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技術 無線通信システム、無線送信装置および無線受信装置

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 井之上瑞紀岩渕匡史新宅俊之鬼沢武阪田徹蛭川明則
出願日 2016年7月4日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2016-132352
公開日 2018年1月11日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2018-007056
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 交流方式デジタル伝送
主要キーワード 本発明手法 発明手法 推定位相 固定通信システム ヌル信号 位相誤差推定 プロトタイプフィルタ ポリフェーズ
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図面 (5)

課題

BMC/OQAMを適用した無線通信システムにおいて、パイロット信号隣接シンボルおよび隣接サブキャリアからの干渉の影響を受けずに位相誤差推定する。

解決手段

無線送信装置は、周波数領域において既知の信号からなるパイロットサブキャリアデータ信号からなるデータサブキャリアとの間に、ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入し、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去し、無線受信装置に受信したパイロット信号に含まれる干渉成分が時間領域において隣接するシンボルによるもののみとする制御手段を備え、無線受信装置は、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成し、生成した参照信号と受信したパイロット信号とを比較し、隣接するシンボルからの干渉を考慮した位相誤差を推定する位相誤差推定手段を備える。

概要

背景

次世代の無線通信システムでは、増加するデータトラヒックを収容するため、新たに高周波数帯の利用が注目されている。また、多様なサービスアプリケーションが普及することが予想されている。このようなことから、次世代の無線通信システムでは、幅広周波数帯と多様なアプリケーションをサポートできる、柔軟性を持った伝送方式が求められている。このような柔軟性を持った伝送方式として注目されているFBMC(Filter Bank Multi-Carrier )伝送方式は、フィルタバンクを用いてサブキャリアごとにフィルタ処理を施すことを特徴とするマルチキャリア伝送方式である。さらに、FBMC伝送方式では、高いデータレートを持たせるために、OQAM(Offset QAM)を適用することが提案されている(非特許文献1)。以下、OQAMを適用したFBMC伝送方式をFBMC/OQAMと表記し、OQAMを適用しないFBMC伝送方式をFBMC/QAMと表記する。

図1は、FBMC/OQAMの概念を示す。
図1において、OQAMの適用により、複素コンスタレーション変調シンボル実部および虚部は、時間領域において1/2シンボル区間ずらして交互に配置される。また、周波数領域においても実部および虚部は交互に配置される。このような配置により、OFDMが複素直交性を有するのに対し、FBMC/OQAMは実部同士、虚部同士の直交性のみを有する。すなわち、FBMC/OQAMは実部同士、虚部同士は互いに干渉しないが、周波数領域において隣接する信号(隣接サブキャリア)は直交しないため干渉し、さらに時間領域において隣接する信号(隣接シンボル)も直交しないため干渉する(非特許文献2)。図1中の矢印は、希望信号に対して直交しない信号が干渉することを示す。

一方、高周波数帯においては、局部発振器周波数誤差による位相誤差の影響が大きく、FBMC伝送方式を用いた場合に特性が劣化する問題があり、高周波数帯を効率的に利用するためには、位相誤差による特性劣化を軽減することが重要な課題となる。位相誤差による特性劣化を軽減する代表的な手法として、パイロット信号を用いて位相誤差を推定して位相誤差補償を行う手法が挙げられる。この手法で推定する位相誤差は、シンボル内の全サブキャリアに等しい位相変動を与えることを特徴とする。このような特徴から、シンボル内の各パイロット信号が受けた位相変動量を求め、その平均を求めることにより、位相誤差を推定する。位相誤差は時変動するため、シンボルごとに推定することで、推定精度を向上させることができる。

パイロット信号の挿入方法としては、時間領域においてパイロットシンボルを挿入する方法、周波数領域においてパイロットサブキャリアを挿入する方法、時間および周波数領域においてパイロット信号をスキャッタード型に挿入する方法が挙げられる。この内、パイロットシンボルを挿入する方法とパイロット信号をスキャッタード型に挿入する方法では、パイロット信号が挿入されないシンボルが存在し、時変動する位相誤差を追従できず、正確に位相誤差を推定することができない。そのため、時変動する位相誤差を追従して推定するためには、周波数領域においてパイロットサブキャリアを挿入する方法が適している。

