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技術 光電子増倍管、測定装置、製造用治具

出願人 東亜ディーケーケー株式会社
発明者 内田徹関根綾香伊藤尋紀
出願日 2016年6月30日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2016-130328
公開日 2018年1月11日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-006118
状態 特許登録済
技術分野 計測用電子管 化学反応による材料の光学的調査・分析
主要キーワード 平面視面積 製造用治具 平面視略正方形 微量化学物質 難接着材料 熱電冷却素子 発熱面 閉環状
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

熱電冷却素子を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管を提供する。

解決手段

光を受光するとともに、光に対応する光電子を信号として出力する本体と、本体に設けられた板状の支持体と、を備え、本体は、一方向に延在すると共に一端が開口した筒状部材と、筒状部材の一端を閉じる伝熱板と、伝熱板と筒状部材との接合部分を気密に封止する封止材と、筒状部材の内部に設けられ、筒状部材の外部から筒状部材の内部に入射する光を受光して光電子を放出するカソードを有し、伝熱板は、カソードと熱的に接続しており、本体は、支持体を貫通すると共に、支持体の第1主面の側に伝熱板が露出するように設けられ、支持体は、硬化性樹脂形成材料とし、筒状部材と伝熱板と封止材とに接するとともに封止材で封止された接合部分を覆って設けられている光電子増倍管。

概要

背景

従来、発光分光分析装置の検出部に、光電子増倍管が用いられている。発光分光分析装置において光電子増倍管では、分析試料から発せられる光をカソード受光し、光電効果により受光した光と相関した量の電子光電子)をカソードから放出する。放出された光電子は、複数段ダイノードで順次増幅された後、アノード収集される。アノードからは、収集した光電子を信号電流として取り出すことができる。分析試料から発せられる光の量は、分析試料の量と相関するため、発光分光分析装置では、信号電流の強度に基づいて、分析試料の量を検出することができる。

このような光電子増倍管では、使用による発熱環境温度により、光を受光するカソードが高温となると、得られる信号電流にノイズが生じやすいことが知られている。そのため、分析感度の向上を目的の1つとして、カソードを冷却する構成を採用した光電子増倍管が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。

概要

熱電冷却素子を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管を提供する。光を受光するとともに、光に対応する光電子を信号として出力する本体と、本体に設けられた板状の支持体と、を備え、本体は、一方向に延在すると共に一端が開口した筒状部材と、筒状部材の一端を閉じる伝熱板と、伝熱板と筒状部材との接合部分を気密に封止する封止材と、筒状部材の内部に設けられ、筒状部材の外部から筒状部材の内部に入射する光を受光して光電子を放出するカソードを有し、伝熱板は、カソードと熱的に接続しており、本体は、支持体を貫通すると共に、支持体の第1主面の側に伝熱板が露出するように設けられ、支持体は、硬化性樹脂形成材料とし、筒状部材と伝熱板と封止材とに接するとともに封止材で封止された接合部分を覆って設けられている光電子増倍管。

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、熱電冷却素子を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光を受光するとともに、前記光に対応する光電子を信号として出力する本体と、前記本体に設けられた板状の支持体と、を備え、前記本体は、一方向に延在すると共に一端が開口した筒状部材と、前記筒状部材の前記一端を閉じる伝熱板と、前記伝熱板と前記筒状部材との接合部分を気密に封止する封止材と、前記筒状部材の内部に設けられ、前記筒状部材の外部から前記筒状部材の内部に入射する光を受光して光電子を放出するカソードを有し、前記伝熱板は、前記カソードと熱的に接続しており、前記本体は、前記支持体を貫通すると共に、前記支持体の第1主面の側に前記伝熱板が露出するように設けられ、前記支持体は、硬化性樹脂形成材料とし、前記筒状部材と前記伝熱板と前記封止材とに接するとともに前記封止材で封止された前記接合部分を覆って設けられている光電子増倍管

請求項2

前記支持体は、前記第1主面に凹部を有し、前記凹部の底面には、前記伝熱板が露出しており、前記凹部は、前記第1主面を平面視した視野において、前記伝熱板のすべてを内包している請求項1に記載の光電子増倍管。

