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課題・解決手段

シリンジ(18)は、医薬物質が配置される内部(228)を備えた縦長本体(28)、本体(228)の長手方向の一端部に接続された針、及び針を包み込む硬質針シールド(38)を有する。硬質針シールド(38)は、基本的に防水蒸気性である。本発明によるシリンジ(18)は、針の目詰まりを防止することが可能で、したがって、特に皮下注射筋肉注射又は眼球注射でも薬剤を適切に供給することができる。

概要

背景

[0002] 多くの医薬品は液体の形態で患者投与されるが、医薬品をこのように投与することは、多くの場合に最も効率的で、且つ望ましい。特に、皮下注射筋肉注射、皮内注射、又は硝子体内注射に関しては、医薬物質は多くの場合プレフィルドシリンジで提供されるが、ステークイン針(staked−in needle)装着プレフィルドシリンジは、取扱い並びに使用が比較的簡便であることが示されている。このようなシリンジでは、医薬物質は直ちに投与できるように溶解された形態でシリンジ内部に提供される。このように、ユーザーは、医薬溶液をシリンジに充填することや、手作業で針をシリンジ本体に取り付けることが不要で、直ちに注射可能なシリンジを入手することができる。これにより、投与時の損傷の発生や不適切な操作を最小限に抑えることができる。

[0003] 通常、ステークイン針装着プレフィル用シリンジは、シリンジ本体、ステークイン針、及び硬質針シールド(RNS)からなる。RNSは、偶発的な針刺し損傷、医薬物質の漏れ汚染物質混入の防止を目的とした針のクロージャーである。一般的に、RNSは、針に隣接して針を取り込む内側の弾性部分と、熱硬化性プラスチック材料などからなる外側の剛性部分とを有する。

[0004] このようなステークイン針装着プレフィル用シリンジを準備する場合、シリンジは、医薬物質の充填前に充填準備を整えるため、一般的に事前滅菌される。滅菌処理は通常、エチレンオキサイドガス又は他の滅菌方法によって行われる。エチレンオキサイド滅菌は、針の表面を滅菌するため、硬質針シールドにはガス透過性が求められる。そのため、硬質針シールドは多くの場合、水蒸気及びその他のガスに対して大きなガス透過性を有する。事前滅菌後、医薬物質がシリンジ本体内部に供給され、シリンジ本体の近位開口部は、弾性プランジャーによって閉鎖される。

[0005] 上述のように、ステークイン針(SIN)装着プレフィルドシリンジ(PFS)では、一部の医薬物質は特に針や針の近傍で目詰まりを起こす傾向があり、その結果、シリンジを経由して医薬物質を適切に押し出せなくなることがある。特に、医薬物質がバイオ医薬物質で、例えば、比較的高濃度タンパク質を含む場合には、タンパク質によって形成される凝集沈殿によって目詰まりが誘発されうる。患者は医薬物質や薬剤を全量受け取ることをできなくなるため、このような目詰まりは望ましくない。したがって、針の目詰まりの防止は、SIN−PFSでバイオ医薬物質を提供可能にするためには重要である。

[0006] そのため、ステークイン針装着プレフィルドシリンジなどの針の目詰まりを最小限に抑える又は取り除き、プレフィルドシリンジを介して、とりわけバイオ医薬物質などの薬剤を、タンパク質の有無にかかわらず適切に供給することができるシステムが必要となっている。

概要

シリンジ(18)は、医薬物質が配置される内部(228)を備えた縦長本体(28)、本体(228)の長手方向の一端部に接続された針、及び針を包み込む硬質針シールド(38)を有する。硬質針シールド(38)は、基本的に防水蒸気性である。本発明によるシリンジ(18)は、針の目詰まりを防止することが可能で、したがって、特に皮下注射、筋肉注射又は眼球注射でも薬剤を適切に供給することができる。

目的

RNSは、偶発的な針刺し損傷、医薬物質の漏れ、汚染物質混入の防止を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

医薬物質が配置される内部(22、228、229)を備えた縦長本体(2、28、29)、前記本体(2、28、29)の長手方向の一端部に接続された針、及び前記針を包み込む硬質針シールド(3、38、39)を有し、前記硬質針シールド(3、38、39)が防水蒸気性であることを特徴とするシリンジ(1、18、19)。

請求項2

前記針の近傍に位置する前記硬質針シールド(3、38、39)の針隣接部(31、318、319)は低浸出性を有する、請求項1に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項3

前記低浸出性は低亜鉛浸出性である、請求項2の記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項4

前記硬質針シールド(3、38、39)は防水蒸気性被覆(338、339、349)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項5

前記被覆(338、339、349)はワックスを含む、請求項4に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項6

前記被覆(338、339、349)は、液体で満たされた防水蒸気性のパウチ(339)を含む、請求項4又は5に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項7

前記硬質針シールド(3、38、39)は、前記針の近傍に位置し、防水蒸気性材料で作られる前記針隣接部(31、318、319)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項8

前記防水蒸気性材料は、エチレンプロピレンジエンメチレンベースにした熱可塑性エラストマーである、請求項7に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項9

