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技術 区域分離および坑井保全のための硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物

出願人 クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー
発明者 マーフィ,エリングエン,デュック・ブイベニング,ロバート・シー
出願日 2015年10月19日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2017-539522
公開日 2017年12月14日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-537209
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 圧力試験装置 変形レベル 発熱処理 汎用試験 カップリング度 超吸水性ポリマー 圧縮空気供給ライン 膨潤性成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、再封止可能で膨潤性反応性シーラントおよびフリーラジカル開始剤幅広く含む硬化性シーラント組成物に関し、前記再封止可能で膨潤性の反応性シーラントは、単官能性モノマー多官能性モノマー、不飽和スチレン系ブロックコポリマー等の反応性ポリマー、膨潤性添加剤、および任意の成分を含む。単官能性モノマーは、C9からC12の炭素原子を有するバーサチック酸ビニルエステル誘導体、またはモノアクリレートモノメタクリレートモノアクリルアミドまたはモノメタクリルアミドである。多官能性モノマーは、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートまたはそれらの混合物のようなビニルアクリレートメタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性三官能性、四官能性および/または五官能性のモノマーである。反応性不飽和ポリマーは、SBS、SIS、S−I/B−S、I−SEBS−I、およびこれらの2つ以上の混合物等のスチレン系ブロックコポリマーである。膨潤性添加剤は、SEBS、SEPS、SEEPS、およびI−SEBS−Iまたはこれらの混合物のような飽和ブロックコポリマーから選択される。フリーラジカル開始剤は好ましくは過酸化物であるが、他のものも許容される。

概要

背景

油井またはガス井掘削する一般的な手順は、掘削流体を用いて掘削孔を掘削することを含む。掘削孔を掘削した後、ケーシングの外側と掘削孔壁との間の環状部にセメントスラリーを入れる準備として、ケーシングが坑井の中に入れられる。良好なセメンチング作業を得るためには、セメントで環状部中の掘削流体またはの実質的に全てを置き換えることが必要である。この必要性は、掘削流体およびセメントが通常非相溶性であるため、未置換の泥およびフィルターケーキがセメンチング作業の不成功の原因となるという事実から生じる。従って、ほとんどの油性泥は、セメントの瞬時の硬化を引き起こすか、またはセメントの遅延剤として作用して、強度に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、ほとんどのセメントスラリーは、ほとんどの油性泥を凝集させ、増粘させる。セメントは、ケーシングの底部から環状部の上にポンプ輸送されるので、それは凝集した掘削泥ブロック部分を通って流路を形成することがある。加えて、未置換のフィルターケーキは、セメントが累層に結合するのを妨げる可能性があり、流路の源になることがある。さらに、セメントは硬化時に収縮して、流路の一因となることがある。

Shell Oil社のUS5382290号は、油中水型エマルジョン掘削流体を油井セメンチング手順で使用するための油泥−セメントスラリーに転化することができることを教示する。また、汎用流体は、油中水型エマルジョン掘削流体を用いて、掘削中にフィルターケーキを敷設するように水硬性材料で処理することにより調製することができ、これは、上記の油泥−セメントスラリーが掘削の終了時に掘削孔内に配置された後に硬質セメントに硬化され、累層に結合される。フィルターケーキが硬化し、累層面に永久に結合し、油圧シールを提供する場合、良好な区域分離が達成され得る。

Shell Oil社に譲渡されたUS5464060号は、坑井の掘削およびセメンチングに使用し、そのため掘削流体の除去を回避する組成物を開示しており、それは組成物を両方の機能のために使用することができるためである。「汎用掘削流体」は、掘削孔を掘削し、前記掘削孔の壁面に硬化可能なフィルターケーキを敷設するのに適した水硬性材料と混合された掘削泥の産物、およびフィルターケーキと混合可能または接触する活性化剤を含み、活性化剤はフィルターケーキを硬くし、硬化させるように機能する。活性化剤を適用する好ましい方法は、活性化剤を担持するセメントまたは泥−コンクリートスラリーを用いて通常のセメント作業を行うことである。活性化剤はまた、泥、スポッティング流体、またはピルと混合されてもよく、得られた流体は、セメンチング前に環状部を通ってスポッティングまたは循環されてもよい。活性化剤は、その後、フィルターケーキを通してろ過(拡散)され、それを固化させる。

Shellの発明によって実現される利点には、以下のものが含まれる。即ち、(1)汎用流体が、掘削流体として機能的かつレオロジー的に適している;(2)汎用流体によって敷設された硬化可能なフィルターケーキは、例えば、約3500psiのような比較的高い圧縮強度まで硬化する;(3)改良された区域分離は、累層およびセメンチング媒体に結合する硬化可能なフィルターケーキによって達成される;(4)硬化したフィルターケーキとセメンチング媒体との間の結合が非常に強い;(5)汎用流体が坑井内で掘削流体として使用される場合、泥を置き換えるか、または泥フィルターケーキを除去する必要はない。

良好な溶液粘度を達成することは、孔にポンプ輸送されるあらゆる流体にとって重要である。流体は、固体を懸濁するために低剪断速度で十分に高い粘度を有していなければならず、しかし過度ポンプ圧力を防止するために高剪断速度では十分に低い粘度を有さなければならない。流体のレオロジーを管理することは、坑井の制御および掘進率の向上には重要である。さらに、掘削流体を非常に深い裸孔にポンプ輸送するのに4から6時間かかることがあるが、掘削流体は迅速にゲル化して増粘する必要がある場合には、重要な時間的制約が望まれる。逆に、ポルトランドセメントがゲル化するのを24時間以上待つことは高価であり、設定時間内に坑井内で条件が変化し得、坑井を封止する上でのさらなる障害となる危険を冒す。

Shell Oil社のUS7343974号および7696133号は、C9からC11バーサチック酸ビニルエステル、少なくとも1つの二官能性もしくは三官能性アクリレートもしくはメタクリレートモノマー過酸化物開始剤、および不飽和スチレンブロックコポリマー、即ち、クレイトン(R) Dトリブロックコポリマーを含む掘削孔を強化するための組成物を開示する。バライト硫酸バリウム)のような増量剤が組成物に組み込まれる。

Halliburton Energy Services, Inc.のUS7530396号は、ポルトランドセメント等のセメント質材料、セメント質材料に結合する極性基を含む弾性材料、および水を含む自己修復セメント組成物を開示する。弾性材料は、ブタジエンアクリロニトリルコポリマーエチレンおよびアクリルコモノマーであってもよい。弾性材料には、式:−COORを有するカルボキシレート基等の極性基が結合される。セメント組成物が一旦硬化すると、周囲の構造が亀裂または破損すると、様々な流体が亀裂に染み込み、区域連通をもたらす場合がある。坑井内の温度が上昇するにつれて、深い地層から流体が流れる結果として、セメント組成物内の弾性材料が軟化し、液体への相変化すら起こして亀裂を自己修復できる。

マージンで、高度に破砕された、および他の困難な貯留層へのアクセスには、伝統的なセメント材料を用いることがますます困難になってきている。低い溶液粘度、良好な圧縮強度および延性のような機械的特性を有し、所望の区域内で制御可能に硬化することができる反応性シーラントは、そのような困難な坑井へのより良好なアクセスを可能にする。このような反応性シーラントの利点にもかかわらず、例えば、適切な流体の存在下での膨潤により硬化後の割れ目または亀裂を封止することができる材料に対する油田における必要性が存在する。さらに、油性泥の存在下で水硬性セメントが良好に機能しないことは周知である。従って、少なくとも20重量%の油性泥汚染の存在下で機械的特性の改善された保持(即ち、少なくとも約400psiの圧縮強度)を有する再封止可能な反応性材料が非常に望ましい。何故ならば、それは穴の清掃およびスペーサー流体の使用の両方の必要性を排除することができるからである。

