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技術 遅れ時間算出プログラム、遅れ時間算出装置および遅れ時間算出方法

出願人 富士通株式会社
発明者 樋田祐輔
出願日 2016年6月28日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-127957
公開日 2018年1月11日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2018-005342
状態 特許登録済
技術分野 体積流量の測定(II);質量流量の測定 下水 複合演算
主要キーワード 下流地点 計算区間 流入時間 上流地点 地表面近傍 下流水位 入り口近傍 絶対値誤差
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

雨水の管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することを目的とする。

解決手段

遅れ時間算出プログラムは、上流地点水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成し、修正上流データおよび下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、修正上流データと下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出し、複数の対象時間幅ごとの遅れ時間の統計情報より、上流地点と下流地点との間の遅れ時間を特定する処理をコンピュータに実行させる。

概要

背景

降雨時に、地表の雨水は、下水道管を介して、排水処理施設まで流れる。近年、下水道管を介して、上流地点の雨水が排水処理施設等の下流地点に到達するまでの時間(遅れ時間)を算出する技術が用いられている。関連する技術として、例えば、以下の特許文献1の技術が提案されている。

概要

雨水の管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することを目的とする。遅れ時間算出プログラムは、上流地点の水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成し、修正上流データおよび下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、修正上流データと下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出し、複数の対象時間幅ごとの遅れ時間の統計情報より、上流地点と下流地点との間の遅れ時間を特定する処理をコンピュータに実行させる。

目的

本発明は、管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上流地点水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成し、前記修正上流データおよび前記下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出し、前記複数の対象時間幅ごとの前記遅れ時間の統計情報より、前記上流地点と前記下流地点との間の遅れ時間を特定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする遅れ時間算出プログラム

請求項2

前記遅れ時間を算出する処理において、前記下流水位データの時間軸上の位置を補正しながら、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関を計算する処理を所定回繰り返し行い、前記相関が極大となる遅れ時間を算出する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1記載の遅れ時間算出プログラム。

請求項3

前記遅れ時間を算出する処理において、前記上流地点から前記下流地点までの距離および流速により特定される前記複数の対象時間幅の範囲内において、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1または2記載の遅れ時間算出プログラム。

請求項4

前記遅れ時間を算出する処理において、前記流速を、前記上流地点と前記下流地点との間の管路勾配および径に基づいて算出する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項3記載の遅れ時間算出プログラム。

請求項5

前記遅れ時間を算出する処理において、前記修正上流データが前記降雨量データに基づき生成される場合に、前記複数の対象時間幅を、前記距離、前記流速および前記降雨量データにより特定する、処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項3または4記載の遅れ時間算出プログラム。

請求項6

上流地点の水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成する生成部と、前記修正上流データおよび前記下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出する算出部と、前記複数の対象時間幅ごとの前記遅れ時間の統計情報より、前記上流地点と前記下流地点との間の遅れ時間を特定する特定部と、を備えることを特徴とする遅れ時間算出装置

請求項7

上流地点の水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成し、前記修正上流データおよび前記下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出し、前記複数の対象時間幅ごとの前記遅れ時間の統計情報より、前記上流地点と前記下流地点との間の遅れ時間を特定する、処理をコンピュータが実行することを特徴とする遅れ時間算出方法

技術分野

0001

本発明は、遅れ時間算出プログラム、遅れ時間算出装置および遅れ時間算出方法に関する。

背景技術

0002

降雨時に、地表の雨水は、下水道管を介して、排水処理施設まで流れる。近年、下水道管を介して、上流地点の雨水が排水処理施設等の下流地点に到達するまでの時間(遅れ時間)を算出する技術が用いられている。関連する技術として、例えば、以下の特許文献1の技術が提案されている。

先行技術

0003

特開2015−25353号公報

発明が解決しようとする課題

0004

例えば、降雨強度は、時々刻々と変化する。そのため、下水道管等の管路への雨水の流入量が変化し、管路の水位が変化する。管路の水位が変化すると、該管路を流れる雨水の流速が変化する。管路を流れる雨水の流速が変化すると、管路の2地点間における雨水の流達時間(遅れ時間)は変化する。