請求項3

前記支持体は、第1硬化性樹脂を形成材料とし、前記筒状部材と前記伝熱板と前記封止材とに接するとともに前記封止材で封止された前記接合部分を覆って設けられている第1部材と、第2硬化性樹脂を形成材料とし、前記第1部材に接して設けられた第2部材とを有し、前記第1硬化性樹脂の弾性率は、前記第2硬化性樹脂の弾性率よりも低い請求項1または2に記載の光電子増倍管。

請求項4

前記伝熱板に接続された温度センサを有する請求項1から3のいずれか1項に記載の光電子増倍管。

請求項5

分析試料が供給され前記分析試料を発光させる発光部と、前記分析試料から発せられる光を受光する請求項1から4のいずれか1項に記載の光電子増倍管と、前記光電子増倍管が有する前記支持体と対向する対向部材と、前記支持体と前記対向部材との間に挟持され、前記光電子増倍管が有する前記伝熱板と熱的に接する熱電冷却素子と、を有する測定装置

請求項6

前記対向部材は、前記支持体と共に前記熱電冷却素子を挟持する基板と、前記基板に設けられた複数のフィンと、を有するヒートシンクである請求項5に記載の測定装置。

請求項7

前記対向部材に対向する位置に設けられた送風機と、前記熱電冷却素子および前記送風機の駆動を制御する制御部と、を有し、前記光電子増倍管は、前記伝熱板に接続された温度センサを有し、前記温度センサは、検出した信号を前記制御部に送り、前記制御部は、前記信号に基づいて前記熱電冷却素子および前記送風機のいずれか一方または両方の動作を制御する請求項5または6に記載の測定装置。

請求項8

請求項1から4のいずれか1項に記載の光電子増倍管の製造に用いる製造用治具であって、上方が開口した容器と、前記容器の開口した部分を閉じる蓋材と、を有し、前記蓋材は、前記光電子増倍管の前記本体が挿通可能な開口部を有し、前記容器と前記蓋材とは、少なくとも前記蓋材で前記容器を閉じたとき、前記容器と前記蓋材とで囲まれる内部空間に面する表面が、難接着材料で覆われている製造用治具。

技術分野

0001

本発明は、光電子増倍管測定装置製造用治具に関するものである。

背景技術

0002

従来、発光分光分析装置の検出部に、光電子増倍管が用いられている。発光分光分析装置において光電子増倍管では、分析試料から発せられる光をカソード受光し、光電効果により受光した光と相関した量の電子光電子)をカソードから放出する。放出された光電子は、複数段ダイノードで順次増幅された後、アノード収集される。アノードからは、収集した光電子を信号電流として取り出すことができる。分析試料から発せられる光の量は、分析試料の量と相関するため、発光分光分析装置では、信号電流の強度に基づいて、分析試料の量を検出することができる。

0003

このような光電子増倍管では、使用による発熱環境温度により、光を受光するカソードが高温となると、得られる信号電流にノイズが生じやすいことが知られている。そのため、分析感度の向上を目的の1つとして、カソードを冷却する構成を採用した光電子増倍管が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。

先行技術

0004

特開平9−68464号公報
特開平9−79905号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1,2に記載の光電子増倍管では、カソードを冷却する構成として、カソードと熱的に接合した熱電冷却素子を用いる構成となっている。熱電冷却素子は、光電子増倍管の一端に設けられている。しかし、伝熱阻害しないようにしながら、熱電冷却素子を光電子増倍管の一端に取り付けることは困難であるため、改善が求められていた。

0006

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、熱電冷却素子を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管を提供することを目的とする。また、このような光電子増倍管を備える測定装置、およびこのような光電子増倍管を容易に製造可能とする製造用治具を提供することを併せて目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、光を受光するとともに、前記光に対応する光電子を信号として出力する本体と、前記本体に設けられた板状の支持体と、を備え、前記本体は、一方向に延在すると共に一端が開口した筒状部材と、前記筒状部材の前記一端を閉じる伝熱板と、前記伝熱板と前記筒状部材との接合部分を気密に封止する封止材と、前記筒状部材の内部に設けられ、前記筒状部材の外部から前記筒状部材の内部に入射する光を受光して光電子を放出するカソードを有し、前記伝熱板は、前記カソードと熱的に接続しており、前記本体は、前記支持体を貫通すると共に、前記支持体の第1主面の側に前記伝熱板が露出するように設けられ、前記支持体は、硬化性樹脂形成材料とし、前記筒状部材と前記伝熱板と前記封止材とに接するとともに前記封止材で封止された前記接合部分を覆って設けられている光電子増倍管を提供する。

