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課題・解決手段

本発明は、調節可能なエネルギー分布研究用原子炉放射線対象物照射すること、および対象物から熱を除去すること、の分野のものである。本発明は第1の態様では原子炉用の改善された照射設備に関し、第2の態様では照射を受けた対象物から熱を除去する方法および照射のエネルギー分布/中性子ガンマ線流量比を調節する方法に関し、第3の態様では前述の方法により得られる生成物に関する。

概要

背景

本発明は、対象物への原子炉放射線照射の分野のものである。

原子炉は継続的な核分裂連鎖反応を開始および制御するための装置である。原子炉は発電のための原子力発電プラントとして用いることができ、同様に、例えば推進力のために用いることもできる。いくつかの反応炉は、医療用および工業用同位体を製造するために用いられるか、あるいは同様に例えば核兵器用のプルトニウムの製造に用いられる。いくつかの反応炉は研究のためにのみ稼働している。

本件反応炉は核分裂反応炉に関する。これは、ウラン核が2つ以上のより軽い原子核分裂し、それにより運動エネルギーを放出し、本出願の観点において特に注目したいのはガンマ線および自由中性子を放出することである。核分裂連鎖反応は、これらの自由中性子の一部で、放出の後に他の核分裂性核種に吸収されることがあってそれにより更なる核分裂事象が引き起こされるものによって発生する。核分裂連鎖反応を制御するために、中性子毒および中性子減速材があり、これは更なる核分裂を引き起こす中性子の割合を変化させるためのものである。こうした減速材の例には、標準的な(軽い)水や重水、および固体黒鉛が含まれる。

照射は同位体、特に放射性核種を生成するために行われる。同位体は、特定の(与えられた)化学元素変種である:与えられた元素の全ての同位体は、それらの原子中の陽子の数が共通して同じであり、中性子数が異なる。放射性核種は、不安定な核を有する原子であり、これは、原子核内に新しく生成される放射性粒子や原子内電子へ付与されている余分なエネルギーを特徴とする原子核である。放射性核種は、このプロセスにおいて、放射性崩壊を経て、以下の1つ以上のものを直接的または間接的に放出する;光子、電子、陽電子、あるいはアルファ粒子。これらの粒子は電離性放射線を構成する。放射性核種は自然に発生することもあれば、原子炉などにおいて人工的に製造することも可能である。

放射性核種の核種数ははっきりしていない。いくつかの核種は安定しており、いくつかは崩壊する。崩壊は半減期によって特性付けられる。人工的に製造された核種を含めて、3300種を超える核種(3000種ほどの放射性核種を含む)が知られており、60分未満の崩壊半減期を有するものが数多く(2400程度よりも多く)含まれている。これのリストは、非常に短い半減期を有する新しい放射性核種が同定されるにつれて拡張していく。

放射性核種は、化学者および物理学者には放射性同位元素または放射性同位体として言及されることが多い。適切な半減期を有する放射性同位体は、いくつかの建設的技術(例えば核医学)において重要な役割を果たす。

現在方式によれば、対象物は原子炉で生成された放射線に曝されて、核反応を引き起こすようにされる。中性子エネルギーは、核反応の種別と実効率に依存するパラメータと考えられる。中性子の(連続的な)エネルギー分布は、異なるエネルギーの中性子を持つ元素の同一同位体あるいは他の同位体の、同時/並行核反応をもたらすことが見出されている。ここで意図的な核反応は、他の反応によって干渉され、目的の用途を限定するのがよい。

軽水減速炉の設備における中性子線のエネルギー分布は、対象物自体を多量のカドミウムホウ素を含むシールド材で覆い、それによって1eVを下回るエネルギーを持つ中性子の割合部分(熱中性子の割合部分)をほぼ完全に吸収し、熱外中性子高速中性子を残すことによって変えることができる。よく「熱外中性子活性化」と呼ばれるこの方法は、所望の核反応が1eVより高いエネルギーの中性子で起こり、干渉核反応が主に熱中性子で起こる場合に適用される。カドミウムおよびホウ素を含有するシールドの利用は、重水減速炉では、シールド後に残存する熱外中性子および高速中性子が非常に少ないため、適用されない。

