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課題・解決手段

タンパク質源抗酸化物質とを任意選択でω−3脂肪酸と組み合わせて含む組成物は、高齢男性サルコペニア治療又は予防すること、高齢男性の筋機能(例えば筋力歩行速度等)の低下を軽減すること、高齢男性の筋機能を高めること、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善することができる。

概要

背景

[0001]本開示は、概して、高齢男性投与されるタンパク質源抗酸化物質とを含む組成物に関する。より具体的には、本開示は、高齢男性にタンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を投与してサルコペニア治療又は予防すること、筋機能(例えば筋力歩行速度等)の低下を軽減すること、筋機能を高めること、及び/又は筋萎縮後の筋機能の回復を改善することに関する。

[0002]サルコペニアは、加齢に伴う筋量及び筋機能(筋力及び歩行速度を含む)の低下として定義される。筋機能及び身体能力は筋量の低下に伴い衰える。筋機能障害は、高齢での寝たきり能力低下、及び死亡の発生についての高度な予測指標となる。高齢者人口の増加に伴い、サルコペニアの有病率は高まりつつあり、米国高齢者集団の45%が中等度から重度の症状を有する。米国におけるサルコペニアに起因する直接的及び間接的な医療コストは190億ドル近くに上る。したがって、サルコペニアの予防及び/又は治療は、我々の社会の健康及びクオリティオブライフ、ひいては医療関連の経済に多大な影響を及ぼし得る。残念ながら、サルコペニアの病因及び生理病理学機序は未だほとんど解明されておらず、予防又は治療のための有効な対策が困難となっている。

[0003]加齢に伴い観察される進行性筋力低下を説明するために立てられた主要な仮説の一つに、栄養素による筋タンパク質合成刺激が減ることに起因して食事摂取同化作用が減少するというものである。この仮説は、筋同化抵抗性と呼ばれる。加えて、酸化的ストレス及び/又は軽度の炎症もまた、高齢者のフレイルに関連することが示されており、直接、あるいは筋肉インスリン感受性の低下を介して、同化抵抗性の一因になっている可能性がある。

概要

タンパク質源と抗酸化物質とを任意選択でω−3脂肪酸と組み合わせて含む組成物は、高齢男性のサルコペニアを治療又は予防すること、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減すること、高齢男性の筋機能を高めること、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善することができる。

目的

[0005]したがって、一般的な実施形態において、本開示は、高齢男性の筋機能の低下を軽減する、高齢男性の筋機能を高める、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善する方法を提供する

効果

実績

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請求項1

高齢男性筋機能の低下を軽減する、高齢男性の筋機能を高める、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善する方法であって、前記高齢男性にタンパク質源抗酸化物質とを含む組成物投与することを含む方法。

請求項2

前記組成物が脂肪酸を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記脂肪酸がn−3脂肪酸である、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記抗酸化物質がポリフェノールを含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記ポリフェノールが、クルクミンルチンケルセチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記タンパク質源がホエイタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記タンパク質源が、カゼインエンドウ豆タンパク質大豆タンパク質及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記抗酸化物質がポリフェノールを含み、前記組成物が前記タンパク質源に加えてn−3脂肪酸を含む、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記組成物が少なくとも1ヵ月の期間にわたって少なくとも週2回投与される、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記筋機能が、筋力歩行速度、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される特性を含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記組成物が、1日に高齢男性の体重1kg当たり0.1〜0.4gの前記タンパク質源を提供する量で投与される、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記組成物が、1日に高齢男性の体重1kg当たり0.01〜0.04gのロイシンを提供する量で投与される、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記高齢男性がサルコペニアを有する、請求項1に記載の方法。

請求項14

(i)サルコペニアを有する高齢男性のサルコペニアを治療すること、(ii)高齢男性のサルコペニアを予防すること、(iii)高齢男性の筋機能の低下を軽減すること、(iv)高齢男性の筋機能を高めること、又は(v)高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善することのうちの少なくとも1つに関して治療的に有効な量の、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物。

請求項15

サルコペニアを有する高齢男性のサルコペニアの治療又は予防に使用される、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物。

請求項16

高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復の改善に使用される、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物。

請求項17

前記抗酸化物質がポリフェノールを含み、前記組成物が前記タンパク質源に加えてn−3脂肪酸を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。

請求項18

前記組成物が、前記組成物の乾燥重量基準で0.2〜100%の量の前記タンパク質源を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。

請求項19

前記タンパク質源がロイシンを含み、前記ロイシンが前記組成物中に最大10重量%の量で存在する、請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。

請求項20

前記組成物が、食品組成物栄養補助食品栄養組成物ニュートラシューティカルズ、摂取前に水又はミルク再構成される粉末栄養製剤食品添加物医薬品、ドリンク、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。

背景技術

0001

[0001]本開示は、概して、高齢男性投与されるタンパク質源抗酸化物質とを含む組成物に関する。より具体的には、本開示は、高齢男性にタンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を投与してサルコペニア治療又は予防すること、筋機能(例えば筋力歩行速度等)の低下を軽減すること、筋機能を高めること、及び/又は筋萎縮後の筋機能の回復を改善することに関する。

0002

[0002]サルコペニアは、加齢に伴う筋量及び筋機能(筋力及び歩行速度を含む)の低下として定義される。筋機能及び身体能力は筋量の低下に伴い衰える。筋機能障害は、高齢での寝たきり能力低下、及び死亡の発生についての高度な予測指標となる。高齢者人口の増加に伴い、サルコペニアの有病率は高まりつつあり、米国高齢者集団の45%が中等度から重度の症状を有する。米国におけるサルコペニアに起因する直接的及び間接的な医療コストは190億ドル近くに上る。したがって、サルコペニアの予防及び/又は治療は、我々の社会の健康及びクオリティオブライフ、ひいては医療関連の経済に多大な影響を及ぼし得る。残念ながら、サルコペニアの病因及び生理病理学機序は未だほとんど解明されておらず、予防又は治療のための有効な対策が困難となっている。

0003

[0003]加齢に伴い観察される進行性筋力低下を説明するために立てられた主要な仮説の一つに、栄養素による筋タンパク質合成刺激が減ることに起因して食事摂取同化作用が減少するというものである。この仮説は、筋同化抵抗性と呼ばれる。加えて、酸化的ストレス及び/又は軽度の炎症もまた、高齢者のフレイルに関連することが示されており、直接、あるいは筋肉インスリン感受性の低下を介して、同化抵抗性の一因になっている可能性がある。

0004

[0004]理論によって拘束されるものではないが、本発明者らは、意外にも、高齢男性にタンパク質源と少なくとも1つの抗酸化物質とを含む栄養組成物を与えると、高齢男性のサルコペニアを軽減しようとする試みが改善されることを見出した。例えば、かかる組成物は、かかる組成物を含まない食事と比べて、その組成物を投与した高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減すること、又は筋機能を改善することができる。

0005

[0005]したがって、一般的な実施形態において、本開示は、高齢男性の筋機能の低下を軽減する、高齢男性の筋機能を高める、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善する方法を提供する。本方法は、高齢男性にタンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を投与することを含む。

0006

[0006]一実施形態において、本組成物は脂肪酸を含む。脂肪酸はn−3脂肪酸であってもよい。

0007

[0007]一実施形態において、抗酸化物質はポリフェノールを含む。ポリフェノールは、クルクミンルチンケルセチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。

0008

[0008]一実施形態において、タンパク質源はホエイタンパク質を含む。

0009

[0009]一実施形態において、タンパク質源は、カゼインエンドウ豆タンパク質大豆タンパク質及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を含む。

