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技術 電力変換器

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 杉浦秀和
出願日 2016年6月27日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-126789
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-007310
状態 特許登録済
技術分野 電力変換一般 DC‐DCコンバータ インバータ装置
主要キーワード 電圧コンバータ回路 対向アーム 各切替スイッチ 高電位端 低電位端 閾値値 スナバ 電力用スイッチング素子
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

電力変換器においてスイッチング時のサージを抑制しつつ、回路損失を低減する。

解決手段

スイッチング素子に、スナバコンデンサ並列に接続し、スイッチング素子とスナバコンデンサとの接続を導通又は遮断する切替スイッチを設ける。スイッチング素子の温度が閾値値以下の場合には、切替スイッチを導通状態とし、スイッチング素子の温度が閾値値を超えた場合には、切替スイッチを遮断状態とする。上記制御により、サージ電圧が高い場合は、スナバコンデンサを作用させることで、サージ・エネルギを吸収し、サージ電圧が低い場合は、スナバコンデンサを作用させないことで、回路損失を低減する。

概要

背景

スイッチング素子は、様々な用途で必要とされており、例えば、直流電圧変圧する電圧コンバータ装置、直流電圧と交流電圧の間で変換するインバータ装置に用いられる。スイッチング素子の一例には、絶縁ゲートを備えるスイッチング素子が知れられている。この種のスイッチング素子では、絶縁ゲートに電荷充放電されることによって、オンオフが切換わるように構成されている。この種のスイッチング素子の一例には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を含むパワー半導体素子が挙げられる。

スイッチング素子には、短時間のうちにオフ状態からオン状態切り換わることが求められている。すなわち動作速度が速いことが求められている。動作速度が速いと、スイッチング損失を減少することができる。それと同時に、電力用スイッチング素子には、過大なサージ電圧が発生しないように電力をオン・オフ制御することが求められる。電力のオン・オフ制御に伴って発生するサージ電圧が高ければ、スイッチング素子に求められる耐圧が高くなってしまう。
スイッチング素子の動作速度を早くすることと、サージ電圧を抑制することは、トレードオフの関係にあり、一般には、動作速度を早くすると、サージ電圧が高くなる関係にある。動作速度を早くしながら、サージ電圧を抑制することは難しい。

特許文献1に記載された電力変換器では、スイッチング素子がターンオフ動作を開始し、スイッチング素子のコレクタ電流が急激に減少すると、それまでスイッチング素子に流れていた主電流スナバコンデンサ転流する。すなわち、スイッチング素子のターンオフ動作時に発生するサージエネルギをスナバコンデンサに吸収させる。従って、スナバコンデンサの作用によりサージ電圧を抑制することで、スイッチング素子の動作速度を速くすることができ、スイッチング損失を低減できる。

概要

電力変換器においてスイッチング時のサージを抑制しつつ、回路損失を低減する。スイッチング素子に、スナバコンデンサを並列に接続し、スイッチング素子とスナバコンデンサとの接続を導通又は遮断する切替スイッチを設ける。スイッチング素子の温度が閾値値以下の場合には、切替スイッチを導通状態とし、スイッチング素子の温度が閾値値を超えた場合には、切替スイッチを遮断状態とする。上記制御により、サージ電圧が高い場合は、スナバコンデンサを作用させることで、サージ・エネルギを吸収し、サージ電圧が低い場合は、スナバコンデンサを作用させないことで、回路損失を低減する。

目的

本発明は、スイッチング時のサージを抑制しつつ、回路損失を低減する電力変換器を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

スイッチング素子と、前記スイッチング素子のターンオフ時に生じる過渡的な高電圧を吸収するコンデンサを含むスナバ回路と、を備えた電力変換器において、前記スイッチング素子の温度を取得する素子温度得手段と、前記スナバ回路と前記スイッチング素子との電気的接続導通遮断する切替スイッチと、前記素子温度取得手段によって取得した前記スイッチング素子の温度が閾値以下のとき、前記スナバ回路と前記スイッチング素子の電気的接続を導通し、前記スイッチング素子の温度が閾値を超えたとき、前記スナバ回路と前記スイッチング素子の電気的接続を遮断するよう、前記切替スイッチを制御する、制御装置と、を設けた電力変換器。

