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図面 (7)

課題・解決手段

カルボニル化法を改良するための方法において、鉄を除去し、触媒の有効空時収量(STY)を最大空時収量の少なくとも80%に維持する。該方法は、メタノールを、反応器にて、水、ロジウム触媒ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効空時収量を最大空時収量の少なくとも80%に維持することを含む。

概要

背景

[0003]現在使用されている酢酸合成法のうち、商業的に最も有用な方法の一つは、米国特許第3,769,329号(引用によってその全文を本明細書に援用する)に教示されているような、一酸化炭素を用いたメタノール接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、ロジウム液体反応媒体中に溶解されているか又はさもなければ分散されているか、又は不活性固体上に担持されている)と共に、例えばヨウ化メチルなどのハロゲン含有触媒プロモーターを含有する。ロジウムは、反応系に多数の形態のいずれかで導入できる。同様に、ハロゲン化物プロモーターの性質は一般的に重要でないので、多数の適切なプロモーターが使用できる(その大部分は有機ヨウ化物である)。最も典型的には、そして有益には、反応は、触媒が溶解された液体反応媒体中に一酸化炭素ガス連続通気バブリング)することによって実施される。

[0004]メタノールから酢酸への連続カルボニル化法運転において、可溶性触媒錯体を含有する溶液は、反応器流出液から分離されて、反応器リサイクルされる。しかしながら、長期間の運転に伴い、冶金ストリーム(metallurgy stream)の容器から、例えば、鉄、ニッケルモリブデンクロムなどの腐食生成物が溶解し、触媒リサイクルストリーム蓄積する。このような腐食金属は、十分な量存在すると、カルボニル化反応を妨害するか、又は水性ガスシフト反応二酸化炭素水素が形成される)及びメタン形成などの競合反応を促進することが知られている。従って、このような腐食金属汚染物の存在は、方法に悪影響、特に一酸化炭素の生産性に結果的損失をもたらす。さらに、腐食金属はヨウ素イオンとも反応できるので、触媒系のこの成分がロジウムとの反応に利用できなくなり、触媒系の不安定性の原因となる。ロジウム含有触媒高コストであることを考えると、浪費された触媒の補充は法外なコストで行うしかない。

[0005]米国特許第8,242,040号(引用によって本明細書に援用する)には、イリジウム及び/又はロジウムカルボニル化触媒アルカリ及び/又はアルカリ土類金属及び腐食金属汚染物を含むカルボニル化触媒溶液から、腐食金属汚染物を除去するための方法が教示されている。触媒溶液を、陽イオン交換樹脂(その活性部位に十分量のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属が部分充填されている)と接触させて、触媒溶液中の前記アルカリ及び/又はアルカリ土類金属の濃度を維持する。そして、腐食金属汚染物含量が削減された触媒溶液を回収する。

[0006]米国特許第5,466,876号(引用によって本明細書に援用する)には、腐食金属汚染物を、カルボン酸及び/又はその無水物、ロジウムカルボニル化触媒、及びカルボニル化触媒コプロモーター(co-promoter)を含む液体組成物から、カルボニル化触媒及びコプロモーターよりも腐食金属の除去に対して選択性のあるキレート樹脂を用いて除去する方法が教示されている。腐食金属汚染物を除去するための更なる方法は、米国特許第4,985,383号及び米国特許第5,124,290号にも開示されている。

[0007]米国特許第4,894,477号(引用によって本明細書に援用する)には、ロジウム成分及びリチウム成分を含有するカルボニル化触媒溶液から金属性腐食生成物を除去するために、リチウム型陽イオン交換樹脂を使用する方法が教示されている。米国特許第4,894,477号に記載されている方法は、米国特許第5,001,259号に示されているような低水分条件下でメタノールを酢酸にカルボニル化するために有用な方法に特に適用可能である。米国特許第4,894,477号はさらに、低水分条件は、低水分条件カルボニル化反応器内のリチウム濃度が増加してロジウムの安定性が増大するので、そして反応系における水分量も減少するので、酢酸の精製/製造法を改良するが、1サイクルあたりのイオン交換腐食金属除去プロセス能力減退することも教示している。

[0008]同様に、米国特許第5,731,252号(引用によって本明細書に援用する)には、ロジウム成分とアルカリ金属成分を含有する低水分カルボニル化触媒溶液を処理して金属性腐食生成物を除去するための方法が教示されている。この方法は、触媒溶液をイオン交換樹脂(好ましくはリチウム型)及び十分量の水と接触させてアルカリ金属イオン濃度を低下させ、腐食金属生成物の除去を最適化することを含む。

[0009]上記方法は、一般的にイオン交換樹脂を用いて一部の腐食金属を除去することに成功しているが、鉄の閾値を設定し、その閾値を上回った場合に鉄を除去することによる酢酸収量の改良を求める需要は存在する。

概要

カルボニル化法を改良するための方法において、鉄を除去し、触媒の有効空時収量(STY)を最大空時収量の少なくとも80%に維持する。該方法は、メタノールを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効空時収量を最大空時収量の少なくとも80%に維持することを含む。なし

目的

[0013]さらなる態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の水を含む)、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、反応媒体を、鉄を含む低揮発性ストリームと蒸気生成物ストリームに分離し、そして反応媒体中の鉄含量が1200wppmを超過している場合、低揮発性ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法を提供する

効果

実績

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請求項1

酢酸製造法であって、メタノールジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在し;フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;液体ストリームを反応器にリサイクルし、ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含み;そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効空時収量を最大空時収量の少なくとも80%に維持することを含む酢酸の製造法。

請求項2

液体ストリームが、鉄の除去後、1〜1200wppmの量の鉄を含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

鉄の少なくとも5%が液体リサイクルから除去される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。

請求項4

反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下に維持することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

反応媒体中の鉄濃度を100〜500wppmに維持することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

wppmによる鉄濃度が、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

ロジウム触媒の有効空時収量が、最大空時収量の少なくとも90%に維持される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

有効空時収量が最大空時収量の100%を達成するために必要なロジウムの少なくとも85%を維持することをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

反応器の材料が、遷移金属又は遷移金属ベース合金を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

フラッシュ容器の材料が、遷移金属又は遷移金属ベース合金を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

酢酸を含む蒸気生成物ストリームを一次精製トレインで分離し、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。

請求項13

液体ストリームが、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含む、請求項12に記載の方法。

請求項14

一つ又は複数のリサイクルストリームの少なくとも一つが鉄を含む、請求項12に記載の方法。

請求項15

少なくとも一つのストリームを過マンガン酸還元性化合物除去系に送りアセトアルデヒド富むストリームを得ることをさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

鉄が液体ストリームから、液体ストリームの一部を陽イオン交換樹脂と接触させることによって除去される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

酢酸の製造法であって、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在し;フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;液体ストリームを反応器にリサイクルし、ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含み;そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下に維持することを含む酢酸の製造法。

請求項19

反応媒体中の鉄濃度を100〜500wppmに維持することをさらに含む、請求項18に記載の方法。

請求項20

wppmによる鉄濃度が、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持される、請求項18〜19のいずれか1項に記載の方法。

請求項21

反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、請求項18〜21のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

酢酸の製造法であって、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の量の水を含み;フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;液体ストリームを反応器にリサイクルし、ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み;反応媒体の一部に対して鉄の閾値を設定し、ここで、鉄濃度の閾値は500wppm〜1200wppmの範囲内で選ばれる値であり;反応媒体の一部における鉄含量を決定し;そして鉄含量が閾値を超過している場合、液体ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法。

請求項24

反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、請求項23〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

酢酸を含む蒸気生成物ストリームを一次精製トレインで分離し、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることをさらに含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。

請求項27

液体ストリームが、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含む、請求項26に記載の方法。

請求項28

一つ又は複数のリサイクルストリームの一部における鉄含量を決定し、鉄含量が閾値を超過している場合、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部から鉄の少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項26に記載の方法。

技術分野

0001

優先権主張
[0001]本特許出願は、2014年11月14日出願の米国仮特許出願第62/080,024号、発明の名称酢酸製造法”に基づく優先権を主張し、その開示内容引用によりその全体を本明細書に援用する。

0002

技術分野
[0002]本発明は、酢酸の製造法に関し、特に、カルボニル化反応による酢酸の収量を、カルボニル化反応媒体から鉄を除去することによって改良するための方法に関する。

背景技術

0003

[0003]現在使用されている酢酸の合成法のうち、商業的に最も有用な方法の一つは、米国特許第3,769,329号(引用によってその全文を本明細書に援用する)に教示されているような、一酸化炭素を用いたメタノール接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、ロジウム液体反応媒体中に溶解されているか又はさもなければ分散されているか、又は不活性固体上に担持されている)と共に、例えばヨウ化メチルなどのハロゲン含有触媒プロモーターを含有する。ロジウムは、反応系に多数の形態のいずれかで導入できる。同様に、ハロゲン化物プロモーターの性質は一般的に重要でないので、多数の適切なプロモーターが使用できる(その大部分は有機ヨウ化物である)。最も典型的には、そして有益には、反応は、触媒が溶解された液体反応媒体中に一酸化炭素ガス連続通気バブリング)することによって実施される。

0004

[0004]メタノールから酢酸への連続カルボニル化法運転において、可溶性触媒錯体を含有する溶液は、反応器流出液から分離されて、反応器リサイクルされる。しかしながら、長期間の運転に伴い、冶金ストリーム(metallurgy stream)の容器から、例えば、鉄、ニッケルモリブデンクロムなどの腐食生成物が溶解し、触媒リサイクルストリーム蓄積する。このような腐食金属は、十分な量存在すると、カルボニル化反応を妨害するか、又は水性ガスシフト反応二酸化炭素水素が形成される)及びメタン形成などの競合反応を促進することが知られている。従って、このような腐食金属汚染物の存在は、方法に悪影響、特に一酸化炭素の生産性に結果的損失をもたらす。さらに、腐食金属はヨウ素イオンとも反応できるので、触媒系のこの成分がロジウムとの反応に利用できなくなり、触媒系の不安定性の原因となる。ロジウム含有触媒高コストであることを考えると、浪費された触媒の補充は法外なコストで行うしかない。

0005

[0005]米国特許第8,242,040号(引用によって本明細書に援用する)には、イリジウム及び/又はロジウムカルボニル化触媒アルカリ及び/又はアルカリ土類金属及び腐食金属汚染物を含むカルボニル化触媒溶液から、腐食金属汚染物を除去するための方法が教示されている。触媒溶液を、陽イオン交換樹脂(その活性部位に十分量のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属が部分充填されている)と接触させて、触媒溶液中の前記アルカリ及び/又はアルカリ土類金属の濃度を維持する。そして、腐食金属汚染物含量が削減された触媒溶液を回収する。

0006

[0006]米国特許第5,466,876号(引用によって本明細書に援用する)には、腐食金属汚染物を、カルボン酸及び/又はその無水物、ロジウムカルボニル化触媒、及びカルボニル化触媒コプロモーター(co-promoter)を含む液体組成物から、カルボニル化触媒及びコプロモーターよりも腐食金属の除去に対して選択性のあるキレート樹脂を用いて除去する方法が教示されている。腐食金属汚染物を除去するための更なる方法は、米国特許第4,985,383号及び米国特許第5,124,290号にも開示されている。

0007

[0007]米国特許第4,894,477号(引用によって本明細書に援用する)には、ロジウム成分及びリチウム成分を含有するカルボニル化触媒溶液から金属性腐食生成物を除去するために、リチウム型陽イオン交換樹脂を使用する方法が教示されている。米国特許第4,894,477号に記載されている方法は、米国特許第5,001,259号に示されているような低水分条件下でメタノールを酢酸にカルボニル化するために有用な方法に特に適用可能である。米国特許第4,894,477号はさらに、低水分条件は、低水分条件カルボニル化反応器内のリチウム濃度が増加してロジウムの安定性が増大するので、そして反応系における水分量も減少するので、酢酸の精製/製造法を改良するが、1サイクルあたりのイオン交換腐食金属除去プロセス能力減退することも教示している。

0008

[0008]同様に、米国特許第5,731,252号(引用によって本明細書に援用する)には、ロジウム成分とアルカリ金属成分を含有する低水分カルボニル化触媒溶液を処理して金属性腐食生成物を除去するための方法が教示されている。この方法は、触媒溶液をイオン交換樹脂(好ましくはリチウム型)及び十分量の水と接触させてアルカリ金属イオン濃度を低下させ、腐食金属生成物の除去を最適化することを含む。

0009

[0009]上記方法は、一般的にイオン交換樹脂を用いて一部の腐食金属を除去することに成功しているが、鉄の閾値を設定し、その閾値を上回った場合に鉄を除去することによる酢酸収量の改良を求める需要は存在する。

先行技術

0010

米国特許第3,769,329号
米国特許第8,242,040号
米国特許第5,466,876号
米国特許第4,985,383号
米国特許第5,124,290号
米国特許第4,894,477号
米国特許第5,001,259号
米国特許第5,731,252号

