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課題・解決手段

本発明は一般に、有機物質供給原料からのバイオ生成物の生成に関する。より具体的には、本発明は、リグノセルロース系および/または化石化有機供給原料バイオ燃料(例えば、バイオオイル)および/または化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品)への熱水熱化学変換における蒸解廃液の使用に関する。

概要

背景

エネルギーの世界的需要は、上昇を続け、一方で従来の石油(例えば、石油、ガス、および液化天然ガス)の埋蔵量は減少している。このため、従来と異なった燃料資源(例えば、重油オイルサンドオイルシェール)その他の非化石エネルギー燃料源(例えば、リグノセルロース系材料)への注力と研究が増加してきた。

代替エネルギー生産の分野での相当量の研究は、リグノセルロース系物質からのバイオ燃料の生成に焦点が置かれた。この技術は、炭化水素原材料の埋蔵量の枯渇に代わりうる方法として、エネルギー生産のための豊富再生可能供給原料への転換に対する期待をもたらしている。これらの資源の相対的存在量を考慮すると、低エネルギー密度化石燃料(例えば、褐炭泥炭およびオイルシェール)の高エネルギー燃料製品への濃縮もまた、魅力的代替案である。

特に、熱水反応をベースにしたバイオマスおよびその他の複雑な有機物質のバイオ燃料および化学薬品への熱化学変換は大きな将来性を示した。ガス化プロセスは通常、より高温(例えば、400℃〜700℃)で実施され、メタンまたは水素ガスが高収率生産できる。液化プロセスは通常、より低温(例えば、200℃〜400℃)で行われ、この分野で「バイオオイル」または「バイオ原油液体生成物が生産される。既存の化石燃料に対する実現性のある置換物または補充物を提供するために、これらのおよび関連技術から生成されるバイオオイルは、原油に近い特性(例えば、高エネルギー/収率、低酸素含水量、低粘度)が必要である。さらに、経済的実現可能性の観点から、この種のプロセスはコスト効率が高いことが極めて重要である。

バイオオイル生産の熱化学プロセスを改善するための多くの修正方式が開発されている。例えば、従来のプラント材料からの穏やかな条件下でのヘミセルロースの除去は、リグノセルロース系供給原料からのバイオオイルの生産を改善することができる(国際公開第2010/037178号を参照)。また、供給原料スラリー反応温度まで徐々に加熱するのではなく、スラリーを既に超臨界状態になっている溶媒に接触させることにより、バイオオイル生産において有利な効果を得ることができることも示された(国際公開第2012/000033を参照)。供給原料スラリー(これも同様に再生バイオオイル生成物である)中に石油を導入することにより、プロセス効率および生成物特性が改善されることが示された(国際公開第2012/092644号を参照)。熱化学変換プロセスで使われる有機物質供給原料中固体基質を含めることにより、スケール生成を減らし、および/または処理中の圧力差の発生を減らすことが示された(国際出願第PCT/AU2014/00601号を参照)。これらの進展にもかかわらず、いまだに、プロセス効率を高め、コストを下げ、および/または生成物特性を向上させることができる熱化学プロセスに対する新しい改善が望まれている。

バイオマスをバイオ燃料に熱化学変換を行う場合、ほとんどのプロセスではないにしても、多くのプロセスが触媒を利用して、プロセス効率を高め、および/または生成物特性を改善している。これらのプロセスでは、広範囲の触媒が使用されており(例えば、国際公開第2011/123897号参照)、適切な触媒の組み合わせおよび/または触媒の代替物原料の特定により、既存のバイオオイル製造方法を改善する好機が得られる。

概要

本発明は一般に、有機物質供給原料からのバイオ生成物の生成に関する。より具体的には、本発明は、リグノセルロース系および/または化石化有機供給原料のバイオ燃料(例えば、バイオオイル)および/または化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品)への熱水/熱化学変換における蒸解廃液の使用に関する。

目的

これらの進展にもかかわらず、いまだに、プロセス効率を高め、コストを下げ、および/または生成物特性を向上させることができる熱化学プロセスに対する新しい改善が望まれている

効果

実績

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請求項1

有機物質供給原料からバイオ生成物を製造する方法であって、前記有機物質供給原料、溶媒、および蒸解廃液を含む反応混合物を用意すること、全てまたは一部の前記有機物質供給原料を、前記バイオ生成物を含む生成物混合物に変換するのに好適する反応温度および圧力下で、反応器中の前記反応混合物を処理すること、前記生成物混合物の除圧および冷却をすることを含み、前記反応混合物および生成物混合物が、前記処理中に反応器を通る連続流として移動する、方法。

請求項2

前記有機物質供給原料が、(i)褐炭供給原料;(ii)リグノセルロース系供給原料;または(iii)リグノセルロース系および褐炭供給原料の混合物、を含むまたはそれから構成される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記有機物質供給原料が、リグノセルロース系供給原料を含むまたはそれから構成される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記蒸解廃液がパルプ黒色廃液黒液)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記黒液が、約4重量%〜10重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約10重量%〜30重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約25重量%〜約50重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約5重量%〜約15重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約8重量%〜約20重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約10重量%〜約25重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約10重量%〜約90重量%の有機固体または約30重量%〜約70重量%の有機固体を含む、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記黒液が、約5重量%〜9重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約25重量%〜約45重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約5重量%〜約15重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約10重量%〜約15重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約13重量%〜約20重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約40重量%〜約90重量%の有機固体または約50%〜約80%の有機固体、または約60%〜約75%の有機固体を含む、請求項4または請求項5に記載の方法。

請求項7

前記蒸解廃液がパルプ緑色廃液(緑液)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記緑液が、約4重量%〜12重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約50重量%〜約70重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約7重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約10重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記緑液が、約5重量%〜10重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約17重量%〜23重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約55重量%〜約65重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約4重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約3重量%〜約9重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含む、請求項7または請求項8に記載の方法。

請求項10

前記蒸解廃液がパルプ白色廃液(白液)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

前記白液が、約40重量%〜65重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約10重量%〜30重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約8重量%〜約22重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約6重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約10重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含む、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記白液が、約45重量%〜60重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約10重量%〜約20重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約2重量%〜約5重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約7重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1.5重量%〜約4重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含む、請求項10または請求項11に記載の方法。

請求項13

前記処理することが、前記反応混合物を、(i)200℃〜450℃の温度、および100バール〜300バールの圧力、(ii)250℃〜350℃の温度、および140バール〜240バールの圧力、で処理することを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項14

前記処理することが、前記スラリーを、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約370℃、少なくとも約390℃、少なくとも約400℃、約200℃〜約400℃、約200℃〜約400℃、約300℃〜約400℃、約350℃〜約400℃、および約370℃〜約450℃からなる群より選択される温度に加熱すること、および前記反応混合物を約100バール〜約400バール、約150バール〜約400バール、約200バール〜約400バール、約150バール〜約350バール、約180バール〜約350バール、約150バール〜約300バール、約150バール〜約280バール、約150バール〜約270バール、または約200バール〜約300バールの圧力で加圧することを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

前記処理することが、前記反応混合物を310℃〜360℃の温度、および160バール〜250バールの圧力で処理することを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

前記処理することが、前記反応混合物を320℃〜360℃の温度、および220バール〜250バールの圧力で処理することを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

前記有機物質および前記蒸解廃液を含むスラリーを用意すること、前記スラリーとは独立して、亜臨界または超臨界蒸気を生成すること、および前記反応器の少なくとも1つの容器またはチャンバー中で、前記スラリーを前記亜臨界または超臨界蒸気と接触させること、を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

前記スラリーが、前記亜臨界または超臨界蒸気と接触させる前には、周囲温度またはほぼ周囲温度であり、また、周囲気圧またはほぼ周囲気圧である、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記反応混合物が、50重量%〜95重量%、50重量%〜95重量%、50重量%〜90重量%、50重量%〜80重量%、50重量%〜70重量%、50重量%〜60重量%、30重量%〜90重量%、40重量%〜90重量%、20重量%〜75重量%、1重量%〜30重量%、5重量%〜30重量%、10重量%〜30重量%、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、5重量%〜15重量%、10重量%〜30重量%、10重量%〜30重量%、10重量%〜15重量%、20重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、15重量%未満、10重量%、または5重量%未満の蒸解廃液を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

前記溶媒が、水性溶媒油性溶媒、または水性溶媒および油性溶媒の混合物である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

前記反応混合物が、20重量%未満、30重量%未満、35重量%未満、40重量%未満、40重量%未満、70重量%未満、80重量%未満、90重量%未満、95重量%未満、10重量%〜95重量%、30重量%〜95重量%、50重量%〜70重量%、または60重量%〜80重量%の溶媒を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

前記水性溶媒が、水、水のみ、または水およびアルコールを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

前記有機物質が、リグノセルロース系供給原料および褐炭供給原料の組合せを含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。

請求項24

前記有機物質が、少なくとも10%のリグニン、少なくとも35%のセルロース、および少なくとも20%のヘミセルロースを含むリグノセルロース系供給原料を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。

請求項25

前記処理することが、0.01cm/秒を超える、0.05cm/秒を超える、0.5cm/秒を超える、0.1cm/秒を超える、1.5cm/秒を超える、または2.0cm/秒を超える反応器通過流速を有するスラリーの形態で前記有機物質、前記溶媒、および前記蒸解廃液を処理することを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

前記反応混合物が、前記反応温度および圧力で固体または実質的に固体であり、前記反応混合物または前記生成物混合物内で不溶化する有機および/または無機物質捕捉し、および/または前記反応器中の前記反応混合物および/または前記生成物混合物の1種または複数の流れ特性を変える固体基質をさらに含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。

請求項27

前記固体基質が、前記反応器中でスケール生成を抑制する、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記固体基質が、前記有機物質供給原料の前記バイオ生成物への変換時に前記反応器中の圧力勾配の発生を抑制する、請求項26または請求項27に記載の方法。

請求項29

前記固体基質が、前記反応温度および圧力で、化学的に不活性または実質的に化学的に不活性である、請求項26〜28のいずれか1項に記載の方法。

請求項30

前記固体基質が、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の炭素を含む炭素質材料である、請求項26〜29のいずれか1項に記載の方法。

請求項31

前記固体基質が、石炭無煙炭メタ無煙炭アンスラサイト半無煙炭瀝青炭亜瀝青炭、褐炭(すなわち、褐炭(browncoal))、粘結炭コールタールコールタール誘導体石炭チャーコークス高温コークス鋳物用コークス、低および中温コークス、ピッチコークス石油コークスコークス炉コークス、粉コークスガスコークス、褐炭コークス、半成コークス木炭熱分解チャー水熱チャーカーボンブラック黒鉛微粒子非晶質炭素カーボンナノチューブ炭素ナノ繊維気相成長炭素繊維、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。

請求項32

前記固体基質が、フライアッシュ鉱物炭酸カルシウム方解石ケイ酸塩シリカ石英酸化物金属酸化物不溶性のまたは実質的に不溶性の金属塩鉄鉱石粘土鉱物滑石石膏、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。

請求項33

前記固体基質が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、方解石、石灰岩苦灰石水酸化カルシウム水酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化マグネシウム炭酸水素カルシウム炭酸水素マグネシウムカオリナイトベントナイトイライトゼオライトリン酸カルシウムヒドロキシアパタイトフィロシリケート、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項26〜30のいずれか1項に記載の方法。

請求項34

前記固体基質が、前記反応混合物中に、0.5重量%を超える、1重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える、10重量%を超える、25重量%を超える、または30重量%を超える濃度で存在する、請求項26〜33のいずれか1項に記載の方法。

請求項35

前記生成物から前記固体基質を分離すること、および有機物質供給原料を含む第2のスラリーまたは第2の反応混合物中に前記固体基質をリサイクルすることをさらに含む、請求項26〜34のいずれか1項に記載の方法。

請求項36

前記反応混合物が、油性添加物をさらに含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。

請求項37

前記油性添加物が、前記処理の前に、前記供給原料および/または溶媒と混合される、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記油性添加物が、パラフィン系油ガス油原油合成油、石炭油、バイオオイルシェール油ケロゲン油、鉱物油白色鉱油芳香油トール油蒸留トール油、プラントまたは動物油、油脂ならびにそれらの酸性型およびエステル化型、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項36または請求項37に記載の方法。

請求項39

前記反応混合物が、5重量%〜60重量%、5重量%〜50重量%、5重量%〜40重量%、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、5重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、20重量%未満、15重量%未満、または10重量%未満の前記油性添加物を含む、請求項36〜38のいずれか1項に記載の方法。

請求項40

前記溶媒が、水性溶媒成分および油性溶媒成分を含む混合溶媒であり、前記2つの成分が、周囲温度で実質的に不混和性または部分混和性である、請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。

請求項41

前記油成分が、粗トール油、蒸留トール油またはこれらの組み合わせである、請求項40に記載の方法。

請求項42

前記バイオ生成物から前記油を分離すること、および有機物質供給原料を含む第2のスラリーまたは第2の反応混合物中に前記バイオオイルをリサイクルすることをさらに含む、請求項36〜41のいずれか1項に記載の方法。

請求項43

前記バイオ生成物が、ワックスアルデヒドカルボン酸炭水化物フェノールフルフラール、アルコール、ケトン樹脂樹脂酸、樹脂酸に構造的に関連する化合物アルカンアルケン脂肪酸脂肪酸エステルステロール、ステロール関連化合物、フランオリゴマーシクロペンタノンシクロヘキサノンアルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、アルキルおよびアルコキシシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、芳香族化合物ナフタレン、アルキルおよびアルコキシ置換ナフタレンクレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノンインデンインデン誘導体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される化合物を含む、請求項36〜42のいずれか1項に記載の方法。

請求項44

前記バイオ生成物が、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、少なくとも35MJ/kg、または少なくとも36MJ/kgの総発熱量を有する油成分を含む、請求項36〜43のいずれか1項に記載の方法。

請求項45

前記バイオ生成物が、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、少なくとも35MJ/kg、または少なくとも36MJ/kgの総発熱量を有する油成分、および少なくとも26MJ/kg、少なくとも28MJ/kg、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、または少なくとも33MJ/kgの総発熱量を有する基質および油成分混合物を含む、請求項36〜43のいずれか1項に記載の方法。

請求項46

前記有機物質供給原料および前記蒸解廃液の両方が、黒液を含むまたは黒液からなる、請求項1に記載の方法。

請求項47

前記蒸解廃液が、黒液を含む、または黒液からなり、有機物質供給原料が蒸解廃液を含まない、または蒸解廃液から構成されない、請求項1に記載の方法。

請求項48

前記バイオ生成物由来のバイオオイルを精製溶媒中に溶解し、前記溶解バイオオイルを濾過し、粒子および固体材料を除去することを含む、請求項1〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項49

前記精製溶媒が、アセトン酢酸エチルエタノールベンゼントルエンキシレンテトラリンテトラヒドロフランメチルエチルケトンジクロロメタンクロロホルム、ケトン、アルコール、フラン、ライトサイクルオイルナフサ、および/または前記方法により得られるまたは得ることができるバイオオイルの蒸留留分、の内のいずれか1種または複数を含む、請求項48に記載の方法。