概要

本発明は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラントおよびフリーラジカル開始剤幅広く含む硬化性シーラント組成物に関し、前記再封止可能で膨潤性の反応性シーラントは、単官能性モノマー多官能性モノマー、不飽和スチレン系ブロックコポリマー等の反応性ポリマー、膨潤性添加剤、および任意の成分を含む。単官能性モノマーは、C9からC12の炭素原子を有するバーサチック酸のビニルエステル誘導体、またはモノアクリレートモノメタクリレートモノアクリルアミドまたはモノメタクリルアミドである。多官能性モノマーは、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートまたはそれらの混合物のようなビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性、三官能性、四官能性および/または五官能性のモノマーである。反応性不飽和ポリマーは、SBS、SIS、S−I/B−S、I−SEBS−I、およびこれらの2つ以上の混合物等のスチレン系ブロックコポリマーである。膨潤性添加剤は、SEBS、SEPS、SEEPS、およびI−SEBS−Iまたはこれらの混合物のような飽和ブロックコポリマーから選択される。フリーラジカル開始剤は好ましくは過酸化物であるが、他のものも許容される。

目的

効果

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請求項1

封止可能で膨潤性反応性シーラントおよびフリーラジカル開始剤を含む硬化性シーラント組成物であって、前記再封止可能で膨潤性の反応性シーラントは、i)唯一フリーラジカル反応を受けやすい単官能性モノマー;ii)少なくとも2つのフリーラジカル反応を受けやすい部分が結合された多官能性モノマー;iii)反応性不飽和ポリマー;iv)膨潤性添加剤;およびv)存在する場合、その他の任意の成分を含む、硬化性シーラント組成物。

請求項2

前記単官能性モノマーが、C9からC12の炭素原子を有するバーサチック酸ビニルエステル誘導体、またはモノアクリレートモノメタクリレートモノアクリルアミドもしくはモノメタクリルアミドである、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項3

バーサチック酸の前記ビニルエステル誘導体が、式:C11H20O2またはC12H22O2で表される、請求項2に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項4

前記多官能性モノマーが、ビニルアクリレートメタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性三官能性、四官能性および/または五官能性モノマーである、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項5

前記多官能性モノマーが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、またはそれらの混合物である、請求項4に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項6

前記反応性不飽和ポリマーが、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、イソプレン−スチレン−水素化ブタジエン−スチレン−イソプレンブロックコポリマー、およびこれらの2つ以上の混合物のようなスチレン系ブロックコポリマーである、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項7

炭化水素の存在下で膨潤可能な前記膨潤性添加剤が、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、水素化スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、およびイソプレン−スチレン−水素化ブタジエン−スチレン−イソプレンブロックコポリマー、またはこれらの2つ以上の混合物のような飽和ブロックコポリマーの群から選択される、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項8

水の存在下で膨潤可能な前記膨潤性添加剤が、アクリルポリマーおよびメタクリルポリマーポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー架橋カルボキシメチルセルロースポリビニルアルコールコポリマー架橋ポリエチレンオキシド、およびポリアクリロニトリルデンプングラフト化コポリマーの群から選択される、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項9

塩水を膨潤させることができる前記膨潤性添加剤が、セルロースおよびアタパルジャイト粘土、またはそれらの混合物の群から選択される、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項10

前記フリーラジカル開始剤が、アゾ化合物アルキルもしくはアシルペルオキシドまたはヒドロペルオキシドケトペルオキシドペルオキシエステルペルオキシカーボネート、ペルオキシケタール、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項11

再封止可能で膨潤性の反応性シーラントおよびフリーラジカル開始剤を含む硬化性シーラント組成物であって、前記再封止可能で膨潤性の反応性シーラントは、i)唯一のフリーラジカル反応を受けやすい単官能性モノマー約50から約90重量%;ii)フリーラジカル反応を受けやすい複数種を有する多官能性モノマー約5から約50重量%;iii)反応性不飽和ポリマー約1から約15重量%;iv)膨潤性添加剤約1から約15重量%;およびv)合計が100重量%である成分iからivの全ての総重量に基づき、他の任意の成分0から約10重量%を含む、硬化性シーラント組成物。

請求項12

再封止可能で膨潤性の反応性シーラントの100重量部に基づいて、約0.25から約3重量%の前記フリーラジカル開始剤を含む、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項13

前記単官能性モノマーが、C9からC12の炭素原子を有するバーサチック酸のビニルエステル誘導体、またはモノアクリレート、モノメタクリレート、モノアクリルアミドもしくはモノメタクリルアミドである、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項14

バーサチック酸の前記ビニルエステル誘導体が、式:C11H20O2またはC12H22O2で表される、請求項13に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項15

前記多官能性モノマーが、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性、三官能性、四官能性および/または五官能性モノマーである、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項16

前記多官能性モノマーが、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、またはそれらの混合物である、請求項15に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項17

前記反応性不飽和ポリマーが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、イソプレン−スチレン−水素化ブタジエン−スチレン−イソプレンブロックコポリマー、およびこれらの2つ以上の混合物のようなスチレン系ブロックコポリマーである、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項18

炭化水素の存在下で膨潤可能な前記膨潤性添加剤が、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、水素化スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、およびイソプレン−スチレン−水素化ブタジエン−スチレン−イソプレンブロックコポリマー、またはこれらの2つ以上の混合物のような飽和ブロックコポリマーの群から選択される、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項19

水の存在下で膨潤可能な前記膨潤性添加剤が、アクリルポリマーおよびメタクリルポリマー、ポリアクリルアミドコポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールコポリマー、架橋ポリエチレンオキシド、およびポリアクリロニトリルのデンプングラフト化コポリマーの群から選択される、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項20

塩水を膨潤させることができる前記膨潤性添加剤が、セルロースおよびアタパルジャイト粘土、またはそれらの混合物の群から選択される、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

請求項21

前記フリーラジカル開始剤が、アゾ化合物、アルキルもしくはアシルペルオキシドまたはヒドロペルオキシド、ケトペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ペルオキシケタール、またはそれらの混合物である、請求項11に記載の硬化性シーラント組成物。

技術分野

0001

硬化性再封止性膨潤性反応性シーラント組成物油井中における区域分離および坑井保全のためのダウンホールシーラントとして適切である。この組成物は、典型的な油ベース掘削流体と同様のレオロジープロファイルを有し、強度、弾性および十分な封止を形成する能力をはじめとする、特性の良好なバランスを有する固体に制御可能に硬化することができる。硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラントの組成は、1)ビニルエステルアクリレートメタクリレートアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドのような単官能性モノマー;2)ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミド官能基を有する二官能性三官能性、四官能性または五官能性モノマーのような多官能性モノマー;3)不飽和スチレンブロックコポリマーのような反応性不飽和ポリマー;4)油および/または水の存在下で膨潤する膨潤性添加剤;5)フリーラジカル開始剤、および6)阻害剤懸濁化剤および/または流体損失添加剤のような任意の成分を含む。組成物は増量剤と組み合わせることができるが、その量および種類はそれぞれの坑井ごとに異なり、従ってそれは硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物の一部ではない。

背景技術

0002

油井またはガス井掘削する一般的な手順は、掘削流体を用いて掘削孔を掘削することを含む。掘削孔を掘削した後、ケーシングの外側と掘削孔壁との間の環状部にセメントスラリーを入れる準備として、ケーシングが坑井の中に入れられる。良好なセメンチング作業を得るためには、セメントで環状部中の掘削流体またはの実質的に全てを置き換えることが必要である。この必要性は、掘削流体およびセメントが通常非相溶性であるため、未置換の泥およびフィルターケーキがセメンチング作業の不成功の原因となるという事実から生じる。従って、ほとんどの油性泥は、セメントの瞬時の硬化を引き起こすか、またはセメントの遅延剤として作用して、強度に悪影響を及ぼす可能性がある。一方、ほとんどのセメントスラリーは、ほとんどの油性泥を凝集させ、増粘させる。セメントは、ケーシングの底部から環状部の上にポンプ輸送されるので、それは凝集した掘削泥ブロック部分を通って流路を形成することがある。加えて、未置換のフィルターケーキは、セメントが累層に結合するのを妨げる可能性があり、流路の源になることがある。さらに、セメントは硬化時に収縮して、流路の一因となることがある。

