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技術 入射光の散乱を管理する方法、及びそれにより形成される物品

出願人 スリーエムイノベイティブプロパティズカンパニー
発明者 スカムザー,ダニエルジェイ.マーコウィッツ,プジェミスワフピー.コン,スティーブンエイチ.
出願日 2015年10月1日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2017-517764
公開日 2017年12月28日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-538455
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 歯科用機器・補助機器 医療用材料
主要キーワード 突出特徴 中心角度θ ブライトスポット 酸浴槽 レーザーアブレーションシステム 球形凹 ガントリシステム 金属的外観
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月28日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

本開示は、生じる鏡面反射及び光沢がより少なく、かつ依然として広範な入射角において、高強度の反射光をもたらす、加工された表面を提示する。構造化された金属表面は、拡散反射を増加させる加工されたトポグラフィーを含み、これはより高強度の光が多広範な視野角知覚されることにつながる。このような表面とかかわる観察者は、入射光のより強い「白い」反射と、特に、歯科矯正用、及び他の口腔用途における、審美的外観の改善とを知覚する傾向にある。加工された表面を形成する方法、及び加工された表面を組み込む歯科矯正物品もまた開示される。

概要

背景

歯科矯正療法は、転位(又は、歪んだ)歯の管理下治療に関する、歯科の専門領域である。一般に、そのような治療は、1つ以上の歯科矯正装置を使用して、軽度の持続的な力を、歯に対して慎重に適用することを伴う。これらの力は、周囲の骨構造の変化を刺激することにより、歯を、口腔内のそれらの適正な位置へと、徐々に方向付ける。歯科矯正療法は、衛生状態を維持する容易さ、顔貌の改善、並びに咬合機能の改善を含めた、多くの利益をもたらし得る。

固定式装置、つまり「ブレース」は、歯科矯正治療の1つのタイプを表すものであり、ブラケットと呼ばれる小さいスロット付き装置が歯に取り付けられる。次いで、弾性U字形状(すなわち放物線状)のアーチワイヤが、それらのブラケットのスロット内に定置される。ブラケットに結紮されると、アーチワイヤは、治療の過程で歯をそれらの適正な位置に誘導する軌道としての役割を果たす。治療の開始時には、アーチワイヤは、結紮を容易にするため、また歯がほぐれる際に、歯に加えられる力を比較的小さく保つためにも、小さい断面寸法を有する傾向がある。治療の後期には、歯は、それらの標的位置に接近し、漸進的に、より大きい(かつ、より堅固な)ワイヤを使用することにより、関連する歯に対する施術者の制御を改善することが可能となる。

歯科矯正用ブラケットは、金属(例えば、ステンレススチール)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、並びに単結晶及び多結晶酸化アルミニウムなどのセラミック材料といった幅広く異なる材料から作製することができる。アーチワイヤもまた、ステンレススチール、チタン、並びに、ニッケル−チタン、及び銅−ニッケル−チタンの合金などの形状記憶合金を含む、様々な金属又は金属合金材料から作製することができる。

概要

本開示は、生じる鏡面反射及び光沢がより少なく、かつ依然として広範な入射角において、高強度の反射光をもたらす、加工された表面を提示する。構造化された金属表面は、拡散反射を増加させる加工されたトポグラフィーを含み、これはより高強度の光が多広範な視野角知覚されることにつながる。このような表面とかかわる観察者は、入射光のより強い「白い」反射と、特に、歯科矯正用、及び他の口腔用途における、審美的外観の改善とを知覚する傾向にある。加工された表面を形成する方法、及び加工された表面を組み込む歯科矯正物品もまた開示される。

目的

本発明の範囲からその他の実施形態を排除することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属を含む外面と、前記外面に設けられた、加工された複数の特徴部とを含み、前記複数の特徴部を含む表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置

請求項2

前記加工された特徴部は、前記外面に複数の凹部を含む、請求項1に記載の歯科矯正装置。

請求項3

前記複数の凹部の平均深さが、少なくとも0.5マイクロメートルであり、かつ20マイクロメートル以下である、請求項2に記載の歯科矯正装置。

請求項4

隣接する凹部の間のピッチが、少なくとも15マイクロメートルであり、かつ60マイクロメートル以下である、請求項2に記載の歯科矯正装置。

請求項5

前記凹部は、横方向軸及び長手方向軸を有するアレイとして配列され、前記横方向軸に沿った前記隣接する凹部の間のピッチは、前記長手方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチよりも大きい、請求項4に記載の歯科矯正装置。

請求項6

前記断面寸法は直径を含み、前記直径は少なくとも25マイクロメートルであり、かつ35マイクロメートル以下であり、前記ピッチは少なくとも25マイクロメートルであり、かつ35マイクロメートル以下である、請求項5に記載の歯科矯正装置。

請求項7

前記複数の凹部は規則的なアレイとして配列され、前記表面は、アレイ内のいずれか2つの凹部の間の隙間空間を含み、かつ前記凹部の間の隙間空間は、1つ以上の突出特徴部を含む、請求項2に記載の歯科矯正装置。

請求項8

少なくとも1つの凹部が、前記凹部の底面に突出特徴部を含む、請求項2に記載の歯科矯正装置。

請求項9

前記装置がアーチワイヤである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科矯正装置。

請求項10

前記表面は、いずれの美観コーティングなしに、少なくとも0.4の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科矯正装置。

請求項11

金属を含む外面と、前記表面内に画定された複数の凹部と、を含み、前記複数の凹部は前記表面から少なくとも0.5マイクロメートルの深さを有し、前記凹部の大部分が、境界領域において隣接する凹部と重複するように、前記凹部は重複するアレイとして配列されている、装置。

請求項12

前記複数の凹部のうちの、前記少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの他の凹部と共にユニットセルとして配列され、前記ユニットセル内の凹部の間のピッチは、少なくとも20マイクロメートルであり、かつ50マイクロメートル以下である、請求項11に記載の装置。

請求項13

前記重複する境界領域は、前記表面内の、一連別個の突出特徴部を含む、請求項11に記載の装置。

請求項14

少なくとも1つの凹部が、約10マイクロメートルの深さを含む、請求項2〜13のいずれか一項に記載の装置。

請求項15

物品審美的外観を改善する方法であって、外面を有し、前記外面が金属を含む物品を準備することと、散漫散乱試験により測定したときに、前記表面が、少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率を呈するように、前記表面の少なくとも一部をアブレーションして前記表面上に複数の特徴部を形成することと、を含む、方法。

請求項16

前記複数の特徴部が前記表面内に複数の凹部を含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記凹部の少なくともいくつかが重複して、突出特徴部を形成する、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記表面の少なくとも一部をアブレーションすることは、凹部の第1パターンを形成することを含み、前記第1パターンは、前記アレイの隣接する凹部の間に、少なくとも10マイクロメートルであり、かつ100マイクロメートル以下のピッチを有する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記凹部は、横方向軸及び長手方向軸を有するアレイとして配列され、前記横方向軸に沿った前記隣接する凹部の間のピッチは、前記長手方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチよりも大きい、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記表面の一部をアブレーションすることは、第2パターンに従って一連の凹部を形成することを更に含み、前記第2パターンは、前記第1パターンと実質的に同様である、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記特徴部は、別個の凹部を含み、各別個の凹部は凹レンズ状の構造を含み、前記凹部は、前記レンズの頂部付近に別個の突出特徴部を含む、請求項15に記載の方法。

請求項22

前記表面をアブレーションすることは、前記表面の少なくとも一部にわたり、第1アレイとして、特徴部の第1パターンを形成することと、前記第1パターンの少なくとも2つの凹部の形状寸法が変更されるように、前記第1パターンの一部を分断することと、を含む、請求項15〜21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

前記第1パターンの一部を分断することは、第2アレイに特徴部の第2パターンを形成することを含み、前記特徴部の第2パターンは、前記第1パターンからオフセットされ、前記第2アレイの前記特徴部が、前記第1アレイの特徴部と少なくとも部分的に重複する、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記表面は、散漫散乱試験により測定したときに、少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率、及び0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈し、前記表面は、いずれの美観用金属又はポリマーコーティングもなしに、前記拡散L*最小70/最大15比率を呈する、請求項15〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

前記表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び前記散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、請求項15〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

金属を含む外面と、前記外面に電気めっきした金属コーティングと、を備え、前記表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置。

請求項27

前記装置は歯科矯正アーチワイヤである、請求項26に記載の歯科矯正用装置。

請求項28

前記電気めっきした金属コーティングは、アルミニウム及びロジウムのうちの少なくとも一方を含む、請求項26又は27に記載の歯科矯正装置。

請求項29

前記表面は、複数の設計された凹部を含み、前記電気めっきした金属コーティングは、前記複数の凹部上に配置される、請求項26〜28の歯科矯正装置。

請求項30

前記複数の凹部のうちの、前記少なくとも1つの凹部は、少なくとも2つの他の凹部とのユニットセルとして配列され、前記ユニットセル内の前記凹部の間のピッチは、少なくとも20マイクロメートル、かつ50マイクロメートル以下である、請求項29に記載の装置。

背景技術

0001

歯科矯正療法は、転位(又は、歪んだ)歯の管理下治療に関する、歯科の専門領域である。一般に、そのような治療は、1つ以上の歯科矯正装置を使用して、軽度の持続的な力を、歯に対して慎重に適用することを伴う。これらの力は、周囲の骨構造の変化を刺激することにより、歯を、口腔内のそれらの適正な位置へと、徐々に方向付ける。歯科矯正療法は、衛生状態を維持する容易さ、顔貌の改善、並びに咬合機能の改善を含めた、多くの利益をもたらし得る。

0002

固定式装置、つまり「ブレース」は、歯科矯正治療の1つのタイプを表すものであり、ブラケットと呼ばれる小さいスロット付き装置が歯に取り付けられる。次いで、弾性U字形状(すなわち放物線状)のアーチワイヤが、それらのブラケットのスロット内に定置される。ブラケットに結紮されると、アーチワイヤは、治療の過程で歯をそれらの適正な位置に誘導する軌道としての役割を果たす。治療の開始時には、アーチワイヤは、結紮を容易にするため、また歯がほぐれる際に、歯に加えられる力を比較的小さく保つためにも、小さい断面寸法を有する傾向がある。治療の後期には、歯は、それらの標的位置に接近し、漸進的に、より大きい(かつ、より堅固な)ワイヤを使用することにより、関連する歯に対する施術者の制御を改善することが可能となる。

0003

歯科矯正用ブラケットは、金属(例えば、ステンレススチール)、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)、並びに単結晶及び多結晶酸化アルミニウムなどのセラミック材料といった幅広く異なる材料から作製することができる。アーチワイヤもまた、ステンレススチール、チタン、並びに、ニッケル−チタン、及び銅−ニッケル−チタンの合金などの形状記憶合金を含む、様々な金属又は金属合金材料から作製することができる。

0004

多くの歯科矯正装置、及びとりわけ金属アーチワイヤは依然として、一部の患者及び歯科医にとって審美的に魅力的ではないが、これは少なくとも一部において、金属的な光沢と、患者のエナメル質の色(白色など)との目立ちやすいコントラストによるものである。ここ数十年で、口腔内の金属の外観を最小化する傾向のある、歯科矯正審美ブラケットを使用することへの関心が高まっている。例えば、半透明で、その下の歯の色になるセラミック歯科矯正ブラケットが開発されている。半透明のプラスチックブラケット及び歯の色のプラスチックブラケットもまた既知である。

0005

歯科矯正審美ブラケットの使用は、口腔内における大幅に改善された外観を呈し得る。多くの場合、アーチワイヤは、見えやすい唯一金属構成要素である。そこで、この、金属的外観の最後の要因を低減するか、又は排除することが望ましい。