図2は、従来のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムの構成を示す。

図2(1) は無線送信装置の構成を示し、生成されたデータ信号符号化処理および変調処理を行う変調信号生成部11と、既知の信号からパイロット信号を生成するパイロット生成部12と、変調信号生成部11の出力信号にパイロット生成部12から出力されたパイロット信号を挿入するパイロット挿入部13と、パイロット挿入部13の出力信号にOQAM変調処理を施すOQAM変調部16と、OQAM変調部16の出力信号を逆フーリエ変換するIFFT部17と、IFFT部17の出力信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部18から構成される。

図2(2) は無線受信装置の構成を示し、受信信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部21と、フィルタ処理部21の出力信号をフーリエ変換するFFT部22と、FFT部22の出力信号をパイロットサブキャリアとデータサブキャリアに分離して出力するパイロット分離部23と、無線送受信装置共有されている既知の信号とパイロット分離部23で分離されたパイロット信号を用いて位相誤差を推定する位相誤差推定部25と、位相誤差推定部25から出力される推定位相誤差を用いてパイロット分離部23で分離されたデータ信号の位相誤差を補償する位相誤差補償部26と、位相誤差補償部の出力信号にOQAM復調処理を施すOQAM復調部27と、OQAM復調部27の出力信号に復調処理および復号処理を行う変調信号復元部28から構成される。

概要

FBMC/OQAMを適用した無線通信システムにおいて、パイロット信号の隣接シンボルおよび隣接サブキャリアからの干渉の影響を受けずに位相誤差を推定する。無線送信装置は、周波数領域において既知の信号からなるパイロットサブキャリアとデータ信号からなるデータサブキャリアとの間に、ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入し、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去し、無線受信装置に受信したパイロット信号に含まれる干渉成分が時間領域において隣接するシンボルによるもののみとする制御手段を備え、無線受信装置は、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成し、生成した参照信号と受信したパイロット信号とを比較し、隣接するシンボルからの干渉を考慮した位相誤差を推定する位相誤差推定手段を備える。

目的

本発明は、FBMC/OQAMを適用した無線通信システムにおいて、パイロット信号を用いて位相誤差推定を行うときに、隣接シンボルおよび隣接サブキャリアからの干渉成分の影響を受けずに位相誤差を正確に推定可能な無線通信システム、無線送信装置および無線受信装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

QAM(Offset QAM)を適用したFBMC(Filter Bank Multi-Carrier)伝送方式により、無線送信装置無線受信装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、前記無線送信装置は、周波数領域において既知の信号からなるパイロットサブキャリアデータ信号からなるデータサブキャリアとの間に、ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入し、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去し、前記無線受信装置に受信したパイロット信号に含まれる干渉成分が時間領域において隣接するシンボルによるもののみとする制御手段を備え、前記無線受信装置は、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成し、生成した参照信号と受信したパイロット信号とを比較し、隣接するシンボルからの干渉を考慮した位相誤差推定する位相誤差推定手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。

請求項2

請求項1に記載の無線通信システムの無線送信装置において、生成されたデータ信号に符号化処理および変調処理を行う変調信号生成部と、既知の信号からパイロット信号を生成するパイロット生成部と、ヌル信号を生成するヌル生成部と、前記データ信号からなるデータサブキャリアに前記パイロット信号からなるパイロットサブキャリアを挿入し、さらにパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとの間に、前記ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入するパイロット・ヌル挿入部と、前記ヌル挿入部の出力信号にOQAM変調処理を施すOQAM変調部と、前記OQAM変調部の出力信号を逆フーリエ変換するIFFT部と、前記IFFT部の出力信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部とを備え、前記ヌルサブキャリアを挿入することにより、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去することを特徴とする無線送信装置。

