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技術 形鋼の圧延方法及び圧延機

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 谷口龍磨木下浩行駒城倫哉
出願日 2016年7月4日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-132349
公開日 2018年1月11日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-001225
状態 特許登録済
技術分野 圧延の制御 金属圧延一般
主要キーワード 拘束ローラ 入側ガイド 工業用テレビ 分割切断 移動終了位置 尾端側 圧延変形 ロールセット
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (9)

課題

形鋼尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制すること。

解決手段

圧延機1で被圧延材2を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延方法であって、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィール推定する推定工程と、圧延機1で被圧延材2を圧延し、被圧延材2の長手方向の尾端側において、曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が圧延機1を通過する際に、圧延機1の入側にて被圧延材2の左右方向位置拘束するガイド(例えば、一対の入側ガイド3)を左右方向に移動させることで、被圧延材2の左右方向位置を変化させる圧延工程とを備える。

概要

背景

ユニバーサル圧延機等の圧延機を用いて鋼素材である被圧延材圧延することで形鋼を製造する場合、左右方向への曲がりや上下方向への反りといった形状不良が発生する。このような形状不良をオンライン矯正する方法としては、圧延機出側に設置されている曲がり矯正ローラを用いて圧延先端の曲がりを調整する方法や、圧延機のロールを傾けて(レベリング調整)、左右の圧下量を変化させることで曲がりを調整する方法がある。
また、例えば、特許文献1には、圧延機の前面または後面に設置されているフランジ拘束ローラによって形鋼圧延時の上下方向の反り及び曲がりを防止する方法が開示されている。さらに、特許文献2には、圧延変形予測モデルを用いて予測される被圧延材の曲がり形状に応じて最適なロール隙ガイド位置をセットすることで、曲がり調整をする方法が開示されている。

概要

形鋼の尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制すること。圧延機1で被圧延材2を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延方法であって、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィール推定する推定工程と、圧延機1で被圧延材2を圧延し、被圧延材2の長手方向の尾端側において、曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が圧延機1を通過する際に、圧延機1の入側にて被圧延材2の左右方向位置拘束するガイド(例えば、一対の入側ガイド3)を左右方向に移動させることで、被圧延材2の左右方向位置を変化させる圧延工程とを備える。

目的

本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、形鋼の尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制することができる、形鋼の圧延方法及び圧延機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

圧延機被圧延材圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延方法であって、前記圧延機で圧延される前記被圧延材の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィール推定する推定工程と、前記圧延機で前記被圧延材を圧延し、前記被圧延材の長手方向の尾端側において、前記曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が前記圧延機を通過する際に、前記圧延機の入側にて前記被圧延材の左右方向位置拘束するガイドを左右方向に移動させることで、前記被圧延材の左右方向位置を変化させる圧延工程とを備えることを特徴とする形鋼の圧延方法。

請求項2

前記圧延工程では、前記被圧延材の左右方向位置を変化させる際に、推定される前記曲がりプロフィール並びに、前記被圧延材の断面形状及び鋼種の少なくとも一方に基づいて、前記ガイドの左右方向への移動量及び移動開始位置が調整されることを特徴とする請求項1に記載の形鋼の圧延方法。

請求項3

前記圧延機による圧延では、前記形鋼の断面形状が同じである複数の被圧延材を連続して圧延し、前記圧延機で前に圧延される他の被圧延材の前記曲がりプロフィールを測定する測定工程をさらに備え、前記推定工程では、前記測定工程にて測定される前記他の被圧延材の前記曲がりプロフィールに基づいて推定することを特徴とする請求項1または2に記載の形鋼の圧延方法。

請求項4

被圧延材を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延機であって、前記被圧延材を圧延する複数のロールと、前記圧延機の入側にて前記被圧延材の左右方向位置を拘束するガイドと、前記ガイドの左右方向への移動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記複数のロールで圧延される被圧延材の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィールを推定する曲がり推定部と、前記被圧延材の長手方向の尾端側において、前記曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が前記複数のロールを通過する際に、前記ガイドを左右方向に移動させることで、前記被圧延材の左右方向位置を変化させるガイド制御部とを有することを特徴とする形鋼の圧延機。