前記防水蒸気性材料は、2−メルカプトベンゾチアゾールを含まないスチレンブタジエンゴム化合物である、請求項7に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項10

前記本体(2、28、29)の前記内部(22、228、229)は、前記針の反対側でプランジャー(4、48、49)によって密封されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項11

前記針は前記本体(2、28、29)と一体化されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項12

前記医薬物質はバイオ医薬物質である、請求項1から11のいずれか一項に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項13

前記バイオ医薬物質はタンパク質を含む、請求項12に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項14

前記物質は、約50mg/mlから約250mg/mlの範囲の濃度で前記タンパク質を含む、請求項13に記載のシリンジ(1、18、19)。

請求項15

内部(22、228、229)を備えた縦長本体(2、28、29)と前記本体(2、28、29)の長手方向の一端部に接続された針を有するシリンジ(1、18、19)を準備する方法であって、前記シリンジ(1、18、19)の前記本体(2、28、29)の前記内部(22、228、229)に医薬物質を充填すること、前記針と反対の、前記本体(2、28、29)の長手方向端部の開口部を通ってプランジャー(4、48、49)を押圧することによって、前記シリンジ(1、18、19)の前記本体(2、28、29)の前記内部(22、228、229)を密封すること、及び前記針を防水蒸気性硬質針シールド(3、38、39)で包み込むことを含む方法。

請求項16

前記針を前記硬質針シールド(3、38、39)で包み込むことは、前記針に針キャップ(32、328、329)を被せること、及び前記針キャップ(32、328、329)を防水蒸気性被覆(338、339、349)で覆うことを含む、請求項15に記載の方法。

技術分野

0001

[0001] 本発明は独立請求項1のプリアンブルに記載されるシリンジに関し、より具体的には当該シリンジの準備方法に関する。医薬物質が配置される内部を備えた縦長本体、本体の長手方向の一端部に接続された針、並びに針を包み込む弾性針キャップを有するシリンジは、患者に医薬物質を提供及び投与するために使用することができる。

背景技術

0002

[0002] 多くの医薬品は液体の形態で患者に投与されるが、医薬品をこのように投与することは、多くの場合に最も効率的で、且つ望ましい。特に、皮下注射筋肉注射、皮内注射、又は硝子体内注射に関しては、医薬物質は多くの場合プレフィルドシリンジで提供されるが、ステークイン針(staked−in needle)装着プレフィルドシリンジは、取扱い並びに使用が比較的簡便であることが示されている。このようなシリンジでは、医薬物質は直ちに投与できるように溶解された形態でシリンジ内部に提供される。このように、ユーザーは、医薬溶液をシリンジに充填することや、手作業で針をシリンジ本体に取り付けることが不要で、直ちに注射可能なシリンジを入手することができる。これにより、投与時の損傷の発生や不適切な操作を最小限に抑えることができる。

0003

[0003] 通常、ステークイン針装着プレフィル用シリンジは、シリンジ本体、ステークイン針、及び硬質針シールド(RNS)からなる。RNSは、偶発的な針刺し損傷、医薬物質の漏れ汚染物質混入の防止を目的とした針のクロージャーである。一般的に、RNSは、針に隣接して針を取り込む内側の弾性部分と、熱硬化性プラスチック材料などからなる外側の剛性部分とを有する。

0004

[0004] このようなステークイン針装着プレフィル用シリンジを準備する場合、シリンジは、医薬物質の充填前に充填準備を整えるため、一般的に事前滅菌される。滅菌処理は通常、エチレンオキサイドガス又は他の滅菌方法によって行われる。エチレンオキサイド滅菌は、針の表面を滅菌するため、硬質針シールドにはガス透過性が求められる。そのため、硬質針シールドは多くの場合、水蒸気及びその他のガスに対して大きなガス透過性を有する。事前滅菌後、医薬物質がシリンジ本体内部に供給され、シリンジ本体の近位開口部は、弾性プランジャーによって閉鎖される。

0005

[0005] 上述のように、ステークイン針(SIN)装着プレフィルドシリンジ(PFS)では、一部の医薬物質は特に針や針の近傍で目詰まりを起こす傾向があり、その結果、シリンジを経由して医薬物質を適切に押し出せなくなることがある。特に、医薬物質がバイオ医薬物質で、例えば、比較的高濃度タンパク質を含む場合には、タンパク質によって形成される凝集沈殿によって目詰まりが誘発されうる。患者は医薬物質や薬剤を全量受け取ることをできなくなるため、このような目詰まりは望ましくない。したがって、針の目詰まりの防止は、SIN−PFSでバイオ医薬物質を提供可能にするためには重要である。

0006

[0006] そのため、ステークイン針装着プレフィルドシリンジなどの針の目詰まりを最小限に抑える又は取り除き、プレフィルドシリンジを介して、とりわけバイオ医薬物質などの薬剤を、タンパク質の有無にかかわらず適切に供給することができるシステムが必要となっている。

0007

[0007] 本発明によれば、この要求は、独立請求項1の特徴で規定されるシリンジによって、また、独立請求項14の特徴で規定される方法によって実現される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象となっている。

