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技術 エンジンのオイル冷却構造

出願人 株式会社クボタ
発明者 尾曽洋樹小山秀行後藤英之山崎隆寛長井健太郎山口隆志金子莉菜
出願日 2016年6月30日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-130717
公開日 2018年1月11日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2018-003685
状態 特許登録済
技術分野 機械または機関の冷却一般 内燃機関のシリンダブロック、ケーシング 内燃機関の潤滑
主要キーワード 凹入面 外郭ライン 貯留箇所 内側枠体 冷却水戻り管 取出し孔 トンネル路 内周リブ
関連する未来課題
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図面 (10)

課題

さらなる構造工夫により、部品点数の増加や必要スペースの増大を極力伴うことがないようにしながら、オイル冷却性能を向上させることができるエンジンのオイル冷却構造を提供する。

解決手段

エンジン本体1の一端壁1aに伝動ケース9が取付けられ、伝動ケース9に補機駆動用伝動機構2Aが設けられているエンジンのオイル冷却構造において、伝動ケース9に、オイルポンプPにより循環されるオイルの移送通路が形成され、伝動ケース9の外面側に、移送通路から分岐されて伝動ケース9から取り出されるオイル配管56を設け、伝動ケース9の傍を通る状態で設けられている冷却水移送配管12と、オイル配管56とを互いに熱伝導可能に接触させてなる熱交換部Hが装備されている。

概要

背景

通常、エンジンには、動弁装置などの各伝動部やシリンダピストンとの摺動部に必要となる潤滑用エンジンオイル(以下、単にオイルと呼ぶ)を圧送するために、クランク軸になどにより駆動されるオイルポンプ装備されている。オイルポンプからのオイルは、各部を潤滑するだけでなく、同時に熱吸収によって冷却も行えることになるので、エンジン稼動中のオイルは高温となっている。

そのため、エンジンの機種によっては、オイルの温度を下げるために別体のオイルクーラを設けたり、空冷作用が見込める冷却フィンオイル通路周辺に設けたりする手段が採られていた。例えば、特許文献1においては、フロントケース(40)の前面に円弧状のオイルクーラ(80)を設ける構成を開示している。

また、特許文献2においては、圧送油路を備えたフロントケース(2)の前面に、圧送油路(6)の前側や横側に位置させた多数の冷却フィン(7)が形成されており、それら冷却フィン(7)に送風機(10)による冷却風が当たるように構成されている。

概要

さらなる構造工夫により、部品点数の増加や必要スペースの増大を極力伴うことがないようにしながら、オイルの冷却性能を向上させることができるエンジンのオイル冷却構造を提供する。エンジン本体1の一端壁1aに伝動ケース9が取付けられ、伝動ケース9に補機駆動用伝動機構2Aが設けられているエンジンのオイル冷却構造において、伝動ケース9に、オイルポンプPにより循環されるオイルの移送通路が形成され、伝動ケース9の外面側に、移送通路から分岐されて伝動ケース9から取り出されるオイル配管56を設け、伝動ケース9の傍を通る状態で設けられている冷却水移送配管12と、オイル配管56とを互いに熱伝導可能に接触させてなる熱交換部Hが装備されている。

目的

本発明の目的は、さらなる構造工夫により、部品点数の増加や必要スペースの増大を極力伴うことがないようにしながら、オイルの冷却性能を向上させることができるエンジンのオイル冷却構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エンジン本体の一端壁伝動ケース取付けられ、前記伝動ケースに補機駆動用伝動機構が設けられているエンジンのオイル冷却構造であって、前記伝動ケースに、オイルポンプにより循環されるオイルの移送通路が形成され、前記伝動ケースの外面側に、前記移送通路から分岐されて前記伝動ケースから取り出されているオイル配管を設け、前記伝動ケースの傍を通る状態で設けられている冷却水移送配管と、前記オイル配管とを互いに熱伝導可能に接触させてなる熱交換部が装備されているエンジンのオイル冷却構造。

