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課題・解決手段

本発明は、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物に関し、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、上記化合物は式(1)で表される基又はその塩をさらに含み、上記化合物はリンカーコンジュゲートとも称することができる。本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスにも関し、上記プロセスは、本発明によるリンカー−コンジュゲートの反応性基Q1を生体分子の官能基F1と反応させるステップを含む。本発明は、本発明によるプロセスによって得ることができるバイオコンジュゲートにさらに関する。好ましい実施形態において、本発明は、(4+2)−付加環化(例えばDiels−Alder反応)又は(3+2)−付加環化(例えば1,3−双極子付加環化)などの付加環化を介するバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関する。

概要

背景

[発明の背景
バイオコンジュゲーションは、少なくとも1つが生体分子である2つ以上の分子を連結するプロセスである。生体分子(単数又は複数)は、「目的の生体分子(単数又は複数)」と称されることもあり、他の分子(単数又は複数)は、「標的分子」又は「目的の分子」と称されることもある。典型的に、目的の生体分子(BOI)は、タンパク質(又はペプチド)、グリカン核酸(又はオリゴヌクレオチド)、脂質、ホルモン又は天然薬物(又はその断片若しくは組合せ)からなる。目的の他の分子(MOI)は生体分子であってもよく、それゆえに、ホモ若しくはヘテロ二量体(又は高級オリゴマー)の形成に至るか、又は他の分子は、コンジュゲーションプロセスによって目的の生体分子に付与される特定の特色を有することができる。例えば、検出及び/又は単離のための化学プローブを用いる共有結合修飾によるタンパク質構造及び機能の変調は、プロテオームベース研究調査及び生体医用用途における強力なツールとして発展してきた。タンパク質の蛍光性又は親和性タグ付けは、タンパク質の天然生育地におけるタンパク質の輸送を研究する上での鍵となる。タンパク質−炭水化物コンジュゲートに基づくワクチンは、HIV、癌、マラリア及び病原性細菌との闘いにおいて活躍してきた。一方、マイクロアレイに固定されている炭水化物は、グライコーム解明に役立っている。合成のDNA及びRNAオリゴヌクレオチド(ON)は、診断及び治療用途、例えばマイクロアレイ科学技術、アンチセンス及び遺伝子サイレンシング治療ナノテクノロジー、並びに様々な材料科学用途のための適当な官能性基の導入を必要とする。例えば、細胞透過性リガンドの結合は、オリゴヌクレオチドベースの治療(アンチセンス、siRNA)中に遭遇するONの低い内部移行速度に取り組むために、最も一般的に適用される戦略である。同様に、オリゴヌクレオチドベースのマイクロアレイの調製は、適当な固体表面、例えばガラスへのONの選択的固定化を必要とする。

2つ(以上)の分子構造共有結合的に連結するのに適当な化学反応の多数の例がある。しかしながら、生体分子の標識化は、適用することができる反応条件溶媒、濃度、温度)に高い制限を課し、一方で、化学選択的標識化を所望の場合は、反応性基の選択が制限される。当然の理由により、生物系は一般に水性環境において最も良く機能し、これは、バイオコンジュゲーションの試薬水性系における適用に適当であるべきであることを意味している。一般に、2つの戦略的概念がバイオコンジュゲーション科学技術の分野において認識され得る:(a)例えばチオールアミンアルコール若しくはヒドロキシフェノール単位などの目的の生体分子にすでに存在する官能基に基づくコンジュゲーション、又は(b)実際のコンジュゲーションプロセスの前に1個(又は複数)の独特の反応性基をBOIに改変することを伴う2段階プロセス。

第1の手法は、タンパク質(例えばシステインリシンセリン及びチロシン)における反応性アミノ酸側鎖、又はグリカン(例えばアミン、アルデヒド)若しくは核酸(例えばプリン若しくはピリミジン官能性基又はアルコール)における官能基を典型的に伴う。とりわけ、参照により組み込まれるG.T.Hermanson「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013に要約されている通り、ここ何年かの間に、これらの官能基のうちの1つの化学選択的標的化に、多数の反応性官能基、例えばマレイミドハロアセトアミド活性化エステル活性化カーボネートハロゲン化スルホニル活性チオール誘導体アルケンアルキンアレンアミドなどが利用できるようになってきており、その各々がコンジュゲーションのそれ自体の特定の条件(pH、濃度、化学量論、光、など)を必要とする。最も顕著には、システイン−マレイミドコンジュゲーションは、高い反応速度及び化学選択性おかげで、タンパク質コンジュゲーションで卓越している。しかしながら、多くのタンパク質、そして無論他の生体分子における場合のように、システインがコンジュゲーションに利用可能でないと、他の方法がしばしば必要とされ、各々が独自の欠点に悩まされている。

バイオコンジュゲーションのための的確な及び広く適用可能な解決策は、上記2段階手法に関与する。より面倒ではあるが、改変された官能性基を介する2段階コンジュゲーションは、天然官能性基におけるコンジュゲーションよりも高い選択性(部位特異性)が典型的には得られる。その上、完全な安定性は、コンストラクトの適切な選択によって達成することができる。この点は、特にシステイン−マレイミドコンジュゲーションの場合、未変性の官能性基における1段階コンジュゲーションの重要な欠点であり得る。BOIに付与することができる官能基の典型例としては、(歪み)アルキン、(歪み)アルケン、ノルボルネンテトラジンアジドホスフィンニトリルオキシドニトロンニトリルイミンジアゾ化合物カルボニル化合物、(O−アルキルヒドロキシルアミン及びヒドラジンが挙げられ、これらは、化学的又は分子生物学手法のいずれかによって達成することができる。上の官能基の各々は、少なくとも1つの反応パートナーを有することが知られており、多くの場合に完全な相互反応性を伴う。例えば、シクロオクチンは1,3−双極子と、歪みアルケンはテトラジンと、及びホスフィンはアジドと選択的及び排他的に反応し、完全に安定な共有結合に至る。しかしながら、上の官能基のいくつかは、高親油性であるという不利な点を有し、このことは、特に目的の親油性分子との組合せでコンジュゲーション効率を損なうおそれがある(下記を参照されたい)。

生体分子と目的の他の分子との間の最終連結単位は、優先的に、可溶性、安定性及び生体適合性の点から水性環境と完全に適合性であるべきでもある。例えば、高親油性リンカーは、凝集(コンジュゲーション中又は後)に至ることがあり、凝集は、特にMOIが疎水性性質でもある場合、反応時間を著しく増加させる及び/又はコンジュゲーション収率を低減することがある。同様に、高親油性リンカー−MOI組合せは、同じ又は他の生体分子の表面又は特定の疎水性パッチへの非特異的結合に至ることがある。リンカー水性加水分解又は他の水誘発切断反応に感受性であるならば、元のバイオコンジュゲートを含む構成成分は拡散によって分離する。例えば、ある特定のエステル部分ケン化されるため適当でなく、一方、β−ヒドロキシカルボニル又はγ−ジカルボニル化合物は、それぞれレトロアルドール反応又はレトロマイケル反応に至り得る。最終的に、リンカーは、バイオコンジュゲートに存在する官能性基に対して、又はバイオコンジュゲートの適用中に遭遇し得る任意の他の官能性基に対して不活性であるべきであり、これにより、特に、例えばケトン部分若しくはアルデヒド部分(イミン形成に至ることがある)、α,β−不飽和カルボニル化合物マイケル付加)、チオエステル若しくは他の活性化エステル(アミド結合形成)を特色とするリンカーの使用は除外される。

エチレングリコールの直鎖オリゴマーで作製されている化合物、いわゆるPEG(ポリエチレングリコール)リンカーは、最近、生体分子コンジュゲーションプロセスにおいて特に普及している。PEGリンカーは、高水溶性、非毒性、非抗原性であり、凝集をごくわずかにしか又は全く生じない。この理由により、目的の(生体)分子を用いていずれかの端部で選択的に修飾することができる多種多様な直鎖の二官能性PEGリンカーが、様々な供給元から市販されている。PEGリンカーは、酸化エチレン重合プロセスの生成物であり、そのため、1kDa、2kDa、4kDa又はそれ以上(最大60kDa)を中心とする平均重量分布を有するPEGコンストラクトに部分的に分解することができる鎖長の確率的混合物として典型的に得られる。最大4kDaの分子量を有する均質の個別PEG(dPEG)も知られており、その分枝バージョンは最大15kDaになる。興味深いことに、PEG単位それ自体は、生体分子に特別な特徴を付与する。特に、タンパク質PEG化は、インビボにおける滞留延長代謝酵素による分解の減少、及びタンパク質免疫原性の低減又は消失に至ることがある。いくつかのPEG化タンパク質はFDA承認されており、現在市場に出ている。

PEGリンカーは、高い極性のおかげで、水性条件下で小さい部分及び/又は水溶性部分のバイオコンジュゲーションに全く適当である。しかしながら、目的の疎水性の非水溶性分子のコンジュゲーションの場合において、PEG単位の極性は、疎水性を相殺するのに不十分で、反応速度の著しい低減、より低い収率及び凝集誘発の課題に至り得る。こうした場合において、長いPEGリンカー及び/又はかなりの量の有機共溶媒が、試薬を可溶化するために必要とされることがある。例えば、抗体−薬物コンジュゲートの分野において、モノクローナル抗体への別々の数の毒性ペイロードの結合の制御が鍵であり、ペイロードはオーリスタチンE若しくはF、メイタンシノイドデュオカルマイシンカリケアマイシン又はピロロベンゾジアゼピン(PBD)の群から典型的に選択され、多くの他のものも検討中である。オーリスタチンFを除いて、全ての毒性ペイロードは非水溶性に乏しく、成功コンジュゲーションを達成するために25%のジメチルアセトアミドDMA)又は50%のプロピレングリコールPG)などの有機共溶媒を必要とする。疎水性ペイロードの場合において、上述の共溶媒の使用にもかかわらず、大化学量論の試薬がコンジュゲーション中に必要とされることがあり、一方で、効率及び収率は、例えば、参照により組み込まれるNat.Biotechn.2014、24、1256〜1263においてSenterらによって記載されている通り、(プロセス中又は生成物単離後)凝集により著しく損なわれることがある。長いPEGスペーサー(12単位以上)の使用は、可溶性及び/又はコンジュゲーション効率を部分的に増強することができるが、長いPEGスペーサーは、より急速なインビボクリアランスに至ることがあり、それゆえにADC薬物動態プロファイルに負の影響を及ぼすことが示されている。

上記から、疎水性部分の速い及び効果的なコンジュゲーションを可能にする短い極性スペーサーの需要があることが明らかになる。後者が、例えば歪みアルキン、アルケン及びホスフィン(上を参照されたい)などの疎水性反応性部分が用いられるコンジュゲーション反応のレベルを高めることにも関係することは明らかである。

リンカーは当技術分野において知られており、例えば、参照により組み込まれる国際公開第2008/070291号に開示されている。国際公開第2008/070291号は、アンカリング構成成分への標的剤カップリングのためのリンカーを開示している。上記リンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)によって代表される親水性領域、及び標的化剤へカップリングされるキラル中心欠如している伸長を含有している。

参照により組み込まれる国際公開第01/88535号は、バイオコンジュゲーションのための表面用のリンカー系、特に、新規親水性スペーサー基を有するリンカー系を開示している。上記リンカー系における使用のための親水性原子又は親水性基は、O、NH、C=O(ケト基)、O−C=O(エステル基)及びCR3R4からなる群から選択され、ここでR3及びR4は、H、OH、C1〜C4アルコキシ及びC1〜C4アシルオキシからなる群から独立して選択される。

参照により組み込まれる国際公開第2014/100762号は、適切な条件下で切断可能であるとともに親水性基を組み込むことで化合物のより良好な可溶性を提供する親水性自己犠牲リンカーを有する化合物を記載している。上記化合物は、薬物部分、選択された細胞集団を標的化できる標的化用部分、並びにアシル単位、薬物部分と標的化用部分との間の距離を提供するための任意選択スペーサー単位を含有するリンカー、適切な条件下で切断可能であり得るペプチドリンカー、親水性自己犠牲リンカー、及び任意選択の第2の自己犠牲スペーサー又は環化自己脱離リンカーを含む。親水性自己犠牲リンカーは、例えばベンジルオキシカルボニル基である。

概要

本発明は、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物に関し、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、上記化合物は式(1)で表される基又はその塩をさらに含み、上記化合物はリンカー−コンジュゲートとも称することができる。本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスにも関し、上記プロセスは、本発明によるリンカー−コンジュゲートの反応性基Q1を生体分子の官能基F1と反応させるステップを含む。本発明は、本発明によるプロセスによって得ることができるバイオコンジュゲートにさらに関する。好ましい実施形態において、本発明は、(4+2)−付加環化(例えばDiels−Alder反応)又は(3+2)−付加環化(例えば1,3−双極子付加環化)などの付加環化を介するバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関する。

目的

参照により組み込まれる国際公開第2014/100762号は、適切な条件下で切断可能であるとともに親水性基を組み込むことで化合物のより良好な可溶性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスであって、前記プロセスが、リンカーコンジュゲート反応性基Q1を生体分子(B)の官能基F1と反応させるステップを含み、前記リンカー−コンジュゲートが、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物であり、前記化合物が、生体分子(B)に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子(D)をオメガ端部に含み、前記化合物が、式(1)で表される基又はその塩をさらに含み:(式中:aは、0若しくは1であり;R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロアリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、第2の標的分子Dであり、ここで第2の標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)、ここで、式(1)で表される基又はその塩は、前記化合物の前記アルファ端部と前記オメガ端部との間に位置し、ここで前記反応は、付加環化である、プロセス。

請求項2

式(1)で表される基において、aが0である、請求項1に記載のプロセス。

請求項3

式(1)で表される基において、aが1である、請求項1に記載のプロセス。

請求項4

前記生体分子が、タンパク質糖タンパク質及び抗体を含める)、ポリペプチドペプチドグリカン、脂質、核酸オリゴヌクレオチド多糖類オリゴ糖類酵素ホルモンアミノ酸及び単糖類からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項5

前記標的分子が、活性物質レポーター分子ポリマー固体表面、ヒドロゲルナノ粒子微小粒子及び生体分子からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項6

前記付加環化が、Diels−Alder反応又は1,3−双極子付加環化、好ましくは1,3−双極子付加環化である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項7

Q1及びF1が、アルケニル基アルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基シクロアルケニル基テトラニル基アジド基ニトリルオキシド基ニトロン基ニトリルイミン基ジアゾ基、コンジュゲートされた(ヘテロ)ジエン基、1,2−キノン基及びトリアジン基からなる群から選択され、F1がアジド基、ニトリルオキシド基、ニトロン基、ニトリルイミン基、ジアゾ基、コンジュゲートされた(ヘテロ)ジエン基、1,2−キノン基及びトリアジン基である場合にQ1がアルケニル基、アルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基、ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基又はシクロアルケニル基であり、逆もまた同様である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項8

Q1がアルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基又はビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基であり、F1がアジド基である、請求項6に記載のプロセス。

請求項9

前記リンカー−コンジュゲートが、式(4a)若しくは(4b)で表される又はその塩である:(式中:aは、独立して0又は1であり;bは、独立して0又は1であり;cは、0又は1であり;dは、0又は1であり;eは、0又は1であり;fは、1〜150の範囲における整数であり;gは、0又は1であり;iは、0又は1であり;Dは、標的分子であり;Q1は、アルケニル基、アルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基、ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基又はシクロアルケニル基であり;Sp1は、スペーサー部分であり;Sp2は、スペーサー部分であり;Sp3は、スペーサー部分であり;Sp4は、スペーサー部分であり;Z1は、Q1又はSp3をSp2、O又はC(O)又はN(R1)に接続する接続基であり;Z2は、D又はSp4をSp1、N(R1)、O又はC(O)に接続する接続基であり;R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される;又はR1は、D、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]若しくは−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]であり、ここで、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2、D、Q1、b、c、d、e、g及びiは、上で定義されている通りである)、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項10

Sp1、Sp2、Sp3及びSp4が、直鎖又は分岐のC1〜C200アルキレン基、C2〜C200アルケニレン基、C2〜C200アルキニレン基、C3〜C200シクロアルキレン基、C5〜C200シクロアルケニレン基、C8〜C200シクロアルキニレン基、C7〜C200アルキルアリーレン基、C7〜C200アリールアルキレン基、C8〜C200アリールアルケニレン基及びC9〜C200アリールアルキニレン基からなる群から独立して選択され、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基が、置換されていてもよく、O、S及びNR3の群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基が置換されていてもよい、請求項9に記載のプロセス。

請求項11

Z1及びZ2が、−O−、−S−、−NR2−、−N=N−、−C(O)−、−C(O)NR2−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−O−C(O)−NR2、−NR2−C(O)−、−NR2−C(O)−O−、−NR2−C(O)−NR2−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR2−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−S(O)2−、−O−S(O)2−O−、−O−S(O)2−NR2−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR2−、−O−NR2−C(O)−、−O−NR2−C(O)−O−、−O−NR2−C(O)−NR2−、−NR2−O−C(O)−、−NR2−O−C(O)−O−、−NR2−O−C(O)−NR2−、−O−NR2−C(S)−、−O−NR2−C(S)−O−、−O−NR2−C(S)−NR2−、−NR2−O−C(S)−、−NR2−O−C(S)−O−、−NR2−O−C(S)−NR2−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR2−、−NR2−C(S)−、−NR2−C(S)−O−、−NR2−C(S)−NR2−、−S−S(O)2−、−S−S(O)2−O−、−S−S(O)2−NR2−、−NR2−O−S(O)−、−NR2−O−S(O)−O−、−NR2−O−S(O)−NR2−、−NR2−O−S(O)2−、−NR2−O−S(O)2−O−、−NR2−O−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)−、−O−NR2−S(O)−O−、−O−NR2−S(O)−NR2−、−O−NR2−S(O)2−O−、−O−NR2−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)2−、−O−P(O)(R2)2−、−S−P(O)(R2)2−、−NR2−P(O)(R2)2−及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から独立して選択され、ここでR2は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は置換されていてもよい、請求項9又は10に記載のプロセス。