中性子の他に、典型的には高エネルギーベータ線およびガンマ線も原子炉内で生成され、いわゆる遅延ガンマ)線も生成される。高エネルギーガンマ線は、(ガンマ、n)タイプの核反応に使用することができ、中性子欠乏核を生じる。制御下にない放射線の発生は、対象物に照射を行うにあたって、例えば放射線がその対象物を破壊する可能性があるので、重大な懸念である。照射用の対象物や設備が原子炉に入ると、それにアクセスすることは厳しく制限され、または禁止されることに留意されたい。

中性子のいわゆる共鳴窓フィルタを使うことが説明されており、これは、これまで中性子物理測定のための中性子ビーム内にしか適用されていないアプローチにおいてはっきりと定められた条件に関するものである。

ターゲット冷却の観点から、典型的には液体窒素が使用される。これは、多くの応用例にとって実用的ではない。

いくつかの最近の動向を以下に説明する。

特許文献1には、核衝撃による放射性同位元素の調製のためのターゲットおよびその組立方法が提供されている。衝突されるべき金属試料は、金属支持構造内に封入され、得られたターゲットは、その間に拡散結合を生じさせるために熱および圧力にさらされる。 結合したターゲットは、サンプルに熱的なダメージを与えることなく、核衝撃への長時間の曝露に耐えることができる。

特許文献2は、ヨウ素125の製造に利用可能な内部循環照射カプセルおよび関連する製造方法を説明している。キセノンガスで満たされた照射カプセルは、下部照射部と、上部照射部と、中性子制御部材とを有する。下部照射部は、炉心照射口に挿入され、大量の中性子が直接照射される。キセノンガスに中性子が照射されると、キセノンガスからヨウ素125が生成される。上部照射部は照射口から突出しており、ヨウ素125は対流により上部照射部へ移動して上方部において固化する。中性子制御部材は、上方部における中性子を低減して、高純度かつ高放射能のヨウ素125を大量に生成する。

特許文献3は、運転中の商用原子炉の複数の計装筒内に放射性同位体を生成する装置および方法を説明している。照射ターゲットは動作中に挿入および複数の計測筒から取り除かれることがあり、さもなくば商用原子炉の動作中には利用できない放射性同位体に変換される。例示の装置は、原子力プラントの動作中に計装筒へのアクセスを防ぐためのアクセス障壁、例えば封じ込め建造物ドライウェル壁、あるいはその他のアクセス制限措置などの外部からアクセス可能ないくつかの異なる起点および終端点において、利用可能な放射性同位元素または他の所望の材料に変換されるべき照射ターゲットを、連続的に挿入、除去、保管できる。例示のシステムは、摘出へと続く所望の照射のために、複数の計装筒内の照射ターゲットを同時に維持することができる。

概要

本発明は、調節可能なエネルギー分布の研究用原子炉放射線を対象物へ照射すること、および対象物から熱を除去すること、の分野のものである。本発明は第1の態様では原子炉用の改善された照射設備に関し、第2の態様では照射を受けた対象物から熱を除去する方法および照射のエネルギー分布/中性子/ガンマ線流量比を調節する方法に関し、第3の態様では前述の方法により得られる生成物に関する。

目的

これは、ウラン核が2つ以上のより軽い原子核に分裂し、それにより運動エネルギーを放出し、本出願の観点において特に注目したいのはガンマ線および自由中性子を放出することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

以下のものを備える原子炉用の移動可能な照射設備ホルダと、試料受け入れるための少なくとも1つの開口部と、適合フィルタ。この適合フィルタは、「バンドギャップフィルタと、特定のエネルギーの阻止媒体と、ガンマ線発生器と、これらの組み合わせを含むことができる。この適合フィルタは、以下のうち少なくとも1つを行うためのものであるか、または、以下のうち少なくとも1つを有する。中性子の少なくとも1つの特定種に対する試料のシールドベータ線の少なくとも1つの種に対する試料のシールド、ガンマ線の少なくとも1つの種に対する試料のシールド、中性子用の少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ベータ線用の少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ガンマ線用の少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ガンマ放射線の特定種の発生。

請求項2

適合フィルタが少なくとも1枚のシートを含み、この少なくとも1枚のシートは、互いに背後に配置される、請求項1に記載の照射設備。

請求項3

各シートが個別に、厚みと、構造と、有効厚みを有し、これは中性子の少なくとも1つの特定種の吸収と、ガンマ線の少なくとも1つの特定種の吸収と、ベータ線の少なくとも1つの特定種の吸収と、前述の特定種の予め定められた割合の吸収と、ガンマ放射線の特定種の予め定められた割合の発生と、のうち少なくとも1つを行うために選択される、請求項2に記載の照射設備。

