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技術 焼結鉱の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 山本哲也廣澤寿幸岩見友司岩瀬一洋竹原健太
出願日 2017年6月12日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-114857
公開日 2018年1月11日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2018-003153
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製
主要キーワード 上表層 酸素供給配管 凝結材 カットゲート 公称目開き 機長方向 回収粉 増加装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (8)

課題

微粉鉄鉱石焼結鉱原料として使用する場合に、微粉鉄鉱石が凝集した擬似粒子崩壊を抑制して、焼結鉱の生産性の低下を抑制する。

解決手段

焼結機原料給鉱部で循環移動するパレット上に鉄鉱石と炭材とを含む焼結原料装入して装入層を形成した後、原料給鉱部の下流側に配設した点火炉で装入層の上表面の炭材に点火し、パレット下方に配設したウインドボックスで装入層の上方のガス吸引し、ガスを装入層に導入して装入層の炭材を燃焼させることにより焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含み、装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする。

概要

背景

高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような製造工程を経て製造される。焼結鉱の原料は、粉鉄鉱石(一般に、8mm以下のシンターフィードと呼ばれているもの)や焼結鉱篩下粉製鉄所内で発生した回収粉石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤コークス粉無煙炭などの炭材凝結材)である。これらの原料は、複数のホッパー1の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2および3等によって適量の水が加えられ、混合、造粒されて、平均径が3〜6mmの擬似粒子である焼結原料にされる。

この焼結原料は、その後、焼結機給鉱部に配設されているサージホッパー5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して無端移動式の焼結機パレット9に装入され、カットゲート8によって400〜800mmの厚さの焼結ベッドともいわれる装入層10が形成される。その後、装入層10の上方に配設された点火炉11によって、装入層10の上表面の炭材が点火されるとともに、パレット9の下方に配設されたウインドボックス12を介して装入層10の上方のガスを下方に吸引することにより、装入層10内の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱で焼結原料を溶融させて焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、排鉱部で破砕、冷却、整粒されて、約5mm以上の塊成物成品焼結鉱として回収され高炉に供給される。

上記製造工程において、点火炉11によって点火された装入層10内の炭材は、その後、装入層10内を上層から下層に向かって吸引されるガスによって燃焼を続け、パレット9が下流側に移動するのに伴って次第に装入層10の上層から下層に移行し、厚さ方向に幅をもった燃焼・溶融帯(以降、単に「燃焼帯」ともいう。)を形成する。図2は、点火炉で点火された装入層10の表層の炭材が、吸引されるガスによって燃焼を続けて燃焼帯を形成し、これが装入層10の上層から下層に順次移動し、燃焼帯が通過した後には、焼結反応が完了した焼結層(焼結ケーキ)が形成されていく過程を模式的に示した図である。

上記燃焼帯の溶融部分は、吸引されるガスの流れを阻害するため、焼結時間が延長して生産性が低下する要因となる。また、燃焼帯が上層から下層に移行するのにともない、焼結原料中に含まれる水分は、炭材の燃焼熱で気化して、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し、湿潤帯を形成する。この水分濃度がある程度以上になると、吸引ガス流路となる焼結原料の粒子間の空隙が水分で埋まり、燃焼帯と同様、通気抵抗を増大させる要因となる。図3は、厚さが600mmの装入層10の中を移動する燃焼帯が、装入層10内のパレット上約400mmの位置(装入層10の表面から200mm下)にあるときの、装入層10内の圧力損失(以下、圧損)と温度の分布を示したものであり、このときの圧損の分布は、湿潤帯におけるものが約30%、燃焼帯におけるものが約40%であることを示している。

焼結機の生産量(t/h)は、一般に、生産率(t/(h×m2))×焼結機面積(m2)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の仕様(機幅、機長)、装入層10の厚さ、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、成品焼結鉱の歩留などにより決定される。したがって、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層10の厚さを増す、装入層10の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、成品焼結鉱の強度を高めて歩留を向上することが有効であると考えられる。