0005

また、降雨量データは、高周波成分を多く含むため、該降雨量データの短時間の間における変動幅が大きくなる。このため、管路の2地点間におけるデータの相関関係を適切に計算することが難しい。以上のようなことから、管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することは難しい。

0006

1つの側面として、本発明は、管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

1つの態様では、遅れ時間算出プログラムは、上流地点の水位を示す上流水位データまたは降雨量データに対して、下流地点の水位を示す下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成し、前記修正上流データおよび前記下流水位データから、複数の相関取得の対象時間幅ごとに、前記修正上流データと前記下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出し、前記複数の対象時間幅ごとの前記遅れ時間の統計情報より、前記上流地点と前記下流地点との間の遅れ時間を特定する処理をコンピュータに実行させる。

発明の効果

0008

1つの側面によれば、管路の2地点間における遅れ時間を適切に算出することができる。

図面の簡単な説明

0009

実施形態のシステムの全体構成の一例を示す図である。
遅れ時間算出装置の一例を示す図である。
降雨量および下流水位の推移の一例を示す図である。
周波数のスペクトル強度の一例を示す図である。
フィルタ適用後の降雨量と下流水位の推移の一例を示す図である。
フィルタを適用しない場合における遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。
フィルタを適用した場合における遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。
下流水位および降雨量の推移の一例を示す図(その1)である。
下流水位および降雨量の推移の一例を示す図(その2)である。
下流水位および降雨量の推移の一例を示す図(その3)である。
補正時間における相関係数の推移の一例を示す図(その1)である。
各補正時間における相関係数の推移の一例を示す図(その2)である。
相関計算幅と相関係数が極大値となる遅れ時間との関係の一例を示す図である。
相関係数が極大値となる遅れ時間の頻度の一例を示す図である。
複数の相関計算幅を用いた場合の、遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。
相関計算幅と相関係数が極大値となる遅れ時間との関係の一例を示す図である。
相関係数が極大値となる遅れ時間の頻度の別の例を示す図である。
実測流入量予測流入量の一例を示す図である。
実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート(その1)である。
実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャート(その2)である。
遅れ時間算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。

実施例

0010

<実施形態のシステムの全体構成の一例>
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態のシステムの全体構成の一例を示す。

0011

図1の例に示されるように、降雨による雨水は、地表面の排出口(例えば、マンホール)を通って下水道管1に流入する。下水道管1に流入した雨水は、例えば下水道管1の下流にある排水処理施設1Aに流入する。排水処理施設1Aは、例えば、下水処理場ポンプ場等であってもよい。

0012

下水道管1は、雨水を上流から下流に流す管路の一例である。管路は、下水道管には限定されない。下水道管1は、所定の勾配地中に設置されており、下水道管1に流入した雨水は、自重により、下流側に向けて流れる。

0013

上流水位計2は、下水道管1の流入口近傍地表面近傍)に設置されており、下水道管1の水位を計測する。上流水位計2は、インターネット回線専用線等の通信回線により遅れ時間算出装置5に接続される。上流水位計2は、計測した水位を上流水位データとして遅れ時間算出装置5に送信する。なお、上流水位計2の設置位置は、下水道管1の入り口近傍には限定されない。

0014

降雨計3は、地表面に設置されており、降雨量を計測する。降雨計3は、インターネット回線や専用線等の通信回線により遅れ時間算出装置5に接続される。降雨計3は、計測した降雨量を降雨量データとして遅れ時間算出装置5に送信する。

0015

下流水位計4は、下水道管1の排出口近傍に設置されており、下水道管1の水位を計測する。下流水位計4は、インターネット回線や専用線等の通信回線により遅れ時間算出装置5に接続される。下流水位計4は、計測した水位を下流水位データとして遅れ時間算出装置5に送信する。

0016

以下、上流水位計2が設置される地点または降雨計3が設置される地点を上流地点、下流水位計4が設置される地点を下流地点と称することがある。上流水位計2または降雨計3のうち何れか一方が設置されていてもよい。

