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技術 作業車両

出願人 井関農機株式会社
発明者 澤木拓人
出願日 2016年6月28日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-127571
公開日 2018年1月11日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-000018
状態 未査定
技術分野 農業機械一般(1)連結、尾輪、PTO等 農作業機用昇降装置
主要キーワード 作業頻度 減圧回路 トレンチャ CB側 略停止 リターンバルブ 左右片 複動式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (8)

課題

圃場における作業安定性を向上させること。

解決手段

作業車両1は、作業機4と、昇降部41、HCBと、制御部3bとを備える。作業機4は、機体2後部に設けられ、対地作業を行う。昇降部41、HCBは、作業機4を機体2に対して昇降させる。制御部3bは、作業機4を降下させる場合に基準高さで作業機4の降下速度を減少させる第1のモードと、対地作業を行う作業機4の地面に対する高さが一定になるように調節する第2のモードと、を昇降部41、HCBに対して実行させ、基準高さとしての第1の高さの上方に位置する作業機4に対して第2のモードを実行する場合、基準高さを第1の高さよりも上方に位置する第2の高さへ移動させる。

概要

背景

従来、機体後部に昇降可能に設けられた対地作業機を装着し、圃場などで所定の対地作業を行いながら走行する作業車両がある。このような作業車両としては、たとえば、対地作業機の下降速度を機体に対する基準高さで減少させるデセラ制御と、かかる作業機の対地作業高さを略一定に維持するデプス制御とを装備した農業用トラクタなどが知られている(たとえば、特許文献1参照)。

概要

圃場における作業安定性を向上させること。作業車両1は、作業機4と、昇降部41、HCBと、制御部3bとを備える。作業機4は、機体2後部に設けられ、対地作業を行う。昇降部41、HCBは、作業機4を機体2に対して昇降させる。制御部3bは、作業機4を降下させる場合に基準高さで作業機4の降下速度を減少させる第1のモードと、対地作業を行う作業機4の地面に対する高さが一定になるように調節する第2のモードと、を昇降部41、HCBに対して実行させ、基準高さとしての第1の高さの上方に位置する作業機4に対して第2のモードを実行する場合、基準高さを第1の高さよりも上方に位置する第2の高さへ移動させる。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圃場における作業安定性を向上させることができる作業車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

機体後部に設けられ、対地作業を行う作業機と、前記作業機を前記機体に対して昇降させる昇降部と、前記作業機を降下させる場合に基準高さで前記作業機の降下速度を減少させる第1のモードと、対地作業を行う前記作業機の高さが地面に対して一定になるように調節する第2のモードと、を前記昇降部に対して実行させる制御部とを備え、前記制御部は、前記基準高さとしての第1の高さの上方に位置する前記作業機に対して前記第2のモードを実行する場合、前記基準高さを前記第1の高さよりも上方に位置する第2の高さへ移動させることを特徴とする作業車両

請求項2

前記第2の高さは、前記作業機の昇降範囲における上限であることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。

請求項3

前記昇降部は、前記機体に所定の回転軸まわり回動可能に設けられ、前記作業機を昇降させるアームを有し、前記制御部は、前記アームの前記回転軸まわりの回動角度に基づいて前記作業機の高さを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。

請求項4

前記制御部は、前記基準高さが前記第2の高さへ移動した後に、前記作業機が前記第1の高さの下方において前記第2のモードを実行する場合、前記基準高さを前記第1の高さへ戻すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両。

請求項5

前記制御部は、前記基準高さが前記第2の高さへ移動した後に、前記制御部の電源が切られ、再開された場合、前記基準高さを前記第1の高さへ戻すことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両。

技術分野

0001

本発明は、作業車両に関する。

背景技術

0002

従来、機体後部に昇降可能に設けられた対地作業機を装着し、圃場などで所定の対地作業を行いながら走行する作業車両がある。このような作業車両としては、たとえば、対地作業機の下降速度を機体に対する基準高さで減少させるデセラ制御と、かかる作業機の対地作業高さを略一定に維持するデプス制御とを装備した農業用トラクタなどが知られている(たとえば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2005−176731号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の作業車両には、圃場における作業安定性を向上させるうえで更なる改善の余地がある。たとえば、従来の作業車両では、上記の基準高さが対地作業中の地面の高さの変化に追従していなかった。

0005

したがって、機体が圃場に沈み込むなどして対地作業中に作業車両に対する地面の高さが変化した場合、上記の基準高さを通過する前、すなわち減速する前に作業機が着地することによって作業車両の作業安定性が低下する可能性があった。

0006

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圃場における作業安定性を向上させることができる作業車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両は、機体(2)後部に設けられ、対地作業を行う作業機(4)と、前記作業機(4)を前記機体(2)に対して昇降させる昇降部(41、HCB)と、前記作業機(4)を降下させる場合に基準高さで前記作業機(4)の降下速度を減少させる第1のモードと、対地作業を行う前記作業機(4)の地面に対する高さが一定になるように調節する第2のモードと、を前記昇降部(41、HCB)に対して実行させる制御部(3b)とを備え、前記制御部(3b)は、前記基準高さとしての第1の高さの上方に位置する前記作業機(4)に対して前記第2のモードを実行する場合、前記基準高さを前記第1の高さよりも上方に位置する第2の高さへ移動させることを特徴とする。

0008

請求項2に記載の作業車両は、請求項1に記載の作業車両において、前記第2の高さは、前記作業機(4)の昇降範囲における上限であることを特徴とする。

0009

請求項3に記載の作業車両は、請求項1または2に記載の作業車両において、前記昇降部(41、HCB)は、前記機体(2)に所定の回転軸(AX1)まわりに回動可能に設けられ、前記作業機(4)を昇降させるアーム(43a)を有し、前記制御部(3b)は、前記アーム(43a)の前記回転軸(AX1)まわりの回動角度に基づいて前記作業機(4)の高さを検出することを特徴とする。

0010

請求項4に記載の作業車両は、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車両において、前記制御部(3b)は、前記基準高さが前記第2の高さへ移動した後に、前記作業機(4)が前記第1の高さの下方において前記第2のモードを実行する場合、前記基準高さを前記第1の高さへ戻すことを特徴とする。

0011

請求項5に記載の作業車両は、請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車両において、前記制御部(3b)は、前記基準高さが前記第2の高さへ移動した後に、前記制御部(3b)の電源が切られ、再開された場合、前記基準高さを前記第1の高さへ戻すことを特徴とする。

