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技術 微分位相コントラストX線撮像における暗視野信号の最適なエネルギ加重

出願人 コーニンクレッカフィリップスエヌヴェ
発明者 ケーラートーマスレッスルエワルドメルテンスゲルハルトデアハイナー
出願日 2016年4月25日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2017-508535
公開日 2017年11月9日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-532986
状態 特許登録済
技術分野 放射線を利用した材料分析 放射線診断機器
主要キーワード 基準エネルギ 信号積分器 検出器機構 べき法則 エネルギ項 投影強度 統計的分散 級数表現
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

暗視野撮像のための装置及び関連する方法である。該装置は、検出器において異なるエネルギチャンネルで検出される投影強度に作用する。信号対雑音比を改善するために、エネルギ加重が用いられる。当該モデルは、対数ドメインで動作する。

概要

背景

タルボ・ロー型干渉計を用いた微分位相コントラスト撮像は、特に整形外科及びマンモグラフィの分野における診断撮像にとっての可能性のある利益に関して最近の数年にわたり広く研究されている。この撮像方法は、従来のX線減衰画像に加えて、2つの更なる画像、即ち撮像される物体(被検体)内の電子密度の情報を反映する微分位相コントラスト画像及び小角散乱によりコントラストが形成される暗視野画像を提供する。特に、暗視野信号/画像は、この画像には非常に早い段階で(分類減衰コントラスト画像内で見えるようになるほど十分に大きくなる前に)微小分類が現れるという証拠があり、且つ、暗視野信号は異なるタイプの分類を区別するために使用することができるという証拠が存在する故に、最近大きな関心を集めている。

医療用X線撮像における他の近い将来の技術は、エネルギ分解光子計数検出器の使用である。減衰コントラスト撮像の分野において、斯かる検出器タイプの使用は、X線の光電効果及びコンプトン散乱による減衰の間を区別することを可能にする。該検出器タイプの使用は、更に、所謂エネルギ加重(エネルギ重み付け)による改善されたコントラスト対雑音比の減衰コントラスト画像を提供することを可能にする[Physics in Medicine and Biology 54(16):4971-4992 (2009)のP M Shikhalievによる“Projection x-ray imaging with photon energy weighting: experimental evaluation with a prototype detector”]。同様の概念が微分位相コントラスト撮像[OPTICS EXPRESS, 4 November 2013, Vol 21, No 22, pp 25677-25684のG Pelzer他による“Grating-based x-ray phase-contrast imaging with a multi energy-channel photon-counting pixel detector”]及び暗視野撮像[OPTICS EXPRESS, 6 October 2014, Vol. 22, No. 20, pp 24507-24515のG Pelzer他による“Energy weighted x-ray dark-field Imaging”]の分野でも使用されており、エネルギ加重は信号対雑音比も改善することができる。

概要

暗視野撮像のための装置及び関連する方法である。該装置は、検出器において異なるエネルギチャンネルで検出される投影強度に作用する。信号対雑音比を改善するために、エネルギ加重が用いられる。当該モデルは、対数ドメインで動作する。

目的

この撮像方法は、従来のX線減衰画像に加えて、2つの更なる画像、即ち撮像される物体(被検体)内の電子密度の情報を反映する微分位相コントラスト画像及び小角散乱によりコントラストが形成される暗視野画像を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

X線源からのX線放射暴露の後に検出器において異なるエネルギチャンネルで検出された信号に対応する、該異なるエネルギチャンネルに関する暗視野信号データを入力するための入力ポートと、前記暗視野信号データを対数化して対数暗視野信号データを得る対数ユニットと、前記対数暗視野信号データを変換するオプションとしての線形変換器と、少なくとも2つのエネルギチャンネルの前記対数暗視野信号データ又は変換された前記対数暗視野信号データを、該少なくとも2つのエネルギチャンネルに対応するエネルギ重みを使用することによりエネルギ加重対数暗視野信号に積分する信号積分器と、前記エネルギ加重対数暗視野信号を出力する出力ポートと、を有する、信号処理装置

請求項2

前記エネルギ重みが、Ep(但し、p<−2)の形で表現することができる各エネルギ項を含む、請求項1に記載の信号処理装置。

請求項3

−4≦p<−2である、請求項2に記載の信号処理装置。

請求項4

前記検出された信号は投影データに対応し、当該信号処理装置が前記エネルギチャンネルのうちの少なくとも2つに関して該投影データから導出された強度データから前記暗視野信号データそれぞれを抽出する暗視野信号抽出器を更に含む、請求項1ないし3の何れか一項に記載の信号処理装置。

請求項5

前記エネルギ重みは対応する各エネルギ項を含み、これらエネルギ項のうちの少なくとも1つがエネルギ値指数として有する、請求項1又は請求項4に記載の信号処理装置。

請求項6

前記エネルギ重みは、の形の各エネルギ項を含み、ここで、aは任意の定数であり、bは撮像される物体の内部構造に関係する定数であり、E0は設計エネルギであり、Eiはチャンネルiごとの異なるエネルギレベルである、請求項5に記載の信号処理装置。

請求項7

前記線形変換器が、(i)ハイパスフィルタ若しくはローパスフィルタ、又は(ii)逆投影演算器、である、請求項1ないし6の何れか一項に記載の信号処理装置。

請求項8

前記検出器が、コンピュータトモグラフィ(CT)スキャナ構成部品又は投影X線撮像器の構成部品である、請求項1ないし7の何れか一項に記載の信号処理装置。

請求項9

入力される投影データ又は前記対数暗視野信号データにバイアス補正を適用するバイアス補正器を有する、請求項1ないし8の何れか一項に記載の信号処理装置。

請求項10

i)前記検出器がエネルギ分解型のものであり、前記異なるエネルギチャンネルが該エネルギ分解型検出器の異なるエネルギ値Eiに対応するか、又はii)前記検出器がエネルギ積分型のものであり、前記異なるエネルギチャンネルが前記X線源による異なる電圧レベルでのX線暴露に対する検出器測定値に対応する、請求項1ないし9の何れか一項に記載の信号処理装置。

