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図面 (2)

課題

動作温度が200℃以下の低温でも水素ガス高感度で検知できる水素ガスセンサを提供する。

解決手段

水素ガスを電気的に検知する水素ガスセンサ100であって、基板10と、基板上に設けられる水素検知層20と、水素検知層に設けられる一対の電極40とを備え、水素検知層が、水素ガスをプロトン電子とに解離させる触媒と、触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下する金属酸化物とを含み、金属酸化物中カーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3以下である、水素ガスセンサ。

概要

背景

水素は、利用の段階では二酸化炭素を排出しないため、製造段階再生可能エネルギーによる水分解などを利用することで低炭素社会を実現できる。また、水素は、2次エネルギーとして電気より貯めやすかったり、運送しやすかったりするなどの利便性をも有する。このため、日本では水素社会化動き加速している。例えば、水素と酸素との化学反応を利用して発電し、モータを回して走る燃料電池車などの開発が行われている。一方、水素ガスは、大気中での濃度が4〜75%の広範囲爆発する気体であるにもかかわらず、無色透明でにおいもなく、漏洩を検知することが困難である。このため、漏洩検知用の水素ガスセンサに対する関心が高まっている。

実用化されている水素センサの方式として、熱線型半導体式接触燃焼式気体熱伝導式など、種々の方式がある。熱線半導体式は金属酸化物半導体表面の電気伝導度変化を利用したものであり、接触燃焼式は接触燃焼による白金線コイル温度上昇を利用したものであり、気体熱伝導式は対象とするガス標準ガス熱伝導度の差による発熱体温度変化を利用したものである。その中でも、漏洩検知用のセンサとしては、低濃度の水素を比較的高速に検知可能な接触燃焼式が多く使用されている。しかし、接触燃焼式では、高速応答を実現するためには200℃を超える温度(例えば300〜400℃程度)の動作温度が必要なため、消費電力が高くなってしまう。

そこで、200℃以下の低温の動作温度でも高速応答を実現させうる新規検知方式の一つとして、ガスクロミック式水素センサが注目されている。ガスクロミック式水素センサは、水素の吸着により電気的特性が変化する三酸化タングステンなどの金属酸化物と、水素ガスをプロトン電子とに解離させる白金などの触媒とを備えており、光学的に水素ガスを検知するだけでなく、電気的に水素ガスを検知することも可能である(例えば下記特許文献1参照)。

概要

動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる水素ガスセンサを提供する。水素ガスを電気的に検知する水素ガスセンサ100であって、基板10と、基板上に設けられる水素検知層20と、水素検知層に設けられる一対の電極40とを備え、水素検知層が、水素ガスをプロトンと電子とに解離させる触媒と、触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下する金属酸化物とを含み、金属酸化物中カーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3以下である、水素ガスセンサ。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる水素ガスセンサを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水素ガス電気的に検知する水素ガスセンサであって、基板と、前記基板上に設けられる水素検知層と、前記水素検知層に設けられる一対の電極とを備え、前記水素検知層が、水素ガスをプロトン電子とに解離させる触媒と、前記触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下する金属酸化物とを含み、前記金属酸化物中カーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3以下である、水素ガスセンサ。

請求項2

前記金属酸化物中のカーボン濃度が1.3×1019atoms/cm3以下である請求項1に記載の水素ガスセンサ。

請求項3

前記金属酸化物が三酸化タングステンを含む請求項1又は2に記載の水素ガスセンサ。

技術分野

0001

本発明は、水素ガスセンサに関する。

背景技術

0002

水素は、利用の段階では二酸化炭素を排出しないため、製造段階再生可能エネルギーによる水分解などを利用することで低炭素社会を実現できる。また、水素は、2次エネルギーとして電気より貯めやすかったり、運送しやすかったりするなどの利便性をも有する。このため、日本では水素社会化動き加速している。例えば、水素と酸素との化学反応を利用して発電し、モータを回して走る燃料電池車などの開発が行われている。一方、水素ガスは、大気中での濃度が4〜75%の広範囲爆発する気体であるにもかかわらず、無色透明でにおいもなく、漏洩を検知することが困難である。このため、漏洩検知用の水素ガスセンサに対する関心が高まっている。

