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技術 地質境界面または断層面の予測方法

出願人 株式会社奥村組株式会社パスコ
発明者 宮田岩往倉田桂政黒武者貴幸李勇鶴佐藤俊明小俣雅志五十嵐善一矢尾板啓
出願日 2016年7月4日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2016-132900
公開日 2018年1月11日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-004494
状態 特許登録済
技術分野 地盤の調査及び圧密・排水による地盤強化
主要キーワード 断層線 クリノメータ 設計計画 面フィッティング 調査作業 探査データ 平面推定 物理探査
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

地質調査図を用いて、トンネル切羽前方地山地質を効率的にかつ精度良く予測できる地質境界面または断層面解析方法を提供すること。

解決手段

予測地質境界面または予測断層面を解析する地質境界面または断層面解析方法であって、地質調査図1において表された地層境界線4上に露頭コントロールポイントCP1を定め、露頭コントロールポイントCP1から走向方向aに所定長さL離れた位置に走向コントロールポイントCP2を定めると共に、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向bに所定長さL離れた位置に傾斜コントロールポイントCP3を定め、地質探査試験のデータから探査コントロールポイントCP4を定め、各コントロールポイントCP1,CP2,CP3,CP4の座標値から、重み付き線形最小二乗法によって予測地質境界面または予測断層面を解析する。

概要

背景

トンネルとして例えば山岳トンネル掘削して構築する工事においては、トンネルの切羽前方地山地質の変化を予め予測して、その変化に迅速に対応できるようにすることは極めて重要である。トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を正確に予測することによって、断層湧水等に対するリスク管理が容易になると共に、地質に適したパターン支保工を予め準備しておくことができるので、効率良くトンネルの掘削作業を行うことが可能になる。このようなことから、トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を予測するための種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

概要

地質調査を用いて、トンネルの切羽前方の地山の地質を効率的にかつ精度良く予測できる地質境界面または断層面解析方法を提供すること。予測地質境界面または予測断層面を解析する地質境界面または断層面解析方法であって、地質調査において表された地層境界線4上に露頭コントロールポイントCP1を定め、露頭コントロールポイントCP1から走向方向aに所定長さL離れた位置に走向コントロールポイントCP2を定めると共に、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向bに所定長さL離れた位置に傾斜コントロールポイントCP3を定め、地質探査試験のデータから探査コントロールポイントCP4を定め、各コントロールポイントCP1,CP2,CP3,CP4の座標値から、重み付き線形最小二乗法によって予測地質境界面または予測断層面を解析する。

目的

このようなことから、効率的にかつ精度良く、トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を予測できるようにする技術の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

地質調査図及び三次元モデル解析プログラムを用いて地質境界面または断層面推定する地質境界面または断層面の予測方法であって、前記地質調査図に描かれた異なる地層境界線上または断層線上に露頭コントロールポイントを定め、該露頭コントロールポイントから走向方向に所定長さ離れた位置に、走向コントロールポイントを定めると共に、該露頭コントロールポイントから傾斜方向に所定長さ離れた位置に、傾斜コントロールポイントを定め、且つ推定される地質境界面または断層面の位置を確認するために行う地質探査探査データから、地質境界面または断層面の探査コントロールポイントを定め、定められた前記露頭コントロールポイント、前記走向コントロールポイント、前記傾斜コントロールポイント、及び前記探査コントロールポイントの座標値から、前記三次元モデル解析プログラムに組み込まれた所定の計算式により最適解を求めて、地質境界面または断層面を推定する地質境界面または断層面の予測方法。

請求項2

前記最適解を求める所定の計算式が、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法であり、重み付き二乗距離の合計を最小にする最適解を求めて、地質境界面または断層面を推定する請求項1記載の地質境界面または断層面の予測方法。

請求項3

前記露頭コントロールポイント、前記走向コントロールポイント、前記傾斜コントロールポイント、及び前記探査コントロールポイントの重みを、各計測誤差に基づき決定し、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適解を求める請求項2記載の地質境界面または断層面の予測方法。

請求項4

前記地質探査の探査データが、削孔検層による探査データである請求項1〜3の何れか1項記載の地質境界面または断層面の予測方法。

技術分野

0001

本発明は、地質境界面または断層面予測方法に関し、特に、地質調査図及び三次元モデル解析プログラムを用いて地質境界面または断層面を推定する地質境界面または断層面の予測方法に関する。

