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技術 少なくとも一隻の船舶の表面(水面)速度を計算する方法、および、前記船舶の航路(パス)の全地点における各々のドリフト(浮動)ベクトルを推定する方法

出願人 イーオーディン
発明者 ヤングイショー
出願日 2014年11月12日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2017-526601
公開日 2017年11月24日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-534526
状態 特許登録済
技術分野 船体構造 船舶の推進
主要キーワード 電波探知機 遠隔検知 巡行速度 合成開口レーダー 早見表 追加測定 海上交通 風ベクトル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
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図面 (10)

課題・解決手段

本件発明は、エンジンにより巡航速度航行している、少なくとも1つの船舶の表面(水面)ベクトル計算方法に関し、特に、本件発明の方法は、船舶(1)の特定の位置(地点)について、以下の工程から構成される(方法である)ことを特徴とするものである。 a)当該船舶(1)の、位置、船首方向、基準(設定上)の速度、基準(設定上)のコースを含む、パラメータを取得すること b)当該船舶(1)の外部にある手段を使用し、その船舶(1)の近隣の風および潮流から得た測定値である、風および潮流の測定値から選択して、測定(値)を取得すること c)工程b)によって得られた、すなわち風および潮流の測定値から選択した、1つまたは複数の測定(値)、によりドリフト浮動)ベクトルを決定すること d) 位置、基準(設定上)速度、基準(設定上)コースおよび工程a)から得られたもの、から選択されたパラメータにより、基準(設定上)ベクトルを決定すること e) 当該船舶(1)の表面(水面)ベクトルの大きさと方向を計算すること

概要

背景

船舶の表面(水面)速度(surface speed)を測定するための既知ソリューション(解決策)は多数存在する。
第一のソリューション(解決策)は、船舶が運用サービスに配置される前におけるナビゲーション航行:navigational)テストの実行から構成される。これらのテストは、短期間、すなわち風および潮流の状況が十分安定して考慮され得る時間間隔で与えられる往復周遊:round-trip)を通しての船舶の基準(設定上:over round)速度の測定から構成される。指定されたナビゲーション(航行:navigational)過程を実行すると、この往復(周遊:round-trip)は、相殺されるべき潮流と風による船舶のドリフト浮動:drift)を許す。この場合、往復(周遊:round-trip)を通しての基準(設定上:over ground)平均速度は、表面(水面)速度に同化し(assimilated)得る。この種の操作(運用:operation)は、さまざまなナビゲーション(航行:navigational)条件(推進駆動:propulsion regimes)の下で、多くの回数が繰り返され得る。このような操作の反復により、通常のナビゲーション(航行:navigational)条件で船舶の表面(水面)速度を推定するための乗組員によって使用され得る、エンジン駆動(管理:engine regime)と表面(水面)速度(surface speed)の間の参照テーブル(早見表:lookup table)を構築することが可能となる。ただし、このソリューション(解決策)で得られた表面(水面)速度値は、実際のナビゲーション(航行:navigational)の条件下で近似し、さらには、このソリューション(解決策)は、特定の搭載(内蔵型:on-board)センサーによって船舶のエンジン駆動(管理:engine regime)で得られる情報を要求する。このメソッドは、例えば、一定の与えられた区域(in a given zone)での操作(運用:operation)(すなわち、航行によって変化する荷重:with a load that varies depending on the trip)に従事する(携わる:engaged in)多数の船舶(すなわち、問題とされるサービスにより精度で知られている、荷重条件(loading conditions)やエンジン駆動(管理:engine regime)のどちらでもない船舶)の表面(水面)速度を同時に測定する陸地ベース(land-based)のサービスには使用できない。

別のソリューション(解決策)は、特に、水の表面に対しての船舶の相対速度を測定するため内蔵型速度センサーを使用する構成からなる。このタイプのセンサーは、通常、測程器ログ:log)と呼ばれ、一般的には、表面(水面)ベクトル(船舶の軸の上の速度ベクトル(velocity vector)の投影(projection)に対応する縦(長さ:longitudinal)成分)の一の成分に関する情報を提供する。測程器(ログ:log)を使用して測定された表面(水面)速度は、船舶に搭載(内蔵)して利用できる(is available on board the vessel)が、たとえば海上交通監視担当するもののように、陸地ベース(land-based)のサービスは、この情報へのアクセス手段を持たない(does not have access)。それは、特定の場合において、ラジオ伝達手段を使用する船舶によってそこへ伝達(communicated)されるが、陸地において(on land)通常この種の監視サービスによって得られるデータから直接測定することはできない。

風や海洋表面(水面)潮流のような環境パラメータ(environmental parameters)を測定するための既知のソリューション(解決策)も多数存在する。
〔海洋表面(水面)潮流パラメータ
浮動(drift)ブイは、このパラメータを測定するためのソリューション(解決策)の1つである。これら浮動(drift)ブイは、水の塊の動きラグランジュ浮動(Lagrangian drift))に追従することと、表面(水面)潮流を測定することに使用される。それらは、定期的に衛星通信手段を介して自分の位置を送信する。機器のこれらの部品(要素pieces)の欠点(drawback)は、それらは沿岸域に適していることである(特に、高海上交通密度と機器が座礁する危険性のため)。さらに、データは非リアルタイムでのみ利用可能であり、ハードウェアの取得と配置のコストが高い。

別のソリューション(解決策)は、ほぼリアルタイムで沿岸域で取得される表面(水面)の潮流測定を可能とする高周波(HF)または超短波VHF)のレーダーを使用する構成である。複数のレーダーからの戻り値として受信したエコーは、海の表面(水面)を攪拌(扇動)する無数のタイプの波形のため、多重かつ非常に多様である。波形を区別および識別するため、レーダーによって発せられるものの半分と等しい波長が知られている。表面(水面)潮流のない状態におけるこれらの波の理論的伝播の速度は完全に知られているため、そこから測定された速度(ドップラー偏移)(潮流の速度)の相違によって推測することが可能である。ただし、特定(規定:given)の時点で2つのレーダーによって測定される放射コンポーネントから2つのレーダーで潮流のベクトル(大きさと方向)を再構築するための特定(規定:given)のゾーン(zone)をスキャンすることが必要となる。その際、2つのレーダーの一般的な測定により、グラフ化チャート化)される表面(水面)潮流のマッピング(描画)を行うことができる。特に、レーダーからの測定距離が大きい場合に、測定領域の面積は非常に小さいままであり、測定の空間分解能が低くなる(約25km2)。HFレーダーは、海岸から200km以上の距離において測定することができる。このタイプの機器は非常に高価である。

別のソリューション(解決策)は、衛星プラットフォーム(satellite platform)からの測定である。衛星レーダー画像合成開口レーダーまたはSAR画像参照)を用いて表面(水面)潮流の測定を行うことが可能である。このソリューションによって、広大な領域において、低解像度分解能)で得られる潮流の放射測定(radial measurements)が可能となる。また、衛星搭載高度計を使用し、海洋表面(水面)レベルの相違を解釈解明)することで(地衡的仮説:geostrophic hypothesis)、表面(水面)潮流を測定することが可能となる。ただし、この方法は、最も通常可能な時空の(temporal and spatial)範囲(coverage)を提供することができる衛星高度計が少なく、また、潮流の測定は直接的に表面(水面)潮流ではなく水柱(water column)全体の大規模な動作に関与しているため、限定的である。また、衛星による海洋の表面温度や水の色(光学的手段)の測定を使用することにより、表面(水面)潮流を推定することも可能である。これらの方法は、の存在下ではあまり効果的ではなく、現時点では、実際の表面(水面)の動作(動力源:dynamics)を充分に考慮したものではない。一般的に、衛星を用いた測定は、宇宙と地上間で使用される通信ステムに依拠する遅延を伴って送信され、実行される観測は、たとえば高周波沿岸レーダーを使用して行うものよりも精度が低い。

別のソリューション(解決策)は、固定位置における水の流速を測定するための流速計(current meter)の使用(水流オイラー測定(Eulerian measurement))により構成される。この測定は、機械式ブイマウント水流(潮流)メーターまたは超音波流速系(ADCP)と呼ばれる水流(潮流)メーターを使用して行われ得る。このタイプの計器を用いて実施される測定は局所的(広範囲地理領域における測定は不可能)であり、海洋に配置される計器のメンテナンスは高価となる。