0006

非金属の審美層でコーティングされた歯科矯正アーチワイヤが、過去に提案されてきた。例えば、米国特許第5,454,716号(Banerjeeら)、及び国際公開第97/29712号(Sjoegren)は、歯の色と適合する薄い着色層でコーティングされた、歯科矯正アーチワイヤを記載している。他のコーティングした歯科矯正アーチワイヤは、米国特許第4,050,156号(Chasanoffら)、及び同第3,504,438号(Anthonyら)に記載されている。米国特許第4,731,018号(Adelleら)は、金属部分及びプラスチック部分を備え、プラスチック部分が唇側を向くように構成されている、アーチワイヤを記載している。

0007

金属歯科矯正物品の外観を改善しようとするこれまでの試みも、物品の1つ以上の表面に美観用金属を堆積又は導入することを特徴としてきた。米国特許第8,778,444号(Kim)は、白色又はアイボリーカラーを付与するための、金属又は他の保護成分での表面コーティングに先立って、金属ワイヤの表面を物理的、又は化学的エッチングすることを記載している。アーチワイヤはその後、透明な金属材料が退色するのを防ぎ、ワイヤと歯の統一性を保ち得るために、表面を透明なパリレン膜でコーティングされる。同様に、米国特許第8,726,510号(Voudouris)は、美観用コーティングの接着を向上させるため、非平坦表面質感を生成するように、自己結紮ブラケットクリップに大規模な、レーザーで形成したクレータを使用することを、報告している。

0008

米国特許第5,882,193号(Wool)は、アーチワイヤに補助部品を取り付ける手段について説明しており、アーチワイヤの表面が最初に、酸化還元剤による処理によって、脱酸素される。清浄化した表面がその後、貴金属、例えば、金、プラチナロジウム、及びパラジウムでめっきされる。めっきされた表面は、主に補助的取り付けのために、はんだ付け可能、又はろう付け可能な表面をもたらす一方で、いくらかの審美的な改善をもたらすことができる。

0009

コーティング材料により付与される効果に主に依存することにより、このような方法は、特に、話す間、咀嚼する間、及び頭部の他の動きの間に歯科用アーチ相対向きが変わると、依然として間違いなく外観が金属的である歯科矯正装置を生じる。したがって、金属的な光沢を最小化する一方で、広範な視野角において、歯の色の外観を実質的に保持する装置が必要とされている。

0010

本開示は、生じる鏡面反射及び光沢がより少なく、かつ依然として多数の入射角において、高強度の反射光をもたらす、加工された、構造化金属表面を提示する。構造化された金属表面は、多数の視野角において、拡散反射を増加させ、より高強度の光を受けることにつながる加工されたトポグラフィーを含む。このような表面とかかわる観察者は、入射光のより強い「白い」反射と、特に、歯科矯正、及び他の口腔用途における、審美的外観の改善とを知覚する傾向にある。

0011

一態様において、本開示は、金属を含む外面と、外面に設けられた複数の凹部とを含み、複数の凹部を含む表面が、14以下の合計CIEクロマ、及び0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置を提示する。

0012

別の態様において、本開示は、金属を含む外面と、外面に設けられた、加工された複数の特徴部とを含み、加工された複数の特徴部を含む表面が、14以下の合計CIEクロマ、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置を提示する。

0013

別の態様において、本開示は、金属を含む外面と、表面に設けられた、加工された複数の特徴部とを有する本体を含む装置を提示する。加工された表面は、散漫散乱試験により測定したときに、14未満の合計CIEクロマにおける少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率、0°の入射角かつ70°の視野角における少なくとも20の最小L*値を呈する。

0014

別の態様において、本開示は、金属を含む外面と、表面内に画定された複数の凹部とを含む装置を提示する。凹部は、表面から少なくとも0.5マイクロメートルの平均深さを有し、かつ重複するアレイとして配列され、凹部の大部分は、境界領域において隣接する凹部と重複する。

0015

更に別の態様において、本開示は物品の審美的外観を改善するための方法を提示しており、方法は、外面を有し、外面が金属を含む物品を準備することと、散漫散乱試験により測定したときに、表面が、少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率を呈するように、表面の少なくとも一部をアブレーションして表面上に複数の特徴部を形成することと、を含む。

0016

本明細書で使用される「幾何形状」は、加工された特徴部の寸法及び形状を指す。

0017

本明細書で使用される「特徴部」は、表面の基準面から外に突出する量又は表面内に突出する凹量によって画定される、認識可能な幾何学形状を有する構造又は特徴部である。

0018

本明細書に使用されるとき、「加工されたミクロ構造」及び「加工された特徴部」とは、表面内に意図的に形成され、表面と統合された構造を意味する。加工されたミクロ構造又は加工された特徴部は、表面への粒子ランダム適用、噴霧接着剤結合などにより形成される構造とは異なる。

0019

本明細書に使用されるとき、用語「加工された表面」及び「構造化表面」とは一般的に、加工された特徴部を備える表面を指すものとして使用される。

0020

本明細書において使用するとき、用語「ピッチ」とは、加工された表面上の隣接する構造部(例えば、凹部)の間の、平均的な重心同士の間隔を意味する。

0021

本明細書において使用されるとき、用語「高さ」、「底部」、及び「頂部」は、単に例示目的のためであり、必ずしも、表面及びミクロ構造の向き又は表面とミクロ構造との関係を規定するものではない。例えば、表面内に突出する特徴部の「高さ」は、作製された凹部の「深さ」と同一とみなし、この凹部の「頂部」を「底部」とみなすことができる。したがって、用語「高さ」及び「深さ」、並びに、「頂部」及び「底部」は、互換可能とみなすべきである。

0022

「備える、含む(comprises)」という用語及びこれらの変形は、本説明及び特許請求の範囲に記載される場合、限定的な意味を有するものではない。

0023

「好ましい」及び「好ましくは」なる語は、特定の状況において特定の効果をもたらすことができる本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況において他の実施形態が好ましい場合もある。更にまた、1つ以上の好ましい実施形態への言及は、その他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、本発明の範囲からその他の実施形態を排除することを目的とするものではない。

0024

本明細書で記載される全ての数は、「約」なる用語によって修飾されるとみなされなければならない。

0025

本明細書にて用いる際、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換可能に用いられる。したがって、例えば、「1つの」凹部のパターンを含む加工された表面とは、「1つ以上の」パターンを含む加工された表面として解釈することができる。

0026

また本明細書では、端点による数値範囲記述は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。

0027

特性又は属性に対する修飾語として本明細書で使用する場合、用語「一般に」とは、特に具体的に定義されていない限り、この特性又は属性が、当業者によって容易に認識されると思われるが、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではないこと(例えば、定量化可能な特性の場合、+/−20%の範囲内)を意味している。用語「実質的に」とは、特に具体的に定義されていない限り、高度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、+/−10%の範囲内)を意味するが、やはり、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではない。同一、等しい、均一な、一定の、厳密に、などの用語は、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではなく、特定の状況に適用可能な、通常の許容誤差又は計測誤差の範囲内にあるものと理解される。

0028

本開示の上述の「課題を解決するための手段」は、開示された各実施形態又は本発明の全ての実施を記載しようと意図していない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に示す。本出願全体を通していくつかの箇所で、例の一覧によって指針が提示されており、これらの例は、様々な組合せで使用することができる。いずれの場合でも、記載した一覧は、代表的な群としてのみ役立つものであり、包括的な一覧として解釈されるべきではない。

図面の簡単な説明

0029

本開示は図面を参照して更に説明されるが、複数の図面を通して対応する参照記号は対応する部分を示す。
本開示の一実施形態による、表面に加工された凹部の配列を例示する図である。
図1の加工された表面の断面図である。
加工された構造部の概略側面図である。
本開示の別の実施形態による、加工された凹部のパターンの光学顕微鏡写真である。
本開示の別の実施形態による、加工された凹部が重複する配列の図である。
基材表面に加工された凹部のパターンを形成する方法を詳細に示すブロック図である。
本開示の実施形態による、レーザーアブレーションシステムの概略図である。
本開示の別の実施形態による、直線状の、一連別個の凹部の光学顕微鏡写真である。
本開示の別の実施形態による、第1パターンの別個の凹部の光学顕微鏡写真である。
本開示の実施形態による、第1特徴パターンと第2特徴パターンとの間の、表面に対するレーザーパターンの向きの変化を例示する図である。
歯科矯正用アーチワイヤの正面図である。
図10のアーチワイヤの断面図である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。
本開示の様々な実施形態により加工された表面の、共焦点顕微鏡によって得られるレーザー強度画像である。

0030

いくつかの記載される実施形態における層は、単に例示目的のものであり、いかなる要素の相対的若しくは他の厚さ、又は絶対位置も、絶対的に定義することを意図するものではない。上記で特定された図は、本開示の幾つかの実施形態を記載するものであるが、本説明で言及されるように、他の実施形態もまた想到される。全ての場合に、本開示は、限定することによってではなく、例示することによって本発明を提示する。多数の他の修正案及び実施形態を、当業者によって考案することができ、それらは、本発明の原理の範囲及び趣旨の範囲内に含まれることを理解されたい。

実施例

0031

加工された表面
本開示は、生じる鏡面反射及び光沢がより少なく、かつ依然として広範な入射角において、高強度の反射光をもたらす、加工された、構造化金属表面を提示する。構造化された金属表面は、拡散反射を増加させる加工されたトポグラフィーを含み、これはより高強度の光が広範な視野角で知覚されることにつながる。このような表面とかかわる観察者は、入射光の強い「白い」反射と、特に、歯科矯正、及び他の口腔用途における、審美的外観の改善とを知覚する傾向にある。有利なことに、以下の方法及び概念による構造の形成が、基材又は基材を含む物品の機械的性能に対するなんらかの悪影響を排除するか、又は実質的に低減する。

0032

構造化表面領域は、局所デカルトx−y−z座標系を定義するために使用され得る、垂直な面内方向にほぼ沿って延びる。構造化表面領域のトポグラフィーは、ひいては、構造化表面と平行に位置する基準面(x−y平面)に対する厚さ方向(z軸)に沿ったずれとして表現することができる。基材の加工された、又は構造化された表面領域はまた、概して平均隆起に関して記載することができる。構造化表面領域の平均隆起は、i)突出特徴部、又は貫入特徴部を有さず、ii)構造化表面領域内の基材の主要表面輪郭と平行な、関連する仮想表面として定義することができる。基材の主表面輪郭は、構造化表面領域の突出特徴部及び貫入特徴部の形状にかかわらず、基材表面の表面形状と称することができる。構造は典型的には、2つの垂直な面内方向に沿って大きさが制限されており、すなわち、構造化表面を平面図で見たときに、個別の構造は典型的には、いずれの面内方向においても線形無限に延びていない。本開示の加工された表面領域は、貫入特徴部、及びいくつかの実施形態においては突出特徴部を含む。加工された表面領域の突出特徴部は、概して構造化表面領域の平均隆起の上にある表面点を有する特徴部として記載することができる。構造化表面領域の貫入特徴部(例えば、凹んだ特徴部)は、概して構造化表面領域の平均隆起の下にある表面点を有する特徴部として記載することができる。本明細書におけるいくつかの内容では、突出特徴部及び貫入特徴部は、一般的にトポグラフィー特徴部と称される特徴部である。

0033

貫入特徴部を有する加工された表面又は加工された表面領域は、凹んだ特徴部又は凹部と称され得る。凹んだ特徴部は、例えば、凹部、ウェル、空洞、凹み、ポケットチャネル等と称され得る。凹んだ特徴部は、直径、半径、深さ、長さ、及び幅等の寸法を伴う容積を有することができる。凹んだ特徴部の底部とは、一般的に平均隆起の最も近くに位置する点を有する凹んだ特徴部内の位置を指すことができ、一方で平均隆起から最も遠い、凹部の表面又は領域は頂点と考えられる。いくつかの実施形態では、凹んだ特徴部は、隣接した突出特徴部によって別の凹んだ特徴部から分離させることができる。

