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技術 二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 藤田己思人綛田哲也宇田津満北村英夫
出願日 2016年6月30日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-130780
公開日 2018年1月11日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-001086
状態 特許登録済
技術分野 炭素・炭素化合物 吸収による気体分離 廃ガス処理
主要キーワード 放出ステップ 超音波計測器 pH計 凝縮水ポンプ 凝縮水流路 稼働後 洗浄液ポンプ 液冷却器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減可能な二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法を提供する。

解決手段

一の実施形態による二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとアミン化合物を含有する吸収液を接触させる第1接触部を有し、前記第1接触部で前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出する吸収塔を備える。さらに、前記システムは、前記吸収塔の前記第1接触部から放出された前記燃焼排ガスと洗浄液を接触させる第2接触部を有し、前記第2接触部の上流側に前記燃焼排ガスと前記洗浄液がそれぞれ供給されるように構成された洗浄装置を備える。

概要

背景

火力発電所等において、燃焼排ガスアミン吸収液と接触させ、燃焼排ガスから二酸化炭素を分離・回収し、この回収された二酸化炭素を大気中に放出することなく貯蔵する方法が研究されている。

具体的には、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)を排出する吸収塔と、吸収塔から排出されたリッチ液を加熱し、リッチ液から二酸化炭素ガスを放出させると共に、吸収液を再生する再生塔と、を備える二酸化炭素回収システムが知られている。再生塔には、再生塔に熱源を供給するリボイラが連結されている。再生塔にて再生された吸収液(リーン液)は吸収塔に供給され、このシステム内で吸収液が循環するようになっている。

概要

大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減可能な二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法を提供する。一の実施形態による二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとアミン化合物を含有する吸収液を接触させる第1接触部を有し、前記第1接触部で前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出する吸収塔を備える。さらに、前記システムは、前記吸収塔の前記第1接触部から放出された前記燃焼排ガスと洗浄液を接触させる第2接触部を有し、前記第2接触部の上流側に前記燃焼排ガスと前記洗浄液がそれぞれ供給されるように構成された洗浄装置を備える。

目的

本発明に係る各実施形態は、大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減可能な二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

二酸化炭素を含有する燃焼排ガスアミン化合物を含有する吸収液を接触させる第1接触部を有し、前記第1接触部で前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出する吸収塔と、前記吸収塔の前記第1接触部から放出された前記燃焼排ガスと洗浄液を接触させる第2接触部を有し、前記第2接触部の上流側に前記燃焼排ガスと前記洗浄液がそれぞれ供給されるように構成された洗浄装置と、を備える二酸化炭素回収システム

請求項2

前記第2接触部の下流側にデミスタをさらに備える、請求項1に記載の二酸化炭素回収システム。

請求項3

前記デミスタは、水平面への投影位置が前記第2接触部の水平面への投影位置と重ならない位置に設けられている、請求項2に記載の二酸化炭素回収システム。

請求項4

前記洗浄装置で使用する前記洗浄液のpHを調節するpH調節部と、前記pH調節部を制御することで、前記pHを所定値に制御する制御装置と、をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収システム。

請求項5

前記吸収塔から前記洗浄装置に前記燃焼排ガスを搬送する配管は、第1配管径を有する第1配管部と、前記第1配管部の下流側に設けられ前記第1配管径よりも小さい第2配管径を有する第2配管部とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収システム。

請求項6

前記第2配管部は、前記配管の屈曲部分を含む、請求項5に記載の二酸化炭素回収システム。

請求項7

二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとアミン化合物を含有する吸収液とを接触させて、前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出し、放出された前記燃焼排ガスと洗浄液とを略同じ方向に並流させて接触させ前記燃焼排ガスを洗浄する、ことを備える排ガス処理方法

技術分野

0001

本発明の実施形態は、二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法に関する。

背景技術

0002

火力発電所等において、燃焼排ガスアミン吸収液と接触させ、燃焼排ガスから二酸化炭素を分離・回収し、この回収された二酸化炭素を大気中に放出することなく貯蔵する方法が研究されている。

0003

具体的には、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させ、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)を排出する吸収塔と、吸収塔から排出されたリッチ液を加熱し、リッチ液から二酸化炭素ガスを放出させると共に、吸収液を再生する再生塔と、を備える二酸化炭素回収システムが知られている。再生塔には、再生塔に熱源を供給するリボイラが連結されている。再生塔にて再生された吸収液(リーン液)は吸収塔に供給され、このシステム内で吸収液が循環するようになっている。

先行技術

0004

特開2004−323339号公報
特表2012−503541号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、このような従来の二酸化炭素回収システムでは、燃焼排ガスが吸収塔から放出される際に、燃焼排ガスと共に吸収液中アミン化合物アミノ基含有化合物)が大気中に飛散することが問題となる。一般に、火力発電所等からの燃焼排ガスの放出量は多量であるため、二酸化炭素回収システムが処理すべき燃焼排ガスの量や、燃焼排ガスに同伴して放出されるアミン化合物の放出量が多量になり、吸収塔から放出される燃焼排ガス中のアミン化合物の濃度が高くなる。

0006

そこで、本発明に係る各実施形態は、大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減可能な二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

一の実施形態による二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとアミン化合物を含有する吸収液を接触させる第1接触部を有し、前記第1接触部で前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出する吸収塔を備える。さらに、前記システムは、前記吸収塔の前記第1接触部から放出された前記燃焼排ガスと洗浄液を接触させる第2接触部を有し、前記第2接触部の上流側に前記燃焼排ガスと前記洗浄液がそれぞれ供給されるように構成された洗浄装置を備える。