別のソリューション(解決策)は、船舶へのドップラー流速計の搭載(しばしば略称としてVM−ADCPs(載用ADCPs)と呼ばれる)により構成される。船舶搭載ドップラー流速計とは、潮流の速度と潮流の方向の分析結果(profile)を記録する能力を持つ装置のことである。これらのデータは、測定を行う船舶が適切な通信手段を備えている場合、ほぼリアルタイムに伝達され得る。ただし、さらに較正することが困難なこのタイプの高価な測定機器装備する船舶は殆ど存在しない。したがって、これらの船舶は、広大な海洋地域で得られる継続的な測定を行う事ができない。

別の知られているソリューション(解決策)は、船舶のドリフト(浮動:drift)を分析することによって海洋の潮流に関する情報を推測する船舶のナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)(基準(設定上:over ground)速度、船首方向(heading)、表面(水面)速度)の活用から構成される。この手法は一般的に推測航法(dead reckoning)と呼ばれ、おおよその表面(水面)潮流を推測するために使用される。船舶の位置、船首方向、および基準(設定上:over ground)速度は、既定の瞬間に測定される。同じパラメータの第二測定(2回目の測定:second measurement)は、別の瞬間(慣例的には数時間後)に行われる。異なる瞬間で行われるナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)に係るこれらの2つの測定により、表面(水面)潮流(またはドリフト(浮動:drift)潮流)を推定することができる。表面(水面)潮流のない領域内を航行する船舶は、事前予測した位置に、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)に到着する。潮流の存在下では、船舶はその航路から逸脱し、予測した位置にはならない。次に、既定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)に測定されたナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)と船舶が進んだ実際の航路を基礎として見積もられる(推定される:estimated)航路をベクトル的に合計することにより、ドリフト(浮動:drift)潮流の概算量(見積り)を得ることが可能である。しかしながら、この手法では、特に、実際に船舶が進む航路の後天的な知識(後付け:posteriori knowledge)が要求されるため、リアルタイムで取得されるべき表面(水面)潮流の正確な測定を行う事ができない。

海風パラメータ〕
海洋表面(水面)の風は、表面(水面)潮流の測定について説明したこれらと類似の手段によって測定され得る。1つのソリューション(解決策)は、ブイに取り付けられた風速計風向計を使用することにより構成される。別のソリューション(解決策)は、おそらくは(possibly)陸地または衛星ベースの、レーダー測定(拡散測定法(scatterometry)またはSAR画像による風の測定)により構成される。これらのソリューション(解決策)は、潮流の測定に関し上記のものと同じ欠点、すなわち、高額な保守および実装コスト、ソリューション(解決策)が高空間時間(時空)分解能(high spatial and temporal resolution)を提供可能な際における低い空間填補範囲(固定点での風況測定の場合)、または、逆に、低空間時間(時空)分解能(low spatial and temporal resolution)であるが大きい空間填補範囲(衛星手段の場合)を抱えている。

さらに一般的には、船の進路を最適化する風や潮流のような環境パラメータの使用は広まっている。例えば、US2012/0259489号公報は、船舶に取付けられたセンサーを使用して測定される風や潮流のような環境パラメータを考慮することにより船舶の進路を最適化することを可能とした自動的に船舶を操縦するためのシステムを開示している。この提示された最適化システムは、海底との関係で計画された(すなわち、現実ではないがセットされている:set, but not actual)進路に従うため、船舶の表面(水面)速度(すなわちそのエンジン駆動(管理:engine regime))に適合順応:adapt)する構成からなる。開示されたシステムは、特に、搭載されたセンサーを使用し、船舶のその位置において(at the position of the vessel)、風や潮流のような環境パラメータの測定を行う事が要求される。また、この目的に専用されエンジンブロック直接接続されている別の搭載センサーを使用して測定(決定)された(determined)船舶の表面(水面)速度を知ることが必要である。EP0319395公報もまた、風や潮流などの環境データを利用する海上航行を制御または支援するシステムを開示している。前述のシステムと同様に、この文献は、船舶の表面(水面)速度の測定、すなわちドリフト(浮動:drift)潮流の測定値(measurement)を推測することに使用され得る速度計測のための、船舶に搭載される速度センサーを必要とするシステムについて説明する。

これらの2つの文書もまた、統計データベース(例えば、潮流地図(current atlases))または予測モデル(forecast model)、すなわち、本来実測と異なるデータの使用について言及する。これらのデータは、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)において、問題とされた船舶の実際の表面(水面)速度、または、そこに近接する実際のドリフト(浮動:drift)潮流を判断(決定:determine)するために必要な精度を持っていない。そして、この理由により、これらの文献は、この困難を軽減するために、搭載センサーを使用して行われる追加測定の使用も説明する。
US2012/0259489号公報
EP0319395公報

概要

本件発明は、エンジンにより巡航速度で航行している、少なくとも1つの船舶の表面(水面)ベクトルの計算方法に関し、特に、本件発明の方法は、船舶(1)の特定の位置(地点)について、以下の工程から構成される(方法である)ことを特徴とするものである。 a)当該船舶(1)の、位置、船首方向、基準(設定上)の速度、基準(設定上)のコースを含む、パラメータを取得すること b)当該船舶(1)の外部にある手段を使用し、その船舶(1)の近隣の風および潮流から得た測定値である、風および潮流の測定値から選択して、測定(値)を取得すること c)工程b)によって得られた、すなわち風および潮流の測定値から選択した、1つまたは複数の測定(値)、によりドリフト(浮動)ベクトルを決定すること d) 位置、基準(設定上)速度、基準(設定上)コースおよび工程a)から得られたもの、から選択されたパラメータにより、基準(設定上)ベクトルを決定すること e) 当該船舶(1)の表面(水面)ベクトルの大きさと方向を計算すること

目的

本発明の目的は、これらの欠点を緩和し、実装がシンプルでありながら、船舶の表面(水面)速度を計算し、風と海洋表面(水面)潮流を測定することを可能とする方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エンジンの下、巡航速度で(at cruising speed)で進行(航行)する少なくとも1隻の船舶の表面(水面)ベクトルを計算する方法において、前記船舶(1)が定義された位置にあるときに、以下の工程からなることを特徴とする方法:−a)基準(ground)と対比した前記船舶(1)の位置、その船首方向、その基準(設定上:over ground)速度およびその基準(設定上:over ground)コースを含むパラメータを取得する工程;−b)前記船舶(1)の外部の手段を使用して、風および潮流の測定から選択される測定値を取得し、前記測定値は、前記船舶(1)に近接する位置で取得される工程;−c)工程b)で取得される1つ以上の測定値、すなわち風と潮流の測定値から選択される測定値からドリフト浮動:drift)ベクトルを決定(測定:determining)する工程;−d)工程a)で取得されたその位置、その基準(設定上:over ground)速度およびその基準(設定上:over ground)コースより選択されたパラメータから基準(設定上:over ground)ベクトルを決定(測定)する工程;−e)工程c)のドリフト(浮動:drift)ベクトルと工程d)の基準(設定上:over ground)ベクトルとから、船舶の表面(水面)ベクトルの大きさと向きを計算する工程;−f)個々の瞬間における前記船舶(1)の基準(設定上:over ground)速度の一連の値を取得し、前記値は、前記船舶(1)の少なくとも2カ所から計算(算出)される工程;−g)表面(水面)潮流または風に起因する信号成分(components of the signal)のフィルタリングに適した信号処理技術(signal processing technique)を使用して、個々の瞬間における一連の値、すなわち前記工程で得られた一連の値を処理する工程;および、−h)一連の値の処理結果から、前記航行する船舶(1)の表面(水面)速度の値を計算する工程。

請求項2

請求項1に記載の方法において、工程a)のパラメータまたは工程b)の測定値が、リアルタイムで取得されることを特徴とする方法。

請求項3

請求項1に記載の方法において、工程a)のパラメータまたは工程b)の測定値が、非リアルタイムで取得されることを特徴とする方法。

請求項4

請求項1または請求項2に記載の方法において、工程a)のパラメータが、少なくとも2秒の時間間隔を置いて取得されることを特徴とする方法。

請求項5

請求項1乃至請求項4の何れかに記載の方法において、工程a)のパラメータが、前記先船舶の外部の遠隔測定リモートセンシング:remote-sensing)手段(装置)、すなわち光学またはレーダーシステムのような手段(装置)によって収集されることを特徴とする方法。

