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技術 制動力制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 小塚智之
出願日 2016年7月8日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-136265
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-002116
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキシステム(制動力調整) 駆動装置の関連制御、車両の運動制御
主要キーワード 現実値 HMI装置 実行下 制動処理 制御制動力 合算値 実制動力 定速制御
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (10)

課題

この発明は、制動力制御装置に関し、制動力を伴う車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、ドライバにとって違和感のない減速を実現することを目的とする。

解決手段

ドライバによるブレーキ操作量に応じた制動力を発生するブレーキ装置を備える。駆動力と制動力を制御して車両の速度を目標速度に制御する車速制御を行う。車速制御の実行中(時刻t0以降)にブレーキ操作(40)が行われた場合に、当該車速制御が要求する制御制動力(時刻t1におけるACC制動力38)に対応する追加制動力と前記ブレーキ操作が要求する操作制動力40との合算値に相当する実制動力36を前記ブレーキ装置に発生させる。

概要

背景

特許文献1には、車間距離制御定速制御とを含むACC(Adaptive Cruise Control)制御の機能を備えた車両が開示されている。車間距離制御は、目標車間距離を保って自車両を先行車両追従させるための制御である。一方、定速制御は、追従すべき先行車両が存在しない場合に、目標車速を保って自車両を走行させるための制御である。

ACC制御は、通常、ドライバによってブレーキ操作がなされることにより解除される。ACC制御をこのように解除することとすれば、ドライバが制動力を必要とした際に、車速制御の主権を即座にドライバに戻すことができる。一方で、ドライバが僅かにブレーキ操作を行ったことでACC制御が解除されると、解除以前に生じていた制動力が消滅することで、ドライバが制動力の抜けを感ずることがある。

特許文献1に記載の装置は、この課題に対処するため、ACC制御の実行中に僅かなブレーキ操作がなされた場合にはACC制御を解除しない。その上で、この装置は、ACC制御によって要求される制動力と、ブレーキ操作によって要求される制動力のうち、大きい方を自車両において発生させることとしている。

概要

この発明は、制動力制御装置に関し、制動力を伴う車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、ドライバにとって違和感のない減速を実現することを目的とする。ドライバによるブレーキ操作量に応じた制動力を発生するブレーキ装置を備える。駆動力と制動力を制御して車両の速度を目標速度に制御する車速制御を行う。車速制御の実行中(時刻t0以降)にブレーキ操作(40)が行われた場合に、当該車速制御が要求する制御制動力(時刻t1におけるACC制動力38)に対応する追加制動力と前記ブレーキ操作が要求する操作制動力40との合算値に相当する実制動力36を前記ブレーキ装置に発生させる。

目的

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、制動力を伴う車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、ドライバにとって違和感のない減速を実現し得る制動力制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ドライバによるブレーキ操作量に応じた制動力を発生するブレーキ装置を備える車両の制動力制御装置であって、駆動力と制動力を制御して車両の速度を目標速度に制御する車速制御と、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、当該車速制御が要求する制御制動力に対応する追加制動力と前記ブレーキ操作が要求する操作制動力との合算値に相当する実制動力を前記ブレーキ装置に発生させる合算制動処理と、を実行する制御ユニットを備えることを特徴とする制動力制御装置。

請求項2

前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際に、当該車速制御の実行指令解除し、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際に、その時点の制御制動力を制動力記憶値として記憶し、当該制動力記憶値に基づいて前記追加制動力を演算することを特徴とする請求項1に記載の制動力制御装置。

請求項3

前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際に、その時点のブレーキ操作量を操作量記憶値として記憶し、ブレーキ操作量の現実値と前記操作量記憶値との比、及び前記制動力記憶値に基づいて前記追加制動力を演算することを特徴とする請求項2に記載の制動力制御装置。

請求項4

前記制御ユニットは、前記追加制動力の上限値を前記制動力記憶値にガードすることを特徴とする請求項3に記載の制動力制御装置。

請求項5

前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中に開始されたブレーキ操作が解除された際に、前記追加制動力を消滅させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の制動力制御装置。

