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技術 長尺樹脂フィルムの巻取方法及び巻取装置

出願人 住友金属鉱山株式会社
発明者 高取直広
出願日 2016年7月1日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2016-131252
公開日 2018年1月11日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2018-002386
状態 特許登録済
技術分野 ウェブの巻取り ウエブの整合,緊張,案内,ローラ
主要キーワード ニアロール タッチローラー 長尺樹脂フィルム クラウン状 ガスバリヤーフィルム 回転中心軸方向 ターゲット表 マグネトロンスパッタリングカソード
関連する未来課題
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図面 (3)

課題

長尺樹脂フィルム巻き取り部におけるシワの発生を簡易に抑えることが可能な巻取装置を提供する。

解決手段

減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら金属膜成膜等の熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルムFの巻取装置であって、長尺樹脂フィルムFを巻き取る巻取ロール17とそのすぐ上流ニアロール18とからなり、該ニアロール18はその回転中心軸方向の中央部で外径が最も大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状外周面を備えており、このニアロール18は、好適にはその回転中心を通る平面で切断した切断面において、クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸とのなす角が0.01度以上0.5度以下である。

概要

背景

有機樹脂フィルムフレキシブル性を有し且つ加工が容易であるため、その表面に金属膜酸化物膜を形成したものが、電子部品光学部品積層基板包装材料などとして産業界で広く用いられている。例えば電子部品の積層基板は、減圧雰囲気チャンバー内で長尺の有機樹脂フィルムをロール・ツー・ロールで搬送しながらその表面に金属膜を成膜することで作製され、得られた積層基板はパターニング加工することで所定の配線回路パターンを有するフレキシブルプリント基板となり、例えば液晶ディスプレイ接続基板として多用されている。

近年、液晶ディスプレイの画素微細化が進んでおり、これに合わせて配線回路パターンには狭ピッチ化が求められているが、この場合においても電気的な問題が生じないように、上記のフレキシブルプリント基板の作製では高精度のパターニング加工が必須になっている。しかしながら、上記したロール・ツー・ロール方式真空成膜装置では、金属膜が積層された有機樹脂フィルムを巻き取る際に、有機樹脂フィルムの物性又は成膜プロセス上の理由や、成膜装置の構造上の理由等により有機樹脂フィルムにシワが入ってしまい、良好なパターニング加工を行えないことがあった。その対策として、許文献1では張力を強めにしたり、タッチローラーニアローラーを用いたりしてシワを伸ばすことが提案されている。

概要

長尺樹脂フィルム巻き取り部におけるシワの発生を簡易に抑えることが可能な巻取装置を提供する。減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら金属膜の成膜等の熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルムFの巻取装置であって、長尺樹脂フィルムFを巻き取る巻取ロール17とそのすぐ上流ニアロール18とからなり、該ニアロール18はその回転中心軸方向の中央部で外径が最も大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状外周面を備えており、このニアロール18は、好適にはその回転中心を通る平面で切断した切断面において、クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸とのなす角が0.01度以上0.5度以下である。

目的

本発明は上記した従来のロール・ツー・ロール方式の成膜装置が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、長尺樹脂フィルムの巻き取り部におけるシワの発生を簡易に抑えることが可能な巻取装置及び巻取方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルム巻取装置であって、前記長尺樹脂フィルムを巻き取る巻取ロールとそのすぐ上流ニアロールとからなり、該ニアロールはその回転中心軸方向の中央部で外径が最も大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状外周面を備えていることを特徴とする巻取装置。

請求項2

前記ニアロールは、その回転中心軸を通る平面で切断した切断面において、前記クラウン形状の外周面の傾斜部と該回転中心軸とのなす角が0.01度以上0.5度以下であることを特徴とする、請求項1に記載の成膜装置

請求項3

前記巻取ロールは自身に巻き取られた長尺樹脂フィルムの最外層部の位置を検出する変位センサを有しており、この検出した位置のデータに基づいて前記最外層部と前記ニアロールとの離間距離が制御されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成膜装置。

