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技術 数値制御装置

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 大高崇
出願日 2016年6月30日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-129662
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-005440
状態 特許登録済
技術分野 数値制御 工作機械の自動制御
主要キーワード 側支持台 軸方向角度 正負両側 原点角度 最終目標位置 選択軸 制御箱 単位位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

入力部に対する操作の停止に応じてサーボモータを短時間で停止できる数値制御装置を提供する。

解決手段

数値制御装置のCPUはハンドルに対する回転量の、所定周期毎の総量である回転総量を取得する(S67)。CPUは第n周期(nは整数)の間に取得した回転総量の絶対値が所定閾値よりも大きいか判定する(S69)。CPUは回転総量が所定閾値よりも大きいと判定した時(S69:YES)、回転総量に基づいて目標位置を特定する(S71)。A軸駆動制御部はA軸モータを目標位置迄回転する為のパルス信号を、第(n+1)周期の間に出力する。CPUは回転総量が所定閾値以下と判定した時、A軸駆動制御部はA軸モータの回転を停止する為の停止信号を第(n+1)周期の開始時に出力する(S75)。

概要

背景

特許文献1は、ステージを駆動するサーボモータを備えた工作機械数値制御装置を開示する。数値制御装置は、サーボモータを駆動する駆動制御部と、駆動制御部を制御する制御部を備える。制御部は、ステージを最終目標位置迄移動する為の複数の位置指令に対応する複数のポイント信号を、駆動制御部に順次出力する。駆動制御部は、各ポイント信号に応じてサーボモータを順次駆動する。ステージは、複数のポイント信号に応じたサーボモータの駆動が全て完了した時、最終目標位置に到達する。

ハンドルを備える手動パルス発生器を用いて工作機械を制御する技術が周知である。工作機械は、ハンドルの回転量を所定周期毎に蓄積する。工作機械は、蓄積した回転量に応じて目標位置を所定周期毎に更新する。制御部は、更新した目標位置迄ステージを移動する為のポイント信号を、所定周期で駆動制御部に出力する。

概要

入力部に対する操作の停止に応じてサーボモータを短時間で停止できる数値制御装置を提供する。数値制御装置のCPUはハンドルに対する回転量の、所定周期毎の総量である回転総量を取得する(S67)。CPUは第n周期(nは整数)の間に取得した回転総量の絶対値が所定閾値よりも大きいか判定する(S69)。CPUは回転総量が所定閾値よりも大きいと判定した時(S69:YES)、回転総量に基づいて目標位置を特定する(S71)。A軸駆動制御部はA軸モータを目標位置迄回転する為のパルス信号を、第(n+1)周期の間に出力する。CPUは回転総量が所定閾値以下と判定した時、A軸駆動制御部はA軸モータの回転を停止する為の停止信号を第(n+1)周期の開始時に出力する(S75)。

目的

本発明の目的は、入力部に対する操作の停止に応じてサーボモータを短時間で停止できる数値制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第一入力部に対する操作量の、所定周期毎の総量である操作総量を取得する第一取得手段と、前記第一取得手段によって第n周期(nは整数)の間に取得した前記操作総量が、所定閾値よりも大きいか判定する判定手段と、前記判定手段によって前記操作総量が前記所定閾値よりも大きいと判定した時、前記操作総量に基づいて目標位置を特定する第一特定手段と、ステージを移動する為のサーボモータを、前記第一特定手段によって特定した前記目標位置迄回転する為の第一駆動信号を、第(n+1)周期の間に出力する第一出力手段と、前記判定手段によって前記操作量が前記所定閾値以下と判定した時、前記サーボモータの回転を停止する為の停止信号を、第(n+1)周期の開始時に出力する第二出力手段とを備えたことを特徴とする数値制御装置

請求項2

前記第一特定手段は、第二入力部を介して設定する倍率と前記操作総量とを乗算した値に基づいて前記目標位置を特定し、前記第二出力手段によって前記停止信号を出力することに応じて停止した前記サーボモータの停止位置を取得する第二取得手段と、前記倍率に対応し且つ等間隔に配列する複数の単位位置のうち、前記第二取得手段によって取得した前記停止位置に近接する近接単位位置を特定する第二特定手段と、前記第二取得手段によって取得した前記停止位置から、前記第二特定手段によって特定した前記近接単位位置迄前記サーボモータを回転する為の第二駆動信号を、前記第二出力手段によって前記停止信号を出力した後に出力する第三出力手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。

請求項3

前記近接単位位置は、前記停止信号に応じて停止した前記サーボモータの位置に対し、停止前の回転方向と同一方向に前記サーボモータが回転した時に到達する位置であることを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。

請求項4

前記近接単位位置は、前記停止信号に応じて停止した前記サーボモータの位置に対し、停止前の回転方向と逆方向に前記サーボモータが回転した時に到達する位置であることを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。

請求項5

前記第一入力部は、回転操作可能なハンドルであり、前記操作量は、前記ハンドルの回転量であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の数値制御装置。

請求項6

前記所定閾値は0であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の数値制御装置。

技術分野

0001

本発明は数値制御装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1は、ステージを駆動するサーボモータを備えた工作機械と数値制御装置を開示する。数値制御装置は、サーボモータを駆動する駆動制御部と、駆動制御部を制御する制御部を備える。制御部は、ステージを最終目標位置迄移動する為の複数の位置指令に対応する複数のポイント信号を、駆動制御部に順次出力する。駆動制御部は、各ポイント信号に応じてサーボモータを順次駆動する。ステージは、複数のポイント信号に応じたサーボモータの駆動が全て完了した時、最終目標位置に到達する。

0003

ハンドルを備える手動パルス発生器を用いて工作機械を制御する技術が周知である。工作機械は、ハンドルの回転量を所定周期毎に蓄積する。工作機械は、蓄積した回転量に応じて目標位置を所定周期毎に更新する。制御部は、更新した目標位置迄ステージを移動する為のポイント信号を、所定周期で駆動制御部に出力する。