0011

[0010]本発明は酢酸の製造法に関する。一態様において、本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する);フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリーム(less volatile stream)と、酢酸を含む蒸気生成物ストリーム(vapor product stream)とを形成させ;液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む);そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効空時収量(STY(Space Time Yield))を最大STYの少なくとも80%、例えば最大STYの少なくとも90%に維持することを含む酢酸の製造法に向けられる。一態様において、液体ストリームは、鉄の除去後、1〜1200wppmの量の鉄を含む。また、少なくとも5%の鉄が液体リサイクルから除去できる。方法はさらに、反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下、一態様においては100〜500wppmに維持する。wppmによる鉄濃度は、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持される。一態様において、方法はさらに、最大STYの100%を達成するために有効空時収量に必要なロジウムの少なくとも85%を維持する。一態様において、低揮発性ストリームは、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%(例えば1〜5重量%)の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む。一態様において、反応器及び/又はフラッシャー、ならびに各々の付属フィッティング及び各種ラインの材料は、遷移金属又は遷移金属ベース合金を含む。一態様において、方法はさらに、一次精製トレイン(primary purification train)において、酢酸を含む蒸気生成物ストリームを分離して、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることを含む。液体ストリームは、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含みうる。さらに、一つ又は複数のリサイクルストリームの少なくとも一つは鉄を含む。一態様において、方法はさらに、少なくとも一つのストリームを過マンガン酸還元性化合物除去系に送りアセトアルデヒド富むストリームを得ることを含む。反応媒体は、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含みうる。一態様において、鉄は、液体ストリームから、液体ストリームの一部を陽イオン交換樹脂と接触させることによって除去される。

0012

[0011]別の態様において、本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下、一態様においては100〜500wppmに維持することを含む酢酸の製造法に向けられる。wppmによる鉄濃度は、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持されうる。一態様において、方法はさらに、少なくとも一つのストリームを過マンガン酸還元性化合物除去系に送り、アセトアルデヒドに富むストリームを得ることを含む。反応媒体は、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含みうる。一態様において、鉄は、液体ストリームから、液体ストリームの一部を陽イオン交換樹脂と接触させることによって除去される。低揮発性ストリームは、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%(例えば1〜5重量%)の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む。

0013

[0012]さらに別の態様において、本発明は、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の量の水を含む)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含む)、反応媒体の一部に対して鉄の閾値を設定し(ここで、鉄濃度の閾値は500wppm〜1200wppmの範囲内で選ばれる値である)、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、そして鉄含量が閾値を超過している場合、液体ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法に向けられる。一態様において、方法はさらに、少なくとも一つのストリームを過マンガン酸還元性化合物除去系に送り、アセトアルデヒドに富むストリームを得ることを含む。反応媒体は、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含みうる。一態様において、鉄は、液体ストリームから、液体ストリームの一部を陽イオン交換樹脂と接触させることによって除去される。低揮発性ストリームは、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%(例えば1〜5重量%)の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む。一態様において、方法はさらに、一次精製トレインにおいて、酢酸を含む蒸気生成物ストリームを分離して、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることを含む。液体ストリームは、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含みうる。一態様において、方法はさらに、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部における鉄含量を決定し、鉄含量が閾値を超過している場合、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部から鉄の少なくとも一部を除去することを含む。

0014

[0013]さらなる態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の水を含む)、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、反応媒体を、鉄を含む低揮発性ストリームと蒸気生成物ストリームに分離し、そして反応媒体中の鉄含量が1200wppmを超過している場合、低揮発性ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法を提供する。

0015

[0014]さらなる態様において、規定の水とアルカリ金属イオン濃度及び1200wppmを超える鉄を含む低揮発性ストリームの生産性を改良するための方法を提供し、該方法は、接触サイクルにおいて、低揮発性ストリームを、陽イオン交換樹脂と十分な量の水、すなわち低揮発性ストリームの水分濃度をそれが接触サイクルを通過するときに0.25〜50重量%の範囲内にするのに十分な量の水に接触させることを含む。

0016

[0015]さらなる態様において、低水分条件下で採用される低揮発性ストリーム(前記溶液はロジウム及びアルカリ金属を含有し、さらに1200ppmを超える鉄を含有する)の生産性を改良するための方法を提供し、該方法は、低揮発性ストリームを、イオン交換樹脂と十分な量の水、すなわち低揮発性ストリームの水分濃度をそれが接触サイクルを通過するときに0.25〜50重量%の範囲内にするのに十分な量の水に接触させ、そして1200ppm未満の鉄を含むストリームを回収することを含む。

0017

[0016]本発明は、添付の非制限的図面を参照することにより、より良く理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0018

[0017]図1は、例示的なカルボニル化のスキームを示す。
[0018]図2は、全腐食金属濃度 対アセトアルデヒド濃度を示す。
[0019]図3は、鉄濃度対 アセトアルデヒド濃度を示す。
[0020]図4は、観察空時収量÷モデル空時収量(×100) 対 鉄濃度を示す。
[0021]図5は、二酸化炭素非効率性に及ぼす鉄濃度の影響を示す。
[0022]図6は、メタン非効率性に及ぼす鉄濃度の影響を示す。
[0023]図7は、酢酸の空時収量の変化率対鉄濃度を示す。
[0024]図8は、酢酸の空時収量のパーセンテージとしてのメタノールの空時収量の変化 対 鉄濃度を示す。

0019

[0025]まず始めに、何らかのこのような実際の態様の開発においては、開発者の具体的目標を達成するために、実施ごとに異なるであろうシステム関連及びビジネス関連の制約順守など、実施に特有の多数の決定をせねばならないことに注意すべきである。さらに、本明細書中に開示されている方法は、当該技術分野において平均的又は合理的技能を有する当業者には明白な通り、引用されている又は具体的に参照されている以外の構成要素を含むこともできる。

0020

[0026]概要及びこの詳細な説明において、各数値は、ひとたび“約”という用語によって修飾されているように読まれたら(既に明らかにそのように修飾されている場合を除き)、文脈で別段の指示がない限り、次に再び、そのように修飾されていないように読まれるべきである。また、概要及びこの詳細な説明において、有用、適切などとしてリスト又は記載されている濃度範囲は、終点を含むその範囲内のあらゆる濃度が記述されていると見なされるものとすると理解されるべきである。例えば、“1〜10”という範囲は、約1〜約10の間の連続体に沿ったありとあらゆる可能な数字を示していると読まれるべきである。従って、たとえ範囲内の具体的データ点が明示的に特定されている場合でも、又はたとえ範囲内のデータ点が何も明示的に特定されていない場合でも、又はごく少数の具体的データ点しか参照されていない場合でも、発明者らは、範囲内のありとあらゆるデータ点が特定されていると見なされると認識及び理解していること、そして発明者らは範囲全体及び範囲内のすべての点の知識を所有していることは理解されるべきである。

0021

[0027]特許請求の範囲を含む明細書全体を通じて、下記用語は、別途記載のない限り、示された意味を有する。
[0028]本明細書及び特許請求の範囲において使用されている“付近(near)”とは、“その点(at)”を含む。“及び/又は”という用語は、包括的な“及び”の場合と排他的な“又は”の場合の両方のことを言い、本明細書においては簡略化のために使用されている。例えば、酢酸及び/又は酢酸メチルを含む混合物は、酢酸のみ、酢酸メチルのみ、又は酢酸と酢酸メチルの両方を含みうる。

0022

[0029]すべてのパーセンテージは、別途記載のない限り、存在する特定のストリーム又は組成物全重量を基にした重量パーセント(重量%)として表されている。別途記載のない限り、室温は25℃であり、大気圧は101.325kPaである。

0023

[0030]本明細書における目的上、酢酸は“AcOH”と略記されることがあり;
アセトアルデヒドは“AcH”と略記されることがあり;
酢酸メチルは“MeAc”と略記されることがあり;
メタノールは“MeOH”と略記されることがあり;
ヨウ化メチルは“MeI”と略記されることがあり;
ヨウ化水素は“HI”と略記されることがあり;
一酸化炭素は“CO”と略記されることがあり;そして
ジメチルエーテルは“DME”と略記されることがある。

0024

[0031]HIは、分子状のヨウ化水素か、又は極性媒体中、典型的には少なくとも多少の水を含む媒体中で少なくとも部分的にイオン化されている場合には解離ヨウ化水素酸のいずれかのことを言う。別途記載のない限り、この二つはほとんど同じ意味で使用される。別途記載のない限り、HI濃度は、電位差滴定終点を用いて酸−塩基滴定により決定される。特に、HI濃度は、標準酢酸リチウム溶液による電位差滴定終点までの滴定により決定される。本明細書における目的上、HI濃度は、サンプル中に存在する全ヨウ化物イオンから、測定値の腐食金属又はその他の非H+カチオン会合していると仮定されるヨウ化物の濃度を差し引くことによって決定されたではないことは理解されるべきである。

0025

[0032]HI濃度はヨウ化物イオン濃度を指しているのではないことは理解されるべきである。HI濃度は、具体的には、電位差滴定によって決定されるHI濃度のことを言う。
[0033]この減算法は、すべての非H+カチオン(例えば、Fe、Ni、Cr、Moのカチオン)がヨウ化物アニオンだけと会合していると仮定しているという事実のために、比較的低いHI濃度(すなわち約5重量パーセント未満)を決定するには信頼性のない不正確な方法である。実際、この方法においては金属カチオンの相当部分は酢酸アニオンと会合できる。さらに、これらの金属カチオンの多くは複数の原子価状態を有するので、これらの金属と会合されうるヨウ化物アニオンの量に関する仮定は、一段と信頼性に欠ける。結局のところ、特にHI濃度を直接表す単純な滴定が実施できることを考えると、この方法によってもたらされる実際のHI濃度の決定は信頼できないものとなる。

0026

[0034]本明細書における目的上、蒸留カラムの“オーバーヘッド”又は“蒸留物”とは、蒸留カラムの塔頂部又は塔頂部付近(例えば塔頂部近接)を出る低沸点凝縮性フラクションの少なくとも一つ、及び/又はそのストリーム又は組成物の凝縮形態のことを言う。明らかに、すべてのフラクションは最終的には凝縮可能であるが、それでも、本明細書における目的上、凝縮性フラクションは、当業者には容易に分かる通り、本方法に存在する条件下で凝縮可能である。非凝縮性フラクションの例は、窒素、水素などを含みうる。同様に、オーバーヘッドストリームは、蒸留カラムの最上部出口直下から取り出すことができ、例えば、そこでは、当業者には容易に分かる通り、最も低い沸点のフラクションは非凝縮性ストリームであるか又は僅少ストリームを表す。

0027

[0035]蒸留カラムの“ボトム”又は“残渣(residuum)”とは、蒸留カラムの底部又は底部付近を出る最も高沸点のフラクションの一つ又は複数のことを言う。本明細書においては、カラム底部液溜め(bottom sump)からの流れとも言う。当然のことながら、残渣は蒸留カラムの最底部出口の直上から取り出すことができる。例えば、そこでは、当業者には容易に分かる通り、カラムから生成される最底部フラクションは、塩、使用できないタール固体廃棄物、又は僅少ストリームである。

0028

[0036]本明細書における目的上、蒸留カラムは蒸留ゾーンと底部液溜めゾーンを含む。蒸留ゾーンは、底部液溜めゾーンの上方、すなわち底部液溜めゾーンとカラムの塔頂部の間のすべてを含む。本明細書における目的上、底部液溜めゾーンは、高沸点成分液体貯留槽が存在する蒸留カラムの下方部(例えば蒸留カラムの底部)のことを言い、そこからボトム又は残渣ストリームがカラムを出て流出する。底部液溜めゾーンは、リボイラー制御装置などを含みうる。

0029

[0037]蒸留カラムの内部コンポーネントと関連する“通路(passage)”、“流路(flow path)”、“流導管(flow conduit)”などの用語は、孔、管、チャンネルスリットドレーンなどのことを言うのに互換的に使用されることは当然理解されるはずである。これらは内部コンポーネントを貫いて配置され、及び/又は、液体及び/又は蒸気が内部コンポーネントの一方の側から内部コンポーネントの他方の側に移動するための通路を提供している。蒸留カラムの液体ディストリビューターなどの構造を貫いて配置されている通路の例は、ドレーン孔ドレーン管、ドレーンスリットなどで、これにより液体を構造の一方の側から別の側に流通させることができる。

0030

[0038]平均滞留時間は、蒸溜ゾーン内の所与の相についての全液体のホールドアップ体積の合計を、蒸留ゾーンを通るその相の平均流速で割ったものと定義される。所与の相のホールドアップ体積は、コレクターディストリビューターなどを含むカラムの様々な内部コンポーネントに含有される液体体積のほか、トレイ上、降下管(downcomer)内、及び/又は構造化もしくは無作為充填された床セクション内に含有される液体を含みうる。

0031

ロジウム触媒の有効空時収量(STY)
[0039]本発明は、ロジウム触媒の有効STYへの悪影響を削減するために、鉄、ニッケル、クロム、又はモリブデンなどの腐食金属の含量を維持することによって酢酸を製造する方法に関する。耐食性の装置内で反応を実施したり、ヨウ化水素などの腐食寄与化合物を低減することは腐食金属の削減に役立つかもしれないが、連続法においては、結局のところ、腐食金属が反応媒体中に蓄積する。理論に拘束されるわけではないが、特に鉄はロジウム触媒の有効STYに悪影響を及ぼすと考えられている。この悪影響は、ロジウム触媒の被毒又はロジウム触媒の失活の結果であろう。最大STYは、ロジウム触媒に何の被毒も又は失活もなしに達成されるであろう酢酸の空時収量(STY)のことを言う。有効STYは、ロジウム触媒の被毒又はロジウム触媒の失活がある場合のカルボニル化反応における酢酸のSTYによって測定される。有益には、最大STYに近い有効STYで方法を実施することが望ましい。

0032

[0040]一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒はロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0033