背景技術

0002

トンネルとして例えば山岳トンネル掘削して構築する工事においては、トンネルの切羽前方地山地質の変化を予め予測して、その変化に迅速に対応できるようにすることは極めて重要である。トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を正確に予測することによって、断層湧水等に対するリスク管理が容易になると共に、地質に適したパターン支保工を予め準備しておくことができるので、効率良くトンネルの掘削作業を行うことが可能になる。このようなことから、トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を予測するための種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

先行技術

0003

特開2001−141835号公報
特開2002−122673号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記従来のトンネルの切羽前方の地山の地質の変化を予測する方法によれば、いずれも、発破による反射波解析して地質の変化を予測するものであり、例えば地質境界面や断層面を予測するには多大な費用と時間が掛かる。このようなことから、効率的にかつ精度良く、トンネルの切羽前方の地山の地質の変化を予測できるようにする技術の開発が望まれている。

0005

一方、地山を構成する地層の地質を、岩石や地層が地表露出している部分である露頭手掛かりとして、クリノメータと呼ばれる簡易計測機器を用いて、作業員調査現場で地層を直接に目で見て確認しながら調査して得られた地質調査図が、例えば地質調査業者に作成を依頼して、入手できるようになっている。地質調査図には、調査対象となっている地山の等高線、露頭の位置、地層の境界線断層線等が描かれた地質平面図や、地質平面図に基づいて地層を描いた地質縦断面図等が含まれており、また地質境界面または断層面の走向や傾斜が、付随情報として得られるようになっている。

0006

ここで、地層は、堆積したときは水平であったものが、その後の地殻変動等のために傾いたり変形したりしていることが多い。地層の地質境界面または断層面がどのように傾いているかを表すものが、走向と傾斜である。走向は、各地層の地質境界面または断層面と水平面との交線の方向である。傾斜は、地質境界面または断層面が水平面から何度傾いているかを示すものであり、傾斜を測る方向は、走向に対して垂直な方向である。

0007

地質調査図は、作業員が調査現場で地層を直接に目で見て確認して得られたものであるため、地表面における地山の地層の状況を精度良く反映していると考えられるが、トンネルが構築される所定の深さにおける地山の地層の状況を、地質調査図の地質平面図に描かれた地層の状況から、精度良く把握することは困難である。すなわち、地質調査で得られた地質平面図、及び地質境界面や断層面の走向や傾斜の情報に基づいて、地質縦断面図を作成したとしても、地質境界面や断層面は、地中における様々な要因により変動していると考えられるので、地質調査図の地質縦断面図によって、所定の深さにおけるトンネルの切羽前方の地山の地質境界面または断層面を、効率的にかつ精度良く予測することは困難である。

0008

本発明は、地質調査図と探査データを用いて、所定の深さにおけるトンネルの切羽前方の地山の地質境界面または断層面を、効率的にかつ精度良く推定して予測することを可能にする地質境界面または断層面の予測方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、地質調査図及び三次元モデル解析プログラムを用いて地質境界面または断層面を推定する地質境界面または断層面の予測方法であって、前記地質調査図に描かれた異なる地層の境界線上または断層線上に露頭コントロールポイントを定め、該露頭コントロールポイントから走向方向に所定長さ離れた位置に、走向コントロールポイントを定めると共に、該露頭コントロールポイントから傾斜方向に所定長さ離れた位置に、傾斜コントロールポイントを定め、且つ推定される地質境界面または断層面の位置を確認するために行う地質探査の探査データから、地質境界面または断層面の探査コントロールポイントを定め、定められた前記露頭コントロールポイント、前記走向コントロールポイント、前記傾斜コントロールポイント、及び前記探査コントロールポイントの座標値から、前記三次元モデル解析プログラムに組み込まれた所定の計算式により最適解を求めて、地質境界面または断層面を推定する地質境界面または断層面の予測方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。ここで、所定の計算式により求めた最適解は、最も確からしい地質境界面または断層面の位置を推定させる解である。

0010

そして、本発明の地質境界面または断層面の予測方法は、前記最適解を求める所定の計算式が、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法であり、重み付き二乗距離の合計を最小にする最適解を求めて、地質境界面または断層面を推定することが好ましい。