0008

本発明の一態様においては、前記支持体は、前記第1主面に凹部を有し、前記凹部の底面には、前記伝熱板が露出しており、前記凹部は、前記第1主面を平面視した視野において、前記伝熱板のすべてを内包している構成としてもよい。

0009

本発明の一態様においては、前記支持体は、第1硬化性樹脂を形成材料とし、前記筒状部材と前記伝熱板と前記封止材とに接するとともに前記封止材で封止された前記接合部分を覆って設けられている第1部材と、第2硬化性樹脂を形成材料とし、前記第1部材に接して設けられた第2部材とを有し、前記第1硬化性樹脂の弾性率は、前記第2硬化性樹脂の弾性率よりも低い構成としてもよい。

0010

本発明の一態様においては、前記伝熱板に接続された温度センサを有する構成としてもよい。

0011

また、本発明の一態様は、分析試料が供給され前記分析試料を発光させる発光部と、前記分析試料から発せられる光を受光する上記の光電子増倍管と、前記光電子増倍管が有する前記支持体と対向する対向部材と、前記支持体と前記対向部材との間に挟持され、前記光電子増倍管が有する前記伝熱板と熱的に接する熱電冷却素子と、を有する測定装置を提供する。

0012

本発明の一態様においては、前記対向部材は、前記支持体と共に前記熱電冷却素子を挟持する基板と、前記基板に設けられた複数のフィンと、を有するヒートシンクである構成としてもよい。

0013

本発明の一態様においては、前記対向部材に対向する位置に設けられた送風機と、前記熱電冷却素子および前記送風機の駆動を制御する制御部と、を有し、前記光電子増倍管は、前記伝熱板に接続された温度センサを有し、前記温度センサは、検出した信号を前記制御部に送り、前記制御部は、前記信号に基づいて前記熱電冷却素子および前記送風機のいずれか一方または両方の動作を制御する構成としてもよい。

0014

また、本発明の一態様は、上方が開口した容器と、前記容器の開口した部分を閉じる蓋材と、を有し、前記蓋材は、前記光電子増倍管の前記本体が挿通可能な開口部を有し、前記容器と前記蓋材とは、少なくとも前記蓋材で前記容器を閉じたとき、前記容器と前記蓋材とで囲まれる内部空間に面する表面が、難接着材料で覆われている製造用治具を提供する。

発明の効果

0015

本発明によれば、熱電冷却素子を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管を提供することができる。また、このような光電子増倍管を備える測定装置、およびこのような光電子増倍管を容易に製造可能とする製造用治具を提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

本実施形態に係る光電子増倍管について示す斜視図。
第1主面側からの視野における光電子増倍管の平面図。
支持体近傍を示す光電子増倍部の断面図。
上述の光電子増倍管を備えた計測装置を示す概略模式図
上述した光電子増倍管を製造する際に用いる製造用治具の説明図。
製造用治具を用いた光電子増倍管の製造工程を示す工程図。
製造用治具を用いた光電子増倍管の製造工程を示す工程図。
製造用治具を用いた光電子増倍管の製造工程を示す工程図。

実施例

0017

以下、図1図8を参照しながら、本発明の実施形態に係る光電子増倍管、測定装置、製造用治具について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。

0018

<光電子増倍管>
図1は、本実施形態に係る光電子増倍管1について示す斜視図である。図は、構成の一部について断面を示す部分断面図となっている。

0019

図1に示すように、本実施形態の光電子増倍管1は、本体10と支持体20とを有している。本体10は、光を受光するとともに、光に対応する光電子を信号として出力する。支持体20は、本体10の一端に設けられている。光電子増倍管1は、本体10の側方から光が入射する「サイドオン型」のものである。

0020

(本体)
本体10は、筒状部材11と、伝熱板12と、封止材13と、光電子増倍部14と、カバー18、接続端子19とを有する。

0021

筒状部材11は、一方向に延在すると共に一端が開口した部材である。筒状部材11は、少なくとも一部が光透過性を有する。例えば、筒状部材11は、ガラスを形成材料とする円筒状の部材(ガラス管)である。本体10において、筒状部材11の内部空間は真空となっている。