ところで、焼結用粉鉄鉱石は、近年、高品質鉄鉱石の枯渇によって低品位化している。高品質鉄鉱石の低品位化は、スラグ成分の増加や鉄鉱石のさらなる微粉化を招き、アルミナ(Al2O3)含有量の増大や微粉比率の増大によって造粒性が低下する傾向となっている。その一方で、高炉では溶銑製造コストの低減やCO2発生量の低減という観点から低スラグ比が求められており、それに伴い焼結鉱としては、高被還元性かつ高強度のものが求められている。

このような焼結用粉鉄鉱石を取り巻く環境の中で、スラグ成分の少ない難造粒性の微粉鉄鉱石(粒径150μm以下)であるペレットフィードを使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした従来技術の1つに、Hybrid Pelletized Sinter法(以下、「HPS法」という)がある。この技術は、ペレットフィードのような微粉を多量に含む鉄鉱石や造粒助剤、凝結材等をドラムミキサーとペレタイザーを使って造粒することで、低スラグ成分で高被還元性の焼結鉱を製造する技術が特許文献1〜5に開示されている。

また、特許文献6には、多段点火焼結法で焼結鉱を製造する方法であって、点火炉の下流側で装入層内に酸素富化した空気を導入する方法が開示されている。

概要

微粉鉄鉱石を焼結鉱原料として使用する場合に、微粉鉄鉱石が凝集した擬似粒子の崩壊を抑制して、焼結鉱の生産性の低下を抑制する。焼結機の原料給鉱部で循環移動するパレット上に鉄鉱石と炭材とを含む焼結原料を装入して装入層を形成した後、原料給鉱部の下流側に配設した点火炉で装入層の上表面の炭材に点火し、パレット下方に配設したウインドボックスで装入層の上方のガスを吸引し、ガスを装入層に導入して装入層の炭材を燃焼させることにより焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含み、装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする。

目的

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を焼結原料として使用する場合において、焼結機での焼結反応を促進し、擬似粒子の崩壊を抑制して、焼結鉱の生産性の低下を抑制できる焼結鉱の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

焼結機原料給鉱部で循環移動するパレット上に鉄鉱石炭材とを含む焼結原料装入して装入層を形成した後、前記原料給鉱部の下流側に配設した点火炉で前記装入層の上表面の炭材に点火し、パレット下方に配設したウインドボックスで前記装入層の上方のガス吸引し、前記ガスを前記装入層に導入して前記装入層の炭材を燃焼させることにより焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、前記鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含み、前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする、焼結鉱の製造方法。

請求項2

前記点火炉から排鉱部までの前記焼結機の機長方向の長さをLとすると、前記点火炉側であって0.05×Lから0.5×Lまでの長さの範囲内において、前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。

請求項3

前記鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を15質量%以上含む、請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。

請求項4

前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を24体積%以上にする、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の焼結鉱の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、下方吸引式のドワイトイド焼結機を用いて焼結される焼結鉱の製造方法に関する。

背景技術

0002

高炉製銑法の主原料である焼結鉱は、一般に、図1に示すような製造工程を経て製造される。焼結鉱の原料は、粉鉄鉱石(一般に、8mm以下のシンターフィードと呼ばれているもの)や焼結鉱篩下粉製鉄所内で発生した回収粉石灰石およびドロマイトなどの含CaO系副原料、生石灰等の造粒助剤コークス粉無煙炭などの炭材凝結材)である。これらの原料は、複数のホッパー1の各々から、コンベヤ上に所定の割合で切り出される。切り出された原料は、ドラムミキサー2および3等によって適量の水が加えられ、混合、造粒されて、平均径が3〜6mmの擬似粒子である焼結原料にされる。

0003

この焼結原料は、その後、焼結機の給鉱部に配設されているサージホッパー5からドラムフィーダー6と切り出しシュート7を介して無端移動式の焼結機パレット9に装入され、カットゲート8によって400〜800mmの厚さの焼結ベッドともいわれる装入層10が形成される。その後、装入層10の上方に配設された点火炉11によって、装入層10の上表面の炭材が点火されるとともに、パレット9の下方に配設されたウインドボックス12を介して装入層10の上方のガスを下方に吸引することにより、装入層10内の炭材を順次燃焼させ、このときに発生する燃焼熱で焼結原料を溶融させて焼結ケーキを得る。このようにして得た焼結ケーキは、その後、排鉱部で破砕、冷却、整粒されて、約5mm以上の塊成物成品焼結鉱として回収され高炉に供給される。

