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技術 早強性混和材およびセメント組成物

出願人 宇部興産建材株式会社
発明者 伊藤明植橋村雅之貫田誠戸田靖彦
出願日 2016年6月30日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-129526
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-002519
状態 特許登録済
技術分野 セメント、コンクリート、人造石、その養生
主要キーワード 時間強度 二次製品工場 硬化促進材 銅スラグ細骨材 石灰石骨材 電気炉酸化スラグ 調整効果 時間圧縮
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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課題

高い初期強度発現性を有し、かつ蒸気養生を必要とせず、3〜5時間程度の短時間の常温養生脱型可能な強度を付与することができる早強性混和材を提供することを目的とする。

解決手段

水硬性成分消石灰および凝結調整剤を含む早強性混和材であって、前記水硬性成分が、アルミナセメント半水石膏、および無水石膏からなり、前記アルミナセメント100質量部に対して、前記半水石膏と前記無水石膏の合計量が15〜70質量部、かつ前記半水石膏に対する前記無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)が1〜14であり、前記凝結調整剤が、オキシカルボン酸塩および炭酸塩からなり、前記凝結調整剤の含有量が、前記水硬性成分100質量部に対し、2.0〜4.0質量部である早強性混和材を提供する。

概要

背景

モルタルコンクリートなどの施工現場においては、工期短縮ニーズの増加、現場での技能労働者不足等により、従来、現場施工されていた部材がプレキャスト化され、二次製品の形態にて用いられるケースが増加している。このため、このような二次製品を製造するための二次製品工場においては、生産性の向上のため、型枠回転数を増やす等、省力化に関するニーズが高まりつつある。

このような二次製品を製造する際においては、脱型可能な強度(製品の形状にもよるが、通常、圧縮強度が8〜12N/mm2程度)が得られるまで養生する必要がある。このような養生においては、たとえば、蒸気養生による加温により、硬化を促進させる方法が知られている。

たとえば、特許文献1では、硫酸塩とシリカとを含有する硫酸塩系材料、および、カルシウムアルミネートを含有するアルミネート系材料を含有するセメントコンクリート硬化促進材が開示されている。この特許文献1の技術では、セメントコンクリート用硬化促進材を、モルタルやコンクリートに含有させ、蒸気養生による加温により、硬化を促進させている。

概要

高い初期強度発現性を有し、かつ蒸気養生を必要とせず、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を付与することができる早強性混和材を提供することを目的とする。水硬性成分消石灰および凝結調整剤を含む早強性混和材であって、前記水硬性成分が、アルミナセメント半水石膏、および無水石膏からなり、前記アルミナセメント100質量部に対して、前記半水石膏と前記無水石膏の合計量が15〜70質量部、かつ前記半水石膏に対する前記無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)が1〜14であり、前記凝結調整剤が、オキシカルボン酸塩および炭酸塩からなり、前記凝結調整剤の含有量が、前記水硬性成分100質量部に対し、2.0〜4.0質量部である早強性混和材を提供する。 なし

目的

そのため、このような課題に対し、養生時間のさらなる短縮を実現することで、生産性を向上させることが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

水硬性成分消石灰および凝結調整剤を含む早強性混和材であって、前記水硬性成分が、アルミナセメント半水石膏、および無水石膏からなり、前記アルミナセメント100質量部に対して、前記半水石膏と前記無水石膏の合計量が15〜70質量部、かつ前記半水石膏に対する前記無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)が1〜14であり、前記凝結調整剤が、オキシカルボン酸塩および炭酸塩からなり、前記凝結調整剤の含有量が、前記水硬性成分100質量部に対し、2.0〜4.0質量部である早強性混和材。

請求項2

前記アルミナセメントは、化学成分として主に、Al2O3、CaO、SiO2、Fe2O3を含有し、該化学成分の質量割合が、Al2O320.0〜70.0質量%、CaO20.0〜60.0質量%、SiO20.1〜10.0質量%、Fe2O30.1〜25.0質量%である請求項1に記載の早強性混和材。