0034

各トポグラフィー特徴部の底部は、様々な断面形状を備えてもよく、平行四辺形、丸みを帯びた角を有する平行四辺形、長方形四角形円形半円形楕円形半楕円形三角形台形星形、他の多角形(例えば、六角形)等、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。不規則形状の底部(平行四辺形又は円形ではない底部)では、関連する断面寸法は、相当する面積の円の直径であると理解されよう。

0035

構造化表面領域の突出特徴部は、他の平坦な表面領域から離れる逸脱又は偏位を表す特徴部であり得る。いくつかの本開示において望ましい実施形態において、突出特徴部は、凹んだ特徴部を分離する。いくつかの実施形態では、構造化表面領域の形状は、階層的であると記載することができる。例えば、構造化表面領域内において、凹んだ特徴部は、凹んだ特徴部の表面又は壁上、凹んだ特徴部の隆起した領域、及び凹んだ特徴部内に位置付けられる、無作為な、部分的に無作為な、又は正確に離間された特徴部を有することができる。凹んだ特徴部の表面は例えば、凹んだ特徴部自体の特性よりも、より短い高さ、又はより短い幅の規模の突出特徴部を含んでもよい。

0036

いくつかの実施形態では、トポグラフィー特徴部は、構造化表面領域にわたる規則的アレイ(例えば、1次元アレイ又は2次元アレイ、例えば、正方形アレイ、六角形アレイ、又は他の規則的なアレイ)として分布している。いくつかの実施形態では、構造化表面は、凹部の配列パターンを含む。「凹部の配列パターン」とは、所定の位置に配列された、ある程度の規則性を有して配列された、又は任意の所望の様式で配列された、複数の凹部である。例えば、凹部の配列パターンには、配列された列パターン、配列された正方格子パターンなどの配列された格子パターン、配列されたジグザクパターン、又は配列された放射状パターンを挙げることができる。凹部の配列パターンは、表面全体に均等に形成される必要はなく、物品表面の一部分のみに形成されてもよい。凹部のパターンは、物品の任意の部分にわたって変化してもよく、又は変化しなくてもよい。例えば、同様の又は異なるパターンを同一平面内に使用することができる。パターン内の凹部は同様の寸法及び形状のものであることができ、又は異なる寸法及び形状を有することができる。

0037

いくつかの実施形態では、構造化表面領域の特徴部は、規則的に繰り返して、無作為に等、又はこれらの組み合わせで存在し得る。他の実施形態では、特徴部は、構造化表面領域の面積全体の一部分にわたって存在するか、又は構造化表面領域の面積全体にわたって存在することができる。いくつかの実施形態では、特徴部は、構造化表面領域の凹んだ特徴部に存在するか、構造化表面領域の突出特徴部上に存在する等、又はこれらの組み合わせで存在することができる。

0038

突出部であるか凹部であるかにかかわらず、構造部はいくつかの場合においては、密集している、すなわち、隣接する構造部の多く又はほとんどの、少なくとも一部が、実質的に接するか、一致するか、又は実質的に重複して配列されていることがある。構造部は、構造化表面上において、不規則に、又は不均一に分散していてもよい。いくつかの場合において、構造部の一部、ほとんど、又は実質的に全て(例えば、>90%、又は>95%、又は>99%)が湾曲しているか、又は丸いか、又は別の形で湾曲した底部表面を含み得る。所与の構造部の大きさは、平面図における同等の円形の直径(ECD)として表現することができ、構造化表面の構造部は、例えば70マイクロメートル未満、又は60マイクロメートル未満、又は5〜50マイクロメートルの範囲の平均ECDを有してもよい。構造化表面領域、及び構造部はまた、本明細書の他所において記載される他のパラメータにより特徴付ける(例えば、深さ又は高さの、特徴的な横方向直径、例えばECDに対するアスペクト比によって)こともできる。

0039

本開示の一実現形態による、加工された表面110は、図1及び図2に例示されており、金属基材100内の少なくとも一部へと突出する、複数の別個の加工された凹部120を含む。金属基材100は、平坦であるか、実質的に平坦であるか、又は変化のあるトポグラフィー(例えば、起伏)を含むことがある。基材として使用するのに好適な金属は、ステンレススチール合金、クロムコバルトモリブデン合金チタン合金ジルコニウム合金形状記憶ニッケル−チタン合金、超弾性ニッケル−チタン合金、アルミニウム合金銅合金、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。加工された表面の所望の用途に応じて、追加的な金属が使用されてもよい。基材100の厚さは、加工された表面の意図される用途によって、変えることができる。有利なことに、以下に更に記載されるように、加工された特徴部は典型的には、基材と同じ材料から作製される。

0040

加工された凹部120は、隣接する凹部120の間に、画定された間隔又はピッチを有するアレイとして配列されている。任意の所与の領域の凹部構成は、ピッチ126(すなわち、隣接する特徴部の重心同士の平均的な距離)が少なくとも5マイクロメートル、他の実施形態においては少なくとも15マイクロメートル、他の実施形態においては少なくとも20マイクロメートル、他の実施形態においては、少なくとも25マイクロメートル、及び更に他の実施形態においては、少なくとも30マイクロメートルとなるように選択される。いくつかの実施形態において、ピッチ126は、70マイクロメートル以下、一部の実施形態では60マイクロメートル以下、一部の実施形態では50マイクロメートル以下、一部の実施形態では45マイクロメートル以下である。凹部の断面直径によって、この範囲外の特徴部のピッチを有する、加工された表面は、鏡面反射を十分に低減させず、又は十分なトポグラフィーの階層をもたらさず、光沢又は金属的外観を生じる、トポグラフィーを生じ得る。理論により束縛されることを意図せず、ピッチが大きすぎる場合、知覚される明るさ、及び光沢は、特に特徴部の形状(例えば、直径、高さ)が小さい場合に、加工された構造部よりも、パターニングされていない表面に依存する。以下に記載される方法によってレーザーエネルギーを導入することによって凹部が形成される場合、5マイクロメートル未満のピッチは、高い反復率で所与の表面に過剰な熱エネルギーを導入する結果となり得る。この過剰な熱エネルギーの導入は、いくつかの状況においては、金属を酸化させ、かつ/又は粒子構造を歪め、加工された表面及び生じる物品の機械的特性を潜在的に変えることがある。

0041

参照のために、デカルトx−y−z座標系が、図1に含まれている。基材はx−y面に概ね平行に延び、システム光軸はz軸に相当し得る。加工された凹部120の格子アレイは、ほぼx軸に沿った横方向、及びほぼy軸に沿った長手方向を含む。アレイ又はパターン内の隣接する凹部の間のピッチは、横方向及び長手方向の両方において同じであり得る。他の潜在的に有利な実施形態において、長手方向に沿ったピッチは、横方向に沿ったピッチよりも小さく、その逆もある。横方向に沿ったピッチと、長手方向に沿ったピッチとの比率は、本明細書においては、間隔の比率として定義される。いくつかの状況において、特に、以下に記載される方法により多数のパターンが重複する場合、間隔の比率は1:1でないことが望ましく、これは、1:1という間隔の比率が、表面において知覚可能な、可視モワレパターンを生じることがあり、所望の美的外観から離れる恐れがあるためである。いくつかの実施形態において、間隔の比率は、0.7:1、いくつかの実施形態において、0.9:1、いくつかの実施形態において、1.1:1、いくつかの実施形態において、1.3:1、及び更に他の実施形態においては、1.5:1である。

0042

図1に見られるように、隣接する凹部120の境界領域123が、直接隣接しているか、又は僅かに重複している(すなわち、非重複領域において、凹部の別個の直径が計算され得る)という意味において、示される実施形態の加工された凹部120は、立方体アレイで配列されている。加工された凹部120は本質的には別個であり、隣接する凹部120の間に隙間空間130を含んでいる。隙間空間130は、この実現形態において、これがいずれのトポグラフィー的な、又は階層的な特徴を有さないという意味において、パターニングされていない。理論により束縛されることなく、隣接する凹部の間のパターニングされていない、元のままの金属基材は、いくつかの状況において、パターニングされていない領域は、入射光の更なる鏡面反射(すなわち、光沢)を生じるため、基材又は物品の外観に悪影響を与え得る。

0043

密集したアレイにおいては、パターニングされていない表面領域の効果は、低減されるか、又は更に最小化され得る。図4光学顕微鏡画像に示されるように、加工された表面は、六角形の密集したアレイの凹部の配列を含み、隣接する凹部の間の隙間空間を更に最小化してもよい。

0044

平坦な金属表面の、入射光の鏡面反射を生じ、光沢を増加させる傾向により、複数の凹部内に含まれる加工された表面の面積は、典型的には、隙間空間内に画定される面積よりも実質的に大きい。いくつかの実施形態において、加工された表面の面積の75%が凹部内に含まれ、いくつかの実施形態において、少なくとも80%、いくつかの実施形態において少なくとも85%、いくつかの実施形態において少なくとも90%、更に追加的な実施形態において面積の少なくとも95%が、凹部内に含まれる。

0045

一般に、凹部120は、加工された表面110に隣接する底部121、及び底部121から深さ124だけ分離した底面又は頂点122を含む。凹部120は典型的には、外周又は境界付近の深さが、中央付近における深さより小さくなるように、球面又は凹みを含む。本明細書で使用するとき、用語「球面」は、表面が球体の一部分であると考慮され得ること、又は表面がほぼ球面曲率を有することを意味する。一部の球面は、ドーム形又は半球形であると考慮され得る。その他の球面は、半球よりも小さい球の部分を包含することができる。いくつかの実現形態において、凹部120の球面曲率はほぼ連続的であり、よって凹部は、加工された表面に垂直、又は実質的に垂直(例えば、80〜89°)である、側壁を欠いている。このような実現形態における、一般的な球面曲率は、凹部内の階層的な突出特徴部と別個であるものと考えることができる。

0046

加工された各凹部120の底部121は、様々な断面形状を備えてもよく、これには平行四辺形、丸みを帯びた角を有する平行四辺形、長方形、四角形、円形、半円形、楕円形、半楕円形、三角形、台形、星形、他の多角形(例えば、六角形)等、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。断面形状にかかわらず、加工された各特徴部は、底部121において最大の断面寸法を含む。好ましい本実現形態において、底部121の最大断面寸法は、80マイクロメートル以下、いくつかの実施形態において70マイクロメートル以下、いくつかの実施形態において60マイクロメートル以下であり得る。最大の断面寸法は、少なくとも10マイクロメートル、いくつかの実施形態では、少なくとも15マイクロメートル、いくつかの実施形態では、少なくとも20マイクロメートルあってもよい。以下の実施例で説明されるように、この範囲外の最大断面寸法を有する凹部は、裸眼で知覚可能である、及び/又は基材表面の不十分な修正を生じ得るかのいずれかである。

0047

凹部120は典型的には、ピッチ又は最大断面寸法127以下の深さを含むが、いくつかの実施形態においては、凹部深さは、ピッチ又は最大断面寸法よりもはるかに小さい。一般的に、複数の凹部の各凹部は、少なくとも0.5マイクロメートルである深さを有する。いくつかの実施形態において、凹部は、少なくとも1マイクロメートル、他の実施形態において、少なくとも1.5マイクロメートル、他の実施形態において、少なくとも2マイクロメート、他の実施形態において、少なくとも3マイクロメート、他の実施形態において、少なくとも5マイクロメートの深さを有する。いくつかの実施形態において、凹部深さは、30マイクロメートル以下、一部の実施形態では25マイクロメートル以下、一部の実施形態では20マイクロメートル以下、一部の実施形態では15マイクロメートル以下である。30マイクロメートル超の深さを有する凹部は、特定の光の波長捕捉し、表面において得られる強度が不十分となり、十分に白く見えなくなる。しかしながら、複数の凹部のうちの、全ての凹部が、上記の深さの範囲内であることが必要とされるわけではないことに留意する。