0008

また、別の実施形態による排ガス処理方法は、燃焼排ガス放出ステップと、燃焼排ガス洗浄ステップとを備える。前記燃焼排ガス放出ステップは、二酸化炭素を含有する燃焼排ガスとアミン化合物を含有する吸収液とを接触させて、前記燃焼排ガス中の少なくとも一部の前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させて前記燃焼排ガスを放出放出するステップである。前記燃焼排ガス洗浄ステップは、前記燃焼排ガス放出ステップにおいて放出された前記燃焼排ガスと洗浄液とを略同じ方向に並流させて接触させ前記燃焼排ガスを洗浄するステップである。

発明の効果

0009

本発明に係る各実施形態によれば、大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減可能な二酸化炭素回収システムおよび排ガス処理方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

第1実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第1実施形態の洗浄装置の利点を説明するための模式図である。
第2実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第3実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第4実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第4実施形態の変形例の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第5実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第6実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。
第7実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

実施例

0011

以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1図9において、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

0012

(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0013

図1の二酸化炭素回収システムは、吸収塔11と、吸収液ポンプ12と、熱交換器13と、再生塔14と、リボイラ15と、吸収液冷却器16と、混合ガス冷却器17と、気液分離器18と、凝縮水流路19と、凝縮水ポンプ20と、洗浄装置21と、洗浄液流路22と、洗浄液ポンプ23と、洗浄液冷却器24と、制御装置25とを備えている。

0014

吸収塔11は、気液接触部11aと、分散器11bと、液溜め部11cと、デミスタ11dとを備えている。気液接触部11aは、第1接触部の例である。

0015

再生塔14は、下部気液接触部14aと、下部分散器14bと、液溜め部14cと、下部デミスタ14dと、上部気液接触部14eと、上部分散器14fと、上部デミスタ14gとを備えている。

0016

洗浄装置21は、気液接触部21aと、分散器21bと、液溜め部21cと、デミスタ21dとを備えている。気液接触部21aは、第2接触部の例である。

0017

吸収塔11は、二酸化炭素を含有する燃焼排ガス1の導入口を気液接触部11aの下方に有しており、アミン化合物を含有する吸収液2の導入口を気液接触部11aの上方に有している。吸収塔11は、燃焼排ガス1と吸収液2とを気液接触部11a内で接触させることで、燃焼排ガス1中の二酸化炭素を吸収液2に吸収させる。具体的には、分散器11bから分散落下する吸収液2が、気液接触部11a内を上昇する燃焼排ガス1と接触することで、吸収液2に二酸化炭素が吸収される。

0018

二酸化炭素を吸収した吸収液2は、液溜め部11cに溜まり、吸収塔11の底部からリッチ液2aとして排出される。一方、二酸化炭素が除去された燃焼排ガス1は、デミスタ11dに流入する。デミスタ11dは、燃焼排ガス1に同伴するアミン化合物のミスト捕捉するために設けられている。デミスタ11dを通過した燃焼排ガス1は、吸収塔11の頂部からCO2除去済み排ガス3として放出される。

0019

吸収塔11から排出された吸収液2(リッチ液2a)は、吸収液ポンプ12により熱交換器13を介して移送され、再生塔14内に導入される。

0020

再生塔14は、吸収液2の導入口を下部気液接触部14aの上方に有している。再生塔14に導入された吸収液2は、下部分散器14bから下部気液接触部14aへと分散落下し、下部気液接触部14a内で二酸化炭素を放出する。下部気液接触部14aを通過した吸収液14は、液溜め部14cに溜まり、再生塔14の底部からリーン液2bとして排出される。

0021

再生塔14から排出された吸収液2の一部は、リボイラ15へと供給される。リボイラ15は、吸収液2を加熱することで、吸収液2から二酸化炭素と蒸気を放出させる。これらのガスは、再び再生塔14に供給される。そして、下部分散器14bから分散落下する吸収液2が、これらのガスの熱により下部気液接触部14a内で加熱されることで、上述のように吸収液2から二酸化炭素が放出される。

0022

吸収液2から放出された二酸化炭素と蒸気は、下部デミスタ14dに流入する。下部デミスタ14dは、これらのガスに同伴するアミン化合物のミストを捕捉するために設けられている。下部デミスタ14dを通過したこれらのガスは、上部気液接触部14e、上部分散器14f、および上部デミスタ14gを通過した後、再生塔14の頂部から混合ガス4として放出される。上部デミスタ14gの役割は、下部デミスタ14dと同様である。

0023

再生塔14から排出された吸収液2(リーン液2b)は、熱交換器13と吸収液冷却器16とを介して移送され、吸収塔11内に導入される。この際、熱交換器13は、リッチ液2aとリーン液2bとの間の熱交換により、リッチ液2aを加熱し、リーン液2bを冷却する。リーン液2bはさらに、吸収液冷却器16により冷却される。

0024

一方、再生塔14から放出された混合ガス4は、混合ガス冷却器17に流入する。混合ガス冷却器17は、混合ガス4を冷却し、混合ガス4中の蒸気を水に戻す。そして、気液分離器18は、二酸化炭素ガスと水とを分離し、分離された二酸化炭素ガス(回収CO2ガス5)を外部に放出する。一方、分離された水(凝縮水6)は、凝縮水ポンプ19により凝縮水流路20を介して再生塔14へと戻される。凝縮水6は、上部分散器14fから上部気液接触部14eへと分散落下し、上部気液接触部14e内で下部気液接触部14aからのガスを洗浄するために使用される。

