった。このため、より耐熱性に優れた複合金属酸化物からなる触媒担体が求められてきた。

0003

例えば、国際公開2011/030875号(特許文献1)には、所定の高い剪断速度となっている領域に、アルミニウムイオンを含有する原料溶液高分子分散剤を含有する原料溶液とを独立に直接導入して均質混合することにより第一のコロイド溶液を調製し、また、所定の高い剪断速度となっている領域に、ジルコニウムイオンを含有する原料溶液と高分子分散剤を含有する原料溶液とを独立に直接導入して均質混合することにより第二のコロイド溶液を調製し、得られた第一のコロイド溶液と第二のコロイド溶液とを所定のpH条件下で混合してコロイド溶液を調製した後、前記コロイド溶液のpHを所定の条件に調整することによって凝集物を調製し、この凝集物を熱処理することによって、アルミナを含有する第一の超微粒子とジルコニアを含有する第二の超微粒子とが極めて高い分散性で均一に混合されている複合金属酸化物多孔体が得られ、この複合金属酸化物多孔体が、触媒活性とその高温耐久性を高水準で実現する理想的な触媒をもたらす触媒担体として有用であることが記載されている。しかしながら、このような複合金属酸化物多孔体においても、耐熱性は必ずしも十分なものではなく、高温に曝された場合に、金属元素の分散性が低下し、酸素ストレージ能が低下することがあった。

0004

また、特開2014−24058号公報(特許文献2)には、アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液と、高分子分散剤を含有する第二の原料溶液とを、所定の高い剪断速度となっている領域に、独立に直接導入して均質混合することにより金属化合物のコロイド溶液を調製し、得られたコロイド溶液のpHを所定の条件に調整し、必要に応じて有機アミンを添加してゲル化させた後、酸化雰囲気下で熱処理することによって、高温に曝された場合であっても、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に微細かつ均一に分散している複合金属酸化物多孔体が得られ、この複合金属酸化物多孔体が、高温に曝された場合であっても、優れた酸素ストレージ能を示す触媒の担体として有用であることが記載されている。しかしながら、このような複合金属酸化物多孔体においても、耐熱性は必ずしも十分なものではなく、高温に長時間曝された場合に、比表面積が大きく低下したり、細孔径が大きく増加したりするため、前記複合酸化物多孔体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度が低下し、触媒周囲の酸素分圧過渡的な変化に素早く対応できないことがあった。

先行技術

0005

国際公開2011/030875号
特開2014−24058号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示す排ガス浄化用触媒、このような触媒を形成することが可能な排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液と過酸化水素を含有する第二の原料溶液と中和剤を含有する第三の原料溶液とを、高い剪断速度となっている領域に独立に直接導入して均質混合することによって、各金属元素が相互に微細かつ均一に(すなわち、高い相互微分散度で)分散しており、また、高温(例えば、1100℃)に曝された場合であっても比表面積の低下や細孔径の増加が小さい複合金属酸化物多孔体からなる排ガス浄化用触媒担体が得られ、この触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒が、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒担体は、アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体からなり、
前記多孔体に0.1質量%以上含有されるすべての金属元素について、球面収差補正機能付き走査透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散X線分光分析により20nm角微小分析範囲における前記金属元素の含有率(質量%)を100箇所の測定点で測定して得られた各金属元素の含有率の標準偏差が10以下であり、
BET法により求めた前記多孔体の比表面積が30m2/g以上であり、
大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の比表面積の低下率が50%以下であり、
下記条件:
還元雰囲気:H2(2容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧
酸化雰囲気:O2(1容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧
の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が55%以下であり、
前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の比表面積の低下率が80%以下である、
ことを特徴とするものである。

0009

このような本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、窒素吸着法により求めた前記多孔体の微分細孔容積分布における最大頻度細孔径が0.001〜0.2μmの範囲内にあり、
大気中、1100℃で5時間の焼成による前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が90%以下であり、
前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が100%以下であり、
前記条件の還元雰囲気と酸化雰囲気とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記多孔体の最大頻度細孔径の増加率が260%以下である、ことが好ましい。

0010

さらに、本発明の排ガス浄化用触媒担体には、2.5原子%以下の原子比ランタンを更に含有することが好ましく、また、2.0原子%以下の原子比でイットリウムを更に含有することも好ましい。

0011

本発明の排ガス浄化用触媒は、このような本発明の排ガス浄化用触媒担体と、この触媒担体に担持されている貴金属とを備えていることを特徴とするものである。

0012

本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法は、
アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液を調製する工程と、
過酸化水素を含有する第二の原料溶液を調製する工程と、
中和剤を含有する第三の原料溶液を調製する工程と、
第一の原料溶液と第二の原料溶液と第三の原料溶液とを5000〜40000sec−1の剪断速度となっている領域に独立に直接導入して均質混合し、金属化合物ナノスラリーを得る工程と、
前記ナノスラリーを脱脂し、酸化雰囲気下で加熱して、アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。ここで、本発明にかかる剪断速度の値は、所定の領域内(反応場)の流れが層流であると仮定して算出される値である。

0013

このような本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、前記第三の原料溶液が分散剤(より好ましくはジカルボン酸)を更に含有するものであることが好ましく、また、前記第二の原料溶液がグリセロールを更に含有するものであることが好ましく、さらに、前記第一の原料溶液がランタンイオン及びイットリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを更に含有するものであることが好ましい。

0014

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、前記第一の原料溶液中の全カウンターアニオンのうち、47〜65モル%が塩化物イオンであり、35〜53モル%が硝酸イオンであることが好ましい。

0015

なお、本発明の排ガス浄化用触媒が高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒担体は、各金属元素が相互に微細かつ均一に(すなわち、高い相互微分散度で)分散しており、また、高温(例えば、1100℃)に曝された場合であっても比表面積の低下や細孔径の増加が小さい複合金属酸化物多孔体により構成されている。本発明の排ガス浄化用触媒においては、このような複合金属酸化物多孔体に貴金属が担持されており、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、複合金属酸化物多孔体の比表面積の低下や細孔径の増加が小さいため、貴金属のシンタリングが起こりにくく、触媒担体上での貴金属の高分散性が維持されると推察される。このため、本発明の排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示すと推察される。

発明の効果

0016

本発明によれば、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示す排ガス浄化用触媒、このような触媒を形成することが可能な排ガス浄化用触媒担体を得ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0017

本発明に用いられるナノスラリーの製造装置の好適な一実施態様を示す模式横断面図である。
図1に示すアウターノズルホモジナイザー10の先端部(攪拌部)を示す拡大縦断面図である。
図1に示すアウターノズル型ホモジナイザー10の先端部(攪拌部)の横断面図である。
従来のコロイド溶液の製造装置の一例を示す模式横断面図である。
図4に示すインナーノズル型ホモジナイザー40の先端部(攪拌部)を示す拡大縦断面図である。
図4に示す内側ステータ43の側面図である。
図4に示す内側ステータ43の横断面図である。

0018

以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。

0019

先ず、本発明の排ガス浄化用触媒担体について説明する。本発明の排ガス浄化用触媒担体は、アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体からなるものである。このような複合金属酸化物多孔体としては、アルミナを含有する第一の超微粒子と、セリア及びジルコニアを含有する第二の超微粒子との混合物であることが好ましく、前記第二の超微粒子としては、ジルコニア固溶セリア超微粒子が好ましい。このような複合金属酸化物多孔体からなる触媒担体に貴金属を担持した触媒は耐熱性に優れている。なお、ここでいう「超微粒子」とは、金属酸化物又は複合金属酸化物の結晶子一次粒子又は数個の前記結晶子の凝集体からなる微小二次粒子をいう。本発明にかかる複合金属酸化物多孔体は、これら超微粒子が間隔を空けて凝集した超微粒子の凝集体からなるものである。

