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技術 ガス配管システム、化学気相成長装置、成膜方法及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法

出願人 昭和電工株式会社
発明者 石橋直人深田啓介歌代智也坂東章
出願日 2016年7月7日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-135282
公開日 2018年1月11日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-006682
状態 特許登録済
技術分野 気相成長(金属層を除く) CVD 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード ガス配管システム ブロックバルブ ランライン 各供給ガス 配管内径 ガス種毎 SiC半導体デバイス 切り替えバルブ
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図面 (5)

課題

配管閉塞が抑制されたガス配管システムを提供する。

解決手段

このガス配管システムは、内部で気相成長を行う反応炉に複数のガスを供給するランベント方式のガス配管システムであって、前記複数のガスをそれぞれ送通する複数の供給ラインと、前記反応炉の排気口から排気ポンプへ繋がる排気ラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記反応炉に前記複数のガスを供給するランラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記排気ラインに接続される複数のベントラインと、前記複数の供給ラインの分岐点にそれぞれ設けられ、ランライン側にガスを流すかベントライン側にガスを流すかを切り替える複数のバルブと、を備え、前記複数のベントラインは前記排気ラインに至るまで分離され、前記排気ラインの内径は前記複数のベントラインのそれぞれの内径より大きい。

概要

背景

炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて優れた特性を有し、パワーデバイス高周波デバイス高温動作デバイス等への応用が期待されている。例えば、SiCの絶縁破壊電界はSiより1桁大きく、SiCのバンドギャップはSiより3倍大きく、SiCの熱伝導率はSiより3倍程度高い。このため、近年、半導体デバイス基板としてSiCエピタキシャルウェハに注目が集まっている。

SiCエピタキシャルウェハは、SiC単結晶基板上に化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によってSiC半導体デバイス活性領域となるSiCエピタキシャル層成長させて製造される。

SiCエピタキシャル層を成長させる際に、化学気相成長装置反応炉内には原料ガスドーパントガスエッチングガスキャリアガス等が供給される。例えば、特許文献1には、ドーパントガスとしてアンモニアを用いることが記載されている。また特許文献2には、エッチングガスとして塩化水素、原料ガスとして塩化シランを用いることが記載されている。

また半導体デバイスの性能を高めるために、成膜されるエピタキシャル層結晶性が高い高品質エピタキシャルウェハが求められている。高品質なエピタキシャル層を安定的に作製する手段の一つとして、例えば特許文献3に記載のランベント方式のガス配管システムが知られている。ランベント方式のガス配管システムは、反応炉に導入されるガス流速や圧力の変動を抑制し、結晶成長面におけるガスの乱れを抑制できる。

概要

配管閉塞が抑制されたガス配管システムを提供する。このガス配管システムは、内部で気相成長を行う反応炉に複数のガスを供給するランベント方式のガス配管システムであって、前記複数のガスをそれぞれ送通する複数の供給ラインと、前記反応炉の排気口から排気ポンプへ繋がる排気ラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記反応炉に前記複数のガスを供給するランラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記排気ラインに接続される複数のベントラインと、前記複数の供給ラインの分岐点にそれぞれ設けられ、ランライン側にガスを流すかベントライン側にガスを流すかを切り替える複数のバルブと、を備え、前記複数のベントラインは前記排気ラインに至るまで分離され、前記排気ラインの内径は前記複数のベントラインのそれぞれの内径より大きい。

目的

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、配管の閉塞が抑制されたガス配管システムを提供する

効果

実績

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請求項1

内部で気相成長を行う反応炉に複数のガスを供給するランベント方式のガス配管システムであって、前記複数のガスをそれぞれ送通する複数の供給ラインと、前記反応炉の排気口から排気ポンプへ繋がる排気ラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記反応炉に前記複数のガスを供給するランラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記排気ラインに接続される複数のベントラインと、前記複数の供給ラインの分岐点にそれぞれ設けられ、ランライン側にガスを流すかベントライン側にガスを流すかを切り替える複数のバルブと、を備え、前記複数のベントラインは前記排気ラインに至るまで分離され、前記排気ラインの内径は前記複数のベントラインのそれぞれの内径より大きい、ガス配管システム。

