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技術 バチルス・アガラドヘレンス(BACILLUS AGARADHAERENS)イヌロスクラーゼ(INUO)の使用を含む組成物および方法

出願人 ダニスコ・ユーエス・インク
発明者 クラリィ、スラブココルクマン、マルクリーフラン、クリスデノベル、ヨハネス・ジーフークストラ、アリエンアルカン、ベリ
出願日 2015年12月4日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2017-530022
公開日 2017年12月7日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-536131
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 酵素・酵素の調製 微生物、その培養処理 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード 中間ピーク 較正設定 生分解性界面活性剤 OS材料 希釈インキ ECシステム 広帯域プローブ 低カロリー値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

解決手段

バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185は、GF3〜GF30のGF範囲を備えている広範囲のIOSを効率的に合成するイヌスクラーゼ発現する。単離および/または精製イヌロスクラーゼ、組換え技術によって作成されたそれらの変異体、それらの活性断片、前記イヌロスクラーゼをコードする合成核酸、それらの変異体、もしくはそれらの断片、前記合成核酸を含む宿主細胞ならびに前記イヌロスクラーゼを含む組成物が提供される。前記組成物を使用する方法には、イヌロオリゴ糖の製造が含まれる。

概要

背景

イヌリン型フルクトオリゴ糖(FOS)であるイヌロオリゴ糖(IOS)は、それらが有する有益な健康効果のために、ますます多くの注目を集めつつある。イヌリン型の短鎖FOSおよびイヌリン型フルクタンは、それらが実証された顕著なin vitroプレバイオティクス効果を有するために、すなわち有益な細菌のための食物源として関心対象である。イヌリンはさらに、食品工業において脂肪代替物として、および例えばデザートパン菓子類および発酵乳製品ならびに乳児用調製粉乳などの数種の製品において質感および安定性を提供するためにも使用されている。

IOSは、フルクトース単位間にβ−(2→1)結合を備えるフルクトシル単位の鎖によって伸長したスクロース分子を含む。IOSポリマーは、包括的構造GFn(式中、「G」はグルコース分子を意味し、「Fn」はフルクトース単位の数を意味する)を備える繰り返し単位を含有する。例には、1−ケストース(GF2)、1−ニストース(GF3)および1F−フルクトフラノシルニストース(GF4)が含まれる。植物由来のIOSポリマーは、例えば、一般に30〜50フルクトシル単位を含有している。

植物、真菌および細菌によって生成されたフルクトシルトランスフェラーゼ(FTase)は、FOSの合成を触媒する。FTaseは、グリコシドヒドロラーゼ32(GH32)およびグリコシドヒドロラーゼ68(GH68)ファミリーを含有するクランGH−J酵素に属する。GH32およびGH68ファミリー内では現在、約91のFTaseタンパク質アミノ酸配列が知られている。GH32およびGH68ファミリーは、各々が4本の逆平行β鎖からなり、一緒に中心負荷電腔を形成する、5枚羽根のβ−プロペラフォールド共有する。これらの配列は、5つの植物クレード、1つの真菌クレードおよび1つの細菌クレードに分類される。Almeciga−Diaz et al.(2011)“Computational analysis of the fructosyltransferase enzymes in plants,fungi and bacteria.”Gene 484:26−34を参照されたい。GH68ファミリーのFTaseは、それらの基質であるスクロースフルクトース部分をフルクタン重合させる。FTaseには、イヌスクラーゼおよびレバンスクラーゼの両方が含まれる。一般に、イヌロスクラーゼは、β−(2→1)結合を通しての重合を触媒し、レバンスクラーゼはβ−(2→6)結合による重合を触媒する。イヌロスクラーゼは、β−(2→1)結合を通してのさらなる重合およびグルコースの生成の両方を生じさせる化学反応



を触媒する。

相当に少数の公知のFTase酵素がイヌロスクラーゼ(EC2.4.1.9)として同定されてきた。これまでに同定されたイヌロスクラーゼ酵素およびコーディング遺伝子は、主として乳酸菌ラクトバチラスガセリ(Lactobacillus gasseri)菌株ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)、ロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)CW28、ラクトバチルスジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)NCC533、L.ロイテリ(L.reuteri)121およびL.ロイテリ(L.reuteri)TMW1.106中に存在する。GH68ファミリー由来特徴付けられたイヌロスクラーゼ酵素および遺伝子は、大きなイヌリンポリマーを合成する。例えば、L.ロイテリ(L.reuteri)121INUイヌロスクラーゼは、サイズが1×107Daを超えるイヌリンポリマーを合成する;L.ジョンソニイ(L.jonsonii)INUJイヌロスクラーゼは、サイズが約4×107Daのイヌリンポリマーを合成する;およびS.ミュータンス(S.mutans)GS−5イヌロスクラーゼは、サイズが約7×107Daのイヌリンポリマーを合成する。これらの酵素によって合成されたイヌリンポリマーは大きいが、イヌリンオリゴ糖はGF2〜GF6の相当に小さなGF範囲を有する。バチルス種(Bacillus sp.)217C−11由来のフルクタンスクラーゼ酵素は、生化学的に特徴付けられている。バチルス(Bacillus)属酵素は、GF10〜GF25のGF範囲およびGF16〜GF17でピークを有するIOSだけを合成する。Wada et al.(2003)“A novel enzyme of Bacillus sp.217C−11 that produces inulin from sucrose.”Biosci.Biotechnol.Biochem.67:1327−1334を参照されたい。

概要

バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185は、GF3〜GF30のGF範囲を備えている広範囲のIOSを効率的に合成するイヌロスクラーゼを発現する。単離および/または精製イヌロスクラーゼ、組換え技術によって作成されたそれらの変異体、それらの活性断片、前記イヌロスクラーゼをコードする合成核酸、それらの変異体、もしくはそれらの断片、前記合成核酸を含む宿主細胞ならびに前記イヌロスクラーゼを含む組成物が提供される。前記組成物を使用する方法には、イヌロオリゴ糖の製造が含まれる。なし

目的

イヌリンはさらに、食品工業において脂肪代替物として、および例えばデザート、パン・菓子類および発酵乳製品ならびに乳児用調製粉乳などの数種の製品において質感および安定性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

列番号4のアミノ酸32〜453、組換え技術によって作成されたそれらの変異体またはそれらの活性断片からなるポリペプチドを含むバチルス・アガラドヘレンス(Bacillusagaradhaerens)由来の単離組換え発現イヌスクラーゼ(INUO)であって、前記変異体はβ−(2→1)結合を含有するイヌリンオリゴ糖重合触媒することができ、前記変異体は配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも60%の配列同一性を有するイヌロスクラーゼ。

請求項2

配列番号4のアミノ酸32〜453からなる前記ポリペプチドを含む前記ポリペプチドは、バチルス・アガラドヘレンス(Bacillusagaradhaerens)菌株WDG185(配列番号4)由来の天然型INUOと通常は関連していない少なくとも1つのアミノ酸を含む、請求項1に記載のイヌロスクラーゼ。

請求項3

前記組換え技術によって作成された変異体は、配列番号4の前記アミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する、請求項1に記載のイヌロスクラーゼ。

請求項4

前記組換え技術によって作成された変異体は、配列番号4の前記アミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも99%または少なくとも99.5%の配列同一性を有する、請求項3に記載のイヌロスクラーゼ。

請求項5

配列番号4のアミノ酸32〜453と同一ではない前記組換え技術によって作成された変異体の前記アミノ酸残基は、前記C末端もしくはN末端のいずれかからの保存的アミノ酸置換もしくは欠失から選択される、請求項1に記載のイヌロスクラーゼ。

請求項6

前記組換え技術によって作成された変異体の前記アミノ酸配列は、配列番号4のアミノ酸79〜393と同一の配列を含む、請求項1に記載のイヌロスクラーゼ。

請求項7

請求項1に記載の前記イヌロスクラーゼを含む組成物

請求項8

前記イヌロスクラーゼは、凍結乾燥粉末形、カプセル封入形、コーティング形、顆粒形または液剤である、請求項7に記載の組成物。

請求項9

希釈剤をさらに含む、請求項7に記載の組成物。

請求項10

請求項1に記載の前記イヌロスクラーゼをコードする合成核酸

請求項11

請求項10に記載の前記合成核酸を含むベクター

請求項12

発現ベクターである、請求項10に記載のベクター。

請求項13

請求項10に記載の前記合成核酸または請求項11に記載の前記ベクターを含む宿主細胞

請求項14

配列番号3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含むベクター。

請求項15

請求項14に記載の前記ベクターを含む宿主細胞。

請求項16

配列番号3の前記ヌクレオチド配列を含むバチルス・アガラドヘレンス(Bacillusagaradhaerens)ではない宿主細胞。

請求項17

請求項13に記載の前記宿主細胞と食品用飼料用、工業用もしくは医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む組成物。