0020

また、前記複合金属酸化物多孔体には、これに貴金属を担持した触媒の耐熱性が向上するという観点から、Ce以外の希土類元素(La、Pr、Y、Sc等)の酸化物及びアルカリ土類金属(Sr、Ca、Ba等)の酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の他の金属酸化物が更に含まれていることが好ましく、前記触媒の酸素ストレージ能及び耐熱性が更に向上するという観点から、イットリア(Y2O3)及びランタナ(La2O3)のうちの少なくとも1種が更に含まれていることがより好ましく、イットリア(Y2O3)が更に含まれていることが特に好ましい。このような他の金属酸化物の含有量は、その効果が得られるように適宜設定されるが、例えば、ランタナ(La2O3)の場合には、ランタン原子換算で2.5原子%以下であることが好ましく、イットリア(Y2O3)の場合には、イットリウム原子換算で2.0原子%以下であることが好ましい。ランタナ(La2O3)やイットリア(Y2O3)の含有量が前記上限を超えると、耐熱性向上効果が向上するのみならず、主要構成成分であるジルコニア固溶セリアの含有量が低下するというマイナス要因が際立つ傾向にある。

0021

前記複合金属酸化物多孔体が第一の超微粒子と第二の超微粒子との混合物である場合、このようなCe以外の希土類元素やアルカリ土類金属は、第一の超微粒子及び第二の超微粒子のうちの一方に含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよいが、このような複合金属酸化物多孔体からなる触媒担体に貴金属を担持した触媒の酸素ストレージ能及び耐熱性が更に向上するという観点から、少なくとも、第二の超微粒子にイットリア(Y2O3)及びランタナ(La2O3)のうちの少なくとも1種が更に含まれていることが好ましく、イットリア(Y2O3)が更に含まれていることがより好ましく、第二の超微粒子がCeO2−ZrO2−Y2O33元系複合金属酸化物やCeO2−ZrO2−La2O33元系複合金属酸化物であることが更に好ましく、CeO2−ZrO2−La2O3−Y2O34元系複合金属酸化物であることが特に好ましい。また、第一の超微粒子にはランタナ(La2O3)が更に含まれていてもよい。

0022

第一の超微粒子がアルミナと他の金属酸化物とを含有する複合金属酸化物又は金属酸化物混合物の場合、第一の超微粒子におけるアルミナの含有率は30モル%以上であることが好ましい。また、第二の超微粒子がセリアとジルコニアと他の金属酸化物とを含有する複合金属酸化物又は金属酸化物混合物の場合、第二の超微粒子におけるセリアの含有率は30モル%以上であることが好ましく、ジルコニアの含有率は30モル%以上であることが好ましい。

0023

前記複合金属酸化物多孔体が第一の超微粒子と第二の超微粒子との混合物である場合、第一の超微粒子と第二の超微粒子との混合比率は特に制限されないが、得られる混合物中のアルミナの含有率が30〜70体積%(Al2O3の質量比率で22〜61質量%に相当)となる混合比率であることが好ましい。アルミナの含有率が前記下限未満になると、アルミナの拡散障壁としての機能が小さくなる傾向にある。他方、アルミナの含有率が前記上限を超える触媒担体に貴金属を担持した触媒は、酸素ストレージ能や貴金属の安定した吸着能といったセリアやジルコニウムに起因する機能が小さくなる傾向にある。

0024

本発明の排ガス浄化用触媒担体は、前記複合金属酸化物多孔体に0.1質量%以上含有される全ての金属元素について、球面収差補正機能付き走査透過型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光分析により20nm角の微小分析範囲における前記金属元素の含有率(質量%)を100箇所の測定点で測定して得られた各金属元素の含有率の標準偏差が10以下であるという条件を満たすものである。なお、この金属元素の含有率の標準偏差の値が小さいほど、各金属元素が相互に微細かつ均一に分散している(すなわち、相互微分散度が高い)ことを意味している。このような条件を満たす触媒担体、すなわち、各金属元素が高い相互微分散度で分散している触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合であっても、優れた酸素ストレージ能を有しており、特に、高い酸素放出速度(OSC−r)を示し、触媒周囲の酸素分圧の過渡的な変化に素早く対応することができる。一方、各金属元素の含有率の標準偏差が前記上限を超える触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合に酸素ストレージ能が低下し、特に、酸素放出速度(OSC−r)が低く、触媒周囲の酸素分圧の過渡的な変化に素早く対応することができない。

0025

なお、このような標準偏差は、具体的には以下の方法により求められる。すなわち、先ず、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を装着した球面収差補正装置付き走査透過型電子顕微鏡(JOEL社製「JEM−2100F−Csコレクター」)を用いて、前記複合金属酸化物多孔体のSTEM観察を行い、さらに、前記複合金属酸化物多孔体に0.1質量%以上含まれるすべての金属元素についてEDSマッピングを行う。得られたEDSマッピング像において、20nm角の微小分析範囲内の各金属元素の含有率をそれぞれ求める。この金属元素の含有率を、無作為に抽出した100個の測定点(20nm角の微小分析範囲)について求める。仕込量から求めた各金属元素の含有率又はICP発光分光分析により求めた各金属元素の含有率を平均含有率として各金属元素の含有率の標準偏差を算出する。

0026

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、窒素吸着等温線からBET法により求めた前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)が30m2/g以上である。このような条件を満たす触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高い酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸貯蔵量(OSC−c)を示す。一方、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積が前記下限未満である触媒担体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)が低くなる。また、より高い酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)を示す排ガス浄化用触媒が得られるという観点から、前記複合金属酸化物多孔体のBET比表面積は、35m2/g以上であることが好ましく、40m2/g以上であることがより好ましい。なお、前記複合金属酸化物多孔体のBET比表面積の上限として特に制限はないが、200m2/g以下であることが好ましい。

0027

さらに、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)の低下率が50%以下である。このような条件を満たす触媒担体は、高温での焼成による微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造の変化が小さく、耐熱性に優れている。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す。一方、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積の低下率が前記上限を超える触媒担体は、微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造が高温での焼成により変化しており、耐熱性が低下する。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する。また、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、より高い酸素放出速度(OSC−r)を示す排ガス浄化用触媒が得られるという観点から、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)の低下率は40%以下であることが好ましい。

0028

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、下記条件:
還元雰囲気(リッチ雰囲気):H2(2容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧
酸化雰囲気(リーン雰囲気):O2(1容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部)、1気圧
の還元雰囲気(R)と酸化雰囲気(L)とを5分間毎に交互に切り替えながら(以下、この雰囲気を「R/L雰囲気」と略す。)1100℃で5時間加熱したことによる前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)の低下率が55%以下である。このような条件を満たす触媒担体は、R/L雰囲気下、高温(例えば、1100℃で5時間)での加熱による微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造の変化が小さく、耐熱性に優れている。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す。一方、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積の低下率が前記上限を超える触媒担体は、微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温(例えば、1100℃で5時間)での加熱により変化しており、耐熱性が低下する。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する。