請求項2

前記ランラインにおいて、前記分岐点から繋がるそれぞれの配管は、前記反応炉に至るまでに合流する請求項1に記載のガス配管システム。

請求項3

前記複数のベントラインの内、少なくとも一つのベントラインは前記排気ラインに接続され、残りのベントラインは独立に設けられた別の排気ポンプにそれぞれ接続されている請求項1又は2のいずれかに記載のガス配管システム。

請求項4

前記複数のベントラインのそれぞれとの接続点における前記排気ラインの配管内径が3cm以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス配管システム。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス配管システムと、前記ガス配管システムに接続された反応炉と、を備える化学気相成長装置

請求項6

請求項5に記載の化学気相成長装置を用いた成膜方法であって、常温で互いに反応して固体化合物を生成する堆積原因ガスを、それぞれ分離された異なるベントラインに送通する成膜方法。

請求項7

前記複数のベントラインが合流する前記排気ラインにおいて、前記堆積原因ガスのそれぞれのガス濃度が前記排気ラインを送通するガス全体の5%以下である請求項6に記載の成膜方法。

請求項8

請求項6または7のいずれかに記載の成膜方法を用いたSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、前記堆積原因ガスが、分子内にN原子を含み、かつN原子同士の2重結合、3重結合のいずれも有さない分子で構成される塩基性のN系ガスと、分子内にCl原子を含む分子で構成されるCl系ガスであるSiCエピタキシャルウェハの製造方法。

技術分野

背景技術

0002

炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて優れた特性を有し、パワーデバイス高周波デバイス高温動作デバイス等への応用が期待されている。例えば、SiCの絶縁破壊電界はSiより1桁大きく、SiCのバンドギャップはSiより3倍大きく、SiCの熱伝導率はSiより3倍程度高い。このため、近年、半導体デバイス基板としてSiCエピタキシャルウェハに注目が集まっている。

0003

SiCエピタキシャルウェハは、SiC単結晶基板上に化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)によってSiC半導体デバイス活性領域となるSiCエピタキシャル層成長させて製造される。

0004

SiCエピタキシャル層を成長させる際に、化学気相成長装置の反応炉内には原料ガスドーパントガスエッチングガスキャリアガス等が供給される。例えば、特許文献1には、ドーパントガスとしてアンモニアを用いることが記載されている。また特許文献2には、エッチングガスとして塩化水素、原料ガスとして塩化シランを用いることが記載されている。

0005

また半導体デバイスの性能を高めるために、成膜されるエピタキシャル層結晶性が高い高品質エピタキシャルウェハが求められている。高品質なエピタキシャル層を安定的に作製する手段の一つとして、例えば特許文献3に記載のランベント方式のガス配管システムが知られている。ランベント方式のガス配管システムは、反応炉に導入されるガス流速や圧力の変動を抑制し、結晶成長面におけるガスの乱れを抑制できる。

先行技術

0006

特開2006−261612号公報
特開2006−321696号公報
特開平4−260696号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上述のランベント方式の化学気相装置を用いても時間経過と共に、得られるエピタキシャル層の再現性が悪くなったり、結晶性が低下して高品質の膜が安定的に得られなくなるという問題があった。

0008

この問題は、反応炉内には種々のガスが供給されるために生じていると考えられる。反応炉内に供給するガスの中には、組合せによって常温で互いに反応し固体生成物を生成するガス(以下、堆積原因ガスという)が含まれている場合がある。

0009

例えば、SiCエピタキシャル成長時において、塩化水素又は塩化シランとアンモニアを同時に用いると、塩化アンモニウムが形成され堆積物が生成される。このような堆積物は、ガスの配管閉塞する可能性がある。

0010

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、配管の閉塞が抑制されたガス配管システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

反応炉にガスを送るランラインは、反応炉に供給されるガスが流れる配管であるため、結晶成長に直接的な影響を及ぼす可能性が高く、閉塞等が生じないように配慮がされていた。しかしながら、排気側に接続されるベントラインは、反応炉にガスを供給する配管ではなく、直接的な影響を与える可能性が低く、注目されていなかった。

0012

このような技術常識の中で、本発明者らは、鋭意検討の結果、排気側のベントラインに注目した。そして、ベントラインを分離して配設することで、ベントラインの閉塞を抑制できることを見出した。その結果、ランラインとベントラインのガス流速及びガス圧力に差が生じることを抑制できると共に、結晶成長時条件設定の自由度を高めることができることを見出した。
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。