技術分野

0001

本明細書で開示される技術は、電力変換器に関する。

背景技術

0002

スイッチング素子は、様々な用途で必要とされており、例えば、直流電圧変圧する電圧コンバータ装置、直流電圧と交流電圧の間で変換するインバータ装置に用いられる。スイッチング素子の一例には、絶縁ゲートを備えるスイッチング素子が知れられている。この種のスイッチング素子では、絶縁ゲートに電荷充放電されることによって、オンオフが切換わるように構成されている。この種のスイッチング素子の一例には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を含むパワー半導体素子が挙げられる。

0003

スイッチング素子には、短時間のうちにオフ状態からオン状態切り換わることが求められている。すなわち動作速度が速いことが求められている。動作速度が速いと、スイッチング損失を減少することができる。それと同時に、電力用スイッチング素子には、過大なサージ電圧が発生しないように電力をオン・オフ制御することが求められる。電力のオン・オフ制御に伴って発生するサージ電圧が高ければ、スイッチング素子に求められる耐圧が高くなってしまう。
スイッチング素子の動作速度を早くすることと、サージ電圧を抑制することは、トレードオフの関係にあり、一般には、動作速度を早くすると、サージ電圧が高くなる関係にある。動作速度を早くしながら、サージ電圧を抑制することは難しい。

0004

特許文献1に記載された電力変換器では、スイッチング素子がターンオフ動作を開始し、スイッチング素子のコレクタ電流が急激に減少すると、それまでスイッチング素子に流れていた主電流スナバコンデンサ転流する。すなわち、スイッチング素子のターンオフ動作時に発生するサージエネルギをスナバコンデンサに吸収させる。従って、スナバコンデンサの作用によりサージ電圧を抑制することで、スイッチング素子の動作速度を速くすることができ、スイッチング損失を低減できる。

先行技術

0005

特開2006−230168号公報

発明が解決しようとする課題

0006

スイッチング素子のターンオフ動作時にスナバコンデンサに吸収されたサージ・エネルギは、その後、スイッチング素子がターンオンすると、スナバコンデンサの電荷がゼロになるまで、回路上の抵抗やスイッチング素子にて消費されることになる。そのため、特許文献1に記載された電力変換器では、スナバ回路によって回路損失が発生する。

0007

本発明は、スイッチング時のサージを抑制しつつ、回路損失を低減する電力変換器を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の電力変換器は、スイッチング素子と、スイッチング素子のターンオフ時に生じる過渡的な高電圧を吸収するコンデンサを含むスナバ回路と、を備えており、さらに、スイッチング素子の温度を取得する素子温度得手段と、スナバ回路と前記スイッチング素子との電気的接続導通遮断する切替スイッチと、素子温度取得手段によって取得したスイッチング素子の温度が閾値以下のとき、スナバ回路と前記スイッチング素子の電気的接続を導通し、スイッチング素子の温度が閾値を超えたとき、スナバ回路と前記スイッチング素子の電気的接続を遮断するよう、切替スイッチを制御する、制御装置と、を備える。

発明の効果

0009

スイッチング素子は、素子温度が低いほど、電流がゼロとなるまでのdi/dtが高くなる。ターンオフ時に発生するサージ電圧は、配線インダクタンス値との積となるため、di/dtが高くなるほどサージ電圧が高くなる。
上記の構成によれば、素子温度が閾値以下である場合には、スイッチング時に発生するサージ・エネルギをスナバコンデンサに吸収させることで、過大なサージ電圧が発生することを抑制し、スイッチング素子を所定の耐圧の範囲で動作させる。
一方で、素子温度が閾値を超える場合には、サージ電圧が低いため、スナバコンデンサを使用しなくても、スイッチング素子を所定の耐圧の範囲で動作させることができる。さらに、スナバコンデンサを使用しないため、スナバコンデンサにサージ・エネルギが吸収されず、吸収したサージ・エネルギを、回路上の抵抗やスイッチング素子にて消費する必要がなく、回路損失を低減することができる。