請求項4

前記フィルタまたはその少なくとも一部が取り外し可能である、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項5

フィルタのバンドパスエネルギーが、0〜0.5keV、0.5〜5keV、10〜30keV、100〜200keV、250〜500keV、0.6〜5MeVおよびこれらの組み合わせから選択され、そして種類がベータ線、ガンマ線、中性子、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つである、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項6

シート材料がPb,Cd,Ni,Sc,Fe+Cr,Fe+Al+S、およびSi+Tiから選択される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項7

フィルタが空のモジュールを含み、この空のモジュールが窒素などのガスといった不活性材料で満たされている、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項8

シールドを受け入れるための少なくとも1つのスロットをさらに備える、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項9

少なくとも1つのシールドの構造および被覆のためにアルミニウム合金が使用される、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の照射設備。

請求項10

照射対象物からの熱の除去、エネルギー分布の調節、中性子線強度の調節、ガンマ線強度の調節、の少なくとも1つを行う方法であって、放射線を放出するための放射線源を設ける工程と、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の照射設備にて照射対象物のシールドを行うステップと、を含む方法。

請求項11

少なくとも1つの熱中性子が吸収され、特定のエネルギー分布の中性子が吸収され、特定のエネルギー分布のガンマ線が吸収され、特定のエネルギー分布のベータ線が吸収され、特定のエネルギー分布を有するガンマ線が生成される、請求項10に記載の方法。

請求項12

対象物内の過剰な熱が外部手段によって除去される、請求項10ないし請求項11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の照射設備の使用法であって、放射線種のエネルギー分布の操作の1つ以上について、5eV未満のエネルギーの中性子を吸収し、熱外中性子高速中性子を発生させる。高エネルギーガンマ線を発生させるとともに、低エネルギーガンマ線を発生させる。

請求項14

請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の方法で得られる生成物であって、その生成物が、(ポリ乳酸などの)有機分子を含む166Ho同位体、有機分子を含む99Mo同位体、有機金属分子内の177+177mLu、から選択されるものであり、かつ/または100GBq/gを超える比放射能を有する同位体であること。

技術分野

0001

本発明は、調節可能なエネルギー分布原子炉放射線対象物照射すること、および対象物から熱を除去すること、の分野のものである。本発明は第1の態様では原子炉用の改善された照射設備に関し、第2の態様では照射を受けた対象物から熱量を除去しつつ照射のエネルギー分布/中性子ガンマ線流量比を調節する方法に関し、第3の態様では前述の方法により得られる生成物に関する。

背景技術

0002

本発明は、対象物への原子炉放射線照射の分野のものである。

0003

原子炉は継続的な核分裂連鎖反応を開始および制御するための装置である。原子炉は発電のための原子力発電プラントとして用いることができ、同様に、例えば推進力のために用いることもできる。いくつかの反応炉は、医療用および工業用同位体を製造するために用いられるか、あるいは同様に例えば核兵器用のプルトニウムの製造に用いられる。いくつかの反応炉は研究のためにのみ稼働している。

0004

本件反応炉は核分裂反応炉に関する。これは、ウラン核が2つ以上のより軽い原子核分裂し、それにより運動エネルギーを放出し、本出願の観点において特に注目したいのはガンマ線および自由中性子を放出することである。核分裂連鎖反応は、これらの自由中性子の一部で、放出の後に他の核分裂性核種に吸収されることがあってそれにより更なる核分裂事象が引き起こされるものによって発生する。核分裂連鎖反応を制御するために、中性子毒および中性子減速材があり、これは更なる核分裂を引き起こす中性子の割合を変化させるためのものである。こうした減速材の例には、標準的な(軽い)水や重水、および固体黒鉛が含まれる。

0005

照射は同位体、特に放射性核種を生成するために行われる。同位体は、特定の(与えられた)化学元素変種である:与えられた元素の全ての同位体は、それらの原子中の陽子の数が共通して同じであり、中性子数が異なる。放射性核種は、不安定な核を有する原子であり、これは、原子核内に新しく生成される放射性粒子や原子内電子へ付与されている余分なエネルギーを特徴とする原子核である。放射性核種は、このプロセスにおいて、放射性崩壊を経て、以下の1つ以上のものを直接的または間接的に放出する;光子、電子、陽電子、あるいはアルファ粒子。これらの粒子は電離性放射線を構成する。放射性核種は自然に発生することもあれば、原子炉などにおいて人工的に製造することも可能である。