先行技術

0004

特開2014−106936号公報

発明が解決しようとする課題

0005

使用者は、ステージの移動を緊急停止する為にハンドルの回転を停止する時がある。該時、制御部は、ハンドルの回転停止に応じ、ハンドルの回転量0に応じたポイント信号を駆動制御部に出力する。しかし、ハンドルの回転を停止してから、制御部がハンドルの回転停止を検出する迄に、所定周期分の遅延が生じる時がある。又、駆動制御部は、制御部が出力したポイント信号を受けてからサーボモータの制御を開始する迄に、時間を要する時がある。故に、ハンドルの回転が停止してからサーボモータが回転停止する迄に、大きな遅延が生じる時がある。

0006

本発明の目的は、入力部に対する操作の停止に応じてサーボモータを短時間で停止できる数値制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る数値制御装置は、第一入力部に対する操作量の、所定周期毎の総量である操作総量を取得する第一取得手段と、前記第一取得手段によって第n周期(nは整数)の間に取得した前記操作総量が、所定閾値よりも大きいか判定する判定手段と、前記判定手段によって前記操作総量が前記所定閾値よりも大きいと判定した時、前記操作総量に基づいて目標位置を特定する第一特定手段と、ステージを移動する為のサーボモータを、前記第一特定手段によって特定した前記目標位置迄回転する為の第一駆動信号を、第(n+1)周期の間に出力する第一出力手段と、前記判定手段によって前記操作量が前記所定閾値以下と判定した時、前記サーボモータの回転を停止する為の停止信号を、第(n+1)周期の開始時に出力する第二出力手段とを備えている。

0008

上記の数値制御装置は、第n周期の間における第一入力部に対する操作総量が所定閾値よりも大きい時、操作総量に応じた目標位置を特定する。数値制御装置は、目標位置迄サーボモータを回転する為に、第一駆動信号を第(n+1)周期の間出力する。該時、サーボモータは、第(n+2)周期の開始時点から、第一駆動信号に応じた回転を開始する。一方、数値制御装置は、操作総量が所定閾値以下の時、停止信号を、第(n+1)周期の開始時に出力する。該時、サーボモータは、第(n+1)周期の開始時点で回転を停止する。故に、数値制御装置は、回転総量が所定閾値以下と判定した時に停止信号を即座に出力できる。従って、数値制御装置は、操作総量が所定閾値以下の時、サーボモータを短時間で停止できる。

0009

本発明において、前記第一特定手段は、第二入力部を介して設定する倍率と前記操作総量とを乗算した値に基づいて前記目標位置を特定し、前記第二出力手段によって前記停止信号を出力することに応じて停止した前記サーボモータの停止位置を取得する第二取得手段と、前記倍率に対応し且つ等間隔に配列する複数の単位位置のうち、前記第二取得手段によって取得した前記停止位置に近接する近接単位位置を特定する第二特定手段と、前記第二取得手段によって取得した前記停止位置から、前記第二特定手段によって特定した前記近接単位位置迄前記サーボモータを回転する為の第二駆動信号を、前記第二出力手段によって前記停止信号を出力した後に出力する第三出力手段とを備えてもよい。該時、数値制御装置は、停止信号に応じてサーボモータが停止した後、近接単位位置迄サーボモータを回転できる。

0010

本発明において、前記近接単位位置は、前記停止信号に応じて停止した前記サーボモータの位置に対し、停止前の回転方向と同一方向に前記サーボモータが回転した時に到達する位置であってもよい。該時、サーボモータの回転方向は、停止前と停止後とで一致する。故に、使用者は、停止後に手動パルス発生器を用いた段取り作業などを効率的に再開できる。

0011

本発明において、前記近接単位位置は、前記停止信号に応じて停止した前記サーボモータの位置に対し、停止前の回転方向と逆方向に前記サーボモータが回転した時に到達する位置であってもよい。該時、サーボモータ回転方向は、停止前と停止後とで相違する。故に、数値制御装置は、回転再開後のサーボモータの位置が、停止前のサーボモータの位置よりも先に進むことを抑制できる。

0012

本発明において、前記第一入力部は、回転操作可能なハンドルであり、前記操作量は、前記ハンドルの回転量であってもよい。該時、数値制御装置は、ハンドルの回転操作に応じてサーボモータの回転を制御できる。又、数値制御装置は、所定周期の間のハンドルの回転量が所定閾値以下の時、サーボモータの回転を停止できる。

0013

本発明において、前記所定閾値は0であってもよい。該時、数値制御装置は、所定周期の間で使用者が第一入力部を操作しない時、サーボモータの回転を停止できる。

図面の簡単な説明

0014

工作機械1の斜視図。
被削材支持装置8の斜視図。
数値制御装置40と工作機械1の電気的構成を示すブロック図。
軸モータ61の制御時期を示すタイミングチャート
A軸モータ65の制御時期を示すタイミングチャート。
回転量取得処理フローチャート
メイン処理のフローチャート。
A軸モータ65の制御時期を示すタイミングチャート。

実施例

0015

本発明の実施形態を図面を参照し説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。右方向、前方向、上方向は夫々、正方向であり、左方向、後方向、下方向は夫々、負方向である。図1に示す工作機械1は、被削材(図示略)の切削加工旋削加工ができる複合機である。

0016

<工作機械1の構造>
図1を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は基台2、Y軸移動機構(図示略)、X軸移動機構(図示略)、Z軸移動機構(図示略)、移動体15、立柱5、主軸ヘッド6、主軸(図示略)、被削材支持装置8、工具交換装置9、制御箱(図示略)、数値制御装置40(図3参照)等を備える。基台2は架台11、主軸基台12、右側基台13、左側基台14等を備える。架台11は前後方向に長い略直方体状構造体である。主軸基台12は前後方向に長い略直方体状に形成し、架台11上面後方に設ける。右側基台13は架台11上面右前方に設ける。左側基台14は架台11上面左前方に設ける。右側基台13と左側基台14は夫々、上面に被削材支持装置8を支持する。