請求項6

前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された後、車両が停止した際に、前記追加制動力を消滅させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の制動力制御装置。

請求項7

前記ブレーキ装置は、前記制御ユニットから受ける指令値に応じた制動力を発生し、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中は、前記制御制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された際には前記実制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、前記車速制御の非実行中にブレーキ操作が開始された際には前記操作制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の制動力制御装置。

請求項8

ドライバのブレーキ操作量に応じた油圧を前記ブレーキ装置に提供する油圧回路を備え、前記ブレーキ装置は、前記油圧に応じた制動力と、前記制御ユニットから受ける指令値に応じた制動力とを発生し、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中は、前記制御制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された際には前記追加制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の制動力制御装置。

技術分野

0001

この発明は、制動力制御装置係り、特に、車両への搭載に適した制動力制御装置に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、車間距離制御定速制御とを含むACC(Adaptive Cruise Control)制御の機能を備えた車両が開示されている。車間距離制御は、目標車間距離を保って自車両を先行車両追従させるための制御である。一方、定速制御は、追従すべき先行車両が存在しない場合に、目標車速を保って自車両を走行させるための制御である。

0003

ACC制御は、通常、ドライバによってブレーキ操作がなされることにより解除される。ACC制御をこのように解除することとすれば、ドライバが制動力を必要とした際に、車速制御の主権を即座にドライバに戻すことができる。一方で、ドライバが僅かにブレーキ操作を行ったことでACC制御が解除されると、解除以前に生じていた制動力が消滅することで、ドライバが制動力の抜けを感ずることがある。

0004

特許文献1に記載の装置は、この課題に対処するため、ACC制御の実行中に僅かなブレーキ操作がなされた場合にはACC制御を解除しない。その上で、この装置は、ACC制御によって要求される制動力と、ブレーキ操作によって要求される制動力のうち、大きい方を自車両において発生させることとしている。

先行技術

0005

特開2011−183983号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1に記載の装置によれば、僅かなブレーキ操作が行われることにより、制動力に大きな抜けが生ずるのを防ぐことができる。このため、この装置によれば、ACC制御下でのブレーキ操作時にドライバが受ける違和感を緩和することができる。

0007

ところで、ACC制御下にある車両のドライバは、ACC制御による制動力に加えて更なる制動力を必要と感じた場面でブレーキ操作を行う。しかしながら、特許文献1の装置では、ブレーキ操作によって要求される制動力がACC制御による制動力を超えなければ、ブレーキ操作の開始後も制動力は維持されるだけである。また、ブレーキ操作による制動力がACC制御による制動力を超えた場合でも、制動力の増加分は僅かである。何れの場合にせよ、ドライバによって行われたブレーキ操作に対する制動力の変化に対してドライバが違和感を覚えるおそれがある。このように、特許文献1に記載の装置は、制動力を伴う車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、ドライバが受ける違和感を解消し得るものではない。

0008

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、制動力を伴う車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、ドライバにとって違和感のない減速を実現し得る制動力制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

第1の発明は、上記の目的を達成するため、ドライバによるブレーキ操作量に応じた制動力を発生するブレーキ装置を備える車両の制動力制御装置であって、
駆動力と制動力を制御して車両の速度を目標速度に制御する車速制御と、
前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、当該車速制御が要求する制御制動力に対応する追加制動力と前記ブレーキ操作が要求する操作制動力との合算値に相当する実制動力を前記ブレーキ装置に発生させる合算制動処理と、
を実行する制御ユニットを備えることを特徴とする。

0010

また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際に、当該車速制御の実行指令を解除し、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際にその時点の制御制動力を制動力記憶値として記憶し、当該制動力記憶値に基づいて前記追加制動力を演算することを特徴とする。

0011

また、第3の発明は、第2の発明において、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が行われた際にその時点のブレーキ操作量を操作量記憶値として記憶し、ブレーキ操作量の現実値と前記操作量記憶値との比、及び前記制動力記憶値に基づいて前記追加制動力を演算することを特徴とする。