0008

[0008] 特に、一実施形態では、本発明は、典型的には液体の医薬物質が配置される内部を備えた縦長本体、本体の長手方向の一端部に接続された針、及び針を包み込む硬質針シールド、を有するシリンジである。したがって、硬質針シールドは防水蒸気性である。

0009

[0009] 本明細書で使用される「硬質針シールド」すなわちRNSという用語は、針を覆うクロージャーに関する。これは偶発的な針刺し損傷を防止し、製剤溶液の漏れ及び微生物や汚染物質の混入を防止するクロージャーとしての役割を果たす。

0010

[0010] 本明細書で使用される「防水蒸気性」という用語は、水蒸気透過性をなくすこと又は相当に低くすることと関係している。この状況で、比較的低い透過性と言えるのは、温度5℃相対湿度60%未満のときには1日1平方メートルあたり1.2グラム(g/m2×d)の水蒸気が、温度25℃相対湿度60%未満のときには1.3(g/m2×d)の水蒸気が、また、温度40℃相対湿度75%未満のときには1.5(g/m2×d)の水蒸気が透過する場合である。現状では、このような条件を満たす材料やアセンブリが防水蒸気性となりうる。

0011

[0011]シリンジ本体は、剛性及び有用性に関して適切な特性を有する不活性材料から作られうる。例えば、シリンジ本体はガラスから作られるか、ガラスを含みうる。別の実施例では、プラスチックから作ることや、プラスチックを含むこともできる。

0012

[0012] 製造、保管輸送、及び使用中に、ステークイン針装着プレフィルドシリンジは、温度の上昇、相対湿度の低下、気圧の低下などの種々の環境条件に曝される。具体的には、シリンジ本体内部と環境との間での、大気圧の差並びに水蒸気圧の差は、針への医薬物質の流入及び一般的に知られる硬質針シールドを通る水蒸気の移動による蒸発を引き起こしうる。その結果、針の中の医薬物質又は溶液は、乾燥などによって凝固しうる。

0013

[0013] 本発明によってプレフィルドシリンジの針の目詰まりの問題は、硬質針シールドの改良によって解決又は防止することができる。この文脈では、「目詰まり」という用語は、針の閉塞である針の目詰まりを意味し、これはシリンジからの医薬物質の放出を妨げるか、大幅に低減させる。

0014

[0014] 以下の実施例で更に詳細に説明されるように、このような硬質針シールドは、針の目詰まりの発生を大幅に低減させるか、なくすことができる。したがって、本発明によるプレフィルドシリンジでは、特に皮下注射、筋肉注射、眼球注射、皮内注射、又は硝子体注射によって、適正な薬剤の投与が可能となる。

0015

[0015] 針の近傍に位置する硬質針シールドの針隣接部は、低浸出性、特に低亜鉛(Zn)浸出性を有することが好ましい。シリンジの針の目詰まりに関しては、硬質針シールドの水蒸気透過性との関連性に加えて、針内の医薬溶液は、硬質針シールドの材料から浸出しうる材料との反応によっても凝固しうる。より具体的には、亜鉛イオンは針に隣接する硬質針シールドの一部から浸出しうるが、シールドはこれまで医薬物質やタンパク質などの成分と反応しうるエラストマー部品であった。このような浸出しうるイオン、又は亜鉛イオンに誘発される反応は、医薬物質の粘度をかなり増大させうるため、針の目詰まりを誘発又は発生させうる。

0016

[0016] したがって、実質的に浸出しないように、或いは特に亜鉛に関して低浸出性を有するように設計された材料で、硬質針シールドの針隣接部を提供することによって、このような粘度の増大を防止することができる。この文脈では、「低浸出性」又は「低亜鉛浸出性」という用語は、医薬物質の粘度が影響されない又はほとんど影響されない程度の材料又は成分の浸出を意味している。より具体的には、20mMのヒスチジン−HCl、100mMのアルギニン−HCl、30mMのL−メチオニン、0.02%のポリソルベート80を含む、pH6.0±0.5の水溶液1mLに、針隣接部を25℃で1日インキュベートした後に、亜鉛イオンの最大放出量が5μgであった場合には、材料は低亜鉛浸出性を有するといえる。そのため、硬質針シールドの針隣接部は4つの等しい大きさに切り込まれている。

0017

[0017] したがって、このような低い水蒸気透過性を有する防水蒸気性硬質針シールドはまた、特に亜鉛イオンに対して低い浸出性を有する。これにより、改良された望ましい硬質針シールドは、水蒸気に対する低透過性と、材料又は成分、特に亜鉛イオンに対する低浸出性を有する。

0018

[0018]硬質針シールドは防水蒸気性被覆を含むことが望ましい。このような防水蒸気被覆は、硬質針シールドの外殻として配置されうる。これにより、本発明による針目詰まりの傾向を低減したシリンジの実装に、一般的なシリンジを適用することができる。特に、これにより、既知のシステムで効率的にシリンジを準備し、被覆を水蒸気バリアとして別途追加することができる。