請求項2

前記オイル配管及び前記冷却水移送配管が金属製のパイプでなり、前記熱交換部は、前記オイル配管と前記冷却水移送配管とが直接に接触されることで構成されている請求項1に記載のエンジンのオイル冷却構造。

請求項3

前記オイル配管は、ガバナ系の摺動部にオイル供給するためのものである請求項1又は2に記載のエンジンのオイル冷却構造。

請求項4

前記一端壁に、エンジン冷却ファンが設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンのオイル冷却構造。

請求項5

前記エンジン本体のクランク軸が前記伝動ケースを貫通して突出し、その突出軸部に補機駆動プーリが取付けられるとともに、前記エンジン冷却ファンに一体回転状態にファンプーリを設け、前記ファンプーリと前記補機駆動プーリとに巻回される無端ベルトが設けられている請求項4に記載のエンジンのオイル冷却構造。

請求項6

前記伝動ケースに、前記クランク軸により駆動されるオイルポンプが設けられ、前記移送通路は、前記オイルポンプに対する吐出オイル又は/及び戻りオイルの移送通路に設定されている請求項5に記載のエンジンのオイル冷却構造。

請求項7

前記伝動ケースは、複数のリブ壁を有する伏鍋状構造体に形成され、前記伝動ケースにおける前記リブ壁により仕切られているケース内室部が、前記オイルポンプにより循環されるオイルの移送通路となる状態に構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンのオイル冷却構造。

技術分野

0001

本発明は、エンジンオイル冷却構造係り、詳しくは、エンジン本体の一端壁伝動ケース取付けられ、伝動ケースに補機駆動用伝動機構が設けられているエンジンのオイル冷却構造に関するものである。

背景技術

0002

通常、エンジンには、動弁装置などの各伝動部やシリンダピストンとの摺動部に必要となる潤滑用エンジンオイル(以下、単にオイルと呼ぶ)を圧送するために、クランク軸になどにより駆動されるオイルポンプ装備されている。オイルポンプからのオイルは、各部を潤滑するだけでなく、同時に熱吸収によって冷却も行えることになるので、エンジン稼動中のオイルは高温となっている。

0003

そのため、エンジンの機種によっては、オイルの温度を下げるために別体のオイルクーラを設けたり、空冷作用が見込める冷却フィンオイル通路周辺に設けたりする手段が採られていた。例えば、特許文献1においては、フロントケース(40)の前面に円弧状のオイルクーラ(80)を設ける構成を開示している。

0004

また、特許文献2においては、圧送油路を備えたフロントケース(2)の前面に、圧送油路(6)の前側や横側に位置させた多数の冷却フィン(7)が形成されており、それら冷却フィン(7)に送風機(10)による冷却風が当たるように構成されている。

先行技術

0005

特開2009−138621号公報
特開2003−097239号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1や特許文献2が開示する手段では、オイルの冷却効果をある程度は見込める。しかしながら、そのための配置スペースが必要になって寸法面で大型化するとともに、専用のオイルクーラや送風機などが必要であり、部品点数が増加するため、改善の余地が残されていた。

0007

本発明の目的は、さらなる構造工夫により、部品点数の増加や必要スペースの増大を極力伴うことがないようにしながら、オイルの冷却性能を向上させることができるエンジンのオイル冷却構造を提供する点にある。

課題を解決するための手段

0008

請求項1に係る発明は、エンジン本体1の一端壁1aに伝動ケース9が取付けられ、前記伝動ケース9に補機駆動用の伝動機構2Aが設けられているエンジンのオイル冷却構造において、
前記伝動ケース9に、オイルポンプPにより循環されるオイルの移送通路Wが形成され、前記伝動ケース9の外面側に、前記移送通路Wから分岐されて前記伝動ケース9から取り出されるオイル配管56を設け、前記伝動ケース9の傍を通る状態で設けられている冷却水移送配管12と、前記オイル配管56とを互いに熱伝導可能に接触させてなる熱交換部Hが装備されていることを特徴とする。

0009

請求項2に係る発明は、請求項1に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記オイル配管56及び前記冷却水移送配管12が金属製のパイプでなり、前記熱交換部Hは、前記オイル配管56と前記冷却水移送配管12とが直接に接触されることで構成されていることを特徴とする。