0017

Y軸移動機構は主軸基台12上面に設け、Y軸モータ62(図3参照)等を備える。Y軸移動機構はY軸モータ62の駆動により、略平板状の移動体15をY軸方向に移動する。X軸移動機構は移動体15上面に設け、X軸モータ61(図3参照)等を備える。X軸移動機構はX軸モータ61の駆動により、立柱5をX軸方向に移動する。立柱5は、Y軸移動機構、移動体15、X軸移動機構により、基台2上をX軸方向とY軸方向に移動可能である。Z軸移動機構は立柱5前面に設け、Z軸モータ63(図3参照)等を備える。Z軸移動機構はZ軸モータ63の駆動により、主軸ヘッド6をZ軸方向に移動する。主軸(図示略)は主軸ヘッド6内部に設け、主軸下部に工具装着穴(図示略)を備える。工具装着穴は工具を装着する。故に、X軸移動機構、Y軸移動機構、Z軸移動機構は夫々、主軸に装着した工具に対して被削材を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動できる。主軸は主軸ヘッド6上部に設けた主軸モータ66(図3参照)で回転する。

0018

工具交換装置9は立柱5と主軸ヘッド6周囲を取り巻く略円環状である。工具交換装置9は主軸ヘッド6を昇降する間に、主軸に現在装着する工具を交換する。制御箱は工作機械1を覆うカバー(図示略)の外壁に取り付ける。数値制御装置40(図3参照)は制御箱の内側に格納する。数値制御装置40はNCプログラムに基づき工作機械1の動作を制御する。工作機械1を覆うカバーは外壁面操作盤10(図3参照)を備える。操作盤10は操作部18と表示部19を備える。操作部18は数値制御装置40の各種設定を行う。表示部19は各種画面、メッセージアラーム等を表示する。

0019

被削材支持装置8は右側基台13と左側基台14の上面に固定する。図2に示すように、被削材支持装置8はA軸台20、左側支持台27、右側駆動機構部28、回転台29、C軸駆動部50等を備える。A軸台20は台部21、右連結部22、左連結部23を備える。台部21は、A軸台20の傾斜角度が0度で上面が水平面となる平面視略長方形状の板状部である。右連結部22は台部21の右端部から右斜め上方に延び且つ右側駆動機構部28と回動可能に連結する。左連結部23は台部21の左端部から左斜め上方に延び且つ後述する左側支持台27と回動可能に連結する。左連結部23はその左端面から左方に突出する略円柱状の支軸31を有する。左側支持台27は支軸31を回転可能に支持する。左側支持台27の底部は、左側基台14(図1参照)の上面に固定する。

0020

右側駆動機構部28はA軸台20右側に位置する。右側駆動機構部28は内側に、右側支持台(図示略)、A軸モータ65(図3参照)等を格納する。右連結部22はその右端面から右方に突出する略円柱状の支軸(図示略)を有する。右側支持台は右連結部22の支軸を回転可能に支持する。右連結部22の支軸とA軸モータ65の出力軸は、互いに連結する。A軸モータ65の出力軸が回転すると、A軸台20はX軸方向に対して平行な支軸31を中心に、右連結部22と一体して回転する。A軸台20を回転する軸はA軸である。右側駆動機構部28は工具に対して被削材を、A軸を中心として回転できる。A軸台20はA軸回り任意角度傾くことで、主軸に装着する工具に対して被削材を任意方向傾けることができる。A軸を左側から見た時の時計回りの回転方向を正方向と称し、反時計回りの回転方向を負方向と称す。右側支持台の底部は、右側基台13(図1参照)の上面に固定する。

0021

回転台29は台部21上面略中央に回転可能に設ける。回転台29は円盤状に形成し、A軸台20上面略中央に設ける。C軸駆動部50は台部21下面に設け且つ台部21の略中央に設けた穴(図示略)を介して回転台29と連結する。C軸駆動部50は内部に回転軸(図示略)、C軸モータ64(図3参照)等を備える。回転軸は回転台29に対して直交する方向に延びる。回転軸は回転台29に固定する。C軸モータ64は回転軸に固定する。故に、C軸モータ64が回転軸を回転すると、回転台29はZ軸方向に平行な軸を中心に回転可能である。回転台29を回転する軸はC軸である。回転台29上面の冶具200は、被削材を固定する。C軸駆動部50は工具に対して被削材を、C軸を中心として回転できる。C軸を上側から見た時の時計回りの回転方向を正方向と称し、反時計回りの回転方向を負方向と称す。

0022

<手動パルス発生器16の構造>
図1に示すように、手動パルス発生器16は数値制御装置40(図3参照)に接続する。手動パルス発生器16は倍率スイッチ16A、軸スイッチ16B、ハンドル16Cを備える。倍率スイッチ16Aと軸スイッチ16Bは夫々、ダイヤル式のスイッチである。倍率スイッチ16Aは倍率として、×1、×10、×100の何れかを選択できる。×1、×10、×100は夫々、1倍、10倍、100倍の倍率に対応する。以下、倍率スイッチ16Aにより選択した倍率を、選択倍率と称す。

0023

軸スイッチ16Bは軸として、OFF、X、Y、Z、4の何れかを選択できる。OFFは、何れの軸も選択しないことに対応する。言い換えれば、OFFは後述するハンドル16Cの操作が無効であることに対応する。X、Y、Zは夫々、X軸、Y軸、Z軸に対応する。4は、表示部19(図3参照)がA軸を示す情報(以下、A軸情報と称す。)を表示する時、A軸に対応し、C軸を示す情報(以下、C軸情報と称す。)を表示する時、C軸に対応する。以下、軸スイッチ16Bにより選択した軸を選択軸と称す。表示部19がA軸情報を表示し且つ軸スイッチ16Bが4を選択した時、選択軸はA軸である。表示部19がC軸情報を表示し且つ軸スイッチ16Bが4を選択した時、選択軸はC軸である。