請求項11

前記検出器と、前記X線源と、請求項1ないし10の何れか一項に記載の信号処理装置を含む信号処理システムと、を有する、撮像システム

請求項12

X線源からのX線放射暴露の後に検出器において異なるエネルギチャンネルで検出された信号に対応する、該異なるエネルギチャンネルに関する各暗視野信号データを入力するステップと、前記暗視野信号データを対数化して対数暗視野信号データを得るステップと、オプションとして、前記対数暗視野信号データを線形的に変換するステップと、少なくとも2つのエネルギチャンネルの前記対数暗視野信号データ又は変換された前記対数暗視野信号データを、該少なくとも2つのエネルギチャンネルに対応するエネルギ重みを使用することによりエネルギ加重対数暗視野信号に積分するステップと、前記エネルギ加重対数暗視野信号を出力するステップと、を有する、信号処理方法

請求項13

前記エネルギ重みが、Ep(但し、p<−2)の形で表現することができる各エネルギ項を含む、請求項12に記載の信号処理方法。

請求項14

請求項1ないし10の何れか一項に記載の信号処理装置又は請求項11に記載の撮像システムを制御するためのコンピュータプログラムであって、処理ユニットにより実行された場合に請求項12又は請求項13に記載の信号処理方法のステップを実行する、コンピュータプログラム。

請求項15

請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ読取可能な媒体

技術分野

背景技術

0002

タルボ・ロー型干渉計を用いた微分位相コントラスト撮像は、特に整形外科及びマンモグラフィの分野における診断撮像にとっての可能性のある利益に関して最近の数年にわたり広く研究されている。この撮像方法は、従来のX線減衰画像に加えて、2つの更なる画像、即ち撮像される物体(被検体)内の電子密度の情報を反映する微分位相コントラスト画像及び小角散乱によりコントラストが形成される暗視野画像を提供する。特に、暗視野信号/画像は、この画像には非常に早い段階で(分類減衰コントラスト画像内で見えるようになるほど十分に大きくなる前に)微小分類が現れるという証拠があり、且つ、暗視野信号は異なるタイプの分類を区別するために使用することができるという証拠が存在する故に、最近大きな関心を集めている。

0003

医療用X線撮像における他の近い将来の技術は、エネルギ分解光子計数検出器の使用である。減衰コントラスト撮像の分野において、斯かる検出器タイプの使用は、X線の光電効果及びコンプトン散乱による減衰の間を区別することを可能にする。該検出器タイプの使用は、更に、所謂エネルギ加重(エネルギ重み付け)による改善されたコントラスト対雑音比の減衰コントラスト画像を提供することを可能にする[Physics in Medicine and Biology 54(16):4971-4992 (2009)のP M Shikhalievによる“Projection x-ray imaging with photon energy weighting: experimental evaluation with a prototype detector”]。同様の概念が微分位相コントラスト撮像[OPTICS EXPRESS, 4 November 2013, Vol 21, No 22, pp 25677-25684のG Pelzer他による“Grating-based x-ray phase-contrast imaging with a multi energy-channel photon-counting pixel detector”]及び暗視野撮像[OPTICS EXPRESS, 6 October 2014, Vol. 22, No. 20, pp 24507-24515のG Pelzer他による“Energy weighted x-ray dark-field Imaging”]の分野でも使用されており、エネルギ加重は信号対雑音比も改善することができる。

発明が解決しようとする課題

0004

このように、代わりとなる暗視野撮像装置及び方法に対する要求が存在し得る。

課題を解決するための手段

0005

本発明の課題は、独立請求項の主題により解決され、更なる実施態様は従属請求項に含まれている。本発明の以下に記載される態様は、撮像システム、信号処理方法、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ読取可能な媒体にも等しく当てはまることに注意すべきである。

0006

本発明の第1態様によれば、信号処理装置が提供され、該信号処理装置は、
X線源からのX線放射暴露の後に検出器において異なるエネルギチャンネルで検出された信号に対応する各暗視野信号データを、該異なるエネルギチャンネルにおいて入力するための入力ポートと、
前記暗視野信号データを対数化して対数暗視野信号データを得るように構成された対数ユニットと、
前記対数暗視野信号データを変換するように構成されたオプションとしての線形変換器と、
少なくとも2つのエネルギチャンネルの前記対数暗視野信号データ又は変換された前記対数暗視野信号データを、該少なくとも2つのエネルギチャンネルに対応するエネルギ重みを使用することによりエネルギ加重対数暗視野信号に積分するように構成された信号積分器と、
前記エネルギ加重対数暗視野信号を出力するように構成された出力ポートと、
を有する。

0007

前記暗視野信号は、撮像される物体をX線放射に暴露した後に該撮像される物体により生じるX線放射の散乱(小角散乱)に関係するものである。

0008

エネルギチャンネル毎の暗視野信号データは、適切な直接型暗視野撮像技術により直接得ることができ、その場合、検出器により検出される信号は殆どが小角散乱に帰属することが保証される。他の例として、干渉計等の機構を使用することもでき、その場合、暗視野信号は間接的に測定される。更に詳細には、間接暗視野撮像法が用いられる場合、当該装置は、一実施態様において、暗視野信号抽出器を有し、該抽出器は前記チャンネルのうちの少なくとも2つに関して以前に取得された強度データから各暗視野信号データを抽出するように構成される。上記強度データは、X線源からのX線放射暴露の後に前記検出器において異なるエネルギチャンネルで検出された投影データから導出することができる。