0013

(1)第1の態様にかかるガス配管システムは、内部で気相成長を行う反応炉に複数のガスを供給するランベント方式のガス配管システムであって、前記複数のガスをそれぞれ送通する複数の供給ラインと、前記反応炉の排気口から排気ポンプへ繋がる排気ラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記反応炉に前記複数のガスを供給するランラインと、前記複数の供給ラインからそれぞれ分岐し、前記排気ラインに接続される複数のベントラインと、前記複数の供給ラインの分岐点にそれぞれ設けられ、ランライン側にガスを流すかベントライン側にガスを流すかを切り替える複数のバルブと、を備え、前記複数のベントラインは、前記排気ラインに至るまで分離され、前記排気ラインの内径は前記複数のベントラインのそれぞれの内径より大きい。

0014

(2)上記態様にかかるガス配管システムの前記ランラインにおいて、前記分岐点から繋がるそれぞれの配管は、前記反応炉に至るまでに合流する構成でもよい。

0015

(3)上記態様にかかるガス配管システムは、前記複数のベントラインの内、少なくとも一つのベントラインは前記排気ラインに接続され、残りのベントラインは独立に設けられた別の排気ポンプにそれぞれ接続される構成でもよい。

0016

(4)上記態様にかかるガス配管システムにおいて、前記複数のベントラインのそれぞれとの接続点における前記排気ラインの配管内径が3cm以上であってもよい。

0017

(5)第1の態様にかかる化学気相成長装置は、上記態様にかかるガス配管システムと、前記ガス配管システムに接続された反応炉と、を備える。

0018

(6)第1の態様にかかる成膜方法は、上記態様にかかる化学気相成長装置を用いた成膜方法であって、常温で互いに反応して固体の化合物を生成する堆積原因ガスを、それぞれ分離された異なるベントラインに送通する。

0019

(7)上記態様にかかる成膜方法において、前記複数のベントラインが合流する前記排気ラインにおいて、前記堆積原因ガスのそれぞれのガス濃度が前記排気ラインを送通するガス全体の5%以下であってもよい。

0020

(8)第1の態様にかかるSiCエピタキシャルウェハの製造方法は、上記態様にかかる成膜方法を用いたSiCエピタキシャルウェハの製造方法であって、前記堆積原因ガスが、分子内にN原子を含み、かつN原子同士の2重結合、3重結合のいずれも有さない分子で構成される塩基性のN系ガスと、分子内にCl原子を含む分子で構成されるCl系ガスである。

発明の効果

0021

上記態様にかかるガス配管システムによれば、配管の閉塞を抑制できる。その結果、化学気相成長装置のランラインとベントラインのガス流速及びガス圧力に差が生じることを抑制できると共に、結晶成長時の条件設定の自由度を高めることができる。

図面の簡単な説明

0022

第1実施形態にかかる化学気相成長装置の模式図である。
ベントラインが排気ラインに至るまでに合流する化学気相成長装置の模式図である。
第2実施形態にかかる化学気相成長装置の模式図である。
第3実施形態にかかる化学気相成長装置の模式図である。

実施例

0023

以下、ガス配管システムおよび化学気相成長装置について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。

0024

(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかる化学気相成長装置の模式図である。図1に示す化学気相成長装置100は、ガス配管システム10と、反応炉20と、排気ポンプ30とを備える。反応炉20には、ガス配管システム10から複数のガスが供給される。反応炉20及び排気ポンプ30は、公知のものを用いることができる。

0025

ガス配管システム10は、供給ライン1と、排気ライン2と、ランライン3と、ベントライン4と、バルブ5と、を備えるランベント方式のガス配管システムである。

0026

供給ライン1は、反応炉20に供給するガス毎に複数設けられている。それぞれの供給ライン1の一端は、ガスボンベ等のガス供給手段(図視略)に接続される。

0027

それぞれの供給ライン1は、ランライン3とベントライン4に分岐する。分岐部には、ガスの流れを制御するバルブ5がそれぞれ設けられる。

0028

ランベント方式では、バルブ5はラン側1つとベント側1つのペアからなるバルブの組となっている。ペアのバルブは同形の物を用い、供給ラインの分岐点になるべく近い位置に、対称に配置される。このようなバルブのペアは、供給するガスの種類により複数、近接する位置に設置される。近接する位置に配置することにより、エピタキシャル成長のプロセスでガスを切り替える際、各供給ガスの切り替えの遅れを極力少なくすることができる。このような複数のペアバルブをブロック状にまとめたブロックバルブを用いることもある。