0003

Shell Oil社のUS5382290号は、油中水型エマルジョン掘削流体を油井セメンチング手順で使用するための油泥−セメントスラリーに転化することができることを教示する。また、汎用流体は、油中水型エマルジョン掘削流体を用いて、掘削中にフィルターケーキを敷設するように水硬性材料で処理することにより調製することができ、これは、上記の油泥−セメントスラリーが掘削の終了時に掘削孔内に配置された後に硬質セメントに硬化され、累層に結合される。フィルターケーキが硬化し、累層面に永久に結合し、油圧シールを提供する場合、良好な区域分離が達成され得る。

0004

Shell Oil社に譲渡されたUS5464060号は、坑井の掘削およびセメンチングに使用し、そのため掘削流体の除去を回避する組成物を開示しており、それは組成物を両方の機能のために使用することができるためである。「汎用掘削流体」は、掘削孔を掘削し、前記掘削孔の壁面に硬化可能なフィルターケーキを敷設するのに適した水硬性材料と混合された掘削泥の産物、およびフィルターケーキと混合可能または接触する活性化剤を含み、活性化剤はフィルターケーキを硬くし、硬化させるように機能する。活性化剤を適用する好ましい方法は、活性化剤を担持するセメントまたは泥−コンクリートスラリーを用いて通常のセメント作業を行うことである。活性化剤はまた、泥、スポッティング流体、またはピルと混合されてもよく、得られた流体は、セメンチング前に環状部を通ってスポッティングまたは循環されてもよい。活性化剤は、その後、フィルターケーキを通してろ過(拡散)され、それを固化させる。

0005

Shellの発明によって実現される利点には、以下のものが含まれる。即ち、(1)汎用流体が、掘削流体として機能的かつレオロジー的に適している;(2)汎用流体によって敷設された硬化可能なフィルターケーキは、例えば、約3500psiのような比較的高い圧縮強度まで硬化する;(3)改良された区域分離は、累層およびセメンチング媒体に結合する硬化可能なフィルターケーキによって達成される;(4)硬化したフィルターケーキとセメンチング媒体との間の結合が非常に強い;(5)汎用流体が坑井内で掘削流体として使用される場合、泥を置き換えるか、または泥フィルターケーキを除去する必要はない。

0006

良好な溶液粘度を達成することは、孔にポンプ輸送されるあらゆる流体にとって重要である。流体は、固体を懸濁するために低剪断速度で十分に高い粘度を有していなければならず、しかし過度ポンプ圧力を防止するために高剪断速度では十分に低い粘度を有さなければならない。流体のレオロジーを管理することは、坑井の制御および掘進率の向上には重要である。さらに、掘削流体を非常に深い裸孔にポンプ輸送するのに4から6時間かかることがあるが、掘削流体は迅速にゲル化して増粘する必要がある場合には、重要な時間的制約が望まれる。逆に、ポルトランドセメントがゲル化するのを24時間以上待つことは高価であり、設定時間内に坑井内で条件が変化し得、坑井を封止する上でのさらなる障害となる危険を冒す。

0007

Shell Oil社のUS7343974号および7696133号は、C9からC11バーサチック酸のビニルエステル、少なくとも1つの二官能性もしくは三官能性アクリレートもしくはメタクリレートモノマー過酸化物開始剤、および不飽和スチレンブロックコポリマー、即ち、クレイトン(R) Dトリブロックコポリマーを含む掘削孔を強化するための組成物を開示する。バライト硫酸バリウム)のような増量剤が組成物に組み込まれる。

0008

Halliburton Energy Services, Inc.のUS7530396号は、ポルトランドセメント等のセメント質材料、セメント質材料に結合する極性基を含む弾性材料、および水を含む自己修復セメント組成物を開示する。弾性材料は、ブタジエンアクリロニトリルコポリマーエチレンおよびアクリルコモノマーであってもよい。弾性材料には、式:−COORを有するカルボキシレート基等の極性基が結合される。セメント組成物が一旦硬化すると、周囲の構造が亀裂または破損すると、様々な流体が亀裂に染み込み、区域連通をもたらす場合がある。坑井内の温度が上昇するにつれて、深い地層から流体が流れる結果として、セメント組成物内の弾性材料が軟化し、液体への相変化すら起こして亀裂を自己修復できる。

0009

マージンで、高度に破砕された、および他の困難な貯留層へのアクセスには、伝統的なセメント材料を用いることがますます困難になってきている。低い溶液粘度、良好な圧縮強度および延性のような機械的特性を有し、所望の区域内で制御可能に硬化することができる反応性シーラントは、そのような困難な坑井へのより良好なアクセスを可能にする。このような反応性シーラントの利点にもかかわらず、例えば、適切な流体の存在下での膨潤により硬化後の割れ目または亀裂を封止することができる材料に対する油田における必要性が存在する。さらに、油性泥の存在下で水硬性セメントが良好に機能しないことは周知である。従って、少なくとも20重量%の油性泥汚染の存在下で機械的特性の改善された保持(即ち、少なくとも約400psiの圧縮強度)を有する再封止可能な反応性材料が非常に望ましい。何故ならば、それは穴の清掃およびスペーサー流体の使用の両方の必要性を排除することができるからである。

先行技術

0010

米国特許第5382290号明細書
米国特許第5464060号明細書
米国特許第7343974号明細書
米国特許第7696133号明細書
米国特許第7530396号明細書

課題を解決するための手段

0011

明細書および特許請求の範囲に記載されている全ての範囲は、範囲の終点だけでなく、範囲の終点の間のあらゆる考えられる数も含む。何故ならば、それがまさに範囲の定義だからである。

0012

本発明は、良好な弾性、靭性および強度を有する組成物を生成するために所望のボトムホール静的温度(BHST)の範囲で制御可能に硬化することができる典型的な油性または合成掘削流体と同様のレオロジープロファイルを有する組成物であり、さらに、この材料は、伝統的な水硬性セメントよりも油性泥の存在下でより良好な性能を有する。最後に、この材料は炭化水素および/または水の存在下で膨潤することができ、これは、硬化過程から生じることがある体積収縮回復、ならびに亀裂の形成時の再封止性および結果として生じる炭化水素、非水性流体および/または水の流入の両方を可能にする。本発明の硬化性シーラント組成物は、単官能性モノマー、多官能性モノマー、反応性不飽和ポリマー、膨潤性添加剤、フリーラジカル開始剤、場合により他の任意成分を含む、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物を含む。「単官能性モノマー」とは、ただ1つのフリーラジカル反応を受けやすいモノマーを意味する。「多官能性モノマー」とは、2つ以上のフリーラジカル反応を受けやすいモノマーを意味する。単官能性モノマーおよび多官能性モノマーの両方は、フリーラジカル反応性ではない他の反応性基を有してもよい。硬化性シーラントの重要な特性は、弾性率であり、弾性率は材料の全体的な靭性に影響を及ぼすだけでなく、反応性シーラントが膨潤するのに十分な程柔軟であることを可能にするのに十分低くなければならない。それが高すぎる弾性率を有する場合、シーラントは、炭化水素、他の非水性流体、および/もしくは水、またはこれらの組み合わせの存在下で膨潤するには硬すぎる。柔軟性は重要であるが、硬化性シーラントが周囲環境と良好に結合して十分な封止を形成する能力も同様である。特に、硬化性シーラントは、区域分離のためのダウンホールのシーラントとして適している。本発明の硬化性組成物は、1)ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドモノマーまたはこれらの2つ以上の混合物等の単官能性モノマー;2)ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性、三官能性、四官能性および五官能性モノマー、またはこれらの2つ以上の混合物等の多官能性モノマー;3)スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、S−I/B−Sもしくはi−SEBS−i(iは少量のイソプレンであり、EBは部分的に水素化されたブタジエン(エチレン−ブチレンとしても知られている)またはこれらの2つ以上の混合物のような、不飽和を有し、フリーラジカル反応が可能な反応性ポリマー;4)水、油、他の非水性流体、またはこれらの組み合わせの存在下で膨潤する膨潤性添加剤;5)1つ以上のフリーラジカル開始剤、および6)任意の添加剤、例えば、阻害剤、粘土、流体損失添加剤、垂下低減剤、および/もしくは当技術分野既知の他の添加剤またはこれらの組み合わせを含む。最初の4つの成分を加えると100重量%になる。フリーラジカル開始剤および任意の他の成分は、最初の4つの成分の総重量100部に関して特定される。