0022

筒状部材11の一端には、筒状部材11の端部を閉じる伝熱板12が接合されている。伝熱板12は、金属材料を形成材料とする円板状の部材である。伝熱板12は、筒状部材11に収容されているカソード(後述)と熱的に接続されている。伝熱板12の表面12aは、平坦面となっている。

0023

筒状部材11と伝熱板12との接合部分は、封止材13で気密に封止されている。封止材13は、筒状部材11と伝熱板12との両方に接しながら、筒状部材11の側面を一周して設けられている。封止材13の形成材料としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂が挙げられる。

0024

光電子増倍部14は、筒状部材11に収容されている。光電子増倍部14は、カソード14aと、複数のダイノード14bと、不図示のアノードと、を有している。図では、サーキュラケージCircular Cage)型と称される形式の光電子増倍部を示す。

0025

カソード14aは、光透過性を有する筒状部材11の外部から筒状部材11の内部に入射する光を受光し、光電子を放出する。放出された光電子は、ダイノード14bに入射する。

0026

複数のダイノード14bは、図に示す半円筒状の部材と、不図示の板状の部材とが、筒状部材11の内周周方向に交互に配列している。カソード14aから放出された光電子は、最初のダイノード14bに入射し、光電子が入射したダイノード14bからは複数の二次電子が放出される。放出された二次電子は、次に配置されているダイノード14bに入射し、電子1つごとに複数の二次電子がさらに放出される。複数のダイノード14bでは、このようにダイノード14bへの電子の入射および二次電子の放出を繰り返すことで、光電子が増幅される。

0027

増幅された二次電子(光電子)は、不図示のアノードへ収束する。多数の電子を受けたアノードは、光電子を収集し電気信号として出力する。

0028

その他、本体10は、筒状部材11の伝熱板12が設けられている端部とは反対側に、筒状のカバー18が設けられている。

0029

カバー18が設けられた側の端部からは、複数の接続端子19が突出している。接続端子19は、外部機器に接続される。アノードから出力される電気信号は、接続端子19を介して、外部機器に出力される。

0030

一般に、光電子増倍管では、入力される光に応じて光電子を放出するカソードが高温になり易い。カソードが高温になると、出力される電気信号にノイズが入り易く、S/N比が低下しやすい。そのため、光電子増倍管では、通常、カソードの冷却が行われる。

0031

上述した本体10では、カソード14aが伝熱板12と熱的に接続している。そのため、カソード14aが高温となっても、伝熱板12を冷却することで、効果的にカソード14aを冷却することが可能である。

0032

一方で、伝熱板12を冷却すると、伝熱板12の近傍が結露するおそれがある。本体10は、筒状部材11と伝熱板12とが接続され一体となって、カソード14aを収容する空間を形成しているが、伝熱板12の近傍が結露すると、筒状部材11と伝熱板12との接続部分から、内部空間に水分が浸入するおそれが生じる。本体10では、筒状部材11と伝熱板12との接続部分を封止材13で封止しているが、内部空間が真空であるため、伝熱板12の近傍に結露が生じると、内部空間に水分が浸入しやすく、本体10が破損するおそれが高くなる。

0033

さらに、本体10の伝熱板12を冷却する目的で、伝熱板12の表面に接するように安定的に熱電冷却素子を設ける場合、上述した特許文献1,2において示す従来の構成のように、熱電冷却素子の平面視面積が伝熱板の平面視面積よりも小さくなってしまう。この場合、熱電冷却素子の接触面積が伝熱板の面積よりも小さいため、伝熱板の冷却が不十分となりやすい。

0034

このように、上述したような構成の本体10を用いるにあたっては、伝熱板12を冷却するにあたって、種々の課題が存在していた。

0035

これに対し、本願発明の光電子増倍管1では、本体10の伝熱板12側の端部に支持体20を設けることで課題を解決した。

0036

(支持体)
図2は、第1主面20a側からの視野における光電子増倍管1の平面図である。また、図3は、支持体20近傍を示す光電子増倍管1の断面図である。以下の支持体20の説明では、図1から3を参照する。