請求項3

請求項1に記載の無線通信システムの無線受信装置において、受信信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部の出力信号をフーリエ変換するFFT部と、前記FFT部の出力信号をパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとヌルサブキャリアに分離し、パイロット信号とデータ信号を出力するパイロット分離部と、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成する参照信号生成部と、前記参照信号と前記パイロット分離部で分離された前記パイロット信号とを比較し、前記受信信号のパイロット信号に含まれる隣接するシンボルからの干渉を考慮して位相誤差の推定を行う位相誤差推定部と、前記位相誤差推定部から出力される推定位相誤差を用いて前記パイロット分離部で分離された前記データ信号の位相誤差を補償する位相誤差補償部と、前記位相誤差補償部の出力信号にOQAM復調処理を施すOQAM復調部と、前記OQAM復調部の出力信号に復調処理および復号処理を行う変調信号復元部とを備えたことを特徴とする無線受信装置。

請求項4

請求項3に記載の無線通信システムの無線受信装置において、前記参照信号生成部は、前記パイロットサブキャリアが挿入されるサブキャリアに前記既知の信号を挿入し、それ以外のサブキャリアにヌルサブキャリアを挿入した信号列を生成し、この信号列にOQAM変調、逆フーリエ変換、送信側フィルタ処理、受信側フィルタ処理、フーリエ変換を施し、前記既知の隣接するシンボルによる干渉成分を推定して前記参照信号を生成する構成であることを特徴とする無線受信装置。

技術分野

0001

本発明は、OQAM(Offset QAM)を適用したFBMC(Filter Bank Multi-Carrier )伝送方式による無線通信システムにおいて、パイロット信号を用いて位相誤差推定を行う無線通信システム、無線送信装置および無線受信装置に関する。

背景技術

0002

次世代の無線通信システムでは、増加するデータトラヒックを収容するため、新たに高周波数帯の利用が注目されている。また、多様なサービスアプリケーションが普及することが予想されている。このようなことから、次世代の無線通信システムでは、幅広周波数帯と多様なアプリケーションをサポートできる、柔軟性を持った伝送方式が求められている。このような柔軟性を持った伝送方式として注目されているFBMC(Filter Bank Multi-Carrier )伝送方式は、フィルタバンクを用いてサブキャリアごとにフィルタ処理を施すことを特徴とするマルチキャリア伝送方式である。さらに、FBMC伝送方式では、高いデータレートを持たせるために、OQAM(Offset QAM)を適用することが提案されている(非特許文献1)。以下、OQAMを適用したFBMC伝送方式をFBMC/OQAMと表記し、OQAMを適用しないFBMC伝送方式をFBMC/QAMと表記する。

0003

図1は、FBMC/OQAMの概念を示す。
図1において、OQAMの適用により、複素コンスタレーション変調シンボル実部および虚部は、時間領域において1/2シンボル区間ずらして交互に配置される。また、周波数領域においても実部および虚部は交互に配置される。このような配置により、OFDMが複素直交性を有するのに対し、FBMC/OQAMは実部同士、虚部同士の直交性のみを有する。すなわち、FBMC/OQAMは実部同士、虚部同士は互いに干渉しないが、周波数領域において隣接する信号(隣接サブキャリア)は直交しないため干渉し、さらに時間領域において隣接する信号(隣接シンボル)も直交しないため干渉する(非特許文献2)。図1中の矢印は、希望信号に対して直交しない信号が干渉することを示す。

0004

一方、高周波数帯においては、局部発振器周波数誤差による位相誤差の影響が大きく、FBMC伝送方式を用いた場合に特性が劣化する問題があり、高周波数帯を効率的に利用するためには、位相誤差による特性劣化を軽減することが重要な課題となる。位相誤差による特性劣化を軽減する代表的な手法として、パイロット信号を用いて位相誤差を推定して位相誤差補償を行う手法が挙げられる。この手法で推定する位相誤差は、シンボル内の全サブキャリアに等しい位相変動を与えることを特徴とする。このような特徴から、シンボル内の各パイロット信号が受けた位相変動量を求め、その平均を求めることにより、位相誤差を推定する。位相誤差は時変動するため、シンボルごとに推定することで、推定精度を向上させることができる。