0006

放射性核種の核種数ははっきりしていない。いくつかの核種は安定しており、いくつかは崩壊する。崩壊は半減期によって特性付けられる。人工的に製造された核種を含めて、3300種を超える核種(3000種ほどの放射性核種を含む)が知られており、60分未満の崩壊半減期を有するものが数多く(2400程度よりも多く)含まれている。これのリストは、非常に短い半減期を有する新しい放射性核種が同定されるにつれて拡張していく。

0007

放射性核種は、化学者および物理学者には放射性同位元素または放射性同位体として言及されることが多い。適切な半減期を有する放射性同位体は、いくつかの建設的技術(例えば核医学)において重要な役割を果たす。

0008

現在方式によれば、対象物は原子炉で生成された放射線に曝されて、核反応を引き起こすようにされる。中性子エネルギーは、核反応の種別と実効率に依存するパラメータと考えられる。中性子の(連続的な)エネルギー分布は、異なるエネルギーの中性子を持つ元素の同一同位体あるいは他の同位体の、同時/並行核反応をもたらすことが見出されている。ここで意図的な核反応は、他の反応によって干渉され、目的の用途を限定するのがよい。

0009

軽水減速炉の設備における中性子線のエネルギー分布は、対象物自体を多量のカドミウムホウ素を含むシールド材で覆い、それによって1eVを下回るエネルギーを持つ中性子の割合部分(熱中性子の割合部分)をほぼ完全に吸収し、熱外中性子高速中性子を残すことによって変えることができる。よく「熱外中性子活性化」と呼ばれるこの方法は、所望の核反応が1eVより高いエネルギーの中性子で起こり、干渉核反応が主に熱中性子で起こる場合に適用される。カドミウムおよびホウ素を含有するシールドの利用は、重水減速炉では、シールド後に残存する熱外中性子および高速中性子が非常に少ないため、適用されない。

0010

中性子の他に、典型的には高エネルギーベータ線およびガンマ線も原子炉内で生成され、いわゆる遅延ガンマ)線も生成される。高エネルギーガンマ線は、(ガンマ、n)タイプの核反応に使用することができ、中性子欠乏核を生じる。制御下にない放射線の発生は、対象物に照射を行うにあたって、例えば放射線がその対象物を破壊する可能性があるので、重大な懸念である。照射用の対象物や設備が原子炉に入ると、それにアクセスすることは厳しく制限され、または禁止されることに留意されたい。

0011

中性子のいわゆる共鳴窓フィルタを使うことが説明されており、これは、これまで中性子物理測定のための中性子ビーム内にしか適用されていないアプローチにおいてはっきりと定められた条件に関するものである。

0012

ターゲット冷却の観点から、典型的には液体窒素が使用される。これは、多くの応用例にとって実用的ではない。

0013

いくつかの最近の動向を以下に説明する。

0014

特許文献1には、核衝撃による放射性同位元素の調製のためのターゲットおよびその組立方法が提供されている。衝突されるべき金属試料は、金属支持構造内に封入され、得られたターゲットは、その間に拡散結合を生じさせるために熱および圧力にさらされる。 結合したターゲットは、サンプルに熱的なダメージを与えることなく、核衝撃への長時間の曝露に耐えることができる。

0015

特許文献2は、ヨウ素125の製造に利用可能な内部循環照射カプセルおよび関連する製造方法を説明している。キセノンガスで満たされた照射カプセルは、下部照射部と、上部照射部と、中性子制御部材とを有する。下部照射部は、炉心照射口に挿入され、大量の中性子が直接照射される。キセノンガスに中性子が照射されると、キセノンガスからヨウ素125が生成される。上部照射部は照射口から突出しており、ヨウ素125は対流により上部照射部へ移動して上方部において固化する。中性子制御部材は、上方部における中性子を低減して、高純度かつ高放射能のヨウ素125を大量に生成する。