請求項4

前記離間距離を0.5〜10mmの範囲内に制御することを特徴とする、請求項3に記載の成膜装置。

請求項5

減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルムの巻取方法であって、回転中心軸方向の中央部で最も外径が大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状の外周面を有するニアロールを経た直後に巻取ロールで巻き取りを行うことを特徴とする長尺樹脂フィルムの巻取方法。

請求項6

前記巻取ロールで巻き取った長尺樹脂フィルムの最外層部の位置を検出し、この検出した位置のデータに基づいて前記最外層部と前記ニアロールとの離間距離を制御することを特徴とする、請求項5に記載の成膜装置。

技術分野

0001

本発明は、減圧雰囲気下において長尺樹脂フィルムロール・ツー・ロールで搬送しながら熱負荷のかかる処理を施す処理装置において、該処理後の長尺樹脂フィルムを巻き取る巻取方法及び巻取装置に関する。

背景技術

0002

有機樹脂フィルムフレキシブル性を有し且つ加工が容易であるため、その表面に金属膜酸化物膜を形成したものが、電子部品光学部品積層基板包装材料などとして産業界で広く用いられている。例えば電子部品の積層基板は、減圧雰囲気チャンバー内で長尺の有機樹脂フィルムをロール・ツー・ロールで搬送しながらその表面に金属膜を成膜することで作製され、得られた積層基板はパターニング加工することで所定の配線回路パターンを有するフレキシブルプリント基板となり、例えば液晶ディスプレイ接続基板として多用されている。

0003

近年、液晶ディスプレイの画素微細化が進んでおり、これに合わせて配線回路パターンには狭ピッチ化が求められているが、この場合においても電気的な問題が生じないように、上記のフレキシブルプリント基板の作製では高精度のパターニング加工が必須になっている。しかしながら、上記したロール・ツー・ロール方式真空成膜装置では、金属膜が積層された有機樹脂フィルムを巻き取る際に、有機樹脂フィルムの物性又は成膜プロセス上の理由や、成膜装置の構造上の理由等により有機樹脂フィルムにシワが入ってしまい、良好なパターニング加工を行えないことがあった。その対策として、許文献1では張力を強めにしたり、タッチローラーニアローラーを用いたりしてシワを伸ばすことが提案されている。

先行技術

0004

特開2015−140237号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記したような減圧雰囲気下での長尺樹脂フィルムへの金属膜の成膜では、樹脂フィルムに熱負荷がかかりやすいため、送出ロールから巻取ロールまでロール・ツー・ロールで搬送される長尺の樹脂フィルムを冷却機構を備えたキャンロール外周面巻き付け、これにより樹脂フィルムを裏側から冷却しながら表側に成膜を行ういわゆるスパッタリングウェブコーターを用いることがある。しかしながら、この場合においても、長尺樹脂フィルムが成膜中に受ける大きな熱負荷によって、巻取ロールで巻き取られた長尺樹脂フィルムの特に幅方向中央部にシワが発生することがあった。

0006

ロール・ツー・ロールによる長尺樹脂フィルムの処理では、一度樹脂フィルムにシワが入ってしまうと、当該シワの入った樹脂フィルムが巻取ロールに巻き取られた時に、重なり合う隣り同士の樹脂フィルムに次々にシワが転写され、その後の製品が全て不良となるおそれがあった。そのため、手間のかかるシワの監視が必要であった。更に、前述したようにシワの発生を抑制するため巻取ローラのすぐ上流側にタッチローラーやニアローラーを設けることが行われている。

0007

しかしながら、これらローラでは一度入ってしまったシワはとれにくく、シワ発生の問題を解消するには減圧雰囲気のチャンバー内を一度大気圧にまで戻して調整作業を行い、再度減圧雰囲気にしなければならないため、大幅な稼働時間のロスを生じていた。また、シワの発生を抑えるため、長尺樹脂フィルムの搬送方向の張力を高めることが考えられるが、樹脂フィルムは強く張ると伸びてしまうので最終製品に悪影響を及ぼす恐れがある上、長尺樹脂フィルムを強く張るために成膜装置の設計強度の変更等が必要になることがあった。