0009

上記強度は投影データに対して測定される。更に詳細には、“投影”強度が、好ましくは、当該X線束に垂直な2つの空間方向において強度を空間的に分解するよう動作する2D検出器において検出される(従って、これは“投影”強度という修飾子がつく)。

0010

一実施態様によれば、上記強度は、撮像されるべき物体及びX線源と検出器との間に配置される技術的機構に対する当該X線波の相互作用に起因する干渉パターンを形成する。前述したように、一実施態様において、上記投影強度干渉法的なものである。即ち、上記機構は格子型干渉計である。しかしながら、他の非格子型機構も同様に考えられる。

0011

有利にも、出願人により対数ドメインにおける処理が良好な結果を生じることが見出され、このモデル化方法は暗視野信号ドメインにおける内在的乗法要因を良く捕らえるように思われる。

0012

前記異なるエネルギチャンネルは種々の態様で構成することができる。一実施態様において、前記検出器はエネルギ分解(例えば、光子計数)型のものであり、当該異なるエネルギチャンネルは該エネルギ分解検出器の異なるエネルギ値に対応する。他の例において、上記検出器はエネルギ積分型のものであり、上記異なるエネルギチャンネルは、異なる電圧レベルでのX線源によるX線暴露に対する検出器の測定値に対応する。

0013

一実施態様によれば、前記重みは、Ep(但し、p<−2)の形のエネルギ項を各々含むか、又はこの形と等価な他の代数的形で斯様に表現することができる。更に詳細には、一実施態様によれば、−4≦p<−2である。更に一層詳細には、一実施態様によれば、pは大凡−3である。

0014

他の実施態様において、前記重みはエネルギ項を各々含み、これらエネルギ項のうちの少なくとも1つはエネルギ値を指数として有する。

0015

言い換えると、ここでは、一実施態様において対数ドメイン表現のデータを用いて暗視野信号のエネルギ加重を実行するために光子計数検出器を採用することが提案される。一実施態様において、当該信号のエネルギEに対する依存性は、出願人が実験データとの優れた適合をもたらすことを見出したモデルEp(但し、p<−2)としてモデル化される。

0016

一実施態様によれば、前記重みは、



の形の(又はこの形と代数的に等価な形の)エネルギ項を各々含み、ここで、aは任意の定数であり、bは撮像される物体の内部構造に関係する定数であり、E0は設計エネルギであり、Eiはチャンネルiごとの異なるエネルギレベルである。

0017

一実施態様によれば、前記線形変換器は、(i)ハイパスフィルタ又はローパスフィルタ、及び(ii)一実施態様ではフィルタ逆投影演算器である逆投影演算器のうちの何れか1つである。言い換えると、提案されるシステムは、2D投影撮像及び3DのCT再生撮像の両方に用いることができる。更に詳細には、前記エネルギ積分の過程は投影ドメインで適用することができる(この場合、望むならフィルタ演算も依然として実行することができるが、線形演算は必要とされない)。言い換えると、信号積分の過程は投影データに対して実行される。CTのアプリケーションの場合、上記信号積分/エネルギ加重の過程は代わりに画像空間で実行することができるが、CTにおいても、最初にエネルギ加重を実行し、後に逆投影を実行したい場合がある。言い換えると、エネルギ積分/加重の過程は、投影ドメイン又は画像ドメインの何れかで実行される。

0018

第2態様によれば、信号処理方法が提供され、該信号処理方法は、
− 異なるエネルギチャンネルにおいて暗視野信号データを各々入力するステップと、
− 前記暗視野信号データを対数化して対数暗視野信号データを得るステップと、
−オプションとして、前記対数暗視野信号データを線形に変換するステップと、
− 少なくとも2つのエネルギチャンネルの前記対数暗視野信号データ又は変換された前記対数暗視野信号データを、該少なくとも2つのエネルギチャンネルに対応するエネルギ重みを使用することによりエネルギ加重対数暗視野信号に積分するステップと、
− 前記エネルギ加重対数暗視野信号を出力するステップと、
を有する。

0019

一実施態様によれば、当該方法は、前記チャンネルのうちの少なくとも2つに関して、X線源からのX線放射暴露の後に検出器において異なるエネルギチャンネルで(以前に)検出された投影強度データから、暗視野信号データを各々抽出するステップを更に有する。

0020

本発明は、病院等の臨床環境における有用なアプリケーションを可能にする。更に詳細には、本発明は、患者医療検査のためのマンモグラフィ、診断放射線医学介入放射線医学及びコンピュータトモグラフィ(CT)等の撮像方式におけるアプリケーションに非常に適している。更に、本発明は工業環境においても有用なアプリケーションを可能にする。更に詳細には、本発明は非破壊検査(例えば、生物学的及び非生物学的試料組成、構造及び/又は性質についての分析)におけるアプリケーションに非常に適している。

図面の簡単な説明

0021

図1は、エネルギ分解検出器サブシステムを備える干渉X線撮像装置を示す。
図2は、図1の装置に使用されるエネルギ加重モジュールブロック図を示す。
図3は、信号処理方法のフローチャートを示す。
図4は、暗視野信号対X線エネルギエネルギ依存性を図示する。