請求項3

前記オキシカルボン酸塩と前記炭酸塩との配合割合は、オキシカルボン酸塩:炭酸塩の重量比で、70:30〜30:70の範囲である請求項1又は請求項2に記載の早強性混和材。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の早強性混和材と、ポルトランドセメントとを含有するセメント組成物であって、前記早強性混和材とポルトランドセメントとの合計100質量部中における、前記早強性混和材の含有割合が15〜30質量部であるセメント組成物。

請求項5

細骨材および減水剤をさらに含有する請求項4に記載のセメント組成物。

技術分野

0001

本発明は、モルタルコンクリートなどに添加することで、早強性を適切に付与することのできる早強性混和材、およびこのような早強性混和材を含有するセメント組成物に関する。

背景技術

0002

モルタルやコンクリートなどの施工現場においては、工期短縮ニーズの増加、現場での技能労働者不足等により、従来、現場施工されていた部材がプレキャスト化され、二次製品の形態にて用いられるケースが増加している。このため、このような二次製品を製造するための二次製品工場においては、生産性の向上のため、型枠回転数を増やす等、省力化に関するニーズが高まりつつある。

0003

このような二次製品を製造する際においては、脱型可能な強度(製品の形状にもよるが、通常、圧縮強度が8〜12N/mm2程度)が得られるまで養生する必要がある。このような養生においては、たとえば、蒸気養生による加温により、硬化を促進させる方法が知られている。

0004

たとえば、特許文献1では、硫酸塩とシリカとを含有する硫酸塩系材料、および、カルシウムアルミネートを含有するアルミネート系材料を含有するセメントコンクリート硬化促進材が開示されている。この特許文献1の技術では、セメントコンクリート用硬化促進材を、モルタルやコンクリートに含有させ、蒸気養生による加温により、硬化を促進させている。

先行技術

0005

特開2011−32107号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、このような二次製品を製造する際に蒸気養生を用いる場合においては、前置き、昇温、保持、および降温過程を含めると、12〜24時間程度と長時間を要するため、蒸気養生を用いる方法では、1日に複数回の生産を行うことが難しいという課題がある。そのため、このような課題に対し、養生時間のさらなる短縮を実現することで、生産性を向上させることが望まれている。

0007

そこで、本発明は、1日に複数回の生産が可能となるように、高い初期強度発現性を有し、かつ蒸気養生を必要とせず、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を付与することができる早強性混和材、およびこのような早強性混和材を含有するセメント組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、アルミナセメント半水石膏および無水石膏からなる水硬性成分と、消石灰と、所定量の凝結調整剤とを含む早強性混和材において、水硬性成分を構成する、アルミナセメント、無水石膏および半水石膏の含有量を所定の割合に制御することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0009

すなわち、本発明によれば、水硬性成分、消石灰および凝結調整剤を含む早強性混和材であって、前記水硬性成分が、アルミナセメント、半水石膏、および無水石膏からなり、前記アルミナセメント100質量部に対して、前記半水石膏と前記無水石膏の合計量が15〜70質量部、かつ前記半水石膏に対する前記無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)が1〜14であり、前記凝結調整剤が、オキシカルボン酸塩および炭酸塩からなり、前記凝結調整剤の含有量が、前記水硬性成分100質量部に対し、2.0〜4.0質量部である早強性混和材が提供される。

0010

本発明の早強性混和材に含まれるアルミナセメントは、化学成分として主に、Al2O3、CaO、SiO2、Fe2O3を含有し、当該化学成分の質量割合が、Al2O320.0〜70.0質量%、CaO20.0〜60.0質量%、SiO20.1〜10.0質量%、Fe2O30.1〜25.0質量%であることが好ましい。

0011

本発明の早強性混和材に含まれるオキシカルボン酸塩と前記炭酸塩との配合割合は、オキシカルボン酸塩:炭酸塩の重量比で、70:30〜30:70の範囲であることが好ましい。

0012

また、本発明によれば、上記本発明の早強性混和材と、ポルトランドセメントとを含有するセメント組成物であって、前記早強性混和材とポルトランドセメントとの合計100質量部中における、前記早強性混和材の含有割合が15〜30質量部であるセメント組成物が提供される。