0019

[0019] 好ましい一実施形態では、被覆は有機物ワックスから選択可能なワックスを含む。針キャップにワックスを加えることによって、硬質針シールドに水蒸気バリアを効率的に提供することができる。また、これにより、従来どおりに準備されたシリンジに適用して、針の目詰まりの防止に関する特性を高めることができる。ワックス以外の材料も、従来どおりに準備されたシリンジに同様に適用することができる。

0020

[0020] 別の好ましい実施形態では、被覆は、追加的に又は代替的に、液体で満たされた防水蒸気性パウチを含む。例えば、パウチはアルミニウムで作ることができる。具体的には、液体は水又は水類似溶液であってもよい。パウチ内には、水溶液を集める又は保持するため、綿玉などの適切な母材を配置することができる。充填済みのパウチをシリンジに提供することは、硬質針シールドに水蒸気バリアを効率的に提供する代替的な方法で、これはまた、従来どおりに準備されたシリンジに同様に適用して、針の目詰まり防止に関する良好な特性を提供することができる。

0021

[0021]被覆の代替として、硬質針シールドは、防水蒸気性材料から作られ、針の近傍に位置する針隣接部を含むことが望ましい。このような硬質針シールドにより、針に対して水蒸気バリアをワンステップで効率的に提供することができる。

0022

[0022] したがって、防水蒸気性材料は、エチレンプロピレンジエンメチレンベースにした熱可塑性エラストマーであることが望ましい。このような材料により、一方では重大な針の目詰まりを起こすような水透過性はなく、他方ではエチレンオキサイドガス滅菌などによる、従来の針の滅菌が可能になる充分なガス透過性を有する、防水蒸気バリアを提供することができる。これはまた、シリンジの効率的な製造や準備を可能にする。

0023

[0023]代替的に、防水蒸気性材料は、2−メルカプトベンゾチアゾールを含まないスチレンブタジエンゴム化合物であることが望ましい。このような材料はまた、一方では重大な針の目詰まりを起こすような水透過性はなく、他方ではエチレンオキサイドガス滅菌などによる、従来の針の滅菌が可能になる充分なガス透過性を有する、防水蒸気バリアを提供することができる。更に、これは、シリンジの効率的な製造や準備を可能にする。

0024

[0024] 本体内部は、針の反対側でプランジャーによって密封されることが好ましい。プランジャーは、フッ素樹脂積層ブチルゴムなどの弾性材料又は弾塑性材料から作られる、又はこれらを含むこともできる。このようなプランジャーにより、本体内部を安全に密封することができる。更に、プランジャーは針本体の近位開口部へ容易に押し込むことができ、これによりシリンジを効率的に準備することができる。しかも、プランジャーは作動ロッドによって針の方向へ更に押し込まれ、針の外へ医薬物質を提供することができる。また、ブチルゴムプランジャーは、亜鉛を著しく浸出させることがないため、更に有益である。

0025

[0025] 針はシリンジ本体と一体化されることが望ましい。このようなシリンジはまた、ステークイン針装着シリンジと称されることもある。これらは比較的効率的に製造可能である。また、これらは、投与前に針を装着する必要がないため、自動注入などの場合に、取扱いが比較的容易である。

0026

[0026]医薬物質はバイオ医薬物質であることが望ましい。「バイオ医薬物質」という用語は、液状の任意の生物学的治療製剤を意味しうる。多くのバイオ医薬物質は、比較的大きな分子を含み、目詰まりの傾向が比較的高いため、防水蒸気バリアを提供すること、及び/又は、各シリンジの硬質針シールドに対する浸出性、特に亜鉛浸出性を低くすることが特に有用となりうる。

0027

[0027] したがって、バイオ医薬物質はタンパク質を含んでいてもよい。タンパク質は、例えば、モノクローナル抗体などのことがある。バイオ医薬物質の中でも、このような物質は目詰まりの傾向が高いため、防水蒸気バリアを提供すること、及び/又は、各シリンジの針に対する浸出性、特に亜鉛浸出性を低くすることが特に有用となりうる。

0028

[0028] したがって、この物質は、約50mg/mlから約250mg/ml又は約300mg/mlの範囲の濃度でタンパク質を含んでいてもよい。この文脈では、省略形「mg」はミリグラムを表わし、省略形「ml」はミリリットルを表わす。このような範囲内のたんぱく質を有するバイオ医薬物質が入ったシリンジ内では、目詰まりが容易に、且つ頻繁に起こるが、本発明による防水蒸気性の硬質針シールドは、このような目詰まりの防止に特に有効であることが示されている。

0029

[0029] 本発明の別の態様は、内部を備える縦長本体及び本体の長手方向の一端部に接続される針を有するシリンジを準備する方法に関する。本方法は、シリンジの本体内部に医薬物質を充填するステップ、針と反対の、本体の長手方向端部に具現化された開口部を通ってプランジャーを押圧することによって、シリンジの本体内部を密封するステップ、及び防水蒸気性の硬質針シールドで針を包み込むステップ、を含む。このような方法により、前述の効果や利点を有するシリンジを効率的に準備することができる。

0030

[0030]硬質針シールドで針を包み込むことは、防水蒸気性被覆で針キャップを覆うことを含むことが望ましい。このような被覆は、前述のようにワックス又は液体を充填したパウチであってもよい。