請求項12

Sp1、Sp2、Sp3及びSp4が、存在するならば、直鎖又は分岐のC1〜C20アルキレン基からなる群から独立して選択され、アルキレン基が、置換されていてもよく、O、S及びNR3からなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択され、Q1は、式(9a)、(9q)、(9n)、(9o)又は(9p)で表される:(式中、UはO又はNR9であり、R9は水素、直鎖又は分岐のC1〜C12アルキル基又はC4〜C12(ヘテロ)アリール基である)、請求項9〜11のいずれか一項に記載のプロセス。

請求項13

請求項1〜12のいずれか一項に記載のプロセスによって得ることができるバイオコンジュゲート。

請求項14

アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物であって、前記化合物が、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、前記化合物が、式(1)で表される基又はその塩をさらに含み:(式中:aは、0又は1であり;R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、標的分子Dであり、ここで前記標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)、ここで、式(1)で表される基又はその塩は、前記化合物の前記アルファ端部と前記オメガ端部との間に位置し、Q1はアルケン基又はアルキン基である、化合物。

請求項15

Q1が、(ヘテロ)シクロアルキニル基と置換されていてもよく、好ましくはビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基と置換されていてもよい、請求項14に記載の化合物。

請求項16

前記化合物が、式(4a)又は(4b)で表される又はその塩である:(式中、a、b、c、d、e、f、g、i、D、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2及びR1は、請求項9に定義されている通りである)、請求項14又は請求項15に記載の化合物。

請求項17

Q1が、式(9a)、(9q)、(9n)、(9o)又は(9t)で表される:(式中、UはO又はNR9であり、R9は水素、直鎖又は分岐のC1〜C12アルキル基又はC4〜C12(ヘテロ)アリール基である)、請求項14〜16のいずれか一項に記載の化合物。

請求項18

Sp1、Sp2、Sp3及びSp4が、存在するならば、直鎖又は分岐のC1〜C20アルキレン基からなる群から独立して選択され、アルキレン基が、置換されていてもよく、O、S及びNR3からなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子、好ましくはOによって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、請求項14〜17のいずれか一項に記載の化合物。

請求項19

アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物であって、前記化合物が、生体分子をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、前記化合物が、式(1)で表される基又はその塩をさらに含み:(式中:aは、0又は1であり;R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される;又はR1は、標的分子Dであり、ここで前記標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)、ここで、式(1)で表される基又はその塩は、前記アルファ端部と前記オメガ端部との間に位置し、前記化合物は、前記アルファ端部と式(1)で表される基との間に位置する、付加環化によって得ることができる部分をさらに含む、化合物。

技術分野

0001

[発明の技術分野]
本発明はバイオコンジュゲーションの分野におけるものである。本発明は、スルファミドリンカー及びスルファミドリンカーのコンジュゲート、並びにそれらの調製のための方法に関する。さらに特に、本発明は、アシルスルファミド基及び/又はカルバモイルスルファミド基を含むリンカー、並びに上記リンカーを含むコンジュゲートに関する。本発明は、リンカーを含むバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスにさらに関し、上記リンカーはアシルスルファミド基及び/又はカルバモイルスルファミド基を含む。

背景技術

0002

[発明の背景
バイオコンジュゲーションは、少なくとも1つが生体分子である2つ以上の分子を連結するプロセスである。生体分子(単数又は複数)は、「目的の生体分子(単数又は複数)」と称されることもあり、他の分子(単数又は複数)は、「標的分子」又は「目的の分子」と称されることもある。典型的に、目的の生体分子(BOI)は、タンパク質(又はペプチド)、グリカン核酸(又はオリゴヌクレオチド)、脂質、ホルモン又は天然薬物(又はその断片若しくは組合せ)からなる。目的の他の分子(MOI)は生体分子であってもよく、それゆえに、ホモ若しくはヘテロ二量体(又は高級オリゴマー)の形成に至るか、又は他の分子は、コンジュゲーションプロセスによって目的の生体分子に付与される特定の特色を有することができる。例えば、検出及び/又は単離のための化学プローブを用いる共有結合修飾によるタンパク質構造及び機能の変調は、プロテオームベース研究調査及び生体医用用途における強力なツールとして発展してきた。タンパク質の蛍光性又は親和性タグ付けは、タンパク質の天然生育地におけるタンパク質の輸送を研究する上での鍵となる。タンパク質−炭水化物コンジュゲートに基づくワクチンは、HIV、癌、マラリア及び病原性細菌との闘いにおいて活躍してきた。一方、マイクロアレイに固定されている炭水化物は、グライコーム解明に役立っている。合成のDNA及びRNAオリゴヌクレオチド(ON)は、診断及び治療用途、例えばマイクロアレイ科学技術、アンチセンス及び遺伝子サイレンシング治療ナノテクノロジー、並びに様々な材料科学用途のための適当な官能性基の導入を必要とする。例えば、細胞透過性リガンドの結合は、オリゴヌクレオチドベースの治療(アンチセンス、siRNA)中に遭遇するONの低い内部移行速度に取り組むために、最も一般的に適用される戦略である。同様に、オリゴヌクレオチドベースのマイクロアレイの調製は、適当な固体表面、例えばガラスへのONの選択的固定化を必要とする。

0003

2つ(以上)の分子構造共有結合的に連結するのに適当な化学反応の多数の例がある。しかしながら、生体分子の標識化は、適用することができる反応条件溶媒、濃度、温度)に高い制限を課し、一方で、化学選択的標識化を所望の場合は、反応性基の選択が制限される。当然の理由により、生物系は一般に水性環境において最も良く機能し、これは、バイオコンジュゲーションの試薬水性系における適用に適当であるべきであることを意味している。一般に、2つの戦略的概念がバイオコンジュゲーション科学技術の分野において認識され得る:(a)例えばチオールアミンアルコール若しくはヒドロキシフェノール単位などの目的の生体分子にすでに存在する官能基に基づくコンジュゲーション、又は(b)実際のコンジュゲーションプロセスの前に1個(又は複数)の独特の反応性基をBOIに改変することを伴う2段階プロセス。

0004

第1の手法は、タンパク質(例えばシステインリシンセリン及びチロシン)における反応性アミノ酸側鎖、又はグリカン(例えばアミン、アルデヒド)若しくは核酸(例えばプリン若しくはピリミジン官能性基又はアルコール)における官能基を典型的に伴う。とりわけ、参照により組み込まれるG.T.Hermanson「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013に要約されている通り、ここ何年かの間に、これらの官能基のうちの1つの化学選択的標的化に、多数の反応性官能基、例えばマレイミドハロアセトアミド活性化エステル活性化カーボネートハロゲン化スルホニル活性チオール誘導体アルケンアルキンアレンアミドなどが利用できるようになってきており、その各々がコンジュゲーションのそれ自体の特定の条件(pH、濃度、化学量論、光、など)を必要とする。最も顕著には、システイン−マレイミドコンジュゲーションは、高い反応速度及び化学選択性おかげで、タンパク質コンジュゲーションで卓越している。しかしながら、多くのタンパク質、そして無論他の生体分子における場合のように、システインがコンジュゲーションに利用可能でないと、他の方法がしばしば必要とされ、各々が独自の欠点に悩まされている。

0005

バイオコンジュゲーションのための的確な及び広く適用可能な解決策は、上記2段階手法に関与する。より面倒ではあるが、改変された官能性基を介する2段階コンジュゲーションは、天然官能性基におけるコンジュゲーションよりも高い選択性(部位特異性)が典型的には得られる。その上、完全な安定性は、コンストラクトの適切な選択によって達成することができる。この点は、特にシステイン−マレイミドコンジュゲーションの場合、未変性の官能性基における1段階コンジュゲーションの重要な欠点であり得る。BOIに付与することができる官能基の典型例としては、(歪み)アルキン、(歪み)アルケン、ノルボルネンテトラジンアジドホスフィンニトリルオキシドニトロンニトリルイミンジアゾ化合物カルボニル化合物、(O−アルキルヒドロキシルアミン及びヒドラジンが挙げられ、これらは、化学的又は分子生物学手法のいずれかによって達成することができる。上の官能基の各々は、少なくとも1つの反応パートナーを有することが知られており、多くの場合に完全な相互反応性を伴う。例えば、シクロオクチンは1,3−双極子と、歪みアルケンはテトラジンと、及びホスフィンはアジドと選択的及び排他的に反応し、完全に安定な共有結合に至る。しかしながら、上の官能基のいくつかは、高親油性であるという不利な点を有し、このことは、特に目的の親油性分子との組合せでコンジュゲーション効率を損なうおそれがある(下記を参照されたい)。

0006

生体分子と目的の他の分子との間の最終連結単位は、優先的に、可溶性、安定性及び生体適合性の点から水性環境と完全に適合性であるべきでもある。例えば、高親油性リンカーは、凝集(コンジュゲーション中又は後)に至ることがあり、凝集は、特にMOIが疎水性性質でもある場合、反応時間を著しく増加させる及び/又はコンジュゲーション収率を低減することがある。同様に、高親油性リンカー−MOI組合せは、同じ又は他の生体分子の表面又は特定の疎水性パッチへの非特異的結合に至ることがある。リンカーが水性加水分解又は他の水誘発切断反応に感受性であるならば、元のバイオコンジュゲートを含む構成成分は拡散によって分離する。例えば、ある特定のエステル部分ケン化されるため適当でなく、一方、β−ヒドロキシカルボニル又はγ−ジカルボニル化合物は、それぞれレトロアルドール反応又はレトロマイケル反応に至り得る。最終的に、リンカーは、バイオコンジュゲートに存在する官能性基に対して、又はバイオコンジュゲートの適用中に遭遇し得る任意の他の官能性基に対して不活性であるべきであり、これにより、特に、例えばケトン部分若しくはアルデヒド部分(イミン形成に至ることがある)、α,β−不飽和カルボニル化合物マイケル付加)、チオエステル若しくは他の活性化エステル(アミド結合形成)を特色とするリンカーの使用は除外される。

0007

エチレングリコールの直鎖オリゴマーで作製されている化合物、いわゆるPEG(ポリエチレングリコール)リンカーは、最近、生体分子コンジュゲーションプロセスにおいて特に普及している。PEGリンカーは、高水溶性、非毒性、非抗原性であり、凝集をごくわずかにしか又は全く生じない。この理由により、目的の(生体)分子を用いていずれかの端部で選択的に修飾することができる多種多様な直鎖の二官能性PEGリンカーが、様々な供給元から市販されている。PEGリンカーは、酸化エチレン重合プロセスの生成物であり、そのため、1kDa、2kDa、4kDa又はそれ以上(最大60kDa)を中心とする平均重量分布を有するPEGコンストラクトに部分的に分解することができる鎖長の確率的混合物として典型的に得られる。最大4kDaの分子量を有する均質の個別PEG(dPEG)も知られており、その分枝バージョンは最大15kDaになる。興味深いことに、PEG単位それ自体は、生体分子に特別な特徴を付与する。特に、タンパク質PEG化は、インビボにおける滞留延長代謝酵素による分解の減少、及びタンパク質免疫原性の低減又は消失に至ることがある。いくつかのPEG化タンパク質はFDA承認されており、現在市場に出ている。

0008

PEGリンカーは、高い極性のおかげで、水性条件下で小さい部分及び/又は水溶性部分のバイオコンジュゲーションに全く適当である。しかしながら、目的の疎水性の非水溶性分子のコンジュゲーションの場合において、PEG単位の極性は、疎水性を相殺するのに不十分で、反応速度の著しい低減、より低い収率及び凝集誘発の課題に至り得る。こうした場合において、長いPEGリンカー及び/又はかなりの量の有機共溶媒が、試薬を可溶化するために必要とされることがある。例えば、抗体−薬物コンジュゲートの分野において、モノクローナル抗体への別々の数の毒性ペイロードの結合の制御が鍵であり、ペイロードはオーリスタチンE若しくはF、メイタンシノイドデュオカルマイシンカリケアマイシン又はピロロベンゾジアゼピン(PBD)の群から典型的に選択され、多くの他のものも検討中である。オーリスタチンFを除いて、全ての毒性ペイロードは非水溶性に乏しく、成功コンジュゲーションを達成するために25%のジメチルアセトアミドDMA)又は50%のプロピレングリコールPG)などの有機共溶媒を必要とする。疎水性ペイロードの場合において、上述の共溶媒の使用にもかかわらず、大化学量論の試薬がコンジュゲーション中に必要とされることがあり、一方で、効率及び収率は、例えば、参照により組み込まれるNat.Biotechn.2014、24、1256〜1263においてSenterらによって記載されている通り、(プロセス中又は生成物単離後)凝集により著しく損なわれることがある。長いPEGスペーサー(12単位以上)の使用は、可溶性及び/又はコンジュゲーション効率を部分的に増強することができるが、長いPEGスペーサーは、より急速なインビボクリアランスに至ることがあり、それゆえにADC薬物動態プロファイルに負の影響を及ぼすことが示されている。

0009

上記から、疎水性部分の速い及び効果的なコンジュゲーションを可能にする短い極性スペーサーの需要があることが明らかになる。後者が、例えば歪みアルキン、アルケン及びホスフィン(上を参照されたい)などの疎水性反応性部分が用いられるコンジュゲーション反応のレベルを高めることにも関係することは明らかである。

0010

リンカーは当技術分野において知られており、例えば、参照により組み込まれる国際公開第2008/070291号に開示されている。国際公開第2008/070291号は、アンカリング構成成分への標的剤カップリングのためのリンカーを開示している。上記リンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)によって代表される親水性領域、及び標的化剤へカップリングされるキラル中心欠如している伸長を含有している。

0011

参照により組み込まれる国際公開第01/88535号は、バイオコンジュゲーションのための表面用のリンカー系、特に、新規親水性スペーサー基を有するリンカー系を開示している。上記リンカー系における使用のための親水性原子又は親水性基は、O、NH、C=O(ケト基)、O−C=O(エステル基)及びCR3R4からなる群から選択され、ここでR3及びR4は、H、OH、C1〜C4アルコキシ及びC1〜C4アシルオキシからなる群から独立して選択される。

0012

参照により組み込まれる国際公開第2014/100762号は、適切な条件下で切断可能であるとともに親水性基を組み込むことで化合物のより良好な可溶性を提供する親水性自己犠牲リンカーを有する化合物を記載している。上記化合物は、薬物部分、選択された細胞集団を標的化できる標的化用部分、並びにアシル単位、薬物部分と標的化用部分との間の距離を提供するための任意選択スペーサー単位を含有するリンカー、適切な条件下で切断可能であり得るペプチドリンカー、親水性自己犠牲リンカー、及び任意選択の第2の自己犠牲スペーサー又は環化自己脱離リンカーを含む。親水性自己犠牲リンカーは、例えばベンジルオキシカルボニル基である。

0013

本発明は、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物(リンカー−コンジュゲートとも称される)に関し、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、上記化合物は、式(1)で表される基又はその塩:




(式中:
aは、0若しくは1であり;
R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロアリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、標的分子Dであり、ここで標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)をさらに含み、
ここで、式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記アルファ端部と上記オメガ端部との間に位置する。

0014

さらに特に、本発明は、式(4a)若しくは(4b)で表されるリンカー−コンジュゲート又はその塩に関する:




(式中:
aは、独立して0又は1であり;
bは、独立して0又は1であり;
cは、0又は1であり;
dは、0又は1であり;
eは、0又は1であり;
fは、1〜150の範囲における整数であり;
gは、0又は1であり;
iは、0又は1であり;
Dは、標的分子であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Sp1は、スペーサー部分であり;
Sp2は、スペーサー部分であり;
Sp3は、スペーサー部分であり;
Sp4は、スペーサー部分であり;
Z1は、Q1又はSp3を、Sp2、O若しくはC(O)又はN(R1)に接続する接続基であり、;
Z2は、D又はSp4を、Sp1、N(R1)、O又はC(O)に接続する接続基であり;
R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される;又はR1は、D、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]若しくは−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]であり、ここでSp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2、D、Q1、b、c、d、e、g及びiは、上で定義されている通りである)。

0015

本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスにも関し、上記プロセスは、リンカー−コンジュゲートの反応性基Q1を生体分子の官能基F1と反応させるステップを含み、ここでリンカー−コンジュゲートは、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物であり、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子をオメガ端部に含み、上記化合物は、式(1)で表される基又はその塩:




(式中、a及びR1は、上で定義されている通りである)をさらに含み、ここで式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記アルファ端部と上記オメガ端部との間に位置する。

0016

さらに特に、本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関し、上記プロセスは、上で定義されている通りの式(4a)又は(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートの反応性基Q1を生体分子の官能基F1と反応させるステップを含む。好ましい実施形態において、本発明は、(4+2)−付加環化(例えば、Diels−Alder反応)又は(3+2)−付加環化(例えば、1,3−双極子付加環化)、好ましくは1,3−双極子付加環化、より好ましくはアルキン−アジド付加環化などの付加環化を介するバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関し、ここで、Q1はシクロアルキン基などのアルキン基である又はアルキン基を含み、F1はアジド基であるのが最も好ましい。さらに好ましい実施形態において、本発明は、標的分子が疎水性であり(即ち、水に弱可溶性)、最も好ましくは、標的分子が水中で多くとも0.1%(w/w)の水溶性(20℃及び100kPa)を有するバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関する。殊に好ましい実施形態において、本発明は、付加環化、好ましくは1,3−双極子付加環化、より好ましくはアルキン−アジド付加環化を介するバイオコンジュゲートの調製のためのプロセスに関し、ここで、Q1はアルキン基である又はアルキン基を含み、F1はアジド基であるのが最も好ましく、標的分子は疎水性であり、標的分子は水中で多くとも0.1%(w/w)の水溶性(20℃及び100kPa)を有するのが最も好ましい。