請求項50

前記蒸留留分が、前記方法により得られるまたは得ることができるバイオ生成物由来の前記バイオオイルを約60℃〜約150℃の温度で沸騰させることにより得られる、請求項49に記載の方法。

請求項51

前記精製溶媒が、前記濾過後に、蒸留により回収される、請求項48〜50のいずれか1項に記載の方法。

請求項52

請求項1〜51のいずれか1項に記載の方法により得られるまたは得ることができるバイオ生成物。

請求項53

前記バイオ生成物がバイオオイルである、請求項52に記載のバイオ生成物。

技術分野

0001

相互参照による組み込み
本出願は、2014年10月15日に出願の「PulpingLiquors and Uses Thereof」という名称のオーストラリア特許仮出願第2014904129号の優先権を主張する。この特許仮出願の全内容は相互参照により本明細書に組み込まれる。

0002

技術分野
本発明は一般に、有機物質供給原料からのバイオ生成物の生成に関する。より具体的には、本発明は、リグノセルロース系および/または化石化有機供給原料バイオ燃料(例えば、バイオオイル)および/または化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品)への熱水熱化学変換における蒸解廃液の使用に関する。

背景技術

0003

エネルギーの世界的需要は、上昇を続け、一方で従来の石油(例えば、石油、ガス、および液化天然ガス)の埋蔵量は減少している。このため、従来と異なった燃料資源(例えば、重油オイルサンドオイルシェール)その他の非化石エネルギー燃料源(例えば、リグノセルロース系材料)への注力と研究が増加してきた。

0004

代替エネルギー生産の分野での相当量の研究は、リグノセルロース系物質からのバイオ燃料の生成に焦点が置かれた。この技術は、炭化水素原材料の埋蔵量の枯渇に代わりうる方法として、エネルギー生産のための豊富再生可能な供給原料への転換に対する期待をもたらしている。これらの資源の相対的存在量を考慮すると、低エネルギー密度化石燃料(例えば、褐炭泥炭およびオイルシェール)の高エネルギー燃料製品への濃縮もまた、魅力的代替案である。

0005

特に、熱水反応をベースにしたバイオマスおよびその他の複雑な有機物質のバイオ燃料および化学薬品への熱化学変換は大きな将来性を示した。ガス化プロセスは通常、より高温(例えば、400℃〜700℃)で実施され、メタンまたは水素ガスが高収率生産できる。液化プロセスは通常、より低温(例えば、200℃〜400℃)で行われ、この分野で「バイオオイル」または「バイオ原油液体生成物が生産される。既存の化石燃料に対する実現性のある置換物または補充物を提供するために、これらのおよび関連技術から生成されるバイオオイルは、原油に近い特性(例えば、高エネルギー/収率、低酸素含水量、低粘度)が必要である。さらに、経済的実現可能性の観点から、この種のプロセスはコスト効率が高いことが極めて重要である。

0006

バイオオイル生産の熱化学プロセスを改善するための多くの修正方式が開発されている。例えば、従来のプラント材料からの穏やかな条件下でのヘミセルロースの除去は、リグノセルロース系供給原料からのバイオオイルの生産を改善することができる(国際公開第2010/037178号を参照)。また、供給原料スラリー反応温度まで徐々に加熱するのではなく、スラリーを既に超臨界状態になっている溶媒に接触させることにより、バイオオイル生産において有利な効果を得ることができることも示された(国際公開第2012/000033を参照)。供給原料スラリー(これも同様に再生バイオオイル生成物である)中に石油を導入することにより、プロセス効率および生成物特性が改善されることが示された(国際公開第2012/092644号を参照)。熱化学変換プロセスで使われる有機物質供給原料中固体基質を含めることにより、スケール生成を減らし、および/または処理中の圧力差の発生を減らすことが示された(国際出願第PCT/AU2014/00601号を参照)。これらの進展にもかかわらず、いまだに、プロセス効率を高め、コストを下げ、および/または生成物特性を向上させることができる熱化学プロセスに対する新しい改善が望まれている。

0007

バイオマスをバイオ燃料に熱化学変換を行う場合、ほとんどのプロセスではないにしても、多くのプロセスが触媒を利用して、プロセス効率を高め、および/または生成物特性を改善している。これらのプロセスでは、広範囲の触媒が使用されており(例えば、国際公開第2011/123897号参照)、適切な触媒の組み合わせおよび/または触媒の代替物原料の特定により、既存のバイオオイル製造方法を改善する好機が得られる。

0008

本発明者らは、意外にも、黒液などの蒸解廃液がバイオマスのバイオ燃料への効率的熱化学変換を促進する効果的な触媒源として使用できることを明らかにした。その有機含量(例えば、セルロース系物質)を考慮すると、蒸解廃液はまた、バイオ生成物への変換が可能な追加の供給材料源を提供する。このバイオ生成物が必要な供給原材料の量を減らすことにより、次に、コスト上の利益をもたらすことができる。

0009

第1の態様では、本発明は、有機物質供給原料からバイオ生成物を製造する方法を提供し、該方法は、有機物質供給原料、溶媒、および蒸解廃液を含む反応混合物を用意すること、全てまたは一部の有機物質供給原料を、バイオ生成物を含む生成物混合物に変換するのに好適する反応温度および圧力で、反応器中の反応混合物を処理すること、および生成物混合物の除圧、冷却することを含み、反応混合物および生成物混合物は、前記処理中に反応器を通る連続流として移動する。

0010

一実施形態では、有機物質供給原料は、リグノセルロース系供給原料である。

0011

一実施形態では、有機物質供給原料は、石炭供給原料である(例えば、褐炭供給原料)。

0012

一実施形態では、有機物質供給原料および蒸解廃液は、両方とも黒液である。

0013

一実施形態では、蒸解廃液は黒液であり、有機物質供給原料は蒸解廃液ではない。

0014

一実施形態では、有機物質供給原料および蒸解廃液は、両方ともパルプ黒色廃液(黒液)を含む、またはこれから構成される。

0015

一実施形態では、蒸解廃液は、黒液を含む、またはこれからなり、有機物質供給原料は蒸解廃液を含まない、または蒸解廃液から構成されない。

0016

一実施形態では、蒸解廃液は黒液である。

0017

黒液は、化学パルプ化プロセス後にパルプから分離でき、このプロセスでは、木材供給原料は、熱および圧力下でパルプ化化学薬品により蒸解される。

0018

黒液は、乾燥黒液固形物(DBLS)を基準にして、約2.5〜7.0重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約0.06〜3.0重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約4.5〜約16.0重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約0.5g/l〜約5g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約1.9〜約16.6重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約2.4〜約7.5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約50〜約70重量%の有機固体を含んでよい。

0019

黒液は、約0.5g/l〜2.5g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約2.5g/l〜6.0g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約5g/l〜約10g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約0.5g/l〜約5g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約0.5g/l〜約5g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約1.0g/l〜約6g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約10g/l〜約100g/lの有機固体を含んでよい。

0020

黒液は、約1.0g/l〜2.0g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約3.5g/l〜5.5g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約6.5g/l〜約9.0g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1.0g/l〜約3.0g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2.0g/l〜約4g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約2.0g/l〜約4.5g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約20g/l〜約50g/lの有機固体を含んでよい。

0021

黒液は、約4重量%〜10重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約10重量%〜30重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約25重量%〜約50重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約5重量%〜約15重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約8重量%〜約20重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約10重量%〜約25重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約10重量%〜約90重量%の有機固体または約30重量%〜約70重量%の有機固体を含んでよい。

0022

黒液は、約5重量%〜9重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約25重量%〜約45重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約5重量%〜約15重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約10重量%〜約15重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、約13重量%〜約20重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)、および約40重量%〜約90重量%の有機固体または約50重量%〜約80重量%の有機固体、または約60重量%〜約75重量%の有機固体を含んでよい。

0023

黒液は、無機成分、溶解木材物質酢酸ギ酸、糖類、カルボン酸キシラン、およびメタノールの内のいずれか1種以上を含んでよい。

0024

一実施形態では、蒸解廃液はパルプ緑色廃液(緑液)である。

0025

緑液は、約9g/l〜20g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約25g/l〜55g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約80g/l〜約145g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約4.0g/l〜約8.0g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約6.0g/l〜約15.0g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約3.0g/l〜約9.0g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0026

緑液は、黒液の処理により得てもよい。緑液は、酸素欠乏環境中で黒液を燃焼させて、得られた材料の溶媒中(例えば、水)への溶解により得てもよい。酸素欠乏環境中で黒液を燃焼する前に、黒液中の有機固体の濃度を増加させて、緑液を得てもよい。黒液中の有機固体の濃度は、蒸発により達成してもよい。

0027

緑液は、約11g/l〜20g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約25g/l〜50g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約80g/l〜約130g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約4.0g/l〜約8.0g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約8.0g/l〜約15.0g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約3.0g/l〜約9.0g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0028

緑液は、約13g/l〜18g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約30g/l〜45g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約95g/l〜約120g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約5.0g/l〜約7.0g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約9.0g/l〜約13.0g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約4.0g/l〜約7.0g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0029

緑液は、約4重量%〜12重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約50重量%〜約70重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約7重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約10重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0030

緑液は、約5重量%〜10重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約17重量%〜23重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約55重量%〜約65重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約4重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約3重量%〜約9重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0031

一実施形態では、蒸解廃液はパルプ白色廃液(白液)である。

0032

白液は、緑液の処理により得てもよい。白液は、緑液を石灰またはその誘導体(例えば、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(CaOH))と反応させることにより得てもよい。

0033

白液は、約80g/l〜110g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約30g/l〜45g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約18g/l〜約35g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約3.0g/l〜約6.0g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約7.0g/l〜約12.0g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約3.0g/l〜約9.0g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0034

白液は、約85g/l〜105g/lの水酸化ナトリウム(NaOH)、約32g/l〜43g/lの硫化ナトリウム(Na2S)、約20g/l〜約30g/lの炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約3.5g/l〜約5.5g/lの亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約8.0g/l〜約10.0g/lの硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約4.5g/l〜約7.5g/lのチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0035

白液は、約40重量%〜65重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約10重量%〜30重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約8重量%〜約22重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約6重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約10重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1重量%〜約5重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0036

白液は、約45重量%〜60重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約10重量%〜約20重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約2重量%〜約5重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約7重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1.5重量%〜約4重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0037

一実施形態では、処理は、反応混合物を250℃〜450℃の温度、および100バール〜300バールの圧力での処理を含む。

0038

処理は、スラリーの少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約370℃、少なくとも約390℃、少なくとも約400℃、約200℃〜約400℃、約200℃〜約400℃、約300℃〜約400℃、約350℃〜約400℃、および約370℃〜約450℃からなる群より選択される温度への加熱を含んでよい。

0039

処理は、反応混合物の約100バール〜約400バール、約150バール〜約400バール、約200バール〜約400バール、約150バール〜約350バール、約180バール〜約350バール、約150バール〜約300バール、約150バール〜約280バール、約150バール〜約270バール、または約200バール〜約300バールでの加圧を含んでよい。

0040

処理は、反応混合物の310℃〜360℃の温度、および160バール〜250バールの圧力での処理を含んでよい。

0041

処理は、反応混合物の320℃〜360℃の温度、および220バール〜250バールの圧力での処理を含んでよい。

0042

処理は、反応混合物の、
(i)200℃〜450℃の温度、および100バール〜300バールの圧力、
(ii)250℃〜350℃の温度、および140バール〜240バールの圧力、での処理を含んでよい。

0043

一実施形態では、方法は、有機物質および蒸解廃液を含むスラリーを用意すること、スラリーとは独立して、亜臨界または超臨界蒸気を生成すること、および前記反応器の少なくとも1つの容器またはチャンバー中で、スラリーを亜臨界または超臨界蒸気に接触させること、を含む。

0044

スラリーは、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせを含んでよい。

0045

スラリーは、亜臨界または超臨界蒸気に接触させる前には、周囲温度またはほぼ周囲温度であり、また、周囲気圧またはほぼ周囲気圧であってよい。

0046

処理することは、スラリーを、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、約200℃〜約250℃、約200℃〜約400℃、約250℃〜約400℃、約250℃〜約350℃、および約250℃〜約350℃からなる群より選択される温度に加熱すること、スラリーとは独立して、亜臨界または超臨界蒸気を生成すること、および反応器の少なくとも1つの容器またはチャンバー中で、スラリーを亜臨界または超臨界蒸気と接触させること、を含んでよい。

0047

スラリーは、前記接触させることの前におよび/またはその後に加圧してもよい。

0048

一実施形態では、方法は、有機物質を含むスラリーを調製すること、スラリーを少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、約200℃〜約250℃、約200℃〜約400℃、約250℃〜約400℃、約250℃〜約350℃、および約250℃〜約350℃の温度に加熱すること、スラリーを前記温度に加熱後に蒸解廃液と混合すること、および反応器の少なくとも1つの容器またはチャンバー中でリグノセルロース系供給原料および黒液を含むスラリーを亜臨界または超臨界蒸気と接触させることを含み、亜臨界または超臨界蒸気はスラリーとは独立して生成される。

0049

スラリーは、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせを含んでよい。

0050

一実施形態では、前記方法は、第1の予備加熱段階および第2の段階を含み、第1の加熱段階で反応混合物が反応温度より低い温度まで加熱され、第2の加熱段階で反応混合物が反応温度まで加熱される。

0051

第2の段階は、反応混合物を亜臨界または超臨界蒸気と接触させることを含んでよい。

0052

一実施形態では、処理の前に、蒸解廃液が供給原料および/または溶媒と混合される。

0053

一実施形態では、反応混合物が前記反応温度および圧力に到達後に、蒸解廃液が反応混合物に加えられる。

0054

一実施形態では、反応混合物は、1重量%〜30重量%、5重量%〜30重量%、10重量%〜30重量%、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、5重量%〜15重量%、10重量%〜30重量%、10重量%〜30重量%、10重量%〜15重量%、20重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、または5重量%未満の蒸解廃液を含む。

0055

一実施形態では、反応混合物は、1重量%〜100重量%、90重量%〜100重量%、95重量%〜100重量%、50重量%〜100重量%、50重量%〜90重量%、50重量%〜95重量%、50重量%〜95重量%、50重量%〜80重量%、50重量%〜70重量%、50重量%〜60重量%、30重量%〜90重量%、40重量%〜90重量%、または20重量%〜75重量%の蒸解廃液を含む。

0056

一実施形態では、反応混合物は、20重量%未満、30重量%未満、35重量%未満、40重量%未満、40重量%未満、70重量%未満、80重量%未満、90重量%未満、95重量%未満、10重量%〜95重量%、30重量%〜95重量%、50重量%〜70重量%、または60重量%〜80重量%の溶媒を含む。