0016

特許文献3は、運転中の商用原子炉の複数の計装筒内に放射性同位体を生成する装置および方法を説明している。照射ターゲットは動作中に挿入および複数の計測筒から取り除かれることがあり、さもなくば商用原子炉の動作中には利用できない放射性同位体に変換される。例示の装置は、原子力プラントの動作中に計装筒へのアクセスを防ぐためのアクセス障壁、例えば封じ込め建造物ドライウェル壁、あるいはその他のアクセス制限措置などの外部からアクセス可能ないくつかの異なる起点および終端点において、利用可能な放射性同位元素または他の所望の材料に変換されるべき照射ターゲットを、連続的に挿入、除去、保管できる。例示のシステムは、摘出へと続く所望の照射のために、複数の計装筒内の照射ターゲットを同時に維持することができる。

先行技術

0017

米国特許第3955093号明細書
米国特許出願公開第2006/0126774号明細書
米国特許出願公開第2013/0315361号明細書

発明が解決しようとする課題

0018

上記の文献は、特定の核種のエネルギー分布を調節するための具体的な措置を述べていない。

0019

そこで本発明は、原子炉のための改善された照射設備と、照射を受けた対象物から熱量を除去しつつ照射のエネルギー分布/中性子/ガンマ線流量比を調節する方法と、前述の方法により得られる生成物に関するものであり、これは機能性および利点を損なうことなく、先行技術の上記の問題および欠点の1つまたは複数を解決し、信頼性の高い結果をもたらすものである。

課題を解決するための手段

0020

[本発明の簡略的説明]
本発明は、請求項1に記載の改良された原子炉用照射設備と、請求項10に記載の照射を受けた対象物から熱量を除去しつつ照射のエネルギー分布/中性子/ガンマ線流量比を調節する方法と、請求項13に記載の使用法と、請求項14に記載の前述の方法により得られる生成物に関するものである。

0021

本照射設備は、原子炉に向かってまたは原子炉から移動可能であり、原子炉の内部で移動可能である。またその一部、例えば試料適合フィルタ、あるいはこれらの一部なども設備内で移動可能であり、当然ながら放射線の観点から非常に注意払う。結果として、施設の寸法は50×50×50cm3などに制限される。このホルダーは、その開口部を介して試料を受け取ったり、適合フィルタを受け取ったりすることができる。

0022

適合フィルタは、「バンドギャップフィルタを含むことができ、特定のエネルギーの阻止媒体を含むことができ、ガンマ線発生器、およびそれらの組み合わせを含むことができる。

0023

一般に、バンドギャップ(またはバンドパス)フィルタは、ある範囲内の周波数を通過させ、その範囲外の周波数を拒絶減衰)する装置と考えられている。本出願では、バンギャップフィルタにより、特定のエネルギー(および同種のもの)が通過することが可能になる。

0024

本発明者らは、照射について、意図的な使用を除いて、かろうじ測定可能材料欠陥から部分的または完全な分解まで変化する照射を受けた物質放射線損傷を引き起こすと判明することも特定した。放射線損傷の程度は、照射を受けた物質、物体に衝突する中性子およびガンマ線のエネルギー分布、そして対象物の温度に依存し、部分的には中性子の吸収および即発核反応生成物を原因とする熱励起に起因する。傾向として、有機物質は、典型的には、無機物質よりも放射線損傷の影響を受けやすいが、水和水または硝酸イオンを含む無機化合物においても分解が起こることが知られている。結果として、本フィルタを適用する必要があり得る。

0025

照射の持続時間が長くなると放射線損傷が増加することがわかっている。これは、典型的には、有機組成物の材料における高い比放射能の放射性核種の生成を制限する。本発明は、原子炉による核医学的放射性同位体生成において使用される(有機)物質の放射線損傷を低減する。これは、照射中の特定エネルギーの望ましくない(ガンマ、中性子)放射線による物質の暴露を低減することによって、またさらに照射中の温度上昇を低減することによって、達成される。本発明は、照射時間を延長することによって実質的により高い比放射能を有する有機化合物に結合した、または有機化合物の一部となる放射性同位体の生成を提供する。

0026

本発明は、意図された核反応速度と妨害核反応速度との比が向上でき、かつガンマ線が核反応のために必要に応じて使用されるか、または最大限減少され、対象物内の熱量を除去することができる(軽水減速)原子炉における使用のための、柔軟で移動可能な照射設備を提供する。

