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技術 皮膚老化を阻止するための新規な1,2−ジフェニルエチレングリコール化合物及びその美容的使用

出願人 ロレアル
発明者 ジュリアン・イス
出願日 2015年12月11日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2017-531255
公開日 2017年12月14日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2017-537135
状態 特許登録済
技術分野 化粧料
主要キーワード エネルギー尺度 着色促進剤 消費プロセス シリコーン系油 審美的外観 テンショニング剤 再生力 質量ベース
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年12月14日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

本発明は、式(I):の新規化合物、その化合物を含む化粧用組成物、また、皮膚老化徴候を予防及び/又は美容処置するためのその使用に関する。

概要

背景

最近では、ができるだけ長く若々しく見えることを望み、その結果として、特に皺や小皺に反映される皮膚老化徴候を抑えようとする傾向にある。この観点から、広告ファッション業界は、物理外観が精神及び/又は気力に影響を与えるだけになおさら、若々しい皮膚の徴候である、輝く皺のない皮膚様子をできるだけ長く保つための製品打ち出している。

これまでは、皺や小皺は、例えば、その細胞再生することによって、或いは皮膚組織を構成する弾性線維の合成を促進したり、その分解を予防したりすることによって皮膚へ作用する活性薬剤を含む化粧料を用いて処置されてきた。

皮膚は、表面部分である表皮とその他の深部部分である真皮の2つの部分からなり、これらは互いに影響し合っている。本来のヒト表皮は、主に3つのタイプの細胞、すなわち、大部分を形成するケラチノサイトメラノサイト、及びランゲルハンス細胞から構成される。これらのタイプの細胞はそれぞれ、その本来の機能によって、皮膚による体内での重要な役割を果たすこと、特に、「バリア機能」として知られている、外部攻撃因子に対して体を保護する役割を果たすことに寄与している。

表皮は、表皮の胚芽層を構成するケラチノサイトの基底層、胚芽層に配置されている数層の多面細胞からなる有棘層、特異な細胞質内封入体ケラトヒアリン顆粒を含む扁平な細胞からなる1〜3つの顆粒層、そして最後に、角質細胞として知られている、分化最終段階における一連のケラチノサイト層からなる角化層(又は角質層)に通常分けられる。角質細胞は、主にサイトケラチンを含む線維状物質からなり、角化膜によって囲まれている、無核細胞である。

真皮は、表皮に固体支持体を提供する。これはその栄養供給要素でもある。これは、主に、線維芽細胞と、コラーゲンエラスチン、及び基質として知られている物質から構成されている細胞外マトリックスとからなり、基質として知られている物質には、硫黄グリコサミノグリカン(例えば、コンドロイチン硫酸)又は非硫黄化グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸)、プロテオグリカン、及び種々のプロテアーゼが含まれる。これらの成分は、線維芽細胞によって合成される。白血球肥満細胞、その他のマクロファージもその中に認められる。最終的に、血管や神経線維は真皮を通過する。表皮と真皮の間の結合は、真皮-表皮接合部によってもたらされる。

表皮は、角化層における表皮細胞の連続的な損失を補うための新たなケラチノサイトの産生に常に関与している。しかし、老化過程では、増殖期の細胞の数が減少し、その結果として、生存表皮層の減少が生理学的に観察されることがある。

皮膚、特に表皮の恒常性は、皮膚細胞の増殖過程と分化過程の間の精巧に調節されたバランスから生じる。こうした増殖と分化のプロセスは全体的に調節されている。このプロセスは、皮膚の再生及び/又は再分化に関与し、皮膚の一定の厚さ、特に表皮の一定の厚さを維持している。この皮膚の恒常性は、皮膚の機械的特性の維持にも関与する。

しかし、この皮膚の恒常性は、特定の生理学的因子年齢閉経ホルモン等)や環境因子(UVストレス酸化ストレス刺激性ストレス等)によって損なわれることがある。

増殖性細胞は、代謝的に非常に活性があり、(内因性の又は環境的な)これらの有害因子に対して感受性があり、結果として、表皮でのその量は減少する。Saβガラクトシダーゼ活性等の特定の生化学的マーカー(Dimri GPら、Proc Natl Acad Sci U S A. 1995)、又はp16(INK4a)等の細胞周期障害(impairment)のマーカー(Cordisco Sら、J Invest Dermatol. 2010)は、この表皮の再生能が低下していることを特徴づける

したがって、老化の徴候の発現遅延に寄与するには、この細胞プールを保持することが重要である。

ケラチノサイトの細胞生命力は、特に老化との関係において、又は酸化ストレス(例えば、日射、すなわち、UV、可視光赤外線)のため、微生物叢毒素若しくは代謝産物による表皮の攻撃のため、若しくはより一般的には経時的な老化の間に低下する可能性がある。ケラチノサイトの再生と分化に対する能力は低下し、それに依存している表皮のバリア機能等の構造の恒常性が損なわれる。

表皮の再生力が低下するようになると、基底層の細胞分裂の活動が低下し、特に、表皮の再生が減速し、かつ/又は低下する。その結果、表面で除去される細胞の損失に対して細胞の再生は補われなくなり、表皮が委縮し、かつ/又は皮膚が薄くなる。表皮付属器、例えば、爪の増殖細胞の場合も同様であり、その結果、爪の成長は減速する。

表皮の恒常性の障害は、皮膚色のくすんだ及び/又は顔色の優れない外観によっても反映される。

バリア機能の障害は、局所化による種々の徴候:乾燥肌角化症、薄い表皮、薄い、表面の皺によって明らかになる。

したがって、表皮の細胞生命力の障害を伴う異常(disorder)は、その構造のみならずその恒常性にも関連している。表皮のストレスに対する耐容性及びその再生に関する能力は低い。高齢者皮膚バリア若年成人の皮膚バリアと比較した場合、一見しただけでは違いははっきりせず、角化層の厚さ及びその脂質の構成は必ずしも変化しておらず、経表皮性水分損失によって表されるバリア機能は保存されている。高齢者の皮膚バリアの欠如は、機械的ストレス下や刺激因子曝露する間に出現し、高齢者の表皮バリアはより急速に分解し、その機能回復はより緩慢である。日常的な、アルコール消毒レモン汁やその他の刺激物との接触は、その後に刺痛及び灼熱感を引き起こし、かつ乾燥した空気に対する耐容性は低いが、その一方、青年の皮膚は何の問題もなく耐えられる。皮膚バリアが損なわれると、表皮の免疫系とアレルゲンとの接触も促進され、それによって、アレルギー感作リスクが増加する。

現在のところ、老化に伴って体内に老化細胞蓄積することを立証する十分な証拠はない。老化関連β-ガラクトシダーゼは、老化細胞のマーカーであり、その蓄積はin vivoで皮膚において示されている(Dimai GPら、Proc Nat Acad. Sci. USA. 1995; 92(20): 9363〜7頁)。

別の老化のマーカーは、ミトコンドリア機能の障害である。ミトコンドリアの役割は、細胞エネルギーを産生することである。

光老化現象臨床的徴候は、広範囲にわたって記載されてきた(Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008 (4) Fourtanier A.、Moyal D.、Seite S.)。

皮膚の内因性老化は、経時的老化としても知られており、細胞生命力の障害の結果として、他の器官で生じる老化と類似していると記載されている。内因性又は経時的老化は、その他の臨床的マーカー及び徴候、特に、上述のようなバリア機能の障害によって明らかになる(Farage M.A.ら、2009; 10(2): 73〜86頁)。