0013

重要な性能要件には、溶液状態での材料の粘度、液体から固体への迅速な移行(直角硬化)を有する制御可能な方式でのこの材料を硬化させる能力、硬化した複合材料の弾性および靭性、膨潤性、および油性流体の存在下でそれらの性能要件を維持する能力が含まれる。反応性シーラントは、広い温度および圧力範囲で液体のままであるように、低い溶液粘度を有することが望ましい。適切な温度範囲は0から180℃である。さらに、それは海洋の下の深い坑井条件をはじめとする、通常の坑井先端条件でポンプ輸送可能な液体でなければならない。海洋の1マイル下で液体を輸送するのに必要なポンプ圧力は、増量剤の量に応じて、約2500から3000ポンド平方インチである。本発明では、増粘時間試験(組成物が70BCに達する時間−表5参照)は10,000psiで行われることに留意されたい。この圧力は、本発明の組成物が海洋の1マイル下で実行可能であるのに十分過ぎる圧力である。実際には、本発明は10,000psiを超えても耐えることができる。

0014

本発明では、裸孔の端部またはポンプ輸送時に約25から約5,000センチポアズ(cP)の溶液粘度が十分であると考えられる。硬化性反応性シーラントを、特定の時間枠内、例えば、25分から10時間以内に硬化するよう作り上げて、必要な期間ポンプ輸送が可能となり、次いで所望の方法で坑井を封止するために硬化させることができる。膨潤性については、添加剤(単数または複数)は、水、油、他の非水性流体、またはこれらの組み合わせを、少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、最も好ましくは少なくとも100重量%(100重量%で、それはその元の重量の2倍である)まで吸収するにつれてその重量を増加させることによって膨潤することができることが望ましく、ここで組成物は増量されない、即ち、増量剤を含まない。

0015

特に、単官能性モノマーは、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の50から90重量%、より好ましくは50から75重量%、最も好ましくは55から70重量%の範囲の量で存在する。多官能性モノマーは、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の5から50重量%、より好ましくは10から30重量%の範囲で存在する。反応性不飽和ポリマーは、再封止可能で膨潤性の反応性シーラントの1から15重量%、好ましくは3から10重量%の範囲である。膨潤性添加剤は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラントの1から15重量%、好ましくは3から10重量%の範囲である。再封止可能で膨潤性の反応性シーラントの最初の4つの成分は合計100重量%である。最後に、フリーラジカル開始剤を、単官能モノマー多官能モノマー、反応性ポリマーおよび膨潤性添加剤の総重量100重量部に対して、0.05から5重量部、好ましくは0.3から3重量部、より好ましくは0.5から2重量部の量で添加する。任意の他の成分は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の最初の4つの成分の総重量に基づいて0から10重量部の範囲の量で存在することができる。増量剤の量は、組成物が必要に応じて約8から約18ポンド/ガロンの範囲にあるために必要なものである。量は坑井毎に異なる要因に依存する。それは全ての坑井に必要であるかもしれないが、増量剤は決して反応性シーラント組成物の一部ではなく、しかしそれは再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物と混合される。

0016

上記の範囲については、各範囲は開始および終了の数字とその間の各数字とを含み、各成分の範囲はそれが開始および終了の数字の限界の範囲内の任意の範囲を含むように制限されてもよい。坑井条件は深さ、温度、圧力、地層において異なり、1つの坑井が水、天然ガスおよび油層、またはそれらの任意の組み合わせに遭遇する可能性があるため、各成分に対しこの広い範囲が必要である。各坑井のための硬化性シーラントを配合するためには、必要な特徴を得るための成分のカスタム組み立てが必要である。

0017

再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物は以下の特徴を有する。即ち、裸孔の端部またはポンプ輸送時に約25から約5,000センチポアズ(cP)、好ましくは30から1000cPの溶液粘度;(油性または合成泥の不存在下に)硬化したときに400psiの最小圧縮強度;25から600分、好ましくは180から360分の硬化時間;110%まで(元の重量の2倍超過)の膨潤度;約20重量%までの油性泥、好ましくは30重量%までの油性泥、より好ましくは40重量%までの油性泥,最も好ましくは50重量%までの油性泥の存在下での延性および柔軟性等の機械的特性の保持である。

0018

図面は、本発明の理解を助けるために提供される。しかし、図面は、特許請求の範囲と矛盾した形で本発明を限定することを意味するものではない。

図面の簡単な説明

0019

実施例1、試験AからCについて、150°Fおよび10,000psiでのベアデン稠度単位(BC)で表される直角硬化対時間および分で表される時間を示すグラフである。
実施例1、試験DからGについて、200°Fおよび10,000psiでのベアデン稠度単位(BC)で表される直角硬化対時間および分で表される時間を示すグラフである。
0、10、20%の合成泥汚染を伴う実施例1のpsiで表される応力パーセントで表される歪みのグラフである。
実施例2および実施例3についてのpsiで表される応力対パーセントで表される歪みのグラフであり、反応性シーラントと従来のセメントとの間の圧縮強度および靭性を実証する。
3週間の油浸漬後の実施例15のpsiで表される応力対分で表される時間のグラフである。

0020

本発明は、溶液粘度、弾性、強度、靱性、油性泥との相溶性、広い温度範囲での安定性、および鋼への接着性をはじめとする、特性の良好なバランスを有するフリーラジカル開始剤を有する硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物に関する。ポルトランドセメントの主な性能要件は圧縮強度であるが、弾性率および靭性等の他の機械的特性は、シーラント性能の改善および機能寿命延長のためのより良好な指標となり得る。同等の条件下で圧縮強度はポルトランドセメントと同様であるが、反応性シーラントの靱性はポルトランドセメントよりもはるかに高くなり得る。靭性は、破損が起こる前に吸収することができる単位体積当たりのエネルギー量として定義される。それは破損時の応力−歪み曲線の下の面積を計算することによって定量化することができる。しかし、セメントについては圧縮強度のみが通常測定されるので、これらはダウンホールのシーラントの性能を決定するために典型的に必要とされる値である。約400psi以上の圧縮強度が必要と考えられている。さらに、硬化性シーラント組成物は、50重量%までの油性泥を含むことができる。溶液粘度は、それが流体のポンプ輸送性を測定するため重要な特徴である。高粘度を有する流体は、特に表面より1マイル下ではポンプ輸送が困難である。また、高粘度流体は、裸孔内での吹き出しを引き起こす可能性がある高圧のために弱い地下層に有害であり得る。深い坑井に対しては、約25から約5,000cPの間の溶液粘度により、妥当コストで流体をポンプ輸送することが可能になる。センチポイズでの粘度は、API RP10B−2、「Recommended Practice for Testing Well Cements」、12節、「Determination of Rheological Properties and Gel Strength」に従って測定される。

0021

膨潤性は本発明の本質的な特徴である。それは、硬化過程から生じるあらゆる体積収縮の回復を可能にすると共に、試料の硬化後において形成され得るあらゆる亀裂を封止することを可能にするという二重の目的を果たす。硬化性シーラントが硬化した後、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(上記の成分iからivのみ)は、組成物が、油、他の非水性液体および/または塩水をはじめとする水と接触すると、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の元の重量より少なくとも10%の量まで膨潤して、裂け目、亀裂および割れ目を封止することが重要である。

0022

「膨潤性」とは、本発明の組成物が最初に硬化した後、組成物が亀裂または裂け、油、他の非水性流体および/または水が亀裂または裂け目に浸透する場合、組成物の成分が油、他の非水性流体および/または水の存在下で膨潤し、反応性シーラント組成物の重量の少なくとも15重量%、好ましくは30重量%、より好ましくは60重量%、最も好ましくは100重量%超過、200重量%まで膨潤することを意味する。