技術分野

0001

本発明は、形鋼圧延方法及び圧延機に関する。

背景技術

0002

ユニバーサル圧延機等の圧延機を用いて鋼素材である被圧延材圧延することで形鋼を製造する場合、左右方向への曲がりや上下方向への反りといった形状不良が発生する。このような形状不良をオンライン矯正する方法としては、圧延機出側に設置されている曲がり矯正ローラを用いて圧延先端の曲がりを調整する方法や、圧延機のロールを傾けて(レベリング調整)、左右の圧下量を変化させることで曲がりを調整する方法がある。
また、例えば、特許文献1には、圧延機の前面または後面に設置されているフランジ拘束ローラによって形鋼圧延時の上下方向の反り及び曲がりを防止する方法が開示されている。さらに、特許文献2には、圧延変形予測モデルを用いて予測される被圧延材の曲がり形状に応じて最適なロール隙ガイド位置をセットすることで、曲がり調整をする方法が開示されている。

先行技術

0003

特開平8−257618号公報
特開2003−39107号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、圧延機で形鋼となる被圧延材の圧延を行う際には、被圧延材の尾端搬送方向上流側となる長手方向端)側でのみ発生する曲がりが問題となる。
このような曲がりに対し、従来の圧延機出側に設置されている曲がり矯正ローラを用いる方法は、被圧延材の先端側の曲がり調整に有効な方法であり、被圧延材の尾端側への効果が小さいため、曲がりを抑制できなかった。さらに、矯正ローラの設定位置の精度を厳格にする必要があるため、適用に際して困難性を伴っていた。
また、ロールを傾けて被圧延材の左右の圧下量を変化させる方法は、長手方向の全長曲がりを修正する方法である。このため、この方法では、尾端側でのみ曲がりが発生する場合には、尾端側のみを修正することができず、修正を施した場合には長手方向の中央や先端(搬送方向下流側となる長手方向端)側に曲がりが生じるおそれがある。

0005

さらに、特許文献1に記載の方法は、尾端側での曲がりを抑えることができるものの、専用のガイドローラを設ける必要があるため、導入に掛かるコストの増大や既存設備への適用の困難性が問題であった。
さらに、特許文献2に記載の方法は、圧延変形予測モデルによる曲がり修正を実現しているが、非常に複雑なモデルが必要であり、曲がりの良し悪しがモデル精度に左右されることから困難性を伴っていた。また、調整されるガイドには、剛性ガタがあるため、複雑なモデルで予測し、厳格にガイドを設定したとしても、十分に効果が得られないことがある。

0006

そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、形鋼の尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制することができる、形鋼の圧延方法及び圧延機を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様によれば、圧延機で被圧延材を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延方法であって、上記圧延機で圧延される上記被圧延材の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィール推定する推定工程と、上記圧延機で上記被圧延材を圧延し、上記被圧延材の長手方向の尾端側において、上記曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が上記圧延機を通過する際に、上記圧延機の入側にて上記被圧延材の左右方向位置拘束するガイドを左右方向に移動させることで、上記被圧延材の左右方向位置を変化させる圧延工程とを備えることを特徴とする形鋼の圧延方法が提供される。

0008

本発明の一態様によれば、被圧延材を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延機であって、上記被圧延材を圧延する複数のロールと、上記圧延機の入側にて上記被圧延材の左右方向位置を拘束するガイドと、上記ガイドの左右方向への移動を制御する制御装置とを備え、上記制御装置は、上記複数のロールで圧延される被圧延材の長手方向位置における曲がり量を示す曲がりプロフィールを推定する曲がり推定部と、上記被圧延材の長手方向の尾端側において、上記曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が上記複数のロールを通過する際に、上記ガイドを左右方向に移動させることで、上記被圧延材の左右方向位置を変化させるガイド制御部とを有することを特徴とする形鋼の圧延機が提供される。