[0041]酢酸のSTYは、1時間あたり、カルボニル化反応器に含有される反応媒体1リットルあたり製造される酢酸のグラムモルで表され、5mol/L/h以上、例えば、10mol/L/h以上、12mol/L/h以上、15mol/L/h以上、又は20mol/L/h以上でありうる。範囲に関しては、酢酸のSTYは、5〜50mol/L/h、例えば、10〜40mol/L/h、10〜35mol/L/h、12〜30mol/L/h、12〜28mol/L/h、又は12〜25mol/L/hでありうる。例示的態様において、最大STYは15mol/L/hであり得るので、方法では、液体ストリームから鉄の一部を除去すれば、少なくとも12mol/L/h、例えば最大STYの少なくとも80%というロジウム触媒の有効STYを維持しうる。一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効STYを5〜50mol/L/hに維持する(ただし、有効STYは、最大STYの少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%)ことを含む酢酸の製造法を提供する。

0034

[0042]有効STYが最大STY未満の場合、カルボニル化法は、最大STYの100%を達成するために、ロジウムの量を増加することにより調整すればよい。ロジウムは、ロジウムとして200wppm〜3000wppmの装填量で反応器に装填される。ロジウムが失活すると、さらなるロジウムを添加して、有効STYを最大STYの100%に近づけるようにする。これによって有効STYは増大するが、反応媒体中の過剰の鉄によって引き起こされた失活を補うためにロジウム触媒を補充することには相当な資本コストが伴う。さらに、鉄濃度を制御しなければ、カルボニル化法は、失活したロジウム触媒を補充するために必要なロジウムの量は増加の一途をたどるであろう。これは、特に有効STYが最大STYの80%未満の場合に非常に非効率的となる。これを受けて、本発明の態様においては、反応媒体中の鉄濃度を維持することにより、添加される必要のあるロジウムの量を削減することができる。一態様において、方法は、最大STYの100%を達成するために有効STYに必要なロジウムの少なくとも85%を維持することを含む。さらに好ましくは、ロジウムの少なくとも90%、例えばロジウムの少なくとも92%又はロジウムの少なくとも95%を維持する。例示的態様において、ロジウムの装填は1000wppmであり、本発明は、最大STYの少なくとも97%という有効STYを達成するために必要なロジウムの量を削減するので、150wppm未満のロジウムの添加で最大STYが維持される。一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒はロジウムとして200〜3000wppmの濃度で装填される)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、液体ストリームから鉄の一部を除去し、そして最大STYの100%を達成するために有効STYに必要なロジウムの少なくとも85%を維持することを含む酢酸の製造法を提供する。有益なことに、鉄によって引き起こされる失活を削減するとロジウム触媒の寿命を延ばせるので、全体的な触媒の出費を削減する。

0035

[0043]鉄、ニッケル、クロム、ニッケル及びモリブデンなどの腐食金属が酢酸の製造速度及び方法の全体的安定性に悪影響を及ぼしうることは当該技術分野において一般的に開示されているが、反応媒体(又は反応器にリサイクルされる液体ストリーム)中の特定濃度の鉄が酢酸収量に及ぼす影響については十分に調査も又は理解もされていなかった。今回、驚くべきことに、そして予期せぬことに、鉄が酢酸のSTY及び金属触媒の失活に及ぼす影響は、ニッケル、クロム及びモリブデンなどの他の腐食金属に比べて、これまで予想されていたよりはるかに大きいことが発見された。さらに、一態様において、鉄含量をモニターし、それが閾値濃度に達したら鉄を除去することによって、酢酸のSTY損失を最小化できることも発見された。従って、鉄含量がモニターされ、除去は鉄含量が一定の閾値濃度に達したときに発動されるだけなので、鉄の除去工程は好ましくは要求に応じて(オンデマンドで)使用される結果、既存の腐食金属除去法と比べて経費節減をもたらす。本発明の目的上、鉄含量は、反応器中又は反応器にリサイクルされる液体ストリーム中で測定できる。液体ストリームは、フラッシュ容器からの低揮発性ストリームの一部と、一次精製トレインからの一つ又は複数のリサイクルストリームを含みうる。液体ストリーム中の鉄濃度は、反応器での鉄の測定が困難な場合に測定されればよい。

0036

[0044]閾値濃度は、失活及び被毒が少なくなるような反応媒体中の鉄濃度を達成するために設定できる。閾値濃度を低く設定しすぎると、鉄除去工程をあまりにも頻繁に稼働させることになり、陽イオン交換樹脂の消耗をもたらしうる。逆に、閾値濃度を高く設定しすぎると、反応媒体中に高レベルの鉄が蓄積されることになり、有効STYのさらなる低下をもたらす。一態様において、鉄濃度の閾値は、500wppm〜1200wppmの範囲内で選択される値である。好ましくは、反応媒体中の鉄濃度は閾値より低い。例えば、閾値が1200wppmの場合、反応媒体中の鉄濃度は1200wppm未満、例えば1〜1200wppmである。別の例示的態様において、500wppmという低い閾値は、反応媒体中の鉄濃度を500wppm未満、例えば1〜500wppmに維持するために望ましい。一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、0.1〜14重量%の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含む)、反応媒体の一部について鉄の閾値を設定し(ここで、鉄濃度の閾値は500wppm〜1200wppmの範囲内で選択される値である)、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、そして鉄含量が閾値を超過している場合に液体ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法を提供する。有益なことに、閾値を設定し、閾値を超過した鉄を除去することは、鉄による失活を削減できるので、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%、例えば少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%というレベルに維持できる。

0037

酢酸製造系
[0045]例示的な酢酸の製造法を以下に記載する。明確にする都合上、実際の実施のすべての特徴が本明細書に記載されているわけではない。当然のことながら、何らかのこのような実際の態様の開発においては、開発者の具体的目標を達成するために、実施ごとに異なるであろうシステム関連及びビジネス関連の制約の順守など、実施に特有の多数の決定をせねばならないことは理解されるはずである。さらに、このような開発努力は複雑であり時間もかかることであるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては日常業務であることも当然理解されるであろう。

0038

[0046]本明細書中に記載の精製法は、ロジウムなどのVIII族金属触媒及びハロゲン含有触媒プロモーターの存在下、メタノール及び/又は酢酸メチル(MeAc)、ギ酸メチル又はジメチルエーテル、又はそれらの混合物を使用して酢酸を製造するカルボニル化法に有用であり得る。特に有用な方法は、米国特許第5,001,259号に例示されているような、メタノールから酢酸への低水分ロジウム触媒カルボニル化である。イリジウム系触媒など、他の金属触媒も想定されている。

0039

[0047]一般的に、触媒系の金属成分、例えばロジウム成分は、ロジウム成分とハロゲン配位化合物の形態で存在すると考えられている(ハロゲン成分はそのような配位化合物のリガンドの少なくとも一つを提供する)。ロジウムとハロゲンの配位に加えて、一酸化炭素もロジウムと配位していると考えられている。触媒系のロジウム成分は、反応ゾーンに、ロジウム金属ロジウム塩、例えば酸化物酢酸塩、ヨウ化物、炭酸塩水酸化物塩化物など、又は反応環境でロジウムの配位化合物の形成をもたらすその他の化合物の形態のロジウムを導入することによって提供できる。

0040

[0048]金属触媒はVIII族金属を含みうる。適切なVIII族触媒は、ロジウム及び/又はイリジウム触媒などである。ロジウム触媒が使用される場合、ロジウム触媒は、当該技術分野で周知の通り、ロジウムが[Rh(CO)2I2]−アニオンを含む平衡混合物として触媒溶液中に存在するような任意の適切な形態で添加できる。本明細書中に記載の方法の反応混合物中に維持されていてもよいヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩第四級アンモニウム塩ホスホニウム塩、又はそれらの混合物の形態でありうる。一定の態様において、触媒コプロモーターは、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はそれらの混合物である。塩のコプロモーターは、ヨウ化物塩を生成する非ヨウ化物塩として添加されてもよい。ヨウ化物触媒安定剤を反応系に直接導入することもできる。あるいは、ヨウ化物塩はその場で生成させてもよい。なぜならば、反応系の運転条件下で、様々な非ヨウ化物塩前駆体が反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して、対応するコプロモーターのヨウ化物塩安定剤を生成するからである。ロジウム触媒作用及びヨウ化物塩生成に関する更なる詳細については、米国特許第5,001,259号;5,026,908号;5,144,068号及び7,005,541号を参照(これらの全文は引用によって本明細書に援用する)。イリジウム触媒を利用するメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許第5,942,460号、5,932,764号、5,883,295号、5,877,348号、5,877,347号及び5,696,284号に一般的に記載されている(これらの全文は引用によって本明細書に援用する)。

0041

[0049]触媒系のハロゲン含有触媒プロモーターは、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物からなる。従って、アルキルアリール、及び置換アルキルもしくはアリールハロゲン化物が使用できる。好ましくは、ハロゲン含有触媒プロモーターは、ハロゲン化アルキルの形態で存在する。なおさらに好ましくは、ハロゲン含有触媒プロモーターは、アルキル基が、カルボニル化される原料アルコールのアルキル基に対応するハロゲン化アルキルの形態で存在する。従って、メタノールから酢酸へのカルボニル化においては、ハロゲン化物プロモーターは、ハロゲン化メチル、さらに好ましくはヨウ化メチルを含みうる。

0042

[0050]反応媒体は、ロジウムとして200〜3000wppm、例えば500〜2000wppm、又は600〜1500wppmの量のロジウム触媒を含有する。ロジウムの失活を防止するために、本発明は、反応媒体中の鉄濃度をロジウム触媒より低い濃度に削減する。鉄濃度がロジウム触媒濃度を超過すると、触媒失活に対する悪影響が加速する。従って、一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体中のロジウム触媒濃度はロジウムとして200〜3000wppmの量である);そして反応媒体中の鉄濃度をロジウム触媒濃度未満に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0043

[0051]態様において、反応媒体中の鉄濃度は、1200wppm以下、例えば1100wppm以下、1000wppm以下、900wppm以下、800wppm以下、700wppm以下、600wppm以下、500wppm以下、400wppm以下、又は300wppm以下に維持される、及び/又は反応媒体中の鉄濃度は、0wppm以上、例えば1wppm以上、5wppm以上、25wppm以上、50wppm以上、100wppm以上、200wppm以上、300wppm以上、又は400wppm以上に維持される。一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒はロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0044

[0052]本明細書中に記載のように、反応媒体中の鉄濃度の制御は、ロジウム触媒の更なる失活の防止に有益である。一部の態様においては、反応媒体中に蓄積する他の腐食金属があるかもしれない。これらの腐食金属は、ニッケル、モリブデン、及びクロムなどである。一態様において、ニッケル、モリブデン、及びクロムの総濃度は、反応媒体中の鉄の濃度未満である。態様において、反応におけるニッケル、モリブデン、及びクロムの総濃度は、800wppm以下、例えば700wppm以下、600wppm以下、500wppm以下、400wppm以下、300wppm以下、200wppm以下、又は100wppm以下に維持される、及び/又は反応におけるニッケル、モリブデン、及びクロムの総濃度は、0wppm以上、例えば1wppm以上、5wppm以上、10wppm以上、20wppm以上、25wppm以上、50wppm以上、300wppm以上、又は100wppm以上に維持される。一部の態様において、反応媒体中の、鉄、ニッケル、モリブデン、及びクロムを含む総腐食金属濃度は、10〜2500wppm、例えば20〜2000wppm、50〜1500wppm、50〜1000wppm、又は50〜500wppmであろう。

0045

[0053]一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒はロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは、鉄、ニッケル、モリブデン、クロム、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる一つ又は複数の腐食金属を含む)、そして液体ストリームから一つ又は複数の腐食金属の一部を除去して、反応媒体中の総腐食金属濃度を10〜2500wppmに維持することを含む酢酸の製造法を提供する。好適な態様において、反応媒体中の鉄濃度は1200wppm以下に維持される。

0046

[0054]ロジウム触媒と鉄濃度のほか、反応媒体の他の成分も規定された限界内に維持して酢酸の十分な製造を確保する。反応媒体中の水の濃度は、14重量%以下、例えば、0.1重量%〜14重量%、0.2重量%〜10重量%、又は0.25重量%〜5重量%に維持される。好ましくは、反応は低水分条件下で実施され、反応媒体は、0.1〜4.1重量%、例えば0.1〜3.1重量%、又は0.5〜2.8重量%の量の水を含有する。反応媒体中のヨウ化メチルの濃度は、1〜25重量%、例えば5〜20重量%、4〜13.9重量%に維持される。反応媒体中のヨウ化物塩、例えばヨウ化リチウムの濃度は、1〜25重量%、例えば2〜20重量%、3〜20重量%に維持される。反応媒体中の酢酸メチルの濃度は、0.5〜30重量%、例えば0.3〜20重量%、0.6〜4.1重量%に維持される。以下の量は反応媒体の全重量に基づく。反応媒体中の酢酸の濃度は、30重量%以上、例えば40重量%以上、50重量%以上、又は60重量%以上である。反応媒体中のアセトアルデヒドの濃度は、好ましくは低濃度に維持され、一態様において、アセトアルデヒド濃度は、1500wppm以下、例えば1200wppm以下、1000wppm以下、900wppm以下、800wppm以下、700wppm以下、600wppm以下、500wppm以下、又は400wppm以下の量である。従って、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、ハロゲン化物塩、及びアセトアルデヒドを含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度は1500wppm以下の量である)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去し、好ましくはロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持するために鉄を除去することを含む酢酸の製造法を提供する。

0047

[0055]態様において、酢酸の製造法はさらに、反応器にリチウム化合物を導入して、反応媒体中の酢酸リチウム濃度を0.3〜0.7重量%の量に維持することを含む。その場合、例示的態様において、反応媒体中では、カルボニル化反応器内に存在する反応媒体の全重量を基にして、ロジウム触媒の濃度は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量に維持され、水の濃度は反応媒体中に0.1〜4.1重量%の量に維持され、そして酢酸メチルの濃度は反応媒体中に0.6〜4.1重量%に維持される。

