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技術 ナトリウムチャネル関連疾患及び障害の治療におけるテトラヒドロピリジンの使用

出願人 セナーヴファーマ(エス)ピーティーイーリミテッド
発明者 ラティ,アニルクマールマイケル,エンツェロス
出願日 2015年11月19日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2017-530206
公開日 2017年12月14日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2017-537113
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 水添ピリジン系化合物 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 参照文 ゲート孔 開口チャネル 電気的インパルス 製品シート ランダウ 不活性化状態 周期的変動
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題・解決手段

本発明は、関連する症状を含む、個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害治療する方法を提供する。本方法は、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための有効量のテトラヒドロピリジン誘導体を、個体に投与するステップを含む。これらの化合物は一般にリタリン関連化合物に分類される。本発明はまた、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療における使用、及び個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための医薬の製造にもおける使用のための化合物を提供する。本発明の化合物の誘導体の調製及び単離のための方法がさらに提供される。

概要

背景

本発明の背景についての以下の考察は、本発明の理解を助けることを意図する。しかしながら、言及されたいずれの内容も、本出願の優先日におけるあらゆる権限で、公表されたこと、公知化されたこと、又は一般的な通常の知識の不可欠な要素であったことを、考察が自認又は承認するものではないことが理解されるものとする。

ナトリウムチャネルは、電位開口型カリウム及びカルシウムチャネルを含むイオンチャネルスーパーファミリーの基本メンバーである。しかしながら、カリウム及びカルシウムチャネルの異なるクラスとは違い、公知のナトリウムチャネル(NaV)の機能的特性は比較的類似している。中枢ニューロンにおいて見出される電位開口型のナトリウムイトチャネルは、無髄及び有髄軸索に主に局在し、活動電位惹起及び反復性発火を支配する。ナトリウムチャネルは、電気的インパルス細胞及び細胞ネットワーク全体に迅速に伝達することによって、神経ネットワークにおいて重要な役割を果たし、それによって、自発運動認知及び疼痛を含むがこれらに限定されない、より高次のプロセスを調和させる。これらのチャネルは、巨大膜貫通タンパク質であり、これは、異なる状態間で切り替えられて、ナトリウムイオンの選択的透過を可能にする。このプロセスのためには、膜を脱分極させる活動電位が必要であり、従って、これらのチャネルは電位開口型である。

電位開口型ナトリウムチャネルは、低いナノモル濃度テトロドトキシン感受性、TTXs)から高いマイクロモル濃度(テトロドトキシン抵抗性、TTXr)のテトロドトキシンに対するそれらの感受性に基づいて分類される。これまでに、9種の異なるナトリウムチャネルαサブユニットが、NaV1.1〜NaV1.9として同定及び分類されており、NaV1.1〜NaV1.4、NaV1.6及びNaV1.7はTTXsであり、一方、NaV1.5、NaV1.8及びNaV1.9はTTXrであり、感受性の程度が異なっている。NaV1.1〜NaV1.3及びNaV1.6は、中枢神経系(CNS)で主に発現し、一方、NaV1.4及びNaV1.5は、筋肉(それぞれ、骨格及び心臓)で主に発現する。NaV1.7、NaV1.8及びNaV1.9は、後根神経節(DRG)感覚ニューロンで主に発現する。

幾つかの疾患、障害及びそれらの症状は、異常なナトリウムチャネルコンダクタンスに関連する。これらは、多動に関連する、筋肉、膀胱、免疫系、神経の障害、疼痛、けいれん、炎症、そしてさらに癌を含む。非神経系又は非筋肉系の器官で発現する電位開口型ナトリウムチャネルは、しばしば異なる癌の転移挙動と関連し、異なる癌、例えば、前立腺乳房小細胞及び非小細胞)及び白血病病理関与している(Roger Sら、Curr Pharm Des 2006、12(28):3681〜3695;Li M及びXiong ZG、Int J Physiol Pathophysiol Pharmacol 2011、3(2)、156〜166)。

自閉症スペクトル障害ASD)は、社会性欠如及びコミュニケーションの困難さ、常同性又は反復性の行動、並びに多動によって特徴付けられる。全エキソームの配列決定を通じて、NaV1.1をコードするSCN1Aを含む、新規の変異を有する候補遺伝子が、孤発性のASDにおいて最近明らかになった(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。最初は異なっていると考えられていたが、自閉症注意欠陥多動性障害ADHD)、双極性障害大うつ病性障害及び統合失調症の全てが、共通の遺伝的支持を共有することが最近見出された(Soretti A及びFabbri C、Lancet、2013、381(9875)、1339〜1341)。これらの障害、その病態生理学及び現在の治療は、the American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 第5版(DSM−5)、2013年発行の第5改訂版、及びthe Encyclopedia of Psychopharmacology(Springer 2010)にまとめられている。

骨格筋を冒す先天性パラミオトニア及び周期性四肢麻痺等の電位開口型ナトリウムチャネルのチャネル病は、SCN4A/NaV1.4において見出され得る。NaV1.4における変異は、負の膜電位で、ゲート孔を通じたイオン漏出をもたらし、内向きのナトリウム流を維持することができる。このような変異はまた、活性化を増強するか、又は不活性化を損なって、興奮性亢進をもたらし得る(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。

ナトリウムチャネルのアイソフォームにおける変化は、DRGの異常な異所性発火を引き起こし、異所性自発放電を引き起こすと考えられる。これは、切迫性尿失禁を伴うか又は伴わない、緊急性頻度及び夜間多尿によって特徴付けられる、過活動膀胱をもたらし得る(Steers WD、Rev Urol 2002、4(Suppl4)、S7〜S18)。

多発性硬化症において、患者は、軸索の脱髄が生じ、ゆっくりとしたナトリウム依存性の膜電位の周期的変動によって引き起こされる、異所性の活動電位の発火をもたらす(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。

NaV1.1及びNaV1.2をコードする遺伝子の変異は、ナトリウムチャネルの活動状態好都合な、後天性及び遺伝性てんかんの両方の病態生理学に関与していることを示し、てんかん発作の最大の活動及びその伝播をもたらす電気シグナル伝播の増強をもたらす(Zuliani V.ら、Curr Top Med Chem、2012、12(9)、962〜70)。

未知作用機序を有する多くの薬物は、ナトリウムチャネルコンダクタンスを調節することによって実際に作用し、局所麻酔薬、クラスI抗不整脈薬及び抗けいれん薬が含まれる。イオンチャネルを標的とする薬物は、CNS、末梢神経系又は心臓血管系のいずれかと常に関連している(Waszkielewicz AMら、Curr Med Chem、2013、20、1241〜1285)。ニューロンのナトリウムチャネル遮断薬は、上述の疾患、障害及び症状、例えば、てんかん(フェニトイン及びカルバマゼピン)、双極性障害(ラモトリギン)の治療及び軽減、神経変性の予防、並びに神経障害性疼痛の低減におけるそれらの使用を伴う適用が見出されている。ニューロンの興奮を安定化する各種の抗てんかん薬は、神経障害性疼痛に有効である(例えば、カルバマゼピン)。

しかしながら、ナトリウムチャネル関連疾患、障害及び症状を治療及び軽減する、改善された方法及び化合物の依然として求められており、例えば、投薬量を低下させる一方で、これらの疾患、障害及び症状に対処する薬物の効果を最大化する方法及び化合物が求められています。

メチルフェニデートスレオ及びエリスロジアステレオマーが、ドーパミン及びセロトニン受容体に結合することは公知であり、スレオ体は、一般に、ADHDの治療のために、ラセミ体として患者に処方される(Davies H.M.L.ら、Bioorg Med Chem Lett、2004、14、1799〜1802)。このことは、メチルフェニデートが、ノルエピネフリンセロトニン及びドーパミントランスポーターのそれらのほとんどと、マイクロモル濃度の範囲でも相互作用するという、国際公開第2007/106508号で繰り返されている。しかしながら、本発明者らは、メチルフェニデート及びその類縁体が、ナトリウムチャネル、特にナトリウムチャネルサイト2に強く結合することを見出したが、これは従来技術には開示も示唆もされていない。さらに、セロトニン5−HT2A及び5−HT2C受容体に対する国際公開第2007/106508号の化合物の拮抗性結合活性に関するIC50値は、マイクロモル濃度の範囲であり、所望の薬理学的な効果を明らかにするのに十分ではないはずである。また、国際公開第2007/106508号におけるメチルフェニデート類縁体の合成はロジウム触媒が関与し、これは重金属の量が厳密に規制され、経口投与の場合10ppm、非経口投与の場合1ppmにロジウムが制限されているため、活性な医薬製品における問題となるだろう。

従って、本発明の目的は、ナトリウムチャネル関連疾患及び障害の治療のためのメチルフェニデート類縁体の改善された使用を提供することである。本発明は、得られた化合物の安全性及び有効性が向上した、メチルフェニデート類縁体を合成する改善されたプロセスも提供する。