発明の効果

0009

本発明の一態様によれば、形鋼の尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制することができる、形鋼の圧延方法及び圧延機が提供される。

図面の簡単な説明

0010

本発明の一実施形態に係る圧延機を示す平面図である。
ガイドと被圧延材との位置関係を示す正面図である。
水平ロール及び垂直ロールによる被圧延材の圧延時の状態を示す正面図である。
制御装置を示す構成図である。
最尾端の製品の形状を示す平面図である。
長手方向位置に対する圧延中のガイドの位置を示すグラフである。
実施例における曲がりプロフィールを示すグラフである。
実施例における全体曲がり量を示すグラフである。

0011

以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかであろう。他にも、図面を簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<形鋼の圧延機>
まず、図1図4を参照して、本発明の一実施形態に係る形鋼の圧延機1について説明する。本実施形態では、圧延機1を用いて形鋼としてH形鋼が製造される。

0012

被圧延材2であるH形鋼は、図1図3に示すように、長手方向に垂直な断面において、左右方向に延在するウェブ21と、ウェブ21の延在方向の両端からそれぞれ上下方向に延在する一対のフランジ22とからなる断面形状を有する。なお、本実施形態において、長手方向は、被圧延材の搬送方向(圧延方向)に平行な方向であり、図1における左右方向、並びに図2及び図3における前後方向である。また、左右方向は、図1における上下方向、並びに図2及び図3における左右方向である。さらに、上下方向は、図1における前後方向、並びに図2及び図3における上下方向である。

0013

H形鋼の製造方法としては、まず、加熱炉で加熱した圧延素材となるスラブなどに、粗圧延機を用いて粗圧延を施すことで、粗形鋼片造形する。次いで、中間圧延機エッジャーなどを用いて被圧延材である粗形鋼片に中間圧延を施すことで、さらに製品に近い断面形状に造形する。さらに、仕上圧延機を用いて中間圧延が施された被圧延材に仕上圧延を施すことで、最終的な製品の断面形状に造形される。その後、仕上圧延されたH形鋼は、先端及び尾端のクロップ部が切断された後、所定の長手方向の長さとなるように、長手方向に分割切断されることで、所定の断面形状及び長さの製品となる。

0014

圧延機1は、上述したH形鋼の圧延工程において仕上圧延で用いられる仕上ユニバーサル圧延機であり、中間圧延が施された被圧延材2を圧延することで、製品の断面形状のH形鋼を製造する。図1に示すように、圧延機1は、一対の入側ガイド3と、一対の水平ロール4と、一対の垂直ロール5と、第1位置検出センサ6と、一対の第2位置検出センサ7と、一対のアクチュエータ8と、制御装置9とを備える。

0015

一対の入側ガイド3は、圧延機1の入側となる被圧延材2の搬送方向(図1における左右方向)の上流側(図1における左側)に、通過する被圧延材2を介して左右方向に対向して配される。一対の入側ガイド3は、図2に示すように、被圧延材2の左右方向の長さに応じて、左右方向に所定の距離だけ離間して配されることで、被圧延材2の左右方向位置を拘束する。例えば、一対の入側ガイド3は、各入側ガイド3と被圧延材2のフランジ22の外面との間に、数mm〜十数mm程度のクリアランスが設けられるよう、ウェブ高さに応じた距離だけ左右方向に離間して配される。

0016

一対の水平ロール4は、図1及び図3に示すように、一対の入側ガイド3よりも搬送方向の下流側に、上下方向に対向して配される圧延ロールである。
一対の垂直ロール5は、図1及び図3に示すように、搬送方向に対して一対の水平ロール4と同じ位置に設けられ、左右方向に対向して配される圧延ロールである。本実施形態に係る圧延機1は、一対の水平ロール4の円周面で、被圧延材2のウェブ21の厚み圧下を行い、一対の水平ロール4の端面と一対の垂直ロール5の円周面で、被圧延材2のフランジ22の角度おこし及び厚み圧下を行う。