0025

また、吸収塔11から放出されたCO2除去済み排ガス3(以下単に「排ガス3」とも表記する)は、洗浄装置21に流入する。洗浄装置21は、排ガス3の導入口と洗浄液7の導入口とを気液接触部21aの上流側(上方)にそれぞれ有している。洗浄液7の例は、水(例えば純水)である。

0026

洗浄装置21は、排ガス3と洗浄液7とを気液接触部21a内で接触させることで、排ガス3を洗浄液7により洗浄する。具体的には、分散器21bから分散落下する洗浄液7が、気液接触部21a内を下降する排ガス3と接触することで、洗浄液7により排ガス3が洗浄される。このように、洗浄装置21は、排ガス3と洗浄液7とを気液接触部21aの上部から下部への並流により接触させる。すなわち、洗浄装置21の特に気液接触部21a内において、全体として、排ガス3および洗浄液7はその移動方向が略同じ方向になるように流れ、このようにして排ガス3および洗浄液7は並流しながら接触する。

0027

気液接触部21aを通過した洗浄液7は、液溜め部21cに溜まり、洗浄装置21の底部から洗浄液流路22へと排出される。この洗浄液7は、洗浄液ポンプ23により移送され、洗浄液冷却器24により冷却され、洗浄液7の導入口から洗浄装置21内に再び導入される。

0028

一方、気液接触部21aを通過した排ガス3は、洗浄装置21の底部付近に設けられたデミスタ21dに流入する。デミスタ21dは、排ガス3に同伴するアミン化合物のミストを捕捉するためのものであり、気液接触部21aの下流側に設けられている。デミスタ21dを通過した排ガス3は、洗浄済み排ガス8として外部に放出される。

0029

本実施形態のデミスタ21dは、上方から見たときに気液接触部21aと重ならない位置に設置されることが好ましい。すなわち、デミスタ21dは、水平面への投影位置が気液接触部21aの水平面への投影位置と重ならない位置に設置されることが好ましい。このようにデミスタ21dを配置すると、気液接触部21aから落下する洗浄液7が、デミスタ21dに直接的にぶつからないようにすることができる。

0030

なお、デミスタ21dは、洗浄装置21の一部を構成していてもよいし、洗浄装置21とは分離されていてもよい。後者の場合、デミスタ21dは例えば、図1に示すように、洗浄済み排ガス8を排出するために洗浄装置21本体から突出する管台に設けたり、または洗浄装置21本体に接続されて洗浄済み排ガス8を搬送する配管などに設けることができる。

0031

制御装置25は、二酸化炭素回収システムの種々の動作を制御する。制御装置25の例は、プロセッサコンピュータである。制御装置25は例えば、吸収液ポンプ12、凝縮水ポンプ20、洗浄液ポンプ23の回転数や、吸収液冷却器16、洗浄液冷却器24の冷却動作や、リボイラ15の加熱動作などを制御する。

0032

吸収液2が含有するアミン化合物の例としては、次のものが挙げられる。例えば、モノエタノールアミン2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどの「アルコール性水酸基含有1級アミン類」、ジエタノールアミン、2−メチルアミノエタノールなどの「アルコール性水酸基含有2級アミン類」、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンなどの「アルコール性水酸基含有3級アミン類」が挙げられる。さらには、エチレンジアミントリエチレンジアミンジエチレントリアミンなどの「ポリエチレンポリアミン類」、ピペラジン類ピペリジン類ピロリジン類などの「環状アミン類」、キシリレンジアミンなどの「ポリアミン類」、メチルアミノカルボン酸などの「アミノ酸類」が挙げられる。さらには、これらのアミン化合物のうちの少なくともいずれかを含有する混合物が挙げられる。

0033

また、吸収液2の例としては、このようなアミン化合物を10〜70重量%含有する水溶液が挙げられる。また、吸収液2は、二酸化炭素吸収促進剤や、腐食防止剤や、その他の媒体(例えば、メタノールポリエチレングリコールスルフォランなど)を含有していてもよい。

0034

(1)吸収塔11の気液接触部11a
吸収塔11において、燃焼排ガス1は気液接触部11a内を上昇し、吸収液2は気液接触部11a内を下降する。このように、吸収塔11は、燃焼排ガス1と吸収液2とを気液接触部11a内での対向流により接触させる。

0035

燃焼排ガス1は気液接触部11aの下部から上部へと上昇するため、気液接触部11aの上部では、燃焼排ガス1中のCO2濃度が低い。よって、上部では、燃焼排ガス1を、CO2吸収力が大きい(ドライビングフォースが大きい)吸収液2と接触させることが望ましい。すなわち、上部では、CO2濃度が低い吸収液2により、燃焼排ガス1からCO2を除去することが望ましい。

0036

一方、気液接触部11aの下部では、燃焼排ガス1中のCO2濃度が高い。よって、下部では、CO2吸収力が小さい(ドライビングフォースが小さい)吸収液2でも十分にCO2を吸収することができる。すなわち、下部では、CO2濃度が高い吸収液2でも、燃焼排ガス1から十分にCO2を除去することができる。