0005

パイロット信号の挿入方法としては、時間領域においてパイロットシンボルを挿入する方法、周波数領域においてパイロットサブキャリアを挿入する方法、時間および周波数領域においてパイロット信号をスキャッタード型に挿入する方法が挙げられる。この内、パイロットシンボルを挿入する方法とパイロット信号をスキャッタード型に挿入する方法では、パイロット信号が挿入されないシンボルが存在し、時変動する位相誤差を追従できず、正確に位相誤差を推定することができない。そのため、時変動する位相誤差を追従して推定するためには、周波数領域においてパイロットサブキャリアを挿入する方法が適している。

0006

図2は、従来のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムの構成を示す。

0007

図2(1) は無線送信装置の構成を示し、生成されたデータ信号符号化処理および変調処理を行う変調信号生成部11と、既知の信号からパイロット信号を生成するパイロット生成部12と、変調信号生成部11の出力信号にパイロット生成部12から出力されたパイロット信号を挿入するパイロット挿入部13と、パイロット挿入部13の出力信号にOQAM変調処理を施すOQAM変調部16と、OQAM変調部16の出力信号を逆フーリエ変換するIFFT部17と、IFFT部17の出力信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部18から構成される。

0008

図2(2) は無線受信装置の構成を示し、受信信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部21と、フィルタ処理部21の出力信号をフーリエ変換するFFT部22と、FFT部22の出力信号をパイロットサブキャリアとデータサブキャリアに分離して出力するパイロット分離部23と、無線送受信装置共有されている既知の信号とパイロット分離部23で分離されたパイロット信号を用いて位相誤差を推定する位相誤差推定部25と、位相誤差推定部25から出力される推定位相誤差を用いてパイロット分離部23で分離されたデータ信号の位相誤差を補償する位相誤差補償部26と、位相誤差補償部の出力信号にOQAM復調処理を施すOQAM復調部27と、OQAM復調部27の出力信号に復調処理および復号処理を行う変調信号復元部28から構成される。

先行技術

0009

M. Bellanger et al., "FBMCPhysical Layer: A Primer," June 2010.
T. Yoon et al., "Pilot Structure for High Data Rate in OFDM/OQAM-IOTA System,"IEEE Vehicular Technology Conference,VTC 2008-Fall, Sept. 2008.

発明が解決しようとする課題

0010

FBMC/OQAMを適用した無線通信システムでは、パイロット信号は時間領域において隣接するシンボルから干渉を受け、周波数領域において隣接するサブキャリアから干渉を受ける。これにより、正確に位相誤差を推定することが困難であった。

0011

したがって、FBMC/OQAMを適用した無線通信システムでは、全てのシンボルに1つ以上のパイロット信号を挿入し、かつ隣接シンボルおよび隣接サブキャリアからの干渉成分の影響を受けずに位相誤差を正確に推定可能なパイロット信号の処理方法が必要になる。

0012

本発明は、FBMC/OQAMを適用した無線通信システムにおいて、パイロット信号を用いて位相誤差推定を行うときに、隣接シンボルおよび隣接サブキャリアからの干渉成分の影響を受けずに位相誤差を正確に推定可能な無線通信システム、無線送信装置および無線受信装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明は、FBMC/OQAM伝送方式により、無線送信装置と無線受信装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、無線送信装置は、周波数領域において既知の信号からなるパイロットサブキャリアとデータ信号からなるデータサブキャリアとの間に、ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入し、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去し、無線受信装置に受信したパイロット信号に含まれる干渉成分が時間領域において隣接するシンボルによるもののみとする制御手段を備え、無線受信装置は、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成し、生成した参照信号と受信したパイロット信号とを比較し、隣接するシンボルからの干渉を考慮した位相誤差を推定する位相誤差推定手段を備える。