0031

[0031] 本開示はまた、シリンジの以下の実施形態を含む。

0032

[0032] 実施形態1は、医薬物質が配置される内部を備えた縦長本体、本体の長手方向の一端部に接続された針、及び針を包み込む硬質針シールドを有するシリンジで、針の近傍に位置する硬質針シールドの針隣接部は、低亜鉛浸出性などの低浸出性を有する。上述のように、シリンジの針の目詰まりに関しては、硬質針シールドの水蒸気透過性との関連性に加えて、針内の医薬溶液は、硬質針シールドから浸出しうる材料との反応によって凝固しうる。より具体的には、従来はエラストマー部品であり、針に隣接する硬質針シールドの一部から浸出しうる亜鉛イオンなどの材料又は成分は、医薬物質又は医薬物質中のたんぱく質などの成分と反応しうる。このような亜鉛イオン又は浸出性材料によって誘発される反応は、医薬物質の粘度の比較的大きな増大につながり、針の目詰まりを誘発しうる。したがって、大規模に浸出しない、特に亜鉛を大規模に浸出しない材料で、或いは浸出性の低い、すなわち亜鉛浸出性の低い材料で、硬質針シールドの針隣接部を提供することによって、硬質針シールドが防水蒸気性であるか否かにかかわらず、このような粘度の増大を防止することができる。この文脈では、「低浸出性」又は「低亜鉛浸出性」という用語は、医薬物質の粘度が影響されない又はほとんど影響されない程度の材料又は成分の浸出を意味している。より具体的には、20mMのヒスチジン−HCl、100mMのアルギニン−HCl、30mMのL−メチオニン、0.02%のポリソルベート80を含む、pH6.0±0.5の水溶液1mLに、針隣接部を25℃で1日インキュベートした後に、亜鉛イオンの最大放出量が5μgであった場合には、材料は低亜鉛浸出性を有するといえる。そのため、硬質針シールドの針隣接部は4つの等しい大きさに切り込まれている。

0033

[0033] 実施形態2は、実施形態1のシリンジで、硬質針シールドは防水蒸気性である。防水蒸気性の硬質針シールドによって提供される、並びにシリンジの以下の好ましい実施形態の効果と利点は、本発明及びその好ましい実施形態に関連して、上記で説明されている。

0034

[0034] 実施形態3は、実施形態1又は2によるシリンジで、硬質針シールドは防水蒸気性被覆を含む。

0035

[0035] 実施形態4は、実施形態3によるシリンジで、被覆はワックス、とくに有機ワックスを含む。

0036

[0036] 実施形態5は、実施形態3又は4によるシリンジで、被覆は液体で満たされた防水蒸気性のパウチを含む。

0037

[0037] 実施形態6は、実施形態1又は2によるシリンジで、硬質針シールドは、防水蒸気性材料で作られ、針の近傍に位置する針隣接部を含む。

0038

[0038] 実施形態7は、実施形態6によるシリンジで、防水蒸気性材料は、エチレンプロピレンジエンメチレンをベースにした熱可塑性エラストマーである。

0039

[0039] 実施形態8は、実施形態6によるシリンジで、防水蒸気性材料は、2−メルカプトベンゾチアゾールを含まないスチレンブタジエンゴム化合物である。

0040

[0040] 実施形態9は、実施形態1から8のいずれか1つの実施形態によるシリンジで、本体内部は針の反対側でプランジャーによって密封される。

0041

[0041] 実施形態10は、実施形態1から9のいずれか1つの実施形態によるシリンジで、針は本体と一体化されている。

0042

[0042] 実施形態11は、実施形態1から10のいずれか1つの実施形態によるシリンジで、医薬物質はバイオ医薬物質である。

0043

[0043] 実施形態12は、実施形態11によるシリンジで、バイオ医薬物質はタンパク質を含む。

0044

[0044] 実施形態13は、実施形態12によるシリンジで、物質は約50mg/mlから約250mg/mlの範囲の濃度でタンパク質を含む。

0045

[0045] 実施形態14は、実施形態12又は13によるシリンジで、タンパク質はモノクローナル抗体である。

0046

[0046] 上記に記載の発明の態様及び他の態様は、以下に記載の実施形態を参照して、明らかになり、解明される。

0047

[0047] 本発明によるシリンジ及び方法は、例示的な実施形態によって、また、添付の図面を参照することによって、以下でより詳細に記載される。

図面の簡単な説明

0048

本発明による、防水蒸気性弾性針隣接部を備える硬質針シールドを有する針の第1の実施形態の図を示す。
本発明による、ワックス被覆を備える硬質針シールドを有する針の第2の実施形態の図を示す。
本発明による、被覆として水溶液で満たされたパウチを備える硬質針シールドを有する針の第3の実施形態の図を示す。
本発明によるシリンジの複数の例において、粘度対インキュベーション温度・時間の関係を表わす図を示す。