請求項18

請求項17に記載の前記組成物を使用する方法であって、前記組成物を個体に投与する工程を含み、前記組成物は前記個体におけるプレバイオティクスとして作用することができる方法。

請求項19

イヌロサカライド(IOS)生成物を製造する方法であって、請求項1に記載の前記イヌロスクラーゼをフルクトース源と接触させる工程と、前記IOS生成物を製造するためにpH5〜10および40℃〜60℃で前記イヌロスクラーゼを前記フルクトース源と反応させる工程とを含む方法。

請求項20

前記フルクトース源は、スクローススタキオースラフィノースイヌリンまたはフルクトオリゴ糖(FOS)である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記IOS生成物は、GF3〜GF100、GF3〜GF30またはGF10〜GF25のGF範囲を有する、請求項19に記載の方法。

請求項22

前記イヌロスクラーゼは、組換えINUOをコードする核酸を含む宿主細胞を含む組成物中で提供される、請求項19に記載の方法。

請求項23

前記IOS生成物の化学修飾をさらに含む、請求項19に記載の方法。

請求項24

調製されたオリゴフルクトシド生成物を製造する方法であって、請求項1に記載の前記イヌロスクラーゼを他の糖類によって置換されたスクロースのグルコースキャップを有するスクロースアナログと接触させる工程と、前記調製されたオリゴフルクトシド生成物を製造するために前記イヌロスクラーゼをスクロースアナログとpH5〜10および40℃〜60℃で反応させる工程とを含む方法。

請求項25

前記スクロースアナログは、ガラクトースマンノースフコースキシロースまたはアロースによって置換されたスクロースの前記グルコースキャップを有する、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記イヌロスクラーゼは、組換えINUOをコードする核酸を含む宿主細胞を含む組成物中で提供される、請求項24に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体とし本明細書に組み込まれる、2014年12月5日に出願された米国仮特許出願第62/088,320号明細書からの優先権の利益を主張するものである。

0002

バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)由来の単離および/または精製イヌスクラーゼ組換え技術によって作成されたそれらの変異体、それらの活性断片、イヌロスクラーゼをコードする合成核酸およびそれらの変異体、合成核酸を含む宿主細胞ならびにイヌロスクラーゼを含む組成物が提供される。それらの組成物を使用する方法には、イヌロオリゴ糖の製造が含まれる。

0003

配列表
列番号1〜19を含む配列表は、添付されており、その全体として参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0004

イヌリン型フルクトオリゴ糖(FOS)であるイヌロオリゴ糖(IOS)は、それらが有する有益な健康効果のために、ますます多くの注目を集めつつある。イヌリン型の短鎖FOSおよびイヌリン型フルクタンは、それらが実証された顕著なin vitroプレバイオティクス効果を有するために、すなわち有益な細菌のための食物源として関心対象である。イヌリンはさらに、食品工業において脂肪代替物として、および例えばデザートパン菓子類および発酵乳製品ならびに乳児用調製粉乳などの数種の製品において質感および安定性を提供するためにも使用されている。

0005

IOSは、フルクトース単位間にβ−(2→1)結合を備えるフルクトシル単位の鎖によって伸長したスクロース分子を含む。IOSポリマーは、包括的構造GFn(式中、「G」はグルコース分子を意味し、「Fn」はフルクトース単位の数を意味する)を備える繰り返し単位を含有する。例には、1−ケストース(GF2)、1−ニストース(GF3)および1F−フルクトフラノシルニストース(GF4)が含まれる。植物由来のIOSポリマーは、例えば、一般に30〜50フルクトシル単位を含有している。

0006

植物、真菌および細菌によって生成されたフルクトシルトランスフェラーゼ(FTase)は、FOSの合成を触媒する。FTaseは、グリコシドヒドロラーゼ32(GH32)およびグリコシドヒドロラーゼ68(GH68)ファミリーを含有するクランGH−J酵素に属する。GH32およびGH68ファミリー内では現在、約91のFTaseタンパク質アミノ酸配列が知られている。GH32およびGH68ファミリーは、各々が4本の逆平行β鎖からなり、一緒に中心負荷電腔を形成する、5枚羽根のβ−プロペラフォールド共有する。これらの配列は、5つの植物クレード、1つの真菌クレードおよび1つの細菌クレードに分類される。Almeciga−Diaz et al.(2011)“Computational analysis of the fructosyltransferase enzymes in plants,fungi and bacteria.”Gene 484:26−34を参照されたい。GH68ファミリーのFTaseは、それらの基質であるスクロースフルクトース部分をフルクタン重合させる。FTaseには、イヌロスクラーゼおよびレバンスクラーゼの両方が含まれる。一般に、イヌロスクラーゼは、β−(2→1)結合を通しての重合を触媒し、レバンスクラーゼはβ−(2→6)結合による重合を触媒する。イヌロスクラーゼは、β−(2→1)結合を通してのさらなる重合およびグルコースの生成の両方を生じさせる化学反応



を触媒する。

0007

相当に少数の公知のFTase酵素がイヌロスクラーゼ(EC2.4.1.9)として同定されてきた。これまでに同定されたイヌロスクラーゼ酵素およびコーディング遺伝子は、主として乳酸菌ラクトバチラスガセリ(Lactobacillus gasseri)菌株ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)、ロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)CW28、ラクトバチルスジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)NCC533、L.ロイテリ(L.reuteri)121およびL.ロイテリ(L.reuteri)TMW1.106中に存在する。GH68ファミリー由来の特徴付けられたイヌロスクラーゼ酵素および遺伝子は、大きなイヌリンポリマーを合成する。例えば、L.ロイテリ(L.reuteri)121INUイヌロスクラーゼは、サイズが1×107Daを超えるイヌリンポリマーを合成する;L.ジョンソニイ(L.jonsonii)INUJイヌロスクラーゼは、サイズが約4×107Daのイヌリンポリマーを合成する;およびS.ミュータンス(S.mutans)GS−5イヌロスクラーゼは、サイズが約7×107Daのイヌリンポリマーを合成する。これらの酵素によって合成されたイヌリンポリマーは大きいが、イヌリンオリゴ糖はGF2〜GF6の相当に小さなGF範囲を有する。バチルス種(Bacillus sp.)217C−11由来のフルクタンスクラーゼ酵素は、生化学的に特徴付けられている。バチルス(Bacillus)属酵素は、GF10〜GF25のGF範囲およびGF16〜GF17でピークを有するIOSだけを合成する。Wada et al.(2003)“A novel enzyme of Bacillus sp.217C−11 that produces inulin from sucrose.”Biosci.Biotechnol.Biochem.67:1327−1334を参照されたい。

発明が解決しようとする課題

0008

バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185は、GF3〜GF30のGF範囲を備える広範囲のIOSを効率的に合成するイヌロスクラーゼを発現する。単離および/または精製イヌロスクラーゼ、組換え技術によって作成されたそれらの変異体、それらの活性断片、イヌロスクラーゼをコードする合成核酸、それらの変異体、もしくはそれらの活性断片、合成核酸を含む宿主細胞ならびにイヌロスクラーゼを含む組成物が提供される。それらの組成物を使用する方法には、イヌロオリゴ糖の製造が含まれる。

課題を解決するための手段

0009

したがって、配列番号4のアミノ酸32〜453、組換え技術によって作成されたそれらの変異体またはそれらの活性断片からなるポリペプチドを含むバチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)由来の単離組換え発現イヌロスクラーゼ(INUO)であって、変異体はβ−(2→1)結合を含有するイヌリンオリゴ糖の重合を触媒することができ、変異体は配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453と少なくとも60%の配列同一性を有するINUOが提供される。配列番号4のアミノ酸32〜453からなるポリペプチドを含むイヌロスクラーゼは、バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185(配列番号4)由来の天然型INUOと通常は関連していない少なくとも1つのアミノ酸を含む可能性がある。組換え技術によって作成された変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する可能性がある。または、組換え技術によって作成された変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%の配列同一性を有する可能性がある。配列番号4のアミノ酸32〜453と同一ではない組換え技術によって作成された変異体のアミノ酸残基は、C末端もしくはN末端のいずれかからの保存的アミノ酸置換もしくは欠失から選択することができる。組換え技術によって作成された変異体のアミノ酸配列は、配列番号4のアミノ酸79〜393と同一の配列を含む場合がある。