0011

また、本発明の地質境界面または断層面の予測方法は、前記露頭コントロールポイント、前記走向コントロールポイント、前記傾斜コントロールポイント、及び前記探査コントロールポイントの重みを、各計測誤差に基づき決定し、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適解を求めることが好ましい。

0012

さらに、本発明の地質境界面または断層面の予測方法は、前記地質探査の探査データが、削孔検層による探査データであることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明の地質境界面または断層面の予測方法によれば、地質調査図と探査データを用いて、所定の深さにおけるトンネルの切羽前方の地山の地質境界面または断層面を、効率的にかつ精度良く推定して予測することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の好ましい一実施形態に係る地質境界面または断層面の予測方法に用いられる地質調査図の地質平面図の一例を示す図である。
(a)は図1の地質平面図のA部拡大図、(b)は図1のA部の拡大地質縦断面図である。
(a)、(b)は、走向コントロールポイント、傾斜コントロールポイント、及び探査コントロールポイントの説明図である。
本発明の好ましい一本実施形態に係る地質境界面または断層面の予測方法を、コンピュータを用いて実施する際の処理フローを示すチャートである。
本発明の好ましい一実施形態に係る地質境界面または断層面の予測方法を説明する、地質調査図から得られた計画地境界面や断層面と、本発明の地質境界面または断層面の予測方法によって得られた予測地質境界面や断層面とを重ねて示す図である。

実施例

0015

本発明の好ましい一実施形態に係る地質境界面または断層面予測方法は、トンネルとして、例えば山岳地帯を縦断して形成される山岳トンネルを構築する工事において、トンネルの切羽を掘削するのに先立って、切羽前方の地山の地質の変化を、より精度良く予測することを可能にして、例えば断層や湧水等に対するリスクに備えることができるようにしたり、地質に適したパターンの支保工を予め準備しておくことができるようにして、効率良く掘削作業を行えるようにするものである。すなわち、本実施形態の地質境界面または断層面予測方法は、例えば地質調査業者が作成した地質調査図に基づいて、三次元モデル解析プログラムが組み込まれたコンピュータを用いて、切羽前方の地山の地質が変化する部分である地質境界面または断層面の位置を、効率的にかつ精度良く推定できるようにするものである。

0016

そして、本実施形態の地質境界面または断層面予測方法は、地質調査業者が作成した、例えば図1及び図2(a)、(b)に示すような地質調査図30、及びコンピュータに組み込まれた三次元モデル解析プログラムを用いて、地質境界面または断層面を推定する予測方法であって、地質調査図30に描かれた異なる地層の境界線12上又は断層線上に露頭コントロールポイントCP1を定め(図2(a)、(b)参照)、露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに所定長さL離れた位置に、走向コントロールポイントCP2を定めると共に、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに所定長さM離れた位置に、傾斜コントロールポイントCP3を定める(図3(a)、(b)参照)。また推定される地質境界面または断層面の位置を確認するために行う地質探査の探査データから、設計計画時における地質境界面(計画地質境界面)または断層面(計画断層面)11の探査コントロールポイントCP4を定める(図3(a)参照)。定められた露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の座標値から、三次元モデル解析プログラムに組み込まれた所定の計算式により最適解を求めて、地質境界面または断層面10を推定する。なお、露頭コントロールポイントCP1から走向コントロールポイントCP2までの所定長さLと、露頭コントロールポイントCP1から傾斜コントロールポイントCP3までの所定長さMは、同じ値となっていることが好ましい。

0017

また、本実施形態では、最適解を求める所定の計算式は、好ましくは重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法であり、重み付き二乗距離の合計を最小にする最適解を求めて、地質境界面または断層面10を推定するようになっている。

0018

さらに、本実施形態では、露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の重みを、各計測誤差に基づき決定し、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適解を求めるようになっており、例えば露頭コントロールポイントCP1の重みを、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の重みよりも大きくして、露頭コントロールポイントCP1の動きを抑制した状態で、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適解を求めるようになっている。