0004

上記製造工程において、点火炉11によって点火された装入層10内の炭材は、その後、装入層10内を上層から下層に向かって吸引されるガスによって燃焼を続け、パレット9が下流側に移動するのに伴って次第に装入層10の上層から下層に移行し、厚さ方向に幅をもった燃焼・溶融帯(以降、単に「燃焼帯」ともいう。)を形成する。図2は、点火炉で点火された装入層10の表層の炭材が、吸引されるガスによって燃焼を続けて燃焼帯を形成し、これが装入層10の上層から下層に順次移動し、燃焼帯が通過した後には、焼結反応が完了した焼結層(焼結ケーキ)が形成されていく過程を模式的に示した図である。

0005

上記燃焼帯の溶融部分は、吸引されるガスの流れを阻害するため、焼結時間が延長して生産性が低下する要因となる。また、燃焼帯が上層から下層に移行するのにともない、焼結原料中に含まれる水分は、炭材の燃焼熱で気化して、まだ温度が上昇していない下層の焼結原料中に濃縮し、湿潤帯を形成する。この水分濃度がある程度以上になると、吸引ガス流路となる焼結原料の粒子間の空隙が水分で埋まり、燃焼帯と同様、通気抵抗を増大させる要因となる。図3は、厚さが600mmの装入層10の中を移動する燃焼帯が、装入層10内のパレット上約400mmの位置(装入層10の表面から200mm下)にあるときの、装入層10内の圧力損失(以下、圧損)と温度の分布を示したものであり、このときの圧損の分布は、湿潤帯におけるものが約30%、燃焼帯におけるものが約40%であることを示している。

0006

焼結機の生産量(t/h)は、一般に、生産率(t/(h×m2))×焼結機面積(m2)により決定される。即ち、焼結機の生産量は、焼結機の仕様(機幅、機長)、装入層10の厚さ、焼結原料の嵩密度、焼結(燃焼)時間、成品焼結鉱の歩留などにより決定される。したがって、焼結鉱の生産量を増加させるには、装入層10の厚さを増す、装入層10の通気性(圧損)を改善して焼結時間を短縮する、成品焼結鉱の強度を高めて歩留を向上することが有効であると考えられる。

0007

ところで、焼結用粉鉄鉱石は、近年、高品質鉄鉱石の枯渇によって低品位化している。高品質鉄鉱石の低品位化は、スラグ成分の増加や鉄鉱石のさらなる微粉化を招き、アルミナ(Al2O3)含有量の増大や微粉比率の増大によって造粒性が低下する傾向となっている。その一方で、高炉では溶銑製造コストの低減やCO2発生量の低減という観点から低スラグ比が求められており、それに伴い焼結鉱としては、高被還元性かつ高強度のものが求められている。

0008

このような焼結用粉鉄鉱石を取り巻く環境の中で、スラグ成分の少ない難造粒性の微粉鉄鉱石(粒径150μm以下)であるペレットフィードを使って、高品質の焼結鉱を製造するための技術が提案されている。例えば、こうした従来技術の1つに、Hybrid Pelletized Sinter法(以下、「HPS法」という)がある。この技術は、ペレットフィードのような微粉を多量に含む鉄鉱石や造粒助剤、凝結材等をドラムミキサーとペレタイザーを使って造粒することで、低スラグ成分で高被還元性の焼結鉱を製造する技術が特許文献1〜5に開示されている。