0010

イヌロスクラーゼを含む組成物もまた提供される。イヌロスクラーゼは、凍結乾燥粉末形、カプセル封入形、コーティング形、顆粒形または液剤であってよい。本組成物は、さらに希釈剤を含む場合がある。

0011

さらに、(1)イヌロスクラーゼをコードする合成核酸;(2)その合成核酸を含むベクター;および(3)その合成核酸もしくはベクターを含む宿主細胞が提供される。ベクターは、発現ベクターであってよい。ベクターは、配列番号3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含んでいてよい。1つの実施形態では、宿主細胞は、配列番号3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含んでいてよい。また別の実施形態では、バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)ではない宿主細胞は、配列番号3のヌクレオチド配列を含んでいてよい。さらに、宿主細胞と食品用飼料用、工業用もしくは医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む組成物が提供される。本組成物を使用する方法は、本組成物を個体に投与する工程を含むことができるが、このとき本組成物は個体におけるプレバイオティクスとして作用することができる。

0012

さらに、イヌロサカライド(IOS)生成物を製造する方法であって、イヌロスクラーゼをフルクトース源と接触させる工程と、IOS生成物を製造するためにpH5〜10および40℃〜60℃でイヌロスクラーゼをフルクトース源と反応させる工程とを含む方法が提供される。フルクトース源は、スクロース、スタキオースラフィノース、イヌリンまたはフルクトオリゴ糖(FOS)であってよい。IOS生成物は、GF3〜GF100、GF3〜GF30もしくはGF10〜GF25のGF範囲を有していてよい。イヌロスクラーゼは、組換えINUOをコードする核酸を含む宿主細胞を含む組成物中で提供されてよい。イヌロサッカライド(IOS)を製造する方法は、さらにIOS生成物の化学修飾を含む場合がある。

0013

さらに、調製されたオリゴフルクトシド生成物を製造する方法であって、イヌロスクラーゼを他の糖類によって置換されたスクロースのグルコースキャップを有するスクロースアナログと接触させる工程と、調製されたオリゴフルクトシド生成物を製造するためにイヌロスクラーゼをスクロースアナログとpH5〜10および40℃〜60℃で反応させる工程とを含む方法が提供される。スクロースアナログは、ガラクトースマンノースフコースキシロースもしくはアロースによって置換されたスクロースのグルコースキャップを有していてよい。イヌロスクラーゼは、組換えINUOをコードする核酸を含む宿主細胞を含む組成物中で提供される。

0014

用語解説
BLASTBasic Local Alignment Search Tool
CAZy炭水化物活性酵素データベース
EDTAエチレンジアミン四酢酸
FOSフルクトオリゴ糖
Ftase、FTFまたはFSフルクトシルトランスフェラーゼ
GFn IOSポリマー内の繰り返し構造(式中、Gはグルコース分子を意味し、Fnはフルクトース単位の数、例えば、GF4を意味する)
GH32グリコシドヒドロラーゼのファミリー32
GH68 グリコシドヒドロラーゼのファミリー68
GLCEI/MS電子衝撃質量分析法(EI/MS)と結合された気液クロマトグラフィー(GLC)
GPCゲル透過クロマトグラフィー
OD信号 1つの陽子が1つの重水素と置換される水からのNMR信号
HPAE高性能アニオン交換クロマトグラフィー
HPLC高性能液体クロマトグラフィ
HPSEC 高性能サイズ排除クロマトグラフィー
SQC異核単一量コヒーレンス
INUOバチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のイヌロスクラーゼ
IOSイヌロオリゴ糖
MALLマルチアングルレーザー光散乱法
MR核磁気共鳴法
RI屈折指数
SEC サイズ排除クロマトグラフィー
TLC薄層クロマトグラフィー
汎用バッファー特定pHを生じさせるように設計されたNa2HPO4とクエン酸との混合液
PDI多分散性指数
Mw重量平均分子量
Mn 平均分子量
Mp ピーク分子量

図面の簡単な説明

0015

乳酸菌由来のFTase(イヌロスクラーゼおよびレバンスクラーゼ)の系統樹を示す図である。系統発生ブートストラップ試験は、500回の複製を使用する近隣結合法によって実施した。ブートストラップ値(%)は、分岐点に示されている。スケールバーは、1つの位置当たり0.1置換の遺伝的距離に対応する。入手できる三次元構造情報を備えるFTaseには下線が付けられている。イヌロスクラーゼは灰色フォント、レバンスクラーゼは黒色フォントで記載されている;本明細書に開示したバチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185由来のINUO酵素はボールド体で記載されている。
B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)菌株WDG185由来のINUO酵素のアミノ酸配列(配列番号4)を示す図である。他のフルクタンスクラーゼ酵素の触媒ドメイン内で同定された保存領域(I〜XI)に対応する領域にはボールド体で下線が付けられている。「∇」は触媒残基を表す;および「↓」は、Ca2+結合残基を表す。「〜」は、推定31−aaシグナルペプチド配列を示す。
組換えINUO(配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453)によるIOS形成を示す図である。反応条件は、800mMのスクロース、2Lの800mMのスクロース中の200mL(1.79mg/mL)のINUO、75mMの汎用バッファー(pH7.0)である。様々な時間間隔(0〜4時間)で、サンプルが採取された。図3Aは、スクロース(◆)、グルコース(■)およびフルクトース(●)のレベルの相対量を示している高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を示している。図3Bは、反応開始のT=0、1、2、3および4時間後に測定された経時的なIOS形成を示している高性能アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)分析を示している。
0.35μg/mLの精製INUO酵素と800mMのスクロースおよびチコリーイヌリン(実線)とのインキュベーション後に形成されたINUO反応生成物点線)のHPAEC分析を示す図である(GF2=1−ケトース;GF3=1−ニストース;およびGF4=1F−フルクトフラノシルニストース)。
(1)精製INUOの沈降および凍結乾燥させた反応生成物、(2)イヌリナーゼによって分解されたINUOの反応生成物、(3)1−ケトース(GF2)および(4)1−ニストース(GF3)のTLC分析を示す図である。
製組換えINUOによって作成されたエタノール沈降FOSの600MHz 2D 1H−13C感受性強化多重度編集異核単一量子コヒーレンス(HSQC)分光法を示す図である。化学シフトは、ppm単位で示されている。1Hシグナルは、外部アセトン(1H、δ=2.225)に比して与えられる。
INUO(黒色線)およびΣチコリーイヌリン(灰色線)によって合成されたイヌリンのLiNO3高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)−マルチアングルレーザー光散乱法(MALLS)−屈折指数(RI)スペクトルを示す図である。

0016

バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のイヌロスクラーゼ(INUO)、組換え技術によって作成されたそれらの変異体およびそれらの活性断片が開示される。イヌロスクラーゼの全長配列は、配列番号4に規定したアミノ酸配列からなる。INUOは、成熟酵素として発現させられると、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453からなる可能性がある。組換えINUO酵素は、イヌロスクラーゼ活性を有し、β−(2→1)結合を含有するイヌリンオリゴ糖の重合を触媒することができる。INUOは、配列番号4のアミノ酸32〜453からなるポリペプチドを含むことができるが、このとき追加のアミノ酸配列は、配列番号4のアミノ酸32〜453からなるポリペプチドのN末端および/またはC末端に融合させられてよい。いずれかの末端に融合したアミノ酸配列は、通常は天然型INUOと関連していないアミノ酸配列を含有することができる。例えば、そのようなアミノ酸配列は、タンパク質を標識または精製するために有用な可能性がある。そのようなアミノ酸配列は、さらに発現したINUOに新規な機能を付与するポリペプチドを含む。例えば、非相同炭水化物結合ドメインは、組換えINUOのカルボキシル末端に融合させられてよい。

0017

INUOは、「単離」されていてよく、これはINUOが自然にそれが関連している生物学的材料の少なくとも一部から分離されていて、その後に精製されて自然には見いだされない形態、例えば凍結乾燥粉末形、カプセル封入形、コーティング形、顆粒形または液剤に濃縮されていることを意味する。INUOは、「組換え発現」されてよいが、これは、INUOがDNAもしくは類似の合成核酸由来の組換え宿主細胞内で発現させられることを意味する。単一ペプチドは、宿主細胞内の発現ベクターからの組換え発現したタンパク質の分泌を促進するためにN末端に機能的に連結している可能性がある。シグナルペプチドは、例えば、配列番号4のアミノ酸1〜31の配列を有していてよい。または、INUOは、様々なシグナル配列、例えば、また別の細菌種、例えば別のバチルス種(Bacillus sp.)由来のシグナル配列と連結していてよい。シグナルペプチドは、イヌロスクラーゼの成熟形を産生するために組換え発現中にタンパク質分解的に切断されてよい。