発明の効果

0012

請求項1に記載の作業車両によれば、作業機が第2のモードによって対地作業を行う高さよりも下方で、作業機の降下速度が減少する事態を回避することが可能となる。したがって、作業機が着地によって衝撃を受けることを抑制することによって、ハンチングを防止し、圃場における作業安定性を向上させることができる。

0013

請求項2に記載の作業車両によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、作業機の降下速度が減少する基準点を作業機の昇降範囲における上限に位置させるので、作業機の降下速度は、昇降範囲(降下範囲)の全行程において減少することとなる。これにより、作業機が、どのような高さで対地作業を行っていても作業機が着地によって衝撃を受けることを抑制することが可能となる。したがって、圃場における作業安定性をさらに向上させることができる。

0014

請求項3に記載の作業車両によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、第1のモードおよび第2のモードにおける作業機の高さを検出、設定するセンサを共通化することが可能となる。したがって、作業車両の構成を簡素化し、生産コストを低減することができる。

0015

請求項4に記載の作業車両によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、圃場に対する機体の沈み込み量連動させて第1のモードを実行することが可能となる。したがって、圃場における作業安定性をさらに向上させることができる。

0016

請求項5に記載の作業車両によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、作業者が電源の再開ごとに第1のモードにおける第1の高さを設定する煩わしい操作を回避することが可能となる。したがって、作業者の作業効率を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0017

図1は、作業車両としてのトラクタの概略側面図である。
図2は、トラクタの機能ブロック図である。
図3は、トラクタの動力伝達経路を示す線図である。
図4は、トラクタの油圧回路図である。
図5Aは、基準高さの移動方法を説明する図(その1)である。
図5Bは、基準高さの移動方法を説明する図(その2)である。
図6は、基準高さを変更する処理手順を示すフローチャートである。

実施例

0018

<作業車両の全体構成>
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、適宜組み合わせることができる。

0019

本発明の実施形態に係る作業車両としてのトラクタ1について図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る作業車両としてのトラクタ1の概略側面図である。図2は、トラクタ1の機能ブロック図である。図3は、トラクタ1の動力伝達経路を示す線図である。なお、説明をわかりやすくする観点から、図1では後輪52を透視して示している。

0020

また、以下では、説明の便宜上、図示のように互いに直交する3つの方向をそれぞれ前後方向、左右方向および上下方向とし、この定義に従い各部の構成を説明する。前後方向は、トラクタ1の長さ方向であり、左右方向は幅方向、上下方向は高さ方向である。このうち、前方は、対地作業時におけるトラクタ1の進行方向であり、左方は、前方に向かって左手方向(図1において紙面手前側)であり、右方は、前方に向かって右手方向(図1において紙面の奥側)であり、下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定めたものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。

0021

実施形態に係る作業車両としてのトラクタ1は、圃場等で作業を行う作業車両であり、図1に示すように、操舵用の車輪として設けられる前輪51と、駆動用の車輪として設けられる後輪52とを有した機体2と、走行制御部3(図2に示し、制御手段に相当)などを備えている。後輪52には、機体2前部のボンネット6内に搭載されるエンジン7で発生した動力が、主変速装置40(図3参照)及び副変速装置140(図3参照)で適宜減速して伝達可能になっている。後輪52は、エンジン7から伝達される動力によって駆動される。

0022

また、トラクタ1は、エンジン7で発生しかつ主変速装置40および副変速装置140で減速した動力を、前輪増速換機構172(図3参照)を介して、前輪51にも伝達可能になっている。前輪増速切換機構172が動力を伝達すると、エンジン7から伝達される動力によって前輪51および後輪52の四輪が駆動される。前輪増速切換機構172が動力の伝達を遮断すると、エンジン7から伝達される動力によって後輪52のみの二輪が駆動される。すなわち、トラクタ1は、二輪駆動四輪駆動との切り換えが可能になっている。また、トラクタ1の機体2後部には、作業機4を装着可能なPTO(Power Take-Off)連結装置8が配設されている。

0023

また、トラクタ1の機体2の中央部には、図1に示すように、運転者がトラクタ1を操縦する際に座る操縦席9が設けられ、操縦席9の前方には、前輪51の操舵に用いるステアリングハンドル10が配設される。ステアリングハンドル10は、ステアリングハンドル10を回転可能に支持するハンドルポスト11の上端側に配設される。また、ハンドルポスト11の下方側、即ち、操縦席9に運転者が座った場合における運転者の足元付近には、ペダル9a(クラッチペダルブレーキペダルアクセルペダルなど)が設置されている。

0024

また、機体2の後方には、シリンダケース41aが設けられる。シリンダケース41aの左右両側には、リフトアーム43aが、軸心が左右方向の軸AX1まわりに回動可能に設けられる。シリンダケース41a内のシリンダ41へ作動油が供給されると、リフトアーム43aが、軸AX1まわりに上昇回動し、シリンダ41から作動油が排出されると、軸AX1まわりに下降回動する。リフトアーム43aの基部には、リフトアーム43aの回転角度を検出するリフトアームセンサ4cが設けられる。作業機4の高さは、リフトアームセンサ4cの検出値に基づいて算出される。

0025

リフトアーム43aとロアリンク42とは、リフトロッド43bによって連結される。リフトロッド43bは、複動式水平制御油圧シリンダを含み、かかる水平制御用油圧シリンダの伸縮によって、作業機4の左右片方が上げ下げ操作され、不図示のストロークセンサによってシリンダ長さが検出される。また、トラクタ1の操縦席9の近傍には、傾斜センサ4aが設けられる。

0026

これにより、作業機4の傾斜制御量は、傾斜センサ4aの検出値と上記のストロークセンサの検出値との比較から算出される。作業機昇降制御部3b(図2参照)は、かかる算出された傾斜制御量に基づいて水平制御用油圧シリンダを駆動する。

0027

なお、本実施形態では、作業機4がロータリ耕耘機である場合を例にとって示している。作業機4としてのロータリ耕耘機は、耕耘爪45と、ロータリカバー46aと、リアカバー46bとを備える。耕耘爪45は、PTO軸8aから動力を受けて回転し、土壌耕起する。ロータリカバー46aは、耕耘爪45の上方を覆う。リアカバー46bは、ロータリカバー46aの後部に上下方向へ回転可能に設けられる。