0008

本発明は上記した従来のロール・ツー・ロール方式の成膜装置が抱える問題点に鑑みてなされたものであり、長尺樹脂フィルムの巻き取り部におけるシワの発生を簡易に抑えることが可能な巻取装置及び巻取方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明者は、真空成膜装置における長尺樹脂フィルムの巻き取り部でシワを生ずることなく該長尺樹脂フィルムを巻き取る方法について鋭意検討を重ねた結果、巻取ロールのすぐ上流側に外周面がクラウン形状ニアロールを設けることによって、長尺樹脂フィルムのシワの発生を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0010

即ち、本発明が提供する巻取装置は、減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルムの巻取装置であって、前記長尺樹脂フィルムを巻き取る巻取ロールとそのすぐ上流のニアロールとからなり、該ニアロールはその回転中心軸方向の中央部で外径が最も大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状の外周面を備えていることを特徴としている。

0011

また、本発明が提供する巻取方法は、減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送しながら熱負荷のかかる処理を施す処理装置における長尺樹脂フィルムの巻取方法であって、回転中心軸方向の中央部で最も外径が大きく且つ該中央部から両端に向かうに従って外径が次第に小さくなるクラウン形状の外周面を有するニアロールを経た直後に巻取ロールで巻き取りを行うことを特徴としている。

発明の効果

0012

本発明によれば、簡易な装置でシワの発生を抑制できるため、生産効率を高めることが可能になる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の一具体例の巻取装置を有するロール・ツー・ロール成膜装置の模式的な正面図である。
本発明の巻取装置を構成するニアロールの具体例の斜視図である。

0014

以下、本発明の一具体例の巻取装置を備えた成膜装置について図1を参照しながら説明する。この図1に示す成膜装置10は、減圧雰囲気下においてロール・ツー・ロールで搬送される長尺の樹脂フィルムFの片面に乾式めっき法により連続的に金属膜を成膜することが可能なロール・ツー・ロール成膜装置である。具体的に説明すると、この成膜装置10は、後述する各種ロール群からなる搬送手段と成膜手段とで主に構成されており、これらは略直方体形状の真空容器11の内部に収納されている。この真空容器11は、図示しない真空ポンプ圧力計などの真空機器によって内部を10−5〜1Pa程度の減圧状態に維持できるようになっている。真空容器11は、この減圧状態を維持できるのであればその形状は特に限定されず、円筒状等であっても良い。

0015

この真空容器11の内部に、ロール状に巻回された長尺の樹脂フィルムFを送り出す送出ロール12と、熱負荷のかかる樹脂フィルムFの表面処理時に該長尺樹脂フィルムFを外周面に巻き付けて冷却する駆動ロール14と、駆動ロール14の下流側に位置するフリーロール16と、表面処理後の樹脂フィルムFを巻き取る巻取ロール17とが設けられている。また、送出ロール12から駆動ロール14までの搬送経路と、駆動ロール14から巻取ロール17までの搬送経路に、それぞれの経路走行する樹脂フィルムFの張力を検出するための張力センサ具備したテンションピックアップローラとも称される張力センサロール13、15が設けられている。これら張力センサロール13、15により、送出ロール12から駆動ロール14までの区間の張力、及び駆動ロール14から巻取ロール17までの区間の張力がそれぞれ制御されている。

0016

駆動ロール14の内部には上記した樹脂フィルムFの冷却のため、真空容器11の外部から供給される冷媒循環している。これにより、成膜処理時に発生する樹脂フィルムFの熱を冷媒によって除熱することができる。この駆動ロール14の外周面に対向する位置に、樹脂フィルムFの片面に乾式めっき法を用いたメタライジング法により金属膜を成膜する成膜手段S1〜S4がこの順に搬送経路に沿って設けられている。

0017

各成膜手段には、成膜材料プレート状に成形されたターゲットが設置されており、このターゲットを放電用電極としてプラズマ発生手段を用いて基材としての長尺樹脂フィルムFとターゲットの間にプラズマを発生させ、電位勾配を用いてターゲット表面にイオン照射衝突させることによって、ターゲット物質叩き出して基材上にターゲット物質の薄膜を形成することができる。