0057

一実施形態では、溶媒は水性溶媒油性溶媒、または水性溶媒および油性溶媒の混合物である。

0058

油性溶媒または水性溶媒および油性溶媒の混合物は、粗トール油蒸留トール油、またはこれらの組み合わせを含んでよい。

0059

水性溶媒は、水、水のみ、または水およびアルコールを含んでよい。

0060

水性溶媒は、水およびアルコールを含んでよく、アルコールは、エタノール、メタノール、またはメタノールおよびエタノールの組み合わせから選択してよい。

0061

前記反応混合物は、3重量%を超える、5重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、25重量%を超える、30重量%を超える、30重量%未満の、25重量%未満の、20重量%未満の、15重量%未満の、10重量%未満の、5重量%未満の、または3重量%未満のアルコールを含んでよい。

0062

一実施形態では、リグノセルロース系供給原料は、少なくとも10%のリグニン、少なくとも35%のセルロース、および少なくとも20%のヘミセルロースを含むリグノセルロース系物質であってよい。

0063

リグノセルロース系供給原料は、約10%を超えるリグニン、セルロース、およびヘミセルロースのそれぞれを含んでよい。

0064

一実施形態では、反応混合物は、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、35重量%を超える、または40重量%を超える有機物質を含む。

0065

有機物質は、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせであってよい。

0066

一実施形態では、反応混合物は、10重量%未満、15重量%未満、20重量%未満、30重量%未満、35重量%未満、40重量%未満、50重量%未満、5重量%〜40重量%、10重量%〜35重量%、または15重量%〜30重量%の有機物質を含む。

0067

有機物質は、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせであってよい。

0068

一実施形態では、有機物質は、一部または全部の溶媒を含むスラリーの形で供給される。

0069

有機物質は、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせであってよい。

0070

有機物質は、一部または全部の溶媒および/または一部または全部の蒸解廃液を含むスラリーの形で供給されてよい。

0071

処理は、0.01cm/秒を超える、0.05cm/秒を超える、0.5cm/秒を超える、0.1cm/秒を超える、1.5cm/秒を超える、または2.0cm/秒を超える流速を有するスラリーの形態での有機物質、溶媒、および蒸解廃液の処理を含んでよい。

0072

一実施形態では、反応混合物は、連続流条件下で、
(a)目標温度および圧力への加熱および加圧、
(b)目標温度(単一または複数)および圧力(単一または複数)で所定の時間(すなわち、「保持時間」)の処理、および
(c)冷却および除圧、
に供される。

0073

一実施形態では、処理は、約20分間〜約30分間の時間である。

0074

一実施形態では、方法は、処理前に、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせ)および溶媒を約2分未満の時間内に該温度まで加熱するステップを含む。

0075

一実施形態では、方法は、処理前に、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせ)および溶媒を約2分未満の時間内に該温度および圧力まで加熱および加圧するステップを含む。

0076

一実施形態では、方法は、
(i)生成物混合物を前記処理後に、約30秒未満の時間内に約160℃〜約200℃の温度に冷却するステップと、
(ii)圧力降下装置を通して放出することにより、生成物混合物を周囲温度まで除圧および冷却するステップと、を含む。

0077

圧力降下装置は、周囲温度水に覆われていてもよい。

0078

生成物混合物の除圧、冷却は同時に行ってよい。

0079

生成物混合物の除圧、冷却は別々に行ってよい。

0080

一実施形態では、リグノセルロース系供給原料は、木材(例えば、ラジアータマツ)である。

0081

一実施形態では、反応混合物は、固体基質をさらに含み、該固体基質は、反応温度および圧力で固体または実質的に固体であり、反応混合物または生成物混合物内で不溶化する有機および/または無機の物質捕捉し、および/または反応器中の反応混合物および/または生成物混合物の1種または複数の流れ特性を変える。

0082

有機物質は、リグノセルロース系供給原料、石炭(例えば、褐炭)、またはこれらの組み合わせであってよい。

0083

固体基質は、反応器中でスケール生成を抑制し得る。

0084

固体基質は、有機物質供給原料のバイオ生成物への変換時の反応器中の圧力勾配の発生を抑制し得る。

0085

除圧は、反応器中の圧力降下装置により促進してよい。

0086

反応混合物は、処理の前にまたは処理中に最大圧力まで加圧してよい。

0087

圧力降下装置により促進される除圧の前に、生成物混合物は、最大圧の、98%未満、95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、または50%未満の圧力で加圧してよい。

0088

固体基質は、摩耗作用により反応器内で追加の金属表面積を生成し、それにより、追加の不均一系触媒を供給するための追加の金属表面積を反応混合物に付与してよい。

0089

固体基質は、反応温度および圧力で、不活性または実質的に不活性であってよい。

0090

固体基質は、反応温度および圧力で、化学的に不活性または実質的に化学的に不活性であってよい。

0091

固体基質は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%の炭素を含む炭素質材料であってよい。

0092

第1、第2または第3の態様の一実施形態では、固体基質は、石炭、無煙炭メタ無煙炭アンスラサイト半無煙炭瀝青炭亜瀝青炭、褐炭(すなわち、褐炭(brown coal))、粘結炭コールタールコールタール誘導体石炭チャーコークス高温コークス鋳物用コークス、低および中温コークス、ピッチコークス石油コークスコークス炉コークス、粉コークスガスコークス、褐炭コークス、半成コークス木炭熱分解チャー水熱チャーカーボンブラック黒鉛微粒子非晶質炭素カーボンナノチューブ炭素ナノ繊維気相成長炭素繊維、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。

0093

第1、第2または第3の態様の一実施形態では、固体基質は、10%未満、5%未満、1%未満の炭素を含む、または炭素不含の非炭素質材料であってよい。

0094

固体基質は、フライアッシュ鉱物炭酸カルシウム方解石ケイ酸塩シリカ石英酸化物金属酸化物不溶性のまたは実質的に不溶性の金属塩鉄鉱石粘土鉱物滑石石膏、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。

0095

固体基質は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、方解石、石灰岩苦灰石、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム炭酸水素カルシウム炭酸水素マグネシウムカオリナイトベントナイトイライトゼオライトリン酸カルシウムヒドロキシアパタイトフィロシリケート、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。

0096

固体基質は、粉末または粉末を含むスラリーの形で供給されてもよい。

0097

固体基質は、反応混合物中に、0.5重量%を超える、1重量%を超える、3重量%を超える、5重量%を超える、10重量%を超える、25重量%を超える、または30重量%を超える濃度で存在してよい。

0098

固体基質は、反応混合物中に、0.5重量%未満、1重量%未満、3重量%未満、5重量%未満、10重量%未満、25重量%未満、または50重量%未満の濃度で存在してよい。

0099

有機および/または無機物質は、有機物質および/または無機物質を、固体基質の表面上に、または固体基質中に吸着することにより固体基質により捕捉されてよい。

0100

第1、第2または第3の態様の一実施形態では、反応混合物は、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質)と固体基質を、約1:1、約3:2、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約8:1、約10:1、約20:1、または約30:1の比率で含む。

0101

第1、第2または第3の態様の一実施形態では、固体基質は、反応混合物中の固体基質および有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質)の全部を合わせた重量の少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも6重量%、少なくとも7重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、1重量%〜20重量%、1重量%〜10重量%、1重量%〜5重量%、5重量%〜10重量%、5重量%〜15重量%、5重量%〜20重量%、20重量%〜40重量%、20重量%〜50重量%、20重量%〜30重量%、30重量%〜40重量%、または40重量%〜50重量%を構成する。

0102

一実施形態では、方法は、除圧および冷却後、生成物混合物から固体基質を分離し、有機物質供給原料を含む第2のスラリーまたは第2の反応混合物中に固体基質をリサイクルすることをさらに含む。

0103

一実施形態では、固体基質は、バイオ生成物の蒸留または熱分解により得られる残留物から作製される。

0104

一実施形態では、反応混合物は、油性添加物をさらに含む。

0105

油性添加物は、処理の前に、供給原料および/または溶媒と混合してよい。

0106

反応混合物は、5重量%〜60重量%、5重量%〜50重量%、5重量%〜40重量%、5重量%〜30重量%、5重量%〜20重量%、5重量%を超える、10重量%を超える、15重量%を超える、20重量%を超える、30重量%を超える、20重量%未満、15重量%未満、または10重量%未満の油性添加物を含んでよい。

0107

油性添加物は、パラフィン系油ガス油、原油、合成油、石炭油、バイオオイル、シェール油ケロゲン油、鉱物油白色鉱油芳香油、トール油、蒸留トール油、プラントまたは動物油、油脂ならびにそれらの酸性型およびエステル化型、ならびにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。

0108

一実施形態では、溶媒は、水性溶媒成分および油性溶媒成分を含む混合溶媒であり、2つの成分は、周囲温度で実質的に不混和性または部分混和性である。

0109

油成分は、粗トール油、蒸留トール油またはこれらの組み合わせであってよい。

0110

一実施形態では、溶媒は、質量比約1:1、質量比約1:2、質量比約2:1、質量比約3:1、質量比約1:3、質量比約1:4、質量比約4:1、質量比約1:5、質量比約5:1、質量比約1:6、質量比約6:1、質量比約1:7、質量比約7:1、質量比約1:8、質量比約8:1、質量比約1:9、質量比約9:1、質量比約1:10、または質量比約10:1の水および油を含む。

0111

一実施形態では、方法は、生成物から油を分離すること、および油を、有機物質供給原料を含む第2のスラリーまたは第2の反応混合物中にリサイクルすることをさらに含む。

0112

一実施形態では、方法は、生成物から固体基質および油を分離すること、ならびに固体基質および油を、有機物質供給原料を含む第2のスラリーまたは第2の反応混合物中にリサイクルすることをさらに含む。

0113

一実施形態では、油性溶媒は、該方法に従って作製されたバイオ生成物からリサイクルされる。

0114

一実施形態では、固体基質は、該方法に従って作製されたバイオ生成物からリサイクルされる。

0115

一実施形態では、油性溶媒および固体基質は、該方法に従って作製されたバイオ生成物からの混合物中でリサイクルされ、リサイクルされる油およびリサイクルされる基質の混合物は、周囲温度で固体である。

0116

一実施形態では、バイオ生成物は、ワックスアルデヒド、カルボン酸、炭水化物フェノールフルフラール、アルコール、ケトン樹脂樹脂酸、樹脂酸に構造的に関連する化合物アルカンアルケン脂肪酸脂肪酸エステルステロール、ステロール関連化合物、フランオリゴマーシクロペンタノンシクロヘキサノンアルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、アルキルおよびアルコキシシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、芳香族化合物ナフタレン、アルキルおよびアルコキシ置換ナフタレンクレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノンインデンインデン誘導体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群より選択される化合物を含む。

0117

一実施形態では、バイオ生成物は、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、少なくとも35MJ/kg、または少なくとも36MJ/kgの総発熱量を有する油成分を含む。

0118

一実施形態では、バイオ生成物は、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、少なくとも35MJ/kg、または少なくとも36MJ/kgの総発熱量を有する油成分、および少なくとも26MJ/kg、少なくとも28MJ/kg、少なくとも30MJ/kg、少なくとも32MJ/kg、または少なくとも33MJ/kgの総発熱量を有する基質および油成分混合物を含む。

0119

一実施形態では、方法は、バイオ生成物由来のバイオオイルを精製溶媒中に溶解し、溶解バイオオイルを濾過し、粒子および固体材料を除去することを含む。

0120

一実施形態では、精製溶媒は、アセトン酢酸エチル、エタノール、ベンゼントルエンキシレンテトラリンテトラヒドロフランメチルエチルケトンジクロロメタンクロロホルム、ケトン、アルコール、フラン、ライトサイクルオイルナフサ、および/または本発明の方法により作製されたバイオ生成物由来のバイオオイル蒸留留分の内のいずれか1種または複数を含む。

0121

一実施形態では、蒸留留分は、本発明の方法により作製されたバイオ生成物由来の前記バイオオイルを約60℃〜約150℃の温度で沸騰させることにより得られる。

0122

一実施形態では、精製溶媒は、濾過後の蒸留により回収される。

0123

第2の態様では、本発明は、第1の態様の方法により得られるまたは得ることが可能なバイオ生成物を提供する。

0124

バイオ生成物はバイオオイルであってよい。
以降で、添付の図面を参照しながら、単に例示することを目的として、本発明の好ましい態様を説明する。

図面の簡単な説明

0125

本発明の方法による、ラジアータマツ+水酸化ナトリウム(丸)から、ならびにホッグフューエルおよび黒液供給原材料(三角形)から生成されたバイオ原油中の酸素含量と、総発熱量(GCV)の関係を示す図である。
本発明の方法により、連続流下で供給原料変換を行うためのパイロットプラント反応器の略図である。

実施例

0126

定義
本出願で使用される場合、単数形(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照対象包含する。例えば、用語の「触媒(a catalyst)」は、複数の触媒も含む。

0127

本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」を意味する。「含む(comprising)」という語の変形、例えば「含む(comprise)」および「含む(comprises)」は、それに対応して様々な意味を有する。したがって、例えば、バイオオイルを「含む」バイオ生成物は、バイオオイルのみからなってもよく、またはその他の追加の物質を含んでもよい。

0128

本明細書で使用される場合、「有機物質」および「有機材料」という用語は、同じ意味を有し、化石化および非化石化材料の両方を含む炭素を含む任意の材料を包含する。有機物質の非限定的例には、バイオマスの再生可能な資源(例えば、リグノセルロース系物質)、ならびに再生不可能であってよい炭化水素含有材料(例えば、褐炭、オイルシェールおよび泥炭)を含む。

0129

本明細書で使用される場合、「バイオ生成物」という用語は、本発明の方法に従って上記で定義の有機物質供給原料の処理により得ることができる任意の生成物を包含する。バイオ生成物の非限定的例には、バイオ燃料(例えば、バイオオイル、チャー生成物ガス状生成物)および化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品、有機酸フラクス、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラールレボグルコサンソルビトールシリトール(cylitol)、アラビニトールホルムアルデヒドアセトアルデヒド)が挙げられる。

0130

本明細書で使用される場合、「バイオ燃料」という用語は、本発明の方法に従って上記で定義の有機物質供給原料の処理から誘導されるエネルギー含有材料を意味する。バイオ燃料の非限定的例には、バイオオイル、チャー生成物(例えば、直接噴射式石炭エンジンDICE)用の改良型微粉炭噴射PCI)等価生成物および燃料)、およびガス状生成物(メタン、水素一酸化炭素および/または二酸化炭素を含むガス状生成物)が挙げられる。

0131

本明細書で使用される場合、「バイオオイル」という用語は、本発明の方法に従って上記で定義の有機物質供給原料の処理から得られる複雑な化合物の混合物を意味する。バイオオイルは、限定されないが、アルカン、アルケン、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコール、およびケトンの内のいずれか1種または複数などの化合物を含んでよい。バイオオイルは、限定されないが、炭水化物、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコールおよびケトン、樹脂および樹脂酸、および樹脂酸に構造的に関連する化合物、アルカンおよびアルケン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール関連化合物、フランオリゴマー、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、ナフタレンならびにアルキルおよびアルコキシ置換ナフタレン、クレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノン、インデンおよびインデン誘導体を含む芳香族化合物、の内のいずれか1種または複数を含んでよい水溶性水性相、ならびに限定されないが、ワックス、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコール、およびケトン、ならびに樹脂および樹脂酸および樹脂酸に構造的に関連する化合物、アルカンおよびアルケン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール関連化合物、フランオリゴマー、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、ナフタレン、ならびにアルキルおよびアルコキシ置換ナフタレン、クレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノン、インデンおよびインデン誘導体を含む芳香族化合物の内のいずれか1種または複数の化合物を含んでよい非水溶性相、を含む多相を含んでよいが、これらに限定されない。