概要

本発明は、関連する症状を含む、個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療する方法を提供する。本方法は、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための有効量のテトラヒドロピリジン誘導体を、個体に投与するステップを含む。これらの化合物は一般にリタリン関連化合物に分類される。本発明はまた、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療における使用、及び個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための医薬の製造にもおける使用のための化合物を提供する。本発明の化合物の誘導体の調製及び単離のための方法がさらに提供される。

目的

本発明の目的は、ナトリウムチャネル関連疾患及び障害の治療のためのメチルフェニデート類縁体の改善された使用を提供する

効果

実績

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請求項1

個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害治療する方法であって、疾患又は障害を治療するための有効量の化合物を含む組成物を前記個体に投与するステップを含み、前記化合物が、以下の構造(1):(式中、Rは、水素アルキルアルケニルアルコキシハロニトロ、シアノ、ケトアミノカルボキシレート置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有するか、そのジアステレオマーエナンチオマーラセミ混合物、塩又はそれらの組合せである、方法。

請求項2

前記Rを有する基が、一、二、又は三置換体である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記化合物が、スレオジアステレオマー、エリスロジアステレオマー又はスレオジアステレオマー及びエリスロジアステレオマーの混合物である、請求項1又は2に記載の方法。

請求項4

Rが、水素、ハロゲン、置換若しくは無置換フェニル、及びRを有する基と側面を共有する隣接する環からなる群から選択される、1つ又は複数の置換基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

Rが、3位及び4位の塩素置換基からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

Rが、p−ブロモである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

Rが、p−クロロである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

Rが、p−2−ナフチルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項9

Rが、無置換のp−フェニルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項10

前記化合物が、以下の構造(2):を有する、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記化合物が、以下の構造(3):を有する、請求項9に記載の方法。

請求項12

前記化合物が、構造(2)及び(3)の混合物を含む、請求項9に記載の方法。

請求項13

前記化合物が、ナトリウムチャネルコンダクタンス阻害することができる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記ナトリウムチャネルが、電位開口型ナトリウムチャネルである、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記化合物が、セロトニン受容体を阻害して、セロトニン受容体の活性を低減することができる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記化合物が、経口、非経口筋肉内、静脈内、粘膜又は経皮的に投与される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多動に関連する障害、筋肉の障害、膀胱の障害、免疫系の障害又は神経の障害からなる群から選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、自閉症スペクトル障害ASD)、注意欠陥多動性障害ADHD)又は統合失調症が関連する多動である、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、気管支けいれん食道けいれん又は過敏性腸症候群(IBS)である、請求項17に記載の方法。

請求項20

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、尿失禁である、請求項17に記載の方法。

請求項21

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、統合失調症、てんかん、及び片頭痛である、請求項17に記載の方法。

請求項22

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多発性硬化症である、請求項17に記載の方法。

請求項23

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、癌である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

前記方法が、前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の1つ又は複数の症状を軽減するステップをさらに含み、前記症状が、疼痛、けいれん、及び炎症を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。

請求項25

個体の1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療に使用するための、以下の構造(1):(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、ケト、アミノ、カルボキシレート、置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有する化合物、そのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ混合物、塩又はそれらの組合せ。

請求項26

前記Rを有する基が、一、二、又は三置換体である、請求項25に記載の化合物。

請求項27

前記化合物が、スレオジアステレオマー、エリスロジアステレオマー又はスレオジアステレオマー及びエリスロジアステレオマーの混合物である、請求項25又は26に記載の化合物。

請求項28

Rが、水素、ハロゲン、置換若しくは無置換フェニル、及びRを有する基と側面を共有する隣接する環からなる群から選択される、1つ又は複数の置換基である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の化合物。

請求項29

Rが、3位及び4位の塩素置換基からなる、請求項25〜28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項30

Rが、p−ブロモである、請求項25〜28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項31

Rが、p−クロロである、請求項25〜28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項32

Rが、p−2−ナフチルである、請求項25〜28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項33

Rが、無置換のp−フェニルである、請求項25〜28のいずれか一項に記載の化合物。

請求項34

前記化合物が、以下の構造(2):を有する、請求項33に記載の化合物。

請求項35

前記化合物が、以下の構造(3):を有する、請求項33に記載の化合物。

請求項36

前記化合物が、構造(2)及び(3)の混合物を含む、請求項33に記載の方法。

請求項37

前記化合物が、ナトリウムチャネルコンダクタンスを阻害することができる、請求項25〜36のいずれか一項に記載の化合物。

請求項38

前記ナトリウムチャネルが、電位開口型ナトリウムチャネルである、請求項37に記載の化合物。

請求項39

前記化合物が、セロトニン受容体を阻害して、セロトニン受容体の活性を低減することができる、請求項25〜38のいずれか一項に記載の化合物。

請求項40

前記化合物が、経口、非経口、筋肉内、静脈内、粘膜又は経皮的に投与される、請求項25〜39のいずれか一項に記載の化合物。

請求項41

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多動に関連する障害、筋肉の障害、膀胱の障害、免疫系の障害又は神経の障害からなる群から選択される、請求項25〜40のいずれか一項に記載の化合物。

請求項42

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、自閉症スペクトル障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)又は統合失調症が関連する多動である、請求項41に記載の化合物。

請求項43

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、気管支けいれん、食道けいれん又は過敏性腸症候群(IBS)である、請求項41に記載の化合物。

請求項44

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、尿失禁である、請求項41に記載の化合物。

請求項45

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、統合失調症、てんかん、及び片頭痛である、請求項41に記載の化合物。

請求項46

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多発性硬化症である、請求項41に記載の化合物。

請求項47

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、癌である、請求項25〜40のいずれか一項に記載の化合物。

請求項48

前記使用が、前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の1つ又は複数の症状を軽減するステップをさらに含み、前記症状が、疼痛、けいれん、及び炎症を含む、請求項25〜47のいずれか一項に記載の化合物。

請求項49

個体の1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療に使用するための、請求項25〜48のいずれか一項に記載の化合物、及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物。

請求項50

個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害のための医薬の製造における、構造(1):(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、ケト、アミノ、カルボキシレート、置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有する化合物の使用。

請求項51

個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための医薬の製造において使用するための、以下の構造(1):(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、ケト、アミノ、カルボキシレート、置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有する化合物、そのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ混合物、塩又はそれらの組合せ。

請求項52

前記Rを有する基が、一、二、又は三置換体である、請求項51に記載の化合物。

請求項53

前記化合物が、スレオジアステレオマー、エリスロジアステレオマー又はスレオジアステレオマー及びエリスロジアステレオマーの混合物である、請求項51又は52に記載の化合物。

請求項54

Rが、水素、ハロゲン、置換若しくは無置換フェニル、及びRを有する基と側面を共有する隣接する環からなる群から選択される、1つ又は複数の置換基である、請求項51〜53のいずれか一項に記載の化合物。

請求項55

Rが、3位及び4位の塩素置換基からなる、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。

請求項56

Rが、p−ブロモである、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。

請求項57

Rが、p−クロロである、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。

請求項58

Rが、p−2−ナフチルである、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。

請求項59

Rが、無置換のp−フェニルである、請求項51〜54のいずれか一項に記載の化合物。

請求項60

前記化合物が、以下の構造(2):を有する、請求項59に記載の化合物。

請求項61

前記化合物が、以下の構造(3):を有する、請求項59に記載の化合物。

請求項62

前記化合物が、構造(2)及び(3)の混合物を含む、請求項59に記載の化合物。

請求項63

前記化合物が、ナトリウムチャネルコンダクタンスを阻害することができる、請求項51〜62のいずれか一項に記載の化合物。

請求項64

前記ナトリウムチャネルが、電位開口型ナトリウムチャネルである、請求項63に記載の化合物。

請求項65

前記化合物が、セロトニン受容体を阻害して、セロトニン受容体の活性を低減することができる、請求項51〜64のいずれか一項に記載の化合物。

請求項66

前記化合物が、経口、非経口、筋肉内、静脈内、粘膜又は経皮的に投与される、請求項51〜65のいずれか一項に記載の化合物。

請求項67

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多動に関連する障害、筋肉の障害、膀胱の障害、免疫系の障害又は神経の障害からなる群から選択される、請求項51〜66のいずれか一項に記載の化合物。

請求項68

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、自閉症スペクトル障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)又は統合失調症が関連する多動である、請求項67に記載の化合物。

請求項69

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、気管支けいれん、食道けいれん又は過敏性腸症候群(IBS)である、請求項67に記載の化合物。

請求項70

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、尿失禁である、請求項67に記載の化合物。

請求項71

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、統合失調症、てんかん、及び片頭痛である、請求項67に記載の化合物。

請求項72

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、多発性硬化症である、請求項67に記載の化合物。

請求項73

前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害が、癌である、請求項51〜66のいずれか一項に記載の化合物。

請求項74

前記使用が、前記1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の1つ又は複数の症状を軽減するステップをさらに含み、前記症状が、疼痛、けいれん、及び炎症を含む、請求項51〜73のいずれか一項に記載の化合物。

請求項75

個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療に使用するための、請求項51〜74のいずれか一項に記載の化合物、及び薬学的に許容可能な担体を含む組成物。