0018

上記成膜装置10は、更にフリーロール16から巻取ロール17までの搬送経路において、巻取ロール17に接触しない程度に近づけた位置に、ニアロール18が設けられている。このニアロール18の外周面は、その回転中心軸方向の中央部で直径が最も大きく、該中央部から両端に向かうに従って直径が次第に小さくなるクラウン形状になっている。これにより、巻き取り時に発生しやすい長尺樹脂フィルムFのシワの発生を抑えることができる。

0019

このクラウン形状のニアロール18によるシワ発生の抑制効果について以下具体的に説明する。巻取ロール17のすぐ上流側にニアロール18を設けることにより、シワをある程度除く効果が得られるが、ニアロール18の材質やその中心軸の傾き等によってはシワを取り除くことが難しい場合がある。そこで、この成膜装置10では、上記したようにニアロール18の外周面をクラウン形状にすることにより、ニアロール18に巻き付けられた樹脂フィルムFは、ニアロール18の回転中心軸方向の略中央部から両端に行くほど搬送方向の張力が弱くなる。その結果、張力を横に逃がすことができるので、効果的にシワを取り除くことができる。

0020

ニアロール18のクラウン形状は、例えば図2(a)に示すように、回転中心軸O方向の中央部から両端部に向かって一定のテーパー角度で細くなる形状でもよいし、図2(b)に示すように、回転中心軸O方向の中央部は長尺樹脂フィルムFの幅よりも回転中心軸O方向の長さが短い円筒形状からなり、その両側に一定のテーパー角度で外側に向かって細くなる形状でもよいし、図2(c)に示すように、回転中心軸O方向の中央部から両端部に向かってテーパー角度が徐々に大きくなるような和太鼓状の形状でもよい。

0021

上記のいずれのニアロール18のクラウン形状においても、回転中心軸O方向の中央部の直径と両端部の直径との差は極端に大きくないのが望ましいが、具体的なサイズはニアロール18の中央部の直径の大きさや回転中心軸O方向の端から端までの長さ等により適宜定められる。但し、ニアロール18をその回転中心軸Oを通る平面で切断したとき、クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸Oとのなす角が0.01度以上0.5度以下であるのが好ましく、0.02度以上0.3度以下がより好ましく、0.03度以上0.1度以下が最も好ましい。この角度が0.5度を超えると、搬送方向の張力を高くした成膜条件の場合に、樹脂フィルムFのうちニアロール18の回転中心軸O方向の中央部やその付近に接する部分にシワや傷が生じやすくなるおそれがある。逆に、0.01度未満では、回転中心軸O方向の両端部と中央部の太さがほぼ同一となるので、ニアロール18の外周面をクラウン状にすることによる効果が殆ど得られなくなる。

0022

ニアロール18の外周面と巻取ロール17に巻き取られた長尺樹脂フィルムFの最外層部とが離間する距離は、0.5〜10mmの範囲内に制御することが好ましい。0.5mm未満では、ニアロール18の径の大きい部分が巻取ロール17に巻き取られた樹脂フィルムFに接触してしまう恐れがあり、この接触部の応力集中による巻き崩れが発生する恐れがある。逆に10mmを超えると、ニアロール18と巻取ロール17との間の搬送経路においてシワが発生する場合がある。

0023

上記のニアロール18の位置は固定しても良いが、巻取ロール17での巻き取り状態をより良くするには、巻取ロール17に巻き取られた成膜後の長尺樹脂フィルムFの最外層部の位置を変位センサ等の検出手段を用いて検出すると共に、例えばニアロール18を回転自在に支持する支持部に電動シリンダ等の往復動手段の可動部を取り付け、検出手段で検出した位置のデータに基づいて該往復動手段を制御するのが好ましい。これにより、巻取ロール17の位置と上記の巻取ロール17に巻き取られた長尺樹脂フィルムFの最外層部の位置との離間距離を一定の距離に維持することができる。その際、張力センサロール15にて長尺樹脂フィルムFの張力を測定し、一定の巻き取り張力で巻き取るのがより望ましい。

0024

上記構造の成膜装置10により、送出ロール12から連続的に送り出された長尺の樹脂フィルムFは、張力センサロール13によりテンションコントロールされて駆動ロール14に導かれ、その外周面上を周方向に沿って接触しながら搬送される。この駆動ロール14の外周面に接触している間に、有機樹脂フィルムFの表面に成膜手段S1〜S4によって金属膜が成膜される。このとき、樹脂フィルムFは駆動ロール14によって裏側から冷却されるので、スパッタリング等の成膜工程による温度ダメージを抑えることができる。