0132

本明細書で使用される場合、「リグノセルロース系」という用語は、リグニン、セルロース、およびヘミセルロースを含む任意の物質を包含する。非限定的例として示すと、リグノセルロース系物質は、少なくとも10%のリグニン、少なくとも10%のセルロース、および少なくとも10%のヘミセルロースを含んでよい。

0133

本明細書で使用される場合、「化石化有機物質」という用語は、水および濃縮炭素を有意水準まで除去するのに十分な期間にわたり、地熱圧および地熱温度にさらされる任意の有機材料を包含する。例えば、化石化有機材料は、約10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%または95重量%を超える炭素を含んでよい。化石化有機物質の非限定的例には、石炭(例えば、メタ無煙炭、無煙炭および半無煙炭などの無煙炭;瀝青炭;亜瀝青炭;褐炭(すなわち、褐炭(brown coal))、粘結炭、コールタール、コールタール誘導体、石炭チャー)、コークス(例えば、高温コークス、鋳物用コークス、低および中温コークス、ピッチコークス、石油コークス、コークス炉コークス、粉コークス、ガスコークス、褐炭コークス、半成コークス)、泥炭(例えば、粉末泥炭、泥炭)、ケロゲン油、タールサンド、オイルシェール、シェールタールアスファルト瀝青質、天然ビチューメン、瀝青砂、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0134

本明細書で使用される場合、「蒸解廃液」という用語は、「黒液」、「緑液」、「白液」、およびこれらの任意の組み合わせを包含することが理解されよう。

0135

本明細書で使用される場合、「黒液」という用語は、木材からセルロース繊維遊離させる作用をするパルプ化化学薬品(例えば、ソーダおよび/または硫酸塩のアルカリ溶液)を使ったリグノセルロース系物質(例えば、パルプ材)の紙パルプへの処理から生じたアルカリ性水溶液を意味することが理解されよう。黒液は、溶解した有機物(例えば、リグニン残留物、ヘミセルロース)、無機化学薬品、および水の混合物を含む。黒液は、従来技術を使用して生成パルプから分離でき、必要に応じて水を除去して濃縮してよい。「濃」黒液は、例えば、46〜57重量%の固形物を含んでよい。「重」黒液は、例えば、63〜80重量%の固形物を含んでよい。黒液の正確な化学的構成は、パルプ化プロセスに供されるリグノセルロース系材料の種類、パルプ化化学薬品の濃度/構成、などに依存する。非限定的例として示すと、黒液は、12%〜20%の固形物(50%〜70%の有機物、20%〜40%の無機物)、5〜10%のNaOH、15%〜30%のNa2S、30%〜40%のNa2CO3、5%〜15%のNa2SO3、8%〜18%のNa2SO4、および/または10%〜20%のNa2S2O3を含んでよい。

0136

本明細書で使用される場合、「緑液」という用語は、溶媒(例えば、水)中に溶解され、炭酸ナトリウムを含む黒液スメルト水溶液を意味することが理解されよう。黒液スメルトは、水の蒸発により濃縮された黒液(例えば、60%を超える固形物含有量)の焼却により生じ得る。正確な物理的な緑液の構成は、緑液の由来する黒液材料の化学的構成およびその固形物含有量の程度、黒液スメルトを作製する焼却プロセスの詳細などの因子に依存するであろう。非限定的例であるが、緑液は、NaOH(5%〜10%)、Na2S(15%〜25%)、Na2CO3(55%〜65%)、Na2SO3(1%〜6%)、Na2SO4(3%〜9%)、およびNa2S2O3(1%〜6%)を含んでよい。

0137

本明細書で使用される場合、「白液」という用語は、水酸化ナトリウムおよび硫化ナトリウム、およびその他の硫酸ナトリウム(Na2SO4)および炭酸ナトリウム(Na2CO3)などのナトリウム塩および少量の亜硫酸塩および塩化物を含むアルカリ性水溶液を意味することが理解されよう。白液は、緑液の石灰(CaO/Ca(OH)2)による処理により発生してよい。緑液は、石灰による処理の前に、必要に応じて浄化して不溶性物質(例えば、カルシウム化合物未燃焼炭素)を除去してよい。正確な白液の化学的構成は、緑液からの調製に使われる具体的反応条件、および白液が誘導される緑液の性質などの要因に依存する。非限定的例として示すと、白液は、約48重量%〜58重量%の水酸化ナトリウム(NaOH)、約15重量%〜25重量%の硫化ナトリウム(Na2S)、約10重量%〜約20重量%の炭酸ナトリウム(Na2CO3)、約1重量%〜約5重量%の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、約2重量%〜約7重量%の硫酸ナトリウム(Na2SO4)、および約1.5重量%〜約4重量%のチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を含んでよい。

0138

本明細書で使用される場合、「溶媒」という用語は、その範囲内に「水性溶媒」、「油性溶媒」およびこれらの組み合わせを含む。

0139

本明細書で使用される場合、「水性溶媒」という用語は、溶媒の総重量を基準にして、少なくとも1パーセントの水を含む溶媒を意味する。したがって、「水性溶媒」という用語は、溶媒の総重量を基準にして、1パーセントの水〜100パーセントの水を含んでよい。「水性溶媒」はまた、その範囲内に「水性アルコール」、「水性エタノール」、および「水性メタノール」を含むことも理解されよう。

0140

本明細書で使用される場合、「水性アルコール」という用語は、溶媒の総重量を基準にして、少なくとも1パーセントのアルコールを含む溶媒を意味する。

0141

本明細書で使用される場合、「水性エタノール」という用語は、溶媒の総重量を基準にして、少なくとも1パーセントのエタノールを含む溶媒を意味する。

0142

本明細書で使用される場合、「水性エタノール」という用語は、溶媒の総重量を基準にして、少なくとも1パーセントのメタノールを含む溶媒を意味する。

0143

本明細書で使用される場合、「油性溶媒」という用語は、非限定的例として、パラフィン系油、ガス油、原油、合成油、石炭油、バイオオイル、シェール油/ケロゲン油、芳香油(すなわち、単環または多環成分またはこれらの混合物)、トール油、トリグリセリド油、脂肪酸、エーテル抽出物ヘキサン抽出物、および前に記載のいずれかの成分の任意の混合物が含まれる任意の好適な油を含む溶媒を意味し、油は、総溶媒重量を基準にして、少なくとも溶媒の1パーセントを構成する。

0144

本明細書で使用される場合、「油性添加物」という用語は、本発明による供給原料、溶媒および/または反応混合物中に含めるのに好適する任意の油性成分を意味し、これらの非限定的例には、パラフィン系油、ガス油、原油、合成油、石炭油、バイオオイル、シェール油/ケロゲン油、芳香油(すなわち、単環または多環成分またはこれらの混合物)、トール油、トリグリセリド油、脂肪酸、エーテル抽出物、ヘキサン抽出物、および前に記載のいずれかの成分の任意の混合物が含まれる。油性添加物は、供給原料、溶媒および/または反応混合物の総重量を基準にして、それが添加される供給原料、溶媒および/または反応混合物の少なくとも1パーセントの部分を構成する。

0145

本明細書で使用される場合、「超臨界」物質(例えば、超臨界溶媒)は、その臨界温度を超えて加熱され、その臨界圧力を超えて加圧される物質(すなわち、その臨界点を超えた温度および圧力での物質)を意味する。

0146

本明細書で使用される場合、「亜臨界」物質(例えば、亜臨界溶媒)は、物質の臨界点未満の温度および/または圧力での物質を意味する。したがって、物質は、その臨界点未満の温度およびその臨界点を超える圧力で、その臨界点を超える温度およびその臨界点未満の圧力で、またはその臨界点未満の温度および圧力で「亜臨界」であり得る。

0147

本明細書で使用される場合、「固体基質」は、本発明の方法により使用される反応温度および圧力で固体または実質的に固体の構成要素である。固体基質は、反応混合物および/または生成物混合物内で反応混合物から不溶化する有機および/または無機物質を捕捉することが可能であってよい。追加でまたは代わりに、固体基質は、反応器中で反応混合物のまたは生成物混合物の流れ特性を変えることができてもよい。固体基質は、炭素質および非炭素質材料の両方を包含し、それらの非限定的例には、石炭、無煙炭、メタ無煙炭、アンスラサイト、半無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭(すなわち、褐炭(brown coal))、粘結炭、コールタール、コールタール誘導体、石炭チャー、コークス、高温コークス、鋳物用コークス、低および中温コークス、ピッチコークス、石油コークス、コークス炉コークス、粉コークス、ガスコークス、褐炭コークス、半成コークス、木炭、熱分解チャー、水熱チャー、カーボンブラック、黒鉛微粒子、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、炭素ナノ繊維、気相成長炭素繊維、フライアッシュ、鉱物、炭酸カルシウム、方解石、ケイ酸塩、シリカ、石英、酸化物、金属酸化物、不溶性または実質的に不溶性の金属塩、鉄鉱石、粘土鉱物、滑石、石膏、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、方解石、石灰岩、苦灰石、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、カオリナイト、ベントナイト、イライト、ゼオライト、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フィロシリケート、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0148

本明細書で使用される場合、「連続流」という用語は、リグノセルロース系供給原料および溶媒、固体基質、蒸解廃液、および/または油性添加物の内のいずれか1種または複数を含むスラリーが、
(a)目標温度および圧力への加熱および加圧、
(b)目標温度(単一または複数)および圧力(単一または複数)で所定の時間(すなわち、「保持時間」)の処理、および
(c)冷却および除圧、に供されるプロセスを意味し、
その間、スラリーは、反応器の所定の表面の長さ(または部分長さ)に沿った連続移動流中に維持される。本明細書で意図されている「連続流」条件は、開始点の加熱および加圧(すなわち、上記の(a))および終点の冷却および除圧(すなわち、上記(c))により規定されることが理解されよう。本明細書で意図されている連続流条件は、スラリーが連続移動流中で維持される限りにおいて、スラリーの流速に関し、何ら特段の制限を意味しない。

0149

本明細書で使用される場合、「反応器(reactor)」、「反応装置」、および「反応器(reactor vessel)」という用語は、同義に使用され、同じ意味を有する。それぞれの用語は、本発明の方法を実施するのに好適な任意の装置、例えば、連続流通反応器および回分反応器を包含する。

0150

本明細書で使用される場合、「実質的に固体」基質という用語は、指定した反応温度および/または圧力で、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、およびより好ましくは少なくとも98%の基質が固形であるという点で大部分が固体である基質を意味する。

0151

本明細書で使用される場合、「実質的に不溶性」物質という用語は、指定した反応温度および/または圧力で、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、およびより好ましくは少なくとも98%の基質が可溶化されないという点で大部分が不溶性である物質である。

0152

本明細書で使用される場合、「不活性な」または「化学的に不活性な」固体基質は、指定した反応温度および圧力または一連の反応温度および圧力下で、反応混合物中の他の成分と化学反応しないまたは反応混合物中の成分間の反応を触媒しない基質である。

0153

本明細書で使用される場合、「実質的に不活性な」または「実質的に化学的に不活性な」固体基質は、指定した反応温度および圧力または一連の反応温度および圧力下で、反応混合物中の他の成分と大きくは化学反応しないまたは反応混合物中の成分間の反応を大きくは触媒しない基質である。「実質的に不活性な」または「実質的に化学的に不活性な」固体基質は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満の構成成分(単一または複数)との相互作用イベントに基づいて、所定の反応混合物中の任意のその他の構成要素と反応する、または反応混合物中の任意の所定の成分間の反応を触媒することが理解されよう。「約(about)」という用語の使用は、記載数値(例えば、温度または圧力)が、記載数値(単一または複数)プラスまたはマイナス記載値の10%を含むことが理解されよう。

0154

本明細書における、「間(between)」という用語の使用は、数値の範囲に言及する場合、範囲の各終点の数値を包含することが理解されよう。例えば、10℃と15℃との間の温度範囲は、10℃の温度および15℃の温度を含む。

0155

本明細書における先行技術文献、またはその文献に由来するまたはそれに基づく本明細書における記載のいずれの説明も、その文献または由来する記載が当該技術の共通の一般的知識の一部であるということ承認するものではない。

0156

説明の目的のために、本明細書で参照されている全ての文献は、特に指示がない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0157

発明の詳細な説明
プロセス効率を高め、コストを低減し、および/または生成物特性を改善することができる、バイオマスからバイオ燃料への熱化学変換プロセスに対する改良が未だに強く求められている。

0158

本発明は、クラフトパルプミルプロセスの豊富な副産物である蒸解廃液は、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質、褐炭などの石炭)のバイオ生成物への熱化学変換の触媒源として使用できる。さらに、セルロース系含量を考慮すると、蒸解廃液はまた、バイオ生成物への変換のための供給原材料を提供でき、したがって、必要な供給原材料の量を減らすことができる。

0159

黒液は、リグノセルロース系物質(例えば、パルプ材)がパルプ化化学薬品を使って熱と圧力下で溶解されるクラフトパルプ化プロセス廃棄物である。このような木材の処理は、パルプ、および反応したパルプ化化学薬品/無機成分、および酢酸、ギ酸、カルボン酸、糖類、キシラン、および/またはメタノールを含む溶解した木材物質の多様な混合物である黒液を含む、混合物を生成する。黒液およびその誘導体の複雑な化学的構成にもかかわらず、本発明者らは、それが、リグノセルロース系物質のバイオオイルおよび関連バイオ生成物への熱化学処理に使われる従来の触媒に代わる好適な代替品であることを明らかにした。さらに、黒液は、熱化学プロセスを介してバイオ生成物に変換できる相当量のセルロース繊維を含む。したがって、本発明は、有機物質供給原料からバイオ生成物を製造する熱化学プロセスの費用対効果を高める手段を提供する。

0160

このように、本発明は、蒸解廃液の存在下、有機物質供給原料を種々の溶媒を使って、高い温度と圧力で処理することにより、バイオ生成物を製造する方法に関する。本発明の追加の態様は、本明細書記載の方法により生成したバイオ生成物に関する。

0161

本発明は、有機物質供給原料をバイオ生成物(例えば、バイオオイルを含むバイオ燃料;化学製品、など)に変換する方法を提供する。本明細書で使用される場合、「有機物質」(本明細書では、「有機材料」としても参照される)は、炭素を含む任意の物質を包含し、化石化および非化石化型の炭素含有物質の両方を含む。

0162

本発明の方法に使用される有機物質供給原料の特定の種類に関する制限はないが、化石化型の有機物質に比べて、非化石化型の有機物質(例えば、リグノセルロース系物質)の変換における、本発明の方法による固体基質の使用がより有益であることが意図されている。