0014

本発明の無線通信システムの無線送信装置は、生成されたデータ信号に符号化処理および変調処理を行う変調信号生成部と、既知の信号からパイロット信号を生成するパイロット生成部と、ヌル信号を生成するヌル生成部と、データ信号からなるデータサブキャリアにパイロット信号からなるパイロットサブキャリアを挿入し、さらにパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとの間に、ヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入するパイロット・ヌル挿入部と、ヌル挿入部の出力信号にOQAM変調処理を施すOQAM変調部と、OQAM変調部の出力信号を逆フーリエ変換するIFFT部と、IFFT部の出力信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部とを備え、ヌルサブキャリアを挿入することにより、周波数領域において隣接するデータサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去する。

0015

本発明の無線通信システムの無線受信装置は、受信信号にフィルタ処理を施すフィルタ処理部と、フィルタ処理部の出力信号をフーリエ変換するFFT部と、FFT部の出力信号をパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとヌルサブキャリアに分離し、パイロット信号とデータ信号を出力するパイロット分離部と、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成する参照信号生成部と、参照信号とパイロット分離部で分離されたパイロット信号とを比較し、受信信号のパイロット信号に含まれる隣接するシンボルからの干渉を考慮して位相誤差の推定を行う位相誤差推定部と、位相誤差推定部から出力される推定位相誤差を用いてパイロット分離部で分離されたデータ信号の位相誤差を補償する位相誤差補償部と、位相誤差補償部の出力信号にOQAM復調処理を施すOQAM復調部と、OQAM復調部の出力信号に復調処理および復号処理を行う変調信号復元部とを備える。

0016

本発明の無線通信システムの無線受信装置において、参照信号生成部は、パイロットサブキャリアが挿入されるサブキャリアに既知の信号を挿入し、それ以外のサブキャリアにヌルサブキャリアを挿入した信号列を生成し、この信号列にOQAM変調、逆フーリエ変換、送信側フィルタ処理、受信側フィルタ処理、フーリエ変換を施し、既知の隣接するシンボルによる干渉成分を推定して参照信号を生成する構成である。

発明の効果

0017

本発明のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムは、パイロット信号に含まれる干渉成分を既知信号によるもののみに限定することにより、受信側においてパイロット信号を用いて正確に位相誤差の推定を行うことができ、従来手法を適用した場合と比較して大幅に位相誤差の推定精度を高め、位相誤差の補償効果が向上する。これにより、誤り率特性の劣化を軽減し、システムスループットを改善することができる。

図面の簡単な説明

0018

FBMC/OQAMの概念を示す図である。
従来のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムの構成を示す図である。
本発明のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムの実施例構成を示す図である。
本発明の効果を説明するシミュレーション結果を示す図である。

実施例

0019

本発明の無線通信システムの無線送信装置の特徴は、周波数領域においてパイロットサブキャリアとデータサブキャリアの間にヌルサブキャリアを挿入するところにある。これにより、データサブキャリアからパイロットサブキャリアへの干渉を除去することができ、無線受信装置で検出されるパイロット信号に含まれる干渉成分は隣接するシンボルによるもののみに限定される。ここで、パイロットサブキャリアにおいて時間領域で隣接するシンボルの信号は既知であるため、無線受信装置ではパイロット信号に残留している干渉成分を容易に推定できる。

0020

本発明の無線通信システムの無線受信装置の特徴は、既知の信号を用いて隣接するシンボルによる干渉成分を含むパイロット信号を参照信号として生成し、この参照信号と受信したパイロット信号とを比較し、隣接するシンボルからの干渉を考慮して位相誤差を推定するところにある。