0017

本発明は、本発明によるプロセスによって得ることができるバイオコンジュゲートにさらに関する。

図面の簡単な説明

0018

生体分子のコンジュゲーションの一般概念を記載する図であり:1個又は複数の官能基F1を含有する目的の生体分子(BOI)は、特定のリンカーを介して反応性基Q1に共有結合している(過剰の)標的分子D(目的の分子又はMOIとも称される)とともにインキュベートされる。バイオコンジュゲーションのプロセスにおいて、F1とQ1との間の化学反応が起き、それによって、BOIとMOIとの間の共有結合的接続を含むバイオコンジュゲートを形成する。BOIは、例えばペプチド/タンパク質、グリカン又は核酸であり得る。
例えば3−メルカプトプロピオニル基(11a)、アジドアセチル基(11b)若しくはアジドジフルオロアセチル基(11c)を用いて修飾することができる、ガラクトサミンUDP糖類の誘導体のいくつかの構造を示す図である。
UDP−糖類11a〜dの任意のものが、ガラクトシルトランスフェラーゼ突然変異体又はGalNAc−トランスフェラーゼの作用下で、GlcNAc部分12(例えば、グリカンがエンドグリコシダーゼによってトリミングされているモノクローナル抗体)を含む糖タンパク質に結合することができ、それによって、GalNAc誘導体とGlcNAc(それぞれ、化合物13a〜c)との間にβ−グリコシド1−4連結を生成させる方法を概略的に表示する図である。
修飾抗体13a〜cが、マレイミドへの求核付加の手段によって(チオエーテルコンジュゲート14に至る13aに関する)、又はシクロオクチン試薬を用いる歪み促進付加環化で(それぞれ、トリアゾール15又は16に至る13b又は13cに関する)バイオコンジュゲーションプロセスを受けることができる方法を示す図である。
N−マレイミジル反応性基Q1が、リンカー単位を介してピレン基(D)に接続されている、いくつかの化合物の構造を示す図である。
ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル反応性基Q1(BCN基とも称される)が、リンカー単位を介してベンジルアミン(D)に接続されている、いくつかの化合物の構造を示す図である。
ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル反応性基Q1(BCN基とも称される)又はジベンゾアゾシクロオクチン反応性基Q1(DIBAC基又はDBCO基とも称される)が、リンカー単位を介してピレンに接続されている、いくつかの化合物の構造を示す図である。
ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル反応性基Q1(BCN基とも称される)が、リンカー単位を介してメイタンシンに接続されている、いくつかの化合物の構造を示す図である。
ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル反応性基Q1(BCN基とも称される)が、リンカー単位を介してVal−Cit−PABA−デュオカルマイシンコンストラクトに接続されている、いくつかの化合物の構造を示す図である。
ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル反応性基Q1(BCN基とも称される)が、リンカー単位を介してVal−Cit−PABA−Ahx−メイタンシンにコンジュゲートされている、本発明によるいくつかの化合物の構造を示す図である。
0.1%のTFAを用いる又は緩衝液pH7.4における化合物19〜23及び30〜38のHPLC保持時間を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物26)又は短いPEGリンカー(化合物24若しくは25)を介して、トラスツズマブ−N3(化合物13b)とコンジュゲートされるBCN−ピレン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物29)又は短いPEGリンカー(化合物27若しくは28)を介して、トラスツズマブ−N3(化合物13b)とコンジュゲートされるDIBAC−ピレン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物33)又は短いPEGリンカー(化合物30−32)を介して、トラスツズマブ−N3(化合物13b)とコンジュゲートされるBCN−メイタンシン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物33)又は短いPEGリンカー(化合物30〜32、化合物30は33と重複している)を介して、トラスツズマブ−F2−GalNAz(化合物13c)とコンジュゲートされるBCN−メイタンシン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物35)又は短いPEGリンカー(化合物34)を介して、トラスツズマブ−N3(化合物13b)とコンジュゲートされるBCN−デュオカルマイシン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
スルファミドリンカー(化合物35)又は短いPEGリンカー(化合物34)を介して、トラスツズマブ−F2−GalNAz(化合物13c)とコンジュゲートされるBCN−デュオカルマイシン誘導体のコンジュゲーション効率を示すグラフである。
イソシアン酸クロロスルホニル(CSI)及びアミンを用いる連続処理によって、アルコール(40)をカルバモイルスルファミド誘導体(42)に変換するための一般の合成スキームを示す図である。カルバモイルスルファミド42は、出発物質のアルコールがtert−ブタノールであるならば、アシル化されることで44を生ずるスルファミド43を、酸を用いるtert−ブチル脱保護によって得ることで、アシルスルファミド(44)に変換することができる。
Q1がN−マレイミジル基であり、Dがピレンである、いくつかのリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。化合物18は本発明によるが、化合物17は比較例である。
Q1がビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基(BCN基とも称される)であり、Dがベンジル基である、いくつかのリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。
Q1がビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基(BCN基とも称される)であり、Dがベンジル基である、リンカーに2個のスルファミド基を保有するリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。
Q1がビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基(BCN基とも称される)であり、Dがピレン基である、いくつかのリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。
Q1がヘテロシクロアルキニル基(DIBAC)であり、Dがピレン基である、いくつかのリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。
Q1がビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基(BCN基とも称される)であり、Dが細胞毒(メイタンシン)である、2つの標的分子Dを含むリンカー−コンジュゲートの合成を示す図である。
天然に存在する又は改変することによって導入されるのいずれかの生体分子における代表的なセットの官能基(F1)を示す図であり、上記官能基(F1)は、反応性基Q1との反応で接続基Z3に至る。接続基Z3は、F2とQ2との間の反応の結果であってもよい。官能基F1は、選択の任意の位置で生体分子に人工的に導入(改変)することもできる。
本発明によるバイオコンジュゲート36〜38について、凝集の程度を示すグラフである。
スルファミドリンカー(13aにコンジュゲートされている36)を用いる本発明によるバイオコンジュゲート対PEGリンカー(13aにコンジュゲートされている30)を用いる比較用バイオコンジュゲート、並びにトラスツズマブについて、2週の期間にわたる凝集の進行を示すグラフである。

0019

[発明の詳細な説明]
定義
「含むこと」という動詞、及びそれの活用は、本明細書及び請求項において使用される場合、上記単語に追従する項目が含まれるが、具体的に記述されてない項目が除かれないことを意味する非限定的な意味において使用される。

0020

加えて、不定詞「a」又は「an」による要素への言及は、要素のうちの1つ及び1つだけがあることを文脈が明確に必要としていない限り、要素のうちの1つ超が存在するという可能性を除かない。不定冠詞「a」又は「an」は、したがって「少なくとも1つ」を通常意味する。

0021

本明細書及び請求項に開示されている化合物は、1つ又は複数の不斉中心を含むことができ、上記化合物の異なるジアステレオマー及び/又はエナンチオマーが存在し得る。本明細書及び請求項における任意の化合物の記載は、別段に明記されていない限り、全てのジアステレオマー及びその混合物が含まれると意味される。加えて、本明細書及び請求項における任意の化合物の記載は、別段に明記されていない限り、個々のエナンチオマー、並びにエナンチオマーの任意の混合物、ラセミ又はそうでないものの両方が含まれると意味される。化合物の構造が、特定のエナンチオマーとして図示されている場合、本出願の発明は、その特定のエナンチオマーに限定されないと理解されるべきである。

0022

化合物は、異なる互変異性体形態であることがある。本発明による化合物は、別段に明記されていない限り、全ての互変異性体形態が含まれると意味される。化合物の構造が特定の互変異性体として図示されている場合、本出願の発明は、その特定の互変異性体に限定されないと理解されるべきである。

0023

本明細書及び請求項に開示されている化合物は、エキソ及びエンドジアステレオ異性体としてさらに存在することがある。別段に明記されていない限り、本明細書及び請求項における任意の化合物の記載は、化合物個々のエキソ及び個々のエンドジアステレオ異性体の両方、並びにその混合物が含まれると意味される。化合物の構造が特定のエンド又はエキソジアステレオマーとして図示されている場合、本出願の発明は、その特定のエンド又はエキソジアステレオマーに限定されないと意味される。

0024

さらに、本明細書及び請求項に開示されている化合物は、シス及びトランス異性体として存在することがある。別段に明記されていない限り、本明細書及び請求項における任意の化合物の記載は、化合物の個々のシス及び個々のトランス異性体の両方、並びにその混合物が含まれると意味される。例として、化合物の構造がシス異性体として図示されている場合、対応するトランス異性体又はシス及びトランス異性体の混合物は、本出願の発明から除かれないと理解されるべきである。化合物の構造が特定のシス又はトランス異性体として図示されている場合、本出願の発明は、その特定のシス又はトランス異性体に限定されないと理解されるべきである。

0025

非置換アルキル基一般式CnH2n+1を有し、直鎖又は分枝であり得る。アルキル基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。アルキル基の例としては、メチルエチルプロピル、2−プロピル、t−ブチル、1−ヘキシル、1−ドデシルなどが挙げられる。

0026

シクロアルキル基は環状アルキル基である。非置換シクロアルキル基は少なくとも3個の炭素原子を含み、一般式CnH2n−1を有する。シクロアルキル基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。

0027

アルケニル基は、1個又は複数の炭素炭素二重結合を含み、直鎖又は分枝であり得る。1個のC−C二重結合を含む非置換アルケニル基は、一般式CnH2n−1を有する。2個のC−C二重結合を含む非置換アルケニル基は、一般式CnH2n−3を有する。アルケニル基は、末端炭素−炭素二重結合及び/又は内部炭素−炭素二重結合を含むことがある。末端アルケニル基は、炭素−炭素二重結合が炭素鎖末端位置に位置するアルケニル基である。アルケニル基は、2個以上の炭素−炭素二重結合を含むこともある。アルケニル基の例としては、エテニルプロペニルイソプロペニル、t−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニルなどが挙げられる。別段に明記されていない限り、アルケニル基は、下記に定義されている通りの1個又は複数の独立して選択される置換基で任意選択で置換されていてもよい。別段に明記されていない限り、アルケニル基は、O、N及びSからなる群から独立して選択される1個又は複数のヘテロ原子によって任意選択で中断されることがある。

0028

アルキニル基は、1個又は複数の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖又は分枝であり得る。1個のC−C三重結合を含む非置換アルキニル基は、一般式CnH2n−3を有する。アルキニル基は、末端炭素−炭素三重結合及び/又は内部炭素−炭素三重結合を含むことがある。末端アルキニル基は、炭素−炭素三重結合が炭素鎖の末端位置に位置するアルキニル基である。アルキニル基は、2個以上の炭素−炭素三重結合を含むこともある。別段に明記されていない限り、アルキニル基は、下記に定義されている通りの1個又は複数の独立して選択される置換基で任意選択で置換されていてもよい。アルキニル基の例としては、エチニルプロピニルイソプロピニル、t−ブチニルなどが挙げられる。別段に明記されていない限り、アルキニル基は、O、N及びSからなる群から独立して選択される1個又は複数のヘテロ原子によって任意選択で中断されていることがある。

0029

アリール基は、6〜12個の炭素原子を含み、単環式及び二環式構造が含まれ得る。任意選択で、アリール基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。アリール基の例はフェニル及びナフチルである。

0030

アリールアルキル基及びアルキルアリール基は、少なくとも7個の炭素原子を含み、単環式及び二環式構造が含まれ得る。任意選択で、アリールアルキル基及びアルキルアリールは、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。アリールアルキル基は例えばベンジルである。アルキルアリール基は例えば4−t−ブチルフェニルである。

0031

ヘテロアリール基は、少なくとも2個の炭素原子(即ち、少なくともC2)及び1個又は複数のヘテロ原子N、O、P又はSを含む。ヘテロアリール基は、単環式又は二環式構造を有することがある。任意選択で、ヘテロアリール基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。適当なヘテロアリール基の例としては、ピリジニルキノリニルピリミジニルピラジニルピラゾリルイミダゾリルチアゾリルピロリル、フラニルトリアゾリルベンゾフラニル、インドリルプリニルベンゾオキサゾリルチエニルホスホリル及びオキサゾリルが挙げられる。

0032

ヘテロアリールアルキル基及びアルキルヘテロアリール基は、少なくとも3個の炭素原子(即ち、少なくともC3)を含み、単環式及び二環式構造が含まれ得る。任意選択で、ヘテロアリール基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。

0033

アリール基が(ヘテロ)アリール基として示される場合、表記は、アリール基及びヘテロアリール基が含まれると意味される。同様に、アルキル(ヘテロ)アリール基は、アルキルアリール基及びアルキルヘテロアリール基が含まれると意味され、(ヘテロ)アリールアルキルは、アリールアルキル基及びヘテロアリールアルキル基が含まれると意味される。したがって、C2〜C24(ヘテロ)アリール基は、C2〜C24ヘテロアリール基及びC6〜C24アリール基を含むと解釈されるべきである。同様に、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基は、C7〜C24アルキルアリール基及びC3〜C24アルキルヘテロアリール基が含まれると意味され、C3〜C24(ヘテロ)アリールアルキルは、C7〜C24アリールアルキル基及びC3〜C24ヘテロアリールアルキル基が含まれると意味される。

0034

シクロアルキニル基は環状アルキニル基である。1個の三重結合を含む非置換シクロアルキニル基は、一般式CnH2n−5を有する。シクロアルキニル基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。シクロアルキニル基の例はシクロオクチニルである。

0035

ヘテロシクロアルキニル基は、酸素窒素及び硫黄の群から選択されるヘテロ原子によって中断されているシクロアルキニル基である。ヘテロシクロアルキニル基は、本文書においてさらに特定されている1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキニル基の例はアザシクロオクチニルである。

0036

(ヘテロ)アリール基は、アリール基及びヘテロアリール基を含む。アルキル(ヘテロ)アリール基は、アルキルアリール基及びアルキルヘテロアリール基を含む。(ヘテロ)アリールアルキル基は、アリールアルキル基及びヘテロアリールアルキル基を含む。(ヘテロ)アルキニル基は、アルキニル基及びヘテロアルキニル基を含む。(ヘテロ)シクロアルキニル基は、シクロアルキニル基及びヘテロシクロアルキニル基を含む。

0037

(ヘテロ)シクロアルキン化合物は、本明細書において、(ヘテロ)シクロアルキニル基を含む化合物として定義されている。

0038

本明細書及び請求項に開示されている化合物のいくつかは、縮合(ヘテロ)シクロアルキン化合物、即ち、第2の環構造が(ヘテロ)シクロアルキニル基に縮合されている、即ち環状化されている(ヘテロ)シクロアルキン化合物として記載することができる。例えば、縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物において、シクロアルキル(例えばシクロプロピル)又はアレーン(例えばベンゼン)は、(ヘテロ)シクロオクチニル基に環状化され得る。縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物における(ヘテロ)シクロオクチニル基の三重結合は、3つの可能な位置、即ち、シクロオクチン部分の2位、3位又は4位(「IUPAC Nomenclature of Organic Chemistry」、Rule A31.2に従った番号付け)のうちのいずれか1つに位置し得る。本明細書及び請求項における任意の縮合(ヘテロ)シクロオクチン化合物の記載は、シクロオクチン部分の全ての3つの個々の位置異性体が含まれると意味される。

0039

別段に明記されていない限り、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、(ヘテロ)アリール基、(ヘテロ)アリールアルキル基、アルキル(ヘテロ)アリール基、アルキレン基アルケニレン基アルキニレン基シクロアルキレン基シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、(ヘテロ)アリーレン基、アルキル(ヘテロ)アリーレン基、(ヘテロ)アリールアルキレン基、(ヘテロ)アリールアルケニレン基、(ヘテロ)アリールアルキニレン基、アルケニル基、アルコキシ基アルケニルオキシ基、(ヘテロ)アリールオキシ基アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基は、C1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C5〜C12シクロアルケニル基、C8〜C12シクロアルキニル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基、C3〜C12シクロアルキルオキシ基、ハロゲンアミノ基、オキソ及びシリル基からなる群から独立して選択される1個又は複数の置換基で置換されていてもよく、ここでシリル基は、式(R20)3Si−によって表すことができ、ここでR20は、C1〜C12アルキル基、C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキニル基、C3〜C12シクロアルキル基、C1〜C12アルコキシ基、C2〜C12アルケニルオキシ基、C2〜C12アルキニルオキシ基及びC3〜C12シクロアルキルオキシ基からなる群から独立して選択され、ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基及びシクロアルキルオキシ基は、置換されていてもよく、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基及びシクロアルコキシ基は、O、N及びSからなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよい。

0040

「糖」という一般用語は、本明細書において、単糖、例えばグルコース(Glc)、ガラクトース(Gal)、マンノース(Man)及びフコース(Fuc)を示すために使用される。「糖誘導体」という用語は、本明細書において、単糖の糖の誘導体、即ち、置換基及び/又は官能基を含む単糖の糖を示すために使用される。糖誘導体の例としては、アミノ糖類及び糖酸、例えばグルコサミン(GlcNH2)、ガラクトサミン(GalNH2)N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)及びN−アセチルムラミン酸(MurNAc)とも称されるシアル酸(Sia)、グルクロン酸(GlcA)並びにイズロン酸(IdoA)が挙げられる。

0041

ヌクレオチド」という用語は、本明細書において、通常の科学的意味で使用される。「ヌクレオチド」という用語は、ヌクレオベース、5炭素糖(リボース又は2−デオキシリボースのいずれか)、及び1個、2個又は3個のホスフェート基で構成される分子を指す。ホスフェート基なしで、ヌクレオベース及び糖がヌクレオシドを構成する。したがって、ヌクレオチドは、ヌクレオシド一リン酸ヌクレオシド二リン酸又はヌクレオシド三リン酸と呼ぶこともできる。ヌクレオベースは、アデニングアニンシトシンウラシル又はチミンであり得る。ヌクレオチドの例としては、ウリジン二リン酸(UDP)、グアノシン二リン酸GDP)、チミジン二リン酸(TDP)、シチジン二リン酸(CDP)及びシチジン一リン酸(CMP)が挙げられる。

0042

「タンパク質」という用語は、本明細書において、通常の科学的意味で使用される。本明細書において、約10以上のアミノ酸を含むポリペプチドは、タンパク質と考えられる。タンパク質は、天然だけでなく非天然のアミノ酸を含むことがある。