乾燥肌、皺、小皺等のこうした審美的な異常は、細胞生命力が損なわれるときに、それを改善するように皮膚に作用する化合物化粧品に必要とするものである。

AMPKは、身体の全ての細胞中に存在し、その中でエネルギー尺度の役割を果たしている。AMPK(又は5'-アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ)は、キナーゼ活性を有する触媒サブユニットαと2つの調節サブユニットβ及びγから構成される、ヘテロ三量体酵素である。AMPKの活性化は、細胞のエネルギーレベルを特徴づけるAMP/ATP比の変動に依存する(ATPはAMPに加水分解され、細胞の種々の生化学的プロセスに必要とされるエネルギーを「送達」する)。これはリン酸化又は非リン酸化の2つの型で存在し、リン酸型は活性型である。

AMPKは、細胞のエネルギー需要又はストレスに応答して活性化されると、解糖等のエネルギー産生プロセスを増加させ、不必要な消費プロセス阻害し、こうして細胞の生存を可能にする。細胞エネルギー状態の保持は、種の寿命を維持すること及び老化の徴候を阻止することに関与する。したがって、AMPKの活性を高めることが可能な化合物は、現在のところ、老化が関連する臨床症状の処置において非常に興味のある対象である。皮膚の老化が関連する障害の予防との関係において、生物全体について確認されたこのアプローチを皮膚に置き換えることの価値は理解することができる。

AMPK活性は、リン酸化AMPKの細胞内濃度に対応する。したがって、この高い活性を有するためには、可能な限り高いレベルリン酸化タンパク質を有することは価値がある。

AMPKの役割は、ケラチノサイトのエネルギー代謝を制御することであると、現在のところ考えられており(Prahl Sら、Biofactors. 2008; 32(1-4): 245〜255頁)、ケラチノサイトの増殖と分化におけるその関与は、確立されている(Saha A.K.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 2006年10月20日; 349(2): 519〜24頁)。

WO2004/05098では、AMPKの活性を制御することによって任意の細胞又は生物の寿命をモジュレートすること、及びAMPK代謝経路調節因子投与することによって老化が関連する異常を処置することが、活性化因子又は抑制因子が関与しているかどうかを述べずに提示されている。

Sahaら(Biochem. Biophys. Res. Commun 2006、349: 519〜524頁)は、AMPKにより調節されるケラチノサイトの成長を研究し、AICAR等のAMPK活性化因子がケラチノサイトのin vitroでの分化を促進すると結論付けた。

概要

本発明は、式(I):の新規な化合物、その化合物を含む化粧用組成物、また、皮膚老化の徴候を予防及び/又は美容処置するためのその使用に関する。

目的

AMPKの役割は、ケラチノサイトのエネルギー代謝を制御することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

1つ又は複数の、式(I):[式中、R1、R1'、R2、R2'、R3、R4、R4'、R5、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、R3'は-OR基を表し、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]の化合物、並びにその光学異性体立体異性体ジアステレオ異性体、及び/又は塩の、皮膚老化徴候、特に、皺の多い皮膚、その粘弾性特性又は生体力学的特性障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及びその表面の外観の障害を示す皮膚から選ばれる皮膚の徴候を予防及び/又は減少させる薬剤としての使用。

請求項2

式(I)の化合物において、R1、R1'、R5、及びR5'は水素原子を表し、R2、R2'、R3、R4、及びR4'は独立に、水素原子又は-OT1基[式中、T1は、水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、好ましくはT1は水素原子又はメチル基を表す]を表し、R3'は-OT1基[式中、T1は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、好ましくはT1は水素原子又はメチル基を表す]を表すことを特徴とする、請求項1に記載の使用。

請求項3

式(I)の化合物が、式(II)の化合物:[式中、R1、R2、R4、及びR5は独立に、水素原子又は-OR基を表し、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表し、R3は-OR基を表し、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。

請求項4

R1及びR5は水素原子を表し、R2及びR4は独立に、水素原子又は-OT2基を表し、T2は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、特に、T2は水素原子又はメチル基を表し、R3は-OT2基を表し、T2は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、特に、T2は水素原子又はメチル基を表す、請求項3に記載の使用。

請求項5

式(I)又は(II)の化合物が、以下の化合物1〜3、並びにその光学異性体、立体異性体、ジアステレオ異性体、及び/又は塩から選ばれることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用。

請求項6

式(I)の化合物が、式(III)の化合物:[式中、-R2及びR4は独立に、-ORを表し、-R1'、R2'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、-R3'は-OR基を表し、-Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。

請求項7

式(I)又は(III)の化合物が、以下の化合物4〜10、並びにその光学異性体、立体異性体、ジアステレオ異性体、及び/又は塩から選ばれることを特徴とする、請求項1、2、及び6のいずれか一項に記載の使用。

請求項8

式(I)の化合物が、生理学的に許容される媒体を含む組成物中に、組成物の総質量に対して0.0001質量%から40質量%の間の濃度で存在することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。

請求項9

請求項1から8のいずれか一項に規定の式(I)の化合物又はそれを含む組成物を、皮膚、特に熟年の皮膚及び/又は皺の多い皮膚に塗布することを特徴とする、皮膚老化の徴候を減少させ又は予防する、美容処置法

請求項10

ケラチノサイト再生の促進、並びに表皮が薄くなること、表面の皺、及びバリア機能の障害から選ばれる徴候の減少又は予防を対象とすることを特徴とする請求項9に記載の美容処置法。

請求項11

式(IIIA)の化合物:[式中、-R2及びR4は独立に、-OR基を表し、-R1'、R2'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、-R3'は-OR基を表し、-Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C2〜C6アシル基を表す]であって、但し以下の3つの化合物を除く、化合物。

請求項12

式(IIIA)の化合物が、式(IVA)の化合物:[式中、R4'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、ここで、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表すことが好ましく、R3'は-OR基を表し、ここで、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表すことが好ましい]であり、但し以下の化合物を除くことを特徴とする、請求項11に記載の化合物。

請求項13

式(IIIA)の化合物、光学異性体、立体異性体、及びジアステレオ異性体、及び/又は幾何異性体、及び/又は塩が、以下の化合物5〜10から選ばれることを特徴とする、請求項11又は12に記載の化合物。

請求項14

生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1つの請求項1から7のいずれか一項に規定の式(I)の化合物を含む、化粧用組成物

請求項15

式(I)の化合物が、単独で又は混合物として、組成物の総質量に対して0.01質量%から30質量%の間、好ましくは0.1質量%から10質量%の間、特に0.5質量%から5質量%の間の量で存在する、請求項14に記載の組成物。

請求項16

水:有機溶媒、特に、C1〜C6アルコール、及びC2〜C10カルボン酸エステル炭化水素系油シリコーン油フッ素油ワックス顔料充填剤染料界面活性剤乳化剤化粧用又は皮膚用活性薬剤、UV遮蔽剤フィルム形成ポリマー親水性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性増粘剤保存剤芳香剤臭気吸収剤、及び抗酸化剤から選ばれる少なくとも1つの化粧品成分を含む、請求項14又は15に記載の組成物。