0021

以下、無線通信システムの実施例構成について説明する。
図3は、本発明のFBMC/OQAMを適用した無線通信システムの実施例構成を示す。
図3(1) は無線送信装置の構成を示し、変調信号生成部11、パイロット生成部12、パイロット挿入部13、ヌル生成部14、ヌル挿入部15、OQAM変調部16、IFFT部17、フィルタ処理部18により構成される。なお、パイロット挿入部13とヌル挿入部15が一体の構成であってもよい。

0022

変調信号生成部11は、入力するデータ信号の符号化処理および変調処理を行う。ここでの符号化処理は、畳み込み符号ターボ符号など、任意の符号化手法を用いて任意の符号化率にて符号化してよい。また、変調処理は一般にQAM変調が用いられ、任意の多値数で変調してよい。パイロット生成部12は、既知信号に任意の位相回転を与えた後にBPSK変調を行い、パイロット信号を生成する。変調信号生成部11から出力される変調信号とパイロット生成部12から出力されるパイロット信号は、パイロット挿入部13に入力する。

0023

パイロット挿入部13は、周波数領域において送受信装置間で共有されている変調信号の所定の1か所以上のサブキャリアに、パイロット信号からなるパイロットサブキャリアを挿入する。パイロット挿入部13の出力は、ヌル挿入部15に入力される。一方、ヌル生成部14ではヌル信号を生成して出力する。ここで、ヌル信号とはIQ平面上の原点に位置する信号である。ヌル挿入部15は、周波数領域においてパイロット挿入部13から出力されるパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとの間に、ヌル生成部14から出力されたヌル信号からなるヌルサブキャリアを挿入する。ヌル挿入部15の出力はOQAM変調部16に入力される。

0024

OQAM変調部16は、入力されたパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとヌルサブキャリアの複素数信号をそれぞれ実部と虚部に分離し、時間領域において1/2シンボルずらして交互に配置する。また、実部を1/2シンボル先に配置する変調と、虚部を1/2シンボル先に配置する変調をサブキャリアごとに交互に適用することで、周波数領域においても実部と虚部を交互に配置する。OQAM変調部16でOQAM変調処理を施した信号は、IFFT部17に入力される。IFFT部17は、入力された信号を逆フーリエ変換してフィルタ処理部18に入力する。フィルタ処理部18は、周波数領域においてサブキャリアごとにフィルタ処理を施し、フィルタ処理後の信号を並列直列変換(複数の系列から成る並列な信号を直列な信号に変換)するのと等価な処理を行う。FBMC/OQAMでは、フィルタ処理部18に合成フィルタバンクポリフェーズ構成が適用されている。また、フィルタは、ローパスフィルタと同様の周波数特性を持つプロトタイプフィルタである(PHYDYAS,“D5-1 : Prototype filter and structure optimization, ”January 2009. )。

0025

ここで、ヌル挿入部15の処理例を示す。全サブキャリア数をM、サブキャリアインデックスをk(0 ≦k≦M−1)として、k=n(1 ≦n≦M−2)にパイロットサブキャリアを挿入すると、k=n−1およびk=n+1にヌルサブキャリアを挿入する。また、パイロットサブキャリアをデータサブキャリアの端(k=0,k=M−1)に挿入する場合には、k=1,k=M−2のみにヌルサブキャリアを挿入する。パイロット信号を挿入するサブキャリアを送受信装置間で共有しておくことにより、無線受信装置では、n番目のサブキャリアをパイロットサブキャリア、n−1およびn+1番目のサブキャリアをヌルサブキャリア、それ以外のサブキャリアをデータサブキャリアとすることで、パイロットサブキャリアとデータサブキャリアとヌルサブキャリアを正確に分離し、パイロットサブキャリアとデータサブキャリアを取り出すことができる。パイロットサブキャリアを複数m本挿入する場合も同様に、送信側にてk=n1 ,n2 ,…,nm にパイロットサブキャリア、k=n1 ±1,n2 ±1,…,nm ±1にヌルサブキャリアを挿入し、無線受信装置ではパイロットサブキャリアとヌルサブキャリアとデータサブキャリアを分離し、パイロットサブキャリアの信号を用いてシンボルごとに位相誤差推定を行う。