0019

本実施形態の地質境界面または断層面の予測方法に用いる地質調査図30(図1参照)は、山岳トンネルの施工箇所の地山の地質を予め把握しておくことを目的として、トンネルの掘削工事施工するのに先立って、例えば地質調査業者に作成を依頼することで、得ることができる。地質調査図30は、調査作業員が実際に現場に入って、地層が地表に露出している部分である、岩盤等による露頭13(図2(a)参照)を手掛かりとして、クリノメータ等の計測機器を使用して、調査現場で地層を直接に目で見て確認しながら調査することにより得られたものである。地質調査図には、図1及び図2(a)、(b)に示すように、調査対象の地山の等高線、露頭13、地層の境界線12、断層線等が描かれた地質平面図31や、この地質平面図31に基づいて作成された地質縦断面図32等が含まれており、また地層が変化する部分である地質境界面11(図2(b)参照)の走向や傾斜、または断層面の走向や傾斜が、付随情報として得られるようになっている。地質調査図30には、さらに、構築される山岳トンネル20の位置が、地質平面図31や地質縦断面図32に描かれている。

0020

本実施形態では、地質調査図30の地質縦断面図32に描かれた計画地質境界面11または計画断層面は、地質境界面11または断層面が平面であることを前提として、当該平面を推定することを目的としている。一方、付随情報として得られる走向や傾斜の角度には誤差があるため、地質調査図のみからは、地表面から相当の深さに位置する山岳トンネルの施工箇所における、実際の地質境界面または断層面を精度良く予測することは困難である。本実施形態では、地質調査図30から得られる地質境界面(計画地質境界面)11または断層面(計画断層面)の情報に加えて、地質探査の探査データを利用し、コンピュータに組み込まれた三次元モデル解析プログラムを用いて、所定の計算式による修正を加えることによって、山岳トンネル20が通過する部分の地層の変化を、より精度良く予測できるようになっている。

0021

本実施形態の地質境界面または断層面の予測方法に用いる三次元モデル解析プログラムとしては、オートデスク社製のソフト「Civil3D」や伊テクソリューションズ社製のソフト「GEORAMA」等を含む、コンピュータ上で三次元モデルを作成することが可能な公知の各種のソフトウェアを用いることができる。ただし、本実施形態の予測方法を実装するためには、ソフトウェア側開発環境が提供されていることが前提となる。三次元モデル解析プログラムは、三次元モデルの作成、表示、情報取得、解析等の機能を備えている。本実施形態の予測方法を実装するための開発環境が提供されている三次元モデル解析プログラムとして、例えばパスコ社製ソフト「PADMS」を用いることができる。本実施形態では、三次元モデル解析プログラムに組み込まれた所定の計算式として、好ましくは重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法を用いて、露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4から最適解を求めることで、地質境界面(予測地質境界面)10または断層面(予測断層面)を推定すると共に、推定された地質境界面10または断層面から、山岳トンネル20が通過する所定の深さ位置における地質境界面または断層面を、より精度良く予測できるようになっている。

0022

本実施形態では、露頭コントロールポイントCP1は、地表面において、推定される地質境界面(予測地質境界面)10または推定される断層面(予測断層面)が通る確率が高いとされる部分に選定されるポイントであり、地質調査図30の地質平面図31から容易に定めることができる(図2(a)参照)。すなわち、地表面において、予測地質境界面10または予測断層面が通る確率が高いとされる部分として、好ましくは地質平面図31に描かれた地層の境界線12上であって、地質平面図31に描かれている露頭13に近いポイントを、露頭コントロールポイントCP1として定めることができる。

0023

露頭コントロールポイントCP1は、地質平面図31における地層の境界線12上または断層線上のポイントであり、露頭の上に露頭コントロールポイントCP1を定めた場合、他のコントロールポイントと比較して、誤差の少ないポイントであると考えられる。本実施形態では、好ましくは、所定の計算式として重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法を用いて予測地質境界面10または予測断層面の最適解を求める際に、露頭の上に定めた露頭コントロールポイントCP1の重みを、他のコントロールポイントCP2、CP3、CP4の重みよりも大きくして、露頭コントロールポイントCP1の動きを抑制した状態で最適解を求めるようになっている。露頭コントロールポイントCP1を露頭から離れて定めた場合には、誤差があることを考慮して、露頭コントロールポイントCP1の重みを適宜設定することになる。

