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技術 熱電発電装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 桑山和利鈴木聡北川新也
出願日 2016年7月4日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-132840
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-006609
状態 特許登録済
技術分野 排気消音装置 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 熱移動経路 高温通路 グラファイト片 高温側面 高温側熱源 グラファイト材 高温媒体 低温側熱源
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

効率的な発電を図る熱電発電装置を提供する。

解決手段

熱電発電装置1は、冷却水が流れる循環通路27と、排ガスが流れる分岐通路31と、低温側部10aと高温側部10bとの温度差によって発電する熱電発電部10と、循環通路27と低温側部10aとの間に介在する伝熱層81と、を備える。熱電発電装置1は、分岐通路31と高温側部10bとの間に介在して排ガスと高温側部10bとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす熱抵抗調整層7を備える。熱抵抗調整層7は、排ガスの流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、下流側調整層71の方が上流側調整層70よりも大きくなるように構成されている。

概要

背景

特許文献1の熱電発電装置は、熱電変換素子からなるモジュール高温側面と、高温媒体通路を備えた高温側部材との間に介在する熱応力緩和材を備えている。熱応力緩和材は電導性を有するグラファイトによって形成されている。熱応力緩和材は、一平面において多数並列した短冊状のグラファイト材を一体に形成したシート状の部材である。

概要

効率的な発電をる熱電発電装置を提供する。熱電発電装置1は、冷却水が流れる循環通路27と、排ガスが流れる分岐通路31と、低温側部10aと高温側部10bとの温度差によって発電する熱電発電部10と、循環通路27と低温側部10aとの間に介在する伝熱層81と、を備える。熱電発電装置1は、分岐通路31と高温側部10bとの間に介在して排ガスと高温側部10bとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす熱抵抗調整層7を備える。熱抵抗調整層7は、排ガスの流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、下流側調整層71の方が上流側調整層70よりも大きくなるように構成されている。

目的

このような課題に鑑み、この明細書における開示の目的は、効率的な発電を図る熱電発電装置を提供する

効果

実績

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請求項1

第1流体が流れる第1流体通路(27)と、前記第1流体よりも高温であり、エンジン(20)から排出される第2流体が流れる第2流体通路(31)と、熱電変換素子(100)を有し、一方側部(10a)と他方側部(10b)との温度差によって発電する熱電発電部(10)と、前記第1流体通路と前記一方側部との間に介在して、前記第1流体と前記一方側部との間の熱移動経路の少なくとも一部をなす低温側部材(61,81)と、前記第2流体通路と前記他方側部との間に介在して、前記第2流体と前記他方側部との間の熱移動経路の少なくとも一部をなす高温側部材(7;107;160;207;307)と、を備え、前記高温側部材は、前記第2流体の流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、上流に設けられる上流側部(70;170;1601;170;270)と前記上流側部よりも下流に設けられる下流側部(71;171;1602;271;370)とにおいて一方が他方よりも大きくなるように構成されている熱電発電装置

請求項2

前記高温側部材は、前記下流側部(71;271)の方が前記上流側部(70;270)よりも前記第2流体の流れ方向における前記熱抵抗が大きくなるように構成されている請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項3

前記高温側部材は、前記上流側部(170;1601)の方が前記下流側部(171;370;1602)よりも前記第2流体の流れ方向における前記熱抵抗が大きくなるように構成されている請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項4

前記高温側部材は、前記第2流体通路と前記他方側部との間に設けられて、グラファイトを含む材質で形成された熱抵抗調整層(7;107;207;307)であり、前記熱抵抗調整層において、前記上流側部および前記下流側部のうち前記熱抵抗が大きい方は、細長状のグラファイト片部(710)の複数個が前記第2流体の流れ方向に沿って配列されて構成されている請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項5

複数個の前記グラファイト片部は隣同士が互いに接合された状態で一体に形成されている請求項4に記載の熱電発電装置。

請求項6

前記熱抵抗調整層において、前記上流側部および前記下流側部のうち前記熱抵抗が小さい方は、それぞれ前記第2流体の流れ方向に細長状である複数個のグラファイト片部(700)が互いに接合された状態で一体に構成されている請求項4または請求項5に記載の熱電発電装置。

請求項7

前記高温側部材は、熱伝導性および電気絶縁性を有する材質で構成され前記他方側部に接触する絶縁層(160)であり、前記絶縁層において、前記上流側部および前記下流側部のうち前記熱抵抗が大きい方は、細長状の片部(1600)の複数個が前記第2流体の流れ方向に沿って配列されて構成されている請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項8

複数個の前記片部は隣同士が間隔をあけて設置されている請求項7に記載の熱電発電装置。

技術分野

0001

この明細書における開示は、ゼーベック効果により熱エネルギ電力エネルギに変換する熱電発電装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1の熱電発電装置は、熱電変換素子からなるモジュール高温側面と、高温媒体通路を備えた高温側部材との間に介在する熱応力緩和材を備えている。熱応力緩和材は電導性を有するグラファイトによって形成されている。熱応力緩和材は、一平面において多数並列した短冊状のグラファイト材を一体に形成したシート状の部材である。

先行技術

0003

特開2003−124532号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1によると、高温媒体と熱電変換素子の高温側面との間に介在する熱応力緩和材について、その表裏面に直交する方向に層間が存在しないため、この直交方向の熱伝導が良好になり、高温媒体と熱電変換素子の高温側面との熱抵抗を小さくできる。