0024

ハンドル16Cは所定角度分ずつ左右両側に回転できるダイヤル式のハンドルである。以下、ハンドル16Cの正面視で時計回りの回転方向を正方向と称し、反時計回りの回転方向を負方向と称す。手動パルス発生器16はハンドル16Cが所定角度分回転する毎に、数値制御装置40に回転量を出力できる。回転量はハンドル16Cが正方向に所定角度回転した時、正の値+1となり、ハンドル16Cが負方向に所定角度回転した時、負の値−1となる。

0025

工作機械1は使用者が手動パルス発生器16を使用した時、工具に対して被削材を移動する。例えば被削材は、選択軸がX軸、Y軸、Z軸の何れか且つハンドル16Cが正方向に回転した時、選択軸に沿って正方向に移動する。被削材の移動距離は、回転量の総量をN(Nは整数)と表記する時、
N×単位長さ×選択倍率・・・(第一式
である。単位長さは0.001mmである。以下、第一式により算出する距離を換算距離と称す。例えば換算距離は、Nが+1、選択倍率が×1の時、+0.001mmである。つまり、被削材は使用者が手動パルス発生器16のハンドル16Cを正方向に所定角度×1分回転した時、選択軸に沿って正方向に0.001mm移動する。例えば換算距離は、Nが−2、選択倍率が×100の時、−0.2mmである。つまり、被削材は使用者が手動パルス発生器16のハンドル16Cを負方向に所定角度×2分回転した時、選択軸に沿って負方向に0.2mm移動する。

0026

例えば被削材は、選択軸がA軸且つハンドル16Cが正方向に回転した時、A軸を中心として正方向に回転する。該時、被削材の回転角度は、回転量の総量がNの時、
N×単位角度×選択倍率・・・(第二式)
である。単位角度は0.001度である。以下、第二式により算出する角度を換算角度と称す。例えば換算角度は、Nが+1、選択倍率が×1の時、+0.001度である。つまり、被削材は使用者が手動パルス発生器16のハンドル16Cを正方向に所定角度×1分回転した時、A軸を中心として正方向に0.001度回転する。例えば換算角度は、Nが−2、選択倍率が×10の時、−0.02度である。つまり、被削材は使用者が手動パルス発生器16のハンドル16Cを負方向に所定角度×2分回転した時、A軸を中心として負方向に0.02度回転する。

0027

例えば被削材は、選択軸がC軸且つハンドル16Cが正方向又は負方向に回転した時、C軸を中心として正方向又は負方向に換算角度分回転する。換算角度の算出式は第二式であり、選択軸がA軸の時と同一である。

0028

<電気的構成>
図3を参照して数値制御装置40と工作機械1の電気的構成を説明する。数値制御装置40はCPU41、ROM42、RAM43、フラッシュメモリ44、入出力部45、通信インタフェース(I/F)46、駆動回路51〜54、56、A軸駆動制御部55を備える。工作機械1はX軸モータ61、Y軸モータ62、Z軸モータ63、C軸モータ64、A軸モータ65、主軸モータ66、エンコーダ71〜76を備える。

0029

CPU41は工作機械1の動作を制御する。ROM42は後述する回転量取得処理(図6参照)、メイン処理(図7参照)を実行する為の制御プログラム等を記憶する。RAM43は各種処理実行中に発生する各種データを記憶する。RAM43はX軸方向位置、Y軸方向位置、Z軸方向位置を記憶する。X軸方向位置、Y軸方向位置、Z軸方向位置は夫々、所定の原点位置を基準とした時の被削材のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置を示す。RAM43は、A軸方向角度、C軸方向角度を記憶する。A軸方向角度、C軸方向角度は夫々、所定の原点角度を基準とした時の被削材のA軸、C軸を回転軸とした角度を示す。フラッシュメモリ44はNCプログラム等を記憶する。入出力部45は駆動回路51〜54、56、エンコーダ71〜76、操作部18、表示部19、手動パルス発生器16との間で各種信号の入出力を行う。通信I/F46はA軸駆動制御部55との間で各種信号の入出力を行う。

0030

駆動回路51はCPU41が出力するパルス信号(後述)を、X軸モータ61に出力する。エンコーダ71はX軸モータ61の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。駆動回路52はCPU41が出力するパルス信号を、Y軸モータ62に出力する。エンコーダ72はY軸モータ62の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。駆動回路53はCPU41が出力するパルス信号を、Z軸モータ63に出力する。エンコーダ73はZ軸モータ63の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。駆動回路54はCPU41が出力するパルス信号を、C軸モータ64に出力する。エンコーダ74はC軸モータ64の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。駆動回路56はCPU41が出力するパルス信号を、主軸モータ66に出力する。エンコーダ76は主軸モータ66の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。A軸駆動制御部55はCPU41が出力するパルス信号を、A軸モータ65に出力する。エンコーダ75はA軸モータ65の回転位置を検出し、該検出信号を入出力部45に出力する。

0031

駆動回路51〜54とA軸駆動制御部55は、モータ61〜65に対するパルス信号の出力に要する時間が互いに相違する。A軸駆動制御部55がパルス信号をA軸モータ65に出力する為に必要な時間は、駆動回路51〜54がパルス信号をモータ61〜64に出力する為に必要な時間よりも長い。

