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技術 発泡体適用のための長鎖分岐ポリプロピレン

出願人 ボレアリスエージー
発明者 ブラウンヘルマンワンジンボガーレイトナーマルクスプロクシヘルマンレスキネンパウリリルヤヨハンナ
出願日 2015年11月4日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2017-521984
公開日 2017年11月2日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-532425
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒
主要キーワード 不連続プロセス 伸展速度 円筒形ダイ ワイヤメッシュスクリーン 予備混合段階 リアクタ温度 外部支持 トップカット
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重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明はプロピレンホモポリマーまたはコポリマーに関し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィンから選択されるコモノマーを有し、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まない。本発明はさらに、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)に関し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィンから選択されるコモノマーを有し、前記長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)はフタル酸化合物を含まない。ならびにそれらの生成プロセスおよび使用に関する。

概要

背景

プロピレンホモポリマーおよびコポリマーは、たとえばパッケージング織物自動車実験用機器、およびパイプなどの多くの適用に対して好適である。これらのポリマーは、たとえば高い係数引張り強さ、剛性、および耐熱性などのさまざまな特性を示す。これらの特性によって、ポリプロピレンはたとえば発泡体などの多数の適用における非常に魅力的な材料となっている。

熱可塑性発泡体は一般的に、発泡剤膨張によって生じる多孔質構造を有する。多孔質構造が提供する一意の特性によって、発泡プラスチックはさまざまな工業適用に用いられることが可能になる。上述のポリプロピレンの有利な特性により、ポリプロピレンで作られた発泡体は、たとえばポリエチレンおよびポリスチレンなどのその他の熱可塑性発泡体の代替物と考えられてきた。しかしポリプロピレン材料は、熱可塑性処理の際に発泡体の調製のための使用を制限するようないくつかの不利益を示すことも公知である。特に、多くのポリプロピレンは低溶融強度および/または低溶融伸展性を有する。発泡体適用は、高溶融強度と同時に良好な流動特性を必要とする。したがって、ポリプロピレンのこれらの特性を改善する必要がある。

この目的は、ポリプロピレンにたとえば高溶融強度(HMS:high melt strength)プロセスなどのポストリアクタ修飾プロセスを受けさせることによって到達できる。このプロセスは、ポリプロピレン材料に分岐を生じさせることによって、長鎖分岐ポリプロピレンをもたらす。長鎖分岐は、一般的に溶融強度の改善に関連している。したがって、これらの長鎖分岐ポリプロピレンは発泡体を作製するためにしばしば用いられる。

既存の長鎖分岐ポリプロピレンおよびそれらの組成物の分野における課題は、一般的にそれらの生成によってゲルの形成がもたらされることである。ゲル形成の結果、ポリプロピレンの望ましくない低溶融強度、およびそれに基づく発泡体の望ましくない不十分な機械的性能がもたらされる。ゲル形成は、いわゆる高温キシレン不溶成分(XHU:xylene hot insoluble)フラクションに反映される。よって、高溶融強度を有するポリプロピレンをそのゲル含有量に関して改善することが望まれる。こうした改善によって、こうしたポリプロピレンを使用するときに得られる発泡体が、改善された非常に望ましい特性を有するようになる。

(BOREALIS AG名義の)特許文献1は、高溶融強度(HMS)ポストリアクタ修飾プロセスを記載しており、ここでは長鎖分岐ポリプロピレン(b−PP:branched polypropylene)材料を作製するために、過酸化物およびブタジエンが用いられる。特許文献1における長鎖分岐ポリプロピレンは、低減したゲル含有量を有する発泡体を調製するために用いられる。特許文献1における長鎖分岐ポリプロピレンの調製のために、基本材料として特定のポリプロピレンが用いられる。ゲル含有量の低減は、長鎖分岐ポリプロピレンの調製に用いられる基本ポリプロピレン材料のMFRを増加させることによってのみ達成され得ることが開示されている。この方法の不利益のいくつかは、基本ポリプロピレンの特定のMFR範囲に対して必要な制限(restriction)、およびさらに長鎖分岐ポリプロピレン組成物の任意の望ましいMFRに到達するための制限である。したがって、長鎖分岐ポリプロピレン材料の特性、より特定的にはそのゲル含有量を改善すること、および発泡体の機械的特性を改善することがなおも必要とされている。