請求項76

以下の構造(1):(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、ケト、アミノ、カルボキシレート、置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有する化合物の誘導体を調製及び単離するための方法であって、a.非キラルロジウム触媒の存在下で、アリールジアゾアセテートを、除去可能な保護基を有するテトラヒドロピリジンと反応させて、保護基を含む第1の誘導体の混合物を得るステップ、b.前記第1の混合物から保護基を除去して、第2の誘導体の混合物を得るステップ、並びにc.前記第2の混合物を処理して、前記化合物のスレオ及びエリスロジアステレオマーを精製及び単離するステップを含む、方法。

請求項77

前記第2の混合物の処理が、前記非キラルロジウム触媒及び任意のロジウム誘導体を実質的に除去する、請求項76に記載の方法。

請求項78

前記第2の混合物の前記処理が、カラムクロマトグラフィーによる、請求項76又は77に記載の方法。

請求項79

前記方法が、前記化合物のエリスロジアステレオマーを処理して、前記化合物のエリスロエナンチオマーを得るステップをさらに含む、請求項76〜78のいずれか一項に記載の方法。

請求項80

前記化合物のスレオジアステレオマーを処理して、前記化合物のスレオジアステレオマーを得るステップをさらに含む、請求項76〜78のいずれか一項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、一般には、多動に関連する、筋肉膀胱、免疫系及び神経の障害を含むが、これらに限定されない、ナトリウムチャネル関連疾患及び障害に関する。

背景技術

0002

本発明の背景についての以下の考察は、本発明の理解を助けることを意図する。しかしながら、言及されたいずれの内容も、本出願の優先日におけるあらゆる権限で、公表されたこと、公知化されたこと、又は一般的な通常の知識の不可欠な要素であったことを、考察が自認又は承認するものではないことが理解されるものとする。

0003

ナトリウムチャネルは、電位開口型カリウム及びカルシウムチャネルを含むイオンチャネルスーパーファミリーの基本メンバーである。しかしながら、カリウム及びカルシウムチャネルの異なるクラスとは違い、公知のナトリウムチャネル(NaV)の機能的特性は比較的類似している。中枢ニューロンにおいて見出される電位開口型のナトリウムイトチャネルは、無髄及び有髄軸索に主に局在し、活動電位惹起及び反復性発火を支配する。ナトリウムチャネルは、電気的インパルス細胞及び細胞ネットワーク全体に迅速に伝達することによって、神経ネットワークにおいて重要な役割を果たし、それによって、自発運動認知及び疼痛を含むがこれらに限定されない、より高次のプロセスを調和させる。これらのチャネルは、巨大膜貫通タンパク質であり、これは、異なる状態間で切り替えられて、ナトリウムイオンの選択的透過を可能にする。このプロセスのためには、膜を脱分極させる活動電位が必要であり、従って、これらのチャネルは電位開口型である。

0004

電位開口型ナトリウムチャネルは、低いナノモル濃度テトロドトキシン感受性、TTXs)から高いマイクロモル濃度(テトロドトキシン抵抗性、TTXr)のテトロドトキシンに対するそれらの感受性に基づいて分類される。これまでに、9種の異なるナトリウムチャネルαサブユニットが、NaV1.1〜NaV1.9として同定及び分類されており、NaV1.1〜NaV1.4、NaV1.6及びNaV1.7はTTXsであり、一方、NaV1.5、NaV1.8及びNaV1.9はTTXrであり、感受性の程度が異なっている。NaV1.1〜NaV1.3及びNaV1.6は、中枢神経系(CNS)で主に発現し、一方、NaV1.4及びNaV1.5は、筋肉(それぞれ、骨格及び心臓)で主に発現する。NaV1.7、NaV1.8及びNaV1.9は、後根神経節(DRG)感覚ニューロンで主に発現する。

0005

幾つかの疾患、障害及びそれらの症状は、異常なナトリウムチャネルコンダクタンスに関連する。これらは、多動に関連する、筋肉、膀胱、免疫系、神経の障害、疼痛、けいれん、炎症、そしてさらに癌を含む。非神経系又は非筋肉系の器官で発現する電位開口型ナトリウムチャネルは、しばしば異なる癌の転移挙動と関連し、異なる癌、例えば、前立腺乳房小細胞及び非小細胞)及び白血病病理関与している(Roger Sら、Curr Pharm Des 2006、12(28):3681〜3695;Li M及びXiong ZG、Int J Physiol Pathophysiol Pharmacol 2011、3(2)、156〜166)。

0006

自閉症スペクトル障害ASD)は、社会性欠如及びコミュニケーションの困難さ、常同性又は反復性の行動、並びに多動によって特徴付けられる。全エキソームの配列決定を通じて、NaV1.1をコードするSCN1Aを含む、新規の変異を有する候補遺伝子が、孤発性のASDにおいて最近明らかになった(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。最初は異なっていると考えられていたが、自閉症注意欠陥多動性障害ADHD)、双極性障害大うつ病性障害及び統合失調症の全てが、共通の遺伝的支持を共有することが最近見出された(Soretti A及びFabbri C、Lancet、2013、381(9875)、1339〜1341)。これらの障害、その病態生理学及び現在の治療は、the American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 第5版(DSM−5)、2013年発行の第5改訂版、及びthe Encyclopedia of Psychopharmacology(Springer 2010)にまとめられている。

0007

骨格筋を冒す先天性パラミオトニア及び周期性四肢麻痺等の電位開口型ナトリウムチャネルのチャネル病は、SCN4A/NaV1.4において見出され得る。NaV1.4における変異は、負の膜電位で、ゲート孔を通じたイオン漏出をもたらし、内向きのナトリウム流を維持することができる。このような変異はまた、活性化を増強するか、又は不活性化を損なって、興奮性亢進をもたらし得る(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。

0008

ナトリウムチャネルのアイソフォームにおける変化は、DRGの異常な異所性発火を引き起こし、異所性自発放電を引き起こすと考えられる。これは、切迫性尿失禁を伴うか又は伴わない、緊急性頻度及び夜間多尿によって特徴付けられる、過活動膀胱をもたらし得る(Steers WD、Rev Urol 2002、4(Suppl4)、S7〜S18)。

0009

多発性硬化症において、患者は、軸索の脱髄が生じ、ゆっくりとしたナトリウム依存性の膜電位の周期的変動によって引き起こされる、異所性の活動電位の発火をもたらす(Eijkelkampら、Brain、2012、135、2585〜2612)。

0010

NaV1.1及びNaV1.2をコードする遺伝子の変異は、ナトリウムチャネルの活動状態好都合な、後天性及び遺伝性てんかんの両方の病態生理学に関与していることを示し、てんかん発作の最大の活動及びその伝播をもたらす電気シグナル伝播の増強をもたらす(Zuliani V.ら、Curr Top Med Chem、2012、12(9)、962〜70)。

0011

未知作用機序を有する多くの薬物は、ナトリウムチャネルコンダクタンスを調節することによって実際に作用し、局所麻酔薬、クラスI抗不整脈薬及び抗けいれん薬が含まれる。イオンチャネルを標的とする薬物は、CNS、末梢神経系又は心臓血管系のいずれかと常に関連している(Waszkielewicz AMら、Curr Med Chem、2013、20、1241〜1285)。ニューロンのナトリウムチャネル遮断薬は、上述の疾患、障害及び症状、例えば、てんかん(フェニトイン及びカルバマゼピン)、双極性障害(ラモトリギン)の治療及び軽減、神経変性の予防、並びに神経障害性疼痛の低減におけるそれらの使用を伴う適用が見出されている。ニューロンの興奮を安定化する各種の抗てんかん薬は、神経障害性疼痛に有効である(例えば、カルバマゼピン)。

0012

しかしながら、ナトリウムチャネル関連疾患、障害及び症状を治療及び軽減する、改善された方法及び化合物の依然として求められており、例えば、投薬量を低下させる一方で、これらの疾患、障害及び症状に対処する薬物の効果を最大化する方法及び化合物が求められています。

0013

メチルフェニデートスレオ及びエリスロジアステレオマーが、ドーパミン及びセロトニン受容体に結合することは公知であり、スレオ体は、一般に、ADHDの治療のために、ラセミ体として患者に処方される(Davies H.M.L.ら、Bioorg Med Chem Lett、2004、14、1799〜1802)。このことは、メチルフェニデートが、ノルエピネフリンセロトニン及びドーパミントランスポーターのそれらのほとんどと、マイクロモル濃度の範囲でも相互作用するという、国際公開第2007/106508号で繰り返されている。しかしながら、本発明者らは、メチルフェニデート及びその類縁体が、ナトリウムチャネル、特にナトリウムチャネルサイト2に強く結合することを見出したが、これは従来技術には開示も示唆もされていない。さらに、セロトニン5−HT2A及び5−HT2C受容体に対する国際公開第2007/106508号の化合物の拮抗性結合活性に関するIC50値は、マイクロモル濃度の範囲であり、所望の薬理学的な効果を明らかにするのに十分ではないはずである。また、国際公開第2007/106508号におけるメチルフェニデート類縁体の合成はロジウム触媒が関与し、これは重金属の量が厳密に規制され、経口投与の場合10ppm、非経口投与の場合1ppmにロジウムが制限されているため、活性な医薬製品における問題となるだろう。