0029

さらに、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、前記条件の還元雰囲気(R)と酸化雰囲気(L)とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)の低下率が80%以下である。このような条件を満たす触媒担体は、R/L雰囲気下、高温で長時間(例えば、1100℃で50時間)の加熱による微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造の変化が小さく、耐熱性に優れている。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す。一方、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積の低下率が前記上限を超える触媒担体は、微結晶及び微結晶の凝集体の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温で長時間(例えば、1100℃で50時間)の加熱により変化しており、耐熱性が低下する。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する。また、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、より高い酸素放出速度(OSC−r)を示す排ガス浄化用触媒が得られるという観点から、前記複合金属酸化物多孔体の比表面積(BET比表面積)の低下率は75%以下であることが好ましい。

0030

なお、本発明において、前記焼成又は加熱による比表面積の低下率は下記式に従って求められるものである。
比表面積の低下率(%)=(焼成(又は加熱)前の比表面積−焼成(又は加熱)後の比表面積)/焼成(又は加熱)前の比表面積×100。

0031

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、窒素吸着等温線からBJH法により求めた前記複合金属酸化物多孔体の微分細孔容積分布における最大頻度細孔径が0.001〜0.2μmの範囲内にあることが好ましい。本発明において「最大頻度細孔径」とは、微分細孔容積分布において、頻度微分細孔容積)が最大となるピーク頂点ピークトップ)の細孔径をいう。このような条件を満たす触媒担体は細孔内のガスの拡散性に優れる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高い酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)を示す傾向にある。一方、前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径が前記下限未満である触媒担体は細孔内のガスの拡散性が低くなる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)が低くなる傾向にある。他方、前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径が前記上限を超える触媒担体も細孔内のガスの拡散性が低くなる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)が低くなる傾向にある。

0032

さらに、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、大気中、1100℃で5時間の焼成による前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が90%以下であることが好ましく、75%以下であることがより好ましく、50%以下であることが特に好ましい。このような条件を満たす触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が高温での焼成により変化しにくく、耐熱性に優れる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す傾向にある。一方、前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が前記上限を超える触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が高温での焼成により変化しやすく、耐熱性が低下する傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する傾向にある。

0033

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、前記条件の還元雰囲気(R)と酸化雰囲気(L)とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で5時間加熱したことによる前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が100%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましく、80%以下であることが特に好ましい。このような条件を満たす触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温(例えば、1100℃で5時間)での加熱により変化しにくく、耐熱性に優れる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す傾向にある。一方、前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が前記上限を超える触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温(例えば、1100℃で5時間)での加熱により変化しやすく、耐熱性が低下する傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する傾向にある。

0034

さらに、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、前記条件の還元雰囲気(R)と酸化雰囲気(L)とを5分間毎に交互に切り替えながら1100℃で50時間加熱したことによる前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が260%以下であることが好ましく、200%以下であることがより好ましく、150%以下であることが特に好ましい。このような条件を満たす触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温で長時間(例えば、1100℃で50時間)の加熱により変化しにくく、耐熱性に優れる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても、高い酸素放出速度(OSC−r)を示す傾向にある。一方、前記複合金属酸化物多孔体の最大頻度細孔径の増加率が前記上限を超える触媒担体は、細孔構造及びそれを形成する微結晶の凝集構造が、R/L雰囲気下、高温で長時間(例えば、1100℃で50時間)の加熱により変化しやすく、耐熱性が低下する傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、高温(例えば、1100℃で5時間)に曝された場合には比較的高い酸素放出速度(OSC−r)を示すものの、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合には酸素放出速度(OSC−r)が低下する傾向にある。

0035

なお、本発明において、前記焼成又は加熱による最大頻度細孔径の増加率は下記式に従って求められるものである。
最大頻度細孔径の増加率(%)=(焼成(又は加熱)後の最大頻度細孔径−焼成(又は加熱)前の最大頻度細孔径)/焼成(又は加熱)前の最大頻度細孔径×100。

0036

また、本発明の排ガス浄化用触媒担体においては、窒素吸着等温線からBJH法により求めた前記複合金属酸化物多孔体の微分細孔容積分布において0.001〜0.2μmの細孔径を有する細孔の合計細孔容量が0.2ml/g以上であることが好ましい。このような条件を満たす触媒担体は細孔内のガスの拡散性に優れる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒は、高い酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)を示す傾向にある。一方、前記複合金属酸化物多孔体の合計細孔容量が前記下限未満である触媒担体は細孔内のガスの拡散性が低くなる傾向にある。このため、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)が低くなる傾向にある。

0037

次に、本発明の排ガス浄化用触媒について説明する。本発明の排ガス浄化用触媒は、前記本発明の排ガス浄化用触媒担体と、前記触媒担体の表面に担持されている貴金属とを備えるものである。本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体が、各金属元素が高い相互微分散度で分散されており、また、高温(例えば、1100℃)に曝された場合であっても比表面積の低下や細孔径の増加が小さい複合金属酸化物多孔体からなるものであるため、高温に長時間(例えば、1100℃で50時間)曝された場合であっても高い酸素放出速度(OSC−r)を示す。

0038

前記貴金属としては、白金、ロジウム、パラジウム、オスミウムイリジウム、金等が挙げられる。これらの貴金属は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、得られる触媒が排ガス浄化用の触媒等として有用なものとなるという観点から白金、ロジウム、パラジウムが好ましく、パラジウムがより好ましい。貴金属の担持量としては特に制限はなく、得られる触媒の用途等に応じて適宜調整されるが、排ガス浄化用触媒担体100質量部に対して0.1〜10質量部程度であることが好ましい。

0039

本発明の排ガス浄化用触媒において、その形態は特に制限されず、例えば、前記触媒を粒子の形態のまま用いてもよく、或いは、前記触媒を基材に担持したハニカム形状モノリス触媒や、前記触媒をペレット形状成形したペレット触媒の形態等として用いてもよい。ここで用いられる基材も特に制限されず、パティキュレートフィルタ基材(DPF基材)、モノリス状基材、ペレット状基材プレート状基材等を好適に採用することができる。また、このような基材の材質も特に制限されないが、コーディエライト炭化ケイ素チタン酸アルミムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材を好適に採用することができる。さらに、本発明の排ガス浄化用触媒においては、その効果を損なわない範囲で各種触媒に用いることが可能な他の成分(例えば、NOx吸蔵材等)が適宜担持されていてもよい。

0040

次に、本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法について説明する。本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法は、
アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液を調製する工程と、
過酸化水素を含有する第二の原料溶液を調製する工程と、
中和剤を含有する第三の原料溶液を調製する工程と、
第一の原料溶液と第二の原料溶液と第三の原料溶液とを5000〜40000sec−1の剪断速度となっている領域に独立に直接導入して均質混合し、金属化合物ナノスラリーを得る工程と、
前記ナノスラリーを脱脂し、酸化雰囲気下で加熱して、アルミナ、セリア及びジルコニアを含有する複合金属酸化物多孔体を得る工程と
を含むことを特徴とする方法である。この方法によれば、各金属元素が高い相互微分散度で分散しており、また、高温(例えば、1100℃)に曝された場合であっても比表面積の低下や細孔径の増加が小さい複合金属酸化物多孔体からなる前記本発明の排ガス浄化用触媒担体を得ることができる。

0041

〔第一の原料溶液調製工程〕
前記アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液(好ましくは、ランタンイオン及びイットリウムイオンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンを更に含有する原料溶液)は、アルミニウム化合物セリウム化合物及びジルコニウム化合物と、必要に応じて、Ce以外の希土類元素(La、Pr、Y、Sc等)の化合物及びアルカリ土類金属(Sr、Ca、Ba等)の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他の金属化合物とを溶媒に溶解することによって得ることができる。