0163

本発明の方法で用いられる有機物質は、天然有機物質(例えば、リグノセルロース系バイオマス、など)および/または合成有機材料(例えば、合成ゴムプラスチックナイロン、など)を含んでよい。いくつかの実施形態では、本発明の方法で用いられる有機物質は、化石化有機物質および非化石化有機物質(例えば、リグノセルロース系物質)の混合物を含む。このような場合には、化石化有機物質は、反応温度および圧力で固体のまま残ることがあり、その場合には、それは本明細書に記載の固体基質として作用し得る。2種以上の有機物質(すなわち、混合物)が用いられる場合には、有機物質の異なる比率に関する特段の制限は存在しない。

0164

好ましい実施態様では、本発明の方法で用いられる有機物質は、リグノセルロース系物質であるか、またはそれを含む。本明細書で意図されるリグノセルロース系物質は、リグニン、セルロース、およびヘミセルロースを含む任意の物質を意味する。

0165

例えば、リグノセルロース系物質は、木質植物またはその成分であってよい。好適な木質植物の例には、限定されないが、マツ(例えば、ラジアータマツ)、カバノキユーカリブナノキエゾマツモミヒマラヤスギポプラヤナギおよびヤマナラシが挙げられる。木質植物は、定期伐採木質植物(例えば、定期伐採ヤナギ、定期伐採ヤマナラシ)であってよい。

0166

追加でまたは代わりに、リグノセルロース系物質は、繊維質植物またはその成分であってよい。繊維質植物(またはその成分)の非限定的例には、イネ科牧草類(例えば、スイッチグラス)、芝の刈り亜麻トウモロコシ穂軸トウモロコシ茎葉アシ、竹、バガスアササイザル黄麻大麻、アサ、ストロー小麦ストロー、アバカワタケナフもみ殻、およびココナツヘアが挙げられる。

0167

追加でまたは代わりに、リグノセルロース系物質は、農業起源由来であってもよい。農業起源のグノセルロース系物質の非限定的例には、農作物、農作物残留物、および穀物加工設備廃棄物(例えば、小麦/燕麦殻、トウモロコシ粉、など)が挙げられる。一般に、農業起源のリグノセルロース系物質には、広葉樹針葉樹、広葉樹、針葉樹幹、堅果の殻、枝、潅木、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、トウモロコシの皮、エネルギー作物森林果実、花、穀物、イネ科牧草類、草本作物麦わら、スイッチグラス、ヤナギ、砂糖きびバガス、綿実ヘア、葉、樹皮針葉丸太、根、幼樹短期輪作木質作物、低木、スイッチグラス、樹木つる植物家畜堆肥、およびブタ排泄物が挙げられる。

0168

追加でまたは代わりに、リグノセルロース系物質は、商業上のまたは未開拓森林(例えば、樹木、幼樹、林地または木材加工残留物、枝、葉、樹皮、丸太、根、およびこのような材料の処理に由来する生成物などの廃材木製品製材所および製紙工場廃棄物からの廃棄物または副産物流および木片オガクズ、ならびにパーティクルボード)由来であってもよい。

0169

追加でまたは代わりに、リグノセルロース系物質は、工業製品および副産物由来であってもよい。非限定的例には、木材関連材料および木質くずおよび工業製品(例えば、パルプ、紙(例えば、新聞紙製紙スラッジ段ボール、繊維および布、デキストラン、およびレーヨン)が挙げられる。

0170

本発明の方法で使用される有機材料は、上記で提供した具体例の任意の組み合わせを含む、2種以上の異なる種類のリグノセルロース系物質の混合物を含んでよいことが理解されよう。

0171

所与試料中のリグニン、ヘミセルロースおよびセルロースの相対的比率は、リグノセルロース系物質の具体的な性質に依存するであろう。

0172

例示のみの目的であるが、本発明の方法で使用される木質または繊維質植物中のヘミセルロースの比率は、約15%〜約40%であってよく、セルロースの比率は、約30%〜約60%であってよく、リグニンの比率は、約5%〜約40%であってよい。好ましくは、木質または繊維質植物中のヘミセルロースの比率は、約23%〜約32%であってよく、セルロースの比率は、約38%〜約50%であってよく、リグニンの比率は、約15%〜約25%であってよい。

0173

いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるリグノセルロース系物質は、約2%〜約35%のリグニン、約15%〜約45%のセルロース、および約10%〜約35%のヘミセルロースを含んでよい。

0174

他の実施形態では、本発明の方法で使用されるリグノセルロース系物質は、約20%〜約35%のリグニン、約20%〜約45%のセルロース、および約20%〜約35%のヘミセルロースを含んでよい。

0175

いくつかの実施形態では、リグノセルロース系物質は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を超えるリグニンを含んでよい。

0176

いくつかの実施形態では、リグノセルロース系物質は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を超えるセルロースを含んでよい。

0177

いくつかの実施形態では、リグノセルロース系物質は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%を超えるヘミセルロースを含んでよい。

0178

業者なら、本明細書記載の方法は、所与のリグノセルロース系物質原材料中のリグニン、ヘミセルロースおよびセルロースの相対的比率により制限されないことを理解するであろう。

0179

本発明の特定の実施形態では、褐炭(brown coal)およびリグノセルロース系物質を含む有機材料の混合物を本発明の方法の有機物質供給原料として使用してよい。混合物のリグノセルロース系物質は、例えば、木質植物材料および/または繊維質植物材料を含んでよい。混合物中の褐炭の比率は、約20%、40%、60%、または80%より大きくてよい。あるいは、混合物中のリグノセルロース系物質の比率は、約20%、40%、60%、または80%より大きくてよい。

0180

好ましい実施態様では、本発明の方法で用いられる有機物質は、炭素含有ポリマー材料を含み、この材料の非限定的例には、ゴム(例えば、タイヤ)、プラスチックおよびポリアミド(例えば、ナイロン)が挙げられる。

0181

好適なゴムの非限定的例には、ポリウレタンスチレンゴムネオプレンポリブタジエンフッ素ゴムブチルゴムシリコーンゴム栽培ゴム、アクリレートゴムチオコール、およびニトリルゴムなどの天然および合成ゴムが挙げられる。

0182

好適なプラスチックの非限定的例には、PVC、ポリエチレンポリスチレンテレフタレート、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。

0183

本発明の方法で使われる有機物質供給原料には、下水、堆肥、または家庭または産業廃棄物材料などの炭素含有廃棄物を含めてよい。

0184

有機物質の前処理
本発明の方法で使われる有機物質は、バイオ生成物(単一または複数)に変換する前に、必要に応じて前処理してよい。

0185

本明細書記載の方法を使用する場合に、前処理ステップを実施するための厳密な要件は存在しないことは理解されるであろう。例えば、液体または粒子状形態で得られる場合には、有機物質の前処理は必要とされない場合がある。しかし、多くの場合に、有機物質の前処理が、本明細書記載の方法の成果を高める点で有利な場合があることが考えられる。

0186

一般に、前処理を使って、有機物質の物理的および/または化学的構造を破壊し、本発明の方法で使われる種々の試薬(例えば、油性溶媒、触媒、など)、および/またはその他の反応パラメータ(例えば、熱および圧力)によりアクセスしやすくすることが可能になる。特定の実施形態では、有機物質の前処理は、糖成分(例えば、セルロース)の溶解度を高める、気孔率を高めるおよび/または結晶化度を下げる目的で実施し得る。有機物質の前処理は、例えば、押出成形機加圧容器、または回分反応器などの装置を使って実施できる。

0187

有機物質の前処理には、物理的方法が含まれ、この方法の非限定的例には、粉砕剥離破砕ミリング(例えば、振動ボールミリング)、圧縮膨張撹拌、および/またはパルス電界(PEF)処理が挙げられる。

0188

追加でまたは代わりに、有機物質の前処理は、物理化学方法を含めてよく、この方法の非限定的例には、熱分解、蒸気爆発アンモニア繊維爆砕法(AFEX)、アンモニア循環浸出(ARP)、および/または二酸化炭素爆発が挙げられる。蒸気爆発を使った前処理は、有機物質の撹拌をさらに含んでよい。

0189

追加でまたは代わりに、有機物質の前処理は、化学的方法を含んでよく、この方法の非限定的例には、オゾン分解酸加水分解(例えば、H2SO4および/またはHClを使った希酸加水分解)、アルカリ加水分解(例えば、ナトリウムカリウムカルシウムおよび/または水酸化アンモニウムを使った希アルカリ加水分解)酸化脱リグニン(すなわち、H2O2の存在下、酵素ペルオキシダーゼにより触媒されるリグニン生分解)、および/または有機溶媒和法(すなわち、リグニン−ヘミセルロース結合を破断するためにH2SO4および/またはHClなどの無機酸触媒と共に有機溶媒混合液の使用)が挙げられる。

0190

追加でまたは代わりに、有機物質の前処理は、生物学的方法を含めてよく、この方法の非限定的例には、有機物質の種々の構成成分(単一または複数)を劣化/分解できる微生物(例えば、褐色腐朽菌)の添加が挙げられる。

0191

いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される有機物質は、ヘミセルロースが抽出される任意の前処理ステップに供してよいリグノセルロース系物質である。したがって、大部分のヘミセルロース(または、実際に全てのヘミセルロース)がリグノセルロース系物質から抽出され、残りの材料(大部分のセルロースおよびリグニンを含む)を使用して、本発明の方法によりバイオ燃料を製造し得る。しかし、この前処理は任意であり、本発明の方法を実施する場合に、リグノセルロース系物質からヘミセルロースを分離することが必須要件ではないことは理解されよう。リグノセルロース系物質からヘミセルロースを分離する好適な方法は、例えば、国際公開第2010/034055号に記載されている。この公開の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

0192

例えば、ヘミセルロースは、リグノセルロース系物質を含むスラリー(例えば、5%〜15%w/vの固体濃度)を、約100℃〜約250℃の温度、約2〜約50気圧下、弱酸性水溶液(例えば、pH6.5〜6.9)で約5分〜約20分間処理することにより、リグノセルロース系物質から抽出してよい。可溶化ヘミセルロース成分は、任意の好適な手段(例えば、適切なサイズのフィルターを使用して)を使って残りの固体物質(主にセルロースおよびリグニンを含む)から分離し得る。残りの固体物質は、本発明の方法に直接使用してもよく、あるいは、本発明の方法で使用するために、1種または複数の他の形態の有機物質(例えば、褐炭)と混合してもよい。

0193

スラリー特性
本発明の方法により使用される有機物質供給原料は、スラリーの形態で処理されるのが好ましい。したがって、反応混合物は、スラリーの形態であってよい。

0194

スラリーは、溶媒(例えば、水性溶媒、水性アルコール溶媒、水性のエタノール溶媒、水性メタノール溶媒)と組み合わせて、必要に応じて蒸解廃液、固体基質、触媒添加物、および/または油性添加物と組み合わせて、有機物質を含んでよい。例えば、スラリーは、粒子状の有機物質を生成して(例えば、上記で言及したものなどの物理的方法によって、および/またはその他の手段によって)、溶媒と混合することにより生成してもよい。

0195

スラリー中の溶媒、供給原料、油性添加物および/または固体基質の相対的比率に関して、特段の制限は存在しない。これらの種々の成分の可能な量の非限定的例は、以下のセクションで記載される。

0196

有機物質供給原料成分
本発明の方法により使用されるスラリーは通常、有機物質供給原料を含む。

0197

本発明の特定の実施形態では、スラリー中の有機物質の濃度は、約85重量%未満、約75重量%未満、または約50重量%未満であってよい。あるいは、有機物質の濃度は、約10重量%超、約20重量%超、約30重量%超、約40重量%超、約50重量%超、または約60重量%超であってよい。

0198

いくつかの実施形態では、スラリーは、油性添加物の約35重量%〜約45重量%を含んでよい。いくつかの実施形態では、スラリーは、約40重量%の油または39.5重量%の油性添加物を含んでよい。

0199

有機物質供給原料の固体成分の最適粒径およびスラリー中のそれらの固形物の最適濃度は、例えば、使われる有機物質の熱伝達能力(すなわち、熱が個々の粒子中に、および個々の粒子を通って伝達され得る速度)、所望のスラリーの流動学的性質および/または本発明の方法を実施することができる所与の装置の構成要素(単一または複数)(例えば、反応器配管)とスラリーの適合性などの要因に依存し得る。本発明の方法で使われるスラリー中の有機物質成分中の固体成分の最適粒径および/または濃度は、標準的な技術を使って当業者により容易に決定できる。例えば、一連のスラリーを生成することが可能で、その系列中のそれぞれの試料は、その他の試料に比べて、異なる粒径および/または異なる濃度の固体有機物質成分を含んでよい。その後、それぞれのスラリーは、保存された一連の反応条件下で本発明の方法に従って処理することができる。その後、固体有機物質成分の最適粒径および/または濃度は、当該技術分野の標準的な技術を使って、それぞれのスラリーから生成された生成物の分析および比較により、決定できる。

0200

本発明の特定の実施形態では、スラリー中の固体有機物質成分の粒径は、約10ミクロン〜約10,000ミクロンであってよい。例えば、粒径は、約50、100、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000または9000ミクロン超であってよい。あるいは、粒径は、約50、100、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000または9000ミクロン未満であってよい。いくつかの実施形態では、粒径は、約10ミクロン〜約50ミクロン、約10ミクロン〜約100ミクロン、約10ミクロン〜約200ミクロン、約10ミクロン〜約500ミクロン、約10ミクロン〜約750ミクロン、または約10ミクロン〜約1000ミクロンである。他の実施形態では、粒径は、約100ミクロン〜約1000ミクロン、約100ミクロン〜約750ミクロン、約100ミクロン〜約500ミクロン、または約100ミクロン〜約250ミクロンである。

0201

本発明の1つの非限定的利点は、この方法を使って、高含量の灰分または無機材料を有する供給原料を処理できることである。

0202

蒸解廃液成分
本発明の方法により使用されるスラリーは通常、蒸解廃液成分を含む。蒸解廃液は、スラリーを目標反応条件に加熱および/または加圧する前に、スラリー中に加えてよい。追加でまたは代わりに、蒸解廃液をスラリー中に加えると同時に、スラリーを目標反応条件に加熱および/または加圧してよい。追加でまたは代わりに、蒸解廃液は、スラリーを目標反応条件に加熱および/または加圧した後で、スラリー中に加えてよい。

0203

いくつかの実施形態では、スラリーは蒸解廃液(黒液、緑液、白液、またはこれらの任意の組み合わせ)を含んでよい。

0204

例えば、スラリーは、約1重量%〜約100重量%、約90重量%〜約100重量%、約95重量%〜約100重量%、約50重量%〜約100重量%、約50重量%〜約90重量%、約50重量%〜約95重量%、約50重量%〜約95重量%、約50重量%〜約80重量%、約50重量%〜約70重量%、約50重量%〜約60重量%、約30重量%〜約90重量%、約40重量%〜約90重量%、または約20重量%〜約75重量%の蒸解廃液を含んでよい。

0205

例えば、スラリーは、約60重量%〜約100重量%の蒸解廃液、約5重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%、約1重量%〜約40重量%、約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、約1重量%〜約10重量%、約1重量%〜約5重量%、約2重量%〜約20重量%、約2重量%〜約10重量%、約3%〜約20重量%、約3重量%〜約10重量%、約0.5重量%〜約5重量%、約2重量%〜約8重量%、約3重量%〜約5重量%、または約5重量%〜約15重量%の蒸解廃液を含んでよい。