実施例

0022

以下、本発明の例示的実施態様を、添付図面を参照して説明する。

0023

図1は、特には暗視野撮像等の、エネルギ分解位相コントラスト撮像用に構成されたX線撮像システムIMの概略ブロック図を示す。

0024

X線放射波XBを発生するためのX線源XRが存在し、該X線放射波は検査領域内試料PBを通過した後に検出器Dの検出器ピクセルpxにより検出することができる。長椅子等の被検体支持具(図示略)が、試料PB(患者又は例えば荷物品物等の無生物物体等)を検査領域内で支持する。

0025

撮像システムIMは、3D撮像のためのCTスキャナであるか、又はCアーム型のような簡単な平面投影撮像器装置とすることもできる。一実施態様において、前記X線源は、当該患者を介して所望の投影方向のうちの何れか1つの又は複数の方向にX線波を投射するように回転可能なガントリ(図示略)上に取り付けられる。ここでは、当該X線源が静止型である2DX線投影撮像のための一層簡単な実施態様も考えられる。

0026

自身の基本的構成要素として、撮像システムIMは干渉システム要素を含み、一実施態様(必ずしも全ての実施態様ではない)においては、エネルギ分解検出器サブシステム要素を含む。

0027

最初に上記干渉システム要素及び該要素の動作を詳細に参照すると、該干渉システム要素は、例えばG0〜G2等の1又は2以上の干渉格子のサブシステムを含む。この格子のサブシステムは、これら格子をX線源XRと放射感知検出器Dとの間に適切に配置することにより位相コントラスト撮像(特には、微分位相コントラスト撮像、“DPCT”)の能力を提供する。暗視野信号(又は小角散乱信号)は、格子型位相コントラスト撮像法と通常称せられる前後関係で抽出され得るが、ここでは他の実施態様においてアナライザ型撮像法(回折強調撮像法(DEI)又は伝播型撮像法(屈折強調撮像法))等の他の方法も考えられる。従って、以下では、暗視野撮像の理解に関係する位相コントラスト撮像の側面を簡単に要約する。しかしながら、このことは、暗視野撮像が位相コントラスト撮像装置なしで直接的に実行される他の実施態様を除外しようとするものではない。

0028

一例としての限定するものでない実施態様の格子型機構において、干渉装置(限定するものでない実施態様において、タルボ型又はタルボ・ロー型のものである)は、2以上の格子G1、G2(タルボ型)、好ましくは3つの格子G0、G1及びG3(タルボ・ロー型)を含む。X線源側の第1の減衰格子G0は周期p0を有し、X線源XRで放出されるX線放射波面の少なくとも部分的な空間的コヒーレンス可干渉性)を発生する。

0029

位相格子G1(周期p1を有する)は、上記X線源から距離dに配置され、更に下流に周期p2の干渉パターンを生じさせる。該干渉パターンは、検出器Dにより直接的に又は他の所謂アナライザ格子G2を使用することにより検出することができる。ここで、試料PB(撮像されるべき)がX線源と検出器との間の検査領域に導入されると、上記干渉パターンの位相シフトされる(ずらされる)。この干渉パターンのずれΔφは(例えば、OPTICS EXPRESS, 2 December 2013, vol 21, No 24のF M Epple他による“Unwrappingdifferential X-ray phase contrast images through phase estimation from multiple energy data”に報告されているように)、当該試料PBを経る各経路に沿った累積屈折による位相シフトΔΦの勾配に比例する(従って、DCPIなる名称である)。言い換えると、当該干渉の位相変化を測定することは、試料PBにおける屈折により生じた位相のずれ(又は勾配)を抽出することを可能にする。

0030

残念ながら、上記干渉パターンの周期は典型的に直接空間的に分解(解像)されるには小さ過ぎ、従って、このことは当該パターンの位相の直接測定障害となる。殆どのX線検出器空間分解能は、これが可能ではない。従って、この干渉パターンの位相シフトを“サンプリングする”ために、通常、当該干渉パターンと同一の周期p2を持つ第2減衰格子G2が格子G1から距離lに配置される。幾つかの単格子実施態様においては、干渉パターンが検出器面において形成することを保証するために、検出器から適切なタルボ距離に配置された単一の格子が使用される。

0031

干渉パターンの位相シフト(従って、試料PBにより生じた位相勾配のシフト)及び暗視野信号の抽出を補助するために、複数の異なる技術が存在し、ここでは、これらの全てが異なる実施態様において想定される。例えば、幾つかの実施態様においては、当該格子のうちの1つと他のもの(複数の他のもの)との間の相対運動が微分位相抽出のために必要とされる(当該検出器が格子G1により発生される縞模様を直接解像することができる他の実施態様では、当該格子のうちの1つと検出器Dとの間の相対運動を使用することもできる)。何れの実施態様における相対運動(即ち、格子対格子又は格子対検出器)も、例えば“位相歩進(phase stepping)”により達成することができ、その場合、例えばアナライザ格子G2を異なる離散的格子位置にわたって横方向に移動させ、次いで各格子位置において各ピクセルPXの強度を測定するためにアクチュエータが使用される。“横方向”運動とは、ここでは、z方向(図1参照)に沿う運動、即ち当該波XBの伝播方向及び格子の“溝”方向に対して垂直な方向の運動を意味する。位相歩進方法は、F. Pfeiffer他によりNature Phys. Lett. 2, 258-261 (2006)の “Phase retrieval and differential phase-contrast imaging with low-brilliance X-ray sources”に記載されている。