0010

[0010]一実施形態において、抗酸化物質はポリフェノールを含み、本組成物はタンパク質源に加えてn−3脂肪酸を含む。

0011

[0011]一実施形態において、本組成物は少なくとも1ヵ月の期間にわたって少なくとも週2回投与される。

0012

[0012]一実施形態において、筋機能としては、筋力、歩行速度、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される特性が含まれる。

0013

[0013]一実施形態において、筋機能は、腓腹筋脛骨筋ヒラメ筋、長伸筋(EDL)、大腿二頭筋半腱様筋半膜様筋大殿筋、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される骨格筋のものである。

0014

[0014]一実施形態において、本組成物は、1日に高齢男性の体重1kg当たり0.1〜0.4gのタンパク質源を提供する量で投与される。

0015

[0015]一実施形態において、本組成物は、1日に高齢男性の体重1kg当たり0.01〜0.04gのロイシンを提供する量で投与される。

0016

[0016]一実施形態において、高齢男性はサルコペニアを有する。

0017

[0017]別の実施形態において、本開示は、(i)サルコペニアを有する高齢男性のサルコペニアを治療すること、(ii)高齢男性のサルコペニアを予防すること、(iii)高齢男性の筋機能の低下を軽減すること、(iv)高齢男性の筋機能を高めること、又は(v)高齢男性の筋萎縮後の筋機能の回復を改善することのうちの少なくとも1つに関して治療的に有効な量の、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を提供する。

0018

[0018]一実施形態において、抗酸化物質はポリフェノールを含み、本組成物はタンパク質源に加えてn−3脂肪酸を含む。

0019

[0019]一実施形態において、本組成物は、組成物の乾燥重量基準で0.2〜100%の量のタンパク質源を含む。

0020

[0020]一実施形態において、タンパク質源はロイシンを含み、ロイシンは組成物中に最大10重量%の量で存在する。

0021

[0021]一実施形態において、本組成物は、食品組成物栄養補助食品、栄養組成物、ニュートラシューティカルズ、摂取前に水又はミルク再構成される粉末栄養製剤食品添加物医薬ドリンク、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。

0022

[0022]別の実施形態において、本開示は、高齢男性のサルコペニアを予防する方法であって、サルコペニアのリスクがある高齢男性にタンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を投与することを含む方法を提供する。

0023

[0023]一実施形態において、抗酸化物質はポリフェノールを含み、本組成物はタンパク質源に加えてn−3脂肪酸を含む。

0024

[0024]本開示の利点は、高齢男性のサルコペニアを治療する組成物、例えば食品製品又は補助食品を提供することである。

0025

[0025]本開示の別の利点は、サルコペニアを予防する組成物、例えば食品製品又は補助食品を提供することである。

0026

[0026]本開示の更に別の利点は、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を、その組成物を含まない食事を摂取している場合に起こるであろう低下と比べて軽減する組成物、例えば食品製品又は補助食品を提供することである。

0027

[0027]本開示の更なる利点は、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)を、その組成物を含まない食事の摂取によって呈するであろう筋機能(例えば筋力、歩行速度等)と比べて高める組成物、例えば食品製品又は補助食品を提供することである。

0028

[0028]本開示の別の利点は、高齢男性の筋萎縮後の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の回復を、その組成物を含まない食事の摂取によって呈するであろう回復と比べて改善する組成物、例えば食品製品又は補助食品を提供することである。

0029

[0029]本開示の更に別の利点は、有利には、高齢男性のサルコペニアの軽減、予防、又は治療を促進することである。

0030

[0030]本開示の別の利点は、高齢男性におけるサルコペニアの発症を軽減する、特にフレイル高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減する栄養戦略を提供することである。

0031

[0031]
追加の特徴及び利点は、以降の発明の詳細な説明及び図面に記載され、これにより明らかとなろう。

図面の簡単な説明

0032

[0032]本明細書に開示する実験例で用いる筋断面積推定方法を示す概略図である。
[0033]本明細書に開示する実験例のデータ表である。
[0034]本明細書に開示する実験例における左伸展強度の変化を示すグラフである。
[0035]本明細書に開示する実験例における来院日及び性別及び治療群別の左膝及び右膝伸展強度の箱ひげ図を示すグラフである。
[0036]本明細書に開示する実験例における来院日及び治療群別の左膝及び右膝伸展強度の平均値±SDを示すプロットを示すグラフである。

実施例

0033

[0037]パーセンテージは全て、特に明記しない限り組成物の全重量に対する重量によるものとする。同様に、比は全て、特に明記しない限り重量によるものとする。pHについての参照がなされるとき、値は標準的な装置により25℃において測定されるpHに相当する。本明細書で使用されるとき、「約」は、数値の範囲、例えば言及される数の−10%〜+10%、好ましくは言及される数の−5%〜+5%、より好ましくは言及される数の−1%〜+1%、最も好ましくは言及される数の−0.1%〜+0.1%の範囲にある数を指すものと理解される。

0034

[0038]更に、本明細書における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値の範囲は、この範囲内の任意の数字又は数字の部分集合を対象とする請求項を支持するために与えられていると解釈すべきである。例えば、1〜10という開示は、1〜8、3〜7、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9などの範囲を支持するものと解釈すべきである。

0035

[0039]本明細書及び添付の請求項で使用するとき、文脈により明確に記載のない限り、単語の単数形には複数形が包含され、逆に複数形には単数形が包含される。したがって、「a」、「an」及び「the」の言及には、概してそれぞれの用語の複数形が包含される。例えば、「成分(an ingredient)」又は「方法(a method)」の言及には、複数のかかる「成分」又は「方法」が含まれる。「X及び/又はY」の文脈で使用される用語「及び/又は」は、「X」、又は「Y」、又は「X及びY」として解釈すべきである。

0036

[0040]同様に、用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」は、排他的にではなく、包括的に解釈される。同様にして、用語「含有する(include)」、「含有する(including)」及び「又は(or)」は、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは包括的なものであると解釈される。しかし、本開示により提示される実施形態は、本明細書にて具体的に開示されない任意の要素を欠く場合がある。したがって、用語「含む(comprising)」を用いて提示される実施形態の開示は、開示される構成要素「から本質的になる」、及び「からなる」実施形態の開示でもある。本明細書において使用されるとき、用語「例(example)」は、特に、後に用語の掲載が続く場合に、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。本明細書で開示される全ての実施形態は、特に明示的に示されない限り、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。

0037

[0041]用語「高齢者」は、60を超える人、好ましくは63歳を超える人、及びより好ましくは65歳を超える人を意味する。用語「フレイル」は、身体的に虚弱で、即ち夫でなく、脆弱な人を指す。

0038

[0042]用語「治療」及び「治療すること」には、状態又は障害の改善をもたらす任意の効果、例えば状態又は障害を和らげること、軽減すること、調節すること、又は解消させることが含まれる。状態又は障害を「治療すること」又は「その治療」の非限定的な例としては、(1)状態又は障害を阻害すること、即ち状態若しくは障害又はその臨床症状の発症を止めること、及び(2)状態又は障害を緩和すること、即ち状態若しくは障害又はその臨床症状の一時的又は永久的な消退を生じさせることが挙げられる。

0039

[0043]用語「予防」又は「予防すること」は、状態又は障害にさらされ得るか又はそれに罹り易い傾向があり得るが、まだ状態又は障害の症状を呈していないか又はそれが現れていない個体において、言及される状態又は障害の臨床症状を発症させないことを意味する。用語「状態」及び「障害」は、任意の疾患、状態、症状、又は徴候を意味する。

0040

[0044]用語「食品」、「食品製品」、及び「食品組成物」は、ヒトによる摂取を意図し、ヒトに少なくとも1種の栄養素を提供する製品又は組成物を意味する。本開示の組成物は、本明細書に記載される多くの実施形態を含め、本明細書に記載される必須の要素及び制限、並びに本明細書に記載されるか又はその他高齢男性の食事に有用な任意の追加的な又は任意選択の成分、構成要素、又は制限を含み、それからなり、又はそれから本質的になることができる。