0206

いくつかの実施形態では、蒸解廃液(黒液、緑液、白液、またはこれらの任意の組み合わせ)は、溶媒に対して、約0.1%〜約10%w/vの蒸解廃液、約0.1%〜約7.5%w/vの蒸解廃液、約0.1%〜約5%w/vの蒸解廃液、約0.1%〜約2.5%w/vの蒸解廃液、約0.1%〜約1%w/vの蒸解廃液、または約0.1%〜約0.5%w/vの蒸解廃液の量で使用してよい。

0207

溶媒成分
本発明の方法により使用されるスラリーは通常、溶媒成分を含む。溶媒は、水性溶媒、油性溶媒、またはこれらの組み合わせであってよい。

0208

溶媒は水を含んでいても、または水から構成されていてもよい。

0209

本発明の特定の実施形態では、スラリー中の水の濃度は、約80重量%超、約85重量%超、または約90重量%超であってよい。したがって、水の濃度は、約75重量%超、約70重量%超、約60重量%超、約50重量%超、約40重量%超、または約30重量%超であってよい。いくつかの実施形態では、水の濃度は、約90重量%〜約95重量%である。

0210

いくつかの実施形態では、スラリーは、約10重量%〜約30重量%の水を含む。他の好ましい実施形態では、スラリーは、約20重量%の油または約15重量%の水を含む。

0211

いくつかの実施形態では、水はプロセスの生成物からリサイクルされる。例えば、反応の完了後に存在する部分水を、側流として取り出し、スラリー中へリサイクルしてよい。

0212

溶媒は1種または複数の水性アルコールを含んでいても、または1種または複数の水性アルコールから構成されていてもよい。

0213

例えば、本方法で使用されるリグノセルロース系供給原料が相当量のリグノセルロース系材料および/またはゴムおよびプラスチックなどのその他の材料から構成されるまたはこれらを含む場合、これらのタイプのリグノセルロース系供給原料のより強力な化学結合に起因して、水性アルコールを溶媒として使用するのが好適するまたは好ましいことがある。

0214

好適なアルコールは、1〜約10個の炭素原子を含んでよい。好適なアルコールの非限定的例には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールイソブチルアルコールペンチルアルコールヘキサノールおよびイソヘキサノールが挙げられる。

0215

スラリーは、約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%を超えるアルコール水性アルコールを含んでよい。

0216

特定の実施形態では、溶媒は、2種以上の水性アルコールの混合物を含む。アルコールは、エタノール、メタノールまたはこれらの混合物であるのが好ましい。

0217

固体基質成分
本発明の方法により使用されるスラリーは、本明細書に記載の固体基質成分を含んでよい。

0218

固体基質の好ましい特性には、次記のいずれか1種または複数を含めてよい:使用反応温度および圧力で不活性または実質的に不活性のままであるもの;プロセスの完了時に不変または実質的に不変のままであるもの;使用反応温度および圧力で固体としてまたは実質的に固体として残るもの;反応器(例えば、連続流反応器)中で実質的摩耗または摩耗腐食を生じさせないように、低い硬度または中程度の硬度であるもの;変換プロセス中に大量のバイオ生成物および/またはその他の沈殿物を吸着および/または吸収できるように、高い内または外比表面積を有するもの。

0219

固体基質は、炭素質材料であってよい。非限定的例のみの目的で示すと、固体基質は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%の炭素を含む炭素質材料であってよい。

0220

固体基質としての使用に好適する炭素質材料の非限定的例には、石炭(例えば、メタ無煙炭、アンスラサイトおよび半無煙炭などの無煙炭;瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭(すなわち、褐炭(brown coal))、粘結炭、コールタール、コールタール誘導体、石炭チャー);コークス(例えば、高温コークス、鋳物用コークス、低および中温コークス、ピッチコークス、石油コークス、コークス炉コークス、粉コークス、ガスコークス、褐炭コークス、半成コークス);木炭;熱分解チャー;水熱チャー;カーボンブラック;黒鉛微粒子;非晶質カーボン;カーボンナノチューブ;炭素ナノ繊維;気相成長炭素繊維;およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0221

本発明のいくつかの好ましい実施態様では、固体基質は、本発明による有機物質の前の処理から作製され、続けて、実質的に酸素非存在下での熱処理により揮発性材料が除去された(例えば、200℃〜800℃の範囲の温度での熱分解または減圧蒸溜により)炭素に富む木炭であってよい。

0222

固体基質は、非炭素質材料であってもよい。非限定的例のみの目的で示すと、固体基質は、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満の炭素を含むか、または炭素を含まない非炭素質材料であってよい。

0223

固体基質としての使用に好適する非炭素質材料の非限定的例には、灰分(例えば、フライアッシュ);鉱物(例えば、炭酸カルシウム、方解石、ケイ酸塩、シリカ、石英;鉄鉱石、粘土鉱物、滑石、石膏などの酸化物);不溶性のまたは実質的に不溶性の金属塩、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0224

固体基質としての使用に好適する材料のさらなる非限定的例には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、方解石、石灰岩、苦灰石、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、カオリナイト、ベントナイト、イライト、ゼオライト、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、フィロシリケート、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。

0225

本発明の特定の実施形態では、スラリー中の固体基質の濃度は、約20重量%未満、約15重量%未満、または約10重量%未満であってよい。あるいは、固体基質の濃度は、約0.5重量%超、約1重量%超、約3重量%超、約5重量%超、約508重量%超、または約10重量%超であってよい。

0226

固体基質の最適粒径および最適濃度は、例えば、使われる有機物質の熱伝達能力(すなわち、熱が個々の粒子中に、および個々の粒子を通って伝達され得る速度)、所望のスラリーの流動学的性質および/または本発明の方法を実施することができる所与の装置の構成要素(単一または複数)(例えば、反応器配管)とスラリーの適合性などの要因に依存し得る。本発明の方法で使われるスラリー中の固体基質成分の最適粒径および/または濃度は、標準的な技術を使って当業者により容易に決定できる。例えば、一連のスラリーを生成することが可能で、その系列中のそれぞれの試料は、その他の試料に比べて、異なるサイズおよび/または異なる濃度の特定の固体基質を含んでよい。その後、それぞれのスラリーは、保存された一連の反応条件下で本発明の方法に従って処理することができる。次に、最適固体基質サイズおよび/または濃度を、当該技術分野の標準的な技術を使って、それぞれのスラリーから生成された生成物の分析および比較に基づいて決定できる。

0227

本発明の特定の実施形態では、スラリー中の固体基質成分のサイズは、約10ミクロン〜約10,000ミクロンであってよい。例えば、サイズは、約50、100、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000または9000ミクロン超であってよい。あるいは、サイズは、約50、100、500、750、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000または9000ミクロン未満であってよい。いくつかの実施形態では、サイズは、約10ミクロン〜約50ミクロン、約10ミクロン〜約100ミクロン、約10ミクロン〜約200ミクロン、約10ミクロン〜約500ミクロン、約10ミクロン〜約750ミクロン、または約10ミクロン〜約1000ミクロンである。他の実施形態では、サイズは、約100ミクロン〜約1000ミクロン、約100ミクロン〜約750ミクロン、約100ミクロン〜約500ミクロン、または約100ミクロン〜約250ミクロンである。

0228

本発明のいくつかの実施形態では、スラリーの有機物質成分および/またはスラリーの固体基質成分の粒度分布および粒子表面電荷特性は、例えば、混合時に、所与の固形物含有量に対し最小粘度を得るための望ましいスラリー特性を与えるように最適化されてよい。使用される所与のスラリー中の固体成分の最適粒径および/または粒子表面電荷は、標準的な技術を使って当業者により容易に決定できる。例えば、一連のスラリーを生成することが可能で、その系列中のそれぞれの試料は、その他の試料に比べて、異なる粒径および/または異なる濃度の固体成分を含んでよい。その後、それぞれのスラリーは、保存された一連の反応条件下で本発明の方法に従って処理することができる。その後、固体有機物質成分の最適粒径および/または粒子表面電荷は、当該技術分野の標準的な技術を使って、それぞれのスラリーから生成された生成物の分析および比較に基づいて決定できる。

0229

触媒
本発明は、本明細書記載の方法を使った有機物質のバイオ生成物への変換用に適した触媒源として、蒸解廃液の使用を意図しているが、所望であれば、固有の触媒および/または追加の触媒を用いてもよい。

0230

「固有の触媒」は、例えば、有機物質供給原料、水性溶媒、および/または反応器装置容器壁のいずれか1つまたは複数などの所定の反応構成成分中に生来存在する触媒、または、処理プロセス中にインサイツで形成される触媒である。

0231

本明細書で使用される場合、「追加の触媒」は、供給原料スラリー中に含まれる蒸解廃液中に存在する触媒化合物を補うための、および本発明の方法に従って処理される有機物質供給原料中に固有に存在する触媒化合物、本発明の方法に従って使用されるいずれかの溶媒中に固有に存在する触媒化合物、本発明の方法を実施するために使用される固体基質中に固有に存在する触媒化合物および/または本発明の方法を実施するために使用される反応器装置の壁に固有に存在する触媒化合物を補うための、供給原料スラリーおよび/または反応混合物中に組み込まれる触媒である。

0232

追加の触媒添加物(単一または複数)(すなわち、固有の触媒中のものを超える)の使用は、特定の状況では有利な場合があるが、当業者なら、本発明の方法はそれらを使わなくても実施可能であることを理解するであろう。

0233

本明細書で意図された触媒添加物は、本発明の方法を使って、有機物質(例えば、リグノセルロース系供給原料および/または褐炭などの石炭)からのバイオ燃料の形成を高める任意の触媒であってよい。この触媒添加物の非限定的例には、塩基触媒、酸触媒、アルカリ金属水酸化物触媒遷移金属水酸化物触媒、アルカリ金属ホルメート触媒、遷移金属ホルメート触媒、反応性カルボン酸触媒遷移金属触媒スルフィド触媒、貴金属触媒水性ガス転化触媒、およびこれらの組み合わせが挙げられる。好適な触媒は、例えば、「Methodsfor biofuel production」という名称の米国特許出願公開第2012/0311658A1号に記載されている。この出願公開の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

0234

特定の実施形態では、追加の触媒または追加の触媒の組み合わせは、溶媒に対して、約0.1%〜約10%w/vの触媒、約0.1%〜約7.5%w/vの触媒、約0.1%〜約5%w/vの触媒、約0.1%〜約2.5%w/vの触媒、約0.1%〜約1%w/vの触媒、または約0.1%〜約0.5%w/vの触媒の量で使用してよい。

0235

下表1は、本発明の方法で用いてよい代表的な種々の追加の触媒およびそれらが触媒し得る対応する反応をまとめたものである。

0236

本発明の方法で使用するための追加の触媒は、当該技術分野において既知の化学的方法を使って作製および/または市販品入手源から購入してよい。

0237

本発明の方法を実施する際の、追加の触媒を適用してよいタイミングに関して、特段の制限は存在しないことは理解されよう。例えば、触媒添加物(単一または複数)は、目標反応温度および圧力に加熱/加圧する前に、目標反応温度および圧力に加熱/加圧中に、および/または反応温度および圧力に到達後に、有機物質、溶媒、蒸解廃液、固体基質、油性添加物、または1種または複数のこれらの成分の混合物(例えば、スラリー)に加えてよい。追加の触媒が適用されるタイミングは、使用される供給原料の反応性に依存し得る。例えば、高い反応性の供給原料は、目標反応温度および圧力の近くまたはその温度および圧力で追加の触媒を適用することにより恩恵を受けることがあり、一方、反応性の低い供給原料は、追加の触媒を適用するためのより広いプロセスウィンドウを有し得る(すなわち、触媒は、目標反応温度および圧力への到達前に添加してよい)。

0238

追加の触媒は、反応混合物を加熱および/または加圧する前に、反応混合物の加熱および/または加圧中に、および/または反応混合物が所望の反応温度および/または反応圧力に到達後に、本発明による処理に使用される反応混合物に加えてよい。

0239

油性成分
いくつかの好ましい本発明の実施形態では、スラリー、反応混合物、またはその両方は、油性添加物と混合した有機物質を含む。油性添加物は、反応において油性溶媒として機能し得る。油は任意の好適な油であってよく、この油の非限定的例には、パラフィン系油、ガス油、原油、合成油、石炭油、バイオオイル、シェール油/ケロゲン油、芳香油(すなわち、単環または多環成分またはこれらの混合物)、トール油、トリグリセリド油、脂肪酸、エーテル抽出物、ヘキサン抽出物、および前に記載のいずれかの成分の任意の混合物が挙げられる。油は、目標反応温度および/または圧力に到達前の、いずれの時点にスラリー混合物中に組み込まれてもよい。例えば、油は、スラリー混合タンク中でスラリーに添加してよい。追加でまたは代わりに、油は、反応器への途中でスラリーに、および/またはスラリーの加熱/加圧中に添加してもよい。

0240

特に好ましい実施形態では、油は、プロセスからリサイクルされたバイオオイル生成物である。例えば、生成されたバイオオイルの一部を側流として取り出し、スラリー、反応混合物、またはその両方へリサイクルしてよい。

0241

いくつかの好ましい実施形態では、バイオオイルは、固体基質と組み合わせてリサイクルされ、それぞれがバイオ生成物の成分となる。例えば、固体基質と混合した生成されたバイオオイルの一部を、側流として取り出し、スラリー、反応混合物、またはその両方へリサイクルしてよい。

0242

本発明の方法により処理された有機物質を含むスラリー中の油性添加物の比率に関して、特段の制限は存在しない。例えば、スラリーは、約2重量%超の油、約5重量%超の油、約10重量%超の油、または約20、30、40、50、60または70重量%超の油を含んでよい。あるいは、スラリーは、約98重量%未満の油、約95重量%未満の油、約90重量%未満の油、または約80、70、60、50、40または30重量%未満の油を含んでよい。

0243

いくつかの好ましい実施形態では、スラリーは、約10重量%〜約30重量%の有機物質、約2重量%〜約15重量%の固体基質、および約50重量%〜約90重量%の溶媒を含み、溶媒は油および水性相の任意の比率の混合物である。

0244

いくつかの実施形態では、スラリーは、約40重量%〜約50重量%の油を含む。他の好ましい実施形態では、スラリーは、約45重量%の油を含む。

0245

他の好ましい実施形態では、スラリーは、0.5〜1.2:1の比率の供給原料/油を含む。油は、パラフィン系油であってよい。

0246

反応条件
本発明の方法では、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭などの石炭)は、本明細書に記載の蒸解廃液の存在下で、および必要に応じて油性添加物、固体基質、および/または添加触媒の存在下で、高められた温度および圧力の条件下、溶媒で処理して、バイオ生成物を生成してよい。