0043

「糖タンパク質」という用語は、本明細書において、通常の科学的意味で使用され、タンパク質に共有結合した1種又は複数の単糖又はオリゴ糖鎖(「グリカン」)を含むタンパク質を指す。グリカンは、タンパク質のヒドロキシル基(O連結グリカン)に、例えばセリン、トレオニン、チロシン、ヒドロキシリシン若しくはヒドロキシプロリンのヒドロキシル基に、又はタンパク質(N−糖タンパク質)、例えばアスパラギン若しくはアルギニンアミド官能基に、又はタンパク質(C−糖タンパク質)、例えばトリプトファンの炭素に結合していることがある。糖タンパク質は、1つ超のグリカンを含むことがあり、1種又は複数の単糖及び1種又は複数のオリゴ糖グリカンの組合せを含むことがあり、N連結グリカン、O連結グリカン及びC連結グリカンの組合せを含むことがある。全てのタンパク質の50%超は、グリコシル化のある形態を有し、そのため、糖タンパク質として認定されることが推定される。糖タンパク質の例としては、PSMA(前立腺特異的膜抗原)、CALカンジダアンタルチリパーゼ)、gp41、gp120、EPO(エリスロポエチン)、不凍タンパク質及び抗体が挙げられる。

0044

「グリカン」という用語は、本明細書において、通常の科学的意味で使用され、タンパク質に連結されている単糖鎖又はオリゴ糖鎖を指す。したがって、グリカンという用語は、糖タンパク質の炭水化物部分を指す。グリカンは、さらなる置換がないことがある(単糖)又は糖のヒドロキシル基のうちの1つ又は複数においてさらに置換されていてもよい(オリゴ糖)1種の糖のC−1炭素を介してタンパク質に結合している。自然発生グリカンは、1〜約10の糖類部分を典型的に含む。しかしながら、より長い多糖類鎖がタンパク質に連結されている場合、上記多糖類鎖は、本明細書においてグリカンとも考えられる。糖タンパク質のグリカンは単糖であり得る。典型的に、糖タンパク質の単糖グリカンは、タンパク質に共有結合している単一のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコース(Glc)、マンノース(Man)又はフコース(Fuc)からなる。グリカンはオリゴ糖でもあり得る。糖タンパク質のオリゴ糖鎖は、直鎖又は分枝であり得る。オリゴ糖において、タンパク質に直接結合している糖は、コア糖と呼ばれる。オリゴ糖において、タンパク質に直接結合しておらず、少なくとも2種の他の糖類に結合している糖は、内部糖と呼ばれる。オリゴ糖において、タンパク質に直接結合していないが単一の他の糖に直接結合している糖、即ちその糖の他のヒドロキシル基のうちの1個又は複数にさらなる糖置換基を保有しない糖は、末端糖と呼ばれる。疑いを回避するため、糖タンパク質のオリゴ糖において複数の末端糖類だが、ただ1つのコア糖が存在することがある。グリカンは、O連結グリカン、N連結グリカン又はC連結グリカンであり得る。O連結グリカンにおいて、単糖又はオリゴ糖グリカンは、典型的にセリン(Ser)又はトレオニン(Thr)のヒドロキシル基を介して、タンパク質のアミノ酸におけるO原子に結合している。N連結グリカンにおいて、単糖又はオリゴ糖グリカンは、タンパク質のアミノ酸におけるN原子を介して、典型的にはアスパラギン(Asn)又はアルギニン(Arg)の側鎖におけるアミド窒素を介して、タンパク質に結合している。C連結グリカンにおいて、単糖又はオリゴ糖グリカンは、タンパク質のアミノ酸におけるC原子に、典型的にはトリプトファン(Trp)のC原子に結合している。

0045

「抗体」という用語は、本明細書において、通常の科学的意味で使用される。抗体は、特定の抗原を認識及び結合できる免疫系によって生成されたタンパク質である。抗体は糖タンパク質の例である。抗体という用語は、本明細書において、最も広い意味において使用され、具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体二量体多量体、多特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、抗体断片、並びに二重鎖抗体及び単鎖抗体が挙げられる。「抗体」という用語は、本明細書において、ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体、及び癌抗原を特異的に結合する抗体が含まれるとも意味される。「抗体」という用語は、抗体全体だけでなく抗体の断片、例えば抗体Fab断片、F(ab’)2、切断された抗体からのFv断片若しくはFc断片、scFv−Fc断片、ミニ体、二特異性抗体又はscFvが含まれると意味される。さらに、上記用語には、遺伝的に改変された抗体及び抗体の誘導体が含まれる。抗体、抗体の断片及び遺伝的に改変された抗体は、当技術分野において知られている方法によって得ることができる。抗体の典型例としては、中でも、アブシキシマブリツキシマブバシリキシマブパリビズマブインフリキシマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブアダリムマブトシツモマブ−I131、セツキシマブイブリツキシマブチウキセタンオマリズマブベバシズマブナタリズマブラニビズマブパニツムマブエクリズマブセルトリズマブペゴール、ゴリムマブ、カナキヌマブ、カツマキソマブ、ウステキヌマブ、トシリズマブオファツムマブ、デノスマブ、ベリムマブ、イピリムマブ及びブレツキシマブが挙げられる。

0046

リンカーは、本明細書において、化合物の2つ以上の要素を接続する部分として定義されている。例えば、バイオコンジュゲートにおいて、生体分子及び標的分子は、リンカーを介して互いに共有結合的に接続されており;リンカー−コンジュゲートにおいて、反応性基Q1は、リンカーを介して標的分子に共有結合的に接続されており;リンカー−コンストラクトにおいて、反応性基Q1は、リンカーを介して反応性基Q2に共有結合的に接続されている。リンカーは、1つ又は複数のスペーサー部分を含むことができる。

0047

スペーサー部分は、本明細書において、間隔をあける(即ち、間に距離を提供する)とともにリンカーの2つ(以上)の部分を一緒に共有結合的に連結する部分として定義されている。リンカーは、下記に定義されている通り、例えばリンカー−コンストラクト、上記リンカー−コンジュゲート又はバイオコンジュゲートの一部であり得る。

0048

リンカー−コンストラクトは、本明細書において、反応性基Q1がリンカーを介して反応性基Q2に共有結合的に接続されている化合物として定義されている。リンカー−コンストラクトは、生体分子に存在する反応性基と反応できる反応性基Q1、及び標的分子に存在する反応性基と反応できる反応性基Q2を含む。Q1及びQ2は、同じ又は異なっていてもよい。リンカー−コンストラクトは、1個超の反応性基Q1及び/又は1個超の反応性基Q2を含むこともできる。リンカー−コンストラクトは、Q1−Sp−Q2として示すこともでき、ここで、Q1は、生体分子に存在する反応性基F1と反応できる反応性基であり、Q2は、標的分子に存在する反応性基F2と反応できる反応性基であり、Spはスペーサー部分である。リンカー−コンストラクトが1個超の反応性基Q1及び/又は1個超の反応性基Q2を含む場合、リンカー−コンストラクトは(Q1)y−Sp−(Q2)zとして示すことができ、ここで、yは1〜10の範囲における整数であり、zは1〜10の範囲における整数である。yは1、2、3又は4であることが好ましく、yは1又は2であるのがより好ましく、yは1であるのが最も好ましい。zは1、2、3、4、5又は6であることが好ましく、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、zは1、2又は3であるのがいっそう好ましく、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、zは1であるのが最も好ましい。yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2又は3であるのがなおいっそう好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、yは1であり、zは1であるのが最も好ましい。

0049

リンカー−コンジュゲートは、本明細書において、標的分子がリンカーを介して反応性基Q1に共有結合的に接続されている化合物として定義されている。リンカー−コンジュゲートは、リンカー−コンストラクトに存在する反応性基Q2と標的分子に存在する反応性基との反応を介して得ることができる。リンカー−コンジュゲートは、生体分子に存在する反応性基と反応できる反応性基Q1を含む。リンカー−コンジュゲートは、1つ又は複数のスペーサー部分を含むことができる。リンカー−コンジュゲートは、1個超の反応性基Q1及び/又は1つ超の標的分子を含むことができる。

0050

バイオコンジュゲートは、本明細書において、生体分子がリンカーを介して標的分子に共有結合的に接続されている化合物として定義されている。バイオコンジュゲートは、1つ若しくは複数の生体分子及び/又は1つ若しくは複数の標的分子を含む。リンカーは、1つ又は複数のスペーサー部分を含むことができる。

0051

化合物が、本明細書において、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物と称される場合、上記化合物は2つ(以上)の端部を含み、第1の端部はアルファ端部と称され、第2の端部はオメガ端部と称される。上記化合物は2つ超の端部を含むことができ、即ち第3、第4などの端部が上記化合物に存在し得る。

0052

生体分子は、本明細書において、自然から単離することができる任意の分子として、又は自然から誘導される巨大分子構造の構成要素、特に核酸、タンパク質、グリカン及び脂質である、より小さい分子構築ブロックで構成される任意の分子として定義されている。生体分子の例としては、酵素、(非触媒)タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、アミノ酸、オリゴヌクレオチド、単糖、オリゴ糖、多糖類、グリカン、脂質及びホルモンが挙げられる。

0053

目的の分子(MOI)とも称される標的分子は、本明細書において、コンジュゲーションで生体分子に付与される所望の特性を有する分子構造として定義されている。

0054

「その塩」という用語は、酸性プロトン、典型的には酸のプロトンが、金属カチオン又は有機カチオンなどのカチオンによって置き換えられる場合に形成される化合物を意味する。適用可能な場合、塩は薬学的に許容される塩であるが、これは患者への投与が意図されない塩には必要とされない。例えば、化合物の塩において、化合物は、無機酸又は有機酸によってプロトン化されることでカチオンを形成することができ、塩のアニオン性構成成分として無機酸又は有機酸の共役塩基を用いる。

0055

「薬学的に認容されている」塩という用語は、哺乳動物などの患者への投与に許容される塩(所与投与計画に対する許容される哺乳動物の安全性を有する対イオンとの塩)を意味する。こうした塩は、薬学的に許容される無機塩基又は有機塩基から及び薬学的に許容される無機酸又は有機酸から誘導することができる。「薬学的に許容される塩」は、化合物の薬学的に許容される塩を指し、上記塩は、当技術分野において知られている様々な有機及び無機の対イオンから誘導され、例えば、ナトリウムカリウムカルシウムマグネシウムアンモニウムテトラアルキルアンモニウムなど、及び分子が塩基性官能性基を含有する場合には有機酸又は無機酸の塩、例えば塩酸塩臭化水素酸塩ギ酸塩酒石酸塩ベシル酸塩メシル酸塩酢酸塩マレイン酸塩シュウ酸塩などが挙げられる。

0056

リンカー−コンジュゲート
本明細書において、スルファミドリンカー及び上記スルファミドリンカーのコンジュゲートが開示されている。「スルファミドリンカー」という用語は、スルファミド基、より詳細にはアシルスルファミド基[−C(O)−N(H)−S(O)2−N(R1)−]及び/又はカルバモイルスルファミド基[−O−C(O)−N(H)−S(O)2−N(R1)−]を含むリンカーを指す。

0057

本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセスにおける、本発明によるスルファミドリンカーの使用に関する。本発明は、バイオコンジュゲートの調製のためのプロセス、及び上記プロセスによって得ることができるバイオコンジュゲートにさらに関する。バイオコンジュゲートの調製のための上記プロセスは、より詳細に下で記載されている。

0058

第1の態様において、本発明は、アルファ端部及びオメガ端部を含む化合物に関し、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1をアルファ端部に、及び標的分子Dをオメガ端部に含み、上記化合物は、式(1)で表される基又はその塩:




(式中:
aは、0又は1であり;
R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、標的分子Dであり、ここで標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)をさらに含み、
ここで、式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記アルファ端部と上記オメガ端部との間に位置する。

0059

上記化合物は、リンカー−コンジュゲートとも称される。リンカー−コンジュゲートは、本明細書において、標的分子がリンカーを介して反応性基Q1に共有結合的に接続されている化合物として定義されている。上記化合物はアルファ端部及びオメガ端部を含み、言い換えると、上記化合物は第1の端部及び第2の端部を含む。上記化合物の第1の端部はアルファ端部と称することもでき、第2の端部は上記化合物のオメガ端部と称することもできる。「アルファ端部」及び「オメガ端部」という用語は当業者に知られている。本発明は、したがって、第1の端部及び第2の端部を含む化合物にも関し、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1を第1の端部に、及び標的分子Dを第2の端部に含み、上記化合物は式(1)で表される基又はその塩をさらに含み、ここで、式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記第1の端部と上記第2の端部との間に位置し、式(1)で表される基は上で定義されている通りである。

0060

本発明による化合物において、式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記アルファ端部と上記オメガ端部との間に位置する。反応性基Q1は、上記化合物のアルファ端部に共有結合しており、標的分子Dは、上記化合物のオメガ端部に共有結合している。

0061

本発明による化合物は、リンカー−コンジュゲートと称することもできる。本発明によるリンカー−コンジュゲートにおいて、標的分子Dは、リンカーを介して反応性基Q1に共有結合しており、上記リンカーは、上で定義されている通りの、式(1)で表される基又はその塩を含む。

0062

本発明によるリンカー−コンジュゲートが式(1)で表される基の塩を含む場合、塩は、好ましくは薬学的に許容される塩である。

0063

本発明によるリンカー−コンジュゲートは、1つ超の標的分子Dを含むことができる。その結果として、リンカー−コンジュゲートは、したがって、1つ超のオメガ端部、例えば第2(第3、第4、第5など)のオメガ端部を含むことができ、第2(第3、第4、第5など)のオメガ端部は標的分子に共有結合することができる。同様に、リンカー−コンジュゲートは1個超の反応性基Q1を含むことができ、即ち、リンカー−コンジュゲートは1つ超のアルファ端部を含むことができる。1個超の反応性基Q1が存在する場合、Q1基は同じ又は異なっていてもよく、1つ超の標的分子Dが存在する場合、標的分子はD同じ又は異なっていてもよい。

0064

本発明によるリンカー−コンジュゲートは、そのため、(Q1)y−Sp−(D)zとして示すことができ、ここで、yは1〜10の範囲における整数であり、zは1〜10の範囲における整数である。

0065

本発明は、したがって、式:
(Q1)y−Sp−(D)z
(式中:
yは、1〜10の範囲における整数であり;
zは、1〜10の範囲における整数であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Dは、標的分子であり;
Spは、スペーサー部分であり、ここでスペーサー部分は、反応性基Q1及び標的分子Dの間隔をあける(即ち、間にある特定の距離を提供する)とともに反応性基Q1及び標的分子Dを共有結合的に連結する部分として定義されている)で表される化合物にも関し、ここで上記スペーサー部分は、式(1)で表される基又はその塩を含み、ここで式(1)で表される基は、上で定義されている通りである。

0066

yは1、2、3又は4であることが好ましく、yは1又は2であるのがより好ましく、yは1であるのが最も好ましい。zは1、2、3、4、5又は6であることが好ましく、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、zは1、2又は3であるのがいっそう好ましく、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、zは1であるのが最も好ましい。yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2又は3であるのがなおいっそう好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、yは1であり、zは1であるのが最も好ましい。好ましい実施形態において、リンカー−コンジュゲートは、式Q1−Sp−(D)4、Q1−Sp−(D)3、Q1−Sp−(D)2又はQ1−Sp−Dで表される。

0067

本発明によるリンカー−コンジュゲートは、上で定義されている通りの式(1)で表される基又はその塩を含む。好ましい実施形態において、本発明によるリンカー−コンジュゲートは、aが0である式(1)で表される基又はその塩を含む。この実施形態において、上記化合物は、したがって、式(2)で表される基又はその塩:




(式中、R1は上で定義されている通りである)を含む。

0068

別の好ましい実施形態において、本発明によるリンカー−コンジュゲートは、aが1である式(1)で表される基又はその塩を含む。この実施形態において、リンカー−コンジュゲートは、したがって、式(3)で表される基又はその塩:




(式中、R1は上で定義されている通りである)を含む。

0069

式(1)、(2)及び(3)で表される基において、R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、標的分子Dであり、ここで標的分子は、スペーサー部分を介してNに接続されていてもよい)を含むように調製するステップを含む。

0070

好ましい実施形態において、R1は水素又はC1〜C20アルキル基であり、R1は水素又はC1〜C16アルキル基であるのがより好ましく、R1は水素又はC1〜C10アルキル基であるのがいっそう好ましく、ここでアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3、好ましくはOから選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される。好ましい実施形態において、R1は水素である。別の好ましい実施形態において、R1は、C1〜C20アルキル基、より好ましくはC1〜C16アルキル基、いっそう好ましくはC1〜C10アルキル基であり、ここでアルキル基は、1個又は複数のO原子によって中断されていてもよく、アルキル基は、−OH基、好ましくは末端−OH基で置換されていてもよい。この実施形態において、R1は、末端−OH基を含む(ポリエチレングリコール鎖であることがさらに好ましい。別の好ましい実施形態において、R1は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルからなる群から、より好ましくは水素、メチル、エチル、n−プロピル及びi−プロピルからなる群、並びにいっそう好ましくは水素、メチル及びエチルからなる群から選択される。R1は水素又はメチルであるのがなおいっそう好ましく、R1は水素であるのが最も好ましい。

0071

別の好ましい実施形態において、R1は標的分子Dである。標的分子Dは、1つ又は複数のスペーサー−部分を介してNに接続されていてもよい。スペーサー−部分は、存在するならば、標的分子D及びNの間隔をあける、即ち、標的分子DとNとの間にある特定の距離を提供するとともに標的分子D及びNを共有結合的に連結する部分として定義されている。標的分子D及び標的分子Dの好ましい実施形態は、より詳細に下で記載されている。

0072

本発明によるリンカー−コンジュゲートが2つ以上の標的分子Dを含む場合、標的分子Dは互いに異なっていてもよい。

0073

本発明によるリンカー−コンジュゲートの好ましい実施形態において、標的分子は、活性物質レポーター分子ポリマー、固体表面、ヒドロゲルナノ粒子微小粒子及び生体分子からなる群から選択される。

