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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクターとを含み、前記ターゲティングベクターが構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有し、R3がビスホスホネートを含有する、金属同位元素錯化するための化合物Vに関する。医薬品は、化合物Vと、化合物Vと錯体を形成する金属同位元素とからなる。

化1】

概要

背景

ビスホスホネート(BP)は、骨疾患及びカルシウム代謝疾患の治療のための物質群である。これらの中には、パジェット病骨粗鬆症、及び骨腫瘍の従来の全身治療がある。ビスホスホネートは、生物中での無機リン酸カルシウム集積における顕著な選択性を特徴とする。ビスホスホネートは、標的組織において多様な効果を引き起こす。ビスホスホネートは、一方では骨質石灰化阻害し、他方では骨の分解を阻害する。ビスホスホネートの効果は、とりわけ、HMG−CoA還元酵素メバロン酸経路における酵素であるファルネシルピロリン酸合成(FPPS)の阻害に基づくものである。酵素の阻害によって、細胞膜シグナルタンパク質を固定するための細胞内の重要な分子であるファルネシルの産生(FPPS)が阻害される。その結果、細胞のアポトーシスが開始する。このようなビスホスホネート誘導体は、従って、独立した細胞レベルであっても既に治療関連機能を有している。

骨表面でのビスホスホネートの選択的集積により、アポトーシス効果は、特に骨原性細胞関与し、主に骨基質脱塩のためにより多くのビスホスホネートを取り込む破骨細胞に関与する。骨吸収抑制効果は、破骨細胞活性の低下によって達成される。

今日、臨床に重要であるビスホスホネートとして、クロドロネートアレンドロネートエチドロネートイバンドロネートリセドロネート、及びゾレドロネートがある。本明細書においては、以下の略語を使用する。
ZOL=ゾレドロネート(zolendronate)
PAM=パミドロネート

本明細書に記載のコンジュゲートでは、これらの略語は、キレート剤Xの名称又は略号の後に上付き文字で記載し、例えば、DOAPAMはパミドロネート−DOTAコンジュゲートを表す。

ビスホスホネート化合物類内で、α−Hビスホスホネート、α−ヒドロキシビスホスホネート窒素含有ビスホスホネート(N−BP)、及び複素環式窒素含有ビスホスホネートの間で区別される。これらは、構造−効果関係が異なることにより、骨に対する結合の有効性、その薬物動態、及びそのFPPSの阻害能において著しく異なる。

無機骨質又は人工ヒドロキシアパタイトHA)への動態結合親和性は、クロドロネート<エチドロネート<リセドロネート<イバンドロネート<アレンドロネート<パミドロネート<ゾレドロネートの化合物の順で、α−Hビスホスホネートからα−ヒドロキシビスホスホネートへの順に増大する。更なるOH基は、HAへ結合する配位点を表す。HAに対する親和性を決める更なる重要な因子は、Nビスホスホネート及び複素環式NビスホスホネートのジェミナルビスホスホネートにおけるC3位〜C4位の窒素原子である。これは、HAに対して更なるドナー位置として同様に機能するが、生理学pH値でのビスホスホネートのゼータ電位に決定的な影響を及ぼす。正に荷電した側鎖を有するビスホスホネート(アレンドロネート、パミドロネート、及びゾレドロネート等)は、HAに対して高結合能を示す(非特許文献1)。

HAの異なる官能基への結合能を示す化合物に基づく放射性トレーサが、診断目的だけでなく治療目的においても長期に渡り定常的に用いられてきた。

代謝性骨疾患及び骨腫瘍の骨シンチグラフィーにおいて、[99mTc]MDPメタンジホスホン酸)又は[99mTc]HMDP(ヒドロキシメタンジホスホン酸)等の放射性標識ビスホスホネートが用いられている。但し、骨シンチグラフィー又はSPECT単一光子放射型コンピュータ断層撮影)と比較して、[18F]NaFを用いたPET(陽電子放射型断層撮影)は、骨腫瘍の検出に非常に高感度な方法である。PETトレーサとしての放射性標識ビスホスホネートは商業的に確立されていない(非特許文献2)。

骨腫瘍の緩和疼痛治療は、放射性金属の更なる使用分野である。ここでは、89Sr(II)及び223Ra(II)等の第2族の金属の放射性同位元素が特に用いられる。これらのカルシウム類似体は、骨の石灰化において、カルシウムと同様に貯蔵される生物学的半減期が長い。骨腫瘍の治療のための緩和的内部放射線療法として、223Ra(II)が2013年に承認された。しかしながら、腸を介した放射性物質の排除がこれらのカルシウム類似体の問題であることが判明している(非特許文献3の図1:投与後1日目、2日目、及び6日目の[99mTc]MDP及び223RaCl2の比較を参照)。

153Sm(III)、177Lu(III)、及び90Y(III)等の3価金属放射性核種は、錯体解離及び肝臓への集積を回避するために、クエン酸塩、EDTMP(エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸])、又はHEDTA([ヒドロキシエチル]−エチレンジアミン三酢酸)等の弱いキレート剤を用いて投与する必要がある。大環状キレート剤の形態の3価放射性ランタニドの安定化は確立されていない。例えば、その核特性(β−粒子半減期、割合、及びエネルギー)、その商業的利用可能性、及び無担体濃度により、β線放出177Luもまた骨腫瘍の治療的アプローチに商業的に有望であるため、これは同程度に注目に値する。

陽電子放射体68Gaは、そのジェネレータに基づく利用可能性から、並びにその核特性及び化学的特性により、定量的イメージングの分野において非常に重要である。単に3価カチオンとしては、骨腫瘍における集積に関しては十分な選択性がない。一般的に、HAに親和性を付与するホスホネートプロファイルと他の臓器における有利な薬理作用とをリガンドが有する68Ga−錯体が必要とされている。

骨親和性を有する化合物に関して、68Ga(III)を有するEDTMPが評価されたが、標的組織において不十分な集積性しか示されず、結果として診断薬としての適性は不十分なものである(非特許文献4、非特許文献3、非特許文献5)。

大環状リガンドは現在の研究の焦点であり、コンジュゲート化ビスホスホネートとしては、主にDOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)、DOTAM(1,4,7,10−テトラキスカルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)、又はNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸)である。それらは大環状二官能性キレート剤であることにより、例えば68Ga(III)及び治療用核種177Lu(III)等の大部分の多様な放射性金属の安定な錯体形成に適している。α−Hビスホスホネート及びα−ヒドロキシビスホスホネートだけは、技術文献及び特許明細書に記載されたDOTAビスホスホネート又はNOTAビスホスホネートの中に見出されるが、N−複素芳香族化合物については存在しない(非特許文献6、非特許文献7、特許文献1)。

先行技術において知られているN含有のα−Hビスホスホネート又はα−ヒドロキシビスホスホネートは、キレート剤としてDOTA又はNOTAを使用しており、ジェミナルビスホスホネートがアミド結合を介してキレート剤のC3位〜C4位の窒素原子にコンジュゲートされている。しかしながら、知られているN−含有のα−Hビスホスホネート又はα−ヒドロキシビスホスホネートのコンジュゲートは、ジェミナルビスホスホネートと比較して骨質に対する親和性が大きく低下している。それぞれのジェミナルビスホスホネートの誘導体は、その親和性を顕著に低下させると推測される。骨質に対して高親和性を示す他のN−複素芳香族α−ヒドロキシビスホスホネート(例えば、ゾレドロネート)は、以前は二官能性キレート剤とコンジュゲートすることができなかった。