0037

よって、吸収塔11が燃焼排ガス1と吸収液2とを対向流により接触させることは合理的である。理由は、気液接触部11aの上部では吸収液2中のCO2濃度が低く、気液接触部11aの下部では吸収液2中のCO2濃度が高いからである。すなわち、上部の吸収液2はCO2吸収力が大きく、下部の吸収液2はCO2吸収力が小さい。

0038

(2)洗浄装置21の気液接触部21a
図2は、第1実施形態の洗浄装置21の利点を説明するための模式図である。

0039

図2(a)は、第1実施形態の比較例の洗浄装置21を示している。図2(b)は、この洗浄装置21内の気液接触部21aの上面S付近の様子を示している。この洗浄装置21は、図1の洗浄装置21とは異なり、CO2除去済み排ガス3と洗浄液7とを対向流により接触させる(図2(a))。

0040

排ガス3に同伴するアミン化合物は大まかに、ベーパー状のアミンと、ミスト状のアミンとに分類される。検証の結果、排ガス3と洗浄液7とを対向流により接触させる場合には、気液接触部21aの上面S付近でアミン化合物のミストMが発生しやすいことが判明した(図2(b))。そのため、この比較例では、排ガス3中のアミン化合物を極低濃度まで低減することが難しい。

0041

図2(c)は、図1と同様に、第1実施形態の洗浄装置21を示している。図2(d)は、この洗浄装置21内の気液接触部21aの上面S付近の様子を示している。この洗浄装置21は、CO2除去済み排ガス3と洗浄液7とを並流により接触させる(図2(c))。

0042

検証の結果、排ガス3と洗浄液7とを並流により接触させることで、ミストMの発生を抑制することが着想された(図2(d))。また、洗浄装置21では排ガス3中のアミン濃度が低く、洗浄装置21の上部と下部との間での洗浄液7中のアミン濃度の差異が小さいため、洗浄装置21内で洗浄液7のガス洗浄力(ドライビングフォース)は大きく変化しないことが確認された。よって、本実施形態によれば、ミストMの発生を抑制しつつ、洗浄液7により排ガス3を効果的に洗浄できることが分かった。

0043

なお、洗浄液7中のアミン濃度を管理値未満に維持するために、洗浄装置21に必要に応じて新しい洗浄液7をメークアップすることが望ましい。この場合、洗浄液7のメークアップ量とほぼ同量の洗浄液7を洗浄装置21から抜き出すことが望ましい。

0044

また、本実施形態の洗浄装置21は、排ガス3の出口付近にデミスタ21dを備えている。これにより、排ガス3と共に放出されるアミン化合物をさらに低減することが可能となる。本実施形態のデミスタ21dは、気液接触部21aから落下する洗浄液7を直接的にかぶらないように、気液接触部21aと上下方向に重ならない位置に設けられている。

0045

以上のように、本実施形態では、吸収塔11から放出され、アミン化合物を同伴する排ガス3を洗浄装置21に導入する。そして、本実施形態の洗浄装置21は、排ガス3と洗浄液7とを気液接触部21aの上部から下部への並流により接触させることで、排ガス3を洗浄液7により洗浄する。よって、本実施形態によれば、アミン化合物のミストの発生を抑制しつつ、洗浄液7により排ガス3を効果的に洗浄することで、大気中に放出されるアミン化合物の放出量を低減することが可能となる。

0046

(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0047

図3の二酸化炭素回収システムは、図1の構成要素に加え、プレ洗浄装置31と、プレ洗浄液流路32と、プレ洗浄液ポンプ33と、プレ洗浄液冷却器34とを備えている。また、プレ洗浄装置31は、気液接触部31aと、分散器31bと、液溜め部31cと、デミスタ31dとを備えている。

0048

プレ洗浄装置31は、吸収塔11内においてデミスタ11dの上方に設けられており、デミスタ11dを通過した燃焼排ガス1は、プレ洗浄装置31に流入する。プレ洗浄装置31は、燃焼排ガス1の導入口を気液接触部31aの下方に有しており、プレ洗浄液9の導入口を気液接触部31aの上方に有している。プレ洗浄液9の例は、水(例えば純水)である。

0049

プレ洗浄装置31は、燃焼排ガス1とプレ洗浄液9とを気液接触部31a内で接触させることで、燃焼排ガス1をプレ洗浄液9により洗浄(プレ洗浄)する。具体的には、分散器31bから分散落下するプレ洗浄液9が、気液接触部31a内を上昇する燃焼排ガス1と接触することで、プレ洗浄液9により燃焼排ガス1が洗浄される。このように、プレ洗浄装置31は、燃焼排ガス1とプレ洗浄液9とを気液接触部31a内での対向流により接触させる。

0050

気液接触部31aを通過したプレ洗浄液9は、液溜め部31cに溜まり、液溜め部31cからプレ洗浄液流路32へと排出される。このプレ洗浄液9は、プレ洗浄液ポンプ33により移送され、プレ洗浄液冷却器34により冷却され、プレ洗浄液9の導入口からプレ洗浄装置31内に再び導入される。

0051

一方、気液接触部31aを通過した燃焼排ガス1は、デミスタ31dに流入する。デミスタ31dは、燃焼排ガス1に同伴するアミン化合物のミストを捕捉するために設けられている。デミスタ31dを通過した燃焼排ガス1は、吸収塔11の頂部からCO2除去済み排ガス3として放出され、洗浄装置21に流入する。