0009

また、特許文献6には、多段点火焼結法で焼結鉱を製造する方法であって、点火炉の下流側で装入層内に酸素富化した空気を導入する方法が開示されている。

先行技術

0010

特公平2−4658号公報
特公平6−21297号公報
特公平6−21298号公報
特公平6−21299号公報
特公平6−60358号公報
特開2015−157980号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1〜5に記載されているようなHPS法を用いてペレットフィードを造粒する方法では、造粒中に0.5mm未満の細粒のみならず、10mm超の粗大な粒子も多く生成される。細粒になるほど比表面積は大きくなるので、微粉であるペレットフィードは、水分を優先的に吸収して、微粉が単に凝集しただけにすぎないものや、核粒子のまわりに微粉が付着した形態の粒径の不揃いな粗大な擬似粒子を生成する。

0012

このようにペレットフィード等の微粉鉄鉱石(粒径150μm以下)を多く含む配合原料は、これを造粒すると、粒径が不揃いになると共に、微粉が単に凝集したにすぎない粗大な擬似粒子を生成する。このような粗大な擬似粒子は結合強度が弱いので、焼結機のパレット上に一定の層厚堆積させると、荷重圧縮力)が加わったときに崩壊し、当該擬似粒子が粉化して装入層の空隙率の低下を招く。これにより、装入層の通気性は悪化し、焼結原料の燃焼が阻害される。そして、この結果、焼結鉱の焼結時間が長くなり、焼結鉱の生産性が低下する。また、焼結時間を同じとした場合には、焼結が不十分となり、焼結鉱の歩留低下を招き、この場合においても焼結鉱の生産性が低下する。

0013

また、特許文献6に記載されているような多段点火焼結法においても、ペレットフィード等の微粉鉄鉱石(粒径150μm以下)を用いると、造粒中に微粉が単に凝集しただけにすぎない粗大な擬似粒子が生成されるので焼結鉱の生産性は低下する。

0014

本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を焼結原料として使用する場合において、焼結機での焼結反応を促進し、擬似粒子の崩壊を抑制して、焼結鉱の生産性の低下を抑制できる焼結鉱の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

このような課題を解決する本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)焼結機の原料給鉱部で循環移動するパレット上に鉄鉱石と炭材とを含む焼結原料を装入して装入層を形成した後、前記原料給鉱部の下流側に配設した点火炉で前記装入層の上表面の炭材に点火し、パレット下方に配設したウインドボックスで前記装入層の上方のガスを吸引し、前記ガスを前記装入層に導入して前記装入層の炭材を燃焼させることにより焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、前記鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含み、前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする、焼結鉱の製造方法。
(2)前記点火炉から排鉱部までの前記焼結機の機長方向の長さをLとすると、前記点火炉側であって0.05×Lから0.5×Lまでの長さの範囲内において、前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を23体積%より高くする、(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記鉄鉱石は、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を15質量%以上含む、(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)前記装入層に導入する前記ガスの酸素濃度を24体積%以上にする、(1)から(3)の何れか1つに記載の焼結鉱の製造方法。

発明の効果

0016

本発明の焼結鉱の製造方法を実施することにより装入層内の炭材の燃焼性を改善できる。炭材の燃焼性の改善により焼結時の到達温度を上昇させることができ、微粉鉄鉱石が凝集した擬似粒子が崩壊する前に当該擬似粒子の表面を焼結できる。これにより、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含有する鉄鉱石を焼結原料として使用した場合であっても、擬似粒子の粉化による通気性の悪化を抑制することができ、焼結時間の延長による焼結鉱の生産性の低下を抑制できる。また、本発明の焼結鉱の製造方法は、従来の焼結機を用いることができるので、大きな設備投資をすることなく、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含有する鉄鉱石を含む焼結原料から、焼結鉱の生産性を低下させることなく焼結鉱を製造できる。

図面の簡単な説明

0017

焼結鉱の製造方法を説明する図である。
焼結層が形成されていく過程を模式的に示した図である。
焼結途中における原料装入層内の温度分布圧損分布を模式的に示した図である。
ペレットフィードの有無における擬似粒子の粒度分布の差を示すグラフである。
粒径150μm以下の微粉比率と焼結鉱の生産率との関係を示すグラフである。
酸素濃度を21体積%から24体積%に増加させた場合の粒径150μm以下の微粉比率と焼結鉱の生産率改善効果との関係を示すグラフである。
酸素濃度と焼結鉱生産率との関係を示すグラフである。