0029

ペアとなるバルブ5は、ガスを流通する場合、一方が開となるとき他方が閉となる様に使用され、同時に開になることはない。たとえば、初めにベント側を開にしておいて流量を安定させておいてから、ラン側の開とベント側の閉を同時に行うことにより、流量制御が変動してガス流量が乱れることを防止することができる。

0030

ランライン3は、バルブ5と反応炉20とを繋ぐ図1に示すランライン3は、それぞれの供給ライン1から分岐した配管が、バルブ5と反応炉20を繋ぐ過程で合流している。すなわち、ランライン3は、一つのマニホールドとして構成されている。ランライン3を一つのマニホールドとして構成することにより、バルブ5のラン側の位置を近接させることができる。バルブ5のラン側の位置が近接することで、上述の様にエピタキシャル成長のプロセスでガスを切り替える際、各供給ガスの切り替えの遅れを極力少なくすることができる。

0031

ベントライン4は、バルブ5と排気ライン2とを繋ぐ。排気ライン2は、反応炉20の排気口と排気ポンプ30を繋ぐ配管である。供給ライン1から分岐したそれぞれのベントライン4は、排気ライン2に至るまで分離されている。そのため、排気ライン2に至るまで、ベントライン4内を流れるガス同士が混合されることはない。

0032

供給ライン1、排気ライン2、ランライン3及びベントライン4に用いられる配管及びバルブ5に用いられる切り替えバルブは、公知のものを用いることができる。

0033

以下、反応炉20内でSiCエピタキシャルウェハを製造する場合を例に、化学気相成長装置100内のガスの流れについて説明する。

0034

まず、SiCエピタキシャルウェハを結晶成長に用いられるガスについて説明する。SiCエピタキシャルウェハを結晶成長には、原料ガス、ドーパントガス、エッチングガス、キャリアガス等の複数のガスが用いられる。

0035

ここで、SiCエピタキシャルウェハの結晶成長に用いられる複数のガスを、「Si系ガス」、「C系ガス」、「Cl系ガス」、「N系ガス」、「その他の不純物ドーピングガス」「その他のガス」の6つに区分する。

0036

「Si系ガス」は、ガスを構成する分子の構成元素としてSiが含まれるガスである。例えばシラン(SiH4)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、テトラクロロシラン(SiCl4)等が該当する。Si系ガスは、原料ガスの一つとして用いられる。

0037

「C系ガス」は、ガスを構成する分子の構成元素としてCが含まれるガスである。例えば、プロパン(C3H8)等が該当する。C系ガスは、原料ガスの一つとして用いられる。

0038

「Cl系ガス」は、ガスを構成する分子の構成元素としてClが含まれるガスである。例えば、塩化水素(HCl)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、テトラクロロシラン(SiCl4)等が該当する。ここで、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、トリクロロシラン(SiHCl3)、テトラクロロシラン(SiCl4)は、上記のSi系ガスでもある。これらのガスのように、「Cl系ガス」であり、「Si系ガス」であるという場合もある。Cl系ガスは、原料ガス又はエッチングガスとして用いられる。

0039

「N系ガス」は、ガスを構成する分子の構成元素としてNが含まれるガスであり、かつN原子同士の2重結合、3重結合のいずれも有さない分子で構成される塩基性のガスである。例えば、メチルアミン(CH5N)、ジメチルアミン(C2H7N)、トリメチルアミン(C3H9N)、アニリン(C6H7N)、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N2H4)、ジメチルヒドラジン(C2H8N2)、その他アミンからなる群のいずれか一つ等が該当する。すなわち、N2は、ガスを構成する分子の構成元素としてNが含まれるがN系ガスには該当しない。N系ガスは、不純物ドーピングガスの一つとして用いられる。

0040

「その他の不純物ドーピングガス(図視略)」は、N系ガス、Cl系ガス以外の不純物ドーピングガスである。例えば、N2、トリメチルアルミニウム(TMA)等が該当する。

0041

「その他のガス」は、上記の5つの区分のガスに該当しないガスである。例えば、Ar、He、H2等が該当する。これらのガスは、SiCエピタキシャルウェハの製造のサポートをするガスである。「その他のガス」は、例えば原料ガスがSiCウェハまで効率的に供給するためにガスの流れをサポートするキャリアガスとして用いられる。