0048

[0056]態様において、反応器に導入されるリチウム化合物は、酢酸リチウム、カルボン酸リチウム炭酸リチウム水酸化リチウム、その他の有機リチウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。態様において、リチウム化合物は反応媒体に可溶である。態様において、酢酸リチウム二水和物がリチウム化合物源として使用できる。

0049

[0057]酢酸リチウムは、下記平衡反応(I)に従ってヨウ化水素と反応し、ヨウ化リチウムと酢酸を形成する。

0050

0051

[0058]酢酸リチウムは、反応媒体中に存在する酢酸メチルなどの他のアセテートに比べて、ヨウ化水素濃度の制御を改良すると考えられている。理論に拘束されるわけではないが、酢酸リチウムは酢酸の共役塩基であるので、酸−塩基反応により、ヨウ化水素に対して反応性を示す。この性質のために、対応する酢酸メチルとヨウ化水素の平衡によって生成する反応生成物に加えて、反応生成物寄りの反応(I)の平衡がもたらされると考えられている。この改良された平衡は、反応媒体中の水分濃度が4.1重量%未満であることによって有利になる。さらに、酢酸メチルに比べて酢酸リチウムの比較的低い揮発性のために、酢酸リチウムは、揮発減量や蒸気粗生成物への少量の同伴(entrainment)を除いて、反応媒体中に残留することができる。これに対し、酢酸メチルの比較的高い揮発性は、その物質の精製トレインへの蒸留を可能にするので、酢酸メチルを一層制御困難にする。酢酸リチウムの方がはるかに、方法においてヨウ化水素を一貫した低濃度に維持及び制御しやすい。従って、反応媒体中のヨウ化水素濃度を制御するのに必要な酢酸メチルの量と比べて、比較的少量の酢酸リチウムの使用で済む。さらに、酢酸リチウムは、ヨウ化メチルのロジウム[I]錯体への酸化的付加の促進において、酢酸メチルよりも少なくとも3倍有効であることも見出された。しかしながら、反応媒体中のリチウム化合物から誘導及び/又は生成されたリチウムカチオンは一次精製トレインでの精製後、粗酢酸生成物と共に同伴されうるか、又は粗酢酸生成物と共に濃縮するに足るほど揮発性であり得ることが見出された。

0052

[0059]態様において、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.3重量%以上、又は0.35重量%以上、又は0.4重量%以上、又は0.45重量%以上、又は0.5重量%以上に維持され、及び/又は態様において、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.7重量%以下、又は0.65重量%以下、又は0.6重量%以下、又は0.55重量%以下に維持される。

0053

[0060]反応媒体中の過剰の酢酸リチウムは、反応媒体中の他の化合物に悪影響を及ぼし、生産性の低下を招きうることが分かった。反対に、反応媒体中の酢酸リチウム濃度が約0.3重量%未満であると、1.3重量%未満という反応媒体中の所望のヨウ化水素濃度を維持できないことも分かった。

0054

[0061]態様において、リチウム化合物は、反応媒体に連続的に導入されても又は断続的に導入されてもよい。態様において、リチウム化合物は、反応器の始動中に導入される。態様において、リチウム化合物は、同伴損失を補うために断続的に導入される。

0055

[0062]従って、一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、ハロゲン化物塩、及び酢酸リチウムを含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去し、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0056

[0063]一部の態様において、所望の反応速度は、低水分濃度であっても、反応媒体中に所望のカルボン酸とアルコール(望ましくはカルボニル化に使用されるアルコール)のエステルと、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオン以外に追加のヨウ化物イオンとを維持することによって得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。追加のヨウ化物イオンは、望ましくはヨウ化物塩で、ヨウ化リチウム(LiI)が好適である。米国特許第5,001,259号に記載されているように、低水分濃度下では酢酸メチルとヨウ化リチウムは速度プロモーターとして働くことが見出されている。

0057

[0064]メタノールから酢酸生成物へのカルボニル化反応は、カルボニル化生成物の形成に適切な温度及び圧力条件で、メタノール原料を、ロジウム触媒、ヨウ化メチルプロモーター、酢酸メチル、及び追加の可溶性ヨウ化物塩を含有する酢酸溶媒反応媒体中に通気される一酸化炭素ガスと接触させることによって実施できる。重要なのは触媒系のヨウ化物イオンの濃度であって、ヨウ化物と会合するカチオンではないこと、そしてヨウ化物の所与のモル濃度においてカチオンの性質はヨウ化物の濃度の影響ほど重要でないことは一般的に認識されている。どのような金属ヨウ化物塩も、又は任意の有機カチオンもしくはその他のカチオン、例えばアミン又はホスフィン化合物に基づくカチオン(第三級又は第四級カチオンでもよい)のどのようなヨウ化物塩も、その塩が反応媒体中に十分可溶性で、所望濃度のヨウ化物を提供できるならば、反応媒体中に維持できる。ヨウ化物が金属塩の場合、好ましくは、“Handbook of Chemistry and Physics”、CRCPress出版オハイオ州クリーブランド、2002−03(第83版)に示されているように、周期表IA族及びIIA族の金属からなる群のメンバーのヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物は有用で、ヨウ化リチウムは特に適切である。低水分カルボニル化法では、ヨウ化水素として存在しているヨウ化物イオン以外の追加のヨウ化物イオンは、一般的に、触媒溶液中に、全ヨウ化物イオン濃度が1〜25重量%になるような量で存在し、酢酸メチルは一般的に0.5〜30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルは一般的に1〜25重量%の量で存在する。ロジウム触媒は、一般的に、ロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する。

0058

[0065]反応媒体は、副産物の形成を回避するために制御されるべき不純物も含有しうる。反応媒体中の一つの不純物は、酢酸から分離するのが困難なヨウ化エチルであろう。出願人は、さらに、ヨウ化エチルの形成は、反応媒体中のアセトアルデヒド、酢酸エチル、酢酸メチル及びヨウ化メチルの濃度を含む多数の変数によって影響されうることも見出した。さらに、メタノール原料中のエタノール含量、一酸化炭素原料中の水素分圧及び水素含量も、反応媒体中のヨウ化エチル濃度、ひいては最終酢酸生成物中のプロピオン酸濃度に影響することが分かった。

0059

[0066]一態様においては、メタノール原料中に微量の鉄(wppb)が粒子状物質又は錆の形態の可溶性鉄として存在しうる。さらに、一酸化炭素原料中にも微量の鉄、特にペンタカルボニル鉄が存在することがあり、これも反応器に導入される。

0060

[0067]態様において、酢酸生成物中のプロピオン酸濃度は、さらに、反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持することにより、酢酸生成物からプロピオン酸を除去せずとも250wppm未満に維持することができる。一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、ハロゲン化物塩、及びヨウ化エチルを含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ヨウ化エチルの濃度は750wppm以下である)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去し、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0061

[0068]態様において、反応媒体中のヨウ化エチル濃度及び酢酸生成物中のプロピオン酸は、3:1〜1:2の重量比で存在しうる。態様において、反応媒体中のアセトアルデヒド:ヨウ化エチル濃度は、2:1〜20:1の重量比に維持される。

0062

[0069]態様において、反応媒体中のヨウ化エチル濃度は、反応媒体中の水素分圧、酢酸メチル濃度ヨウ化メチル濃度、及び/又はアセトアルデヒド濃度の少なくとも一つを制御することによって維持できる。

0063

[0070]態様において、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、750wppm以下、又は例えば650wppm以下、又は550wppm以下、又は450wppm以下、又は350wppm以下に維持/制御される。態様において、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、1wppm、又は例えば5wppm、又は10wppm、又は20wppm、又は25wppm以上、かつ650wppm、又は例えば550wppm、又は450wppm、又は350wppm以下に維持/制御される。

0064

[0071]態様において、反応媒体中のヨウ化エチル対酢酸生成物中のプロピオン酸の重量比は、3:1〜1:2、又は例えば5:2〜1:2、又は2:1〜1:2、又は3:2〜1:2の範囲でありうる。

0065

[0072]態様において、反応媒体中のアセトアルデヒド対ヨウ化エチルの重量比は、20:1〜2:1、又は例えば15:1〜2:1、9:1〜2:1、又は6:1〜の範囲でありうる。

0066

[0073]カルボニル化の典型的な反応温度は、150℃〜250℃、例えば160℃〜240℃、170℃〜230℃でよく、180℃〜225℃の温度範囲好適範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧幅広く変動しうるが、典型的には2〜30atm、例えば3〜10atmである。反応器内の水素分圧は、典型的には0.05〜2atm、例えば1〜1.9atmである。一部の態様において、本発明は、水素分圧0.3〜2atm、例えば0.3〜1.5atm、又は0.4〜1.5atmで運転されうる。副産物の分圧及び含有液体蒸気圧のために、全反応器圧は15〜40atmに範囲になりうる。本明細書中に記載のように、酢酸のSTYによって決定される酢酸の製造速度は、5〜50mol/L/h、例えば10〜40mol/L/h、好ましくは15〜35mol/L/hになりうる。

0067

[0074]例示的な反応及び酢酸回収系100を図1に示す。示されているように、メタノール含有供給ストリーム101と一酸化炭素含有供給ストリーム102は、液相カルボニル化反応器104に送られる。ここでカルボニル化反応が起こり、酢酸が形成される。

0068

[0075]カルボニル化反応器104は、好ましくは、撹拌容器又は気泡塔型容器のいずれかで、撹拌機は付いていてもいなくてもよい。この内部で、反応液又はスラリー内容物は、好ましくは自動的に所定のレベルに維持される。このレベルは、好ましくは通常運転中は実質的に一定のままである。カルボニル化反応器104に、新鮮なメタノール、一酸化炭素、及び十分な水が必要に応じて連続的に導入され、反応媒体中の適切な濃度が維持される。

0069

[0076]カルボニル化反応器104及びその付属フィッティングならびに各種ラインの材料は、ガラス、金属、セラミック、又はそれらの組合せなどの適切な材料から製造でき、特定の一つに特に限定されない。付属フィッティングは、付属配管ポンプ及び熱交換器などであるが、これらに限定されない。本発明によれば、カルボニル化反応器104及びその付属フィッティングならびに各種ラインの材料は、遷移金属又は鉄合金などの遷移金属ベース合金、例えばニッケル又はニッケル合金ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、あるいはチタン又はそのチタン合金でありうる。適切な鉄基合金は、主成分として鉄を含有するもの、例えばステンレス鋼(クロム、ニッケル、モリブデン及びその他も含む)などである。適切なニッケル基合金は、主成分としてニッケルと、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステンマンガン、及びその他の一つ又は複数を含有する合金、例えばHATELLOYTM及びINCONELTMなどである。耐食金属は、カルボニル化反応器104及びその付属フィッティングならびに各種ラインの材料として特に適切でありうる。カルボニル化反応器104に耐食金属が使用された場合でも、反応器の付属フィッティング及び各種ラインは低耐食金属で製造されることがあり、これが鉄を含む腐食金属の供給源になりうる。従って、一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応器は、遷移金属又は鉄合金などの遷移金属ベース合金、例えばニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、あるいはチタン又はそのチタン合金を含む)、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去し、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0070

[0077]典型的なカルボニル化法において、一酸化炭素は、カルボニル化反応器に、望ましくは内容物を撹拌するために使用できる撹拌機下で、連続的に導入される。気体状の供給原料は、好ましくは、この撹拌手段によって、反応液全体に完全に分散される。ガスパージストリーム106は、気体状副産物の蓄積を防止し、所与の全反応器圧における設定一酸化炭素分圧を維持するために、望ましくは反応器104から排出される。一態様において、ガスパージストリーム106は、1重量%以下、例えば0.9重量%以下、0.8重量%以下、0.7重量%以下、0.5重量%以下、0.3重量%以下の少量のヨウ化水素を含有する。ヨウ化水素がこれらの量を超過すると、ヨウ化水素がパージされないようにするためにスクラバーにかかる負荷が増大しうる。反応器の温度は制御でき、一酸化炭素原料は、所望の全反応器圧を維持するのに足る速度で導入される。液体反応媒体を含むストリーム105は反応器104を出る。

0071

[0078]酢酸製造系は、好ましくは、酢酸を回収し、触媒、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び工程内のその他の系成分をリサイクルするために使用される一次精製トレイン108を含む。しかしながら、これらの成分のリサイクルにおいては腐食金属も工程により反応器104にリサイクルされうるので、腐食金属の蓄積にさらに寄与することになる。一次精製トレイン108は、ライトエンド軽留分)カラム120と乾燥カラム125、及び付属のポンプ、オーバーヘッド受け器凝縮器などを含む。分離系も、カルボニル化反応器ならびに系全体の水分及び酢酸含量を制御し、PRC除去を促進するのが好ましい。一態様において、低揮発性ストリーム111の一部を含む液体リサイクル137と、一次精製トレイン108からの一つ又は複数のリサイクルストリーム138の一部は、反応器104に導入される。反応器104に蓄積する鉄は、液体リサイクル137によって導入されうる。そこで、液体リサイクル137から、他の腐食金属のほかに、鉄を除去することが重要である。

0072

フラッシュ容器
[0079]反応媒体は、カルボニル化反応器104から、その内部を一定レベルに維持するのに足る速度で引き抜かれ、ストリーム105を通ってフラッシュ容器110に供給される。フラッシュ容器110において粗生成物はフラッシュ分離工程で分離され、酢酸を含む蒸気生成物ストリーム112と、触媒含有溶液(主にロジウム及びヨウ化物塩と少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水を含有する酢酸)を含む低揮発性ストリーム111(これは好ましくは液体リサイクル137の一部として反応器にリサイクルされる)とを得る。蒸気生成物ストリーム112と低揮発性ストリーム111の各流量は変動しうるが、一つの例示的態様においては、フラッシュ容器110に入る流量(flow)の15%〜55%が蒸気生成物ストリーム112として取り出され、流量の45%〜85%が低揮発性ストリーム111として取り出される。鉄を含む腐食金属は、低揮発性ストリーム111中に濃縮し、カルボニル化反応器104に戻るので、これらの腐食金属は反応媒体に望ましくない蓄積を起こすことになる。