0012

また、第4の発明は、第3の発明において、前記制御ユニットは、前記追加制動力の上限値を前記制動力記憶値にガードすることを特徴とする。

0013

また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中に開始されたブレーキ操作が解除された際に、前記追加制動力を消滅させることを特徴とする。

0014

また、第6の発明は、第1乃至第5の発明の何れかにおいて、前記制御ユニットは、前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された後、車両が停止した際に、前記追加制動力を消滅させることを特徴とする。

0015

また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記ブレーキ装置は、前記制御ユニットから受ける指令値に応じた制動力を発生し、
前記制御ユニットは、
前記車速制御の実行中は、前記制御制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、
前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された際には前記実制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、
前記車速制御の非実行中にブレーキ操作が開始された際には前記操作制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供することを特徴とする。

0016

また、第8の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
ドライバのブレーキ操作量に応じた油圧を前記ブレーキ装置に提供する油圧回路を備え、
前記ブレーキ装置は、前記油圧に応じた制動力と、前記制御ユニットから受ける指令値に応じた制動力とを発生し、
前記制御ユニットは、
前記車速制御の実行中は、前記制御制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供し、
前記車速制御の実行中にブレーキ操作が開始された際には前記追加制動力に応じた指令を前記ブレーキ装置に提供することを特徴とする。

発明の効果

0017

第1の発明によれば、車速制御が行われることにより、車両の速度を目標速度に制御することができる。車速制御の実行中にドライバが制動力の必要性を感じると、ブレーキ操作が行われる。本発明によれば、この際、制御制動力に対応する追加制動力とブレーキ操作に対応する操作制動力とを合算した実制動力が発生する。この場合、車速制御の下で実現されていた制動力に、ドライバが必要と感じた制動力が加算されることになり、ドライバにとって違和感のない減速が実現される。

0018

第2の発明によれば、ブレーキ操作の開始と同時に、制動力の制御に関する主権をドライバに戻すことができる。また、この発明によれば、ブレーキ操作が開始された時点で生じていた制御制動力に基づいて追加制動力が演算される。このため、本発明によれば、車両制御の実行中にブレーキ操作が行われた場合に、制御制動力から実制動力への切り替えを円滑に進めることができる。

0019

第3の発明によれば、車両制御の実行下で開始されたブレーキ操作量を操作量記憶値として記憶することができる。そして、ブレーキ操作量の現実値と操作量記憶値との比を用いることで、追加制動力にもドライバの意思を反映させることができる。このため、本発明によれば、車速制御に割り込んでブレーキ操作が開始された場合にも、ドライバに違和感のない操作感覚を与えることができる。

0020

第4の発明によれば、追加制動力を制動力記憶値にガードすることで、実制動力がドライバのブレーキ操作に対して過敏に反応してしまうのを防ぐことができる。

0021

第5の発明によれば、ブレーキ操作の解除時に追加制動力を消滅させることができる。ブレーキ操作は、ドライバが制動力を必要としないと判断した際に解除される。このタイミングで追加制動力を解除すれば、違和感のない制動間隔をドライバに与えることができる。

0022

第6の発明によれば、車両が停止した際に追加制動力を消滅させることができる。車両が停止状態に至れば、以後、ドライバによるブレーキ操作を補助する制動力を発生する必要がない。本発明によれば、車両の停止後にそのような無駄な補助が継続されるのを防ぐことができる。

0023

第7の発明によれば、ブレーキバイワイヤハードウェア構成において、第1乃至第6の発明を実現することができる。

0024

第8の発明によれば、ドライバによるブレーキ操作が油圧によって直接ブレーキ装置に伝えられる非ブレーキバイワイヤのハードウェア構成において、第1乃至第6の発明を実現することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の実施の形態1の制動力制御装置を搭載した車両の斜視図である。
本発明の実施の形態1の制動力制御装置のブロック図である。
本発明の実施の形態1の制動力制御装置が解決すべき課題を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1において実行されるルーチンフローチャートである。
本発明の実施の形態1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
本発明の実施の形態2の動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明の実施の形態2の変形例においてACC-ECUが実行するルーチンのフローチャートである。
本発明の実施の形態2の変形例においてブレーキECUが実行するルーチンのフローチャートである。