0003

実用化されている水素センサの方式として、熱線型半導体式接触燃焼式気体熱伝導式など、種々の方式がある。熱線半導体式は金属酸化物半導体表面の電気伝導度変化を利用したものであり、接触燃焼式は接触燃焼による白金線コイル温度上昇を利用したものであり、気体熱伝導式は対象とするガス標準ガス熱伝導度の差による発熱体温度変化を利用したものである。その中でも、漏洩検知用のセンサとしては、低濃度の水素を比較的高速に検知可能な接触燃焼式が多く使用されている。しかし、接触燃焼式では、高速応答を実現するためには200℃を超える温度(例えば300〜400℃程度)の動作温度が必要なため、消費電力が高くなってしまう。

0004

そこで、200℃以下の低温の動作温度でも高速応答を実現させうる新規検知方式の一つとして、ガスクロミック式水素センサが注目されている。ガスクロミック式水素センサは、水素の吸着により電気的特性が変化する三酸化タングステンなどの金属酸化物と、水素ガスをプロトン電子とに解離させる白金などの触媒とを備えており、光学的に水素ガスを検知するだけでなく、電気的に水素ガスを検知することも可能である(例えば下記特許文献1参照)。

先行技術

0005

特開2006−162365号公報(請求項1及び図12)

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記特許文献1に記載の水素ガスセンサは、動作温度が200℃以下の低温における感度の点で改善の余地を有していた。

0007

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる水素ガスセンサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記課題を解決するため研究を重ねた結果、水素検知層の金属酸化物には不純物としてカーボンが含まれており、このカーボンが水素ガスに対する感度に影響するのではないかと考えた。そして、本発明者はさらに鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物中のカーボンの濃度が特定の値以下になると、水素ガスを吹きかけた際の電気抵抗変化率が非常に大きくなることに気付いた。こうして本発明者は本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、水素ガスを電気的に検知する水素ガスセンサであって、基板と、前記基板上に設けられる水素検知層と、前記水素検知層に設けられる一対の電極とを備え、前記水素検知層が、水素ガスをプロトンと電子とに解離させる触媒と、前記触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下する金属酸化物とを含み、前記金属酸化物中のカーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3以下である、水素ガスセンサである。

0010

本発明の水素ガスセンサによれば、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる。

0011

なお、本発明者は、本発明の水素ガスセンサにおいて、上記の効果が得られる理由については以下のように推察している。

0012

水素ガスセンサでは、水素検知層において、触媒によって水素ガスから生成されたプロトン及び電子と金属酸化物とが反応することで金属酸化物の電気抵抗が低下する。このため、このときの電気抵抗の変化を測定することで水素ガスセンサは水素ガスの検知を行うことができる。ここで、本発明の水素ガスセンサによれば、水素検知層の金属酸化物に含まれる不純物であるカーボンの濃度を減少させることで、金属酸化物が高結晶化されやすくなり、その結果、水素検知層の金属酸化物において、触媒によって生成されたプロトンを安定化できる酸素サイトが増加し、その際の電荷補償として電子が金属酸化物を構成する金属のイオン捕獲される。こうして、金属酸化物においてプロトンの安定サイトや電子の伝導パスが増える。その結果、動作温度が200℃以下の低温でも、水素検知層の電気抵抗の変化を測定しやすくなる。以上のことから、本発明の水素ガスセンサによれば、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できるのではないかと考えられる。

0013

上記水素ガスセンサにおいては、前記金属酸化物中のカーボン濃度が1.3×1019atoms/cm3以下であることが好ましい。

0014

この場合、上記金属酸化物中のカーボン濃度が1.3×1019atoms/cm3より大きい場合と比べて、動作温度が200℃以下の低温でも、水素ガスセンサが水素ガスをより高感度で検知できる。

0015

また上記水素ガスセンサにおいては、前記金属酸化物が三酸化タングステンを含むことが好ましい。

0016

この場合、金属酸化物が三酸化タングステン以外の金属酸化物(例えば三酸化モリブデンなど)を含む場合と比べ、水素ガスに対する応答がより速くなる。

0017

なお、本発明において、金属酸化物中のカーボン濃度とは、水素検知層の金属酸化物に対して、以下の測定条件下で二次イオン質量分析(以下、「SIMS」と呼ぶ)を行った場合に測定される二次イオン強度と時間とから求めたカーボンの濃度を言うものとする。

(測定条件)
一次イオン種:Cs+
一次イオン加速エネルギー:3keV
二次イオン極性:Negative
酸素リーク:なし
帯電補償手段:E−gun(電子銃

発明の効果

0018

本発明によれば、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる水素ガスセンサが提供される。

図面の簡単な説明

0019

本発明の水素ガスセンサの一実施形態を示す断面図である。

0020

以下、本発明の水素ガスセンサの実施形態について図1を用いて詳細に説明する。図1は本発明の水素ガスセンサの一実施形態を示す断面図である。

0021

図1に示すように、水素ガスセンサ100は、基板10と、基板10の一面10a上に設けられる水素検知層20と、基板10のうち一面10aと反対側の他面10b上に設けられ、水素検知層20を加熱するヒータ30と、水素検知層20のうち基板10と反対側の表面に設けられ、水素検知層20の電気抵抗を測定する一対の電極40とを備えている。