0017

第1位置検出センサ6は、一対の入側ガイド3よりも搬送方向の上流側に設けられる、光電センサである。第1位置検出センサ6は、検出位置における被圧延材2の先端や尾端を検出し、検出結果を制御装置9へ送信する。
一対の第2位置検出センサ7は、一対の入側ガイド3にそれぞれ設けられる、光電センサである。一対の第2位置検出センサ7は、一対の入側ガイド3の左右方向の位置を検出し、検出結果を制御装置9へ送信する。

0018

一対のアクチュエータ8は、一対の入側ガイド3にそれぞれ設けられる駆動装置である。一対のアクチュエータ8は、制御装置9からの信号を受け、一対の入側ガイド3を左右方向に所定の移動速度でそれぞれ移動させる。
制御装置9は、図4に示すように、曲がり推定部91と、位置算出部92と、ガイド制御部93とを有する。曲がり推定部91は、後述する推定方法によって圧延される被圧延材2の圧延後の長手方向の曲がりプロフィールを推定する。位置算出部92は、第1位置検出センサ6の検出結果と、被圧延材2の搬送速度とに基づいて、第1位置検出センサ6の検出位置を通過した被圧延材2の搬送方向の位置をトラッキングする。ガイド制御部93は、曲がり推定部91によって推定される曲がりプロフィールに基づいて、一対の入側ガイド3の左右方向への移動量及び移動開始位置を設定する。そして、ガイド制御部93は、設定された移動量及び移動開始位置で一対の入側ガイド3が左右方向へ移動するように、一対のアクチュエータ8に信号を出力する。上記構成の制御装置9は、例えば、プロコンビジコンなどの1台または複数台計算機によって実現される。

0019

<圧延方法>
次に、本実施形態に係る形鋼の圧延方法について説明する。本実施形態に係る形鋼の圧延方法は、中間圧延が施されたH形鋼の素材である被圧延材2に対して、圧延機1を用いて仕上圧延を施す際に仕上圧延方法である。また、本実施形態の仕上圧延では、同じ断面形状の複数の被圧延材2を連続して圧延することで、同じ断面形状の製品が製造される。そして、後述する圧延方法は、連続して圧延される複数の被圧延材2のうち、最初に圧延されるものを除いた、2回目以降に圧延される被圧延材2について適用されるものである。

0020

ここで、通常、仕上ユニバーサル圧延機を用いたH形鋼の仕上圧延では、本実施形態と同様に一対の入側ガイド3と、一対の水平ロール4と、一対の垂直ロール5とを有する圧延機を用いた圧延が行われる。この際、被圧延材2の左右のフランジ22の厚み偏差温度偏差、または一対の垂直ロール5のロール設定隙の違いなどにより曲がりが生じ易くなる。特に、図1に示すような被圧延材2の尾端側の圧延時においては、通材ラインによる被圧延材2の拘束力が弱くなることから、噛み込み姿勢にばらつきが生じ易くなり、曲がりが発生し易くなる。