0023

「再封止可能」とは、本発明の組成物が最初に硬化した後、組成物が亀裂または破損し、油、他の非水性流体、および/または水が亀裂または裂け目に浸透する場合に、それが再び封止するように膨潤性成分が十分に膨張することで組成物がそれ自身を再封止することを意味する。

0024

シーラントの硬化中に硬化性シーラント組成物が掘削泥と混ざり合うことが多いので、油性泥(OBM)または合成泥(SBM)との相溶性は重要である。掘削泥は土、泥、石の小片をケーシングの上部に運ぶ。坑井深さが満たされると、ケーシングパイプが導入され、所定の位置にセメンチングされる。硬化性シーラント組成物が約20から50重量%までのOBM/SBMを許容し、硬化時に十分な圧縮強度および靱性を達成することが重要であり得る。これにより、最初に掘削泥を片づけ、次いでケーシングおよび岩盤表面接着促進剤で処理することなく、裸孔のセメンチングが可能になり、潜在的にスペーサー流体の必要性が排除される。具体的には、硬化性シーラントは、ケーシングが裸孔内の定位置に固定されるように鋼ケーシングに対する良好な接着性をまだ有していなければならない。接着は、油または水の層等のあらゆる流体(液体および/または気体)を封止してパイプの外側表面上を移動するのを防ぐのに十分なものでなければならない。

0025

坑井が深くなる程、ケーシングの端部の温度が高くなることがよく知られている。熱によってポルトランドセメントが適切に硬化する能力が制限され、熱硬化すると圧縮強度がより弱くなる。有機過酸化物は、反応性シーラントを硬化させ、温度が上昇するにつれてより反応性になるフリーラジカル開始剤の一種である。反応性シーラントが所望の深さに達するまで硬化が起こらないことが重要である。直角硬化時間は、流体粘度が一定の最小値、即ち、70ベアデン稠度単位(BC)に達した時間の尺度である。従って、流体が70BCに達する時間は、これが、ゲル点と同様に流体がもはやポンプ輸送可能でないことを示すから、重要なパラメータである。この時間はわずか25分または600分以上の長さにすることができる。温度が高く、坑井が深い場合、硬化時間を遅くするために硬化遅延剤を組み込むことが必要な場合がある。商業的に入手可能なスコーチ保護フリーラジカル阻害剤またはスカベンジャーを用いて、活性酸素含有量を低下させることにより開始剤に対する熱の影響を低減することができる。より長い増粘(硬化)時間を生み出すことができるが、ほとんどの坑井は容易に50から600分の時間の範囲内とすることができる。

0026

本発明の硬化性、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物は、1)ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミドモノマーまたはこれらの2つ以上の混合物等の単官能性モノマー;2)ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミド官能基を有する二官能性、三官能性、四官能性および五官能性モノマー、またはこれらの2つ以上の混合物等の多官能性モノマー;スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、S−I/B−Sもしくはi−SEBS−i(iは少量のイソプレンであり、EBは部分的に水素化されたブタジエン(エチレン−ブチレンとしても知られている)またはこれらの2つ以上の混合物のような、不飽和を有し、フリーラジカル反応が可能な反応性ポリマー;4)水、油、他の非水性流体、またはこれらの組み合わせの存在下で膨潤する膨潤性添加剤;5)1つ以上のフリーラジカル開始剤、および6)任意の添加剤、例えば、阻害剤、粘土、流体損失添加剤、垂下低減剤、および/もしくは当技術分野で既知の他の添加剤またはこれらの組み合わせを含む。最初の4つの成分を加えると100重量%になる。フリーラジカル開始剤および任意の他の成分は、最初の4つの成分の総重量100部に関して特定される。

0027

本発明に適した単官能性モノマーは、ビニルエステル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミドもしくはフリーラジカル重合を受けやすい官能基を有する他のモノマー、またはこれらの2つ以上の混合物である。ビニルエステルは、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有し、好ましくはC9からC12のバーサチック酸のビニルエステルおよび長鎖脂肪酸のビニルエステル、またはそれらの混合物から選択される反応性エステル、またはエステルの混合物を含む。適切なビニルエステルは、式:C12H22O2で表されるバーサチック酸のビニルエステルであり、分枝構造を有する飽和モノカルボン酸であるVeoVa 10ビニルエステルである。それは低粘度で疎水性である。それはMomentive Specialty Chemicals Inc.から市販されている。他の適切なビニルエステルはデュポンのUS5886125号から知られている。オクチル−デシルアクリレート(C21H40O2)のようなアクリレートおよびメタクリレートは、Sartomerブランドの下で販売されており、他のブランドでも販売されており、好適な単官能性モノマーでもある。全単官能性モノマーは、再封止性で膨潤性の反応性シーラント(上記の成分iからiv)の50から90重量%の範囲、好ましくは50から75重量%の範囲、最も好ましくは55から70重量%の範囲である。

0028

本発明に適した多官能フリーラジカル反応性モノマーは、ビニル、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、またはメタクリルアミド官能基を有する二官能性、三官能性、四官能性および五官能性モノマー、またはフリーラジカル重合を受けやすい官能基を有し、架橋剤として機能する他のモノマーである。好適な多官能性モノマーは、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレートジシクロペンタジエニルメタクリレートおよび1,3−ブチレングリコールジメタクリレート(C12H18O4)、またはこれらの2つ以上の混合物である。好適な多官能性モノマーはSartomer USA、LLCから得られる。多官能性モノマーは、再封止性で膨潤性の反応性シーラント(上記の成分iからiv)の5から50重量%の範囲、好ましくは10から30重量%の範囲で存在する。

0029

反応性不飽和ポリマーは、8から18個の炭素原子を有するモノアルケニルアレーンおよび4から12個の炭素原子を有する共役ジエンの二、三、四元コポリマー(またはそれ以上)のブロックであってもよい。適切なモノアルケニルアレーンの例は、スチレン、メチルスチレンアルファメチルスチレンプロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ジフェニルエチレン、およびこれらの2つ以上の混合物であり、スチレンが好ましい。共役ジエンは、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ヘキサジエン、またはこれらの2つ以上の混合物から選択することができる。反応性ポリマーは、スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンをはじめとする、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、またはそれらの混合物等の不飽和トリブロックであってもよい。スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレンまたはそれらの混合物のような適切なジブロックが知られている。モノアルケニルアレーンの少なくとも1つのブロックおよび少なくとも1つの共役ジエンの他の適切なクアッドブロックまたはそれ以上(ペンタブロック等)も本発明の範囲内である。これらのブロックコポリマーは、ブロックの逐次重合により直鎖状構築することができ、または(S−B)nX(nはブロックコポリマーSBの2から8個のアームであり、Xはカップリング剤の残基である)のように、ブロックコポリマーの2つ以上のアームが生成されるようにカップリング剤を用いて構築することができる。このようなブロックコポリマーは、クレイトンポリマーズから市販されている。適切な不飽和反応性スチレンブロックコポリマーとしては、D1102、D1101、D1184、D1118、D1122、D1155、D1192、D0243およびDX220が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらの全てが満足のいくものであったが、D0243は溶液粘度、圧縮強度および接着強度最良組合せを有していた。

0030

本発明において有用な適切な反応性不飽和ポリマーは、水素化されておらず(即ち、不飽和であり)、そのため架橋性であり、重量平均分子量が100,000から450,000の間であり、10から40%の間のポリスチレン含量を有し、2から4の分岐度を有し、80%までのジブロックポリマーを有し、ビニル含量は少なくとも5モル%、好ましくは5から65モル%の間、最も好ましくは8から58モル%の間であり、ポリマーは、90%まで、好ましくは10から80%の間、より好ましくは15から80%の間のカップリング度を有し、フルシケンシャルであっても、またはカップリングしていてもよいスチレンブロックコポリマーである。反応性不飽和コポリマーは、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(上記の成分iからiv)の1から15重量%、好ましくは3から10重量%の範囲である。他の反応性不飽和ポリマーとしては、不飽和ポリエステル天然ゴムポリイソプレンポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴムSBR)、エチレン−プロピレンジエンゴム(EPDM)またはニトリルゴム(NBR)を挙げることができる。