0037

支持体20は、本体10の伝熱板12側の端部に設けられた板状の部材である。図では、支持体20は、平面視略正方形を呈することとして示している。本体10は、支持体20を貫通すると共に、支持体20の第1主面20aの側に伝熱板12が露出するように設けられている。

0038

また、支持体20は、筒状部材11と伝熱板12と封止材13とに接し、封止材13で封止された筒状部材11と伝熱板12との接合部分を覆って設けられている。これにより、封止材13で封止された接合部分をさらに支持体20で封止することとなり、本体10の気密性が高まり本体10の破損を抑制することができる。

0039

図に示すように、支持体20は、第1主面20aに平面視略正方形の凹部21を有している。凹部21の底面21aには、伝熱板12が露出している。また、伝熱板12は、底面21aにのみ露出している。すなわち、図2において伝熱板12は、凹部21の輪郭線に囲まれた領域に配置されており、伝熱板12のすべてが凹部21に内包されている。

0040

さらに、支持体20は、第1主面20aに、凹部21と支持体20の側面20cとを接続する溝25を有する。図2に示すように、本実施形態の光電子増倍管1では、支持体20に2つの溝25が設けられている。

0041

支持体20は、硬化性樹脂を形成材料としている。詳しくは、支持体20は、第1硬化性樹脂を形成材料とする第1部材201と、第2硬化性樹脂を形成材料とする第2部材202とが一体となって形成されている。

0042

第1部材201は、筒状部材11と伝熱板12と封止材13とに接するとともに、封止材13で封止された筒状部材11と伝熱板12との接合部分を覆って設けられている。
第2部材202は、第1部材201に接して設けられている。

0043

この場合、第1硬化性樹脂の弾性率が、第2硬化性樹脂の弾性率よりも低いことが好ましい。このような構成とすることで、第1硬化性樹脂の弾性率が第2硬化性樹脂の弾性率よりも高い場合と比べ、伝熱板12が加熱され熱膨張したとしても、第1部材201が変形して変位を吸収しやすくなる。その結果、伝熱板12と支持体20との界面に隙間が生じにくくなる。また、第1部材201が変形することで第2部材202に伝熱板12の変位が伝わりにくくなり、第2部材202や本体10の破損を抑制できる。

0044

さらに、封止材13で封止された筒状部材11と伝熱板12との接合部分のシール性も高まり、当該接合部分から本体10の内部への水分の浸入を抑制できる。

0045

第1硬化性樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、シリコーン樹脂とエポキシ樹脂との混合物ウレタン樹脂等を用いることができる。

0046

第2硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂(系接着剤)、アクリル樹脂(系接着剤)、フェノール樹脂(系接着剤)を用いることができる。

0047

さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、各樹脂繊維状フィラーや、板状フィラー等の充填材を混合してもよい。

0048

第1硬化性樹脂としては、伝熱板12の形成材料の熱膨張率を考慮して選択するとよい。すなわち、伝熱板12の形成材料の熱膨張率と、使用時の伝熱板12の温度として想定される温度とから、伝熱板12の熱膨張量予測可能である。第1部材201としては、伝熱板12が想定される大きさまで熱膨張したとしても、変形して変位を十分に吸収可能であるとよい。第1硬化性樹脂としては、このような第1部材201を実現可能な弾性率を有するものを選択するとよい。

0049

第1硬化性樹脂および第2硬化性樹脂としては、光透過性が低いものが好ましい。また、第1硬化性樹脂や第2硬化性樹脂が光透過性を有する場合には、必要に応じて、光透過性を低下させる添加剤を添加してもよい。または、支持体20の表面に遮光性塗装を施してもよい。

0050

また、支持体20は、第1主面20aとは反対側の第2主面20bに、平面視で本体10の周囲を閉環状に囲む溝22が設けられている。

0051

さらに、支持体20は、本体10の延在方向と同方向に支持体20を貫通する固定孔23を有している。図では、固定孔23は、平面視で支持体20の各辺の中央に設けられている。固定孔23の内部には、雌ねじが形成されていてもよい。

0052

(その他の構成)
光電子増倍管1は、伝熱板12に接続された温度センサ29を有することとしてもよい。図3に示すように、温度センサ29は、伝熱板12の側面12bに接し、支持体20の内部に埋設されている。光電子増倍管1が温度センサ29を備えることで、伝熱板12の温度を計測し、制御情報として用いることができる。