以後(b−PP)と呼ばれることもある長鎖分岐ポリプロピレンの調製に用いるために好適なポリプロピレン材料は、チーグラーナッタ触媒を用いて生成され得る。このタイプの触媒は、一般的に内部電子供与体を含有する。チーグラー・ナッタ型触媒において最も一般的に用いられるタイプの内部電子供与体は、フタレートベース化合物である。現在、フタレートベースの化合物は、健康および環境上の問題に鑑みて不利益とみなされることがある。したがって、先行技術と同じであるか、またはより改善された特性をなおも有する、フタレートを含有するポリプロピレン材料に対する好適な代替物を見出す必要がある。

よって、低ゲル含有量の長鎖分岐ポリプロピレンをもたらすと同時に、将来の環境および健康上の要求を満たす、HMSプロセスに好適なポリプロピレン材料が必要とされている。この要求は、フタレートを含まない触媒系の存在下でポリプロピレンを生成することによって満たされる。こうした触媒系を用いることによって、フタレートを含まず、かつ所望の機械的特性を達成する長鎖分岐ポリプロピレンを生成することが可能である。

概要

本発明はプロピレンホモポリマーまたはコポリマーに関し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィンから選択されるコモノマーを有し、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まない。本発明はさらに、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)に関し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィンから選択されるコモノマーを有し、前記長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)はフタル酸化合物を含まない。ならびにそれらの生成プロセスおよび使用に関する。なし

目的

国際公開第2014/0016205号明細書






上述のポリプロピレンの望ましくない低溶融強度、望ましくない高ゲル含有量、および発泡体の不十分な機械的性能、およびフタレートの存在という不利益は、ここでプロピレンホモポリマーまたはコポリマーを提供する

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請求項1

プロピレンホモポリマーまたはコポリマーであって、前記コポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーを有し、前記コポリマー内のコモノマー含有量は0.1wt%から7.0wt%の範囲であり、低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクションは0.8wt%から15.0wt%の範囲であり、MFR2は0.1g/10minから1.5g/10minの範囲であり、ここでMFR2は230℃および2.16kgの荷重にてISO1133に従って測定されるメルトフローレートであり、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、a)空隙率が8.0%より高く、b)中央粒径d50が150μmから1500μmの範囲であり、c)トップカット粒径d95が500μmから4000μmの範囲であり、かつd)前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まないことを特徴とする、プロピレンホモポリマーまたはコポリマー。

請求項2

プロピレンホモポリマーまたはコポリマーであって、前記コポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーを有し、コモノマー含有量は0.1wt%から7.0wt%の範囲であり、こうしたプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは触媒系の存在下での重合プロセスにおいて生成され、前記触媒系はa)第4族から第6族の遷移金属(TM)を有するチーグラー・ナッタベースの触媒であって、前記触媒は内部供与体を含有する、触媒と、b)任意には共触媒(Co)と、c)任意には外部供与体(ED)とを含み、存在するときの前記共触媒(Co)対外部供与体(ED)のモル比[Co/ED]は3.0mol/molから45.0mol/molの範囲であり、かつ前記共触媒(Co)対第4族から第6族の遷移金属(TM)のモル比[Co/TM]は40.0mol/molから500mol/molの範囲であり、結果として得られる前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、a)8.0%より高い空隙率と、b)150μmから1500μmの範囲の中央粒径d50と、c)500μmから4000μmの範囲のトップカット粒径d95とを有し、かつ前記チーグラー・ナッタ触媒(a)に含まれる前記内部供与体は非フタル酸化合物であることを特徴とする、プロピレンホモポリマーまたはコポリマー。