請求項6

請求項1乃至請求項4の何れかに記載の方法において、工程a)のパラメータが、受信手段(装置)によって受信され、AIS(自動船舶識別装置)、イリジウムインサルマットまたはアルゴスのような電気通信手段(装置)を使用する船舶によって送信されることを特徴とする方法。

請求項7

請求項1乃至請求項6の何れかに記載の方法において、工程b)が、船舶に搭載されないシステムによって実行されることを特徴とする方法。

請求項8

請求項1乃至請求項7の何れかに記載の方法において、船舶の表面(水面)ベクトルの大きさと方向に係る工程e)の計算が、工程c)で得られるドリフト(浮動:drift)ベクトルと、工程d)で得られる基準(設定上:over ground)ベクトルの加算により実行されることを特徴とする方法。

請求項9

請求項1に記載の方法において、船舶の基準(設定上:over ground)速度の一連の値は、船舶の表面(水面)ベクトルが基準(設定上:over ground)ベクトルと共線(同一線上:collinear)である瞬間に対応する値から構成されることを特徴とする方法。

請求項10

請求項1乃至請求項9の何れかに記載の方法において、前記方法は、定められたスペースにリアルタイムまたは非リアルタイムで、船舶のドリフト(浮動:drift)ベクトル、または、風または潮流に起因する(ベクトルの)成分(components)を描く(representing)工程からなることを特徴とする方法。

請求項11

エンジンの下、巡航速度で(at cruising speed)で進行(航行)する船舶(1)の航路パス)上の全ての点(ポイント)における、それぞれのドリフト(浮動:drift)ベクトルを計算する方法において、以下の工程からなることを特徴とする方法:aa)船舶(1)の表面(水面)速度を計算するための請求項1乃至請求項10の何れかに記載の方法を実装する工程;bb)船舶(1)の航路(パス)上の全ての点(ポイント)における、その位置、その船首方向、その基準(設定上:over ground)速度、およびその基準(設定上:over ground)コースを取得する工程;およびcc)ノルム(norm)が工程aa)で計算され、基準(設定上:over ground)ベクトルが工程bb)で得られるパラメータから計算される表面(水面)ベクトルを加算することにより、船舶(1)の航路(パス)上の全ての点(ポイント)におけるドリフト(浮動:drift)ベクトルを計算する工程。

請求項12

一連の命令からなる電子計算機プログラム製品において、前記一連の命令は、コンピュータに読み込まれた際に、前記コンピュータに請求項1乃至請求項10の何れか、または請求項11に記載の方法の工程を実行させることを特徴とする電子計算機プログラム製品。

技術分野

0001

本発明は、船舶の表面(水面)速度の測定方法、および前記船舶のドリフト浮動:drift)の解析から潮流および風を測定する方法に関する。

背景技術

0002

船舶の表面(水面)速度(surface speed)を測定するための既知ソリューション(解決策)は多数存在する。
第一のソリューション(解決策)は、船舶が運用サービスに配置される前におけるナビゲーション航行:navigational)テストの実行から構成される。これらのテストは、短期間、すなわち風および潮流の状況が十分安定して考慮され得る時間間隔で与えられる往復周遊:round-trip)を通しての船舶の基準(設定上:over round)速度の測定から構成される。指定されたナビゲーション(航行:navigational)過程を実行すると、この往復(周遊:round-trip)は、相殺されるべき潮流と風による船舶のドリフト(浮動:drift)を許す。この場合、往復(周遊:round-trip)を通しての基準(設定上:over ground)平均速度は、表面(水面)速度に同化し(assimilated)得る。この種の操作(運用:operation)は、さまざまなナビゲーション(航行:navigational)条件(推進駆動:propulsion regimes)の下で、多くの回数が繰り返され得る。このような操作の反復により、通常のナビゲーション(航行:navigational)条件で船舶の表面(水面)速度を推定するための乗組員によって使用され得る、エンジン駆動(管理:engine regime)と表面(水面)速度(surface speed)の間の参照テーブル(早見表:lookup table)を構築することが可能となる。ただし、このソリューション(解決策)で得られた表面(水面)速度値は、実際のナビゲーション(航行:navigational)の条件下で近似し、さらには、このソリューション(解決策)は、特定の搭載(内蔵型:on-board)センサーによって船舶のエンジン駆動(管理:engine regime)で得られる情報を要求する。このメソッドは、例えば、一定の与えられた区域(in a given zone)での操作(運用:operation)(すなわち、航行によって変化する荷重:with a load that varies depending on the trip)に従事する(携わる:engaged in)多数の船舶(すなわち、問題とされるサービスにより精度で知られている、荷重条件(loading conditions)やエンジン駆動(管理:engine regime)のどちらでもない船舶)の表面(水面)速度を同時に測定する陸地ベース(land-based)のサービスには使用できない。

0003

別のソリューション(解決策)は、特に、水の表面に対しての船舶の相対速度を測定するため内蔵型速度センサーを使用する構成からなる。このタイプのセンサーは、通常、測程器ログ:log)と呼ばれ、一般的には、表面(水面)ベクトル(船舶の軸の上の速度ベクトル(velocity vector)の投影(projection)に対応する縦(長さ:longitudinal)成分)の一の成分に関する情報を提供する。測程器(ログ:log)を使用して測定された表面(水面)速度は、船舶に搭載(内蔵)して利用できる(is available on board the vessel)が、たとえば海上交通監視担当するもののように、陸地ベース(land-based)のサービスは、この情報へのアクセス手段を持たない(does not have access)。それは、特定の場合において、ラジオ伝達手段を使用する船舶によってそこへ伝達(communicated)されるが、陸地において(on land)通常この種の監視サービスによって得られるデータから直接測定することはできない。

0004

風や海洋表面(水面)潮流のような環境パラメータ(environmental parameters)を測定するための既知のソリューション(解決策)も多数存在する。
〔海洋表面(水面)潮流パラメータ
浮動(drift)ブイは、このパラメータを測定するためのソリューション(解決策)の1つである。これら浮動(drift)ブイは、水の塊の動きラグランジュ浮動(Lagrangian drift))に追従することと、表面(水面)潮流を測定することに使用される。それらは、定期的に衛星通信手段を介して自分の位置を送信する。機器のこれらの部品(要素pieces)の欠点(drawback)は、それらは沿岸域に適していることである(特に、高海上交通密度と機器が座礁する危険性のため)。さらに、データは非リアルタイムでのみ利用可能であり、ハードウェアの取得と配置のコストが高い。

0005

別のソリューション(解決策)は、ほぼリアルタイムで沿岸域で取得される表面(水面)の潮流測定を可能とする高周波(HF)または超短波VHF)のレーダーを使用する構成である。複数のレーダーからの戻り値として受信したエコーは、海の表面(水面)を攪拌(扇動)する無数のタイプの波形のため、多重かつ非常に多様である。波形を区別および識別するため、レーダーによって発せられるものの半分と等しい波長が知られている。表面(水面)潮流のない状態におけるこれらの波の理論的伝播の速度は完全に知られているため、そこから測定された速度(ドップラー偏移)(潮流の速度)の相違によって推測することが可能である。ただし、特定(規定:given)の時点で2つのレーダーによって測定される放射コンポーネントから2つのレーダーで潮流のベクトル(大きさと方向)を再構築するための特定(規定:given)のゾーン(zone)をスキャンすることが必要となる。その際、2つのレーダーの一般的な測定により、グラフ化チャート化)される表面(水面)潮流のマッピング(描画)を行うことができる。特に、レーダーからの測定距離が大きい場合に、測定領域の面積は非常に小さいままであり、測定の空間分解能が低くなる(約25km2)。HFレーダーは、海岸から200km以上の距離において測定することができる。このタイプの機器は非常に高価である。