0053

図4は、上述の光電子増倍管1を備えた測定装置100を示す概略模式図である。図に示すように測定装置100は、発光部110と、光電子増倍管1と、熱電冷却素子120と、対向部材130と、を有している。図4では、図を見やすくするために、光電子増倍管1の構成を一部省略し略記してある。

0054

また、測定装置100は、送風機140、筐体150、制御部160、表示部170を有している。測定装置100は、例えば、分析試料として大気に含まれる微量化学物質を検出し、大気に含まれる化学物質の量を測定する用途に用いることができる。

0055

発光部110は、分析試料が供給され分析試料を発光させる。発光部110には、供給管111が接続されている。供給管111からは、分析試料を含む気体(例えば大気)と、オゾンとが供給される。発光部110の内部では、分析試料とオゾンとが反応し、生じる微量の光Lが光電子増倍管1へ放出される。

0056

光電子増倍管1は、上述したものを用いる。光電子増倍管1では、発光部110から放出された光Lを受光し、電気信号として制御部160に出力する。

0057

光電子増倍管1が有する支持体20の凹部21には、熱電冷却素子(ペルチェ素子)120が嵌合している。詳しくは、熱電冷却素子120の吸熱面120aが凹部21に露出する伝熱板12の表面12aに接触するように配置されている。これにより、光電子増倍管1の伝熱板12を効果的に冷却することができる。なお、熱電冷却素子120に接続される配線は、支持体20の溝25の内部に収容され、好適に凹部21から凹部21の外に引き回される。

0058

光電子増倍管1の支持体20の第1主面20a側には、対向部材130が設けられている。対向部材130は、少なくとも熱電冷却素子120の発熱面120bと熱的に接し、熱電冷却素子120を支持している。

0059

対向部材130は、固定具ボルト)139が挿通される貫通孔130aを有している。貫通孔130aは、支持体20の固定孔23に対応する位置に設けられている。貫通孔130aの内部には、雌ねじが形成されていてもよい。

0060

固定具139は、貫通孔130aに挿通されると共に、支持体20の固定孔23に挿通され、支持体20と対向部材130とを螺合している。例えば、図4に示すように、対向部材130側から固定具139を挿入して螺合する場合、支持体20の固定孔23の内部に雌ねじが形成されており、雄ねじである固定具139と固定孔23の内部の雌ねじとがかみ合って螺合する構成であるとよい。また、支持体20の第2主面20b側から固定具139を挿入して螺合する場合、対向部材130の貫通孔130aの内部に雌ねじが形成されており、雄ねじである固定具139と貫通孔130aの内部の雌ねじとがかみ合って螺合する構成であるとよい。これにより、熱電冷却素子120を支持体20と対向部材130との間に挟持し、容易に固定することができる。

0061

なお、固定具139により支持体20と対向部材130とを螺合する場合、締め付ける力で支持体20が変形してしまうことも想定される。このような場合、支持体20を補強するために、支持体20の第2主面20bに金属製の板材等の補強板を設けることとしてもよい。

0062

また、固定孔23や貫通孔130aの内部に雌ねじを設けることなく、別途ナットを用意し、当該ナットと固定具139とを用いて、支持体20と対向部材130とを螺合してもよい。

0063

対向部材130は、支持体20と共に熱電冷却素子120を挟持する基板131と、基板131に設けられた複数のフィン132と、を有するヒートシンクであると好ましい。これにより、熱電冷却素子120の発熱面120bを冷却し、熱電冷却素子120による光電子増倍管1の伝熱板12の冷却効果を高めることができる。

0064

送風機140は、対向部材130に対向する位置に設けられている。送風機140は、ヒートシンクである対向部材130に風Wを送り、対向部材130を空冷する。

0065

筐体150は、遮光性を有し、支持体20の溝22に嵌合している。筐体150が溝22に嵌合することで、筐体150と支持体20との接続面から測定装置100の内部に光が入りにくくなる。これにより、光電子増倍管1が検出するバックグラウンドの光量を低減しやすくなり、測定精度を高めることができる。