0010

請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記オイル配管56は、ガバナ系の摺動部Aにオイル供給するためのものであることを特徴とする。

0011

請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記一端壁1aに、エンジン冷却ファン6が設けられていることを特徴とする。

0012

請求項5に係る発明は、請求項4に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記エンジン本体1のクランク軸2が前記伝動ケース9を貫通して突出し、その突出軸部2aに補機駆動プーリ4が取付けられるとともに、前記エンジン冷却ファン6に一体回転状態にファンプーリ6aを設け、前記ファンプーリ6aと前記補機駆動プーリ4とに巻回される無端ベルト8が設けられていることを特徴とする。

0013

請求項6に係る発明は、請求項5に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記伝動ケース9に、前記クランク軸2により駆動されるオイルポンプPが設けられ、前記移送通路Wは、前記オイルポンプPに対する吐出オイル又は/及び戻りオイルの移送通路に設定されていることを特徴とする。

0014

請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジンのオイル冷却構造において、
前記伝動ケース9は、複数のリブ壁9B〜9Hを有する伏鍋状構造体に形成され、前記伝動ケース9における前記リブ壁9B〜9Hにより仕切られているケース内室部20,22,24,30が、前記オイルポンプPにより循環されるオイルの移送通路Wとなる状態に構成されていることを特徴とするものである。

発明の効果

0015

請求項1の発明によれば、外部配管であるオイル配管を設けて、そのオイル配管を既存の冷却水移送配管に熱伝導可能に接触させ、熱交換部を構成させる手段である。
熱交換部を設けたので、比較的高温のオイルと比較的低温の冷却水との熱交換が行え、既存の構成を利用した追加の配管によりオイルクーラを新設することができる。
その結果、さらなる構造工夫により、部品点数の増加や必要スペースの増大を極力伴うことがないようにしながら、オイルの冷却性能を向上させることが可能なエンジンのオイル冷却構造を提供することができる。

0016

請求項2の発明によれば、互いに金属パイプでなるオイル配管と冷却水移送配管とを直接接触させて熱交換部とされているから、高効率で熱伝導が行え、冷却効率に優れる利点がある。

0017

請求項3の発明によれば、ガバナ系の摺動部に、熱交換部によって効率よく冷却されたオイルを供給することができる。

0018

請求項4の発明によれば、エンジン冷却ファンによる冷却風を熱交換部に供給することができるので、既存設備による強制空冷により、合理的にオイルの冷却性能を向上させることができる利点がある。

0019

請求項5の発明によれば、クランク軸によって補機駆動用の伝動機構が構成され、さらにその突出軸部の補機駆動プーリにより、無端ベルトを介してエンジン冷却ファンが駆動回転される、という無駄の無い合理化構成が実現できている。

0020

請求項6の発明によれば、伝動ケースに、吐出オイルの移送通路や戻りオイルの移送通路だけでなくオイルポンプ自体も設けられているので、オイルの冷却作用強化されるとともに、オイルが別の場所に設けられている場合に比べて、伝動ケースの移送通路とオイルポンプとを連通させる経路を設ける必要がなく、部品点数の削減やコスト削減が可能となる利点がある。

0021

請求項7の発明によれば、リブ壁を適宜に設ける構造工夫により、伝動ケースのデッドスペースをオイルの貯留箇所及び通り道に利用し、伝動ケースをオイルの大容量な放熱器として機能させることができる。

0022

伝動ケースにはデッドスペースが多いことに着目して、伝動ケースの内側をリブ壁によって仕切ってケース内室部を形成し、ケース内室部をオイルの貯留や通り道となるように構成したものである。従って、オイルは大容量を有するケース内室部から伝動ケースに効率よく熱伝導でき、外部露出している伝動ケースを放熱器として機能させることが可能になる。
その結果、オイルの冷却効果がさらに強化されるエンジンのオイル冷却構造を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