0021

図5に曲がりが発生したH形鋼2aの製品を示す。図5に示すH形鋼2aは、仕上圧延後に長手方向に分割切断されたH形鋼のうち、最尾端側のH形鋼である。通常、仕上圧延において通材ラインによる拘束力が弱くなる尾端側の領域は、1本の製品の長さに収まる範囲となるため、仕上圧延後に最尾端側となる製品において曲がりが問題となる。ここで、形鋼における曲がりでは、図5に示すように、曲がりの内側となる左右方向端において、長手方向の両端を結ぶ線とフランジ外面との距離(間隔)を曲がり量δという。また、所定のピッチで離間した各長手方向位置における曲がり量δの長手方向全長にわたる推移を曲がりプロフィールという。さらに、曲がりプロフィールの曲がり量δのうち、最大となる曲がり量δを全体曲がり量という。このような曲がりの測定は、曲がり内側のフランジ外面の長手方向両端に糸を張り、その糸とフランジ外面との距離を所定のピッチで測定することで行われる。また、曲がりの測定では、仕上圧延後の被圧延材をITV(industrial television,工業用テレビ)のテレビ画像から、画像処理によって曲がり量δ及び曲がりプロフィールが求められてもよい。さらに、曲がりの測定では、仕上圧延機の搬送方向下流側に設けられた複数のレーザ距離計で、フランジ外面までの距離を測定し、測定データから曲がり量δ及び曲がりプロフィールが求められてもよい。

0022

このような曲がりに対して、本発明者らは、形鋼の尾端側の局部的な曲がりを解消することに注力し、圧延機1の入側に設けられる一対の入側ガイド3の効果的な使用方法について検討を重ねた。そして、局部的な曲がりが発生する尾端側を圧延する際に、一対の入側ガイド3の左右方向位置をダイナミックに移動させることで、尾端側の曲がりが大きく変化することを見出した。本実施形態にかかる圧延方法は、この知見をさらに深化させたものであり、以下の通りである。

0023

まず、圧延機1にて連続して圧延される複数の被圧延材2のうち、最初に圧延された被圧延材2である形鋼について、長手方向の全長における各長手方向位置の曲がり量δである、曲がりプロフィールが測定される(測定工程)。曲がりプロフィールの測定は、圧延機1の搬送方向下流側に設けられる複数のレーザ距離計によって行われる。なお、測定されたデータには、平均化や平滑化等のデータ処理が施されてもよい。また、測定される曲がり量δは、形鋼の全長における曲がり量δであってもよく、形鋼の製品として分割される領域毎の曲がり量δであってもよい。

0024

次いで、曲がり推定部91は、測定された最初の被圧延材2の曲がりプロフィールから、圧延機1でこれから圧延される被圧延材2の仕上圧延後の曲がりプロフィールを推定する(推定工程)。同じ断面形状の形鋼が、同じ圧延条件で圧延される場合、発生する曲がりは同様な形状となる傾向がある。このため、本実施形態のように、同じ断面形状の形鋼が連続して圧延される場合、2回目以降に圧延される形鋼の曲がりプロフィールは、最初に圧延された形鋼の曲がりプロフィールと同様になると推定される。本実施形態では、測定された曲がりプロフィールを、これから圧延される被圧延材2の圧延後における曲がりプロフィールとして推定する。なお、推定される曲がりプロフィールは、測定工程にて測定される曲がり量δに応じて、圧延後の被圧延材2である形鋼の全長における曲がりプロフィールであってもよく、圧延後に製品として分割される領域毎の曲がりプロフィールであってもよい。

0025

その後、ガイド制御部93は、推定される被圧延材2の圧延後の曲がりプロフィールに基づいて、一対の入側ガイド3の移動開始位置Ls、移動終了位置Le及び移動量ΔMを設定する(設定工程)。
移動開始位置Lsは、一対の入側ガイド3を左右方向への移動動作が開始する、被圧延材2の長手方向位置である。移動開始位置Lsは、曲がりプロフィールに応じて、例えば、曲がりが発生する長手方向位置、または曲がり量δ若しくは長手方向位置に対する曲がり量δの変化量が閾値以上となる長手方向位置よりもやや先端側(例えば、1m程度の先端側)に設定される。

0026

移動終了位置Leは、後述する圧延工程において、一対の入側ガイド3の左右方向への移動動作が終了する、被圧延材2の長手方向位置である。移動終了位置Leは、曲がりプロフィールに応じて、例えば、曲がりの曲率が最大となっている長手方向の位置に応じた長手方向位置に設定される。移動量ΔMは、後述する圧延工程において、一対の入側ガイド3を左右方向に移動させる距離である。
移動量ΔMは、曲がりプロフィールに応じて、例えば、曲がりの曲率に比例する値に設定される。この場合、移動量ΔMは、全体曲がり量よりも大きな値として設定されることが好ましい。