0022

水素ガスセンサ100は、水素検知層20に水素ガスが吸着されることで変化する水素検知層20の電気抵抗値を、一対の電極40間に電圧印加することによって測定し、その電気抵抗値の変化によって水素ガスを電気的に検知するものである。

0023

水素検知層20は、水素ガスをプロトンと電子とに解離させる触媒と、触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下する金属酸化物とを含んでおり、金属酸化物中のカーボン濃度は2.7×1019atoms/cm3以下となっている。

0024

水素ガスセンサ100によれば、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できる。

0025

以下、上述した基板10、水素検知層20、ヒータ30及び電極40の各々について詳細に説明する。

0026

<基板>
基板10としては、シリコンサファイヤガラスアルミナなどの絶縁性基板や、SiCなどの半絶縁性基板などを用いることができる。

0027

ガラスとしては、無アルカリガラス石英ガラスなどを用いることができる。

0028

<水素検知層>
水素検知層20は、上述したように、触媒と金属酸化物とを含んでいる。

0029

(金属酸化物)
金属酸化物は、触媒による水素ガスの解離によって発生した電子によって電気抵抗が低下するものであればよい。金属酸化物としては、例えば三酸化モリブデン(MoO3)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化バナジウム(V2O5)、酸化ニッケル(NiO2)などが挙げられる。これらは1種類単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。上記金属酸化物の中でも、三酸化タングステン及び三酸化モリブデンが好ましく、三酸化タングステンが特に好ましい。この場合、金属酸化物が三酸化タングステン以外の金属酸化物(例えば三酸化モリブデンなど)を含む場合と比べて、水素ガスセンサ100において水素ガスに対する応答がより速くなる。

0030

金属酸化物中のカーボン濃度は2.7×1019atoms/cm3以下である。この場合、金属酸化物中のカーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3を超える場合と比べて、動作温度が200℃以下の低温でも、水素ガスセンサ100が、水素ガスをより高感度で検知できる。

0031

金属酸化物中のカーボン濃度は1.3×1019atoms/cm3以下であることが好ましい。この場合、金属酸化物中のカーボン濃度が1.3×1019atoms/cm3を超える場合と比べて、動作温度が200℃以下の低温でも、水素ガスセンサ100が、水素ガスをより一層高感度で検知できる。但し、金属酸化物中のカーボン濃度は1×1014atoms/cm3以上であることが好ましい。この場合、水素ガスセンサ100において水素ガスに対する応答速度がより大きくなる。金属酸化物中のカーボン濃度は1×1016atoms/cm3以上であることがより好ましい。

0032

(触媒)
触媒は、吸着した水素ガスをプロトンと電子とに解離させることができるものであればよい。このような触媒としては、例えば白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、ロジウム(Rh)及びルテニウム(Ru)が挙げられる。これらは1種類単独で又は2種以上を組み合せて用いてもよい。上記触媒の中でも、白金が特に好ましい。

0033

触媒は、金属酸化物層の上に担持されている形態でもよいし、金属酸化物の粒子の表面に付着している形態でもよいが、触媒は、金属酸化物層の上に担持されていることが好ましい。この場合、触媒が金属酸化物層の上に担持されていない場合と比べて、白金と水素との接触面積がより増えるため、水素の解離がより高い効率で行われ、電気抵抗の変化がより大きくなる。

0034

<ヒータ>
ヒータ30は水素検知層20を加熱し得るものであればよい。ヒータ30としては、例えばセラミックヒータ発熱体などが挙げられるが、中でもセラミックヒータが好ましい。この場合、発熱体(抵抗体)が外気に触れていないため、発熱体の酸化を抑制でき、発熱体の断線経時劣化をより十分に抑制できる。

0035

<電極>
電極40は、水素ガス、炭化水素系ガス一酸化炭素ガスなどの還元性ガスに対して触媒活性を示さない導電材料であれば特に制限されるものではない。このような電極40を構成する導電材料としては、例えば金、銀、アルミニウム合金などが挙げられる。これらのうち電極40を構成する導電材料としては、金が特に好ましい。電極40の形状は特に制限されず、電極40の形状としては、円形状、四角形状、櫛歯状が挙げられる。中でも、電極40の形状は櫛歯状であることが、電極40が微小電極であっても水素ガスに対する検出感度が高いことから好ましい。