0028

作業機昇降制御部3bは、耕深センサ4bの検出値に基づいてリフトアーム43aを回動することによって作業機4の高さを変更させ、耕深を設定された値に維持する。具体的には、作業機昇降制御部3bは、リアカバー46bが所定の位置よりも上方に持ち上がると、耕深が設定値よりも深いとして作業機4を上方へ移動させる。また、作業機昇降制御部3bは、リアカバー46bが所定の位置よりも下方に位置すると、耕深が設定値よりも浅いとして作業機4を下方へ移動させる。かかる作業機4の上下方向の移動は、リフトアーム43aの回転角度に基づいて実行される。以下では、このように耕深を設定された値に維持する作業機昇降制御部3bによる制御を、「デプス制御」と呼ぶことがある。

0029

また、トラクタ1は、作業機4が下降着地する場合に、作業機4が接地する際の衝撃が生じないように地面近くで作業機4の下降速度を減少させる、いわゆる「デセラ制御」を行う。図1には、作業機4が下降を開始するリフトアーム43aの軸AX1まわりの角度位置を上位置UP、作業機4が対地作業(耕耘)を行う角度位置の一例を下位置LPとして示している。また、図1には、リフトアーム43aの軸AX1まわりの角度位置において、作業機4の下降速度が減少する角度位置を、基準高さDP(デセラ位置)として示している。作業機4は、上位置UPから下降を開始した場合、基準高さDPにおいて下降速度を減少させ、下位置LPにおいて着地する。

0030

<基準高さの変更方法
トラクタ1が有する作業機昇降制御部3bは、対地作業中の作業機4の高さの変動に連動させて基準高さDPの高さを変更する。ここで、作業機昇降制御部3bによる基準高さDPの高さの変更方法の詳細について、図5Aおよび図5Bを用いて説明しておく。図5Aおよび図5Bは、基準高さDPの移動方法を説明する図(その1)および(その2)である。なお、図5Aおよび図5Bでは、説明をわかりやすくする観点から、リフトアーム43aを含む作業機4を模式的に示し、上位置UPから下位置LPまでの軸AX1までの角度範囲を実際よりも誇張して示している。また、図5Aでは、上位置UPおよび基準高さDPに位置する作業機4を点線で示し、図5Bでは、基準高さDP1に位置する作業機4を点線で示している。

0031

図5Aに示すように、作業機4は、軸AX1まわりに回動するリフトアーム43aに支持されて上位置UPから、地面SE1へ向けて下降を開始する(図5Aの矢印240参照)。作業機4は、基準高さDP1で下降速度を減少させ、下位置LP1で緩やかに地面SE1へ着地する。これにより、作業機4の地面SE1への着地の衝撃が生じる事態を回避することができる。

0032

ここで、たとえば、土質が柔らかい圃場などにおいてトラクタ1が圃場に沈みこんだ状態で対地作業を行う場合、地面が機体2に対して上方へ移動することとなる(図5Aの地面SE2参照)。このため、作業機4が基準高さDP1を通過する前に、すなわち減速する前に着地する可能性がある。なお、図5Aには、地面SE2と減速することなく衝突する可能性がある作業機4の部位を、部位BPとして斜線で示している。

0033

かかる場合、作業機4の着地の衝撃により機体2に揺れや衝撃が加わることによって、たとえば、デプス制御における作業機の高さ検出情報外乱入り込み、作業機がむやみに昇降動するハンチングなどが起こり、作業安定性が低下する可能性があった。また、耕耘爪45が回転した状態で、比較的に大きい速度で作業機4を着地させると、耕耘爪45の推進力になって、トラクタ1が、たとえば前方へ動くダッシングが起こる可能性もあった。

0034

そこで、本実施形態に係るトラクタ1では、デプス制御において、作業機4が基準高さDP1の上方に位置する場合、基準高さDPを基準高さDP1よりも上方へ移動させることとした(図5Bの矢印243、基準高さDP2参照)。これにより、作業機4を上位置UPから地面SE2へ向けて降下させても、作業機4は、基準高さDP2で減速するため、作業機4の地面SE2への着地の衝撃が生じる事態を回避することが可能となる。したがって、本実施形態に係るトラクタ1によれば、対地作業中の地面の高さの変化に追従させて作業機4が着地した場合の衝撃を回避し、圃場における作業安定性を向上させることができる。

0035

なお、基準高さDP1から基準高さDP2への変更は、たとえば、リフトアームセンサ4cによる検出値を、軸AX1まわりに所定角度図5Bの角度θ1参照)変更することとすればよい。これにより、簡便な処理で基準高さDPを変更することができる。

0036

また、基準高さDP2を上位置UPと一致させることとしてもよい。この場合、作業機4が、上位置UPから減速した状態で下降を開始することとなる。かかる減速は、作業機4の上位置UPからの降下速度を、基準高さDPが基準高さDP1に位置する場合の上位置UPからの降下速度よりも減少させることに相当する。したがって、対地作業中の地面の高さがどのように変化したとしても、かかる変化に追従させて作業機4が着地した場合の衝撃を回避し、圃場における作業安定性を向上させることができる。なお、上位置UPは、作業機4の昇降範囲における上限であることが好ましい。

0037

また、作業機4が基準高さDP1の上方に位置する場合、デセラ制御を行わず(すなわちオフする)、デセラ制御を行う場合よりも小さい速度で上位置UPから作業機4を降下させることとしてもよい。このようにしても、対地作業中の地面の高さがどのように変化したとしても、かかる変化に追従させて作業機4が着地した場合の衝撃を回避し、圃場における作業安定性を向上させることができる。

0038

なお、実施形態に係るトラクタ1では、リフトアームセンサ4cによって検出されたリフトアーム43aに基づいて、作業機4の高さを設定する。これにより、デプス制御およびデセラ制御における作業機4の高さを検出、設定するセンサをリフトアームセンサ4cとして共通化することが可能となる。したがって、トラクタ1の構成を簡素化し、生産コストを低減することができる。

0039

なお、基準高さDP1が基準高さDP2や上位置UPへ変更になったり、デセラ制御がオフになったりしたことを、作業者へ報知する報知部(不図示)を、たとえばステアリングハンドル10の周辺メータパネル31、操作パネル32などに設けることとしてもよい。これにより、作業者の作業性を向上させることができる。なお、上記の報知部は、後述するモバイル端末MTの表示部やスピーカなどであってもよい。