0017

遅れ時間算出装置5は、取得した降雨量データまたは上流水位データと、下流水位データとに基づいて、遅れ時間を算出する。遅れ時間算出装置5は、例えば、排水処理施設1A等に設置されてもよい。遅れ時間算出装置5は、コンピュータの一例である。

0018

遅れ時間は、降雨計3または上流水位計2に雨水が到達してから下流水位計4に雨水が到達するまでの時間である。遅れ時間には、雨水が降雨計から上流水位計までに達するのに要する時間である流入時間、雨水が上流水位計から下流水位計まで達するのに要する時間である流下時間、降雨計から下流水位計に達するまでの流達時間が関連する。

0019

<遅れ時間算出装置5の一例>
次に、遅れ時間算出装置5の一例について説明する。図2は、遅れ時間算出装置の一例を示す図である。遅れ時間算出装置5は、通信部11と制御部12と生成部13と算出部14と特定部15と記憶部16とを含む。

0020

通信部11は、上流水位計2または降雨計3と通信を行い、降雨量データまたは上流水位データを取得する。該通信部11は、降雨量データと上流水位データとの両者を取得してもよい。また、通信部11は、下流水位計4と通信を行い、下流水位データを取得する。

0021

制御部12は、遅れ時間算出装置5の各種の制御を行う。制御部12は、通信部11が取得した各種データを記憶部16に記憶する。通信部11が上流水位データと降雨量データとの両者を取得した場合、何れか一方のデータが用いられる。以下、降雨量データが用いられるものとして説明するが、上流水位データが用いられてもよい。

0022

生成部13は、上流水位データまたは降雨量データに対して、下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成する。

0023

該修正上流データは、上流データから高周波成分が除去されている。上記の所定の閾値は任意の値に設定されてよい。例えば、生成部13が用いるフィルタには平滑フィルタが適用されてもよい。

0024

図3は、降雨量および下流水位の推移の一例を示す図である。図3実線で示されるグラフは降雨量データを示し、破線で示されるグラフは下流水位データを示す。図3のグラフにおいて、降雨量データは、降雨量の時間的変化を示し、下流水位データは、下流水位の時間的変化を示す。

0025

図3の例に示されるように、降雨量は短時間の間に大きく変動することがある。降雨量データに含まれる周波数成分は、下流水位データに含まれる周波数成分よりも高い。一方、下流水位データは、下水道管1の下流地点の水位を示すデータであり、下流地点まで到達した雨水の流速は比較的安定している。従って、下流水位データは、降雨量データよりも変動が少ない。

0026

同様に、上流水位データも短時間の間に大きく変動することがある。一方、下流水位データは比較的安定する。従って、下流水位データは、上流水位データよりも変動が少ない。

0027

図4は、降雨量データおよび下流水位データの周波数のスペクトル強度の一例を示す図である。以下、周波数のスペクトル強度を単にスペクトル強度と称することがある。図4の例に示されるように、降雨量データのスペクトル強度は、下流水位データのスペクトル強度よりも大きい。

0028

生成部13は、降雨量データに対して、高周波成分を低減するフィルタを適用する。例えば、該フィルタには、ローパスフィルタ等の平滑化フィルタが適用されてもよい。

0029

生成部13が、降雨量データに対して、上述したフィルタを適用することで、降雨量データに含まれる高周波成分が除去され、スペクトル強度が低下する。生成部13は、降雨量データに含まれる周波数成分と下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値未満となるまで、降雨量データに対して繰り返し上述したフィルタを適用する。

0030

生成部13が、降雨量データに対して、上述したフィルタを適用するごとに、降雨量データに含まれる高周波成分が除去され、スペクトル強度が低下していく。これにより、降雨量データのスペクトル強度が、下流水位データのスペクトル強度に近づいていく。

0031

生成部13は、降雨量データに対して上述したフィルタを適用した結果、降雨量データに含まれる周波数成分と下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分が除去された修正降雨量データを生成する。修正降雨量データは、修正上流データの一例である。