0018

本発明は、微粉鉄鉱石を含む焼結原料の装入層10に酸素濃度を増加させた酸素富化空気を導入することによって、装入層10内の炭材の燃焼性を改善し、これにより、擬似粒子の粉化による装入層10の通気性の悪化を抑制して、焼結鉱の生産性の低下を抑制するものである。まず、微粉鉄鉱石を含む焼結原料の特性について説明する。

0019

図4は、ペレットフィードの有無における擬似粒子の粒度分布の差を示すグラフである。図4において黒プロットは、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石であるペレットフィードが配合されていない鉄鉱石の粒度分布を示している。また、白プロットは、黒プロットで粒度分布が示された鉄鉱石にペレットフィードを40質量%配合したものの粒度分布を示している。

0020

図4に示すようにペレットフィードを40質量%の比率で配合すると、黒プロットで示されていた粒度分布は、白プロットで示した粒度分布になる。すなわち、ペレットフィードを40質量%の比率で混合させることで、細粒(0.5mm未満)のみならず、粗大(10mm超)な擬似粒子も多く生成した。微粉鉄鉱石は、濡れ性が同じであれば細粒ほど比表面積が大きく水分をより吸収するので、粉体間に多くの水分を保持する。このため、微粉鉄鉱石は、微粉鉄鉱石ではない粗粒鉄鉱石に対して優先的に水分を吸収する。そして、水分を吸収するとともに微粉鉄鉱石どうしが凝集して、単に微粉鉄鉱石が凝集した粗大な擬似粒子が生成する。なお、本実施形態において、粒径および比率は、JIS Z 8801−1に準拠した目開きのいを用いて篩うことで原料を各粒度に分け、各粒度の質量をそれぞれ測定し、各粒度の質量と全体の質量から、各粒度の比率を算出している。例えば、「粒径150μm以下のペレットフィードを40質量%配合する」とは、JIS Z 8801−1に準拠した公称目開き150μmの篩を通過したペレットフィードを、鉄鉱石全体の質量に対する割合が40%になるように配合することをいう。

0021

このような微粉鉄鉱石が凝集した粗大な擬似粒子は結合強度が弱く、焼結機のパレット上に堆積されると、荷重(圧縮力)が加わったときに崩壊し、当該擬似粒子が粉化して装入層10の空隙率の低下を招く。これにより、装入層10の通気性は悪化し、焼結原料の燃焼が阻害される。そして、この結果、焼結鉱の焼結時間が長くなり、焼結鉱の生産性が低下する。

0022

そこで、本実施形態の焼結鉱の製造方法では、焼結鉱の生産性の低下を抑制することを目的として、装入層10に導入する酸素富化空気の酸素濃度を23体積%より高くして装入層10の炭材の燃焼性を向上させている。これにより、焼結時における装入層10の到達温度を高め、微粉鉄鉱石が単に凝集したにすぎない結合強度の弱い擬似粒子の表面を短時間に焼き固めることで擬似粒子の崩壊を抑制している。この結果、擬似粒子の粉化による装入層10の通気性の悪化が抑制され、焼結鉱の生産性の低下を抑制できる。なお、本実施形態において酸素富化空気は装入層10に導入するガスの一例である。

0023

一方、酸素の使用は焼結鉱製造コストの増加を招くので、酸素富化空気の酸素濃度を増加させる領域はできるだけ狭くすることが好ましい。酸素濃度を増加させることで、焼結時における装入層10の温度を高めることができるので、酸素濃度を増加させる領域としては、常温の空気が装入層10に導入され炭材の燃焼性が劣る領域を選択することが好ましい。すなわち、酸素濃度を増加させる領域を、常温の空気が装入層10に導入され炭材の燃焼性が劣る点火炉11の下流側から排鉱部までの焼結機機長方向の点火炉11側とし、当該領域に導入される酸素富化空気の酸素濃度を増加させて炭材の燃焼性を改善させることが好ましい。このため、本実施形態においては、点火炉11側に酸素増加装置を設け、当該酸素増加装置を用いて空気に酸素を添加して、装入層10に導入する酸素富化空気の酸素濃度を増加させている。