0026

また、パイロットサブキャリアを2以上の連続したサブキャリアに挿入する場合には、ヌルサブキャリアは連続したパイロットサブキャリアの両端とデータサブキャリアとの間に位置する2つのサブキャリアのみに挿入する。隣接するパイロットサブキャリアの信号は互いに干渉するが、それぞれのパイロットサブキャリアの信号は既知信号であるため、干渉成分は無線受信装置で容易に推定できる。

0027

図3(2) は無線受信装置の構成を示し、フィルタ処理部21、FFT部22、パイロット分離部23、参照信号生成部24、位相誤差推定部25、位相誤差補償部26、OQAM復調部27、変調信号復元部28により構成される。

0028

フィルタ処理部21は、入力する受信信号を直列/並列変換(直列な信号を複数の系列から成る並列な信号に変換)した後に、サブキャリアごとにフィルタ処理を施すのと等価な処理を行う。フィルタ処理部21は、無線送信装置のフィルタ処理部18と対になる分析フィルタバンクのポリフェーズ構成が適用されている。また、用いられるフィルタも無線送信装置で適用されるプロトタイプフィルタと対になるものである。

0029

フィルタ処理部21の出力信号は、FFT部22でフーリエ変換されてパイロット分離部23に入力する。パイロット分離部23は、送受信装置間で共有されているパイロットサブキャリアの挿入箇所の情報を元に、FFT部22の出力信号をパイロットサブキャリアとデータサブキャリアとヌルサブキャリアに分離し、パイロット信号は位相誤差推定部25に入力し、データ信号は位相誤差補償部26に入力する。

0030

一方、参照信号生成部24は、既知信号とパイロットサブキャリアの挿入箇所の情報を用いて、パイロットサブキャリアが挿入されるサブキャリアに既知信号を挿入し、それ以外のサブキャリアにヌルサブキャリアを挿入した信号列を生成し、この信号列にOQAM変調、逆フーリエ変換、送信側フィルタ処理、受信側フィルタ処理、フーリエ変換を施すことで、挿入したパイロットサブキャリアが隣接するシンボルから受ける干渉成分を考慮したパイロット信号を参照信号として生成し、出力する。位相誤差推定部25は、パイロット分離部23から出力されたパイロット信号と参照信号生成部24から出力された参照信号が入力され、これらの信号を比較することで、それぞれのパイロット信号が受けた位相誤差を推定し、推定位相誤差として出力する。同一シンボル内にパイロット信号が複数挿入されている場合は、同一シンボル内の各パイロット信号が受けた位相誤差の平均を求め、これを推定位相誤差として出力する。

0031

位相誤差補償部26は、パイロット分離部23で分離されたデータ信号と位相誤差推定部25から出力された推定位相誤差を入力し、シンボルごとにデータ信号の位相誤差を補償してOQAM復調部27に入力する。OQAM復調部27は、入力されたデータ信号をサブキャリアごとにOQAM復調する。この時、パイロットサブキャリアの挿入箇所の情報を元に、送信側のOQAM変調部16で行われた変調処理に対応するOQAM復調処理を各サブキャリアに行う。OQAM復調部27の出力信号は変調信号復元部28に入力される。変調信号復元部28では、送信側の変調信号生成部11で行われた符号化・変調に対応する復号・復調処理を行い、データ信号を復元する。

0032

以上説明した無線送信装置および無線受信装置で構成される本発明の無線通信システムは、無線を用いた固定通信システムおよび移動通信システムに適用可能である。

0033

また、本発明におけるパイロット信号の処理方法は、複数のアンテナを用いて無線通信を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)伝送における位相誤差推定にも適用することができる。