0024

走向コントロールポイントCP2は、図3(a)、(b)に示すように、地質調査図30の付随情報である地質境界面(計画地質境界面)11または断層面(計画断層面)の走向の情報に基づいて、露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに所定長さL離れた位置のポイントとして、容易に定めることができる。例えば、走向コントロールポイントCP2は、露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに所定長さL離れた位置として、走向方向Xに1度の角度誤差があった場合に、1mの距離誤差を生じる長さL分離れた位置である、L=1/tan1°=57m離れた位置のポイントとすることができる。これによって角度情報位置情報として利用することが可能になる。

0025

傾斜コントロールポイントCP3は、地質調査図30の付随情報である地質境界面(計画地質境界面)11または断層面(計画断層面)の傾斜の情報に基づいて、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに所定長さM離れた位置のポイントとして、容易に定めることができる。例えば、傾斜コントロールポイントCP3は、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに所定長さM離れた位置として、傾斜方向Yに1度の角度誤差があった場合に、1mの距離誤差を生じる長さM分離れた位置である、M=1/tan1°=57m離れた位置のポイントとすることができる。これによって角度情報を位置情報として利用することが可能になる。

0026

また、本実施形態では、走向コントロールポイントCP2が露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに離れた所定長さLと、傾斜コントロールポイントCP3が露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに離れた所定長さMとを、同じ長さに設定することが好ましい。

0027

本実施形態では、上述のように、露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、及び傾斜コントロールポイントCP3は、いずれも、地質調査業者が作成した地質調査図30、及び走向や傾斜の情報に基づいて、容易に定めることができる。また、地質調査図30の地質縦断面図32に描かれた計画地質境界面11または計画断層面は、これらの3点のコントロールポイントCP1、CP2、CP3を通る境界面として、容易に設定することができる。

0028

そして、本実施形態では、たとえばこれらの3点のコントロールポイントCP1、CP2、CP3に加えて、地質境界面または断層面を確認するために行われた地質探査の探査データから、計画地質境界面11または計画断層面の探査コントロールポイントCP4を少なくとも1点定め、これらの少なくとも4点のコントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4から、最適解として予測地質境界面10または予測断層面を求めるようになっている。なお、探査コントロールポイントCP4は複数定めてもよいし、複数種類探査方法による探査コントロールポイントを組み合わせて用いてもよい。

0029

ここで、探査コントロールポイントCP4を定める探査データを得るための地質探査としては、物理探査弾性波探査等の、トンネルの切羽前方の地山の地質を探査する方法として公知の、種々の探査方法を用いることができる。本実施形態では、例えば特開2000−170478号公報に記載されるような、削孔検層による地質探査によって、探査データを得ることができる。削孔検層による地質探査では、例えば切羽前方の地山に向けて先進ボーリングを行い、この先進ボーリングの掘削時にドリルビットから発生する単位掘削長当りエネルギー値を利用して、探査データを得るようになっている。得られた単位掘削長当りのエネルギー値は、地山の地層が変化する箇所で、急激に変化することから、このような波形が急激に変化する箇所を特定することによって、探査コントロールポイントCP4を定めることが可能になる。

0030

また、本実施形態では、上述のように、従来より少ない数の削孔検層によって、地質境界面10または断層面を精度よく推定することを可能にしている。削孔検層による地質探査を、切羽面に対して従来より少ない数の複数箇所で行ない、これらの探査データから、複数の探査コントロールポイントCPを定めることもできる。これによって、地質境界面または断層面を、効率的にかつ精度良く推定することが可能になる。

0031

本実施形態では、定められた露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の各座標値から、最適解を求めて予測地質境界面10または予測断層面を推定するための所定の計算式として、好ましくは重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法を用いることができる。

0032

重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法は、複数の点を通る平面を推定するための計算方法として公知のものであり、与えられた点から推定される平面までの距離の二乗和が最小となるようにして計算して、平面を推定することができる。重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法では、与えられた点の精度に応じて重みを付けた上で、平面を推定することが可能である。

0033

具体的には、n個の重み(wi)付きの点データPi(xi,yi,zi,wi)、i=1、・・・nが与えられた場合、下記の式(1)で平面を表現すると、最適平面推定平面)は、下記の式(2)の値を最小とする平面とすることができる。

0034

0035

0036

重み付き非線形最小二乗法としては、一般的に知られているLevenberg-Marquardt法(LM法)やニュートン法などを用いることができる。また、非線形問題を線形問題に変換した上で、重み付き線形最小二乗法によって、推定平面の最適解を求めることもできる。