0041

[0045]本明細書で使用されるとき、「完全栄養」は、その組成物が投与される動物にとって唯一栄養源とするのに十分な、十分な種類及びレベルの主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)及び微量栄養素を含有する。各個体は、このような完全栄養性組成物から、各個体が必要とする栄養分の100%を受給可能である。

0042

[0046]本開示の一態様は、高齢男性のサルコペニアを治療又は予防する、筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減する、筋機能(例えば筋力、歩行速度等)を高める、及び/又は筋萎縮後の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の回復を改善するための、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物である。本開示の別の態様は、高齢男性のサルコペニアを治療するため、高齢男性のサルコペニアを予防するため、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減するため、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)を高めるため、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の回復を改善するため、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物の治療的に有効な量を高齢男性に投与することを含む方法である。

0043

[0047]本開示により治療又は予防されるとおりの筋萎縮は、多くの理由で生じ得る。例えば、筋萎縮は、寝たきりになるなどして身体活動不足するか、又は加齢(老化に伴うサルコペニア)、股関節部骨折回復、若しくは、例えば癌、AIDS、うっ血性心不全COPD(慢性閉塞性肺疾患)、腎不全外傷敗血症、及び重度の熱傷など、いくつかの共存疾患に伴い身体活動が低くなっているために起こり得る。筋萎縮はまた、栄養不足若しくは不適切な栄養又は飢餓によっても起こり得る。極めてよく見られるところでは、筋萎縮はそれぞれの筋肉の廃用又は使用不足によって起こる。

0044

[0048]本開示において言及される筋肉とは、好ましくは骨格筋である。例えば、本明細書に開示される組成物は、高齢男性の腕及び/又は脚の筋機能の低下を軽減するために用いられ得る。筋肉は、以下、即ち、腓腹筋、脛骨筋、ヒラメ筋、長趾伸筋(EDL)、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、又は大殿筋の1つ以上であり得る。

0045

[0049]筋萎縮は、サルコペニア障害、即ち加齢に起因する筋肉の量、サイズ、及び機能の低下を引き起こし得る。筋萎縮の程度は、高齢者の極度のフレイルに見られるような重度の筋萎縮など、様々であり得る。極度のフレイルの高齢者は日常活動及び自己管理が困難となり得る。重症度が低い筋萎縮では、いくらかの動作及びいくらかの筋活動が可能であるものの、そうした筋活動は完全な筋組織の維持には不十分である。加齢に伴うサルコペニアの治療又は予防に関わる機序は、若年者筋機能低下の治療又は予防とは異なる。

0046

[0050]本明細書に開示される組成物はタンパク質源と抗酸化物質とを含み、かかる組成物を含まない食事と比べて、その組成物を投与される高齢男性の筋機能の低下を軽減すること、及び/又は筋機能を改善することができる。一実施形態において、筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下の軽減、筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の改善、筋萎縮後の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の回復の改善、サルコペニアの治療、及び/又はサルコペニアの予防は、筋サイズ又は筋量の変化なしに実現する。

0047

[0051]タンパク質源は動物又は植物由来であってもよく、例えば、乳タンパク質、大豆タンパク質、及び/又はエンドウ豆タンパク質であり得る。好ましい実施形態において、タンパク質源は、ホエイタンパク質;カゼインタンパク質;エンドウ豆タンパク質;大豆タンパク質;小麦タンパク質トウモロコシタンパク質米タンパク質マメ科植物禾穀類及び穀粒類由来のタンパク質;及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。それに加えて又は代えて、タンパク質源は、堅果類及び/又は種子類由来のタンパク質を含み得る。一実施形態において、本組成物は、乾燥重量基準で0.2〜100%、好ましくは乾燥重量基準で1〜95%、より好ましくは乾燥重量基準で2〜90%、更により好ましくは乾燥重量基準で3〜80%、及び最も好ましくは乾燥重量基準で5〜70%の量のタンパク質を含む。一実施形態において、本組成物は、高齢男性の体重1kg当たり0.1〜0.4gのタンパク質、好ましくは高齢男性の体重1kg当たり0.2〜0.35gのタンパク質を提供する1日用量で高齢男性に投与される。

0048

[0052]タンパク質源は好ましくは、ホエイタンパク質を含む。ホエイタンパク質は非加水分解又は加水分解ホエイタンパク質であってもよい。ホエイタンパク質は任意のホエイタンパク質であってよく、例えばホエイタンパク質は、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、ホエイタンパク質ミセル、ホエイタンパク質加水分解物酸ホエイスイートホエイ変性スイートホエイ(カゼイノ−グリコマクロペプチドが除去されたスイートホエイ)、ホエイタンパク質の画分、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。好ましい実施形態において、ホエイタンパク質はホエイタンパク質分離物及び/又は変性スイートホエイを含む。

0049

[0053]上述のとおり、タンパク質源は動物又は植物由来であってもよく、例えば、乳タンパク質、大豆タンパク質、及び/又はエンドウ豆タンパク質であり得る。一実施形態において、タンパク質源はカゼインを含む。カゼインは任意の哺乳動物から得ることができるが、好ましくは牛乳から、及び好ましくはミセルカゼインとして得られる。

0050

[0054]本組成物は1つ以上の分枝鎖アミノ酸を含み得る。例えば、本組成物は、ロイシン、イソロイシン及び/又はバリンを含み得る。本組成物のタンパク質源は、遊離形態のロイシン、及び/又はペプチド及び/又は乳タンパク質、動物性タンパク質若しくは植物性タンパク質などのタンパク質として結合したロイシンを含み得る。一実施形態において、本組成物は、組成物の乾燥物質の最大10重量%の量のロイシンを含む。ロイシンは、D−又はL−ロイシン、好ましくはL型として存在し得る。本組成物がロイシンを含む場合、本組成物は、体重1kg当たり0.01〜0.04gのロイシン、好ましくは体重1kg当たり0.02〜0.035gのロイシンを提供する1日用量で投与することができる。かかる用量は、特に完全栄養組成物に妥当であるが、当業者は、これらの用量をどのように経口栄養補助食品(ONS)に適合させればよいかを容易に認識するであろう。

0051

[0055]本組成物には、任意の抗酸化物質を使用することができるが、好ましくは抗酸化物質は、ポリフェノール類フェノール類フラボノイド類ビタミン類カロテノイド類、及びこれらの組み合わせの群から選択される。特に、食品等級ポリフェノール類が好ましい。化合物は、それが一般に認められており、かつ食品用途に安全であると見なされる場合に、「食品等級」と見なされる。

0052

[0056]抗酸化物質の混合物が用いられてもよい。例えば、抗酸化物質は、抗酸化物質が豊富に含まれる食品組成物として、又はその抽出物として提供され得る。「抗酸化物質が豊富に含まれる」食品組成物は、ORAC(酸素ラジカル吸収能)の評点が組成物100g当たり少なくとも100である。

0053

[0057]好適なビタミン類の非限定的な例としては、ビタミンEトコフェロール)、ビタミンAレチノール又はβカロチン)及びビタミンCアスコルビン酸)が挙げられる。好適なフラボノイド類の非限定的な例は、ヘスペレチン−7−グルコシド及びカテキンである。

0054

[0058]好ましい実施形態において、抗酸化物質は、ヘスペレチン−7−グルコシド、クルクミン、緑茶カテキン類、ルチン、ビタミンE、ビタミンA、亜鉛セレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。抗酸化物質の代謝産物が用いられてもよい。特に好ましい実施形態において、抗酸化物質は、2つ以上の抗酸化物質の組み合わせである。