請求項3

前記非フタル酸化合物は、非フタル酸カルボン(二)酸の(ジ)エステルから選択され、前記(ジ)エステルはマロン酸塩マレイン酸塩コハク酸塩シトラコン酸塩、グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、および安息香酸塩、ならびにそれらの任意のものの誘導体および/またはそれらの任意のものの混合物を含む群に属することを特徴とする、請求項2に記載のプロピレンホモポリマーまたはコポリマー。

請求項4

請求項1から3のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーと、少なくとも1つまたはそれ以上の添加剤とを含むポリプロピレン組成物であって、前記ポリプロピレン組成物はフタル酸化合物を含まないことを特徴とする、ポリプロピレン組成物。

請求項5

長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)であって、前記コポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーと、0.1wt%から7.0wt%の範囲のコモノマー含有量とを有し、a)ISO1133に従って測定される前記b−PPのメルトフローレートMFR2(230℃)は1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であり、b)前記b−PPのF30溶融強度は18.0cNから50.0cNの範囲であり、ここで前記b−PPのF30溶融強度はISO16790:2005に従って測定され、c)EN579に従って測定される前記b−PPの高温キシレン不溶成分(XHU)フラクションは2.5wt%未満であり、かつd)前記b−PPはフタル酸化合物を含まないことを特徴とする、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)。

請求項6

前記b−PPは200mm/s以上のv30溶融伸展性を有し、ここで前記v30溶融伸展性はISO16790:2005に従って測定されることを特徴とする、請求項5に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)。

請求項7

請求項1から3のいずれか一項に記載の少なくとも1つのプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの反応性修飾によって生成されることを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)。

請求項8

請求項5から7のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー(b−PP)と、添加剤およびポリマーから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のその他の化合物とを含む長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)であって、こうした長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は、a)ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)が1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であり、b)F30溶融強度が18.0cNから50.0cNの範囲であり、ここで前記F30溶融強度はISO16790:2005に従って測定され、c)EN579に従って測定される高温キシレン不溶成分(XHU)が2.5wt%未満であり、かつd)前記長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)はフタル酸化合物を含まないことを特徴とする、長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)。

請求項9

a)請求項5から7のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/またはb)請求項8に記載の長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)から作られる、物品

請求項10

請求項1から3のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーを生成するためのプロセスであって、こうしたプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは触媒系の存在下での重合プロセスにおいて生成され、前記触媒系はa)第4族から第6族の遷移金属(TM)を有するチーグラー・ナッタベースの触媒であって、前記触媒は内部供与体を含有する、触媒と、b)任意には共触媒(Co)と、c)任意には外部供与体(ED)とを含み、存在するときの前記共触媒(Co)対外部供与体(ED)のモル比[Co/ED]は3.0mol/molから45.0mol/molの範囲であり、かつ前記共触媒(Co)対第4族から第6族の遷移金属(TM)のモル比[Co/TM]は40.0mol/molから500mol/molの範囲であり、前記チーグラー・ナッタ触媒(a)に含まれる前記内部供与体は非フタル酸化合物であることを特徴とする、プロセス。

請求項11

前記非フタル酸化合物は、非フタル酸カルボン(二)酸の(ジ)エステルから選択され、前記(ジ)エステルはマロン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、シトラコン酸塩、グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、および安息香酸塩、ならびにそれらの任意のものの誘導体および/またはそれらの任意のものの混合物を含む群に属することを特徴とする、請求項10に記載のプロセス。

請求項12

請求項4に記載のポリプロピレン組成物を生成するためのプロセスであって、前記プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーが少なくとも1つまたはそれ以上の添加剤と混合される、プロセス。

請求項13

請求項5から7のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)を生成するための反応性修飾プロセスであって、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーと、熱分解フリーラジカル形成剤と、任意には少なくとも1つの官能不飽和化合物とを、20℃から100℃の温度にて少なくとも2分間混合して予備混合材料を形成するステップと、溶融混合デバイス内で180℃から300℃の範囲のバレル温度にて前記予備混合材料を溶融混合するステップとを含む、反応性修飾プロセス。