0048

複数の凹部における各凹部120は、特定のアスペクト比を含む。実質的にミクロ構造の高さにわたって規則的(例えば、ユークリッド)及び不規則的(例えば、非ユークリッド)断面形状を含む凹部では、アスペクト比は底部における最大断面寸法(例えば、幅、長さ、直径)に対する深さの比率として本明細書において定義される。不規則形状の底部(平行四辺形又は円形ではない底部)では、最大断面寸法は、相当する面積の円の直径であると理解されよう。凹部の形状にかかわらず、複数の凹部の、各凹部は典型的には、0.75以下であり、かつ少なくとも0.08のアスペクト比を含む。

0049

先に簡潔に記載されたように、複数の凹部120のいくつかの凹部は、上部又は内部に、階層的な突出特徴部を含み得る。突出特徴部は、典型的にはサブミクロンの規模であるか、又は少なくとも、凹部120の断面寸法127、又は深さ124よりも明らかに小さい高さ及び断面寸法を含む。いくつかの実施形態において、これらの階層的な特徴部は、凹部120を形成するために使用される方法、特に、以下に更に記載されるような、レーザーアブレーションを特徴とする方法の結果として形成され得る。他の実現形態において、突出特徴部は、表面にミクロスケール及びナノスケールの構造部を配置するための既知の方法により、凹部の形成の後に追加されてもよい。突出特徴部は、光の拡散反射を向上させることがあり、さもなければ加工された表面110の審美的外観を損ない得る、元来知覚可能な特徴部のパターンと干渉することがある。

0050

本開示の加工された表面は、例えば、付随する加工された特徴部の、傾斜分布、及び表面粗さによって、特徴付けることができる。加工された表面の代表的な部分は、共焦点走査型レーザー顕微鏡(50倍〜150倍対物レンズ)を使用して特徴を説明することができ、説明されている。図3は、加工された表面を含む物品の一部の、概略側面図である。特に、図3は、特徴部の表面にわたって傾斜分布を有する、加工された特徴部160を示している。例えば、ミクロ構造は、位置166において傾斜θを有し、θは、位置166における加工された特徴部表面と垂直である(α=90度)法線164と、同一の位置で特徴部表面に接する接線168との間の角度である。傾斜θはまた、接線168と物品170の平坦な主表面との間の角度でもある。

0051

構造化表面の傾斜は、x方向に沿って、及び更に、y方向に沿ってとることができ、
式1:X傾斜=(ΔH(x,y))/Δx、及び
式2:Y傾斜=(ΔH(x,y))/Δy
式中、H(x,y)は、表面の高さプロファイルである。

0052

平均x傾斜及びy傾斜は、各ピクセルを中心として1.65マイクロメートルの間隔で評価した。別の実施形態では、この間隔は、一定間隔を用いる限り、2マイクロメートル、又は3マイクロメートルなどより大きく選択されてもよい。x及びy傾斜の分布は、0.5度のビンサイズで生成された。x傾斜及びy傾斜のデータから、勾配規模を決定することが可能である。これは、次のように理解できる。
式3:勾配規模=√(((ΔH(x,y))/Δx)^2+((ΔH(x,y))/Δy)^2)
次に、平均勾配規模は、各ピクセルを中心として1.65μm×1.65μmの四角形で評価可能であった。勾配規模分布は、0.5度のビンサイズで生成した。x傾斜、y傾斜の角度値、及び上記の値に対応する勾配規模の角度の値を見出すためには、等式1、2、及び3の値の逆正接を用いる必要があることを理解するべきである。勾配規模は、x傾斜とy傾斜とを組み合わせたものに相当する。したがって勾配規模は、一般的な勾配規模として理解されてよい。

0053

例えば、加工された特徴部が、デカルト、又は通常の傾斜分布を有するときなど、いくつかの場合において、x傾斜分布とy傾斜分布との間の最小半値全幅FWHM)は、少なくとも10°、他の実施形態においては少なくとも20°、及び更に他の実施形態においては、少なくとも30°である。少なくとも20°の最小FWHMは、拡散反射した光の強度を増加させる傾向にある、様々な特徴を示す。他の代表的な傾斜分布としては、ローレンツ分布、放物線状分布、及び様々な分布の組み合わせが挙げられる。

0054

傾斜分布及び傾斜規模の最小FWHMに加えて、加工された表面の表面粗さもまた、光反射特性に影響し得る。表面粗さは表面の粗さの尺度であることは、自明である。表面粗さは、マイクロメートル範囲の特徴部を解像することができる、共焦点顕微鏡などの技術を使用して測定することができる。表面粗さを表す場合には、平均粗さ(Ra)又はRMS粗さ(Rq)のいずれかが使用できるが、Rqが本明細書においては好ましい。Rqは画像データ平均面からの高さの偏差二乗平均平方根であり、
式4:Rq=√((ΣH_i^2)/N)
(式中、Nは点の総数、Hはそれぞれの点における高さ(平均高さに対する相対値)である)で表される。

0055

ノイズ及び表面の起伏による影響を最小化しながら、加工された表面の粗さを調べるために、生データのフーリエ解析を使用することができる。高空間周波数フィルタを使用して、起伏を排除することができる。あるいは、ローパス空間周波数フィルタを使用して、測定器具により生じるノイズを排除することができる。ローパス空間周波数フィルタを使用する際に、ローパスフィルタと共にハイパス空間周波数フィルタを使用してサンプルの表面高さマップにおける起伏及びノイズを取り除いてもよい(すなわち、バンドパスフィルタ)。典型的には、当該技術分野において既知であるように、デカルトフーリエフィルタウィンドウを使用して、リンギングアーティファクトを防ぐ。例えば、ASME standard B46.1−2009:”Surface Texture:Surface Roughness,Waviness,and Lay”、及びISO 25178−2:2012を参照のこと。当該技術分野において通常の技術を有する者であれば理解されることであるが、粗さの測定は、典型的には、意味のある測定とするためには、サンプルにおいてくずや欠陥(例えば、意図していない泡、凹み、擦り傷等)がない領域で実施するべきである。Bruker Corp.,Santa Barbara,CAより入手可能な、商品名「VISION」等のソフトウェアプログラムを使用してもよい。また、MathWorks,Natick,MAより入手可能な商品名「MATLAB」のプログラム等のデータ処理ソフトウェアを使用してもよい。

0056

一実施形態では、デカルトフーリエフィルタを使用して、加工された表面のRq値は、0.5、0.8、1、1.5、又は更に2マイクロメートルである。本発明における好ましい状況において、加工された表面のRq値は少なくとも1マイクロメートルである。

0057

本開示の別の実施形態による加工された表面210は、図4の光学顕微鏡画像に示されている。加工された表面210は、凹部底部234において修正された断面寸法を有する、分断された凹部220の配列を含んでいる。本開示による分断された凹部220は、隣接する凹部の間の境界領域の重複の結果であり得る。このような重複を生じさせるため、分断された凹部220は、ピッチ230よりも大きな予測直径に基づいて形成される。本明細書において使用されるとき、「予測直径」とは、加工された表面を形成するのに使用される、選択された方法及びプロセスパラメータによる、単一の凹部の底部における直径又はECDを意味する。例えば、以下に記載される方法によるレーザーアブレーションにより形成された凹部220は、40マイクロメートルの予測直径を有し得る。多数の凹部220が、30マイクロメートルのピッチで、金属表面の横方向に沿って配列される場合、隣接する凹部220の間におよそ10マイクロメートルの重複が生じる。追加的な重複領域は、長手方向の隣接する凹部によっても形成され得る。重複領域は、別個の凹部の間に形成される突出又は貫入特徴部を生じることがあり、あるいは裸眼には凹部の一部として、又は隙間空間として見えることがある。

0058

分断された凹部の概念が図5に更に例示されている。図5は、予測直径334を有する複数の球形凹部320を示している。凹部は線形のグリッドアレイとして配列され、加工された表面310の縁部領域350上に配置されていない任意の凹部320は、x及びy方向に、1つ以上の隣接する凹部320を有する。アレイ内におけるいくつかの凹部320は、多数の隣接する凹部の間に複数の重複する境界領域323を含み、複数の重複する境界領域によって画定される、別個の内部凹部321を生じる。別個の内部凹部321はしたがって、予測直径よりも小さい断面寸法を含む。隣接する凹部の間の実質的な重複による分断によって、深さ、容積、曲率、傾斜分布、及び底部における断面寸法が挙げられるがこれらに限定されない、凹部の1つ以上の特徴を修正することができる。

0059

少なくとも部分的に、表面粗さの増加ために、本開示の加工された表面は、垂直に入射する照明に対して70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈することがある。本明細書において使用されるとき、視野角(すなわち、散乱角)は、サンプル垂線(すなわち、図3の直線164)に対して測定される。白色度は、色空間の比較的狭い空間内に位置付けられる、高い視感反射率、及び低い純度の、色の属性である。明度とは、色がどれだけ明るいか、又は暗いかに関する、色の全体的強度を表す。Commission Internationale de l’Eclairage L*a*b*評価システムにおいて、白色は、その高い明度によって区別され、完全に白い外観を有する表面は、100の(又は特定の視野角において測定した場合はそれより大きい)L*を有する。典型的には白色とみなされなくても、光が垂直に入射する状態で、表面に対し実質的に垂直な角度で見たときには、多くの金属は、比較的高いL*を有する。しかしながら、視野角が垂直から10°よりもずれると、明度が低減し、生じるL*値の劇的な低下につながる。これとは対照的に、本開示による加工された表面のL*値は、視野角が垂直から変化しても、50を上回り続けることができる。いくつかの実施形態において、30°の散乱角におけるL*値は、60超であり、いくつかの実施形態においては75超であり、更に他の実施形態においては80超である。

0060

いくつかの実現形態において、本開示の加工された表面では、表面に対し垂直な入射角におけるL*値は、ステンレススチールの場合よりも低くなる。しかしながら、とりわけ、本開示の加工された表面によりもたらされる反射強度は、視野角の変化に伴って実質的に低下せず、比較的高いL比につながる。本明細書で使用されるとき、「L比」又は「L*比」とは、70°の視野角における最小L*値と、15°の視野角における最大L*との間の、L*値である。低い、又は計算不可能なL比を呈する表面は、視野角、つまり入射光の角度が、実質的に垂直な視野に対して回転すると、特に表面が黒色であるとき、明度の劇的な変化を生じ得る。エッチング、及び他の方法で平坦化されていないステンレススチールは例えば、0のL比を呈し得る。中程度から高いL比を有する表面は、視野角に応じて、より均一な明度(すなわち、L*)を呈する。本開示の加工された表面は、美観用コーティングがなくても、いくつかの実現形態において少なくとも0.1、いくつかの実施形態において少なくとも0.2、いくつかの実施形態において少なくとも0.3、他の実施形態において少なくとも0.4、他の実施形態において少なくとも0.6のL比値を呈することがあり、以下の実施例に概説される。

0061

別の態様において、本開示は、レーザーエネルギーを使用して、表面に、ミクロスケールの、加工された特徴部のパターンを形成する方法を提示する。このプロセスのフロー図は、図6に示される。工程500において、金属表面を有する物品が提示され、表面がレーザー源又はスキャナに対して向けられる。金属表面上の汚染は、この時点で、当該技術分野において既知の方法で除去されてもよい。工程510において、第1特徴部パターンに関するレーザーパターンパラメータは、表面上にアブレーションにより形成された特徴部の最初の位置、間隔、及び大きさを制御するように規定される。関連するパターンパラメータは、1)標的位置(すなわち、レーザーエネルギーを受ける表面の標的部位)の間の、x方向及びy方向両方における距離(すなわち、間隔)と、2)加工された特徴部を含むことになる、金属表面の部分又は範囲と、3)レーザー出力及び/又は波長と、4)基材に対するレーザービーム焦点位置と、5)表面に向けられたレーザーエネルギー(パルス)の反復率とを含む。第1特徴パターンとしては、デカルトグリッドアレイ、六角形アレイ、及び他の構造化及び非構造化アレイが挙げられるが、これらに限定されない。次に、工程520において、レーザービームは、所定の移動経路で、物品の表面を横断する。他の実現形態において、表面は、レーザービームに対して移動し得る。この工程520において、レーザー源は、所定の第1特徴部パターンパラメータに従って、所定の時間間隔でレーザーエネルギーを放出し(すなわち、パルスを生成する)、これにより、表面上に、第1特徴部パターンの第1部分を形成する。第1部分は、第1特徴部パターン、及び基材表面上における第1特徴部パターンの所望の向きによって、一般的に、水平、垂直、斜め、正弦曲線螺旋、又は他の線形若しくは非線形の一連の特徴部であり得る。一度、初期の線又は一連の特徴部が形成されると、プロセスは工程530に進み、ここでレーザービームは、第1パターンパラメータ(例えば、ピッチ)に従って第1の一連の特徴部からオフセットされ、レーザービームは、レーザービームと基材との間の相対向きを同じとしながら、表面を再び横断して進み、第2の、第1特徴パターンの続き部分を形成する。この、パターン部分を形成するプロセスは、加工される特徴部の第1パターンが、金属表面の所望の部分に生成されるまで反復される。

