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技術 基板の欠陥検査装置、基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法及び記憶媒体

出願人 東京エレクトロン株式会社
発明者 北田泰裕葉瀬川泉富田浩中山浩介西山直
出願日 2016年6月30日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-130593
公開日 2018年1月11日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2018-004393
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査の特殊な応用 画像処理 イメージ分析
主要キーワード 基準画素データ 判断モード 欠陥基板 正規分布曲線 感度パラメータ 平面分布 基板選択 複素関数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (14)

課題

基板欠陥検査時に使用されるパラメータ値の調整を自動で行うことができ、基板の欠陥検査時において疑似欠陥の検出低減を図ることができる技術を提供する。

解決手段

選択された仮想検査用の基板Wの各画素値に対し、調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較する。そして、外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新する。さらに、この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとする。

概要

背景

半導体装置の製造工程の1つであるフォトリソグラフィ工程では、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)の表面に対して、レジストの塗布によるレジスト膜の形成、当該レジスト膜の露光現像が順次行われて、レジストパターンが形成される。このレジストパターンが形成されたウエハの面内の各部において、欠陥の有無を判断する欠陥検査が行われる場合が有る。この欠陥検査は、検査対象のウエハを撮像して取得した画像データと、予め用意した基準画像データ及び多数のパラメータと、に基づいて行われる。

実際には欠陥ではないが、上記の検査の上で欠陥と判断されることを疑似欠陥とする。上記のパラメータは、この疑似欠陥の発生が抑制されるように設定されることが求められる。そして、上記のレジスト膜を形成するにあたり、新規半導体デバイスを製造したり歩留りを向上したりする目的で、例えば使用するレジストの材料の変更などの各種の処理条件の変更が行われた場合や、検査時に用いられる照明光源の明るさが変化した場合には、このパラメータを改めて設定することが必要になる場合がある。

しかし上記のパラメータについては多数存在するため、装置のオペレータはパラメータの変更と、この変更による検査への影響を確認する作業とを何度も繰り返すことになり、このような試行錯誤の結果、多くの手間及び時間がかかる。さらに、適切なパラメータ値の組み合せとしては1つではないことから、オペレータの熟練度によって設定される各パラメータ値が異なる場合が有る。即ち、パラメータ値を設定するオペレータの熟練度によって、検査の精度が影響されてしまい、十分に疑似欠陥を防止することができないおそれがある。特許文献1は基準画像データの作成方法について示されているが、上記のパラメータ値の設定方法については示されておらず、この問題を解決するには不十分である。

概要

基板の欠陥検査時に使用されるパラメータ値の調整を自動で行うことができ、基板の欠陥検査時において疑似欠陥の検出低減をることができる技術を提供する。選択された仮想検査用の基板Wの各画素値に対し、調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較する。そして、外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新する。さらに、この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとする。

目的

本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、基板の欠陥検査時に使用されるパラメータ値の調整を自動で行うことができ、基板の欠陥検査時において疑似欠陥の検出低減を図ることができる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

検査対象である基板表面全体撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付け基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する基板の欠陥検査装置において、前記感度パラメータ値の調整時に、調整後に使用する基準画素データを作成する基準画素データ作成部と、前記感度パラメータ値を調整するための感度パラメータ値の調整部と、前記感度パラメータ値を調整するために用いられ、前記基準画素データと比較して仮想検査をおこなうための仮想検査用の複数の基板を、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の中から選択する仮想検査用の基板選択部と、を備え、前記感度パラメータ値の調整部は、選択された仮想検査用の基板の各画素値に対し、前記調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較するステップと、外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新するステップと、この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとして記憶部に記憶するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とする基板の欠陥検査装置。

請求項2

検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値は、三原色であるR(赤)、G(緑),B(青)の各々の画素値であり、基準画素データは、R、G、B毎に各位置と画素値の許容範囲とを対応付けたデータであることを特徴とする請求項1記載の基板の欠陥検査装置

請求項3

前記基準画素データ作成部は、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の各々に対して、画素平面分布ゼルニケ関数で分解してゼルニケ係数を取得し、各基板の同じゼルニケ係数について当該複数の基板の平均値から予め設定した離れ度合よりも小さい基板群を選択し、選択された基板群に基づいて基準画素データを作成するように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の基板の欠陥検査装置

請求項4

前記仮想検査用の基板選択部は、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の各々に対して、画素の平面分布をゼルニケ関数で分解してゼルニケ係数を取得し、各基板の同じゼルニケ係数である特徴点について当該複数の基板の平均値から予め設定した離れ度合よりも離れた基板群を選択するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板の欠陥検査装置

請求項5

前記感度パラメータ値の調整後に、実際に検査される検査対象の基板について画素の平面分布をゼルニケ関数で分解してゼルニケ係数である特徴点を取得し、この特徴点が閾値から外れているか否かを監視し、この監視結果に基づいて、前記感度パラメータ値の調整のタイミングを決定する監視部と、前記監視部で使用される監視用閾値を作成する監視用閾値作成部と、を備え、前記監視用閾値作成部は、前記感度パラメータ値の調整時に行われる仮想検査時において、前記選択された仮想検査用の基板について、前記許容範囲から外れていないか、外れていても前記外れ量が前記感度パラメータ値を越えていないか、あるいは前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異が前記閾値以下である場合には、当該基板の前記特徴点を前記監視用閾値の候補値とし、この操作を前記選択された仮想検査用の基板について順次行って、最終的に得られた候補値を、前記監視用閾値として決定することを特徴とする請求項4記載の基板の欠陥検査装置。

請求項6

前記感度パラメータ値は、基板の領域に応じて決められていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の基板の欠陥検査装置。

請求項7

検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付けた基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する欠陥検査装置に用いられる感度パラメータ値を調整する方法において、前記感度パラメータ値の調整時に、調整後に使用する基準画素データを作成する工程と、前記感度パラメータ値を調整する工程と、前記感度パラメータ値を調整するために用いられ、前記基準画素データと比較して仮想検査をおこなうための仮想検査用の基板を、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の中から選択する工程と、選択された仮想検査用の基板の各画素値に対し、前記調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較する工程と、外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異が閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新する工程と、この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとして記憶部に記憶する工程と、を含むことを特徴とする基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法