0006

別のソリューション(解決策)は、衛星プラットフォーム(satellite platform)からの測定である。衛星レーダー画像合成開口レーダーまたはSAR画像参照)を用いて表面(水面)潮流の測定を行うことが可能である。このソリューションによって、広大な領域において、低解像度分解能)で得られる潮流の放射測定(radial measurements)が可能となる。また、衛星搭載高度計を使用し、海洋表面(水面)レベルの相違を解釈解明)することで(地衡的仮説:geostrophic hypothesis)、表面(水面)潮流を測定することが可能となる。ただし、この方法は、最も通常可能な時空の(temporal and spatial)範囲(coverage)を提供することができる衛星高度計が少なく、また、潮流の測定は直接的に表面(水面)潮流ではなく水柱(water column)全体の大規模な動作に関与しているため、限定的である。また、衛星による海洋の表面温度や水の色(光学的手段)の測定を使用することにより、表面(水面)潮流を推定することも可能である。これらの方法は、の存在下ではあまり効果的ではなく、現時点では、実際の表面(水面)の動作(動力源:dynamics)を充分に考慮したものではない。一般的に、衛星を用いた測定は、宇宙と地上間で使用される通信ステムに依拠する遅延を伴って送信され、実行される観測は、たとえば高周波沿岸レーダーを使用して行うものよりも精度が低い。

0007

別のソリューション(解決策)は、固定位置における水の流速を測定するための流速計(current meter)の使用(水流オイラー測定(Eulerian measurement))により構成される。この測定は、機械式ブイマウント水流(潮流)メーターまたは超音波流速系(ADCP)と呼ばれる水流(潮流)メーターを使用して行われ得る。このタイプの計器を用いて実施される測定は局所的(広範囲地理領域における測定は不可能)であり、海洋に配置される計器のメンテナンスは高価となる。

0008

別のソリューション(解決策)は、船舶へのドップラー流速計の搭載(しばしば略称としてVM−ADCPs(載用ADCPs)と呼ばれる)により構成される。船舶搭載ドップラー流速計とは、潮流の速度と潮流の方向の分析結果(profile)を記録する能力を持つ装置のことである。これらのデータは、測定を行う船舶が適切な通信手段を備えている場合、ほぼリアルタイムに伝達され得る。ただし、さらに較正することが困難なこのタイプの高価な測定機器装備する船舶は殆ど存在しない。したがって、これらの船舶は、広大な海洋地域で得られる継続的な測定を行う事ができない。

0009

別の知られているソリューション(解決策)は、船舶のドリフト(浮動:drift)を分析することによって海洋の潮流に関する情報を推測する船舶のナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)(基準(設定上:over ground)速度、船首方向(heading)、表面(水面)速度)の活用から構成される。この手法は一般的に推測航法(dead reckoning)と呼ばれ、おおよその表面(水面)潮流を推測するために使用される。船舶の位置、船首方向、および基準(設定上:over ground)速度は、既定の瞬間に測定される。同じパラメータの第二測定(2回目の測定:second measurement)は、別の瞬間(慣例的には数時間後)に行われる。異なる瞬間で行われるナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)に係るこれらの2つの測定により、表面(水面)潮流(またはドリフト(浮動:drift)潮流)を推定することができる。表面(水面)潮流のない領域内を航行する船舶は、事前予測した位置に、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)に到着する。潮流の存在下では、船舶はその航路から逸脱し、予測した位置にはならない。次に、既定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)に測定されたナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)と船舶が進んだ実際の航路を基礎として見積もられる(推定される:estimated)航路をベクトル的に合計することにより、ドリフト(浮動:drift)潮流の概算量(見積り)を得ることが可能である。しかしながら、この手法では、特に、実際に船舶が進む航路の後天的な知識(後付け:posteriori knowledge)が要求されるため、リアルタイムで取得されるべき表面(水面)潮流の正確な測定を行う事ができない。

0010

海風パラメータ〕
海洋表面(水面)の風は、表面(水面)潮流の測定について説明したこれらと類似の手段によって測定され得る。1つのソリューション(解決策)は、ブイに取り付けられた風速計風向計を使用することにより構成される。別のソリューション(解決策)は、おそらくは(possibly)陸地または衛星ベースの、レーダー測定(拡散測定法(scatterometry)またはSAR画像による風の測定)により構成される。これらのソリューション(解決策)は、潮流の測定に関し上記のものと同じ欠点、すなわち、高額な保守および実装コスト、ソリューション(解決策)が高空間時間(時空)分解能(high spatial and temporal resolution)を提供可能な際における低い空間填補範囲(固定点での風況測定の場合)、または、逆に、低空間時間(時空)分解能(low spatial and temporal resolution)であるが大きい空間填補範囲(衛星手段の場合)を抱えている。

0011

さらに一般的には、船の進路を最適化する風や潮流のような環境パラメータの使用は広まっている。例えば、US2012/0259489号公報は、船舶に取付けられたセンサーを使用して測定される風や潮流のような環境パラメータを考慮することにより船舶の進路を最適化することを可能とした自動的に船舶を操縦するためのシステムを開示している。この提示された最適化システムは、海底との関係で計画された(すなわち、現実ではないがセットされている:set, but not actual)進路に従うため、船舶の表面(水面)速度(すなわちそのエンジン駆動(管理:engine regime))に適合順応:adapt)する構成からなる。開示されたシステムは、特に、搭載されたセンサーを使用し、船舶のその位置において(at the position of the vessel)、風や潮流のような環境パラメータの測定を行う事が要求される。また、この目的に専用されエンジンブロック直接接続されている別の搭載センサーを使用して測定(決定)された(determined)船舶の表面(水面)速度を知ることが必要である。EP0319395公報もまた、風や潮流などの環境データを利用する海上航行を制御または支援するシステムを開示している。前述のシステムと同様に、この文献は、船舶の表面(水面)速度の測定、すなわちドリフト(浮動:drift)潮流の測定値(measurement)を推測することに使用され得る速度計測のための、船舶に搭載される速度センサーを必要とするシステムについて説明する。

0012

これらの2つの文書もまた、統計データベース(例えば、潮流地図(current atlases))または予測モデル(forecast model)、すなわち、本来実測と異なるデータの使用について言及する。これらのデータは、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)において、問題とされた船舶の実際の表面(水面)速度、または、そこに近接する実際のドリフト(浮動:drift)潮流を判断(決定:determine)するために必要な精度を持っていない。そして、この理由により、これらの文献は、この困難を軽減するために、搭載センサーを使用して行われる追加測定の使用も説明する。
US2012/0259489号公報
EP0319395公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の目的は、これらの欠点を緩和し、実装がシンプルでありながら、船舶の表面(水面)速度を計算し、風と海洋表面(水面)潮流を測定することを可能とする方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

自動識別システム(以下、略称AIS(自動船舶識別装置)と呼び、ITU文書1371.1とその一連バージョンで規定される)は、VHF通信システムである;国際標準化機構(international standardization organization)によって開発され、AIS(自動船舶識別装置)が便乗する(piggybacks)VHFデータ交換システムVDES)は、AIS(自動船舶識別装置)の一部を形成する方法と見なされている。AIS(自動船舶識別装置)では、船舶間で自動的に交換するため、例えば、アイデンティティ(ID:identity)、位置、船首方向、速度、貨物等の情報の利用が可能である。海岸線に配置される沿岸AIS(自動船舶識別装置)ステーションは、これらの自動送信を調整(規制)し、VHF帯に位置する船舶によって送信される情報を収集することを可能にする。世界中の多くの国は、AIS(自動船舶識別装置)ネットワークを保有し、船の航路(パス)に関する情報をリアルタイムで受信する。例えば、沿岸および衛星ベースのレーダー、LRIT(long range identification and tracking:長距離識別追跡装置)、およびVMS(vessel monitoring system:船舶モニタリングシステム)など、他の追跡およびデータ収集システムが存在する。これらのシステムは、船舶の航路(パス)情報を送信するため、インマルサット(法人名:国際海事衛星機構)、イリジウムグローバル通信システムを指す会社名)、またはアルゴス(衛星による地理的位置データの追跡および収集のための世界的なシステム)などの衛星通信の手段を使用する。