0027

本発明では、所望の核反応速度と妨害核反応速度との比の向上は、特定の組成物とはそれぞれ独立したモジュール遮蔽材料を有する本フィルタの使用によって達成することができる。これにより、例えば、所望のエネルギー範囲の中性子の数は、好ましくは妨害反応を引き起こす中性子の数を減らすことによってバイアスされる。フィルタは、好ましくはモジュール式であり、各モジュール(またはシート)は、放射フィルタリングし、他の放射のための窓を提供するということの観点において所定の特性を有する。各モジュールまたはシートは、その幅および長さ、例えば0.1mm〜5cmに比べて比較的薄いことが好ましい。各モジュールは、1つの材料から、または組み合わせた材料、例えば合金から形成することができる。また、モジュールのある部品が第1の材料から形成され、他の部分が第2の材料等々から形成されてもよい。典型的には、モジュールは、少なくとも1枚のシートを含み、各シートは特定の材料を含む。

0028

核反応のためのガンマ線の効果的な使用は、ニッケルのような適切な物質中での中性子捕獲によって高エネルギーガンマ線を生成し、続いてカドミウムのような中性子吸収物質中に残存する熱中性子を吸収することによって達成され得る。

0029

対象物からの熱量の除去は、例えば外部熱交換器を使用して4℃にまで冷却された原子炉プール水の流れによって達成される。

0030

本発明では、照射を受ける対象物は、矩形または円筒形照射端部を有する照射設備内に配置されてもよい。この形状は、原子炉のデザインおよび設備を配置するための利用可能な物理的空間に依存し得る。照射端部は、対象物を位置決めするための、そして中性子シールド物質および/またはガンマ線の複数のモジュールシート用の開口部を備えるのがよい(一例が図1に示されている)。アルミニウム合金は、シールド物質の構築および被覆に使用することができる。開口部は、円筒形でも矩形でもよい。

0031

設備は、遮蔽シート装填および取り外しのためのガイドと、原子炉の動作中における対象物の挿入および取り出しを補助する移送管とを備えるとよい。

0032

遮蔽シートは、それ単独で、または他の遮蔽シートと組み合わせて、照射端部に配置することができる。空のモジュール、すなわち、中性子またはガンマ線吸収物質を備えず、窒素などのガスで満たされたモジュールを用いて未使用シート位置を埋めることで、そうしなければ空隙部に満たされる水によって中性子流が減少することを防止することができる。

0033

シートは、案内レールシステムを用いて、照射端部から装填および装填解除することができる。このシステムは、照射端部を保管ラックに接続する。保管ラックは、未使用の遮蔽シートの位置決めのために設備の上部に接続されてもよい。保管ラックは、プール水面下で、許容可能な放射線量増強——シート内の放射化生成物により増強される——が原子炉設備ごとに設定された限界内にとどまる距離にあるとよい。

0034

炉心近傍のプールへの設備の位置決めおよび設置は、原子炉のデザインに依存してもよい。

0035

本発明は、ガンマ線シールドおよび中性子エネルギーシールドの最適な組み合わせについてユーザ固有の選択を可能にするモジュール構造を提供する。本発明はさらに、充分な冷却および容易な装填および装填解除を提供する。本発明は、長時間の照射時間を得ることを可能にし、それによって照射されたターゲットのより高い(特定の)放射能を提供することを可能にする。利点はあるものの、炉心付近への設備の配置および照射を受ける対象物の(最大)サイズなど、いくつかの制限が残っている。

0036

本発明は、適切な冷却を維持しながら、ガンマ線シールドおよび中性子共鳴フィルタの形状の観点、そして原子炉動作中のターゲットの位置決めおよび取り除きの観点の両方から、より大きな量に向けて高めていくために、ターゲット形状を考慮してさらに最適化される。

0037

これにより、本発明は、上述の問題および欠点の1つまたは複数に対する解決策を提供する。

0038

本説明の利点は、本明細書全体を通じて詳細に説明される。

図面の簡単な説明

0039

本発明の設備の一例を示す図。

実施例

0040

[本発明の詳細な説明]
本発明は第1の態様では、請求項1に記載の原子炉構成に関する。

0041

本発明のフィルタは、少なくとも1つの以下のことが可能、または以下の要素を備える:試料を中性子の少なくとも1つの特定種に対してシールドすること、試料を少なくとも1種のベータ線に対してシールドすること、試料を少なくとも1種のガンマ線に対してシールドすること、中性子用の少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ベータ線のための少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ガンマ線用の少なくとも1つのエネルギーバンドパスフィルタ、ガンマ線の特定種の発生。

0042

本設備の一例においては、適合フィルタは、少なくとも1枚のシートを含み、この少なくとも1枚のシートは、互いに背後に配置される。それにより、様々な特性、典型的には別々の特性を有する色々なシートを組み合わせることなどによって、シールドを容易に適合させることができる。

