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技術 取鍋用ガス吹付け装置、及び、低窒素鋼の製造方法

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 岡山敦
出願日 2016年7月8日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-136353
公開日 2018年1月11日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2018-003145
状態 特許登録済
技術分野 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード ラバールノズル形状 水平回転角 流動計算 真空処理後 不可避的成分 気泡群 衝突領域 ガス濃度分布
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

取鍋への出鋼時における大気からの窒素吸収を抑制することが可能な取鍋用ガス吹付け装置、及び、この取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法を提供する。

解決手段

出鋼された溶鋼を受ける取鍋20の上方に設けられた取鍋用ガス吹付け装置10であって、非窒素ガスを吹き出すランス12と、このランス12の先端に設けられたラバールノズル13と、ラバールノズル13の先端位置を調整するノズル位置調整手段15と、を有し、ノズル位置調整手段15は、取鍋20に向けて前記溶鋼が出鋼された際に、出鋼流2と取鍋20内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域であるからの距離が2.0m以内となるように、ラバールノズル13の先端位置を調整可能とされていることを特徴とする。

概要

背景

近年、鋼材に要求される材質特性が高度化しており、鋼材の靭性をはじめとする特性値の向上が求められている。鋼材に窒素が含まれていると鋼材特性が低下する場合があるため、意図的に窒素を添加する場合を除き、可能な限り鋼材中から排除することが求められている。
また、鋼材中から窒素を排除することが困難な場合には、TiやNbといった合金元素を添加して窒素を窒化物として固定することも行われている。しかしながら、合金元素を添加するため、製造コストの上昇を招くといった問題があった。さらに、粗大な窒化物を形成する場合や添加した合金自体が鋼材特性に影響を及ぼすおそれもあった。
よって、TiやNbといった合金元素を用いることなく窒素の影響を抑制するために、鋼中の窒素濃度の低減は大きな課題である。

通常、高炉転炉法では、高炉で製造された炭素濃度4〜5%(質量比、以下、本明細書中において特に説明がないかぎり、濃度はすべて質量比である。)の溶銑を転炉で脱炭する。転炉では、大量の酸素を溶銑に吹き付けることで、溶銑中炭素を2C+O2=2COの反応で除去する。この反応が生じると、転炉内には大量のCOガスが生じるとともに、溶銑を撹拌するために、転炉底部から吹き込んでいる不活性ガスによる効果もあって、転炉吹錬終了時の窒素濃度は10ppm程度まで低下する。しかしながら、次工程に搬送するために転炉から取鍋溶鋼を出鋼する際、溶鋼が大気と接触することで、溶鋼中の窒素濃度は上昇してしまう。

取鍋に出鋼された溶鋼は、多くの場合、次工程で真空脱ガス装置を使って減圧処理される。しかしながら、この時の脱窒反応速度が遅いため、脱窒量はわずかである。また、処理中も完全に大気からの空気リークを遮断することは困難であり、真空処理中は脱窒と吸窒が同時に生じ、結果として真空処理後に鋼中窒素濃度が上昇する場合もある。真空脱ガス装置での脱窒反応速度を改善する試みも多数行われているが、処理時間制約もあり、真空脱ガス装置だけを使って低窒素鋼経済的、安定的に製造するには至っていない。

このため、低窒素鋼を経済的、安定的に製造するには、転炉で10ppm程度まで低減した溶鋼を、吸窒させることなく取鍋に出鋼し、真空脱ガス装置では吸窒を抑制した状態を維持し、次工程である連続鋳造に移るのが理想である。
このような問題を解決すべく、以下に示すように、出鋼時の吸窒を抑制する手法が提案されている。

例えば、特許文献1では、低窒素化が難しいステンレス鋼を対象として、出鋼前から少なくとも出鋼完了までの間、取鍋内から取鍋外に向けて0.13×V(取鍋の内容積)(Nm3/min)以上の流量のCO2ガス流を間断無く流出するに十分な量のCO2ガス発生性物質を取鍋内に存続させるか供給し続けることを特徴とする技術が提案されている。
特許文献2では、出鋼中に溶鋼を空気から遮断するためのガスとして3〜20容量%の酸素ガスを混合したアルゴンガスを用いることを特徴とする技術が提案されている。

特許文献3では、転炉で脱窒された含Cr低窒素溶鋼を不活性ガスでシールしながら出鋼する技術が提案されている。
特許文献4では、出鋼流を傾斜させた取鍋の壁に沿わせて取鍋に受鋼するとともに、転炉等の製鋼炉の出鋼口に不活性ガスを供給して出鋼流に不活性ガスを混入させることを特徴とする技術が提案されている。