0040

また、実施形態に係るトラクタ1では、機体2の圃場への沈み込み量に応じて基準高さDPを変更前の高さ(すなわち基準高さDP1)へ戻すこととしてもよい。具体的には、図5Bにおいて、基準高さDPを基準高さDP2へ変更した後、機体2の圃場への沈み込み量が減少した場合(図5Bの地面SE3参照)、基準高さDPを基準高さDP1へ戻す。この場合、作業機4は、基準高さDP1では地面SE3に着地しない(図5Bに示す点線の作業機4参照)。これにより、地面に対して必要以上に上方から作業機4を減速させて降下する事態を回避し、作業効率を向上させることができる。なお、基準高さDP1を移動せずにデセラ制御をオフする場合では、機体2の圃場への沈み込み量が減少したならば、デセラ制御を再びオンにすればよい。この場合においても、上記の報知部において、基準高さDP2が基準高さDP1へ戻ったり、デセラ制御が再びオンになったりしたことを、作業者へ報知することが好ましい。

0041

なお、かかる基準高さDPの基準高さDP1からの変更やデセラ制御のオフの設定が保持される期間は、トラクタ1の電源が落とされるまでとすることが好ましい。すなわち、トラクタ1の始動の都度に、基準高さDPが基準高さDP1に設定されたり、デセラ制御がオンに設定されたりすることが好ましい。これにより、たとえば、基準高さDP1を作業頻度の高い圃場の状態に合わせて設定しておけば、作業者が作業の都度に基準高さDP1を設定する煩わしさを回避することが可能となり、作業性を向上させることができる。

0042

また、デセラ制御は、作業者によってオン/オフ可能に設けられることが好ましい。かかるオン/オフは、たとえば、操縦席9の近傍に設けられたデセラ制御オン/オフ切替スイッチ330(図1参照)によることがさらに好ましい。これにより、作業者の好みに応じて作業機4の降下状態を変更することが可能となり、利便性を向上させることができる。

0043

<動力伝達経路>
ところで、トラクタ1のエンジン7の動力は、図3に示すように、主変速装置40、前後進油圧クラッチ124および副変速装置140を介して後輪52に伝達される。また、トラクタ1のエンジン7の動力は、主変速装置40、前後進油圧クラッチ124、副変速装置140および前輪増速切換機構172を介して前輪51にも伝達される。

0044

主変速装置40は、図3に示すように、Hi−Lo変速機構60および主変速機構90を含み、Hi−Lo変速機構60は、さらに第1Hi−Lo変速機構61および第2Hi−Lo変速機構71を有し、主変速機構90は、第1主変速機構91および第2主変速機構101を有する。

0045

このうち、第1Hi−Lo変速機構61は、歯数が異なる第1Hi−Lo変速Lo側ギヤ63および第1Hi−Lo変速Hi側ギヤ64を有する。ギヤ63,64は、エンジン7から出力された動力が主変速装置40に入力される際における入力軸である主変速装置入力軸53に固着される主変速装置入力軸第1ギヤ54および主変速装置入力軸第2ギヤ55に噛み合っている。すなわち、第1Hi−Lo変速Lo側ギヤ63は主変速装置入力軸第1ギヤ54に噛み合っており、第1Hi−Lo変速Hi側ギヤ64は主変速装置入力軸第2ギヤ55に噛み合っている。

0046

また、第1Hi−Lo変速機構61は、第1Hi−Lo変速クラッチ62および第1Hi−Lo変速出力ギヤ65を有する。第1Hi−Lo変速クラッチ62は、第1Hi−Lo変速Lo側ギヤ63と第1Hi−Lo変速出力ギヤ65との断続を切り換えるクラッチと、第1Hi−Lo変速Hi側ギヤ64と第1Hi−Lo変速出力ギヤ65との断続を切り換えるクラッチとを有する。このため、第1Hi−Lo変速クラッチ62は、第1Hi−Lo変速Lo側ギヤ63と第1Hi−Lo変速Hi側ギヤ64とのうち、いずれか一方と第1Hi−Lo変速出力ギヤ65との間で、動力の伝達を可能にすることができる。さらに、第1Hi−Lo変速出力ギヤ65は、第1Hi−Lo変速機構61と第1主変速機構91との間で動力の伝達が可能な主変速機構第1中間軸81に固着される第1中間軸ギヤ82に噛み合う。

0047

同様に、第2Hi−Lo変速機構71は、歯数が異なる第2Hi−Lo変速Lo側ギヤ73と第2Hi−Lo変速Hi側ギヤ74とを有し、第2Hi−Lo変速Lo側ギヤ73は主変速装置入力軸第1ギヤ54に噛み合い、第2Hi−Lo変速Hi側ギヤ74は主変速装置入力軸第2ギヤ55に噛み合う。

0048

また、第2Hi−Lo変速機構71は、第2Hi−Lo変速クラッチ72および第2Hi−Lo変速出力ギヤ75を有する。第2Hi−Lo変速クラッチ72は、第2Hi−Lo変速Lo側ギヤ73と第2Hi−Lo変速出力ギヤ75との断続を切り換えるクラッチと、第2Hi−Lo変速Hi側ギヤ74と第2Hi−Lo変速出力ギヤ75との断続を切り換えるクラッチとを有する。このため、第2Hi−Lo変速クラッチ72は、第2Hi−Lo変速Lo側ギヤ73と第2Hi−Lo変速Hi側ギヤ74とのうち、いずれか一方と第2Hi−Lo変速出力ギヤ75との間で、動力の伝達を可能にすることができる。さらに、第2Hi−Lo変速出力ギヤ75は、第2Hi−Lo変速機構71と第2主変速機構101との間で動力の伝達が可能な主変速機構第2中間軸85に固着される第2中間軸ギヤ86に噛み合っている。

0049

ここで、第2Hi−Lo変速出力ギヤ75は、第1Hi−Lo変速出力ギヤ65とは歯数が異なっており、第2中間軸ギヤ86も、第1中間軸ギヤ82とは歯数が異なっている。このため、第2Hi−Lo変速出力ギヤ75と第2中間軸ギヤ86との間の変速比は、第1Hi−Lo変速出力ギヤ65と第1中間軸ギヤ82との間の変速比とは異なっている。