0025

金属膜が成膜された樹脂フィルムFは、駆動ロール14の外周面から離れた後、張力センサロール15、フリーロール16、及びニアロール18を経て、金属化フィルムとして巻取ロール17で巻き取られる。このようにして作製される金属化フィルムは、必要に応じて湿式電気めっき装置などによって金属膜の膜厚化が行われた後、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法でパターニング加工することにより所望の配線回路パターンが形成される。

0026

上記のパターニング加工法は、いずれも金属膜の表面にフォトレジスト印刷露光現像を行うか、あるいはドライフィルムレジストラミネート・露光・現像を行って配線回路パターンを形成するが、サブトラクティブ法は、レジストで覆われていない金属膜をエッチングにより除去して配線回路パターンを形成する方法であり、一方、セミアディティブ法は、レジストに覆われていない箇所の金属膜の表面に更に金属膜を付着させて配線としての膜厚を確保した後に、不要な金属膜を除去して配線回路パターンを形成する方法である。

0027

尚、上記した巻取装置が好適に搭載される成膜処理は、メタライジング法による物理的成膜に限定されるものではなく、真空蒸着法化学的気相成長法CVD)等の成膜法でもよい。上記の真空蒸着法は、抵抗加熱電子銃照射により蒸発源の成膜材料を加熱蒸発させ、基材上に薄膜を形成する方法である。この蒸着の際に、薄膜の密着性や緻密化を目的として、蒸発源と基材との間にプラズマを形成するプラズマアシスト蒸着法を採用してもよい。一方、化学的気相成長法(CVD)は、基材近傍無機若しくは有機又はこれらの混合物原料ガスとして気化導入し、加熱やプラズマを用いて化学反応させることによって、基材上に薄膜を形成する方法である。プラズマを用いる場合はスパッタリングと同様の装置構成を用いることも可能である。

0028

上記の成膜方法のいずれにおいても、成膜の際にプラズマを用いることによって薄膜の密着性や緻密化に効果があることが確認されている。すなわち、薄膜形成の際にプラズマを用いることによって、ガスバリヤーフィルムでは気体遮断性が向上し、反射防止フィルムでは光学特性が改善し、また薄膜積層基板では下地金属層と有機樹脂フィルムとの密着性が向上する。尚、上記の成膜装置10では、放電用電極を成膜手段S1〜S4に設置して、これに直流又は交流電圧印加したり、導波管を用いてマイクロ波を任意の場所に照射したりすることによってプラズマを形成できる。

0029

上記成膜手段S1〜S4により成膜する金属膜の材質や膜厚は、その用途に応じて適宜定めることができる。例えば、下地金属層と、この下地金属層の上に設ける銅薄膜層と、更に銅薄膜層の表面に電解銅めっきを行うことによって2層積層基板を作製する場合は、下地金属層に、ニッケル又はニッケル合金クロム又はクロム合金など2層積層基板として公知の金属を用いることができる。

0030

下地金属層の膜厚は7〜50nmが好ましく、銅薄膜層の膜厚は50〜500nmが好ましい。更に電解銅めっきを施すことで銅膜厚6μm以上の2層積層基板となる。尚、乾式めっき法により膜厚6μmの銅薄膜層を成膜することができるのであれば、電解銅めっきは不要となる。下地金属層と銅薄膜層の膜厚は、長尺樹脂フィルムの搬送速度やスパッタリングカソードへの投入電力を適宜調整して定めることができる。尚、本発明においては、乾式めっき法を用いた成膜手段で成膜される下地金属層や銅薄膜層等の金属層をまとめて金属膜と称している。

0031

上記した成膜処理の対象となる樹脂フィルムFの材質は特に限定されるものでなく、公知の有機樹脂フィルムを使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン高密度ポリエチレンポリプロピレンポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレンプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン環状オレフィン共重合体など、そしてエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体ポリスチレンアクリロニトリルスチレン共重合体、ABSα−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11ナイロン12等のポリアミドポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステルポリカーボネート、ポリフエニレオキサイド等や、ポリ乳酸など生分解性樹脂、あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂であっても良い。また、ポリイミドエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなるものであっても良い。長尺樹脂フィルムFの寸法は、特に限定されるものでなく、その用途に応じて適宜定めることができるが、厚さ100μm以下、フィルム長が100m以上であれば好ましい。