請求項17

生理学的に許容される媒体が、式(I)の化合物以外の少なくとも1つの化粧用活性薬剤、特に、剥離剤モイスチャライザー脱色素剤又は着色促進剤;抗グリケーション剤;NO合成阻害剤真皮高分子若しくは表皮高分子の合成を刺激する、かつ/又はそれらの分解を予防する薬剤;線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖を刺激する、かつ/又はケラチノサイトの分化を刺激する薬剤;皮膚収縮防止剤テンショニング剤微小循環に作用する薬剤;細胞エネルギー代謝に作用する薬剤;並びにそれらの混合物から選ばれる化粧用活性薬剤を含む、請求項14から16のいずれか一項に記載の組成物。

請求項18

生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの請求項11に記載の式(IIIA)の化合物、特に、以下の化合物5〜10から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物。

請求項19

請求項14から18のいずれか一項に規定の化粧用組成物を皮膚へ塗布することを含む、皮膚を処置するための非治療美容法。

請求項20

前記組成物を、熟年の皮膚及び/又は皺の多い皮膚に塗布する、請求項19に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、皮膚老化を阻止するための1,2-ジフェニルエチレングリコール誘導体の使用並びに、新規な1,2-ジフェニルエチレングリコール化合物、及びこれらを含む組成物、特に化粧用組成物に関する。

背景技術

0002

最近では、ができるだけ長く若々しく見えることを望み、その結果として、特に皺や小皺に反映される皮膚老化の徴候を抑えようとする傾向にある。この観点から、広告ファッション業界は、物理外観が精神及び/又は気力に影響を与えるだけになおさら、若々しい皮膚の徴候である、輝く皺のない皮膚様子をできるだけ長く保つための製品打ち出している。

0003

これまでは、皺や小皺は、例えば、その細胞再生することによって、或いは皮膚組織を構成する弾性線維の合成を促進したり、その分解を予防したりすることによって皮膚へ作用する活性薬剤を含む化粧料を用いて処置されてきた。

0004

皮膚は、表面部分である表皮とその他の深部部分である真皮の2つの部分からなり、これらは互いに影響し合っている。本来のヒト表皮は、主に3つのタイプの細胞、すなわち、大部分を形成するケラチノサイトメラノサイト、及びランゲルハンス細胞から構成される。これらのタイプの細胞はそれぞれ、その本来の機能によって、皮膚による体内での重要な役割を果たすこと、特に、「バリア機能」として知られている、外部攻撃因子に対して体を保護する役割を果たすことに寄与している。

0005

表皮は、表皮の胚芽層を構成するケラチノサイトの基底層、胚芽層に配置されている数層の多面細胞からなる有棘層、特異な細胞質内封入体ケラトヒアリン顆粒を含む扁平な細胞からなる1〜3つの顆粒層、そして最後に、角質細胞として知られている、分化最終段階における一連のケラチノサイト層からなる角化層(又は角質層)に通常分けられる。角質細胞は、主にサイトケラチンを含む線維状物質からなり、角化膜によって囲まれている、無核細胞である。

0006

真皮は、表皮に固体支持体を提供する。これはその栄養供給要素でもある。これは、主に、線維芽細胞と、コラーゲンエラスチン、及び基質として知られている物質から構成されている細胞外マトリックスとからなり、基質として知られている物質には、硫黄グリコサミノグリカン(例えば、コンドロイチン硫酸)又は非硫黄化グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸)、プロテオグリカン、及び種々のプロテアーゼが含まれる。これらの成分は、線維芽細胞によって合成される。白血球肥満細胞、その他のマクロファージもその中に認められる。最終的に、血管や神経線維は真皮を通過する。表皮と真皮の間の結合は、真皮-表皮接合部によってもたらされる。

0007

表皮は、角化層における表皮細胞の連続的な損失を補うための新たなケラチノサイトの産生に常に関与している。しかし、老化過程では、増殖期の細胞の数が減少し、その結果として、生存表皮層の減少が生理学的に観察されることがある。

0008

皮膚、特に表皮の恒常性は、皮膚細胞の増殖過程と分化過程の間の精巧に調節されたバランスから生じる。こうした増殖と分化のプロセスは全体的に調節されている。このプロセスは、皮膚の再生及び/又は再分化に関与し、皮膚の一定の厚さ、特に表皮の一定の厚さを維持している。この皮膚の恒常性は、皮膚の機械的特性の維持にも関与する。

0009

しかし、この皮膚の恒常性は、特定の生理学的因子年齢閉経ホルモン等)や環境因子(UVストレス酸化ストレス刺激性ストレス等)によって損なわれることがある。

0010

増殖性細胞は、代謝的に非常に活性があり、(内因性の又は環境的な)これらの有害因子に対して感受性があり、結果として、表皮でのその量は減少する。Saβガラクトシダーゼ活性等の特定の生化学的マーカー(Dimri GPら、Proc Natl Acad Sci U S A. 1995)、又はp16(INK4a)等の細胞周期障害(impairment)のマーカー(Cordisco Sら、J Invest Dermatol. 2010)は、この表皮の再生能が低下していることを特徴づける

0011

したがって、老化の徴候の発現遅延に寄与するには、この細胞プールを保持することが重要である。

0012

ケラチノサイトの細胞生命力は、特に老化との関係において、又は酸化ストレス(例えば、日射、すなわち、UV、可視光赤外線)のため、微生物叢毒素若しくは代謝産物による表皮の攻撃のため、若しくはより一般的には経時的な老化の間に低下する可能性がある。ケラチノサイトの再生と分化に対する能力は低下し、それに依存している表皮のバリア機能等の構造の恒常性が損なわれる。

0013

表皮の再生力が低下するようになると、基底層の細胞分裂の活動が低下し、特に、表皮の再生が減速し、かつ/又は低下する。その結果、表面で除去される細胞の損失に対して細胞の再生は補われなくなり、表皮が委縮し、かつ/又は皮膚が薄くなる。表皮付属器、例えば、爪の増殖細胞の場合も同様であり、その結果、爪の成長は減速する。

0014

表皮の恒常性の障害は、皮膚色のくすんだ及び/又は顔色の優れない外観によっても反映される。

0015

バリア機能の障害は、局所化による種々の徴候:乾燥肌角化症、薄い表皮、薄い、表面の皺によって明らかになる。

0016

したがって、表皮の細胞生命力の障害を伴う異常(disorder)は、その構造のみならずその恒常性にも関連している。表皮のストレスに対する耐容性及びその再生に関する能力は低い。高齢者皮膚バリア若年成人の皮膚バリアと比較した場合、一見しただけでは違いははっきりせず、角化層の厚さ及びその脂質の構成は必ずしも変化しておらず、経表皮性水分損失によって表されるバリア機能は保存されている。高齢者の皮膚バリアの欠如は、機械的ストレス下や刺激因子曝露する間に出現し、高齢者の表皮バリアはより急速に分解し、その機能回復はより緩慢である。日常的な、アルコール消毒レモン汁やその他の刺激物との接触は、その後に刺痛及び灼熱感を引き起こし、かつ乾燥した空気に対する耐容性は低いが、その一方、青年の皮膚は何の問題もなく耐えられる。皮膚バリアが損なわれると、表皮の免疫系とアレルゲンとの接触も促進され、それによって、アレルギー感作リスクが増加する。

0017

現在のところ、老化に伴って体内に老化細胞蓄積することを立証する十分な証拠はない。老化関連β-ガラクトシダーゼは、老化細胞のマーカーであり、その蓄積はin vivoで皮膚において示されている(Dimai GPら、Proc Nat Acad. Sci. USA. 1995; 92(20): 9363〜7頁)。