0042

このようなアルミニウム化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物及び他の金属化合物としては、それらの金属の塩(酢酸塩硝酸塩塩化物硫酸塩、亜硫酸塩無機錯塩等)が好ましく、硝酸塩と塩化物とを併用することがより好ましく、前記第一の原料溶液中の全カウンターアニオンのうち、47〜65モル%が塩化物イオン、35〜53モル%が硝酸イオンとなるように、硝酸塩と塩化物とを併用することが特に好ましい。これにより、硝酸イオンが過剰に存在する場合の脱脂処理時における熱暴走反応が抑制されて異常粒成長が抑制される。一方、硝酸イオンが存在しない場合、過酸化水素のみではCe4+の安定化が不十分となり、セリアのジルコニアに対する固溶度が低下する。したがって、塩化物イオンと硝酸イオンの割合を前記範囲内に調整することが特に好ましい。

0043

第一の原料溶液に用いられる溶媒としては、水、水溶性有機溶媒メタノールエタノールプロパノールイソプロパノールブタノールアセトンアセトニトリル等)、水と前記水溶性有機溶媒との混合溶媒等が挙げられる。

0044

第一の原料溶液中のアルミニウム化合物、セリウム化合物、ジルコニウム化合物、他の金属化合物の各濃度は、得られる複合金属酸化物多孔体中のアルミナ、セリア、ジルコニア、他の金属酸化物の含有率が所定の値となるように適宜調整すればよい。

0045

第一の原料溶液の陽イオン濃度としては、0.005〜1.0モル/Lが好ましく、0.005〜0.5モル/Lがより好ましく、0.01〜0.3モル/Lがさらに好ましい。陽イオン濃度が前記範囲にあると、金属化合物結晶子は、径が小さく均一な凝集体の状態で溶媒中に分散し、保存安定性に優れたナノスラリーを得ることができる。一方、陽イオン濃度が前記下限未満になると、金属化合物コロイド粒子の収率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、金属化合物コロイド粒子同士がさらに凝集する傾向にある。

0046

〔第二の原料溶液調製工程〕
前記過酸化水素を含有する第二の原料溶液は、過酸化水素と、必要に応じてグリセロールとを溶媒に溶解することによって得ることができる。本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法において、過酸化水素は、塩化セリウム又は硝酸セリウムのCe(III)をCe(IV)に変化させる酸化剤として機能し、グリセロールは、細孔容量を増加させる造孔剤として機能する。

0047

第二の原料溶液に用いられる溶媒としては、水、水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル等)、水と前記水溶性有機溶媒との混合溶媒等が挙げられる。

0048

第二の原料溶液中の過酸化水素の濃度は、得られるナノスラリーに含まれる過酸化水素のモル量が第一の原料溶液に含まれるセリウムイオン当量(より好ましくは、第一の原料溶液に含まれる全陽イオン当量)となるように調整することが好ましい。これにより、セリウムとジルコニウムの固溶度が高くなり、均質なジルコニア固溶セリアが得ることができ、また、過酸化水素の無駄な消費が抑制され、さらに、得られるナノスラリーにおける発泡を防ぐことができる。

0049

第二の原料溶液中のグリセロールの濃度は、得られるナノスラリーにおけるグリセロールの含有量が最終的に得られる複合金属酸化物多孔体100質量部に対して10質量部以上(より好ましくは、20質量部以上)となるように調整することが好ましい。得られるナノスラリーにおけるグリセロールの含有量が前記下限未満になると、得られる複合金属酸化物多孔体の細孔容量が小さくなる傾向にある。ただし、第三の原料溶液が分散剤として酸を含む場合には、このグリセロールを添加する必要はない(グリセロールの含有量は0質量%)。また、得られるナノスラリーにおけるグリセロールの含有量の上限としては特に制限はないが、脱脂処理時の発熱(熱暴走反応)を抑制し、高濃度可燃性ミストの発生を防止するという観点から、最終的に得られる複合金属酸化物多孔体100質量部に対して50質量部以下が好ましい。

0050

〔第三の原料溶液調製工程〕
前記中和剤を含有する第三の原料溶液は、中和剤と、必要に応じて分散剤とを溶媒に溶解することによって得ることができる。前記中和剤としては、アンモニアが好ましい。また、前記分散剤としては、モノエタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミン、ジカルボン酸(例えば、コハク酸マレイン酸マロン酸シュウ酸グルタル酸酒石酸リンゴ酸)、トリカルボン酸(例えば、クエン酸)等が挙げられ、中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジカルボン酸が好ましく、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、マレイン酸がより好ましい。

0051

第三の原料溶液に用いられる溶媒としては、水、水溶性有機溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリル等)、水と前記水溶性有機溶媒との混合溶媒等が挙げられる。

0052

第三の原料溶液中の中和剤の濃度は、得られるナノスラリーのpHが7.5以上(より好ましくは、8.5以上)となるように調整することが好ましい。得られるナノスラリーのpHが前記下限未満になると、イットリア(Y2O3)やランタナ(La2O3)等が十分に析出せず、偏析が顕著になる傾向にある。また、得られるナノスラリーのpHの上限としては特に制限はないが、中和剤の濃度を高くしても、通常、得られるナノスラリーのpHは9を超えることはないため、投入する中和剤が無駄になる傾向にある。

0053

第三の原料溶液中の分散剤の濃度は、得られるナノスラリーにおける分散剤の含有量が最終的に得られる複合金属酸化物多孔体100質量部に対して20〜30質量部となるように調整することが好ましい。得られるナノスラリーにおける分散剤の含有量が前記下限未満になると、分散剤がコロイド粒子の表面を覆いきれず、コロイド粒子同士の凝集が顕著になる傾向にあり、得られる複合金属酸化物多孔体の細孔容量が小さく、不十分となる傾向にある。他方、得られるナノスラリーにおける分散剤の含有量が前記上限を超えると、分散剤としてアミン系分散剤を用いた場合には、脱脂処理時に粘稠タール状物質が多く生成し、脱脂処理時に可燃性ミストが高濃度で発生して危険な上、得られる複合金属酸化物多孔体の比表面積が小さくなる傾向にあり、カルボン酸系分散剤を用いた場合には、特に不都合はないが、分散剤が無駄に消費される傾向にある。

0054

〔ナノスラリー調製工程〕
ナノスラリーを得る工程においては、5000〜40000sec−1の剪断速度となっている領域(以下、「高剪断速度領域」という。)に、前記第一の原料溶液と前記第二の原料溶液と前記第三の原料溶液とを独立に直接導入して均質に混合する。このような均質混合によって、金属化合物結晶子径がより小さく、均一でかつ適度な空隙を有する凝集体の状態で(好ましくは、アルミナ(ベーマイト)超微粒子とジルコニア固溶セリア超微粒子とが相互に良好に)溶媒中に分散した金属化合物ナノスラリーを得ることが可能となる。

0055

このような混合方法に用いられる装置としては、例えば、図1図3に示すナノスラリーの製造装置(アウターノズル型スーパーアジテーションリアクター)が挙げられるが、本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法は、図1図3に示すナノスラリーの製造装置を用いた方法に限定されるものではない。以下、図面を参照しながら、本発明に好適な装置ついて詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