0015

本発明は、エンジンの下、航行速度で(at cruising speed)で巡行(航行:progressing)する少なくとも1隻の船舶の表面(水面)ベクトルを計算する方法において、前記船舶(1)が定義された位置にあるときに、以下の工程からなることを特徴とする方法を提供する:
−a)前記船舶(1)の位置、その船首方向、その基準(設定上:over ground)速度およびその基準(設定上:over ground)コースを含むパラメータを取得する工程;
−b)前記船舶(1)の外部の(に装備された)手段を使用して、風および潮流の測定から選択される測定値を取得し、前記測定値は、前記船舶(1)に近接する位置で取得される工程;
−c)工程b)で取得される1つ以上の測定値、すなわち風と潮流の測定値から選択される測定値からドリフト(浮動:drift)ベクトルを決定(測定 determining)する工程;
−d)工程a)で取得されたその位置、基準(設定上:over ground)速度および基準(設定上:over ground)コースより選択されたパラメータから基準(設定上:over ground)ベクトルを決定(測定)する工程;および
−e)船舶の表面(水面)ベクトルの大きさと向きを計算する工程。

0016

測定値(測定:measurement)とは、既定の(与えられた:given)媒介物(medium)によって観測され、センサーを用いて取得される物理量(physical quantity)である。例えば、既定の(与えられた:given)位置および時点(瞬間:instant)における表面(水面)潮流の測定値(測定:measurement)は、実際に測定機器を用いて観測され取得された潮流の値(value of the current)に相当する(一致する:correspond to)。

0017

データベース由来するデータとは、処理済みが未処理であるかに拘わらず、測定値(測定)に由来するあらゆるデータである。
船舶とは、エンジン駆動の下で(under engine)巡行(航行)する船舶のことである。
船舶の位置とは、既定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)におけるその地理的位置である。

0018

船舶への近接とは、時空(時間空間:temporal and spatial)的近接である。空間的近接は、前記船舶の位置を軸とし(centered on)、2km以内または更に10km以内の放射状範囲の領域によって定義され得る。ある特定の場合には、例えば、数十kmの放射状範囲(特に約50km)を持つように、船舶についての領域のより大きな拡張を考慮することがあり得る。時間的近接は、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)を軸とした(centered on)2時間間隔の時間によって定義される。ある特定の場合には、時間間隔の大きな拡張(特に7時間)が考慮され得る。例えば、船舶のすぐそば(in proximity to)の風のようなパラメータの集積(collection)とは、規定の(与えられた:given)時点(瞬間:instant)であって、場合によっては、船舶が実際にこの地理的位置に到着する1時間前およびその後最大1時間と同程度における、船舶の位置を軸とした(centered on)地理的領域中の風の集積である。

0019

外部手段(external means)とは、光学または電波探知機(レーダー)または遠隔受信システム(例えば、AIS(自動船舶識別装置)、イリジウム、インマルサットやアルゴスなど)のような、あらゆる遠隔測定リモートセンシング:remote-sensing)手段であり、船舶に搭載されず、前記船舶の、その位置、その船首方向、その基準(設定上:over ground)速度、その基準(設定上:over ground)コース、および収集されるべきその近傍の風と潮流など、少なくとも1つのパラメータ(の取得)を可能とする。

0020

航行速度(cruising speed)とは、出発(port)からの出口と到着港への入口の間においてたどる航路(パス)の一以上の段階(フェーズ)のおける、一定のエンジン駆動(管理:engine regime)に応じた船舶の速度である。この航行速度は、出発港(port)からの出口と到着港への入口の間における加速および減速の段階(フェーズ)を含まない。船舶の出発港と到着港の間の航路(パス)は、その間モータ駆動(管理:motor regime)が相違する、航行に関する多数の航行段階(ナビゲーショナルフェーズ navigational phase)を含み得る。本発明においては、船舶は、巡行(クルージング)速度で進行するこれらのすべての段階(フェーズ)を通して考慮される(considered)。

0021

船舶の船首方向(heading)とは、その船首が指している、または、さらに北方向とその船首が指している方向の間の角度の方向である。

0022

表面(水面)ベクトルとは、水面に接続(付随)する参照の枠組みにおいて、方向が船舶の船首によって与えられ、ノルム(長さ)が船舶の移動速度の値に相当する速度ベクトル(velocity vector)である。
表面(水面)速度とは、表面(水面)ベクトルのノルム(長さ)である。

0023

ドリフトベクトル(浮動ベクトル:drift vector)とは、船舶およびその貨物に接する風と潮流の作用(動作:action)がもたらす速度ベクトル(velocity vector)である。ある特定の場合においては、うねりの作用(動作:action)も考慮し得る。

0024

基準(設定上:over ground)ベクトルとは、海底に接続(付随)する参照の枠組みにおいて、方向が船舶の移動の向きによって与えられ、ノルム(長さ)が船舶の移動速度の値に相当する速度ベクトル(velocity vector)である。
基準(設定上:over ground)コースとは、と、風と潮流に起因するドリフト(浮動:drift)に晒される船舶がたどる方向との間の角度である。
基準(設定上:over ground)速度とは、基準(設定上:over ground)ベクトル(over-ground vector)のノルム(長さ)である。

0025

潮流(current)とは、潮流の値であり、この値は、0から20メートルからなる深さにおいて、その大きさとその方向によって特徴付けられる。ある特定の場合では、0から40メートルもしくは0から200メートルからなる深さが考慮され得る。

0026

風とは、風の値であり、この値は、0〜10メートルの間からなる海抜において、その大きさとその方向によって特徴付けられる。ある特定の場合では、0から30メートルもしくは0から100メートルからなる海抜が考慮され得る。

0027

該方法の利点は、以下のことを可能とすることである。
−前記船舶の外部の手段(装置)を使用して、前記航行する船舶の表面(水面)速度を計算すること。すなわち、この速度は、船舶に搭載される専門の装置(例えば、測程器(log)またはエンジンに接続されるセンサーなど)によって直接測定されない;
−外部手段(装置)を使用する前記船舶の近傍で収集される潮流および風の測定値を利用することにより、前記船舶の外部の手段(装置)を使用して、前記航行する船舶の表面(水面)速度を計算すること。すなわち、例えば、船舶に搭載される専門の装置(例えば、VM−ADCPや風速計)の使用が不要となる;
−前記船舶のナビゲーション(航行)条件(navigational conditions)がどのようであっても(例えば、積荷の状況やエンジン駆動(管理:engine regime)など)、例えば、レーダーのような遠隔測定(リモートセンシング)手段や、AIS(自動船舶識別装置)のような遠隔受信(remote-receiving)手段を使用して収集されたナビゲーション(航行)(navigational)情報を基礎として、前記船舶単体の表面(水面)速度を、陸地や他の船舶に搭載して測定および収集すること;
−問題とされる船舶の積荷がどのようであれ、数多くの船舶の表面(水面)速度を同時に測定するため、海運交通(maritime traffic)を監視するための既存のインフラ(infrastructure)を使用すること;
−長年の未だ解決していない問題を軽減すること。すなわち、稼働状況(operational condition)下であってかつ同時に、広大な領域を巡行(航行)中の多くの船舶の表面(水面)速度を計算(予測:calculate)すること。そのうえ、特すべきは、環境パラメータ(例えば、風および潮流)を測定する外部手段(装置)のような永年存在する手段(装置)や、ナビゲーション(航行)パラメータ(navigational parameters)(例えば、AIS:自動船舶識別装置)を収集する手段(装置)は、動作の速度を測定するための前記船舶に位置する特別な使用手段(装置)を必要とすることなく、多くの船舶の表面(水面)速度を計算するために使用される。

0028

一実施例において、工程a)のパラメータまたは工程b)の測定値は、リアルタイムで取得される。
リアルタイムとは、パラメータ値が、測定の実行の終了まで待つことなく、処理中(processing)の手段(装置)によって送信され、または収集されるということである。例えば、船舶に搭載されたセンサーを使用して測定されAIS(自動船舶識別装置)によって送信されたパラメータは、リアルタイムで放出される(emitted)。沿岸のレーダーから取得され(taken)処理手段(装置)に送信されたパラメータの測定値もまた、リアルタイムで実行されたとみなされる。その測定値を送信する前に地上局(ground station)上空飛行する必要がある衛生手段(装置)によるパラメータの収集もまた、リアルタイムで実行されたとみなされる。