特許文献5では、精錬炉の出鋼口の周囲に窒素ガスを含まないガスを噴出するガス噴出機を設けておき、精錬炉の出鋼する含Cr溶鋼を、ガス噴出機から噴出されたガスによってシールドすることを特徴とする技術が提案されている。
特許文献6では、上記と同様ステンレス鋼を対象として、脱炭炉から取鍋へ出鋼する際、出鋼流の下端付近に向けて、ステンレス溶鋼の出鋼前から出鋼完了までの間、純酸素ガスまたは窒素を含まず、酸素を20体積%以上含むガスを供給し、取鍋内へ供給されるガスの流量V(Nm3/min)が、取鍋内容積T(m3)に対してV>Tとなるように前記ガスを吹き付ける技術が提案されている。

概要

取鍋への出鋼時における大気からの窒素吸収を抑制することが可能な取鍋用ガス吹付け装置、及び、この取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法を提供する。出鋼された溶鋼を受ける取鍋20の上方に設けられた取鍋用ガス吹付け装置10であって、非窒素ガスを吹き出すランス12と、このランス12の先端に設けられたラバールノズル13と、ラバールノズル13の先端位置を調整するノズル位置調整手段15と、を有し、ノズル位置調整手段15は、取鍋20に向けて前記溶鋼が出鋼された際に、出鋼流2と取鍋20内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域であるからの距離が2.0m以内となるように、ラバールノズル13の先端位置を調整可能とされていることを特徴とする。

目的

よって、TiやNbといった合金元素を用いることなく窒素の影響を抑制するために、鋼中の窒素濃度の低減は大きな課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

出鋼された溶鋼を受ける取鍋の上方に設けられた取鍋用ガス吹付け装置であって、非窒素ガスを吹き出すランスと、このランスの先端に設けられたラバールノズルと、前記ラバールノズルの先端位置を調整するノズル位置調整手段と、を有し、前記ノズル位置調整手段は、前記取鍋に向けて前記溶鋼が出鋼された際に、出鋼流と前記取鍋内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域であるからの距離が2.0m以内となるように、前記ラバールノズルの先端位置を調整可能とされていることを特徴とする取鍋用ガス吹付け装置。

請求項2

請求項1に記載された取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法であって、前記滝壺からの距離が2.0m以内となるように前記ラバールノズルの先端位置を調整するとともに、前記ラバールノズルの出口におけるガス流速を350m/s以上、ガス流量を5Nm3/min以上として、非窒素ガスを前記滝壺に向けて吹き付けることにより、前記溶鋼への窒素の吸収を抑制することを特徴と有する低窒素鋼の製造方法。

請求項3

非窒素ガスとして、CO2,Ar,O2のうちの一種又は二種以上を用いることを特徴とする請求項2に記載の低窒素鋼の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、溶鋼取鍋に出鋼する際において、溶鋼への窒素の吸収を抑制するための取鍋用ガス吹付け装置、及び、この取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、鋼材に要求される材質特性が高度化しており、鋼材の靭性をはじめとする特性値の向上が求められている。鋼材に窒素が含まれていると鋼材特性が低下する場合があるため、意図的に窒素を添加する場合を除き、可能な限り鋼材中から排除することが求められている。
また、鋼材中から窒素を排除することが困難な場合には、TiやNbといった合金元素を添加して窒素を窒化物として固定することも行われている。しかしながら、合金元素を添加するため、製造コストの上昇を招くといった問題があった。さらに、粗大な窒化物を形成する場合や添加した合金自体が鋼材特性に影響を及ぼすおそれもあった。
よって、TiやNbといった合金元素を用いることなく窒素の影響を抑制するために、鋼中の窒素濃度の低減は大きな課題である。

0003

通常、高炉転炉法では、高炉で製造された炭素濃度4〜5%(質量比、以下、本明細書中において特に説明がないかぎり、濃度はすべて質量比である。)の溶銑を転炉で脱炭する。転炉では、大量の酸素を溶銑に吹き付けることで、溶銑中炭素を2C+O2=2COの反応で除去する。この反応が生じると、転炉内には大量のCOガスが生じるとともに、溶銑を撹拌するために、転炉底部から吹き込んでいる不活性ガスによる効果もあって、転炉吹錬終了時の窒素濃度は10ppm程度まで低下する。しかしながら、次工程に搬送するために転炉から取鍋に溶鋼を出鋼する際、溶鋼が大気と接触することで、溶鋼中の窒素濃度は上昇してしまう。

0004

取鍋に出鋼された溶鋼は、多くの場合、次工程で真空脱ガス装置を使って減圧処理される。しかしながら、この時の脱窒反応速度が遅いため、脱窒量はわずかである。また、処理中も完全に大気からの空気リークを遮断することは困難であり、真空処理中は脱窒と吸窒が同時に生じ、結果として真空処理後に鋼中窒素濃度が上昇する場合もある。真空脱ガス装置での脱窒反応速度を改善する試みも多数行われているが、処理時間制約もあり、真空脱ガス装置だけを使って低窒素鋼を経済的、安定的に製造するには至っていない。