0036

次に、水素ガスセンサ100の製造方法について説明する。

0037

まず基板10を用意する。

0038

次に、基板10の他面10b上にヒータ30を形成する。

0039

次に、基板10の一面10a上に、金属酸化物中のカーボン濃度が2.7×1019atoms/cm3以下となるように水素ガス検知層20を形成する。

0040

水素ガス検知層20は、例えば、まず金属酸化物からなる金属酸化物層を形成し、熱処理した後、熱処理後の金属酸化物層上に触媒を担持させることによって形成することができる。

0041

金属酸化物層の形成方法は特に限定されるものではないが、金属酸化物層の形成方法としては、例えばゾルゲル法CVD(化学気相成長)法、及び、PLD(パルスレーザーアブレーション)法などが挙げられる。中でも、ゾル−ゲル法は、大気中で簡易に金属酸化物層を形成できることから好ましく用いられる。

0042

ゾル−ゲル法を用いて金属酸化物層を形成する場合、金属酸化物の前駆体を用意し、この金属酸化物の前駆体を、基板10の一面10a上に塗布した後、焼成して金属酸化物層を形成すればよい。

0043

熱処理による金属酸化物層中のカーボン濃度の低減方法は、金属酸化物層中のカーボンを酸化させることで二酸化炭素として金属酸化物層から排出させる方法であるため、熱処理は、酸素ガスを含む雰囲気下で行う必要がある。このとき、雰囲気中の酸素ガスの分圧は特に制限されるものではないが、2×10−2atm以上とすることが好ましい。この場合、酸素分圧を2×10−2atm以上と高くすることで、熱処理温度を高くせずに酸化をより速めることができる。

0044

酸素分圧の調整は、熱処理炉に酸素と、窒素希ガスなどの非酸素とを、流量計を用いて調節しながら混合することで行うことができる。また、酸素分圧は、例えばジルコニア(ZrO2)固体電解質などを用いて実測することができる。

0045

熱処理の温度は、酸素と金属酸化物層中のカーボンとが反応する温度であれば特に限定されるものではないが、200〜1500℃であることが好ましい。この場合、平衡酸素分圧が大気中の酸素分圧よりも低いため、大気雰囲気下の熱処理でも酸素と金属酸化物層中のカーボンとを反応させることができる。

0046

なお、金属酸化物中の金属と酸素とを反応させるのに必要な酸素分圧および温度は、金属酸化物中の金属と酸素のエリンガム図から算出可能である。なお、金属酸化物中の金属と酸素のエリンガム図とは、酸素1モルあたり酸化物標準生成ギブスエネルギーを温度の関数として表したものである。

0047

熱処理の時間は、特に限定されるものではないが、5〜120分であることが好ましい。この場合、金属酸化物粒子成長を抑えられる。

0048

金属酸化物層上に触媒を担持させる方法としては、例えばスピンコート法ディップコート法スプレーコート法スパッタリング法CVD法、及び、PLD法などが挙げられる。

0049

最後に、水素ガス検知層20のうち基板10と反対側の表面上に一対の電極40を形成する。一対の電極40は、例えば水素ガス検知層20のうち基板10と反対側の表面上に、電極材料からなる電極層を形成し、電極層に対してフォトリソグラフィ加工を行うことによって形成することができる。

0050

こうして水素ガスセンサ100が得られる。

0051

本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、水素ガスセンサ100がヒータ30を備えているが、本発明の水素ガスセンサは必ずしもヒータを有していなくてもよい。

0052

また、上記実施形態では、一対の電極40は、水素検知層20のうち基板10と反対側の表面上に設けられているが、水素検知層20のうち基板10側の表面に設けられていてもよい。

0053

また、水素ガスセンサ100における測定温度環境依存性を低くするため、水素ガスセンサ100には、補償素子を利用したブリッジ回路が組み込まれてもよい。その場合には、補償素子として、触媒を用いていない金属酸化物もしくは触媒として作用しない不活性金属粒子を担持させた金属酸化物を用いることができる。

0054

以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。

0055

(実施例1)
まず、厚さ0.5mm、直径25mmのSi基板を用意し、Si基板の裏面に白金ヒータを作製した。ここで、白金ヒータは、金属マスクを用いたスパッタリング法を用いて作製した。