0056

図1に示すナノスラリーの製造装置は、高速撹拌装置としてアウターノズル型ホモジナイザー10を備えており、アウターノズル型ホモジナイザー10の先端部(攪拌部)が反応容器20内に配置されている。アウターノズル型ホモジナイザー10の先端部は、図2に示すように、ローター11と、ローター11の外周との間に所定のギャップの領域が形成されるように配置された外側ステータ12とを備えているが、ローター11の内側には、ローター11の内周との間に所定のギャップの領域を形成することにより液体の流れを阻害する部材(例えば、ステータ)は存在しない。さらに、ローター11は、回転シャフト13を介してモーター14に接続されており、高速回転することが可能となっている。

0057

そして、図1に示すナノスラリーの製造装置においては、図2及び図3に示すように、原料溶液Aを導入するための分岐のないノズル15Aと原料溶液Bを導入するための分岐のないノズル15Bと原料溶液Cを導入するための分岐のないノズル15Cとがそれぞれ外側ステータ12におけるローター11に対向する面に設けられている。ここで、「分岐のないノズル」とは、1つの入口と1つの出口を有し、後述するように分岐のない流路を介して原料溶液の供給装置に接続され、この供給装置により前記分岐のない流路を通して前記入口から供給される原料溶液を、途中で分岐させることなく、前記出口から吐出させることが可能なノズルのことをいう。また、図3に示すように、ローター11及び外側ステータ12には、スリット11a及び12aが設けられている。ただし、外側ステータ12のノズル15Aとノズル15Bとの間及びノズル15Aとノズル15Cとの間にはスリットは設けられていない。

0058

図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、ノズル15Aには分岐のない流路16Aを介して原料溶液Aの供給装置(図示せず)が、ノズル15Bには分岐のない流路16Bを介して原料溶液Bの供給装置(図示せず)が、ノズル15Cには分岐のない流路16Cを介して原料溶液Cの供給装置(図示せず)が、それぞれ独立に接続されており、ローター11と外側ステータ12との間の領域に原料溶液Aと原料溶液Bと原料溶液Cとをそれぞれ独立して直接的に導入することが可能となっている。ここで、「分岐のない流路」とは、1つの原料溶液供給装置と1つのノズルとを接続している1本の流路であって、1つの原料溶液供給装置から送り出される原料溶液を、途中で分岐させることなく、1つのノズルに供給することが可能な流路のことをいう。また、図1図3に示すナノスラリーの製造装置は、流路16A、流路16B及び流路16Cに、それぞれ原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cが滞留する空間を持っていないことが好ましい。

0059

また、図1に示すナノスラリーの製造装置において、各ノズルは外側ステータ12におけるローター11に対向する面において、ローター11の回転軸に対して直交する同一の面内に配置されていなくてもよいが、微小時間での急速な原料溶液の混合をより確実に行うためには、図2及び図3に示すように、ノズル15A、ノズル15B及びノズル15Cが、ローター11の回転軸Xに対して直交する同一の面Y内に配置されていることが好ましい。なお、図3は、図2中の面Yにおけるアウターノズル型ホモジナイザー10の先端部(攪拌部)の横断面である。また、各ノズルは外側ステータ12におけるローター11に対向する面において、ローター11の回転軸に対して直交する複数の面の外側ステータ12の内周に沿った方向に複数列で配置されていてもよいが、微小時間での急速な原料溶液の混合をより確実に行うためには、図2及び図3に示すように、ノズル15A、ノズル15B及びノズル15Cからなる少なくとも1組のノズルセットが、ローター11の回転軸Xに対して直交する同一の面Yの外側ステータ12の内周に沿った方向に一列に配置されていることが好ましい。

0060

なお、図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、3個のノズルからなる2組のノズルセットが設けられているが、ノズルの数は原料溶液の数に応じて適宜設定することができ、少なくとも、原料溶液の数と同数の分岐のないノズルを設置すればよい。また、前記ノズルセットは少なくとも1組設けられていればよいが、外側ステータのサイズ(径)が十分に大きい場合には、2組以上のノズルセットを設けることも可能である。これにより、装置の処理能力を向上させることができる。さらに、ノズルセットの数を増加させるために、ローターと外側ステータのサイズ(径)を大きくすることも可能である。

0061

このようなノズルの開口部の大きさ(円形の場合には直径、楕円形の場合には短軸の長さ)は、特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、ノズルの詰まりをより確実に防止するという観点から、0.4〜2mmであることが好ましい。また、隣接するノズルとの間隔は、特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、微小時間での急速な原料溶液の混合をより確実に行うためには、隣接するノズル孔同士の間の距離で0〜10mmであることが好ましく、前記範囲の中でもより小さい値が特に好ましい。

0062

本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、図1図3に示すナノスラリーの製造装置のノズル15Aとノズル15Bとノズル15Cとから原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cがそれぞれ導入される領域、すなわち、図1図3に示すナノスラリーの製造装置のローター11の外周と外側ステータ12の内周との間の領域において、5000〜40000sec−1の剪断速度となることが必要であり、10000〜40000sec−1の剪断速度となることが特に好ましい。このような領域の剪断速度が前記下限未満になると、原料溶液を微小時間で急速に混合することが困難であり、十分に微細で且つ均一性の高いコロイド粒子又はコロイド粒子の凝集体を含有するコロイド溶液又はナノスラリーを得ることが困難となる。なお、前記剪断速度は、所定のギャップの領域内の流れが層流であると仮定して算出される値である。

0063

このような高剪断速度領域を形成するための条件としては、ローターの回転速度及びローターと外側ステータとの間のギャップの大きさが影響するため、前記領域の剪断速度が前記条件を満たすようにそれらを設定する必要がある。具体的なローター11の回転速度は特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくる。したがって、ローター11の回転速度の周速の下限も特に制限されないが、一般的には3m/sec以上であることが好ましい。また、上限も特に制限はなく、大きいほど好ましいが、気泡の巻き込み、モーターの過負荷溶液過熱による沸騰が起こらない範囲がより好ましい。

0064

また、ローター11と外側ステータ12との間のギャップの大きさも特に制限されず、装置の大きさによっても変わってくるが、0.25〜0.5mmであることが好ましい。なお、アウターノズル型ホモジナイザーを相似形で大きくする場合には、このキャップのサイズも、その比率で大きくすることが好ましい。

0065

さらに、図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、ノズル15Aとノズル15Bとノズル15Cとからそれぞれ供給された原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cが、前記高剪断速度領域に導入されてから1msec以内(特に好ましくは、0.3msec以内)に均質混合されるようにノズル15Aとノズル15Bとノズル15Cとが配置されていることが好ましい。なお、ここでいう原料溶液が前記高剪断速度領域に導入されてから均質混合されるまでの時間とは、例えば、図3においては、ノズル15Aから導入された原料溶液Aが隣接するノズル15Bの位置に到達し、ノズル15Bから導入された原料溶液Bと混合された後、さらに、隣接するノズル15Cの位置に到達し、ノズル15Cから導入された原料溶液Cと混合されるまでの時間をいう。

0066

また、図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、ローター11の内側に、ローター11の内周との間に所定のギャップの領域を形成することにより液体の流れを阻害する部材が存在しない。すなわち、ローター11の内側に部材(例えば、ステータ)が存在する場合、装置の大きさによっても変わってくるが、この部材とローター11の内周との間のギャップの大きさが通常2.5mm以下であると、液体の流れが阻害されやすい。したがって、図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、ローター11の内側に部材が存在していない(例えば、ローター11の内側が空洞である)ことが好ましいが、ローター11の内側に部材が存在する場合には、前記部材とローター11の内周との間のギャップの大きさが2.5mmを超えていれば、液体の流れは阻害されにくい。