0042

これらのガスの内、塩基性のN系ガスと酸性のCl系ガスは、混合すると化学反応が生じ、固体生成物が生成される。例えば、N系ガスとしてアンモニア、Cl系ガスとして塩化水素を混合すると、塩化アンモニウム(NH4Cl)が形成される。他にも、N系ガスとしてメチルアミン(CH5N)、Cl系ガスとして塩化水素を混合すると、モノメチルアミン塩酸塩(CH5N・HCl)が形成される。さらに、N系ガスとしてアンモニア、Cl系ガスとしてジクロロシランを混合させると、塩化アンモニウムが形成されるという報告もある。塩化アンモニウムの昇華温度は338℃であり、モノメチルアミン塩酸塩の融点は220〜230℃、沸点は225〜230℃である。すなわち、60℃以下の常温においては、これらの固体生成物は生成される。

0043

化学気相成長装置100では、これらのガスをそれぞれ別々にガス供給手段(図視略)から供給ライン1へ供給する。供給ライン1には、ガスボンベやガスタンクから供給される純度の高いガスが供給される。そのため、供給ライン1は、通常、SiCエピタキシャルウェハの製造に用いるガス種毎に配設される。混合した際に固体生成物を生成しないガス種同士であれば、一つの供給ライン1に複数のガスを供給してもよい。

0044

供給ライン1に供給されたガスは、それぞれバルブ5に至る。バルブ5は、ランライン3側にガスを流すかベントライン4側にガスを流すかを切り替える。反応炉20に供給する必要がある場合はランライン3側にガスを流し、不要な場合はベントライン4側にガスを流す。

0045

ランライン3に流れたガスは、反応炉20内で反応し、排気ライン2を介して排気ポンプ30から排出される。またベントライン4に流れたガスは、そのまま排気ライン2に流れ、排気ポンプ30から排出される。供給ライン1を流れるガスの流量を一定にしたままで、バルブ5の切り替えによって反応炉にガスを供給することにより、反応炉に流れ始めた初期から供給ライン1からの供給ガス量が安定し、ガスの切り替えに伴う流量変動が抑えられる。そのため、ガス流量及びガス圧力が変動して、不安定的な結晶成長が行われることが防止される。

0046

ここで、SiCエピタキシャルウェハの製造過程のあるタイミングにおいて、反応炉20内にN系ガス及びCl系ガスのいずれも供給しない場合について具体的に説明する。

0047

反応炉20内にN系ガス及びCl系ガスのいずれも供給しない場合、供給ライン1から供給されたN系ガス(符号G1)及びCl系ガス(符号G2)は、いずれもバルブ5によって制御され、ベントライン4側に流れる。

0048

図1に示すガス配管システム10では、ベントライン4がガス毎に分離されている。そのため、N系ガスとCl系ガスは排気ライン2に至るまで混合されることはない。N系ガスとCl系ガスが混合しなければ、ベントライン4内で固体生成物が生じることもなく、ベントライン4が閉塞することはない。

0049

これに対し、図2に示す化学気相成長装置101のガス配管システム11は、ベントライン14が排気ライン2に至るまでに合流している。そのため、ベントライン14内で、N系ガスとClガスが混合し、固体生成物が生成される。その結果、ベントライン14が閉塞する。ガス供給部はリアクター上流に配置され、リアクターまでの距離は一般に短いが、ベントラインはリアクターの下流側まで導かれて配管されるためラン側ラインよりも長くなってしまう場合があり閉塞しやすい。また、ベントライン14には、一般に内径が1/4インチ(9.2mm)又は3/8インチ(12.7mm)の狭い配管が用いられることが多く、閉塞しやすい。

0050

ベントライン14が閉塞すると、ベントライン14のコンダクタンスが低下し、ランライン3とベントライン14とで、ガスの流れやすさが変わる。すなわち、ガス流速や圧力変動を抑える目的のランベント方式が機能しなくなる。また場合によっては、完全にベントライン14が詰まり、ガスが流れなくなることも考えられる。