0032

モータ61〜66は何れもサーボモータである。エンコーダ71〜76は一般的な絶対値エンコーダであり、回転位置の絶対位置を検出して出力する位置センサである。

0033

<手動パルス発生器16使用時の動作タイミング(モータ61〜64)>
図4を参照し、使用者が手動パルス発生器16を用いて工作機械1を制御する時のモータ61〜64の動作タイミングを説明する。駆動回路51〜54がパルス信号をモータ61〜64に出力する為に必要な時間を、t(ms)とする。CPU41は手動パルス発生器16の倍率スイッチ16Aの状態に基づき、選択倍率を取得する。CPU41は表示部19の表示内容と手動パルス発生器16の軸スイッチ16Bの状態に基づき、選択軸を取得する。以下では、使用者が軸スイッチ16BによりX軸を選択軸として選択した時を例示する。使用者は手動パルス発生器16のハンドル16Cを、時間0tから32t迄等速で正方向に回転し、時間32tでハンドル16Cの回転を停止する。

0034

CPU41はハンドル16Cが所定角度分回転する毎に、手動パルス発生器16から回転量を取得する(P11)。CPU41は周期tの間の回転量の総量(以下、回転総量と称す。)を繰り返し算出する。具体的には、CPU41は時間n×t(nは整数)から時間(n+1)×t迄の周期t(以下、第n周期と称す。)の間に取得したハンドル16Cの回転総量rを、第n周期の終了時点で算出する。CPU41は算出した回転総量r、選択倍率に基づき、第一式を適用して換算距離を算出する。
換算距離 = 回転総量r×単位長さ(0.001mm)×選択倍率
CPU41はRAM43に記憶したX軸方向位置に換算距離を加算し、X軸方向位置を更新する。CPU41は、原点位置から更新後のX軸方向位置迄被削材が移動した時のX軸モータ61の回転位置を、X軸モータ61の目標位置として特定する。

0035

CPU41は特定した目標位置を示すパルス信号を、入出力部45を介して駆動回路51に出力する(P12)。駆動回路51はX軸モータ61が目標位置迄回転する為のパルス信号を、X軸モータ61に出力する(P13)。前述のように、駆動回路51がパルス信号をX軸モータ61に出力する為に必要な時間は、tである。つまり、駆動回路51は第n周期の回転総量rに基づくパルス信号を、次の第(n+1)周期の間にX軸モータ61に出力する。X軸モータ61はパルス信号を全て入力した後、該パルス信号に応じた回転を開始する。X軸モータ61はパルス信号に基づき、所定の回転速度vで目標位置迄回転する。

0036

上記のように、X軸モータ61は第n周期の回転総量rに応じた回転を、第(n+1)周期の終了時点から開始する。故に、CPU41がパルス信号を駆動回路51に出力してから、X軸モータ61が該パルス信号に応じた回転を開始する迄に、周期t分の遅延が生じる。このため例えば、ハンドル16Cの回転開始直後の第0周期(時間0t〜1t)の回転総量r(P14)に応じてX軸モータ61が開始を回転する時期は、時間2tとなる(P15)。

0037

CPU41はハンドル16Cの回転が時間32tで停止した時、第32周期(時間32t〜33t)の間の回転総量として0を、第32周期の終了時点で算出する。取得した回転総量0に基づき第一式を適用して算出する換算距離は、0である(P16)。該時、RAM43に記憶したX軸方向位置に換算距離を加算しても、X軸方向位置は変化しない。故に、更新後のX軸方向位置に基づいて特定するX軸モータ61の目標位置も変化しない。

0038

駆動回路51は該目標位置迄X軸モータ61を回転する為のパルス信号を、第33周期(時間33t〜34t)の間にX軸モータ61に出力する。X軸モータ61は入力したパルス信号に対応する目標位置が変化しない為、目標位置迄回転した時回転を停止する(P17)。図4において、X軸モータ61は時間34tで回転を停止する。つまり、ハンドル16Cの回転が停止した時間32tから、X軸モータ61が回転を停止する時間34t迄、時間2t分遅延する。

0039

尚、詳細説明は省略するが、CPU41は使用者が軸スイッチ16BによりY軸、Z軸を選択軸として選択した時、上記と同じ方法で換算距離を算出する。CPU41は算出した換算距離を、RAM43に記憶したY軸方向位置、Z軸方向位置に夫々加算し、Y軸方向位置、Z軸方向位置を夫々更新する。CPU41は更新後のY軸方向位置、Z軸方向位置迄被削材を移動した時のY軸モータ62、Z軸モータ63の回転位置を、Y軸モータ62、Z軸モータ63の目標位置として夫々特定する。CPU41は特定した目標位置に基づき、パルス信号を駆動回路52、53に出力する。

0040

CPU41は使用者が軸スイッチ16BによりC軸を選択軸として選択した時、取得した回転総量r、選択倍率に基づき、第二式を適用して換算角度を算出する。
換算角度 = 回転総量r×単位角度(0.001度)×選択倍率
CPU41はRAM43に記憶したC軸方向角度に換算角度を加算し、C軸方向角度を更新する。CPU41は、原点角度から更新後のC軸方向角度迄被削材が回転した時のC軸モータ64の回転位置を、C軸モータ64の目標位置として特定する。CPU41は特定した目標位置に基づき、パルス信号を駆動回路54に出力する。

0041

<手動パルス発生器16使用時の動作タイミング(A軸モータ65)>
図5を参照し、CPU41が駆動回路51〜54に対する制御と同じ方法でA軸駆動制御部55を制御したと仮定し、A軸モータ65の動作タイミングを説明する。A軸駆動制御部55がパルス信号をA軸モータ65に出力する為に必要な時間を、駆動回路51〜54にて必要な時間t(図4参照)よりも長い8tとする。使用者は軸スイッチ16BによりA軸を選択軸として選択する。図4と同様、使用者は手動パルス発生器16のハンドル16Cを、時間0tから32t迄等速で正方向に回転し、時間32tでハンドル16Cの回転を停止する。