0074

本発明者らは、本発明によるスルファミドリンカーの使用がリンカー−コンジュゲートの可溶性を改善し、上記リンカー−コンジュゲートが順じてコンジュゲーションの効力を著しく改善することを見出した。従来のリンカーを使用する場合、有効なコンジュゲーションは、殊に相対的な水不溶性又は疎水性標的分子が使用される場合、水性媒体におけるリンカー−コンジュゲートの相対的に低い可溶性によってしばしば妨げられる。特に好ましい実施形態において、非コンジュゲート形態における標的分子は疎水性であり、20℃及び100kPaで決定される多くとも1%(w/w)、好ましくは多くとも0.1%(w/w)、最も好ましくは多くとも0.01%(w/w)の水溶性を典型的に有する。こうした水不溶性標的分子でさえも、本発明によるスルファミドリンカーで官能化される場合にはコンジュゲーションに有効にかけられる。本明細書において、「非コンジュゲート形態」は、本発明によるリンカーで官能化されていない又は本発明によるリンカーにコンジュゲートされていない標的分子を指す。標的分子のこうした非コンジュゲート形態は、当技術者に知られている。

0075

「活性物質」という用語は、本明細書において、薬理学的及び/又は生物学的物質、即ち、生物学的に及び/又は薬学的に活性である物質、例えば薬物、プロドラッグ診断剤、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドタグ、アミノ酸、グリカン、脂質、ビタミンステロイド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ポリヌクレオチド、RNA又はDNAに関する。ペプチドタグの例としては、ヒトのラクトフェリン又はポリアルギニンのような細胞透過性ペプチドが挙げられる。グリカンの例はオリゴマンノースである。アミノ酸の例はリシンである。

0076

標的分子が活性物質である場合、活性物質は、薬物及びプロドラッグからなる群から好ましくは選択される。活性物質は、薬学的に活性な化合物、特に低〜中分子量化合物(例えば約200〜約2500Da、好ましくは約300〜約1750Da)からなる群から選択されるのがより好ましい。さらに好ましい実施形態において、活性物質は、細胞毒、抗ウイルス剤抗細菌剤、ペプチド及びオリゴヌクレオチドからなる群から選択される。細胞毒の例としては、コルヒチンビンカアルカロイドアントラサイクリンカンプトテシンドキソルビシンダウノルビシンタキサン、カリケアマイシン、ツブリシンイリノテカン阻害性ペプチドアマニチン、deBouganin、デュオカルマイシン、メイタンシン、オーリスタチン又はピロロベンゾジアゼピン(PBD)が挙げられる。活性物質の難水溶性案して、好ましい活性物質としては、ビンカアルカロイド、アントラサイクリン、カンプトテシン、タキサン、ツブリシン、アマニチン、デュオカルマイシン、メイタンシン、オーリスタチン及びピロロベンゾジアゼピン、特にビンカアルカロイド、アントラサイクリン、カンプトテシン、タキサン、ツブリシン、アマニチン、メイタンシン及びオーリスタチンが挙げられる。

0077

「レポーター分子」という用語は、本明細書において、存在が容易に検出される分子、例えば診断剤、色素フルオロフォア放射性同位元素標識、コントラスト剤磁気共鳴画像剤又は質量標識を指す。

0078

蛍光プローブとも称される多種多様なフルオロフォアは、当業者に知られている。いくつかのフルオロフォアが、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、10章:「Fluorescent probes」、395〜463ページにより詳細に記載されている。フルオロフォアの例としては、Alexa Fluorの全ての種類(例えばAlexa Fluor 555)、シアニン色素(例えばCy3又はCy5)及びシアニン色素誘導体、クマリン誘導体フルオレセイン及びフルオレセイン誘導体ローダミン及びローダミン誘導体ホウ素ジピロメテン誘導体、ピレン誘導体、ナフタルイミド誘導体フィコビリンタンパク質誘導体(例えばアロフィコシアニン)、クロモマイシンランタニドキレート、並びに量子ドットナノ結晶が挙げられる。フルオロフォアの難水溶性を勘案して、好ましいフルオロフォアとしては、シアニン色素、クマリン誘導体、フルオレセイン及びその誘導体、ピレン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クロモマイシン、ランタニドキレート、並びに量子ドットナノ結晶、特にクマリン誘導体、フルオレセイン、ピレン誘導体及びクロモマイシンが挙げられる。

0079

放射性同位元素標識の例としては、例えばDTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸無水物)、DOTA(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’’’−四酢酸)、NOTA(1,4,7−トリアザシクロノナンN,N’,N”−三酢酸)、TETA(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N’,N”,N’’’−四酢酸)、DTTA(N1−(p−イソチオシアナトベンジル)−ジエチレントリアミン−N1,N2,N3,N3−四酢酸)、デフェロキサミン又はDFA(N’−[5−[[4−[[5−(アセチルヒドロキシアミノペンチル]アミノ]−1,4−ジオキソブチル]ヒドロキシアミノ]ペンチル]−N−(5−アミノペンチル)−N−ヒドロキシブタンジアミド)又はHYNIC(ヒドラジノニコチンアミド)などのキレート化性部分を介して接続されていてもよい99mTc、111In、114mIn、115In、18F、14C、64Cu、131I、125I、123I、212Bi、88Y、90Y、67Cu、186Rh、188Rh、66Ga、67Ga及び10Bが挙げられる。同位体標識技法は当業者に知られており、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、12章:「Isotopic labelling techniques」、507〜534ページに、より詳細に記載されている。

0080

本発明による化合物における標的分子Dとしての使用に適当なポリマーは、当業者に知られており、いくつかの例が、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、18章:「PEGylation and synthetic polymer modification」、787〜838ページに、より詳細に記載されている。標的分子Dがポリマーである場合、標的分子Dは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、1,x−ジアミノアルカンポリマー(ここでxは、アルカンにおける炭素原子の数であり、好ましくは、xは、2〜200、好ましくは2〜10の範囲における整数である)、(ポリ)エチレングリコールジアミン(例えば、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン、及びより長いエチレングリコール鎖を含む同等物)、多糖類(例えばデキストラン)、ポリ(アミノ酸)(例えばポリ(L−リシン))及びポリ(ビニルアルコール)からなる群から好ましくは独立して選択される。ポリマーの難水溶性を勘案して、好ましいポリマーとしては、1,x−ジアミノアルカンポリマー及びポリ(ビニルアルコール)が挙げられる。

0081

標的分子Dとしての使用に適当な固体表面は、当業者に知られている。固体表面は、例えば官能性表面(例えば、ナノ物質炭素ナノチューブフラーレン又はウイルスカプシドの表面)、金属表面(例えば、チタン、金、銀、銅、ニッケル、スズ、ロジウム又は亜鉛の表面)、金属合金表面(ここで合金は、例えばアルミニウムビスマスクロミウムコバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀、ニッケル、カリウム、プルトニウム、ロジウム、スカンジウム、銀、ナトリウム、チタン、スズ、ウラン、亜鉛及び/又はジルコニウム由来である)、ポリマー表面(ここでポリマーは、例えばポリスチレンポリ塩化ビニルポリエチレンポリプロピレン、ポリ(ジメチルシロキサン)又はポリメチルメタクリレートポリアクリルアミドである)、ガラス表面、シリコーン表面、クロマトグラフィー支持体表面(ここでクロマトグラフィー支持体は、例えばシリカ支持体アガロース支持体セルロース支持体又はアルミナ支持体である)などである。標的分子Dが固体表面である場合、Dは、官能性表面又はポリマー表面からなる群から独立して選択されることが好ましい。

0082

ヒドロゲルは当業者に知られている。ヒドロゲルは、ポリマー性構成要素間の架橋によって形成される水膨張ネットワークである。例えば、参照により組み込まれるA.S.Hoffman、Adv.Drug Delivery Rev.2012、64、18を参照されたい。標的分子がヒドロゲルである場合、ヒドロゲルは、ポリマー基準としてポリ(エチレングリコール(PEG)で構成されていることが好ましい。

0083

標的分子Dとしての使用に適当なミクロ及びナノ粒子は、当業者に知られている。様々な適当なミクロ及びナノ粒子は、例えば、参照により組み込まれるG.T.Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Elsevier、第3版、2013、14章:「Microparticles and nanoparticles」、549〜587ページに記載されている。ミクロ又はナノ粒子は、任意の形状、例えば球体ロッドチューブ立方体三角形及び円錐であり得る。ミクロ又はナノ粒子は球状形状であることが好ましい。ミクロ−及びナノ粒子の化学組成は変動し得る。標的分子Dがミクロ又はナノ粒子である場合、ミクロ又はナノ粒子は、例えば、ポリマー性ミクロ若しくはナノ粒子、シリカミクロ若しくはナノ粒子、又は金ミクロ若しくはナノ粒子である。粒子がポリマー性ミクロ又はナノ粒子である場合、ポリマーは、好ましくはポリスチレン、又はスチレンコポリマー(例えば、スチレン及びジビニルベンゼンブタジエンアクリレート及び/又はビニルトルエンのコポリマー)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルトルエン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート(pHEMA)又はポリ(エチレングリコールジメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート)[ポリ(EDGMA/HEMA)]である。ミクロ又はナノ粒子の表面は、二次ポリマーグラフト重合によって、又は別のポリマー若しくはスペーサー部分などの共有結合によって、例えば洗剤で修飾されていてもよい。

0084

標的分子Dは生体分子でもあり得る。生体分子及びその好ましい実施形態は、より詳細に下記に記載されている。標的分子Dが生体分子である場合、生体分子は、タンパク質(糖タンパク質及び抗体を含む)、ポリペプチド、ペプチド、グリカン、脂質、核酸、オリゴヌクレオチド、多糖類、オリゴ糖類、酵素、ホルモン、アミノ酸及び単糖類からなる群から選択されることが好ましい。

0085

本発明によるリンカー−コンジュゲートは、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基Q1を含む。官能基は当業者に知られており、官能基を持つ分子に特定の特性を付与する任意の分子的実体として定義することができる。例えば、生体分子における官能基は、アミノ基、チオール基カルボン酸アルコール基カルボニル基、ホスフェート基又は芳香族基を構成することができる。生体分子における官能基は、天然に存在し得るか、又は特定の技法、例えば(生)化学若しくは遺伝子技法によって生体分子に入れることができる。生体分子に入れられる官能基は、本来天然に存在する官能基であり得るか、又は化学合成、例えばアジド、末端アルキン若しくはホスフィン部分によって調製される官能基であり得る。本明細書において、「反応性基」という用語は、官能基を含むある特定の基を指すが、官能基それ自体を指すこともできる。例えば、シクロオクチニル基は、官能基、すなわちC−C三重結合を含む反応性基である。同様に、N−マレイミジル基は、官能基としてC−C二重結合を含む反応性基である。しかしながら、官能基、例えばアジド官能基チオール官能基又はアミノ官能基は、本明細書において、反応性基とも称することができる。

0086

リンカー−コンジュゲートは、1個超の反応性基Q1を含むことができる。リンカー−コンジュゲートが2個以上の反応性基Q1を含む場合、反応性基Q1は、互いに異なっていてもよい。リンカー−コンジュゲートは、1個の反応性基Q1を含むことが好ましい。

0087

リンカー−コンジュゲートに存在する反応性基Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応することができる。言い換えると、反応性基Q1は、生体分子に存在する官能基F1に相補的であることが必要である。本明細書において、反応性基は、任意選択で他の官能基の存在下で、官能基と選択的に反応する場合、官能基に「相補的」と示される。相補的反応性基及び官能基は、当業者に知られており、より詳細に下で記載されている。

0088

好ましい実施形態において、反応性基Q1は、置換されていてもよく、N−マレイミジル基、ハロゲン化N−アルキルアミド基スルホニルオキシN−アルキルアミド基、エステル基、カーボネート基ハロゲン化スルホニル基、チオール基若しくはその誘導体、アルケニル基、アルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基、ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基、シクロアルケニル基、テトラジニル基、アジド基、ホスフィン基ニトリルオキシド基ニトロン基、ニトリルイミン基ジアゾ基ケトン基、(O−アルキル)ヒドロキシルアミノ基、ヒドラジン基、ハロゲン化N−マレイミジル基、1,1−ビススルホニルメチル)メチルカルボニル基若しくはその脱離誘導体、ハロゲン化カルボニル基、アレンアミド基、1,2−キノン基、又はトリアジン基からなる群から選択される。

0089

好ましい実施形態において、Q1はN−マレイミジル基である。Q1がN−マレイミジル基である場合、Q1は、好ましくは非置換である。Q1はしたがって、好ましくは下記に示されている通りの式(9a)で表される。

0090

別の好ましい実施形態において、Q1はハロゲン化N−アルキルアミド基である。Q1がハロゲン化N−アルキルアミド基である場合、Q1は、下記で示されている通りの式(9b)で表されることが好ましく、ここでkは、1〜10の範囲における整数であり、R4は、−Cl、−Br及び−Iからなる群から選択される。kは、1、2、3又は4であることが好ましく、kは1又は2であるのがより好ましく、kは1であるのが最も好ましい。R4は−I又は−Brであることが好ましい。kは1又は2であり、R4は−I又は−Brであるのがより好ましく、kは1であり、R4は−I又はBrであるのが最も好ましい。

0091

別の好ましい実施形態において、Q1はスルホニルオキシN−アルキルアミド基である。Q1がスルホニルオキシN−アルキルアミド基である場合、Q1は、下記で示されている通りの式(9b)で表されることが好ましく、ここで、kは1〜10の範囲における整数であり、R4は、−O−メシル、−O−フェニルスルホニル及び−O−トシルからなる群から選択される。kは1、2、3又は4であることが好ましく、kは1又は2であるのがより好ましく、kは1であるのがいっそう好ましい。kは1であり、R4は、−O−メシル、−O−フェニルスルホニル及び−O−トシルからなる群から選択されるのが最も好ましい。

0092

別の好ましい実施形態において、Q1はエステル基である。Q1がエステル基である場合、エステル基は活性化エステル基であることが好ましい。活性化エステル基は、当業者に知られている。活性化エステル基は、本明細書において、良好な脱離基を含むエステル基として定義されており、ここでエステルカルボニル基は、上記良好な脱離基に結合している。良好な脱離基は、当業者に知られている。活性化エステルは、下記で示されている通りの式(9c)で表されるのがさらに好ましく、ここでR5は、−N−スクシンイミジル(NHS)、−N−スルホ−スクシンイミジル(スルホ−NHS)、−(4−ニトロフェニル)、−ペンタフルオロフェニル又は−テトラフルオロフェニル(TFP)からなる群から選択される。

0093

別の好ましい実施形態において、Q1はカーボネート基である。Q1がカーボネート基である場合、カーボネート基は活性化カーボネート基であることが好ましい。活性化カーボネート基は、当業者に知られている。活性化カーボネート基は、本明細書において、良好な脱離基を含むカーボネート基として定義されており、ここでカーボネートカルボニル基は、上記良好な脱離基に結合している。カーボネート基は、下記で示されている通りの式(9d)で表されるのがさらに好ましく、ここでR7は、−N−スクシンイミジル、−N−スルホ−スクシンイミジル、−(4−ニトロフェニル)、−ペンタフルオロフェニル又は−テトラフルオロフェニルからなる群から選択される。

0094

別の好ましい実施形態において、Q1は、下記で示されている通りの式(9e)で表されるハロゲン化スルホニル基であり、ここでXは、F、Cl、Br及びIからなる群から選択される。XはCl又はBrであることが好ましく、Clであるのがより好ましい。

0095

別の好ましい実施形態において、Q1は、チオール基(9f)又はチオール基の誘導体若しくは前駆体である。チオール基はメルカプト基とも称され得る。Q1がチオール基の誘導体又は前駆体である場合、チオール誘導体は、好ましくは、下記で示されている通りの式(9g)、(9h)又は(9zb)で表されており、ここでR8は、置換されていてもよいC1〜C12アルキル基又はC2〜C12(ヘテロ)アリール基であり、VはO又はSであり、R16は、置換されていてもよいC1〜C12アルキル基である。R8は、置換されていてもよいC1〜C6アルキル基又はC2〜C6(ヘテロ)アリール基であるのがより好ましく、R8はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル又はフェニルであるのがいっそう好ましい。R8は、メチル又はフェニルであるのがいっそう好ましく、メチルであるのが最も好ましい。R16は、置換されていてもよいC1〜C6アルキル基であるのがより好ましく、R16は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであるのがいっそう好ましく、メチルであるのが最も好ましい。Q1が式(9g)又は(9zb)で表されるチオール−誘導体であり、Q1が生体分子の反応性基F1と反応させる場合、上記チオール−誘導体は、プロセス中にチオール基に変換される。Q1が式(9h)で表される場合、Q1は−SC(O)OR8又は−SC(S)OR8、好ましくはSC(O)OR8であり、ここで、R8及びその好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。

0096

別の好ましい実施形態において、Q1はアルケニル基であり、ここでアルケニル基は直鎖又は分枝であり、アルケニル基は置換されていてもよい。アルケニル基は、末端又は内部アルケニル基であり得る。アルケニル基は、1個超のC−C二重結合を含むことができ、そうであるならば、2個のC−C二重結合を好ましくは含む。アルケニル基がジエニル基である場合、2個のC−C二重結合は1個のC−C単結合によって隔てられていることがさらに好ましい(即ち、ジエニル基は、コンジュゲートされたジエニル基であることが好ましい)。上記アルケニル基は、C2〜C24アルケニル基であることが好ましく、C2〜C12アルケニル基であるのがより好ましく、C2〜C6アルケニル基であるのがいっそう好ましい。アルケニル基は末端アルケニル基であることがさらに好ましい。アルケニル基は、下記で示されている通りの式(9i)で表されるのがより好ましく、ここでlは、0〜10の範囲、好ましくは0〜6の範囲における整数であり、pは、0〜10の範囲、好ましくは0〜6における整数である。lは0、1、2、3又は4であるのがより好ましく、lは0、1又は2であるのがより好ましく、lは0又は1であるのが最も好ましい。pは0、1、2、3又は4であるのがより好ましく、pは0、1又は2であるのがより好ましく、pは0又は1であるのが最も好ましい。pは0であり、lは0若しくは1であるのが、又はpは1であり、lは0若しくは1であることが特に好ましい。