0055

[0059]ココアコーヒー及びには、抗酸化物質が多く含まれる。オレガノクミンショウガニンニクコリアンダータマネギタイムマジョラムタラゴンペパーミント、及び/又はバジルなど、抗酸化物質が多く含まれるいくつかの香辛料又はハーブが用いられてもよい。果実エキス又はドライフルーツ、例えば、セイヨウナシリンゴレーズンブドウイチジククランベリーブルーベリーブラックベリーラズベリーイチゴクロスグリサクランボプラム、オレンジマンゴー、及び/又はザクロが用いられてもよい。本組成物は、キャベツブロッコリービートルート、アーティチョークつぼみ、黒オリーブ黒豆セロリ、タマネギ、パセリ及び/又はホウレンソウなど、抗酸化物質が多く含まれる野菜を含み得る。

0056

[0060]抗酸化物質は精製化合物又は部分精製化合物であってもよい。

0057

[0061]一実施形態において、タンパク質源と抗酸化物質との重量比は、40:1〜1:1、例えば35:1〜2:1、好ましくは30:1〜5:1、例えば28:1〜8:1、更により好ましくは25:1〜10:1である。

0058

[0062]好ましい実施形態において、抗酸化物質は1つ以上のポリフェノールを含む。2つ以上のポリフェノールなど、ポリフェノールの混合物が用いられてもよい。ポリフェノールはまた、ポリフェノールが豊富に含まれる食品組成物又はその抽出物として提供されてもよい。

0059

[0063]ココア、コーヒー及び茶には、ポリフェノールが多く含まれる。果実エキス又はドライフルーツ、例えば、セイヨウナシ、リンゴ、ブドウ、クランベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、イチゴ、クロスグリ、サクランボ、プラム、及び/又はザクロが、ポリフェノール源として用いられてもよい。また、クリヘーゼルナッツ及びアマニなど、一部の堅果類及び種子類にもポリフェノールが豊富に含まれる。ポリフェノールが多く含まれる野菜の非限定的な例は、キャベツ、ブロッコリー、ビートルート、アーティチョークのつぼみ、黒オリーブ、黒豆、セロリ、タマネギ、パセリ及びホウレンソウである。

0060

[0064]ポリフェノールは精製化合物又は部分精製化合物であってもよい。好適なポリフェノールの非限定的な例は、フェノール酸フラボノール類フラボン類イソフラボン類フラバノン類アントシアニン類、及びフラバノール類などのフラボノイド類;スチルベン類;及びリグナン類である。一実施形態において、ポリフェノールは、ヘスペレチン−7−グルコシド、クルクミン、ケルセチン、緑茶カテキン類、ルチン、及びこれらの組み合わせの群から選択される。好ましい実施形態において、ポリフェノールは、クルクミン、ルチン、ケルセチン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。特に好ましい実施形態において、ポリフェノールはクルクミン及び/又はルチンを含む。

0061

[0065]一実施形態において、本組成物は、1つ以上のホエイタンパク質と1つ以上のポリフェノール類とを300:1〜2:1、例えば100:1〜5:1、好ましくは60:1〜10:1、更により好ましくは50:1〜20:1の重量比で含む。

0062

[0066]タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物は、治療的に有効な用量で高齢男性に投与することができる。治療的に有効な用量は当業者が決定することができ、状態の重症度並びに高齢男性の体重及び全身状態など、当業者に公知のいくつもの要因に依存し得る。

0063

[0067]本組成物は、高齢男性においてサルコペニアの状態がまだ発症していない場合に、サルコペニアを予防するのに、又はその発症リスクを少なくとも部分的に軽減するのに十分な量で高齢男性に投与され得る。かかる量は「予防的に有効な用量」と定義される。この場合もまた、正確な量は、体重、健康状態及び筋機能(例えば筋力、歩行速度等)がどの程度低下しているかなど、高齢男性に関連するいくつもの要因に依存する。

0064

[0068]本組成物は、好ましくは高齢男性の食事に対する補給剤として毎日又は少なくとも週2回投与される。一実施形態において、本組成物は、高齢男性に数日間にわたり連続的に、好ましくは投与前と比べて筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の増加が達成されるまで投与される。例えば、本組成物は、少なくとも30日間、60日間又は90日間連続で毎日高齢男性に投与することができる。別の例として、本組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10年の期間など、より長期間にわたって高齢男性に投与することができる。

0065

[0069]好ましい実施形態において、本組成物は、少なくとも3ヵ月間、例えば3ヵ月〜1年の期間、好ましくは少なくとも6ヵ月間にわたって高齢男性に投与される。

0066

[0070]上記の投与例は、間断のない連日投与を必要とするものではない。それよりむしろ、投与期間中の2〜4日の中断など、投与に何回かの短期間の中断があり得る。本組成物の理想的な投与継続期間は当業者により決定され得る。

0067

[0071]好ましい実施形態において、本組成物は、高齢男性に経口投与又は経腸投与(例えば経管栄養法)される。例えば、本組成物は、飲料、カプセル錠剤散剤又は懸濁液剤として高齢男性に投与することができる。

0068

[0072]本組成物は、ヒト及び/又は動物が摂取するのに好適ないかなる種類の組成物であってもよい。例えば、本組成物は、食品組成物、栄養補助食品、栄養組成物、ニュートラシューティカルズ、摂取前に水又はミルクで再構成される粉末栄養製剤、食品添加物、医薬品、飲料及びドリンクからなる群から選択され得る。一実施形態において、本組成物は、経口栄養補助食品(ONS)、完全栄養配合物、医薬品、薬剤又は食品製品である。好ましい実施形態において、本組成物は高齢男性に飲料として投与される。本組成物は粉末としてサシェに保存され、次に使用の際に水などの液体中に懸濁されてもよい。

0069

[0073]経口又は経腸投与が不可能であるか、又は推奨されない一部の場合には、本組成物はまた、非経口投与されてもよい。

0070

[0074]一実施形態において、本組成物は、組成物の乾燥重量基準で0.5〜100%の量のホエイタンパク質を含む。例えば、本組成物は、ほぼ全てがホエイタンパク質である栄養補給剤であり得る。したがって、好ましい実施形態において、本組成物は、乾燥重量基準で60%を超えるホエイタンパク質、例えば乾燥重量基準で70%を上回るホエイタンパク質、好ましくは80%を上回るホエイタンパク質、例えば85%を上回るホエイタンパク質、更により好ましくは90%を上回るホエイタンパク質、例えば92%を上回るホエイタンパク質、詳細には95%を上回るホエイタンパク質、例えば97%を上回るホエイタンパク質を含む。

0071

[0075]一実施形態において、本組成物は、タンパク質源、例えばホエイタンパク質を含み、かつ1つ以上の脂肪酸、好ましくは必須脂肪酸;タンパク質;糖質食物繊維ビタミンミネラル;又はプロバイオティクスなどの、高齢男性が摂取するのに最適な他の成分もまた含む栄養補助食品である。かかる実施形態において、本組成物は、乾燥重量基準で0.5〜50%の量のホエイタンパク質、例えば乾燥重量基準で1〜40%のホエイタンパク質、好ましくは2〜35%のホエイタンパク質、例えば3〜30%のホエイタンパク質、より好ましくは乾燥重量基準で5〜20%のホエイタンパク質を含み得る。

0072

[0076]高齢男性に投与されるタンパク質源の量は、高齢男性の体重と健康状態、即ち高齢男性におけるサルコペニアの重症度及び/又は筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下の程度との両方に依存する。一実施形態において、本組成物は、1日に体重1kg当たり0.03〜1.0gのホエイタンパク質、例えば1日に体重1kg当たり0.05〜0.7gのホエイタンパク質、好ましくは1日に体重1kg当たり約0.1〜0.5gのホエイタンパク質を提供する量で高齢男性に投与される。