0032

[実施例1]
図1に示すようなロール・ツー・ロール方式の成膜装置10を用い、イオン源を備えた成膜手段S1〜S4を用いて積層基板を作製した。その際、ニアロール18には回転中心軸O方向の中央部の直径51mm、両端部の直径50mm、端から端までの長さ800mmの図2(a)に示すクラウン形状の外周面を備えたSUS304にハードクロムメッキを施したロールを採用した。この場合、回転中心軸Oを通る平面で切断した切断面において、該クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸Oとのなす角は0.07度となる。長尺の樹脂フィルムFには、厚み25μm、50cm、長さ1000mのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトン登録商標))を用いた。

0033

また、張力センサロール13での張力が100N,張力センサロール15での張力が150Nになるように巻取ロール17のトルクをコントロールし、長尺樹脂フィルムFの搬送速度は4m/分とした。巻取ロール17には、巻き取られる長尺樹脂フィルムFの最外層部の位置を検出する変位センサを取り付け、これにより検出した位置データに基づいて、ニアロール18の回転軸を回転自在に支持する電動シリンダを制御した。これにより、ニアロール18の外周面の位置と巻取ロール17に巻き取られる長尺樹脂フィルムFの最外層部の位置との距離を、巻き始めから巻き終わりまで5mmに維持した。

0034

成膜手段S1のスパッタリングカソードには、クロム20質量%のニッケルクロム合金ターゲットを備え、成膜手段S2〜S4のスパッタリングカソードには、銅ターゲットを備えた。これらスパッタリングカソードは、いずれもマグネトロンスパッタリングカソードとした。

0035

成膜装置10の真空容器11の内部を到達圧力の10−4Paまで減圧した後、アルゴンを導入して10−2Paとなるようにした。スパッタリングカソードに電力投入して送出ロール12から連続的に送り出した長尺樹脂フィルムFの表面にスパッタリングにより金属膜を成膜した後、この成膜後の長尺樹脂フィルムFを巻取ロール17にロール状に巻き取った。金属膜の成膜が終了した後、真空容器11を大気圧に戻してロール状に巻かれた長尺樹脂フィルムFを巻取ロール17から取り外し、目視にて確認した。その結果、シワは確認されなかった。

0036

[実施例2]
回転中心軸方向の中央部の直径54mm、両端部の直径50mmのクラウン状の外周面を有するニアロール18を用いた以外は実施例1と同様にして長尺樹脂フィルムFの表面に金属膜を成膜した。尚、この場合は該クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸Oとのなす角は0.29度となる。成膜の終了後に巻取ロール17に巻き取られた長尺樹脂フィルムFを目視にて確認したところ、シワは確認されなかった。

0037

[実施例3]
回転中心軸方向の中央部の直径56mm、両端部の直径50mmのクラウン状の外周面を有するニアロール18を用いた以外は実施例1と同様にして長尺樹脂フィルムFの表面に金属膜を成膜した。尚、この場合は該クラウン形状の外周面の傾斜部と回転中心軸Oとのなす角は0.43度となる。成膜の終了後に巻取ロール17に巻き取られた長尺樹脂フィルムFを目視にて確認したところ、殆ど問題なかったが、一部に搬送方向に延在する小さなシワが確認された。

実施例

0038

[比較例]
ニアロール18にクラウン状ではない一般的な円筒状のロール用いた以外は実施例1と同様にして長尺樹脂フィルムFの表面に金属膜を成膜した。成膜の終了後に巻取ロール17に巻き取られた長尺樹脂フィルムFを目視にて確認したところ、搬送方向に延在するシワが多数確認された。

0039

10成膜装置
11真空容器
12送出ロール
13、15張力センサロール
14駆動ロール
16フリーロール
17巻取ロール
18ニアロール
F長尺樹脂フィルム
O 回転中心軸

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