請求項14

請求項8に記載の長鎖分岐ポリプロピレン組成物を生成するためのプロセスであって、前記長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー(b−PP)が、a)添加剤、b)ポリマー、c)フィラー、d)補強剤、e)ならびにa)、b)、c)およびd)の任意の組み合わせから選択される少なくとも1つまたはそれ以上の化合物と混合される、プロセス。

請求項15

請求項5から7のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または請求項8に記載の長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)を含む物品、好ましくは発泡体または発泡物品を製造するための、溶融状態変形プロセス

請求項16

発泡体または発泡物品を製造するための、請求項5から7のいずれか一項に記載の長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または請求項8に記載の長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)の使用。

技術分野

0001

本発明は、特定のプロピレンホモポリマーまたはコポリマー、およびその生成のためのプロセスに関する。本発明はさらに、このプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーを含むポリプロピレン組成物、ならびにこうした組成物を作製するためのプロセスに関する。加えて本発明は、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー、反応性修飾プロセスによるその生成、その使用、こうした長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーから作られた物品、ならびにこうした物品を製造するための溶融状態変形プロセスに関する。さらに本発明は、長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーを含む長鎖分岐ポリプロピレン組成物、その調製プロセス、その使用、こうした長鎖分岐ポリプロピレン組成物から作られた物品、ならびにこうした物品を製造するための溶融状態変形プロセスに関する。

背景技術

0002

プロピレンホモポリマーおよびコポリマーは、たとえばパッケージング織物自動車実験用機器、およびパイプなどの多くの適用に対して好適である。これらのポリマーは、たとえば高い係数引張り強さ、剛性、および耐熱性などのさまざまな特性を示す。これらの特性によって、ポリプロピレンはたとえば発泡体などの多数の適用における非常に魅力的な材料となっている。

0003

熱可塑性発泡体は一般的に、発泡剤膨張によって生じる多孔質構造を有する。多孔質構造が提供する一意の特性によって、発泡プラスチックはさまざまな工業適用に用いられることが可能になる。上述のポリプロピレンの有利な特性により、ポリプロピレンで作られた発泡体は、たとえばポリエチレンおよびポリスチレンなどのその他の熱可塑性発泡体の代替物と考えられてきた。しかしポリプロピレン材料は、熱可塑性処理の際に発泡体の調製のための使用を制限するようないくつかの不利益を示すことも公知である。特に、多くのポリプロピレンは低溶融強度および/または低溶融伸展性を有する。発泡体適用は、高溶融強度と同時に良好な流動特性を必要とする。したがって、ポリプロピレンのこれらの特性を改善する必要がある。

0004

この目的は、ポリプロピレンにたとえば高溶融強度(HMS:high melt strength)プロセスなどのポストリアクタ修飾プロセスを受けさせることによって到達できる。このプロセスは、ポリプロピレン材料に分岐を生じさせることによって、長鎖分岐ポリプロピレンをもたらす。長鎖分岐は、一般的に溶融強度の改善に関連している。したがって、これらの長鎖分岐ポリプロピレンは発泡体を作製するためにしばしば用いられる。

0005

既存の長鎖分岐ポリプロピレンおよびそれらの組成物の分野における課題は、一般的にそれらの生成によってゲルの形成がもたらされることである。ゲル形成の結果、ポリプロピレンの望ましくない低溶融強度、およびそれに基づく発泡体の望ましくない不十分な機械的性能がもたらされる。ゲル形成は、いわゆる高温キシレン不溶成分(XHU:xylene hot insoluble)フラクションに反映される。よって、高溶融強度を有するポリプロピレンをそのゲル含有量に関して改善することが望まれる。こうした改善によって、こうしたポリプロピレンを使用するときに得られる発泡体が、改善された非常に望ましい特性を有するようになる。