0073

[0077]したがって、一実施形態において、本組成物は、1日に5〜50gのホエイタンパク質、例えば1日に12〜40gのホエイタンパク質、好ましくは1日に15〜30gのホエイタンパク質、例えば1日に16〜25gのホエイタンパク質、更により好ましくは1日に20gのホエイタンパク質を提供するように投与される。一実施形態において、組成物の1回の服用により、5〜50gのホエイタンパク質、例えば10〜40gのホエイタンパク質、好ましくは12〜35gのホエイタンパク質、例えば15〜30gのホエイタンパク質が提供される。

0074

[0078]一実施形態において、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物は、脂肪酸を更に含む。脂肪酸は任意の脂肪酸であってよく、脂肪酸の組み合わせなど、1つ以上の脂肪酸であり得る。脂肪酸は好ましくは、必須多価不飽和脂肪酸、即ちリノール酸(C18:2n−3)及びα−リノレン酸(C18:3n−3)など、必須脂肪酸を含む。脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(C20:5n−3)、アラキドン酸(C20:4n−6)、ドコサヘキサエン酸(C22:6n−3)、又はこれらの任意の組み合わせなど、長鎖多価不飽和脂肪酸を含み得る。好ましい実施形態において、脂肪酸はn−3(ω3)脂肪酸及び/又はn−6(ω6)脂肪酸を含む。脂肪酸は好ましくは、エイコサペンタエン酸を含む。

0075

[0079]脂肪酸は、ヤシ油ナタネ油ダイズ油トウモロコシ油ベニバナ油パーム油ヒマワリ油又は卵黄など、脂肪酸を含有する任意の好適な供給源に由来し得る。脂肪酸の供給源は、好ましくは魚油である。

0076

[0080]一部の実施形態において、本組成物は単回投与剤形で高齢男性に投与され、即ち、食事と一緒に高齢男性に与えられる1つの製剤中に全ての化合物が存在している。他の実施形態において、本組成物は別個の剤形で共投与され、例えばタンパク質源と抗酸化物質は別個のものとして共投与される。

0077

[0081]一実施形態において、本組成物はビタミンDを更に含む。

0078

[0082]本組成物は、電気的筋肉刺激EMS)の後に、例えばその後2時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましくは30分以内に高齢男性に投与することができる。EMSはまた、筋電刺激、筋肉電気刺激神経筋電気刺激(NMES)又は電気筋刺激と称されることもあり、これらの用語は同義的に用いられ得る。電気的筋肉刺激は、電気インパルスを使用した筋収縮の誘発である。インパルスは装置によって発生し、刺激する筋肉のごく近傍の皮膚上の電極を介して送り込まれる。インパルスは、中枢神経系によってもたらされる活動電位を模して筋肉に収縮を生じさせる。電極は、皮膚に貼り付けるパッドであり得るが、電極はまた他の形態であってもよい。

0079

[0083]EMSは、好ましくは高齢男性に少なくとも週1回、好ましくは少なくとも週2回、より好ましくは少なくとも週3回与えられる。好ましくは、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物は、高齢男性のEMSレジメン中に少なくとも週2回、より好ましくは毎日投与される。高齢男性は、身体刺激用又は電気的筋肉刺激用装置、例えば筋肉機能によって強制的にエネルギー損失増進する装置又は機械を使用することができる。

0080

[0084]実施例
[0085]以下の非限定的な例は、タンパク質源と抗酸化物質とを含む組成物を高齢男性に投与して高齢男性のサルコペニアを治療する、高齢男性のサルコペニアを予防する、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の低下を軽減する、高齢男性の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)を高める、及び/又は高齢男性の筋萎縮後の筋機能(例えば筋力、歩行速度等)の回復を改善するという概念展開しかつ裏付ける科学的データを提供する。

0081

[0086]以下に詳述するとおり、パイロット試験は、電気的筋肉刺激(EMS)とホエイベースの栄養補給剤(±ポリフェノール類及びPUFA類)とによる併用手法が身体的に障害のある集団の筋肉サイズ及び機能に及ぼす効果を調べることを目標とした。41人のフレイル被験者を1:1:1比で3つの試験群のうちの1つに無作為化した;(A)20gの糖質+プラセボカプセル(CHO)、(B)20gのホエイタンパク質分離物+プラセボカプセル(WHEY)、又は(C)20gのホエイタンパク質分離物+ルチンカプセル(1日500mgのルチン)+w3−FAカプセル(1日500mgのクルクミン及び1.5gのw3−FA)(W−BIO)のいずれかを含有する等カロリー(95kcal)の飲料。全ての被験者が12週間の期間にわたって週2回EMSトレーニングを受けた。主要アウトカムの結果が示すところによれば、治療開始後12週時における3群の間での腓腹部及び大腿部筋厚(mm単位)及び筋断面積(mm2単位)の差は、群間で統計的に有意でなかった。対照的に、腓筋の筋厚並びに大腿筋の筋断面積及び筋厚については、集団全体にわたって有意な増加傾向があった。この知見は、EMS治療に帰することができる。3つの治療群のいずれの間にも、副次アウトカム(歩行速度、体組成自律神経系の活動、及び血液化学)の多くについて統計的に有意な差は観察されなかった。

0082

[0087]対照的に、膝伸展強度については、12週時にW−BIO群とWHEY群との間(4.17kg[95%信頼区間CI)0.41〜7.94]、p=0.0308)及びW−BIO群とCHO群との間(5.89kg[95%信頼区間(CI)1.78〜10.01]、p=0.0063)に統計的に有意な差があった。右膝伸展については、12週時に群3と群1との間に統計的に有意な差があった(5.35kg[95%信頼区間(CI)1.13〜9.57]、p=0.0145)。更に、この効果は男性で観察されたが、女性では観察されなかった。これらのデータは、EMSと特定の栄養補給剤とを併用する二重手法が筋力に肯定的な影響を与え、高齢者のクオリティ・オブ・ライフを改善し得ることを示唆している。したがって、EMSと特定の食事介入との併用は、加齢及び運動不足によって引き起こされる生活習慣病の新方式の治療と考えられ得る。

0083

[0088]方法
[0089]主要目的は、電気的筋肉刺激(EMS)に加えてホエイベースの補給剤を摂取することによる12週間のEMS及び栄養学的介入における、フレイル者の筋形態及び筋機能の改善について、有効性を判定することであった。これは、3群によるパイロットスタディ並行二重盲検、無作為化試験デザイン、及び単一施設であった(下記参照)。

0084

[0090]被験者:
[0091]当初本試験のためボランティアで募った41人の被験者は、全員が日本の介護保険(LCTI)制度上のフレイル状態を呈するフレイル高齢者(年齢65〜90歳)であった。本試験に組み入れた全ての被験者が、いかなる支援も受けていないか、又はLTCI制度上の要支援1、要支援2、要介護1(LTC1)、及び要介護2(LTC2)に分類された、「自由に日常生活を営んでいる(free-living)」者であった。歩行速度が0.6〜1.2m/sの被験者を組み入れた。医師及びケアマネージャー整形外科的及び内科問診を行い全ての被験者をスクリーニングし、被験者が電気的筋肉刺激を含む運動介入に参加することが適切かどうかを判定した。