0013

本発明のセメント組成物は、細骨材および減水剤をさらに含有することが好ましい。

発明の効果

0014

本発明によれば、高い初期強度発現性を有し、かつ蒸気養生を必要とせず、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を付与することができる早強性混和材、およびこのような早強性混和材を含有してなり、このような短時間の常温養生で脱型可能な強度を発現することのできるセメント組成物を提供することができる。

0015

以下、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。

0016

<早強性混和材>
本発明の早強性混和材は、水硬性成分、消石灰および凝結調整剤を含む早強性混和材であって、
前記水硬性成分が、アルミナセメント、半水石膏、および無水石膏からなり、
前記アルミナセメント100質量部に対して、前記半水石膏と前記無水石膏の合計量が15〜70質量部、かつ前記半水石膏に対する前記無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)が1〜14であり、
前記凝結調整剤が、オキシカルボン酸塩および炭酸塩からなり、
前記凝結調整剤の含有量が、前記水硬性成分100質量部に対し、2.0〜4.0質量部である。

0017

本発明の早強性混和材は、水硬性成分として、アルミナセメント、半水石膏、および無水石膏からなるものを用いる。

0018

アルミナセメントとしては、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、いずれも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品などはその種類によらず使用することができる。アルミナセメントとしては、たとえば、CaO・Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3等のカルシウムアルミネート類、4CaO・Al2O3・Fe2O3等のカルシウムアルミノフェライト類、2CaO・SiO2等のカルシウムシリケート類、3CaO・3Al2O3・CaSO4、CaO・TiO2等の種々の鉱物を含むことができる。

0019

アルミナセメントは、化学成分として主に、Al2O3、CaO、SiO2、Fe2O3を含有する。アルミナセメント中に含まれる化学成分の質量割合(質量%)は、
Al2O320.0〜70.0質量%、CaO20.0〜60.0質量%、SiO20.1〜10.0質量%、Fe2O30.1〜25.0質量%のものを用いることが好ましく、
Al2O323.0〜60.0質量%、CaO23.0〜57.0質量%、SiO20.5〜9.0質量%、Fe2O31.2〜22.0質量%のものを用いることがより好ましく、
Al2O325.0〜55.0質量%、CaO25.0〜55.0質量%、SiO21.0〜7.0質量%、Fe2O35.0〜20.0質量%のものを用いることがさらに好ましい。アルミナセメントの化学成分の質量割合は、JIS R 5202に準じて求めることができる。
また、アルミナセメントとしては、ブレーン比表面積が2000〜6000cm2/gのものを用いることが好ましく、3000〜5000cm2/gのものを用いることがより好ましく、4000〜4700cm2/gのものを用いることがさらに好ましい。アルミナセメントのブレーン比表面積は、JIS R 5201:2015「セメント物理試験方法」に準じて求めることができる。

0020

半水石膏としては、結晶構造の異なるα型、β型が挙げられ、いずれも使用することができる。これらのなかでも、入手の容易さの点より、β型半水石膏が好ましい。半水石膏としては、ブレーン比表面積が2000〜6500cm2/gのものを用いることが好ましく、2500〜6000cm2/gのものを用いることがより好ましく、3000〜5500cm2/gのものを用いることがさらに好ましい。また、半水石膏としては、密度が2.50〜2.80g/cm3のものを用いることが好ましく、2.53〜2.67g/cm3のものを用いることがより好ましい。半水石膏のブレーン比表面積及び密度は、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めることができる。

0021

無水石膏としては、排煙脱硫やフッ酸製造工程等で副産される無水石膏、又は天然産出される無水石膏のいずれも使用することができる。これらのなかでも、安定供給が可能という観点より、排煙脱硫やフッ酸製造工程等で副産されるフッ酸無水石膏が好ましい。無水石膏としては、ブレーン比表面積が2000〜6500cm2/gのものを用いることが好ましく、2500〜6000cm2/gのものを用いることがより好ましく、3000〜5500cm2/gのものを用いることがさらに好ましい。また、無水石膏としては、密度が2.85〜3.00g/cm3のものを用いることが好ましく、2.90〜2.98g/cm3のものを用いることがより好ましい。無水石膏のブレーン比表面積及び密度は、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めることができる。