0042

CPU41はハンドル16Cが所定角度分回転する毎に、手動パルス発生器16から回転量を取得する(P21)。CPU41は時間n×8tから時間(n+1)×8t迄の周期8t(第n周期)の間に取得したハンドル16Cの回転総量8rを、第n周期の終了時点で算出する。CPU41は算出した回転総量8r、選択倍率に基づき、第二式を適用して換算角度を算出する。CPU41はRAM43に記憶したA軸方向角度に換算角度を加算し、A軸方向角度を更新する。CPU41は、原点角度から更新後のA軸方向角度迄被削材が回転した時のA軸モータ65の回転位置を、A軸モータ65の目標位置として特定する。

0043

CPU41は特定した目標位置に基づき、通信I/F46を介してパルス信号をA軸駆動制御部55に出力する(P22)。A軸駆動制御部55はA軸モータ65が目標位置迄回転する為のパルス信号を、A軸モータ65に出力する(P23)。つまり、A軸駆動制御部55は第n周期の回転総量8rに基づくパルス信号を、次の第(n+1)周期の間にA軸モータ65に出力する。A軸モータ65はパルス信号を全て入力した後、パルス信号に応じた回転を開始する。故に、CPU41がパルス信号をA軸駆動制御部55に出力してから、A軸モータ65が回転を開始する迄に、周期8t分の遅延が生じる。このため例えば、ハンドル16Cの回転開始直後の第0周期(時間0t〜8t)の回転総量8r(P24)に対応する回転をA軸モータ65が開始する時期は、時間16tとなる(P25)。

0044

CPU41はハンドル16Cの回転が時間32tで停止した時、第4周期(時間32t〜40t)の間の回転総量として0を、第4周期の終了時点で算出する。取得した回転総量0に基づき第二式を適用して算出する換算角度は、0である(P26)。該時、RAM43に記憶したA軸方向角度に換算角度を加算しても、A軸方向角度は変化しない。故に、更新後のA軸方向角度に基づいて特定するA軸モータ65の目標位置も変化しない。

0045

CPU41は該目標位置を示すパルス信号を、A軸駆動制御部55に出力する。A軸駆動制御部55は該目標位置迄A軸モータ65を回転する為のパルス信号を、第5周期(時間40t〜48t)の間にA軸モータ65に出力する。A軸モータ65は入力したパルス信号に対応する目標位置が変化しない為、目標位置迄回転した時回転を停止する。図5において、X軸モータは時間48tで回転を停止する(P27)。つまり、ハンドル16Cの回転が停止した時間32tから、A軸モータ65が回転を停止する時間48t迄、時間16t分遅延する。このように、A軸モータ65の回転停止迄の遅延は、モータ61〜64の回転停止迄の時間2t(図4参照)に比べて大きくなる。

0046

CPU41は本実施形態において、上記の遅延を小さくする為、回転量取得処理(図6参照)、メイン処理(図7参照)を実行する。CPU41は数値制御装置40の電源投入するに応じ、ROM42に記憶したプログラムを実行する。これにより、CPU41は回転量取得処理、メイン処理を開始する。

0047

<回転量取得処理>
図6を参照し回転量取得処理を説明する。CPU41は手動パルス発生器16のハンドル16Cが所定角度回転したか判定する(S51)。CPU41は手動パルス発生器16が回転量を出力していない時、ハンドル16Cが所定角度回転していないと判定する(S51:NO)。CPU41は処理をS51に戻す。CPU41は手動パルス発生器16が回転量を出力したと判定した時(S51:YES)、処理をS53に進める。CPU41は手動パルス発生器16が出力した回転量を取得する(S53)。CPU41は取得した回転量を、RAM43に記憶する。CPU41は処理をS51に戻す。

0048

図7を参照しメイン処理を説明する。CPU41は軸スイッチ16Bにより選択した選択軸を取得する。CPU41は取得した選択軸がOFFの時、手動パルス発生器16による制御を行わない動作モード(以下、通常モードと称す。)と判定する(S61:NO)。該時、CPU41は処理をS61に戻す。CPU41は取得した選択軸がOFF以外の時、手動パルス発生器16による制御を行う動作モード(以下、ハンドルモードと称す。)と判定する(S61:YES)。該時、CPU41は処理をS63に進める。CPU41は選択軸がA軸であるか判定する(S63)。CPU41は選択軸がA軸以外と判定した時(S63:NO)、図4を参照して説明した処理(P11、P12、P14、P16等)を実行する。CPU41は処理をS61に戻す。尚、図4を参照して説明した処理は従来の処理と同様(回転総量に基づき、パルス信号を出力する)である為、図7に図示していない。CPU41は選択軸がA軸と判定した時(S63:YES)、処理をS65に進める。

0049

CPU41は時間8tの周期が到来したか判定する(S65)。CPU41は時間8tの周期が到来していないと判定した時(S65:NO)、処理をS61に戻す。CPU41は、時間8tの周期が到来したと判定した時(S65:YES)、処理をS67に進める。CP41はRAM43に記憶した回転量の総量を、回転総量として算出する(S67)。CPU41は回転総量の算出後、RAM43に記憶した回転量を削除する。これによりCPU41は、第n周期の間に取得したハンドル16Cの回転総量8rを、第n周期の終了時点で算出する。

0050

CPU41は第n周期でハンドル16Cが回転したかを、算出した回転総量に基づいて判定する(S69)。CPU41は算出した回転総量の絶対値が0より大きい時、第n周期でハンドル16Cが回転したと判定する(S69:YES)。該時、CPU41は処理をS71に進める。CPU41は倍率スイッチ16Aにより選択した選択倍率を取得する。CPU41は算出した回転総量、取得した選択倍率、単位角度に基づき、第二式を適用して換算角度を特定する。CPU41はRAM43に記憶したA軸方向角度に換算角度を加算し、A軸方向角度を更新する。CPU41は、原点角度から更新後のA軸方向角度迄被削材が回転した時のA軸モータ65の回転位置を、A軸モータ65の目標位置として特定する(S71)。CPU41は特定した目標位置に応じたパルス信号を、A軸駆動制御部55に出力する(S73)。CPU41は処理をS61に戻す。