0062

任意により、工程500〜530に概説されるプロセスは、工程540〜560に説明される第1特徴部パターンと少なくとも部分的に重複する、追加的な特徴パターンを形成するために使用され得る。本開示における好ましい状況において、工程540において選択される追加的な特徴部パターンは、第1特徴部パターンの、レーザーパターンパラメータの少なくとも一部を維持するか、又はこれに近似する。しかしながら、レーザーパターンの表面に対する向きは、特徴部パターンの間で、又はそれ同士で、修正することができる。いくつかの実施形態において、表面に対するレーザービームの移動経路の位置は回転されてもよく、これはレーザーパターンの回転を生じる。図9に示される1つの代表的なプロセスにおいて、レーザービームは、第1特徴部パターン910の形成において、y方向で表面を横断し、長手方向の線920にほぼ沿って一連の特徴部を生じる。しかしながら、第2特徴部パターン930の形成の前に、パターンパラメータは、レーザービームの意図される移動経路が90°回転されるように、修正される。図9に例示されるように、この回転は、第2特徴パターン930の形成にあたり、ビームが表面をx方向に移動し、表面をレーザーエネルギーに、横方向の線940に沿って暴露することを確実にする。第1及び第2特徴部パターンのパラメータが、パターンの回転の前に、x方向において同じピッチ、かつy方向において同じピッチを含む場合、x及びy方向における第2特徴部パターンのピッチは、第1特徴部パターンのx及びy方向ピッチと反対となる。換言すると、第1特徴部パターンにおける特徴部の間のピッチはx方向において20マイクロメートルであり、かつy方向において25マイクロメートルであり、レーザーパターンを90°回転させることによって、第2特徴部パターンがx方向で25マイクロメートルのピッチを、y方向で20マイクロメートルのピッチを含むようになる。別の実現形態において、パターンパラメータ、及び/又は特徴部の間隔における同じ特性を生じるために、表面を、レーザービームに対して例えば、90°回転させることができる。

0063

あるいは、第2特徴部パターンは、例えば、x方向における第2パターンのピッチは、y方向における第1パターンのピッチと等しいという意味において、第1特徴部パターンの鏡像を含み得る。

0064

第1及び第2パターンのピッチの修正は、加工された特徴部の顕著な分断を生じ得る。いくつかの実現形態において、この分断は、予測断面寸法(典型的には直径)を超える、特徴部の境界領域の重複によって生じる。隣接する特徴部の間の実質的な重複による分断は、深さ、容積、曲率、傾斜分布、及び底部における断面寸法が挙げられるがこれらに限定されない、1つ以上の特徴を修正することができる。更に、凹部の分断は、隙間空間及び凹部内の突出特徴部を形成することができる。図14及び図21に見られるように、隣接する特徴部の間の重複領域の範囲によって、生じる加工された表面は、選択される第1特徴部パターンの、いずれかの規則的な特徴にかかわらず、不規則な特徴部を含むように見えることがある。有利なことに、突出及び貫入特徴部はより高度な散乱反射を生じるため、特徴部の分断は金属表面の光沢及び他の予測される光学的特徴を低減することができる。分断した構造は、いくつかの実現形態において、基準面における同等の円形の直径(ECD)によって、かつ平均隆起に対する平均高さによって特徴付けることができる。

0065

他の実施形態において、実質的な分断は、同じアブレーション周期で、より高いレーザーエネルギーで実行されてもよい。例えば、第1特徴部パターンにおける凹部は、2.25Wの平均電力において実質的に重複しない。他のパターンのパラメータが、一定に維持され、電力が例えば、3.9Wまで増加されると、基材表面におけるより高いエネルギーのために、隣接する凹部は、境界領域で実質的に重複する。より高いエネルギーは、より大きな予測断面寸法を備える、凹部を生じる。

0066

金属又は他のコーティングが、以下に記載の方法に従って、加工された特徴部の表面に含まれる場合、これは予測断面寸法を、最終的な状態において所望されるものよりも大きな寸法まで増加させるために有利であり得る。いくつかの状況において、コーティングの厚さは、いくつかの凹部又は特徴部の充填を生じ、特徴部の深さ、及び他の特徴を低減することによって、表面を本質的に平坦にすることがある。この挙動は、加工される特徴部の寸法を増加させるようにレーザーパターンを調節することによって、無効にするか、ないしは別の方法で調節することができる。

0067

コーティング厚さを考慮するにあたり、加工された特徴部の、初期の幅(wi)の、厚さ(t)のコーティングを堆積した後の、最終的な幅(wf)に対する関係は、以下のようにして少なくとも大まかに決定することができる。球形の加工された特徴部を、円形の区分の一部とみなし、特徴部の幅は、中心角度θを形成する弦を画定し、
wi=2(R+t)sin(0.5θ)、wf=2Rsin(0.5θ)
wi=(R+t)wf/R、であり、式中、R=最終的な加工された特徴部の半径である。

0068

加工された特徴部の、初期の深さ(di)の、厚さ(t)のコーティングを堆積した後の、最終的な深さ(df)に対する関係は、
R=df+0.5wfcot(0.5θ) R+t=di+0.5wicot(0.5θ)df=R−0.5(4R2−wf2)0.5
di=R+t−(R−df)wi/wf=R+t−(R−df)(R+t)/R
例えば、10マイクロメートル厚さのコーティングを備えた、加工された凹部の所望の最終的な幅及び半径が、それぞれ30マイクロメートル及び20マイクロメートルである場合、加工された凹部の初期の幅は45マイクロメートルであるはずである。加工された特徴部の最終的な深さが6.78マイクロメートルである場合、対応する初期深さは、10.17マイクロメートルである。

0069

方法のいくつかの実施形態において、レーザーエネルギーは、例えば、ファイバーレーザーなどのレーザー源を使用して生成される。物品表面700のレーザーアブレーションは、図7に示されるようなレーザーシステムを使用して実行することができる。いくつかの実施形態において、システム600は、レーザー源602、レーザービームデリバリファイバー604、及びコントローラー608を含む。レーザー源602は、レーザーエネルギーのパルスを生成するように構成されている。可動スキャナ605、典型的には光学スキャナは、標的位置に対してレーザービーム610を位置付けるように構成されている。レーザーデリバリファイバー604はレーザー源602に光学的に接続され、レーザー源602により生成されるレーザーエネルギー610を、スキャナ605を通じて標的基材へと向けるように構成されている。コントローラー608は、パターニングソフトウェアからの出力信号、又はユーザーによるスキャナ若しくは基材の位置の直接操作に基づいて、レーザー源602及びスキャナ605を制御するように構成されている。レーザー源602は、レーザーエネルギーを生成するために使用される、1つ以上のレーザー源を備えてもよい。システム600はまた、所望の焦点サイズを有する、レーザービームを生成するために、ビーム拡大器614などの、従来的な構成要素を備えてもよい。いくつかの実施形態において、レーザーエネルギーは、およそ532nm(緑色)の波長を有する。およそ400〜475nm(青色)の波長、約355nm(近紫外線)の波長を有するレーザーエネルギー、又はおよそ1000〜1100nm(近赤外線)の波長を有するレーザーエネルギーなど、他の波長のレーザーエネルギー610も使用することができる。基材表面に形成される、凹部又は他の特徴部の形状に応じて、これらの、及び他の波長のレーザービーム610を使用することができる。

0070

いくつかの実施形態において、レーザー源602によって生成されるレーザービーム610は任意により、従来的な光学アイソレータ612を備える、レーザービームデリバリファイバー604に光学的に接続される。レーザービームデリバリファイバー604は更に、レーザービームを成形及び供給するための、いずれかの従来的な光学構成要素を含んでもよい。レーザーファイバー604の遠位端は、レーザーエネルギー610を横方向に(すなわち、サイドファイアレーザー)、レーザーファイバー604の軸に沿って(すなわち、エンドファイアレーザー)、又は他の従来的な方法で、放出するための光学構成要素を含んでもよい。示される実現形態において、光学アイソレータ612がスキャナポート620の軸と実質的に垂直に向けられるときに、光学アイソレータ612の遠位端616から放出されるレーザービーム610は、ミラー618を介してポート620へと向けられてもよい。このような構成は、いくつかの状況において、光学アイソレータ612が、システムの他の構成要素と不注意衝突しないように保護することができる。別の実現形態において、ビーム610は、ポート620の軸と平行に放出されてもよい。

0071

コントローラー608を使用して調節することができる、関連レーザー源パラメータは、電力レベル設定、パルス幅設定パルス繰り返し率設定、及び他のレーザー源設定を含む。いくつかの実施形態において、コントローラーは、スキャンパラメータ(例えば、速度、角度など)を制御するために、ネットワークを介したソフトウェアプログラムへのアクセスを含むか、又はアクセスを有する。例えば、コントローラーは、SCANLAB America,St.Charles,ILから入手可能なLaserDESK(登録商標)ソフトウェアプログラムを含んでもよい。

0072

工程520〜530を再び参照し、選択された初期間隔に従って、金属表面の少なくとも一部に沿って(例えば、横方向)、第1の一連の特徴部が形成される。一連の特徴部は、表面を固定して維持し、レーザービームの位置を変化させるか、又はその逆を行うことによって、形成され得る。典型的な状況において、一連の小さな凹部が形成される際の連続する凹部の間の距離は、スキャン速度、及びレーザーの繰り返し率に依存する。
式5:d=v/f=[m/s]/[1/s]=[m]
式中、v=スキャン速度、
d=凹部同士の間隔、
f=レーザー繰り返し率、である。

0073

一連の特徴部は、凹部の線形のアレイ(図8Aに示される)を形成することができ、アレイ内の隣接する凹部同士のピッチは、選択されるレーザービームパラメータ、特に繰り返し率及びスキャン速度によって、初期特徴部の間隔と異なる。次に、第2の一連の凹部が形成され、各凹部は、y方向の既定のピッチに従って、第1の一連の凹部から離間している。第3の一連の凹部の形成が、図8Bに示されている。追加的な一連の特徴部の形成が、基材表面の所望の部分にわたって、第1の特徴部パターンが完成するまで反復される。

0074

線形のアレイに加えて、他のパターンが形成されてもよい。凹部は、正弦曲線、螺旋、スペックルフラクタル、及び他の多くのパターンで形成することができる。他の実現形態において、レーザービームは、非周期的に移動され、表面に対して発射される。

0075

第1特徴部パターンと少なくとも部分的に重複する追加的な特徴部パターンは、典型的にはいくつかのパターンパラメータを修正することによって、工程540〜560に形成され得る。図6に例示されるレーザーパターニングプロセスは、2つの重複する特徴部パターンの形成のみを想定しているが、当業者は、任意の数の重複パターンが形成され得ることを理解するであろう。例えば、3つ、4つ、6つ、及び8つの重複する凹部のアレイ及びパターンを有する、表面の実質的な分断を形成することが可能である。本開示において好ましい状況では、各パターン形成の後、表面に対するレーザーパターンの向き(すなわち、レーザービームの移動経路の相対位置)は修正される(例えば、回転される)。