0005

しかしながら、特許文献1の熱応力緩和材には、高温媒体の流れ方向に関する熱の伝わり方が考慮されていない。特許文献1の熱応力緩和材には、熱電変換素子の高温側面に熱を与える高温媒体の流れ方向全体について効率的な発電を実施するために改良の余地が十分ある。

0006

このような課題に鑑み、この明細書における開示の目的は、効率的な発電を図る熱電発電装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。

0008

開示された熱電発電装置のひとつは、第1流体が流れる第1流体通路(27)と、第1流体よりも高温であり、エンジン(20)から排出される第2流体が流れる第2流体通路(31)と、熱電変換素子(100)を有し、一方側部(10a)と他方側部(10b)との温度差によって発電する熱電発電部(10)と、第1流体通路と一方側部との間に介在して、第1流体と一方側部との間の熱移動経路の少なくとも一部をなす低温側部材(61,81)と、第2流体通路と他方側部との間に介在して、第2流体と他方側部との間の熱移動経路の少なくとも一部をなす高温側部材(7;107;160;207;307)と、を備え、
高温側部材は、第2流体の流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、上流に設けられる上流側部(70;170;1601;170;270)と上流側部よりも下流に設けられる下流側部(71;171;1602;271;370)とにおいて一方が他方よりも大きくなるように構成されている。

0009

この熱電発電装置によれば、高温側部材の上流側部が下流側部よりも第2流体の流れ方向の熱抵抗が小さくなるように構成した場合には、上流側部に対応する範囲の熱電変換素子では、下流に向けての温度低下度合いが小さいので高温の排熱回収可能になる。これによって、上流側部に対応する範囲の熱電変換素子において発電量の向上が図れる。さらに下流側部に対応する範囲の熱電変換素子では、下流に向けて温度低下度合いが大きいので低温の排熱が回収可能になり、下流側部に対応する範囲の熱電変換素子において低温排熱に対する発電量の向上が図れる。

0010

また、高温側部材の上流側部が下流側部よりも第2流体の流れ方向の熱抵抗が大きくなるように構成した場合には、上流側部において熱が下流に向けて流れにくいため、上流側部の上流に対応する熱電変換素子の温度が高くなりやすい。これにより、上流の熱電変換素子において発電量の向上が図れる。さらに下流側部に対応する範囲の熱電変換素子では、下流に向けての温度低下度合いが小さいので、流れ方向にわたって素子高低温度差を大きくすることが可能になる。これによって、下流側部に対応する範囲の熱電変換素子において発電量の向上が図れる。以上により、この熱電発電装置によれば、効率的な発電を提供できる。

図面の簡単な説明

0011

第1実施形態の熱電発電装置と冷却水および排ガスとの関係を示した概要図である。
第1実施形態の熱電発電装置に関する制御構成図である。
第1実施形態の熱電発電装置の構成を示した図である。
第1実施形態の熱抵抗調整層を示した斜視図である。
第1実施形態の熱電発電装置において、素子高温端、素子低温端、および排ガスのそれぞれについて排ガス流れ方向温度分布を示したグラフである。
第2実施形態の熱抵抗調整層を示した斜視図である。
第2実施形態の熱電発電装置において、素子高温端、素子低温端、および排ガスのそれぞれについて排ガス流れ方向の温度分布を示したグラフである。
第3実施形態の熱電発電装置の構成を示した図である。
第4実施形態の熱電発電装置の構成を示した図である。
第4実施形態の熱抵抗調整層を示した斜視図である。
第5実施形態の熱抵抗調整層を示した斜視図である。
第6実施形態の熱抵抗調整層を示した斜視図である。

実施例

0012

以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。

0013

(第1実施形態)
第1実施形態の熱電発電装置1について、図1図5を参照して説明する。熱電発電装置1は、エンジン20から排出される第2流体としての排ガスと排ガスよりも低温である第1流体との温度差を利用して、ゼーベック効果により熱エネルギを電力エネルギに変換する装置である。熱電発電装置1は、熱電変換素子を有する熱電発電部10において一方側部である低温側部10aと他方側部である高温側部10bとに温度差が与えられると、電位差が生じて電子が流れる現象を利用して発電する。第1流体には排ガスと温度差を与えることが可能な任意の流体を採用することができる。この実施形態では、任意に選択可能な低温流体の一例として、自動車のエンジン20の冷却水を用いる場合について説明する。

0014

内燃機関であるエンジン20には、燃焼用の空気を吸入する吸気管と、燃焼後の排ガスを排出する排気管3が接続されている。吸気管内には、車両に設けられたアクセルペダル踏み込み量に応じて開度可変されるスロットルバルブが設けられている。エンジン20は、エンジン制御装置によって最適な作動に制御される。エンジン制御装置には、エンジン回転数信号スロットルバルブ開度信号、および車速信号等が入力される。エンジン制御装置は、エンジン回転数信号およびスロットルバルブ開度信号に対する燃料噴射量を対応付け制御マップを予め記憶している。エンジン制御装置は、制御マップに基づいて吸気管側に所定のタイミングで必要とされる燃料噴射量を制御する。エンジン制御装置は、熱電発電装置1の制御装置5と互いの信号の授受が通信可能となるように接続されている。

0015

エンジン20には冷却水回路2が接続されている。冷却水回路2は、エンジン20を冷却するためエンジン20内の冷却水が循環する回路である。冷却水は、ウォータポンプ24によって出口部20bからラジエータ21を通過して入口部20aに流通して循環する。ウォータポンプ24は、例えば、エンジン20の駆動力を受けて作動するエンジン駆動式のポンプである。冷却水回路2を循環する冷却水は、ラジエータ21の放熱によって冷却されるので、エンジン20の作動温度を適切に制御することができる。