0029

一実施例において、工程a)のパラメータまたは工程b)の測定値は、非リアルタイムで取得される。
非リアルタイムとは、パラメータ値が、リアルタイムで送信されないということである。例えば、ファイル蓄積され測定の実行の終了時に処理されるデータは、非リアルタイムで利用可能なデータとみなされる。

0030

一実施例において、工程a)のパラメータは、少なくとも2秒の時間間隔を置いて取得される。
少なくとも2秒の間に渡り該方法を適用することにより、複数の位置、船首方向、基準(設定上:over ground)速度、および基準(設定上:over ground)コースの情報項目(information items)を、これらのデータがAIS(自動船舶識別装置)によって送信される際に、既定の(与えられた:given)船舶の為に収集することが可能となる。その際、工程b)で収集された同じ環境データを使用している間、該方法を多くの船舶の位置において適用することが可能となる。例えば、取得された多数の表面(水面)ベクトル値は、表面(水面)ベクトルの計算を統合する(consolidate)ため、平均化(averaged)され得る。

0031

潮汐を伴う沿岸域の場合、少なくとも半分の潮汐周期の間のパラメータを取得することが望ましい。パラメータの取得により、航行する船舶の表面(水面)速度の計算から環境パラメータを除外することが可能となる:
−「平均的な」ドリフト(浮動:drift)を相殺するように、基準(設定上:over ground)速度に係る大量の値の統計的計算を実行することにより、基準(設定上:over ground)平均速度を、表面(水面)速度に等しいと考えることが出来る。
−使用する値を、船舶の船首方向と船舶の基準(設定上:over ground)コースが等しいかまたは反対である際に選択される数個の値に限定することにより;表面(水面)速度を計算するための方法は、基準(設定上:over ground)速度が最小、基準(設定上:over ground)速度が最大、またはドリフト(浮動:drift)速度がゼロとなる瞬間に対応するデータのように、使用する値を、船舶の動態特有のデータに限定することにより改善される。

0032

一実施例において、工程a)のパラメータは、前記先船舶の外部の遠隔測定(リモートセンシング)手段(装置)、すなわち光学またはレーダーシステムのような手段(装置)によって収集される。
別の実施例において、工程a)のパラメータは、受信手段(装置)によって受信され、AIS(自動船舶識別装置)、イリジウム、インサルマットまたはアルゴスのような電気通信手段(装置)を使用する船舶によって送信される。

0033

従って、該方法は、船舶のパラメータを送信する電気通信手段(装置)を保有するまたは保有しない船舶に適用され得る。該方法は、また、AIS(自動船舶識別装置)、アルゴス、イリジウム、インマルサットによって得られる位置と基準(設定上:over ground)速度の情報を統合する(consolidate)ための追加の手段(装置)を設けてもよい。この遠隔検知情報は、該方法を船舶上ではなく適用することを可能とする。

0034

一実施例において、工程b)は、船舶に搭載されないシステムによって実行される。

0035

一実施例において、船舶の表面(水面)ベクトルの大きさと方向に係る工程e)の計算は、工程c)で得られるドリフト(浮動:drift)ベクトルと、工程d)で得られる基準(設定上:over ground)ベクトルの加算により実行される。

0036

一実施例において、該方法は、更に以下の工程からなる。
−個々の瞬間における前記船舶(1)の基準(設定上:over ground)速度の一連の値を取得し、前記値は、前記船舶(1)の少なくとも2カ所から計算(算出)される工程;
−表面(水面)潮流または風に起因する信号成分(components of the signal)のフィルタリングに適した信号処理技術(signal processing technique)を使用して、個々の瞬間における一連の値、すなわち前記工程で得られた一連の値を処理する工程;および
−一連の値の処理結果から、前記航行する船舶(1)の表面(水面)速度の値を計算する工程。

0037

別の実施例として、船舶の基準(設定上:over ground)速度の一連の値は、船舶の表面(水面)ベクトルが基準(設定上:over ground)ベクトルと共線(同一線上:collinear)である瞬間に対応する値から構成される。

0038

この実施例によると、信号処理の間、表面(水面)ベクトルは、基準(設定上:over ground)ベクトルと共線(同一線上)である。使用する値を、船舶の船首方向と船舶の基準(設定上:over ground)コースが等しいかまたは反対の時に選択される数個の値に限定することにより、表面(水面)速度の計算方法は、基準(設定上:over ground)速度が最小、基準(設定上:over ground)速度が最大、またはドリフト(浮動:drift)速度がゼロとなる瞬間に対応するデータのように、使用する値が船舶の動態に特有のデータに限定されるため、改善される。

0039

もう一つの典型的な実施例として、表面(水面)ベクトルおよび基準(設定上:over ground)ベクトルの共線性(collinearity)は厳格ではなく、表面(水面)ベクトルおよび基準(設定上:over ground)ベクトルは、それらの軸が5度未満の相違である際に、共線(同一線上)とみなされる。

0040

一実施例において、前記方法は、定められたスペースにリアルタイムまたは非リアルタイムで、船舶のドリフト(浮動:drift)ベクトル、または、風または潮流に起因する(ベクトルの)成分(components)を描く(representing)工程からなる。

0041

該方法により、潮流や風を、エンドユーザによる情報の解釈(interpretation)として表示することが可能となる。また、該方法により、測定値がリアルタイムで得られるにもかかわらず、高度な時空(時間空間的)測定分解能を得ることが可能となる。

0042

第二の側面によると、本発明は、また、エンジンの下、巡航(クルージング)速度で(at cruising speed)で進行(航行)する船舶(1)の航路(パス)上の全ての点(ポイント)における、それぞれのドリフト(浮動:drift)ベクトルを計算する方法に関連し、この方法は、以下の工程からなる:
aa)船舶(1)の表面(水面)速度を計算するための請求項1乃至請求項11の何れかに記載の方法を実装する工程;
bb)船舶(1)の航路(パス)上の全ての点(ポイント)における、その位置、その船首方向、その基準(設定上:over ground)速度、およびその基準(設定上:over ground)進路を取得する工程;および
cc)ノルムが工程aa)で計算され、基準(設定上:over ground)ベクトルが工程bb)で得られるパラメータから計算される表面(水面)ベクトルを加算することにより、船舶(1)の航路(パス)上の全ての点(ポイント)におけるドリフト(浮動:drift)ベクトルを計算する工程。

0043

該方法の利点は、以下のことを可能とすることである。
−前記船舶の外部の手段(装置)を使用して、前記船舶の各位置における風や潮流のような環境パラメータを測定すること。すなわち、これらのパラメータは、船舶に搭載される専門の装置によって直接測定されない;
−前記船舶の各位置における風や潮流のような環境パラメータを、陸地や他の船舶に搭載して測定および収集すること;
−沿岸の(coastal)光学またはレーザー装置のような遠隔測定(リモートセンシング)手段(装置)の圏外に位置する領域における風や潮流のような環境パラメータを測定および収集すること;
−風や潮流のような環境パラメータを測定および収集すること。これらの測定値は、衛星ベースのレーダーや光学遠隔測定(リモートセンシング)手段(装置)を使用して得られるものより、正確である;
−多くの船舶による長期航海(長旅:long trips)のため、広大な領域において環境情報を測定および収集すること;
−測定値を繰り返し取得すること。すなわち、測定値は同一の地理的領域であるが異なる瞬間に得られる;
−他の用途に用いられる既存のインフラ(infrastructure)に便乗する(piggybacked)ため、低生産運用コストを実現すること。

0044

また、本発明は、一連の命令からなる電子計算機プログラム製品に関連し、前記一連の命令は、コンピュータに読み込まれた際に、前記コンピュータに該方法の工程を実行させる。