0031

反応性不飽和ポリマーはまた、イソプレン−スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン−イソプレンのペンタブロックコポリマーであるI−SEBS−Iのような部分水素化ポリマーを含むことができる。このポリマーは、完全にまたは部分的に飽和したエチレン/ブタジエンの中間ブロックおよびイソプレンの実質的に不飽和の末端ブロックを有し、イソプレン反復単位の少なくとも25%が不飽和である。これは、反応性不飽和ポリマーおよび膨潤性添加剤の両方の機能を果たす。以下の表1は、2つの異なるI−SEBS−IおよびI−SEBブロックコポリマーの特性を列挙する。

0032

これらの反応性かつ膨潤性ポリマーが完全に不飽和である場合、それらは非常に強く架橋するので、前述のように「少なくとも15重量%の膨潤性」という最少値を達成するのに十分に膨潤しない。表1のポリマーは完全に不飽和ではない。不飽和度は、ブタジエンの残留不飽和が約12から約35%の範囲であり、イソプレンの不飽和が約40から約67%の範囲である表1に示されている。

0033

油または他の非水性流体の存在下で膨潤可能である添加剤は、ナフサ油または鉱油のような、油を含むおよび含まない水素化スチレンブロックコポリマーを含む飽和ポリマーである。油の存在下での適切な膨潤性添加剤の例としては、クレイトン・ポリマーズから入手可能であり、一般にクレイトンGおよび/またはFG型ブロックコポリマーとして識別されている、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)、水素化スチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン(SEEPS)、無水マレイン酸で官能化されたSEBS(MA−SEBS)、イソプレン−スチレン−水素化ブタジエン−スチレン−イソプレンブロックコポリマー(I−SEBS−I)およびこれらの2つ以上の混合物である。油の存在下で膨潤可能な他の添加剤としては、水素化ニトリルゴム(HNBR)、または水素化天然ゴムブチルゴム、またはシリコーンゴムが挙げられる。上述のI−SEBS−Iは、イソプレン末端ブロック中の不飽和を介して適切な反応性成分であり得、また飽和したSEBSブロックを介して適切な膨潤性添加剤成分であり得ることに留意されたい。膨潤性ポリマーは、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(4つの成分iからiv)の1から15重量%の範囲で存在する。I−SEBS−Iが反応性かつ膨潤性のポリマーの両方に使用される場合、それは再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の2から30重量%(単に反応性不飽和ポリマーおよび膨潤性ポリマーの量の加算)の範囲で使用される。

0034

水の存在下で膨潤可能であるポリマーは、ポリアクリルアミド等のアクリルポリマーまたはメタクリルポリマーである。これらのポリマーは、しばしば、Lubrizol Co.からのCarbopol(R)ポリマー等の超吸収性ポリマーと呼ばれる。しかし、そのようなポリマーの全てが塩水の存在下で吸収性であるわけではない。特定のゲル化超吸水性ポリマーは、塩の添加によって破壊され得る。塩水をゲル化させるために、膨潤性ポリマーの代わりに膨潤性添加剤としてアタパルジャイト粘土が通常使用される。アタパルジャイト粘土は、M−I Swaco、Schlumberger Co.から購入することができる。これらの添加剤は水の存在下で膨潤する。

0035

本発明の適用にはフリーラジカル開始剤が必要である。開始剤の使用は当該技術分野において既知であり、本発明は特定の種類に限定されることを意図するものではない。好適なフリーラジカル開始系としては、例えば、アゾ化合物アルキルもしくはアシ過酸化物もしくはヒドロペルオキシドケトペルオキシドペルオキシエステルペルオキシカーボネート、ペルオキシケタール、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。このような化合物活性化温度および半減期、換言すれば、反応が開始され大がかりになる温度で変化する。適切なアルキルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アシルペルオキシド、ペルオキシエステルおよびペルオキシケタールの例としては、ベンゾイルペルオキシドジベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシドジ−t−ブチルペルオキシドクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドメチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドジブチルペルオキシルシクロヘキサン、ジ−(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジイソブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、およびt−ブチルペルアセテート、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。開始剤は、「ゴム」が再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(成分iからiv)に等しい約0.05から約5.0phr(ゴム100部当たりの部)の総量で硬化性シーラント組成物中に使用することができ、好ましくは硬化性シーラント組成物の0.3から3phrである。

0036

他の成分もまた、油井の環境に応じて有益であり得る。例えば、アルケマブランドで販売されているようなスコーチ保護添加剤を使用して温度の影響を低減し、増粘時間および機械的特性をより良好に制御することができる。

0037

同様に、阻害剤は別の任意の成分であってもよく、本発明は特定の阻害剤に限定されるものではない。当業者は、適切な阻害剤を認識するであろう。フリーラジカル重合反応のための適切な阻害剤の例としては、例えば、ベンゾイルキノンパラベンゾキノン、第三ブチルカテコール等、およびそれらの混合物が挙げられ、それらは高温で有効性を示す。いくつかの阻害剤は、高温では十分に有効ではない。阻害剤のさらなる例としては、ヒドロキノン、例えば、メチルヒドロキノンおよびメチルエチルヒドロキノンが挙げられる。阻害剤の量は、所望のポットライフおよび硬化時間をはじめとする、問題の反応性の重合性ポリマーおよびモノマー成分に適合させる。一般に、任意の阻害剤は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(上記の成分iからiv)の約0.02から2phrの量で存在することができる。好ましい量は、適切な直角発熱処理をもたらす。直角発熱処理では、反応硬化性シーラント組成物を調整し、各坑井について「ダイヤルイン」することができるように、液体は、可変の硬化時間で急速に固体に硬化する。そのような処理は、90°の角度に近似する、稠度対時間グラフにおける急激な上昇によって証明されるように、直角硬化(cureおよびset)を与える。

0038

坑井内の温度が上昇し、例えば、150℃よりも高くなると、反応の進行が速すぎることがある。そのような高温では、阻害剤はフリーラジカルスカベンジャーとして作用し、重合があまりに速く進行するのを防止する。最終的には、阻害剤が使い果たされ、次いでフリーラジカル基が重合を開始し、それはその後自続する。いくつかの高温の坑井では、阻害剤は反応性を限られた量だけ減少させることができる。阻害剤が有効性を制限した場合、それは最適に望ましいであろうよりも低いという点において、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物における分子量および架橋度に悪影響があることがある。

0039

阻害剤以外の他の有用な添加剤は、有機物親和性粘土(Bentone(R) 38またはClaytone(R)SF等)または固体懸濁液のための他の懸濁剤、地層に対する流体損失を防止する流体損失添加剤、カップリング剤、染料、機能性スチレン系ブロックコポリマーおよび地層に対する流体の大きな損失を防止する逸泥材料であることができる。これらの他の任意の添加剤の総重量は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物(上記の成分iからiv)の0から10phrである。

0040

増量剤(高密度または低密度の添加剤)を硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物に添加してもよい。増量剤の量は坑井毎に異なるが、それは硬化性、再封止性、膨潤性の反応性シーラント組成物の計算の一部ではない。適切な高密度材料としては、例えば、ガレーナ、ヘマタイトマグネタイト酸化鉄イルメナイト、バライト、シダライト、セレスタイトドロマイトカルサイト酸化マンガン酸化マグネシウム酸化亜鉛酸化ジルコニウムスピネル等が挙げられる。一般に、これらの高密度添加剤は、2.6から約15の比重を有する。好ましい高密度増量剤は、バライト、即ち、硫酸バリウムである。

0041

低密度添加剤である増量剤は、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物をより軽量にする。適切な低密度添加剤としては、3Mによって販売されているもののようなグラスバブルズ、またはAkzo Nobelによって商品名Expancelで販売されているような発泡微小球が挙げられる。坑井の条件に耐えることができ、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物の成分と相溶性がある他の適切な低密度添加剤が適切であろう。一般に、これらの低密度添加剤により、組成物は増量添加剤を有さないときのそれの値よりも低い、約0.8の値までの比重を有する。