概要

本発明は、キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクターとを含み、前記ターゲティングベクターが構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有し、R3がビスホスホネートを含有する、金属同位元素錯化するための化合物Vに関する。医薬品は、化合物Vと、化合物Vと錯体を形成する金属同位元素とからなる。

目的

本発明の目的は、先行技術と比較して、骨、特に骨腫瘍における集積性が増大した医薬品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクターとを含み、前記ターゲティングベクターが構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有する金属同位元素錯化するための化合物Vであって、L1が、アミドホスフィン酸塩アルキルトリアゾールチオ尿素エチレンマレイミド、−(CH2)k−、及び−(CH2CH2O)k−を含む群から選択され、k=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、L2が、−(CH2)m−及び−(CH2CH2O)m−から選択され、m=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、L3が、−(CH2)n−及び−(CH2CH2O)n−から選択され、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、であり、R2が、フランアゾールオキサゾールチオフェンチアゾールアジンオキサジンチアジンナフタレンキノリンクロメン、又はチオクロメン置換基を含む群から選択され、であることを特徴とする金属同位元素を錯化するための化合物V。

請求項2

前記キレート剤Xが、EDTAエチレンジアミン四酢酸)、EDTMP(ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)及びその誘導体DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)、DOTAGA(ドデカ−1−グルタル酸−1,4,7,10−テトラアミン三酢酸)、DOTAM(1,4,7,10−テトラキスカルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)及び他のDOTA誘導体、TRITA(トリデカ−1,4,7,10−テトラアミン四酢酸)、TETA(テトラデカ−1,4,8,11−テトラアミン−四酢酸)及びその誘導体、NOTA(ノナ−1,4,7−トリアミン−三酢酸)及びその誘導体、例えば、NOTAGA(1,4,7−トリアザシクロノナン,1−グルタル酸,4,7−酢酸)、NOPO(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4−ビスメチレンヒドロキシメチル次亜リン酸]−7−[メチレン(2−カルボキシエチル)次亜リン酸])及びその誘導体、PEPA(ペンタデカ−1,4,7,10,13−ペンタアミン五酢酸)及びその誘導体、HEHAヘキサデカ−1,4,7,10,13,16−ヘキサアミン六酢酸)及びその誘導体、HBED(ヒドロキシベンジルエチレンジアミン)及びその誘導体、DEDPA及びH2DEDPA(1,2−[{6−(カルボキシレート−)ピリジン−2−イルメチルアミンエタン)等のその誘導体、DFO(デフェロキサミン)及びその誘導体、デフェリプロン、CP256(4−アセチルアミノ−4−{2−[(3−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリジン−2−イルメチル)−カルバモイル]−エチル}−ヘプタン二酸ビス−[(3−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリジン−2−イルメチル)−アミド])及びYM103等のその誘導体、TRAP(トリアザシクロノナン−次亜リン酸)及びその誘導体、TEAP(テトラアザシクロデカン−次亜リン酸)及びその誘導体、AAZTA(6−アミノ−6−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−N,N,N’,N’−四酢酸)及びDATA等のその誘導体、SarAr(1−N−(4−アミノベンジル)−3,6,10,13,16,19−ヘキサアザビシクロ[6.6.6]−エイコサン−1,8−ジアミン)、並びにこれらの塩を含む群から選択される請求項1に記載の化合物V。

請求項3

前記化合物Vが式Iの構造を有し、(I)式I中、Xが前記キレート剤を表す請求項1から2のいずれかに記載の化合物V。

請求項4

前記化合物が式IIの構造を有し、(II)式II中、Xが前記キレート剤を表す請求項1から3のいずれかに記載の化合物V。

請求項5

請求項1から4のいずれかに記載の化合物Vと、前記化合物Vと錯体を形成する金属同位元素Mとからなることを特徴とする医薬品。

請求項6

前記金属同位元素Mが、44Sc、47Sc、55Co、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、68Ga、89Zr、86Y、90Y、90Nb、99mTc、111In、135Sm、159Gd、149Tb、160Tb、161Tb、165Er、166Dy、166Ho、175Yb、177Lu、186Re、188Re、213Bi、及び225Acを含む群から選択される請求項5に記載の医薬品。

請求項7

(a)請求項1から4のいずれかに記載の化合物Vを含有する溶液Sを提供する工程と;(b)68Ga(III)等の金属同位元素Mを提供する工程と;(c)前記金属同位元素Mを前記化合物Vとライゲートさせ、前記金属同位元素Mと前記化合物Vとの錯体MVを溶液F中に形成する工程と;を含むことを特徴とする請求項5から6のいずれかに記載の医薬品の製造方法。

請求項8

前記工程(b)において、前記金属同位元素Mが溶液中に提供される請求項7に記載の方法。

請求項9

前記工程(b)において、親核種を有する放射性核種ジェネレータと、前記親核種の崩壊によって生成される前記金属同位元素Mとが提供され、前記工程(c)において、前記金属同位元素Mが前記親核種から前記溶液Sで分離される請求項7に記載の方法。

請求項10

医薬品を製造するための標識前駆体としての請求項1から4のいずれかに記載の化合物Vの使用。

請求項11

陽電子放射型断層撮影又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影を用いたイメージング方法における請求項5から6のいずれかに記載の医薬品の使用。

請求項12

処置(treatment)方法又は治療(therapy)方法における使用のための請求項5から6のいずれかに記載の医薬品。

請求項13

処置(treatment)方法又は治療(therapy)方法における請求項5から6のいずれかに記載の医薬品の使用。

請求項14

骨疾患及び骨腫瘍治療方法における使用のための請求項5から6のいずれかに記載の医薬品。

請求項15

骨疾患及び骨腫瘍の治療方法における請求項5から6のいずれかに記載の医薬品の使用。

請求項16

現れていない骨転移の疾患の治療のための、請求項14に記載の使用のための医薬品、又は請求項15に記載の医薬品の使用。

請求項17

前記治療が、ファルネシルピロリン酸合成(FPPS)を阻害するための腫瘍細胞における集積を含む、請求項16に記載の使用のための医薬品、又は請求項16に記載の医薬品の使用。

請求項18

陽電子放射型断層撮影又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影を用いた心疾患等の薬物動態学的プロセスのイメージング方法における、請求項14に記載の使用のための医薬品、又は請求項15に記載の医薬品の使用。

請求項19

人工骨質、骨セメント、又は骨インプラントにおける添加剤としての請求項5から6のいずれかに記載の医薬品の使用。

請求項20

人工骨質、骨セメント、又は骨インプラントにおける添加剤としての使用のための請求項5から6のいずれかに記載の医薬品。

請求項21

医薬品を製造するための、ガドリニウム等の金属同位元素Mと組み合わせた請求項1から4のいずれかに記載の化合物Vの使用。

請求項22

前記金属同位元素Mが、請求項8に規定の同位元素から選択される請求項21に記載の化合物Vの使用。

請求項23

前記医薬品が、磁気共鳴断層撮影核磁気共鳴断層撮影)又は光学イメージングを用いた画像診断のために調製される請求項5から6のいずれかに記載の医薬品。

技術分野

0001

本発明は、キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクターとを含み、前記ターゲティングベクターが、構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有し、R3がビスホスホネートを含有する、金属同位元素錯化するための化合物Vに関する。更に、本発明は、化合物Vと、化合物Vと錯体を形成する金属同位元素とからなる医薬品、及び前記医薬品の製造方法に関する。