図面の簡単な説明

0010

第1の実施形態に係る電力変換器10を説明するである。
第1の実施形態に係る電力変換器10における電圧コンバータ回路12のスイッチング部T7、T8を説明する図である。
第1の実施形態に係る電力変換器10におけるインバータ回路16のスイッチング部T1〜T6を説明する図である。
第1実施形態に掛かる制御装置15が実行するルーチンの一例である。
第2実施形態に係る電力変換器20を説明する図である。
第2の実施形態に係る電力変換器20における電圧コンバータ回路12のスイッチング部T7、T8を説明する図である。
第2の実施形態に係る電力変換器10におけるインバータ回路16のスイッチング部T1〜T6を説明する図である。
第2実施形態に掛かる制御装置15が実行するルーチンの一例である。

0011

実施例

0012

(第1の実施形態)
本明細書が開示する第1の実施形態に係る電力変換器10について説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係る電力変換器10は、バッテリ14と接続されている。電力変換器10は、バッテリ電圧を昇圧する電圧コンバータ回路12と、昇圧後の直流電力交流に変換するインバータ回路16と、を含んでいる。

0013

電圧コンバータ回路12の回路構成について説明する。電圧コンバータ回路12の高電位側のラインにおける出力側と入力側の間には、リアクトル2及びスイッチング素子T7aが接続されている。そして、低電位側のラインは、電圧コンバータ回路12の入力側と出力側を直結している。低電位側のラインはグランド線に相当する。即ち、電圧コンバータ回路12の入力側(バッテリ14側)の低電位端と出力側(インバータ回路16の側)の低電位端を直結するラインがグランド線に相当する。

0014

リアクトル2の一端は、入力側(バッテリ14側)の高電位端に接続され、その他端(出力側)にはスイッチング素子T7a(図2参照)が接続されている。また、リアクトル2の他端(スイッチング部T7の低電位端)とグランド線の間に別のスイッチング素子T8a(図2参照)が接続されている。すなわち、電圧コンバータ回路12には、2個のスイッチング素子(T7a、T8a)の直列回路が含まれており、その中点にリアクトル2が接続されている。

0015

リアクトル2の中点側のライン側とグランド線の間には、フィルタコンデンサ3が接続されている。他方、電圧コンバータ回路12のインバータ回路側の高電位側のラインとグランド線の間には平滑化コンデンサ4が接続されている。フィルタコンデンサ3は、電圧コンバータ回路12の昇圧動作降圧動作の際に電気エネルギを一時的に蓄えるデバイスであり、平滑化コンデンサ4は、インバータ回路16に入力される電流の脈動を抑制するデバイスである。

0016

図2に示すように、各スイッチング素子(T7a、T8a)は、2つの主電極と、1つの制御電極を有している。制御電極には、制御装置15からパルス信号が送られ、各スイッチング素子(T7a、T8a)のオン・オフが制御される。また、各スイッチング素子(T7a、T8a)には、それぞれ、ダイオード(D7a、D8a)が逆並列に接続されている。

0017

各スイッチング素子(T7a、T8a)の2つの主電極間には、各スイッチング素子(T7a、T8a)に対して並列となるよう、スナバコンデンサ(C7、C8)が接続されている。さらに、各スイッチング素子(T7a、T8a)とスナバコンデンサ(C7、C8)との接続を導通又は遮断する切替スイッチ(T7b、T8b)が設けられている。各切替スイッチ(T7b、T8b)には、それぞれ、ダイオード(D7b、D8b)が逆並列に接続されている。以下では、各スイッチング素子(T7a、T8a)、ダイオード(D7a、D8a)、切替スイッチ(T7b、T8b)、ダイオード(D7b、D8b)、スナバコンデンサ(C7、C8)を総称し、スイッチング部(T7、T8)と呼称する。また、スナバコンデンサC7、切替スイッチT7b及びダイオードD7b(スナバコンデンサC8、切替スイッチT8b及びダイオードD8b)から構成される回路をスナバ回路と称呼する。

0018

インバータ回路16の回路構成について説明する。インバータ回路16は、図3に示すように、2個のスイッチング素子の直列回路が3セット並列に接続された構成を有している(T1aとT4a、T2aとT5a、T3aとT6a)。3セットの直列回路の高電位側がインバータ回路16の高電位側の入力端に接続されており、3セットの直列回路の低電位側がインバータ回路16の低電位側の入力端に接続されている。