0056

次に、白金ヒータ上に絶縁膜としてSiO2膜を形成した。次に、Si基板のうち絶縁膜とは反対側の面に、タングステンアルコキシド溶液を塗布し、80℃で1時間焼成して膜を形成する工程を、厚さが1μmになるまで繰り返して積層体を得た。その後、得られた積層体を、乾燥空気中、下記の熱処理条件で熱処理することで三酸化タングステン(WO3)膜を作製した。

0057

上記WO3膜について、SIMSにより、WO3膜中のカーボン濃度を測定した。結果を表1に示す。なお、SIMSの測定条件は以下の通りとした。また、WO3膜中のカーボン濃度はHfO2中の感度を基に換算した値である。また、カーボン濃度の単位は「atoms/cm3」である。
(熱処理条件)
熱処理炉:大気炉
熱処理温度:400℃
熱処理時間:30分
酸素分圧:2×10−1atm
酸素ガス供給流量:0.2SLM
窒素ガス供給流量:0.8SLM

(SIMSの測定条件)
一次イオン種:Cs+
一次イオン加速エネルギー:3keV
二次イオン極性:Negative
酸素リーク:なし
帯電補償手段:E−gun(電子銃)

0058

続いて、WO3膜の上にスパッタリング法で触媒として白金粒子を分散させた。こうしてSi基板上に水素検知層を得た。

0059

次に、水素検知層上に、蒸着により、金からなる一対の櫛歯電極を形成した。このとき、各櫛歯電極では櫛歯の長さを3mmとした。また一対の櫛歯電極の櫛歯同士間の間隔を10μmとし、櫛歯対の数を30本とした。

0060

こうして水素ガスセンサを作製した。

0061

(実施例2)
積層体を下記の熱処理条件で熱処理することによってWO3膜中のカーボン濃度を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして水素ガスセンサを作製した。

(熱処理条件)
熱処理炉:大気炉
熱処理温度:400℃
熱処理時間:60分
酸素分圧:2×10−1atm
酸素ガス供給流量:0.2SLM
窒素ガス供給流量:0.8SLM

0062

(実施例3)
積層体を下記の熱処理条件で熱処理することによってWO3膜中のカーボン濃度を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして水素ガスセンサを作製した。

(熱処理条件)
熱処理炉:大気炉
熱処理温度:750℃
熱処理時間:30分
酸素分圧:2×10−1atm
酸素ガス供給流量:0.2SLM
窒素ガス供給流量:0.8SLM

0063

(比較例1)
積層体を下記の熱処理条件で熱処理することによってWO3膜中のカーボン濃度を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして水素ガスセンサを作製した。

(熱処理条件)
熱処理炉:ガス雰囲気
熱処理温度:750℃
熱処理時間:30分
酸素分圧:8×10−1atm
酸素ガス供給流量:0.8SLM
アルゴンガス供給流量:0.2SLM

0064

感度評価
実施例1〜3及び比較例1の水素ガスセンサを防爆のためステンレスチャンバーの中で隣り合うように配置させ、水素検知層の温度が100℃となるようにヒータの温度を制御した。そして、同じ環境下で、1000ppmの水素ガス(99.999%乾燥空気ガス)及び1%の水素ガス(99%乾燥空気ガス)を吹きかける前後での水素検知層における電気伝導度を測定し、測定した電気伝導度から電気伝導度の変化率を下記式に基づいて算出した。結果を表1に示す。

電気伝導度の変化率(%)
=100×{(水素ガスを吹きかける前の電気伝導度)(S/m)−(水素ガスを吹きかけた後の電気伝導度)(S/m)}/(水素ガスを吹きかける前の電気伝導度)(S/m)

合格基準は下記の通りとした。なお、表1においては、下記合格基準を満たさない場合には「×」と表記し、下記合格基準を満たす場合には「○」と表記し、特に1000ppmの水素ガスを吹きかけたときの電気伝導度の変化率が10000%以上で且つ1%の水素ガスを吹きかけたときの電気伝導度の変化率が100000%以上である場合には「◎」と表記した。

(合格基準)
1000ppmの水素ガスを吹きかけたときの電気伝導度の変化率が1000%以上で且つ1%の水素ガスを吹きかけたときの電気伝導度の変化率が10000%以上であること

0065

表1に示す結果より、実施例1〜3の水素ガスセンサは、感度の点で合格基準に達していた。これに対し、比較例1の水素ガスセンサは、感度の点で合格基準に達していなかった。

実施例

0066

以上のことから、本発明の水素ガスセンサによれば、動作温度が200℃以下の低温でも水素ガスを高感度で検知できることが確認された。

0067

10…基板
20…水素検知層
30…ヒータ
40…電極
100…水素ガスセンサ

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