0042

[実施例1、レオロジー、増粘時間および圧縮強度の実証]
実施例1は、表2に示す組成に従って調製した。単官能性モノマーはVeoVa 10であり、多官能性モノマーはSR297(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)であった。反応性ポリマーはD0243(SBS)であり、膨潤性ポリマーはFG1901(MA−SEBS)であった。次いで、試料をBarimite XF硫酸バリウムで12.5lb/galまで増量した。この実施例の目的は、溶液レオロジーならびに増粘時間の制御ならびに油性流体汚染の存在下のレオロジーおよび圧縮強度を保持する能力を実証することであった。試料を汚染するために使用した流体は、M−I Swacoから得られた12.5lb/galのRheliant合成泥(SBM)であった。実施例1の試料を20、40、60および80重量%のSBMで汚染し、試料のそれぞれ80、60、40および20重量%の残部は表2に記載の組成であった。

0043

レオロジー測定は、Fann Model 35粘度計を使用して行った。せん断応力の測定は、77°Fおよび150°Fで3、6、100、200、300、および600rpmで行った。10秒および10分間のゲル強度測定を、77°Fおよび150°Fで3rpmで行った。結果を、lb/100ft2の単位のダイヤル表示値として報告する。ダイヤル表示値を使用して、塑性粘度PV=DR600−DR300;cP)および降伏点(YP=PV−DR300;lbs/100ft2)を計算した。結果を表3および表4に報告する。試料のいくつかについては、600rpmの表示値が記録されなかったので、PVおよびYPを計算できなかった。

0044

実施例1の増粘時間は、Chandler Pressurized Consistometerで得られ、図1および2に示され、増粘時間(70BCまでの時間)および試験条件を表5に報告する。温度および圧力を60分かけて設定点まで上昇させながら、150または200°Fのいずれかで10,000psiで試験を行った。150°F(試験A、BおよびC)で試験した実施例1の試料を、Barimite XF硫酸バリウムで9、12.5および14ppgまで増量し、0.75phrのLuperox ACP35(図1)で開始した。3つの曲線は、液体状態初期BC)から「増粘状態(70BC)」への移行が非常に短時間に起こる「直角」硬化が起こっていることを示す。このデータセットは、密度が増加するにつれて9ppgの試料の3:13(時間:分)から14ppgの試料の3:03(時間:分)までの増粘時間のわずかな増加を示す。

0045

200°Fで試験した実施例1の試料を、Barimite XF硫酸バリウムを用いて9ppg(試験DおよびE)または12.5ppg(試験FおよびG)のいずれかまで増量した。4つの試料全てが直角硬化を示した。図2を参照されたい。9ppgの試料については、それらは1.0(試験D)または3.0(試験E)phrのVulCup 40KEで開始した。1.0phrの場合、増粘時間は5:24(時間:分)であったが、3.0phrを含む試料は3:27(時間:分)のより速い増粘時間を有し、開始剤の濃度の変化により増粘時間を制御する能力を実証した。12.5ppgまで増量した試料は、開始剤の選択によって増粘時間を制御する能力を実証し、即ち、両試料を1.0phrのVulCup 40KE(試験F)またはLuperox 230XL40(試験G)のいずれかを用いて硬化させた。VulCup 40KEの試料は4:40(時間:分)の増粘時間を有し、Luperox 230XL40の試料は2:29(時間:分)の増粘時間を有していた。

0046

実施例1の試料を、0、10、20、30、40および50重量%のSBM(12.5ppgのRheliant掘削流体)で汚染し、試料の100、90、80、70、60および50重量%の残部は表1に記載の組成であり、Barimite XF硫酸バリウムを用いて12.5ppgに増量した。試料を1.0phrのLuperox 230XL40で開始し、600psiのN2下で93℃(200°F)で24時間2”×2”の金属スズ中で硬化した。次に、これらの試料を、API RP 10B−2に従って、16,000lbf/分で圧縮したInstron HR 6316汎用試験機を用いて試験した。結果を表6に示し、応力対歪み曲線を図3に示す。

0047

[実施例2および例3、弾性、靱性および強度の実証]
実施例2を本発明に従って調製し、表7に報告した。低粘度の単官能性モノマーはVeoVa 10であり、多官能性モノマーはSR297(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)およびSR833(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート)であった。反応性ポリマーはD0243(SBS)であり、膨潤性ポリマーはFG1901(MA−SEBS)であった。次いで、試料をBarimite XF硫酸バリウムで14lb/galまで増量した。試料を1.0phrのVulCup 40KEで93℃(200°F)で24時間硬化させた。

0048

実施例3は、25°Fのボトムホール静的温度(BHST)を有する坑井内で使用することができる14ppgのセメントスラリーの例であり、このスラリーの組成を表8に報告する。使用される濃度単位は、セメントの重量に対して(BWOC)、水の重量に対して(BWOW)、サック(sack)あたりのガロン(gal/サック)である。試料を120℃(250°F)で24時間硬化させた。

0049

実施例2および実施例3の両方についての代表的な圧縮強度データを図4に示す。実施例2の圧縮強度は1896psiであり、破断時の歪は48%であり、実施例3の圧縮強度は1767psiであり、破断時の歪は7.7%である。両方の試料は同様の極限圧縮強度を有するが、実施例2は破砕前にずっと高い変形レベルに耐える(再封止可能な膨潤性の反応シーラントの48%歪み対セメント試料の7.7%歪み)。ヤング率は材料の剛性の尺度であり、応力対歪み曲線における線形弾性領域の勾配から計算することができる。実施例2のヤング率は3,760psiであるのに対し、実施例3のヤング率は19,024psiであり、これは、実施例2が実施例3よりはるかに柔らかいことを意味する。材料の靭性は、破断点における応力−歪み曲線の下の面積を取ることによって定量化することができる。図4に示すように、実施例2の応力−歪み曲線の下の面積は、実施例3のそれよりもはるかに大きい。これは、セメント試料(実施例3)と比較して実施例2を破壊するには単位体積あたりの相当大きなエネルギーが必要であることを意味し、靱性は、単なる圧縮強度単独よりも材料の全体的な性能および機能的寿命の優れた指標であり得る。

0050

[実施例4から実施例9および比較例10から比較例13、油(Escaid 110鉱油)中での膨潤の実証]
実施例4から実施例9および比較例10から比較例13は、以下の表9に従って調製した。単官能性モノマーはVeoVa 10であり、多官能性モノマーはSR297(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)およびSR833(トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート)であった。反応性ポリマーはD0243(SBS)またはAMS777(I−SEBS−I)のいずれかであり、膨潤性ポリマーはG1654(SEBS)、G1726(SEBS)またはAMS777(I−SEBS−I)のいずれかであった。一旦混合すると、少量の増量されていない流体を取りのけておいた。残りの溶液をBarimite XF硫酸バリウムで12.5lb/galまで増量した。増量されていない溶液および加重された溶液の両方に、Luperox ACP35を0.75phr(100ゴム当たりの部)(ここで「ゴム」は反応性シーラント組成物である)加えた。各試料のまったく同じものを300psiのN2下で150°F(65°)で24時間硬化させて、動的機械分析DMA)により油中の膨潤性および貯蔵弾性率について試験した。膨潤試験のために、各試料を3つの片に切断し、各片について、出発重量を測定し、記録した。次いで、試料を鉱油(Escaid 110)中に周囲温度で24時間浸漬し、その後試料の膨潤後の重量を記録し、重量変化を報告した。膨潤試験に加えて、増量されていない配合および増量された配合の両方の硬化試料をTA Instruments Q800を用いたDMAにより分析し、試料を1Hzの周波数で10μmの振幅で25から150℃まで3℃/分の速度で張力下で振動させた。この種の振動動的測定により、貯蔵弾性率および損失弾性率の両方を測定することが可能になる。表9に報告された弾性率の値は、各試料についての30℃での貯蔵弾性率である。