0247

本発明の方法を実施する際に使われる温度および圧力の具体的条件は、例えば、使用溶媒の種類、処理している有機物質供給原料の種類、処理している有機物質供給原料の物理的形態、反応混合物中の成分の相対的比率(例えば、溶媒、蒸解廃液、有機物質供給原料、および必要に応じて添加物油、触媒添加物、および/または任意の他の追加の成分(単一または複数))、使用される添加触媒(単一または複数)の種類(存在する場合)、保持時間、および/またはこの方法を実施する装置の種類を含む多くの異なる要因に依存し得る。これらおよびその他の要因は、所定の一連の状態を最適化するために、収率を最大化し、および/または処理時間を減らすように変更してよい。好ましい実施態様では、全てまたはほぼ全ての供給原料として使用される有機材料は、バイオ生成物(単一または複数)に変換される。

0248

所望の反応条件は、例えば、高められた温度および高められた圧力を維持できる好適な装置(例えば、亜臨界/超臨界反応器装置)中で実施することにより実現し得る。

0249

温度および圧力
本発明の方法では、反応混合物は目標温度および圧力で一定の時間(「保持時間」)供給され、処理され、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭などの石炭)のバイオ生成物(単一または複数)への変換を容易にする。本発明の方法を使って、有機供給原料のバイオ燃料への変換を促進するのに必要な温度および/または圧力は、処理している有機物質の種類および反応中の成分の相対比率(例えば、溶媒、蒸解廃液、有機物質供給原料、および必要に応じて添加油、触媒添加物、および/またはその他の任意の追加の成分(単一または複数))、使われる蒸解廃液の種類および量、保持時間、および/またはこの方法が実施される装置の種類を含む多くの要因に依存するであろう。本明細書で提供される本発明の記述に基づいて、当業者なら、所与の反応混合物に対する適切な反応温度および圧力を容易に決定できるであろう。例えば、所与の供給原料スラリーに対する最適反応温度および/または圧力は、使用される温度および/または圧力のみが異なる一連の反応を準備し、実行し、生成された目標バイオ生成物(単一または複数)の収率および/または品質を分析することにより、当業者により容易に決定され得る。反応混合物中の相対的成分の比率を変えることができ、同じ試験を同じまたは異なる温度および/または圧力で再度行うことができる。

0250

また、当業者なら、使用圧力スラリー成分およびスラリーにより誘導される圧力低下の関数であり、いずれかの特定の反応器設計(例えば、管直径および/または長さ、など)に強く依存することを理解するであろう。

0251

特定の実施形態では、本発明の方法を使った有機物質供給原料のバイオ生成物を生成する処理は、約150℃〜約550℃の温度および約10バール〜約400バールの圧力で実施してよい。反応混合物は、約150℃〜約500℃の温度(単一または複数)および約80バール〜約350バールの圧力(単一または複数)で維持されるのが好ましい。反応混合物は、約180℃〜約400℃の温度(単一または複数)および約100バール〜約330バールの圧力(単一または複数)で維持されるのがより好ましい。反応混合物は、約200℃〜約380℃の温度(単一または複数)および約120バール〜約250バールの圧力(単一または複数)で維持されるのがさらにより好ましい。

0252

好ましい実施態様では、反応混合物は、約200℃〜約400℃の温度(単一または複数)および約100バール〜約300バールの圧力(単一または複数)で維持される。

0253

他の好ましい実施形態では、反応混合物は、約250℃〜約380℃の温度(単一または複数)および約50バール〜約300バールの圧力(単一または複数)で維持される。

0254

他の好ましい実施形態では、反応混合物は、約320℃〜約360℃の温度(単一または複数)および約150バール〜約250バールの圧力(単一または複数)で維持される。他の好ましい実施形態では、反応混合物は、約330℃〜約350℃の温度(単一または複数)および約230バール〜約250バールの圧力(単一または複数)で維持される。他の好ましい実施形態では、反応混合物は、約340℃の温度および約240バールの圧力で維持される。

0255

他の好ましい実施形態では、反応混合物は、約320℃〜約360℃の温度(単一または複数)および約220バール〜約250バールの圧力(単一または複数)で維持される。

0256

特定の実施形態では、反応混合物は、約180℃を超える温度(単一または複数)および約150バールを超える圧力(単一または複数)で維持される。他の実施形態では、反応混合物は、約200℃を超える温度(単一または複数)および約180バールを超える圧力(単一または複数)で維持される。さらなる実施形態では、反応混合物は、約250℃を超える温度(単一または複数)および約200バールを超える圧力(単一または複数)で維持される。他の実施形態では、反応混合物は、約300℃を超える温度(単一または複数)および約250バールを超える圧力(単一または複数)で維持される。他の実施形態では、反応混合物は、約350℃を超える温度(単一または複数)および約300バールを超える圧力(単一または複数)で維持される。

0257

特定の実施形態では、本発明の方法で使用される溶媒は、その臨界温度を超えておよび/またはその臨界圧力を超えて(すなわち、溶媒の「臨界点」を超えて)加熱または加圧され得ることは理解されよう。したがって、溶媒の「臨界点」を超えて加熱または加圧される場合、溶媒は、「超臨界」溶媒となり得る。

0258

特定の実施形態では、本発明の方法で使用される溶媒は、その臨界温度および圧力未満(すなわち、溶媒の「臨界点」未満)のレベルに加熱または加圧され得る。したがって、溶媒の最大温度および/または最大圧がその「臨界点」の温度・圧力未満の場合は、溶媒は、「亜臨界」溶媒となり得る。好ましくは、「亜臨界」溶媒は、溶媒の「臨界点」に近いレベル(単一または複数)(例えば、臨界温度より約10℃〜約50℃低い温度および/またはその臨界圧力より約10気圧〜約50気圧低い圧力)に加熱および/または加圧される。

0259

いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される溶媒は、その臨界温度および圧力超および未満の両方のレベルに加熱および加圧(すなわち、異なる時点で、溶媒の「臨界点」超および未満に加熱および/または加圧)され得る。したがって、本方法を実施する際に、溶媒は、「亜臨界」と「超臨界の」状態の間で変動してよい。

0260

保持時間
目標温度および圧力に到達しているときに、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭など石炭)の変換が達成され得る具体的時間(すなわち、「保持時間」)は、例えば、処理している有機物質の種類および反応中の成分の相対的比率(例えば、溶媒、蒸解廃液、有機物質供給原料、および必要に応じて添加物油、触媒添加物、および/または任意の他の追加の成分(単一または複数))、および/またはこの方法を実施する装置の種類を含む多くの異なる要因に依存し得る。これらおよびその他の要因は、所与の方法を最適化するために、収率を最大化し、および/または処理時間を減らすように変更してよい。保持時間は、全てまたはほぼ全ての供給原料として使用される有機材料が、バイオ生成物(単一または複数)に変換されるのに十分であるのが好ましい。

0261

特定の実施形態では、保持時間は、約60分未満、45分、30分、25分、20分、15分、10分または約5分未満である。特定の実施形態では、保持時間は、約60分超、45分、30分、25分、20分、15分、10分または約5分超である。他の実施形態では、保持時間は、約1分〜約60分である。さらなる実施形態では、保持時間は、約5分〜約45分、約5分〜約35分、約10分〜約35分、または約15分〜約30分である。さらなる実施形態では、保持時間は、約20分〜約30分である。

0262

本明細書に記載の所与の一連の反応条件に対する最適保持時間は、保持時間のみが異なる一連の反応を準備し、実行し、生成されたバイオ生成物(単一または複数)の収率および/または品質を分析することにより、当業者により容易に決定され得る。

0263

加熱/冷却、加圧/除圧
有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭などの石炭)、溶媒、蒸解廃液、および必要に応じて、本明細書中で定義されている1種または複数の触媒添加物を含む反応混合物(例えば、スラリーの形態の)を、所与の時間にわたり目標温度および圧力にし得る(すなわち、温度/圧力が「保持時間」中維持される)。

0264

大きな比率の油性添加物を含まない反応混合物は、ある程度の溶媒をインサイツで生成するために、非常に高速初期変換を必要とする場合がある。しかし、本明細書に記載のように油を反応混合物中に混合することにより、油が追加の溶媒として機能することが可能となり、それにより、迅速な加熱/加圧の要件が緩和される。

0265

いくつかの実施形態では、反応混合物は、反応温度に到達する前に、別の予備加熱段階に供せられる。予備加熱段階は、完全反応混合物が形成される前に、供給原料スラリーに対し実施し得る。あるいは、予備加熱段階は、全ての反応混合物成分を含むスラリーに対し実施してもよい。いくつかの実施形態では、予備加熱段階は、供給原料スラリーまたは反応混合物の温度を約120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、または200℃の最大温度に上げる。他の実施形態では、温度は、約120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、または200℃未満まで上げられる。さらにその他の実施形態では、温度は、約100℃〜約200℃、約100℃〜約180℃、約100℃〜約160℃、約120℃〜約180℃、および約120℃〜約180℃、または約120℃〜約160℃に上げられる。

0266

連続フローステムでは、圧力は通常、ポンプを通過する時間中に(すなわち、ほぼ瞬間的に)大気圧から目標圧力まで変化し、一方、バッチシステムでは、その時間は、混合物を加熱するのに要する時間を反映することになろう。

0267

いくつかの実施形態では、反応混合物は、約30秒〜約30分の時間で目標温度および/または圧力になり得る。

0268

いくつかの実施形態では、反応混合物は、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約2分未満の時間で目標温度および/または圧力になり得る。

0269

特定の実施形態では、反応混合物はほぼ瞬間的に目標圧力になり得、および約20分未満、約10分未満、または約5分未満で目標温度なり得る。他の実施形態では、反応混合物はほぼ瞬間的に目標圧力になり得、および約2分未満で目標温度なり得る。他の実施形態では、反応混合物はほぼ瞬間的に目標圧力になり得、および約1分〜約2分で目標温度なり得る。

0270

追加でまたは代わりに、保持時間の完了後、生成された生成物混合物は、約10分未満、好ましくは約7分未満、より好ましくは約6分未満、好ましくは約4分〜約6分、より好ましくは約5分の時間で、約150℃〜約200℃、約160℃〜約200℃、好ましくは約170℃〜約190℃、およびより好ましくは約180℃に冷却され得る。初期の冷却期間後、温度は、冷却水性媒体(例えば、冷却水)中への急速放出により、同時除圧を伴いながら、周囲温度にまで下げられ得る。

0271

加熱/加圧および冷却/除圧のプロセスは、本発明の方法を連続フローシステム(下記の「連続流」の標題のセクション参照)で実施することにより促進し得る。

0272

連続流
本発明の方法を使った有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭などの石炭)からのバイオ生成物生成は、連続流の条件下でこの方法を実施することにより、支援され得る。

0273

本方法は、連続流の条件下で行うことが必要ではないが、そうすることにより、多くの有利な効果が得られる可能性がある。例えば、連続流は加速実施および/またはスラリーに加えられた熱および/または圧力の加速除去を促進し得る。これは、所望の速度の物質および熱移動、加熱/冷却および/または加圧/除圧の達成を支援し得る。連続流はまた、保持時間を厳密にコントロール可能にし得る。特定の作用モードに限定するものではないが、保持時間を厳密に調節する能力と共に、連続流条件下により促進された加熱/冷却および/または加圧/除圧の速度の増加が、スラリー加熱/加圧および/または冷却/除圧に伴う望ましくない副反応(例えば、重合)の発生の防止を支援することが想定される。連続流はまた、供給原料の反応表面からの油の輸送および「貯蔵」に関与する重要な機構であり得る乳化を助けると考えられる混合および剪断力を生成し、加えて、いわゆる「on−water触媒」のための界面表面積を提供するという理由から、有機物質のバイオ燃料への変換に係わる反応を高めると考えられる。

0274

したがって、好ましい実施態様では、本発明の方法は、連続流の条件下で実施される。本明細書で使用される場合、「連続流」という用語は、溶媒および蒸解廃液とスラリーの形態に混合された有機物質供給原料(固体基質、油性添加物および/または触媒添加物に内のいずれか1種または複数をさらに含んでよい)が、
(a)目標温度および圧力への加熱および加圧、
(b)目標温度(単一または複数)および圧力(単一または複数)で所定時間(すなわち、「保持時間」)の処理、および
(c)冷却および除圧、に供されるプロセスを意味し、
スラリーが、所定表面の長さ(または部分長さ)に沿った連続移動流中に維持される。本明細書で意図されている「連続流」条件は、開始点の加熱および加圧(すなわち、上記の(a))および終点の冷却および除圧(すなわち、上記(c))により規定されることは理解されよう。

0275

本明細書で意図されている連続流条件は、スラリーが連続移動流中で維持される限りにおいて、スラリーの流速に関し、何ら特段の制限を意味しない。

0276

所定の表面に沿ったスラリーの最小(体積非依存的)流速が、スラリー内の固体物質の沈降速度(すなわち、周囲溶液より大きい密度を有する懸濁粒子がスラリーの流れの底部に向かって(重力により)移動する終端速度)を超えるのが好ましい。

0277

例えば、スラリーの最小流速は、約0.01cm/秒超、約0.05cm/秒超、好ましくは約0.5cm/秒超およびより好ましくは約1.5cm/秒超であってよい。より高い流速は、体積流量および/または保持時間などの要因により影響を受け得る。これが次に、連続流の条件を維持するために使用される特定の反応器装置の構成要素により影響を受け得る。

0278

連続流条件は、例えば、好適な反応器装置で本発明の方法を実施することにより促進され得る。好適する反応器装置は通常、加熱/冷却、加圧/除圧およびスラリーの連続流が維持される反応構成要素を含む。

0279

好適な流速の使用(連続流条件下)は、スラリーが移動する特定の表面(例えば、反応器装置の容器壁)の長さに沿ったスケール形成を防ぐ点および/またはスラリー中および内への効率的熱伝達のための効果的な混合方式を生成する点で有利であり得る。

0280

バイオ生成物
本発明の方法を使って、有機物質供給原料(例えば、リグノセルロース系物質および/または褐炭などの石炭)からのバイオ生成物(単一または複数)を製造し得る。バイオ生成物(単一または複数)の性質は、例えば、処理した有機物質供給原料、および/またはこの方法で使用した反応条件/試薬を含む種々の異なる要因に依存し得る。

0281

特定の実施形態では、バイオ生成物(単一または複数)は、1種または複数のバイオ燃料(例えば、バイオオイル、チャー生成物、ガス状生成物)および化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品、有機酸、フラニクス、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、レボグルコサン、ソルビトール、シリトール(cylitol)、アラビニトール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)を含んでよい。

0282

通常、本発明の方法により製造されるバイオ生成物(単一または複数)は、バイオオイルを含むまたはそれから構成される。バイオオイルは、限定されないが、アルカン、アルケン、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコール、およびケトンの内のいずれか1種または複数などの化合物を含んでよい。バイオオイルは、限定されないが、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコール、およびケトン、ならびに樹脂および樹脂酸および樹脂酸に構造的に関連する化合物、アルカンおよびアルケン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール関連化合物、フランオリゴマー、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、ナフタレン、ならびにアルキルおよびアルコキシ置換ナフタレン、クレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノン、インデンおよびインデン誘導体を含む芳香族化合物などの化合物を含んでよい。