0032

修正降雨量データは、変動量が大きい降雨量データ(つまり、高周波成分を含む降雨量データ)から高周波数成分が除去されたデータであり、該修正降雨量データは、変動量が少ない下流水位データに近づく。

0033

生成部13が、降雨量データに対して上述したフィルタを1回適用しただけで、降雨量データに含まれる周波数成分と下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値未満になる場合もある。この場合、降雨量データに対しては、1回だけ上述したフィルタが適用されてもよい。

0034

図5は、フィルタ適用後の降雨量と下流水位の推移の一例を示す図である。図5の例に示されるように、フィルタ適用後の降雨量データ(修正降雨量データ)は、図4の例に示されるフィルタ適用前の降雨量データと比べて高周波成分が低減されている。

0035

次に、降雨量データと下流水位データとの相関について説明する。以下、降雨量データと下流水位データとの相関を示す相関係数を、単に相関係数と記載することがある。

0036

図6は、フィルタを適用しない場合における遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。図7は、フィルタを適用した場合における遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。図6および図7は、相関係数を計算する対象時間幅として、15min、16min、17minを用いた場合の遅れ時間と相関係数との関係を示す。相関係数の算出は算出部14が行う。minは「分」を示す。

0037

図6および図7の例において、相関計算幅が15minのグラフは破線で示され、該相関計算幅が16minのグラフは一点鎖線で示され、該相関系計算幅が17minのグラフは実線で示される。

0038

降雨量データに含まれる周波数成分と下流水位データに含まれる周波数成分との差が大きい場合、降雨量データと下流水位データとの相関を示す相関係数に影響を与える度合いが大きくなる。

0039

このため、図6の例に示されるように、上述したフィルタが適用されることなく遅れ時間が算出された場合、相関係数のばらつきは大きくなる。この場合、相関計算幅によって、遅れ時間と相関係数のピークとの間のずれが大きくなり、相関係数がピークとなる遅れ時間を特定することが難しい。このため、適切な遅れ時間を特定することが難しくなる。

0040

一方、図7の例に示されるように、上述したフィルタが適用された修正降雨量データが用いられた場合、修正降雨量データから高周波成分が除去されているため、修正降雨量データと下流水位データとの相関を示す相関係数に与えられる影響の度合いが小さくなる。

0041

このため、相関計算幅によって、遅れ時間と相関係数との間のずれが小さくなり、相関係数がピークとなる遅れ時間を特定することが容易になる。これにより、適切な遅れ時間が特定される。

0042

次に、算出部14による遅れ時間の算出の一例について説明する。算出部14は、生成部13が生成した修正降雨量データを用いて、遅れ時間を算出する。生成部13は、上流水位データに対して上述したフィルタを適用した修正上流水位データを生成する場合もある。

0043

生成部13が上流水位データを生成した場合、算出部14は、修正上流水位データを用いて、遅れ時間を算出する。以下、修正降雨量データと修正上流水位データとを修正上流データと総称する。

0044

算出部14は、修正上流データおよび下流水位データから、複数の相関取得(相関計算)の対象時間幅ごとに、修正上流データと下流水位データとの相関が極大となる遅れ時間を算出する。

0045

相関取得の対象時間幅は、相関計算幅と称される。以下、図8図11を参照して、算出部14が行う遅れ時間の算出の一例について説明する。

0046

図8(A)〜(C)は、相関計算幅が70minであるときの、下流水位および降雨量の推移の一例を示す図である。図8図10において実線で示される矩形の枠は、相関計算幅を示す。破線で示されるグラフは、下流水位データを示し、実線で示されるグラフは、修正降雨量データを示す。

0047

図8(B)は、図8(A)における下流水位データ示すグラフが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。図8(C)は、図8(B)における下流水位データを示すグラフが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。

0048

図9(A)〜(C)は、相関計算幅が130minであるときの、下流水位および降雨量の推移の一例を示す図である。図9(B)は、図9(A)における下流水位データを示すグラフが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。図9(C)は、図9(B)における下流水位データを示すグラフが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。