0014

従って、本発明の目的は、ナトリウムチャネル関連疾患及び障害の治療のためのメチルフェニデート類縁体の改善された使用を提供することである。本発明は、得られた化合物の安全性及び有効性が向上した、メチルフェニデート類縁体を合成する改善されたプロセスも提供する。

0015

本発明は、関連する症状を含む、個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療する方法を提供する。本方法は、個体のナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための有効量のテトラヒドロピリジン誘導体を、個体に投与するステップを含む。これらの化合物は、リタリン関連化合物に一般に分類される。

0016

本発明はまた、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害の治療における使用、及び個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための医薬の製造にもおける使用のための化合物を提供する。

0017

本発明の化合物の誘導体の調製及び単離のための方法がさらに提供される。スレオ及びエリスロジアステレオマー、並びにスレオ及びエリスロエナンチオマーを精製及び単離することが好ましい。

0018

ナトリウムチャネル関連疾患又は障害としては、限定されないが、多動に関連する障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトル障害(ASD)、及び統合失調症が関連する多動)、筋肉の障害(例えば、気管支けいれん、及び食道けいれん)、膀胱の障害(例えば、尿失禁、及び過敏性腸症候群(IBS))、免疫系の障害(例えば、多発性硬化症)、神経の障害(例えば、統合失調症、てんかん及び片頭痛)、及び癌が挙げられる。少なくとも1つの上記疾患又は障害に関連する症状としては、限定されないが、疼痛、けいれん及び炎症が挙げられる。

0019

特定の実施形態において、本発明の方法によって投与される組成物は、以下の一般構造(1):




(式中、Rは、水素アルキルアルケニルアルコキシハロニトロ、シアノ、ケトアミノカルボキシレート置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される)を有する化合物、そのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ混合物、塩又はそれらの組合せを含む。Rを有する基は、好ましくは、一、二、又は三置換体である。

0020

本化合物は、スレオジアステレオマー、エリスロジアステレオマー、又はスレオジアステレオマー及びエリスロジアステレオマーの混合物であることが好ましい。本化合物は、以下の構造(2及び/又は3):




の1つを有することが好ましい。

0021

本化合物は、ナトリウムチャネルコンダクタンスを阻害することによって機能することが好ましく、ナトリウムチャネルは、電位開口型ナトリウムチャネルである。本化合物はまた、電位開口型ナトリウムチャネルのサイト2に結合することによって機能することが好ましい。

0022

さらに、本化合物はまた、セロトニン受容体、特に、限定されないが、セロトニン5−HT2A受容体に結合することが好ましい。

0023

添付の図面を参照して、例示のみを目的として、本発明を次に記載する。

図面の簡単な説明

0024

ECLIPSE XDB−C18、5μm、4.6×150mmカラム流速1ml/分における、実施例1のHPLCの追跡を示す。溶媒相A:水中に0.05%TFA、溶媒相B:アセトニトリル中に0.05%TFA。勾配(時間/%B):0/5 5/5 15/90 20/90 20.1/5 25/5。
Diacelキラルパック(chiralpak)IA3、3μ、4.6×250mmカラム、流速1ml/分における、実施例1のHPLCの追跡を示す。溶媒ヘキサン:IPA(99.1%)中に0.1%DEA、均一濃度
DiacelキラルパックIA3、3μ、4.6×250mmカラム、流速1ml/分における、エナンチオマーM及びエナンチオマーNの分離のHPLC分析の追跡を示す。溶媒:ヘキサン:エタノール(99.1%)中に0.1%DEA、均一濃度。
DiacelキラルパックIA3、3μ、4.6×250mmカラム、流速1ml/分における、実施例1Eの分離のHPLC分析の追跡を示す。溶媒:ヘキサン:エタノール(99.1%)中に0.1%DEA、均一濃度。両エナンチオマーは等量で存在する。
試験した最大濃度での結合%と、濃度反応曲線に対するIC50、Ki及びnHとを表す、ナトリウムチャネルサイト2及びセロトニン5−HT2A結合サイトへの、開示した実施例の結合の結果を表す表を示す。
実施例1のlog濃度(μm)に対する、[3H]バトラコトキシニンの阻害パーセンテージを表すグラフを示す。

実施例

0025

本発明は、関連する症状を含む、個体における1つ又は複数のナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療する方法を提供する。本方法は、個体におけるナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療するための有効量のテトラヒドロピリジン誘導体を、個体に投与するステップを含む。

0026

本明細書で使用される「個体」という用語は、動物、好ましくはヒトを言う。

0027

同じ個体における一連のナトリウムチャネル関連疾患、障害及び症状を、本発明によって治療又は軽減し得ることが企図される。これに関して、本発明の実施中又は実施後に、ナトリウムチャネル関連疾患、障害及び症状、並びにその治療及び/又は軽減を認識することは、十分に当業者の範囲内であり、任意の適切な、臨床、診断、観察又は他の技術を使用して行うことができる。疾患又は障害の治療は、それが治癒のために実施又は提供されたか、或いはそうではないかに関わらず、疾患若しくは障害の影響又は症状の軽減又は予防のために、実施されるか又は提供されるものを含むと理解される。本発明の実施から生じる、ナトリウムチャネル関連疾患又は障害の結果ではないが、一般に、異常なナトリウムチャネルコンダクタンスに関連する症状を含む、任意の特定の症状の低減は、症状の軽減と考えられる。

0028

ナトリウムチャネル関連疾患又は障害は、異常なナトリウムチャネルコンダクタンス及び過剰発現したナトリウムチャネルに一般に関与する。ナトリウムチャネルの異常なコンダクタンスは、ナトリウムチャネルタンパク質の変異、又はナトリウムチャネルタンパク質サイトへの小分子の結合による、異常なチャネルの開口及び/又はナトリウムチャネルの開/閉の頻度から生じ得る。そのような異常なコンダクタンスとしては、限定されないが、不完全又は欠損による不活性化の事実の結果として、非常に長い開口をもたらすナトリウムチャネルから生じる持続的なナトリウム電流、及び超高速開口チャネル遮断の軽減後に生じ得るリサージェントナトリウム電流が挙げられる。ナトリウムチャネルの過剰発現はまた、それらが位置する細胞(例えば、ニューロン)の興奮を増加し得ることが企図されている。従って、ナトリウムチャネル関連疾患又は障害としては、限定されないが、多動に関連する障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)、及び自閉症スペクトル障害(ASD))、筋肉の障害(例えば、気管支けいれん、及び食道けいれん)、膀胱の障害(例えば、尿失禁、及び過敏性腸症候群(IBS))、免疫系の障害(例えば、多発性硬化症)、神経の障害(例えば、統合失調症、てんかん、及び片頭痛)、及び癌が挙げられる。少なくとも1つの上記疾患又は障害に関連する症状は、周知であり、限定されないが、疼痛、けいれん、及び炎症が挙げられる。任意のこれらの疾患又は障害の症状の低減を認識すること及び決定することは、当業者によって容易に行うことができる。

0029

本明細書に記載のナトリウムチャネルとしては、限定されないが、チャネルの開口が、電位の変化(例えば、電位開口型、電位感受性及び電位依存性ナトリウムチャネル)又はリガンドの結合(例えば、リガンド開口型ナトリウムチャネル)によって引き起こされるナトリウムチャネルが挙げられる。

0030

本発明の化合物は、ナトリウムチャネル関連疾患又は障害を治療する目的のために、ナトリウムチャネルに結合することによってナトリウムチャネルコンダクタンスを調節すると理解することができ、このような調節としては、限定されないが、ナトリウムチャネルコンダクタンスの、完全若しくは部分的な、阻害又は低減が挙げられる。

0031

有効量の本化合物を含む組成物は、任意の慣用経路によって投与されてもよい。このような経路としては、限定されないが、経口、非経口、筋肉内、静脈内、粘膜及び経皮が挙げられる。

0032

本化合物の投与計画の決定は、十分に当業者の範囲内である。例としては、0.1mg〜1,000mgの間の用量が考慮される。投与パラメータは、個体の体重に加えて、個体の年齢並びに疾患のステージ又は障害の重症度も考慮して、慣用の手順に従って決定できることが認識されよう。

0033

他の成分を本化合物と合わせて、本方法に使用するための医薬調製物を形成してもよい。そのような成分は、限定されないが、とりわけ、剤形、患者の特定の必要性、及び製造の方法を含む因子に応じて選択することができる。そのような成分の例としては、限定されないが、結合剤滑沢剤賦形剤風味剤保存剤着色剤希釈剤等が挙げられる。

0034

本方法における使用のための医薬組成物の成分に関する更なる情報は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(第18版、A.R.Gennaroら編、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1990)に記載されている。従って、特定の物質の選択、及び本発明の組成物とのそれらの適合性は、当業者によって容易に確認することができる。