背景技術

0002

ビスホスホネート(BP)は、骨疾患及びカルシウム代謝疾患の治療のための物質群である。これらの中には、パジェット病骨粗鬆症、及び骨腫瘍の従来の全身治療がある。ビスホスホネートは、生物中での無機リン酸カルシウム集積における顕著な選択性を特徴とする。ビスホスホネートは、標的組織において多様な効果を引き起こす。ビスホスホネートは、一方では骨質石灰化阻害し、他方では骨の分解を阻害する。ビスホスホネートの効果は、とりわけ、HMG−CoA還元酵素メバロン酸経路における酵素であるファルネシルピロリン酸合成(FPPS)の阻害に基づくものである。酵素の阻害によって、細胞膜シグナルタンパク質を固定するための細胞内の重要な分子であるファルネシルの産生(FPPS)が阻害される。その結果、細胞のアポトーシスが開始する。このようなビスホスホネート誘導体は、従って、独立した細胞レベルであっても既に治療関連機能を有している。

0003

骨表面でのビスホスホネートの選択的集積により、アポトーシス効果は、特に骨原性細胞関与し、主に骨基質脱塩のためにより多くのビスホスホネートを取り込む破骨細胞に関与する。骨吸収抑制効果は、破骨細胞活性の低下によって達成される。

0004

今日、臨床に重要であるビスホスホネートとして、クロドロネートアレンドロネートエチドロネートイバンドロネートリセドロネート、及びゾレドロネートがある。本明細書においては、以下の略語を使用する。
ZOL=ゾレドロネート(zolendronate)
PAM=パミドロネート

0005

本明細書に記載のコンジュゲートでは、これらの略語は、キレート剤Xの名称又は略号の後に上付き文字で記載し、例えば、DOAPAMはパミドロネート−DOTAコンジュゲートを表す。

0006

ビスホスホネート化合物類内で、α−Hビスホスホネート、α−ヒドロキシビスホスホネート窒素含有ビスホスホネート(N−BP)、及び複素環式窒素含有ビスホスホネートの間で区別される。これらは、構造−効果関係が異なることにより、骨に対する結合の有効性、その薬物動態、及びそのFPPSの阻害能において著しく異なる。

0007

無機骨質又は人工ヒドロキシアパタイトHA)への動態結合親和性は、クロドロネート<エチドロネート<リセドロネート<イバンドロネート<アレンドロネート<パミドロネート<ゾレドロネートの化合物の順で、α−Hビスホスホネートからα−ヒドロキシビスホスホネートへの順に増大する。更なるOH基は、HAへ結合する配位点を表す。HAに対する親和性を決める更なる重要な因子は、Nビスホスホネート及び複素環式NビスホスホネートのジェミナルビスホスホネートにおけるC3位〜C4位の窒素原子である。これは、HAに対して更なるドナー位置として同様に機能するが、生理学pH値でのビスホスホネートのゼータ電位に決定的な影響を及ぼす。正に荷電した側鎖を有するビスホスホネート(アレンドロネート、パミドロネート、及びゾレドロネート等)は、HAに対して高結合能を示す(非特許文献1)。

0008

HAの異なる官能基への結合能を示す化合物に基づく放射性トレーサが、診断目的だけでなく治療目的においても長期に渡り定常的に用いられてきた。

0009

代謝性骨疾患及び骨腫瘍の骨シンチグラフィーにおいて、[99mTc]MDPメタンジホスホン酸)又は[99mTc]HMDP(ヒドロキシメタンジホスホン酸)等の放射性標識ビスホスホネートが用いられている。但し、骨シンチグラフィー又はSPECT単一光子放射型コンピュータ断層撮影)と比較して、[18F]NaFを用いたPET(陽電子放射型断層撮影)は、骨腫瘍の検出に非常に高感度な方法である。PETトレーサとしての放射性標識ビスホスホネートは商業的に確立されていない(非特許文献2)。

0010

骨腫瘍の緩和疼痛治療は、放射性金属の更なる使用分野である。ここでは、89Sr(II)及び223Ra(II)等の第2族の金属の放射性同位元素が特に用いられる。これらのカルシウム類似体は、骨の石灰化において、カルシウムと同様に貯蔵される生物学的半減期が長い。骨腫瘍の治療のための緩和的内部放射線療法として、223Ra(II)が2013年に承認された。しかしながら、腸を介した放射性物質の排除がこれらのカルシウム類似体の問題であることが判明している(非特許文献3の図1投与後1日目、2日目、及び6日目の[99mTc]MDP及び223RaCl2の比較を参照)。

0011

153Sm(III)、177Lu(III)、及び90Y(III)等の3価金属放射性核種は、錯体の解離及び肝臓への集積を回避するために、クエン酸塩、EDTMP(エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸])、又はHEDTA([ヒドロキシエチル]−エチレンジアミン三酢酸)等の弱いキレート剤を用いて投与する必要がある。大環状キレート剤の形態の3価放射性ランタニドの安定化は確立されていない。例えば、その核特性(β−粒子半減期、割合、及びエネルギー)、その商業的利用可能性、及び無担体濃度により、β線放出177Luもまた骨腫瘍の治療的アプローチに商業的に有望であるため、これは同程度に注目に値する。

0012

陽電子放射体68Gaは、そのジェネレータに基づく利用可能性から、並びにその核特性及び化学的特性により、定量的イメージングの分野において非常に重要である。単に3価カチオンとしては、骨腫瘍における集積に関しては十分な選択性がない。一般的に、HAに親和性を付与するホスホネートプロファイルと他の臓器における有利な薬理作用とをリガンドが有する68Ga−錯体が必要とされている。

0013

骨親和性を有する化合物に関して、68Ga(III)を有するEDTMPが評価されたが、標的組織において不十分な集積性しか示されず、結果として診断薬としての適性は不十分なものである(非特許文献4、非特許文献3、非特許文献5)。

0014

大環状リガンドは現在の研究の焦点であり、コンジュゲート化ビスホスホネートとしては、主にDOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)、DOTAM(1,4,7,10−テトラキスカルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)、又はNOTA(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸)である。それらは大環状二官能性キレート剤であることにより、例えば68Ga(III)及び治療用核種177Lu(III)等の大部分の多様な放射性金属の安定な錯体形成に適している。α−Hビスホスホネート及びα−ヒドロキシビスホスホネートだけは、技術文献及び特許明細書に記載されたDOTAビスホスホネート又はNOTAビスホスホネートの中に見出されるが、N−複素芳香族化合物については存在しない(非特許文献6、非特許文献7、特許文献1)。

0015

先行技術において知られているN含有のα−Hビスホスホネート又はα−ヒドロキシビスホスホネートは、キレート剤としてDOTA又はNOTAを使用しており、ジェミナルビスホスホネートがアミド結合を介してキレート剤のC3位〜C4位の窒素原子にコンジュゲートされている。しかしながら、知られているN−含有のα−Hビスホスホネート又はα−ヒドロキシビスホスホネートのコンジュゲートは、ジェミナルビスホスホネートと比較して骨質に対する親和性が大きく低下している。それぞれのジェミナルビスホスホネートの誘導体は、その親和性を顕著に低下させると推測される。骨質に対して高親和性を示す他のN−複素芳香族α−ヒドロキシビスホスホネート(例えば、ゾレドロネート)は、以前は二官能性キレート剤とコンジュゲートすることができなかった。