請求項8

検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値は、三原色であるR(赤)、G(緑),B(青)の各々の画素値であり、基準画素データは、R、G、B毎に各位置と画素値の許容範囲とを対応付けたデータであることを特徴とする請求項7記載の基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法。

請求項9

検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付けた基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する基板の欠陥検査装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項7または8に記載の基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする記憶媒体。

技術分野

0001

本発明は基板撮像して得られる画像データを用いて基板の欠陥を判断する欠陥検査装置基板欠陥検査用感度パラメータ値の調整方法及び欠陥検査装置に用いられるコンピュータプログラムが格納された記憶媒体に関する。

背景技術

0002

半導体装置の製造工程の1つであるフォトリソグラフィ工程では、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)の表面に対して、レジストの塗布によるレジスト膜の形成、当該レジスト膜の露光現像が順次行われて、レジストパターンが形成される。このレジストパターンが形成されたウエハの面内の各部において、欠陥の有無を判断する欠陥検査が行われる場合が有る。この欠陥検査は、検査対象のウエハを撮像して取得した画像データと、予め用意した基準画像データ及び多数のパラメータと、に基づいて行われる。

0003

実際には欠陥ではないが、上記の検査の上で欠陥と判断されることを疑似欠陥とする。上記のパラメータは、この疑似欠陥の発生が抑制されるように設定されることが求められる。そして、上記のレジスト膜を形成するにあたり、新規半導体デバイスを製造したり歩留りを向上したりする目的で、例えば使用するレジストの材料の変更などの各種の処理条件の変更が行われた場合や、検査時に用いられる照明光源の明るさが変化した場合には、このパラメータを改めて設定することが必要になる場合がある。

0004

しかし上記のパラメータについては多数存在するため、装置のオペレータはパラメータの変更と、この変更による検査への影響を確認する作業とを何度も繰り返すことになり、このような試行錯誤の結果、多くの手間及び時間がかかる。さらに、適切なパラメータ値の組み合せとしては1つではないことから、オペレータの熟練度によって設定される各パラメータ値が異なる場合が有る。即ち、パラメータ値を設定するオペレータの熟練度によって、検査の精度が影響されてしまい、十分に疑似欠陥を防止することができないおそれがある。特許文献1は基準画像データの作成方法について示されているが、上記のパラメータ値の設定方法については示されておらず、この問題を解決するには不十分である。

先行技術

0005

特開2014−115140号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、基板の欠陥検査時に使用されるパラメータ値の調整を自動で行うことができ、基板の欠陥検査時において疑似欠陥の検出低減を図ることができる技術を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の基板の検査装置は、検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付け基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する基板の欠陥検査装置において、
前記感度パラメータ値の調整時に、調整後に使用する基準画素データを作成する基準画素データ作成部と、
前記感度パラメータ値を調整するための感度パラメータ値の調整部と、
前記感度パラメータ値を調整するために用いられ、前記基準画素データと比較して仮想検査をおこなうための仮想検査用の複数の基板を、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の中から選択する仮想検査用の基板選択部と、を備え、
前記感度パラメータ値の調整部は、
選択された仮想検査用の基板の各画素値に対し、前記調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較するステップと、外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新するステップと、この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとして記憶部に記憶するステップと、を実行するように構成されたことを特徴とする基板の欠陥検査装置。

0008

本発明の基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法は、検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付けた基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する欠陥検査装置に用いられる感度パラメータ値を調整する方法において、
前記感度パラメータ値の調整時に、調整後に使用する基準画素データを作成する工程と、
前記感度パラメータ値を調整する工程と、
前記感度パラメータ値を調整するために用いられ、前記基準画素データと比較して仮想検査をおこなうための仮想検査用の基板を、前記感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の中から選択する工程と、
選択された仮想検査用の基板の各画素値に対し、前記調整後に使用する基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する許容範囲から外れているときには、外れ量と調整前の感度パラメータ値とを比較する工程と、
外れ量が当該感度パラメータ値を越えておりかつ前記外れ量と当該感度パラメータ値との差異が閾値以下であるときには、前記外れ量を新たな感度パラメータ値として更新する工程と、
この操作を前記過去に検査した複数の基板の画像データに対して順次行うと共に外れ量の比較対象である感度パラメータ値が更新されているときには更新された感度パラメータ値を用い、最後に更新された感度パラメータ値を調整後の感度パラメータとして記憶部に記憶する工程と、
を含むことを特徴とする。

0009

本発明の記憶媒体は、検査対象である基板の表面全体を撮像して得られた画像データの各画素値に対し、各位置と画素値の許容範囲とを対応付けた基準画素データを用いて、各画素値がその位置に対応する前記許容範囲から外れているときには、外れ量と外れ許容量である感度パラメータ値とを比較して外れ量が感度パラメータ値を越えているときに当該基板を欠陥基板と判断する基板の欠陥検査装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上記の基板欠陥検査用の感度パラメータ値の調整方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明は、基板の表面全体を撮像して得られた画像データと基準画素データとを比較して、基板が欠陥であるか否かを判定する感度パラメータ値を自動調整している。具体的には、感度パラメータ値の調整時よりも過去に検査した複数の基板の中から仮想検査用の複数の基板を選択し、感度パラメータ調整後の新たな基準画素データと比較して仮想検査を行い、ある基板が擬似欠陥と判定された場合に当該基板が擬似欠陥と判定されないように感度パラメータ値を緩くしている。そしてこの操作を、選択された仮想検査用の複数の基板について順次行い、最終的に得られた感度パラメータ値を新たな感度パラメータ値として使用するようにしている。従って、感度パラメータ値の調整を試行錯誤で行っていたオペレータの負担がなくなり、しかも安定した基板欠陥検査を実現することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明が適用される塗布、現像装置の概略全体構成図である。
塗布、現像装置において実施される実検査の概略を示す説明図である。
撮像されるウエハの表面の模式図である。
ウエハの表面の画像を取得するために前記塗布、現像装置に設けられる撮像モジュールである。
前記塗布、現像装置に設けられるウエハについての欠陥検査システムの構成図である。
前記欠陥検査システムを構成するデータ解析コンピュータを示すブロック図である。
前記ウエハの欠陥検査のフロー図である。
取得されたウエハの特徴量の一例を示す表図である。
ウエハの基準画像データ及び仮想検査の対象となるウエハWの画像データを取得する手順を示す説明図である。
前記仮想検査の手順を示す説明図である
取得されたウエハの特徴量の一例を示す表図である。
仮想検査の概要を示すための説明図である。
前記欠陥検査を行うためのパラメータを設定するために行う仮想検査のフロー図である。