0035

本化合物、及びそのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ混合物、塩(限定されないが、薬学的に許容可能な塩、キラルな塩、及び結晶化したそのようなキラルな塩、例えば、乳酸又は酒石酸を含む)、又はそれらの任意の組合せは、ナトリウムチャネル阻害剤として機能することができ、驚くべきことに、ヒトにおける顕著な治療上の有用性を有することを示した。上記化合物はまた、それらのエナンチオマーの分割に使用する任意のキラル固定相を含むことができる。例えば、抗てんかん薬のナトリウムチャネルを遮断する分類の一員として一般に許容されるラモトリギンは、双極性うつ病及び反復性うつ病併発した成人のADHDに対する、安全で有効な治療の選択肢であることを示した(Oncuら、J Psychopharmacol、2014、28(3)、282〜283)。さらにまた、本発明の化合物及びその誘導体は、セロトニン受容体、特に5−HT2A受容体と結合して、患者の認知機能を改善し得る、抗精神病薬として公知の拮抗剤として作用することを見出した。本化合物及びその誘導体は、セロトニン受容体の活性を阻害及び/又は低減することが見出された。このことは、ナトリウムチャネル受容体及びセロトニン受容体の両方に対する本化合物及びその誘導体の複合活性が存在することを示唆しており、そのような組合せは、認知機能を改善し、多動を低減するのに有利であろう。二重機能性及びメカニズムは、治療抵抗性の状況で使用するために、特異的に応用することができる。

0036

本発明における化合物は、そのジアステレオマー、エナンチオマー、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物及びそれらの塩を含み、以下の一般構造(1)を有し、インビトロの薬理学的な受容体の検討において、好適な生物活性を発揮することを示した。

0037

Rは、水素、ハロ、置換若しくは無置換フェニル、Rを有する基と側面を共有する隣接する環、又はそれらの組合せを含む群から選択される。Rは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、ニトロ、シアノ、ケト、アミノ及びカルボキシレートを含む群から選択することもできることが理解されよう。Rを有する基は、好ましくは、一、二、又は三置換体である。Rは、水素、ハロゲン、置換若しくは無置換フェニル、及びRを有する基と側面を共有する隣接する環からなる群から選択される、1つ又は複数の置換基を示すことが好ましい。水素、無置換フェニル、1つ又は複数の塩素臭素、及びナフチル基を含むRを有する環と一緒になった単一の隣接芳香環等の置換基が好適である。従って、「誘導体」という用語は、一般構造(1)を有するか、又は一般構造(1)を有する化合物から化学的若しくは物理的プロセスを経て誘導される化合物(1つ又は複数)を示し、ジアステレオマー、エナンチオマー、及び塩を含むが、これらに限定されない。

0038

Rを有する環のパラ位R基、例えば、Rを有する環のパラ位の無置換フェニル、メタ及び/又はパラ位のいずれか又は両方の塩素置換基、パラ位の臭素置換基、並びにパラ−2−ナフチル基を含む、Rを有する環と一緒になったような1個の隣接する環が好適である。本化合物は、構造(2)及び/又は構造(3)を有することが好ましい。

0039

一般構造(1)を有する化合物、そのスレオ及びエリスロの、ジアステレオマー並びにエナンチオマーの合成を本明細書に記載する。合成反応は、非キラルロジウム触媒(ロジウム(II)オクタノエートダイマー)の使用を含む。触媒の選択により、コストを大幅に低減し、ロジウム触媒の使用を合成経路のより初期のステップに移動させた新たな合成経路の利用を可能にする。ロジウム触媒は上記合成反応で使用されるが、上記反応は、最後の反応ステップにおけるロジウム触媒を回避し、このことは、本明細書に記載の化合物は、医薬への応用を一般に意図しているので、有用であり、それによって、重金属の量を厳しく制御して、経口投与の場合10ppm、非経口投与の場合1ppmのロジウムに制限する。従って、ロジウム触媒及び任意のロジウム誘導体は、スレオ及びエリスロの、ジアステレオマー並びにエナンチオマーを含む、本発明の化合物を含有する混合物から、実質的に除去され、「実質的に」という用語は、混合物に残存するロジウムの量が、経口投与の場合10ppm以下、又は非経口投与の場合1ppm以下であることを意味する。反応の最終化学生成物(すなわち、スレオ及びエリスロの、ジアステレオマー並びにエナンチオマー)を得るための適切な精製及び単離技術は、例えば、カラムクロマトグラフィー、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及び結晶化による、慣用の手順に従って容易に決定できる。疑念を避けるために、本明細書で使用する保護基は、反応から官能基を保護する目的のために、化合物の官能基と反応できる化学基を示す。保護基としては、限定されないが、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)、カルボベンジルオキシCbz)、p−メトキシベンジルカルボニル(Moz)及びアセチル(Ac)基が挙げられる。

0040

本発明を以下の実施例によって説明するが、本実施例は本発明の特定の実施形態を説明することのみを意味しており、任意の方法で限定することを意味するものではない。

0041

調製の実施例
提示は、構造(2)を有する化合物、そのスレオ及びエリスロジアステレオマー並びにエナンチオマーを製造するための代表的な手順を提供する。本実施例のステップは、一般式(1)を有する他のテトラヒドロピリジン誘導体の合成にも適用されることが当業者に理解され、所望の化合物の合成を最適化するために、異なる反応物の利用及び異なる実験条件を実施することは、当業者にとっては通常の作業であると予想される。

0042

実施例1の調製
構造(2)を有する化合物の一般的な合成を実施例1について要約し、例示する。実施例1の合成は、市販の2−[(1,1’−ビフェニル)−4−イル酢酸(化合物A)から出発して、5ステップで達成した。化合物Aをエステル化し、続いてトシルアジドで処理して中間体Cを得て、これを、Rh(II)オクタノエートの存在下、Dで処理して、分離できないジアステレオマー混合物として中間体Eを得た。中間体Eを、TFAを用いるBoc除去に付して中間体Fを得て、これをHCl−MTBEで処理して実施例1を得た(スキーム1)。

0043

1.メチルビフェニル−4−イルアセテート、中間体Bの調製
ビフェニル−4−イル酢酸(10.0g、47.1mmol)のMeOH(100mL)溶液に、硫酸(10mL)を0℃で加えた。反応混合物を16時間撹拌して還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、氷水(100mL)で希釈し、MTBE(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層飽和NaHCO3溶液(100mL)、水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、メチルビフェニル−4−イルアセテート(中間体B、9.80g、92%)を無色の液体として得た。

0044

1H NMR(CDCl3):δ 7.49〜7.44(m,4H)、7.35〜7.23(m,5H)、3.60(s,3H)、3.56(s,2H)。

0045

2.メチル2−(ビフェニル−4−イル)−ジアゾアセテート、中間体Cの調製
メチルビフェニル−4−イルアセテート(中間体B、9.80g、43.3mmol)のアセトニトリル(50mL)溶液に、DBU(9.80g、65.0mmol)を加え、続いて、トシルアジド(10.2g、52.0mmol)のアセトニトリル(48mL)溶液を10分かけて0℃で滴下した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、5%KOH溶液(200mL)で希釈し、MTBE(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、メチル2−(ビフェニル−4−イル)−ジアゾアセテート(中間体C、9.00g、82%)を黄色の固体として得た。

0046

1H NMR(CDCl3):δ 7.64〜7.53(m,6H)、7.46〜7.31(m,3H)、3.88(s,3H)。

0047

3.tert−ブチル6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート、中間体Eの調製
ロジウム(II)オクタノエートダイマー(0.30g、0.39mmol)の1,2−ジメチルブタン(200mL)溶液に、tert−ブチル5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体D、11.1g、63.4mmol)の1,2−ジメチルブタン(100mL)溶液を室温で加えた。1,2−ジメチルブタン及びトルエン(300mL、2:1)中の2−(ビフェニル−4−イル)−ジアゾアセテート(中間体C、4.00g、15.8mmol)を反応混合物に15分かけて室温で滴下して添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert−ブチル6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体E、3.00g、46%)をオフホワイト色の固体として得た。

0048

1H NMR(CDCl3):δ 7.52〜7.42(m,4H)、7.39〜7.24(m,5H)、5.86〜5.74(m,2H)、4.20〜4.15(m,1H)、3.74(d,J=10.4Hz,1H)、3.64(s,3H)、2.88〜2.81(m,1H)、2.27〜2.15(m,1H)、1.98〜1.77(m,1H)、1.46〜1.39(m,1H)、1.09(s,9H)。

0049

4.メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)
アセテート、中間体Fの調製
tert−ブチル6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体E、3.00g、7.37mmol)のCH2Cl2(30mL)溶液に、TFA(5.7mL、74mmol)に5分かけて0℃で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、0℃に冷却した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(25mL)でpH10に塩基性化し、CH2Cl2(3×20mL)で抽出し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート(中間体F、2.00g、88%)をオフホワイト色の固体として得た。