0052

以上のように、本実施形態の燃焼排ガス1は、吸収塔11から洗浄装置21に放出される前に、プレ洗浄装置31によりプレ洗浄される。これにより、燃焼排ガス1に同伴するアミン化合物を洗浄装置21への導入前にある程度除去することが可能となり、洗浄装置21内の洗浄液7のアミン濃度の増加速度を抑制することが可能となる。

0053

プレ洗浄装置31内のプレ洗浄液9は、アミン濃度が比較的大きい。よって、プレ洗浄液9を例えばリーン液2b中に戻すことで、プレ洗浄液9中のアミン化合物を再利用してもよい。プレ洗浄液9は、プレ洗浄装置31からリーン液2b中に直接戻してもよいし、プレ洗浄装置31から前処理部を介してリーン液2b中に戻してもよい。前処理部では、プレ洗浄液9中のアミン濃度を高めるための処理を行う。

0054

なお、プレ洗浄装置31は、吸収塔11内に設置されていてもよいし、吸収塔11外に設置されていてもよい。本実施形態のプレ洗浄装置31は、燃焼排ガス1とプレ洗浄液9とを対向流により接触させるため、吸収塔11内に設置するのに適している。一方、吸収塔11外に設置されたプレ洗浄装置31の例については、第3実施形態で説明する。

0055

(第3実施形態)
図4は、第3実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0056

図4の二酸化炭素回収システムは、図1の構成要素に加え、プレ洗浄装置41と、プレ洗浄液流路42と、プレ洗浄液ポンプ43と、プレ洗浄液冷却器44とを備えている。また、プレ洗浄装置41は、気液接触部41aと、分散器41bと、液溜め部41cと、デミスタ41dとを備えている。

0057

吸収塔11から放出されたCO2除去済み排ガス3は、プレ洗浄装置41に流入する。プレ洗浄装置41は、排ガス3の導入口を気液接触部41aの側方に有しており、プレ洗浄液9の導入口を気液接触部41aの上方に有している。プレ洗浄液9の例は、水(例えば純水)である。

0058

プレ洗浄装置41は、排ガス3とプレ洗浄液9とを気液接触部41a内で接触させることで、排ガス3をプレ洗浄液9により洗浄(プレ洗浄)する。具体的には、分散器41bから分散落下するプレ洗浄液9が、気液接触部41a内を水平方向に移動する排ガス3と接触することで、プレ洗浄液9により排ガス3が洗浄される。このように、プレ洗浄装置41は、排ガス3とプレ洗浄液9とを気液接触部41a内での交差流により接触させる。

0059

気液接触部41aを通過したプレ洗浄液9は、液溜め部41cに溜まり、液溜め部41cからプレ洗浄液流路42へと排出される。このプレ洗浄液9は、プレ洗浄液ポンプ43により移送され、プレ洗浄液冷却器44により冷却され、プレ洗浄液9の導入口からプレ洗浄装置41内に再び導入される。

0060

一方、気液接触部41aを通過した排ガス3は、デミスタ41dに流入する。デミスタ41dは、排ガス3に同伴するアミン化合物のミストを捕捉するために設けられている。デミスタ41dを通過した排ガス3は、プレ洗浄装置41からプレ洗浄済み排ガス10として放出され、洗浄装置21に流入する。

0061

以上のように、本実施形態のCO2除去済み排ガス3は、吸収塔11から洗浄装置21に導入される前に、プレ洗浄装置41によりプレ洗浄される。これにより、排ガス3に同伴するアミン化合物を洗浄装置21への導入前にある程度除去することが可能となり、洗浄装置21内の洗浄液7のアミン濃度の増加速度を抑制することが可能となる。

0062

なお、プレ洗浄装置41は、洗浄装置21と同様に、対向流とは異なる接触方式を採用しているため、アミン化合物のミストの発生を抑制しつつ、排ガス3を効果的に洗浄することができる。よって、プレ洗浄装置41は、洗浄装置21の前段に配置する代わりに、洗浄装置21の後段に配置してもよい。この場合、洗浄装置21とプレ洗浄装置41はそれぞれ、「プレ洗浄装置」と「洗浄装置」と呼び換えてもよいし、「洗浄装置」と「ポスト洗浄装置」と呼び換えてもよい。

0063

(第4実施形態)
図5は、第4実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0064

図5の二酸化炭素回収システムは、図3の構成要素に加え、第1および第2配管部51a、51bを含む排ガス配管51を備えている。

0065

排ガス配管51は、吸収塔11から洗浄装置21にCO2除去済み排ガス3を搬送する配管である。第1配管部51aは、配管51の直径(内径)として、第1配管径を有している。第2配管部51bは、配管51の直径(内径)として、第1配管径よりも小さい第2配管径を有している。すなわち、第2配管部51bは、第1配管部51aよりも細く設定されている。

0066

本実施形態では、第2配管部51bが第1配管部51aよりも細いため、排ガス3が第1配管部51aから第2配管部51bに流入する際に、排ガス3の流速が増加する。排ガス3の流速が速くなると、排ガス3に同伴するアミン化合物のミストに作用する慣性力が大きくなる。そのため、ミストが排ガス3の流れに追従できなくなり、ミストが気液接触部21aやデミスタ21dで捕捉されやすくなる。

0067

気液接触部21aが対向流接触を採用する場合には、排ガス3の流速が速くなると、気液接触部21aの上面で発生するミストが増加することや(図2(b)を参照)、洗浄液7が逆流するフラッディングが発生することなどが懸念される。しかし、本実施形態の気液接触部21aは並流接触を採用しているため、これらの問題を抑制しつつ、排ガス3の流速を増加させることができる。なお、第2配管部51bの長さLは、排ガス3の流速を十分に安定させるために、第2配管径の5倍以上に設定することが望ましい。