0018

「組換えINUO」には、配列番号4のアミノ酸32〜453からなる組換え発現INUOならびに組換え技術によって作成されたそれらの変異体もしくはそれらの活性断片が含まれる。「組換え技術によって作成された変異体」は、配列番号4のアミノ酸32〜453と比較して、N末端もしくはC末端からの少なくとも1つのアミノ酸置換もしくは欠失を含有する。組換え技術によって作成された変異体のアミノ酸配列は、配列番号4の天然型イヌロスクラーゼのアミノ酸配列とは少なくとも1つのアミノ酸が相違する。組換え技術によって作成された変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは少なくとも99.5%の配列同一性を示す可能性がある。INUOの変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453からなり、非同一アミノ酸は、C末端もしくはN末端のいずれかからのアミノ酸置換もしくは欠失であってよい。例えば、配列番号4の残基449〜453の欠失を備える変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453との少なくとも98%配列同一性を有するであろう。組換えINUOには、1、2、3もしくは4つの無作為に選択されたアミノ酸修飾を備えるポリペプチドが含まれるがそれらに限定されない。アミノ酸置換は、さらに、表1に示した保存的アミノ酸置換から選択することができる。

0019

0020

アミノ酸置換、欠失および/または挿入は、例えば固相ペプチド合成法などの当技術分野において周知のペプチド合成技術を使用して、または組換えDNA操作によって容易に作成することができる。タンパク質の置換、挿入もしくは欠失変異体を生成するためのDNA配列を操作するための方法は当技術分野において周知であり、例えば、指定部位変異導入法が含まれる。

0021

組換え発現INUOの活性断片もまた提供される。INUOの活性断片は、測定可能なイヌロスクラーゼ活性を保持するINUOの一部分であり、β(2→1)結合を含有するイヌリンオリゴ糖の重合を触媒することができる。

0022

本明細書で使用する「配列同一性率(%)」は、変異体がデフォルトパラメーターを備えるCLUSTAL Wアルゴリズムを使用して整列させた場合に、野生型酵素と少なくとも所定の百分率は同一のアミノ酸残基を有することを意味する。Thompson et al.(1994)Nucleic AcidsRes.22:4673−4680を参照されたい。CLUSTAL Wアルゴリズムのためのデフォルトパラメーターは、次の通りである:
Gap opening penalty:10.0
Gap extension penalty:0.05
Protein weight matrix:BLOSUMシリーズ
DNA weight matrix:IUB
Delay divergent sequences %:40
Gap separation distance:8
DNA transitions weight:0.50
List hydrophilic residues:GPSNDQEKR
Use negative matrix:OFF
Toggle Residue specific penalties:ON
Toggle hydrophilic penalties:ON
Toggle end gap separation penalty OFF

0023

欠失は、参照配列と比較して、非同一残基計数される。いずれかの末端で発生している欠失が含まれる。例えば、配列番号4の残基449〜453の欠失を備える変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453と比較して、少なくとも98%配列同一性を有するであろうが、少なくとも99%の配列同一性は有していないであろう(417/422個の同一残基×100は、98.8%の配列同一性を生じさせる)。

0024

INUO変異体内のアミノ酸修飾は、他のGH68酵素と比較して保存されている配列モチーフ内の残基を含む可能性がある。例えば、図2に図示されているINUOのモチーフI〜XIは、他のGH68酵素において保存された配列モチーフである(表2)。表2は、様々なフルクタンスクラーゼ酵素の触媒ドメイン内の保存領域(I〜XI)のアミノ酸配列アラインメントを示している(各酵素についての各モチーフの開始位置および終了位置が提供されている):「INU」はイヌロスクラーゼを表す;「LEV」はレバンスクラーゼを表す;「∇」は触媒残基を表す;「↓」はCa2+結合残基を表す;「*」は同一残基を表す;「:」は保存的置換を表す;および「.」は半保存的置換を表す。

0025

0026

モチーフI、VおよびVIIIは、FTase内の3つの触媒的アミノ酸残基を含有する領域であると同定されている。INUOの変異体は、配列番号4のアミノ酸配列のアミノ酸32〜453からなる可能性がある。または、INUOの変異体は、配列番号4のアミノ酸配列と同一であるモチーフI〜IV(配列番号4の残基79〜168)またはモチーフI〜XI(配列番号4の残基79〜393)を含む可能性がある。

0027

INUOは、組成物の1つの成分であってよい。本組成物は、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)の培養から得られた精製INUOを含む場合がある、または組換えINUOをコードする核酸を含む組換え技術によって作成された修飾宿主細胞内で発現させることができる精製組換えINUOを含む場合がある。例えば、本組成物は、組換えINUOをコードする核酸を発現する宿主細胞を含む場合がある。INUOは、本組成物中で少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%の純度を有していてよい。例えば、INUOは、相同性まで精製されてよい。本組成物は、他の成分を含むことができる。例えば、INUO組成物は、凍結乾燥粉末としてのINUOおよび任意選択的に1つ以上の担体、例えばイヌロスクラーゼ活性を有していない他のタンパク質などを含むことができる。本組成物はさらに、例えば蒸留水蒸留脱イオン水または緩衝生理食塩液などの希釈剤中にINUOを含む場合がある。

0028

組換えINUOをコードする合成核酸、例えばDNA、核酸を含むベクターおよびベクターもしくは核酸を含む宿主細胞が提供される。「合成」核酸は、配列番号3に描出した天然型配列内では見いだされない少なくとも1つのヌクレオチド残基を含有する。組換えINUOをコードする核酸配列は、相同性もしくは非相同性発現のために使用できる発現調節領域(例えば、プロモーターエンハンサーおよびターミネーター)を含む場合がある。そのような発現調節配列は、ポリペプチドコーディング核酸配列に機能的に連結している。当業者であれば明確に理解できるように、遺伝コード縮重しており、これは一部の場合には複数のコドンが同一アミノ酸をコードできることを意味する。組換えINUOをコードする合成核酸には、全ての可能性のあるコドン縮重が含まれる。組換えINUOをコードする核酸は、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)のftf遺伝子である、配列番号3のポリヌクレオチドを含む場合がある。

0029

ベクターは、組換えINUOをコードする合成核酸を含む場合がある。ベクターは、例えば、組換えINUOを発現できる発現ベクターの場合がある。ベクターは、1つ以上の選択可能なマーカー、例えば、抗生物質耐性遺伝子を含む場合がある。INUOコーディング核酸を含むベクターは、配列番号3のftfポリヌクレオチドを含むベクターを含むことができる。他のベクターは、配列番号3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含んでいてよい。核酸構築物の1つ以上のコピーを含有する組換え宿主細胞、例えば植物、動物、真菌もしくは細菌細胞が提供される。宿主細胞は、組換えINUOを発現および分泌することができる細菌細胞、例えば、バチルス種(Bacillus sp.)であってよい。他の宿主細菌細胞は、バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)でなくてもよい。宿主細胞は、配列番号3のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドを含むベクターを含んでいてよい。組換えINUOをコードする核酸、ベクター、核酸を含む発現構築物および宿主細胞を製造および使用する好適な技術は、当技術分野において周知である。

0030

IOS生成物を製造するためのINUO、例えば、組換えINUOを使用する方法もまた提供される。本方法は、INUOを好適なフルクトース源、例えば、スクロース、スタキオース、ラフィノースまたはFOSと接触させる工程を含むことができる。好適なスクロース源には、例えばサトウキビビートジュースおよび糖蜜のような原料物質が含まれるがそれらに限定されない。イヌリン形スクロースを製造する場合は、イヌリン(例えば、GFn)の最終平均重合度は、培養培地スクロース濃度、イヌリンシンターゼがスクロースと接触させられる場合の温度および/または反応中のスクロース基質添加の時機を制御することによって影響を受ける可能性がある。米国特許第7,507,558号明細書を参照されたい。イヌリンの最終平均重合度(すなわち、GFn)は、GF3〜GF100または典型的にはGF3〜GF30もしくはGF10〜GF25の範囲内にあってよい。例えば、スクロースは、20〜1,000mMのレベルの濃度で添加されてよい。反応を開始させるために800mMのスクロースが一度に加えられると、例えば、IOS生成物はGF10〜GF25のGF範囲を有し、ピークはGF16〜GF17にある。本方法は、広いpH範囲にわたり、例えば、約pH5〜10、約pH5.5〜9.5、約pH6〜8または約pH7で実施することができる。温度は、約40℃〜60℃、例えば、約45℃〜55℃または約50℃に保持することができる。