0016

米国特許出願公開第2012/0148492号明細書(Jun.14,2012,Bisphosphonic acid derivative and compound thereof labeled with radioactive metal nuclide(放射性金属核種で標識したビスホスホン酸誘導体及びその化合物),Hiroyuki Dozono,FujifilmRIPharma Co. Ltd.,Tokyo,Japan)

先行技術

0017

R. G. G. Russell,N. B. Watts,F. H. Ebetino,M. J. Rogers,Mechanisms of action of bisphosphonates:similarities and differences and their potential influence on clinical efficacy(ビスホスホネートの作用機序類似性及び相違、並びにそれらの臨床効果への潜在的な影響),Osteoporose Int.2008;19:733−759
E. Even−Sapir,U. Metser,G. Lievshitz,H. Lerman,I. Leibovitch,The Detection of Bone Metastases in Patients with High−Risk Prostate Cancer: 99mTc−MDPPlanar Bone Scintigraphy, Single− and Multi−Field−of−ViewSPECT, 18F−Fluoride PET, and 18F−Fluoride PET/CT(高リスク前立腺がん患者における骨転移の検出:99mTc−MDPプラナー骨シンチグラフィー、単一視野SPECT及び複数視野SPECT、18F−フッ化物PET、並びに18F−フッ化物PET/CT),J. Nucl. Med.2006;47:287−297
O. Sartor,P. Hoskin,O. S. Bruland,Targeted radio−nuclide therapy of skeletal metastases(骨格転移の標的放射性核種療法),Cancer Treatment Reviews,2013;39:18−26
J. Goyal,E. S. Antonarakis,Bone−targeting radiopharmaceuticals for the treatment of prostate cancer with bone metastases(骨転移を伴う前立腺癌治療のための骨標的放射性医薬品),Cancer Letters,2012;323:135−146
M. Mitterhauser,S. Toegela,W. Wadsak,R. Klugerg,H. Viernstein,R. Dudczaka,K. Kletter,Pre vivo,ex vivo and in vivo evaluations of [68Ga]EDTMP([68Ga]EDTMPのプレビボ評価、エクスビボ評価、及びインビボ評価), Nuclear Medicine and Biology,2007;34:391−397
M. Meckel,M. Fellner,N. Thieme,R. Bergmann,V. Kubicek,F. Roesch,In vivo comparison ofDOTA based 68Ga−labelled bisphosphonates for bone imaging in non−tumour models(非腫瘍モデルにおける骨イメージングのためのDOTA系68Ga標識ビスホスホネートのインビボ比較),Nucl. Med. Biol.,2013;40:823−830
K. Ogawa,K. Takai,H. Kanbara,T. Kiwada,Y. Kitamura,K. Shiba,A. Odani,Preparation and evaluation of a radiogallium complex−conjugated bisphosphonate as a bone scintigraphy agent(骨シンチグラフィー用薬としての放射性ガリウム複合体コンジュゲート化ビスホスホネートの調製及び評価),Nuc. Med. Biol.,2011;38:631−636

0018

本発明の目的は、先行技術と比較して、骨、特に骨腫瘍における集積性が増大した医薬品を提供することにある。これによって、骨−対−血液及び骨−対−軟組織の集積比の向上、骨腫瘍への結合収率の増大、並びに非結合医薬品の効率的な腎排泄が達成されよう。放射性核種の選択に応じて、本発明のビスホスホネート誘導体は、分子イメージング、特にPET診断薬として、及び内部放射線療法薬として使用可能であろう。

0019

この目的は、キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクター(TV)とを含み、前記ターゲティングベクターが構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有し、
L1が、アミドホスフィン酸塩アルキルトリアゾールチオ尿素エチレンマレイミド、−(CH2)k−、及び−(CH2CH2O)k−を含む群から選択され、k=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、
L2が、−(CH2)m−及び−(CH2CH2O)m−から選択され、m=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、
L3が、−(CH2)n−及び−(CH2CH2O)n−から選択され、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、



であり、
R2が、フランアゾールオキサゾールチオフェンチアゾールアジンオキサジンチアジンナフタレンキノリンクロメン、又はチオクロメン置換基を含む群から選択され、



であることを特徴とする化合物Vにより達成される。

0020

本明細書において、「キレート剤」との用語又は「X」との記号は、一般的に金属イオンを錯化することが可能な化合物を表す。好ましいキレート剤は、任意的に1以上の側鎖を有する環状化合物である。このような1以上の側鎖を有する環状化合物は、「大環状リガンド」又は「大環状キレート剤」とも称される。4つの側鎖を有する大環状キレート剤の一例はDOTAであり、これは大環状12員環の1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンの4つの窒素原子、即ち大員環の1位、4位、7位、及び10位において酢酸置換基で置換された化合物であり、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸である。

0021

キレート剤Xに関する「誘導体」との用語は、キレート剤Xの少なくとも1つの基が異なる基によって置換されている点でこのキレート剤Xとは異なる化合物を表す。キレート剤の誘導体に関しては、その誘導体がキレート剤から「誘導される」と同義的に表現されてもよい。キレート剤Xに関して、このような化合物は、その誘導体又はそれらの誘導体として本明細書で表す。キレート剤Xが大環状リガンドである場合、(a)大員環の構成要素である少なくとも1つの基が異なる基で置換されている(例えば、メチレン基エチレン基で置換されていてもよく、又はその逆であってもよい)点、及び/又は(b)側鎖又は側鎖の構成要素である少なくとも1つの基が異なる基で置換されている(例えば、酢酸基が酢酸アミド基で置換されていてもよく、又はその逆であってもよい)点で、その誘導体はキレート剤と異なる。タイプ(b)の差異を有する誘導体が好ましい。これらの中で更に好ましいものは、タイプ(b)の差異を有するが、タイプ(a)の差異を有さない誘導体である。キレート剤DOTAの誘導体の例は、DOTAの4つの酢酸基側鎖の全てが酢酸アミド基で置換された化合物DOTAMである。その誘導体は、それ自体が好ましくはキレート剤であり、金属イオンを錯化することが可能な化合物を意味する。

0022

本発明の有利な実施形態は、以下の特徴を有する。
−キレート剤Xは、EDTAエチレンジアミン四酢酸)、EDTMP(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)及びその誘導体、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸)、DOTAGA(ドデカ−1−グルタル酸−1,4,7,10−テトラアミン−三酢酸)、DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)及び他のDOTA誘導体、TRITA(トリデカ−1,4,7,10−テトラアミン四酢酸)、TETA(テトラデカ−1,4,8,11−テトラアミン−四酢酸)及びその誘導体、NOTA(ノナ−1,4,7−トリアミン−三酢酸)及びその誘導体、例えば、NOTAGA(1,4,7−トリアザシクロノナン,1−グルタル酸,4,7−酢酸)、NOPO(1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4−ビスメチレンヒドロキシメチル次亜リン酸]−7−[メチレン(2−カルボキシエチル)次亜リン酸])、PEPA(ペンタデカ−1,4,7,10,13−ペンタアミン五酢酸)、HEHA(ヘキサデカ−1,4,7,10,13,16−ヘキサアミン六酢酸)及びその誘導体、HBED(ヒドロキシベンジル−エチレンジアミン)及びその誘導体、DEDPA及びH2DEDPA(1,2−[{6−(カルボキシレート−)ピリジン−2−イルメチルアミンエタン)等のその誘導体、DFO(デフェロキサミン)及びその誘導体、デフェリプロン、CP256(4−アセチルアミノ−4−{2−[(3−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリジン−2−イルメチル)−カルバモイル]−エチル}−ヘプタン二酸ビス−[(3−ヒドロキシ−1,6−ジメチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ピリジン−2−イルメチル)−アミド])及びYM103等のその誘導体;TRAP(トリアザシクロノナン−次亜リン酸)、TEAP(テトラアザシクロデカン−次亜リン酸)及びその誘導体、AAZTA(6−アミノ−6−メチルペルヒドロ−1,4−ジアゼピン−N,N,N’,N’−四酢酸)及びDATA等のその誘導体;SarAr(1−N−(4−アミノベンジル)−3,6,10,13,16,19−ヘキサアザビシクロ[6.6.6]−エイコサン−1,8−ジアミン)、並びにこれらの塩を含む群から選択され;