0016

冷却水回路2には、ラジエータ21をバイパスするバイパス通路26と、ラジエータ21側あるいはバイパス通路26側への冷却水流量を調節するサーモスタット22とが設けられている。冷却水温度が第1所定温度以下においては、サーモスタット22によってラジエータ21側が閉じられ、冷却水がバイパス通路26側を流通することで冷却水の過冷却を防止できる。これは、例えばエンジン20の始動直後のように冷却水が充分に昇温していない場合に対応し、エンジン20の暖機を促進することができる。さらにサーモスタット22は、エンジン20の暖機が終了して冷却水温度が第1所定温度を超えると、ラジエータ21側を開き始め、第2所定温度以上でバイパス通路26側を閉じ、ラジエータ21側を全開にする。冷却水回路2には、ラジエータ21に対して並列となるようにヒータコア23と、冷却水回路2の一部を成すヒータ温水回路25と、が設けられている。ヒータコア23は、冷却水を熱源として空調用空気を加熱する暖房装置用の熱交換器である。

0017

熱電発電装置1は、熱電発電部10と、熱電発電部10の作動を制御する制御装置5と、を備えている。熱電発電部10は、ゼーベック効果を利用して発電を行う熱電変換素子100に対して、第2流体通路である分岐通路31と、第1流体通路である循環通路27と、が配設されて構成されている。分岐通路31は、エンジン20の排気管3から分岐して再び排気管3に合流するように形成された通路を構成し、排ガスの一部が分流するように構成されている。分岐通路31は、熱電変換素子100、あるいは熱電発電部10の他方側面である高温側部10bに接触し、排ガスが熱電変換素子100の高温側熱源となる。分岐通路31の熱電変換素子100に対する排ガスの上流側には、分岐通路31を開閉する開閉弁30が設けられている。

0018

循環通路27は、バイパス通路26よりもエンジン20側となる通路であり、ラジエータ21の下流側で、サーモスタット22と入口部20aとを繋ぐ通路である。循環通路27は、熱電変換素子100、あるいは熱電発電部10の一方側面である低温側部10aに接触している。バイパス通路26からサーモスタット22を流れる冷却水、あるいは、ラジエータ21を通過しサーモスタット22を流れる冷却水は、熱電変換素子100側に供給され、この冷却水が熱電変換素子100の低温側熱源となる。

0019

制御装置5は、プログラムに従って動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。制御装置5は、図2に図示するように、各種装置と各種センサとが接続されるインターフェース部50(以下、I/F部50ともいう)と演算処理部51とを備える。演算処理部51は、I/F部50を通して各種センサ、各種測定装置から取得した情報と、記憶部に格納した各種データとを用いて所定のプログラムにしたがった判定処理や演算処理を行う。

0020

記憶部は、書き込み可能記憶媒体を備えており、その記憶媒体に、各検出器から出力された信号に基づく情報を一時的に記憶する。記憶部は、非遷移的実体記録媒体(non-transitory tangible storage media)である。演算処理部51は、制御装置5における判定部である。I/F部50は、演算処理部51による判定結果、演算結果に基づいて各種装置を操作する。したがって、I/F部50は制御装置5における入力部および制御出力部である。また、制御装置5は、エンジン制御装置4と一体化され、エンジン制御装置の一部を構成するものでもよい。

0021

I/F部50は、エンジン情報信号としてエンジン回転数エンジン負荷情報等をエンジン制御装置から取得する。エンジン負荷情報とは、例えばエンジン20のトルク値である。演算処理部51は、予め設定されたプログラムにしたがって、エンジン制御装置からの各種のエンジン情報信号等に対する演算処理を行う。制御装置5は演算処理部51による演算結果に基づいて開閉弁30等の制御を行う。制御装置5は、軸トルクマップ、エンジン20の冷却損失熱量マップ、エンジン20の通水流量マップ、ラジエータ21の基準放熱量マップ、開閉弁30の開度マップや各種演算式を予め記憶している。制御装置5は、これらのマップや演算式に基づいて開閉弁30の開度を制御する。

0022

I/F部50は、演算処理部51による演算結果に基づいて開閉弁30等の機器を操作する。I/F部50には、ユーザインターフェイスとなる端末装置、例えば、コントロールパネル携帯用端末機等が接続される。使用者は、コントロールパネルの表示部、端末装置等の表示画面を通じて、I/F部50から出力された現在の運転状態を確認することができる。

0023

熱電発電装置1の構成について図3および図4を参照して説明する。熱電発電装置1は、第1流体通路と、第2流体通路と、熱電発電部10と、第1流体通路と低温側部10aとの間に介在する低温側部材と、前記第2流体通路と前記他方側部との間に介在する高温側部材と、を備える。低温側部材は、第1流体と低温側部10aとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす構成要素であり、例えば伝熱層81、絶縁層61である。高温側部材は、第2流体と高温側部10bとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす構成要素であり、例えば伝熱層80、熱抵抗調整層7、絶縁層60である。

0024

低温側部10a、高温側部10bは、導電性を有し、排ガスの流れ方向に隣接する熱電変換素子100を電気的に接続する電極部を構成する。熱電発電部10において電極部は、熱電発電部10に含まれる複数個の熱電変換素子100が直列に接続されるように、循環通路27側と分岐通路31側とが交互に接続されている。