0022

本発明においては、水硬性成分として、アルミナセメント、半水石膏および無水石膏からなるものを用いるものであり、しかも、これらの比率を、アルミナセメント100質量部に対して、半水石膏と無水石膏との合計の含有量を15〜70質量部とし、かつ、半水石膏に対する無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏の質量比)を1〜14とするものであり、これにより、優れた強度発現性を実現できるものである。具体的には、蒸気養生を行わなくても、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を付与することができるものである。

0023

なお、本発明において、このような優れた強度発現性を実現できる理由としては、必ずしも明らかではないが、アルミナセメントに対して、溶解度が比較的高い半水石膏と、溶解度が比較的低い無水石膏とを上記特定の割合で併用することにより、これらの相乗効果によって、高い初期強度(たとえば、常温養生における、3時間強度)、およびさらなる強度増進(たとえば、常温養生における、5時間強度)を両立することが可能となることによる、と考えられる。

0024

アルミナセメント100質量部に対する、半水石膏と無水石膏との合計の含有量は、15〜70質量部であり、好ましくは18〜62質量部、より好ましくは20〜45質量部である。半水石膏と無水石膏との合計の含有量が多すぎても、所望の強度発現性が得られなくなる。

0025

また、半水石膏に対する無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏の質量比)は、1〜14であり、好ましくは3〜9、より好ましくは4〜6である。無水石膏/半水石膏の質量比が1未満であると、すなわち、無水石膏の比率が多すぎると、初期強度(たとえば、常温養生における、3時間強度)が十分に確保できなくなり、一方、無水石膏/半水石膏の質量比が14を超えると、すなわち、半水石膏の比率が多すぎると、初期強度の低下に加え、常温養生における、5時間強度にも劣るものとなってしまう。

0026

凝結調整剤は、水硬性成分の凝結を調整する機能を有する化合物であり、本発明においては、凝結調整剤として、オキシカルボン酸塩および炭酸塩を用いる。
オキシカルボン酸とは、ヒドロキシ基カルボキシ基を併せ持つ化合物の総称であり、具体的には、グルコン酸グルコヘプトン酸、クエン酸、および酒石酸等を挙げることができ、オキシカルボン酸の塩としては、アルカリ金属塩(具体的にはナトリウム塩、およびカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(具体的にはカルシウム塩バリウム塩、およびマグネシウム塩等)を挙げることができる。また、オキシカルボン酸塩としては、凝結調整効果の点から酒石酸ナトリウムが好ましい。
炭酸塩としては、炭酸カルシウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸リチウム重炭酸カルシウム重炭酸ナトリウム重炭酸カリウム等が挙げることができ、なかでも凝結調整効果の観点より重炭酸ナトリウムが好ましい。
特に、酒石酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムとを併用することで凝結調整効果がより向上することが期待できるため、好ましい。また、アルミナセメントの硬化を促進させる効果を期待できるという点より、重炭酸ナトリウムと酒石酸ナトリウムとに加えて、炭酸塩としての炭酸リチウムをさらに併用することも好適である。

0027

凝結調整剤としてのオキシカルボン酸塩と、炭酸塩との配合割合は、凝結調整効果のさらなる向上が期待できるという観点より、オキシカルボン酸塩:炭酸塩の重量比で、70:30〜30:70の範囲が好ましく、65:35〜35:65の範囲がより好ましく60:40〜40:60の範囲がさらに好ましい。

0028

本発明の早強性混和材中における、凝結調整剤の含有量は、水硬性成分100質量部に対して、2.0〜4.0質量部であり、好ましくは2.6〜3.8質量部である。2.0質量部未満では可使時間が短くなってしまうことに加え、初期強度が不十分となり、一方、4.0質量部を超えると初期強度が不十分となってしまう。

0029

また、本発明の早強性混和材中における、消石灰の含有量は、特に限定されないが、水硬性成分100質量部に対して、好ましくは5〜20質量部であり、より好ましくは8〜15質量部である。消石灰の含有量を上記範囲とすることにより、強度発現性をより適切に高めることができるため、好ましい。