0032

しかしながら、このことは、位相歩進又は上記タイプの位相歩進が唯一の実施態様であるということを言うのではない。というのは、他の実施態様では、当該運動が試料自体のものであり得るか、又は当該運動が所要動きを構成するX線検出器(該検出器に取り付けられた格子G1及びG2の少なくとも何れかを伴う)のスキャン運動であり得るからである。ここで重要なことは、検査領域内の試料PBの存在により生ぜられた屈折の量を含む一連の信号を捕捉することである。更に他の実施態様においては、多焦点X線源が使用され、位相/暗視野信号の抽出は異なる焦点のうちの1つから他のものへ順番切り換えることにより実現される。

0033

一般的に、何の抽出手順が用いられているとしても、各ピクセルにおける強度Iは、何れかのX線光学エレメント(格子又は検出器等)の相対位置の関数として振動する(通常は、正弦的に)ことが分かる。例えば、位相歩進の一例に戻ると、各ピクセルはアナライザ格子G2の横方向運動の間において呈される異なる格子位置の関数として一連の異なる強度(対応するピクセルにおける)を記録する。

0034

各ピクセルPXにおける振動する強度信号Iは、ここで主に関心のある干渉量、即ち暗視野(又は小角散乱)信号及び全体の吸収度及び当該干渉パターンの位相シフト等の他の干渉量の間に“エンコード”する。各信号(暗視野並びに位相及び吸収信号)は、アルゴリズム的“暗視野回収/抽出”(通常、位相撮像が関心のものである場合、“位相回収”とも称される)演算で抽出することができ、該演算は、本質的に、少なくとも上記3つの干渉量の全てに関する曲線当てはめ演算である。例えば、一実施態様において、位相コントラスト及び暗視野信号は、各ピクセルPXに対応する強度曲線フーリエ解析した後の次及び一次フーリエ成分として回復される。例えば、Phys. Med. Biol. 55 (2010) 5529-5539のM Bechによる“Quantitative X-ray dark-field computed tomography”の5531頁における式(1)及び関連する説明文を参照されたい。先に言及したように、上述した格子型干渉機構は暗視野信号を得るための一実施態様に過ぎない。他の、非格子型機構も考えられる。また、暗視野信号を抽出するための上記信号処理は、一般的に、機構毎に相違する。ここで用いられる“機構”(例えば、ここで述べられる干渉機構)は、ここで求められる暗視野散乱信号をエンコードし得る強度投影データに関して検出器に干渉パターンを形成することを可能にするような、検出器DとX線源との間の如何なる技術的配置も含むものである。該機構は、ピンホール/開口配置、結晶配置等を含むことができる。また、ここでは、前の基となるデータから追加の暗視野信号抽出/回収が必要とされない直接暗視野信号装置も考えられる。直接撮像においては、検出器の測定値自体が暗視野信号を形成する。

0035

ここで、エネルギ分解検出器サブシステムを詳細に参照すると、このサブシステムは、一実施態様において、光子により衝突された場合に電気パルスを発することにより応答するよう構成された1以上の行の検出器ピクセルから形成される放射感知面を備えたエネルギ分解又は光子計数型の検出器Dを含む。上記パルスの高さは、各光子のエネルギに対応する。上記検出器ピクセルは、n個の異なるエネルギレベルEi又は“ビン”を弁別するための“nビン”光子計数回路ERと組み合わされる。言い換えると、検出器Dにおいて検出される放射(該放射の試料PBの通過後の)は、衝突する光子の各エネルギに対応する異なる光子計数値へと分解される。上記計数回路は、特に、到来する光子のエネルギを予め定められた一群エネルギビンEiに対して比較する比較器を含んでいる。更に詳細には、前記エネルギレベルEiに対して比較されるものは、衝突する光子の検出器ピクセルPXとの相互作用により生じる電気パルスである。

0036

前述した位相抽出及び位相回収演算は、各エネルギビンにおけるデータに対して実行され、かくして、各ピクセル及び各エネルギレベルiに対して1つずつの、各エネルギ分解暗視野投影データLを導出する。該エネルギ分解暗視野データ、即ち各ビン及びピクセルPXに関する全ての信号の集合は、次いで、信号処理システムSPSに供給される。

0037

提案される信号処理システムSPSは、エネルギ加重(エネルギ重み付け)により暗視野像における信号対雑音比を改善するように動作する。通常、エネルギ加重は吸収像に対してのみ実行されていた。ここでは、これを新たな改善されたエネルギモデルを用いて暗視野像に対しても実行することが提案される。上記モデルは暗視野信号のエネルギ依存性を策定する。残念ながら、暗視野信号の信号発生処理はかなり複雑であり、従って、この複雑さを反映するための関連するモデル化アプローチを必要とする。それにも拘わらず、幾つかのケースでは、何処かで報告されているように(例えば、先に参照したBech他の論文を参照)、暗視野信号を記述するために等方性拡散”の簡単なモデルを適用することができる。該拡散モデルは:



であり、該モデルは可視性喪失(loss of visibility)を所謂線形拡散係数εに関係付け、xは路程経路長)である。図4は、各々、厚さd及び2dの2つの発泡体試料に関する、



なる量のエネルギ依存性の実験結果を示す。各エネルギに関して当該信号は試料の厚さに良好に比例する。実験的に、エネルギ依存性は、図4で当てはめ曲線により証明されるようにE-3依存性に従うことが分かる。このことは、確立された知識がE-2依存性に好意的であるので、驚くべき結果である。例えば、文献[A. Guinier, "X-Ray Diffraction", Dover Publications, Inc, New York, (1994), Chapter 10]を参照されたい。かくして、更なるエネルギ依存性成分が働いていると思われる。既存のE-2依存性からの過激な脱却では、当該信号がスペクトル検出器Dにより記録されたと仮定して、暗視野画像におけるコントラスト対雑音比を改善するために暗視野信号のエネルギ加重方式に関し、この新たな実験的に確立されたエネルギ依存性を利用することが提案される。