0050

1H NMR(CDCl3):δ 7.59〜7.55(m,4H)、7.49〜7.32(m,5H)、5.91〜5.69(m,2H)、5.30〜5.27(m,1H)、4.04〜3.99(m,1H)、3.70〜3.69(d,J=3.6Hz,3H)、3.65〜3.57(m,1H)、3.09〜2.76(m,2H)、2.22〜2.05(m,1H)、2.04〜1.98(m,1H)。

0051

5.実施例1、メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート塩酸塩の調製
6(2.00g、6.5mmol)のMTBE(20mL)溶液に、ジエチルエーテル中のHCl(1.0M、32mL、32mmol)を2分かけて0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。得られた固体をろ過によって集め、ペンタン(100mL)で洗浄し、真空下乾燥して、実施例1(メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート塩酸塩、1.50g、67%、HPLCによるAUC98.7%)をオフホワイト色の固体として得た。実施例1の2つのジアステレオマーはECLIPSE XDB−C18カラムで、保持時間がそれぞれ12.4分及び12.6分で、2.16:1の割合で溶出する(図1)。キラルDiacelカラムにおいて、全ての4つのエナンチオマーは、保持時間がそれぞれ14.5分、18.0分、19.5分及び21.5分で、分析的に分離することができる(図2)。

0052

1H NMR(DMSO−d6):δ 9.73(d,J=6.0Hz,1H)、9.39(s,0.3H)、8.62(s,0.7H)、7.75〜7.39(m,9H)、6.07〜5.90(m,1H)、5.69(d,J=10.8Hz,0.7H)、5.19(d,J=10.2Hz,0.3H)、4.49〜4.52(m,1H)、4.15〜4.30(m,1H)、3.67(d,J=3.3Hz,3H)、3.50(s,1H)、3.22〜3.03(m,2H)、2.22(t,J=13.5Hz,1H)。

0053

実施例1のエナンチオマー:実施例1A、実施例1B、実施例1C及び実施例1Dの調製
実施例1A、実施例1B、実施例1C及び実施例1Dの合成は、上述の方法である、市販の2−[(1,1’−ビフェニル)−4−イル]酢酸からの中間体Fのジアステレオマーの合成に続けて行った。ビフェニル−4−イル酢酸をエステル化し、続いてトシルアジドで処理して中間体Cを得て、これを、Rh(II)オクタノエートの存在下、中間体Dで処理して、分離できないジアステレオマー混合物として中間体Eを得た。中間体EをBoc除去に付し、続いてシリカクロマトグラフィーによって精製して、中間体Fのジアステレオマーである、エリスロジアステレオマーG及びスレオジアステレオマーHを得た(スキーム2)。

0054

ジアステレオマーGを、キラル分取HPLCに付して、エナンチオマーI及びKを得て、これをHClで処理して、実施例1A及び実施例1Bを得た(スキーム3)。実施例1A及び実施例1Bの絶対立化学帰属しなかった。

0055

ジアステレオマーHをBoc無水物で処理して中間体Lを得て、これをキラル分取HPLC精製に付して、エナンチオマーM及びNを得た。エナンチオマーM及びNのTFAを用いるBoc除去により、エナンチオマーO及びPを得て、これをHClで処理して、実施例1C及び実施例1Dをそれぞれ得た(スキーム4)。

0056

1.エリスロエナンチオマーI、K及びスレオジアステレオマーHの調製
中間体E(2.80g、6.80mmol)のCH2Cl2(28mL)溶液に、TFA(5.29mL、68.0mmol)を5分かけて0℃で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、0℃に冷却した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(25mL)を用いてpHを約10に塩基性化し、CH2Cl2(3×20mL)で抽出し、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。反応混合物を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、エリスロジアステレオマーG(0.60g)及びスレオジアステレオマーH(0.90g、42%)をオフホワイト色の固体として得た。エリスロジアステレオマーG(0.60g)を、キラル分取HPLC(ヘキサン:IPA、99:1中0.1%DEA、ダイセルキラルパックIA、250mm×20mm、5μ、12mL/分、0.60gの混合物を30mLの移動相に溶解して、30分毎に4.0mLを注入した)によって精製して、最初に溶出したエナンチオマー(22分)としてエナンチオマーI(0.20g、9.5%)を、続いて、二番目に溶出したエナンチオマー(26分)としてエナンチオマーK(0.20g、9.5%)を、オフホワイト色の固体として得た。

0057

エナンチオマーI及びK:
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.51〜7.47(m,4H)、7.37〜7.31(m,4H)、7.28〜7.24(m,1H)、5.73〜5.68(m,1H)、5.23〜5.20(m,1H)、3.97〜3.93(m,1H)、3.61(s,3H)、3.51(d,J=10.4Hz,1H)、3.04〜2.99(m,1H)、2.88〜2.82(m,1H)、2.15〜2.05(m,1H)、1.92〜1.85(m,2H)。

0058

スレオジアステレオマーH:
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.58〜7.56(m,4H)、7.48〜7.41(m,4H)、7.36〜7.32(m,1H)、5.91〜5.87(m,1H)、5.73〜5.69(m,1H)、4.02〜3.98(m,1H)、3.69(s,3H)、3.62(d,J=10.4Hz,1H)、3.00〜2.95(m,1H)、2.82〜2.76(m,1H)、2.21〜2.12(m,1H)、2.04〜2.02(m,1H)。

0059

2.ビフェニル−4−イル[1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Aの調製
エナンチオマーI(0.18g、0.58mmol)のMTBE(13.5mL)溶液に、ジエチルエーテル中のHCl(1.0M、2.93mL、2.93mmol)を2分かけて室温で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を、ペンタン(20mL)を用いて粉砕し、ろ過し、真空下乾燥して、(S,S)−ビフェニル−4−イル[1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩(実施例1A、0.17g、85%、HPLCによるAUC>99%、>99.0%(ee)、m/z308[M+H]+)を淡黄色の固体として得た。

0060

1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 9.63(bs,1H)、9.27(bs,1H)、7.72〜7.67(m,4H)、7.49〜7.36(m,5H)、5.92(d,J=10.0Hz,1H)、5.19(d,J=10.0Hz,1H)、4.57(bs,1H)、4.22(d,J=9.6Hz,1H)、3.68(s,3H)、3.35〜3.17(m,2H)、2.27(bs,2H);mp=187℃〜189℃;[α]25 D −173.2°(c 0.05,CHCl3)。

0061

3.ビフェニル−4−イル[1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Bの調製
実施例1Aの調製として記載したものと同様の手順を使用して、エナンチオマーK(0.20g、0.65mmol)の化合物から、(R,R)−ビフェニル−4−イル[1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩(実施例1B、0.19g、85%、HPLCによるAUC97.6%、98.6%(ee)、m/z308[M+H]+)を淡黄色の固体として得た。

0062

1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 9.63(bs,1H)、9.27(bs,1H)、7.72〜7.67(m,4H)、7.49〜7.36(m,5H)、5.92(d,J=10.0Hz,1H)、5.19(d,J=10.0Hz,1H)、4.57(bs,1H)、4.22(d,J=9.6Hz,1H)、3.68(s,3H)、3.35〜3.17(m,2H)、2.27(bs,2H);mp=187℃〜189℃;[α]25 D +184.8°(c 0.05,CHCl3)。

0063

4.エナンチオマーM及びNの調製
ジアステレオマーH(0.90g、6.80mmol)のCH2Cl2(40mL)溶液に、TEA(0.79mL、5.82mmol)を加え、続いて、(Boc)2O(0.73mL、3.22mmol)のCH2Cl2(10mL)溶液を5分かけて0℃で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLC分析が出発材料消費を示した時に、反応混合物を水(50mL)で希釈し、CH2Cl2(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄した。層を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、エナンチオマーM及びN(0.90g)の混合物を得て、これをキラル分取HPLC(ヘキサン:EtOH、99:1%中に0.1%DEA、ダイセルキラルパックIA、250mm×20mm、5μ、10mL/分、1.0mLループ、0.90gのエナンチオマー混合物図3)を80mLの移動相に溶解し、10分毎に一定分量を注入した)によって精製して、最初に溶出したエナンチオマー(6分)としてエナンチオマーN(0.20g、16.8%)、続いて、二番目に溶出したエナンチオマー(7分)としてエナンチオマーM(0.20g、16.8%)を、オフホワイト色の固体として得た。

0064

エナンチオマーM及びN:
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.52〜7.42(m,4H)、7.36〜7.25(m,5H)、5.84〜5.73(m,2H)、4.20〜4.14(m,1H)、3.73(d,J=10.2Hz,1H)、3.64(s,3H)、2.89〜2.80(m,1H)、2.25〜2.13(m,1H)、1.93〜1.88(m,1H)、1.46〜1.42(m,1H)、1.09(s,9H)。