0034

また、本発明におけるパイロット信号の処理方法による効果は、使用周波数によらないため、高周波数帯をはじめとした無線通信システムに用いられるいかなる周波数帯においても適用が可能である。また、本発明の無線送受信装置間におけるパイロット信号の処理は、占有帯域幅によらず位相誤差推定に用いることができる。

0035

また、本発明におけるパイロット信号の処理方法は、OQAMを適用しないFBMC/QAMや、OFDM等のマルチキャリア伝送にも適用が可能である。この場合、パイロット生成部12においてパイロット信号を生成する際、既知信号に任意の位相回転を与えなくてもよい。また、FBMC/QAMシステムに適用する場合は、図3に示す無線送信装置のOQAM変調部16および無線受信装置のOQAM復調部27は不要となり、パイロットサブキャリア、ヌルサブキャリアをOQAM処理せずに用いる。また、フィルタ処理部18およびフィルタ処理部21では、FBMC/OAMの信号形成に適したフィルタを用いる。また、OFDMシステムに適用する場合は、無線送信装置のOQAM変調部16およびフィルタ処理部18、無線受信装置のOQAM復調部27およびフィルタ処理部21は不要となり、パイロットサブキャリア、ヌルサブキャリアはOQAM処理およびフィルタ処理をせずに用いる。

0036

また、周波数選択性フェージングによりパイロットサブキャリアが挿入されている周波数の伝送特性が劣化する場合、パイロットサブキャリアを挿入するサブキャリアを変更してもよい。その場合、パイロットサブキャリアの挿入位置を変更する直前のシンボルを使って、無線受信装置に新たにパイロット信号を挿入するサブキャリアを通知する。このとき、サブキャリア挿入位置通知用のシンボルにおいて、無線送信装置のヌル挿入部15において、新たにパイロット信号を挿入するサブキャリアにはヌル信号を挿入する。ヌル信号を挿入することによって次のシンボルにおいて通知用シンボルのデータ信号が干渉しないため、無線受信装置においてパイロット信号を正確に復元することができる。無線受信装置では、パイロットサブキャリアの挿入位置変更の通知を受け取った後、参照信号生成部24において新たなパイロットサブキャリア配置における参照信号を生成する。

0037

また、本発明におけるパイロット信号の処理方法により、受信側においてパイロット信号を用いて正確に位相誤差を推定できたが、同様にチャネル推定に用いることも可能である。

0038

図4は、本発明の効果を説明するシミュレーション結果を示す。
シミュレーション諸元は、符号化および復号に符号化率3/4の畳み込み符号およびビタビ復号を用い、変復調方式に64QAMを用い、サブキャリア間隔は 312.5kHz、位相誤差レベルは1MHzオフセットで−90dBc/Hz、伝搬環境加法性白色ガウス雑音AWGN:Additive White Gaussian Noise )とし、伝送サブキャリア数60に対して、従来手法はデータサブキャリア数56、パイロットサブキャリア数4、本発明手法はデータサブキャリア数48、パイロットサブキャリア数4、ヌルサブキャリア数8とする。

0039

Eb/No=20 dB において、従来手法はBER=0.41、発明手法は BER= 2.8×10-4となる。この結果から1500 byte のデータパケットの送信時間が 224μs、制御信号が1パケットあたり 146μsと仮定してスループット概算すると、従来手法が 4.8×10-12Mbps、発明手法が 32 Mbps となり、FBMC/OQAMを適用した無線通信システムにおいて発明手法を用いた結果、位相誤差の推定精度を高め、位相誤差の補償効果が向上することで誤り率特性の劣化を軽減し、システムスループットが改善されることがわかる。また、この傾向はパケット長が長いほど顕著になる。

0040

11変調信号生成部
12パイロット生成部
13 パイロット挿入部
14ヌル生成部
15 ヌル挿入部
16 OQAM変調部
17IFFT部
18フィルタ処理部
21 フィルタ処理部
22FFT部
23 パイロット分離部
24参照信号生成部
25位相誤差推定部
26位相誤差補償部
27 OQAM復調部
28 変調信号復元部

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