0006

(BOREALIS AG名義の)特許文献1は、高溶融強度(HMS)ポストリアクタ修飾プロセスを記載しており、ここでは長鎖分岐ポリプロピレン(b−PP:branched polypropylene)材料を作製するために、過酸化物およびブタジエンが用いられる。特許文献1における長鎖分岐ポリプロピレンは、低減したゲル含有量を有する発泡体を調製するために用いられる。特許文献1における長鎖分岐ポリプロピレンの調製のために、基本材料として特定のポリプロピレンが用いられる。ゲル含有量の低減は、長鎖分岐ポリプロピレンの調製に用いられる基本ポリプロピレン材料のMFRを増加させることによってのみ達成され得ることが開示されている。この方法の不利益のいくつかは、基本ポリプロピレンの特定のMFR範囲に対して必要な制限(restriction)、およびさらに長鎖分岐ポリプロピレン組成物の任意の望ましいMFRに到達するための制限である。したがって、長鎖分岐ポリプロピレン材料の特性、より特定的にはそのゲル含有量を改善すること、および発泡体の機械的特性を改善することがなおも必要とされている。

0007

以後(b−PP)と呼ばれることもある長鎖分岐ポリプロピレンの調製に用いるために好適なポリプロピレン材料は、チーグラーナッタ触媒を用いて生成され得る。このタイプの触媒は、一般的に内部電子供与体を含有する。チーグラー・ナッタ型触媒において最も一般的に用いられるタイプの内部電子供与体は、フタレートベース化合物である。現在、フタレートベースの化合物は、健康および環境上の問題に鑑みて不利益とみなされることがある。したがって、先行技術と同じであるか、またはより改善された特性をなおも有する、フタレートを含有するポリプロピレン材料に対する好適な代替物を見出す必要がある。

0008

よって、低ゲル含有量の長鎖分岐ポリプロピレンをもたらすと同時に、将来の環境および健康上の要求を満たす、HMSプロセスに好適なポリプロピレン材料が必要とされている。この要求は、フタレートを含まない触媒系の存在下でポリプロピレンを生成することによって満たされる。こうした触媒系を用いることによって、フタレートを含まず、かつ所望の機械的特性を達成する長鎖分岐ポリプロピレンを生成することが可能である。

先行技術

0009

国際公開第2014/0016205号明細書

課題を解決するための手段

0010

上述のポリプロピレンの望ましくない低溶融強度、望ましくない高ゲル含有量、および発泡体の不十分な機械的性能、およびフタレートの存在という不利益は、ここでプロピレンホモポリマーまたはコポリマーを提供することによって克服され、このプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、コポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーを有し、コポリマー内のコモノマー含有量は0.1wt%から7.0wt%の範囲であり、低温キシレン可溶性成分(XCS:xylene cold soluble)フラクションは0.8wt%から15.0wt%の範囲であり、MFR2は0.1g/10minから1.5g/10minの範囲であり、ここでMFR2は230℃および2.16kgの荷重にてISO 1133に従って測定されるメルトフローレートであり、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、以下を特徴とする。
a)空隙率が8.0%より高く、
b)中央粒径d50が150μmから1500μmの範囲であり、
c)トップカット粒径d95が500μmから4000μmの範囲であり、かつ
d)前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まない。

0011

以後、この材料をPP−Aと呼ぶこともある。

0012

本発明に従うプロピレンホモポリマーまたはコポリマー(PP−A)は、長鎖分岐ポリプロピレンまたはその組成物、およびそれらから作られた低ゲル指数を有する発泡体の生成のためのHMSプロセスに用いるための好適な出発材料であり得る。

0013

触媒に由来するフタレートを含まないプロピレンコポリマーは、国際公開第2013/098150号に記載されている。国際公開第2013/098150号はフタレートを含まないプロピレンコポリマーを記載しているが、こうした材料の特徴および適用は、発泡体ではなくパイプの分野に焦点を定められている。さらに、この文書には結果的に得られたポリマーに関する粒径および粒径分布が開示されていない。