0027

例えば、ガイド制御部93は、図6に示すようなプロフィールで、移動開始位置Ls、移動終了位置Le及び移動量ΔMを設定する。図6において横軸は圧延が行われる被圧延材2の長手方向位置、縦軸は一対の入側ガイド3の位置をそれぞれ示す。ここで、一対の入側ガイド3の位置は、先端が圧延される際の各入側ガイド3の初期の左右方向の位置を0とする。そして、搬送方向からみて左方向(図1及び図5における上方向)に一対の入側ガイド3が移動する場合には、移動量ΔMは正の値となる。一方、搬送方向からみて右方向(図1及び図5における下方向)に一対の入側ガイド3が移動する場合には、移動量ΔMは負の値となる。移動量ΔMは、一対の入側ガイド3が曲がりプロフィールの曲がりの方向と逆方向に移動するように設定される。例えば、図5に示す右方向への曲がりの場合、一対の入側ガイド3は左方向へと移動するため、移動量ΔMは、図6に示すように正の値となる。

0028

設定工程の後、圧延機1で被圧延材2に仕上圧延を施す(圧延工程)。
圧延工程では、位置算出部92は、第1位置検出センサ6による先端及び尾端の検出結果と、被圧延材2の搬送速度とから、被圧延材2の位置をトラッキングする。具体的には、位置算出部92は、取得した条件から、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置、即ち、一対の水平ロール4及び一対の垂直ロール5で圧延されている被圧延材2の長手方向位置を算出する。

0029

そして、被圧延材2の長手方向位置のトラッキングと並行して、被圧延材2の圧延が先端側から順に行われる。この際、一対の入側ガイド3は、圧延が開始し、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置が、被圧延材2の先端から移動開始位置Lsとなるまでの間は、通常の仕上圧延と同様に一対の垂直ロール5に応じた位置に配される。例えば、一対の入側ガイド3は、一対の垂直ロール5のいずれか一方の側面と、この垂直ロール5側の入側ガイド3の内壁面とが搬送方向に平行な面一となるような位置に配される。

0030

次いで、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置が移動開始位置Lsになると、ガイド制御部93は、一対のアクチュエータ8を用いて、一対の入側ガイド3を左右方向に移動させる。この際、一対の入側ガイド3は、図6に示すように、長手方向位置に対して一対の入側ガイド3の左右方向位置が直線的に変化するよう、アクチュエータ8によって移動速度が調整される。なお、一対の入側ガイド3が移動する際には、一対の入側ガイド3間の距離は一定であるものとする。

0031

さらに、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置が移動終了位置Leになると、ガイド制御部93は、一対のアクチュエータ8による一対の入側ガイド3の移動を停止させる。なお、一対の入側ガイド3の左右方向への移動が完了した時点での、移動量ΔMは、予め設定されたものとなっている。
その後、一対の入側ガイド3が移動した位置にある状態で、被圧延材2の尾端までの圧延が終了することで、圧延工程が完了する。圧延工程では、圧延中に一対の入側ガイド3が移動し、被圧延材2の噛み込み姿勢を変えることで、曲がりが発生すると推定される形鋼の曲がりの内側がより延ばされる。このため、圧延後の形鋼の形状を、曲がりの少ない真っ直ぐな形状とすることができる。