実施例

0012

本発明が適用された塗布、現像装置1について、図1の概略平面図を参照して説明する。この塗布、現像装置1は、キャリアブロック11と、中間ブロック12と、処理ブロック13と、インターフェイスブロック14と、をこの順に、水平方向に直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロック14には、露光機15が接続されている。キャリアブロック11には基板であるウエハWが格納されたキャリア16が、図示しない搬送機構によって搬送されて載置される。処理ブロック13には、ウエハWの表面にレジストを供給してレジスト膜を形成するレジスト膜形成モジュール17と、露光機15にて所定のパターンに沿って露光されたレジスト膜に現像液を供給してレジストパターンを形成する現像モジュール18と、が設けられている。中間ブロック12には、現像されたウエハWの表面全体を撮像する撮像モジュール2が示されている。なお、このウエハWの表面全体とは、半導体デバイスが形成される領域の表面全体であればよい。

0013

各ブロック11〜14は図示しないウエハWの搬送機構を備えており、当該搬送機構によってキャリア16に格納されたウエハWは、中間ブロック12→レジスト膜形成モジュール17→インターフェイスブロック14→露光機15→インターフェイスブロック14→現像モジュール18→撮像モジュール2の順で搬送されて、キャリア16に戻される。図1点線の矢印は、このウエハWの搬送経路を示している。このようにウエハWが搬送されることで、当該ウエハWの表面におけるレジストパターンの形成と、当該ウエハWの表面全体の撮像と、が行われる。撮像されて得られた画像データは、ウエハWの面内における異常の有無を検査するために使用される。なお、この画像データは、画像中の各位置の画素について、三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の各画素値の情報が含まれたデータである。

0014

ところで、この塗布、現像装置1においては、上記の検査、即ちウエハWに実際に異常が有るか否かを判断する検査と、当該検査に用いられる後述の感度パラメータ調整用の検査と、が行われる。以降、実際にウエハWに異常が有るか否かを判断する検査については実検査、感度パラメータの調整用の検査を仮想検査として夫々記載する。なお、背景技術項目で述べた検査、パラメータは、これら実検査、感度パラメータに夫々相当する。

0015

上記のウエハWの実検査について説明する。実検査は、予め作成済みのウエハWの基準画像データ(基準ウエハWの画像データ)と、検査対象となるウエハWから取得された画像データとを比較することで行う。このウエハWの基準画像データ(基準画素データ)とは、RGBの各々について、ウエハの画像の画素(ピクセル)毎に、画素の位置と画素値の許容範囲とが対応付けられたデータである。そして、ここで言うウエハWの基準画像データと検査対象のウエハWの画像データとの比較とは、基準画像データと検査対象のウエハWの画像データとの間で、互いに同じ位置の画素について、R、G、B毎の画素値を比較することであり、更に詳しく述べると、基準画像データの許容範囲の画素値と、検査対象ウエハWの画像データの画素値との差分値を求めることである。即ち、この差分値は、当該許容範囲からの検査対象ウエハWの画像データの画素値の外れ量である。

0016

すべての位置の画素においてR、G,Bの各外れ量が0である場合には、検査対象のウエハWには欠陥が無いと判断される。いずれかの位置の画素において、R、G、Bのいずれかの外れ量が0とはならない場合には、そのように0とはならない外れ量について、RGB毎に各々設定された外れ許容量である感度パラメータ値と比較される。比較の結果、外れ量がこの感度パラメータ値を越えている場合には、検査対象のウエハWにおいて、この画素に対応する位置に欠陥が発生しており、当該検査対象のウエハWは欠陥を有する欠陥ウエハWであると判断される。外れ量がこの感度パラメータ値を越えていない場合には、欠陥ウエハWでは無いと判断される。

0017

図2は、上記の実検査の手順を模式的に示したものであり、検査対象ウエハWの画像データ及びウエハWの基準画像データについて、各データにおいて任意の同じ位置の画素をP1としている。そして、検査対象ウエハWの画素P1におけるR、G、Bは夫々a1、a2、a3、基準画像データの画素P1におけるR、G、Bの各許容範囲は夫々b1〜c1、b2〜c2、b3〜c3であるものとしている。RGBのうちRについてのみ、許容範囲に検査対象ウエハWの画素値が含まれず、b1〜c1<a1であり、外れ量a1−c1が0とはならないものとする。

0018

そしてR、G、Bについての感度パラメータが夫々q1、q2、q3として設定されているとすると、外れ量a1−c1は、Rについての感度パラメータq1と比較され、q1<a1−c1であれば欠陥として判断され、q1≧a1−c1であれば欠陥では無いと判断される。なお、図の煩雑化を防ぐために画素P1においてのみ、検査対象ウエハWの画像データとウエハWの基準画像データとの比較が行われるように示しているが、この比較はウエハWの面内の各画素について行われる。また、以上の実検査の説明における各比較、各判断及び外れ量の算出は、後述するコンピュータにより実施される。

0019

上記の感度パラメータについてさらに補足しておくと、この感度パラメータとしては、RGB毎にD1〜D4の4種類が設定されており、上記の外れ量が算出される画素の位置に応じて、D1〜D4のうちのいずれか1つまたは複数が使用されるように設定されている。つまり、D1、D2、D3、D4を夫々用いた上記の欠陥判断を欠陥判断モード1、2、3、4とすると、ウエハWの面内において夫々欠陥判断が行われる領域が欠陥判断モード1〜4毎に設定されている。例えばD1〜D4のうちの1つはウエハWの中心部の欠陥判断に適用され、D1〜D4のうちの他1つはウエハWの周縁部の欠陥判断に適用される。