0067

以上説明した図1図3に示すナノスラリーの製造装置においては、ローター11を高速回転させることによって、ローター11と外側ステータ12との間に高剪断速度領域が形成され、このような高剪断速度領域に、原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cをそれぞれノズル15A、ノズル15B及びノズル15Cから独立して直接導入する。これにより、前記高剪断速度領域において、原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cは、微小時間で急速に均質混合されて反応が進行し、前記原料溶液中の原料由来するコロイド粒子又はコロイド粒子の凝集体を含有する溶液(ナノスラリー)を製造することが可能となる。

0068

以上、本発明に用いられるナノスラリーの製造装置について説明したが、本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、原料溶液Aとして第一の原料溶液を用い、原料溶液Bとして第二の原料溶液を用い、原料溶液Cとして第三の原料溶液を用いてもよいし、原料溶液Aとして第二の原料溶液を用い、原料溶液Bとして第一の原料溶液を用い、原料溶液Cとして第三の原料溶液を用いてもよいし、他の組み合わせ(原料溶液A〜Cと第一〜第三の原料溶液との対応)であってもよい。

0069

また、第一の原料溶液、第二の原料溶液及び第三の原料溶液の各供給速度としては特に制限はないが、装置の大きさによっても変わってくる。例えば、ローター11と外側ステータ12との間のギャップの大きさが0.5mmである場合には、50〜300ml/minが好ましい。原料溶液の供給速度が前記下限未満になると、金属化合物コロイド粒子の製造効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると金属化合物コロイド粒子の粒子径が大きくなる傾向にある。なお、アウターノズル型ホモジナイザーの大きさをn倍に変更する場合(例えば、相似形のスケールアップにより前記ギャップの大きさがn倍になる場合)には、原料溶液の供給速度をn3倍に設定することが好ましい。

0070

〔熱処理工程〕
本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、前記ナノスラリー調製工程において、アルミニウムイオン、セリウムイオン及びジルコニウムイオンを含有する第一の原料溶液と過酸化水素を含有する第二の原料溶液と中和剤を含有する第三の原料溶液とを高剪断速度領域で一度に混合しているため、得られた金属化合物ナノスラリーは既に中和されている(金属化合物ナノスラリーのpHが、好ましくは7.5〜9であり、より好ましくは8.5〜9である)。このため、得られた金属化合物ナノスラリーに中和剤を添加してpH調整する必要はない。

0071

すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒担体の製造方法においては、前記ナノスラリー調製工程で得られた金属化合物ナノスラリーに、pH調整することなく、脱脂処理を施した後、酸化雰囲気下で熱処理を施すことによって、前記本発明の排ガス浄化用触媒担体を得ることができる。

0072

前記脱脂処理としては、特に制限されないが、酸化雰囲気(例えば、空気)下、80〜200℃で1〜10時間の条件で乾燥し、その後、200〜400℃で1〜5時間の条件で脱脂することが好ましい。

0073

また、前記熱処理としては、酸化雰囲気(例えば、空気)下、700〜1050℃の温度で加熱することが好ましい。加熱温度が前記下限未満になると、焼結が完結しないため、触媒使用時に焼結が進行して酸素ストレージ能が著しく低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、複合金属酸化物多孔体の比表面積や合計細孔容量が小さくなり、酸素ストレージ能が低下する傾向にある。また、より優れた酸素ストレージ能が得られるという観点から、加熱温度としては800〜1050℃が特に好ましい。さらに、加熱時間としては、特に制限はないが、1〜10時間が好ましい。加熱時間が前記下限未満になると、脱脂処理後の金属化合物が十分に金属酸化物に変換されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、高温・酸化雰囲気によりシンタリング等の性能低下が起こりやすくなる傾向にある。

0074

次に、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、前記本発明の製造方法により得られた排ガス浄化用触媒担体の表面に貴金属を担持させる工程を含む方法である。このような貴金属を担持させる具体的な方法は特に制限されないが、例えば、貴金属の塩(硝酸塩、塩化物、酢酸塩等)又は貴金属の錯体を水、アルコール等の溶媒に溶解した溶液に前記排ガス浄化用触媒担体を浸漬し、溶媒を除去した後に焼成及び粉砕するといった方法が好適に用いられる。なお、前記貴金属を担持させる工程において、溶媒を除去する際における乾燥条件としては30〜150℃で10分以内程度が好ましく、また、焼成条件としては、酸化雰囲気(例えば、空気)中において250〜600℃で30〜180分程度が好ましい。また、所望の担持量になるまでこのような貴金属の担持工程を繰り返してもよい。

0075

以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0076

(実施例1)
塩化セリウム七水和物(三津和化学薬品(株)製)111.8g(0.30モル)、オキシ塩化ジルコニウム水和物(和光純薬工業(株)製)178.6g(0.55モル)、塩化ランタン七水和物(和光純薬工業(株)製)16.4g(0.044モル)、塩化イットリウム六水和物(三津和化学薬品(株)製)9.8g(0.032モル)、塩化アルミニウム六水和物(和光純薬工業(株)製)62.8g(0.26モル)、及び硝酸アルミニウム九水和物(和光純薬工業(株)製)300g(0.80モル)をイオン交換水に溶解して1100mlの第一の原料溶液を調製した。また、30%の過酸化水素水(和光純薬工業(株)製)112gをイオン交換水に溶解して1100mlの第二の原料溶液を調製した。さらに、無水マレイン酸(和光純薬工業(株)製)42.23g(0.43モル)及び28%のアンモニア水(和光純薬工業(株)製)450gをイオン交換水に溶解して1100mlの第三の原料溶液を調製した。

0077

図1図3に示す製造装置(アウターノズル型スーパーアジテーションリアクター)を用いて金属化合物のナノスラリーを作製した。なお、ローター11として、外径42mmのものを使用し、ローター11と外側ステータ12との間のギャップを0.5mmとした。また、外側ステータ12として、ノズル15A、ノズル15B及びノズル15Cがそれぞれ2個ずつ設けられているものを使用した。

0078

先ず、原料溶液Aとして前記第一の原料溶液を、原料溶液Bとして前記第二の原料溶液を、原料溶液Cとして前記第三の原料溶液をそれぞれ用い、ローター11の回転方向上流側のノズルから、原料溶液A、原料溶液B及び原料溶液Cが順に吐出されるように、原料溶液Aの送液ホース(図示なし)をノズル15Aに接続されている流路16Aに、原料溶液Bの送液ホース(図示なし)をノズル15Bに接続されている流路16Bに、原料溶液Cの送液ホース(図示なし)をノズル15Cに接続されている流路16Cに、それぞれ接続した。また、各送液ホースには独立した送液ポンプを接続した。

0079

次に、1Lのビーカー20にスタートアップ液としてイオン交換水700mlを入れ、アウターノズル型ホモジナイザー10の先端を前記スタートアップ液に浸るようにセットした。アウターノズル型ホモジナイザー10におけるローター11を8000rpmで回転させながら前記原料溶液Aと前記原料溶液Bと前記原料溶液Cとをそれぞれ50ml/minの供給速度で送液ポンプを用いてノズル15A、ノズル15B及びノズル15Cからローター11と外側ステータ12との間の領域に送液した。なお、ローター11と外側ステータ12との間の領域における流れが層流であると仮定して算出した剪断速度は、35186sec−1であった。

0080

ビーカー20からあふれ出てくる金属化合物のナノスラリーをビーカー20の下にセットした5Lのビーカー(図示せず)で捕集した。得られたナノスラリーを1Lのガラス製ビーカーに500gずつ入れ、150℃の脱脂炉内で10時間乾燥させた後、350℃で3時間焼成して脱脂処理を施した。さらに、脱脂後の複合金属酸化物粉末アルミナ坩堝に入れ、900℃で2時間焼成して触媒担体粉末を得た。