0030

なお、本発明の早強性混和材は、水硬性成分、消石灰および凝結調整剤に加えて、これら以外の他の配合剤を含有していてもよい。このような他の配合剤としては、たとえば、増粘剤消泡剤収縮低減剤樹脂粉末等が挙げられる。

0031

<セメント組成物>
本発明のセメント組成物は、上述した本発明の早強性混和材と、ポルトランドセメントとを含有する組成物である。

0032

本発明のセメント組成物において、早強性混和材とポルトランドセメントとの合計100質量部中における、早強性混和材の含有割合は好ましくは15〜30質量部であり、より好ましくは18〜26質量部である。早強性混和材の含有割合を上記範囲とすることにより、本発明の早強性混和材による効果、具体的には、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を発現することのできるという効果をより適切なものとすることができる。

0033

ポルトランドセメントとしては、たとえば、普通ポルトランドセメント早強ポルトランドセメント超早強ポルトランドセメント低熱ポルトランドセメント中庸熱ポルトランドセメントおよび耐硫酸塩ポルトランドセメントなどが挙げられる。これらのなかでも、流動保持時間と速硬性の観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントが好ましく、普通ポルトランドセメントが特に好ましい。

0034

また、本発明のセメント組成物は、早強性混和材、およびポルトランドセメントに加えて、細骨材および減水剤をさらに含有することが好ましい

0035

細骨材としては、川砂砂、海砂砕砂珪砂石灰石骨材高炉スラグ細骨材銅スラグ細骨材電気炉酸化スラグ細骨材等を併用することができる。本発明のセメント組成物中における、細骨材の含有量は、早強性混和材とポルトランドセメントとの合計100質量部に対して、好ましくは100〜300質量部、より好ましくは150〜250質量部、さらに好ましくは180〜220質量部である。

0036

減水剤としては、リグニン系ナフタレンスルホン酸系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤高性能AE減水剤等を使用することができる。低水セメント比での流動性確保の観点から、減水剤として、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることが好ましく、ポリカルボン酸系の高性能減水剤を用いることがより好ましい。本発明のセメント組成物中における、減水剤の含有量は、早強性混和材とポルトランドセメントとの合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜3.0質量部、より好ましくは0.3〜2.5質量部、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部である。

0037

本発明のセメント組成物は、上記本発明の早強性混和材を用いて得られるものであるため、蒸気養生を必要とせず、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度の実現が可能であり、より具体的には、常温養生における、3時間強度を8N/mm2以上、好ましくは10N/mm2以上、より好ましくは12N/mm2以上とすることができ、また、常温養生における、5時間強度を12N/mm2以上、好ましくは13N/mm2以上、より好ましくは14N/mm2以上とすることができる。そのため、本発明のセメント組成物は、このような特性を活かし、各種用途に好適に用いることができ、とりわけ二次製品として特に好適に用いることのできるものである。

0038

以下、実施例および比較例を挙げて本発明の内容をさらに詳しく説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。

0039

[早強性混和材の調製]
以下に示す材料を使用して、表1および表2に示す配合にしたがって、早強性混和材の調製を行った。
(1)水硬性成分
・アルミナセメント(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めたブレーン比表面積:4420cm2/g、JIS R 5202に準じて求めた化学成分の質量割合:CaO=36.8質量%、Al2O3=38.3質量%、SiO2=4.4質量%、Fe2O3=15.3質量%、ケルネオス社製)
・フッ酸無水石膏(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めたブレーン比表面積:4490cm2/g、密度:2.93g/cm3、セントラル硝子社製)
・β型半水石膏(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めたブレーン比表面積 :3040cm2/g、密度:2.62g/cm3、ケルネオス社製)
(2)消石灰
・消石灰(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めたブレーン比表面積 :15820cm2/g、宇部マテリアルズ社製)
(3)凝結調整剤
・酒石酸ナトリウム
・重炭酸ナトリウム
・炭酸リチウム