0032

<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例または実施形態も網羅すると解すべきである。

0033

例えば、上記実施形態では、連続して圧延される最初の被圧延材2の圧延後の曲がりプロフィールから、曲がりプロフィールを推定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記実施形態のように一対の入側ガイド3を圧延中に移動させる圧延方法を適用した後、圧延した被圧延材2の曲がりプロフィールをさらに測定し、この測定結果から、連続して行われるその後の圧延において、一対の入側ガイド3の移動に関する条件を補正してもよい。さらに、例えば、同様な条件で過去に圧延された形鋼の曲がりプロフィールから、圧延される被圧延材2の曲がりプロフィールが推定されてもよい。同様な条件としては、粗圧延や中間圧延、仕上圧延における圧延条件、及び中間圧延後の被圧延材2の寸法や曲がり、温度といった被圧延材2の状態条件の少なくとも一方の条件が考慮されてもよい。この場合、連続して圧延される最初の被圧延材2や、バッチ式に圧延されるような被圧延材2についても適用することができる。

0034

また、上記実施形態では、推定される被圧延材2の圧延後の曲がりプロフィールに基づいて、一対の入側ガイド3の移動開始位置Ls、移動終了位置Le及び移動量ΔMを設定するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。移動開始位置Ls、移動終了位置Le及び移動量ΔMは、推定される曲がりプロフィールに加え、被圧延材2の断面形状及び鋼種の少なくとも一方に応じて設定されてもよい。この場合、断面形状や鋼種等に、曲がりプロフィールに応じて、移動開始位置Ls、移動終了位置Le及び移動量ΔMの設定値が定義されるテーブルを作成し、これに基づいて一対の入側ガイド3を制御するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、形鋼はH形鋼であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、形鋼は、同様に左右方向への曲がりが発生する、鋼矢板溝形鋼などの他の形状であってもよい。

0035

<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係る形鋼の圧延方法は、圧延機1で被圧延材2を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延方法であって、圧延機1で圧延される被圧延材2の長手方向位置における曲がり量δを示す曲がりプロフィールを推定する推定工程と、圧延機1で被圧延材2を圧延し、被圧延材2の長手方向の尾端側において、曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が圧延機1を通過する際に、圧延機1の入側にて被圧延材2の左右方向位置を拘束するガイド(例えば、一対の入側ガイド3)を左右方向に移動させることで、被圧延材2の左右方向位置を変化させる圧延工程とを備える。

0036

上記(1)の構成によれば、一般的な圧延機に設けられるガイドを、圧延中に移動させるだけの簡易な構成で形鋼の尾端側の曲がりの発生を抑制することができる。このため、特許文献1のように専用のガイドローラを設ける必要がなく、導入に掛かるコストが低減し、既存設備への適用が容易となる。また、上記(1)の構成によれば、推定される曲がりプロフィールに応じてガイドを移動させればよく、特許文献2のような複雑な圧延変形予測モデルを用いる必要がないため、形鋼の尾端側における曲がりを簡易に抑制することができる。また、特許文献2の圧延方法の場合、複雑なモデルで予測しガイドの設定を厳格にしても不十分なことが多い。これに対し、上記(1)の構成によれば、圧延中にガイドの位置をダイナミックに移動させるため、曲がりの実態に応じて、ガイドの位置を修正することができ、曲がりの抑制効果が大きくなる。このため、通材ラインの拘束力が弱い尾端側においても、ガイドを移動させることで、噛み込み姿勢を適正に拘束、あるいは矯正効果を加えることで、曲がりの小さな形鋼を製造することができる。

0037

(2)上記(1)の構成において、圧延工程では、被圧延材2の左右方向位置を変化させる際に、推定される曲がりプロフィール並びに、被圧延材2の断面形状及び鋼種の少なくとも一方に基づいて、ガイドの左右方向への移動量ΔM及び移動開始位置Lsが調整される。
上記(2)の構成によれば、断面形状や鋼種の違いを考慮することで、より高い精度で曲がりプロフィールを推定することができるため、曲がりの発生をより抑制することができる。