ディーゼルエンジンの正面図
図1のディーゼルエンジン前端部の右側面図
フロントカバー単品の背面図
図3のフロントカバーであって、ケース内室部を示す背面図
図4のA−A線で切ったエンジン前部の概略の断面図
図3のフロントカバーの正面図
ポンプカバー単品の平面図
(a)熱交換部の断面図、(b)第1別構造による熱交換部の断面図
(a)第2別構造による熱交換部の断面図、(b)第3別構造による熱交換部の断面図

実施例

0024

以下に、本発明によるエンジンのオイル冷却構造の実施の形態を、農機建機に用いられる立形水冷直列ディーゼルエンジンの場合について、図面を参照しながら説明する。なお、本エンジンにおいては、クランク軸方向でエンジン冷却ファンが装備されている側を前、その反対側を後、オルタネータ側を右、その反対側を左と定義する。

0025

立形水冷直列ディーゼルエンジンEは、図1図2に示されるように、クランク軸2を備えるエンジン本体1、エンジン本体1の下側に組付けられているオイルパン3、クランク軸2に装備されている補機駆動プーリ4、クランク軸2の後端部に装備されているフライホイール5、エンジン本体1の前側に配備されているエンジン冷却ファン6、オルタネータ7などを備えて構成されている。なお、符記は省略するが、エンジン本体1の一例は、クランクケース部とその上側のシリンダ部とを備えるシリンダブロックであり、その上にシリンダヘッドが組み付けられている。

0026

補機駆動プーリ4と、エンジン冷却ファン6のファンプーリ6aと、オルタネータ7のオルタネータプーリ7aとに亘って無端ベルト8を巻回してあり、エンジン冷却ファン6とオルタネータ7とが駆動回転されるように構成されている。クランク軸2は、エンジン本体1の前壁(一端壁の一例)1aに組み付けられているフロントカバー(伝動ケース)9を貫通して前に突出する軸前端部(「補機駆動用の伝動機構」の一例)2Aを有しており、その軸前端部2Aに補機駆動プーリ4が取付けられている。ファンプーリ6aには、冷却水を循環させるウォータポンプ13が伝動連結されている。

0027

ここで、図1,2中の符号10はオイル(エンジンオイル)の冷却装置、Pはオイルを圧送するオイルポンプ、11はオイルフィルタ、12はラジエータ(図示省略)からの冷却水戻り管、14はラジエータへの冷却水圧送管、15はシリンダヘッドの上に組付けられているシリンダヘッドカバー、16は燃料噴射ポンプをそれぞれ示す。

0028

次に、オイル冷却装置10及びオイル冷却構造について説明する。オイル冷却装置10は、図1図4に示されるように、オイルの移送通路Wが大容量のものとして内部形成されているフロントカバー9により構成されている。つまり、フロントカバー9の表面から大量に熱放散されること、及びエンジン冷却ファン6の風による空冷作用により、フロントカバー9内を流れるオイルを効率よく冷却できるオイル冷却装置10となっている。

0029

図3図6に示されるように、フロントカバー9は、左右上下に向く主壁9A、共に前後に向くリブである外周リブ壁9B及び内周リブ壁9Cを有するアルミ合金製で伏鍋状の構造体に形成されている。一般に、各種ポンプや動弁装置を駆動するための伝動機構を収容する伝動ケースは、アルミ合金鋳鉄鍛鉄などの金属製で、複数のリブ壁で補強された伏鍋状のものに形成されている。従って、本来的に伝動ケースには、伝動機構などの配置場所以外の部分に比較的デッドスペース(死空間)が多く存在している部品である。
外周リブ壁9B及び内周リブ壁9Cは、エンジン本体1やポンプカバー18(後述)を取付ける平坦面に形成されている。外周リブ壁9Bの下部には、オイルの戻り経路を設けるためのループ状リブ壁9Eが形成されている。
また、フロントカバー9には、外周リブ壁9Bと内周リブ壁9Cとを同一平面状に連結する2箇所の連結リブ壁9Dや複数箇所補強リブ9rなどが形成されているとともに、軸前端部2Aが通る部分に、トロコイド型のオイルポンプPを収容するためのポンプチャンバ17が凹入形成されている。