0040

0041

0042

具体的には、水硬性成分として、表1に示す各成分を、表1に示す質量比率にて配合し、これにより得られた水硬性成分(1−1)〜(1−10)をそれぞれ使用して、表2に示す割合にて、消石灰および凝結調整剤をさらに配合することで、表1および表2に示す配合により調製された早強性混和材(2−1)〜(2−10)を得た。なお、表1は、水硬性成分(1−1)〜(1−10)を構成する各成分の配合量を質量部で示しており、また、表2は、表1に示す配合により得られた各水硬性成分(1−1)〜(1−10)100質量部に対する配合量にて、消石灰および凝結調整剤の配合量を示している。

0043

[セメント組成物の調製]
次いで、上記にて得られた早強性混和材(2−1)〜(2−10)を用いて、表3に示す配合にしたがって、セメント組成物の調製を行った。以下に、セメント組成物の調製に用いた材料を示す。
(1)ポルトランドセメント
・普通ポルトランドセメント(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に準じて求めたブレーン比表面積:3200cm2/g、宇部三菱セメント社製)
(2)細骨材
・砕砂(福岡県産、硬質砂岩粗粒率:2.71、表乾密度:2.68g/cm3)
・海砂(福岡県産、粗粒率:2.97、表乾密度:2.57g/cm3)
(3)減水剤
ポリカルボン酸系減水剤(花王社製)

0044

0045

具体的には、早強性混和材として、上記により得られた早強性混和材(2−1)〜(2−10)をそれぞれ使用して、表3に示す割合にて、ポルトランドセメントに配合し、さらに、細骨材および減水剤を配合することで、表3に示す、比較例1〜5および実施例1〜6に係るセメント組成物を得た。なお、表3においては、ポルトランドセメントと、表1および表2に示す配合により調製された早強性混和材(2−1)〜(2−10)との合計100質量部に対する配合量にて、細骨材および減水剤の配合量を示している。

0046

[モルタルの調製]
温度20℃、湿度65%RHの条件にて、表3に示す、比較例1〜5および実施例1〜6に係るセメント組成物1.5kgと所定量の水を、ケミスターラーを用いて2分間混合し、比較例1〜5および実施例1〜6に係るモルタルを得た。なお、二次製品を製造するための型枠への打設作業を考慮し、少なくとも30分以上の作業性を確保するため、セメント組成物中のポルトランドセメントおよび早強性混和材の合量(B)と水量(W)の質量比は、W/B=0.35とした。

0047

[圧縮強度試験
得られた比較例1〜5および実施例1〜6に係るモルタルについて、常温(20℃)にて養生を行うことで、供試体を得て、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して、得られた供試体について、材齢3時間および材齢5時間の後の圧縮強度の測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0048

0049

表4に示すように、水硬性成分として、アルミナセメント、半水石膏、および無水石膏からなるものを用い、アルミナセメント100質量部に対する、半水石膏と無水石膏の合計量を15〜70質量部、かつ半水石膏に対する無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)を1〜14とした早強性混和材を用いた実施例1〜6においては、いずれも、3時間圧縮強度が8N/mm2以上、かつ5時間圧縮強度が12N/mm2以上と、常温で養生した場合でも、早期に優れた圧縮強度を実現できるものであった。すなわち、これらの結果より、本発明の早強性混和材を用いたセメント組成物によれば、優れた強度発現性を有し、これにより、蒸気養生を行わずとも、3〜5時間程度の短時間の常温養生で脱型可能な強度を実現できるものであることが確認できる。
特に、早強性混和材の配合量を同量とした実施例1〜3、実施例5を比較することにより、半水石膏に対する無水石膏の質量比(無水石膏/半水石膏)を好ましくは3〜9の範囲、特に好ましくは4〜6の範囲とすることにより、より高い圧縮強度を得ることができ、特に好ましいと判断できる。

実施例

0050

一方、水硬性成分としての半水石膏および無水石膏のいずれか一方の配合量が、本発明所定の範囲外にある早強性混和材を用いた比較例1〜5においては、いずれも、3時間圧縮強度が8N/mm2未満、あるいは、5時間圧縮強度が12N/mm2未満となり、強度発現性に劣るものであった。

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