−化合物Vは、式Iの構造を有し、
式I中、Xはキレート剤を表し;及び/又は
−化合物Vは、式IIの構造を有し、



式II中、Xはキレート剤を表す。

0023

本発明の更なる目的は、骨疾患の治療のための医薬品を提供することにある。この目的は、先に記載する化合物Vと、化合物Vと錯体を形成する金属同位元素Mとを含む医薬品によって達成される。金属同位元素Mは、好ましくは、44Sc、47Sc、55Co、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、68Ga、89Zr、86Y、90Y、90Nb、99mTc、111In、135Sm、159Gd、149Tb、160Tb、161Tb、165Er、166Dy、166Ho、175Yb、177Lu、186Re、188Re、213Bi、及び225Acを含む群から選択される。66Ga、67Ga、68Ga、及び177Luが特に好ましい。

0024

本発明において特に好ましいのは、好ましいビスホスホネートを有し、好ましい金属同位元素及び/又は好ましいキレート剤X及び/又は好ましい化合物Vからなる組合せである。

0025

本発明の更なる目的は、化合物V及び金属同位元素Mからなる医薬品の製造方法を提供することにある。

0026

この目的は、
(a)請求項1から4のいずれかに記載の化合物Vを含有する溶液Sを提供する工程と;
(b)68Ga(III)等の金属同位元素Mを提供する工程と;
(c)前記金属同位元素Mを前記化合物Vとライゲートさせ、前記金属同位元素Mと前記化合物Vとの錯体MVを溶液F中に形成する工程と;
を含む方法によって達成される。

0027

本発明の方法の好適な実施形態は、
−工程(b)において、金属同位元素Mが溶液中に提供され;
−工程(b)において、親核種を有する放射性核種ジェネレータと、親核種の崩壊によって生成される金属同位元素Mとが提供され、工程(c)において、金属同位元素Mが親核種から溶液Sで分離され;
−工程(b)において、金属同位元素Mがイオン交換体に含有され、工程(c)において、金属同位元素Mが溶液Sでイオン交換体から溶出され;
−工程(b)において、金属同位元素Mがイオン交換体に含有され、工程(c)において、金属同位元素Mを含む溶液MEを得るために、イオン交換体から金属同位元素Mが溶媒Eで溶出され、錯体MVを含む溶液Fを得るために、溶液MEが溶液Sと混合され;
−工程(c)において、金属同位元素Mの溶出の前に、汚染物質を除去するために、イオン交換体を1以上の溶媒で洗い流し;
−イオン交換体は陽イオン交換体であり;
−イオン交換体は、活性成分としてスルホン化ポリスチレンジビニルベンゼン共重合体樹脂を含有し、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)樹脂は、100mol%のスチレン及びジビニルベンゼンモノマー単位に対して2mol%〜20mol%の量のジビニルベンゼンを含有し;
−工程(c)に続いて、溶液Fを濾過及び/又は中和し;
−工程(c)は、6秒間〜3分間以内、6秒間〜2分間以内、又は好ましくは6秒間〜1分間以内に終了され;
−工程(c)は、10℃〜95℃、10℃〜90℃、10℃〜40℃、又は好ましくは10℃〜30℃の温度で行われ;
−工程(b)において、放射性核種ジェネレータが用いられ、放射性核種ジェネレータは、クロマトグラフィーカラム吸着された親核種であり、例えば68Geを含み、親核種の崩壊により娘核種が形成され、例えば68Gaがクロマトグラフィーカラムから溶出され;及び/又は
−工程(b)において、放射性核種ジェネレータが用いられ、放射性核種ジェネレータは親核種を含む溶液であり、例えば90Srを含み、親核種の崩壊により娘核種が形成され、例えば90Yが溶液から溶出される;
ことを特徴とする。

0028

化合物Vは、キレート剤Xと、前記キレート剤Xとコンジュゲートした1以上のターゲティングベクターとを含み、前記ターゲティングベクターが構造−L1−R1−L2−R2−L3−R3を有する。化合物Vは、特に以下の構造の1つを有する。



構造中、
k=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
m=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
Z=OH、H、NH2、又はClである。

0029

R2は、好ましくは、以下の分子、及びこれら分子の異性体の置換基を含む群から選択される。

0030

従って、本発明の化合物Vは、以下に示す化合物と同一又は類似の構造を有し、構造中、基R2が由来する分子は、それぞれ以下に示す通りである。

0031

先に示した本発明の化合物又は構造式の幾つかにおいて、基R2は、マーカッシュシェーディング(Markush shading)を表す破線によって囲まれており、基R2の可能な結合位置のいずれかが、R2と基R3又は−L3−R3(ビスホスホネートを意味する)との間の結合だけでなく、R2と基R1又は−R1−L2−との間の結合に使用されることを示している。基−R1−L2−及び/又は基−L3−R3は、特に、基R2のNH置換基の窒素原子を介して結合していてもよく、結合はNH置換基の水素原子を置換する。

0032

上記の構造式において、



であり;
L1=−(CH2)k−であり、k=1であり;
L2=−(CH2)m−であり、m=2であり;
L3=−(CH2)n−であり、n=1であり;
Z=OH、H、NH2、又はClである。

0033

本発明の範囲内において、



であり;
L1が、アミド、ホスフィン酸塩、アルキル、トリアゾール、チオ尿素、エチレン、マレイミド置換基、及び−(CH2)k−又は−(CH2CH2O)k−を含む群から選択され、k=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり;
L2=−(CH2)m−又は−(CH2CH2O)m−であり、m=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、及び/又は
L3=−(CH2)n−又は−(CH2CH2O)n−であり、n=1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である化合物が更に提供される。

0034

幾つかの本発明のキレート剤Xの基本構造を以下に示す。

0035

特に好ましい本発明の化合物Vは、構造式IIIを有するDOTAZOLである。

0036

DOTAMZOLは、同様に特に好ましい本発明の化合物Vである。

0037

例えば、[68Ga]DOTAZOL及び[177Lu]DOTAZOL等のDOTAZOLに基づく[M]DOTAZOL型の医薬品、並びにこれらから誘導される誘導体(例えば、DOTAM系誘導体)は、効率的に製造することができ、化学的にかつ生理学的条件下で安定である。上記の構造式において、金属同位元素Mの錯化を角括弧で表す。