0025

低温側部10aの第1流体通路側には、電極部と電極部とを絶縁する絶縁層61が設けられている。絶縁層61は、熱伝導性および電気絶縁性を有する薄板状の部材であり、排ガスの流れ方向に沿って並ぶ複数個の電極部のすべてに接触している。絶縁層61の第1流体通路側には、熱伝導性を有する伝熱層81が設けられている。伝熱層81は、内部に循環通路27を形成する低温通路部材27aと絶縁層61とに挟持されて両者の表面に接触している薄板状の部材である。絶縁層61は、低温側部10aと伝熱層81とを絶縁している。低温通路部材27a、伝熱層81、絶縁層61および熱電変換素子100は、各部間に空気層を形成することなく密着し、一体に固定されている。低温通路部材27aの内部には、伝熱を促進する促進部として、排ガスの流れ方向に延びるフィン27bが設けられている。フィン27bは、循環通路27を流通する低温流体から伝熱層81への伝熱を促進可能な部材である。

0026

高温側部10bの第2流体通路側には、電極部と電極部とを絶縁する絶縁層60が設けられている。絶縁層60は、熱伝導性および電気絶縁性を有する薄板状の部材であり、排ガスの流れ方向に沿って並ぶ複数個の電極部のすべてに接触している。絶縁層60の第2流体通路側には、熱伝導性を有する熱抵抗調整層7が設けられている。熱抵抗調整層7は、例えば、金属、グラファイト等の材質を含んだ部材である。熱抵抗調整層7は、応力緩和率が小さい材質で構成することが好ましく、固定力低下によるシール性の低下を抑制できることで、高温通路部材310と高温側部10bとの間の各部間の密着性を維持できる。また、熱抵抗調整層7には、例えば、グラファイト等の熱応力緩和部材としても機能できる材質を用いることが好ましい。熱抵抗調整層7は、第2流体通路と高温側部10bとの間に設けられて、第2流体と高温側部10bとの間で移動する熱の経路の一部を構成する部材である。したがって、第2流体の熱は、熱抵抗調整層7を介して高温側部10bへ移動する。

0027

熱抵抗調整層7は、第2流体の流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が上流側部と下流側部とで異なるように構成されている。熱抵抗調整層7は、上流に設けられる上流側調整層70と、上流側調整層70よりも下流に設けられる下流側調整層71と、を備えている。すなわち、熱抵抗調整層7は、排ガスの流れ方向に沿う熱移動率に差のある少なくとも二つの部材を有して構成されている。

0028

熱抵抗調整層7は、第2流体の流れ方向に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、上流側調整層70と下流側調整層71とにおいて一方が他方よりも大きくなるように構成されている。この実施形態では、熱抵抗調整層7は、下流側調整層71における当該熱抵抗が上流側調整層70における当該熱抵抗よりも大きくなるように構成されている。

0029

熱抵抗調整層7の第2流体通路側には、熱伝導性を有する伝熱層80が設けられている。伝熱層80は、内部に分岐通路31を形成する高温通路部材310と熱抵抗調整層7とに挟持されて両者の表面に接触している薄板状の部材である。絶縁層60は、高温側部10bと熱抵抗調整層7および伝熱層80とを絶縁している。高温通路部材310、伝熱層80、熱抵抗調整層7、絶縁層60および熱電変換素子100は、各部間に空気層を形成することなく密着し、一体に固定されている。高温通路部材310の内部には、伝熱を促進する促進部として、排ガスの流れ方向に延びるフィン311が設けられている。フィン311は、分岐通路31を流通する高温流体から伝熱層80への伝熱を促進可能な部材である。

0030

図4に図示するように、上流側調整層70は、第2流体の流れ方向に沿って延びる細長状のグラファイト片部700が複数個一体に結合されて構成されている。複数個のグラファイト片部700は隣同士が互いに接合された状態で一体になっていることで上流側調整層70を形成する。グラファイト片部700は、その厚み方向、長手方向および短手方向のそれぞれについて良好な熱伝導性を有する。したがって、グラファイト片部700のそれぞれは、一方側面70aと他方側面70bの両方に直交する方向D2、排ガスの流れ方向D1、方向D2と方向D1の両方に直交する方向D3のいずれにおいても良好な熱伝導性を発揮する。上流側調整層70を形成する複数個のグラファイト片部700は、方向D3に沿って配列するため、方向D3に沿って並ぶ接合面を形成する。これらの接合面は、隣り合うグラファイト片部700とグラファイト片部700との間を伝わる熱に対して熱抵抗となる。このため、上流側調整層70において方向D3に関する熱抵抗は、方向D2、方向D1のそれぞれに関する熱抵抗よりも大きくなる。

0031

図4に図示するように、下流側調整層71は、方向D3に沿って延びる細長状のグラファイト片部710が複数個一体に結合されて構成されている。複数個のグラファイト片部710は隣同士が互いに接合された状態で一体になっていることで下流側調整層71を形成する。グラファイト片部710は、その厚み方向、長手方向および短手方向のそれぞれについて良好な熱伝導性を有する。したがって、グラファイト片部710のそれぞれは、一方側面71aと他方側面71bの両方に直交する方向D2、流れ方向D1、方向D2と方向D1の両方に直交する方向D3のいずれにおいても良好な熱伝導性を発揮する。下流側調整層71を形成する複数個のグラファイト片部710は、流れ方向D1に沿って配列するため、流れ方向D1に沿って並ぶ接合面を形成する。これらの接合面は、隣り合うグラファイト片部710とグラファイト片部710との間を伝わる熱に対して熱抵抗となる。このため、下流側調整層71において流れ方向D1に関する熱抵抗は、方向D2、方向D3のそれぞれに関する熱抵抗よりも大きくなる。