0019

各スイッチング素子(T1a〜T6a)は、2つの主電極と、1つの制御電極を有している。制御電極には、制御装置15からパルス信号が送られ、各スイッチング素子(T1a〜T6a)のオン・オフが制御される。これにより、3セットの直列回路の中点から三相交流が出力される。また、また、各スイッチング素子(T1a〜T6a)には、それぞれ、ダイオードD1a〜D6aが逆並列に接続されている。

0020

図3に示すように、各スイッチング素子(T1a〜T6a)の2つの主電極間には、各スイッチング素子(T1a〜T6a)に対して並列となるよう、スナバコンデンサ(C1〜C6)が接続されている。さらに、各スイッチング素子(T1a〜T6a)とスナバコンデンサ(C1〜C6)との接続を導通又は遮断する切替スイッチ(T1b〜T6b)が設けられている。各切替スイッチ(T1b〜T6b)には、それぞれ、ダイオード(D1b〜D6b)が逆並列に接続されている。以下では、各スイッチング素子(T1a〜T6a)、ダイオード(D1〜D6)、切替スイッチ(T1b〜T6b)、ダイオード(D1b〜D6b)、スナバコンデンサ(C1〜C6)を総称し、スイッチング部(T1〜T)6と呼称する。また、電圧コンバータ回路12と同様に、スナバコンデンサ(C1〜C6)、切替スイッチ(T1a〜T6a)及びダイオード(D1b〜D6b)から構成される回路をスナバ回路と称呼する。

0021

図2及び図3に示すように、電力変換器10は、各スイッチング素子(T1〜T8)の温度を検出するために、素子温度取得手段(S1〜S8)を有している。素子温度取得手段(S1〜S8)には、スイッチング素子のチップの温度を検出するもの(例えば、センスダイオード)や、スイッチング素子の放熱用媒体冷却水放熱フィン)の温度を検出するもの(例えば、サーミスタ熱電対)がある。

0022

電圧コンバータ回路12及びインバータ回路16に含まれる各スイッチング部(T1〜T8)の動作について説明する。以下では、電圧コンバータ回路12のスイッチング部T8を例に説明するが、その他のスイッチング部(T1〜T7)についても同様である。

0023

図4は、制御装置15が実行するルーチンの一例である。制御装置15は、素子温度取得手段S8によって取得したスイッチング素子T8aの温度が閾値Tth以下か否かを定期的に監視している(ステップ11)。制御装置15は、スイッチング素子T8aの温度が閾値Tthを超える場合には、スイッチング素子T8aとスナバコンデンサC8の接続が遮断するよう切替スイッチT8bを制御する(ステップ12)。

0024

一方、制御装置15は、スイッチング素子T8aの温度が閾値Tth以下である場合には、スイッチング素子T8aとスナバコンデンサC8の接続が導通するよう切替スイッチT8bを制御する。(ステップ13)スイッチング素子T8aがオフ動作を開始すると、スイッチング素子T8aのリアクトル側2の端子電位は、グランド電位からバッテリ14の電位まで持ち上がる。このとき、スナバコンデンサC8に電荷が流入し、サージ・エネルギが吸収されるため、スイッチング素子T8aのサージ電圧を抑制することができる。この後、スイッチング素子T8aがオン動作を開始すると、スナバコンデンサC8からスイッチング素子T8aに電荷が流れ、スイッチング素子T8aのリアクトル側の端子の電位がグランド電位まで下がる。

0025

スイッチング素子T8aは、素子温度が低いほど、電流がゼロとなるまでのdi/dtが高くなる。ターンオフ時に発生するサージ電圧は、配線インダクタンス値との積となるため、di/dtが高くなるほどサージ電圧が高くなる。また、一派的に、スイッチング素子の耐圧は、低温時に低くなる。このため、低温時のサージ電圧が低温時の耐圧(常温時より低い)を超えないよう、スイッチング素子の動作速度(駆動速度)を設定する必要があり、動作速度(駆動速度)を早めてスイッチング損失を減少するには、限界があった。
また、スイッチング素子T8aのオフ動作時にスナバコンデンサC8に吸収されたサージ・エネルギは、その後、スイッチング素子がオン動作を開始すると、スナバコンデンサC8の電荷がゼロになるまで、回路上の抵抗やスイッチング素子にて消費されることになるので、スナバ回路によって回路損失が発生することになる。