0024

また、酸素濃度を増加させる領域の長さは、点火炉11から排鉱部までの焼結機の機長方向の長さをLとすると、点火炉11側であって0.05×Lから0.5×Lまでの範囲内の長さにすることが好ましい。なお、酸素を増加させる領域の長さを0.05×L未満にすると酸素濃度増加による歩留の改善効果がほとんどみられなくなるので好ましくない。また、酸素濃度を増加させる領域を0.5×Lより長くして、酸素濃度を増加させる領域を装入層の下層に広げても、酸素コスト増加に対する費用対効果が小さくなるので好ましくない。後述するように、装入層の下層は、酸素濃度を増加させなくても焼結鉱の歩留が高いので、酸素濃度増加による焼結鉱の歩留の改善効果が大きくならず、このため、酸素を増加する領域を0.5×Lより長くすると酸素コスト増加に対する費用対効果が小さくなる。

0025

また、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法は、酸素増加装置を追加すれば既存の焼結機をそのまま用いて実施できる。このため、本実施形態に係る焼結鉱の製造方法は、大きな設備投資を必要とすることなく、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く含有する鉄鉱石を含む焼結原料から、焼結鉱の生産性の低下を抑制しながら焼結鉱を製造できる。

0026

上述したように、焼結原料の鉄鉱石に微粉鉄鉱石が多く含まれる場合に、微粉鉄鉱石どうしが単に凝集したにすぎない結合強度の弱い粗大な擬似粒子が生成するので、鉄鉱石中に粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を多く含む場合に、本実施形態の焼結鉱の製造方法による焼結鉱の生産性低下抑制効果が大きくなる。このため、本実施形態の焼結鉱の製造方法においては、焼結原料の鉄鉱石中に粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く配合する。なお、本実施形態において、鉄鉱石とは、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石と、粒径150μmより大きい粗粒鉄鉱石を有する鉄鉱石を意味する。

0027

また、後述する実験において、酸素濃度が21体積%である空気を用いても焼結鉱の生産性低下の抑制効果がなかったことから、酸素富化空気の酸素濃度を23体積%より高くしている。なお、酸素富化空気の酸素濃度の上限は、特に制限を設けなくてもよいが、酸素増加装置の焼損防止の観点から、酸素富化空気の酸素濃度は50体積%以下とすることが好ましい。

0028

また、点火炉11の点火手段も特に限定するものではないが、製鉄所の副生ガスであるCガス、BガスまたはMガス等の気体燃料を用いたバーナーを用いることが好ましい。なお、製鉄所において多く使用されているLNGLPG都市ガス等の気体燃料を用いたバーナーを使用してよい。また、装入層10上表層粉コークス等の凝結材を短時間で着火するために、バーナーに供給される支燃性ガス中の酸素濃度を増加させてバーナーの火炎温度を高めてもよい。

0029

さらに、装入層10の上層部に焼結に必要な温度を十分に確保することを目的として、上層部に気体燃料を供給してもよい。この場合に、点火炉11の直後から排鉱部までの区間の概ね1/3の区間に、装入層10の上方にフードを有する気体燃料供給装置を設け、その内部に気体燃料供給配管を配設して気体燃料を供給する。この気体供給装置を利用して、その内部に酸素供給配管を配設し、酸素ガスを供給し、酸素富化空気の酸素濃度を増加させてもよい。なお、気体燃料としては、Cガス、Bガス、Mガス、LNG、LPGおよび都市ガスの少なくとも1種を用いてよい。

0030

内径が300mmφ×高さが400mmの円筒状の焼結実験装置(以下、焼結)を使用して焼結実験を行なった。原料を直径1mのドラムミキサーを用いて、8rpmで300秒間回転させて擬似粒子とし、焼結実験装置に当該擬似粒子を400mmの厚さまで装入して装入層を形成させ、その上表面を、プロパン燃料としたバーナーを用いて60秒間加熱して点火し、焼結鍋の下部から700mmAqで吸引して、焼結ケーキを作製した。なお、擬似粒子には、凝結材として粉コークスを5質量%添加した。