0038

図2は、ここに提案されたエネルギ加重モジュールSPMを含む信号処理装置SPSの種々の構成要素を示すブロック図である。該モジュールSPMは入力ポートIN及び出力ポートOUTを含む。該モジュールは、入力ポートINにおいて、スペクトル検出器システムDにおいて記録されたエネルギ分解干渉投影データを読み込む。該干渉投影データは、X線ビーム(前記X線源から放出された)の試料PB及び干渉システムとの相互作用の後に発生されるものである。該干渉投影データは、次いで、暗視野信号抽出器DSXに受け渡され、該抽出器は、先に簡単に説明したように、適切な位相回収曲線当てはめ演算の前後関係においてエネルギチャンネル毎にLOG投影データから暗視野信号成分を抽出するように動作する。

0039

前記式(2)に示唆されているように、提案されるモジュールSPMは対数ドメインで動作することが想定される。言い換えると、抽出された暗視野信号Viは、該信号Viを対応する対数(何らかの適切な底に対する)に変換するよう動作する対数モジュールLOGに受け渡される。このようにして、対数暗視野信号



が形成される。

0040

オプションとして、入力された投影データに対してバイアス補正を適用するように構成されたバイアス補正モジュールBCも存在し得る。このことは、個々のエネルギビンにおける雑音レベルが相当に大きいかも知れない故に有利である。バイアス補正モジュールは、対数モジュールLOGの上流又は下流に配置することができる。

0041

オプションとして、上記対数暗視野信号を線形的に変換する線形変換器LINが存在する。線形変換器の例は、ロー若しくはハイパスフィルタ又はフィルタ逆投影演算器(FBP)等の逆再生演算器(backward reconstruction operator)である。

0042

各エネルギチャンネルiからの(恐らくは線形変換された)上記対数暗視野信号



(ここでは、線形変換が用いられたか否かに拘わらず、同一の表記



が使用される)は、次いで、信号積分器SINTに供給される。該積分器SINTは、エネルギ加重(エネルギ重み付け)を実施するように動作する。特に、当該抽出された対数暗視野信号は、エネルギチャンネルにわたって合計されると共に、当該新たに提案されたエネルギモデルに従って加重される。このようにして積分及び加重された信号(各検出器ピクセルに対して)は、次いで、エネルギ加重対数暗視野信号



画像を構成するために出力ポートOUTにおいて出力される。該画像は、次いで、適切な視覚化ソフトウェアにより処理した後に表示するためにスクリーンMTに供給することができ、又は該画像は必要に応じてそれ以外で記憶若しくは処理することができる。

0043

ここに提案された改善されたスペクトルエネルギモデルを用いる対数暗視野信号のエネルギ加重のための提案される方法を、図3を参照して詳細に説明する。該方法は格子型干渉機構に関して説明されるが、ここでは前述したように他の機構も同様に想定されるので、該説明は限定するものと見なされるべきではない。

0044

ステップS310において、暗視野信号Viが異なるエネルギチャンネルiに関して又は斯かるチャンネルiにおいて入力される。該暗視野信号は、適切な検出器機構により直接得ることができるか、又は中間の抽出処理を介して間接的に得ることができる。例えば、この間接的暗視野撮像に関する一例示的実施態様においては、格子型干渉機構が用いられ、その場合、準備ステップS305において、一実施態様では異なる格子位置に対してnビン(n≧2)エネルギ分解検出器Dにおいて記録された干渉投影強度が入力される。暗視野信号回収又は抽出演算が幾つかの(一般的には、各々の)エネルギビンに対して実行され、その結果、ステップS310において異なるエネルギビンiに関する暗視野信号Viが入力される。

0045

ステップS320において、抽出された又は直接入力された暗視野信号Viは、対数暗視野信号データ



としての対数的表現に変換される。対数ドメインにおける信号処理は、特に暗視野信号に関して内在する信号発生処理の乗法的性質を一層都合良く捕捉及び表現する利点を有している。

0046

必ずしも全ての実施態様ではないが、幾つかの実施態様においては、基となる投影データに対する関連の雑音レベルσiを推定するためのステップS330が存在する。行列乗算として最小二乗当てはめアルゴリズムが実施される雑音レベル推定の一方法に関しては、例えば、Medical Physics 38(7):4133-4140 (2011)のWeber他による“Noise in x-ray grating based phase-contrast imaging”を参照されたい。例えば、雑音の振る舞いの分散が計算される4137頁のWeberの式(29)及び(30)を参照されたい。しかしながら、これは単なる一解説例であり、ここでは他の雑音推定方法も考えられる。他の実施態様において、零次近似として全ての分散は等しいとすることができ、上記ステップS330は完全に削除される。

0047

ステップS340において、対数暗視野信号



は加重積分されて、



に従い各エネルギ加重対数暗視野線積分



を計算する。ここで、括弧内の項は、再スケーリングによりエネルギEiにおける測定値から予測されるエネルギE0における対数暗視野信号を示す。この場合、ここでは、加重平均のSNR(信号対雑音比)を最適化するために、上記のようにして再スケーリングされた値の幾つか又は全てを統計的重み(1/~σ2)により平均することが提案される。SNR最適重みは、再スケーリングされた線積分(上記表記において波形ダッシュ〜により示される)の逆分散として得ることができる。この場合、この再スケーリングは、任意に選択された基準エネルギE0に関して、