0050

主変速機構90は、主変速機構90の出力軸である主変速機構出力軸110に主変速機構出力軸第1ギヤ111と主変速機構出力軸第2ギヤ112とが固着しており、第1主変速機構91は、このうちの主変速機構出力軸第1ギヤ111と噛み合う第1主変速第1ギヤ93と、主変速機構出力軸第2ギヤ112と噛み合う第1主変速第2ギヤ94とを有する。

0051

さらに、第1主変速機構91は、主変速機構第1中間軸81から伝達された動力を、第1主変速第1ギヤ93と第1主変速第2ギヤ94とのうち、いずれか一方に伝達可能な第1主変速シフター92を有する。このため、主変速機構第1中間軸81から第1主変速機構91に伝達された動力は、第1主変速第1ギヤ93と主変速機構出力軸第1ギヤ111とを介する伝達経路、または、第1主変速第2ギヤ94と主変速機構出力軸第2ギヤ112とを介する伝達経路のいずれか一方から、主変速機構出力軸110に対して伝達することが可能になっている。

0052

同様に、第2主変速機構101は、主変速機構出力軸第1ギヤ111と噛み合う第2主変速第1ギヤ103と、主変速機構出力軸第2ギヤ112と噛み合う第2主変速第2ギヤ104と、第2主変速シフター102を有する。このため、主変速機構第2中間軸85から第2主変速機構101に伝達された動力は、第2主変速第1ギヤ103と主変速機構出力軸第1ギヤ111とを介する伝達経路、または、第2主変速第2ギヤ104と主変速機構出力軸第2ギヤ112とを介する伝達経路のいずれか一方から、主変速機構出力軸110に対して伝達することが可能になっている。

0053

なお、主変速機構90が有する各ギヤのうち、第1主変速第1ギヤ93と第1主変速第2ギヤ94、第2主変速第1ギヤ103と第2主変速第2ギヤ104、主変速機構出力軸第1ギヤ111と主変速機構出力軸第2ギヤ112は、それぞれ歯数が異なっている。このため、第1主変速第1ギヤ93と主変速機構出力軸第1ギヤ111との間の変速比と、第1主変速第2ギヤ94と主変速機構出力軸第2ギヤ112との間の変速比とは、異なっている。

0054

これらのように、エンジン7側から入力された動力を、第1Hi−Lo変速クラッチ62や第1主変速シフター92によって変速比を異ならせて出力側に伝達可能な主変速装置40は、動力の伝達経路を切り換えて変速比を切り換えることにより、8速の変速段を有している。すなわち、主変速装置40は、主変速装置入力軸第1ギヤ54、または主変速装置入力軸第2ギヤ55からの入力の切り換え(2速)、第1中間軸ギヤ82、または第2中間軸ギヤ86からの出力の切り換え(2速)、主変速機構出力軸第1ギヤ111、または主変速機構出力軸第2ギヤ112からの出力を切り換える(2速)ことができる。このため、主変速装置40は、2速×2速×2速=8速の変速段を有していることになる。この8速の変速段は、主変速装置入力軸53から主変速機構出力軸110までの減速比が大きい変速段から減速比が小さい変速段に向かって、1速〜8速が割り振られている。

0055

主変速装置40の出力軸である主変速機構出力軸110は、前後進油圧クラッチ124を含んだ前後進切換機構120の入力軸である前後進入力軸121に連結している。また、前後進入力軸121には、前後進入力第1ギヤ122と前後進入力第2ギヤ123とが固着しており、このうち、前後進入力第2ギヤ123は、前後進切換機構120が有するカウンタシャフト133に固着しているカウンタギヤ134と噛み合っている。

0056

また、前後進切換機構120は、前後進入力第1ギヤ122と噛み合う前後進出力第1ギヤ131と、カウンタギヤ134と噛み合う前後進出力第2ギヤ132とを有している。さらに、前後進切換機構120は、前後進出力第1ギヤ131や前後進出力第2ギヤ132に伝達された動力を、前後進出力第1ギヤ131、または前後進出力第2ギヤ132のいずれか一方から、前後進切換機構120の出力軸である前後進出力軸130に伝達可能な前後進油圧クラッチ124を有している。

0057

前後進油圧クラッチ124は、エンジン7から伝達されてくる動力による後輪52の前進、後進の切り換え、エンジン7から伝達されてくる動力の後輪52への伝達、遮断を行うためのものである。前後進油圧クラッチ124は、前後進出力第1ギヤ131と前後進出力軸130との断続を切り換えるクラッチと、前後進出力第2ギヤ132と前後進出力軸130との断続を切り換えるクラッチとを有しており、これにより、前後進出力軸130に接続するギヤを切り換えることが可能になっている。前後進油圧クラッチ124の前後進出力第1ギヤ131側のクラッチと、前後進出力第2ギヤ132側のクラッチは、作動油が供給されて動作する。

0058

ここで、前後進入力軸121から前後進出力軸130への動力の伝達経路では、前後進出力第1ギヤ131は、前後進入力第1ギヤ122と直接噛み合っているのに対し、前後進出力第2ギヤ132は、カウンタギヤ134を介して前後進入力第2ギヤ123と噛み合っている。このため、前後進出力第1ギヤ131と前後進出力第2ギヤ132とでは、回転方向が反対方向になる。これにより、前後進出力軸130への動力の伝達経路を、前後進油圧クラッチ124で切り換える際には、前後進出力第1ギヤ131側に切り換えた場合と、前後進出力第2ギヤ132側に切り換えた場合とで、前後進出力軸130に伝達される動力の回転方向は、互いに反対方向になる。

0059

前後進油圧クラッチ124は、前後進切換レバーが前進位置に操作されると前後進出力軸130への動力の伝達経路を前後進出力第1ギヤ131側すなわち前側に切り換えて、後輪52を前進方向に回転させる。前後進油圧クラッチ124は、前後進切換レバーが後進位置に操作されると前後進出力第2ギヤ132側すなわち後側に切り換えて、後輪52を後進方向に回転させる。また、前後進油圧クラッチ124は、クラッチペダルのペダル操作などに基いて、双方のクラッチが動力の伝達を遮断すると、エンジン7から伝達されてくる動力の後輪52への伝達の遮断を行い、エンジン7からの動力により後輪52が回転することを規制する。