0026

第1の実施形態によれば、スイッチング素子T8aの温度が閾値Tth以下である場合には、スイッチング時に発生するサージ・エネルギをスナバコンデンサC8に吸収させることで、スイッチング素子の動作速度(駆動速度)を早めて、スイッチング損失を減少しても、過大なサージ電圧が発生することを抑制し、スイッチング素子T8aを所定の耐圧の範囲で動作させることができる。
一方で、スイッチング素子T8aの温度が閾値Tthを超えた場合には、スイッチング素子T8aの耐圧も比較的高く、且つ、サージ電圧も低いため、スナバコンデンサC8を使用しなくても、スイッチング素子T8aを所定の耐圧の範囲で動作させることができる。さらに、スナバコンデンサC8を使用しないため、スナバコンデンサC8にサージ・エネルギが吸収されず、吸収したサージ・エネルギを、スイッチング素子T8aにて消費する必要がなく、スナバ回路による回路損失の発生を抑制することができる。
上記の通り、第1の実施形態では、温度によって変化するサージ電圧の大きさと、温度よって変化するスイッチング素子の耐圧に着目し、スイッチング素子の温度が閾値Tth以下のときに、スナバ回路とスイッチング素子の電気的接続を導通し、スイッチング素子の温度が閾値Tthを超えたときには、スナバ回路とスイッチング素子の電気的接続を遮断するようにしている。この閾値Tthは、例えば、スナバ回路が遮断されたときに発生するサージ電圧が、閾値Tthを超えた素子温度において、素子の耐圧を超えないよう、実験等によって求め、設定することができる。

0027

(第2の実施形態)
本明細書が開示する第2の実施形態に係る電力変換器20について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態の電力変換器の回路図である。なお、図4において、図1における構成要素と同一ないし均等の物は同一符号を用いて示している。
第1の実施形態では、電圧コンバータ回路12及びインバータ16回路において、上下アームいずれのスイッチング素子にも並列にスナバ回路が接続されているのに対し、第2の実施形態では、上下アームのうち、何れか一方のスイッチング素子にスナバ回路が接続されている点で相違する。図4では、上アームのスイッチング素子(T1a〜T3a、T7a)にのみスナバコンデンサ(C1〜C3、C7)が接続されている。

0028

第1の実施形態と同様に、図5及び図6に示すように、電力変換器20は、各スイッチング素子(1〜T8)の温度を検出するために、素子温度取得手段(S1〜S8)を有している。素子温度取得手段(S1〜S8)には、スイッチング素子のチップの温度を検出するもの(例えば、センスダイオード)や、スイッチング素子の放熱用媒体(冷却水や放熱フィン)の温度を検出するもの(例えば、サーミスタや熱電対)がある。

0029

電圧コンバータ回路12及びインバータ回路16に含まれる各スイッチング部(T1〜T8)の動作について説明する。スナバコンデンサを有するスイッチング部(T1〜T3、T7)では、第1の実施形態と同様に、スナバコンデンサ(C1〜C3、C7)を用いて、スイッチング素子(T1a〜T3a、T7a)のサージ電圧を抑制する。スナバコンデンサを有しないスイッチング部(T4〜T6、T8)では、対向アームのスナバコンデンサ(C1〜C3、C7)を用いて、スイッチング素子(T4a〜T6a、T8a)のサージ電圧を抑制する。以下では、電圧コンバータ回路12のスイッチング部(T7・T8)を例に説明するが、その他のスイッチング部(T1・T4、T2・T5、T3・T6)についても同様である。

0030

図8は、制御装置15が実行するルーチンの一例である。制御装置15は、素子温度取得手段(S7、S8)によって取得したスイッチング素子(T7a、T8a)の温度が閾値Tth以下か否かを定期的に監視している(ステップ21、ステップ23)。制御装置15は、スイッチング素子(S7、S8)の両方の温度が閾値Tthを超える場合には、スイッチング素子T7aとスナバコンデンサC7の接続が遮断するよう切替スイッチT7bを制御する(ステップ25)。