0031

上記焼結実験においては、焼結鍋の下部から排出される燃焼排ガスの温度を測定し、点火からこの温度がピークに達した時点までの時間を焼結時間とした。また、焼結実験終了後、焼結ケーキを2mの高さから1回落下させ、10mm篩目の上に残った焼結鉱を成品として定義した。焼結鉱の歩留は、10mm以上の成品焼結鉱の質量を焼結ケーキの質量で除して算出した。また、焼結鍋の断面積(m2)と、成品焼結鉱の重量(t)と、焼結時間(h)と、から単位炉床面積(m2)、単位時間(h)当たりの焼結鉱生産量(t)である焼結鉱の生産率(t/(h×m2))を算出した。

0032

焼結実験において、点火から焼結時間の前半1/2の間、装入層に導入させる酸素富化空気の酸素濃度を21体積%(酸素増加無し)〜50体積%の範囲内で変化させた。各条件で焼結時間が異なるので、酸素濃度を増加させる時間を調整しながら繰り返し実験を実施し、酸素富化空気の酸素濃度を増加させる時間が焼結時間の前半の1/2となるように調整した。

0033

焼結実験に用いた鉄鉱石は粒径150μmより大きい粗粒鉄鉱石であり、縮分器を用いて2等分した一方の粗粒鉄鉱石を粉砕して、粒径150μm以下および粒径150μmより大きい粒度のみ異なる2種の鉄鉱石を調製した。化学組成は、SiO2が4.9質量%、Al2O3が1.8質量%であった。焼結原料の塩基度(CaO/SiO2)は、石灰石の配合量を調整して2.0とした。また、実際の焼結機で使用する焼結原料を模擬し、5mm以下の焼結鉱(返鉱)を20質量%配合した。

0034

図5は、粒径150μm以下の微粉比率と焼結鉱の生産率との関係を示すグラフである。図5に示したグラフにおいて、横軸は鉄鉱石中の粒径150μm以下の微粉比率(質量%)であり、縦軸は焼結鉱の生産率(t/(h×m2))である。

0035

図5から、酸素増加を行っていない場合、鉄鉱石中の粒径150μm以下の微粉比率(以下、微粉比率という)の増加に伴って、焼結鉱の生産率が大幅に低下している。特に、微粉比率が10質量%より高い条件では、微粉比率の増加により焼結鉱の生産率の低下(破線の傾き)が大きくなっている。微粉比率を15質量%とした焼結試験の実施により得られた焼結ケーキを高さ方向に3等分し、上層、中層および下層に分けて焼結鉱の歩留を評価したところ、微粉比率10質量%とした焼結試験と比較して、上層での焼結鉱の歩留の低下が大きく、これが焼結鉱の生産率を低下させる原因となっていた。

0036

一方、焼結時間の前半で、酸素富化空気の酸素濃度を24体積%に増加させた場合、微粉比率の増加に伴って、焼結鉱の生産率が低下するものの、その低下幅は酸素濃度を増加させていない場合に比べて小さくなっていた。同様に、微粉比率を15質量%とした焼結試験の実施により得られた焼結ケーキを高さ方向で3等分し、上層、中層および下層の焼結鉱の歩留を評価したところ、酸素濃度を増加させていない場合と比較して上層での焼結鉱の歩留の低下が抑制されていた。