0068

図6は、第4実施形態の変形例の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0069

一般に、吸収塔11の高さは40〜50mと高く設定されている。よって、排ガス配管51が吸収塔11の上方に延びていると、二酸化炭素回収システム全体の高さがさらに高くなってしまう。そのため、排ガス配管51は、吸収塔11の上方に延びる部分をできるだけ含まないことが望ましい。

0070

よって、図6の排ガス配管51は、水平方向に延びる部分を多く含んでいる(図5の排ガス配管51も同様)。その結果、第2配管部51bは、多くの場合、図6のように排ガス配管51の屈曲部分を含むことになる。

0071

なお、本実施形態では、排ガス配管51に第1および第2配管部51a、51bを設ける代わりに、排ガス配管51にバルブを設けてもよい。この場合、バルブの開度を調節することで、排ガスの流量を増加させることが可能となる。

0072

(第5実施形態)
図7は、第5実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0073

図7は、洗浄装置21内の気液接触部21aを構成する複数の充填物P1と、プレ洗浄装置31内の気液接触部31aを構成する複数の充填物P2とを示している。本実施形態では、各充填物P1のサイズが、各充填物P2のサイズよりも小さく設定されている。その結果、洗浄装置21内の充填物P1の単位体積当たりの表面積は、プレ洗浄装置31内の充填物P2の単位体積当たりの表面積よりも大きくなっている。

0074

よって、洗浄装置21内の単位体積当たりの排ガス3と洗浄液7との接触面積は、プレ洗浄装置31内の単位体積当たりの排ガス1とプレ洗浄液9との接触面積よりも大きくなる。その結果、洗浄装置21内でのアミンの洗浄効率が、プレ洗浄装置31内でのアミンの洗浄効率よりも高くなる。

0075

ここで、気液接触部21aが対向流接触を採用する場合には、充填物P1の単位体積当たりの表面積が大きいと、洗浄液7のフラッディングが発生しやすくなる。そのため、この場合に充填物P1の単位体積当たりの表面積を大きくすることは好ましくない。

0076

しかし、本実施形態の気液接触部21aは並流接触を採用しているため、洗浄液7がフラッディングする可能性は小さい。よって、本実施形態によれば、洗浄液7のフラッディングを抑制しつつ、充填物P1の単位体積当たりの表面積を大きくすることができる。これにより、大気中へのアミン化合物の放出量をさらに低減することが可能となる。

0077

洗浄装置21内の気液接触部21aや、プレ洗浄装置31内の気液接触部31aは、複数の棚段を用いて構成してもよい。この場合、洗浄装置21内の棚段の1段当たりの高さは、プレ洗浄装置31内の棚段の1段当たりの高さよりも小さいことが望ましい。これにより、洗浄装置21内でのアミンの洗浄効率を、プレ洗浄装置31内でのアミンの洗浄効率よりも高くすることができる。

0078

なお、本実施形態の洗浄装置21やプレ洗浄装置31の構成は、第2、第3、第4、第6、および第7実施形態にも適用可能である(ただし、第3実施形態では、プレ洗浄装置31をプレ洗浄装置41に置き換える)。

0079

(第6実施形態)
図8は、第6実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0080

図8の二酸化炭素回収システムは、図3の構成要素に加え、排ガス用計測器61と、排ガス用調節部62と、洗浄液用計測器63と、洗浄液用調節部64と、プレ洗浄液用計測器65と、プレ洗浄液用調節部66とを備えている。

0081

排ガス用計測器61は、吸収塔11から洗浄装置21へと流れる排ガス3の物理量を計測するために設けられている。排ガス用調節部62は、吸収塔11から洗浄装置21へと流れる排ガス3の物理量を調節するために設けられている。このような物理量の例は、排ガス3の流量などである。

0082

洗浄液用計測器63は、洗浄液流路22を流れる洗浄液7の物理量を計測するために設けられている。洗浄液用調節部64は、洗浄液流路22を流れる洗浄液7の物理量を調節するために設けられている。このような物理量の例は、洗浄液7の流量、温度、pHなどである。

0083

プレ洗浄液用計測器65は、プレ洗浄液流路32を流れるプレ洗浄液9の物理量を計測するために設けられている。プレ洗浄液用調節部66は、プレ洗浄液流路32を流れるプレ洗浄液9の物理量を調節するために設けられている。このような物理量の例は、プレ洗浄液9の流量、温度、pHなどである。

0084

制御装置25は、排ガス用計測器61、洗浄液用計測器63、プレ洗浄液用計測器65により計測された物理量に基づき、排ガス用調節部62、洗浄液用調節部64、プレ洗浄液用調節部66やその他の装置を制御することができる。これにより、制御装置25は、排ガス3、洗浄液7、プレ洗浄液9の物理量を制御することができる。以下、このような制御の具体例について説明する。

0085

(1)第1具体例
本具体例の洗浄液用計測器63とプレ洗浄液用計測器65はそれぞれ、洗浄液7とプレ洗浄液9の流量を計測する。そして、制御装置25は、洗浄液7の流量(第1流量)がプレ洗浄液9の流量(第2流量)よりも大きくなるように、洗浄液ポンプ23とプレ洗浄液ポンプ33の回転数を制御する。