0005

このため、低窒素鋼を経済的、安定的に製造するには、転炉で10ppm程度まで低減した溶鋼を、吸窒させることなく取鍋に出鋼し、真空脱ガス装置では吸窒を抑制した状態を維持し、次工程である連続鋳造に移るのが理想である。
このような問題を解決すべく、以下に示すように、出鋼時の吸窒を抑制する手法が提案されている。

0006

例えば、特許文献1では、低窒素化が難しいステンレス鋼を対象として、出鋼前から少なくとも出鋼完了までの間、取鍋内から取鍋外に向けて0.13×V(取鍋の内容積)(Nm3/min)以上の流量のCO2ガス流を間断無く流出するに十分な量のCO2ガス発生性物質を取鍋内に存続させるか供給し続けることを特徴とする技術が提案されている。
特許文献2では、出鋼中に溶鋼を空気から遮断するためのガスとして3〜20容量%の酸素ガスを混合したアルゴンガスを用いることを特徴とする技術が提案されている。

0007

特許文献3では、転炉で脱窒された含Cr低窒素溶鋼を不活性ガスでシールしながら出鋼する技術が提案されている。
特許文献4では、出鋼流を傾斜させた取鍋の壁に沿わせて取鍋に受鋼するとともに、転炉等の製鋼炉の出鋼口に不活性ガスを供給して出鋼流に不活性ガスを混入させることを特徴とする技術が提案されている。

0008

特許文献5では、精錬炉の出鋼口の周囲に窒素ガスを含まないガスを噴出するガス噴出機を設けておき、精錬炉の出鋼する含Cr溶鋼を、ガス噴出機から噴出されたガスによってシールドすることを特徴とする技術が提案されている。
特許文献6では、上記と同様ステンレス鋼を対象として、脱炭炉から取鍋へ出鋼する際、出鋼流の下端付近に向けて、ステンレス溶鋼の出鋼前から出鋼完了までの間、純酸素ガスまたは窒素を含まず、酸素を20体積%以上含むガスを供給し、取鍋内へ供給されるガスの流量V(Nm3/min)が、取鍋内容積T(m3)に対してV>Tとなるように前記ガスを吹き付ける技術が提案されている。

0009

特開平08−041525号公報
特開平06−025730号公報
特開昭60−026611号公報
特開昭61−166911号公報
特開2010−138446号公報
特開2012−207272号公報

先行技術

0010

長隆郎、岩田勝吉、井上道雄、「転炉出鋼時の溶鋼の酸素および窒素吸収の推算」、鉄と鋼、69(1983)、p.767−774

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、上記した技術には問題点がある。吸窒が生じている場所は、上述の非特許文献1に記載されているように、溶鋼が転炉から取鍋内に出鋼される際に、出鋼流と取鍋内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域である部分であると考えられる。
このことを踏まえると、特許文献1のように、取鍋内全体の雰囲気を非窒素ガスで満たすには多量のガスが必要であり、経済的とは言い難い。
特許文献2のように、取鍋上部付近を通過する溶鋼流アルゴンを吹き付けたとしても、溶鋼流付近は高熱であり、上昇気流が生じることから、出鋼流に巻き込ませるだけで滝壺近傍の窒素濃度を低減するのは困難である。

0012

特許文献3では、取鍋内をAr置換した取鍋に、Arガスを吹き付けながら出鋼と記載されているものの、具体的にどの程度の流量をどの部分に吹き付けたか不明である。
特許文献4のように、出鋼孔付近から出鋼流に不活性ガスを巻き込ませたとしても、大気からの空気巻き込みで生じる滝壺の気泡中の窒素濃度を効率的に低減することはできない。

0013

特許文献5のように、出鋼孔から非窒素ガスを吹き付けた場合、通常出鋼孔から取鍋内までは3〜5m程度離れているため、非窒素ガスは滝壺に届く前に拡散してしまう。
このため、特許文献6のように、ノズルを用いて滝壺に向けて直接ガスを吹き付ける手法は効率的であると考えられるが、高温の溶鋼が出鋼され、上昇気流が生じている取鍋内において、どのくらいの距離からどの程度の流速で吹き付ければ良いか、この文献には記載されていない。

0014

本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、取鍋への出鋼時における大気からの窒素吸収を抑制することが可能な取鍋用ガス吹付け装置、及び、この取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは、上記の課題を解決するために、転炉から溶鋼への出鋼中の吸窒挙動を検討した結果、吸窒が生じているのは、そのほとんどが出鋼流が取鍋内の溶鋼に入り込む滝壺部分であり、この部分の周囲の窒素濃度を低減することで吸窒を抑制できることを見出した。さらに、滝壺周囲の窒素濃度を低減するための手法をさらに検討した結果、ラバールノズルを用いて、一定量以上の非窒素ガスを一定以上の流速で滝壺に近い位置から吹き付けることで、滝壺周囲の窒素濃度を低減でき、出鋼時の吸窒を抑制可能であることが判明した。