0032

このように熱抵抗調整層7において、流れ方向D1の熱抵抗が上流側調整層70よりも大きい下流側調整層71は、複数個のグラファイト片部710が流れ方向D1に沿って配列されて構成されている。熱抵抗調整層7において、流れ方向D1の熱抵抗が下流側調整層71よりも小さい上流側調整層70は、それぞれ流れ方向D1に細長状である複数個のグラファイト片部700が互いに接合された状態で一体に構成されている。

0033

次に熱電発電装置1における、素子高温端、素子低温端、および排ガスのそれぞれの排ガス流れ方向の温度分布について、図5のグラフを参照して説明する。図5において横軸は、流れ方向D1に関する変位を示している。縦軸は、前述した各部の温度を示している。排ガスは、上流端で最も高温であり、上流端から急激に温度低下し、下流端に向かうにつれて徐々に温度低下する。熱電変換素子100における低温側部10aは、流れ方向に関してほぼ一定の温度を呈する。

0034

熱電変換素子100の高温側部10bにおける排ガス流れ方向の温度変化率は、上流側調整層70に対応する範囲と下流側調整層71に対応する範囲とで異なる。上流側調整層70では、流れ方向D1における熱抵抗が小さい。このため、上流側調整層70に対応する範囲における、素子高温端に相当する高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が円滑に下流側に熱伝導するので、下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下しない。したがって、図5に図示するように高温側部10bでは、上流から下流に向けての温度低下度合いが小さいため、高温流体から高温の排熱を回収することができる。これにより、上流側調整層70に対応する範囲の熱電変換素子100全体における発電量を高めることができる。

0035

下流側調整層71では、グラファイト片部710とグラファイト片部710との接合面が流れ方向D1に並ぶため、流れ方向D1における熱抵抗が大きい。このため、下流側調整層71に対応する範囲の高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が下流側に円滑に熱伝導しないので、上流側に熱が滞りやすく下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下する。したがって、図5に図示するように高温側部10bでは、上流から下流に向けての温度低下度合いが大きいため、低温の排熱を回収することができる。これにより、下流側調整層71に対応する範囲の熱電変換素子100全体において、低温排熱に対する発電量を高めることができる。以上のように、熱抵抗調整層7は、上流側調整層70と下流側調整層71のそれぞれに対応する範囲の熱電変換素子100において、発電量の点で効果を奏している。

0036

次に、第1実施形態の熱電発電装置1がもたらす作用効果について説明する。熱電発電装置1は、第1流体が流れる第1流体通路と、第1流体よりも高温でエンジン20から排出される第2流体が流れる第2流体通路と、熱電変換素子100を有し低温側部10aと高温側部10bとの温度差によって発電する熱電発電部10と、を備える。熱電発電装置1は、第1流体と低温側部10aとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす低温側部材と、第2流体と高温側部10bとの間の熱移動経路の少なくとも一部をなす高温側部材と、を備える。高温側部材は、第2流体の流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が、上流に設けられる上流側部よりも下流に設けられる下流側部の方が大きくなるように構成されている。

0037

高温側部材の上流側部が下流側部よりも第2流体の流れ方向D1の熱抵抗が小さい構成によれば、上流側部に対応する範囲の熱電変換素子100では熱が下流へ伝わりやすいので下流に向けての温度低下度合いが小さい。このため、上流側部に対応する範囲の熱電変換素子100は高温の排熱が回収可能である。したがって、上流側部に対応する範囲の熱電変換素子100では発電量を高める効果を奏する。さらに下流側部に対応する範囲の熱電変換素子100では、下流側部における下流への熱の伝わりが上流側部に比べて円滑でないため、下流に向けて温度低下度合いが大きい。このため、下流側部は低温の排熱が回収可能になり、下流側部に対応する範囲の熱電変換素子100において低温排熱に対する発電量を高める効果を奏する。以上により、熱電発電装置1によれば、効率的な発電を実現できる。

0038

また、高温側部材は、第2流体通路と高温側部10bとの間に設けられて、グラファイトを含む材質で形成された熱抵抗調整層7である。熱抵抗調整層7において、上流側調整層70および下流側調整層71のうち流れ方向D1の熱抵抗が大きい方は、細長状のグラファイト片部710の複数個が流れ方向D1に沿って配列されることにより構成されている。これによれば、熱抵抗が大きい方の調整層には、隣り合うグラファイト片部710とグラファイト片部710との間に、接合面または隙間が形成されることになる。このため、隣り合うグラファイト片部710の間を熱が移動するときに熱抵抗が発生する。したがって、複数個のグラファイト片部710を間隔をあけて配列したり一体に積層したりすることによって、複雑な構造を採用することなく熱抵抗が大きい方の調整層を構成することができる。

0039

また、複数個のグラファイト片部710は隣同士が互いに接合された状態で一体に形成されている。これによれば、熱抵抗が大きい方の調整層には、隣り合うグラファイト片部710とグラファイト片部710との間に、接合面が形成されるので、隣り合うグラファイト片部710の間を熱が移動するときに熱抵抗が発生する。したがって、複数個のグラファイト片部710を一体に積層することによって、安定した形状で、熱抵抗が大きい方の調整層を構成することができる。

0040

さらに熱抵抗調整層7において、熱抵抗が小さい方の上流側調整層70は、流れ方向D1に細長状である複数個のグラファイト片部700が互いに接合された状態で一体に構成されている。これによれば、熱抵抗が大きい方の下流側調整層71と熱抵抗が小さい方の上流側調整層70とを同様の形状、構成で製造することができ、向きを変えて設置することによって、別々の機能を発揮する上流側調整層70と下流側調整層71を提供することができる。したがって、熱抵抗調整層7の製造コストを低減することに貢献できる。