実施例

0026

実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の制動力制御装置を搭載した車両10の斜視図である。車両10には、ACC-ECU(Electronic Control Unit)12が搭載されている。ACC-ECU12は、車両10においてACC制御を行う機能を有している。ACC制御には車間距離制御と定速制御が含まれる。車間距離制御によれば、目標車間距離を保って車両10を先行車両に追従させることができる。また、定速制御によれば、追従すべき先行車両が存在しない場合に、目標車速を保って車両10を走行させることができる。

0027

車両10には、また、ブレーキユニット14が搭載されている。ブレーキユニット14には、ブレーキECU及びブレーキAct(Actuator)が含まれている。ブレーキActには更に、ストロークセンサ並びにマスタシリンダ圧センサが含まれている。ストロークセンサによれば、図示しないブレーキペダルの操作量を検知することができる。また、マスタシリンダ圧センサによれば、ブレーキ油圧を発生するマスタシリンダ内に発生した油圧を検知することができる。

0028

車両10の各輪にはブレーキ装置16が組み込まれている。本実施形態の車両10は、所謂ブレーキバイワイヤの構成を有している。即ち、ブレーキ装置16には、ブレーキユニット14中のブレーキECUから制動力に関する指令が供給されている。ブレーキ装置16は、その指令に応じた制動力を各輪において発生する。

0029

図2は、本実施形態の制動力制御装置のブロック図である。図2に示すように、本実施形態の制動力制御装置は、上述したACC-ECU12を含んでいる。ACC-ECU12には、ミリ波レーダ18及びカメラ20が接続されている。ミリ波レーダ18及びカメラ20は、先行車両を監視することができるように車両10に搭載されている。ACC-ECU12は、それらから送られてくる情報に基づいて先行車両の有無、先行車両との車間距離などを検知することができる。

0030

ACC-ECU12には、車速センサ22及びブレーキペダルセンサ24が接続されている。ACC-ECU12は、車速センサ22の出力に基づいて車両10の車速を検知することができる。また、ACC-ECU12は、ブレーキペダルセンサ24の出力に基づいて、ブレーキ操作の有無を検知することができる。

0031

ACC-ECU12には、また、GPS(Global Positioning System)受信装置26並びに地図データベースが接続されている。ACC-ECU12は、GPS受信装置26から提供される情報に基づいて車両10の現在位置を検知することができる。また、ACC-ECU12は、地図データベースから提供される情報に基づいて地理的な車両10の走行環境を検知することができる。

0032

ACC-ECU12には、更に、ブレーキECU30、エンジンECU32及びHMI(Human Machine Interface)装置34が接続されている。ブレーキECU30は、上述の通りブレーキユニット14に含まれるECUであり、各輪のブレーキ装置16に対して制動力に関する指令を発するユニットである。ACC-ECU12からブレーキECU30には、ACC制御のON/OFF信号と、ACC制動力Faccを表す信号が供給されている。ACC制動力Faccは、ACC制御により要求される制動力である。ブレーキECU30は、それらの信号に基づいて、ACC制御が実行中であるか否かを判断し、また、ACC制御に起因して発生させるべき制動力(Facc)の大きさを検知することができる。

0033

HMI装置34は、車室内に配置されている。ACC-ECU12は、HMI装置34を用いて、例えば、ACC制御が実行中であるか否か等の情報をドライバに提供することができる。

0034

[ACC制御の実行に伴う課題]
ACC制御は、車両10の速度制御をドライバに代わって行う制御である。ACC制御の実行中にドライバが制動力不足を感じてブレーキ操作を行った際には、速度制御の主権を速やかにACC-ECU12からドライバに戻すことが望ましい。しかしながら、ブレーキ操作の開始と共にACC制御を単純に終了させると、以下に説明するような不都合が生ずる。