0038

(3)上記(1)または(2)の構成において、圧延機1による圧延では、形鋼の断面形状が同じである複数の被圧延材2を連続して圧延し、圧延機1で前に圧延される他の被圧延材2の曲がりプロフィールを測定し、曲がりプロフィールを推定する際には、測定される他の被圧延材2の曲がりプロフィールに基づいて推定する。
上記(3)の構成によれば、同じ断面形状の形鋼を連続して圧延する際に、前に圧延された形鋼の曲がりプロフィールを用いて、圧延される被圧延材の曲がりプロフィールを推定する。ここで、圧延機1の一対の水平ロール4や一対の垂直ロール5のロールセットが同じ条件で、同じ断面形状の形鋼を圧延する場合、連続して圧延される形鋼の曲がりプロフィールは同様な傾向を示す。このため、上記(3)の構成とすることで、より高い精度で曲がりプロフィールを推定することができるため、曲がりの発生をより抑制することができる。

0039

(4)本発明の一態様に係る形鋼の圧延機1は、被圧延材2を圧延することで形鋼を製造する形鋼の圧延機1であって、被圧延材2を圧延する複数のロール(例えば、一対の水平ロール4及び一対の垂直ロール5)と、圧延機1の入側にて被圧延材2の左右方向位置を拘束するガイド(例えば、一対の入側ガイド3)と、ガイドの左右方向への移動を制御する制御装置9とを備え、制御装置9は、複数のロールで圧延される被圧延材2の長手方向位置における曲がり量δを示す曲がりプロフィールを推定する曲がり推定部91と、被圧延材2の長手方向の尾端側において、曲がりプロフィールから曲がりの発生が推定される領域が複数のロールを通過する際に、ガイドを左右方向に移動させることで、被圧延材2の左右方向位置を変化させるガイド制御部93とを有する。
上記(4)の構成によれば、上記(1)と同様な効果を得ることができる。

0040

次に、本発明者らが行った実施例について説明する。実施例では、ウェブ高さが1000mmのH形鋼の仕上圧延において、上記実施形態に係る圧延方法を適用した。実施例では、中間圧延後及び製品の断面形状が同じ形鋼を連続で2回圧延することで2本の形鋼を製造した。このうち、最初の形鋼の圧延では、従来のように、一対の入側ガイド3を圧延中に移動させずに圧延を行った(この最初の圧延を比較例とする)。2回目の形鋼の圧延では、最初の圧延した形鋼を測定して得られる曲がりプロフィールを用いて、上記実施形態と同様に圧延中に一対の入側ガイド3を移動させて圧延を行った。実施例及び比較例では、仕上圧延後のH形鋼の長手方向の全長は45mであり、これを長手方向に5分割することで9m長さの製品を5本製造した。そして、分割した製品のうち、最尾端側となる製品について全体曲がり量を測定した。

0041

実施例及び比較例における曲がりプロフィールを図7に示す。実施例では、比較例における曲がりプロフィールに応じて、移動開始位置Lsを尾端から10mの位置、移動終了位置Leを尾端から5mの位置、及び移動量ΔMを30.0mmとした。図7に示すように、比較例に比べ実施例では、曲がり量δが大きく低減し、略真っ直ぐな形状となることが確認できた。図8に、比較例及び実施例における全体曲がり量を示す。本製品の曲がり公差(全体曲がり量の公差)は、製品長(9m)の1/1500(=6mm)以下であることが好ましいため、比較例ではプレス矯正処理が必要となった。一方、実施例では、全体曲がり量が公差内となり、プレス矯正処理を行う必要がないことが確認された。

実施例

0042

さらに、本発明者らは、ウェブ高さ寸法が、250mmから1000mmまでの他の形状のH形鋼についても、上記実施形態に係る圧延方法を適用した結果、同様の効果を確認した。
以上のことから、本発明によれば、形鋼の尾端側における曲がりを簡易且つ廉価に抑制することができることが確認された。

0043

1圧延機
2被圧延材
21ウェブ
22フランジ
2aH形鋼
3入側ガイド
4水平ロール
5垂直ロール
6 第1位置検出センサ
7 第2位置検出センサ
8アクチュエータ
9制御装置
91 曲がり推定部
92位置算出部
93ガイド制御部

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