0051

実施例4から実施例6は反応性ポリマー(D0243、SBS)および膨潤性ポリマー(G1654、SEBS)の両方を含有し、実施例7から実施例9は反応および膨潤できるポリマー(AMS777、I−SEBS−I)を含有し、比較例10から比較例12は反応性ポリマー(D0243、SBS)のみを含み、比較例13は膨潤性ポリマー(G1726、SEBS)のみを含む。最初の3つの種類(反応性+膨潤性、反応性かつ膨潤性、反応性のみ)の例の各々について、高弾性率、中弾性率および低弾性率の処方の3つの異なる配合物を使用した。例えば、第1のセットにおいて、実施例4は貯蔵弾性率が57.5MPaである「高弾性率」配合物であり、実施例5は貯蔵弾性率が37.0MPaである「中弾性率」配合物であり、実施例6は貯蔵弾性率が3.6MPaである「低弾性率」配合物である。実施例7から実施例9および比較例10から比較例12についても同様の傾向が見られる。比較例13は「高弾性率」配合物と同様である。

0052

4つの種類のポリマー系全てにおいて、配合物の弾性率が低下するにつれて膨潤量が増加し、適切な流体の存在下で系が膨潤して膨張することを可能にする低弾性率の可撓性材料重要性が示される。例えば、これは、反応および膨潤の両方が可能なポリマーを含む実施例7から実施例9に見ることができ、これらの試料はそれぞれ48.8、31.7および8.4MPaの増量されていない弾性率値を有し、52、63および105重量%の増量されていない膨潤を有する。全ての試料について、配合物を12.5lb/galに増量したときに弾性率が増加し、それに応じて膨潤の程度が減少した。例えば、実施例7から実施例9では、増量された弾性率がそれぞれ119、108、33.8MPaに増加し、増量された膨潤はそれぞれ1.1、3.7、19.7重量%に減少した。

0053

反応性ポリマーのみを有する対照試料(比較例10から比較例12)はそれぞれ0、0.1および1.3重量%の増量された膨潤値を有した。反応性シーラントは、硬化処理の結果として体積のあらゆる損失を説明するのに十分に膨張する必要があるので、これらの試料は所望の性能要件を満たすのに十分には膨潤しない可能性が高い。膨潤性ポリマーのみを有する第2の種類の対照試料(比較例13)は、油に浸漬した後の増量されていない試料の重量減少を示し(−5.8重量%)、これは膨潤性ポリマーが油に可溶であると同時に、ポリマーマトリックス化学的に架橋されないためである可能性が高い。両方の種類の対照例に示すように、反応性シーラント組成物は、設計通りに機能するために反応性ポリマーおよび膨潤性ポリマーの両方を必要とする。

0054

[実施例14、レオロジー、硬化および膨潤の実証]
実施例14は、表10に報告された本発明による配合物であった。単官能性モノマーはVeoVa 10であり、多官能性モノマーはSR297(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)であり、反応性かつ膨潤性ポリマーはAMS776(I−SEB)であった。これらの成分を混合した後、試料をBarimite XF硫酸バリウムで12.5lb/galまで増量した。増量した溶液に、0.75phr(ゴム100当たりの部)(ここで、「ゴム」は反応性シーラント組成物である)のLuperox ACP35を添加した。各試料の同じものを150°F(65℃)で400psiのN2下で24時間硬化させて、動的機械分析(DMA)により油中の膨潤性および貯蔵弾性率について試験した。膨潤試験のために、各試料を3つの片に切断し、各片について、出発重量を測定し、記録した。次いで、試料を鉱油(Escaid 110)中に周囲温度で24時間浸漬し、その後試料の膨潤後の重量を記録し、重量変化を報告した(表10)。膨潤試験に加えて、増量していない配合および増量した配合の両方の硬化試料をTA Instruments Q800を用いたDMAにより分析し、試料を1Hzの周波数で10μmの振幅で25から150℃まで3℃/分の速度で張力下で振動させた。この種の振動動的測定により、貯蔵弾性率および損失弾性率の両方を測定することが可能になる。報告された弾性率値は、30℃での貯蔵弾性率である(表10)。

0055

レオロジー測定は、Fann Model 35粘度計を使用して行った。せん断応力の測定は、77°Fおよび150°Fで3、6、100、200、300および600rpmで行った。10秒および10分間のゲル強度測定を、77°Fおよび150°Fで3rpmで行った。結果を、lb./100ft2の単位のダイヤル表示値として報告する。ダイヤル表示値を使用して、塑性粘度(PV=DR600−DR300;cP)および降伏点(YP=PV−DR300;lbs/100ft2)を計算した。結果を表11に報告する。

0056

[実施例15および比較例16、再封止力
実施例15は表12に報告された本発明に従った配合物であった。単官能性モノマーはVeoVa 10であり、多官能性モノマーはSR297(1,3−ブチレングリコールジメタクリレート)であり、反応性かつ膨潤性のポリマーはAMS701(I−SEBS−I)であった。比較例16は、膨潤性添加剤を含まないが、反応性ポリマー(D0243、SBS)のみを用いた以外は実施例15と同様であった。これらの成分を混合した後、試料をBarimite XF硫酸バリウムで12.5lb/galまで増量した。

0057

実施例15および比較例16を、600psiのN2下、120℃(250°F)で24時間、外径1 1/2”×長さ6”の亜鉛メッキ鋼管中で0.5phrのLuperox 231有機過酸化物を用いて硬化させ、直径1 5/8”および長さ4”であるプラグをもたらした。硬化した実施例15の試料を室温まで冷却したところ、顕著な収縮および亀裂を示した。次に、試料を圧力試験装置で試験した。この装置は、圧縮空気供給ラインと、放出バルブと、この2つの間のデジタル記録可能な圧力計と、試料を収容する管へのアダプタとを含み、試料管から、空気が試料を通過した場合にバブリングを観察するために水中に沈めることができる出口ラインへの別のアダプタが続く。初めに、実施例15の試料はいかなる圧力も保持しなかった。

0058

次いで、試料を鉱油であるEscaid 110に1週間浸漬した。油に浸漬した後、実施例15の試料は著しく膨潤し、元のギャップ/亀裂が充填された。試料を圧力試験装置で試験し、25psiで30分間圧力を保持した。その後、圧力を上げ、試験装置出口側に30psiで気泡を観察した。40psiで完全な連通が達成された。これは、気泡の安定した流れが観察され、新しい亀裂/通路が発生したことを意味する。試料を再び1週間油に浸した(合計2週間)。試料を再試験し、圧力を40psiに保持した。完全な連通は70psiで達成された。試料をさらに1週間浸漬し(合計3週間)、再試験した。

0059

実施例15に対する3週間の浸漬圧力試験からのデータを図5に示す。約10psi刻みで30分かけて圧力を上げた。試料を各間隔で少なくとも5分間保持した後、進行させた。30分後、試料を60psiに保持した。32分の時点で、気泡の最初の兆候が観察された。37分の時点で、供給バルブを閉じ、圧力をゆっくりと低下させた。試験は45分の時点で停止させた。この一連の試験は、硬化過程からの体積収縮を克服して封止を形成するために油の存在下で膨潤するだけでなく、破損までの試験をし、油に複数回浸漬(毎回試料が膨潤し再封止することを可能にする)した後の再封止する能力を実証する。

0060

比較例16の試料を同様の条件下で硬化させ、室温に一旦冷却すると顕著な収縮を示した。試料を圧力装置で試験し、最初はいかなる圧力も保持しなかった。次いで、試料をEscaid 110鉱油に1週間浸漬した。試料を圧力試験装置で再試験したが、まだ圧力を保持しなかった。従って、比較例16は、実施例15と比較した場合、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物中の膨潤性成分の必要性および有用性を示す。

実施例

0061

従って、本発明によれば、上記の目的、狙いおよび利点を十分に満たす硬化性で、再封止可能で膨潤性の反応性シーラント組成物が提供されたことは明らかである。本発明をその特定の実施形態と関連して説明したが、多くの代替、変更、および変形が、前述の説明に照らして当業者には明らかであることは明らかである。従って、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にあるようなそのような代替、変更および変形を全て包含することが意図される。

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