0035

図3は、ACC制御の実行下でブレーキ操作が行われた場合に生じ得る課題を説明するためのタイミングチャートである。図3において、符号36を付して示す実線波形は、車両10に生ずる実制動力を示している。符号38を付して示す破線は、ACC制御によって要求される制動力(以下、「ACC制動力」と称す)を示す。また、図3中に符号40を付して示す一点鎖線の波形は、ドライバのブレーキ操作により要求される制動力(以下、「操作制動力」と称す)を示す。

0036

図3に示す例では、時刻t1に操作制動力40が立ち上がり、時刻t2以後、操作制動力40が消滅している。この動作は、時刻t1からt2にかけて、ほぼ一定の操作量でブレーキ操作がなされたことを意味する。

0037

図3に示す例では、時刻t0の時点でACC制御が実行されている。そして、時刻t1においてブレーキ操作が開始されると、この開始を受けてACC制動力38が消滅している。この動作は、例えば、ブレーキ操作の開始と共にACC制御の実行を解除し、その解除と同時にACC制動力38を消滅させた場合に実現される。

0038

時刻t1の後、ACC制動力38がこのように消滅すると、実制動力36は、ブレーキ操作の開始後一時的に上昇するものの、その後直ぐに減少に転じる。そして、一定のブレーキ操作量が保たれているにも関わらず、実制動力36は、時刻t1におけるACC制動力38よりも小さな値に収束している。

0039

ドライバは、時刻t1において、更なる制動力が必要であると感じてブレーキ操作を開始している。その結果として実制動力36が上記のような増減を示すと、ドライバは制動力の抜けを感じ、違和感を覚え易い。

0040

[実施の形態1の特徴]
本実施形態の制動力制御装置は、このような違和感の発生を防ぐため、ACC制御の実行中にブレーキ操作が開始された場合には、その時点で生じていたACC制動力を残したままブレーキ操作量に応じた操作制動力を発生させる。このような制御によれば、ドライバの意図通りに実制動力を増加させることができ、違和感のない減速を実現することができる。

0041

図4は、本実施形態においてブレーキECU30が実行するルーチンのフローチャートである。図4に示すルーチンは、車両10の始動後に所定の周期で繰り返し起動されるものとする。

0042

図4に示すルーチンでは、先ず、ACC-ECU12から提供される情報に基づいて、ACC制御の作動がONからOFFに切り替わったか否かが判別される(ステップ100)。ACC-ECU12は、ドライバによってACCスイッチがONとされると、ACC制御をON状態とする。そして、ACC制御の実行中にブレーキ操作を検知すると、車速制御の主権をドライバに戻すべく、ACC制御をOFF状態とする。従って、本ステップ100の条件は、ACC制御の実行下で、前回処理サイクルから今回の処理サイクルにかけてブレーキ操作が開始された場合に成立する。

0043

上記ステップ100において、ACC制御の作動がONからOFFに変化したと判別された場合は、ACC制御の実行中にブレーキ操作が開始されたと判断することができる。この場合、次に、その時点で生じていたACC制動力Faccが記憶されると共に、ACC終了フラグがONとされる(ステップ102)。以下、本ステップで記憶されたACC制動力を「Facc(記憶値)」とする。

0044

一方、上記ステップ100においてACC制御がONからOFFに変化していないと判別された場合は、ステップ102の処理がジャンプされる。つまり、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけて、ACC制御がON状態のまま、又はOFF状態のままである場合はステップ102の処理がジャンプされる。

0045

上記の処理が終わると、次に、ブレーキ操作がON、つまり実行されているか否かが判別される(ステップ104)。そして、ブレーキ操作がONである場合は、更に、前回の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけてブレーキ操作がOFFからONに変化したかが判別される(ステップ106)。