0020

この塗布、現像装置1においては、ウエハWの基準画像データ及び感度パラメータD1〜D4の更新が、コンピュータにより自動で行われる。これらウエハWの基準画像データ及び感度パラメータD1〜D4の更新は、当該更新を行う前に撮像モジュール2にて撮像されることで予め取得済みの多数のウエハWの画像データを用いて実施される。概略を述べておくと、取得済みの多数の画像データから、明らかに欠陥が含まれていると考えられる画像データを除外し、そのように除外が行われた多数の画像データからウエハWの基準画像データを新たに作成する。

0021

そして、除外が行われた多数のウエハWの画像データの各々について、新たに作成されたウエハWの基準画像データを用いて欠陥の有無を検査する。この検査が上記の仮想検査であり、当該仮想検査においてウエハWに欠陥が無いと判断されると、当該ウエハWが仮に実検査されたとした場合にこのウエハWが欠陥ウエハWとされないような値となるように感度パラメータD1〜D4が更新される。そして、このようなウエハWの基準画像データ及び感度パラメータD1〜D4の更新を行うタイミングについては、当該更新を行う前に取得された多数のウエハWの画像データから各々取得されるパラメータであるウエハWの特徴量に基づいて決定される。より詳しくは、取得される特徴量が、当該特徴量について予め設定された上限閾値または下限閾値を外れているか否かについてコンピュータにより監視され、この監視結果に基づいて決定される。

0022

上記のウエハWの特徴量(特徴点)としては、R,G,B毎にゼルニケ(Zernike)多項式を用いてウエハ面内の画素値の平面分布Zをゼルニケ関数で分解して表したゼルニケ係数Zi(iは1以上の整数)が用いられる。各ゼルニケ係数Ziは、夫々が個別にウエハWの面内における画素値の分布特性を示す。以下の説明では、例えばゼルニケ係数Ziのうち、Z1〜Z4の4つがウエハWの特徴量として用いられるものとするが、そのように特徴量として使用するゼルニケ係数Ziを選択することには限られない。従って、例えばZ1〜Z4以外のゼルニケ係数ZiをウエハWの特徴量として使用することができるし、使用するゼルニケ係数Ziの数も4つには限られない。

0023

このゼルニケ係数Ziの取得方法について説明しておく。上記のようにゼルニケ多項式を用いて取得される。このゼルニケ多項式は、主に光学分野で用いられる複素関数であり、二つの次数(n,m)を有している。また、半径が1の単位円上の関数でもあり、極座標引数(r,θ)を有している。このゼルニケ多項式は、光学分野では例えばレンズ収差成分解析するために使用されており、波面収差をゼルニケ多項式を用いて分解することで各々独立した波面、例えば山型鞍型等の形状に基づく収差成分を知ることができる。

0024

以下、図3を参照して説明を続ける。図3は、ウエハWの面内における各画素Pの画素値の平面分布Zを表したものであり、各画素Pの内側に記載されている数値は当該画素Pの画素値を示している。なお、説明を容易にするために、図3においては、X軸方向に沿った一列の画素Pについてのみ記載している。そして、この画素値の平面分布Zに対してゼルニケ多項式を適用するにあたっては、各画素Pの画素値をウエハW面上の高さ方向(図3のZ方向正方向)に表す。その結果、各画素Pの画素値の平面分布を、3次元に描かれる所定の形状の曲線として捉えることができる。そして、ウエハW面内全ての画素Pの画素値について、同様にウエハW面上の高さ方向に表すことで、ウエハW面内の画素値の分布を、3次元の円形の波面として捉えることができる。このように3次元の波面として捉えることでゼルニケ多項式が適用可能となり、ゼルニケ多項式を用いてウエハ面内の画素値の平面分布Zを、例えばウエハ面内の上下左右方向の傾き成分、凸状或いは凹状に湾曲する湾曲成分などの複数の画素値分布成分Ziに分解できる。各画素値分布成分Ziの大きさは、ゼルニケ係数により表すことができる。

0025

各画素値分布成分Ziを表すゼルニケ係数は,具体的に極座標の引数(r,θ)及び次数(n,m)を用いて表せられる。以下に一例として1項〜9項までのゼルニケ係数を示す。
Z1,n=0,m=0
(1)
Z2,n=1,m=1
(r・cosθ)
Z3,n=0,m=−1
(r・sinθ)
Z4,n=2,m=0
(2r2−1)
Z5,n=2,m=2
(r2・cos2θ)
Z6,n=2,m=−2
(r2・sin2θ)
Z7,n=3,m=1
((3r3−2r)・cosθ)
Z8,n=3,m=−1
((3r3−2r)・sinθ)
Z9,n=4,m=0
(6r4−6r2+1)

0026

例えば1項目のゼルニケ係数であるゼルニケ係数Z1はウエハ面内の画素値の平均値を意味し、2番目のゼルニケ係数Z2はウエハ面内における画素値の左右方向の傾き成分、3番目のゼルニケ係数Z3はウエハ面内の画素値の前後方向(ゼルニケ係数Z2の傾きの方向と直交する方向)の傾き成分、4番目のゼルニケ係数Z4はウエハの中心を原点とする画素値の湾曲成分を意味している。

0027

以下、塗布、現像装置1の構成の説明に戻り、上記の撮像モジュール2について図4の縦断側面図を参照して説明する。撮像モジュール2は筐体21を備えており、筐体21内にウエハWの裏面側中央部を吸着し、ウエハWを水平に保持する載置台22が設けられている。図中23は、筐体21の側方に開口したウエハWの搬送口である。筐体21内において搬送口23が開口している側を手前側とすると、載置台22は手前側と奥側との間で水平移動自在に構成されている。図中24は、この載置台22の水平移動のためのガイドであり手前側から奥側へと伸長している。