0018

別の老化のマーカーは、ミトコンドリア機能の障害である。ミトコンドリアの役割は、細胞エネルギーを産生することである。

0019

光老化現象臨床的徴候は、広範囲にわたって記載されてきた(Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008 (4) Fourtanier A.、Moyal D.、Seite S.)。

0020

皮膚の内因性老化は、経時的老化としても知られており、細胞生命力の障害の結果として、他の器官で生じる老化と類似していると記載されている。内因性又は経時的老化は、その他の臨床的マーカー及び徴候、特に、上述のようなバリア機能の障害によって明らかになる(Farage M.A.ら、2009; 10(2): 73〜86頁)。

0021

乾燥肌、皺、小皺等のこうした審美的な異常は、細胞生命力が損なわれるときに、それを改善するように皮膚に作用する化合物化粧品に必要とするものである。

0022

AMPKは、身体の全ての細胞中に存在し、その中でエネルギー尺度の役割を果たしている。AMPK(又は5'-アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ)は、キナーゼ活性を有する触媒サブユニットαと2つの調節サブユニットβ及びγから構成される、ヘテロ三量体酵素である。AMPKの活性化は、細胞のエネルギーレベルを特徴づけるAMP/ATP比の変動に依存する(ATPはAMPに加水分解され、細胞の種々の生化学的プロセスに必要とされるエネルギーを「送達」する)。これはリン酸化又は非リン酸化の2つの型で存在し、リン酸型は活性型である。

0023

AMPKは、細胞のエネルギー需要又はストレスに応答して活性化されると、解糖等のエネルギー産生プロセスを増加させ、不必要な消費プロセス阻害し、こうして細胞の生存を可能にする。細胞エネルギー状態の保持は、種の寿命を維持すること及び老化の徴候を阻止することに関与する。したがって、AMPKの活性を高めることが可能な化合物は、現在のところ、老化が関連する臨床症状の処置において非常に興味のある対象である。皮膚の老化が関連する障害の予防との関係において、生物全体について確認されたこのアプローチを皮膚に置き換えることの価値は理解することができる。

0024

AMPK活性は、リン酸化AMPKの細胞内濃度に対応する。したがって、この高い活性を有するためには、可能な限り高いレベルリン酸化タンパク質を有することは価値がある。

0025

AMPKの役割は、ケラチノサイトのエネルギー代謝を制御することであると、現在のところ考えられており(Prahl Sら、Biofactors. 2008; 32(1-4): 245〜255頁)、ケラチノサイトの増殖と分化におけるその関与は、確立されている(Saha A.K.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 2006年10月20日; 349(2): 519〜24頁)。

0026

WO2004/05098では、AMPKの活性を制御することによって任意の細胞又は生物の寿命をモジュレートすること、及びAMPK代謝経路調節因子投与することによって老化が関連する異常を処置することが、活性化因子又は抑制因子が関与しているかどうかを述べずに提示されている。

0027

Sahaら(Biochem. Biophys. Res. Commun 2006、349: 519〜524頁)は、AMPKにより調節されるケラチノサイトの成長を研究し、AICAR等のAMPK活性化因子がケラチノサイトのin vitroでの分化を促進すると結論付けた。

0028

WO2004/05098

先行技術

0029

Dimri GPら、Proc Natl Acad Sci U S A. 1995
Cordisco Sら、J Invest Dermatol. 2010
Dimai GPら、Proc Nat Acad. Sci. USA. 1995; 92(20): 9363〜7頁
Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2008 (4) Fourtanier A.、Moyal D.、Seite S.
Farage M.A.ら、2009; 10(2): 73〜86頁
Prahl Sら、Biofactors. 2008; 32(1-4): 245〜255頁
Saha A.K.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 2006年10月20日; 349(2): 519〜24頁
Sahaら(Biochem. Biophys. Res. Commun 2006、349:519〜524頁)
Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、P.G.M.Wutz、T.Greene編、Wiley-Blackwell

課題を解決するための手段

0030

本発明との関係において、下記の特定の1,2-ジフェニルエチレングリコール誘導体は、AMPKの活性、特に、正常なヒトケラチノサイトによるリン酸化AMPKの産生を刺激することが可能であることを予想外発見した。したがって、これらの化合物は、老化の間の皮膚細胞の生命力の低下を阻止すること、及びそれと関連する徴候の発現を遅らせることに特に有用である。

0031

本発明による使用は、非治療的使用、有利には美容的使用であり、「美容的(cosmetic)」という用語は、良好な健康状態の個体の、皮膚又は爪等の付属器の審美的外観を改善すること、特に年齢とともに生じる外観の生理学的変化を遅らせる又は減少させることを意図することを意味する。こうした変化は30〜35から現れるが、一般的には40歳を過ぎるとより明白になり、50歳以上で目立つようになる。

0032

本発明による化合物は、表皮の再生を改善することに効果的であり、皮膚老化の徴候をより効率的に阻止することに効果的である。

0033

その結果として、これらの化合物は、皮膚老化を予防及び/又は美容処置すること、特に、局所的な皮膚老化の徴候、より具体的には、皺の多い皮膚と関連している皮膚、その粘弾性特性又は生体力学的特性の障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及び/又はその表面の外観の障害を示す皮膚の徴候を、特に、予防及び/又は処置することを意図する化粧用組成物において特定の用途が認められる。

0034

具体的には、1,2-ジフェニルエチレングリコール誘導体は、ケラチノサイトによるAMPKの活性化を刺激することが可能であることを、今回発見した。

0035

上記で説明されたように、AMPKを活性化すること、特にそのリン酸化型を増加させることは、ケラチノサイトの代謝機能を刺激することに相当し、その上、これらの細胞は、若年のケラチノサイト(young keratinocytes)の状態と類似している状態であり、皮膚の恒常性の生理学的機序を調節することに寄与する。

0036

本発明による化合物を用いることによって、より具体的には、皮膚の生体力学的特性の維持及び/又は復元ができるようになる可能性がある。

0037

本明細書における「皮膚の生体力学的特性(biomechanical properties of the skin)」という用語は、皮膚の伸縮性特性、張り特性、堅さ特性、柔軟性特性、及び/又は弾力性特性を意味する。

0038

本明細書における「皮膚老化の徴候(signs of aging of the skin)」という用語は、それが経時的なかつ/又は外因性の老化、特に、光誘発性又はホルモン性の老化であるかどうかにかかわらず、老化による皮膚の外観のあらゆる変化を意味し、これらの徴候のうち、
- 特に、皺及び/又は小皺の外観によって反映される、皺の多い皮膚、
- その粘弾性特性若しくは生体力学的特性の障害を示す皮膚、又は特に、皺だらけな、張りのない、弛緩した、若しくはたるんだ皮膚によって反映される、弾力性及び/若しくは伸縮性及び/若しくは堅さ及び/若しくは柔軟性及び/若しくは張りが低下していることを示す皮膚、
- その組織の結合の障害を示す皮膚、
- 薄い皮膚、並びに
- 皮膚のきめの障害、例えば、粗さによって特に反映される、その表面の外観の障害を示す皮膚
識別することは可能である。