0046

ステップ106の判定が肯定される場合は、ブレーキ操作が開始された直後であると判断することができる。この場合は、その時点のブレーキ操作量が要求する操作制動力Fdrが記憶される(ステップ108)。以下、本ステップで記憶された操作制動力を「Fdr(記憶値)」とする。一方、ステップ106の判定が否定された場合は、今回の処理サイクルの時点でブレーキ操作は既に開始されていたと判断することができる。この場合は、ステップ108の処理がジャンプされる。

0047

ブレーキECU30では、次に、車両が走行中であるか否かが判別される(ステップ110)。そして、車両が走行中であると判別された場合は、更に、ACC終了フラグがONであるかが判別される(ステップ112)。

0048

ACC終了フラグは、上述した通り、ACC制御の作動がONからOFFに切り替えられた際に、つまり、ACC制御の実行下でブレーキ操作が開始された際にONとされる。そして、ステップ112の処理は、ステップ104の判別及びステップ110の判別が共に肯定された場合にのみ実行される。このため、ステップ112の判別が肯定された場合は、以下の状況が生じていると判断することができる。
(a)ACC制御の実行下でブレーキ操作が開始され、
(b)引き続きブレーキ操作が継続されており、かつ、
(c)車両10が停止に至っていない。

0049

上記ステップ112の判別が肯定された場合、ブレーキECU30は、次式に従って実制動力を演算する(ステップ114)。
実制動力=Fdr+Facc(記憶値)*Fdr/Fdr(記憶値) ・・・(1)

0050

上記(1)式の右辺第1項「Fdr」は、今回の処理サイクル時における操作制動力Fdrである。つまり、この値Fdrは、ドライバがブレーキ操作によって現実に要求している制動力である。また、上記(1)式中、右辺第2項のFacc(記憶値)及びFdr(記憶値)は、夫々、ブレーキ操作の開始時におけるACC制動力Faccと操作制動力Fdrである(上記ステップ102、108参照)。この第2項によれば、ブレーキ操作開始時点のACC制動力Facc(記憶値)を、ブレーキ操作開始後の操作制動力Fdrの増減に合わせて増減させた値を算出することができる。このため、上記(1)式によれば、以下の二つの効果を実現する実制動力を算出することができる。

0051

(a)ACC制御下でブレーキ操作が開始された際に、それまでに発生していたACC制動力Faccにドライバが欲する操作制動力Fdrを加えた実制動力を発生させることができる。この実制動力によれば、ドライバは、ブレーキ操作の開始時に制動力の抜けを感じることがない。
(b)上記のブレーキ操作の開始後に、実制動力をブレーキ操作量の増減に応じて変化させることができる。実制動力がこのように変化すれば、ACC制御に割り込んでブレーキ制御が開始された場合に、ACC制動力Faccに相当する補助を提供しながら、違和感のない操作感覚をドライバに提供することができる。

0052

上記ステップ114で算出された実制動力は、指令値としてブレーキAct及び各輪のブレーキ装置16に提供される。その結果、車両10において上記効果を実現する実制動力が発生する。以上の処理が終わると、図4に示すルーチンは今回の処理サイクルを終える。

0053

ACC制御下でブレーキ操作が開始された後、ドライバは、制動力の必要性を感じなくなった時点でブレーキ操作を終了する。このようにしてブレーキ操作が終了されると、図4に示すルーチンでは、ステップ104において、ブレーキ操作がONではないと判断される。この場合、ブレーキECU30は、Facc(記憶値)をクリアし、Fdr(記憶値)をクリアし、かつ、ACC終了フラグをOFFとする(ステップ116)。

0054

続いて、実制動力が今回の処理サイクルで検知された操作制動力Fdrに設定される(ステップ118)。ここでは、ブレーキ操作がOFFとされており、操作制動力Fdrはゼロであるから、実質的には実制動力がゼロとされる。

0055

このように、図4に示すルーチンによれば、ドライバがブレーキ操作を終了した時点で、速やかに実制動力をゼロとすることができる。このため、本実施形態の制動力制御装置によれば、ブレーキ操作の終了時にも、違和感のない操作感をドライバに提供することができる。