0060

前後進切換機構120が有する前後進出力軸130は、副変速装置140の入力軸である副変速入力軸141に連結されており、副変速入力軸141には、互いに歯数が異なる副変速入力第1ギヤ142と副変速入力第2ギヤ143とが固着されている。

0061

副変速装置140は、副変速入力第1ギヤ142と噛み合う副変速第1ギヤ145と、副変速入力第2ギヤ143と噛み合う副変速第2ギヤ146とを有している。さらに、副変速装置140は、副変速第1ギヤ145や副変速第2ギヤ146に伝達された動力を、副変速第1ギヤ145、または副変速第2ギヤ146のいずれか一方から、副変速装置140の出力軸である副変速出力軸150に伝達可能な副変速第1シフター144を有している。また、副変速装置140は、前側のギヤと後側のギヤとで異なる歯数であるギヤに伝達された動力を、前側のギヤと後側のギヤとで異なる歯数であるギヤのいずれか一方から、副変速装置140の出力軸である副変速出力軸150に伝達可能な副変速第2シフター171を有している。

0062

ここで、副変速入力第1ギヤ142と副変速第1ギヤ145との間の変速比と、副変速入力第2ギヤ143と副変速第2ギヤ146との間の変速比は、互いに異なっている。このため、副変速出力軸150への動力の伝達経路を、副変速第1シフター144によって副変速第1ギヤ145側と副変速第2ギヤ146側とに切り換えた場合には、副変速入力軸141と副変速出力軸150との間の変速比が変化する。また、副変速第2シフター171によって前側のギヤと後側のギヤとに切り換えた場合には副変速入力軸141と副変速出力軸150との間の変速比が変化する。このように、副変速装置140は、変速比が異なる4速の変速段を有しており、切り換え可能になっている。

0063

副変速出力軸150には、副変速出力ギヤ151が固着しており、副変速出力ギヤ151は、後輪52用のデファレンシャルギヤである後輪デフ155と噛み合っている。この後輪デフ155は、後輪52に連結される後輪ドライブシャフト156に対して動力を伝達可能に構成されており、これにより、後輪52には、副変速装置140から出力された動力を伝達可能になっている。

0064

また、トラクタ1は、図3に示すように、エンジン7で発生した動力をPTO連結装置8のPTO軸8aに伝達するPTO出力機構160を備えている。このPTO出力機構160は、主変速装置入力軸53の主変速装置入力軸第2ギヤ55から動力を受けることが可能になっており、PTO軸8a側への動力の伝達と遮断とを切り換えるPTOクラッチ161と、PTO軸8aに動力を伝達する際に変速を行うPTO変速装置162とを有する。

0065

さらに、トラクタ1は、図3に示すように、エンジン7で発生した動力を前輪51側に伝達する前輪増速切換機構172を含んだ前輪側動力伝達機構170を備えている。この前輪側動力伝達機構170は、副変速装置140から動力を受けることが可能になっており、副変速装置140から受けた動力を前輪51側に伝達する際における回転速度の切り換えを行うとともに、前輪51側への動力の伝達と遮断とを切り換える前輪増速切換機構172を備えている。

0066

前輪増速切換機構172は、二輪駆動時即ち前輪51側への動力を遮断する際には、中立である。前輪増速切換機構172は、四輪駆動時即ち前輪51側への動力を伝達する際には、後側のクラッチを接続し、前輪増速時には前側のクラッチを接続する。

0067

また、前輪側動力伝達機構170には、前輪増速切換機構172の後側の出力側に配設される後輪側動力伝達ギヤ173の回転数および回転方向(後輪52の回転に応じた情報)を検出する車速センサ211(車速検出手段に相当)が設けられている。車速センサ211は、前輪側動力伝達機構170の前輪増速切換機構172から出力される出力軸部としての後輪側動力伝達ギヤ173の回転数及び回転方向を検出することで、後輪52の回転に応じた情報を検出する。本実施形態では、車速センサ211は、後輪52の回転に応じた情報を検出可能であれば、どこに配置されてもよく、また、どの部材の回転数及び回転方向を検出してもよい。

0068

また、前輪側動力伝達機構170の出力側に配設される前輪側動力伝達ギヤ180は、前輪51用のデファレンシャルギヤである前輪デフ181と噛み合っており、前輪デフ181は、前輪51に連結される前輪ドライブシャフト183に対して、垂直軸182等を介して動力を伝達可能に構成されている。これにより、前輪51には、前輪側動力伝達機構170から出力された動力の伝達が可能になっている。

0069

制御装置
走行制御部3は、図2に示すように、エンジン7などを制御するエンジン制御部3aと、PTO連結装置8に装着される作業機4を昇降する作業機昇降制御部3bと、メータパネル31および操作パネル32などと通信ユニット318を介して交互に交信可能に接続されている。なお、通信ユニット318は、たとえばCAN(Controller Area Network)などの通信ラインである。また、トラクタ1には、GPS(Global Positioning System)によってトラクタ1の位置情報を取得するGPS制御装置(不図示)が設けられる。GPS制御装置は、機体2の上方に設けられたGPSアンテナ317(図1参照)を介して所定の時間間隔GPS座標を取得することにより、地球上での位置情報を取得することができる。なお、上記のCANは、有線だけでなく無線通信を含むものとする。また、通信ユニット318は、タブレットPCやスマートフォンパーソナルコンピュータといったモバイル端末MTとも交信可能に設けられる。なお、本実施形態にかかるモバイル端末MTには、GPSMTaが内蔵されている。

0070

エンジン制御部3aは、エンジン排気温度エンジン回転数、エンジン潤滑オイルの圧力、エンジン7の冷却水の温度、燃料の送液圧アクセル操作量などに基づいてエンジン7のシリンダ内噴射するインジェクタを動作する信号を出力する。

0071

作業機昇降制御部3bには、耕深センサ4bの信号と、リフトアームセンサ4cの信号と、上げ位置規制ダイアル312の上げ位置規制信号と、下げ速度調整ダイアル313の降下速度設定信号がそれぞれ入力される。作業機昇降制御部3bは、作業機上昇ソレノイド314と作業機下降ソレノイド315に作業機昇降信号を出力しシリンダ41を作動する。