0076

いくつかの実施形態において、レーザーの焦点は、標的基材の表面より下の点へと調節されてもよい。いくつかの実現形態において、焦点は、物品表面の少なくとも50マイクロメートル下にある。他の実現形態において、焦点は、表面の約200マイクロメートル下にある。基材の表面の下に焦点を調節することにより、形成される凹部又は他の特徴部の大きさを増大させることができる。他の実施形態において、レーザーの焦点は、物品表面に、又はその少し上に調節される。

0077

ミクロスケールの特徴部のパターンの形成は、アシストガスの存在下で行うことができる。アブレーションを行うために使用される、生成されるガスの種類は、既定の加工条件によって様々であり得るが、アルゴン(Ar)、酸素(O2)、及び窒素(N2)、ヘリウム二酸化炭素(CO2)のうちの1種、又はこれらのうちの少なくとも2種の混合ガスを使用することができる。本明細書において好ましい状況では、アブレーションする表面における酸素の生成を最小化するために不活性ガスが使用される。

0078

別の実施形態において、加工された表面は、キャスティング、コーティング、及び/又は圧縮加工技術を含むがそれらに限定されない様々なミクロ複製法を含む、様々な方法によって形成することができる。例えば、加工された表面は、(1)第1特徴部パターンを有するツールを使用して、溶解した熱可塑性樹脂をキャスティングすること、(2)第1特徴部パターンを有するツール上に流体をコーティングし、その流体を凝固させ、生じたフィルムを除去すること、(3)熱可塑性フィルムニップロールを通過させて第1特徴部パターンを有するツールに対して圧縮すること(すなわち、エンボス加工)、及び/又は(4)揮発性溶媒中のポリマー溶液又は分散液を第1特徴部パターンを有するツールに接触させ、例えば、蒸発により溶媒を除去すること、の中の少なくとも1つによって形成することができる。ツールは、所望のトポグラフィーのツール材料及び特徴に部分的に依存して選択される、当業者に周知の多くの技法のうちの任意のものを用いて形成することができる。代表的な技術としては、エッチング(例、化学的エッチング機械的エッチング、又はレーザーアブレーションなどの他のアブレーション手段、電子ビーム、又は反応性イオンエッチング、及びこれらの組み合わせ)、フォトリソグラフィーステレオリソグラフィーマイクロマシニングローレット切り(例えば、切削ローレット切り又は酸補助型ローレット切り)、スコーリング、切削など、又はこれらの組み合わせが挙げられる。

0079

加工された表面を形成するための代替的な方法としては、熱可塑性押出し、パルス状電子ビームアブレーション、硬化性液体コーティング法、及び、硬化させることもできる熱可塑性層のエンボス加工が挙げられる。加工された表面110を形成するための基板材料及び様々なプロセスに関する更なる情報は、例えば、HalversonらのPCT国際公開第2007/070310号、及び米国特許出願公開第2007/0134784号、及び同第2003/0235677号(Hanschenら)、PCT国際公開第2004/000569号(Grahamら)、米国特許第6,386,699号(Ylitaloら)、Johnstonらの、米国特許出願公開第2002/0128578号、及び米国特許第6,420,622号、同第6,867,342号、同第7,223,364号、及び同第7,309,519号(Scholzら)に見出すことができる。

0080

最後の任意の工程として、審美性を更に向上させるために、本開示の加工された表面に、美観用コーティングが塗布されてもよい。好適な美観用コーティングは、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、すず(Sn)、インジウム(In)、プラチナ(Pt)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、金(Au)、及びロジウム(Rh)のうちの1種又は少なくとも2種の混合であり得る。加工された表面にコーティングが適用される場合、電気めっき、スパッタリング蒸着スピンコーティングディップコーティングロールツーロールコーティング等の任意の適切なコーティング法、又は任意の他の数の好適な方法によって適用されてもよい。好適な方法としては、国際公開第2009/045036号(Kim)により想到されるもの、加えて、LemkuhlらによるAdvances in Electrochemical Science and Engineering,177−226の、The Principles and Techniques of Electrolytic Aluminum Deposition and Dissolution in Organoaluminum Electrolytes(3d.ed.,Heinz Gerischer et al.,1994)、並びに米国特許第4,101,386号、及び同第4,948,475号(Dotzerら)に記載される、アルミニウムの電気めっき法が挙げられる。いくつかの実施形態において、一般的にこれらの方法に従って堆積される電気めっきしたアルミニウムは、歯科矯正装置、又は他の物品における加工された特徴部に加えて、又はその代わりに提供されてもよい。

0081

美観用金属コーティングは、典型的には、約0.1〜50マイクロメートルの範囲の、いくつかの実施形態においては、0.5〜10マイクロメートルの範囲、及び更に他の実施形態においては、2〜3マイクロメートルの範囲の、厚さを有する。別の実施形態において、美観用金属コーティングは、約0.1〜0.3マイクロメートルの厚さを有する。ナノスケールの厚さを有するコーティングは、いくつかの状況において、加工された特徴部によりぴったりと合うように形成され、所望の光学的効果のより小さい分断を生じる。

0082

いくつかの実現形態において、基材上の酸素又は窒素などの表面汚染物質は、美観用コーティング(例えば、貴金属)の堆積プロセスが開始される前に、洗浄プロセスによって除去される。洗浄プロセスのために、イオンスパッタリング技術が使用されてもよい。表面上の酸素は、強酸塩、又は酸そのものの溶液などの、還元剤によって除去されてもよい。ステンレススチールなどの、いくつかの不活性表面又はめっき不可能な表面は、塩酸により、酸素のない状態(活性)となる。ニッケルチタン合金などの、形状記憶合金は、例えば、フッ化水素アンモニウムなどの還元剤によって、その表面を活性化させることができる。

0083

汚染物質を除去するように処理されると、上記の技術によって、加工された表面全体がめっきされ得、又は加工された表面の特定の領域が、局所用ブラシ又は小面積めっき装置によってコーティングされ得る。コーティングが、加工された表面に配置されると、これは陽極酸化されるか、不動態化されるか、又は当該技術分野において既知のバリアフィルムによって保護され得る。

0084

本発明の加工された表面は、多数の歯科矯正及び口腔ケア装置において使用するのに好適である。特に有利な1つの実現形態において、歯科矯正用アーチワイヤは、1つ以上の加工された表面を含むように加工される。中央湾曲部分1020と、中央湾曲部分1020の相対する両端部へと延びる第1端部1030及び第2端部1040とを含む、代表的な水平歯矯正アーチワイヤ1000が、図10に示されている。

0085

アーチワイヤ1000の断面図が図11に例示されている。本実施形態において、図11に示される断面形状は、アーチワイヤ1000のその全長に沿った、典型的な断面形状である。アーチワイヤは例えば、ほぼ矩形の断面形状、円形の断面形状、又は卵型の断面形状を有するが、他の断面構成も可能であることが理解される。アーチワイヤ1000の断面形状は、典型的には、その全長に沿って実質的に均一である。しかしながら、アーチワイヤの断面形状が、アーチワイヤの長さに沿ってある部分から次の部分まで変化するアーチワイヤなど、他の実施形態も可能である。

0086

図11に示される、アーチワイヤ1000の代表的な断面形状の四辺、1012、1014、1016、1018は、矩形を示している。咬合面1014と歯肉面1018とは、ほぼ平坦かつ互いに平行であり、唇面1012と舌側面1016とは平坦かつ互いに平行である。辺1014と辺1018との間の間隔は典型的には、ブラケット、又はバッカルチューブなどの歯科矯正装置の、アーチワイヤスロット内、又は経路内に係合フィットするように選択される。咬合面及び歯肉面の識別は、アーチワイヤが、上顎又は下顎歯列弓のいずれに設置されるかによる、ということが当業者には理解される。

0087

いくつかの実施形態において、4つの面全てが、加工された表面を含むように、アブレーションないしは別の方法で処理される。他の実現形態において、3つの面のみが、審美的な、加工された表面を含む。例えば、頬唇面1012、咬合面1014、及び歯肉面1018のみが加工された表面を含み、舌側面1016は処理されていなくてもよい。更に他の実現形態において、頬唇面1012のみが、本開示の加工された表面を含むように処理される。

0088

いくつかの実施形態において、中央部分1020のみが、本開示の加工された表面を含む。他の実施形態において、中央部分1020、並びに端部1030、1040の一方又は両方が加工された表面を含む。

0089

別の実施形態において、加工された表面は、歯科矯正ブラケット、バッカルチューブ、アーチワイヤスロットライナー、自己結紮式クリップ、及び他のラッチ修復材リプレースメント(replacement)、インレーオンレーベニア、全体及び部分クラウンブリッジインプラントインプラントアバットメントコーピング、前方充填、後方充填、及びキャビティライナー、並びにブリッジフレームワークを含むがこれに限定されない、多くの歯科用、及び歯科矯正用構成要素上に形成することができる。