0039

本発明は、1つ又は複数の本発明による式(I)の化合物の、皮膚老化の徴候、特に、皺の多い皮膚、その粘弾性特性又は生体力学的特性の障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及びその表面の外観の障害を示す皮膚から選ばれる皮膚の徴候を予防し、かつ/又は減少させる薬剤としての非治療的使用に関する。

0040

具体的には、本発明は、1つ又は複数の本発明による式(I)の化合物[式中、R3'は-OR基を表し、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]の、皮膚老化の徴候、特に、皺の多い皮膚、その粘弾性特性又は生体力学的特性の障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及びその表面の外観の障害を示す皮膚から選ばれる皮膚の徴候を予防し、かつ/又は減少させる薬剤としての、非治療的使用に関する。

0041

好ましくは、個体の皮膚はヒトの皮膚である。

0042

本発明はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの本発明による式(I)の化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物に関する。

0043

本発明はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの式(I)の化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物の使用に関する。

0044

本発明はまた、少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又は少なくとも1つの本発明による式(I)の化合物を含む化粧用組成物を皮膚に塗布することを含む、皮膚を処置するための非治療的美容法に関する。本方法は、皮膚の、特に熟年の皮膚(mature skin)(少なくとも40歳の個体の皮膚)及び/又は皺の多い皮膚の、特に顔の、特に、額、首、襟足、及び/又は手の、処置において有利な用途が認められる。本発明の主題はまた、ケラチノサイトの再生の促進、並びに表皮が薄くなること、表面の皺、及びバリア機能の障害から選ばれる徴候の減少及び/予防を対象とすることを特徴とする美容処置法である。

0045

具体的には、本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又は少なくとも1つの本発明による式(I)の化合物を含む化粧用組成物を皮膚に塗布することを含み、その式(I)の化合物が、R3'は-OR基を表し、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す化合物である、皮膚を処置するための非治療的美容法に関する。本方法は、皮膚の、特に熟年の皮膚及び/又は皺の多い皮膚の、特に顔の、特に、額、首、襟足、及び/又は手の処置において有利な用途が認められる。本発明の主題はまた、ケラチノサイトの再生の促進、並びに表皮が薄くなること、表面の皺、及びバリア機能の障害から選ばれる徴候の減少及び/予防を対象とすることを特徴とする美容処置法である。

0046

したがって、本発明の主題はまた、以下に定義する式(IIIA)の新規な1,2-ジフェニルエチレングリコール化合物である。

0047

本発明の主題はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの式(IIIA)の化合物を含む組成物、特に化粧用組成物である。

0048

具体的には、本発明の主題はまた、生理学的に許容される媒体中に、以下に定義する化合物9を除く、少なくとも1つの式(IIIA)の化合物を含む組成物、特に化粧用組成物である。

0049

本発明はまた、新規な式(IIIA)の化合物の、又は組成物、特に化粧用組成物の、新規な式(IIIA)の化合物の、特に、皮膚老化の徴候、特に、皺の多い皮膚、その粘弾性特性若しくは生体力学的特性の障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及びその表面の外観の障害を示す皮膚からから選ばれる皮膚の徴候を予防し、かつ/又は減少させる薬剤としての、非治療的使用に関する。

0050

本発明は、最終的には、少なくとも1つの新規な式(IIIA)の化合物及び/又は少なくとも1つの本発明による新規な式(IIIA)の化合物を含む化粧用組成物を皮膚に塗布することを含む、皮膚を処置するための非治療的美容法に関する。本方法は、皮膚の、特に熟年の皮膚及び/又は皺の多い皮膚の、特に、顔の、特に、額、首、及び/又は手の処置において有利な用途が認められる。

0051

具体的には、本発明は、1つ又は複数の、式(I)の化合物:



[式中、R1、R1'、R2、R2'、R3、R4、R4'、R5、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
R3'は-OR基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]、
並びに、その光学異性体立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又は塩の、皮膚老化の徴候、特に、皺の多い皮膚、その粘弾性特性又は生体力学的特性の障害を示す皮膚、その組織の結合における障害を示す皮膚、薄い皮膚、及びその表面の外観の障害を示す皮膚から選ばれる皮膚の徴候を予防し、かつ/又は減少させる薬剤としての使用に関する。

0052

したがって、本発明による化合物は、以下の式(I):



[式中、R1、R1'、R2、R2'、R3、R3'、R4、R4'、R5、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]、
並びに、その光学異性体、立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又は塩に相当する。

0053

優先的には、直鎖状で飽和の又は分岐状のアルキル基は、メチルエチルプロピルイソプロピルブチルイソブチル、及びtert-ブチル、より優先的にはメチルから選んでよい。

0054

好ましくは:
R1、R1'、R2、R2'、R3、R4、R4'、R5、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
R3'は-OR基を表し、
Rは水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す。

0055

好ましくは:
R1、R1'、R5、及びR5'は水素原子を表し、
R2、R2'、R3、R4、及びR4'は独立に、水素原子又は-OT1基[式中、T1は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し;好ましくはT1は水素原子又はメチル基を表す]を表し、
R3'は-OT1基[式中、T1は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し;好ましくはT1は水素原子又はメチル基を表す]を表す。

0056

本発明の第1の好ましい変形形態において、式(I)の化合物、又は光学異性体、立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又はそれらの塩のうち、選ばれる化合物は、
- R1=R1'
- R2=R2'
- R3=R3'
- R4=R4'
- R5=R5'
の化合物、
すなわち、以下の式(II):



[式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]
に相当する化合物である。

0057

好ましくは:
R1、R2、R4、及びR5は独立に、水素原子又は-OR基[Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基、又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]を表し、
R3は-OR基[Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]を表す。

0058

好ましくは:
R1及びR5は水素原子を表し、
R2、R3、及びR4は独立に、水素原子又は-OT2基[式中、T2は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表す]を表す。
より具体的には、T2は、水素原子又はメチル基を表す。

0059

好ましくは:
R1及びR5は水素原子を表し、
R2及びR4は独立に、水素原子又は-OT2基[式中、T2は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、より具体的には、T2は水素原子又はメチル基を表す]を表し、
R3は-OT2基[式中、T2は水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、より具体的には、T2は水素原子又はメチル基を表す]を表す。

0060

式(II)の化合物のうち、より特定すると、以下の化合物1〜3、その光学異性体、立体異性体、及びそのジアステレオ異性体、又はそれらの幾何異性体、又はその塩が選ばれる。

0061

0062

本発明の第2の好ましい変形形態において、式(I)の化合物、又はその光学異性体、立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又は塩のうち、R1 = R3 = R5 =水素である化合物、すなわち以下の式(III):



[式中、
- R2及びR4は独立に、-OR基を表し、
- R1'、R2'、R3'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
- Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]
に相当する化合物が選ばれる。

0063

特定の実施形態である本発明の第2の好ましい変形形態において、式(I)の化合物、又はその光学異性体、立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又は塩のうち、R1 = R3 = R5 =水素である化合物、すなわち以下の式(III)に相当する化合物:



[式中、
- R2及びR4は独立に、-OR基を表し、
- R1'、R2'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
- R3'は-OR基を表し、
- Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C1〜6アシル基を表す]
が選ばれる。

0064

特に好ましい方式において、式(III)の化合物、又はその光学異性体、立体異性体、及び/又はジアステレオ異性体、及び/又は塩のうち、選ばれることが好ましい化合物は、R2 = R4 = OHである式(III)の化合物、すなわち、以下の式(IV)の化合物:



[式中、R3'及びR4'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
ここで、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、より好ましくは、ここで、Rは水素原子又はメチル基を表す]
である。

0065

好ましくは、上記の式(IV)の化合物は、
R4'は、水素原子又は-OR基を表し、
R3'は-OR基
[式中、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、好ましくは、式中、Rは水素原子又はメチル基を表す]
を表す化合物である。

0066

式(III)の化合物のうち、更により特定すると、以下の化合物4〜10、その光学異性体、立体異性体、及びジアステレオ異性体、及び/又はその幾何異性体、及び/又はその塩が選ばれる。

0067

0068

本発明の主題はまた、式(IIIA):



[式中、
- R2及びR4は独立に、-OR基を表し、
- R1'、R2'、R3'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
- Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C2〜C6アシル基を表す]
に相当し、但し以下の3つの化合物を除く、新規な化合物である。

0069

本発明の主題はまた、式(IIIA):



[式中、
- R2及びR4は独立に、-OR基を表し、
- R1'、R2'、R4'、及びR5'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
- R3'は-OR基を表し、
- Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C6若しくは分岐状C3〜C6アルキル基又は直鎖状C2〜C6アシル基を表す]
に相当し、但し以下の2つの化合物を除く、新規な化合物である。

0070

式(IIIA)の新規な化合物として、R2 = R4 = OHである式(IIIA)の化合物、すなわち、以下の式(IVA)の化合物:



[式中、R3'及びR4'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、
ここで、Rは、水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表すことが好ましい]
を挙げることができ、但し以下の化合物を除く。

0071

式(IIIA)の新規な化合物として、R2 = R4 = OHである式(IIIA)の化合物、すなわち、以下の式(IVA)の化合物:



[式中、R4'は独立に、水素原子又は-OR基を表し、ここで、Rは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表すことが好ましく、
R3'は-OR基を表し、ここでRは水素原子又は直鎖状C1〜C4アルキル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表すことが好ましい]
を挙げることができ、但し以下の化合物を除く。

0072

式(IIIA)の化合物のうち、以下の新規な化合物5〜10、光学異性体、立体異性体、及びジアステレオ異性体、及び/又は幾何異性体、及び/又は塩が、更により詳細には選ばれる。

0073

0074

式(IIIA)の化合物のうち、更により特定すると、以下の新規な化合物5〜10、光学異性体、立体異性体、及びジアステレオ異性体、及び/又は幾何異性体、及び/又は塩が選ばれる。

0075

0076

式(I)の化合物、特に、化合物(II)、(III)、(IIIA)、及び/又は(IV)の塩は、有機塩及び/又は無機塩であってよい。それらは金属塩、例えば、アルミニウム(Al3+)、亜鉛(Zn2+)、マンガン(Mn2+)、又は銅(Cu2+);アルカリ金属塩、例えば、リチウム(Li+)、ナトリウム(Na+)、又はカリウム(K+);及びアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム(Ca2+)又はマグネシウム(Mg2+)から選んでよい。また、式NH4+の塩、又は式NHX3+の有機塩を挙げることもでき、NX3は有機アミンを示し、X基は同一若しくは異なっており、2つ若しくは3つのX基は対になってそれらが有する窒素原子とともに環を形成していてもよく、又はNX3は芳香族アミンを表す。有機アミンは、特に、メチルアミンジメチルアミントリメチルアミントリエチルアミン、又はエチルアミン等のアルキルアミン2-ヒドロキシエチルアミンビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、又はトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン等のヒドロキシアルキルアミンビシクロヘキシルアミン又はグルカミンピペリジン等のシクロアルキルアミンピリジン等、例えば、コリジンキニーネ、又はキノリン;及び例えばリジン又はアルギニンなどの塩基性を有するアミノ酸を表す。

0077

好ましくは、式(I)の塩化合物、特に、化合物(II)、(III)、(IIIA)、及び/又は(IV)はカルシウム塩である。

0078

式(I)に相当する化合物は、対応する化合物(A)から3つの工程で調製することができる。

0079

- 当業者既知標準的な方法(例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、P.G.M.Wutz、T.Greene編、Wiley-Blackwellを参照されたい)に従って、例えば、保護基としてアセテート基又はベンジル基を用いることによって、遊離フェノール官能基を保護する工程。

0080

R1〜R5及びR1'〜R5'は既に記載した意味を有する。
R1〜R5及び/又はR1'〜R5'のうちの少なくとも1つがヒドロキシル基OHを表すとき、対応するR1a〜R5a基及び/又はR1a'〜R5a'基は、O-Protを表し、Protはヒドロキシル官能基の保護基、特に、-CO-CH3又は-CH2-Phを表す。
置換基R1〜R5及び/又はR1'〜R5'の少なくとも1つがOHを表さないとき、対応するR1a〜R5a基及び/又はR1a'〜R5a'基は、R1〜R5及び/又はR1'〜R5'を表す。

0081

- 対応する保護された中間体(B)をジヒドロキシル化する工程。

0082

R1〜R5、R1'〜R5'、R1a〜R5a、及びR1a'〜R5a'は既に記載した意味を有する。
反応は、市販のSharpless系AD-mix-α(供給会社Sigma社、USAから問い合わせ番号392758で市販されている)又はAD-mix-β(供給会社Sigma社、USAから問い合わせ番号392766で市販されている)を使用して実施することができる。

0083

酸化系AD-mix(0.004eqになるような量のオスウス酸カリウムプレ触媒(precatalyst)が導入されている)を、1:1の比のt-BuOH/水混合物等の、アルカノール/水の二相混合物中に溶かし、完全に溶解するまで、その媒体を室温で撹拌する。次いで、以下のものを続けて添加する。
-メタンスルホンアミド(2当量
- 第1の工程から得られた中間体(すなわち、保護された中間体(B))(1当量)
-ジクロロメタン等の非プロトン性溶媒
反応媒体は、2〜96時間にわたって0〜70℃に保つ。室温に冷却した後、亜硫酸ナトリウムと接触させながら撹拌し、過酸化物中和する。生成物有機溶媒で抽出し、有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮する。残渣を、一般的には、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製する。

0084

- 当業者に既知の標準的な方法(例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis、P.G.M.Wutz、T.Greene編、Wiley-Blackwellを参照されたい)に従って、あらかじめ保護されているフェノール官能基を脱保護する工程。

0085

0086

R1〜R5、R1'〜R5'、R1a〜R5a、及びR1a'〜R5a'は既に記載した意味を有する。

0087

対応する化合物(A)が市販されていないときは、以下のメタセシス反応によって得てもよい。

0088

0089

この反応は、Grubbs I錯体、Grubbs II錯体、Hoveyda-Grubbs錯体、Zhan B錯体、又はZhan 1C錯体等の市販のルテニウム錯体によって触媒することができる。
したがって、例えば、ルテニウム錯体(0.0005当量〜0.20当量)を、無水ジクロロメタン又は無水トルエン等の無水非プロトン性溶媒中のスチレン誘導体(1当量)の溶液に添加する。反応混合物を、不活性雰囲気下で、0.5〜24時間にわたって還流(50〜150℃)する。室温に冷却した後、溶媒減圧下で留去し、残渣を精製し、予想される中間体(A)を、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒からの再結晶によって、又はシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによってのいずれかで単離する。

0090

これらの経路に従って、式(I)、(II)、(III)、及び(IV)の化合物、特に、式(IIIA)及び(IVA)の新規な化合物、特に、既に記載の化合物5〜10が得られる。