0072

走行制御部3は、主変速装置40、副変速装置140、前後進切換機構120、PTO出力機構160、前輪側動力伝達機構170を制御して、トラクタ1の走行を制御する。走行制御部3は、たとえば、ブレーキ踏込検知スイッチ25が作業者によるブレーキペダルのペダル操作を検出し、車速センサ211が副変速入力第1ギヤ142の回転を検出すると、機体2を停止または略停止するように前後進油圧クラッチ124の前側または後側のクラッチへの油圧を制御する。走行制御部3には、車速センサ211から機体2の走行速度、油温センサ320からミッションオイルの温度、ブレーキ踏込検知スイッチ25の検出結果などが入力される。

0073

走行制御部3には、前後進油圧クラッチ124における前後進出力第1ギヤ131側のクラッチの油圧を検出する前進クラッチ圧力センサ230aの検出結果が入力され、前後進油圧クラッチ124における前後進出力第2ギヤ132側のクラッチの油圧を制御するための後進クラッチ圧力センサが接続されて、かかる制御信号を出力する。

0074

走行制御部3には、クラッチ自動遮断設定スイッチ28からのオン、オフを示す情報と、主変速レバー操作位置を検出する主変速レバー位置センサ210からの検出結果と、副変速レバーの操作位置を検出する副変速位置センサ231からの検出結果と、前後進切換レバーの操作位置を検出する前後進レバー位置センサ27からの検出結果とが入力される。

0075

走行制御部3は、前後進油圧クラッチ124における前後進出力第1ギヤ131側のクラッチを作動させる前進切換ソレノイド261と、前後進出力第2ギヤ132側のクラッチを作動させる後進切換ソレノイド262と、前進と後進との切り換え時のショックを軽減するために前後進油圧クラッチ124の作動時における油圧を制御する前後進昇圧ソレノイド265と、が接続されて、これらの制御信号を出力する。

0076

また、走行制御部3は、第1主変速シフター92を、主変速機構第1中間軸81と第1主変速第1ギヤ93とが連結する側に作動させる第1主変速第1ソレノイド251と、主変速機構第1中間軸81と第1主変速第2ギヤ94とが連結する側に作動させる第1主変速第2ソレノイド252と、が接続されて、これらの制御信号を出力する。走行制御部3は、第2主変速シフター102を、主変速機構第2中間軸85と第2主変速第1ギヤ103とが連結する側に作動させる第2主変速第1ソレノイド255と、主変速機構第2中間軸85と第2主変速第2ギヤ104とが連結する側に作動させる第2主変速第2ソレノイド256と、が接続されて、これらの制御信号を出力する。

0077

また、走行制御部3は、第1Hi−Lo変速Lo側ギヤ63側のクラッチを作動させる第1Lo側ソレノイド242と、第1Hi−Lo変速クラッチ62における第1Hi−Lo変速Hi側ギヤ64側のクラッチを作動させる第1Hi側ソレノイド241と、が接続されて、これらの制御信号を出力する。走行制御部3は、第2Hi−Lo変速Lo側ギヤ73側のクラッチを作動させる第2Lo側ソレノイド246と、第2Hi−Lo変速クラッチ72における第2Hi−Lo変速Hi側ギヤ74側のクラッチを作動させる第2Hi側ソレノイド245と、が接続されて、これらの制御信号を出力する。

0078

また、走行制御部3は、前輪増速切換機構172を作動させる4WDソレノイド325および前輪増速ソレノイド326と、PTOクラッチ161を作動させるPTOクラッチソレノイド327とが接続されて、これらの制御信号を出力する。

0079

走行制御部3は、トラクタ1の制御を行う場合には、たとえば、主変速レバー位置センサ210等の検出結果に基づいて、処理部が上記コンピュータプログラムを、かかる処理部に組み込まれたメモリに読み込んで演算し、演算の結果に応じて第1Hi側ソレノイド241等のアクチュエータ類を制御することにより、トラクタ1の走行制御を行う。その際に処理部は、適宜記憶部へ演算途中の数値を格納し、また格納した数値を取り出して演算を実行する。

0080

<作業車両の油圧回路>
つづいて、トラクタ1の油圧回路について図4を用いて説明する。図4は、トラクタ1の油圧回路図である。トラクタ1は、油圧回路HCAおよび油圧回路HCBを有する。油圧回路HCAおよび油圧回路HCBは、エンジン7によって駆動されるポンプPMによって、ミッションケース内タンクポートTとして潤滑油を用いて油圧供給する。

0081

図4に示すように、油圧回路HCAは、第1主変速バルブ190と、第2主変速バルブ191と、リバーサバルブ192とを備える。第1主変速バルブ190は、第1Hi−Lo変速クラッチ62や第1主変速シフター92を切り替える。第2主変速バルブ191は、第2Hi−Lo変速クラッチ72や第2主変速シフター102を切り替える。リバーサバルブ192は、前後進油圧クラッチ124を切り替える。

0082

<作業機の昇降にかかる油圧回路>
また、図4に示すように、油圧回路HCBにはシリンダ41が接続され、油圧回路HCB中の油の流れを変更することによって、シリンダ41が伸縮し、作業機4を昇降させる。すなわち、油圧回路HCBおよびシリンダ41は、作業機4を機体2に対して昇降させる昇降部である。図4に示すように、油圧回路HCBは、作業機上昇ソレノイド314と、作業機下降ソレノイド315と、下降パイロットバルブ413と、下降メインバルブ414と、上昇メインバルブ415と、上昇パイロットバルブ417と、チェックバルブ418とを備える。

0083

油圧回路HCBには、ポンプPMから送り出された圧油が、減圧回路フィルタなどを介して供給される。作業機昇降制御部3bは、作業機上昇ソレノイド314や作業機下降ソレノイド315へ作業機昇降信号を出力することによって、下降メインバルブ414と上昇メインバルブ415とを切り替える。

0084

たとえば、作業機上昇ソレノイド314によって、上昇パイロットバルブ417が、チェック弁を有する油室417aから絞りを有する油室417bへ切り替わると、上昇メインバルブ415が開く。これにより、シリンダ41(図1参照)側へポンプPMからの圧油が供給され、シリンダ41が伸びて作業機4が上昇する。また、上昇メインバルブ415が、図4に示す状態に戻ると、シリンダ41へ送り込まれた圧油は、チェックバルブ418によって、油圧回路HCB側への流出を規制され、リフトアーム43aの位置が保持される。

0085

また、作業機下降ソレノイド315によって、下降パイロットバルブ413が、チェック弁を有する油室413aから絞りを有する油室413bへ切り替わると、下降メインバルブ414が開く。これにより、作業機4の自重によってシリンダ41から押し出された油がタンクポートTへ放出され、シリンダ41が縮んで作業機4が下降する。