0097

別の好ましい実施形態において、Q1はアルキニル基であり、ここでアルキニル基は直鎖又は分枝であり、アルキニル基は置換されていてもよい。アルキニル基は、末端又は内部アルキニル基であり得る。上記アルキニル基はC2〜C24アルキニル基であることが好ましく、C2〜C12アルキニル基であるのがより好ましく、C2〜C6アルキニル基であるのがいっそう好ましい。アルキニル基は末端アルキニル基であることがさらに好ましい。アルキニル基は、下記で示されている通りの式(9j)で表されるのがより好ましく、ここでlは、0〜10の範囲、好ましくは0〜6の範囲における整数である。lは0、1、2、3又は4であるのがより好ましく、lは0、1又は2であるのがより好ましく、lは0又は1であるのが最も好ましい。

0098

別の好ましい実施形態において、Q1はシクロアルケニル基である。シクロアルケニル基は、置換されていてもよい。上記シクロアルケニル基は、C3〜C24シクロアルケニル基であることが好ましく、C3〜C12シクロアルケニル基であるのがより好ましく、C3〜C8シクロアルケニル基であるのがいっそう好ましい。好ましい実施形態において、シクロアルケニル基はtrans−シクロアルケニル基、より好ましくはtrans−シクロオクテニル基(TCO基とも称される)であり、最も好ましくは下記で示されている通りの式(9zi)又は(9zj)で表されるtrans−シクロオクテニル基である。別の好ましい実施形態において、シクロアルケニル基はシクロプロペニル基であり、ここでシクロプロペニル基は、置換されていてもよい。別の好ましい実施形態において、シクロアルケニル基はノルボルネニル基オキサノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基又はオキサノルボルナジエニル基であり、ここで、ノルボルネニル基、オキサノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基又はオキサノルボルナジエニル基は、置換されていてもよい。さらに好ましい実施形態において、シクロアルケニル基は、下記で示されている通りの式(9k)、(9l)、(9m)又は(9zc)で表され、ここでTはCH2又はOであり、R9は、水素、直鎖若しくは分枝のC1〜C12アルキル基又はC4〜C12(ヘテロ)アリール基からなる群から独立して選択され、R19は、水素及びフッ素化炭化水素からなる群から選択される。R9は独立して水素又はaC1〜C6アルキル基であることが好ましく、R9は独立して水素又はC1〜C4アルキル基であるのがより好ましい。R9は独立して水素又はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであるのがいっそう好ましい。R9は独立して水素又はメチルであるのがなおいっそう好ましい。さらに好ましい実施形態において、R19は、水素並びに−CF3、−C2F5、−C3F7及び−C4F9、より好ましくは水素及び−CF3の群から選択される。さらに好ましい実施形態において、シクロアルケニル基は、式(9k)で表され、ここで一方のR9は水素であり、他方のR9はメチル基である。別のさらに好ましい実施形態において、シクロアルケニル基は、式(9l)で表され、ここで両R9は水素である。これらの実施形態において、lは0又は1であることがさらに好ましい。別のさらに好ましい実施形態において、シクロアルケニル基は、式(9m)で表されるノルボルネニル(TはCH2である)基若しくはオキサノルボルネニル(TはOである)基又は式(9zc)で表されるノルボルナジエニル(TはCH2である)基若しくはオキサノルボルナジエニル(TはOである)基であり、ここでR9は水素であり、R19は水素又は−CF3、好ましくは−CF3である。

0099

別の好ましい実施形態において、Q1は(ヘテロ)シクロアルキニル基である。(ヘテロ)シクロアルキニル基は、置換されていてもよい。(ヘテロ)シクロアルキニル基は、(ヘテロ)シクロオクチニル基、即ちヘテロシクロオクチニル基又はシクロオクチニル基であることが好ましく、ここで(ヘテロ)シクロオクチニル基は、置換されていてもよい。さらに好ましい実施形態において、(ヘテロ)シクロオクチニル基は、DIBO基とも称される式(9n)、DIBAC基とも称される式(9o)、又はBARAC基とも称される(9p)、又はCOMBO基とも称される(9zk)で表され、全て下記で示されている通りであり、ここでUはO又はNR9であり、及びR9の好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。(9n)における芳香族環は、1つ又は複数の位置でO−スルホニル化されていてもよく、一方で、(9o)及び(9p)の環は、1つ又は複数の位置でハロゲン化されていてもよい。

0100

殊に好ましい実施形態において、化合物(4b)におけるR1に結合している窒素原子は、ヘテロシクロアルキン基の環の窒素原子、例えば9oにおける窒素原子である。言い換えると、c、d及びgは、化合物(4b)において0であり、R1及びQ1は、それらが結合している窒素原子と一緒に、ヘテロシクロアルキン基、好ましくはヘテロシクロオクチン基、最も好ましくは式(9o)又は(9p)で表されるヘテロシクロオクチン基を形成する。本明細書において、(9o)のカルボニル部分は、式(1)で表される基のスルホニル基によって置き換えられている。代替として、R1が結合している窒素原子は、式(9n)においてUと指定される原子と同じ原子である。言い換えると、Q1が式(9n)で表される場合、Uは式(1)で表される基の右の窒素原子であり得るか、又はU=NR9であり、R9は式(1)で表される基の残部であり、R1はシクロオクチン部分である。

0101

別の好ましい実施形態において、Q1は、BCN基とも称される、置換されていてもよいビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基である。ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基は、下記で示されている通りの式(9q)で表されることが好ましい。

0102

別の好ましい実施形態において、Q1は、Diels−Alder反応において反応できるコンジュゲートされた(ヘテロ)ジエン基である。好ましい(ヘテロ)ジエン基としては、置換されていてもよいテトラジニル基、置換されていてもよい1,2−キノン基及び置換されていてもよいトリアジン基が挙げられる。上記テトラジニル基は、下記で示されている通りの式(9r)で表されることがより好ましく、ここでR9は、水素、直鎖又は分枝のC1〜C12アルキル基又はC4〜C12(ヘテロ)アリール基からなる群から選択される。R9は水素、C1〜C6アルキル基又はC4〜C10(ヘテロ)アリール基であることが好ましく、R9は水素、C1〜C4アルキル基又はC4〜C6(ヘテロ)アリール基であるのがより好ましい。R9は水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル又はピリジルであるのがいっそう好ましい。R9は水素、メチル又はピリジルであるのがなおいっそう好ましい。上記1,2−キノン基は、式(9zl)又は(9zm)で表されることがより好ましい。上記トリアジン基は、任意の位置異性体であり得る。上記トリアジン基は、式(9zn)において示されている位置など、任意の可能な位置を介して結合することができる1,2,3−トリアジン基又は1,2,4−トリアジン基であるのがより好ましい。1,2,3−トリアジンはトリアジン基として最も好ましい。

0103

別の好ましい実施形態において、Q1は、下記で示されている通りの式(9s)で表されるアジド基である。

0104

別の好ましい実施形態において、Q1は、Staudingerライゲーション反応を受けるのに適当である、置換されていてもよいトリアリールホスフィン基である。ホスフィン基は、下記で示されている通りの式(9t)で表されることが好ましく、ここでR10は水素又は(チオ)エステル基である。R10が(チオ)エステル基である場合、R10は−C(O)−V−R11であることが好ましく、ここで、VはO又はSであり、R11はC1〜C12アルキル基である。R11は、C1〜C6アルキル基であることが好ましく、C1〜C4アルキル基であるのがより好ましい。R11は、メチル基であるのが最も好ましい。

0105

別の好ましい実施形態において、Q1は、下記で示されている通りの式(9u)で表されるニトリルオキシド基である。

0106

別の好ましい実施形態において、Q1はニトロン基である。ニトロン基は、下記で示されている通りの式(9v)で表されることが好ましく、ここでR12は、直鎖又は分枝のC1〜C12アルキル基及びC6〜C12アリール基からなる群から選択される。R12はC1〜C6アルキル基であることが好ましく、R12はC1〜C4アルキル基であるのがより好ましい。R12はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであるのがいっそう好ましい。R12はメチルであるのがなおいっそう好ましい。

0107

別の好ましい実施形態において、Q1はニトリルイミン基である。ニトリルイミン基は、下記で示されている通りの式(9w)又は(9zd)で表されることが好ましく、ここでR13は、直鎖又は分枝のC1〜C12アルキル基及びC6〜C12アリール基からなる群から選択される。R13はC1〜C6アルキル基であることが好ましく、R13はC1〜C4アルキル基であるのがより好ましい。R13はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであるのがいっそう好ましい。R13はメチルであるのがなおいっそう好ましい。

0108

別の好ましい実施形態において、Q1はジアゾ基である。ジアゾ基は、下記で示されている通りの式(9x)で表されることが好ましく、R14は、水素又はカルボニル誘導体からなる群から選択される。R14は水素であるのがより好ましい。

0109

別の好ましい実施形態において、Q1はケトン基である。ケトン基は、下記で示されている通りの式(9y)で表されることがより好ましく、ここでR15は、直鎖又は分枝のC1〜C12アルキル基及びC6〜C12アリール基からなる群から選択される。R15はC1〜C6アルキル基であることが好ましく、R15はC1〜C4アルキル基であるのがより好ましい。R15はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル又はt−ブチルであるのがいっそう好ましい。R15はメチルであるのがなおいっそう好ましい。

0110

別の好ましい実施形態において、Q1は(O−アルキル)ヒドロキシルアミノ基である。(O−アルキル)ヒドロキシルアミノ基は、下記で示されている通りの式(9z)で表されることがより好ましい。

0111

別の好ましい実施形態において、Q1はヒドラジン基である。ヒドラジン基は、下記で示されている通りの式(9za)で表されることが好ましい。

0112

別の好ましい実施形態において、Q1はハロゲン化N−マレイミジル基又はスルホニル化N−マレイミジル基である。Q1がハロゲン化又はスルホニル化N−マレイミジル基である場合、Q1は、好ましくは下記で示されている通りの式(9ze)で表され、ここでR6は、水素、F、Cl、Br、I及び−S(O)2R18からなる群から独立して選択され、ここでR18は、置換されていてもよいC1〜C12アルキル基及びC4〜C12(ヘテロ)アリール基からなる群から選択されるが、少なくとも1つのR6が水素ではないことを条件とする。R6がハロゲンである場合(即ち、R6がF、Cl、Br又はIである場合)、R6はBrであることが好ましい。R6が−S(O)2R18である場合、R18はC1〜C6アルキル基又はC4〜C6(ヘテロ)アリール基、好ましくはフェニル基であることが好ましい。

0113

別の好ましい実施形態において、Q1は、下記で示されている通りの式(9zf)で表されるハロゲン化カルボニル基であり、ここでXは、F、Cl、Br及びIからなる群から選択される。XはCl又はBrであることが好ましく、XはClであるのが最も好ましい。

0114

別の好ましい実施形態において、Q1は、式(9zg)で表されるアレンアミド基である。

0115

別の好ましい実施形態において、Q1は、式(9zh)で表される1,1−ビス(スルホニルメチル)メチルカルボニル基、又はその脱離誘導体であり、ここでR18は、置換されていてもよいC1〜C12アルキル基及びC4〜C12(ヘテロ)アリール基からなる群から選択される。R18は、置換されていてもよいC1〜C6アルキル基又はC4〜C6(ヘテロ)アリール基であるのがより好ましく、フェニル基であるのが最も好ましい。












(式中、k、l、X、T、U、V、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19は、上で定義されている通りである。)

0116

本明細書において下に記載されている通りの本発明によるコンジュゲーションプロセスの好ましい実施形態において、コンジュゲーションは、Diels−Alder反応又は1,3−双極子付加環化、好ましくは1,3−双極子付加環化などの付加環化を介して達成される。この実施形態によると、反応性基Q1(並びに生体分子のF1)は、付加環化反応において反応性の基から選択される。本明細書において、反応性基Q1及びF1は相補的であり、即ち、反応性基Q1及びF1は付加環化反応において互いと反応できる。

0117

Diels−Alder反応について、F1及びQ1のうちの一方はジエンであり、F1及びQ1のうちの他方はジエノフィルである。当技術者によって理解されている通り、「ジエン」という用語は、Diels−Alder反応の文脈において、1,3−(ヘテロ)ジエンを指し、コンジュゲートされたジエン(R2C=CR−CR=CR2)、イミン(例えばR2C=CR−N=CR2又はR2C=CR−CR=NR、R2C=N−N=CR2)及びカルボニル(例えばR2C=CR−CR=O又はO=CR−CR=O)が含まれる。N及びO含有ジエンとのヘテロ−Diels−Alder反応は、当技術分野において知られている。Diels−Alder反応に適当であると当技術分野において知られている任意のジエンは、反応性基Q1又はF1として使用することができる。好ましいジエンとしては、上に記載されている通りのテトラジン、上に記載されている通りの1,2−キノン、及び上に記載されている通りのトリアジンが挙げられる。Diels−Alder反応に適当であると当技術分野において知られている任意のジエノフィルは、反応性基Q1又はF1として使用することができるが、ジエノフィルは、好ましくは、上に記載されている通りのアルケン基又はアルキン基、最も好ましくはアルキン基である。Diels−Alder反応を介するコンジュゲーションについて、F1はジエンであり、Q1はジエノフィルであることが好ましい。本明細書において、Q1がジエンである場合、F1はジエノフィルであり、Q1がジエノフィルである場合、F1はジエンである。Q1はジエノフィルであるのが最も好ましく、Q1はアルキニル基である又はアルキニル基を含むことが好ましく、F1はジエン、好ましくはテトラジン基、1,2−キノン基又はトリアジン基である。

0118

1,3−双極子付加環化について、F1及びQ1のうちの一方は1,3−双極子であり、F1及びQ1のうちの他方は親双極子である。1,3−双極子付加環化に適当であると当技術分野において知られている任意の1,3−双極子は、反応性基Q1又はF1として使用することができる。好ましい1,3−双極子としては、アジド基、ニトロン基、ニトリルオキシド基、ニトリルイミン基及びジアゾ基が挙げられる。1,3−双極子付加環化に適当であると当技術分野において知られている任意の親双極子は、反応性基Q1又はF1として使用することができるが、親双極子は、好ましくは、アルケン基又はアルキン基、最も好ましくはアルキン基である。1,3−双極子付加環化を介するコンジュゲーションについて、F1は1,3−双極子であり、Q1は親双極子であることが好ましい。本明細書において、Q1が1,3−双極子である場合、F1は親双極子であり、Q1が場合親双極子であり、F1は1,3−双極子である。Q1は親双極子であるのが最も好ましく、Q1はアルキニル基である又はアルキニル基を含むことが好ましく、F1は1,3−双極子、好ましくはアジド基である。

0119

したがって、好ましい実施形態において、Q1は、親双極子及びジエノフィルから選択される。Q1はアルケン又はアルキン基であることが好ましい。殊に好ましい実施形態において、Q1はアルキン基を含み、上に記載されている通りのアルキニル基、上に記載されている通りのシクロアルケニル基、上に記載されている通りの(ヘテロ)シクロアルキニル基、及びビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基から選択されることが好ましく、Q1は、上で定義されているとともに下記に図示されている通りの式(9j)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)及び(9zk)から選択されるのがより好ましく、式(9n)、(9o)、(9p)、(9q)及び(9zk)から選択されるのがより好ましい。Q1は、好ましくは式(9q)のビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基であるのが最も好ましい。これらの基は、本明細書に記載されている通りのアジド官能化生体分子とのコンジュゲーションにおいて高度に有効であると知られており、本発明によるスルファミドリンカーが、こうしたリンカー−コンジュゲート及びバイオコンジュゲートにおいて用いられる場合、任意の凝集は、有益には、最小に低減される。本発明によるスルファミドリンカーは、Q1のこうした疎水性反応性基について及びコンジュゲートされているバイオコンジュゲートについて殊に、凝集における著しい低減を提供する。

0120

本発明による化合物において、上に記載された通り、Q1は、生体分子に存在する反応性基F1と反応できる。反応性基Q1に対する相補的反応性基F1は、当業者に知られており、より詳細に下で記載されている。F1とQ1との間の反応、及びその対応する生成物の一部の代表例は、図22に図示されている。

0121

上に記載されている通り、標的分子D及び反応性基Q1は、本発明によるリンカー−コンジュゲートにおけるリンカーに共有結合している。リンカーへの標的分子Dの共有結合は、例えば、標的分子に存在する官能基F2とリンカーに存在する反応性基Q2との反応を介して生じることができる。リンカーへの標的分子Dの結合のための適当な有機反応は、反応性基Q2に相補的である官能基F2であるとして当業者に知られている。その結果として、Dは、接続基Zを介してリンカーに結合することができる。

0122

「接続基」という用語は、本明細書において、化合物の1つの部分及び同じ化合物の別の部分を接続する構造要素を指す。当業者によって理解される通り、接続基の性質は、上記化合物の部分間の接続が得られた有機反応の型に依存する。例として、R−C(O)−OHのカルボキシル基をH2N−R’のアミノ基と反応させてR−C(O)−N(H)−R’を形成する場合、Rは接続基Zを介してR’に接続されており、Zは−C(O)−N(H)−基によって表すことができる。

0123

反応性基Q1は、同様の方式でリンカーに結合することができる。その結果として、Q1は、接続基Zを介してスペーサー部分に結合することができる。

0124

リンカーへの標的分子の結合について、及びリンカーへの反応性基Q1の結合について、多数の反応が当技術分野において知られている。その結果として、多種多様な接続基Zが本発明によるリンカー−コンジュゲートに存在することができる。

0125

本発明は、したがって、式:
(Q1)y−(Zw)−Sp−(Zx)−(D)z
(式中:
yは、1〜10の範囲における整数であり;
zは、1〜10の範囲における整数であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Dは、標的分子であり;
Spは、間隔をあける(即ち、間にある特定の距離を提供する)とともに反応性基Q1及び標的分子Dを共有結合的に連結する部分として定義されているスペーサー部分であり;
Zwは、上記スペーサー部分に反応性基Q1を接続する接続基であり;
Zxは、上記スペーサー部分に標的分子Dを接続する接続基であり、並びに;
上記スペーサー部分は、式(1)で表される基又はその塩を含み、ここで式(1)で表される基は、上で定義されている通りである)で表される化合物にも関する。