0028

ガイド24上には筐体21内を左右に伸びる横長のハーフミラー25が設けられており、このハーフミラー25は当該ガイド24の伸長方向に対して側面視斜めに設けられている。また、ハーフミラー25の上方には当該ハーフミラー25を介して下方に光を照射する照明26が設けられている。ハーフミラー25の奥側にはカメラ27が設けられている。照明26からの照明がハーフミラー25を通過し、ハーフミラー25の下方の照射領域に当てられる。そして、この照射領域における物体反射光がハーフミラー25で反射し、カメラ27に取り込まれる。即ちカメラ27は、ハーフミラー25の下方に位置する物体を撮像することができる。そして、ウエハWがガイド24に沿ってハーフミラー25の下方を手前側から奥側に向けて移動しているときに、カメラ27が間欠的に撮像を行い、ウエハWの表面全体を撮像して画像データを作成することができる。

0029

この撮像モジュール2のカメラ27は、図5に示すようにデータ蓄積用コンピュータ3に接続されており、取得した各ウエハWの画像データを当該データ蓄積用コンピュータ3に送信する。データ蓄積用コンピュータ3は、この受信した画像データを、当該コンピュータ3に含まれるメモリ内に格納して蓄積する。そして、このデータ蓄積用コンピュータ3は、データ解析用コンピュータ4に接続されている。データ解析用コンピュータ4は、データ蓄積用コンピュータ3に蓄積されたウエハWの画像データを用いて、上記のウエハWの基準画像データ及び感度パラメータD1〜D4の更新を行うためのコンピュータである。撮像モジュール2、データ蓄積用コンピュータ3及びデータ解析用コンピュータ4によって、基板の欠陥検査装置が構成される。

0030

続いて、図6を用いてデータ解析用コンピュータ4の構成について説明する。図中41はバスであり、プログラム42〜46を格納するプログラム格納部47とバス41にはメモリ48と、が接続されている。また、データ蓄積用コンピュータ3もこのバス41に接続されており、データ解析用コンピュータ4にウエハWの画像データを送信することができるように構成されている。

0031

プログラム42は、データ蓄積用コンピュータ3から送信される各ウエハWの画像データを用いて、上記の特徴量であるゼルニケ係数Zi(Z1〜Z4)を算出する監視用閾値作成部をなすウエハの特徴量算出プログラムである。また、このプログラム42は、ゼルニケ係数Ziがメモリ48に記憶される閾値から外れているか否かを監視することで、上記の感度パラメータDの更新のタイミングを決定する監視部としても構成されている。

0032

プログラム43は、データ蓄積用コンピュータ3に蓄積される各ウエハWの画像データの中からウエハWの基準画像データを作成するための画像データを選択する基準画像データ作成用の画像データ選択プログラムである。プログラム44は、プログラム43が選択した画像データを用いてウエハWの基準画像データを作成する基準画像データ作成プログラムであり、基準画素データ作成部として構成されている。

0033

プログラム45は、データ蓄積用コンピュータ3に蓄積される各ウエハWの画像データの中から、仮想検査を行うための画像データを選択して、当該仮想検査を実施する仮想検査実施プログラムである。また、このプログラム45によって、感度パラメータDの更新及びゼルニケ係数Ziの閾値の更新も行われ、当該プログラム45はパラメータ値の調整部として構成されている。プログラム46は既述の実検査を実施する実検査実施プログラムである。

0034

これらのプログラム42〜46は、例えばハードディスクコンパクトディスクマグネットオプティカルディスクまたはメモリーカードなどの記憶媒体に収納された状態でプログラム格納部47が格納される。そして、既述の実検査や、後述の感度パラメータの調整などの各処理を行うことができるように、ステップ群が組まれている。

0035

記憶部であるメモリ48は、記憶領域48A〜48Cを備えている。記憶領域48Aには、図3で説明した各ウエハWの画像データから取得されるRGB毎のウエハWのゼルニケ係数Ziが、当該画像データを取得したウエハWに対応付けられて記憶される。図7では一例として、直近に取得された100枚のウエハW(便宜上、1〜100の番号を付して示している)について、取得されたゼルニケ係数Z1を示している。なお、Z1以外のゼルニケ係数Z2〜Z4についてもZ1と同様に記憶領域48Aに記憶されるが、図中の表示を省略している。

0036

記憶領域48Bには、上記のゼルニケ係数についての許容範囲をなす上限の閾値と下限の閾値とが記憶される。これらの上限閾値及び下限閾値は、ウエハWのゼルニケ係数Ziの各々ついて、RGB毎に設定されている。上記のように、感度パラメータ値及びウエハWの基準画像データの更新が行われると、この記憶領域48Bに記憶される上限閾値及び下限閾値は、再設定される。記憶領域48Cには、感度パラメータD1〜D4が、RGB毎に記憶される。

0037

続いて、上記の塗布、現像装置1及びコンピュータ3、4によって行われる処理の手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。図1で説明したように、塗布、現像装置1内をウエハWが搬送され、レジストパターンが形成されたウエハWが撮像されて画像データ(検査対象のウエハWの画像データ)が取得され、この画像データがデータ蓄積用コンピュータ3に順次送信される。また、この画像データは、データ蓄積用コンピュータ3からデータ解析用コンピュータ4にも送信され、図2で説明したようにウエハ基準画像データと比較されて、当該画像データのウエハWの実検査が行われる。また、この実検査に並行して、検査対象とされたウエハWの画像データについて、RGB毎にゼルニケ係数Z1〜Z4の算出が行われる。

0038

そして、n(nは整数)枚目のウエハWの画像データからRGB毎の各ゼルニケ係数Z1〜Z4が取得されると、取得した各ゼルニケ係数Ziが特徴量の上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えているか否か判断される。各ゼルニケ係数Ziのうちのいずれも上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えていないと判断されると、n+1枚目のウエハWの画像データについて、各ゼルニケ係数Ziの取得、取得した各ゼルニケ係数Ziが上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えているか否かの判断が、順次行われる。