0031

一方、制御装置15は、スイッチング素子(S7、S8)の少なくとも一方の温度が閾値Tth以下である場合には、スイッチング素子T7aとスナバコンデンサC7の接続が導通するよう切替スイッチT7bを制御する。(ステップ22、ステップ23)

0032

スイッチング素子(S7、S8)の少なくとも一方の温度が閾値Tth以下である場合における、各スイッチング素子(T7a、T8a)のオフ動作について説明する。
スイッチング素子T7aのオフ動作については、第1実施例と同様である。スイッチング素子T7aがオフ動作を開始すると、スイッチング素子T7aのリアクトル側2の端子の電位は、バッテリ14の電位からグランド電位まで下がる。このとき、スナバコンデンサC7に電荷が流入し、サージ・エネルギが吸収されるため、スイッチング素子T7aのサージ電圧を抑制することができる。この後、スイッチング素子T7aがオン動作を開始すると、スナバコンデンサC7からスイッチング素子T7aに電荷が流れ、スイッチング素子T7aのリアクトル側の端子の電位がバッテリ14の電位まで持ち上がる。

0033

次に、スイッチング素子T8aのオフ動作について説明する。スイッチング素子T8aがオフ動作を開始すると、スイッチング素子T8aのリアクトル側の端子の電位は、グランド電位からバッテリ14の電位まで持ち上がる。このとき、スナバコンデンサC7に電荷が流入し、サージ・エネルギが吸収されるため、スイッチング素子T8aのサージ電圧を抑制することができる。この後、スイッチング素子T8aがオン動作を開始すると、スナバコンデンサC7からスイッチング素子T8aに電荷が流れ、スイッチング素子T8aのリアクトル側の端子の電位がグランド電位まで下がる。

0034

第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、スイッチング素子(T7a、T8a)の少なくとも一方の温度が閾値Tth以下である場合には、スイッチング時に発生するサージ・エネルギをスナバコンデンサC7に吸収させることで、スイッチング素子の動作速度(駆動速度)を早めて、スイッチング損失を減少しても、過大なサージ電圧が発生することを抑制し、スイッチング素子(T7a、T8a)を所定の耐圧の範囲で動作させることができる。
一方で、スイッチング素子(T7a、T8a)の両方の温度が閾値Tthを超えた場合には、スイッチング素子(T7a、T8a)の耐圧も比較的高く、且つ、サージ電圧も低いため、スナバコンデンサC7を使用しなくても、スイッチング素子(T7a、T8a)を所定の耐圧の範囲で動作させることができる。さらに、スナバコンデンサC7を使用しないため、スナバコンデンサC7にサージ・エネルギが吸収されず、吸収したサージ・エネルギを、スイッチング素子(T7a、T8a)にて消費する必要がなく、スナバ回路による回路損失の発生を抑制することができる。

0035

第1の実施形態、第2の実施形態では、スナバ回路として、スナバコンデンサ(C1〜C8)と切替スイッチ(T1a〜T8a)が直列に接続された場合について説明したが、スナバ回路として、スナバコンデンサ(C1〜C8)および切替スイッチ(T1a〜T8a)に直列にスナバ抵抗が接続されていてもよい。これによれば、スナバコンデンサ(C1〜C8)に吸収したサージ・エネルギが、スナバ抵抗においても消費され、サージ・エネルギを消費する際に生じる発熱を分散することができる。

0036

第1の実施形態、第2の実施形態では、各スイッチング素子(T1a〜T8a)にスナバ回路が並列に接続された場合について説明したが、2個のスイッチング素子(T1a・T4a、T2a・T5a、T3a・T6a、T7a・T8a)の直列回路と並列にスナバ回路(一括スナバ)を接続してもよい。これによれば、回路を簡素化することができる。

0037

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載した発明には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した構成は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

0038

2:リアクトル
3:フィルタコンデンサ
4:平滑化コンデンサ
10、20:電力変換器
12:電圧コンバータ回路
14:バッテリ
15:制御装置
16:インバータ回路
S1〜S8:素子温度取得手段
T1〜T8:スイッチング部
T1a〜T8a:スイッチング素子
T1b〜T8b:切替スイッチ
C1〜C8:スナバコンデンサ
D1a〜D8a、D1b〜D8b:ダイオード

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