0049

図10(A)〜(C)は、相関計算幅が190minであるときの、下流水位および降雨量の推移の一例を示す図である。図10(B)は、図10(A)における下流水位データを示すグラフが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。図10(C)は、図10(B)における下流水位データが時間軸上において負の方向に所定時間ずれた図である。

0050

図8図10では、算出部14は、3種類の相関時間幅(70min、130minおよび190min)を用いる。算出部14が用いる相関時間幅は3種類には限定されない。算出部14は、4種類以上の相関時間幅を用いて、相関係数の算出を行ってもよい。

0051

また、算出部14は、各相関計算幅において、下流水位データを時間軸上にずらす処理(時間補正)を行う。上記の場合、2回の時間補正が行われている。時間補正の回数は任意の回数であってよい。算出部14は、下流水位データに対する時間補正を、例えば1分間隔で所定回数行い、その都度、相関係数を計算してもよい。

0052

例えば、降雨計3または上流水位計2と下流水位計4との距離が離間するに応じて、遅れ時間は大きくなる。このため、算出部14は、多くの相関計算幅を用いて、且つ時間補正の回数を多くして、相関係数の算出を行ってもよい。これにより、多くのサンプル(相関係数)に基づいて、遅れ時間を算出することができ、遅れ時間の算出精度が向上する。

0053

算出部14は、相関計算幅を所定の時間範囲内で変化させる。以下、相関計算幅の所定時間範囲を相関計算幅区間と称する。例えば、算出部14は、相関計算幅を、相関幅計算区間内で、1分ずつ変化させてもよい。

0054

算出部14は、各相関計算幅において時間補正を行いながら、下流水位データと降雨量データとの相関係数を算出する。これにより、複数の相関計算幅のそれぞれにおいて、時間補正が行われながら、下流水位データと降雨量データとの相関係数が算出される。

0055

このため、複数の相関係数が得られる。相関幅計算区間は、例えば、規定流速に基づいて設定されてもよい。規定流速は、下水道管1に予め設定された流速であり、例えば、下水道管1を流れる雨水の流速の上限と下限とを規定する流速である。該規定流速に関する情報は、記憶部16に記憶されてもよい。

0056

上流地点と下流地点との間の距離(例えば、降雨計3と下流水位計4との間の距離)を規定流速で除算した時間を規定流達時間と称する。規定流達時間にも、規定流速に対応する上限と下限とがある。実施形態では、規定流達時間の上限と下限との間の範囲を上記の相関計算幅区間とする。

0057

記憶部16には、下水道管1の勾配に関する情報と該下水道管1の径に関する情報とが記憶されてもよい。この場合、算出部14は、記憶部16に記憶された勾配に関する情報と下水道管1の径に関する情報とを参照して、該勾配と該径とに基づいて、下水道管1を流れる雨水の流速の上限および下限を推定してもよい。

0058

例えば、下水道管1を流れる雨水の流速は、下水道管1の勾配が大きいほど速く、勾配が小さいほど遅い。また、下水道管1を流れる雨水の流速は、下水道管1の径が太いほど速く、径が細いほど遅い。

0059

この場合、規定流速に関する情報が記憶部16に記憶されていない場合でも、算出部14は、推定された流速の上限および下限と、上記の距離とに基づいて、上記の相関幅計算区間を算出してもよい。

0060

算出部14は、下水道管1の勾配と径と降雨量データとに基づいて流速を算出してもよい。降雨量の増加に応じて、下水道管1に対する圧力が高くなり、下水道管1を流れる雨水の流速が速くなるためである。同様の理由から、算出部14は、下水道管1の勾配と径と上流水位データとに基づいて流速を算出してもよい。

0061

算出部14は、複数の相関計算幅において、下流水位データの時間補正を行いながら、修正上流データと下流水位データとの相関係数が極大となる時間を算出する。図11の(A)〜(C)は、相関計算幅が5分、10分および15分の場合において、補正時間をずらしながら算出された相関係数のグラフを示す。