0091

本発明はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの式(I)の化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物に関する。
特に、組成物は、皮膚、特に、ヒト個体の皮膚への局所適用に適する。

0092

本発明はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの新規な式(IIIA)の化合物、好ましくは既に記載した化合物5〜10から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物に関する。

0093

本発明はまた、生理学的に許容される媒体中に少なくとも1つの新規な式(IIIA)の化合物、好ましくは既に記載の化合物5、6、7、8、及び/又は10のうちから選ばれる少なくとも1つの化合物を含む組成物、特に、化粧用組成物に関する。

0094

式(I)又は(IIIA)の化合物は、単独で又は混合物として、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0.01質量%から30質量%の間、好ましくは0.1質量%から10質量%の間、特に0.5質量%から5質量%の間で存在してよい。

0095

本発明による組成物はまた、生理学的に許容される媒体を含み、この媒体は、優先的には、化粧品として許容される媒体、すなわち、不快な臭い、色、又は外観を有さず、使用者に許容できない刺痛、つっぱり感、又は発赤のいずれも引き起こさない媒体である。本発明の目的に関して、「生理学的に許容される媒体(physiologically acceptable medium)」という用語は、身体若しくは顔の皮膚、口唇粘膜まつげ、又は爪等のヒトのケラチン物質適合する媒体を意味する。

0096

本発明による組成物は、想定される適用分野で一般的に用いられる、任意の化粧品成分を含んでいてよい。

0097

したがって、本発明による組成物は、水;有機溶媒、特に、C1〜C6アルコール及びC2〜C10カルボン酸エステル炭化水素系油シリコーン油フッ素油(fluoro oils)、ワックス顔料充填剤染料界面活性剤乳化剤化粧用活性薬剤、UV遮蔽剤フィルム形成ポリマー親水性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性増粘剤保存剤芳香剤臭気吸収剤/中和剤、並びに抗酸化剤から選ばれる少なくとも1つの化粧品成分を含んでいてよい。

0098

これらの任意選択成分は、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜99質量%、特に0.1質量%〜40質量%の割合で存在してよい。

0099

本発明による組成物は、脂肪相及び/又は水性相を含むことができる組成物であってよい。

0100

その性質に応じて、これらの任意選択成分は、組成物の脂肪相若しくは水性相へ、又は脂質小胞へ導入することができる。いずれの場合も、これらの成分及びそれらの割合は、想定した添加によって、本発明による化合物の有利な特性が悪影響を受けることも、又は実質的に悪影響を受けることもないように、当業者により選ばれる。

0101

本発明において用いることができる油として、流動ワセリン植物由来の油、動物由来の油、合成油、及びシリコーン系油等の、鉱油、炭化水素系油を挙げることができる。その油が存在するとき、脂肪相は、脂肪アルコール脂肪酸、又はワックスも含んでいてよい。

0102

親水性の増粘剤又はゲル化剤として、カルボキシビニルポリマーカルボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマー等のアクリルコポリマーポリアクリルアミド多糖天然ゴム、及びクレーを挙げることができ、親油性の増粘剤又はゲル化剤として、ベントン等の変性クレー、脂肪酸の金属塩、及び疎水性シリカを挙げることができる。

0103

本発明による組成物は、式(I)の化合物以外の少なくとも1つの化粧用活性薬剤、特に、剥離剤モイスチャライザー脱色素剤又は着色促進剤(propigmenting agents);抗グリケーション剤;NO合成阻害剤;真皮高分子若しくは表皮高分子の合成を刺激する、かつ/又はそれらの分解を予防する薬剤;線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖を刺激する、かつ/又はケラチノサイトの分化を刺激する薬剤;皮膚収縮防止剤(dermo-decontracting agents);テンショニング剤毛細血管循環に作用する薬剤;細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤;並びにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含んでいてよい。

0104

この組成物は、化粧品分野又は皮膚科学分野で通常用いられる任意のガレヌス製剤(galenical)の形態、特に、任意選択でゲル状の水性溶液若しくは水-アルコール性溶液、任意選択で二相分散体であるローションタイプの分散体、水性相中脂肪相(O/W)若しくは逆の相(W/O)の分散体によって得られるエマルション、又は三相(W/O/W又はO/W/O)のエマルション、又はイオン性及び/若しくは非イオン性タイプの小胞性分散体;水性又は油性のゲルとすることができる。これらの組成物は、通常の方法に従って調製される。

0105

この組成物は、多少は流動性であってよく、白色若しくは有色のクリーム軟膏乳液ローションセラム、ペースト、ゲル、又はムースの外観を有してよい。その組成物は、任意選択で、エアゾールの形態で適用してよい。その組成物は、固体形態、特にスティック形態でもよい。

0106

組成物がエマルジョンであるとき、脂肪相の割合は、組成物の総質量に対して、5質量%〜80質量%、好ましくは、8質量%〜50質量%の範囲とすることができる。乳化剤は、組成物の総質量に対して、0.3質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%の範囲の割合で存在することができる。

0107

本発明による組成物は、スキンケア組成物、特に、顔に対する、手に対する、足に対する、主要な解剖学的なひだに対する、若しくは身体に対する、クレンジング用、保護用処置用、若しくはケア用のクリーム(例えば、日中用クリーム、夜用クリームメイクアップ除去クリーム、ファンデーションクリーム、日焼け止めクリーム);メイクアップ除去乳液、保護用若しくはケア用の体用乳液、又は日焼け止め乳液;又はクレンジングローション等のスキンケア用のローション、ゲル、若しくはフォームを構成することができる。

0108

本発明による組成物は、有利には抗老化組成物、特に、皮膚老化の外見的徴候を特に美容上、処置及び/又は阻止するケア組成物である。

0109

組成物は、より具体的には、熟年の皮膚をケアする組成物である。

0110

組成物は、メイクアップ組成物、特に、ファンデーションであってもよい。

0111

こうした記載において及びそれに続く実施例において、特に別の記述がない限り、百分率質量百分率であり、「・・・から・・・の間」という形で書かれた値の範囲は、記述された下限値及び上限値を含む。成分は、当業者であればすぐに決定することができる順序で及び条件下で混合され、その後に形成される。

0112

以下の実施例は、本発明の技術分野の非限定的な例示として提示されるものである。

0113

化合物1の調製

0114

第1の工程
Zhan触媒(供給会社Sigma社、USAから問い合わせ番号762261で市販されている)(44mg、0.061mmol、0.01当量)を、無水トルエン中の市販のアネトール(298mg、2.0mmol)の溶液へ添加する。反応混合物を、不活性雰囲気下(N2)、2時間にわたって110℃に加熱する。室温に冷却した後、トルエンを減圧下で留去し、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(5/1ヘキサン/ジクロロメタン)によって精製し、溶媒を留去した後に、白色固形物の形態で中間体(433mg、90%の収率)が単離される。
その1HNMRスペクトル及び質量スペクトルは、予想される構造と一致する。

0115

第2の工程
第1の工程から得られた中間体及びAD-mix-β(1.9g)を、t-BuOH/水の二相混合物(1/1の割合)8mLに溶解し、媒体を室温で16時間にわたって撹拌する。

0116

生成物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和Na2SO3水溶液で、次いで、2NNaOH水溶液洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮乾固させる。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/3)によって精製すると、白色固形物の形態で化合物1(105mg、72%の収率)が得られる。
その1HNMRスペクトル及び質量スペクトルは、予想される構造と一致する。