0043

本設備の一例においては、シートのそれぞれには厚さ、組成、および有効厚さが備わっている。これらは、シートごとに独立して選択することができ、その組み合わせ効果を考慮して選択するとよい。このパラメータは、以下のことを行うように選択される:中性子の少なくとも1つの特定の種を吸収し、少なくとも1つの種のガンマ線を吸収し、少なくとも1つの種のベータ線を吸収し、前述の特定の種の予め定められた割合を吸収し、ガンマ線の特定の種の予め定められた割合を生成する。これの例を挙げると、様々なフィルタが特定の中性子エネルギーを通過させ、入射する全てのガンマ線を遮断し、特定のガンマ線を発生させることができる。これにより、フィルタを構成する際に大きな自由度が得られる。

0044

本設備の一例では、フィルタまたはその少なくとも一部は取り外し可能である。取り外す場合、フィルタの一部は空のまま(または開いたまま)にするか、別のフィルタ要素で置き換えることができる。したがって、定められた実験/照射のために、適切なフィルタを構成することができる。

0045

本設備の一例では、フィルタのバンドパスエネルギーは、0−0.5keV、0.5−5keV、10−30keV、100−200keV、250−500keV、および0.6−5MeV、そしてこれらの組み合わせから選択され、その組み合わせは、異なる種に関連するものである。同様に、フィルタは、とある特定の種またはその組み合わせに適合させられているとよく、その種はベータ線、ガンマ線、および中性子のうちの少なくとも1つである。一例では、中性子の特定のエネルギー範囲が通過可能であり、同様にガンマ線の特定のエネルギー範囲が通過可能である。

0046

エネルギーまたはエネルギー分布について述べる場合、それは典型的には平均およびエネルギー範囲によって修飾される。

0047

本設備の一例では、シート材料は、Pb、Cd、Ni、Sc、Fe+Cr、Fe+Al+SおよびSi+Tiから選択される。Pbは十分に厚ければ、すべてのガンマ線を著しく遮断することが判明している。Cdは0.5keV未満の中性子の通過を許容し、Scは[0.5keV;5keV]中性子の通過を許容し、Fe+Al+Sは[10keV;30keV]中性子の通過を許容し、Si+Tiは[0.5keV;keV]中性子の通過を許容し、Ni,Fe,Crは8.9MeV超えのガンマ線の発生を可能にする。

0048

本設備の一例では、フィルタは空のモジュールを含み、この空のモジュールが窒素などのガスといった不活性材料で満たされる。したがって、空のスロット/シートは干渉を行わない。

0049

本設備の一例では、シールドを受け入れる少なくとも1つのスロットを備え、したがって、シールドは容易に取り外しおよび差し込みが可能である。この設備は任意に、装填手段および装填解除のための補助手段としてのガイドを備える。

0050

本設備の一例では、少なくとも1つのシールドの構造および被覆のためにアルミニウム合金が使用される。このアルミニウム合金は、比較的過酷な条件下で使用するにあたっての長期間にわたる耐久性のある材料を提供し、また試料の照射をほとんど妨害しない。

0051

第2の態様では、本発明は、請求項11に記載の本設備の方法に関する。これには照射対象物からの熱の除去、エネルギー分布の調節、中性子線強度の調節、ガンマ線強度の調節、の少なくとも1つが含まれる。この方法は、放射線の放出するための放射線源、例えば原子炉、を設ける工程と、先行の請求項のいずれかに記載の照射施設にて照射対象物をシールドする工程とを含む。対象物の照射は、典型的には熱を発生させ、この熱は(例えばその内部から)除去することが要求され得ることに留意されたい。対象物、典型的には試料、に適用されるエネルギー分布は、最適なエネルギー分布を有し、同様に種の組成も有し、これは予め定められることが可能であるか、典型的には予め決定されている。この最適分布を考慮して、本フィルタは対象物を適切にシールドすることに使用することができる。対象物は典型的には、本設備に導入される。

0052

本方法の一例では、少なくとも1つの熱中性子が吸収され、特定のエネルギー分布の中性子が吸収され、特定のエネルギー分布のガンマ線が吸収され、特定のエネルギー分布のベータ線が吸収され、特定のエネルギー分布、例えば8.9MeV超えのエネルギーを有するガンマ線が生成される。