0066

制御部160は、例えば光電子増倍管1、温度センサ29、熱電冷却素子120、送風機140が接続されている。制御部160は、各構成から送られる信号や、不図示の外部入力手段から入力される指示に基づいて、各構成を制御する。

0067

例えば、制御部160は、温度センサ29から送られる信号に基づいて、伝熱板12が高温の時には、より冷却しやすいように、熱電冷却素子120や送風機140の動作を制御する。反対に、制御部160は、伝熱板12が低温の時には、冷却を抑えるように熱電冷却素子120や送風機140の動作を制御する。これにより、伝熱板12の温度に応じて、適切な温度管理が可能となる。

0068

また、制御部160は、光電子増倍管1から供給される電気信号に基づいて分析試料の量を算出し、表示部170に出力する。

0069

(製造用治具)
図5は、上述した光電子増倍管1を製造する際に用いる製造用治具50の説明図である。図5(a)は、製造用治具50の概略斜視図であり、図5(b)は、図5(a)の線分Vb−Vbにおける矢視断面図である。製造用治具50は、光電子増倍管1の支持体20の鋳型であり、支持体20と相補的な形状を呈している。

0070

図5(a)(b)に示すように、製造用治具50は、上方が開口した容器51と、容器51の開口した部分を閉じる蓋材52と、を有している。蓋材52は、光電子増倍管1の本体10が挿通可能な開口部521が設けられている。

0071

容器51と蓋材52とは、少なくとも蓋材52で容器51を閉じたとき、容器51と蓋材52とで囲まれる内部空間に面する表面が、「難接着材料」と呼ばれる材料で覆われている。製造が容易であることから、容器51と蓋材52とは、難接着材料を形成材料とすることが好ましい。

0072

ここで、「難接着材料」とは、表面エネルギーが低い材料、または表面活性が低い材料を指す。
本実施形態の容器51、蓋材52の形成材料として使用可能な難接着材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFAテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PVDFポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、POM(ポリアセタール),PA(ポリアミド),PC(ポリカーボネート),PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),PPS(ポリフェニレンサルファイド),PET(ポリエチレンテレフタレート),シリコーン樹脂を挙げることができる。

0073

容器51は、蓋材52で容器51を閉じたとき、容器51と蓋材52とで囲まれる内部空間に面する底面51aに凸部511を有している。凸部511は、略直方体状または角錐台状を呈している。また、凸部511から容器51の側壁の間には、凸部511と容器51の側壁とに両端が接する凸条部513が設けられている。

0074

凸部511は、蓋材52で容器51を閉じたときに、開口部521と平面的に重なる位置に設けられている。凸部511の形状は、支持体20の凹部21の形状に対応している。また、凸条部513の形状は、支持体20の溝25の形状に対応している。

0075

凸部511は、平面視形状が熱電冷却素子120と相似形となっている。また、凸部511の平面視面積は、熱電冷却素子120の平面視面積の同等以上となっている。凸部511の頂面511aは、平坦面となっている。

0076

容器51は、底面51aに複数の高さ制御部512を有している。高さ制御部512は、蓋材52で容器51を閉じたときに開口部521と平面的に重ならない位置に設けられている。高さ制御部512は、頂面512aで蓋材52を支持し、支持体20の厚みを規定する。高さ制御部512の高さHは、支持体20の厚みに対応している。

0077

高さ制御部512は、底面51aの各辺の中央に設けられた柱状の構造物である。高さ制御部512は、蓋材52で容器51を閉じたときに、蓋材52の容器51に面する第1面52aに当接し、内部空間の高さを制御する。

0078

高さ制御部512は、円柱状であるとより好ましい。高さ制御部512は、図1に示す支持体20の固定孔23と対応している。

0079

高さ制御部512は、中実であってもよいが、図5に示すように、容器51の底部の裏面51bから高さ制御部512の頂面512aまで貫通する貫通孔512bを有すると好ましい。貫通孔512bの内部には、雌ねじが形成されていると好ましい。

0080

蓋材52の第1面52aには、閉環状の凸条部52bが設けられている。凸条部52bは、蓋材52で容器51を閉じたときに高さ制御部512に干渉しない位置に設けられている。凸条部52bは、支持体20の溝22に対応している。

0081

図6〜8は、製造用治具50を用いた光電子増倍管1の製造工程を示す工程図である。図6〜8において、各図(a)は図5(a)に対応し、各図(b)は図5(b)に対応する。