0062

また、図11の(A)〜(C)は、相関計算幅が20分、25分および30分の場合において、補正時間をずらしながら算出された相関係数のグラフを示す。横軸(補正時間)は、算出部14が下流水位データに対して行った時間補正の時間を示す。

0063

図11および図12のグラフにおいて、実線で示される矩形の枠は、補正時間区間を示す。補正時間区間は、例えば、上述した規定流速に基づいて定められる時間であってもよい。

0064

図11(A)〜(C)および図12(A)〜(C)の例に示されるように、相関計算幅が長くなるに応じて、グラフの波形はなだらかになる。これは、相関計算幅が長くなるに応じて、相関係数の推移が平均化されるためである。

0065

算出部14は、各相関計算幅について、補正時間区間の範囲内でグラフの相関係数が極大値となる時間を算出する。相関計算幅が10分の場合(図11(B)の場合)、グラフの相関係数が極大値となる時間は15分である。

0066

図11(B)のグラフにおいて、補正時間区間の範囲外でも、相関係数が極大値となる時間(=補正時間:46分)がある。ただし、下流水位データの補正時間が46分ということは、規定流速に基づいて定められる時間から外れていると考えられる。

0067

この場合、補正時間が46分というサンプルに基づいて得られる遅れ時間は適切な遅れ時間ではない可能性がある。そこで、算出部14は、規定流速に基づいて定められる補正時間区間の範囲内で、相関係数が極大値となる時間を算出する。

0068

図13は、相関計算幅と相関係数が極大値となる時間との関係の一例を示す図である。図14は、相関係数が極大値となる遅れ時間の頻度の一例を示す図である。図13の例に示されるように、相関係数が極大値となる遅れ時間は、相関計算幅が長くなるにつれて特定の値に収束する。

0069

図13に示される例では、相関係数が極大値となる遅れ時間は、13分に収束する。算出部14は、図13の例のグラフから、相関係数が極大となる時間の頻度を算出する。これにより、算出部14は、相関係数が極大値となる遅れ時間ごとの出現頻度を表すグラフを生成する。

0070

該グラフは、相関計算幅ごとの遅れ時間の統計情報の一例である。図14は、図13のグラフに基づいて得られる、上記の出現頻度を表す棒グラフの一例である。図14の棒グラフの例に示されるように、遅れ時間の出現頻度は13分が最も高い。

0071

特定部15は、図14に示される棒グラフから、上流地点から下流地点までの遅れ時間を特定する。つまり、特定部15は、相関計算幅ごとの遅れ時間の統計情報に基づいて、遅れ時間を特定する。図14の例の場合、特定部15は、13分を適切な遅れ時間として特定する。

0072

以上により、上流地点から下流地点までの適切な遅れ時間が得られる。ここで、算出部14が、相関計算幅を制約なく変化させて、相関係数を算出する場合を想定する。つまり、相関計算幅区間が設定されることなく、算出部14が相関係数を算出する場合を想定する。この場合、相関係数が極大値となる遅れ時間は、再び変動する可能性がある。

0073

図15は、複数の相関計算幅を用いた場合の、遅れ時間と相関係数との関係の一例を示す図である。図15の例における各データは相関計算幅が異なる。すなわち、相関計算幅が異なると相関係数がピークになる遅れ時間が異なる。

0074

図16は、相関計算幅と相関係数が極大値となる遅れ時間との関係の一例を示す図である。なお、図16に示される例は、図13に示される例とは異なるデータを用いた例である。

0075

図16の例において、Aで示される区間は、規定流達時間の上限と下限との範囲に対応する相関計算幅区間である。Bで示される区間は、相関計算幅区間より長い区間を相関計算幅とした区間である。Cで示される区間は、Bで示される区間よりも長い区間である。

0076

実施形態では、算出部14は、相関計算幅区間の範囲内で相関計算幅を変化させて、相関係数を算出する。従って、Aの区間の範囲内の相関係数が極大となる遅れ時間の統計情報に基づく遅れ時間が適切な遅れ時間である。