を意味し、ここで、iは種々のエネルギビン/レベルインデックスである。

0048

出願人は、逆数のビンエネルギEipに対して、p<−2によるべき法則(又は、等価的に1/Eip、p>2)は相対的に高い信号対雑音比を生じることを見出した。特に、p=−3は実験的に良好な結果を生じることが分かった。当該エネルギ法則に対する他のべき値pも考えられるが、好ましくは−4≦p<−2である。

0049

上記方法ステップS310〜S340は、各ピクセルPXに関し若しくはユーザが選択した複数のピクセルPXに関して並行して又は順次に実行される。

0050

ステップS360において、エネルギ加重対数暗視野画像(即ち、全てのピクセルに関するエネルギ加重対数暗視野信号



の集合)は、次いで、記憶、画像処理若しくはモニタMT上での表示のために出力され、又はそれ以外での使用のために利用可能にされる。

0051

当該方法は、投影ドメインにおいて当該投影データに又は(対数)投影データに適用されるオプションとしての線形変換ステップS350を含むこともできる。その例は、例えばハイ又はローパスフィルタ等のフィルタ処理である。CTの実施態様において、上記線形フィルタ処理逆投影処理(特には、フィルタ逆投影(FBP))等の再生処理である。該フィルタ処理S350は、ステップ340におけるエネルギ加重と情報伝達し合う。言い換えると、CTの場合、エネルギ加重S340は2D投影ドメインにおいて上述したように前処理として実行され得るか、又は3D画像ドメインにおける後処理として、即ち対数暗視野サイノグラム(即ち、画像試料PBの周りでのスキャナのX線源の回転の間に収集された全投影方向に関する



)のフィルタ逆投影後に実行することができる。後者の場合、即ち提案された方法が画像ドメインで適用されるべき場合、エラー推定値σ(又は、分散σ2)を投影ドメインから画像ドメインへ伝搬させるために適切なエラー伝搬方法を用いることができる(必ずしも、全ての実施態様においてではない)。エラー情報を2D投影ドメインから3D画像ドメインへ変換するための適切なエラー伝搬方法は、例えば、Physics in Medicine and Biology, 53:2471-2493 (2008)のWunderlich及びNooによる“Image covariance and lesion detectability in direct fan-beam x-ray computed tomography”に説明されている。例えば、2479頁のWunderlichの式(32)、(33)及び(37)が、投影ドメインの共分散行列を1つの画像内ドメインにどの様にFBP変換するかのアルゴリズムを提供していることを参照されたい。投影ドメインにおける分散は、先ず、各ビューに関して式(33)、(37)によりフィルタ処理され、斯様にして得られた結果は、次いで、式(32)により逆投影される。ここでは、他のエラー伝搬方法も考えられる。

0052

式(3)に見られるように、各対数暗視野信号は一実施態様では二重に加重される。即ち、各エネルギレベルと任意の設計エネルギE0との間の比として形成されるビンi毎の各エネルギ項に基づく重み付けが存在すると共に、各ビンiに対してステップS330で計算された統計的分散による推定された雑音レベルの逆数による重み付けも存在する。論理根拠は、基となるモデル



及び上記式(3’)による再スケーリングから理解することができる。このことは、測定されたデータを“基準”又は設計エネルギE0に関係付けることを可能にする。

0053

オプションとして、前記入力された投影データにバイアスを付与するためのバイアス補正ステップも存在し得る。このことは、個々のエネルギビンにおける雑音レベルがかなり大きいかも知れない故に有利である。補正されないままの場合、これらの雑音レベルは、バイアスの望ましくない影響、即ち推定される暗視野信号における系統的誤差つながり得る。バイアス補正は、例えば、MRM 34:910-914 (1995)のGudbarjartsson他による“The Rician Distribution for NoisyMRIData”なる文献、又はMedical Physics 12:232-233 (1985), Erratum in 13:544 (1986)のHenkelmanによる“Measurement of signal intensities in the presence of noise in MR images”なる文献において説明されているように実現することができる。式(3)による重み付けのために使用される前述したべき法則エネルギモデルEp(p<−2)は、出願人により発見された一層洗練された信号モデル、即ち、



から導出することができる有用な近似であり、ここで、V、



は零次及び一次フーリエ成分として位相回収から得られる各干渉視認性を示す。

0054

エネルギ加重方程式で使用される簡略化されたエネルギモデルEp(p<−3)は、大きなb≫1又はb≪1に対して極限をとることにより得ることができる。b≪1の場合、指数関数成分expはテイラー級数表現展開させることができ、E−4べき法則エネルギ依存性が見付かる。b≫1の場合、expは零になる傾向があり、E−2依存性となる。式(4)における定数bは、小角散乱を生じさせると考えられる当該試料中の平均粒径又は微細構造に関係することが分かった。言い換えると、E−3べき法則に基づくエネルギ加重は、このように、平均微細構造のサイズが大抵大きい場合に好ましいものであり得る一方、E−4近似は微細構造のサイズがむしろ小さい場合に必要とされ得る。このように、一層詳細なエネルギモデルの式(4)は、“中道の”近似として有用であり得る。しかしながら、図4グラフにより証明されるように、良好な結果を生じる簡略化されたモデルが殆どの実験シナリオにおいて見付かっている。微細構造粒径パラメータbは、事前に分かるか、又は当該データを曲線当てはめする際に追加のパラメータとして使用される。式(5)におけるパラメータaは、通常a=1とすることができるか、又は、このパラメータはエネルギ加重若しくは積分ステップS340において設計エネルギE0との比を形成する際に相殺されるので確かに任意の値とすることができる。