0090

実施形態
1.金属を含む外面と、外面に設けられた、複数の凹部とを含み、
複数の凹部を含む面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置。
2.少なくとも1つの凹部の形状が、凹状である、実施形態1に記載の歯科矯正装置。
3.複数の凹部の平均深さが、少なくとも0.5マイクロメートルであり、かつ20マイクロメートル以下である、実施形態2に記載の歯科矯正装置。
4.隣接する凹部アレイの間のピッチが、少なくとも15マイクロメートルであり、かつ60マイクロメートル以下である、実施形態1に記載の歯科矯正装置。
5.アレイ内の隣接する凹部の間のピッチが、少なくとも20マイクロメートルであり、かつ40マイクロメートル以下である、実施形態4に記載の歯科矯正装置。
6.凹部は、横方向軸及び長手方向軸を有するアレイとして配列され、横方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチは、長手方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチよりも大きい、実施形態4又は5に記載の歯科矯正装置。
7.複数の凹部の、各凹部は断面寸法を有する底部を含み、寸法は少なくとも5マイクロメートルであり、かつ60マイクロメートル以下である、実施形態1に記載の歯科矯正装置。
8.断面寸法は直径を含み、直径は少なくとも20マイクロメートルであり、かつ40マイクロメートル以下である、実施形態7に記載の歯科矯正装置。
9.底部の直径はピッチよりも大きい、実施形態8に記載の歯科矯正装置。
10.直径は少なくとも25マイクロメートルであり、かつ35マイクロメートル以下であり、ピッチは少なくとも25マイクロメートルであり、かつ35マイクロメートル以下である、実施形態8に記載の歯科矯正装置。
11.凹部の平均深さと、底部における凹部の平均断面寸法との比率は、少なくとも1:1.5である、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の歯科矯正装置。
12.凹部の深さの平均と、底部における凹部の平均断面寸法との比率は、少なくとも1:2である、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の歯科矯正装置。
13.複数の凹部の少なくとも2つの凹部は、規則的アレイとして配列されている、実施形態1に記載の歯科矯正装置。
14.線形アレイ内のいずれか2つの凹部の境界領域が実質的に重複しない、実施形態13に記載の歯科矯正装置。
15.表面は、アレイ内のいずれか2つの凹部の間に隙間空間を含む、実施形態14に記載の歯科矯正装置。
16.凹部の間の隙間空間は実質的に平坦である、実施形態15に記載の歯科矯正装置。
17.凹部の間の隙間空間は1つ以上の突出特徴部を含む、実施形態15に記載の歯科矯正装置。
18.少なくとも1つの凹部が、凹部の底面に突出特徴部を含む、実施形態13に記載の歯科矯正装置。
19.凹部が、凹状のウェルの規則的なアレイとして配列されており、各ウェルが、少なくとも部分的に表面により画定された底部を含み、各底部は、少なくとも20マイクロメートルであり、かつ50マイクロメートル以下の最大寸法を含む、実施形態1の歯科矯正装置。
20.凹部表面は、少なくとも30の最小L*値を呈する、
実施形態1に記載の歯科矯正装置。
21.凹部表面は、少なくとも50の最小L*値を呈する、実施形態20に記載の歯科矯正装置。
22.凹部表面は、少なくとも60の最小L*値を呈する、実施形態21に記載の歯科矯正装置。
23.表面は少なくとも2つのアレイを含み、各アレイは複数の凹部を含み、凹部は、表面の一部にわたり不規則に配置されている、実施形態1に記載の歯科矯正装置。
24.装置がアーチワイヤである、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の歯科矯正装置。
25.装置が歯科矯正クリップを備える、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の歯科矯正装置。
26.装置は、底部と、底部から外側に延びる本体とを備え、本体は細長いスロットを画定し、加工された表面は、本体の少なくとも一部の上に配置されている、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の歯科矯正装置。
27.金属を含む外面を有する本体と、表面に設けられた加工された複数の特徴部とを備え、表面は、散漫散乱試験により測定したときに、14未満の合計CIEクロマにおける少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率、0°の入射角かつ70°の視野角における少なくとも20の最小L*値を呈する、装置。
28.散漫散乱試験により測定したときに、表面は、少なくとも0.4の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態24に記載の装置。
29.散漫散乱試験により測定したときに、表面は、少なくとも0.5の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態28に記載の装置。
30.表面は、いずれの美観用コーティングもなしに、L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の装置。
31.金属を含む外面と、表面内に画定された複数の凹部と、を含み、各凹部は表面から少なくとも0.5マイクロメートルの深さを有し、凹部の大部分が、境界領域において隣接する凹部と重複するように、凹部は重複するアレイとして配列されている、装置。
32.複数の凹部のうちの、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの他の凹部と共にユニットセルとして配列され、ユニットセル内の凹部の間のピッチは、少なくとも20マイクロメートルであり、かつ50マイクロメートル以下である、実施形態31に記載の装置。
33.ユニットセル内の隣接する凹部の間のピッチは、少なくとも25マイクロメートルであり、かつ40マイクロメートル以下である、実施形態32に記載の歯科矯正装置。
34.ユニットセル内のいずれかの隣接する凹部の間の表面の少なくとも一部は、実質的に平坦である、実施形態32に記載の装置。
35.重複する境界領域は、表面内の、一連の別個の突出特徴部を含む、実施形態31に記載の装置。
36.散漫散乱試験により測定したときに、表面は、少なくとも0.4の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態1〜35のいずれか一項に記載の装置。
37.散漫散乱試験により測定したときに、表面は、少なくとも0.6の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態1〜36のいずれか一項に記載の装置。
38.表面は、散漫散乱試験により測定したときに、70°の視野角において少なくとも50の最小L*値を呈する、実施形態26に記載の装置。
39.少なくとも1つの凹部が、約10マイクロメートルの深さを含む、実施形態1〜38のいずれか1つに記載の装置。
40.物品の審美的外観を改善するための方法であって、外面を有し、外面が金属を含む物品を準備することと、散漫散乱試験により測定したときに、表面が、少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率を呈するように、表面の少なくとも一部をアブレーションして表面上に複数の特徴部を形成することと、を含む、方法。
41.複数の特徴部が表面内に複数の凹部を含む、実施形態40に記載の方法。
42.凹部の少なくともいくつかが重複して、突出特徴部を形成する、実施形態40に記載の方法。
43.凹部が、表面に規則的に配列されている、実施形態1〜42のいずれか1つに記載の方法。
44.隣接する凹部の間の表面の領域は、突出特徴部を含む、実施形態43に記載の方法。
45.表面の少なくとも一部をアブレーションすることは、凹部の第1パターンを形成することを含み、第1パターンは、アレイの隣接する凹部の間に、少なくとも10マイクロメートルであり、かつ100マイクロメートル以下のピッチを有する、実施形態1〜44のいずれかの方法。
46.第1パターンは、パターンの隣接する凹部の間に、少なくとも20マイクロメートルであり、かつ60マイクロメートル以下のピッチを含む、実施形態45に記載の方法。
47.凹部は、横方向軸及び長手方向軸を有するアレイとして配列され、横方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチは、長手方向軸に沿った隣接する凹部の間のピッチよりも大きい、実施形態45に記載の方法。
48.凹部の第1パターンは、グリッドアレイとして配列され、グリッドは隣接する凹部の間の垂直及び水平方向の間隔を有し、水平方向の間隔は、垂直方向の間隔とは異なる、実施形態44に記載の方法。
49.水平方向の間隔は、垂直方向の間隔よりも大きい、実施形態47又は48に記載の方法。
50.表面の一部をアブレーションすることは更に、第2パターンに従って一連の凹部を形成することを更に含み、第2パターンは、第1パターンと実質的に同様である、実施形態1〜49のいずれか1つに記載の方法。
51.表面をアブレーションすることは、表面を、レーザービームに周期的に暴露することを含む、実施形態1〜50のいずれか1つに記載の方法。
52.レーザービームは、0.1〜500nsのパルス持続時間を有し、表面に周期的に作用する、実施形態51に記載の方法。
53.表面をアブレーションすることは、表面に対するレーザーの焦点を選択することを含み、焦点は、物品の表面より上又は下である、実施形態51に記載の方法。
54.焦点は、物品の表面よりも少なくとも100マイクロメートル下にある、実施形態53に記載の方法。
55.焦点は、表面よりも約200マイクロメートル下にある、実施形態54に記載の方法。
56.物品は歯科矯正アーチワイヤである、実施形態1〜55のいずれか1つに記載の方法。
57.物品を準備することは、アーチワイヤをスプールから巻き出すことを含む、実施形態56に記載の方法。
58.物品は、アーチワイヤを受容するための、少なくとも1つの凹部を有するクリップである、実施形態1〜57のいずれか1つに記載の方法。
59.特徴部は、別個の凹部、及び細長い突出部を含み、突出部は、別個の凹部の間で不規則的に配列されている、実施形態1〜58のいずれか1つに記載の方法。
60.別個の凹部は、凹レンズ状の構造を含み、凹部は、
レンズの頂部付近に別個の突出特徴部を含む、実施形態59に記載の方法。
61.表面をアブレーションすることは、表面の少なくとも一部にわたり、第1アレイとして、特徴部の第1パターンを形成することと、第1パターンの少なくとも2つの凹部の形状寸法が変更されるように、第1パターンの一部を分断することと、を含む、実施形態1〜60のいずれか1つに記載の方法。
62.第1パターンの一部を分断することは、第2アレイに特徴部の第2パターンを形成することを含み、特徴部の第2パターンは、第1パターンからオフセットされ、第2アレイの特徴部が、第1アレイの特徴部と少なくとも部分的に重複する、実施形態61に記載の方法。
63.表面をアブレーションすることは、表面を第1パターンの向きでレーザーエネルギーに周期的に暴露することと、第2パターンの向きを規定するように、表面に対するレーザーの移動経路を修正することと、表面を第2パターンの向きでレーザーエネルギーに周期的に暴露することと、を含む、実施形態61に記載の方法。
64.第2の向きは、第1の向きに対して垂直である、実施形態63に記載の方法。
65.第2の向きは、第1の向きからの角回転を示し、角回転は斜角を含む、実施形態63に記載の方法。
66.表面のアブレーションは、不活性ガスの存在下で行われる、実施形態1〜65のいずれか1つに記載の方法。
67.金属は、ステンレススチール、アルミニウム、チタン、βチタン、ニッケルチタン、及びこれらの合金のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1〜66のいずれか1つに記載の方法。
68.表面は、散漫散乱試験により測定したときに、少なくとも0.2の拡散L*最小70/最大15比率、及び0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、実施形態1〜67のいずれか1つに記載の方法。
69.表面は、散漫散乱試験により測定したときに、少なくとも0.4の拡散L*最小70/最大15比率を呈する、実施形態1〜68のいずれか一項に記載の方法。
70.表面は、いずれの美観用金属もポリマーコーティングもなしに、拡散L*値最小70/最大15比率を呈する、実施形態68又は69に記載の方法。
71.表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、実施形態70に記載の方法。
72.表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも50の最小L*値を呈する、実施形態71に記載の歯科矯正装置。
73.金属を含む外面と、外面に電気めっきした金属コーティングと、を備え、コーティングした表面は、14以下の合計CIEクロマ、及び散漫散乱試験により測定したときに、0°の入射角かつ70°の視野角において少なくとも20の最小L*値を呈する、歯科矯正装置。
74.装置は歯科矯正アーチワイヤである、実施形態73に記載の歯科矯正用装置。
75.電気めっきした金属コーティングは、アルミニウム及びロジウムのうちの少なくとも一方を含む、実施形態73又は74に記載の歯科矯正装置。

0091

本開示の利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。特に指示がない限り、全ての部及び百分率重量基準である。

0092

実施例
以下により詳細に記載されるように、様々な金属基材はレーザーアブレーションプロセスにかけられ、レーザーにより処理された基材は典型的な金属表面とは対照的に、一般的には白色の、光沢のない外観を呈した。いずれかの特定の理論に拘束されることなく、これらの望ましい光学的効果は、レーザーアブレーションプロセスにおいて形成される、表面の質感の結果である。特に、非平坦化表面は、入射光のより少ない鏡面反射、及びより多い散漫散乱を生じ、典型的な金属表面により一般的に観察される「光沢」が大幅に減少し、表面は、より広範な視野角において、明らかにより白い。

0093

サンプル調製
レーザー設定
1061nmの波長で動作する40Wパルスファイバーレーザー(SPI Lasers,Southampton(UK)から入手可能、部品番号SP−40P−0508−001)で実験が行われ、ビーム品質係数(M2)は、約3.15であった。このレーザーは、ビームデリバリファイバーの端部に載置されたファラデー光学アイソレータで背面反射から保護された。出力、パルス持続時間、及び反復率などのパラメータは変動可能であった。表1は、40Wのパルスファイバーレーザーにおける、事前に構成された電気パルス持続時間を示している。電気パルス持続時間は、レーザーの実際の光学パルスと実質的に同様であるべきである。

0094

レーザービームは、100mmテレセントリックf−θ合焦レンズを備える、市販の2Dガルバノレーザースキャナヘッド(ScanLab America,Inc.,Naperville,ILから入手可能な、hurrySCAN(登録商標)20)に向けられた。以下に更に記載されるレーザーパターニングプロセスにおいて、X、Y、及びZ方向での位置付けを可能にするため、スキャナが、3DガントリシステムAerotech,Inc.,Pittsburg,PAから入手可能)に取り付けられた。局所的にくずがある、作業領域の汚染を最小化するために、排気システム(Fumex,Inc.,Kennesaw,GAから入手可能なFA−2)が使用された。いくつかの場合において、レーザーパターン表面の酸化を防止するため(特に、高いレーザー出力において)、かつ局所的なくずが作業領域に入るのを防ぐために、圧縮窒素の局部アシストガス(約140L/分の体積流量)が使用された。

0095

ビームは、7倍ビームエキスパンダによって拡大され、ビーム直径は、スキャナに入る前に、およそ1.1mmからおよそ7.7mmに拡大された。処理された基材の画像は、高倍率及び顕微鏡測定が実現可能な、顕微鏡(Keyence Corp.,Itasca,ILから入手可能な、VHX−2000)によって記録された。ファイバーレーザーシステムのブロック図が図7に示される。

0096

基材
304及び316ステンレススチール(Xylem Co.,Inc.,Chanhassen,MNから入手可能な「304SS」、及び「316SS」)又はニチノール(「NiTi」、Nitinol Devices&Components,Inc.,Fremont,CA)の矩形の金属シムストッククーポン(約0.33〜0.39mm×約12.7×約50.8mm)が、レーザーパターニングの実験において基材として使用された。基材はレーザーパターニングの前に、磁気チャックを介してプロセス用プラットフォームへとクランプされた。クーポンの小さな正方形部分(約10mm×10mm)が、以下に概説されるパラメータに従ってパターニングされた。パターニング後、基材は、超音波酸浴槽内で清浄化された。