0030

内周リブ壁9Cは、ポンプチャンバ17を仕切るためのチャンバリブ壁9Fの一部を含んでおり、また、吐出路を形成するための第1及び第2仕切りリブ壁9G,9Hが、内周リブ壁9Cとチャンバリブ壁9Fとに跨る状態で形成されている。第1,第2仕切りリブ壁9G,9H及びチャンバリブ壁9Fは、内周リブ壁9Cと同一平面状のリブに形成されている。内周リブ壁9Cには、これと互いに同じ外郭形状を有する鋼板製のポンプカバー18がボルト止めされ、内周リブ壁9Cの内側部位閉塞させる蓋として機能している。

0031

図3に示されるように、オイルポンプPから吐出されたオイルは、二つの移送通路W1,W2を通ってフロントカバー9から出てゆく。第1経路W1(W)は、図3破線の矢印で示されるように、ポンプチャンバ17の吐出側部位17aに開口する状態でフロントカバー9に形成されている屈曲トンネル路26を通り、外周リブ壁9Bに形成されている取出し孔27から、エンジン本体1の各部(オイルギャラリなど)に流れてゆく。

0032

第2経路W2(W)は、図3に示されるように、実線の矢印で示す次のルートである。即ち、チャンバリブ壁9Fに形成されている吐出切欠き19→第1ケース内室部20→第1仕切りリブ壁9Gの第1切欠き21→第2ケース内室部22→内周リブ壁9Cに形成されている第3切欠き23→第3ケース内室部24→エンジン本体1のオイル受部25。
また、オイルパン3のオイルはストレーナ28から、ループ状リブ壁9Eに形成されている戻し口29Fを有する戻しトンネル路29(「移送通路W」の一例)を通ってポンプチャンバ17の吸入側部位17bに流れてゆく。なお、トンネル路29の右横は、リリーフバルブを組み込む管路用の突出部(符記省略)である。

0033

第1ケース内室部20は、内周リブ壁9C、第1及び第2仕切りリブ壁9G,9H、及びチャンバリブ壁9Fに囲まれた左右に細長いスペースである。第2ケース内室部22は、内周リブ壁9C、チャンバリブ壁9F、及び第1仕切りリブ壁9Gで囲まれた大面積で大容量のスペースである。第3ケース内室部24は、外周リブ壁9Bの右側部分と内周リブ壁9Cの右側部分との間に形成されている細長いスペースである。また、第2仕切りリブ壁9H、内周リブ壁9C、及びチャンバリブ壁9Fで囲まれた第4ケース内室部30が形成されており、第2仕切りリブ壁9Hに形成されている第2切欠き31により、第1ケース内室部20に連通されている。

0034

図3図4に示されるように、オイルポンプP(図1参照)は、チャンバリブ壁9Fにより仕切られてフロントカバー9に凹入形成されているポンプチャンバ17と、チャンバリブ壁9Fの先端面に取付けられるポンプカバー18とにより囲まれるスペースに配置されている。オイルポンプPは、一例として、図4に示されるように、軸前端部2Aで回転駆動されるインナロータ36と、インナロータ36と咬合するアウタロータ37とを有するトロコイド型のポンプに構成されている。なお、オイルポンプPは、図1,3においては、その外郭線のみ示すものとする。

0035

ポンプカバー18は、図4図5図7に示されるように、ほぼ内周リブ壁9Cの外郭形状に沿った形状を有する平坦な一枚の鋼板により構成され、複数のボルト通し孔18a、軸前端部2Aを通す大孔18b、ボルト頭逃げ孔18c、カバー隆起部逃げ孔18d、軸逃げ孔18eが形成されている。複数のボルト(図示省略)によりポンプカバー18が内周リブ壁9Cなどに取付けられた状態では、オイルポンプPの内側枠体として機能するだけでなく、移送通路W2(W)となる第1ケース内室部20、第2ケース内室部22、及び第4ケース内室部30の一端壁1a側の開口部を閉塞する蓋となる閉塞部材を兼ねる構成されている。