0073

[0080]フラッシュ容器110及びその付属フィッティングならびに各種ライン(それぞれ蒸留系に連絡している)の材料は、ガラス、金属、セラミック、又はそれらの組合せなどの適切な材料から製造でき、特定の一つに特に限定されない。本発明によれば、前述のフラッシュ容器110及びその付属フィッティングならびに各種ラインの材料は、遷移金属又は遷移金属ベース合金、例えばステンレス鋼などの鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、チタン又はそのチタン合金、あるいはアルミニウム合金でありうる。適切な鉄基合金は、主成分として鉄を含有するもの、例えばステンレス鋼(クロム、ニッケル、モリブデン及びその他も含む)などである。適切なニッケル基合金は、主成分としてニッケルと、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、マンガン、及びその他の一つ又は複数を含有する合金、例えばHASTELLOYTM及びINCONELTMなどである。耐食金属は、フラッシュ容器110及びその付属フィッティングならびに各種ラインの材料として特に適切でありうる。従って、一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ(ここで、フラッシュ容器は、遷移金属又は遷移金属ベース合金、例えばステンレス鋼などの鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、チタン又はそのチタン合金、あるいはアルミニウム合金を含む)、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去し、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持することを含む酢酸の製造法を提供する。

0074

[0081]蒸気生成物ストリーム112は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、及び過マンガン酸還元性化合物(PRC)も含む。反応器を出てフラッシュ容器に入る溶存ガスは、一酸化炭素の一部を含み、そしてまた、メタン、水素、及び二酸化炭素などの気体状副産物も含有しうる。そのような溶存ガスは、オーバーヘッドストリームの一部としてフラッシュ容器を出る。一態様において、蒸気生成物ストリーム112は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、アセトアルデヒド、及びヨウ化水素を含む。一態様において、蒸気生成物ストリーム112は、蒸気生成物ストリームの全重量を基にして、45〜75重量%の量の酢酸、20〜50重量%の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。別の態様において、蒸気生成物ストリーム112は、蒸気生成物ストリームの全重量を基にして、45〜75重量%の量の酢酸、24から36重量%未満の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。さらに好ましくは、蒸気生成物ストリーム112は、55〜75重量%の量の酢酸、24〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜8重量%の量の酢酸メチル、及び0.5〜14重量%の量の水を含む。なおさらに好適な態様において、蒸気生成物ストリーム112は、60〜70重量%の量の酢酸、25〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜6.5重量%の量の酢酸メチル、及び1〜8重量%の量の水を含む。蒸気生成物ストリーム中のアセトアルデヒド濃度は、蒸気生成物ストリームの全重量を基にして、0.005〜1重量%、例えば0.01〜0.8重量%、又は0.01〜0.7重量%の量でありうる。一部の態様において、アセトアルデヒドは、0.01重量%以下の量で存在しうる。蒸気生成物ストリーム112は、蒸気生成物ストリームの全重量を基にして、1重量%以下、例えば0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の量のヨウ化水素を含みうる。蒸気生成物ストリーム112は、好ましくは、蒸気生成物ストリームの全重量を基にして、プロピオン酸を実質的に含まない、すなわち0.0001重量%以下のプロピオン酸しか含有しない。

0075

[0082]低揮発性ストリーム111は、酢酸、ロジウム触媒、腐食金属のほか、その他の様々な化合物を含む。一態様において、低揮発性ストリーム111は、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの腐食金属(例えば、ニッケル、鉄、モリブデン、及びクロム);5〜20重量%の量のヨウ化リチウム;1〜25重量%(例えば1〜5重量%)の量のヨウ化メチル;0.1〜5重量%の量の酢酸メチル;0.1〜8重量%の量の水;1重量%以下の量のアセトアルデヒド(例えば0.0001〜1重量%のアセトアルデヒド);及び0.5重量%以下の量のヨウ化水素(例えば0.0001〜0.5重量%のヨウ化水素)を含む。

0076

鉄の検出及び除去
[0083]本明細書中に記載のように、カルボニル化反応を長期間、例えば、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間にわたって稼働すると、カルボニル化反応器及び/又はフラッシュ容器、その付属フィッティングならびに各種ラインから腐食金属が反応媒体、及び低揮発性ストリーム111に溶け込み、その中に望ましくない蓄積をもたらす。さらに、本明細書中に記載のように、一次精製トレイン108からの様々なリサイクルストリーム138にも腐食金属が含まれており、これも反応媒体に蓄積する。これらの様々なリサイクルストリーム138の一部は、低揮発性ストリーム111の一部と一緒になって、腐食金属除去装置115で処理される。方法は連続的なので、腐食金属は反応器104に蓄積し続ける。特定の腐食金属は金属学に依拠するが、一般的には、鉄、ニッケル、モリブデン及びクロムを含む。腐食金属は、カルボニル化反応を妨害し、水性ガスシフト反応及びメタン形成などの競合反応を促進し、ロジウム触媒を不活化することが知られている。腐食金属濃度が増加すると、PRC濃度も比例して増加する。腐食金属の除去が望ましいことは当該技術分野で認識されているが、腐食金属は、いずれか一つの特定腐食金属、例えば鉄に的を絞った削減ではなく、一般的に総腐食金属濃度を削減するために反応器104から除去されている。図2は、前述のように低水分条件下でのロジウム触媒系について、総腐食金属濃度(重量百万分率(“wppm”)で報告)を、反応器104中のアセトアルデヒド濃度(wppm)の変化に対してプロットしたものである。図2から、総腐食金属濃度が増加すると、アセトアルデヒド濃度も増加することが分かる。同様の関係を図3に示す。ここでは、鉄濃度(wppm)が反応器104中のアセトアルデヒド濃度(wppm)の変化と比較されている。前述のように、アセトアルデヒド含量の増加は精製を増やすことになり、ひいては費用の増加と生産率の制限を招く。さらに、総腐食金属濃度が増加すると、ブチルアルデヒドクロトンアルデヒド、及び2−エチルクロトンアルデヒドを含むその他のPRCの含量も酢酸ブチルも増加する。従って、PRC濃度を削減するために総腐食金属濃度を削減するという従来の戦略は、図2及び3のデータによって裏付けられている。

0077

[0084]個別の腐食金属の更なる評価から、思いがけないことに、すべての腐食金属のうち、閾値レベルを超える鉄の存在が、酢酸のSTYに対して、不釣り合いに大きな影響を及ぼしていることが示された。従って、総腐食金属濃度を測定しても、鉄濃度の信頼できる指標は提供できない。例えば、本明細書においてさらに解説するが、図6は、ロジウム触媒系に対する鉄の毒作用を示している。約450wppmの鉄から1750wppmの鉄への増加は、10%を超える酢酸のSTYの低下をもたらしている。

0078

[0085]この予想を上回る鉄の重要性に鑑み、発明者らは、低揮発性ストリーム105、従って反応媒体(方法が連続稼働される場合)における鉄の閾値レベルを決定し、その後、その閾値レベルを鉄除去工程中に使用することが重要であることを見出した。低揮発性ストリーム111は、腐食のために、設定閾値を超える鉄を含みうることは理解されるはずである。本発明の目的上、低揮発性ストリーム111中の鉄濃度は、反応媒体の一部の気化のために、反応媒体中の鉄濃度よりも濃縮することになろう。一態様において、閾値鉄濃度は、500wppm〜1200wppmの範囲内で選ばれる値、例えば1200wppm、1100wppm、1000wppm、900wppm、800wppm、700wppm、600wppm、又は500wppmに設定される。低揮発性ストリーム111中の鉄が閾値レベルに達したら、鉄の少なくとも一部を低揮発性ストリーム111から除去する、例えば低揮発性ストリーム111中の鉄濃度が閾値レベル未満の点に到達するまで鉄を除去する。例えば、閾値レベルが1200wppmで、低揮発性ストリーム111が1300wppmの濃度の鉄を含む場合、低揮発性ストリーム111から少なくとも100wppm、例えば少なくとも200wppm、少なくとも500wppm、少なくとも1000wppm又は少なくとも1200wppmの鉄を除去する。低揮発性ストリーム111から除去される鉄のパーセンテージに関しては、少なくとも5%、例えば少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%又は少なくとも80%の鉄が除去されうる。除去される鉄の量を制御するためには、スリップストリーム114を通る流量を必要に応じて増加又は減少させて、鉄を除去し、閾値未満の鉄濃度を達成すればよい。

0079

[0086]すべての鉄を除去することはロジウム触媒の失活を防止するために有益であろうが、鉄の除去は、鉄の除去に関連する費用と、鉄によって失活されたロジウム触媒を補充する費用とを比較してバランスを取る。一部の態様において、スリップストリーム114を通る鉄の除去後、反応混合物は、1〜1200wppm、例えば1〜1100wppm、1〜1000wppm、10〜1000wppm、50〜800wppm、100〜500wppm、又は300〜500wppmの濃度の鉄を含みうる。

0080

[0087]上記方法の一つの重要な側面は、いつ鉄を低揮発性ストリーム111から除去すべきかを決定するために鉄の閾値レベルを利用することである。この関連で鉄の閾値レベルの利用を実行するために、一般的な分離原則、例えばガード床(guard bed)分離を採用することは、本発明の想定の範囲内である。本明細書中に開示されている鉄除去系の例は、単に例示であって、本発明の範囲を制限することは意図していない。いずれかその他の特定の鉄除去系も、鉄の閾値レベルの概念が採用されている限り、本発明の範囲内である。

0081

[0088]反応器104及び/又は低揮発性ストリーム111中の鉄の濃度は、オフライン測定により決定できる。一部の態様では、サンプルを反応器104及び/又は低揮発性ストリーム111から取り出し、誘導結合プラズマ発光分析によって分析する。他の態様では、反応器104及び/又は低揮発性ストリーム111からのサンプルを誘導結合プラズマ質量分析を用いて分析する。なおさらなる態様においては、反応器104及び/又は低揮発性ストリーム111からのサンプルを原子吸光分光学によって分析する。さらなる態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、反応媒体を、鉄を含む低揮発性ストリームと蒸気生成物ストリームとに分離し、そして反応媒体中の鉄含量が1200wppmを超えたら低揮発性ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法を提供する。

0082

[0089]反応器104及び/又は低揮発性ストリーム111中の鉄濃度の決定に使用された方法が何であれ、鉄の閾値レベル以上の鉄含量が測定されたら、低揮発性ストリーム111の少なくとも一部、例えばスリップストリーム114を腐食金属除去装置115に送り、精製ストリーム116にする。精製ストリーム116は、スリップストリーム114に比べて削減された鉄濃度を有する。精製ストリーム116は、低揮発性ストリーム111の残り部分と一緒になって液体リサイクル117になり、反応器104に注入される。腐食金属除去装置115は、米国特許第4,894,477号、5,124,290号、及び5,731,252号に開示されているようなイオン交換床を含みうる。前記特許は引用によりそれらの全文を本明細書に援用する。

0083

[0090]一態様において、液体リサイクル117は、鉄の除去後、1〜1200wppm、例えば1〜1100wppm、1〜1000wppm、10〜1000wppm、50〜800wppm、100〜500wppm、又は300〜500wppmの量の鉄を含む。液体リサイクル117中の鉄濃度は、一般的に反応器104の反応媒体中の鉄濃度に相当する。

0084

[0091]鉄の除去に有用な樹脂(潜在的にはニッケル、クロム、及びモリブデンを含むその他の腐食金属も除去できる)は、酸又はリチウム型の強酸タイプの陽イオン交換樹脂である。どちらのタイプも商品として容易に入手できる。本発明での使用に好適な樹脂である強酸陽イオン交換樹脂は、主にスルホン化スチレンジビニルベンゼンコポリマーで構成されているが、入手できるこの種の樹脂の一部はフェノールホルムアルデヒド縮合ポリマーである。ゲルタイプ又は巨大網状(macroreticular)タイプのいずれかの樹脂が適切であるが、処理される低揮発性ストリーム111の一部には有機成分が存在しているので、後者の方が好適である。

0085

[0092]低揮発性ストリーム111の少なくとも一部と樹脂との接触は、樹脂が十分な撹拌でスラリー化されている撹拌容器で実施でき、その後、低揮発性ストリーム111は、デカンテーション、ろ過、遠心分離などによって回収される。しかしながら、低揮発性ストリーム111の処理は、通常、低揮発性ストリーム111の少なくとも一部を樹脂の固定床カラムに通すことによって実施される。

0086

[0093]陽イオン交換処理は、0〜120℃の範囲の温度で実施できるが、樹脂の安定性によって制限されるだけで、それより低温が使用されても又は高温が使用されてもよい。好適な温度は20〜90℃の範囲の温度である。触媒含有溶液の沸点より高い温度が使用される場合、溶液を液相に維持するために加圧下での運転が必要となる。しかしながら、圧力は重要な変数ではない。一般的に大気圧か又は大気圧よりわずかに高い圧力が使用されるが、所望であれば、大気圧以上(superatmospheric)又は大気圧以下(subatmospheric)の圧力も使用できる。