0086

なお、作業機下降ソレノイド315は、比例ソレノイドであり、下降パイロットバルブ413は、かかる比例ソレノイドによって油室413bの絞りを調節することによって、下降パイロットバルブ413を通過する油の流量を変更することができる。また、作業機4の下降速度は、下降パイロットバルブ413を通過する油の流量に応じて変化する。たとえば、油室413bの絞り開度を大きくすれば、単位時間あたりに下降パイロットバルブ413を通過する油の流量が多くなり、作業機4の下降速度は速くなる。一方、油室413bの絞り開度を小さくすれば、単位時間あたりに下降パイロットバルブ413を通過する油の流量が少なくなり、作業機4の下降速度は速くなる。

0087

このように、作業機昇降制御部3b(図2参照)は、比例ソレノイドである作業機下降ソレノイド315によって、下降パイロットバルブ413の開度を任意に変更することができる。したがって、作業機4の下降速度を任意に変更することができる。

0088

なお、図4に示すように、油圧回路HCBとシリンダ41との間には、リターンバルブ419が設けられる。リターンバルブ419は、手動で開度を変更可能な絞りを有しており、作業者が絞り量を設定することによっても、単位時間あたりのシリンダ41からタンクポートTへの油の戻り量を調整することが可能になっている。したがって、かかるリターンバルブ419によっても、作業機4の下降速度を任意に変更することが可能であり、作業者の利便性を向上させることができる。

0089

<基準高さを変更する処理手順>
次に、トラクタ1が実行する基準高さDPの変更方法に係る処理手順について図6を用いて説明する。図6は、基準高さDPを変更する処理手順を示すフローチャートである。

0090

図6に示すように、デプス制御(第2のモード)をオンにして作業機4が対地作業を開始すると(ステップS201)、デセラ制御(第1のモード)をオンにし(ステップS202)、基準高さDPを基準高さDP1(第1の高さ)に設定する(ステップS203)。なお、ステップS202やステップS203は、たとえばトラクタ1の始動時などに、ステップS201に先立って実行してもよい。

0091

つづいて、作業機昇降制御部3bは、作業機4が、基準高さDP1より高いか否かを判定する(ステップS204)。作業機4が、基準高さDP1より高い場合(ステップS204,Yes)、基準高さDPを基準高さDP2(第2の高さ)へ移動し(ステップS205)、ステップS206以降の処理を実行する。作業機4が、基準高さDP1より高くない場合(ステップS204,No)、ステップS206以降の処理を実行する。

0092

つづいて、作業機昇降制御部3bは、作業機4の対地作業が終了したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206は、たとえば、デプス制御のオフやトラクタ1のエンジン7の停止によって判定することとしてよい。作業機4の対地作業が終了した場合(ステップS206,Yes)、処理を終了する。作業機4の対地作業が終了していない場合(ステップS206,No)、基準高さDPが基準高さDP2か否かを判定する(ステップS207)。

0093

基準高さDPが基準高さDP2である場合(ステップS207,Yes)、作業機4が基準高さDP1よりも低いか否かを判定する(ステップS208)。ステップS207において、基準高さDPが基準高さDP2ではない、すなわち基準高さDP1である場合(ステップS207,No)、ステップS204以降の処理を繰り返す。

0094

ステップS208において、作業機4が基準高さDP1よりも低い場合(ステップS208,Yes)、基準高さDPを基準高さDP1へ戻し(ステップS209)、ステップS206以降の処理を繰り返す。ステップS208において、作業機4が基準高さDP1よりも低くない場合(ステップS208,No)、ステップS206以降の処理を繰り返す。

0095

上述してきたように、実施形態の一態様に係る作業車両は、作業機と、昇降部と、制御部とを備える。作業機は、機体後部に設けられ、対地作業を行う。昇降部は、作業機を機体に対して昇降させる。制御部は、作業機を降下させる場合に基準高さで作業機の降下速度を減少させる第1のモードと、対地作業を行う作業機の地面に対する高さが一定になるように調節する第2のモードと、を昇降部に対して実行させ、基準高さとしての第1の高さの上方に位置する作業機に対して第2のモードを実行する場合、基準高さを第1の高さよりも上方に位置する第2の高さへ移動させる。

0096

これにより、作業機が第2のモードによって対地作業を行う高さよりも下方で、作業機の降下速度が減少する事態を回避することが可能となる。したがって、作業機が着地によって衝撃を受けることを抑制することによって、ハンチングを防止し、圃場における作業安定性を向上させることができる。

0097

なお、上述した実施形態では、作業機がロータリ耕耘作業を行う場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、作業機は、トレンチャや畔塗り作業代掻き作業プラウ作業を行うものであってもよい。また、上述した実施形態では、作業車両がトラクタである場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、作業車両は、土木用作業車両や田植機などであってもよい。

0098

さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。

0099

1トラクタ
2機体
3走行制御部
3aエンジン制御部
3b作業機昇降制御部
4作業機
4cリフトアームセンサ
7エンジン
8 PTO連結装置
8aPTO軸
9操縦席
10ステアリングハンドル
11ハンドルポスト
31メータパネル
32操作パネル
40主変速装置
41シリンダ
41aシリンダケース
42ロアリンク
43aリフトアーム
43bリフトロッド
45耕耘爪
46aロータリカバー
46bリアカバー
51前輪
52後輪
413下降パイロットバルブ
414 下降メインバルブ
415 上昇メインバルブ
417 上昇パイロットバルブ
418チェックバルブ
419リターンバルブ
HCA、HCB油圧回路
PMポンプ
T タンクポート

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  • 松山株式会社の「 連結装置」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】走行の安全を確保できる連結装置を提供する。【解決手段】連結装置2は、トラクタの3点リンク部に農作業機を連結するためのオートヒッチ装置である。連結装置2は、トラクタの3点リンク部に取り付ける装置... 詳細

  • 井関農機株式会社の「 苗移植機」が 公開されました。( 2020/10/15)

    【課題】操作性を向上させる苗移植機を提供すること。【解決手段】実施形態の一態様に係る苗移植機は、左右に設けられた走行輪を有する機体と、機体に設けられ、圃場に苗を植え付ける苗植付装置と、走行輪への動力伝... 詳細

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