0051

図8に示すように、CPU41は上記処理を周期8tで繰り返した時、ハンドル16Cが所定角度分回転する毎に、手動パルス発生器16から回転量を取得する(P31、図6参照)。CPU41は時間n×8tから(n+1)×8t迄の周期8t(第n周期)の間に取得したハンドル16Cの回転総量8rを、第n周期の終了時点で算出する(S67(図7参照))。CPU41は算出した回転総量8r、選択軸、選択倍率に基づき、第二式を適用して換算角度を算出する。CPU41は算出した換算角度に基づき、A軸モータ65の目標位置を特定する(S71(図7参照))。CPU41は特定した目標位置に応じたパルス信号を、通信I/F46を介してA軸駆動制御部55に出力する(P32、S73(図7参照))。

0052

A軸駆動制御部55はA軸モータ65が目標位置迄回転する為パルス信号を、A軸モータ65に出力する(P33)。図5の時と同様、A軸駆動制御部55は第n周期の回転総量8rに基づくパルス信号を、次の第(n+1)周期の間にA軸モータ65に出力する。故に、CPU41がパルス信号をA軸駆動制御部55に出力してから(P34)、A軸モータ65が該パルス信号に応じた回転を開始する(P35)迄に、周期8t分の遅延が生じる。

0053

図7に示すように、CPU41は算出した回転総量の絶対値が0の時、第n周期でハンドル16Cが所定角度以上回転していないと判定する(S69:NO)。該時、CPU41は処理をS75に進める。CPU41はA軸モータ65の回転を停止する停止信号を、A軸駆動制御部55に出力する(S75)。

0054

図8に示すように、CPU41は時間t40で停止信号をA軸駆動制御部55に出力した時(P36)、A軸駆動制御部55は停止信号を、時間t40でA軸モータ65に出力する(P37)。つまり、第4周期(時間t32〜t40)の終了時、言い換えれば、次の第5周期(時間t40〜t48)の開始時にCPU41が出力した停止信号(P36)は、略同時期にA軸駆動制御部55からA軸モータ65に出力する(P37)。A軸モータ65はA軸駆動制御部55が出力した停止信号を検出した時、A軸モータ65の回転を停止する(P38)。故に、CPU41が停止信号をA軸駆動制御部55に出力してから、A軸モータ65が回転を停止する迄の遅延は略0になる(P36、P37、P38参照)。該時、ハンドル16Cの回転が停止した時間32tから、A軸モータ65が回転を停止する時間40t迄、時間8t分遅延する。このように、A軸モータ65の回転停止迄の遅延は、CPU41が停止信号を出力しない図5の時の遅延時間16tと比べて、小さくなる。

0055

図7に示すように、CPU41はA軸駆動制御部55に停止信号を出力した(S75)後、停止したA軸モータ65の回転位置(以下、停止位置と称す。)を、エンコーダ75を介して取得する(S77)。CPU41は原点角度におけるA軸モータ65の回転位置(以下、基準位置と称す。)を基準としてA軸モータ65が単位角度分ずつ回転したときの夫々の回転位置(以下、単位位置と称す。)を特定する。単位角度は、選択倍率と単位角度を乗算した値である。複数の単位位置は夫々、基準位置に対して等間隔に配列される。

0056

例えば図8に示すように、選択倍率が×100の時、複数の単位位置は夫々、A軸モータ65が基準位置(原点角度0度)から正負両側に0.1度(=0.001度×100倍)ずつ回転した時の回転位置(±0.1度、±0.2度、±0.3度・・・)に対応する。尚、図8では、説明を容易とする為、A軸モータ65により回転するA軸台20を図示してA軸モータ65の回転位置を説明する。

0057

図7に示すように、CPU41はハンドル16Cの正方向の回転が停止した時、複数の単位位置のうち停止位置に対して正方向に最も近接する単位位置を、近接単位位置として特定する(S79)。CPU41はハンドル16Cの負方向の回転が停止した時、複数の単位位置のうち停止位置に対して負方向に最も近接する単位位置を、近接単位位置として特定する(S79)。つまり、CPU41は複数の単位位置のうち、停止前のA軸モータ65の回転方向と同一方向にA軸モータ65が回転したときに到達する最も近い位置を、近接単位位置として特定する。CPU41は停止位置から近接単位位置迄A軸モータ65を回転する為に、近接単位位置を示すパルス信号をA軸駆動制御部55に出力する(S81)。CPU41は処理をS61に戻す。

0058

図8において、ハンドル16Cの回転に応じてA軸モータ65が原点角度(P51)から停止位置0.18度(P52)迄正方向に回転し、停止位置(P52)で停止信号によりA軸モータ65が回転を停止した時を例示する。選択倍率は×100とする。該時、CPU41は複数の単位位置(±0.1度、±0.2度、±0.3度・・・)のうち停止位置0.18度から正方向に近接する単位位置0.2度を、近接単位位置として特定する(S79)。CPU41は近接単位位置を示すパルス信号を、時間t42にA軸駆動制御部55に出力する(P39、S81(図7参照))。該時、A軸駆動制御部55はA軸モータ65が停止位置0.18度から近接単位位置0.2度迄正方向に回転する為のパルス信号を、周期8t(時間42t〜50t)の間にA軸モータ65に出力する(P40)。A軸モータ65はパルス信号を全て入力した後、該パルス信号に応じた回転を開始する(P41)。A軸モータ65は近接単位位置0.2度(P53)迄正方向に0.02度回転し、回転を停止する(P42)。