0081

(実施例2)
実施例1と同様にして1100mlの第一の原料溶液を調製した。また、30%の過酸化水素水(和光純薬工業(株)製)112g及びグリセロール(和光純薬工業(株)製)80gをイオン交換水に溶解して1100mlの第二の原料溶液を調製した。さらに、ジエタノールアミン(和光純薬工業(株)製)200g(1.90モル)、モノエタノールアミン(和光純薬工業(株)製)50g(0.82モル)、及び28%のアンモニア水(和光純薬工業(株)製)190gをイオン交換水に溶解して1100mlの第三の原料溶液を調製した。

0082

原料溶液Aとして前記第二の原料溶液を、原料溶液Bとして前記第一の原料溶液を、原料溶液Cとして前記第三の原料溶液をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、触媒担体粉末を調製した。

0083

(比較例1)
塩化セリウム七水和物(三津和化学薬品(株)製)111.8g(0.30モル)、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(和光純薬工業(株)製)178.6g(0.55モル)、塩化ランタン七水和物(和光純薬工業(株)製)16.4g(0.044モル)、塩化イットリウム六水和物(三津和化学薬品(株)製)9.8g(0.032モル)、塩化アルミニウム六水和物(和光純薬工業(株)製)62.8g(0.26モル)、硝酸アルミニウム九水和物(和光純薬工業(株)製)300g(0.80モル)、及び30%の過酸化水素水(和光純薬工業(株)製)112gをイオン交換水に溶解して1750mlの原料溶液aを調製した。また、ジエタノールアミン(和光純薬工業(株)製)240g(2.28モル)及びグリシン(和光純薬工業(株)製)80g(1.06モル)をイオン交換水に溶解して17500mlの原料溶液bを調製した。

0084

図4図7に示す従来の製造装置(インナーノズル型スーパーアジテーションリアクター)を用いて金属化合物のコロイド溶液を作製した。なお、ローター41として、外径42mm、内径37mmのものを使用し、ローター41と内側ステータ43との間のギャップを0.5mmとした。また、内側ステータ43として、ノズル45a及びノズル45bがそれぞれ24個ずつ設けられている48孔タイプのものを使用した。

0085

先ず、原料溶液aの送液ホース(図示なし)をノズル45aに接続されている流路46aに、原料溶液bの送液ホース(図示なし)をノズル45bに接続されている流路46bに、それぞれ接続した。また、各送液ホースには独立した送液ポンプを接続した。

0086

次に、500mlのポリプロピレン製ビーカー20に、イオン交換水300mlに硝酸を添加してpHを4に調整したスタートアップ液を入れ、インナーノズル型ホモジナイザー40の先端を前記スタートアップ液に浸るようにセットした。インナーノズル型ホモジナイザー40におけるローター41を8000rpmで回転させながら前記原料溶液aと前記原料溶液bとをそれぞれ50ml/minの供給速度で送液ポンプを用いてノズル45a及びノズル45bからローター41と内側ステータ43との間の領域に送液した。なお、ローター41と内側ステータ43との間の領域における流れが層流であると仮定して算出した剪断速度は、30997sec−1であった。

0087

ビーカー20からあふれ出てくる赤褐色の透明なコロイド溶液をビーカー20の下にセットした5Lのビーカー(図示せず)で捕集した。得られたコロイド溶液に、ホモミキサープライミクス(株)製)を用いて攪拌(3000rpm)しながら、モノエタノールアミン(和光純薬工業(株)製)220g(3.6モル)を添加してpHを7以上に調整し、ナノスラリーを得た。得られたナノスラリーを1Lのガラス製ビーカーに500gずつ入れ、150℃の脱脂炉内で10時間乾燥させた後、350℃で3時間焼成して脱脂処理を施した。さらに、脱脂後の複合金属酸化物粉末をアルミナ坩堝に入れ、900℃で2時間焼成して触媒担体粉末を得た。

0088

(比較例2)
実施例1と同様にして、第一の原料溶液、第二の原料溶液及び第三の原料溶液を調製した。原料溶液Aとして前記第一の原料溶液を、原料溶液Bとして前記第二の原料溶液を、原料溶液Cとして前記第三の原料溶液をそれぞれ用い、5Lのビーカーの上方に、原料溶液Aの送液ホース、原料溶液Bの送液ホース及び原料溶液Cの送液ホースをそれぞれ固定した。

0089

次に、前記ビーカーにスタートアップ液としてイオン交換水700mlを入れ、プロペラ攪拌(300rpm)しながら、前記原料溶液Aと前記原料溶液Bと前記原料溶液Cとをそれぞれ50ml/minの供給速度で前記ビーカーに滴下し、4Lのスラリーを得た。得られたスラリーを1Lのガラス製ビーカーに500gずつ入れ、150℃の脱脂炉内で10時間乾燥させた後、350℃で3時間焼成して脱脂処理を施した。さらに、脱脂後の複合金属酸化物粉末をアルミナ坩堝に入れ、900℃で2時間焼成して触媒担体粉末を得た。

0090

<金属元素の含有率の標準偏差>
得られた触媒担体粉末を乳鉢で粉砕し、得られた微粒子を、透過型電子顕微鏡TEM)用カーボン膜を有するCu製グリッド上に乗せ、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を装着した球面収差補正装置付き走査透過型電子顕微鏡(JOEL社製「JEM−2100F−Csコレクター」)を用いて前記微粒子のSTEM像観察とEDSマッピングを行なった。得られたEDSマッピング像において、20nm角の微小分析範囲内のAl、Zr、Ce、Y、Laの含有率をそれぞれ求め、これを無作為に抽出した100個の測定点(20nm角の微小分析範囲)について行なった。仕込量から求めた含有率又はICP発光分光分析により求めた含有率を平均含有率として各金属元素の含有率の標準偏差を算出した。その結果を表1に示す。

0091

<触媒担体ペレットの調製>
250mlのポリプロピレン製容器に0.5mm径アルミナボール70gを入れ、さらに、得られた触媒担体粉末10g及び水20gを入れて、触媒担体粉末の大きさが1〜30μmとなるように100rpmで4時間の粉砕処理を施した。得られたスラリーを300mlのビーカーに移し、スラリーの体積が100mlとなるように水を加えた。このスラリーにアルミナゾル(日産化学工業(株)製「A520」)を、触媒担体粉末の乾燥質量とアルミナゾル中のAl2O3との質量比が触媒担体:Al2O3=9:1となるように添加した後、マグネットスターラーを用いて300rpmで30分間攪拌した。得られたスラリーを150℃で3時間蒸発乾固させた後、粉砕処理を施し、目開き1mmと0.5mmのを用いて直径0.5〜1mmの触媒担体ペレットを捕集した。

0092

<比表面積及び微分細孔容積分布>
自動比表面積・細孔分布測定装置(マイクロメリティックス社製「Tristar II3020」)を用い、得られた触媒担体ペレットの窒素吸着等温線を求めた。この窒素吸着等温線からBET法により多点式比表面積(BET比表面積)及びBJH法により微分細孔容積分布を求め、さらに、得られた微分細孔容積分布から最大頻度細孔径及び0.001〜0.2μmの細孔径を有する細孔の合計細孔容量を求めた。その結果を表1に示す。