0036

複数のリブ壁9B〜9Hのうち、第1ケース内室部20、第2ケース内室部22、第4ケース内室部30を形成するための内周リブ壁9C、第1仕切りリブ壁9G、及び第2仕切りリブ壁9Hのそれぞれの先端面が、チャンバリブ壁9Fの先端面と同一面となる状態に構成されている。そして、単一の鋼板よりなるポンプカバー18は、チャンバリブ壁9F、内周リブ壁9C、第1仕切りリブ壁9G、及び第2仕切りリブ壁9Hそれぞれの先端に、ガスケット32を介して密接する状態でボルト止め装着されている。

0037

図5に示されるように、フロントカバー9は、その外周リブ壁9Bが前壁1aに、ガスケット35介してのシール状態でエンジン本体1にボルト止めされている。従って、ポンプカバー18による閉塞作用の及ばない第3ケース内室部24は、外周リブ壁9B、内周リブ壁9C、連結リブ壁9D、ループ状リブ壁9E、及びエンジン本体1により囲まれてなるスペース(移送通路W2)である。
なお、図5に示される33は、下側の給排気カムギヤと上側のアイドルギヤとが咬合する補機駆動用の伝動機構(燃料噴射ポンプや動弁装置などを駆動するギヤ伝動機構)であり、前壁1aに配備されてフロントカバー9により覆われている。また、34は、フロントカバー9におけるポンプチャンバ17から前側に突設される筒状の軸カバー部である。

0038

図4仮想線で示されるように、前壁1aとフロントカバー9との間に介装されるガスケット35は、フロントカバー9の外郭ラインより外方にはみ出る外冷却フィン(フィンの一例)35a、及び/又は、外周リブ壁9Bの先端面より内側にはみ出る内冷却フィン(フィンの一例)35bを備えたものでも良い。加えて、そのフィン35a,35b付きのガスケット35を、熱伝導性に優れる銅製とすれば、よりオイルの冷却性向上に寄与できて好都合である。
また、図示は省略するが、フロントカバー9などに付設されるオイル給排用の接続パイプを、熱の放散性に優れるヒートシンクヒートパイプで構成すれば好都合である。

0039

オイルポンプPから吐出されたオイルは、第1ケース内室部20から第2ケース内室部22及び第3ケース内室部24を通るが、第4ケース内室部30にも吐出オイルが満たされる。オイルが、それら4つのケース内室部20,22,24,30に満たされるので、フロントカバー9にオイルの熱が素早く、効率よく熱伝導され、フロントカバー9自体が大容量の放熱器(オイルクーラ)として機能できるものとなる。なお、細長い湾曲したオイルの移送通路W1である第3ケース内室部24は、ポンプチャンバ17の向こう側までオイルが入り込み可能な形状になっている。

0040

第4ケース内室部30は、オイルが貯まるだけであるが、貯まっているオイルからの熱伝導により、フロントカバー9の良好な方熱作用が期待できる。なお、第1ケース内室部20と第4ケース内室部30とを連通する第2切欠き31を、互いに離して2箇所以上設け、第4ケース内室部30をオイルが流れて通過可能となる構成としても良い。

0041

従って、フロントカバー9の内部スペースを、オイルの貯留及び移送通路として有効利用することにより、フロントカバー9自体が放熱器になり、部品点数の増加や専用の油路を設けることなくオイルの冷却効果を高めることが可能になる。しかも、フロントカバー9の外表面には、エンジン冷却ファン6による冷却風が当り、空冷作用も加わってより一層オイルの冷却効果が増大する利点がある。

0042

次に、熱交換部Hについて説明する。図1図2図6に示されるように、フロントカバー9の外面側に、移送通路Wから分岐されて伝動ケース9から取り出されるオイル配管56を設け、フロントカバー9の傍を通る状態で設けられている冷却水戻り管(冷却水移送配管の一例)12と、オイル配管56とを互いに熱伝導可能に接触させてなる熱交換部Hが装備されている。