0014

本発明は、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーを提供し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーを有し、コポリマー内のコモノマー含有量は0.1wt%から7.0wt%の範囲であり、低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクションは0.8wt%から15.0wt%の範囲であり、MFR2は0.1g/10minから1.5g/10minの範囲であり、ここでMFR2は230℃および2.16kgの荷重にてISO 1133に従って測定されるメルトフローレートであり、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、以下を特徴とする。
a)空隙率が8.0%より高く、
b)中央粒径d50が150μmから1500μmの範囲であり、
c)トップカット粒径d95が500μmから4000μmの範囲であり、かつ
d)前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まない。

0015

本発明に従うと、「フタル酸化合物」という用語はフタル酸(CAS No.88−99−3)、フタル酸の脂肪族、脂環式、および芳香族アルコールとのモノ−およびジエステル、ならびに無水フタル酸を示す。

0016

本発明に従うと、「プロピレンホモポリマー」という表現は、実質的に、すなわち少なくとも99.0wt%、より好ましくは少なくとも99.5wt%、なおより好ましくは少なくとも99.8wt%、たとえば少なくとも99.9wt%などのプロピレン単位からなるポリプロピレンに関する。別の実施形態においては、プロピレン単位のみが検出可能であり、すなわちプロピレンのみが重合されている。

0017

本発明に従うと、「プロピレンコポリマー」という表現は、プロピレンと、エチレンおよびC4〜C20−アルファオレフィンから選択される少なくとも1つのコモノマー、好ましくはエチレンまたは少なくともC4〜C10−アルファ−オレフィンとに由来する単位を含むコポリマーに関する。したがって、プロピレンコポリマーはプロピレンと、エチレン、C4−アルファ−オレフィン、C5−アルファ−オレフィン、C6−アルファ−オレフィン、C7−アルファ−オレフィン、C8−アルファ−オレフィン、C9−アルファ−オレフィン、およびC10−アルファ−オレフィンからなる群より選択される少なくとも1つの直鎖または分岐コモノマーとに由来する単位を含む。より好ましくは、プロピレンコポリマーはプロピレンと、エチレンまたは直鎖C4〜C10アルファ−オレフィンから選択され、より好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、1−ヘプテン1−オクテン、1−ノネン、および1−デセンから選択される少なくとも1つのコモノマーとに由来する単位を含み、ここではエチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンが好ましい。プロピレンコポリマーは、プロピレンおよびエチレンに由来する単位からなることが特に好ましい。

0018

プロピレンコポリマー中のエチレンおよび/またはC4〜C20アルファ−オレフィンに由来する単位の量は、0.1wt%から7.0wt%の範囲、好ましくは0.3wt%から6.5wt%の範囲、より好ましくは0.4wt%から6.0wt%の範囲である。好適な下限は0.1wt%、好ましくは0.3wt%、より好ましくは0.4wt%であってもよい。好適な上限は7.0wt%、好ましくは6.5wt%、より好ましくは6.0wt%であってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0019

好ましい実施形態において、プロピレンコポリマーはプロピレンランダムコポリマーであり、プロピレンコポリマー内のエチレンおよび/またはC4〜C20アルファ−オレフィンに由来する単位はランダム分布する。よってこのプロピレンコポリマーは、45.0%から69.0%の範囲の単離対ブロックエチレン配列の相対含有量(I(E))を有するべきである。より好ましくは、単離対ブロックエチレン配列の相対含有量(I(E))は50.0%から68.0%の範囲、たとえば52.0%から67.0%の範囲などである。I(E)含有量は、等式(I)によって定義される。

0020

0021

ここで
I(E)は、単離対ブロックエチレン配列の相対含有量[%]であり、
fPEPは、サンプル中のプロピレン/エチレン/プロピレン配列(PEP:propylene/ethylene/propylene sequences)のモル分率であり、
fPEEは、サンプル中のプロピレン/エチレン/エチレン配列(PEE:propylene/ethylene/ethylene sequences)およびエチレン/エチレン/プロピレン配列(EEP:ethylene/ethylene/propylene sequences)のモル分率であり、
fEEEは、サンプル中のエチレン/エチレン/エチレン配列(EEE:ethylene/ethylene/ethylene sequences)のモル分率である。