図面の簡単な説明

0045

本発明のその他の特徴と利点は、添付された図面に基づいた以下の詳細な説明により、より明確になるであろう。これらの実施例は、非限定的な(限定するものではない)例として開示されている。詳細な説明は、添付された図面に関して詳述される。
航路(パス)上の船舶の位置における各種ベクトルの概略図である。
基準(設定上:over ground)速度をプロットしたグラフ図式)である。
当該(given)船舶の航路(パス)に沿って本発明の主題である本件方法を使用して測定した潮流ベクトルを示すものである。
本件方法を使用して計算した表面(水面)潮流ベクトルを示す図である。
HFレーダ数値モデル、又は一つの例示的実施例による本件方法を用いて測定した結果である潮流ベクトルの結果を比較したグラフ(図式)である。
航路(パス)のすべての地点で、および、一つの特定された場所において、本件方法を使用して測定した当該(given)船舶の潮流ベクトルのグラフ(図式)である。
フローチャート形式で示した、本発明の主題である本件方法の一の特定の実施例における工程である。
フローチャートの形式で示した、本発明の主題である本件方法の一の特定の実施例における工程であり、更に、
概略図により示した、本発明の主題である本件方法の一つの特定の実施例における測定工程の例である。

実施例

0046

図1航行中の船舶を示している。船舶は、風および潮流の影響を受け、その基準(設定上:ground)Ufの速度は、(海底に接続(付随)する参照の枠組みにおいて)潮流および/または風によって船舶全体(船体と積荷)に働く力に比例して変化する。

0047

船舶の基準(設定上:over ground)ベクトルUfと、表面(水面)ベクトルUs(水面に取り付けられている参照フレーム)との関係において、ドリフト(浮動:drift)ベクトルUdは、Uf=Us+Udとなる。

0048

ドリフト(浮動)ベクトルの大きさと方向は、海洋の潮流と船舶に作用する風の力とが関係している。特に、船舶の大きな気流(air draft)については、風と潮流の両方から働く力に敏感となる。船舶の気流(air draft)が小さな場合は、風から働く力を無視することができることもあり、該船舶は潮流によって働く力のみを対象とすることもある。ドリフト(浮動)ベクトルはその場合は、潮流ベクトルと同じになる。

0049

本発明の方法は、特定されたスペース(範囲)の潮流および/または風(例えば、航路(パス)上の全ての点について)を入手するために、巡航船舶のドリフト(浮動)情報を使用することからなる。
本件方法では、まず基準(設定上)ベクトルと表面(水面)ベクトルの様々なドリフト(浮動)を特徴付けるように探索する。

0050

船舶1は、航路(パス)2に沿った所定の位置で、基準(設定上:over ground)Ufの速度を保っている。船舶1がステップでの巡航速度であるとき、本発明の方法の工程a)では、位置、船首方向、基準(設定上:over ground)速度、および、アクセス可能なデータベースからまたはリアルタイムからのデータで得た基準(設定上:over ground)コース(航路)のデータを含むパラメータを取得する必要がある。
本発明の方法の工程b)では、船舶1の外部の手段によって、アクセス可能なデータベースからまたはリアルタイムから得た、該船舶1の近隣の、風と潮流から選択した少なくとも1つのパラメータを入手する必要がある。また、工程b)は、周囲(環境)情報を収集する。たとえば、本件方法では、ある位置における海洋の潮流および/または風、または船舶に近接する位置のものを収集する。更には、近くの船舶に本発明の方法を応用することによってもこれらの情報を収集することができる。また、船舶の位置、船首方向、基準(設定上:over ground)速度、基準(設定上:over ground)コースの情報の一部分を連続して収集することが可能である。また、基準(設定上:over ground)速度と、基準(設定上:over ground)コースの情報は、あまり離れていない少なくとも2つの船舶の位置から計算することが可能である。リアルタイムのデータストリーム、または、データベースからすべての情報を収集することが可能である。

0051

次に、工程c)では、この情報は、その位置における船舶の潮流および/または風からのドリフト(浮動)ベクトルUdを決定するために使用される。風および/または潮流によるが、船舶に付帯するドリフト(浮動)ベクトルを決定することが可能である。たとえば、船舶の気流(air draft)が小さな場合は、船舶の対象とするドリフト(浮動)は、潮流だけとなる。一方、船舶への気流(air draft)が大きい場合(例:コンテナ船)、潮流ベクトル(ノルムと方向)と風ベクトル(ノルムと方向)が使用されて、その位置における船舶のドリフト(浮動)ベクトルUdが決定される。
ドリフト(浮動)ベクトルが取得された後、それを海洋チャート上に表示することが可能となる。

0052

次に、工程d)では、基準(設定上:over ground)ベクトルUfを決定するためにこの情報が使用される。
工程e)で、船舶のベクトルUsの計算を行う。具体的には、Uf−Udの関係のベクトル合計で、ベクトルUsは求められる。
ベクトルUsが求められた後、海洋チャート上に表示することが可能となる。

0053

表面(水面)ベクトルUsを計算する別の方法を、図2に示している。この図では、複数のデータが照合されている。この図で、y軸は、基準(設定上:over ground)ベクトルのノルム(ノルム:ベクトルの長さは、Nfで表わされる)に対応しており、x軸における、t(図示)、は時間に対応している。Nf値の曲線(図示3a)は、数多くの潮汐サイクル周期)のすべてのNf値を示している。(Nf値の曲線(図示3a)は、潮汐サイクル(潮周期)数で、すべてのNf値を示している。)この曲線は、船舶が潮汐流によって影響を受けるゾーンに移動した場合における、潮汐波振動に対応する擬似周期を持っている。曲線3bは、Nfと同じ値で、潮汐波フィルタ掛けられた後に発行されたNf値を表わしている。

0054

潮汐波をフィルタするには、従来の信号処理方法を使用し、例えば収集したデータのDoodson X0フィルタを採用することが可能となる。このフィルタリングには、データセットへの潮汐流の影響を抑制する効果がある。特に、潮汐流が、たとえば英国海峡などのような、世界の多くの地域での、支配的な潮流となる。

0055

4つの円は、基準(設定上:over ground)ベクトルと表面(水面)ベクトルが同一線上にある瞬間を表示している。

0056

複数のノルムNfの平均値または中央値は、表面(水面)速度の大きさの目安近似値)となる。Nf値から得られたNsの近似値の精度は、表面(水面)ベクトルと基準(設定上:over ground)ベクトルが共線(同一線上)になるときの選ばれた位置から提供されるデータを選択するか、平均値または中央値を算出するのに使用されるNf値の数を増やすことによって向上する。これらの例では、ドリフト(浮動)ベクトルがゼロか、または、船舶の移動方向に対して反対の方向となるか、または船舶の動きの方向と同じ方向となる。この方法により、表面(水面)ベクトルUsのノルムは得られた。

0057

本発明の方法は、風または潮流によるそれぞれのドリフト(浮動)ベクトルとそのコンポーネントを、船舶の航路(パス)上のすべての地点で、海洋チャートに表示できるようにしている。

0058

各船舶の航行表面(水面)ベクトルの計算ができたという事は、潮流の各位置に対するドリフト(浮動)ベクトルが計算されることを可能にするものである。特に、巡行している表面(水面)ベクトルUsと、基準(設定上:over ground)ベクトルUfは判っているので、Uf=Us+Udの関係を使えば、船舶のそれぞれの位置のすべてのドリフト(浮動)ベクトルを計算することが可能となる。これにより、リアルタイムまたは、非リアルタイムで、ドリフト(浮動)ベクトルのイメージを得ることが可能となる。

0059

図3は、船舶の別の位置の、特定されたスペース(範囲)における、ドリフト(浮動)ベクトルと、表面(水面)ベクトルと、基準(設定上:over ground)ベクトルを推定するための方法を示している。

0060

推定の方法は、特定の時点での、異なる巡行速度で進行する船舶の位置、船首方向、基準(設定上:over ground)パラメータに関連する情報の収集および読み出しから構成される。

0061

推定方法は、また、船舶1からそれぞれ収集した位置について、船舶の航路(パス)上のすべての点における、船舶の大きさと方向についてのそれぞれのドリフト(浮動)ベクトルを取得するために、(上記の)パラメータ計算方法を実行することから構成される。

0062

船舶1について、基準(設定上:over ground)ベクトルはUf1と、表面(水面)ベクトルUs1と、ドリフト(浮動)ベクトルUd1が配備される。表面(水面)ベクトルUs1と、基準(設定上:over ground)ベクトルUf1との角度がa1で図示されている。(推定)方法と、Uf=Us+Udの関係を適用することにより、船舶の任意の位置における、ドリフト(浮動)ベクトルを取得することが可能となる。