0082

まず、図6(a)(b)に示すように、上述した第1硬化性樹脂を用いて予め封止材13の周囲に第1部材201を形成した本体10を、開口部521から挿入する。詳しくは、本体10を、伝熱板12の表面12aが凸部511の頂面511aに接するように凸部511に載置する。

0083

次いで、図7(a)(b)に示すように、開口部521から製造用治具50の内部空間に第2硬化性樹脂を流し込み、硬化させることで第2部材202を形成する。その際、載置した本体10が位置ズレしないように、別の治具で本体10と製造用治具50との相対位置を固定してもよい。

0084

次いで、図8(a)(b)に示すように、容器51の裏面51bから貫通孔512bに、ボルト59を挿入し、蓋材52をボルト59で押し上げる。これにより、容易に蓋材52を取り外すことができる。さらに、容器51から支持体20を取り出す。

0085

取り出した支持体20には、凸部511に対応する位置に凹部21が形成される。また、高さ制御部512に対応する位置に貫通孔である固定孔23が形成される。また、凸条部513に対応する位置に溝25が形成される。

0086

固定孔23の内部は、高さ制御部512の外側面の形状が転写され平滑な円筒形曲面であるため、必要に応じて雌ねじを形成してもよい。

0087

以上により、目的とする光電子増倍管1を製造することができる。

0088

製造用治具50の表面がテトラフルオロエチレン等の難接着材料を形成材料とすることで、製造用治具50の内部で第2硬化性樹脂を硬化させたとしても、第2硬化性樹脂が製造用治具50に強固に固定されることが無く、容易に取り外すことができる。

0089

なお、容器51から支持体20を取り出しやすくするために、容器51の側壁の少なくとも一部を取り外し可能としてもよい。

0090

以上のような構成の光電子増倍管1によれば、熱電冷却素子120を容易に取り付けることができる新規な構成の光電子増倍管となる。

0091

また、以上のような構成の測定装置100によれば、上述の光電子増倍管1を備えるため、熱電冷却素子120によるカソードの冷却が容易であり、ノイズの少ない高精度の測定が可能となる。

0092

また、以上のような構成の製造用治具50によれば、上述のような光電子増倍管1を容易に製造可能となる。

0093

なお、本実施形態においては、支持体20が凹部21を有することとしたが、これに限らない。凹部21がなくても、支持体20と対向部材130とで熱電冷却素子120を挟持することができ、熱電冷却素子120を容易に固定することができる。

0094

また、本実施形態においては、支持体20について第1硬化性樹脂を形成材料とする第1部材201と、第2硬化性樹脂を形成材料とする第2部材202とで構成することとしたが、これに限らない。支持体20を1種類の樹脂材料のみで形成することとしても構わない。

0095

また、本実施形態においては、支持体20に溝22を設け、溝22に筐体150を嵌合させることとしたが、溝22を形成しなくてもよい。

0096

また、本実施形態においては、支持体20に溝25を設けることとしたが、溝25を形成しなくてもよい。

0097

また、本実施形態においては、図6(a)(b)に示すように、光電子増倍管1を製造する際、製造用治具50の容器51を蓋材52で閉じた状態で、本体10を開口部521から挿入することとして説明したが、これに限らない。蓋材52を用いることなく容器51の凸部511の頂面511aに本体10を立て、第2硬化性樹脂を容器51の内部に充填した後に蓋材52をかぶせることとしてもよい。このような順で製造する場合、容器51の内部の隅々にまで第2硬化性樹脂を充填しやすい。

0098

以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。

0099

1…光電子増倍管、10…本体、51…容器、11…筒状部材、12…伝熱板、12a…表面、13…封止材、14a…カソード、20…支持体、20a…第1主面、20b…第2主面、21…凹部、21a,51a…底面、22…溝、23…固定孔、25…溝、29…温度センサ、50…製造用治具、51b…裏面、52…蓋材、100…測定装置、110…発光部、120…熱電冷却素子、130…対向部材、130a,512b…貫通孔、131…基板、132…フィン、201…第1部材、202…第2部材、511a,512a…頂面、511…凸部、512…高さ制御部、513…凸条部、521…開口部、L…光

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