0031

上述のように、INUOによるIOSの製造は、同時にスクロース基質からグルコースを生成する。INUO触媒反応中に生成されたグルコースは、さらに、INUOを好適なフルクトース源と接触させる工程と同時に、または引き続いてさらに利用することができる。例えば、INUOを使用する方法は、フルクトースを生成するために遊離したグルコースを異性体化する工程をさらに含むことができる。この異性体化する工程は、例えば、高フルクトースシロップの製造における1つの工程であってよい。または、グルコースは、共発酵の工程における微生物、例えば、酵母のための基質として利用することができる。例えば、INUOを発現する微生物は、発酵微生物とともに共培養することができる。この場合には、INUO触媒反応のために使用されるpHおよび温度の状況は、発酵微生物とINUOを発現する微生物とを共培養するために最適化されてよい。

0032

INUOと接触させられる好適なフルクトース源は、例えば、スクロースを含有する食品であってよい。食品をINUOと接触させる工程は、食品中のFOSの量を増加させながら、食品のスクロース含量を低下させる。FOSは、有益には低カロリー値を備える食物繊維として機能する。この状況における好適なフルクトース源には、果汁ヨーグルトが含まれるがそれらに限定されない。

0033

INUOは、精製INUOまたは組換えINUOを含む組成物中で提供されてよい。INUOは、INUOを発現する細胞、例えば組換えINUOをコードする核酸を含む宿主細胞を含む組成物の形態で提供されてよい。この場合には、細胞は、非増殖状態にあってよい。これは、細胞の増殖を支持するための栄養素および他の材料を供給する必要を伴わずにフルクタンの製造が進行することを許容する。製造は、スクロースもしくは他のフルクトース源、例えばラフィノースを細胞と接触させ、培地由来多糖類を取り出す工程によって実施することができる。INUOを発現する細胞は、担体、例えば固体粒子フィルターおよび反応装置の壁の上に固定化させることができる。細胞は、INUOに加えて少なくとも1つの酵素、例えばグルカンスクラーゼ酵素を共発現できる可能性がある。例えば、INUOと共発現できる可能性がある酵素、例えば、イソメラーゼは、INUO触媒反応中に生成したグルコースを基質として利用することができよう。

0034

IOS生成物は、IOS生成物の所望の適用に依存して、製造工程後に化学的に修飾することができる。イヌリンの一部の化学修飾および修飾オリゴ糖の様々な工業用途は、Stevens,et al.(2001)“Chemical modification of inulin,a valuable renewable resource,and its industrial applications.”BioMacromolecules 2:1−16に要約されている。例えば、カルバミル化イヌリンは、それが界面張力を減少させる能力前提に、生分解性界面活性剤として機能することができる。さらに、炭水化物中へのカルボン酸カルボン酸塩機能の導入は、洗剤成分または食品成分として使用できる化合物および材料を生じさせる。イヌリンは、例えば、Verraest et al.(1995)Carbohydrate Res.271:101−112および国際公開第95/15984号パンフレットに記載されたような、当技術分野において公知の方法にしたがってカルボキシメチル化することができる。カルボキシメチル化イヌリンは、例えば、スケール調整剤として使用できる。または、IOSの酸化は、例えば、欧州特許第427349号明細書、国際公開第95/12619号パンフレットおよび同第95/07303号パンフレットに開示されたものを含む、当技術分野において周知である手段によって実施することができる。イヌリンのエステル化は、食品用非イオン性界面活性剤として使用できる界面活性分子を生成することができる。イヌリンのアルコキシル化は、水発泡ポリウレタンフォームを調製する際に有用であることが証明されている。例えば、Rogge et al.(2005)“Applicant of ethoxylated inulin in water−blown polyurethane foams.”BioMacromolecules 6:1992−1997を参照されたい。酸化フルクタンは、改良された水溶性、変化した粘度および遅延発酵性を有し、それらの金属錯化剤洗剤添加物補強剤生体活性炭水化物、乳化剤および水結合剤としてのそれらの使用を促進する。例えばタンパク質もしくは脂肪酸などの化合物に結合した酸化フルクタンは、乳化剤および安定剤として使用できる。

0035

IOS生成物の分解によって生成されたFOSは、個体に投与できるプレバイオティクス組成物中で使用できる。FOS生成物を含むプレバイオティクス組成物は、例えば、便秘下痢および/または高コレステロールレベルを持つ個体に投与することができる。FOSは、大腸内微生物叢の基質として機能することができ、消化管全体の健康状態を増加させる。FOSおよびIOSは、さらに動物およびヒト両方の腸内でカルシウム吸収を促進することができる。FOSは、低カロリー値を備える食物繊維として有用な可能性がある。例えば、ヒトには1日当たり20gのプレバイオティクス組成物を投与することができる。

0036

組換えINUOを発現できる組換え宿主細胞は、プレバイオティクスとして作用できる組成物中に使用できる。組換え宿主細胞は、消化後に腸内でIOSを生成することができ、それによりイヌリンを代謝できるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属のような菌株の増殖を促進する。本組成物は、さらに食品用、飼料用、工業用もしくは医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含むことができる。この状況では、「医薬上許容される」は、この成分が動物および/またはヒトが消化するために安全であることを意味する。本組成物は、動物またはヒトに投与することができる。プレバイオティクス組成物は、食品と結び付けて直接的に消化される可能性がある。

0037

さらに、調製されたオリゴフルクトシド生成物(IOS以外)を生成するためにINUO、例えば、組換えINUOを使用する方法であって、IOSのグルコースキャップが例えば、ガラクトース、マノース(manose)、フコースもしくはキシロースなどの他の糖類で置換される方法もまた提供される。例えば、Homann et al.(2012)“Chemo−enzymatic systhesis and in vitro cytokine profiling of tailor−made oligofructosides.”BMCBiotechnol.12:90;Kralj et al.(2008)“Fructansucrase enzymes and sucrose analogues:A new approach for the synthesis of unique fructo−oligosaccharides.”Biocat.Biotransf.26:32−41を参照されたい。本方法は、INUOを好適なスクロースアナログと接触させる工程であって、スクロースのグルコースキャップがまた別の糖類、例えばガラクトース、マンノース、フコース、キシロースもしくはアロースで置換される工程を含むことができる。スクロースからIOSを製造する方法に類似して、調整されたオリゴフルクトシドの最終平均重合度は、培養培地のスクロースアナログ濃度、イヌリンシンターゼがスクロースアナログと接触させられる場合の温度および/または反応中のスクロースアナログ添加の時機を制御することによって影響を受ける可能性がある。本方法は、広いpH範囲にわたり、例えば、約pH5〜10、約pH5.5〜9.5、約pH6〜8または約pH7で実施することができる。温度は、約40℃〜60℃、例えば、約45℃〜55℃にわたって、または約50℃に保持することができる。

0038

用語「約」は、一般に参照値の±15%を意味する。温度を定義する場合、「約」は、工程中の平均温度に関する。当業者であれば、工程の温度が、例えば設定温度から±1℃までのように、設定温度の周囲で若干変動することを予想するであろう。「約40℃」の温度は、40±1℃の温度を含むであろうし、さらに工程中に発生する可能性がある温度における一過性急上昇もまた含む。例えば、工程の温度は、数分間にわたり40℃を数度超える可能性がある。これらの一過性の急上昇は、「約40℃」に含まれる。

0039

細菌株プラスミドおよび培養条件
バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株WDG185(Dupont Culture collection)の全ゲノム(3.7MB)は、Ilumina次世代シーケンシング(NGS)(San Diego,CA)を使用してシーケンシングし、組み立てた(BaseClear,Leiden,The Netherlands)。その分類学的位置は、16sRNA分析(同一性:バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)菌株DSM8721を用いて1436/1438=99%)によって同定した。連続配列ランは、BioXpr(Namur,Belgium)を使用して注釈が付けられた。Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)検索を使用して、2つの推定フルクタンスクラーゼ遺伝子を、枯草菌(B.subtilis)(配列番号7)のSACBおよびL.ジョンソニイ(L.johnsonii)NCC533(配列番号12)のINUJをコードする遺伝子との配列相同性によってバチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)WDG185ゲノム内で同定した。