0097

レーザーパターニングパラメータ
I.単一パスパターニング
実施例S1、S3〜S7、S10、及びS12は、NiTi又は304SSクーポンを基材として利用した。基材は、パターンを加工するために、LaserDESKソフトウェア(ScanLab AG)を使用して、一連のほぼ平行な「ライン」で、レーザーパターニングされた。各「ライン」は、パターニングした表面上の、線形の一連の凹状特徴部として構成されている。物品表面上で横方向に延びるこのような「ライン」の図が図8Aに示されている。パターニング中、所与の「ライン」内の隣接する特徴部の間の間隔は、スキャン速度及びレーザーの繰り返し率の両方の関数であった。レーザービームのスキャン速度と、繰り返し率と、隣接する特徴部間の間隔との関係は式5に示され、式中、vはスキャン速度であり、dは特徴部間の間隔であり、fはレーザー繰り返し率である。
式5:d=v/f=[m/s]/[1/s]=[m]

0098

特徴部の大きさは、合焦光学系(f−θレンズ)に入るビームの直径、ビームの品質係数、及びパルスエネルギー(レーザー出力)に依存する。したがって、特徴部の大きさは、容易に変更することができる。図8Aは、1m/sラインスキャン速度、30kHzの繰り返し率、及び0の波形(約250nmのパルス持続時間)で、2.25Wで、40Wファイバーレーザーを使用して形成された、単一ラインの(すなわち、一連の)凹部でパターニングされた、304SS表面の1000倍画像を示している。実験により判定された特徴部の大きさから、パターニングされた表面の光学的特徴に対するその効果について、特徴部間の様々な間隔が評価された。

0099

初期の観察により、一定のパラメータにおいて、単一パスパターニングは、所望の広範な視野角において、表面が十分に白くない、サンプル基材をもたらすことが示された。これは、いくつかの用途において、更なるパターニング及び特徴部の分断が望ましい可能性があることを示している。

0100

II.ツーパスパターニング
以下のように、実施例S2、S8、S9、S11、及びS13の304SS及びNiTiクーポンにツーパスパターンが形成された。各実施例の基材の約10mm×10mm部分が、一連の平行なラインとしてパターニングされ、レーザーパターンが90°回転され、パターニングプロセスが、同じ約10mm×10mm部分の上に繰り返された。図9は、ツーパスパターニングのシーケンスを例示しており、パスの間でレーザーパターンが90°回転している(基材の加工された部分のみが例示されている)。第1特徴部パターン910の初期「ライン」920は、回転前に、物品表面900の長手方向に延びている。パターンが90°回転され、レーザービームの移動経路が変更され、第2パターン930の一連の「ライン」940が、横方向に伸びている。

0101

一般的に、間隔の比率が選択され、対応する特徴部間の間隔が、所望のピッチ、及びレーザーの繰り返し率をかけることによって達成されるスキャン速度(式5に示される)に従い、計算された。1.1の間隔の比率、及び30μmのピッチが、以下に示される計算において使用された。
式5:d=1.1×30[μm]=33[μm/pulse]→v=33[μm/pulse]×30,000[pulse/sec]=0.99[m/s]

0102

ツーパスレーザーパターニングの概要が表2に示されている。

0103

スキャナを制御するために使用されるLaserDESKソフトウェアは、スキャン速度、ピッチ、レーザー遅延、及びスキャンの間のジャンプ速度などの関連するパラメータを含み、可変入力としてピッチ及び生じるスキャン速度を有する。特徴部の大きさ(例えば、直径、ECD、及び深さ)は、レーザーの入力によって変更することができる。いくつかの実施形態において、隣接する特徴部が密集し、顕著な干渉(すなわち、重複する特徴部の境界領域)が示され、有効特徴部直径、又はECDが小さくなる。

0104

表3は、実験中に試験されるサンプルS1〜S21の概要を示している。全てのパターニングしたサンプルは1.1:1の間隔比を含む。第1パターンのx方向におけるピッチは、表3で最初に記録されている。

0105

表面コーティング
実施例S8〜S17において、パターニングされた基材は、光学品質及び他の品質を更に向上させるために、更に金属コーティングプロセスにかけられた(超音波洗浄の後)。電子ビーム/熱蒸発器(K.J.Lesker Co.,Jefferson Hills,PA)を使用して、アルミニウム(Al)コーティング(約75nm又は約150nm厚さ)が、選択されたパターニングされた基材(S10〜S17)に適用された。アルミニウムは、およそ3×10−5Torrのチャンバ圧力で、外部ガス不在下で、毎秒15オングストロームの割合で堆積された。LemkuhlらによるAdvances in Electrochemical Science and Engineering,177,204〜211の、The Principles and Techniques of Electrolytic Aluminum Deposition and Dissolution in Organoaluminum Electrolytes(3d.ed.,Heinz Gerischer et al.,1994)、並びに米国特許第4,101,386号、及び同第4,948,475号(Dotzerら)に概略が記載される、電気めっき方法を使用して、アルミニウム(AL)コーティング(約5〜20μm厚さ)が、パターニングされていない基材(S19〜S21)に適用された。ロジウム(Rh)コーティング(約0.4〜2.0μm厚さ)がまた、従来的な電気めっきにより適用された(Prodigy Surface Tech.,Santa Clara,CA)。

0106

光学測定
光沢測定
本明細書で使用するとき、光沢とは、表面が正反射方向可視光を反射する能力である。Novo−Curve Gloss Meter (Rhopoint Instruments,East Sussex,UK)を使用して、60°の入射角において、光沢測定が行われ、標準的な試験方法に従った(ASTMD523、ISO 2813、DIN 67530、及びJIS Z 8741)。報告された結果は、所定のサンプルに関する2つの測定値の平均であり、サンプルは、測定間で90°回転させた。

0107

散漫散乱試験
色双方向散乱分布関数(Color bidirectional scattering distribution function)(BRDF)の測定値は、以下の設定を使用して、IS−SA Imaging Sphere(Radiant Vision Systems,Redmond,WAから入手可能)により得られた。入射角:0°、ビニング:1×1、カラー:XYZカラー、NDフィルタ:100%、開口部:(S1〜S18は6mm、S19〜S21は10mm)、ビームサイズ最小設定ホールフィル(Hole fill):オン、暗露光補正(Force Dark Exposure):オン、露出設定ブライトスポット彩度:75%、データエクスポート解像度:2°。サンプルは開口部に固定された。

0108

全ての場合において、0°の入射角において、正反射性の光が排除された状態で、各サンプルのBRDFが測定された。色の測定は、Commission Internationale de l’Eclairage L*a*b*スコアリングシステムに基づいて行われた。0°入射光BRDFの垂直方向及び水平方向断面に沿って、CIEL*及び合計CIEクロマが計算された。合計CIEクロマは、合計CIE a*及び合計CIE b*の二乗平均根と等しく、色空間におけるL*軸からの距離である。これは、色の彩度を表す。ゼロのクロマは無色である。完璧なランバート反射板は、全ての入射角及び散乱(すなわち、視野)角に関して、1/πと等しいBRDFを有する、基準白色となるように選択された。エクスポートされたデータから、視野角の関数として、最小及び最大CIE L*もまた計算された。CIE L*は、方位角と関連して変化し得る。最小及び最大CIE L*は、所与の各視野角において、全ての方位角に関して適宜計算された。測定されるCIE L*は、特定の視野角のみに関するものであるため、100超である可能性もあることに留意されたい。散乱パターン非対称性により、合計積算値ではなく、視野角の関数として、最小及び最大CIE L*を見ることが有益であった。

0109

共焦点走査型レーザー顕微鏡法(CSLM
代表的なサンプルは、共焦点走査型レーザー顕微鏡法(50倍対物レンズ)を使用して、特徴を明らかにした。Keyence VK−9710(Keyence Corporation of America,Itasca,ILから利用可能である)は、以下の設定で、サンプルS1〜S17に関して使用された。リアルピーク検出(RPD):オン、モード:表面プロファイル、領域:平坦、品質:超精密対物レンズ50倍及び150倍、光学ゾーン:1.0倍、タイリング:2×2。サンプルS19〜S21に関し、同じ設定で、KeyenceVK−X200が使用された。各サンプルに関して2つの高さプロファイルが得られた。可能な限り、視野は、トポグラフィーの良好なサンプリングを生じるように選択された。傾斜分析は、表面高さプロファイルに対して適用された。傾斜分布を計算するため、MATLABソフトウェア(MathWorks,Natick,MA)が使用された。

0110

平均x傾斜及びy傾斜は、各ピクセルを中心として1.65マイクロメートルの間隔で評価した。勾配の大きさは、x及びy傾斜データから判定され、各ピクセルを中心とした、1.65μm×1.65μmの四角形内で評価された。勾配の大きさの分布、加えて、x傾斜及びy傾斜分布は、0.5°のビンサイズ内で生成された。

0111

結果
表4は、サンプルS1〜S21に関し、合計CIEクロマ、加えて、それぞれ入射角0°における、70°の散乱角度の最小L*(L最小70)、並びに70°の散乱角度における最小L*の15°の散乱角における最大L*に対する比率(L最小70/L最大15)を示している。

0112

表5は、サンプルS1〜S17、及びS19〜S21に関し、二乗平均根表面粗さ(Rq)、x傾斜分布及びy傾斜分布の半値全幅(FWHM)間の最小値、並びに最頻値及び平均値として傾斜の勾配の大きさ(Δx=1.5波長)を示している。

0113

表6は、サンプルS1〜S9及びS12〜S18の光沢測定を示している。

0114

レーザーパターニングした歯科矯正アーチワイヤ
レーザーパターニングした304SS及びNiTi歯科矯正アーチワイヤプロトタイプが、以下のように調製された。同様の長さの真っ直ぐで矩形のワイヤ(304SS、又はNiTi、0.46mm×0.64mm×約180〜250mm)が一緒にまとめられ、平坦な基材に取り付けられ、隣接するワイヤの側壁が接触するようにする。矩形のワイヤは、各ワイヤに関してパターニングされる各表面が、レーザービームの焦点位置に対して同じ高さとなるように向けられる(換言すると、パターニングされる、まとめた矩形のワイヤの表面の集合が、実質的に平坦であった)。ワイヤをまとめたアセンブリの表面の約10mm×10mmの部分が、2パス、30μmピッチ、及び3.25W(パスの間にパターンを90°回転させる)で、上記と同様の方法でレーザーパターニングされた。ワイヤをまとめたアセンブリはその後動かされ(並進)、レーザーパターニングは、隣接する約10mm×10mmパターンが約40μm重複するようにして、隣接するパターニングされていない領域にわたって繰り返された。矩形のアーチワイヤの追加的な表面が、単純に、平坦な基材からワイヤを除去し、ワイヤを90°回転させて新しい表面を暴露し、ワイヤを再びまとめ、まとめたワイヤを平坦な基材に再取り付けし、パターニングを繰り返すことによって、パターニングされた。パターニングした矩形の304SSワイヤは、歯科矯正アーチワイヤに好適なアーチ形状へと、手で成形された。パターニングした矩形のNiTiワイヤは、従来的な方法を使用して、高温でアーチ形状に固定された形状であってもよい。最後に、360°完全にパターニングした、NiTiの丸いワイヤ(0.46mm)は、NiTi矩形ワイヤに関して記載されたのと同様の方法で、ただしワイヤは、新しいパターニングされていない表面を暴露するために約120°回転させ(かつパターニングを繰り返し)て、調製された。

0115

本明細書に引用される特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容は、それぞれが個々に組み込まれたのと同様に、それら全体が参照により援用される。本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、本発明の様々な修正及び改変が当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載された例示的な実施形態及び実施例によって過度に限定されることを意図するものではなく、そのような実施例及び実施形態は、例としてのみ提示されるものであり、本発明の範囲は、以下のように本明細書に記載される、請求項によってのみ限定されることを意図するものである点を理解されたい。

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