実施例

0049

[0048] 以下の記載で便宜上の理由から使用される用語は、本発明を制限することを意図していない。「右」、「左」、「上」、「下」、「下方の」及び「上方の」などの用語は図の中での方向を表わす。専門用語は、明示的に言及された用語に加えて、その派生語及び同様の意味を有する用語を含む。また、「真下に」、「下方に」、「下の」、「上方の」、「上の」、「近位の」、「遠位の」などの空間的に関連する用語は、図に描かれているように、1つの要素又は外観の、別の要素又は外観に対する関係性記述するために使用されうる。これらの空間的に関連する用語は、図に示した位置や配向に加えて、使用時又は動作時の種々の位置及び配向を網羅することが意図されている。例えば、図の装置が反転されると、他の要素や外観に対して「下方に」又は「真下に」と説明されていた要素は、他の要素や外観に対して「上方の」又は「越える」と説明されうる。したがって、例示の「下方に」という用語は、上下の位置と配向の両方を網羅しうる。装置は別の向きに(90度回転又は他の方向に)配向されることもあり、本書ではそれに応じて、空間的な相対記述子が使用される。同様に、様々な軸に沿った、及び軸を中心とする動きの記述は、装置の様々な空間的位置及び配向を含む。

0050

[0049] 図面、様々な態様及び例示的な実施形態での繰り返しを避けるため、特徴の多くは、多数の態様や実施形態で共通していることを理解されたい。記述や図面からある特徴が省略されていても、それは当該の特徴を備える実施形態から当該の特徴が失われたことを意味するわけではない。むしろ、その特徴は、明確にするために、また、冗長な記述を避けるために省略されることがある。これに関連して、この記述のその他の部分には以下が適用される。図面を明確にするため、図が記述に直接関連する部分で説明されていない参照符号を含む場合には、この部分は前後の説明セクションで言及される。更に、明確性の理由により、ある図面の1つのセクションに、部品のすべての特徴が参照符号と共に提供されていない場合には、同一の図面の他のセクションで言及される。複数の図で同様の番号は、同一又は同様の要素を表わす。

0051

[0050]図1は、本発明によるシリンジの第1の実施形態として、ステークイン針(SIN)装着プレフィルドシリンジ(PFS)1を示している。SIN−PFS 1は縦長の中空ガラス本体2を有し、中空ガラス本体は長手方向軸6に沿った一端部で、ネック5を経由して針に至る。本体2は、ネック5に向かい合う長手方向端部に、開口部を有する。開口部の境界は、フィンガーフランジ21として具現化されている。

0052

[0051] 本体2の内部22は、ブチルゴムプランジャー4によって、軸6に沿って針と反対の方向に区切られている。プランジャー4は、本体2の内部22を密封する。内部22には、50mg/mlから250mg/mlの範囲の濃度でタンパク質を含む液体のバイオ医薬物質が配置される。

0053

[0052] SIN−PFS1の針は、針隣接部として弾性針カバー31及び熱硬化性キャップ32を含む、硬質針シールド3によって保護される。硬質針シールド3は、針の先端からネック5まで延在する。

0054

[0053]針カバー31は、エチレンプロピレンジエンメチレンをベースにした熱可塑性エラストマーから、或いは2−メルカプトベンゾチアゾールを含まないスチレンブタジエンゴム化合物から作られる。針カバーは、SIN−PFS1の針を直接包み込む。

0055

[0054]硬質針シールド3のキャップ32は比較的堅く、機械的な応力に耐える。キャップは針カバー31を包み込み、遠位方向に広がる複数の軸スリットを有する。キャップ32のスリットを介して、針カバー31はアクセス可能である。特に、キャップ32のスリットを介して、針は通常の方法で、例えばエチレンオキサイドガス滅菌などによって、滅菌可能である。したがって、針カバー31の材料は、適切な滅菌に対して透過性があり、一方、本発明の意味において防水蒸気性である。しかも、針カバー31の材料は、低亜鉛浸出性を有する。

0056

[0055]図2には、別のステークイン針装着プレフィルドシリンジ18が、本発明によるシリンジの第2の実施形態として示されている。SIN−PFS18は、本体28、ネック58、プランジャー48、針及び長手方向軸68を有し、これらは図1に示したSIN−PFS 1の同一パーツとして完全に一致するように具現化されている。具体的には、本体28はフィンガーフランジ218と完全に一致する開口部、並びにプランジャー48と針との間の完全に一致する内部228を含み、この内部は液体のバイオ医薬物質が充填される。

0057

[0056] SIN−PFS18は更に、SIN−PFS 18の針を保護する硬質針シールド38を有する。硬質針シールド38は、針隣接部として弾性針カバー318、熱硬化性キャップ328及び被覆338を含む。針カバー318は、ポリイソプレンなどの従来の材料で作られる。針カバーは、SIN−PFS 18の針を直接包み込む。

0058

[0057]キャップ328は、図1のSIN−PFS1の硬質針シールド3のキャップ32と完全に一致するように具現化されている。キャップは有機ワックスから作られる被覆338によって覆われ、有機ワックスはキャップ328、ネック58及び本体28の一部の上に配置される。したがって、硬質針シールド38は針の先端から本体28まで延在する。