0040

クローニングのための細胞宿主としては、枯草菌(B.subtilis)SC6.1(BG3594comK;ΔaprE、ΔnprE、degUHy32、oppA、ΔspoIIE3501、amyE::xylRPxylAcomK−phleoとも呼ばれる)を使用した。そのコンピテント遺伝子(comK)は、DNA結合および取込みのためのコンピテンシー誘導するために使用したキシロース誘導性プロモーターの下に配置した。Hahn et al.(1996)“Regulatory inputs for the synthesis of ComK,the competence transcription factor of Bacillus subtilis.”Mol.Microbiol.21:763−775を参照されたい。枯草菌(B.subtilis)SC6.1宿主細胞内でinuO遺伝子を発現させるためには、プラスミドのpHPLTを使用した。Van Solingen et al.(2001)Extremophiles 5:333−341を参照されたい。組換えプラスミドを含有する宿主細胞は、トリプトンダイズブロス(Oxoid Ltd.,UK)およびグラントの第II培地中で培養した。米国特許第8,507,244B2号明細書を参照されたい。形質転換体を選択するためには、ハートインフュージョン寒天プレート(Difco Laboratories,MI)を使用した。プラスミド完全性は、10μg/mLのネオマイシンの添加によって維持した。

0041

INUO由来のイヌロスクラーゼのアミノ酸配列アラインメントおよび系統樹の構築
INUOならびにイヌロスクラーゼおよびレバンスクラーゼ両方を含む以前に特徴付けたFTasesのアミノ酸配列は、それぞれ10および0.2のgap opening penaltyおよびgap extension penaltyを備えるClustalWインターフェースのMEGAバージョン4(インターネット上のmegasoftware.netで)を用いてアラインメントした。アミノ酸配列は、CAZy(炭水化物活性酵素)データベース(インターネット上のcazy.orgで)から取得した。系統樹もまた、MEGAプログラムを使用して作成した。系統発生のブートストラップ試験は、500回の複製を使用する近隣結合法によって実施した。

0042

分子技術
遺伝子クローニング大腸菌(E.coli)DNA形質転換、DNA操作およびアガロースゲル電気泳動法のための一般的方法は、記載された通りであった。Green et al.(2013)MOLECULAR CLONING:A LABORATORYMANUAL,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New Yorkを参照されたい。T4DNAリガーゼを用いた制限エンドヌクレアーゼ消化およびライゲーションは、酵素の供給業者(New England BioLabs Inc.,Ipswich,MA)によって勧告されたように実施した。プライマーは、Life Technologies,Frederick,MDから得た。シーケンシングは、BaseClear(Leiden,NL)を使用して実施した。枯草菌(B.subtilis)のプラスミドDNAは、NucleoSpin(登録商標)プラスミドキット(Machery−Nagel GmbH & Co.KG,Dueren,FRG)を使用して単離した。

0043

inuO遺伝子のクローニング
バチルス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)由来の全ゲノムDNAは、最初にこの菌株を37℃で24時間にわたりハートインフュージョン寒天プレート(Difco Laboratories,MI)上で増殖させることにより入手した。細胞物質をこのプレートから擦り取り、Zymo Research Corp.(Irvine,CA)(製品番号D6005)からのZF真菌/細菌DNAミニプレップキットを用いてゲノムDNAを調製するために使用した。DNAは、Platinum TaqDNAポリメラーゼHigh Fidelity(Invitrogen(商標))を使用するDNAサーマルサイクラーEppendorf Mastercycler(登録商標)ep gradient S上で増幅させた。B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)inuO遺伝子は、B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)のゲノムDNAからのポリメラーゼ連鎖反応によってプライマー:
PstI部位(ボールド体)およびNdeI部位(イタリック体)を含有するBspK02313−FW 5’−CTCATTCTGCGCTAGCGCAACCTCAGACTGGGATGCTGAAGATGAT−3’(配列番号1)、および
HpaI部位(ボールド体)を含有するBspK02313−RV5’−CGCAGATATCGTTAACTCAACGATAGGCACCGAATGGTCTGAT−3’(配列番号2)を使用して増幅させた。PstIおよびHpaI制限部位を使用して、inuOアンプリコンは、発現ベクターpHPLT内にクローン化した。生じたベクター(pHPLT−InuO)は、発現試験のために枯草菌(B.subtilis)SC6.1内に形質転換させた。プラスミドの正確な構築は、ヌクレオチド配列分析(BaseClear,The Netherlands)によって確証した。

0044

INUOの推定アミノ酸配列分析およびデンドログラム
B.アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)WDG185のftf遺伝子は、上記に開示したクローニングおよび発現方法によって同定した。ftf遺伝子のヌクレオチド配列は、配列番号3に開示した。ftf遺伝子は、31アミノ酸の推定シグナル配列を備える453アミノ酸のタンパク質をコードする。コードされたタンパク質の全長アミノ酸配列は、配列番号4に示した。シグナルペプチダーゼについての推定切断部位は、インターネット上のcbs.dtu.dk/services/SignalPで提供されたソフトウエアを使用して決定した。ftf遺伝子によってコードされた成熟タンパク質推定分子量は、47.3kDaである。416アミノ酸のコア領域(配列番号4の残基32〜447)は、グリコシドヒドロラーゼファミリー68(GH68)のメンバーとして配列相同性(インターネット上のpfam.janelia.orgでのソフトウエア)によって同定した。

0045

INUOのBLAST検索は、パエニバチルスエルギイ(Paenibacillus elgi)由来の推定FTaseとの最高類似性解明した。これら2つのタンパク質は、全タンパク質配列にわたって67%の配列同一性および443アミノ酸内で81%の配列同一性を共有する。配列番号4のINUOの残基35〜64は、バチルス種(Bacillus sp.)の部分的に特徴付けられたイヌロスクラーゼ217C−11由来の30アミノ酸N末端配列との50%の配列同一性を共有した。Wada et al.(2003)を参照されたい。

0046

INUOは系統樹内でレバンスクラーゼと最も緊密にクラスター化していたが(図1)、他の公知のイヌロスクラーゼ酵素とは緊密にクラスター化していなかった。GH68酵素における触媒作用に含まれると報告された保存モチーフおよびアミノ酸は、表2に描出したように、全部がINUO配列内に存在した。Van Hijum et al.(2006)Microbiol.Mol.Biol.Rev. 70:157−176;Velazquez−Hernandez et al.(2009)J.Appl.Microbiol.106:1763−1778を参照されたい。

0047

GH68酵素の触媒活性のために重要である3つのアミノ酸残基もまたINUO内に存在する。例えば、触媒性求核剤(nuclepohile)D81は、INUO(配列番号4)の残基79〜83に位置する保存(V/L)WD(T/S)(W/M)モチーフ(配列番号5)内に存在する。第二に、遷移状態安定剤残基D242は、INUOの残基241〜243に位置する保存RD242Pモチーフ内に存在する。第三に、酸/塩基触媒残基E326は、INUOの残基323〜327で保存D(E/Q)(I/T)ERモチーフ(配列番号6)内に存在する。Velazquez−Hernandez et al.(2009);Meng et al.(2003)Nat.Struct.Biol.10:935−941;Ozimek et al.(2004)FEBSLett.560:131−133を参照されたい。

0048

保存モチーフおよび触媒性アミノ酸を取り囲んでいるアミノ酸残基は、表2に描出した配列アラインメントに示したように、他のGH68酵素との差を示した。例えば、遷移状態安定剤を抱いている保存配列モチーフRDPには、大多数のイヌロスクラーゼ酵素内の配列モチーフIAMが先行するが、他方INUO内には配列モチーフSAFが存在する。保存D(E/Q)(I/T)ERモチーフ(配列番号6)内では、また別の差が見られる。酸/塩基触媒残基E326はINUO内に存在するが、モチーフ由来の保存アスパラギン酸塩(D)は、INUO内ではその代りヒスチジン(H)である。D(E/Q)(I/T)ERモチーフ(配列番号6)内のアスパラギン酸塩残基は、枯草菌(B.subtilis)SACBおよびL.ジョンソニイ(L.jonsonii)NCC533 INUJ酵素のカルシウム結合部位内のCa2+と協調する。Meng et al.(2003);Pijning et al.(2011)J.Mol.Biol.412:80−93を参照されたい。SACB内のカルシウム結合部位を構成するまた別の残基であるD241は、INUO内ではその代りにイソロイシン(I236)である(表2を参照されたい)。これは、INUOがCa2+に結合しないことを示唆しており、これは上記のINUO活性に及ぼすEDTA効果の非存在と一致しているであろう。さらに、触媒性酸塩基触媒残基E326に先行するアミノ酸はロイシン(L)であるが、通例は、他のGH68酵素内の保存イソロイシンもしくはトレオニンである。(例えば、表2を参照されたい。)