0037

本実施形態の地質境界面または断層面の予測方法では、三次元モデル解析プログラムを用いて、図4に示す以下の処理フローに従って、例えば図5に示すモデルによって予測地質境界面10または予測断層面を推定することができる。すなわち、本実施形態では、三次元モデル解析プログラムの組み込まれたコンピュータに、各種のデータとして、例えば、計画地質境界11または計画断層面に関する情報である、地質調査業者が作成した地質調査図30のデータや、地質境界面または断層面の走向角度や傾斜角度のデータや、地質調査図30の地質平面図31において定められた露頭コントロールポイントCP1のデータ等が読み込まれる。これらのデータによって、計画地質境界面11または計画断層面のモデルを得ることができる。

0038

また、三次元モデル解析プログラムが組み込まれたコンピュータに、地質探査の探査データである、削孔検層による探査コントロールポイントCP4のデータが読み込まれる。図5のモデルでは、削孔検層による地質探査として、切羽前方の地山に向けて3本の先進ボーリングを行い、3本の先進ボーリングの探査データから、探査コントロールポイントCP4のデータが得られるようになっている。

0039

本実施形態では、さらに、三次元モデル解析プログラムが組み込まれたコンピュータに、各コントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4の重みに関するデータが、例えば手入力によって入力されることで読み込まれる。本実施形態では、露頭コントロールポイントCP1は、地質調査図に描かれた異なる地層の境界線12上における露頭上のポイントであって、誤差が最も少ないものと考えられる。走向コントロールポイントCP2及び傾斜コントロールポイントCP3は、走向方向Xや傾斜方向Yの角度に1度の誤差があった場合に、1mの誤差を生じることとして、角度の精度を距離の精度に置き換えたポイントとなっている。探査コントロールポイントCP4は、3本の先進ボーリングの探査データから得ることによって、走向コントロールポイントCP2や傾斜コントロールポイントCP3と同様の精度となるように調整されたポイントとなっている。図5のモデルでは、これらのポイントCP1、CP2、CP3、CP4の精度や信頼性を鑑みて、例えば露頭コントロールポイントCP1の重みを10.0に、走向コントロールポイントCP2及び傾斜コントロールポイントCP3の重みを1.0に、探査コントロールポイントCP4の重みを1.0に設定して、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法によって、予測地質境界面10または予測断層面の最適解を得るようになっている。

0040

ここで、露頭コントロールポイントCP1の重みは、露頭コントロールポイントCP1が露頭上にある場合には、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の重みより大きく設定し、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適解を求めるようにすることができる。これによって、誤差の少ない露頭コントロールポイントCP1の動きを適度に抑制した状態で、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法によって、予測地質境界面10または予測断層面の最適解を効率良く求めることが可能になる。

0041

また、本実施形態では、計画地質境界面11または計画断層面に関するデータや、探査データや、重みに関するデータに加えて、例えば国土地理院が発行する、山岳トンネル20の施工箇所の地山の地形図を、地図データとして、三次元モデル解析プログラムが組み込まれたコンピュータに取り込んでおくことが好ましい。これによって、露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の座標値や、地質境界面10,11または断層面の走向方向Xの角度等を、地形図の緯度経度等と関連付けて設定することが可能になる。

0042

各種のデータが読み込まれたら、三次元モデル解析プログラムは、次に、計画地質境界面11または計画断層面の走向角度や傾斜角度のデータを、点データに変換して、走向コントロールポイントCP2や傾斜コントロールポイントCP3を定める。具体的には、図5のモデルでは、上述のように、露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに所定長さL離れた位置として、走向方向Xに1°の誤差があった場合に、1mの誤差を生じる長さL分離れた位置である、L=1/tan1°=57m離れた位置に、走向コントロールポイントCP2を定める。また露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに所定長さM離れた位置として、傾斜方向Yに1度の誤差があった場合に、1mの誤差を生じる長さM分離れた位置である、M=1/tan1°=57m離れた位置に、傾斜コントロールポイントCP3を定める。これによって、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により予測地質境界面10または予測断層面の最適解を得るための、少なくとも4点のコントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4が定められる。