0093

耐熱試験(1)>
得られた触媒担体ペレットをアルミナ坩堝に入れ、電気炉内で大気中、1100℃で5時間の焼成処理を施した。

0094

<耐熱試験(2)>
得られた触媒担体ペレット1.5gを内径7mmの石英管充填し、充填部を石英ウールで挟んだ。この石英管に、1気圧、ガス流量500ml/minの条件で、還元雰囲気ガス(H2(2容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部))と酸化雰囲気ガス(O2(1容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部))とを5分間毎に交互に切り替えて流通させながら、触媒担体ペレットに1100℃で5時間の加熱処理を施した。

0095

<耐熱試験(3)>
加熱時間を50時間に変更した以外は前記耐熱試験(2)と同様にして、触媒担体ペレットにR/L雰囲気下、1100℃での加熱処理を施した。

0096

<耐熱試験による比表面積の低下率及び最大頻度細孔径の増加率>
耐熱試験(1)〜(3)後の各触媒担体ペレットのBET比表面積及び最大頻度細孔径を前記方法に従って求め、耐熱試験による比表面積の低下率及び耐熱試験による最大頻度細孔径の増加率を下記式に従って求めた。これらの結果を表1に示す。
比表面積の低下率(%)=(耐熱試験前の比表面積−耐熱試験後の比表面積)/耐熱試験前の比表面積×100。
最大頻度細孔径の増加率(%)=(耐熱試験後の最大頻度細孔径−耐熱試験前の最大頻度細孔径)/耐熱試験前の最大頻度細孔径×100。

0097

触媒調製
250mlのポリプロピレン製容器に0.5mm径のアルミナボール70gを入れ、さらに、得られた触媒担体粉末10g及び水20gを入れて、触媒担体粉末の大きさが1〜30μmとなるように100rpmで4時間の粉砕処理を施した。得られたスラリーを300mlのビーカーに移し、スラリーの体積が100mlとなるように水を加えた。このスラリーにアルミナゾル(日産化学工業(株)製「A520」)を、触媒担体粉末の乾燥質量とアルミナゾル中のAl2O3との質量比が触媒担体:Al2O3=9:1となるように添加し、同時に硝酸パラジウムPd担持量が触媒担体粉末100質量部に対して0.42質量部となるように添加した後、マグネットスターラーを用いて300rpmで30分間攪拌した。得られたスラリーを150℃で3時間蒸発乾固させた後、固形分を磁製坩堝に移し、500℃で2時間焼成して触媒担体にPdを固定した。その後、粉砕処理を施し、目開き1mmと0.5mmの篩を用いて直径0.5〜1mmのPd担持触媒ペレットを捕集した。

0098

<耐熱試験(4)>
触媒担体ペレットの代わりに、得られたPd担持触媒ペレットを用いた以外は前記耐熱試験(2)と同様にして、Pd担持触媒ペレットにR/L雰囲気下、1100℃で5時間の加熱処理を施した。

0099

<耐熱試験(5)>
触媒担体ペレットの代わりに、得られたPd担持触媒ペレットを用いた以外は前記耐熱試験(3)と同様にして、Pd担持触媒ペレットにR/L雰囲気下、1100℃で50時間の加熱処理を施した。

0100

<耐熱試験後のPd担持触媒の酸素放出速度及び飽和酸素貯蔵量>
耐熱試験後(4)〜(5)後の各Pd担持触媒ペレット0.5gを内径10mmの石英管に充填し、触媒床を作製した。この触媒床に、前処理として、触媒床温度600℃、ガス流量10L/minの条件で、還元雰囲気ガス(CO(2容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部))と酸化雰囲気ガス(O2(1容量%)+CO2(10容量%)+H2O(3容量%)+N2(残部))とを1分間毎に交互に切り替えながら、10分間(5サイクル)流通させた。次に、窒素ガス雰囲気下で触媒床の温度を500℃に変更した後、触媒床に、ガス流量10L/minの条件で、前記酸化雰囲気ガスを3分間、窒素ガスを1分間、前記還元雰囲気ガスを3分間、窒素ガスを1分間順次流通させ、これを3回繰り返した(3サイクル)。2回目2サイクル目)の還元雰囲気ガス流通時において、初期の5秒間のCO2発生速度(5秒間のCO2発生量/5秒)及び3分間のCO2発生量を測定し、これらをそれぞれ酸素放出速度(OSC−r)及び飽和酸素貯蔵量(OSC−c)とした。その結果を表1に示す。

0101

0102

表1に示した結果から明らかなように、AlイオンCeイオン及びZrイオンを含有する第一の原料溶液と過酸化水素を含有する第二の原料溶液と中和剤を含有する原料溶液とをそれぞれ独立に高剪断速度領域に供給して調製した触媒担体(実施例1〜2)は、各金属元素が相互に微細かつ均一に分散しており、耐熱試験(大気中又はR/L雰囲気下、1100℃での加熱処理)を長時間施した場合でも、比表面積の低下率や最大頻度細孔径の増加率が小さく、耐熱性に優れたものであることが確認された。また、このような触媒担体に貴金属を担持することによって、耐熱試験(大気中又はR/L雰囲気下、1100℃での加熱処理)を長時間施した場合でも速い酸素放出速度(OSC−r)を有する排ガス浄化用触媒が得られることも確認された。

0103

一方、Alイオン、Ceイオン、Zrイオン及び過酸化水素を含有する原料溶液と中和剤を含有する原料溶液とをそれぞれ独立に高剪断速度領域に供給して調製した触媒担体(比較例1)は、各金属元素が相互に微細かつ均一に分散しているものの、耐熱試験(大気中又はR/L雰囲気下、1100℃での加熱処理)によって、比表面積が著しく低下し、最大頻度細孔径が著しく増加し、耐熱性に劣るものであった。また、このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1〜2)に比べて、耐熱試験(R/L雰囲気下、1100℃での加熱処理)後の酸素放出速度(OSC−r)が遅いことがわかった。

実施例

0104

また、Alイオン、Ceイオン及びZrイオンを含有する第一の原料溶液と過酸化水素を含有する第二の原料溶液と中和剤を含有する原料溶液とをプロペラ攪拌により混合して調製した触媒担体(比較例2)は、AlとZrの分散性が低いものであった。このような触媒担体に貴金属を担持した触媒は、本発明の排ガス浄化用触媒(実施例1〜2)に比べて、耐熱試験(R/L雰囲気下、1100℃での加熱処理(特に、50時間の加熱処理))後の酸素放出速度(OSC−r)が遅く、飽和酸素貯蔵量(OSC−c)が少ないことがわかった。

0105

以上説明したように、本発明によれば、各金属元素が相互に微細かつ均一に分散しており、また、高温に曝された場合であっても比表面積の低下や細孔径の増加が小さい複合金属酸化物多孔体からなる排ガス浄化用触媒担体を得ることが可能となる。

0106

したがって、本発明の排ガス浄化用触媒は、このような排ガス浄化用触媒担体に貴金属を担持したものであり、高温に長時間曝された場合であっても高い酸素放出速度を示すため、自動車等の内燃機関から排出される有害物質を含むガスを浄化するための排ガス浄化用触媒、特に、高温環境下で長時間使用される排ガス浄化用触媒等として有用である。

0107

10:アウターノズル型ホモジナイザー、11:ローター、11a:スリット、12:ノズル付外側ステータ、12a:スリット、13:回転シャフト、14:モーター、15A,15B,15C:分岐のないノズル、16A,16B,16C:分岐のない流路、20:反応容器、40:インナーノズル型ホモジナイザー、41:ローター、42:外側ステータ、43:内側ステータ、45a,45b:ノズル、46a,46b:流路

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