0087

[0094]腐食金属除去工程中に樹脂を通るスリップストリームの流速は、鉄を除去するために制御でき、1〜20床体積/時間(bed volumes per hour)の範囲でありうる。好ましくは、1〜12床体積/時間の低流速が採用されうる。さらに、鉄濃度が閾値未満の場合、スリップストリーム114の流速は1床体積/時間未満でよく、必要になるまで閉鎖されていてもよい。接触後、水で、又は酢酸のような触媒が処理された工程からのカルボニル化生成物で樹脂床洗浄又は濯ぎが行われるのは、樹脂床からすべてのロジウム触媒を取り出すために必須である。濯ぎ又は洗浄は、除去工程と同様の流速で行われる。

0088

[0095]一態様において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、0.1〜14重量%の水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し、フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含む)、鉄の閾値を設定し(ここで、鉄濃度の閾値は500wppm〜1200wppmの範囲内で選択される値である)、反応媒体の一部における鉄含量を決定し、そして鉄含量が閾値を超過している場合に液体ストリームから鉄の少なくとも一部を除去することを含む酢酸の製造法を提供する。

0089

[0096]一部の側面において、腐食金属除去装置115又は腐食金属除去装置115に送られるスリップストリーム114に水を加えてもよい。その結果、腐食金属除去装置115は、0.2〜50重量%、例えば5〜30重量%又は5〜15重量%の含水量を含む。陽イオン交換樹脂への水の添加は、鉄及びその他の腐食金属生成物の除去の改良に役立ちうる。

0090

[0097]低揮発性ストリーム111中の鉄含量が鉄の閾値レベル未満になるまで反応混合物から鉄を除去することにより、酢酸のSTYは、少なくとも1%、例えば少なくとも5%又は少なくとも10%増大する。

0091

[0098]樹脂が消耗したら、すなわち腐食金属汚染物が流出液中に出てくるようになったら、樹脂は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムカリウム又はリチウム塩の溶液を通すことによって再生できる。一般的に、再生サイクルに使用されるリチウム塩は1%〜20%の範囲の濃度を有する。使用される量及び手順は、当該技術分野でよく確立されている通りであり、樹脂製造業者推奨する通りである。再生剤としては酢酸リチウム水溶液が好適である。なぜならば、酢酸アニオンは反応系に使用されており、容易に利用できるからである。それを使用すると、他の再生剤を使用した場合に再生工程後に通常必要な濯ぎ工程が省略されるという更なる利益もある。

0092

[0099]腐食金属再生能力最大化するため及び比較的高濃度の酢酸リチウムでの樹脂床カラム性能を最大化するために、酢酸リチウム再生溶液には多少の酢酸を含有させて、pHを5.5未満に維持し、再生サイクル中に何らかの不溶性腐食金属化合物の形成を回避すべきである。再生サイクルにこれらの化合物が沈殿すると、カラムの再生能力が減退するほか、樹脂床の詰まりも引き起こしかねない。典型的には、0.1〜95重量%の酢酸濃度が使用でき、0.1〜20重量%の酢酸濃度が好適である。

0093

酢酸の回収
[00100]酢酸の蒸留及び回収は、本発明の目的のために特に限定されない。一つの例示的態様において、反応器で形成された反応媒体をフラッシュ容器で分離して、低揮発性ストリームと蒸気生成物ストリームとを形成させ、第一のカラムで蒸気生成物ストリームを蒸留して、サイドストリームと、5重量%以上の量の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気ストリームを得、低沸点オーバーヘッド蒸気ストリームを凝縮し、そして凝縮ストリーム二相的に分離して、重液相(heavy liquid phase)と軽液相(light liquid phase)を形成させ、任意に重液相及び/又は軽液相の一部を処理して少なくとも一つのPRCを除去し、第二のカラムでサイドストリームを蒸留して、第二のカラムから粗酢酸生成物を得、その粗酢酸生成物を、酸陽イオン交換部位を有する金属交換イオン交換樹脂と接触させて、精製酢酸を製造することを含む酢酸の製造法を提供する。方法はさらに、液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部と第一及び/又は第二カラムからの一つ又は複数のリサイクルストリームを含む)、そして液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持することを含む。2個までの蒸留カラムを有する一次精製トレインの様々な態様について、本明細書中でさらに説明する。

0094

第一カラム
[0100]フラッシュ容器110からのオーバーヘッドストリームは、蒸気生成物ストリーム112としてライトエンドカラム120に送られる。そこでの蒸留により、低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122、酢酸を含有するサイドドロー(sidedraw)123、及び高沸点残渣ストリーム121を得る。一態様において、蒸気生成物ストリーム112は、酢酸、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及びアセトアルデヒドのほか、ヨウ化水素及びクロトンアルデヒドなどのその他の不純物、及びプロピオン酸などの副産物を含みうる。サイドドロー123から取り出された酢酸は、好ましくは、水から酢酸を選択的に分離するための乾燥カラム125などで、更なる精製に付される。

0095

[0101]ライトエンドカラム120は、好ましくは、主に酢酸と水を含む残渣又はボトムストリーム121も形成する。酢酸の濃度は、高沸点残渣ストリーム121で比較的高いかもしれないが、サイドストリーム123と比べて高沸点残渣ストリーム121の質量流は非常に小さい。いくつかの態様において、沸点残渣ストリーム116の質量流は、サイドストリーム128の0.75%以下、例えば0.55%以下、又は0.45%以下である。ライトエンドボトムストリーム121は、典型的には多少の残留触媒を含むので、ライトエンドボトムストリーム121のすべて又は一部を反応器104にリサイクルするのが有益であろう。図1に示されているように、ライトエンドボトムストリーム121は、低揮発性ストリーム111と合流して一緒に反応器104に戻される。鉄ならびにその他の腐食金属の可能性もあるため、ライトエンドボトムストリーム121の一部は、鉄を除去するために低揮発性ストリーム111の一部と共に処理されてもよい。一部の態様において、ボトムストリーム121中の鉄は、フラッシュ容器110からの蓄積同伴鉄である。態様において、ライトエンドボトムストリーム121は、50wppm以下、例えば45wppm以下、40wppm以下、35wppm以下、30wppm以下、25wppm以下、20wppm以下、15wppm以下、10wppm以下、又は5wppm以下の鉄濃度を有し得、及び/又はライトエンドボトムストリーム121中の鉄濃度は、0wppm以上、例えば0.1wppm以上、0.5wppm以上、0.75wppm以上、又は1wppm以上でありうる。

0096

[0102]一態様において、低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122は、5重量%以上、例えば10重量%以上、又は25重量%以上の量の水を含む。水の量は最大80重量%まででありうる。範囲に関しては、オーバーヘッド中の水分濃度は、5重量%〜80重量%、例えば10重量%〜70重量%又は25重量%〜60重量%でありうる。水分濃度を5重量%未満に減らすことは有益でない。なぜならば、反応系に戻る酢酸の大規模リサイクルをもたらし、全精製系を通る大規模リサイクルを設定することになるからである。低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122は、水のほかに、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及びカルボニル不純物も含みうる。これらはオーバーヘッドで濃縮されて、サイドストリーム123中の酢酸から除去されるのが好ましい。これらのカルボニル不純物も本明細書においてはPRCと呼ばれることがある。

0097

[0103]示されているように、低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122は、好ましくは凝縮されて、オーバーヘッドデカンタ124によって示されているようなオーバーヘッド相分離装置に送られる。条件は、凝縮された低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122がデカンタ124に入ったら分離されて軽液相132と重液相133を形成できるように維持されるのが望ましい。相分離は、二つの分離相を維持し、第三の相や相間にエマルションが形成されないようにすべきである。オフガス成分はライン131経由でデカンタ124から排出できる。態様において、凝縮された低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム122のオーバーヘッドデカンタ124における平均滞留時間は、1分以上、例えば3分以上、5分以上、又は10分以上であり、及び/又は平均滞留時間は、60分以下、例えば45分以下、又は30分以下、又は25分以下である。

0098

[0104]軽質相ストリーム132の具体的組成は広く変動しうるが、一部の好適な組成を以下の表1に示す。

0099

0100

[0105]一態様において、オーバーヘッドデカンタ124は、ヨウ化メチルの過剰のホールドアップを防止するために低い界面レベルを維持するような配置及び構造にする。重液相133の具体的組成は広く変動しうるが、一部の例示的組成を以下の表2に示す。

0101

0102

[0106]重液相133の密度は、1.3〜2、例えば1.5〜1.8、1.5〜1.75又は1.55〜1.7でありうる。米国特許第6,677,480号に記載されているように、重液相133の測定密度は、反応媒体中の酢酸メチル濃度と相関する。密度が減少すると、反応媒体中の酢酸メチル濃度は増加する。本発明の一態様において、重液相133は反応器にリサイクルされ、軽液相132は同じポンプを通ってリサイクルされるために制御される。ポンプを妨害せず、軽液相132と重液相133を合わせた密度が1.3以上、例えば1.4以上、1.5以上、又は1.7以上を維持している軽液相132の一部は、リサイクルされるのが望ましいであろう。本明細書中に記載のように、重液相133の一部は、アセトアルデヒドなどの不純物を除去するために処理することができる。

0103

[0107]図1に示されているように、軽質相はストリーム132を経由してデカンタ124を出る。軽質相ストリーム132の第一の部分、例えば分割量部分(aliquot portion)は、還流ストリーム134としてライトエンドカラム120の塔頂部にリサイクルされる。他の態様において、重液相133の一部もライトエンドカラム120に還流されてよい(図示せず)。軽質相ストリーム132の一部は、ストリーム135によって反応器104にリサイクルすることができる。一態様において、ストリーム135及び/又は重液相133は、鉄、ニッケル、クロム、及び/又はモリブデンを含む腐食金属を含みうる。重液相133は反応器104に直接供給することができる。ストリーム135はストリーム137と一緒になってストリーム138を形成し、このストリームの一部は低揮発性ストリーム111のスリップストリーム114と混合される。ストリーム138の残り部分(ストリーム138’によって示されている)は液体リサイクル117と合流しうる。これによって、スリップストリーム114の水分量の調整が可能になる。態様において、ストリーム135及び/又は重液相133は、5wppm以下、例えば2.5wppm以下、1.2wppm以下、1wppm以下、0.5wppm以下、又は0.1wppm以下の鉄濃度を有し得、及び/又はストリーム135及び/又は重液相133中の鉄濃度は、0wppm以上、例えば0.01wppm以上、0.05wppm以上、0.1wppm以上、0.25wppm以上、又は0.5wppm以上でありうる。

0104

PRC除去系
[0108]本明細書中に記載のように、ライトエンドカラム120は一次精製トレインの一部である。一部の態様において、軽液相及び/又は重液相の一部は分離され、アセトアルデヒド又はPRC除去系(図示せず)に送られて、アセトアルデヒドを除去しながらヨウ化メチル及び酢酸メチルを回収することができる。本発明の目的上、アセトアルデヒド又はPRC除去系は一次精製トレインの一部ではない。一部の態様においては、アセトアルデヒド又はPRC除去系を使用して、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度を削減するのが望ましいであろう。アセトアルデヒド又はPRC除去系は、アセトアルデヒドに富むストリームを生成するが、これはパージされるか又はそうでなくても反応器には戻されない。本明細書中に記載の通り、反応媒体は好ましくは1500wppm以下の量のアセトアルデヒドしか含まない。

0105

[0109]表1及び2に示されているように、軽液相132及び/又は重液相133は、それぞれPRCを含有しているので、方法は、酢酸生成物の品質劣化させるアセトアルデヒドなどのカルボニル不純物を除去することを含みうる。それらは、米国特許第6,143,930号;6,339,171号;7,223,883号;7,223,886号;7,855,306号;7,884,237号;8,889,904号;及び米国特許公開第2006/0011462号(引用によってこれらの全文を本明細書に援用する)に記載されているような適切な不純物除去カラム及び吸収剤で除去されうる。アセトアルデヒドなどのカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒プロモーターと反応して、ヨウ化アルキル、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシルなどを形成しうる。また、多くの不純物がアセトアルデヒドを端緒とするので、軽液相からカルボニル不純物を除去することが望ましい。

0106

[0110]アセトアルデヒド又はPRC除去系に供給される軽液相132及び/又は重液相133の一部は、軽液相138及び/又は重液相118のいずれかの質量流の1%〜99%、例えば1〜50%、2〜45%、5〜40%、5〜30%又は5〜20%の範囲で変動しうる。また、一部の態様においては、軽液相132及び重液相133両方の一部がアセトアルデヒド又はPRC除去系に供給されることもある。アセトアルデヒド又はPRC除去系に供給されない軽液相132の一部は、本明細書中に記載のように、第一のカラムに還流されるか又は反応器にリサイクルされうる。アセトアルデヒド又はPRC除去系に供給されない重液相133の一部は、反応器にリサイクルされうる。重液相133の一部はライトエンドカラムに還流されてもよいが、ヨウ化メチルに富む重液相133は反応器に戻されるのがより望ましい。

0107

[0111]一態様において、軽液相132及び/又は重液相133の一部は、そのオーバーヘッドをアセトアルデヒドとヨウ化メチル豊富にする蒸留カラムに供給される。構成にもよるが、二つの別の蒸留カラムがあってもよく、第二のカラムのオーバーヘッドはアセトアルデヒドとヨウ化メチルに富む。現場形成されうるジメチルエーテルもオーバーヘッドに存在しうる。オーバーヘッドは、ヨウ化メチルに富むラフィネート抽出剤を除去するために、一つ又は複数の抽出工程に付されてもよい。ラフィネートの一部は、蒸留カラム、第一のカラム、オーバーヘッドデカンタ及び/又は反応器に戻すことができる。例えば、重液相133がPRC除去系で処理される場合、ラフィネートの一部は蒸留カラム又は反応器のいずれかに戻されるのが望ましいであろう。また、例えば、軽液相132がPRC除去系で処理される場合、ラフィネートの一部は、第一のカラム、オーバーヘッドデカンタ、又は反応器のいずれかに戻されるのが望ましいであろう。一部の態様においては、抽出剤はさらに蒸留されて水を除去し、一つ又は複数の抽出工程に戻される。軽液相132よりも多くの酢酸メチル及びヨウ化メチルを含有するカラムボトムも、反応器104にリサイクルできる及び/又はライトエンドカラム120に還流できる。