0126

好ましい実施形態において、式(1)で表される基におけるaは0である。別の好ましい実施形態において、式(1)で表される基におけるaは1である。

0127

y及びzについての好ましい実施形態は、(Q1)y−Sp−(D)zについて上で定義されている通りである。上記化合物は、式Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(D)4、Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(D)3、Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(D)2又はQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−D、より好ましくはQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−(D)2又はQ1−(Zw)−Sp−(Zx)D及び最も好ましくはQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−Dで表されることがさらに好ましく、ここでZw及びZxは、上で定義されている通りである。

0128

Zw及びZxは、−O−、−S−、−NR2−、−N=N−、−C(O)−、−C(O)−NR2−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−O−C(O)−NR2、−NR2−C(O)−、−NR2−C(O)−O−、−NR2−C(O)−NR2−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR2−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−S(O)2−、−O−S(O)2−O−、−O−S(O)2−NR2−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR2−、−O−NR2−C(O)−、−O−NR2−C(O)−O−、−O−NR2−C(O)−NR2−、−NR2−O−C(O)−、−NR2−O−C(O)−O−、−NR2−O−C(O)−NR2−、−O−NR2−C(S)−、−O−NR2−C(S)−O−、−O−NR2−C(S)−NR2−、−NR2−O−C(S)−、−NR2−O−C(S)−O−、−NR2−O−C(S)−NR2−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR2−、−NR2−C(S)−、−NR2−C(S)−O−、−NR2−C(S)−NR2−、−S−S(O)2−、−S−S(O)2−O−、−S−S(O)2−NR2−、−NR2−O−S(O)−、−NR2−O−S(O)−O−、−NR2−O−S(O)−NR2−、−NR2−O−S(O)2−、−NR2−O−S(O)2−O−、−NR2−O−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)−、−O−NR2−S(O)−O−、−O−NR2−S(O)−NR2−、−O−NR2−S(O)2−O−、−O−NR2−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)2−、−O−P(O)(R2)2−、−S−P(O)(R2)2−、−NR2−P(O)(R2)2−及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から独立して選択されることが好ましく、ここでR2は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。

0129

D及びQ1についての好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。

0130

より詳細には、本発明は、式(4a)又は(4b):




(式中:
aは、独立して0又は1であり;
bは、独立して0又は1であり;
cは、0又は1であり;
dは、0又は1であり;
eは、0又は1であり;
fは、1〜150の範囲における整数であり;
gは、0又は1であり;
iは、0又は1であり;
Dは、標的分子であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Sp1は、スペーサー部分であり;
Sp2は、スペーサー部分であり;
Sp3は、スペーサー部分であり;
Sp4は、スペーサー部分であり;
Z1は、Q1又はSp3をSp2、O若しくはC(O)又はN(R1)に接続する接続基であり;
Z2は、D若しくはSp4をSp1、N(R1)、O若しくはC(O)に接続する接続基であり;
R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3−C24シクロアルキル基、C1〜C24(ヘテロ)アリール基、C1〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC1〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択されるか;又は
R1は、D、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]若しくは−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]であり、ここで、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2、D、Q1、b、c、d、e、g及びiは、上で定義されている通りである)で表される化合物、又はその塩に関する。

0131

式(4a)又は(4b)で表される化合物又はその塩は、リンカー−コンジュゲートと称することもできる。

0132

好ましい実施形態において、aは、式(4a)又は(4b)で表される化合物において1である。別の好ましい実施形態において、aは、式(4a)又は(4b)で表される化合物において0である。

0133

上で定義されている通り、Z1は、Q1又はSp3をSp2、O若しくはC(O)又はN(R1)に接続する接続基であり、Z2は、D又はSp4をSp1、N(R1)、O又はC(O)に接続する接続基である。より詳細に上で記載されている通り、「接続基」という用語は、化合物の1つの部分及び同じ化合物のうちの別の部分を接続する構造要素を指す。

0134

式(4a)で表される化合物において、接続基Z1は、存在する場合(即ち、dが1である場合)、Q1を(スペーサー部分Sp3を介してもよい)、式(4a)で表される化合物のO原子又はC(O)基に、スペーサー部分Sp2を介して接続してもよい。より詳細には、Z1が存在する場合(即ち、dは1である)、並びにSp3及びSp2が存在しない場合(即ち、gは0であり、cは0である)、Z1は、Q1を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのO原子(aは1である)に又はC(O)基(aは0である)に接続する。Z1が存在し(即ち、dが1である場合)、Sp3が存在し(即ち、gは1である)、Sp2が存在しない(即ち、cは0である)場合、Z1は、スペーサー部分Sp3を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのO原子(aはである1)に又はC(O)基(aはである0)に接続する。Z1が存在する場合(即ち、dは1である)、並びにSp3及びSp2が存在する場合(即ち、gは1であり、cは1である)、Z1は、スペーサー部分Sp3を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp2に接続する。Z1が存在し(即ち、dが1である場合)、Sp3が存在せず(即ち、gは0である)、Sp2が存在する(即ち、cは1である)場合、Z1は、Q1を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp2に接続する。

0135

式(4b)で表される化合物において、接続基Z1は、存在する場合(即ち、dが1である場合)、Q1を(スペーサー部分Sp3を介してもよい)、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートにおけるN(R1)基のN原子に、スペーサー部分Sp2を介して接続してもよい。より詳細には、Z1が存在する場合(即ち、dは1である)、並びにSp3及びSp2が存在しない場合(即ち、gは0であり、cは0である)、Z1は、Q1を、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に接続する。Z1が存在し(即ち、dが1である場合)、Sp3が存在し(即ち、gは1である)、Sp2が存在しない(即ち、cは0である)場合、Z1は、スペーサー部分Sp3を、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートN(R1)基のN原子に接続する。Z1が存在する場合(即ち、dは1である)、並びにSp3及びSp2が存在する場合(即ち、gは1であり、cは1である)、Z1は、スペーサー部分Sp3を、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp2に接続する。Z1が存在し(即ち、dが1である場合)、Sp3が存在せず(即ち、gは0である)、Sp2が存在する(即ち、cは1である)場合、Z1は、Q1を、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp2に接続する。

0136

式(4a)で表される化合物において、c、d及びgが全て0である場合、Q1は、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのO原子に(aが1である場合)又はC(O)基に(aが0である場合)直接的に結合している。

0137

式(4b)で表される化合物において、c、d及びgが全て0である場合、Q1は、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に直接的に結合している。

0138

式(4a)で表される化合物において、接続基Z2は、存在する場合(即ち、eが1である場合)、Dを(スペーサー部分Sp4を介してもよい)、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に、スペーサー部分Sp1を介して接続してもよい。より詳細には、Z2が存在する場合(即ち、eは1である)、並びにSp1及びSp4が存在しない場合(即ち、bは0であり、iは0である)、Z2は、Dを、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に接続する。Z2が存在し(即ち、eが1である場合)、Sp4が存在し(即ち、iは1である)、Sp1が存在しない(即ち、bは0である)場合、Z2は、スペーサー部分Sp4を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に接続する。Z2が存在する場合(即ち、eは1である)、並びにSp1及びSp4が存在する場合(即ち、bは1であり、iは1である)、Z2は、スペーサー部分Sp1を、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp4に接続する。Z2が存在し(即ち、eが1である場合)、Sp4が存在しせず(即ち、iは0である)、Sp1が存在する(即ち、bは1である)場合、Z2は、Dを、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのスペーサー部分Sp1に接続する。

0139

式(4a)で表される化合物において、b、e及びiが全て0である場合、Dは、式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートのN(R1)基のN原子に直接的に結合している。

0140

式(4b)で表される化合物において、b、e及びiが全て0である場合、Dは、式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートのO原子に(aが1である場合)又はC(O)基に(aが0である場合)直接的に結合している。

0141

当業者によって理解される通り、接続基の性質は、上記化合物の特定の部分間の接続が得られた有機反応の型に依存する。多数の有機反応が、反応性基Q1をスペーサー部分に接続するのに、及び標的分子をスペーサー部分に接続するのに利用可能である。その結果として、多種多様な接続基Z1及びZ2がある。

0142

式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートの好ましい実施形態において、Z1及びZ2は、−O−、−S−、−S−S−、−NR2−、−N=N−、−C(O)−、−C(O)−NR2−、−O−C(O)−、−O−C(O)−O−、−O−C(O)−NR2、−NR2−C(O)−、−NR2−C(O)−O−、−NR2−C(O)−NR2−、−S−C(O)−、−S−C(O)−O−、−S−C(O)−NR2−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−S(O)2−、−O−S(O)2−O−、−O−S(O)2−NR2−、−O−S(O)−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−NR2−、−O−NR2−C(O)−、−O−NR2−C(O)−O−、−O−NR2−C(O)−NR2−、−NR2−O−C(O)−、−NR2−O−C(O)−O−、−NR2−O−C(O)−NR2−、−O−NR2−C(S)−、−O−NR2−C(S)−O−、−O−NR2−C(S)−NR2−、−NR2−O−C(S)−、−NR2−O−C(S)−O−、−NR2−O−C(S)−NR2−、−O−C(S)−、−O−C(S)−O−、−O−C(S)−NR2−、−NR2−C(S)−、−NR2−C(S)−O−、−NR2−C(S)−NR2−、−S−S(O)2−、−S−S(O)2−O−、−S−S(O)2−NR2−、−NR2−O−S(O)−、−NR2−O−S(O)−O−、−NR2−O−S(O)−NR2−、−NR2−O−S(O)2−、−NR2−O−S(O)2−O−、−NR2−O−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)−、−O−NR2−S(O)−O−、−O−NR2−S(O)−NR2−、−O−NR2−S(O)2−O−、−O−NR2−S(O)2−NR2−、−O−NR2−S(O)2−、−O−P(O)(R2)2−、−S−P(O)(R2)2−、−NR2−P(O)(R2)2−及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から独立して選択され、ここでR2は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。

0143

上に記載されている通り、式(4a)又は(4b)で表される化合物において、Sp1、Sp2、Sp3及びSp4はスペーサー部分である。Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、独立して、存在しない又は存在することがある(b、c、g及びiは、独立して、0又は1である)。存在するならばSp1は、存在するならばSp2と、存在するならばSp3及び/又はSp4と異なっていてもよい。

0144

スペーサー部分は、当業者に知られている。適当なスペーサー部分の例としては、(ポリ)エチレングリコールジアミン(例えば、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン、又はより長いエチレングリコール鎖を含む同等物)、ポリエチレングリコール鎖又はポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレングリコール鎖又はポリプロピレンオキシド鎖、及びxがアルカンにおける炭素原子の数である1,x−ジアミノアルカンが挙げられる。

0145

適当なスペーサー部分の別のクラスは、切断可能なスペーサー部分、又は切断可能なリンカーを含む。切断可能なリンカーは、当技術分野においてよく知られている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるShabatら、Soft Matter 2012、6、1073は、生物学的トリガー、例えば酵素的切断又は酸化事象で放出される自己犠牲部分を含む切断可能なリンカーを開示している。適当な切断可能なリンカーの一部の例は、還元で切断されるジスルフィド−リンカー、プロテアーゼ、例えばカテプシンプラスミン若しくはメタロプロテアーゼによる特異的認識で切断されるペプチド−リンカー、又はグリコシダーゼ、例えばグルクロニダーゼ、若しくは酸素の乏しい低酸素性部域で低減されるニト芳香族による特異的認識で切断されるグリコシドベースのリンカーである。本明細書において、適当な切断可能なスペーサー部分としては、アミノ酸の特定の切断可能な配列を含むスペーサー部分も挙げられる。例としては、例えば、Val−Cit(バリンシトルリン)部分を含むスペーサー部分が挙げられる。切断可能なリンカー、例えばVal−Citリンカー、特にVal−Cit−PABCを含有するバイオコンジュゲートは、それらの限定水溶性のため、凝集にかなり悩まされる。こうしたバイオコンジュゲートについて、本発明によるスルファミドリンカーを組み込むことは特に有益である。その上、切断可能なリンカーを含むリンカー−コンジュゲートとのコンジュゲーション反応は、リンカー−コンジュゲートの限定水溶性によって妨げられる。それゆえに、切断可能なリンカー、例えばVal−Citリンカー、特にVal−Cit−PABC、及び本発明によるスルファミドリンカーを含むリンカー−コンジュゲートは、こうした切断可能なリンカーを含むが生体分子へのコンジュゲーションにこうしたスルファミドリンカーが欠如しているリンカー−コンジュゲートよりも性能がすぐれている。

0146

したがって、式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートの好ましい実施形態において、スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及び/又はSp4は、存在するならば、アミノ酸の配列を含む。アミノ酸の配列を含むスペーサー部分は、当技術分野において知られており、ペプチドリンカーと称することもできる。例としては、Val−Cit部分を含むスペーサー部分、例えばVal−Cit−PAB、Val−Cit−PAB、Fmoc−Val−Cit−PABCなどが挙げられる。Val−Cit−PABC部分が、上記リンカー−コンジュゲートにおいて用いられることが好ましい。

0147

式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートの好ましい実施形態において、スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C200アルキレン基、C2〜C200アルケニレン基、C2〜C200アルキニレン基、C3〜C200シクロアルキレン基、C5〜C200シクロアルケニレン基、C8〜C200シクロアルキニレン基、C7〜C200アルキルアリーレン基、C7〜C200アリールアルキレン基、C8〜C200アリールアルケニレン基及びC9〜C200アリールアルキニレン基からなる群から独立して選択され、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基が、上で定義されている通りの1個又は複数のヘテロ原子によって中断されている場合、上記基は、1個若しくは複数のO原子によって、及び/又は1個若しくは複数のS−S基によって中断されていることが好ましい。

0148

スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C100アルキレン基、C2〜C100アルケニレン基、C2〜C100アルキニレン基、C3〜C100シクロアルキレン基、C5〜C100シクロアルケニレン基、C8〜C100シクロアルキニレン基、C7〜C100アルキルアリーレン基、C7〜C100アリールアルキレン基、C8〜C100アリールアルケニレン基及びC9〜C100アリールアルキニレン基からなる群から独立して選択されるのがより好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3の群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は置換されていてもよい。

0149

スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C50アルキレン基、C2〜C50アルケニレン基、C2〜C50アルキニレン基、C3〜C50シクロアルキレン基、C5〜C50シクロアルケニレン基、C8〜C50シクロアルキニレン基、C7〜C50アルキルアリーレン基、C7〜C50アリールアルキレン基、C8〜C50アリールアルケニレン基及びC9〜C50アリールアルキニレン基からなる群から独立して選択されるのがいっそう好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3の群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。

0150

スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C20アルキレン基、C2〜C20アルケニレン基、C2〜C20アルキニレン基、C3〜C20シクロアルキレン基、C5〜C20シクロアルケニレン基、C8〜C20シクロアルキニレン基、C7〜C20アルキルアリーレン基、C7〜C20アリールアルキレン基、C8〜C20アリールアルケニレン基及びC9〜C20アリールアルキニレン基からなる群から独立して選択されるのがなおいっそう好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3の群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。

0151

これらの好ましい実施形態において、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基、アリールアルケニレン基及びアリールアルキニレン基は、非置換であるとともにO、S及びNR3、好ましくはOの群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基、好ましくは水素又はメチルからなる群から独立して選択されるのがさらに好ましい。

0152

スペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C20アルキレン基からなる群から独立して選択されるのが最も好ましく、アルキレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3の群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素、C1〜C24アルキル基、C2〜C24アルケニル基、C2〜C24アルキニル基及びC3〜C24シクロアルキル基からなる群から独立して選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基及びシクロアルキル基は、置換されていてもよい。この実施形態において、アルキレン基は、非置換であるとともにO、S及びNR3、好ましくはO及び/又はS−Sの群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基、好ましくは水素又はメチルからなる群から独立して選択されるのがさらに好ましい。

0153

好ましいスペーサー部分Sp1、Sp2、Sp3及びSp4としては、したがって、−(CH2)n−、−(CH2CH2)n−、−(CH2CH2O)n−、−(OCH2CH2)n−、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、−CH2CH2(OCH2CH2)n−、−(CH2CH2CH2O)n−、−(OCH2CH2CH2)n−、−(CH2CH2CH2O)nCH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2(OCH2CH2CH2)n−が挙げられ、ここでnは、1〜50の範囲、好ましくは1〜40の範囲、より好ましくは1〜30の範囲、いっそう好ましくは1〜20の範囲及びなおいっそう好ましくは1〜15の範囲における整数である。nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であるのがより好ましく、1、2、3、4、5、6、7又は8であるのがより好ましく、1、2、3、4、5又は6であるのがいっそう好ましく、1、2、3又は4であるのがなおいっそう好ましい。

0154

Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は独立して選択されるので、Sp1は、存在するならば、存在するならばSp2と、存在するならばSp3及び/又はSp4と異なっていてもよい。

0155

反応性基Q1は、より詳細に上で記載されている。式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートにおいて、反応性基Q1は、置換されていてもよいN−マレイミジル基、ハロゲン化N−アルキルアミド基、スルホニルオキシN−アルキルアミド基、エステル基、カーボネート基、ハロゲン化スルホニル基、チオール基又はその誘導体、アルケニル基、アルキニル基、(ヘテロ)シクロアルキニル基、ビシクロ[6.1.0]ノナ−4−イン−9−イル基、シクロアルケニル基、テトラジニル基、アジド基、ホスフィン基、ニトリルオキシド基、ニトロン基、ニトリルイミン基、ジアゾ基、ケトン基、(O−アルキル)ヒドロキシルアミノ基、ヒドラジン基、ハロゲン化N−マレイミジル基、ハロゲン化カルボニル基、アレンアミド基及び1,1−ビス(スルホニルメチル)メチルカルボニル基、又はそれらの脱離誘導体からなる群から選択されることが好ましい。さらに好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)、(9g)、(9h)、(9i)、(9j)、(9k)、(9l)、(9m)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9r)、(9s)、(9t)、(9u)、(9v)、(9w)、(9x)、(9y)、(9z)、(9za)、(9zb)、(9zc)、(9zd)、(9ze)、(9zf)、(9zg)、(9zh)、(9zi)、(9zj)、(9zk)、(9zl)、(9zm)又は(9zn)で表され、ここで(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)、(9g)、(9h)、(9i)、(9j)、(9k)、(9l)、(9m)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9r)、(9s)、(9t)、(9u)、(9v)、(9w)、(9x)、(9y)、(9z)、(9za)、(9zb)、(9zc)、(9zd)、(9ze)、(9zf)、(9zg)、(9zh)、(9zi)、(9zj)、(9zk)、(9zl)、(9zm)、(9zn)及びそれらの好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9b)、(9c)、(9f)、(9j)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9s)、(9t)、(9zh)、(9r)、(9zl)、(9zm)又は(9zn)で表される。いっそうさらに好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9n)、(9o)、(9q)、(9p)、(9t)、(9zh)又は(9s)で表され、特に好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9q)、(9n)、(9o)、(9p)、(9t)又は(9zh)で表され、それらの好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。