0038

本発明はまた、放射性医薬品の製造装置に関する。

0039

図3は、本発明の化合物Vと、好ましくは66Ga、67Ga、及び68Gaから選択される金属放射性同位元素Mとからなる放射性医薬品を製造するための第1の装置1を概略的に示す。装置1は、68Ge等の金属親核種が吸着されたクロマトグラフィーカラム12を有する放射性核種ジェネレータ10と、親核種の崩壊により生成される68Ga等の娘核種Mを適切な溶媒を用いてクロマトグラフィーカラム12から溶出させる溶出装置11とを備えている。溶出装置11は、例えば、溶媒の受容容器と、ポンプとを備えている。装置1の様々な構成要素は、図3を通して参照符号9で示す流体ラインを介して互いに接続されている。クロマトグラフィーカラム12の出口は、流体ライン及び第1の多方向弁13を介してイオン交換体14の入口に接続されている。イオン交換体14は、好ましくは、活性成分としてポリ(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)樹脂を含み、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)樹脂は、100mol%のスチレン及びジビニルベンゼンのモノマー単位に対して2mol%〜20mol%の量のジビニルベンゼンを含む。クロマトグラフィーカラム12から溶出された娘核種Mは、イオン交換体14に吸着されるが、同様に溶出される親核種は吸着されず、実質的に完全に第2の多方向弁15を通り捕捉容器16へと導かれる。

0040

装置1は、好ましくは、流体ライン及び第1の多方向弁13を介してイオン交換体14の入口に接続された更なる溶出装置21、溶出装置22、及び溶出装置23を備える。溶出装置21、溶出装置22、及び溶出装置23は、イオン交換体14又はイオン交換体14に吸着された娘核種Mを精製する働きをする。特に、親核種、FeIII、ZnII、及びTiIV等の、放射性核種ジェネレータ10から生じる残渣は、溶出装置21、溶出装置22、及び溶出装置23によって除去される。イオン交換体14を出る1以上の溶出液又は溶媒は、同様に第2の多方向弁15を介して捕捉容器16に導かれる。

0041

流体ライン及び多方向弁13を介してイオン交換体14の入口に接続された更なる溶出装置30が、イオン交換体14から精製された娘核種Mを溶出するために使用される。娘核種Mを含む溶出液が、第2の多方向弁15を介して反応容器17に導かれる。反応容器17は、電気加熱装置17Aを備えていることが好ましい。本発明の化合物Vを含む溶液が、受容容器40から反応容器17へと導かれ、これによって娘核種Mと化合物Vとの錯体形成が開始される。錯体形成の完了後、放射性標識化合物VM(化合物V及びライゲートされた娘核種Mを含む放射性医薬品を意味する)は、任意のフィルタ18を通して生成物容器19に導かれ、適用可能な場合、受容容器50から供給される溶液で中和される。

0042

図4は、本発明の化合物V、並びに好ましくは66Ga、67Ga、及び68Gaから選択される金属放射性同位元素Mからなる放射性医薬品を製造するための第2の装置2を示す。図4において、図3と一致する参照符号は、同様の機能を有する構成要素を示す。第2の装置2は、本発明の化合物Vを含む溶液が、溶出装置43から流体ライン及び多方向弁13を介してイオン交換器14の入口に接続されている点で装置1と異なる。化合物Vを含む溶液がイオン交換体14に直接供給され、娘核種Mが同時に溶出されて錯化される。イオン交換体14から、本発明の化合物V及び金属放射性同位元素Mを含む溶出液が、多方向弁15及び任意のフィルタ18を介して生成物容器19へと導かれる。本発明の化合物Vが娘核種Mを効率的かつ安定的に錯化する場合、装置2によって迅速かつ効果的に放射性医薬品を製造することができる。

0043

図3及び図4は、放射性核種ジェネレータ及びイオン交換体を有する特定の装置を示すものである。しかしながら、独立したイオン交換体は必ずしも必要ではない。むしろ、多くの用途において、放射性核種ジェネレータにおいてイオン交換体を吸着剤として使用することが適切である。

0044

更なる適用例又は実施形態では、放射性核種ジェネレータ及びイオン交換体のいずれも必要ではない。これらの適用例又は実施形態では、金属同位元素又は金属放射性同位元素が溶液中に提供される。

0045

添付の図面は、本発明の実施形態及び要素を示すが、本発明の主題を図面中に示す実施形態及び要素に限定するものではない。DOTA又はその変更、或いは使用が図面に記載されている場合、キレート剤DOTAの代わりに、キレート剤DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を代替的に使用することが可能である。

図面の簡単な説明

0046

O. Sartor,P. Hoskin,O. S. Bruland,Targeted radio−nuclide therapy of skeletal metastases(骨転移の標的放射性核種療法),Cancer Treatment Reviews,2013;39:18−26からの投与後1日目、2日目、及び6日目の[99mTc]MDP及び223RaCl2の比較
最大値投影操作モードでの、60分後の健康Wistarラットにおける種々の68Ga(III)標識大環状ビスホスホネートのマイクロPET曝露
図3は、上記で詳述した化合物Vからなる放射性医薬品を製造するための第1の装置1を概略的に示すものである。
図4は、上記で詳述した本発明の化合物V及び金属性放射性同位元素Mからなる放射性医薬品を製造するための第2の装置2を概略的に示すものである。
播種性骨転移を有する患者における[177Lu]DOTAZOLの分布前立腺癌患者に対する投与6時間後の[177Lu]DOTAZOLシンチグラフィー。最初の治療適用において[sic](原文のまま)、たった1度の5.5GBqの[177Lu]DOTAZOLでの治療後、2ヶ月以内に、PSA値(前立腺癌の進行のモニタリング上重要なマーカーである)を、当初の478ng/mLから88ng/mLに低下させることができた。177Lu−DOTAMZOLを同等に使用してもよい。
68Ga−DOTAZOLで検査した骨転移を有する前立腺癌患者のPET/CTスキャン。68Ga−DOTAMZOLを同等に使用してもよい。

0047

これらに関連する医学的用途及びその他の用途
本発明はまた、薬又は医薬品を製造するための標識前駆体としての本発明の化合物Vの使用に関する。本発明はまた、陽電子放射型断層撮影又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影によるイメージングプロセスにおけるそのような医薬品の使用に関する。本発明の医薬品は、処置(treatment)プロセス又は治療(therapy)プロセスにおける使用に適している。本発明の医薬品は、骨疾患及び骨腫瘍の治療方法における使用に特に適している。従って、骨疾患及び骨腫瘍の治療のためのそのような方法は、本発明に従う。そのような方法は、特に、現れていない骨転移の疾患の治療における医薬品の使用方法を含む。これらの方法は、好ましくは、ファルネシルピロリン酸合成(FPPS)を阻害するための腫瘍細胞における集積を含む。本発明の医薬品の他の医学的方法及び使用は、陽電子放射型断層撮影又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影を用いた薬物動態学的プロセス(心疾患等)のイメージングを含む。医薬品は、人工骨質、骨セメント、又は骨インプラントにおける添加剤としてインビボ又はエクスビボで使用することもできる。

0048

本発明は更に、医薬品を製造するための、金属同位元素M(例えば、ガドリニウム)と組み合わせた本発明の化合物Vの使用に関し、ここで金属同位元素Mは、好ましくは、同位元素の44Sc、47Sc、55Co、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、67Ga、68Ga、89Zr、86Y、90Y、90Nb、99mTc、111In、135Sm、159Gd、149Tb、160Tb、161Tb、165Er、166Dy、166Ho、175Yb、177Lu、186Re、188Re、213Bi、及び225Acの中から選択される。