0065

5.エナンチオマーOの調製
エナンチオマーM(0.20g、0.49mmol)のCH2Cl2(2.0mL)溶液に、TFA(0.37mL、4.9mmol)を1分かけて0℃で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、0℃に冷却した。反応混合物を、飽和NaHCO3溶液(5.0mL)を用いてpH10に塩基性化し、CH2Cl2(3×5.0mL)で抽出し、水(5.0mL)及びブライン(5.0mL)で洗浄した。反応混合物を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、エナンチオマーO(0.10g、66%)をオフホワイト色の固体として得た。

0066

1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.58〜7.56(m,4H)、7.48〜7.41(m,4H)、7.36〜7.32(m,1H)、5.91〜5.86(m,1H)、5.73〜5.70(m,1H)、4.02〜3.98(m,1H)、3.69(s,3H)、3.62(d,J=10.4Hz,1H)、3.01〜2.95(m,1H)、2.82〜2.76(m,1H)、2.21〜2.12(m,1H)、2.04〜1.98(m,1H)。

0067

6.メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Cの調製
実施例1Aの調製として記載したものと同様の手順を使用して、エナンチオマーO(0.10g、0.32mmol)から、メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1C(0.11g、99%、HPLCによるAUC96.5%、94.4%(ee)、m/z308[M+H]+)を淡黄色の固体として得た。

0068

1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 9.55(bs,1H)、8.59(bs,1H)、7.74〜7.68(m,4H)、7.58〜7.37(m,5H)、6.05(d,J=8.0Hz,1H)、5.69(d,J=9.6Hz,1H)、4.50(bs,1H)、4.15(d,J=10.4Hz,1H)、3.67(s,3H)、3.20〜3.03(m,2H)、2.50(bs,1H)、2.22〜2.18(m,1H);mp=194℃〜196℃;[α]25 D +106.4°(c 0.05,CHCl3)。

0069

7.エナンチオマーPの調製
エナンチオマーOの調製として記載したものと同様の手順を使用して、エナンチオマーN(0.20g、0.49mmol)の化合物からエナンチオマーP(0.10g、66%)を淡黄色の固体として得た。

0070

1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.58〜7.56(m,4H)、7.48〜7.41(m,4H)、7.36〜7.32(m,1H)、5.91〜5.86(m,1H)、5.73〜5.70(m,1H)、4.02〜3.98(m,1H)、3.69(s,3H)、3.62(d,J=10.4Hz,1H)、3.01〜2.95(m,1H)、2.82〜2.76(m,1H)、2.21〜2.12(m,1H)、2.04〜1.98(m,1H)。

0071

8.メチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Dの調製
実施例1Cの調製として記載したものと同様の手順を使用して、エナンチオマーP(0.10g、0.32mmol)から、メチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1D(0.11g、99%、HPLCによるAUC96.1%、98.2%(ee)、m/z308[M+H]+)を淡黄色の固体として得た。

0072

1H NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 9.55(bs,1H)、8.59(bs,1H)、7.74〜7.68(m,4H)、7.58〜7.37(m,5H)、6.05(d,J=8.0Hz,1H)、5.69(d,J=9.6Hz,1H)、4.50(bs,1H)、4.15(d,J=10.4Hz,1H)、3.67(s,3H)、3.20〜3.03(m,2H)、2.50(bs,1H)、2.22〜2.18(m,1H);mp=184℃〜186℃;[α]25 D −98.0°(c 0.05,CHCl3)。

0073

メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1C、及びメチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Dをエナンチオマー混合物として得るための拡張可能な手順
中間体Cから出発して、メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1C、及びメチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Dをエナンチオマー混合物として得るための拡張可能な手順を得るために、合成ステップを以下のように最適化した。

0074

1.tert−ブチル6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート、中間体Eの拡張可能な調製
ロジウム(II)オクタノエートダイマー(1.00g、1.38mmol)のn−ヘキサン(50mL)溶液を、tert−ブチル5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(中間体D、10.1g、55.4mmol)のn−ヘキサン(100mL)溶液に室温で加えた。3(14.0g、55.4mmol)のトルエン(40mL)溶液を上記反応混合物に15分かけて滴下して添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を、セライト床を通じてろ過し、n−ヘキサン(100mL)で洗浄し、ろ液を減圧下濃縮して、tert−ブチル6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート、中間体E(24.0g、粗製物)を青色の油状物として得た。

0075

Eclipse XDB−C18カラムによる粗生成物分析用のHPLC分析は、2つのジアステレオマーがそれぞれ49%及び20%で存在することを示した。

0076

2.メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)
アセテート、中間体Fの拡張可能な調製
6−(2−メトキシ−2−オキソ−1−フェニルエチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(24.0g、粗製物)のCH2Cl2(150mL)溶液に、TFA(48mL、2倍容量)を15分かけて0℃で滴下して加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。反応混合物をCH2Cl2(150mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(250mL)を用いて溶液のpHを10に調整した。層を分離し、水層をCH2Cl2(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥し、減圧下濃縮して、メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート、中間体F(16.5g、粗製物)を褐色の油状物として得た。

0077

Eclipse XDB−C18カラムによる粗生成物の分析用のHPLC分析は、2つのジアステレオマーがそれぞれ41%及び22%で存在することを示した。

0078

3.実施例1、メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート塩酸塩の拡張可能な調製
メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート(16.5g、粗製物)の1,4−ジオキサン(100mL)溶液に、1,4−ジオキサン中のHCl(4M、33mL、2倍容量)を10分かけて0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、MTBE(50mL)で洗浄し、真空下乾燥して、メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート塩酸塩(実施例1、13.5g、粗製物)を淡褐色の固体として得た。

0079

Eclipse XDB−C18カラムによる粗生成物の分析用のHPLC分析は、2つのジアステレオマーがそれぞれ50%及び23%で存在することを示した。

0080

4.実施例1E(メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1C、及びメチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Dからなるエナンチオマーのペア)の拡張可能な調製
メチルビフェニル−4−イル(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル)アセテート塩酸塩(10.0g、粗製物)のアセトニトリル(40mL)溶液に、メチルtert−ブチルエーテル(80mL)及び水(7.0mL)を室温で加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。得られた固体をろ過し、メチルtert−ブチルエーテル(25mL)で洗浄し、乾燥して、実施例1E(メチル(2R)−ビフェニル−4−イル[(2S)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1C及びメチル(2S)−ビフェニル−4−イル[(2R)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−2−イル]アセテート塩酸塩、実施例1Dからなるエナンチオマーのペア、3.75g)を淡褐色の固体として得た(HPLC純度96.8%、m/z308[M+H]+)。化合物はDMSO及びアセトニトリル/水に可溶であることが分かった。キラルクロマトグラフィー図4)は、両エナンチオマーが等量で存在することを明らかにした。

0081

実際の実施例
本提示は、本発明の化合物の受容体結合特性を示す。本提示に関して、ナトリウムチャネルサイト2及びセロトニン5−HT2A結合サイトに対する実施例1、実施例1A、実施例1B、実施例1C、実施例1D及び実施例1Eの活性を、放射性リガンドの結合の検討において測定した。セロトニンが引き起こすIP1のCHO細胞での増加における機能性の検討を行い、作動活性又は拮抗活性を測定した。

0082

放射性リガンドの結合データ
ナトリウムチャネルサイト2の結合:
本検討で使用した方法は、Catterall WA、Morrow CS、Daly JW及びBrown CB(J Biol Chem.256(17):8922〜8927、1981)を適用した。得られた結果の妥当性保証するために、各アッセイの不可欠な部分として、ジブカイン参照標準として使用した。

0083

材料:
記載のようにして、[3H]バトラコトキシニンを調製及び精製した。[3H]バトラコトキシニンは1年までの保管で安定であり、これらの実験の期間中、37℃で安定である。

0084

実験:
175±25gの重量の雄のウィスター由来ラット全脳小脳を除く)を使用して、改変HEES/Tris−HCl緩衝液:130mMの塩化コリン、50mMの4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、37℃でpH7.4に調整した50mMのTris、130mMの塩化コリン、5.4mMのKCl、0.8mMのMgCl2、5.5mMのグルコース、40μg/mlのオブサソリ(Leiurus quinquestriatus(LqTx))のサソリ毒中でナトリウムチャネルサイト2を調製する。7.5mgの膜の一定分量を、5nMの[3H]バトラコトキシニンと共に、37℃で60分間インキュベートする。非特異的結合を、100μMベラトリジンの存在下で推定する。膜をろ過し、洗浄して、次いでフィルター計数して、[3H]バトラコトキシニンの特異的結合を測定する。DMSOに溶解した化合物を、1nM〜10μMの間の濃度範囲スクリーニングする。以前の検討において、[3H]バトラコトキシニンの最大結合能力Bmax)とそのKdとが決定されており、それぞれ0.70pmol/mgタンパク質及び52nMに達する。