0086

上述のように、本実施形態の洗浄装置21の気液接触部21aは並流接触を採用しているため、洗浄液7がフラッディングする可能性は小さい。よって、洗浄装置21内を循環する洗浄液7の流量を大きくし、洗浄装置21の洗浄効率を高めることが可能となる。これにより、洗浄装置21の単位断面積あたりの洗浄液7の流量が大きくなるため、洗浄液7が排ガス3中のベーパーやミストを捕捉する作用は大きくなる。

0087

また、実験の結果、プレ洗浄装置31の気液接触部31aに滴下するプレ洗浄液9の流量を、気液接触部31aの表面を濡らす程度の極少量とすると、プレ洗浄装置31から放出される排ガス3中のミストが少なくなることが判明した。理由は、気液接触部31aの上面でのミスト発生が抑制されると共に、気液接触部31aに流入した燃焼排ガス1中のミストが気液接触部31a内で効率よく捕捉されるためと考えられる。

0088

ここで、本具体例のL/G比について説明する。L/G比は、プレ洗浄液9の質量流量を排ガス3の質量流量で割った値であり、プレ洗浄液用計測器65と排ガス用計測器61とで質量流量を計測することで算出可能である。本具体例の制御装置25は、L/G比を1以下、より詳細には、0.5以下に制御することが望ましい。このようなL/G比の例は、0.01〜0.1である。これにより、上述の実験のように、プレ洗浄装置31から放出される排ガス3中のミストを低減することが可能となる。

0089

(2)第2具体例
本具体例の洗浄液用計測器63とプレ洗浄液用計測器65はそれぞれ、洗浄液7とプレ洗浄液9の温度を計測する。そして、制御装置25は、洗浄液7の温度(第1温度)がプレ洗浄液9の温度(第2温度)よりも低くなるように、洗浄液冷却器24とプレ洗浄液冷却器34の冷却動作を制御する。

0090

洗浄液7の温度を下げる利点として、例えば2つの利点が考えられる。第1の利点は、洗浄液7中のアミンの蒸気圧が小さくなるため、排ガス3中のベーパーアミンに対する洗浄液7の捕捉力が高まることである。第2の利点は、排ガス3中のミストアミンに対する洗浄液7の捕捉力が高まることである。

0091

洗浄装置21に流入する排ガス3中の小粒径ミストは、気液接触部21aやデミスタ21dをすり抜けやすく、このミスト中のアミンが大気中に放出されるおそれがある。しかし、小粒径ミストが冷たい洗浄液7により冷却されると、小粒径ミストを核としてミストが大きく成長する。ミストが大きく成長すると、ミストが気液接触部21aやデミスタ21dで捕捉されやすくなる。よって、本実施形態によれば、洗浄液7の温度を下げることで、大気中に放出されるアミン量を低減することが可能となる。

0092

(3)第3具体例
本具体例の洗浄液用計測器63は、洗浄液7のpHを計測するpH計測器である。そして、制御装置25は、洗浄液7のpHが所定値になるように、洗浄液用調節部64の動作を制御する。具体的には、制御装置25は、洗浄液7のpHが8以下(より好ましくは7以下)になるように、洗浄液用調節部64から洗浄液7に酸を添加する。これにより、洗浄液7のガス洗浄力を高めることができる。酸の例は、硫酸硝酸リン酸酢酸ホウ酸などである。本具体例の洗浄液用調節部64は、pH調節部の例である。

0093

本実施形態の二酸化炭素回収システムでは、吸収塔11の後段に複数の洗浄装置21を直列に設けてもよい。この場合、より後段の洗浄装置21に流入する排ガス3中のアミン濃度は、より前段の洗浄装置21に流入する排ガス3中のアミン濃度よりも低くなる。そのため、後段の洗浄装置21は、前段の洗浄装置21に比べて洗浄効率が低くなる。例えば、最終段の洗浄装置21の洗浄効率は、一般的に最も低くなる。よって、後段の洗浄装置21の洗浄液7に酸を添加することで、後段の洗浄装置21の洗浄効率を高めることが望ましい。例えば、最終段の洗浄装置21の洗浄液7に酸を添加することが望まれる。

0094

ここで、洗浄装置21内の気液接触部21aが対向流接触を採用する場合には、アミンと同様に酸がミストとして大気中に放出されるおそれがある。しかし、本実施形態の洗浄装置21内の気液接触部21aは並流接触を採用しているため、酸がミストとして大気中に放出される可能性が低くなる。よって、本実施形態によれば、酸により洗浄液7のアミン洗浄力を増加させつつ、酸が大気中に放出されることを抑制することができる。

0095

本具体例の洗浄液7のpHの初期値は、2〜5程度である。この洗浄液7を使用開始後に酸を補充せずに使用し続けると、洗浄液7のpHはアミン化合物の影響で10〜11程度に増加し得る。この場合、洗浄液7のガス洗浄力は非常に低くなる。しかし、本具体例によれば、洗浄液7のpHを8以下(より好ましくは7以下)に調節することで、洗浄液7のガス洗浄力の低下を抑制することができる。

0096

なお、洗浄液用計測器63は、洗浄液7のpHを計測するpH計測器の代わりに、洗浄液7のpHを算出可能または評価可能な物理量を計測する計測器に置き換えてもよい。このような計測器の例は、超音波計測器赤外吸光計測器、密度計測器などである。この場合、制御装置25は、計測された物理量をpHに換算し、このpHに基づいて洗浄液用調節部64を制御してもよいし、その他の物理量に基づいて洗浄液用調節部64を制御してもよい。