0049

31アミノ酸シグナル配列および上記で考察したINUOの様々なモチーフおよびアミノ酸残基は、図2ではボールド体で記載し、強調表示した。フォワードスラッシュは、モチーフIIIとIVとの間を区切っている。

0050

InuO遺伝子発現およびINUOの精製
発現は、TSB中で6時間にわたり37℃で好気的(250rpm)に増殖させたpHPLT−InuOを抱いている枯草菌(B.subtilis)SC6.1の単一コロニーから開始させた。前培養(1mL)は、3滴の消泡剤(MazuDF6000K、Mazer Chemicals,Gurnee,IL)を含有する2LのBellcoバッフル振とうフラスコ内の200mLのグラントの第II培地に接種するために使用した。37℃での66時間にわたる(220rpmでの)インキュベーション後、上清は、遠心分離(17,000×g)によって収集し、0.22μmのDurapore(登録商標)PVDF膜EMD Millipore)を通して濾過した。

0051

InuOの高発現レベル宿主として上記の枯草菌(B.subtilis)SC6.1を使用して達成されると、1Lの培養から約100mgの高精製タンパク質が産生した。INUOの予測Mrは、SDS−PAGE分析によって得られた結果と一致していた。

0052

上清中に存在するINUO酵素は、1mLのResourceQカラム(GE Healthcare)および20mMのTrisバッファー(pH7.5)中の1MのNaClを用いる30mLの線形勾配を備えたAKTA Explorerシステム(GE Healthcare)を使用して1mL/分の流量でアニオン交換クロマトグラフィーによって均質になるまで精製した。SDS−PAGEによって判定される溶出ピークに存在するタンパク質は、汎用バッファー(pH7)(すなわち、Na2HPO4とpH7を有するクエン酸の混合物)を使用して脱塩した(Slide−A−Lyzer透析カセット10kDaのMWCO,Pierce,Rockford,IL)。タンパク質濃度は、Bio−Rad試薬および標準物質としてのウシ血清アルブミン(Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)を使用するBradford法によって決定した。

0053

pHおよび温度の最適値
pH最適値(25mMの汎用バッファー(pH2〜12)および温度最適値(40〜88℃)は、15分間(HPLC)もしくは24時間のインキュベーション(TLC)後の800mMのスクロースからの0.53mg/mLの精製INUOによって合成された糖類の量を測定することによって決定した(データは示していない)。糖類の量は、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって定性的に、および/または高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)によって定量的に決定した。

0054

INUOは、それぞれpH5.5〜9.5(>60%の活性)および45℃〜55℃(>60%の活性)の広範囲のpHおよび温度最適値を示した。温度およびバッファーの様々な組み合わせを用いたアッセイは、50℃およびpH7.0で精製INUOの活性が最適であることを証明した。INUOは、Ca2+キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の添加によって阻害されなかった。INUOの温度およびpHプロファイル/最適値ならびに酵素活性にEDTAが及ぼす効果は、バチルス種(Bacillus sp.)217C−11のイヌロスクラーゼについて報告されたものに最も類似していた。

0055

糖濃度決定のためのHPLCアッセイ
INUOとスクロースとの酵素反応からのスクロース、グルコースおよびフルクトース濃度は、50mmおよび100mmのインライン接続RNM Ca2+炭水化物カラム(Phenomenex)を装備したAgilent 1200(Agilent Technologies,Columbia,MD)HPLCを使用して監視した。カラムは、80℃の温度および10mMの酢酸ナトリウム(pH5.5)の溶離液中の0.8mL/分の流量で操作した。検出は、35℃の温度で作動する屈折指数(RI)検出器を用いて実施した。注入量は5μLで、正確な糖濃度を決定するために適切な較正設定を使用した。

0056

FOS産生と特性解析
(i)FOSの産生:
0.35μg/mLへ精製した組換えINUOは、FOSを生成するために50mMの汎用バッファー(pH7.0)中の50℃で800mMのスクロースとともにインキュベートした。スクロースの枯渇ならびにグルコースおよびフルクトースの形成は、HPLCを使用して監視した(上記を参照されたい)。生成されたFOSは、TLC(データは示していない)およびHPLCによって分析した。図3は、HPLCおよび高性能アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)によって測定された組換えINUOによるIOS形成の結果を示している。

0057

FOSは、2体積の96%低温エタノールを使用してインキュベーション混合物から沈降させた。4℃での一晩のインキュベーション後、FOSは、60分間にわたる900×gでの遠心分離により分離した。FOSは、それらをMilliQ水中に溶解させた後に沈降させた。この工程を2回以上繰り返し、FOSは最終的に凍結乾燥させた。

0058

より大きなバッチのFOSは、総量2Lで、200mLのINUOを800mMのスクロース、75mMの汎用バッファー(pH7.0)中で1.79μg/mLでインキュベートすることによって生成した。この混合物を緩徐に振とうしながら(30rpm)50℃でインキュベートした。スクロースの枯渇は、HPLCによって監視し、生成物の形成は経時的にHPAECによって測定した。

0059

(ii)薄層クロマトグラフィー(TLC):
FOS生成物を特性解析するために、1μLの2×希釈インキュベーションサンプルもしくは1μLの精製凍結乾燥FOSサンプル(1mg/20μL)を移動相としての1−ブタノール:エタノール:水(5:5:3)を使用してTLC(シリカゲル60 F254;Merck,Germany)に一晩適用した。プレートを風乾させ、45:45:10のMeOH:H2O:H2SO4展開溶液を用いてスプレーし、およそ15分間にわたり110℃で展開させた。

0060

凍結乾燥FOS生成物のエキソイヌリナーゼによる分解は、下記のように実施した:10μLのサンプルおよび2μLのアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)イヌリナーゼ(Sigma,St.Louis,MO)(1mLの0.1Mの酢酸ナトリウムバッファー(pH4.5)中に溶解させた22U/mgでの酵素10mgのストック溶液から)は、室温で15分間インキュベートし、上述したようにTLCプレート上でランした。

0061

(iii)高性能アニオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)分析:
INUOとスクロースおよび精製フルクトオリゴ糖(0.1mg/mL)との酵素インキュベーション反応は、適切に希釈した後、パルス式電流測定検出(HPAEC−PAD−Dionex ICS−5000)と結合した高性能アニオン交換クロマトグラフィーによって分析した。グルコース、フルクトース、スクロース、ケストース、ニストース、フルクトシルニストースおよびチコリーイヌリン(Sigma,Megazyme)を標準物質として使用した。糖は、溶媒としての0.50mL/分の流量での超純水溶離液A)、1MのNaOH(溶離液B)および0.5MのNaAc(溶離液C)、5〜10μLの注入量、30℃のカラム温度および25℃の検出器温度を使用するCarbopacPA200カラム(Thermo Scientific)を用いて分離した。下記の溶離液A、BおよびCの勾配を使用した:
溶離液A(0分間、89%);(55分間、35%);(60.9分間、25%);(61分間、15%);
溶離液B(0分間、10%);(55分間、10%);(60.9分間、10%);(61分間、20%);および
溶離液C(0分間、1%);(55分間、55%);(60.9分間、65%);(61分間、65%);

0062

検出は、Au作用電極およびAg/AgCl参照電極を備える電気化学的検出器(Thermo Scientific)を用いて実施した。波長:Gold StandardPAD(標準クワッド電位):+0.1ボルト(0〜0.40秒);−2.0ボルト(0.41〜0.42秒);0.6ボルト(0.43秒);−0.1ボルト(0.44〜0.50秒)。データは、Chromeleonソフトウエア(Thermo Scientific)を使用して統合された。

0063

(iv)核磁気共鳴法(NMR):
NMR分光法のためには、およそ1(重量/体積)%のサンプルを99.9原子%のD2O(Sigma−Aldrich)中に溶解させ、50℃で20分間にわたり撹拌し、その後にNMRチューブに移した。チコリーイヌリンおよびザイモモナスモビリス(Zymomonas mobilis)由来のレバン(Sigma)をコントロールとして使用した。一次元1H−NMRスペクトルは、300Kの二重共鳴広帯域プローブで600MHzのAvance III NMR分光計(Bruker)上に記録された。化学シフトは、外部アセトンのメチル基に比較してppmで表示される(δ=2.225)。1H NMRスペクトルは、32kの複合データポイントにおいて10,000Hzのスペクトル幅を用いて記録された。HODシグナル(すなわち、その中から1つの陽子が重水素と置換されている水からの)は、励起彫刻(excitation sculpting)によって抑制された。フーリエ変換に先行して、時間領域データは、1Hzの線幅拡大に対応する指数関数を伴ってアポダイズされた。