0041

(第2実施形態)
第2実施形態では、熱抵抗調整層107について図6および図7を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して熱抵抗調整層107のみが異なる。熱抵抗調整層107は、第1実施形態の熱抵抗調整層7に対する他の形態である。第2実施形態において特に説明しない構成、処理、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点について説明する。

0042

熱抵抗調整層107は、流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が上流側部と下流側部とで異なるように構成されている。熱抵抗調整層107は、上流に設けられる上流側調整層170と、上流側調整層170よりも下流に設けられる下流側調整層171と、を備えている。すなわち、熱抵抗調整層107は、排ガスの流れ方向に沿う熱移動率に差のある少なくとも二つの部材を有して構成されている。熱抵抗調整層107は、上流側調整層170における当該熱抵抗が下流側調整層171における当該熱抵抗よりも大きくなるように構成されている。

0043

高温通路部材310、伝熱層80、熱抵抗調整層107、絶縁層60および熱電変換素子100は、各部間に空気層を形成することなく密着し、一体に固定されている。図6に図示するように、下流側調整層171は、流れ方向D1に沿って延びる細長状のグラファイト片部700が複数個一体に結合されて構成されている。複数個のグラファイト片部700は隣同士が互いに接合された状態で一体になっていることで下流側調整層171を形成する。

0044

図6に図示するように、上流側調整層170は、方向D3に沿って延びる細長状のグラファイト片部710が複数個一体に結合されて構成されている。複数個のグラファイト片部710は隣同士が互いに接合された状態で一体になっていることで上流側調整層170を形成する。上流側調整層170を形成する複数個のグラファイト片部710は、流れ方向D1に沿って配列するため、流れ方向D1に沿って並ぶ接合面を形成する。このため、上流側調整層170において流れ方向D1に関する熱抵抗は、方向D2、方向D3のそれぞれに関する熱抵抗よりも大きくなる。

0045

このように熱抵抗調整層107において、流れ方向D1の熱抵抗が下流側調整層171よりも大きい上流側調整層170は、複数個のグラファイト片部700が流れ方向D1に沿って配列されて構成されている。熱抵抗調整層107において、流れ方向D1の熱抵抗が上流側調整層170よりも小さい下流側調整層171は、それぞれ流れ方向D1に細長状である複数個のグラファイト片部700が互いに接合された状態で一体に構成されている。

0046

次に熱電発電装置における、素子高温端、素子低温端、および排ガスのそれぞれの排ガス流れ方向の温度分布について、図7のグラフを参照して説明する。図7において横軸は、流れ方向D1に関する変位を示し、縦軸は前述した各部の温度を示している。

0047

熱電変換素子100の高温側部10bにおける排ガス流れ方向の温度変化率は、上流側調整層170に対応する範囲と下流側調整層171に対応する範囲とで異なる。上流側調整層170では、グラファイト片部710とグラファイト片部710との接合面が流れ方向D1に並ぶため、流れ方向D1における熱抵抗が大きい。このため、上流側調整層170に対応する範囲の高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が下流側に円滑に熱伝導しないので、上流側に熱が滞りやすく下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下する。したがって、図7に図示するように高温側部10bでは、上流側調整層170の上流に対応する熱電変換素子100の温度が高くなりやすい。これにより、上流に位置する熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。

0048

下流側調整層171では、流れ方向D1における熱抵抗が小さい。このため、下流側調整層171に対応する範囲における高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が円滑に下流側に熱伝導しやすいので、下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下しない。したがって、図7に図示するように高温側部10bでは、上流から下流に向けての温度低下度合いが小さいため、下流側において高温流体の排熱を多く回収することができる。これにより、下流側調整層171に対応する範囲の熱電変換素子100全体における発電量を高めることができる。以上のように、熱抵抗調整層107は、上流側調整層170と下流側調整層171のそれぞれに対応する範囲の熱電変換素子100において、発電量の点で効果を奏している。

0049

第2実施形態の熱電発電装置1において、高温側部材は、第2流体の流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が下流側部よりも上流側部の方が大きくなるように構成されている。

0050

高温側部材の上流側部が下流側部よりも流れ方向D1の熱抵抗が大きい構成によれば、上流側部において熱が下流に向けて流れにくく停滞するため、上流側部の上流に対応する熱電変換素子100の温度が上がりやすい。このため、上流の熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。さらに下流側部に対応する範囲の熱電変換素子100では、熱が下流へ伝わりやすいので下流に向けての温度低下度合いが小さい。このため、流れ方向D1にわたって熱電変換素子100の高低温度差を大きくすることが可能になる。すなわち、熱電変換素子100において高温側部10bと低温側部10baとの温度差が、大きく、この温度差が流れ方向D1の下流側で大きく低下しない。これにより、下流側部に対応する範囲の熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。以上により、この熱電発電装置1によれば、効率的な発電を実現できる。

0051

(第3実施形態)
第3実施形態の熱電発電装置101について図8を参照して説明する。熱電発電装置101は、前述する熱電発電装置1に対して、熱電発電部10、絶縁層60、絶縁層61、熱電発電部よりの熱抵抗調整層7等が、ケース9の内部に収容されている点が相違する。第3実施形態において特に説明しない構成、処理、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点について説明する。