0077

図17(A)は、図16のAの区間における遅れ時間の出現頻度を示し、図17(B)は、Bの区間における遅れ時間の出現頻度を示し、図17(C)は、Cの区間における遅れ時間の出現頻度を示す。

0078

上述したように、Bの区間およびCの区間は、規定流達時間の上限と加減との範囲から外れるため、Bの区間およびCの区間まで相関計算幅を変化させて得られる遅れ時間は適切な遅れ時間ではない。

0079

Aの区間は、規定流達時間の上限と下限との範囲に対応する相関計算幅区間の範囲内で相関計算幅を変化させて得られる遅れ時間である。よって、該遅れ時間は、適切な遅れ時間である。図17(A)の例では、遅れ時間は6分であり、該遅れ時間は適切な遅れ時間である。

0080

図17(B)の例では、遅れ時間は16分であり、図17(C)の例では、遅れ時間は30分である。Bの区間およびCの区間は、規定流達時間の上限と加減との範囲から外れた範囲内で相関計算幅を変化させて得られる遅れ時間であるため、適切な遅れ時間ではない。

0081

図18は、実測流入量と予測流入量の一例を示す図である。図18の例に示される実測流入量と予測流入量は、下水道管1に接続される排水処理施設1Aに流入する雨水の流入量の実測値予測値とを示す。予測流入量は、適宜の計算に基づいて、算出されてもよい。

0082

図18(A)および図18(B)において、実測流入量は実線で示される。図18(A)において、破線で示される予測流入量は、遅れ時間算出装置5が算出した遅れ時間を用いることなく、算出された予測流入量である。

0083

図18(B)において、破線で示される予測流入量は、遅れ時間算出装置5が算出した遅れ時間を用いて、算出された予測流入量である。なお、図18(A)および図18(B)の例において、横軸は、10分ごとの遅れ時間(流達時間)を示す。

0084

図18(A)に示される例では、実測流入量と予測流入量との2乗誤差平均は、3.704[(m3/s)2]となり、極大絶対値誤差は、7.08[m3/s]となる。なお、図18(A)に示される例では、流速:2.5m/s、流達時間:20分、管路長:3000m、降雨強度5mm/hというデータが用いられている。

0085

例えば、上述した流速は規定流速である。流達時間は、規定流速に対応した時間である。管路長は、例えば、下水道管1における上流地点と下流地点との2地点の間の距離である。

0086

図18(B)に示される例では、実測流入量と予測流入量との2乗誤差平均は、1.785[(m3/s)2]となり、極大絶対値誤差は、4.98[m3/s]となる。従って、図18(B)の例の方が、図18(A)の例よりも誤差が少ない。

0087

なお、図18(B)に示される例では、時定数:22min、係数:1.405、流速:1.5〜3.5m/s、管路長:3000m、というデータが用いられている。また、演算範囲:14.3〜33.3分、演算データ数直近の3時間データ、サンプル間隔:10分というデータが用いられている。

0088

例えば、時定数および係数は、上述したフィルタに適用される所定の定数である。流速の値は、規定流速を中央値として、所定の幅がある値である。

0089

図18(A)の例において、例えば、横軸が21の箇所(210分の箇所)では、実測流入量は大きく下降しているにもかかわらず、予測流入量は大きく上昇している。従って、実測流入量と予測流入量との誤差が大きくなる。

0090

一方、図18(B)の例では、同じ時間において、実測流入量が上昇すると予測流入量も上昇する。また、実測流入量が下降すると予測流入量も下降する。従って、実施形態の遅れ時間を用いた方が、排水処理施設1Aに流入する雨水の流入量の予測精度が向上する。

0091

図19は、実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。通信部11は、上流水位データまたは降雨量データと、下流水位データとを計測データとして取得する(ステップS1)。

0092

生成部13は、上流水位データまたは降雨量データに対して、下流水位データに含まれる周波数成分との差が所定の閾値以上の周波数成分を除去するフィルタを適用した修正上流データを生成する(ステップS2)。