0051

一方、本実施形態にかかるガス配管システム10においても、N系ガスとCl系ガスは、排気ライン2において合流している。そのため、排気ライン2が閉塞するおそれがある。しかしながら、排気ライン2は、反応炉20内のガスを排出する必要があり、ベントライン4よりも太い配管が用いられる。また排気ライン2は、排気ポンプ30によって直接排気されるため、ベントライン4よりもガス流速が早い。そのため、排気ライン2を閉塞するほど固体生成物が堆積し、排気ライン2のコンダクタンスが影響を及ぼすほど大きく変化することは、通常の使用において想定されない。

0052

また排気ライン2内における固体生成物の堆積をより抑制するためには、排気ライン2のベントライン4との接続点における配管内径を3cm以上にすることが好ましい。配管内径の比率では、排気ライン2の配管内径は、ベントライン4の配管内径の5倍以上にすることが好ましい。また複数のベントライン4が合流する排気ライン2において、堆積原因ガスであるN系ガス及びCl系ガスのガス濃度を、排気ライン2を送通するガス全体の5%以下とすることが好ましい。

0053

上述のように、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100によれば、ベントライン4内で堆積原因ガスが混合することが無く、ベントライン4配管内で閉塞することはない。ベントライン4が閉塞しなければ、化学気相成長装置100全体としてのガス流速や圧力変動を抑えることができ、安定的に高品質の膜を製造することができる。また、ベントライン4に流すガス量等を自由に設定することができ、化学気相成長装置100を制御する設定の自由度を高めることができる。

0054

(第2実施形態)
図3は、第2実施形態にかかる化学気相成長装置110の模式図である。第2実施形態にかかる化学気相成長装置110におけるガス配管システム15は、ランライン13が反応炉20に至るまで分離されている点が異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100と同様であり、同一の構成には同一の符号を付している。

0055

ランライン13が互いに分離されていると、ランライン13において堆積原因ガス同士が混合することを防げる。すなわち、ランライン13内の閉塞を抑制できる。一方で、ランライン13を分離すると、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100より反応炉20に必要なガスを供給するタイミングがずれる場合がある。

0056

そのため、結晶成長させる対象、用いるガス種等に合わせて、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100と第2実施形態にかかる化学気相成長装置110を適宜使い分けることが好ましい。なお、通常、エピタキシャル成長において反応炉20側に流れるランラインを優先してガス流量のプログラムが決められる。そのため、ランラインは閉塞を抑制するためのガス切り替え等の制御も優先して設定することができ、ベントラインと比較して閉塞が生じないような制御を行いやすい。これに対し、実施形態にかかるガス配管システムのベントラインを適用すると、ベント側の閉塞を考慮せずにラン側の条件を設定できる。さらに、第2実施形態にかかるガス配管システムを適用することにより、ランラインの方の制約も少なくなり、エピタキシャル成長の条件をより自由に設定することが可能になる。

0057

(第3実施形態)
図4は、第3実施形態にかかる化学気相成長装置120の模式図である。第3実施形態にかかる化学気相成長装置120におけるガス配管システム16は、一部のベントライン24が排気ライン2に接続され、残りのベントライン24が独立に設けられた別の排気ポンプ31に接続されている点が異なる。その他の構成は、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100と同様であり、同一の構成には同一の符号を付している。

0058

第3実施形態にかかる化学気相成長装置120では、堆積原因ガスは排気ライン2でも合流しない。すなわち、堆積原因ガスをガス配管システム16に供給してから排出するまで完全に分離している。そのため、堆積原因ガスが混合することにより固体生成物が生成されることはない。

0059

一方で、排気ポンプを複数台準備する必要がある。排気ポンプを設置するスペース及びコストがかかるという問題がある。そのため、化学気相成長装置を設置する環境、準備可能な排気ポンプの台数等に合わせて、第1実施形態にかかる化学気相成長装置100と第3実施形態にかかる化学気相成長装置120を適宜使い分けることが好ましい。

0060

以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

0061

またここまで、SiCエピタキシャルウェハを製造する場合を例に説明したが、この場合に限られず、その他の膜を作製する場合においても上記実施形態にかかる化学気相成長装置を用いることができる。

0062

1…供給ライン、2…排気ライン、3…ランライン、4,14,24…ベントライン、5…バルブ、10,11,15,16…ガス配管システム、20…反応炉、30,31…排気ポンプ、100,101,110,120…化学気相成長装置

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