0108

第二のカラム
[0112]サイドストリーム123を経由して取り出された酢酸は、好ましくは、乾燥カラムとも呼ばれる第二のカラム125などで更なる精製に付され、サイドストリーム123は分離されて、主に水を含む水性オーバーヘッドストリーム126と、主に酢酸を含む生成物ストリーム127を形成する。サイドストリーム由来の水は水性オーバーヘッドストリーム中に濃縮され、水性オーバーヘッドは、第二のカラムに供給されるサイドストリーム中の水の90%以上、例えば95%以上、97%以上、99%以上を含む。水性オーバーヘッドストリーム126は、50〜75重量%の量の水を含みうる。態様において、水性オーバーヘッドストリームは、75重量%以下、例えば70重量%以下、65重量%以下の量の水を含みうる。酢酸メチルとヨウ化メチルもサイドストリームから除去され、オーバーヘッドストリーム中に濃縮される。生成物ストリーム127は、好ましくは、酢酸を含む、又は本質的に酢酸からなり、第二カラム125のボトム又はボトム付近のサイドストリーム中に取り出すことができる。ボトム付近のサイドストリームとして取り出された場合、そのサイドストリームは液体又は蒸気のストリームでありうる。好適な態様において、生成物ストリーム127は、90重量%以上、例えば95重量%以上又は98重量%以上の量の酢酸を含む。生成物ストリーム127は、貯蔵又は商業的利用のために輸送される前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによってさらに処理されてもよい。

0109

[0113]同様に、第二のカラム125からの水性オーバーヘッドストリーム126は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水などの反応成分を含有するので、これらの反応成分は工程内に保持しておくのが好適である。水性オーバーヘッドストリーム126は、熱交換器により凝縮されてストリーム137に入る。これは反応器104にリサイクルされる及び/又は第二のカラム125に還流される。オフガス成分は、凝縮された低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム126からライン136を通って排出できる。第一のカラム120からの凝縮低沸点オーバーヘッド蒸気ストリームと同様、凝縮されたオーバーヘッドストリーム137も分離されて水性相及び有機相を形成できる。これらの相は、反応媒体中の濃度を維持するために、必要に応じてリサイクル又は還流できる。一態様において、凝縮オーバーヘッドストリーム137は、ストリーム135と一緒になってストリーム138を形成できる。ストリーム138の一部はスリップストリーム114と混合されて、鉄を除去するために腐食金属除去装置115で処理される。態様において、凝縮オーバーヘッドストリーム137は、5wppm以下、例えば2.5wppm以下、1.2wppm以下、1wppm以下、0.9wppm以下、0.75wppm以下、0.5wppm以下、又は0.1wppm以下の鉄濃度を有し得、及び/又は凝縮オーバーヘッドストリーム137中の鉄濃度は、0wppm以上、例えば0.01wppm以上、0.05wppm以上、0.1wppm以上、0.2wppm以上、又は0.3wppm以上でありうる。

0110

[0114]一態様において、サイドストリームの水分濃度は、第一及び第二のカラム両方の水分のバランスを取るために制御される。14重量%以下、さらに好ましくは4.1重量%以下の量の水しか反応媒体に使用されなかった場合、第二のカラムにはカラムを安定的に運転するに足る水がないであろう。サイドストリームの水分濃度を1重量%以下に削減することは可能でありうるが、そうすると第二カラムに不均衡が生じ、その結果、酢酸の回収はより困難になり、規格外生成物をもたらすことになるであろう。さらに、サイドストリームに水が含まれていることにより、第二カラムはその水を水性オーバーヘッド中に除去することができる。第一カラムからの軽液相と、第二カラムからの水性オーバーヘッドとの間のリサイクル比は、第一及び第二蒸留カラムの安定的運転を維持しながら、反応器中の望ましい水分濃度を維持するのに役立つ。一態様において、反応器にリサイクルされる軽液相の質量流対反応器への水性オーバーヘッドの質量流のリサイクル比は、2以下、例えば1.8以下、1.5以下、1以下、0.7以下、0.5以下、0.35以下、0.25以下であり、及び/又は反応器にリサイクルされる軽液相の質量流対反応器への水性オーバーヘッドの質量流のリサイクル比は、0以上、例えば0.05以上、0.1以上、0.15以上、又は0.2以上である。一態様において、反応器にリサイクルされる軽液相の質量流対反応器への水性オーバーヘッドの質量流のリサイクル比は、0〜2、例えば0〜1.5、0〜1.3、0〜1、0〜0.9、0〜0.7、0〜0.5、0〜0.35又は0〜0.25である。

0111

[0115]排出ストリーム、特にライン106、131、及び136から残液を回収するために、これらのラインは、冷メタノール及び/又は酢酸を用いて運転されているスクラバに供給し、酢酸メチル及びヨウ化メチルを取り出すことができる。適切なスクラバは、米国特許第8,318,977号に記載されており、前記特許は引用によってその全文を本明細書に援用する。

0112

[0116]本発明の蒸留カラムは、従来の蒸留カラム、例えば、プレートカラム充填カラム、及びその他などでよい。プレートカラム(段塔)は、多孔板カラム、バブルキャップカラム(泡鐘塔、気泡塔)、キッテルトレイカラム(Kittel tray column)、ユニフラックストレイ(uniflux tray)、又はリップルトレイ(ripple tray)カラムなどでありうる。プレートカラムの場合、プレート理論段数は特に制限されない。分離される成分の種類に応じて、プレートカラムは、80段まで、例えば2〜80、5〜60、5〜50、又はさらに好ましくは7〜35段のプレートを含むことができる。蒸留カラムは異なる蒸留装置の組合せを含んでいてもよい。例えば、バブルキャップカラムと多孔板カラムの組合せのほか、多孔板カラムと充填カラムの組合せも使用できる。

0113

[0117]蒸留系における蒸留温度及び圧力は、目的のカルボン酸の種類及び蒸留カラムの種類、又は供給ストリームの組成に従って低沸点不純物及び高沸点不純物から選ばれる除去対象に応じて適切に選択できる。例えば、酢酸の精製が蒸留カラムによって実施される場合、蒸留カラムの内圧(通常、カラム塔頂部の圧力)は、ゲージ圧で言えば、0.01〜1MPa、例えば0.02〜0.7MPa、さらに好ましくは0.05〜0.5MPaでありうる。さらに、蒸留カラムの蒸留温度、すなわちカラム塔頂部の温度でのカラム内部温度は、カラムの内圧を調整することによって制御でき、例えば20〜200℃、例えば50〜180℃、さらに好ましくは100〜160℃でありうる。

0114

[0118]蒸留系に付属している各メンバー又はユニット単位装置)、例えば、カラム、バルブ、凝縮器、受け器、ポンプ、リボイラー、及び内部構造物、ならびに蒸留系にそれぞれ連絡している各種ラインの材料は、ガラス、金属、セラミック、又はそれらの組合せなどの適切な材料でよく、特定の一つに特に限定されない。本発明によれば、前述の蒸留系及び各種ラインの材料は、遷移金属又は遷移金属ベース合金、例えばステンレス鋼などの鉄合金、ニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、チタン又はそのチタン合金、あるいはアルミニウム合金である。適切な鉄基合金は、主成分として鉄を含有するもの、例えばステンレス鋼(クロム、ニッケル、モリブデン及びその他も含む)などである。適切な合金は、主成分としてニッケルと、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、マンガン、及びその他の一つ又は複数を含有する合金、例えばHASTELLOYTM及びINCONELTMなどである。耐食金属は、蒸留系及び各種ラインの材料として特に適切でありうる。

0115

ガード床
[0119]ハロゲン化物及び/又は腐食金属で汚染されているカルボン酸ストリーム、例えば酢酸ストリームは、広範な運転条件下でイオン交換樹脂組成物と接触させればよい。イオン交換樹脂組成物はガード床に提供されるのが好ましい。汚染されたカルボン酸ストリームの精製にガード床を使用することは、当該技術分野では、例えば、米国特許第4,615,806号;5,653,853号;5,731,252号;及び6,225,498号(これらは引用によってそれらの全文を本明細書に援用する)に十分に解説されている。一般的に、汚染された液体カルボン酸ストリームを、好ましくはガード床に配置されたイオン交換樹脂組成物と接触させる。ハロゲン化物の汚染物、例えばヨウ化物の汚染物は、金属と反応してヨウ化金属を形成する。一部の態様において、ヨウ化物に随伴しうる炭化水素部分、例えばメチル基は、カルボン酸をエステル化しうる。例えば、ヨウ化メチルで汚染された酢酸の場合、ヨウ化物除去の副産物として酢酸メチルが生成するだろう。このエステル化生成物は形成されても、通常、処理されたカルボン酸ストリームに有害作用を及ぼさない。

0116

[0120]一態様において、イオン交換樹脂は金属交換イオン交換樹脂で、銀、水銀、パラジウム及びロジウムからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を含みうる。一態様において、前記金属交換樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は銀が占めている。別の態様において、前記金属交換樹脂の強酸交換部位の少なくとも1%は水銀が占めている。方法はさらに、精製酢酸生成物を陽イオン交換樹脂で処理して、何らかの銀、水銀、パラジウム又はロジウムを回収することを含む。

0117

[0121]接触工程中の圧力は、樹脂の物理的強度によってのみ制限される。一態様において、接触は、0.1MPa〜1MPa、例えば0.1MPa〜0.8MPa又は0.1MPa〜0.5MPaの範囲の圧力で実施される。しかしながら、便宜上、圧力及び温度とも、汚染されたカルボン酸ストリームが液体として処理されるように確立されるのが好ましい。従って、例えば、一般に経済学的観点から好ましいとされる大気圧で運転される場合、温度は、17℃(酢酸の凝固点)〜118℃(酢酸の沸点)の範囲であろう。他のカルボン酸化合物を含む生成物ストリームについて同様の範囲を決定することは、当業者の技能の範囲内である。接触工程の温度は、樹脂の劣化を最小限にするために比較的低く維持されるのが好ましい。一態様において、接触は、25℃〜120℃、例えば25℃〜100℃又は50℃〜100℃の範囲の温度で実施される。一部の陽イオン性巨大網状樹脂は、典型的には150℃の温度で劣化し始める(酸触媒芳香族脱スルホン化機構により)。5個までの炭素原子、例えば3個までの炭素原子を有するカルボン酸は、これらの温度で液体である。従って、接触時の温度は、利用される樹脂の劣化温度未満に維持されるべきである。一部の態様において、運転温度は、樹脂の温度限界未満に維持され、液相運転及びハロゲン化物除去のための望ましい動態とも調和する温度である。

0118

[0122]酢酸精製トレイン内のガード床の配置構成は様々でありうる。例えば、ガード床は乾燥カラムの後ろに配置されうる。さらに又はあるいは、ガード床は、重質分除去カラム又は仕上げカラムの後ろに配置されてもよい。好ましくは、ガード床は、酢酸生成物ストリームの温度が低い、例えば120℃以下又は100℃以下となる位置に配置される。上記利益とは別に、低温運転は、高温運転と比べて腐食が少ない。低温運転だと、上記解説の通り全般的な樹脂寿命を短くしうる腐食金属汚染物の形成が少ない。また、低温運転だと腐食が少ないので、容器は好都合なことに高価な耐食金属で製造される必要がなく、標準的なステンレス鋼などの下級金属が使用できる。

0119

[0123]一態様において、ガード床を通る流速は、0.1床体積/時間(“BV/hr”)〜50BV/hr、例えば1BV/hr〜20BV/hr又は6BV/hr〜10BV/hrの範囲である。有機媒体の床体積は、樹脂床が占めている体積に等しい媒体の体積である。1BV/hrの流速とは、樹脂床が占めている体積に等しい量の有機液体が1時間で樹脂床を通過することを意味する。

0120

[0124]総ヨウ化物濃度の高い精製酢酸生成物で樹脂が消耗するのを避けるために、一態様においては、精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5wppm以下、例えば好ましくは1wppm以下の場合、ボトムストリーム127中の精製酢酸生成物をガード床と接触させる。総ヨウ化物濃度は、有機物(C1〜C14アルキルヨウ化物)由来及び無機物(ヨウ化水素など)由来の両方のヨウ化物を含む。精製酢酸組成物はガード床処理の結果として得られる。精製酢酸組成物は、一態様において、100wppb以下、例えば90wppb以下、50wppb以下、又は25wppb以下の総濃度のヨウ化物を含む。一態様において、精製酢酸組成物は、1000wppb以下、例えば750wppb以下、500wppb以下、又は250wppb以下の腐食金属を含む。本発明の目的上、腐食金属は、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン及びそれらの組合せからなる群から選ばれる金属を含む。範囲に関しては、精製酢酸組成物は、0〜100wppb、例えば1〜50wppbのヨウ化物、及び/又は0〜1000wppb、例えば1〜50wppbの腐食金属を含みうる。他の態様において、ガード床は、粗酢酸生成物から少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%又は少なくとも75重量%のヨウ化物を除去する。一態様において、ガード床は、粗酢酸生成物から少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%又は少なくとも75重量%の腐食金属を除去する。