0053

本方法の一例では、対象物内の過剰な熱が、外部手段、例えば水冷却器といった冷却ループによって除去される。望ましくない種を除去するにもかかわらず、例えばエネルギー分布の点では依然として対象物にいくらかの熱が発生する可能性がある。余分な熱が除去され、それによって損傷が減少したり、収率が改善されたりする。

0054

第3の態様では、本発明は、放射線種、例えば中性子またはガンマ線、のエネルギー分布を操作するための、請求項14に記載の使用法に関する。

0055

一例においては、本使用法は、5eV未満、例えば1eV未満のエネルギーの中性子を吸収するためのものである。異なるエネルギーレベルではあるが、β線およびγ線についても同様の使用法が想定される。

0056

一例においては、本使用法は、高エネルギーガンマ線、例えば8.9MeV超えのエネルギーを有するものを発生させるためのものである。本使用法は、低エネルギーガンマ線、例えば1.2eV未満のエネルギーを有するものを発生させるためのものであってもよい。

0057

第4の態様では、本発明は、本方法によって得られる生成物に関する。この生成物は、医学、(放射線)治療、(放射線)診断癌治療細胞照射などの生物学、化学物質科学に使用することができる。

0058

一例においては、本生成物は、有機分子(例えば、ポリ乳酸などの有機ポリマー)を含む166Ho同位体、有機分子を含む99Mo同位体、有機金属分子内の177+177mLu、から選択される。これらの生成物は容易に同定できる。

0059

一例においては、本生成物は、100GBq/gを超える比放射能を有する同位体、好ましくは125GBq/gを超える同位体、より好ましくは150GBq/gを超える同位体、さらにより好ましくは200GBq/gを超える同位体、例えば250GBq/gを超える同位体である。こうした生成物は、比放射能において従来技術から際立っており、その放射能は比較的見定めが容易である。

0060

本生成物は、例えば肝臓に関連する目的のため、診断、治療、放射線の発生、繊細な処置イメージング、ソフトベータの生成、などに使用され得る。前述の生成物において、生成物の放射線損傷および/または放射線学的分解および/または熱的分解は、本設備の使用の結果として、従来技術の技法と比較して少なくとも5〜10分の1に低減される。

0061

なお、「実質的」という用語は、測定、製造等の要素が例えば一致して特定の精度であることなどを示すことが意図されていることに留意されたい。

0062

以上の例および実施形態のうちの1つまたは複数は、本発明の範囲内において組み合わせられてもよい。

0063

[例]
本発明は、例示的かつ性質を説明するためのものであり本発明の範囲を限定するものではない添付の図面によってさらに詳細に説明される。当業者にとっては、自明的なまたは非自明的な多くの変形が本請求項によって規定される保護の範囲内において行えることが明らかである。

0064

ガンマ線流量を減らし、放射線損傷を減らすプロトタイプ設備が構築された。照射を受けたモリブデン含有有機化合物の溶解度は、シールドなしの照射と比較して6分の1に減少することが観察された。溶解度が低いほど、放射線損傷が少なくなり、損傷が顕著に低減された。

0065

ポリL−乳酸微小球に詰められた166Hoは、高い比放射能(例えば100GBq/gの166Ho)で生成されることが見出された。これは、ガンマ線シールドとターゲット冷却なしでは不可能であるとみられる。

0066

放射線損傷のこの実質的な減少は、例えば、Mo含有有機化合物は、中性子活性化98Moからの反跳によって分離される、無担体99Moの生成のさらなる発展を促進する。これは、(低濃縮度の)ウランの核分裂による99Mo製造に代わる安価な代替法と考えられる。

0067

同様に、本発明は、ポリ乳酸含有微小球における166Hoのより高い比放射能をもたらし、これらの化合物の用途を例えば癌治療にまで広げる。

0068

[図面]
本発明は詳細な説明の文中において説明されているが、添付の図面と併せると最も良く理解されるであろう。
図1は本発明の設備の一例を示している。

0069

[図面の詳細な説明]
図1は本発明の設備100の一例を示している。ここで、いくつかの空きスロット30が見られるものの、施設内にはいくつかのシート21が配置されている。シートはガイドを使用して導入および取り外しができる。各シートは照射を受ける試料または対象物をシールドするために、(1つまたは複数の)様々な厚さの色々な材料のものを含むことができる。試料は開口部10内に配置される。設備100全体およびその一部は移動可能である。

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