0059

[0058] SIN−PFS18を準備する場合、これは、事前に決められた方法で得ることができる。すなわち、SIN−PFS 18の本体28の内部228はバイオ医薬物質が充填され、本体228の開口部を通ってプランジャー48を押圧することによって密封され、また、針は従来の針カバー318と針キャップ328によって包み込まれている。こうして得られたSIN−PFS 18は、針を下にして本体228の当該部分まで液状の有機ワックスの中に浸される。SIN−PFS 18を液状のワックスから取り出してしばらくすると、SIN−PFS 18に粘着する層が、冷却及び硬化後に被覆338を形成する。

0060

[0059]図3は更に、本発明によるシリンジの第3の実施形態として、ステークイン針装着プレフィルドシリンジ19を示す。SIN−PFS19は、本体29、ネック59、プランジャー49、針及び長手方向軸69を有し、これらは図1に示したSIN−PFS 1の同一パーツとして完全に一致するように具現化されている。具体的には、本体29はフィンガーフランジ219と完全に一致する開口部、並びにプランジャー49と針との間の完全に一致する内部229を含み、この内部は液体のバイオ医薬物質が充填される。

0061

[0060] SIN−PFS19は更に、SIN−PFS 19の針を保護する硬質針シールド39を有する。硬質針シールド39は、針隣接部として弾性針カバー319、熱硬化性キャップ329、及び被覆としてパウチ339を含む。針カバー319は、ポリイソプレンなどの従来の材料で作られる。針カバーは、SIN−PFS 19の針を直接包み込む。キャップ329は、図1のSIN−PFS 1の硬質針シールド3のキャップ32と完全に一致するように具現化されている。

0062

[0061] 前述のSIN−PFSのすべてのパーツは、パウチ339内にパックされている。したがって、これらすべてのパーツは、パウチ339によって密封されている。パウチ内には、パウチ339の注入口349を通って注入される水溶液が配置される。そのため、硬質針シールド39と水溶液のパウチ339は、SIN−PFS 19の他のパーツを完全に包み込んでいる。

0063

[0062] SIN−PFS19を準備する場合、これは、図2のSIN−PFS 18の準備に関連して上述されている、事前に決められた方法で得ることができる。次に、得られたSIN−PFS 19はパウチ339で包まれ、注入口349を介して水溶液がパウチ339内へ供給される。水溶液を得る又は集めるため、綿玉などの母材をパウチ339内に用意することができる。これにより、パウチ339は水溶液と共に被覆を形成する。

0064

[0063] 以下では、本発明によるシリンジの幾つかの実施例が定義、評価され、互いに比較される。実施例1は、基準となる従来技術によるシリンジである。基準シリンジは、ポリイソプレンエラストマー(Stelmi Formulation 4800)から作られた内側のコアと外側の熱硬化性カバーを有する硬質針シールドを備えたステークイン針装着プレフィルドガラスシリンジである。基準シリンジの内部には、目標抽出可能体積(target extractable volume)が0.959mLであるトレイフィラー(Inova V122)を使用して、バイオ医薬物質として濃縮されたトシリズマブ(F. Hoffmann La Roche AG、INNから入手可能又は提供される)製剤が充填される。

0065

[0064]濃縮されたトシリズマブ製剤を得るため、初期のトシリズマブ製剤(180mg/mLのトシリズマブ、20mMのL−ヒスチジン−HCL、30mMのL−メチオニン、100mMのL−アルギニン−HCL、0.02%ポリソルベート80、pH6.0)は、30kDの分画分子量を有する半透膜によるタンジェンシャルフロー濾過プロセスを用いて、189mg/mLのトシリズマブまで濃縮される。濃縮されたトシリズマブ溶液は、0.22μm二フッ化ポリビニリデンPVDF濾過膜によって滅菌濾過される。

0066

[0065] 実施例2は、ポリイソプレンエラストマー(Stelmi Formulation 4800)から作られた内側のコアと外側の熱硬化性カバーとを有する硬質針シールドを備えたステークイン針装着プレフィルドガラスシリンジである。シリンジの内部には、目標抽出可能体積が0.959mLであるトレイフィラー(Inova V122)を使用して、上述のように同じ濃度のトシリズマブ製剤が充填される。シリンジは、防水蒸気性被覆として水溶液が満たされた防水蒸気性アルミパウチに同されている。

0067

[0066]アルミホイルパウチは、12μmの印刷可能なポリエステルの粘着ラミネート、20μmの白色ポリエチレン、9μmのアルミホイル、及び65μmのCleanPeel(商標)(剥離可能なポリエチレン封止層)(240×240mm)から作られ、38℃相対湿度90%で0.01(g/m2×d)未満の水蒸気透過度(WVTR)を有する。PFSは、5mLの純水を含む5×5cmの綿布と共にアルミホイルパウチに入れられ、その後、アルミパウチは熱融着(170〜200℃)される。

0068

[0067] 実施例3は、防水蒸気性針隣接部として、エチレンプロピレンジエンメチレン(EPDM)をベースにした熱可塑性エラストマー(Stelmi Formulation 8550)から作られた内側のコアと、外側の熱硬化性カバーとを有する硬質針シールドを備えたステークイン針装着プレフィルドガラスシリンジである。シリンジの内部には、目標抽出可能体積が0.959mLであるトレイフィラー(Inova V122)を使用して、上述のように同じ濃度のトシリズマブ製剤が充填される。