0063

図3は、船舶1の別の位置における、基準(設定上:over ground)ベクトルUf2、表面(水面)ベクトルUs2と、ドリフト(浮動)ベクトルUd2と、を示している。表面(水面)ベクトルUs2と、基準(設定上:over ground)ベクトルUf2との角度がa2で図示されている。

0064

図4は、本発明の方法を使用して得られた、本発明の主題である結果を示している。沿岸に設置された3つのAIS(自動船舶識別装置)のレシーバを使用して収集された船舶のパラメータ(船舶ごとに1つのベクトル)を利用することで、ある位置における多くの船舶の、大西洋および英国海峡における潮流ベクトルが示されている。

0065

この図において、2つのHFレーダ(ブラックボックス5内に設置されているゾーン)を使用して遂行された測定値と、広大な地理的領域に対する1例としての実施例において施行された本発明の方法によって測定される潮流の結果、とが対比される。図は実際に、風または潮流を測定するのに、風および潮流を測定するのに船舶に登載するセンサを必要としない、本発明による方法が低コストで利用可能であることを示している。

0066

図4は、HFレーダによって従来から形成されていた測定ゾーンに関し、特に本件方法により、得られた測定ゾーンをもって改善を図示するものである。グラフの中央に位置するボックス5に示すベクトルは、2つのHFレーダを使用して測定されたものである。これら(ベクトル)は、区切られているゾーンとはあまり離れていない、ボックス5の外にあるベクトルと整合(一直線化)するものである。英国海峡と大西洋とに位置する他のすべてのベクトルは、3つのAIS(自動船舶識別装置)の受信機を用いて収集したもので、船舶のナビゲーション(航行)パラメータを使用して、上述した本件発明の方法で算出されている。

0067

ナビゲーション(航行)と計量海洋パラメータの測定に関して受領したアイデアとは異なり、本発明の上記詳述した、少なくとも1つの船舶の表面(水面)速度を計算する方法、および、該船舶の航路(パス)上の全ての位置(地点)におけるドリフト(浮動)ベクトルの推定では、その中で注目に値するのは、該船舶の外部の環境パラメータを測定するための手段として、また、該船舶が巡行(クルージング)速度でエンジンによって航行しているときに取得したナビゲーション(航行)パラメータを測定するための手段として使用している事であり、最も一般的に使用される高価なシステム(たとえば潮流測定のためのHFレーダおよび空間高度計spatial altimetry)に少なくとも匹敵する、高精度な結果を提供している。

0068

風や潮流のような環境パラメータの測定において、本発明の主題である本発明の方法を使用することにより、驚くべき品質の測定値が得られ、非常な低コストで、非常に広大な地理的な地域に、そのアプリケーションを描く(空想する)ことが可能となる。

0069

図5は、該当する船舶の各位置で測定された潮流ベクトルの東西成分を、緯度関数として示したグラフである。図5は、本発明の主題である本件方法を使用して得られる潮流測定の高性能特性を示している。

0070

グラフでは、複数の結果を比較している。すなわち:
−該当する船舶の位置にある2つのHFレーダを使用して行われた測定の結果(6で図示する〇で示す):曲線は、緯度の増加を示し、長さは短くなっており、このようにして、本発明の主題である本件方法を使って実施した測定について、HFレーダによる測定結果空間範囲限界を図示している。
−船舶の位置における数値モデルを用いて得た結果(菱形7で図示):この正弦曲線は、イギリス海峡の表面(水面)潮流の変化を許容して、潮汐(干満)信号が見られるようにしたものである。この曲線は、測定の結果ではなく、したがって単に実際の潮流の予測(概算)を提供したものである。
−本発明の主題である本件方法を使用して得られた結果(アスタリスク★8で図示):この曲線も正弦曲線であり、数値モデルを使用して得られた結果と同じように変化する。

0071

この図から、本発明の主題である本件方法により、HFレーダよりも大きい精度で、潮汐(干満)による潮流の変化を反映していることが見られるかもしれない。特に、サークル(〇)から形成された曲線はその右端で、菱形から形成された曲線と分離し、星形から形成された曲線と対照をなしている。

0072

図6は、本発明の主題である本件方法を用いて、当該船舶の航路(パス)上の定められた空間内のすべてのポイントで測定された潮流ベクトル9を図示している。

0073

図7は、本発明の主題であり、包含している少なくとも1つの船舶の表面(水面)ベクトルを計算する方法を示している。
−1つまたは複数のナビゲーション(航行)パラメータを得る工程20
−1つまたは複数の船舶の近くのパラメータを測定する工程21
−ドリフト(浮動)ベクトルを決定する工程22
−基準(設定上:over ground)ベクトルを決定する工程23、さらに、
−表面(水面)ベクトルの方向と大きさを計算する工程24
とからなる。

0074

工程20において、1つまたは複数のナビゲーション(航行)パラメータは、リアルタイムまたは非リアルタイムに収集される。

0075

ステップ21では、風および/または潮流の測定(方向と大きさ)が船舶の近隣において行われ、これらの測定値は、該船舶登載のセンサを使わないで測定値の得られる遠隔測定(リモートセンシング)手段によって使用されるか、または、(船舶に登載されていない)該船舶の近隣に装備されている測定は手段の、どちらかにより使用に供され、遠隔の地上ベース(設置)のセンタか、例えば、AIS(自動船舶識別装置)やアルゴスなどの通信手段を使用する離れた他の船舶に送信される。

0076

工程22において、工程21で得られた潮流および/または風の測定(値)を使用してドリフト(浮動)ベクトルが計算される。
工程23において、工程20で得られたナビゲーション(航行)パラメータをしようして基準(設定上:over ground)ベクトルが計算される。
工程23では、工程22と工程23の結果を使用して表面(水面)ベクトルが計算され、表面(水面)ベクトルは、基準(設定上:over ground)ベクトルとドリフト(浮動)ベクトルを合計することにより得られる。

0077

図8は、本発明の主題でありその中に包含されている方法である、当該船舶の航路(パス)上のすべての地点における各ドリフト(浮動)ベクトルを推定するための方法を示すものである。
−工程25では、船舶の表面(水面)速度を計算する。
−工程26では、船舶の1つまたは複数のナビゲーション(航行)パラメータを取得し、そして
−工程27では、ドリフト(浮動)ベクトルを計算する。

0078

工程25において、船舶の表面(水面)速度が、与えられた瞬間に図7に記載されている方法を使用して計算される。

0079

工程26において、特定の空間における船舶の航路(パス)のすべての瞬間およびすべての地点でのリアルタイムまたは非リアルタイムの、船舶のナビゲーション(航行)パラメータが収集される。これらのパラメータは、基準(設定上:over ground)の速度の計算を可能にするものである。
工程27ステップにおいて、基準(設定上:over ground)ベクトルと表面(水面)ベクトルとが、航路(パス)上のすべての地点でのドリフト(浮動)ベクトルを計算するために合計される。このステップで使用される表面(水面)ベクトルのノルム(長さ)は工程25で得られたものである。

0080

図9は、本発明の主題である本件方法の一般的な手順を示すものである。
−ゾーン30内での、該船舶の近隣のインスタントT1(時)における、風および潮流の測定には、船舶に登載されたセンサーは使用されず、測定(値)は、リアルタイムまたは非リアルタイムで、地上ベース(設置)のセンターまたは、それ以外の、本件方法が適用され、遠隔通信処理装置・必要に応じてリモートセンシング(遠隔測定)能力も装備した、ブラックボックス32参照の船舶に、転送される可能性がある。
−風の当該船舶のナビゲーション(航行)パラメータと、T1(時)において得られた潮流と風の測定(値)31とを使用して、インスタントT1(時)における船舶の表面(水面)速度を計算するステップ。
もはや、船舶が潮流と風の測定(値)が測定されたゾーンの近隣にいなくなったときのインスタントT2(時)における潮流と風を計算する工程で、計算は、T1(時)における表面(水面)ベクトルと、T2(時)における地上ベース(設置)のセンターまたは他の船舶から得られた基準(設定上:over ground)速度を合計することで計算が行なわれる。

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