0052

ケース9の内部は、真空状態に設定することが好ましい。ケース9は、高温流体通路側から低温流体通路側に向かって熱抵抗調整層7、絶縁層60、高温側部10b、熱電変換素子100、低温側部10a、絶縁層61の順に並ぶ構造物を一体に内蔵している。したがって、ケース9は、この一体の構造物を各部間に隙間が生じないように密着性を維持した状態に保持している。さらに、絶縁層61に対応する範囲のケース9の外表面と低温通路部材27aとの間には、伝熱層80が介在し、熱抵抗調整層7に対応する範囲のケース9の外表面と高温通路部材310との間には伝熱層80と熱抵抗調整層7とが介在している。ケース9、熱抵抗調整層7、伝熱層80および高温通路部材310は、各部間に隙間が生じないように密着性を確保した状態に一体になっている。ケース9、伝熱層81および低温通路部材27aは、各部間に隙間が生じないように密着性を確保した状態に一体になっている。

0053

(第4実施形態)
第4実施形態では、上流側部と下流側部とで流れ方向D1の熱抵抗が異なる絶縁層160を有する熱電発電装置201について、図9および図10を参照して説明する。第4実施形態において特に説明しない構成、処理、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点について説明する。

0054

絶縁層160は、流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が上流側部と下流側部とで異なるように構成されている。絶縁層160は、上流に設けられる上流側層1601と、上流側層1601よりも下流に設けられる下流側層1602と、を備えている。すなわち、絶縁層160は、排ガスの流れ方向に沿う熱移動率に差のある少なくとも二つの部材を有して構成されている。絶縁層160は、上流側層1601における流れ方向D1の熱抵抗が下流側層1602における流れ方向D1の熱抵抗よりも大きくなるように構成されている。絶縁層160は、絶縁層60と同様の材質で形成されている。

0055

高温通路部材310、伝熱層80、グラファイト層407、絶縁層160および熱電変換素子100は、各部間に空気層を形成することなく密着し、一体に固定されている。グラファイト層407は、グラファイトを含む材質によって形成され、伝熱層80と絶縁層160との間を埋めるように設けられる薄板状の部材である。図10に図示するように、上流側層1601は、方向D3に沿って延びる細長状の片部1600が流れ方向D1に沿って間隔をあけて複数個配列されて構成されている。片部1600のそれぞれは、一方側面1601aと他方側面1601bの両方に直交する方向D2、流れ方向D1、方向D2と方向D1の両方に直交する方向D3のいずれにおいても熱伝導性を有する。

0056

複数個の片部1600が流れ方向D1に並ぶことにより、複数個の片部1600が並ぶ流れ方向D1における上流側層1601の熱抵抗は、片部1600の長手方向である方向D3や厚み方向である方向D2と比較して大きくなる。このように絶縁層160において、流れ方向D1の熱抵抗が下流側層1602よりも大きい上流側層1601は、複数個の片部1600が流れ方向D1に沿って配列されて構成されている。絶縁層160において、流れ方向D1の熱抵抗が上流側層1601よりも小さい下流側層1602は、上流側層1601と同等の容積を有する薄板状の部材である。下流側層1602は、一方側面1602aと他方側面1602bの両方に直交する方向D2、流れ方向D1、方向D2と方向D1の両方に直交する方向D3のいずれにおいても熱伝導性を有する。

0057

熱電発電装置201における、素子高温端、素子低温端、および排ガスのそれぞれの排ガス流れ方向の温度分布は、前述したように図7のグラフに示すようになる。

0058

熱電変換素子100の高温側部10bにおける排ガス流れ方向の温度変化率は、上流側層1601に対応する範囲と下流側層1602に対応する範囲とで異なる。上流側層1601では、隣り合う片部1600と片部1600との隙間が流れ方向D1に並ぶため、流れ方向D1における熱抵抗が大きい。このため、上流側層1601に対応する範囲の高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が下流側に円滑に熱伝導しないので、上流側に熱が滞りやすく下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下する。したがって、高温側部10bでは、上流側層1601の上流に対応する熱電変換素子100の温度が高くなりやすい。上流側層1601は、上流に位置する熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。

0059

下流側層1602では、流れ方向D1における熱抵抗が小さい。このため、下流側層1602に対応する範囲における高温側部10bでは、上流側で吸収した熱が円滑に下流側に熱伝導しやすいので、下流側の温度が上流側の温度に対して大きく低下しない。したがって、高温側部10bでは、上流から下流に向けての温度低下度合いが小さいため、下流側において高温流体の排熱を多く回収することができる。これにより、下流側層1602に対応する範囲の熱電変換素子100全体における発電量を高めることができる。以上のように、絶縁層160は、上流側層1601と下流側層1602のそれぞれに対応する範囲の熱電変換素子100において、発電量の点で効果を奏している。

0060

また、絶縁層160において熱抵抗が大きい方の上流側層1601は、第2流体の流れ方向に隣り合う片部1600が隙間なく一体に接合されている形態でもよい。この場合も、複数個の片部1600の配列方向における絶縁層160の熱抵抗は、前述の実施形態と同様に、片部1600の長手方向や厚み方向と比較して大きくなる。

0061

第4実施形態の熱電発電装置201において、高温側部材の一形態である絶縁層160は、第2流体の流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が下流側部よりも上流側部の方が大きくなるように構成されている。

0062

上流側層1601が下流側層1602よりも流れ方向D1の熱抵抗が大きい構成によれば、上流側層1601において熱が下流に向けて流れにくく停滞するため、上流側層1601の上流に対応する熱電変換素子100の温度が上がりやすい。これにより、上流の熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。さらに下流側層1602に対応する範囲の熱電変換素子100では、熱が下流へ伝わりやすいので下流に向けての温度低下度合いが小さい。これにより、流れ方向D1にわたって熱電変換素子100の高低温度差を大きくすることができる。したがって、下流側層1602に対応する範囲の熱電変換素子100において発電量を高める効果を奏する。以上により、熱電発電装置201によれば、効率的な発電を実現できる。