0121

[0125]別の態様において、生成物ストリームは、リチウム化合物を除去するために陽イオン交換体と接触させてもよい。酸型の陽イオン交換体は、酸型強酸陽イオン交換巨大網状樹脂、マクロ多孔性又はメソ多孔性樹脂を含む。理論に拘束されるわけではないが、10wppm以上の量のリチウム化合物を含む生成物ストリームをイオン交換に供することは、処理生成物中の金属の置換をもたらす。好都合にも、これは、イオン交換樹脂の上流で陽イオン交換体を使用することにより克服できる。陽イオン交換体との接触後、生成物ストリームは、リチウムイオン濃度が50重量十億分率(wppb)以下、例えば10wppb以下、又は5wppb以下になりうる。

0122

[0126]生成物ストリームは、ヨウ化物を除去するためにイオン交換樹脂と接触させてもよいが、生成物ストリームをフラッシュしたり又は生成物ストリームを活性炭を含有する吸着系と接触させたりしないようにするのが好適である。生成物ストリームのフラッシングは、生成物ストリームから50%を超える酢酸を回収するほどの十分な圧力降下がないため、有効でない。従って、一態様において、生成物ストリームの非フラッシュ部分がイオン交換床に供給され、ヨウ化物が除去される。

0123

[0127]上に提示された図面及び文章から明らかなように、様々な態様が想定される。
E1.酢酸の製造法であって、
メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する);
フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;
液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む);そして
液体ストリームから鉄の一部を除去して、ロジウム触媒の有効STYを最大STYの少なくとも80%に維持する
ことを含む酢酸の製造法。

0124

E2.液体ストリームが、鉄の除去後、1〜1200wppmの量の鉄を含む、態様E1の方法。
E3.鉄の少なくとも5%が液体リサイクルから除去される、態様E1又はE2のいずれか1項の方法。

0125

E4.反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下に維持することをさらに含む、態様E1〜E3のいずれか1項の方法。
E5.反応媒体中の鉄濃度を100〜500wppmに維持することをさらに含む、態様E1〜E4のいずれか1項の方法。

0126

E6.wppmによる鉄濃度が、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持される、態様E1〜E5のいずれか1項の方法。
E7.ロジウム触媒の有効STYが、最大STYの少なくとも90%に維持される、態様E1〜E6のいずれか1項の方法。

0127

E8.最大STYの100%を達成するために有効STYに必要なロジウムの少なくとも85%を維持することをさらに含む、態様E1〜E7のいずれか1項の方法。
E9.低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、態様E1〜E8のいずれか1項の方法。

0128

E10.反応器の材料が、遷移金属又は遷移金属ベース合金を含む、態様E1〜E9のいずれか1項の方法。
E11.フラッシュ容器の材料が、遷移金属又は遷移金属ベース合金を含む、態様E1〜E10のいずれか1項の方法。

0129

E12.酢酸を含む蒸気生成物ストリームを一次精製トレインで分離し、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることをさらに含む、態様E1〜E11のいずれか1項の方法。

0130

E13.液体ストリームが、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含む、態様E12の方法。
E14.一つ又は複数のリサイクルストリームの少なくとも一つが鉄を含む、態様E12の方法。

0131

E15.少なくとも一つのストリームを過マンガン酸還元性化合物除去系に送り、アセトアルデヒドに富むストリームを得ることをさらに含む、態様E1〜E14のいずれか1項の方法。

0132

E16.反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、態様E1〜E15のいずれか1項の方法。
E17.鉄が液体ストリームから、液体ストリームの一部を陽イオン交換樹脂と接触させることによって除去される、態様E1〜E16のいずれか1項の方法。

0133

E18.酢酸の製造法であって、
メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、反応器にて、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、ロジウム触媒は反応媒体中にロジウムとして200〜3000wppmの量で存在する);
フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;
液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含み、そしてまた液体ストリームは鉄を含む);そして
液体ストリームから鉄の一部を除去して、反応媒体中の鉄濃度を1200wppm以下に維持する
ことを含む酢酸の製造法。

0134

E19.反応媒体中の鉄濃度を100〜500wppmに維持することをさらに含む、態様E18の方法。
E20.wppmによる鉄濃度が、wppmによるロジウム触媒濃度未満に維持される、態様E18又はE19のいずれか1項の方法。

0135

E21.反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、態様E18〜E20のいずれか1項の方法。
E22.低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、態様E18〜E21のいずれか1項の方法。

0136

E23.酢酸の製造法であって、
メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の量の水を含む);
フラッシュ容器で反応媒体の一部を分離して、低揮発性ストリームと、酢酸を含む蒸気生成物ストリームとを形成させ;
液体ストリームを反応器にリサイクルし(ここで、液体ストリームは低揮発性ストリームの一部を含む);
反応媒体の一部に対して鉄の閾値を設定し(ここで、鉄濃度の閾値は500wppm〜1200wppmの範囲内で選ばれる値である);
反応媒体の一部における鉄含量を決定し;そして
鉄含量が閾値を超過している場合、液体ストリームから鉄の少なくとも一部を除去する
ことを含む酢酸の製造法。

0137

E24.反応媒体が、1500wppm以下の量のアセトアルデヒドを含む、態様E23の方法。
E25.低揮発性ストリームが、60〜90重量%の量の酢酸、ロジウムとして0.01〜0.5重量%の量のロジウム触媒、合計10〜2500wppmの量の腐食金属、5〜20重量%の量のヨウ化リチウム、1〜25重量%の量のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の量の酢酸メチル、及び0.1〜8重量%の量の水を含む、態様E23又はE24のいずれか1項の方法。

0138

E26.酢酸を含む蒸気生成物ストリームを一次精製トレインで分離し、酢酸生成物と一つ又は複数のリサイクルストリームを得ることをさらに含む、態様E23〜E25のいずれか1項の方法。

0139

E27.液体ストリームが、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部を含む、態様E23〜E26のいずれか1項の方法。
E28.一つ又は複数のリサイクルストリームの一部における鉄含量を決定し、鉄含量が閾値を超過している場合、一つ又は複数のリサイクルストリームの一部から鉄の少なくとも一部を除去することをさらに含む、態様E23〜E27のいずれか1項の方法。

0140

E29.酢酸の製造法であって、
メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つのメンバーを、水、ロジウム触媒、ヨウ化メチル及びハロゲン化物塩を含む反応媒体中でカルボニル化し(ここで、反応媒体は0.1〜14重量%の水を含む);
反応媒体中の鉄含量を決定し;
反応媒体を、鉄を含む低揮発性ストリームと蒸気生成物ストリームとに分離し;そして
反応媒体中の鉄含量が1200wppmを超過している場合、低揮発性ストリームから鉄の少なくとも一部を除去する
ことを含む酢酸の製造法。

0141

E30.鉄の少なくとも5%が低揮発性ストリームから除去される、態様E29の方法。
E31.除去が、鉄以外の腐食金属汚染物の除去も含む、態様E29又はE30のいずれか1項の方法。

0142

E32.鉄以外の腐食金属汚染物が、ニッケル、クロム、モリブデン及びそれらの組合せからなる群から選ばれる、態様E29〜E31のいずれか1項の方法。
E33.鉄の除去が、低揮発性ストリームを、イオン交換樹脂と十分な量の水、すなわち液体サイクルの水分濃度をそれが接触サイクルを通過するときに0.25重量%〜50重量%の範囲内にするのに十分な量の水に接触させ、そして1200ppm未満の鉄を含む精製液体リサイクル溶液を回収することを含む、態様E29〜E32のいずれか1項の方法。

0143

E34.樹脂が強酸陽イオン交換樹脂である、態様E33の方法。
E35.接触が、低揮発性ストリームを前記樹脂の固定床カラムに通すことによって実施される、態様E33の方法。

0144

E36.前記樹脂が、消耗後、アルカリ金属塩で洗浄することによって再生される、態様E33の方法。
E37.アルカリ金属塩が酢酸リチウムである、態様E36の方法。

0145

E38.アルカリ金属がカリウムである、態様E36の方法。
E39.アルカリ金属がナトリウムである、態様E36の方法。
E40.低揮発性ストリームの水分濃度が、それが接触サイクルを通過するときに5重量%〜30重量%の範囲内である、態様E33の方法。

0146

E41.低揮発性ストリームの少なくとも一部が反応器に戻される、態様E29〜E40のいずれか1項の方法。
E42.規定の水とアルカリ金属イオン濃度及び1200wppmを超える鉄を含む低揮発性ストリームの生産性を改良するための方法であって、該方法は、接触サイクルにおいて、低揮発性ストリームを、陽イオン交換樹脂と十分な量の水、すなわち低揮発性ストリームの水分濃度をそれが接触サイクルを通過するときに0.25〜50重量%の範囲内にするのに十分な量の水に接触させることを含む方法。

0147

E43.生産性が少なくとも10%改良される、態様E42の方法。
E44.低揮発性ストリームの水分濃度が、それが接触サイクルを通過するときに5〜30重量%の範囲内である、態様E42又はE43のいずれか1項の方法。

0148

E45.低揮発性ストリームの水分濃度が、それが接触サイクルを通過するときに5〜15重量%の範囲内である、態様E44の方法。
E46.低水分条件下で採用される低揮発性ストリーム(前記溶液はロジウム及びアルカリ金属を含有し、さらに1200ppmを超える鉄を含有する)の生産性を改良するための方法であって、該方法は、低揮発性ストリームを、イオン交換樹脂と十分な量の水、すなわち低揮発性ストリームの水分濃度をそれが接触サイクルを通過するときに0.25〜50重量%の範囲内にするのに十分な量の水に接触させ、そして1200ppm未満の鉄を含むストリームを回収することを含む方法。

0149

E47.低揮発性ストリームの水分濃度が、それが接触サイクルを通過するときに5〜30重量%の範囲内である、態様E46の方法。
E48.低揮発性ストリームの水分濃度が、それが接触サイクルを通過するときに5〜15重量%の範囲内である、態様E46又はえ47のいずれか1項の方法。

0150

[0128]本発明を詳細に説明してきたが、本発明の精神及び範囲内に含まれる変更は当業者には容易に明らかであろう。上記解説に鑑み、当該技術分野における関連知識、ならびに[背景技術]及び[発明を実施するための形態]との関連で上に示された参考文献、その開示内容はすべて引用によって本明細書に援用する。さらに、本発明の側面及び様々な態様の一部分ならびに以下及び/又は添付の特許請求の範囲に列挙されている様々な特徴は、全体的であれ又は部分的であれ、組合せ又は交換のいずれもできることは理解されるはずである。前述の様々な態様の説明において、別の態様を参照している態様は、当業者には容易に分かる通り、他の態様とも適切に組み合わせることができる。さらに、当業者であれば、前述の説明は単なる例示であって、本発明を制限する意図はないことは理解されるであろう。

0151

[0129]本発明は、以下の非制限的実施例を考慮することにより、より良く理解されるであろう。
実施例1
[0130]本明細書中に記載の方法に従い、8〜10重量%のヨウ化リチウム、3〜6重量%の水、2.2〜3.3重量%の酢酸メチル、及び10.7〜12.5重量%のヨウ化メチルを含む反応媒体の一部を形成した。反応媒体の一部は、腐食金属含量、メタンの空時収量変化(%;メタン非効率性)、二酸化炭素の空時収量変化(%;二酸化炭素非効率性)及び酢酸の空時収量について、数回、異なる時間に測定された。結果を表3に示す。

0152

0153

[0131]表3に示されているように、腐食金属が増加すると、CH4及びCO2の非効率性パーセントも増加している。ケースD及びEは、鉄が最大の影響を有することを示しているが、ケースC及びDとケースE及びFは、Niも悪影響を有することを示しているが、その影響はFeほど深刻ではない。ケースE、F、及びGは、非効率性の傾向はクロムの変化には従っていないことを示している。このデータは、図4及び5にもグラフを使って示されている。

0154

実施例2
[0132]本明細書中に記載の方法に従って形成された、15〜18重量%のヨウ化リチウム、2.5〜3.5重量%の水、3.0〜4.0重量%の酢酸メチル、及び11.0〜14.0重量%のヨウ化メチル及び450〜650wppmのロジウムを含む反応媒体の一部を、オフラインで4つの異なる鉄濃度で測定した。図6に示されているように、鉄濃度と、酢酸の空時収量の変化との間には直接的な関係がある。鉄濃度が約450から約1750wppmに増加すると、酢酸の空時収量は10%以上低下し、鉄のロジウム触媒系に対する毒作用を示している。

実施例

0155

実施例3
[0133]実施例2のように、本明細書中に記載の方法に従って形成された反応媒体の一部をオフラインで4つの異なる鉄濃度で測定した。図7に示されているように、鉄濃度と、酢酸の空時収量のパーセントとしてのメタンの空時収量の変化との間には直接的な関係がある。

0156

100酢酸回収系
101メタノール含有供給ストリーム
102 CO含有供給ストリーム
104カルボニル化反応器
105ストリーム
106ガスパージストリーム
108 一次精製トレイン
110フラッシュ容器
111低揮発性ストリーム
112蒸気生成物ストリーム
114スリップストリーム
115腐食金属除去装置
116 精製ストリーム
117液体リサイクル
120ライトエンドカラム
121高沸点残渣ストリーム
122 低沸点オーバーヘッド蒸気ストリーム
123サイドドロー
124オーバーヘッドデカンタ
125乾燥カラム
126水性オーバーヘッドストリーム
127生成物ストリーム
131ライン
132 軽液相
133重液相
134還流ストリーム
135 ストリーム
136 ライン
137 液体リサイクル
138リサイクルストリーム
138’ 138の残り部分

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