0039

n枚目のウエハWの画像データから取得した各ゼルニケ係数Ziのうちのいずれかが上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えていると判断されると、そのように上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えたゼルニケ係数Ziについて、上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えることが所定の回数を越えて連続して発生したか否か判断される(ステップS1)。このステップS1で、所定の回数を越えて連続して発生していないと判断された場合には、n+1枚目のウエハWの画像データについて、各ゼルニケ係数Ziの取得、取得した各ゼルニケ係数Ziが上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えているか否かの判断が、順次行われる。

0040

ステップS1において、所定の回数を越えて連続してゼルニケ係数Ziのいずれかが上限閾値及び下限閾値のうちの一方を越えていると判断された場合、データ蓄積用コンピュータ3に蓄積されたウエハWの画像データのうち、直近に取得された所定の枚数のウエハWの画像データを用いて、ウエハWの基準画像データと、感度パラメータ値と、ゼルニケ係数Ziの上限閾値及び下限閾値とについて更新がなされる(ステップS2)。つまり、ゼルニケ係数Ziが所定の回数を越えて連続して上限閾値または下限閾値を越えていると判断されてステップS2が実施されるまで、ステップS1は繰り返し実行される。

0041

そして、上記のステップS2の実施後は、更新されたウエハWの基準画像データと、感度パラメータ値と、ゼルニケ係数Ziの上限閾値及び下限閾値とを用いて、ウエハWの実検査が再開される(ステップS3)。つまり、これらの更新されたウエハW基準画像データと、感度パラメータ値と、ゼルニケ係数Ziの上限閾値及び下限閾値とを用いて、ステップS1が再度行われる。これらステップS1〜S3は、上記のプログラム42〜46により実行される。

0042

以下、上記のフローのステップS2の具体的な手順について、図9図10の模式図を参照して説明する。この説明例では、当該ステップS2は図7に示したウエハ1〜100の画像データが使用されるものとする。図10の左上部の囲み(E1として表示している)は、上記のフローのステップS1で取得されたウエハ1〜ウエハ100の画像データを示しており、囲みE1からの矢印の先の表E2は、そのウエハ1〜ウエハ100の画像データから取得されたウエハの特徴量を示している。つまり、表示を簡略化しているが、表E2は図7の表と同じものである。

0043

ステップS2が開始されると、取得された特徴量であるゼルニケ係数Ziについて、ゼルニケ係数の次数(項数)が同じであるものが抽出され、RGB毎にグループ化される。図11では、代表してZ1についてのR,G、Bの各グループの特徴量を示している。以下、各グループについて同様の処理が行われるので、代表して、Rについてのゼルニケ係数Z1のグループ(R−Z1グループと記載する)について行われる処理を説明する。図9において、表E2からの矢印の先には、R−Z1グループの正規分布曲線をE3として表している。

0044

先ず、この正規分布曲線E3における外れ値が検出される。正規分布曲線E3中に、この外れ値となる領域を点線の円で囲って示している。そして、この外れ値に対応するウエハWについては、欠陥が存在する欠陥ウエハWとみなし、以降の処理では、この欠陥ウエハWのゼルニケ係数は使用されない。R−Z1グループから欠陥ウエハWのZ1を除外したグループを欠陥除外済みR−Z1グループとして記載する。図9中には、欠陥除外済みR−Z1グループから作成される正規分布曲線をE4として示している。

0045

そして、この欠陥除外済みR−Z1グループのゼルニケ係数Z1について、平均値に対して最も近い値のゼルニケ係数Z1を有するウエハWの画像データが抽出される。また、当該ゼルニケ係数Z1の平均値−1.5σ以上、且つ当該ゼルニケ係数Z1の平均値+1.5σ以下の範囲内に含まれるゼルニケ係数Z1のうち、夫々最大値最小値を示すウエハWの画像データが抽出される。なお、σは標準偏差である。従って、概略的には図9中の右上に示す正規分布曲線E4において、点線の円で囲む領域におけるゼルニケ係数Z1を有するウエハWの画像データが抽出される。

0046

上記のように、R−Z1グループ以外の各グループについても同様の処理が行われるため、当該各グループについてもR−Z1グループと同様に、ウエハWの画像データの抽出が行われる。そのように各グループから抽出された多数のウエハWの画像データが合成されることで、ウエハWの基準画像データが作成される。ここで言う合成とは、具体的にはウエハWの画像データの画素毎に、選択されたウエハWの画像データの中からRGB毎の画素値の最小値と最大値とを決定することである。そして、この最小値〜最大値が、図2で説明した画素値の許容範囲として設定されて、ウエハWの基準画像データが作成される。このようにウエハWの基準画像データは、複数のウエハWについて同じゼルニケ係数の値を見たときに、当該複数のウエハWのゼルニケ係数の平均値から予め設定した離れ度合よりも小さいウエハW群が選択され、当該選択されたウエハW群に基づいて作成される。つまり、基準画像データは、多数の画像データのうち、欠陥ウエハWである可能性が極めて低いウエハWの画像データを用いて作成される。

0047

ここで再び、欠陥除外済みR−Z1グループについて説明する。このグループにおいて例えば、当該グループにおけるゼルニケ係数Z1の平均値−1.5σ以下、且つ当該ゼルニケ係数Z1の平均値+1.5σ以上の範囲における各画像データを仮想検査対象のウエハWの画像データとして抽出する。具体的には例えば、ゼルニケ係数Z1が最大値、最小値となる各画像データと、ゼルニケ係数Z1が最大値に最も近い値、最小値に最も近い値となる画像データとを仮想検査対象のウエハWの画像データとして抽出する。従って、抽出された画像データは、概略的には、図9中の右下に示す正規分布曲線E4において点線の円で囲まれる領域に対応するウエハWの画像データである。

0048

R−Z1以外の各グループからもR−Z1グループと同様に仮想検査対象の画像データが抽出される。即ち、複数のウエハWについて同じゼルニケ係数の値を見たときに、当該複数のウエハWの平均値から予め設定した離れ度合よりも大きく離れたウエハW群の画像データが、仮想検査対象の画像データとされる。このようにゼルニケ係数が平均値から比較的大きく離れるウエハWの画像データを仮想検査対象の画像データとして抽出するのは、後述するように仮想検査の結果に基づいて感度パラメータD1〜D4を更新するにあたり、実検査において欠陥の検出を確実に行える範囲で、可能な限り疑似欠陥を防止できるような値とするためである。