0043

オイル配管56は金属パイプ製であり、その一端(右端)が、フロントカバー9の前側に貫通させた取出し孔27(図3参照)にユニオンボルト57などにより連通接続される状態で取付けられ、他端(左端)が、ガバナ系への摺動部(ガバナ駆動機構燃料噴射装置などにおける各摺動部、ソレノイドにより動かされる部分などのオイル供給対象)Aに接続すべく、フロントカバー9の左上に形成された新受口60に、ユニオンボルト58などにより連通接続される状態で取付けられている。
また、ウォータポンプ13に対する給排路である金属パイプ製の冷却水戻り管12が、ウォータポンプ13の下部から左下方へ斜めに延びる状態で、フロントカバー9と無端ベルト8との間の前後スペースに配策されている。

0044

図1及び図8(a)に示されるように、正面視で横倒しの略S時形状を呈するオイル配管56は、補機駆動プーリ4の左上部位において冷却水戻り管12の背後を通って交差する状態に配策されている。オイル配管56の冷却水戻り管12との交差部56Aは、その両側で曲げられることで、ある程度の長さでもって冷却水戻り管12と平行な状態で並列配置されている。なお、図8(a)は、熱交換部Hの断面を左側から見た図であり、冷却水戻り管12とオイル配管56との外径比デフォルメして描いてある。

0045

熱交換部Hは、図8(a)に示されるように、大径の冷却水戻り管12と、それよりも小径のオイル配管56とを隙間無く接触させ、かつ、上下の溶着部溶接肉盛り部)y1、y2により一体化されている。従って、オイル配管56の交差部56Aと冷却水戻り管12とは、金属部材によってダイレクトに熱伝導される状態に一体化されて熱交換部Hに構成されている。従って、比較的高温のオイルは、熱交換部Hにおいて、比較的低温の冷却水によって効率よく冷却されることが可能である。しかも、熱交換部Hには、エンジン冷却ファン6による冷却風も当って強制空冷されるので、優れた冷却効果が得られる。

0046

〔別実施形態〕
(1)図8(b)に示される第1別構造の熱交換部Hでも良い。この熱交換部Hは、互いに丸パイプ製の冷却水戻り管12及びオイル配管56を、熱交換部Hにおいては潰し成形して断面D形に形成し、それぞれに水平面部12a,56aどうしを密着させて溶着させる構造でも良い。この手段では、潰し加工は必要であるが、直接接触する面積を広く取ることができ、より迅速なる熱伝導が行える利点がある。

0047

(2)図9(a)に示される第2別構造の熱交換部Hでも良い。この熱交換部Hは、冷却水戻り管12及びオイル配管56を共に角パイプ製とし、広い面積でもっての接触状態で一体化させる手段である。溶着で一体化しても良いし、水戻り管12とオイル配管56とに巻回される金属帯を設けて一体化しても良い。

0048

(3)図9(b)に示される第3別構造の熱交換部Hでも良い。この熱交換部Hは、互いに丸パイプ製の冷却水戻り管12及びオイル配管56の一方に凹入面59を形成し、他方をその凹入面59に食い込ませるように密着させ、接触面積を大きく取る手段である。この例では、径の大きい冷却水戻り管12を湾入変形させてオイル配管56を入れ込む構造であるが、この逆の構成でも良い。
また、図示は省略するが、一方の配管56を他方の配管12に螺旋状に巻き付けてなる熱交換部Hとする構成も可能である。

0049

1エンジン本体
1a前壁(一端壁)
2A補機駆動用の伝動機構
2a突出軸部
4補機駆動プーリ
6エンジン冷却ファン
6aファンプーリ
8無端ベルト
9フロントカバー(伝動ケース)
9B外周リブ壁
9C内周リブ壁
9C連結リブ壁
9D 連結リブ壁
9Eループ状リブ壁
9Fチャンバリブ壁
9G 第1仕切りリブ壁
9H 第2仕切りリブ壁
12冷却水移送配管
20 第1ケース内室部
22 第2ケース内室部
24 第3ケース内室部
30 第4ケース内室部
56オイル配管
Aガバナ系の摺動部
H熱交換部
Pオイルポンプ
Wオイルの移送通路

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