0059

<本実施形態の主たる作用、効果>
数値制御装置40のCPU41は第n周期の間における手動パルス発生器16のハンドル16Cに対する回転総量の絶対値が0より大きい時(S69:YES)、回転総量に応じた目標位置を特定する(S71)。CPU41は目標位置に応じたパルス信号を、A軸駆動制御部55に出力する(S73、P32)。A軸駆動制御部55は目標位置迄A軸モータ65を回転する為にパルス信号を第(n+1)周期の間出力する(P33)。A軸モータ65は第(n+2)周期の開始時点から、該パルス信号に応じた回転を開始する(P35)。CPU41は、操作総量の絶対値が0以下の時(S69:NO)、第(n+1)周期の開始時に停止信号をA軸駆動制御部55に出力する(S75、P36)。A軸駆動制御部55は停止信号に応じ、A軸モータ65の回転を第(n+1)周期の開始時点で停止する(P37、P38)。故に、数値制御装置40は、ハンドル16Cの回転が停止した時にA軸モータ65を短時間で停止できる。

0060

使用者はハンドル16Cの回転を停止した時、倍率スイッチ16Aで設定した選択倍率に応じた複数の単位位置の何れかでA軸モータ65が停止することを所望する。複数の単位位置の何れかでA軸モータ65が停止しない時、使用者は最終的に複数の単位位置の何れか迄A軸モータ65を回転する為に倍率スイッチ16Aを再設定する必要がある。これに対し、CPU41はA軸駆動制御部55に停止信号を出力した(S75)後で停止位置を取得する(S77)。CPU41は複数の単位位置のうち停止位置に近接する位置を、近接単位位置として特定する(S79)。CPU41は停止位置から近接単位位置迄A軸モータ65を回転する為に、近接単位位置を示すパルス信号をA軸駆動制御部55に出力する(S81)。A軸モータ65は停止信号に応じて回転停止した後、近接単位位置迄回転する(P41)。該時、使用者はハンドル16Cの回転を再開して最終的に複数の単位位置の何れか迄A軸モータ65を回転する時、倍率スイッチ16Aの再設定が不要となる。故に、使用者は容易に作業を再開できる。

0061

CPU41は複数の単位位置のうち、停止前のA軸モータ65の回転方向と同一方向にA軸モータ65が回転したときに到達する最も近い位置を、近接単位位置として特定する(S79)。該時、A軸モータ65の回転方向は、停止前と停止後とで一致する。故に、使用者は停止後に手動パルス発生器を用いた段取り作業などを効率的に再開できる。

0062

手動パルス発生器16はダイヤル式のハンドル16Cを備える。該時、CPU41はハンドル16Cの回転操作に応じてモータ61〜65の回転を制御できる。又、CPU41は所定周期の間のハンドル16Cの回転総量の絶対値が0の時、モータ61〜65の回転を停止する。故に、CPU41は使用者がハンドル16Cの回転を停止した時、モータ61〜65の回転を停止できる。

0063

<変形例>
本発明は上記実施形態に限らない。駆動回路51〜54、A軸駆動制御部55が夫々モータ61〜65にパルス信号を送信する為に必要な時間t、8tは一例であり、他の値でもよい。CPU41はS67で算出した回転総量の絶対値が、0よりも大きい所定閾値(例えは、1、2等)よりも大きい時、第n周期でハンドル16Cが回転したと判定してもよい。

0064

数値制御装置40はモータ61〜65の少なくとも何れかを、A軸駆動制御部55と同じ方法で駆動する駆動制御部で駆動してもよい。該時、CPU41は該駆動制御部で駆動するモータ61〜65の何れかを、図7で示すメイン処理を実行することで制御してもよい。手動パルス発生器16はハンドル16Cの代わりに、ダイヤル式以外の入力機器を有してもよい。手動パルス発生器16は正方向と負方向に対応する2つのボタンを有してもよい。手動パルス発生器16は該ボタンの押下時間に応じた回転量を数値制御装置40に出力してもよい。CPU41が回転総量を算出する周期と、A軸駆動制御部55がA軸モータ65にパルス信号を出力する為に必要な時間は相違してもよい。

0065

選択倍率は常に所定倍率(例えば1倍)でもよい。該時、手動パルス発生器16は倍率スイッチ16Aを有さなくてもよい。CPU41は停止信号によるA軸モータ65の停止後、複数の単位位置のうち2番目、3番目に近い位置迄A軸モータ65を回転してもよい。つまり、停止信号により停止したA軸モータ65の回転を再開した時の最終的な回転位置は、複数の単位位置のうち停止状態のA軸モータ65の回転位置から最も近い単位位置でなくてもよい。

0066

CPU41は複数の単位位置のうち、A軸モータ65の停止前の回転方向と逆方向にA軸モータ65が回転したときに到達する最も近い位置を、近接単位位置として特定してもよい。該時、A軸モータ65の回転方向は、停止前と停止後とで相違する。CPU41は、回転再開後のA軸モータ65の位置が、停止前のA軸モータ65の位置よりも先に進むことを抑制できる。

0067

<その他>
手動パルス発生器16のハンドル16Cは本発明の第一入力部の一例である。手動パルス発生器16の倍率スイッチ16Aは本発明の第二入力部の一例である。ハンドル16Cの回転量は本発明の操作量の一例である。回転総量は本発明の操作総量の一例である。S65の処理を行うCPU41は本発明の第一取得手段の一例である。S69の処理を行うCPU41は本発明の判定処理の一例である。S71の処理を行うCPU41は本発明の第一特定手段の一例である。冶具200は本発明のステージの一例である。P33の処理を行うA軸駆動制御部55は本発明の第一出力手段の一例である。P37の処理を行うA軸駆動制御部55は本発明の第二出力手段の一例である。S77の処理を行うCPU41は本発明の第二取得手段の一例である。S79の処理を行うCPU41は本発明の第二特定手段の一例である。P40の処理を行うA軸駆動制御部55は本発明の第三出力手段の一例である。

0068

1 :工作機械
16 :手動パルス発生器
16A :倍率スイッチ
16B :軸スイッチ
16C :ハンドル
40 :数値制御装置
41 :CPU

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