0016

この手法を用いることで、シール性の高い蓋といった設備や、大量の非窒素ガスを用いることなく出鋼時の吸窒を抑制でき、低窒素鋼を経済的に安定して溶製することができる。本発明は、出鋼時に取鍋内の溶鋼が出鋼流と接触している滝壺部分に向けて非窒素ガスを吹き付けられるガス吹付け装置を考案するとともに、吸窒を抑制するためにガス吹付け装置が具備すべきノズルの位置調整手段、ノズル形状、非窒素ガスの吹付け方を明確にすることで本発明を完成させた。

0017

本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、本発明に係る取鍋用ガス吹付け装置は、出鋼された溶鋼を受ける取鍋の上方に設けられた取鍋用ガス吹付け装置であって、非窒素ガスを吹き出すランスと、このランスの先端に設けられたラバールノズルと、前記ラバールノズルの先端位置を調整するノズル位置調整手段と、を有し、前記ノズル位置調整手段は、前記取鍋に向けて前記溶鋼が出鋼された際に、出鋼流と前記取鍋内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域である滝壺からの距離が2.0m以内となるように、前記ラバールノズルの先端位置を調整可能とされていることを特徴としている。

0018

この構成の取鍋用ガス吹付け装置によれば、ラバールノズルを用いているので、十分な流速を確保することができ、取鍋内の上昇気流等に阻害されずに、滝壺に向けて非窒素ガスを吹付けることができる。
そして、出鋼流と前記取鍋内に貯留された溶鋼の湯面との衝突領域である滝壺からの距離が2.0m以内となるように、前記ラバールノズルの先端位置を調整するノズル位置調整手段を備えているので、滝壺の周囲に非窒素ガスを十分に供給することができ、溶鋼への窒素の吸収を抑制することができる。

0019

本発明に係る低窒素鋼の製造方法は、上述の取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法であって、前記滝壺からの距離が2.0m以内となるように前記ラバールノズルの先端位置を調整するとともに、前記ラバールノズルの出口におけるガス流速を350m/s以上、ガス流量を5Nm3/min以上として、非窒素ガスを前記滝壺に向けて吹き付けることにより、前記溶鋼への窒素の吸収を抑制することを特徴としている。

0020

この構成の低窒素鋼の製造方法によれば、ラバールノズルの先端位置が滝壺から2.0m以内に配置され、さらに、ガス流速が350m/s以上と十分に速く、ガス流量が5Nm3/min以上と十分に多いことから、滝壺の周囲に非窒素ガスを十分に供給することができ、溶鋼への窒素の吸収を抑制することができる。

0021

ここで、本発明に係る低窒素鋼の製造方法においては、非窒素ガスとして、CO2,Ar,O2のうちの一種又は二種以上を用いることが好ましい。
この場合、滝壺の周囲において窒素ガスを十分に除去することができ、溶鋼への窒素の吸収を抑制することができる。

発明の効果

0022

本発明によれば、取鍋への出鋼時における大気からの窒素吸収を抑制することが可能な取鍋用ガス吹付け装置、及び、この取鍋用ガス吹付け装置を用いた低窒素鋼の製造方法を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

0023

ノズルからガスを吹き込んだ場合のガス拡散挙動の計算結果を示す図である。
本発明の一実施形態である取鍋用ガス吹付け装置を備えた、取鍋への出鋼設備の概略説明図である。(a)が正面図、(b)が側面図である。
取鍋への出鋼開始からの経過時間と吸窒量との関係を示すグラフである。
転炉から取鍋への出鋼作業と取鍋用ガス吹付け装置の動作を示す説明図である。
実施例におけるノズル出口のガス流速Vと吹付けガス流量Qとの関係を示すグラフである。

0024

以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を用いて具体的に説明する。

0025

窒素濃度の低い低窒素鋼(例えば窒素濃度0.0035質量%以下)を溶製する場合、高炉あるいは電気炉から搬送された炭素濃度の高い溶鉄を転炉などの精錬炉に装入し、酸素吹錬により所定の炭素濃度まで脱炭して溶鋼にする。酸素吹錬中は、2C+O2=2COの反応が生じることで、転炉内には多量のCOガスが発生することから、溶鉄と接している気相中の窒素濃度は著しく低下する。加えて、攪拌により炉底より非窒素ガスを吹き込むことで、溶鉄は強攪拌され、結果として溶鋼から窒素が抜けていく脱窒反応が生じ、転炉処理後の溶鋼中窒素濃度は10ppm程度まで低下する。転炉処理後の溶鋼は、転炉から取鍋に出鋼され、その後は二次精錬等で成分、温度調整され、鋳造プロセスに供される。その後、加熱、圧延熱処理表面処理などの工程を経て製品として出荷される。