0049

本発明の医薬品は、磁気共鳴断層撮影核磁気共鳴断層撮影)又は光学イメージングを用いた画像診断のために調製されてもよい。そのような調製物は、医薬品及び使用説明書を含むキットにおける医薬品の提供を含んでいてもよい。

0050

DOTAZOLに基づく[M]DOTAZOL型の医薬品及びこれらから誘導される誘導体(例えばDOTAM系の誘導体)は、インビトロアッセイにおいて、3価金属放射性同位元素Mを含有する知られている放射性医薬品の親和性よりも大幅に優れた、ヒドロキシアパタイトに対する親和性を示す。

0051

[M]DOTAZOL型の放射性医薬品、及びこれらから誘導される誘導体(例えばDOTAM系の誘導体)は、3価金属放射性同位元素Mを含有する知られている放射性医薬品よりもインビボ研究において骨への結合が著しく良好であることを示す。これに加えて、[M]DOTAZOL及びその誘導体(例えば、DOTAM系の誘導体)は、骨−対−血液及び骨−対−軟組織の集積比が有利であることによって特徴付けられる。これは、例えば図6に示される。

0052

223RaCl2(Xofigo(登録商標))と比較して、[M]DOTAZOL型の放射性医薬品、及びこれらから誘導される誘導体(例えば、DOTAM系の誘導体)は、腸内に集積を示さず、腎臓を介して迅速に排泄される。

0053

現在特に成功を収めているPSMAトレーサ(PSMA=前立腺特異的膜抗原)と比較して、[M]DOTAZOL型の放射性医薬品、及びこれらから誘導される誘導体(例えば、DOTAM系の誘導体)は、同一患者の骨転移において、著しく強い集積(2倍〜8倍)を示すと同時に、健康な臓器における集積が有意に減少した(実施例9を参照)。従って、[68Ga]DOTAZOL類の放射性医薬品(及びこれらから誘導される誘導体、例えば[68Ga]DOTAMZOL等のDOTAM系の誘導体)は、画像診断において知られているトレーサよりも優れている。

0054

これに類似して、[177Lu]DOTAZOL類の放射性医薬品(及びこれらから誘導される誘導体、例えば[177Lu]DOTAMZOL等のDOTAM系の誘導体)は、3価の金属放射性同位元素に基づく知られているトレーサよりもその治療効果が優れている。第一の臨床研究は、化合物[177Lu]DOTAZOLの高選択性を実証している(図5を参照)。

0055

[177Lu]DOTAZOL類の放射性医薬品(及びこれらから誘導される誘導体、例えば[177Lu]DOTAMZOL等のDOTAM系の誘導体)は、その骨腫瘍における効果的かつ選択的な集積性、及び他の全ての臓器における滞留時間が治療的に有意でないことにより、223Raを用いた骨腫瘍の複雑な治療の代替法開拓する。223Raを用いた骨腫瘍の治療には、
(i)血液毒性作用、並びに腸、脾臓、及び肝臓における223Raの集積に起因して治療用量及び効率が限定的である;
(ii)問題のある取扱い性及び線量測定、並びに223Raを扱うための精巧な安全予防策;及び
(iii)付加的なコストのかかる精製工程を必要とする225Acによる化学的汚染が、223Raの適用を著しく困難にする;
等の重大な欠点がある。

0056

更に、177Lu標識DOTAZOL(及びこれらから誘導される誘導体、例えば[177Lu]DOTAMZOL等のDOTAM系の誘導体)は、現在集中的に検討されている177Lu−PSMA誘導体よりも、前立腺疾患後の骨転移の治療に顕著に有力である。これらと比較して、同一患者の骨転移において2倍を超える著しい集中的な集積が期待されるため、治療上線量測定に優れると同時に、健康な臓器における集積が顕著に減少する(従って、身体暴露が減少する)。

0057

以下の実施例は、本発明の実施形態及び要素を説明するが、本発明の主題を実施例に示す実施形態及び要素に限定するものではない。DOTA又はその変更、或いは使用が実施例に記載されている場合、キレート剤DOTAの代わりに、キレート剤DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を代替的に使用することが可能である。

0058

実施例1:化合物DOTAZOLの合成
使用した器具及び化学薬品
ESI−MS:Agilent Technologiesの6130四重極LC/MSスペクトロメータ、又はFinniganのMAT−95スペクトロメータ。NMRスペクトロメータ:Bruker 600(Bruker BioSpin AG(スイス,フェランデン)。DC又はラジオDC:アルミニウム箔上のメルクシリカ、溶出液:pH =4の0.1Mクエン酸塩、又はアセチルアセトンアセトン:濃HCl(10:10:1)。検出器:Canberra Packardのインスタントイメージャ。ラジオHPLC:Watersのシステム1525、カラム:MultoKrom(CSクロマトグラフィー)RP18,5μ,250×4mm。溶出液:A(pH=4.5の10mMテトラブチルアンモニウムクエン酸塩)、B(アセトニトリル)。グラジエント1cm3/分(1mL/分)70(A):30(B)→20(A):80(B)。検出器:Berthold Technologies(ドレスデン)。68Ga/68Geジェネレータ:Eckert&Ziegler AG(ベルリン)。0.05MのHCl中の177Lu(III):itm AG(ミュンヘン)。マイクロPET: Siemens Focus 120。PETデータは、Pmodソフトウェア及びOSEMの2D再構成を用いて処理した。組織試料中の放射能を、オートガンマカウンタ(WIZARD2(Perkin Elmer(ドイツ))を用いて減衰補正した。

0059

最初の出発化合物としてのN−ω−アセチルヒスタミンは、無水酢酸を用いてヒスタミンから調製された。この化合物は市販されているが(Sigma−Aldrich)、van der Merwe等,Hoppe−Seyler’s Zeitschrift fuer Physiologische Chemie[Journal of Physiological Chemistry],177,1928,305より知られている文献の明細書に従って合成することもできる。DOTA−NHSエステルも同様に市販されているが、Rasaneh等,Nucl. Med. Biol.,36,2009,363−369より知られている文献の明細書に従って合成することもできる。

0060

キレート剤DOTAの代わりに、キレート剤DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を使用することも可能であり、これも同様に市販されているか、又は適宜合成することができる。

0061

1−(ベンジルアセテート)4−(エチルアセトアミド)−イミダゾール(1)
1gのNω−アセチルヒスタミン(6.53mmol)を50mLの脱水DMFに溶解し、4.4g(13mmol)の炭酸セシウムを添加した。この溶液をアルゴン雰囲気中で撹拌し、氷冷した。50mLの脱水DMFに溶解した2.2g(13mmol)のブロモ酢酸ベンジルを、懸濁液に滴下してゆっくり加えた。活性炭を加える前に、混合物を12時間撹拌した。続いて固体濾別し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をアセチルアセテートから再結晶化し、1.14g(58%)の1−(ベンジルアセテート)4−(エチルアセトアミド)−イミダゾール(1)を淡黄色の固体として得た。

0062

1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ1.97(s,3H,CH3−CO)、2.76(t,JH=6.3Hz,2H,CH2−CH2)、3.53(q,JH=6.0Hz,2H,CH2−CH2)、4.70(s,2H,N−CH2−CO)、5.22(s,2H,Bn−CH2−CO)、6.53(bs,1H,NH)、6.75(d,JH=1.3Hz,イミダゾール−H)、7.39(m,5H,ベンジル)、7.44(d,JH=1.3Hz,1H,イミダゾール−H))。FD−MS(+):cald 301.14 obsd 302.3(M+H+)、603.2(2M+H+)。