0085

[0092]被験者は、1:1:1比で3つの試験群のうちの1つに無作為化した;(A)20gの糖質(マルトデキストリングルコースシロップ21DE)+プラセボカプセル(CHO)(n=13)、(B)20gのホエイタンパク質分離物(Prolacta 95)+プラセボカプセル(WHEY)(n=15)、又は(C)20gのホエイタンパク質分離物(Prolacta 95)+ルチンカプセル(1日500mgのルチン)+w3−FA/クルクミンカプセル(1日用量:500mgクルクミン及び1.5g w3−FAタイプNAD供給元Sofinol)(W−BIO)(n=13)のいずれかを含有する等カロリー(95kcal)の飲料。4人の被験者(CHO群の1人及びW−BIO群の3人)は、組入れ基準に適合しない被験者(n=2)であったか、又はフォローアップが早期に中止となった(n=2)ため、パー・プロトコル分析集団から除外した。

0086

[0093]被験者は、群の割り付けに応じて、3通りの実験飲料(A〜C)のうちの1つを220mlの水に溶かして経口摂取した。EMS治療(週2回)がある日は、この飲料はEMSの直後に摂取された(タンパク質合成の刺激を最大限にするため)。補給剤の(かつ昼食によるものでない)特定の効果を区別することができるように、EMSは可能な限り早くに適用し(少なくとも食事の1時間前に補給剤が服用されるようにする)、又は午後遅く(昼食終了から少なくとも2時間後)に適用した。EMS治療がない日は、被験者は、EMSを受けるときに服用するのと同じ時間に栄養補給剤を飲んだ。被験者はまた、試験期間中にわたり朝食時に2個、昼食時に3個及び夕食時に2個の、1日7個のカプセル、即ち、500mgのルチン/日又はプラセボを含有する2個の硬カプセル、魚油(1.5g魚油/日)とクルクミン(1日500mgのクルクミン)との混合物を含有する5個の軟カプセルも摂取した。41人の被験者全てについて簡易栄養状態評価(Mini-Nutritional Assessment:MNA)を実施し、ベースライン時及び12週間後の基礎栄養状態を評価した。

0087

[0094]電気的筋肉刺激(EMS)手順:
[0095]主に刺激の不快感が原因でEMSの利用は減少しているが、新技術によれば、痛みを伴わずに強い収縮を加えることが可能である。かかる活動を、人が運動で達成するであろうものと比べてより高い運動量で、かつより効率的に加えることができる。電気的筋肉刺激療法については、他の文献に十分に説明されている(Hasegawa et al.,2011;Kimura et al.,2011;Miyamoto et al.,2012;Moritani et al.,2005)。簡潔に言えば、全ての被験者が12週間にわたって週2回EMSトレーニングを受けた。被験者は、、両膝及び両足首の周りベルト型の電極を取り付け、インナーマッスル並びに大殿筋、大腿四頭筋大腿屈筋下腿三頭筋、及び前脛骨筋を20Hz(筋肥大モード)の刺激周波数で刺激することが求められた。EMSの刺激強度は、各個人が不快感なく耐容できる最大レベルに調節した。EMSトレーニングは、被験者に対し週2回、20分間ずつ、12週間にわたって提供した。毎回EMS前に被験者の健康状態を確認した。EMSトレーニングは安静時に座位で実施し、急速な動作によって引き起こされる頭部ふらふら感、眩暈、落下感、及び失神が生じるリスクを最小限に抑えた。本調査におけるEMSトレーニングには、特別に設計された筋肉刺激装置オートテンズプロ、株式会社ホーマーイオン研究所、東京、日本)を使用した。刺激装置電流波形は、250μsのパルス幅によって20Hzの周波数下肢筋群に共収縮が生じるように設計した。デューティサイクルは、20分間に5秒の刺激で2秒の中断を伴うものであった。更に、指数関数漸増波を使用して筋肉刺激中の不快感を抑えた。

0088

[0096]すぐ上に記載したこれらのEMS手順は、以前に最大の力を誘発した周波数で能動力が低下するときは、明らかに高周波疲労が原因であることが理由及び論理根拠となっている。高周波疲労では、誘発活動電位振幅の急速な減少に伴う電気的伝播障害に起因し得る、力の大幅な損失が生じる。この高周波力疲労の間は、20Hz刺激で著しく大きい力が発生する(Moritani et al.,1985)。したがって、高周波疲労は概して、筋膜興奮性が低下して誘発電位振幅及び伝導時間の低下につながることに起因し得る電気的伝達の障害によって説明することができる(Jones et al.,1979;Moritani et al.,1985)。

0089

[0097]先行研究の多くで、超高周波刺激(2500Hz)又は高周波刺激(50又は80Hz)を用いたEMSの有効性が報告されている。Eriksson et al.(1981)は、4〜5週間の50Hz EMSトレーニングセッションでは大腿四頭筋における筋肉酵素活性繊維サイズ、及びミトコンドリア特性が変化しないことを示した。したがって、高周波(50又は80Hz)EMSトレーニングを用いた先行研究の患者は、高周波疲労を起こし、したがって意図した筋肉が効果的に収縮しなかった可能性がある。このエビデンスは、20Hz EMSが高周波(50又は80Hz)のEMSよりも有効な筋肉改善(神経因子形態変化複合的な適応)を誘発する可能性があることを示している。

0090

[0098]筋肉形態評価
[0099]ベースライン時、実験介入4週時、8週時及び12週時に、大腿四頭筋、大腿屈筋群、及び下腿三頭筋の筋厚を超音波検査を用いて評価した。Bモード音波によって測定した筋厚とMRIによって測定した対応部位骨格筋量との間には、強い相関が報告されている(Dupont et al.,2001;Fukunaga et al.,2001)。したがって、筋肉サイズ及び筋肥大度の推定に筋厚測定値を用いることは妥当である。先行研究により、筋厚の測定に対する超音波技術信頼性は示されている(Kellis et al.,2009;Reeves et al.,2004)。また、この試験では、超音波測定の信頼性も評価した。RF、VL、及びCAにおける級内相関係数は、それぞれ、0.97(0.88〜0.99)、0.96(0.85〜0.99)、及び0.99(0.96〜1.0)であった。

0091

[0100]超音波検査による筋厚の測定は、以下のとおり標準化した:全てのスキャンをベースライン時及び治療後4週間おきに実施した。同じ操作者が、5MH広帯域トランスデューサーを備えたリアルタイムスキャナSSD−900、アロカ株式会社、東京、日本)を使用して各被験者を調べた。プローブ水性ゲルを塗布した後、イメージング手技を行った。イメージング中、トランスデューサーは皮膚の表面に対し垂直に保持し、過剰な圧力がかからないよう特に注意した。測定部位は筋肉の最も厚い部分とし、骨格マーカーを用いる標準的な手順で慎重位置決めした。歩行速度は大腿四頭筋及び下腿三頭筋が主な決定要因となるため、イメージング及び測定はこれらの筋肉についてそれぞれ、被験者を座位として片側で行った。得られた画像はその場で保存し、後に全データを国立衛生研究所(National Institute of Health:NIH)画像プログラムを使用して分析した。いかなる実験バイアスも回避するため、各イメージングデータは被験者及び日付情報に関して盲検法で分析した。超音波検査による筋体積の測定もまた、以下の方法で標準化した;筋厚の測定に加えて、標準的な手順で大腿筋群及び腓筋群の周径を測定することにより、これらの筋群の変化を推定した。各筋群の4ヵ所の皮下脂肪厚を超音波検査によって測定し、平均した。次に、Moritani and deVries(1979)の方法を用いることにより、各筋群の体積を代数的に計算した。(図1を参照)。

0092

[0101]自律神経系の活動評価:
[0102]心拍変動(HRVパワースペクトル解析は、広く受け入れられている有用かつ非侵襲的な方法であり、種々の研究及び臨床現場自律神経機能の包括的、定量的及び定性的評価を提供している(Conny et al.,1993;Moritani et al.,1995)。一般に、HRVのパワースペクトル解析は、心電図(ECGR−R間隔における少なくとも2つの個別的な周期性領域を明らかにしている。高周波成分(>0.15Hz)は、副交感神経系(PNS)の活動を反映する主要な寄与因子であり、低周波成分(<0.15Hz)は、交感神経系(SNS)の活動及びPNSの活動の両方に関連する(Akselrod et al.,1981;Moritani et al.,1993)。