0056

ACC制御の実行下でブレーキ操作が開始され、その後車両10が停止に至った場合には、ステップ110において車両が走行中ではないと判断される。この場合も以後ステップ116及び118の処理が実行される。車両10が停止に至った後は、もはやFacc(記憶値)を実制動力に反映させる必要が無い。上記の処理によれば、Facc(記憶値)及びFdr(記憶値)をクリアして、ドライバの意図する操作制動力Fdrだけを実制動力として残すことができる。この点においても、本実施形態の制動力制御装置は、違和感のない操作感をドライバに提供することができる。

0057

上述した通り、ACC制御下で開始されたブレーキ操作が解除された時点で、又はその操作によって車両が停止に至った時点で、ACC終了フラグはOFFとされる(上記ステップ116参照)。以後、図4に示すルーチンが起動されると、ステップ112においてACC終了フラグがONではないと判断される。この場合、今回の処理サイクルで検知された操作制動力Fdrが実制動力とされる(ステップ120)。この処理によれば、通常のブレーキ機能をドライバに提供することができる。

0058

図5は、本実施形態の制動力制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図5において、ACC制動力38、及び操作制動力40は図3に示すそれらと同様である。図5には、ステップ114の処理で立ち上げられる実制動力を破線42で示している。また、図5において符号36を付して示す実制動力は、ACC制御の実行中から引き続いて車両10に発生する実制動力の変化を示している。

0059

図5に示すように、本実施形態によれば、ブレーキ操作が開始された後、ブレーキ操作量が一定値に保持されている間は、安定した実制動力36を発生させることができる。このように、本実施形態の制動力制御装置によれば、図3を参照して説明した制動力の抜けに関する課題を有効に解決することができる。

0060

[実施の形態1の変形例]
ところで、上述した実施の形態1では、車速制御のために車両10において実行される制御をACC制御としているが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、実施の形態1におけるACC制御は、車間距離制御を含まない単純な速度制御に置き換えてもよい。

0061

また、上述した実施の形態1では、ステップ114で実制動力を演算する際に、Facc(記憶値)に、操作制動力Fdrの変化を反映させることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ114では、操作制動力Fdrに単純にFacc(記憶値)を加えたものを実制動力として算出してもよい。

0062

また、上述した実施の形態1では、ステップ114において、Facc(記憶値)にFdrとFdr(記憶値)の比を積算することとしている。この方法によれば、FdrがFdr(記憶値)より大きな値となった際には、上記積算の結果が、Facc(記憶値)より大きな値となる。その場合、実制動力が、ドライバの意図した制動力より大きなものとなる可能性が生ずる。このため、ステップ114においては、上記積算の結果を、Facc(記憶値)以下にガードすることとしてもよい。このような処理によれば、ACC制御に割り込んでブレーキ操作が開始された場合に過大な実制動力が生ずるのを有効に回避することができる。

0063

実施の形態2.
[実施の形態2の構成]
次に、図1及び図2と共に図6及び図7を参照して本発明の実施の形態2の制動力制御装置について説明する。本実施形態の制動力制御装置は、実施の形態1の場合と同様に、図1及び図2に示す要素を備えている。但し、実施の形態1においては車両10がブレーキバイワイヤの構成を有していたのに対して、本実施形態では、車両10が、非ブレーキバイワイヤの構成を有しているものとする。

0064

即ち、本実施形態の車両10において、図1に示す各輪のブレーキ装置16には、ブレーキペダルに与えられた踏力に応じた油圧が電気信号を介することなく提供される。ブレーキ装置16は、その油圧に応じた操作制動力を発生することができる。

0065

他方、図1に示すブレーキユニット14は、ACC-ECU12又はブレーキECU30が要求する制動力を指令値に変換してブレーキ装置16に提供する。ブレーキ装置16は、その指令値に応じた制動力を単独で、又は上述した操作制動力と合算して発生することができる。