0026

転炉といった精錬炉からの出鋼時は、炉体傾動させ、炉体側面もしくは炉口、炉底から溶鋼を取鍋内に注入する。出鋼中は、炉体が徐々に傾動していき、それに合わせて取鍋位置も移動する。また、出鋼中には成分調整に必要な合金や造滓剤の一部または全部がシュートから投入される。この時、出鋼流が取鍋内の溶鋼と接する部分では、落下してくる出鋼流に周囲の気相が巻き込まれ、いわゆる滝壺を形成する。この滝壺を形成する気泡群は大気中の窒素が多く含まれているため、酸素吹錬後に10ppmまで低下した溶鋼中の窒素濃度は大気中窒素濃度と平衡する400ppm以上に向けて増加することになる。

0027

ここで、出鋼中に滝壺に向けて非窒素ガスを一定速度以上及び一定流量以上で吹き付ける。吹き付けられた非窒素ガスが滝壺近傍まで届いた場合、滝壺近傍の窒素濃度が低減することから、滝壺を形成する気泡群の中の窒素濃度も低減する。この時、滝壺近傍の窒素濃度が空気中の約半分になった場合、平衡する窒素濃度も約半分になるため、大きな吸窒抑制効果が得られる。一方で、非窒素ガスを一定速度よりも遅く吹き付けた場合、出鋼時の溶鋼上面近傍には高温となることで生じる上昇気流が生じていることから、非窒素ガスは滝壺に届く前に拡散してしまい、滝壺周囲の窒素濃度を低減することはできない。

0028

そこで、出鋼時の滝壺近傍に非窒素ガスを吹き付けることを想定し、ノズルから吹き付ける非窒素ガス挙動を流動計算により再現することを試みた。計算領域をN2で満たした状態とし、天井部より非窒素ガスを吹付け、その拡散する様子を再現した。吹き付けるガス種はAr、CO2、O2とし、適宜これらを混合させた。雰囲気圧力は1atmとし、取鍋内を仮定して雰囲気温度は1000K、ガス温度はノズル出口で300Kとした。また、取鍋内は上向きに10m/sの上昇気流が生じていると仮定した。
図1は、Arガス流量5.0Nm3/min、ノズル出口ガス流速384m/sとした時のArガス濃度分布であり、ノズル出口から2m程度離れるとArガス濃度が50%程度まで低減し、取鍋高さを想定した4m離れるとArガス濃度は20%以下まで低減することが分かる。これらの流動計算結果から、滝壺近傍に吹き付ける非窒素ガスの流速および流量を見積もり実機試験により出鋼時の吸窒抑制効果を見積もった。

0029

確実に滝壺まで非窒素ガスを到達させるためには、ガス流速がノズル出口で350m/s以上であることが好ましい。ガス流速が足りない場合、非窒素ガスを吹き付けたとしても、滝壺周囲に生成する上昇気流に押し戻されるため、非窒素ガスが滝壺に到達しないためである。このようなガス流速を得るには、通常のストレートノズルでは困難であり、ラバールノズルを用いる必要がある。なお、ガス流速は、ノズル出口で380m/s以上であることが好ましく、400m/s以上であることがさらに好ましい。

0030

また、滝壺周囲の窒素濃度を低減するには、吹き付ける非窒素ガスのガス流量が5Nm3/min以上であることが好ましい。非窒素ガス流量が少ない場合、ガスが滝壺近傍まで到達した場合であっても直ちに拡散し、出鋼流によって巻き込まれる気泡に含まれる窒素濃度を十分に下げられない。なお、非窒素ガスのガス流量は、7Nm3/min以上であることが好ましく、10Nm3/min以上であることがさらに好ましい。
非窒素ガスのガス流量を決めると、ラバールノズル形状と圧力によりガス流速が決まるので、必要なガス流速およびガス流量に応じてラバールノズルの内径や形状を決めれば良い。

0031

加えて、更に滝壺周囲の窒素濃度を低減するには、ラバールノズル先端から滝壺までの距離が2.0m以内とすることが必要である。流動計算結果に対して、Ar度が50%となる距離を一つの基準として考えた場合、ラバールノズル先端から滝壺までの距離が2.0mより離れた条件では、ガス流速を高めた条件であっても、Arガスは拡散してしまい、Ar濃度が50%となる位置が2.0mよりも極端伸びることは無い。一方で、ガス流量を増やすことで、Ar濃度が50%となる位置は2.0mよりも伸びていくが、ガス流速を維持した状態でガス流量を増やすためにはノズル径を同じにしたままでガス吹込み圧力を高める必要があるが、ガスの圧力を高めるのには限度があり、大量のガスの圧力を高めるにはコストが掛かる。