0063

絶縁層160において、上流側層1601および下流側層1602のうち流れ方向D1の熱抵抗が大きい方は、細長状の片部1600の複数個が流れ方向D1に沿って配列されることにより構成されている。これによれば、熱抵抗が大きい方の層には、隣り合う片部1600と片部1600との間に、接合面または隙間が形成されることになる。このため、隣り合う片部1600の間を熱が移動するときに熱抵抗が発生する。したがって、複数個の片部1600を間隔をあけて配列したり一体に積層したりすることによって、複雑な構造を採用することなく熱抵抗が大きい方の熱抵抗調整層を構成することができる。

0064

(第5実施形態)
第5実施形態では、熱抵抗調整層207について図11を参照して説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して熱抵抗調整層207のみが異なる。熱抵抗調整層207は、第1実施形態の熱抵抗調整層7に対する他の形態である。第5実施形態において特に説明しない構成、処理、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点について説明する。

0065

熱抵抗調整層207は、流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が上流側部と下流側部とで異なるように構成されている。熱抵抗調整層207は、上流に設けられる上流側調整層270と、上流側調整層270よりも下流に設けられる下流側調整層271と、を備えている。熱抵抗調整層207は、下流側調整層271における当該熱抵抗が上流側調整層270における当該熱抵抗よりも大きくなるように構成されている。

0066

下流側調整層271は、第1実施形態の下流側調整層71と同様の構成である。したがって、下流側調整層271において流れ方向D1に関する熱抵抗は、一方側面271aと他方側面271bの両方に直交する方向D2、方向D3のそれぞれに関する熱抵抗よりも大きくなる。上流側調整層270は、薄板状の部材であり、流れ方向D1、一方側面270aと他方側面270bの両方に直交する方向D2、方向D3のいずれにおいても良好な熱伝導性を発揮する。したがって、上流側調整層270は、その方向にも熱抵抗に大きな差がない。

0067

(第6実施形態)
第6実施形態では、熱抵抗調整層307について図12を参照して説明する。第6実施形態は、第2実施形態に対して熱抵抗調整層307のみが異なる。熱抵抗調整層307は、第2実施形態の熱抵抗調整層107に対する他の形態である。第6実施形態において特に説明しない構成、処理、作用、効果については、第2実施形態と同様であり、以下、第2実施形態と異なる点について説明する。

0068

熱抵抗調整層307は、流れ方向D1に沿って移動する熱に対する熱抵抗が上流側部と下流側部とで異なるように構成されている。熱抵抗調整層307は、上流に設けられる上流側調整層170と、上流側調整層170よりも下流に設けられる下流側調整層370と、を備えている。熱抵抗調整層307は、上流側調整層170における当該熱抵抗が下流側調整層370における当該熱抵抗よりも大きくなるように構成されている。

0069

第2実施形態で説明したように、上流側調整層170において流れ方向D1に関する熱抵抗は、一方側面170aと他方側面170bの両方に直交する方向D2、方向D3のそれぞれに関する熱抵抗よりも大きくなる。下流側調整層370は、薄板状の部材であり、流れ方向D1、一方側面370aと他方側面370bの両方に直交する方向D2、方向D3のいずれにおいても良好な熱伝導性を発揮する。したがって、下流側調整層370は、その方向にも熱抵抗に大きな差がない。

0070

(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。

0071

前述の実施形態において、上流側調整層や下流側調整層を構成する複数個のグラファイト片部700は、隣り合うグラファイト片部700とグラファイト片部700との間に隙間が形成されている形態でもよい。この場合も、複数個のグラファイト片部700の配列方向における熱抵抗調整層の熱抵抗は、前述の実施形態と同様に、グラファイト片部700の長手方向や厚み方向と比較して大きくなる。

0072

前述の実施形態において、上流側調整層や下流側調整層を構成する複数個のグラファイト片部710は、第2流体の流れ方向に隣り合うグラファイト片部710とグラファイト片部710との間に隙間が形成されている形態でもよい。この場合も、複数個のグラファイト片部710の配列方向における熱抵抗調整層の熱抵抗は、前述の実施形態と同様に、グラファイト片部710の長手方向や厚み方向と比較して大きくなる。

0073

前述の実施形態において熱抵抗調整層は、高温側部10bと高温通路部材310との間に複数積層するように設置してもよい。

0074

第4実施形態の絶縁層160は、上流側層1601が下流側層1602よりも流れ方向D1の熱抵抗が大きい構成であるが、下流側層1602が上流側層1601よりも流れ方向D1の熱抵抗が大きい構成としてもよい。この場合、第1実施形態の熱抵抗調整層7と同様の作用、効果を奏する。

0075

前述の実施形態において、第1流体と第2流体は、互いに逆向きに流れる対向流を形成してもよい。

0076

10…熱電発電部、 10a…低温側部(一方側部)、 10b…高温側部(他方側部)
20…エンジン、 27…循環通路(第1流体通路)、 31…分岐通路(第2流体通路)
61…絶縁層(低温側部材)、 81…伝熱層(低温側部材)
7,107,207,307…熱抵抗調整層(高温側部材)
70,170,270…上流側調整層(上流側部)
71,171,271,370…下流側調整層(下流側部)、 100…熱電変換素子
160…絶縁層(高温側部材)、 1601…上流側層(上流側部)
1602…下流側層(下流側部)

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