0093

[0103]R−R間隔パワースペクトル解析手順については、他の文献に十分に説明されている(Moritani et al.,1993;Matsumoto et al.,1999,2001)。簡潔に言えば、ECGモニター(ライフスコープ日本光電、東京、日本)のアナログ出力を13ビットアナログ−デジタル変換器HTB 410;Trans Era,South Orem,UT)によって1000Hzのサンプリングレートデジタル化した。デジタル化したECG信号を微分し、後の解析のため、得られたECGQRSスパイク及びインパルスの間隔(R−R間隔)をハードディスクに順次保存した。R−Rスペクトル解析の実施前に、保存したR−R間隔データを表示して順次整列させることにより、2Hzの有効サンプリング周波数の等間隔の試料を得て、目視検査のためコンピュータ画面上に表示した。次に、0.03〜0.5Hz帯域デジタルフィルタリングによって直流成分及び線形傾向を完全に除いた。平均振幅を表すものとしてR−R間隔の二乗平均平方根値を計算した。ハミング型のデータウィンドウにかけた後、試験中に得られたR−R間隔データの連続256秒時系列に対して高速フーリエ変換を用いたパワースペクトル解析を実施した。以下のそれぞれの帯域幅について曲線下面積を積分することにより、周波数領域のスペクトルパワー定量化した:それぞれ、低周波LF:0.03及び0.15Hz)、SNS及びPNS活動の両方の指標;高周波(HF:0.15及び0.5Hz)、これはPNS活動のみを反映する;及び全パワーTP:0.03及び0.5Hz)、全体的なANS活動を表す。

0094

[0104]身体能力試験:
[0105]筋力測定.手順は他の文献に報告されている(Watanabe et al.,2012a,21012b)。簡潔に言えば、張力トランスデューサー(LU−100KSE;共和電業、東京、日本)を搭載した特注筋力計等尺性膝伸展を実施した。収縮時、股関節及び膝関節の角度は両方ともにそれぞれ90°屈曲位であった(180°は完全に伸展している)。最大随意収縮(MVC)には、膝伸筋によって及ぼされる膝伸展力を2〜3秒でベースラインから最大値に徐々に増加させることと、次に最大値で2秒間維持することとが含まれた。課題のタイミングは、1秒間隔で与えられる口頭でのカウントに基づき、力がプラトーに達し始めたら、研究者らが積極的に励ました。被験者はMVC試行を各膝につき少なくとも2回行った。試行間には2分の休息を挟んだ。最も高いMVC力を比較に使用した。

0095

[0106]歩行速度.能力評価の一環として、スクリーニング時、任意のEMS又は栄養補給の前のベースライン、及び12週間後、最後のEMS治療及び栄養補助の後に、歩行速度、即ち、床にテープで示した6メートルの直線路に沿った6m歩行時間(秒)を、特注のトリガーリンクストップウォッチを使用して測定した。評価時、被験者には、日常生活と同じく通常どおり歩くよう求めた。通常の歩行補助具(例えば、杖、歩行器)は認められた。歩行速度は各被験者につき3回評価し、平均した。

0096

[0107]体組成.生体電気インピーダンス解析を用いることによる体組成(体脂肪量除脂肪量、Kg及び%で表す)の評価をベースライン時及び治療12週時に行った。これらの測定は、全ての被験者について、最新鋭の生体電気インピーダンス解析装置(Tanita BC−118D、タニタ、東京、日本)を用いて、手持ち式リード足裏平面電極と共に使用して50KHz、500μAの励起電流で実施した。測定したインピーダンス値を使用して、それぞれ「両腕」、「両足」、「体幹部」、及び「全身」の除脂肪量及び体脂肪量を計算した。

0097

[0108]血液化学.夜間絶食後に血液試料静脈から真空管採取した。それぞれ、インスリン感受性マーカー(血中グルコースヘモグロビンA1C、血漿インスリン及びC−ペプチド濃度の変化)、赤血球数白血球数、血漿脂肪酸プロファイル炎症マーカーCRPトランスサイレチンフィブリノゲン及びオロソムコイド)、血液化学(CPKHDL及びLDLコレステロールアルブミン総タンパク量及びトリグリセリド)に関する血液検査。ベースライン、2、6、12週時に凝固パラメータ血小板数プロトロンビン時間及び部分プロトロンビン時間)についての血液検査を評価して、栄養学的介入に伴う安全性を確保した。他のパラメータについては、測定はベースライン時並びにEMS及び栄養補給による介入の12週間後に行った。

0098

[0109]統計的分析
[0110]主要解析は、群2を群1と比較するフル・アナリシス・セット(FAS)及びパー・プロトコル(PP)解析集団で実施した。ベースライン測定値、性別、無作為化時の年齢及び時間を共変量とする反復測定混合モデルを使用して筋厚(mm2単位)を解析した。12週時の筋肉位置及び治療群毎の最小二乗平均が提供されることになる。

0099

[0111]群1と群2との間のオブライエンOLS検定グローバル検定として使用して、12週時の製剤効果を両方の筋肉位置で評価した。オブライエンOLS統計量は以下のとおり測定した:

0100

[0112]筋肉位置の各々(即ち腓腹部及び大腿部)について独立に、第8来院日における治療効果に関するt検定統計検定量を計算する。

0101

[0113]次にOLS統計量を、以下のとおり求めた:

0102

[0114]式中、tは腓腹部及び大腿部測定値のt検定統計量のベクトルであり、jは1のベクトルであり、及びAは元の観察の標本相関行列である。

0103

[0115]tolsの自由度(d.f.)の近似は、d.f.=0.5×(n1+n2−2)×(1+1/m2)として定義した[式中、mは解析するエンドポイントの数(即ち腓腹部+大腿部)であり、n1及びn2は、第8来院日の腓腹部及び大腿部の測定値が利用可能なそれぞれ群1及び群2の被験者の人数である]。

0104

[0116]副次解析はFAS集団のみで実施した。実施した解析はSAPの第11.2節に詳説する。

0105

[0117]反復測定間の相関を説明するため、時系列データに混合効果線形モデルを使用した。ベースラインから1つの時点までの変化の解析には、固定効果線形モデルを使用した。必要と思われる場合、多重比較(W−BIO対PLACEBO及びWHEY対PLACEBO)を行った。これらの多重比較については、シングルステップ調整を用いた調整p値を報告した。筋断面積及び筋厚に対する効果を組み合わせた片側仮説を検証するため、オブライエンのグローバル検定を実施した。これは、W−BIO群とPLACEBOとの比較のためのみに、かつ腓筋及び大腿筋について別個に行った。全てのデータ解析は、R、バージョン3.0.1を使用して行った。

0106

[0118]結果
[0119]表1(以下)は、集団のベースライン時パラメータの詳細を示す。本試験で無作為化した被験者の大多数は女性であった。W−BIO群に組み入れた被験者は体重がやや重い傾向があり(CHO及びWHEY群ではBMIがそれぞれ20.3及び21.3であったのにに対して、W−BIO群では22.7kg/m2)、CHO群及びWHEY群に組み入れた被験者と比較してより大きい腓筋(断面積、mm2)を有した。それぞれWHEY群及びW−BIO群に無作為化した被験者について得られた測定値と比較して、CHO群に無作為化した被験者は右膝及び左膝伸展強度が低かった。