0032

このため、経済的に滝壺周囲の窒素濃度を低減するには、ラバールノズル先端から滝壺までの距離が2.0m以内であることが必要である。また、ラバールノズル先端から滝壺までの距離は1.5m以内であることがより望ましい。一方で、溶鋼湯面に近づき過ぎるとラバールノズル先端が熱によって変形してしまうことから、ラバールノズル先端から滝壺までの距離は1.0m以上離れていることが望ましい。

0033

吸窒が生じる場所は出鋼流と湯面が接する部分に生じる滝壺であることから、ガス吹付け装置は、非窒素ガスを吹き付けるためのランスを具備するとともに、出鋼に伴って移動する滝壺の動きに合わせてラバールノズルの先端位置を調整できるノズル位置調整手段を具備していることが必要である。この時、上記したように確実に滝壺周囲の窒素濃度を低減するため、ラバールノズル先端から滝壺までの距離が2.0m以内になることが必要である。出鋼の際、ランス先端は溶鋼との距離が近くなることから、水冷構造にすることが好ましい。

0034

ここで、図2に、本実施形態である取鍋用ガス吹付け装置10を備えた取鍋20への出鋼設備を示す。
本実施形態においては、図2に示すように、転炉30の下方側に取鍋20が配設されており、転炉30から取鍋20へと溶鋼が出鋼される構成とされている。なお、取鍋20は、移動可能な台車21の上に配置されている。

0035

そして、本実施形態である取鍋用ガス吹付け装置10は、転炉30のトラニオン31を設置してある作業床32と同程度の高さに配設された支持架台11と、この支持架台11に支持されたランス12と、ランス12の先端に配設されたラバールノズル13と、ラバールノズル13の先端位置を調整するノズル位置調整手段15と、を備えている。

0036

ノズル位置調整手段15は、ランス12をその長さ方向に最大10m程度移動可能とするとともに、ランス12の仰角を調整可能とされている。さらに、支持架台11を水平方向に回転させることが可能とされている。
このように、ランス12の長さ方向位置および仰角を調整することで、出鋼中の取鍋20内の湯面の上昇に伴う滝の上昇に合わせて、ラバールノズル13先端の高さ位置を調整できるように構成されている。さらに、ランス12の長さ方向位置および水平方向の回転を組み合わせることで、出鋼中に前後に動く出鋼流2に合わせてラバールノズル13先端位置を調整可能とされている。
よって、出鋼中において、ラバールノズル13の先端位置を滝壺からの距離が2.0m以内の範囲内に調整することが可能となる。

0037

ここで、非窒素ガスを滝壺周辺に吹き付ける期間は、出鋼前から出鋼後まで継続的であることが望ましい。しかしながら、出鋼時の吸窒が生じるのは主に滝壺であり、出鋼開始直後はまだ取鍋内に溶鋼が十分に満たされていないことから、十分な滝壺は生成していない。出鋼中の吸窒量の経時変化図3に示すように、ある程度取鍋内に溶鋼が満たされてくると急激に吸窒量は増加する。

0038

このため、滝壺周辺への非窒素ガス吹き付け開始時間は、出鋼を開始してから15秒から20秒後であっても発明の効果は十分に得られる。その後、取鍋内に大きな滝壺が生じるだけ溶鋼が満たされ、かつ、転炉から取鍋内までの落下距離がまだ大きい、出鋼前半に最大値を示すが、中期から末期掛けては取鍋内に溶鋼が満たされることで落下距離が短くなるに従って吸窒量は減少する。しかしながら、中期から末期に掛けても依然として吸窒が生じていることから、出鋼が終わるまで継続的に非窒素ガスを吹き付けることが望ましい。特に、合金元素を添加した後には、吸窒されやすくなる場合があることから、出鋼が終わるまで非窒素ガスを吹き付けることが望ましい。

0039

具体的な動作について、図4を用いて説明する。
まず、図4<1>に示すように、出鋼開始の時点では、ランス12を待機位置に配置しておき、非窒素ガスの吹付けを実施しない。
次に、図4<2>に示すように、出鋼を開始してから15秒から20秒後には、取鍋20内に溶鋼1が貯留され、出鋼流2が溶鋼1の湯面と衝突する滝壺が形成される。この時点までには転炉30が十分に傾転され、ランス12を待機位置から取鍋20の中へ降下させても転炉鉄皮干渉しないだけの隙間ができている。そこで、ノズル位置調整手段15によってランス12を移動させてラバールノズル13の先端が滝壺から2.0m以内の位置とし、非窒素ガスの吹付けを開始する。
次に、図4<3>に示すように、出鋼が継続されると取鍋20内の溶鋼1の湯面が上昇する。取鍋20内の溶鋼1の湯面の上昇にしたがい、ノズル位置調整手段15によってランス12を移動させ、ラバールノズルの先端位置を滝壺から2.0m以内に保持しながら、非窒素ガスの吹付けを実施する。