0156

式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートにおける標的分子D及び標的分子Dのための好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートの好ましい実施形態において、Dは、活性物質、レポーター分子、ポリマー、固体表面、ヒドロゲル、ナノ粒子、微小粒子及び生体分子からなる群から選択される。活性物質、レポーター分子、ポリマー、ヒドロゲル、固体表面、ナノ及び微小粒子並びに生体分子、並びにそれらの好ましい実施形態は、より詳細に上で記載されている。

0157

上に記載されている通り、R1は、水素、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基からなる群から選択され、C1〜C24アルキル基、C3〜C24シクロアルキル基、C2〜C24(ヘテロ)アリール基、C3〜C24アルキル(ヘテロ)アリール基及びC3〜C24(ヘテロ)アリールアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3から選択される1個若しくは複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される、又はR1は、D、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]若しくは−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]であり、ここで、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2、D、Q1、b、c、d、e、g及びiは、上で定義されている通りである。

0158

好ましい実施形態において、R1は水素又はC1〜C20アルキル基であり、R1は水素又はC1〜C16アルキル基であるのがより好ましく、R1は水素又はC1〜C10アルキル基であるのがいっそう好ましく、ここでアルキル基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3、好ましくはOから選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される。さらに好ましい実施形態において、R1は水素である。別のさらに好ましい実施形態において、R1は、C1〜C20アルキル基、より好ましくはC1〜C16アルキル基、いっそう好ましくはC1〜C10アルキル基であり、ここでアルキル基は、1個又は複数のO原子によって中断されていてもよく、アルキル基は、−OH基、好ましくは末端−OH基で任意選択で置換されていてもよい。この実施形態において、R1は、末端−OH基を含むポリエチレングリコール鎖であることがさらに好ましい。別のさらに好ましい実施形態において、R1は、C1〜C12アルキル基、より好ましくはC1〜C6アルキル基、いっそう好ましくはC1〜C4アルキル基であり、R1は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル及びt−ブチルからなる群から選択されるのがなおいっそう好ましい。

0159

別の好ましい実施形態において、R1は、標的分子D、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]又は−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]であり、ここでSp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2、D、Q1、b、c、d、e、g及びiは、上で定義されている通りである。R1がD又は−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]である場合、リンカー−コンジュゲートは、式(4a)で表されることがさらに好ましい。この実施形態において、リンカー−コンジュゲート(4a)は、同じ又は異なっていてもよい2個の標的分子Dを含む。R1が−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]である場合、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]におけるSp1、b、Z2、e、Sp4、i及びDは、N(R1)のN原子に結合している他の−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]におけるSp1、b、Z2、e、Sp4、i及びDと同じ又は異なっていてもよい。好ましい実施形態において、N(R1)のN原子の両方の−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]基は同じである。

0160

R1が−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]である場合、リンカー−コンジュゲートは、式(4b)で表されることがさらに好ましい。この実施形態において、リンカー−コンジュゲート(4b)は、同じ又は異なっていてもよい2個の標的分子Q1を含む。R1が−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]である場合、−[(Sp1)b−(Z2)e−(Sp4)i−D]におけるSp2、c、Z1、d、Sp3、g及びDは、N(R1)のN原子に結合している他の−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]におけるSp1、b、Z2、e、Sp4、i及びQ1と同じ又は異なっていてもよい。好ましい実施形態において、N(R1)のN原子の−[(Sp2)c−(Z1)d−(Sp3)g−Q1]基は同じである。

0161

式(4a)及び(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートにおいて、fは1〜150の範囲における整数である。リンカー−コンジュゲートは、したがって、1つ超の式(1)で表される基を含むことができ、式(1)で表される基は、上で定義されている通りである。1つ超の式(1)で表される基が存在する場合、即ち、fが2以上である場合、a、b、Sp1及びR1は、独立して選択される。言い換えると、fが2以上である場合、各aは独立して0又は1であり、各bは独立して0又は1であり、各Sp1は同じ又は異なっていてもよく、各R1は同じ又は異なっていてもよい。好ましい実施形態において、fは、1〜100の範囲、好ましくは1〜50の範囲、より好ましくは1〜25の範囲、及びいっそう好ましくは1〜15の範囲における整数である。fは1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であるのがより好ましく、fは1、2、3、4、5、6、7又は8であるのがいっそう好ましく、fは1、2、3、4、5又は6であるのがなおいっそう好ましく、fは1、2、3又は4であるのがなおいっそう好ましく、fは、この実施形態において1であるのが最も好ましい。別の好ましい実施形態において、fは、2〜150の範囲、好ましくは2〜100の範囲、より好ましくは2〜50の範囲、より好ましくは2〜25の範囲、及びいっそう好ましくは2〜15の範囲における整数である。fは2、3、4、5、6、7、8、9又は10であるのがより好ましく、fは2、3、4、5、6、7又は8であるのがいっそう好ましく、fは2、3、4、5又は6であるのがなおいっそう好ましく、fは2、3又は4であるのがなおいっそう好ましく、fは、この実施形態において2であるのが最も好ましい。

0162

上に記載されている通り、好ましい実施形態において、aは、式(4a)又は(4b)で表される化合物において0である。本発明は、そのため、式(6a)又は(6b)で表される化合物又はその塩:




(式中、a、b、c、d、e、f、g、i、D、Q1、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2及びR1、並びにそれらの好ましい実施形態は、(4a)及び(4b)について上で定義されている通りである)にも関する。

0163

上に記載されている通り、別の好ましい実施形態において、aは、式(4a)又は(4b)で表される化合物において1である。本発明は、そのため、式(7a)又は(7b)で表される化合物、又はその塩:




(式中、a、b、c、d、e、f、g、i、D、Q1、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Z1、Z2及びR1、並びにそれらの好ましい実施形態は、(4a)及び(4b)について上で定義されている通りである)にも関する。

0164

Sp4が式(4a)で表されるリンカー−コンジュゲートに存在しない場合、即ち、iが0である場合、標的分子Dは、Z2(eが1である場合)、Sp1(eが0であり、bが1である場合)又はN(R1)(eが0であり、bが0である場合)に連結される。Sp4が式(4b)で表されるリンカー−コンジュゲートに存在しない場合、即ち、iが0である場合、標的分子Dは、Z2(eが1である場合)、Sp1(eが0であり、bが1である場合)、O原子(aが1であり、b及びeが0である場合)又はC(O)基(aが0であり、b及びeが0である場合)に連結される。本発明は、そのため、式(4c)又は(4d)で表されるリンカー−コンジュゲート、又はその塩:




(式中、a、b、c、d、e、f、g、D、Q1、Sp1、Sp2、Sp3、Z1、Z2及びR1、並びにそれらの好ましい実施形態は、(4a)及び(4b)について上で定義されている通りである)にも関する。

0165

好ましい実施形態において、式(4c)又は(4d)で表されるリンカー−コンジュゲートにおいて、aは0である。別の好ましい実施形態において、式(4c)又は(4d)で表されるリンカー−コンジュゲートにおいて、aは1である。

0166

本発明によるリンカー−コンジュゲート、特に、式(4a)、(4b)、(4c)、(4d)、(6a)、(6b)、(7a)又は(7b)で表されるリンカー−コンジュゲートの特定の実施形態において、Sp1、Sp2、Sp3及びSp4は、存在するならば、直鎖又は分枝のC1〜C20アルキレン基からなる群から独立して選択され、アルキレン基は、置換されていてもよく、O、S及びNR3からなる群から選択される1個又は複数のヘテロ原子によって中断されていていてもよく、ここでR3は、水素及びC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択され、Q1は、式(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)、(9g)、(9h)、(9i)、(9j)、(9k)、(9l)、(9m)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9r)、(9s)、(9t)、(9u)、(9v)、(9w)、(9x)、(9y)、(9z)、(9za)、(9zb)、(9zc)、(9zd)、(9ze)、(9zf)、(9zg)、(9zh)、(9zi)、(9zj)、(9zk)、(9zl)、(9zm)又は(9zn)で表され、ここで(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)、(9g)、(9h)、(9i)、(9j)、(9k)、(9l)、(9m)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9r)、(9s)、(9t)、(9u)、(9v)、(9w)、(9x)、(9y)、(9z)、(9za)、(9zb)、(9zc)、(9zd)、(9ze)、(9zf)、(9zg)、(9zh)、(9zi)、(9zj)、(9zk)、(9zl)、(9zm)、(9zn)及びそれらの好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9b)、(9c)、(9f)、(9j)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9s)(9t)、(9zh)、(9r)、(9zl)、(9zm)又は(9zn)で表される。いっそうさらに好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9n)、(9o)、(9p)、(9q)、(9t)、(9zh)又は(9s)で表され、特に好ましい実施形態において、Q1は、式(9a)、(9q)、(9n)、(9p)、(9t)、(9zh)又は(9o)で表され、それらの好ましい実施形態は上で定義されている通りである。

0167

リンカーは、本明細書において、化合物の2つ以上の要素を接続する部分として定義されている。

0168

その結果として、上で定義されている通りの式(4a)、(4b)、(4c)、(4d)、(6a)、(6b)、(7a)又は(7b)で表されるリンカー−コンジュゲートにおいて、上で定義されている通りのリンカーは、それぞれ式(8a)及び(8b):




によって表すことができる。

0169

当業者によって理解される通り、スペーサー部分(8a)及び(8b)の好ましい実施形態は、例えば、リンカー−コンジュゲートにおける反応性基Q1及びDの性質、リンカー−コンジュゲートを調製するための合成方法(例えば標的分子の相補的官能基F2の性質)、リンカー−コンジュゲートを使用して調製されるバイオコンジュゲートの性質(例えば、生体分子の相補的官能基F1の性質)に依存し得る。

0170

Q1が、例えば、上で定義されている通りの式(9n)、(9o)、(9p)、(9q)又は(9zk)で表されるシクロオクチニル基である場合、Sp3は存在する(gは1である)ことが好ましい。

0171

例えば、リンカー−コンジュゲートが、式(9n)、(9o)、(9p)、(9q)又は(9zk)で表されるシクロオクチニル基である反応性基Q2とアジド官能基F2との反応を介して調製された場合、Sp4は存在する(iは1である)ことが好ましい。

0172

さらに、Sp1、Sp2、Sp3及びSp4のうちの少なくとも1つは存在する、即ち、b、c、g、及びiのうちの少なくとも1つは0でないことが好ましい。別の好ましい実施形態において、Sp1及びSp4のうちの少なくとも1つ並びにSp2及びSp3のうちの少なくとも1つは存在する。

0173

fが2以上である場合、Sp1は存在することが好ましい(bは1である)。

0174

リンカー部分(8a)及び(8b)のこれらの好ましい実施形態は、より詳細に下で記載されている通りの本発明によるバイオコンジュゲートにおける、リンカー部分にも成り立つ。

0175

Sp1、Sp2、Sp3及びSp4の好ましい実施形態は、上で定義されている通りである。

0176

リンカー−コンストラクト
リンカー−コンストラクトは、本明細書において、反応性基Q1が、リンカーを介して反応性基Q2に共有結合的に接続されている化合物として定義されている。リンカー−コンストラクトは、生体分子に存在する反応性基F1と反応できる反応性基Q1、及び標的分子に存在する反応性基F2と反応できる反応性基Q2を含む。Q1及びQ2は同じ又は異なっていてもよい。リンカー−コンストラクトは、1個超の反応性基Q1及び/又は1個超の反応性基Q2を含むことができる。1個超の反応性基Q1が存在する場合、Q1基は同じ又は異なっていてよく、1個超の反応性基Q2が存在する場合、Q2基は同じ又は異なっていてもよい。

0177

本発明は、化合物、さらに特にリンカー−コンストラクトにも関し、上記化合物はアルファ端部及びオメガ端部を含み、上記化合物は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる官能基Q1をアルファ端部に、及び標的分子に存在する官能基F2と反応できる官能基Q2をオメガ端部に含み、上記化合物は式(1)で表される基又はその塩をさらに含み、式(1)で表される基は上で定義されている通りであり、ここで式(1)で表される基又はその塩は、上記化合物の上記アルファ端部と上記オメガ端部との間に位置する。

0178

反応性基Q1は、上記化合物のアルファ端部に共有結合しており、反応性基Q2は、上記化合物のオメガ端部に共有結合している。

0179

本発明によるこの化合物は、リンカー−コンストラクトと称することもできる。本発明によるリンカー−コンストラクトにおいて、反応性基Q2は、リンカーを介して反応性基Q1に共有結合的に接続されており、上記リンカーは、上で定義されている通りの、式(1)で表される基又はその塩を含む。本発明によるリンカー−コンストラクトが式(1)で表される基の塩を含む場合、塩は、好ましくは薬学的に許容される塩である。

0180

本発明によるリンカー−コンストラクトは、1個超の反応性基Q2を含むことができる。その結果として、リンカーは、したがって、例えば、psi、chi、phiなどの端部と称することができる第3(第4、第5など)の端部を含むことができ、第3(第4、第5など)の端は反応性基Q2を含む。同様に、リンカー−コンジュゲートは1個超の反応性基Q1を含むことができる。

0181

本発明によるリンカー−コンストラクトは、そのため、(Q1)y−Sp−(Q2)zとして示すこともでき、ここで、yは1〜10の範囲における整数であり、zは1〜10の範囲における整数である。

0182

本発明は、したがって、式:
(Q1)y−Sp−(Q2)z
(式中:
yは、1〜10の範囲における整数であり;
zは、1〜10の範囲における整数であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Q2は、標的分子に存在する官能基F2と反応できる反応性基であり;
Spは、スペーサー部分であり、ここでスペーサー部分は、反応性基Q1及び反応性基Q2の間隔をあける(即ち、間にある特定の距離を提供する)とともに反応性基Q1及び反応性基Q2を共有結合的に連結する部分として定義されている)で表されるリンカー−コンストラクトにも関し、
ここで上記スペーサー部分は、式(1)で表される基又はその塩を含み、ここで式(1)で表される基は、上で定義されている通りである。

0183

yは1、2、3又は4であることが好ましく、yは1又は2であるのがより好ましく、yは1であるのが最も好ましい。zは1、2、3、4、5又は6であることが好ましく、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、zは1、2又は3であるのがいっそう好ましく、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、zは1であるのが最も好ましい。yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2、3又は4であるのがより好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1、2又は3であるのがなおいっそう好ましく、yは1又は2、好ましくは1であり、zは1又は2であるのがなおいっそう好ましく、yは1であり、zは1であるのが最も好ましい。好ましい実施形態において、リンカー−コンストラクトは、式Q1−Sp−(Q2)4、Q1−Sp−(Q2)3、Q1−Sp−(Q2)2又はQ1−Sp−Q2で表される。

0184

本発明によるリンカー−コンストラクトは、上で定義されている通りの式(1)で表される基又はその塩を含む。好ましい実施形態において、本発明によるリンカー−コンストラクトは、aが0である式(1)で表される基又はその塩を含む。この実施形態において、リンカー−コンストラクトは、したがって、式(2)で表される基又はその塩:




(式中、R1は上で定義されている通りである)を含む。

0185

別の好ましい実施形態において、本発明によるリンカー−コンストラクトは、aが1である式(1)で表される基又はその塩を含む。この実施形態において、リンカー−コンストラクトは、したがって、式(3)で表される基又はその塩:




(式中、R1は上で定義されている通りである)を含む。

0186

本発明によるリンカー−コンストラクトにおいて、R1及びR1の好ましい実施形態は上で定義されている通りである。さらに、反応性基Q1及びスペーサー部分Sp、並びにそれらの好ましい実施形態は、本発明によるリンカー−コンジュゲートについて上で定義されている通りである。

0187

より特別には、本発明は、式:
(Q1)y−(Zw)−Sp−(Zx)−(Q2)z
(式中:
yは、1〜10の範囲における整数であり;
zは、1〜10の範囲における整数であり;
Q1は、生体分子に存在する官能基F1と反応できる反応性基であり;
Q2は、生体分子に存在する官能基F2と反応できる反応性基であり;
Spは、スペーサー部分であり、ここでスペーサー部分は、反応性基Q1及びQ2の間隔をあける(即ち、間にある特定の距離を提供する)とともに反応性基Q1及びQ2を共有結合的に連結する部分として定義されており;
Zwは、反応性基Q1を上記スペーサー部分に接続する接続基であり;
Zxは、反応性基Q2を上記スペーサー部分に接続する接続基である)で表される化合物に関し、
ここで上記スペーサー部分は、式(1)で表される基又はその塩を含み、ここで式(1)で表される基は、上で定義されている通りである。

0188

好ましい実施形態において、式(1)で表される基におけるaは0である。別の好ましい実施形態において、式(1)で表される基におけるaは1である。

0189

y及びzについての好ましい実施形態は、(Q1)y−Sp−(Q2)zについて上で定義されている通りである。上記化合物は、式Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(Q2)4、Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(Q2)3、Q1−(Zw)−Sp−(Zx)−(Q2)2又はQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−Q2、より好ましくはQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−(Q2)2又はQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−Q2、及び最も好ましくはQ1−(Zw)−Sp−(Zx)−Q2で表されることがさらに好ましく、ここでZw及びZxは、上で定義されている通りである。

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