0049

また、仮想検査を開始するにあたって各ゼルニケ係数のグループから、当該グループに対応するゼルニケ係数Ziの上限閾値、下限閾値が再設定される。具体的に、上記の欠陥除外済みR−Z1グループからゼルニケ係数Z1の平均値+1.5σ、ゼルニケ係数Z1の平均値−1.5σが夫々取得され、これらの各値が、RのZ1の上限閾値、下限閾値として夫々設定される。

0050

このように基準画像データと、多数の仮想検査対象のウエハWの画像データとが取得され、ゼルニケ係数のZiの上限閾値及び下限閾値が設定されると、仮想検査が実施される。図10は、この仮想検査の概略を示したものである。先ず、図に示すように、仮想検査対象のウエハW群の画像データから1枚のウエハWの画像データが選択され、この選択された画像データとウエハWの基準画像データとの比較が行われる。つまり、図10中央に示すように、各位置の画素について基準画像データとして設定される画素値の許容範囲と、検査対象のウエハWの画素値との差分(許容範囲からの外れ量)が算出される。

0051

全ての位置の画素において外れ量が0である場合には、当該検査対象のウエハWは異常無しとされる。また、外れ量が0では無い画素がある場合、図10に示すように、当該画素の外れ量と当該画素に適用されるように設定された感度パラメータD(図2参照)と、が比較される。比較の結果、外れ量が感度パラメータD以下であれば、検査対象のウエハWは異常無しとされる。外れ量が感度パラメータDより大きければ、外れ量が予め設定された閾値(最終判断閾値とする)を越えているか否か判断される。この最終判断閾値は、例えばRGB毎にD1〜D4について予め各々設定されている。そして、当該最終判断閾値を越えていないと判断された場合、検査対象のウエハWは、仮に実検査されたとした場合には疑似欠陥となる疑似欠陥ウエハWであると判断される。つまり、実際には欠陥が無いウエハWとして判断される。このように検査対象のウエハWが疑似欠陥ウエハWと判断された場合、当該検査対象のウエハWが仮に実検査されたとした場合に欠陥ウエハWと判断されることを防ぐために、比較に用いられたパラメータDが上記の外れ量となるように更新される。

0052

そして、仮想検査対象のウエハWが異常無しであると判断された場合及び疑似欠陥ウエハWと判断された場合は、当該仮想検査対象のウエハWが実検査されたとしたときに当該ウエハWから取得されるゼルニケ係数Ziが、ゼルニケ係数Ziの上限閾値及び下限閾値を越えないようにするために、これら上限閾値及び下限閾値が更新される。この更新は、例えば上限閾値と下限閾値との間のZiの許容範囲が広くなるように、上限閾値及び下限閾値の両方が同じ数値ずつ変位するように行われる。
しかし、上記の外れ量と最終判定閾値とを用いた比較において、外れ量が最終判定閾値を越えていると判断された場合は、検査対象のウエハWは欠陥ウエハWであるものと判断され、パラメータDの更新及びゼルニケ係数Ziの上限閾値及び下限閾値の更新は行われない。

0053

この仮想検査によるRの欠陥感度パラメータDとRのZ1の上限値及び下限値の更新との例について、図12を参照しながら具体的な数値を用いて説明する。この説明における検査対象のウエハWの画像データは、1枚目に検査されるウエハWの画像データであり、従って図9の正規分布曲線E4におけるゼルニケ係数Z1の平均値−1.5σ、ゼルニケ係数Z1の平均値+1.5σが、夫々当該ゼルニケ係数Z1の下限閾値、上限閾値として設定されているものとする。ここでは、例えば下限閾値が160、上限閾値が170とする。

0054

また、画像データ中の3つの互いに異なる位置の画素をP1、P2、P3とし、ウエハWの基準画像データの画素P1、P2、P3のRの許容範囲が、いずれも200〜210であり、Rの感度パラメータD1、D2についての最終判定閾値は、各々12であるものとする。また、この検査対象のウエハWについてRのゼルニケ係数Z1は、158であり、仮想検査対象のウエハWの画像データの画素P1、P2、P3のRは、夫々218、219、221であるものとする。Rの感度パラメータD1は6であり、画素P1、P2には適用されるが、画素P3には適用外であるものとする。Rの感度パラメータD2は10であり、画素P1、P3には適用されるが、画素P3には適用外であるものとする。

0055

上記のように仮想検査が行われることで、画素P1、P2、P3において、仮想検査対象のウエハWの画像データの画素値に関して、ウエハWの基準画像データの許容範囲からの外れ量が算出される。つまり、200〜210と218との差分である8、200〜210と219との差分である9、200〜210と221との差分である11が、夫々画素P1、P2、P3における外れ量として算出される。パラメータD1が適用される画素P1、P2の外れ量8、9は、最終判定閾値である12よりも低い。また、感度パラメータD2が適用される画素P1、P3の外れ量8、9は、最終判定閾値である12よりも低い。

0056

従って、検査対象のウエハWは疑似欠陥ウエハWであると判断される。そして、この検査対象のウエハWが実検査で欠陥ウエハWとして判断されないように、感度パラメータD1は、上記の外れ量である8,9のうち大きい方の9に更新され、感度パラメータD2は、上記の外れ量である11に更新される。説明の複雑化を防ぐために、感度パラメータD1、D2の補正のみ示したが、感度パラメータD3、D4についてもD1、D2と同様に、仮想検査の結果に従って、疑似欠陥を防止できるように更新される。また他の位置の画素についてもP1〜P3と同様に検査が行われる。