0037

図6は、酸素濃度を21体積%から24体積%に増加させた場合の粒径150μm以下の微粉比率と焼結鉱の生産率改善効果との関係を示すグラフである。図6に示したグラフにおいて、横軸は鉄鉱石中の粒径150μm以下の微粉比率(質量%)であり、縦軸は酸素濃度を21体積%から24体積%に増加させることによって向上した焼結鉱の生産率改善効果(t/(h×m2))である。なお、生産率の改善効果は、酸素富化空気の酸素濃度を24体積%とした場合の焼結鉱の生産率と、酸素富化空気の酸素濃度を21体積%とした場合の焼結鉱の生産率との差を取ることによって算出した。図6に示すように微粉比率を10質量%より高くした場合のグラフの傾きは、微粉比率10質量%以下までのグラフの傾きより大きくなった。この結果から、鉄鉱石中の微粉比率を10質量%より高くすることで酸素濃度増加による生産率の改善効果を高められることが確認された。なお、酸素富化空気の酸素濃度増加による生産率の改善効果をさらに大きくできることから、鉄鉱石中の微粉比率を15質量%以上とすることがより好ましい。

0038

図7は、酸素濃度と焼結鉱生産率との関係を示すグラフである。図7に示したグラフにおいて、横軸は酸素富化空気の酸素濃度(体積%)であり、縦軸は焼結鉱の生産率(t/(h×m2))である。図7に示すように、鉄鉱石中の微粉比率が0の場合には、酸素富化空気の酸素濃度が増加するに従って焼結鉱の生産率は向上した。一方、鉄鉱石中の微粉比率が15質量%の場合には、鉄鉱石中の微粉比率が0の場合と同様に酸素富化空気の酸素濃度が増加するに従って焼結鉱の生産率は向上するが、酸素濃度を23体積%より高くすると、酸素濃度を23体積%以下とした場合よりも焼結鉱の生産率の向上(実線の傾き)が大きくなった。このように、鉄鉱石中の微粉比率を15質量%とした焼結原料を用いた場合において、酸素富化空気の酸素濃度を23体積%より高くすることで焼結鉱の生産率を大きく向上できることが確認された。なお、鉄鉱石中の微粉比率を50質量%より高くすると、装入層の通気性が悪化して安定した焼結ができなくおそれがある。このため、鉄鉱石中の微粉比率は50質量%以下とすることが好ましい。

0039

酸素富化空気の酸素濃度を24体積%、30体積%および50体積%とし、粒径150μm以下の微粉比率を0質量%、20質量%および30質量%とした条件で実施した実施例の焼結鉱の生産率と、酸素富化を行なっていない比較例(酸素濃度21体積%)の焼結鉱の生産率を表1に示す。いずれの微粉比率においても酸素富化空気の酸素濃度を24体積%以上に増加させた本実施例の焼結鉱の生産率は、酸素富化を行なっていない比較例の焼結鉱の生産率よりも高くなり、酸素濃度を24体積%以上に増加させることで鉄鉱石中の微粉比率の増加に伴う焼結鉱の生産性の低下を抑制できることが確認された。このため、酸素富化空気の酸素濃度を24体積%以上とすることがより好ましいことが確認された。

0040

0041

これらの結果は、微粉鉄鉱石の増加に伴って生成した強度の弱い擬似粒子が、酸素濃度の増加により炭材の燃焼性を改善することで粒子表面での昇温速度が速くなり、短時間で表面の焼結反応が進行できるようになった結果、擬似粒子の崩壊が抑制され、これにより、焼結鉱の生産率の低下を抑制できたためと考えられる。

実施例

0042

以上、説明したように、粒径150μm以下の微粉鉄鉱石を10質量%より多く使用する焼結原料を用いた場合に、本実施形態の焼結鉱の製造方法を用いることで、微粉鉄鉱石が凝集した擬似粒子の粉化による通気性の悪化が抑制され、焼結鉱の生産性の低下を抑制できる。また、本実施形態の焼結鉱の製造方法は、スラグ成分の少ない難造粒性の微粉(粒径150μm以下)であるペレットフィードを多量に含む焼結原料から生産性の低下を抑制しながら焼結鉱を製造でき、当該焼結鉱を高炉原料に用いることで高炉操業のスラグ比の低減に寄与できる。

0043

1ホッパー
2ドラムミキサー
3 ドラムミキサー
5サージホッパー
6ドラムフィーダー
7切り出しシュート
8カットゲート
9パレット
10原料装入層
11点火炉
12ウインドボックス(風箱

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