0040

これにより、本実施形態である取鍋用ガス吹付け装置10によれば、ラバールノズル13を用いるとともに、ラバールノズル13の先端位置が滝壺から2.0m以内となるように、ラバールノズル13の先端位置を調整するノズル位置調整手段15を備えているので、十分な流速で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けることができ、滝壺の周囲の窒素を十分に排除することにより、溶鋼への窒素の吸収を抑制することができる。よって、十分に窒素濃度が低減された高品質の低窒素鋼を製造することが可能となる。

0041

さらに、本実施形態である低窒素鋼の製造方法によれば、滝壺からの距離が2.0m以内となるようにラバールノズル13の先端位置を調整するとともに、ラバールノズル13の出口におけるガス流速を350m/s以上、ガス流量を5Nm3/min以上として、非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けているので、滝壺の周囲に非窒素ガスを十分に供給することができ、溶鋼への窒素の吸収を抑制することができる。

0042

なお、非窒素ガスとしては、CO2、Ar、O2のうち一種もしくは二種以上の混合ガスであることが望ましい。

0043

以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、滝壺周辺に吹き付けられた非窒素ガスは滝壺近傍で拡散するため、1本のランスでも吸窒抑制効果を得られるが、合金添加用のシュートと干渉しない範囲でランスを2本以上設置し、非窒素ガスを吹き付けたとしても何ら問題は無い。
また、本発明は、炭素鋼に非常に有効であるが、炭素鋼以外のステンレス鋼、合金鋼の溶製にも有効である。
さらに、転炉における操業形態について説明してきたが、AODのように炉口から取鍋へ出鋼する操業形態にも、本発明は適合する。

0044

以下に示す本発明法および比較法の条件で、出鋼時の吸窒挙動評価試験を行い、発明の効果を確認した。
まず、高炉から搬送された溶銑(炭素含有量4.5%相当)を転炉に装入し、酸素吹錬を行った。転炉吹錬後の成分は[C]=0.03〜0.15%、[Si]=0.01〜0.05%、[Mn]=0.1〜0.4%、[P]=0.01〜0.03%、[N]=8〜12ppm、残部がFeおよび不可避的成分である。

0045

処理量は300ton規模であり、出鋼時間は5分である。溶鋼を受ける取鍋の底からの最上部までの高さは3.9mであり、事前予熱されている。出鋼流は出鋼が始まってから終わるまでの間に、傾動した転炉の炉口を正面から見た場合、前後に動くため、出鋼流に合わせて取鍋台車を動かして受鋼する。
なお、非窒素ガスを吹き付けるランスは、出鋼流の側面から滝壺に向けて配置し、出鋼流の動きに合わせて前後に動かすことができる。また、ランス先端はストレートノズルもしくはラバールノズルとし、取鍋内に満たされていく溶鋼の湯面高さに合わせて、上下に動かすことができるように構成した。

0046

発明の効果を確認するため、出鋼開始前の転炉内、出鋼完了後の取鍋内の溶鋼をサンプリングし、出鋼前後の窒素濃度の変化量Δ[N](ppm)を吸窒量として評価した。出鋼条件を表1に示す。なお、表1中のノズル出口のガス流速Vは実測することが困難であったことから、流動計算で求めたノズル出口位置の流速とした。

0047

出鋼前は、ランスを伸ばすと転炉の炉体と干渉するため、ランスを上限位置まで引き上げた状態で待機させた。出鋼するため転炉を傾動させ始め、転炉がある程度傾くと、ランスを伸ばしても転炉の炉体と干渉しなくなるため、この時点からランスを伸ばし、出鋼孔から溶鋼が出るまでにランス先端が取鍋の中に入っている状態で待機した。出鋼開始した時点で滝壷の位置を探査し、ランスの長さ、仰角、水平回転角度を調整することでランス先端を滝壷に向け、同時にランスと滝壷間距離を適宜調整した。ノズル−滝壺間距離は、予め求めておいた出鋼時の湯面上昇速度を参照しながら、ランスの長さ、仰角、水平回転角度を調整することでノズル先端位置を合わせた。

0048

出鋼の際、出鋼してから2分後に出鋼流に巻き込ませる形でAlを含む合金を投入した。表1に示したCおよびAl濃度は、出鋼完了後の取鍋内溶鋼の成分である。以下、Δ[N]が15ppm以下であった場合、発明の効果があったとし、Δ[N]が12ppm以下であった場合、優れた効果があったとし、Δ[N]が9ppm以下であった場合、特に優れた効果があったと判断した。