0057

そして、検査対象のウエハWが疑似欠陥ウエハWである、即ち欠陥ウエハWでは無いと判断されたことにより、RのZ1の上限閾値、下限閾値についても更新される。上限閾値と下限閾値との間のZ1の許容範囲は、170〜160であり、検査対象のウエハWのZ1は158であり、許容範囲から2離れているため、上限閾値及び下限閾値が各々2ずつ変位し、上限閾値が172、下限閾値が158として更新される。RのZ1以外のゼルニケ係数について設定される上限閾値、下限閾値も、このRのZ1についての上限閾値及び下限閾値と同様に更新される。なお、この図12に模式的に示した仮想検査では図示及び説明が煩雑になることを防ぐために、検査対象ウエハWの画像データのRGBのうちRの画素値のみを取り出して検査が行われるように示しているが、実検査と同じく、R,G、Bについて互いに同様に検査が行われ、この検査結果に応じて感度パラメータD及びゼルニケ係数の閾値(上限閾値及び下限閾値)の更新が行われる。

0058

以上の仮想検査は、仮想検査対象として抽出した全てのウエハWの画像データについて順次行われ、感度パラメータD1〜D4及び各ゼルニケ係数Ziの閾値について順次更新されていく。従って、先の仮想検査の結果、感度パラメータD1〜D4が更新された場合には、次の仮想検査では更新された感度パラメータD1〜D4が用いられる。そして、ステップS2の実行中に算出される感度パラメータD1〜D4及び各ゼルニケ係数Ziの閾値については、これら感度パラメータD1〜D4及び各ゼルニケ係数Ziの閾値の候補値であり、全ての画像データの仮想検査が終了し、最終的に取得された感度パラメータD1〜D4及び各ゼルニケ係数Ziの閾値の候補値が、上記のフローのステップS3の実検査で用いられる感度パラメータD1〜D4及び各ゼルニケ係数Ziの閾値として決定される。

0059

以下、上記したステップS2における処理をまとめたフローである図13を参照しながら説明する。先ず、データ蓄積用コンピュータ3に記憶されている過去に取得された所定の枚数のウエハWの画像データから欠陥と見なされるウエハWの画像データを除いた上で、ウエハWの特徴量であるゼルニケ係数Z1〜Z4の平均値及び平均値±1.5σが算出される(ステップT1)。そして、これら平均値及び平均値±1.5σに最も近いゼルニケ係数を有するウエハを選択して合成し、ウエハWの基準画像データ(基準ウエハの画像データ)が作成される(ステップT2)。続いてゼルニケ係数が最大値、最小値に夫々近いウエハを所定枚数選択して、仮想検査対象のウエハ群とする(ステップT3)。つまり、このステップT1〜T3は、図9で説明した処理を行うステップである。

0060

そして、選択された1枚の仮想検査対象のウエハの各画素における画素値と基準画像データにおける許容範囲の画素値とをRGB毎に比較して差分(許容範囲からの外れ量)を算出する(ステップT4)。各差分と感度パラメータ値とを比較して、各差分の方が大きければ感度パラメータ値を補正し(ステップT5)、ゼルニケ係数の上限閾値及び下限閾値を、当該仮想検査のウエハのゼルニケ係数に基づいて更新する(ステップT6)。つまり、このステップT4〜T6は、図10図12で説明した処理を行うステップである。その後、仮想検査対象ウエハWとして抽出した全てのウエハWについて仮想検査が終了したか否かが判断され(ステップT7)、仮想検査が終了したと判断された場合には、図8で説明した上記のフローのステップS3が実行される。つまり実検査が開始される。全てのウエハWについて仮想検査が終了していないと判断された場合には、未検査のウエハWについて、ステップT4以降のステップが行われる。

0061

この塗布、現像装置1によれば、ウエハWの表面全体を撮像して得られた画像データとウエハWの基準画素データとを比較してウエハWが欠陥であるか否かを判定する感度パラメータD1〜D4を自動調整している。具体的には、感度パラメータD1〜D4の調整時よりも過去に検査した複数のウエハWの中から仮想検査用の複数のウエハWを選択し、感度パラメータD1〜D4の調整後の新たなウエハWの基準画像データと比較して仮想検査を行い、あるウエハWが擬似欠陥ウエハWと判断された場合には、実検査において当該ウエハWが欠陥ウエハWとして判断されないように感度パラメータD1〜D4を緩くしている。そしてこの操作を、選択された仮想検査用の複数のウエハWについて順次行い、最終的に得られた感度パラメータD1〜D4を新たな感度パラメータD1〜D4として使用するようにしている。従って、感度パラメータD1〜D4の調整に要する手間と時間とを短縮化することができ、且つ疑似欠陥の発生を抑えて安定したウエハWの欠陥検査を実現することができる。

0062

感度パラメータの更新は、上記のように特徴量Zが閾値を越えたか越えないかを監視することによって行われることには限られない。この感度パラメータの更新については、例えば直近の更新時点から所定のロット数のウエハWについて実検査が終了すると開始されてもよいし、当該直近の更新時点から所定の枚数のウエハWについて実検査が終了すると開始されてもよいし、直近の更新時点から所定の日数が経過すると開始されてもよいし、オペレータの指示によって開始されてもよい。また、実検査においてウエハWの面内における欠陥数が記憶され、実検査を行う度に当該欠陥数が蓄積され、蓄積された欠陥数が所定の閾値を超えると、当該更新が開始されるようにしてもよい。さらに、最初に取得された1枚のウエハWの画像データを基準画像データとし、当該基準画像データを用いて複数枚のウエハWについて実検査を行う。そして、ある時点で、上記の複数枚のウエハWから取得された画像データを用いて、新たなウエハWの基準画像データの作成と感度パラメータDの更新とを行うようにしてもよい。

0063

また、上記の例では、特徴量Zの平均値から予め設定した離れ度合よりも小さいウエハWの画像データを基準画像データ作成用の画像データとし、特徴量Zの平均値から予め設定した離れ度合よりも大きく離れたウエハWの画像データを仮想検査対象の画像データとし、各離れ度合についてはZの標準偏差に基づいて設定しているが、この離れ度合についてはZの平均偏差に基づいて設定してもよい。

0064

Wウエハ
1 塗布、現像装置
2撮像モジュール
3データ蓄積用コンピュータ
4データ解析用コンピュータ
42〜46 プログラム

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