0064

標準パラメーターを使用する二次元1H−13C感度増強多重度編集異核単一光子コヒーレンス(HSQC)分光法は、600.13MHzの1H周波数および150.9MHzの13C周波数で実施された。スペクトルは、F2については7211HzおよびF1については25kHzのスペクトル幅を用いて記録された。スペクトルは、2秒のd1および141msの獲得時間を使用して、16のトランジエントおよび256の間接増分を用いて獲得された。

0065

(v)FOSサンプルのメチル化
FOSサンプルは、CH3Iおよびジメチルスルホキシド中の固体NaOHを使用してパーメチル化した。Pettolino et al.(2012)Nat.Protoc.7:1590−1607を参照されたい。2Mのトリフルオロ酢酸を用いた加水分解(2時間、120℃)後、部分メチル化単糖類は、NaBD4を用いて還元させた(一晩、室温)。酢酸を用いた中和およびメタノールを用いた共蒸発によるホウ酸の除去、その後の酢酸無水物−トリフルオロ酢酸を用いたアセチル化(25:23(v/v)、20分間、50℃)は、部分メチル化アルジトール酢酸塩の混合物を産生した。これらの生成物は、電子衝撃質量分析法(EI/MS)と結び付けた気液クロマトグラフィー(GLC)によって分析した。GLC EI/MSは、RTx−2330カラム(30m×0.25mm×0.2μmの膜厚)(Restek Corp.,Bellefonte,PA)を装備したGC7890/MSD 5973システム(Agilent Technologies,Little Falls,DE)上で、30℃/分で80℃(2分間)〜170℃(0分間)、その後に4℃/分で240℃(20分間)までの温度勾配を使用して実施した。

0066

(vi)FOS分子質量の決定:
(a)LiNO3溶離液:FOSの分子質量は、40℃で作動するマルチアングルレーザー光散乱法(MALLS)および示差的屈折指数(RI)検出(Optilab rEX,Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,CA)とオンラインで結合した高性能サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)によって決定した。1〜2mgのサンプルは、50mMのLiNO3中に溶解させ、0.45μmのフィルター(Mini Spike,BBraun Melsungen AG,Germany)に通して濾過した。100μLのサンプルは、40℃で作動するPSSSUPREMA−LUX 1000ÅおよびPSS SUPREMA−LUX 3000Åゲル透過クロマトグラフィー(GPC)カラムを装備したHPLC(Gynkotek HPLCポンプP580A,Gemini BV Laboratory,NL)上に注入した。溶離液として、200ppmのNaN3とともに50mMのLiNO3を0.6mL/分の流量で使用した。K5フローセルおよび12.8°〜164.7°の範囲の角度で18の検出器を装備したDAWN−EOSレーザー光度計He−Ne(λ=690nm)(Wyatt Technology,Santa Barbara,CA)をMALLS検出器として使用した。

0067

(b)水性溶離液:FOSの分子質量は、示差屈折計および示差毛管粘度計を装備した、および追加してMALLS光度計DAWN−HELEOS−II(Wyatt Technology,Santa Barbara,CA)と結合した、Agilent Technologies製のPL−GPC220統合サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)システムを使用するマルチ検出器サイズ排除クロマトグラフィー法によって決定した。サンプルは、5mg/mLの濃度でTrisバッファー(0.05Mのヒドロキシメチルアミノメタンおよび0.15Mの塩化ナトリウム(pH7.6))中に溶解させ、100μLの注入量を備えるSECシステム内に注入した。この溶液を注入前に0.45μmの親水性ポリテトラフルオロエチレンPTFE)フィルター(Millipore(登録商標)Millex(登録商標)LCR)に通して濾過した。分離のためには、30℃で作動する2つのTKSgelGMPW−XL(孔径は100〜1,000Å)GPCカラムならびにガードカラムを使用した。200ppmのNaN3を含むTrisバッファーを溶離液として0.5mL/分の流量で使用した。これらのデータは、カラム較正を使用せずにASTRA v.6.2ソフトウエア(Wyatt Technology Corp.,Santa Barbara,CA)を使用して処理された。

0068

INUOによって合成されたFOSの製造および特性解析
組換えINUOは、800mMの出発濃度でスクロースとの数時間のインキュベーション後に200mLの枯草菌(B.subtilis)の培養から約100gのFOSを合成した。例えば、図3を参照されたい。試験した条件下で、INUO酵素は極めて低い加水分解活性を有し、フルクトースの大部分がFOS内に組み込まれた。単離生成物のTLC分析は、精製組換えINUOが使用したTLC条件下では分離しないより大きな>10のFOSに加えてある範囲のFOSを合成することを証明した。

0069

INUO酵素は、GF10〜GF25のGF範囲およびGF16〜GF17でピークを有するIOSだけを合成する。チコリーイヌリンと比較したINUOとスクロースとのインキュベーション反応のHPAEC分析(図4)は、FOSピークの大多数が類似の位置で溶出することを証明した。チコリーイヌリンは、GFnピークの隣の中間ピークおよびまたINUOより高範囲の分布を示した。INUOによって生成された単離FOSは、TLC(図5)およびHPAEC(データは示していない)によって分析されたように、エキソ−イヌリナーゼが添加されると分解された。これらの観察は、合成されたFOS材料がイヌリン型(すなわち、β−(2→1)結合フルクトース単位)であることを示している。

0070

チコリー由来のイヌリン、Z.モビリス(Z.mobilis)由来のレバンおよびINUOによって合成されたFOSの2D NMR1H−13C HSQCスペクトルの比較は、INUOによって合成されたFOSのスペクトルがイヌリンにおいて見いだされる構造について典型的なβ−(2→1)結合フルクトース単位と一致することを証明した(図6)。さらに、GC−MS分析は、>95%のβ−(2→1)結合フルクトース単位の存在を確証した。

0071

LiNO3 HPSECによって決定されたINUOによって合成されたFOS材料のサイズは、約3kDaであった。このサイズは、HPAECによって得られた結果を裏付けしているより広範な分布(図7)を示したチコリーイヌリンに類似していた(図4)。

0072

下記の質量は、INUOによって生成されたFOSおよびチコリーイヌリンについての水性HPSECを使用してそれぞれ決定された:Mn 3.2/3.9kDa;Mw 3.3/4.6;PDIMw/Mn 1.002/1.194およびMp 3.3/4.0。INUO生成物の多分散性は、顕著に小さく、チコリーイヌリンの多分散性よりいっそう狭かった。

実施例

0073

配列表
配列番号1−プライマー配列
5’−ctcattctgcagctagcgcaACCTCAGACTGGGATGCTGAAGATGAT−3’
配列番号2−プライマー配列
5’−CGCAGATATCGTTAACTCAACGATAGGCACCGAATGGTCTGAT−3’
配列番号3−InuOをコードするB.アグラヘランス(B.agradhaerans)WDG185 ftf遺伝子のヌクレオチド配列:



配列番号4−B.アグラドヘランス(B.agradhaerans)InuOのアミノ酸配列



配列番号5−GH68酵素の保存触媒モチーフ
(V/L)WD(T/S)(W/M)
配列番号6−GH68酵素の保存触媒モチーフ
D(E/Q)(I/T)ER
配列番号7−枯草菌(B.subtilis)SACBのアミノ酸配列



配列番号8−B.メガテリウム(B.megaterium)DSM319 SACBのアミノ酸配列



配列番号9−Ln.メゼンテロイデス(Ln.mesenteroides)NRRL B−512LEVSのアミノ酸配列



配列番号10−L.ガセリ(L.gasseri)20243 INUGAのアミノ酸配列



配列番号11−L.ガセリ(L.gasseri)20604 INUGBのアミノ酸配列



配列番号12−L.ジョンソニイ(L.jonsonii)NCC533 INUJのアミノ酸配列



配列番号13−L.ロイテリ(L.reuteri)TMW1.106 INUのアミノ酸配列



配列番号14−L.ロイテリ(L.reuteri)121 INUのアミノ酸配列



配列番号15−L.ロイテリ(L.reuteri)121 LEVのアミノ酸配列



配列番号16−S.ミュータンス(S.mutans)GS−5 INUのアミノ酸配列



配列番号17−Ln.メゼンテロイデス(Ln.mesenteroides)CW28 ISLAのアミノ酸配列



配列番号18−Z.モビリス(Z.mobilis)ATCC10988 LEVUのアミノ酸配列



配列番号19−G.ジアゾトロフィカス(G.diazotrophicus)SRT4 LDSAのアミノ酸配列

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