0097

また、制御装置25は、第1から第3具体例と異なる方法で、洗浄液7やプレ洗浄液9の流量、温度、pHを制御してもよい。例えば、制御装置25は、洗浄液ポンプ23とプレ洗浄液ポンプ33の代わりに、洗浄液用調節部64とプレ洗浄液用調節部66とを制御して洗浄液7とプレ洗浄液9の流量を制御してもよい。同様に、洗浄装置25は、洗浄液冷却器24とプレ洗浄液冷却器34の代わりに、洗浄液用調節部64とプレ洗浄液用調節部66とを制御して洗浄液7やプレ洗浄液9の温度を制御してもよい。

0098

(第7実施形態)
図9は、第7実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す模式図である。

0099

図9の二酸化炭素回収システムは、図8の構成要素に加え、洗浄液再利用流路71と、洗浄液再利用バルブ72とを備えている。

0100

洗浄液再利用流路71は、洗浄装置21の液溜め部21cと、プレ洗浄装置31の液溜め部31cとを接続している。洗浄液再利用バルブ72は、洗浄液再利用流路71に設けられている。洗浄液再利用流路71は、洗浄装置21で使用された洗浄液7を、プレ洗浄液9として使用(再利用)するためにプレ洗浄装置31に供給することができる。洗浄液再利用バルブ72が開くと、液溜め部21c内の洗浄液7の少なくとも一部が、洗浄液再利用流路71を介して液溜め部31cに導入される。洗浄液再利用バルブ72の開閉は、例えば制御装置25により制御される。

0101

洗浄装置21内を循環する洗浄液7は、アミン化合物を吸収し蓄積するため、そのアミン濃度は時間と共に増加していく。洗浄液7中のアミン濃度が大きくなると、洗浄液7の洗浄効果が小さくなる。そのため、二酸化炭素回収システムの稼働後に、洗浄装置21に一定量の新しい洗浄液7をメークアップし、かつメークアップ量と同量の洗浄液7を洗浄装置21から抜き出すことで、洗浄液7中のアミン濃度をほぼ一定に制御することが考えられる。

0102

ここで、洗浄装置21内を循環する洗浄液7中のアミン濃度は一般に、プレ洗浄装置31内を循環するプレ洗浄液9中のアミン濃度よりも低い。そのため、洗浄装置21から抜き出された洗浄液7は、プレ洗浄装置31用のプレ洗浄液9として使用可能である。よって、本実施形態の二酸化炭素回収システムは、洗浄装置21から抜き出された洗浄液7を洗浄液再利用流路71によりプレ洗浄装置31に導入する。これにより、抜き出された洗浄液7を有効利用することが可能となる。

0103

また、プレ洗浄装置31内のプレ洗浄液9は、そのアミン濃度が比較的高い。よって、プレ洗浄液9を例えばリーン液2bに戻すことで、プレ洗浄液9中のアミン化合物を再利用してもよい。この場合、プレ洗浄液9は、プレ洗浄装置31からリーン液2bに直接戻してもよいし、プレ洗浄装置31から前処理部を介してリーン液2bに戻してもよい。前処理部では、プレ洗浄液9中のアミン濃度を高めるための処理を行う。なお、プレ洗浄液9をリーン液2bに戻す場合、二酸化炭素回収システムは、プレ洗浄装置31の液溜め部31cからリーン液2bの流路にプレ洗浄液9を移送する再利用流路と、この再利用流路に設けられた再利用バルブとを備えていてもよい。

0104

以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規なシステムおよび方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明したシステムおよび方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。

0105

1:燃焼排ガス、2:吸収液、2a:リッチ液、2b:リーン液、
3:CO2除去済み排ガス、4:混合ガス、5:回収CO2ガス、6:凝縮水、
7:洗浄液、8:洗浄済み排ガス、9:プレ洗浄液、10:プレ洗浄済み排ガス、
11:吸収塔、11a:気液接触部、11b:分散器、
11c:液溜め部、11d:デミスタ、12:吸収液ポンプ、
13:熱交換器、14:再生塔、14a:下部気液接触部、
14b:下部分散器、14c:液溜め部、14d:下部デミスタ、
14e:上部気液接触部、14f:上部分散器、14g:上部デミスタ、
15:リボイラ、16:吸収液冷却器、17:混合ガス冷却器、
18:気液分離器、19:凝縮水流路、20:凝縮水ポンプ、
21:洗浄装置、21a:気液接触部、21b:分散器、
21c:液溜め部、21d:デミスタ、22:洗浄液流路、
23:洗浄液ポンプ、24:洗浄液冷却器、25:制御装置、
31:プレ洗浄装置、31a:気液接触部、31b:分散器、
31c:液溜め部、31d:デミスタ、32:プレ洗浄液流路、
33:プレ洗浄液ポンプ、34:プレ洗浄液冷却器、
41:プレ洗浄装置、41a:気液接触部、41b:分散器、
41c:液溜め部、41d:デミスタ、42:プレ洗浄液流路、
43:プレ洗浄液ポンプ、44:プレ洗浄液冷却器、
51:排ガス配管、51a:第1配管部、51b:第2配管部、
61:排ガス用計測器、62:排ガス用調節部、
63:洗浄液用計測器、64:洗浄液用調節部、
65:プレ洗浄液用計測器、66:プレ洗浄液用調節部、
71:洗浄液再利用流路、72:洗浄液再利用バルブ

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