0107

[0120]表1.集団のベースライン時パラメータの詳細

0108

[0121]筋肉形態:
[0122]筋表面積及び筋厚の縦断的解析.腓腹部断面積(CSA)及び厚さ並びに大腿部について一緒に同様に測ったCSAに関して、W−BIO群とPLACEBOとを比較するためグローバル検定を実施した。これらの比較では統計的有意性は認められなかった。

0109

[0123]介入終了時の筋表面積及び筋厚に及ぼす食事治療の効果.治療期間の終了時(3ヵ月後)に種々の群を比較したとき、大腿筋及び腓筋の筋厚又は筋断面積に関して3群の間に統計的に有意な差は認められなかった。いずれの時点についても、大腿筋及び腓筋断面積に関して試験治療群のいずれの間にも統計的に有意な差はなかった。したがって、筋肉形態の結果を総合的に考えると、これらの結果は、この治療が3群で観察された筋表面積及び筋厚の増加を誘導し、したがって恐らく特定の栄養学的介入よりもEMS治療に一層関係があったことを示している。

0110

[0124]身体能力:
[0125]歩行速度.表2は、3つの治療群に関するベースライン及び12週時の歩行速度(m/s)の記述的結果を示す(図2)。歩行速度における最も大きい改善は、W−BIO群で見られ、1.15±0.45から1.26±0.46m/sに改善した(ほぼ9.5%の増加)。CHO群(1.20±0.32から1.24±0.37m/s(3.3%の増加))及びWHEY群(1.12±0.33から1.16±0.31m/s(3.6%の増加))のそれぞれで見られた歩行速度の増加は中程度に過ぎなかった。しかしながら、これらの差は統計的有意性に達しなかった。

0111

[0126]筋力.図3は、3つの治療群に関するベースライン及び12週時の左膝伸展筋力の変化を示す。12週時、左膝伸展に関してW−BIO群とWHEY群との間(4.17kg[95%信頼区間(CI)0.41〜7.94]、p=0.0308)及びW−BIO群とCHO群との間(5.89kg[95%信頼区間(CI)1.78〜10.01]、p=0.0063)に統計的に有意な差があった。

0112

[0127]更に、混合効果モデルフィットさせることにより、各時点で各被験者につき2つの膝で取られた2つの測定値の間の相関を考慮に入れた。結果(図4を参照)は、治療と性別との間に統計的に有意な交互作用があることを示している。換言すれば、2つの性別で治療効果が異なる。これは、男性及び女性について別個に積極的治療群(W−BIOとも称される)とプラセボ(CHO)との間の比較の点で見ると、浮き彫りになる。したがってこの治療は、W−BIO群の男性において膝伸展強度の強力な改善を誘導したものと思われるが、この効果は女性では観察されなかった。

0113

[0128]最後に、各被験者を個々に見たときの結果が興味深い(図5):W−BIOのほぼ全ての被験者が(性別に関わらず)V2〜V8の間で正の傾きを呈したが、このとき他の2つの群では推移が上下するように見える。したがって、この図示から、W−BIO群で観察され、かつ上記に記載した統計的分析によって実証された特定の利益が直接可視化される。

0114

[0129]体組成.生体電気インピーダンス解析を用いることによる人体計測(体脂肪量、除脂肪量、Kg及び%で表す)をベースライン及び実験治療12週時に実施した。ベースライン及び12週時に試験治療群のいずれの間にも統計的に有意な差はなかった。

0115

[0130]自律神経系の活動.心電図記録R−R間隔パワースペクトル解析により、安静時心拍数、LF(交感神経系の活動)、HF(副交感神経系の活動)及びTP(全体的な自律神経系の活動)について、ベースライン及び12週時に試験治療群のいずれの間にも統計的に有意な差はないことが明らかとなった。

0116

[0131]血液分析.ベースライン及び12週時のインスリン感受性マーカー(血中グルコース、ヘモグロビンA1C、血漿インスリン及びC−ペプチド濃度の変化)、赤血球数、白血球数、血漿脂肪酸プロファイル、炎症マーカー(CRP、トランスサイレチン、フィブリノゲン及びオロソムコイド)、血液化学(CPK、HDL及びLDLコレステロール、アルブミン、総タンパク量及びトリグリセリド)に関する血液検査結果について、試験治療群のいずれの間にも統計的に有意な差はなかった。同様に、ベースライン、2、6、12週時に計測した凝固パラメータ(血小板数、プロトロンビン時間及び部分プロトロンビン時間)についての血液検査は、有意な群間差がないことを実証した。

0117

[0132]考察
[0133]本試験は、EMSトレーニングと併せた12週間にわたる生物活性物質補給(ホエイタンパク質、ルチン、w3−FA、及びクルクミン)の後、W−BIO群においては、他の2つの群(CHO及びWHEY)と比べてフレイル者の膝伸展強度が有意に増加した(左脚18.8%及び右脚7.3%)ことを実証した。また、このW−BIO群は、糖質又はホエイタンパク質補給をEMSトレーニングと併せた群の中で最も大きい歩行速度の改善(9.6%)を実証した。興味深いことに、筋力に対するこの利益は、筋肉サイズの増加とは無関係であった。実際、3群において12週間の治療の間に観察された筋肉サイズの増加は僅かであり、しかしこの効果は3群で同様であったことから、恐らくEMS治療に特有のものであった(及び食事治療には関係がなかった)ものと考えられる。

0118

[0134]興味深いことに、EMSトレーニングに対する反応の程度に性差が認められ、具体的には男性被験者は筋厚の有意な改善を示したが、一方、女性ではかかる有意な変化は観察されなかった。

0119

[0135]これらの知見は「神経因子」が重要であることを裏付けており、神経因子は、未だ十分には定義付けられていないものの、筋力と呼ばれる、筋肉が示す最大の力に確かに関与している。ヒト随意筋力は、関与する筋肉部分の量(筋断面積)及び質(筋線維タイプ)のみならず、その筋肉部分が活性化された程度(神経因子)によっても決まる。更に、筋肉の質には筋肉内に含まれる脂質も関係しており、かかる脂質は年齢と共に増加し、筋肉の質が低くなる原因となる。したがって、本試験の間の、特にW−BIO治療群に見られた利益となるような筋肉の質の変化は、筋線維の数又はサイズの増加と併せた筋肉の脂質含量の低下である可能性があり、したがって筋厚又はCSAの変化なしに筋力の改善を得ること(脂質とタンパク質含量との間の均衡)が可能であり得る。

0120

[0136]本試験では、3群全てが、主要な下肢筋群の「不随意の」収縮を誘発する同じEMSトレーニングを12週間の期間にわたって週2回受けた。3群の間の大腿筋及び腓筋の筋厚及び推定断面積に有意な差がないことがないことから、W−BIO群が、生物活性物質の補給によって可能となった中枢運動駆動の増進及び/又は断面積当たりにより高い張力を発生させるような筋線維組成の変化によって、筋肉を活性化させる能力をより高度に獲得したのではないかという可能性が示唆される。W−BIO群は、中枢神経系の完全性が増進した結果、筋肉を活性化させる運動指令亢進した可能性がある。

0121

[0137]W−BIO群で特に観察された筋力増加を説明する別の可能性として、ポリフェノールが、活動性の低い高齢者に起こることが知られる酸化的ストレスを管理する助けとなり得るというものである。タンパク質と共に与えられるポリフェノールは、(酸化的ストレスを管理することによって)同化抵抗性に対抗する助けとなり得るため、したがって筋タンパク質合成に対する栄養素及びタンパク質の同化作用が回復し得る。同じように、EPA補給もまた、インスリン感受性の改善をもたらし、ひいてはホエイタンパク質に関連する筋タンパク質合成を刺激した可能性がある。

0122

[0138]本明細書中に記載される好適な実施形態に対する種々の変更及び修正は当業者には明らかであることは理解されるべきである。このような変更及び修正は、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なうことなく、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図される。

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