0066

[実施の形態2の動作]
図6は、上述した構成を有する車両10において、実施の形態1の場合と同様の機能を実現するためにブレーキECU30が実行するルーチンのフローチャートである。以下、図6において、図4に示すステップと同一のステップについては、共通する符号を付してその説明を省略又は簡略する。

0067

図6に示すルーチンは、以下の点を除いて図4に示すルーチンと同様である。
(a)ステップ114、118及び120が、夫々ステップ122、124及び126に置き換えられている点、及び
(b)終了の前段にステップ128が加えられている点。但し、ステップ128は、操作制動力Fdrが実制動力に加えられることを視覚的に示すために記載したものであり、ブレーキECU30によって実行される処理を表すものではない。

0068

図6に示すルーチンにおいて、ステップ122では、次式に従ってACC実制動力が演算される。
ACC実制動力=Facc(記憶値)*Fdr/Fdr(記憶値) ・・・(2)
このようにして算出されたACC実制動力の指令値は、各輪のブレーキ装置16に提供される。そして、各輪のブレーキ装置16は、操作制動力FdrにACC実制動力を加えた値を実制動力として発生する。

0069

上記(2)式の右辺は、実施の形態1における(1)式の右辺からFdrを除いたものに等しい。本実施形態では、ブレーキペダルの踏力が直接的に操作制動力Fdrを発生させるため、ブレーキ装置16に与える指令値にはFdrを含める必要が無い。このため、(2)式が示すACC実制動力がブレーキ装置16に提供されると、車両10においては、実施の形態1の場合と同様の実制動力が確保される。

0070

図6に示すステップ124及び126では、何れも、ACC実制動力としてACC制動力Faccが設定される。ACC制動力Faccは、ACC制御によって要求される制動力である。そして、ACC制御は、原則としてブレーキ操作がされていない状況下で実行される。ステップ124及び126の処理によれば、ACC制御が要求するFaccを適切にブレーキ装置16に発生させることができる。

0071

図7は、本実施形態の制動力制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図7において、操作制動力40は図3又は図5に示すそれらと同様である。図7中に符号44を付して示す破線の波形は、ステップ122、124又は126の処理により演算されるACC実制動力である。本実施形態では、ACC実制動力44に操作制動力40が加算されるため、実制動力36は、図示の通りとなる。このように、上述した図6のルーチンによれば、非ブレーキバイワイヤの構成を持つ車両10において、実施の形態1の場合と同様の機能を実現することができる。

0072

[実施の形態2の変形例]
上述した実施の形態2では、ACC制御下でブレーキ操作が行われた際の各種演算をブレーキECU30において実行することとしている。しかしながら、それらの処理を実行するユニットはブレーキECU30に限定されるものではない。例えば、ACC制御に起因するAC制動力をACC-ECU12で演算し、ブレーキECU30では、その演算の結果に沿って制動力を発生させる処理だけを実行することとしてもよい。

0073

図8及び図9は、上述した変形例を実現するために、ACC-ECU12及びブレーキECU30に実行させるルーチンのフローチャートの一例を示す。尚、これらのルーチンで実行される処理は、実質的に図6に示すルーチンにより実行される処理と同様であるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。

0074

ところで、上述した実施の形態1及び2においては、ACC制御が前記第1の発明における「車速制御」に、ACC制動力が前記第1の発明における「制御制動力」に、上記(1)式右辺第2項又は上記(2)式右辺が前記第1の発明における「追加制動力」に、夫々相当している。

0075

また、上述した実施の形態1及び2においては、Facc(記憶値)が前記第3の発明における「制動力記憶値」に、Fdr(記憶値)が前記第4の発明における「操作量記憶値」に、夫々相当している。

0076

また、上述した実施の形態2においては、ブレーキペダルの踏力に応じた油圧を各輪のブレーキ装置16に提供する機構が、前記請求項9に記載の「油圧回路」に相当している。

0077

10 車両
12ACC-ECU
14ブレーキユニット
16ブレーキ装置
30ブレーキECU
36実制動力
38、Facc ACC制動力
40、Fdr 操作制動力
44 ACC実制動力

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