0063

1−(1−ヒドロキシ−エタン−1,1−ビス(ホスホン酸))4−(エチルアミン)−イミダゾール(3)
300mg(1mmol)の(1)を20mLの脱水メタノールに溶解し、Pd/C(10%w)を加えた。懸濁液を水素雰囲気下(0.5MPa(5bar))で12時間撹拌した。溶媒及び固体を除去した後、無保護酸(2)(208mg、98%)を更に直接転化した。1mLのメタンスルホン酸及び164mg(2当量)の亜リン酸を撹拌しながら加えた。混合物を75℃に加熱し、300mg(2.2当量)の三塩化リン不活性ガス雰囲気中で滴下してゆっくり加えた。12時間後、反応混合物を室温まで冷却し、2mLの氷水に加えた。その後、溶液を再利用して24時間加熱した。活性炭の添加後、全ての固体を濾別し、白色固体沈殿し始めるまで、濃縮水酸化ナトリウムを滴下して溶液に加えた。懸濁液を4℃で24時間保存して沈殿を完了させた。最終工程において、得られた固体を沸騰水から再結晶化し、88.6mg(28%)の前述のヒドロキシビスホスホネート(3)を得た。

0064

1H−NMR(D2O/NaOD,300MHz):δ2.46(m,2H,CH2−CH2)、2.66(m,2H,CH2−CH2)、4.28(m,2H,N−CH2ホスホネート)、6.89(s,1H,イミダゾール−H)、7.54(s,1H,イミダゾール−H)。31P−NMR(D2O/NaOD,162.05MHz):δ14.4。ESI−MS(+):cald 315.04 obsd 316.05(M+H+),338.04(M+Na+)。

0065

DOTAZOL
15.75mg(0.05mmol)の(3)を1mLの水に懸濁し、トリエチルアミン(TEA)を全ての固体が溶解するまで加えた。0.5mLの水に溶解した38mg(0.05mmol)のDOTA−NHSエステルを、ビスホスホネート溶液に滴下してゆっくり加えた。反応混合物を50℃で24時間撹拌した。pH値を定期的に監視し、TEAの添加により8〜9の間に維持した。粗生成物を、分取HPLC(Phenomenex SynergiのHydro−RP80,10μ,250×30mm、溶出液:H2O+0.1%TFA)により遊離体から分離した。第2の工程において、粗生成物を固相抽出(NH2相、MerckのLiChroprep NH2)により更に精製した。固相を水/メタノール/水で洗浄した後、生成物をH2O+2%TFAの溶液により固相から溶出した。凍結乾燥後、5.6mg(15.7%)の白色固体を得た。

0066

1H−NMR(D2O/NaOD,300MHz):δ2.42(m,2H,CH2−CH2)、2.61(m,2H,CH2−CH2)、2.9−3.5(b,16H,サイクレン−CH2)、3.75(bs,8H,−CH2−CO)、4.55(m,2H,N−CH2ホスホネート)、7.28(s,1H,イミダゾール−H)、8.54(s,1H,イミダゾール−H)。31P−NMR(D2O/NaOD,162.05MHz):δ14,3.ESI−MS(+):cald 701.2 obsd 702.5(M+H+),351.1(M+2H+)。

0067

キレート剤DOTAの代わりに、キレート剤DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を代替的に使用することが可能である。

0068

実施例2:[68Ga]DOTAZOLの合成
25nmolのDOTAZOLを500μLの酢酸ナトリウム緩衝液(0.5M、pH=4)に溶解し、400μLの68Ga(III)溶液に加えた。混合物を98℃で15分間加熱した。次いで、反応液無菌的に濾過した。薄層クロマトグラフィー及びHPLCにより、放射化学的純度が95%以上であることを測定した。

0069

実施例3:[177Lu]DOTAZOLの合成
1GBqの177Lu(III)当たり10nmolのDOTAZOLを1mLの酢酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH=5.0)に溶解し、177Lu(III)溶液に加えた。混合物を98℃で30分間加熱した。次いで、反応液を無菌的に濾過した。薄層クロマトグラフィー及びHPLCにより、放射化学的純度が98%以上であることを測定した。

0070

実施例4:僅かに塩基性水溶液中のDOTAGAのNHSカップリング

0071

実施例5:僅かに塩基性の水溶液中のHEHA誘導体のNCSカップリング

0072

実施例6:僅かに塩基性の水溶液中のDO3A誘導体のスクアリン酸カップリング

0073

実施例7:酸性溶液中でのDO3Aのマンニッヒ反応

0074

実施例8:ラットにおけるインビボ実験
イソフルランによる麻酔下で、140g〜220gの体重の健康なWistarラット(N=5)の尾静脈に、等張生理食塩水希釈した15MBq〜18MBqの68Ga標識化合物又は177Lu標識化合物を投与した。投与60分後にラットを屠殺し、臓器試料を取り出し、量し、組織中の顕著なビスホスホネートの集積を、以下の式に従いSUV(標準取込値)で測定した。
SUV=(組織1g当たりの活性)/(投与活性)×体重

0075

比較物質として、知られているα−ヒドロキシ−BP BPAPD及びパミドロネート−DOTAコンジュゲート(DOTAPAM)を選択した。これらの化合物は、先に述べた先行技術において知られている化合物であり、二官能性キレート剤による誘導体化のため、明らかにアフィンアミノ官能基を失っている。

0076

先に述べた68Ga標識ビスホスホネートの臓器分布に関する測定結果を以下の表1及び表2に纏める。

0077

表1:Wistarラットにおける60分後の[68Ga]BPAPD、[68Ga]DOTAPAM、及び[68Ga]DOTAZOLのエクスビボ分布。5匹の動物から得られたSUV(標準偏差)で示すデータ。†:[68Ga]BPAPDに対しP<0.05、‡:[68Ga]DOTAPAMに対しP<0.05。

0078

表2:Wistarラットにおける60分後の[68Ga]BPAPD、[68Ga]DOTAPAM、及び[68Ga]DOTAZOLの骨/臓器比。

0079

表3:Wistarラットにおける[68Ga]BPAPD、[68Ga]DOTAPAM、及び[68Ga]DOTAZOLを用いたインビボでのマイクロPET試験からの薬理学パラメータ(2−コンパートメントモデル)。

0080

キレート剤DOTAの代わりに、キレート剤DOTAM(1,4,7,10−テトラキス(カルバモイルメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン)を代替的に使用することが可能である。

0081

実施例9:骨転移における集積
現在特に成功を収めているPSMAトレーサ(PSMA=前立腺特異的膜抗原)と比較して、[M]DOTAZOL型の放射性医薬品、及びこれらから誘導される誘導体(例えば、DOTAM系の誘導体)は、同一患者の骨転移において、著しく強い集積(2倍〜8倍)を示すと同時に、健康な臓器における集積が有意に減少した(実施例9を参照)。表は、前立腺癌及び骨転移を有する患者において測定された[68Ga]DOTAZOL及び[68Ga]HBED−PSMACC取込み(SUV最大値として)の直接比較を示す。

実施例

0082

表4:前立腺癌及び骨転移を有する患者における[68Ga]DOTAZOL及び[68Ga]HBED−PSMACCのSUV最大値の直接比較。

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