0093

生成部13は、相関係数を計算する際の区間として、上述した相関計算幅区間を設定する(ステップS3)。また、生成部13は、下流水位データを時間補正するための時間補正区間を設定する(ステップS4)。

0094

算出部14は、規定流速に関する情報および上流地点から下流地点までの距離に関する情報を記憶部16から取得し、上述した相関系さ幅区間を設定してもよい。

0095

記憶部16に規定流速に関する情報が記憶されていない場合、算出部14は、勾配および径に関する情報を記憶部16から取得し、勾配および径に基づいて上流地点から下流地点までの流速を計算してもよい。

0096

また、算出部14は、勾配と径と降雨量データまたは上流水位データとに基づいて、流速を算出してもよい。

0097

算出部14は、修正上流データおよび下流水位データの時間軸上の位置を補正しながら、相関計算幅ごとに、修正上流データと下流水位データとの相関係数を算出する(ステップS5〜S9)。

0098

算出部14は、所定の相関計算幅において、時間補正を行いながら(ステップS6、S8)、下流水位データと降雨量データとの相関係数を算出する(ステップS7)。

0099

ステップS6〜S8の処理が、時間補正区間の範囲内で所定回数繰り返され後に、算出部14は、相関計算幅を変更して(ステップS4)、再び、ステップS6〜S8の処理を繰り返す。算出部14は、相関計算幅が上述した相関幅計算区間内で、ステップS4〜S6の処理を繰り返す。

0100

特定部15は、相関計算幅ごとの遅れ時間の統計情報を算出部14から取得し、統計情報に含まれる、相関係数が極大となる遅れ時間を算出する(ステップS10)。特定部15は、相関係数が極大となる複数の遅れ時間のうち、最も頻度が高い遅れ時間を適切な遅れ時間として特定する(ステップS11)。

0101

これにより、適切な遅れ時間が特定される。そして、制御部12は、特定された遅れ時間を用いて、排水処理施設1Aに流入する雨水の流入量を計算する(ステップS9)。流入量の計算は、特定された適切な遅れ時間に基づいて、適宜の計算により行われてもよい。

0102

<遅れ時間算出装置のハードウェア構成の一例>
次に、遅れ時間算出装置5のハードウェア構成の一例を説明する。図20は、遅れ時間算出装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図20の例に示すように、バス100に対して、プロセッサ111とRandom Access Memory(RAM)112とRead Only Memory(ROM)113とが接続される。また、該バス100に対して、補助記憶装置114と媒体接続部115と通信インタフェース116とが接続される。

0103

プロセッサ111はRAM112に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムとしては、実施形態における処理を行う遅れ時間算出プログラムが適用されてもよい。

0104

ROM113はRAM112に展開されるプログラムを記憶する不揮発性記憶装置である。補助記憶装置114は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブ半導体メモリ等を補助記憶装置114に適用してもよい。媒体接続部115は、可搬型記録媒体118と接続可能に設けられている。

0105

可搬型記録媒体118としては、可搬型メモリ光学式ディスク(例えば、Compact Disc(CD)やDigital Versatile Disc(DVD))、半導体メモリ等を適用してもよい。この可搬型記録媒体118に実施形態の処理を行う遅れ時間算出プログラムが記録されていてもよい。

0106

記憶部16は、RAM112や補助記憶装置114等により実現されてもよい。通信部11は、通信インタフェース116により実現されてもよい。制御部12、生成部13、算出部14および特定部15は、与えられた遅れ時間算出プログラムをプロセッサ111が実行することにより実現されてもよい。

0107

RAM112、ROM113、補助記憶装置114および可搬型記録媒体118は、何れもコンピュータ読み取り可能な有形記憶媒体の一例である。これらの有形な記憶媒体は、信号搬送波のような一時的な媒体ではない。

0108

<その他>
本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を取ることができる。

0109

1下水道管
1A排水処理施設
2上流水位計
3降雨計
4下流水位計
5遅れ時間算出装置
11通信部
12 制御部
13 生成部
14 算出部
15 特定部
16 記憶部
111プロセッサ
112 RAM
113 ROM

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