0043

露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の4点のコントロールポイントが定められたら、三次元モデル解析プログラムは、これらのコントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4に、コンピュータに読み込まれた重みに関するデータに基づいて、重みを設定すると共に、重みの付いたコントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4に対する平面フィッティングを行なって、最適な予測地質境界面10または予測断層面を推定する。すなわち、平面フィッティングは、4点のコントロールポイントCP1、CP2、CP3、CP4の重み付きの点データから、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法によって、上述のように、上記の式(2)の値を最小とする最適解を求めることで、予測結果として、最適平面(推定平面)である予測地質境界面10または予測断層面の三次元モデルを得ると共に、予測誤差を算出する。

0044

また、これらの予測結果に基づいて、コンピュータに接続されたディスプレイ等に、得られた予測地質境界面10または予測断層面の三次元モデルを表示すると共に、算出された予測誤差による予測地質境界面10または予測断層面の変動範囲を表示する。

0045

そして、上述の構成を備える本実施形態の地質境界面または断層面予測方法によれば、地質調査図を用いて、所定の深さにおける山岳トンネル20の切羽前方の地山の地質境界面(予測地質境界面)10または断層面(予測断層面)を、精度良く推定することが可能になる。

0046

すなわち、本実施形態では、地質調査図30に描かれた異なる地層の境界線12上または断層線上に露頭コントロールポイントCP1を定め、露頭コントロールポイントCP1から走向方向Xに所定長さL離れた位置に、走向コントロールポイントCP2を定めると共に、露頭コントロールポイントCP1から傾斜方向Yに所定長さM離れた位置に、傾斜コントロールポイントCP3を定め、また地質境界面または断層面を確認するために行われる地質探査の探査データから、地質境界面または断層面の探査コントロールポイントCP4を定め、定められた露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、傾斜コントロールポイントCP3、及び探査コントロールポイントCP4の座標値から、三次元モデル解析プログラムに組み込まれた所定の計算式により最適解を求めて、予測地質境界面10または予測断層面を推定するようになっている。

0047

したがって、本実施形態によれば、地質調査図30から得られる露頭コントロールポイントCP1、走向コントロールポイントCP2、及び傾斜コントロールポイントCP3の3点に、地質境界面または断層面を確認するために行われる地質探査の探査データから得られる探査コントロールポイントCP4を加えた、少なくとも4点の点データについて、好ましくは重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法により最適平面(推定平面)の最適解を求めて、予測地質境界面10または予測断層面の変動範囲を算定するので、切羽前方の地山に対して行なわれた地質探査の探査データを反映させることによって、地質調査図30のデータのみから得られる計画地質境界面11または計画断層面と比較して、より精度の良い予測地質境界面10または予測断層面を、簡易に且つ容易に推定して予測することが可能になる。

0048

なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば探査コントロールポイントCP4は、3本の先進ボーリングの探査データから得る必要は必ずしも無く、2本または1本の先進ボーリングの探査データから得ることもできる。探査データを得るための地質探査は、先進ボーリング等の削孔検層によるものである必要は必ずしも無く、弾性波探査、FDEM探査等の、トンネルの切羽前方の地山の地質を探査する方法として公知の、その他の種々の探査方法を用いることもできる。

0049

走向コントロールポイントが定められる露頭コントロールポイントから走向方向に所定長さ離れた位置や、傾斜コントロールポイントが定められる露頭コントロールポイントから傾斜方向に所定長さ離れた位置は、1°の角度誤差があった場合に、1mの距離誤差を生じる長さ分離れた位置である必要は必ずしもなく、適宜設定することがきる。

0050

さらに、露頭コントロールポイント、走向コントロールポイント、傾斜コントロールポイント、及び探査コントロールポイントの座標値から、予測地質境界面または予測断層面の最適平面(推定平面)を算定する所定の計算式は、重み付き線形最小二乗法または重み付き非線形最小二乗法である必要は必ずしも無く、与えられた点データから平面推定を行うことが可能な、その他の種々の計算式を用いることができる。

0051

10予測地質境界面(予測断層面)
11計画地質境界面(計画断層面)
12 異なる地層の境界線(断層線)
13露頭
20山岳トンネル(トンネル)
30地質調査図
31地質平面図
32 地質縦断面図
CP1 露頭コントロールポイント
CP2走向コントロールポイント
CP3 傾斜コントロールポイント
CP4探査コントロールポイント
X 走向方向
Y 傾斜方向

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