0069

[0068] 実施例4は、防水蒸気性針隣接部として、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)を含まないスチレンブタジエンゴム化合物(Datwyler、FormulationFM30)から作られた内側コアと、外側の熱硬化性カバーとを有する硬質針シールドを備えたステークイン針装着プレフィルドガラスシリンジである。シリンジの内部には、目標抽出可能体積が0.959mLであるトレイフィラー(Inova V122)を使用して、上述のように同じ濃度のトシリズマブ製剤が充填される。

0070

[0069] 実施例5は、ポリイソプレンエラストマー(Stelmi Formulation 4800)から作られた内側のコアと外側の熱硬化性カバーとを有する硬質針シールドを備えたステークイン針装着プレフィルドガラスシリンジである。シリンジの内部には、目標抽出可能体積が0.959mLであるトレイフィラー(Inova V122)を使用して、上述のように同じ濃度のトシリズマブ製剤が充填される。硬質針シールドの熱硬化性カバーは、薬剤溶液が充填された後、ワックスなどの防水蒸気性材料で被覆される。

0071

[0070]プレフィルドシリンジの上記の実施例はすべて、40℃相対湿度25%で最大1ヵ月間保管される。

0072

[0071]硬質針シールド(RNS)内側ゴム材料又はRNSの各変形例の針隣接部は4片に分割され、密封ガラスバイアル内で1mLトシリズマブ溶液(180mg/mL、20mMのL−ヒスチジン−HCL、30mMのL−メチオニン、100mMのL−アルギニン−HCL、0.02%ポリソルベート80、pH6.0)と共に、それぞれ5℃、25℃及び40℃でインキュベートされる。4週間、8週間及び13週間インキュベーションした後、サンプルは動粘性係数に関して分析される。

0073

[0072]図4に示したように、Stelmi社のRNSゴムFormulation 4800と共に、40℃で4週間、並びに25℃で8週間インキュベーションすると、トシリズマブ製剤の粘度は大幅に上昇し、サンプル溶液半固体ゲル状物質に変わった。Stelmi社のFormulation 8550及びDatwyler社のFormulationFM30から作られたゴム片は、トシリズマブ製剤の粘度を上昇させることはなく、RNSゴム片なしのトシリズマブサンプル(DPw/o RNS)と同様の反応を示した。

0074

[0073] 以下の表は1カ月間の針の目詰まりデータをまとめたものである。基準となる実施例1では、目詰まり率が100%に設定されることを示している。実施例2は、40℃相対湿度25%で1カ月間保管しても、適切なパッケージングによって針の目詰まりが防止されることを示している。実施例3は、水蒸気透過率が小さい代替的なRNSの変形例を示しており、材料の適合性の改善により、実施例1と比較して針の目詰まりは大幅に減少している。実施例4は、実施例1と比較して目詰まり率は減少していないが、RNSインキュベーション調査では、トシリズマブ(INN)製剤との適合性が示されている。実施例5は、実施例2と同様の結果を示すことが期待されている。

0075

[0074] 本発明の態様と実施形態を説明する記述と添付の図面は、保護された発明を画定する特許請求の範囲を制限するとみなすべきではない。言い換えるならば、本発明は、図面並びに先の記述で詳細に図解され、説明されているが、このような図解や説明は例示又は典型例であり、限定的なものとみなすべきではない。本明細書及び特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な機械的、構成的、構造的電気的、及び操作上の変更が可能である。場合によっては、本発明が不明瞭にならないよう、よく知られている回路、構造及び技術については、詳細に示すことはしない。当業者であれば、以下の特許請求の範囲及び主旨の範囲内で、変更及び修正を行いうることが理解されるであろう。具体的には、本発明は、上記及び下記の種々の実施形態の特徴を任意に組み合わせることによって、更なる実施形態を網羅する。

0076

[0075] 本開示は、図面に個別に示された更なる特徴もすべて網羅するが、これらは、前記又は下記の記述では説明されていないことがある。また、図面や説明に記されている1つの代替的な実施形態、並びにその中の1つの代替的な特徴は、本発明の主題から、或いは開示されている主題から除外されることがある。本開示は、特許請求の範囲又は例示的な実施形態で画定される特徴からなる主題、並びに前記特徴を含む主題を含む。

0077

[0076] 更に、特許請求の範囲では、「含む(comprising)」という語は他の要素やステップを排除しない。また、「1つの(a又はan)」という不定詞は複数を排除しない。1つのユニット又はステップは、特許請求の範囲に記載される幾つかの特徴の機能を満たしうる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが活用できないことを示しているわけではない。「本質的に」、「約」、「およそ」などの用語はまた、特に属性や値に関連しており、それぞれ、正確に属性を規定し、正確に値を規定する。所定の数値又は範囲の文脈における「約」という用語は、所定の値や範囲の20%以内、10%以内、5%以内、又は2%以内を意味する。連結又は接続されて説明される構成要素は、電気的に又は機械的に直接連結又は接続されることがあり、これらは一又は複数の中間構成要素を介して間接的に連結されてもよい。特許請求の範囲の任意の参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

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