0085

セロトニン5−HT2A結合:
CHO−K1細胞で発現したヒト組換えセロトニン5−HT2A受容体を、pH7.4の改変Tris−HCl緩衝液中で使用する。30μgの一定分量を0.5nMの[3H]ケタンセリンと共に、25℃で60分間インキュベートする。非特異的結合を1μMのミアンセリンの存在下で推定する。受容体をろ過し、洗浄して、次いでフィルターを計数して、[3H]ケタンセリンの特異的結合を測定する。DMSOに溶解した化合物を、3nM〜30μMの間の濃度範囲でスクリーニングする。以前の検討において、[3H]ケタンセリンの最大結合能力(Bmax)とそのKdとが決定されており、それぞれ510fmol/mgタンパク質及び0.2nMに達する。

0086

データの評価:
MathIQTM(ID Business solutions Ltd.、英国)を使用して、非線形最小2乗回帰分析によってIC50値及びヒル係数(nH)を決定した。Cheng及びPrusoff(Biochem.Pharmacol.22:3099〜3108、1973)の式を使用して、試験化合物の観察されたIC50、アッセイに使用した放射性リガンドの濃度、及びリガンドのKDの背景値(以前に決定された通り)を使用して、Ki値を計算した。

0087

結果:
現実施形態の実施例についての結合データを図5にまとめる。

0088

セロトニンが媒介するイノシトールリン酸応答
5−HT2受容体クラスは優先的にGq/G11とカップリングして、イノシトールリン酸の加水分解が増加し、及び細胞質ゾルの[Ca2+]が上昇する。CHO−K1細胞で安定的に発現するヒト組換えセロトニン5−HT2A受容体を使用する。IP1 Tbキット(シスビオバイオアッセイズ(Cisbio Bioassays))の刺激緩衝液中、試験化合物及び/又はビヒクルを、細胞(5×105/ml)と共に、37℃で30分間インキュベートする。10μMのセロトニン応答と比較して、試験化合物が引き起こす蛍光の増加は、セロトニン5−HT2A受容体作動活性の可能性を示す。試験化合物が引き起こす、0.3μMのセロトニンが引き起こす蛍光応答の阻害は、受容体拮抗活性を示した。実施例1、実施例1C及び実施例1Dを1μMでスクリーニングすると、作動活性は示さなかったが、それぞれ30%及び37%の、0.3μMのセロトニンが引き起こす蛍光応答の阻害の拮抗作用を示した。

0089

電気生理学
哺乳類の細胞で発現するヒトNaV1.1、NaV1.2、Nav1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7及びNaV1.8/β3ナトリウムチャネルに対する効果
CHO細胞をヒトイオンチャネルのcDNAで安定的遺伝子導入した。発現プラスミド複数可)に組み込まれた抗生物質耐性遺伝子(複数可)の発現によって、安定な形質移入体を選択した。培地中に選択用抗生物質を含めることによって淘汰圧を維持した。10%ウシ胎仔血清、100U/mLペニシリンGナトリウム、100μg/mL硫酸ストレプトマイシン及び適切な選択用抗生物質を追加したHam F−12中で、CHO細胞を培養した。試験前に、培養皿の細胞をハンク平衡塩類溶液(HB−PS)で2回洗浄し、アキュターゼで約20分間処理した。イオンワークスバラクーダ(IonWorks Barracuda)(商標)の使用直前に、細胞をHB−PSで洗浄してアキュターゼを除去し、HB−PSに再懸濁した。全ての実験は周囲温度で行った。試験物及び参照化合物リドカイン)濃度を、384チャネルピペッターを用いてナイーブ細胞(n=4、nは複製ウェルの数/濃度)に適用した。各試験物濃度への曝露期間は5分であった。NaVチャネルの阻害を刺激電位のパターンを使用して測定した。化合物の添加前(ベースライン)及び添加後5分にパルスパターンを繰り返した。試験パルスTP1(不活性化状態の阻害)、TP2、TP3(持続性阻害)及びTP22(使用依存阻害)について、ピーク電流振幅を測定した。

0090

濃度−応答データを以下の形式の式に当てはめた。
遮断%=(100%)/[1+([C]/IC50)N]
式中、[C]は試験物の濃度であり、IC50は最大半量の阻害を生じる試験物の濃度であり、Nはヒル係数であり、%VCは電流ランダウン(ビヒクル対照での平均電流阻害)のパーセンテージであり、遮断%は、各濃度の試験物が阻害したイオンチャネル電流のパーセンテージであった。Excel(マイクロソフトレドモンド、ワシントン州)用のXLfitアドインを用いて、非線形最小二乗法適合度解析した。試験物による各NaV1.xチャネル遮断のIC50値を以下の表に示す。

0091

0092

実施例1C、実施例1D及び実施例1Eの全てがNaV1.1〜NaV1.8に対する阻害を示し、チャネルの不活性化状態の遮断において、リドカインよりも10〜100倍を超えて強力であった。

0093

当業者には、本明細書に記載された発明が、具体的に記載されたもの以外の変形及び改変に影響されやすいことが理解されよう。本発明は、全てのそのような変形及び改変を含む。本発明はまた、個々に又はまとめて及び任意に、本明細書で言及又は示された、全てのステップ、特徴、製剤及び化合物、並びに全ての組合せ、或いは任意の2つ以上のステップ又は特徴を含む。

0094

本文で引用した各文献、参考文献、特許出願又は特許は、参照によってそれらの全体が本明細書に明示的に組み込まれており、これは本文の一部として、読者によって、読まれて、考慮されなければならないことを意味する。本文で引用した文献、参考文献、特許出願又は特許を本文で繰り返していないことは、単に簡潔さの理由のためである。

0095

本明細書に記述された、又は参照によって本明細書に組み込まれた任意の文献の、任意の製品のための、任意の製造者指示書説明書、製品の明細書及び製品シートは、参照によって本明細書に組み込まれ、本発明の実施において使用してもよい。

0096

本発明は、本明細書に記載の任意の特定の実施形態によって範囲が限定されるものではない。これらの実施形態は、例示のみを目的とすることを意図している。機能的に等価な製品、製剤及び方法が、本明細書に記載の発明の範囲内であることは明らかである。

0097

本明細書に記載の発明は、1つ又は複数の範囲の値(例えば、濃度)を含んでいてもよい。値の範囲は、範囲内の全ての値を含み、範囲を定義する値、及び範囲の境界を定義する値にすぐ隣接する値と、同じ又は実質的に同じ結果をもたらす、範囲に隣接する値を含むことが理解されよう。

0098

本明細書全体を通じて、文脈特段の要求をしない限り、「含む(comprise)」という語、又は「含む(comprises)」若しくは「含むこと(comprising)」等の変形は、記載された整数又は整数の群を含むが、他の整数又は整数の群を除くことを意味することが理解されよう。本開示において、特に特許請求の範囲及び/又は項において、「含む(comprises)」、「含んだ(comprised)」、「含むこと(comprising)」等の用語は、米国特許法においてそれに起因する意味を有することができ、例えば、それは、「含む(includes)」、「含んだ(included)」、「含むこと(including)」等を意味することができ、「から実質的になること(consisting essentially of)」及び「から実質的になる(consists essentially of)」等の用語が、米国特許法におけるそれらに起因する意味を有し、例えば、それらは明示的に列挙していない要素を可能にするが、従来技術において見出されるか、又は本発明の基本的若しくは新規な特徴に影響を及ぼす要素は除くことにも留意されたい。

0099

本明細書で使用される選択された用語の他の定義は、本発明の詳細な説明及び全体を通じた応用の中で見出されてもよい。特段の定義をしない限り、本明細書で使用される、他の科学的及び技術的用語の全ては、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。

0100

本発明を特定の方法及び実施形態を参照して説明してきたが、本発明から逸脱することなく各種の変形及び変更を行ってもよいことが明らかであろう。

0101

参照文
1. Soretti A andFabbri C, 2013. “Shared genetics among major psychiatric disorders.” Lancet 381 (9875): 1339 - 1341.
2. Waszkielewicz AM, Gunia A, Szkaradek N, Sloczynska KS, S. Krupinska S, Marona A (2013). “Ion channels as drug targets in central nervous system disorders.” Curr Med Chem 20, 1241- 1285.
3. Roger S, Potier M, Vandier C, Besson P and LeGuennec JY (2006). “Voltage-gated sodium channels: new targets in cancer therapy?” Curr Pharm Des 12(28): 3681-3695
4. Li Mand Xiong ZG (2011). “Ion channels as targets for cancer therapy.” Int JPhysiol Pathophysiol Pharmacol 2011, 3(2):156-166
5. Eijkelkamp N, Linley JE, BakerDM, Minett MS, Cregg R, Werdehausen R, Rugiero F and Wood JN (2012). “Neurological perspectives on voltage-gated Sodium channels.” Brain 135: 2585-2612.
6. Steers WD (2002). “Pathophysiology of overactive bladder and urgeurinary incontinence.” Rev Urol 4 (Suppl4):S7-S18.
7. Zuliani V, Fantini M, Rivara M (2012). "Sodium channel blockersas therapeutic target for treating epilepsy: recent updates.” Curr Top Med Chem12(9):962-70.
8. Davies H. M. L. et al. (2004). “Synthesis of methylphenidate analogues and their binding affinities at dopamine and serotonin transportsites.” Bioorg Med Chem Lett, 2004, 14, 1799-1802.

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