0283

バイオオイルは、限定されないが、炭水化物、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコールおよびケトン、樹脂および樹脂酸、および樹脂酸に構造的に関連する化合物、アルカンおよびアルケン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール関連化合物、フランオリゴマー、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、ナフタレンならびにアルキルおよびアルコキシ置換ナフタレン、クレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノン、インデンおよびインデン誘導体を含む芳香族化合物、の内のいずれか1種または複数を含んでよい水溶性水性相、ならびに、限定されないが、ワックス、アルデヒド、カルボン酸、炭水化物、フェノール、フルフラール、アルコール、およびケトン、ならびに樹脂および樹脂酸および樹脂酸に構造的に関連する化合物、アルカンおよびアルケン、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール関連化合物、フランオリゴマー、シクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンタノン、およびシクロヘキサノン、シクロペンテノン、アルキルおよびアルコキシシクロペンテノン、ナフタレン、ならびにアルキルおよびアルコキシ置換ナフタレン、クレゾール、アルキルおよびアルコキシフェノール、アルキルおよびアルコキシカテコール、アルキルおよびアルコキシジヒドロキシベンゼン、アルキルおよびアルコキシヒドロキノン、インデンおよびインデン誘導体を含む芳香族化合物の内のいずれか1種または複数の化合物を含んでよい非水溶性相、を含む多相を含んでよいが、これらに限定されない。

0284

バイオ生成物の他の非限定的例には、油性木炭(例えば、結合油を含む炭素木炭)、木炭、およびガス状生成物(例えば、メタン、水素、一酸化炭素および/または二酸化炭素、エタンエテンプロペンプロパン)が挙げられる。

0285

いくつかの実施形態では、バイオ燃料は、リグノセルロース系物質を含む有機物質から製造されてよい。バイオ燃料は、バイオオイルを含む液相を含んでよい。

0286

本発明の方法により製造されたバイオ燃料(例えば、バイオオイル)は、多くの有利な特徴を含み得る。これらの特徴の非限定的例には、酸素含量の低減、水素含量の増加、エネルギー含量の増加および安定性の向上が挙げられる。さらに、本発明の方法により製造されたバイオオイルは、液化生成物を含む単一油相を含み得る。生成物は、例えば、大量の水を蒸発させる必要性を解消する遠心分離を使って油相から分離し得る。

0287

いくつかの実施形態では、本発明の方法により作製されたバイオオイル生成物は、バイオオイルを精製溶媒中に溶解し、続いて、得られた溶液を濾過して粒子および不溶性物質を除去することにより精製し得る。バイオオイルを精製溶媒中に溶解することにより、バイオオイルの粘度を下げる効果が得られ、これにより、濾過プロセスを支援し得る。

0288

必要に応じて、精製溶媒を、蒸留に続けて濾過することにより、全体的にまたは部分的に回収し得る。例えば、減圧下で蒸留し、それにより油中残留水を別の相として分離させ、その後、水をデカンテーションなどの物理的手段により油から回収し得る。使用される精製溶媒が水と共沸混合物を形成する場合には、この性質も使用して、蒸留プロセス中にバイオオイルから水を除去し得る。

0289

バイオオイルが溶解する任意の精製溶媒を使用してよい。好適な精製溶媒の非限定的例には、アセトン、酢酸エチル、エタノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ケトン、アルコール、フラン、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。非限定的例のみの目的で示す、ライトサイクルオイル、ナフサ、および、例えば、約60℃〜約150℃の沸点を有するバイオオイルの留分などの本発明の方法によるバイオオイルの蒸留留分(すなわち、リサイクルしたバイオオイル生成物)を含む複雑な多成分精製溶媒を使用してもよい。

0290

本発明の方法により製造されたバイオオイルバイオ生成物は、約25MJ/kg超、約30MJ/kg超、より好ましくは約32MJ/kg超、より好ましくは約35MJ/kg超、さらにより好ましくは37MJ/kg、38MJ/kgまたは39MJ/kg超、および最も好ましくは約41MJ/kg超のエネルギー含量を含んでよい。バイオオイル生成物は、約20%未満の酸素、好ましくは約15重量%db未満の酸素、より好ましくは約10重量%db未満の酸素、さらにより好ましくは約8重量%db未満の酸素、さらにより好ましくは約7重量%db未満の酸素、および最も好ましくは約5重量%db未満の酸素を含んでよい。バイオオイル生成物は、約6重量%db超の水素、好ましくは約7重量%db超の水素、より好ましくは約8重量%db超の水素、およびさらにより好ましくは約9重量%db超の水素を含んでよい。本発明のバイオオイルの水素:炭素モル比は、約1.5未満、約1.4未満、約1.3未満、約1.2未満、または約1.0であってよい。

0291

本発明の方法により製造されるバイオオイルは、例えば、次の種類の化合物の内のいずれか1種または複数を含んでよい:フェノール、芳香族および脂肪族酸、ケトン、アルデヒド、炭化水素、アルコール、エステルエーテル、フラン、フルフラール、テルペン類多環式化合物、それぞれの上述の種類のオリゴマーおよびポリマー植物ステロール変性植物ステロール、アスファルテンプレアスファルテン、およびワックス。

0292

本発明の方法により製造された木炭または油性木炭バイオ生成物は、約20MJ/kg超、好ましくは約25MJ/kg超、より好ましくは約30MJ/kg超、さらにより好ましくは約31MJ/kg、32MJ/kg、33MJ/kgまたは34MJ/kg超のエネルギー含量を含んでよい。木炭または油性木炭生成物は、約20重量%db未満の酸素、好ましくは約15重量%db未満の酸素、より好ましくは約10重量%db未満の酸素、およびさらにより好ましくは約9重量%db未満の酸素を含んでよい。木炭または油性木炭生成物は、約2重量%db超の水素、好ましくは約3重量%db超の水素、より好ましくは約4重量%db超の水素、およびさらにより好ましくは約5重量%db超の水素を含んでよい。本発明の木炭または油性木炭生成物の水素:炭素モル比は、約1.0未満、約0.9未満、約0.8未満、約0.7未満、または約0.6未満であってよい。

0293

本発明の方法により製造される油性木炭バイオ生成物は、例えば、次の種類の化合物の内のいずれか1種または複数を含んでよい:フェノール、芳香族および脂肪族酸、ケトン、アルデヒド、炭化水素、アルコール、エステル、エーテル、フラン、フルフラール、テルペン類、多環式化合物、それぞれの上述の種類のオリゴマーおよびポリマー、アスファルテン、プレアスファルテン、およびワックス。

0294

本発明の方法により製造された木炭バイオ生成物(改良型PCI等価石炭)は、例えば、表面カルボキシおよびアルコキシ基ならびにカルボニルおよびエステルをもたらす部分的に酸素化された末端基を有する非晶質およびグラファイト炭素の混合物を含んでよい。

0295

本発明の方法により製造されたバイオ生成物は、1種または複数のバイオ燃料(例えば、バイオオイル、チャー生成物、ガス状生成物)および化学製品(例えば、プラットフォーム化学製品、有機酸、フラニクス、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、レボグルコサン、ソルビトール、シリトール(cylitol)、アラビニトール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)を含んでよい。

0296

本発明の方法により製造されるバイオ生成物は、洗浄し、および/または当該技術分野において既知の標準的な技術を使って個々の成分に分離してよい。

0297

例えば、バイオ燃料生成物(例えば、石炭の変換由来の)の固相および液相は、固体および液体分離の第1の段階で、圧力フィルタプレス、またはロータリーバキュームフィルターを通して濾過し得る。得られた固体生成物は、結合油を含む高炭素木炭を含み得る。特定の実施形態では、油は、例えば、熱蒸留により、または溶媒抽出により、木炭から分離してよい。得られた液体生成物は、低パーセンテージ軽油を含んでよく、これは、蒸発器により濃縮および回収してよい。

0298

本発明の方法により製造されるバイオ生成物は、いくつかの用途に使用し得る。例えば、バイオ燃料を、例えば、エタノール、ディーゼル燃料などを含むその他の燃料とブレンドしてよい。追加でまたは代わりに、バイオ燃料をより高級な燃料製品に改良してもよい。追加でまたは代わりに、バイオ燃料を、例えば、石油製品などとして直接に使用してよい。

0299

広範に記載されている本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく、具体的実施形態に示されているように、多くの変形および/または修正を行い得ることが、当業者には理解されよう。従って、本実施形態は、すべての点で例示と見なされるべきものであり、限定するものと見なされるべきではない。

0300

実施例
本発明について、以降で具体的な実施例を参照して説明するが、これは、多少なりとも限定するものであると解釈されるべきではない。

0301

下記の実施例において、使用した熱化学変換プロセスは、「Cat−HTR」とも呼ばれる。

0302

実施例1:黒液添加物を使った供給原料からのバイオオイル製造
材料および方法
オーストラリアラジアータマツを黒液と共に実験し、黒液の触媒作用および好適な操作温度確定した。同様にして、水酸化ナトリウムを使い、その後、黒液を使って、ホッグフューエル試験を別に行った。最後に、ホッグフューエル、SPF木材チップ、および製紙スラッジを含む混合供給原料を黒液で処理した。

0303

供給原料に対し前処理試験を行い、小パイロットプラント(SPP)の仕様に合わせて準備した。小パイロットプラント中で供給原料の乾式粉砕、続けて、Cat−HTR処理を行い、供給原料からの、特に、ホッグフューエル、SPF木材チップ、スラッジおよび黒液の混合物からのバイオ原油(バイオオイル)の製造に成功した。

0304

得られたバイオ原油は、無水無灰基準の総発熱量(GCV)が33〜36MJ/kgの範囲であった。比較してみると、ディーゼル燃料のGCV(またはエネルギー含量)は45MJ/kg、未処理乾燥木材では約18〜21MJ/kgである。Licellaは、この範囲の初期エネルギー含量を有するラジアータマツ木粉から蒸留して得たバイオ原油の水素化処理に成功し、完成燃料への進んだ処理段階での精製所の流れと適合する炭化水素を得ることができることを示した。黒液のアルカリ無機成分は、Licellaで通常高エネルギー密度バイオ原油を製造するために使われているアルカリ触媒置換可能であることがこの試験で確認された。すなわち、液相バイオマスを反応器に供給するのに加えて、黒液は、Cat−HTRプロセスで追加のアルカリ触媒を加える必要性をなくすことができる。試験で使用した最高比率の黒液は、0.65部の黒液に対し、約1部の乾燥木材供給原料であった(分析は表4の通り)。この場合には、使用した最高レベルの黒液は、SPPの作製材料と適合する硫黄のレベルおよびプラントの安全操作に適合する発生炉ガス中の硫化水素予測レベルにより決定した。

0305

供給原料試験のまとめ
供給原料調製
使用した供給原料は下記とした。
−SPF木材チップ(エゾマツ−モミ−マツ木材チップ)
−ホッグフューエル(木材チップ、樹皮、などを含む木材残渣)
−製紙スラッジ
−黒液。

0306

乾燥量基準で約100kgのそれぞれの固体供給原料を得た。ほとんどの種類の供給原料で、処理の前にある程度の前処理が必要であった。固体材料は水または他の溶媒中のスラリーとして処理され、固体材料の粒径は、高圧で圧送可能なスラリーを生成するにの好適な大きさである。小パイロットプラント(SPP)は、その小さいポンプバルブオリフィスのために、市販設備より強力な供給原料の粉砕が必要である。SPPのために、特に、最大粒径を約150ミクロン直径まで小さくするのが好ましい。湿式および乾式粉砕の両方を使用したが、SPPに必要なより小さい粒径のために、通常は、乾式粉砕を採用した。

0307

固体供給原料調製
湿式粉砕作業後に、木材チップ、ホッグフューエルおよびスラッジ供給原料の乾式粉砕を、改良型圧縮空気ジェットミルを使って、契約会社のAximillで行った(照会先:http://www.aximill.com)。供給原料は、約10%の水分で供給した(しかし、この報告内の供給原料質量は、乾燥量基準で示す)。粒径は130ミクロン以下に小さくなり、典型的な粒度分布データは要求があれば利用可能である(しかし、この供給原料は、SPP特有であり、その後の大規模試験興味の対象になりそうもない)。試験した供給原料分析を以下に示し、本明細書の供給原料分析セクションでの、近似分析元素分析、および灰成分分析を含む。

0308

Cat−HTR用の黒液調製
受入時のままの黒液(表4の通り)を水で100体積%に希釈した。小パイロットプラントのポンプの仕様に適合するように、希釈した混合物を250ミクロンのふるいを通して濾過し、プラスチックおよび木材チップなどの大きすぎる粒子および混入物を除去した。除去した材料の量は、全体試料の無視できる比率であった。その後、濾過、希釈した黒液を、種々のレベルでCat−HTR用の他の供給原料に添加するためのストック液として使用した。このストック液は、「ストック黒液」と呼ばれる。

0309

実験のまとめ
個々の実験の詳細説明は、実施例2に示す。下表3は、この調査過程で実施した全実験を結果に関係なくまとめたものである。

0310

化学分析
近似分析
バイオ原油および供給原料の近似分析方法。
試料を量し、るつぼ中900℃で加熱、AS2434.2に従って揮発性物質および固定炭素を測定。揮発性物質および固定炭素は供給原料に対してのみ示される。

0311

固体供給原料および油性生成物灰分収率は、HRL method 1.6に従って実施される。試料は蓋なし坩堝中重量変化が無くなるまで、815℃で保持される。

0312

近似分析の結果は、灰分、揮発性物質および固定炭素で、これらは、試料質量の乾燥量基準パーセンテージとして測定される。結果から、供給原料の「反応性」、および予測「固形物」の量の推定が可能となる。

0313

元素分析
元素分析は、HRL method 1.4 sample in a CHN analyser、により行われる。
元素分析は、試料の最も重要な元素−炭素、水素、窒素、硫黄および酸素の分析である。酸素含量は、それが試料のエネルギー含量と逆相関するので、重要な指標である。Cat−HTRプロセスは、操作条件に従って、酸素を保持または除去するように稼働できる。バイオ原油の目標化学的比率または目的に応じて、残りの酸素を水素化により精製所段階で減らして、最高エネルギー密度を得てもよく;または酸素は、フェノールを含む酸素化された化学供給原料として、バイオ原油内に保持される(樹脂および可塑剤ならびに医薬品の化学前駆物質用として)。水素および炭素は、バイオ原油のエネルギー含量に対する主要寄与元素である。硫黄は、Cat−HTRプラントの材料選択のために着目すべき対象であり、硫黄は、Cat−HTRプラントの資本コストに影響を与える1つの因子である。バイオ原油中の硫黄は、酸素や窒素と一緒に、精製所の水素化処理ユニット中でまたは専用水素化処理装置中で除去できる。硫黄は、HRL method 1.14により、炉内に取り付けられたICPまたは硫黄アナライザーで測定される。油性生成物中の硫黄レベルは、USEPA method 5050により測定される。総発熱量は組成物の直接的な結果である。それは、試料の燃焼により利用できるエネルギーを表す。高レベル塩素またはクロリドはプラント鋼材腐食する可能性があるので、塩素が測定される。

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