0055

式(4)による一層洗練されたエネルギ法則を用いて、エネルギ加重対数暗視野信号は、



と計算することができ、ここでは、式(3)のエネルギ加重式における一層簡略化された近似エネルギ法則(E0p/Eip)は式(4)により置換される。式(3’)に対する再スケーリング対応部分は、



と書くことができる。

0056

理解されるように、式(4)による一層洗練された近似において、exp式の各指数に現れるものは今やビンエネルギ項Ei自体である。

0057

ここでは、エネルギ加重のための上述したエネルギモデルの数学的に等価なもの又は近似式も考えられ、添付請求項に含まれるものである。

0058

一実施態様において、当該システムは粒径パラメータbを調整するためのグラフィックユーザインターフェース又はキーボード等の適切なユーザ入力手段を含む。このようにして、当該モデルは予測される構造に対してユーザにより様々に調整することができ、又はユーザはbを調整することにより異なるエネルギ加重暗視野画像を発生することができる。

0059

上記で用いられたエネルギ依存性(即ち、パラメータp)は、事前に分かり得るか、又は自身を例えばEi-pなるべき法則への最小二乗当てはめにより所与投影データセットVから導出することができる。

0060

上記はエネルギ分解検出器Dを有する撮像器IMに関して説明されたが、上述した方法及びシステムは検出器Dがエネルギ積分型のものである撮像器IMにも等しく当てはまるものであることが理解される。この実施態様において、X線源XRは異なるX線管電圧に切り換えることにより動作可能であり、これら電圧は異なるエネルギレベルiを定める。エネルギ分解は、異なる管電圧による複数の暴露において異なる群の投影データを取得することにより達成される。

0061

ここに提案された信号処理システムSPSの1以上の構成要素(モジュールSPM等)は、当該撮像器IMと組み合わされたワークステーションWS等の適切に構成されたデータ処理若しくは計算ユニットにおけるソフトウェアモジュール(又は複数のモジュール)として実行し又は実施化することができる。他の例として、信号処理システムSPSは、C++又はC等の適切なプログラム言語プログラムすることができる。代わりに、当該信号処理システムSPS又は少なくとも該システムの構成要素の幾つかは、自立型コンピュータチップとして組み込まれ得るか、又は専用のFPGAとして構成することができる。ここでは、他の実施化実現例も考えられる。

0062

本発明の他の例示的実施態様においては、コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供され、該コンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素は、適切なシステム上で上述した実施態様のうちの1つによる方法の方法ステップを実行するように構成されることを特徴とする。

0063

従って、上記コンピュータプログラム要素は、本発明の一実施態様の一部でもあり得るコンピュータユニットに記憶される。このコンピュータユニットは、上述した方法のステップを実行し又は斯かるステップの実行を含むように構成することができる。更に、これは、前述した装置の構成要素を動作させるように構成することができる。上記コンピュータユニットは、自動的に動作し及び/又はユーザの命令を実行するように構成することができる。コンピュータプログラムはデータプロセッサ作業メモリにロードすることができる。該データプロセッサは、このようにして、本発明の方法を実行するように装備することができる。

0064

この本発明の例示的実施態様は、本発明を最初から使用するコンピュータプログラム及び更新により既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータプログラムの両方をカバーする。

0065

更に、当該コンピュータプログラム要素は、前述した方法の例示的実施態様の手順を満たす全ての必要なステップを提供することができる。

0066

本発明の更なる例示的実施態様によれば、CD−ROM等のコンピュータ読取可能な媒体も提供され、該コンピュータ読取可能な媒体は先の段落で説明されたコンピュータプログラム要素を記憶している。

0067

コンピュータプログラムは、光記憶媒体又は他のハードウェアと共に若しくは他のハードウェアの一部として供給される固体媒体等の適切な媒体により記憶及び/又は分配することができるのみならず、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介して等のように他の形態で分配することもできる。

0068

しかしながら、当該コンピュータプログラムは、ワールドワイドウエブ等のネットワークを介して提供することもでき、斯様なネットワークからデータプロセッサの作業メモリにダウンロードすることもできる。本発明の更なる例示的実施態様によれば、本発明の前述した実施態様の1つによる方法を実行するように構成されたコンピュータプログラム要素を、ダウンロードのために利用可能にさせる媒体も提供される。

0069

本発明の実施態様は異なる主題に関して説明されたことに注意すべきである。特に、幾つかの実施態様は方法のタイプの請求項に関して説明されている一方、他の実施態様は装置のタイプの請求項に関して説明されている。しかしながら、当業者であれば上記及び下記の説明から、そうでないと明記しない限り、或るタイプの主題に関するフィーチャの間の全ての組み合わせに加えて、異なる主題に関するフィーチャの間の如何なる組み合わせも本出願に開示されていると見なされることが分かるであろう。しかしながら、全てのフィーチャは各フィーチャの単なる寄せ集め以上の相乗効果を提供するように組み合わせることができるものである。

0070

以上、本発明を図面及び上記記載において詳細に図示及び説明したが、斯かる図示及び説明は解説的又は例示的であり、限定するものではないと見なされるべきである。即ち、本発明は開示された実施態様に限定されるものではない。開示された実施態様に対する他の変形例は、当業者によれば、請求項に記載された本発明を実施するに際し、図面、当該開示及び従属請求項の精査から理解し、実施することができるものである。

0071

尚、請求項において、“有する”なる文言は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。また、単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載された幾つかの項目の機能を充足することができる。また、特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。また、請求項における如何なる符号も、当該範囲を限定するものと見なしてはならない。

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