0049

0050

試験No.1(従来法)では、通常通りに転炉から取鍋に出鋼した結果、Δ[N]=23ppmであった。
以下、試験No.2からNo.23までは、全て出鋼中にガス吹付けランスから滝壺に向けて非窒素ガスを吹き付けた。なお、表中のノズル−滝壺間距離は出鋼初期から末期までの距離を示すが、最末期はランス昇降装置の上昇限である1.2mとなった。

0051

試験No.2からNo.4(比較法)は、ノズル出口流速が305〜422m/s、ガス流量が8〜12Nm3/minの条件で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けた。この時、試験No.2とNo.3はランスを取鍋上部位置に固定した状態で吹付けたため、ノズル−滝壺間距離は出鋼直後が5.0mであり、出鋼中に湯面高さに応じて短くなり、出鋼完了時は1.2mとなったが、Δ[N]は22ppmであり、発明の効果は認められなかった。また、試験No.4は出鋼中にノズル−滝壺間距離が2.5〜3.0mとなるように上下に動かし、出鋼完了時は1.2mとなったが、Δ[N]は21ppmであり、発明の効果は認められなかった。

0052

試験No.5からNo.9(比較法)は、出鋼中にノズル−滝壺間距離を1.5〜2.0mに維持しながら、ガス流量が5〜10Nm3/min、ランス先端にストレートノズルを用いてノズル出口流速が72〜310m/sの条件で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けた結果、Δ[N]は17〜22ppmとなり、発明の効果は認められなかった。

0053

試験No.10からNo.12(発明法)は、出鋼中にノズル-滝壺間距離を1.5〜2.0mに維持しながら、ランス先端にラバールノズルを用いてノズル出口流速が386m/s以上、ガス流量が3〜4Nm3/minの条件で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けた結果、Δ[N]は13〜15ppmとなり、発明の効果が認められた。
試験No.12までの結果から、出鋼中にノズル−滝壺間距離を1.5〜2.0mに維持しながら、ランス先端にラバールノズルを用いて非窒素ガスを吹き付けることで吸窒抑制効果が得られることが分かる。

0054

試験No.13からNo.21(発明法)は、出鋼中にノズル−滝壺間距離を1.5〜2.0mに維持しながら、ガス流量が5Nm3/min以上、ランス先端にラバールノズルを用いてノズル出口流速が350m/s以上の条件で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けた結果、Δ[N]が7〜12ppmであり、優れた発明の効果が認められた。特に、試験No.19からNo.21まではΔ[N]が7〜9ppmであり、特に優れた発明の効果が得られた。

0055

試験No.22からNo.23(発明法)は、出鋼中にノズル−滝壺間距離を1.0〜1.5mに維持しながら、ガス流量が5Nm3/min以上、ランス先端にラバールノズルを用いてノズル出口流速が350m/s以上の条件で非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けた結果、Δ[N]が7〜9ppmであり、特に優れた発明の効果が認められた。
試験No.23までの結果から分かるように、出鋼中にノズル−滝壺間距離を2.0m以下とした上で、ランス先端にストレートノズルを用いてガス流速を350m/s以上、ガス流量を5Nm3/min以上として、非窒素ガスを滝壺に向けて吹き付けることで、優れた吸窒抑制効果が得られることが分かる。

0056

図5は、出鋼中のノズル−滝壺距離を1.5mから2.0mに維持した試験No.5からNo.21までのノズル出口のガス流速と吹付けガス流量の関係を表す。図5において、×印は本発明の効果が認められなかった条件、△印は本発明の効果が認められた条件、○印は優れた効果が認められた条件、◎印は特に優れた効果が認められた条件である。

0057

試験No.7、8(比較法)と試験No.18、20(発明法)の比較から、ノズル出口のガス流速Vは350m/s以上が望ましいことが分かる。
また、試験No.11、12(発明法)と試験No.13からNo.16(発明法)との比較から、吹付けガス流量Qは5Nm3/min以上が望ましいことが分かる。
さらに、試験No.11、14、15、16、19、20に示すように、ガス種を変えた場合であっても吸窒抑制効果が認められるため、CO2、Ar、O2のうち一種または二種以上の混合ガスを用いても非窒素ガスとして利用できることが分かる。

実施例

0058

以上から、経済的に(すなわち、歩留を維持しつつ)低窒素鋼を溶製するには、本発明条件を満たすことが望ましいことがわかる。

0059

溶鉄の出鋼時の吸窒を防止できるため、低窒素鋼の製造方法において有益である。

0060

1溶鋼
2出鋼流
10取鍋用ガス吹付け装置
12ランス
13ラバールノズル
15ノズル位置調整手段
20 取鍋
30 転炉

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