0117

化合物3の調製
化合物3は、下記の順序によって、4つの工程で得られる。

0118

第1の工程
Zhan触媒(供給会社Sigma社、USAから問い合わせ番号762261で市販されている)(447mg、0.061mmol、0.01当量)を、無水トルエン(50mL)中の市販のイソオイゲノール(10g、61mmol、1当量)の溶液へ添加する。反応混合物を、不活性雰囲気下、24時間にわたって110℃で加熱する。室温に冷却した後、トルエンを減圧下で留去し、残渣をアセトニトリルから再結晶させると、灰色固形物の形態で予想される中間体(6.0g、75%の収率)が得られる。

0119

第2の工程
DMF(100mL)に溶解した第1の工程から得られた中間体(5.9g、21.8mmol、1当量)を炭酸カリウム(12.0g、87.2mmol、4当量)の存在下、臭化ベンジル(11.2g、65.4mmol、3当量)で処理する。反応混合物を、室温で12時間にわたって撹拌し、次いで、生成物を大量の水(100mL)を添加することによって沈殿させる。ろ過した後に、固形物を水で、次いでヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥させる。中間体が、淡黄色固形物(9.8g、95%の収率)の形態で得られる。

0120

第3の工程
AD-mix-β(9g)を、t-BuOH/水の二相混合物(1/1の割合)120mLに溶解し、媒体を、完全に溶解するまで、室温で撹拌する。次いで、以下のものを続けて添加する。
-メタンスルホンアミド(1.3g、13.3mmol、2当量)
- 第2の工程から得られた中間体(3.0g、6.6mmol)
-ジクロロメタン(50ml)

0121

反応媒体を、72時間にわたって50℃に保つ。室温に冷却した後、反応媒体を、室温で、亜硫酸ナトリウム(10g)と接触させながら撹拌し、過酸化物を中和する。生成物をジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/2)によって精製し、溶媒を留去させた後に、白色固形物の形態で予想される中間体(保護された化合物3)(1.0g、30%の収率)が得られる。

0122

第4の工程
10%Pd/C触媒(200mg)を、1/1のMeOH/EtOAc混合物(40mL)中の第3の工程から得られた中間体の溶液中に懸濁させる。反応媒体を、H2雰囲気下、室温で24時間にわたって撹拌する。触媒をろ過によって除去した後、ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/EtOAc:1/2)によって精製し、溶媒を留去させた後、白色固形物の形態で化合物3(1.0g、85%の収率)が得られる。
1HNMRスペクトル及び質量スペクトルは、予想される構造と一致する。

0123

化合物4の調製
化合物4は、市販のレスベラトロールから、下記の保護-ジヒドロキシル化-脱保護の順序に従って、3つの工程で得られる。

0124

0125

第1の工程
以下のものを3つ口フラスコへ入れる。
レスベラトロール(1.0g、4.4mmol)
N,N-ジメチルホルムアミド(15ml)
臭化ベンジル(3.4g、19.7mmol、4.5当量)
炭酸カリウム(3.6g、26.3mmol、6当量)
反応混合物を、室温で16時間にわたって撹拌し、次いで、水20mLに注ぎ入れる。こうして形成された固形物をろ別し、水で、次いで石油エーテルで洗浄する。これを真空下で乾燥させると、保護されたレスベラトロールに相当する白色粉末状物(m=2.1g、95%の収率)が得られる。
こうして得られた中間体を、得られたものとして、下記の工程で使用する。

0126

第2の工程
AD-mix-β(26g)を、t-BuOH/水の二相混合物(1/1の割合)200mLに溶解し、媒体を、完全に溶解するまで室温で撹拌する。次いで、以下のものを続けて添加する。
-メタンスルホンアミド(3.5g、37.2mmol)
- 第1の工程から得られた中間体(9.3g、18.6mmol)
-ジクロロメタン(30ml)
反応媒体を、72時間にわたって50℃に保つ。室温に冷却した後、反応媒体を、室温で、亜硫酸ナトリウム(10g)と接触させながら撹拌し、過酸化物を中和する。生成物をジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾固させる。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=1/2)によって精製し、溶媒を留去した後に、淡黄色固形物の形態で予想される中間体(保護された化合物4)(m=7.4g、70%の収率)が得られる。

0127

第3の工程
以下のものを丸底フラスコへ入れる。
- 第2の工程から得られた中間体(11g、20.7mmol)
-酢酸エチル(50mL)
-メタノール(50mL)
- 10%Pd/C(1.1g)
反応媒体を、水素雰囲気下、室温で8時間にわたって撹拌する。次いで、触媒を、ろ過によって除去し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/EtOAc:1/2)によって精製し、溶媒を留去した後に、白色固形物の形態で化合物4(m=4.7g、87%の収率)が得られる。
1HNMRスペクトル及び質量スペクトルは、予想される構造と一致する。

0128

正常なヒト表皮ケラチノサイトを、1ウェル当たり180000個の細胞で播種し、0.25ng/mlのEGF、25μg/mlの下垂体エキス、及び25μg/mlのゲンシンを加えたSFM培養培地(供給会社Gibco社)でコンフルエントになるまで培養し、37℃及び5%CO2の高湿度オーブンインキュベートする。次いで、培養培地を、テスト培地(25μg/mlのゲンタマイシンを加えたSFM(Gibco社))と交換する。このテスト培地は、テスト化合物、その組み合わせ、又は参照(500μMのAICAR(5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド))を含んでいるか又は含んでいない(対照)。次いで細胞を12時間にわたってインキュベートした。

0129

p-AMPKの発現レベルウエスタンブロット法によって分析した。

0130

インキュベートの最後に、タンパク質を抽出し、定量化し、次いで、10%ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動法によって分離し、ニトロセルロース膜上に転写した。

0131

PBS/Tween/1%BSA溶液中で膜を飽和させた後、リン-AMPKタンパク質(Thr-172)(p-AMPK)及びGAPDHを、特定の抗体を用いて連続的に明らかにし、その抗体自体は、抗免疫グロブリンペルオキシダーゼ複合体を用いて明らかにした。PBS/Tweenで洗浄した後、ペルオキシダーゼ活性、ひいては目的のタンパク質を、ECL+(高感度ケミルミネッセンス)法によって示した。それぞれ連続的に示す間に、「ストリッピング緩衝液を用いて抗体を外した。画像を、Fuji LAS 3000化学発光スキャナー(Fujifilm社)を用いて得て、デンシメトリー分析を、Multigauge software(Fujifilm社)を使用して実施した。

0132

対照と比較したAMPKのリン酸化型(酵素の活性型)の増加がこのテストで評価される。

0133

結果
対照(100%)と比較したp-AMPK型/GAPDH比を表す。

0134

0135

以下の抗老化組成物を調製する。
百分率は質量ベースで示されている。

0136

実施例3の化合物2%
グリセロール12%
40%AMのポリアクリルアミド(SEPPIC社から提供されるSepigel 305)1%AM
α,ω-ヒドロキシル基及びシクロペンタジメチルシロキサン基(15/85)を含むポリジメチルシロキサンの混合物2%
保存剤適量
芳香剤適量
水 全体を100%にする適量
AM:活性物質

0137

皮膚に塗布されたとき、このクリームは皮膚老化の徴候を低下させる。

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