0022

すべての配列濃度は、13C−NMRデータの統計的3つ組分析に基づくものである。

0023

本発明に従うと、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーの、ISO 16152(25℃)に従って測定された低温キシレン可溶性成分(XCS)フラクションは0.8wt%から15.0wt%の範囲、好ましくは1.0wt%から13.0wt%の範囲、より好ましくは1.5wt%から12.0wt%の範囲である。好適な下限は0.8wt%、好ましくは1.0wt%、より好ましくは1.5wt%であってもよい。好適な上限は15.0wt%、好ましくは13.0wt%、より好ましくは12.0wt%であってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0024

一般的に、本発明のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーに対するメルトフローレート(MFR2:melt flow rate)は、0.1g/10minから1.5g/10minである。プロピレンホモポリマーまたはコポリマーに対するMFR2は、230℃の温度および2.16kgの荷重にてISO 1133に従って定められる。プロピレンホモポリマーまたはコポリマーの正確な性質にかかわらず、好ましくはMFRは0.2g/10minから1.3g/10minであり、より好ましくはMFRは0.25g/10minから1.2g/10minである。好適な下限は0.1g/10min、好ましくは0.2g/10min、より好ましくは0.25g/10minであってもよい。好適な上限は1.5g/10min、好ましくは1.3g/10min、より好ましくは1.2g/10minであってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0025

本発明のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーの空隙率および比孔容量は、DIN 66133に従う水銀ポロシメトリーと、DIN 66137−2に従うヘリウム密度測定との組み合わせによって測定される。空隙率は、次の等式(II)によって算出される。

0026

0027

本発明のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーの空隙率は8.0%より高く、好ましくは8.5%から14.0%の範囲、より好ましくは9.0%から13.0%の範囲である。本発明のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーの比孔容量は一般的に0.10cm3/gより高く、好ましくは0.11cm3/gから0.22cm3/gの範囲、より好ましくは0.12cm3/gから0.20cm3/gの範囲である。

0028

本発明に従うと、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーの中央粒径d50およびトップカット粒径d95は、ISO 3310に従うふるい分析によって測定されて、ISO 9276−2に従って評価される。中央粒径d50は150μmから1500μmの範囲、好ましくは200μmから1300μmの範囲、より好ましくは250μmから1200μmの範囲である。トップカット粒径d95は500μmから4000μmの範囲、好ましくは600μmから3500μmの範囲、より好ましくは550μmから3000μmの範囲である。

0029

本発明の第2の実施形態において、本発明に従うプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、以下を含む触媒系の存在下での重合プロセスにおいて生成される。a)第4族から第6族の遷移金属(TM:transition metal)を有するチーグラー・ナッタベースの触媒であって、この触媒は内部供与体を含有する、触媒、b)任意には共触媒(Co:co−catalyst)、c)任意には外部供与体(ED:external donor)であり、存在するときの共触媒(Co)対外部供与体(ED)のモル比[Co/ED]は3.0mol/molから45.0mol/molの範囲であり、かつ共触媒(Co)対第4族から第6族の遷移金属(TM)のモル比[Co/TM]は40.0mol/molから500mol/molの範囲である。結果として得られるプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、
a)8.0%より高い空隙率、
b)150μmから1500μmの範囲の中央粒径d50、
c)500μmから4000μmの範囲のトップカット粒径d95を有し、かつ
チーグラー・ナッタ触媒(a)に含まれる内部供与体は非フタル酸化合物であることを特徴とする。

0030

一般的に、生成されるプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは粉末の形になる。

0031

好ましくは、前記プロピレンホモポリマーまたはコポリマー粉末はさらに、比孔容量が0.10cm3/gより高く、さらにより好ましくは0.11cm3/gから0.22cm3/gの範囲、たとえば0.12cm3/gから0.20cm3/gの範囲などであることを特徴とする。

0032

上述の両方の実施形態に従うプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、分子量分布に鑑みて、および/またはプロピレンコポリマーの場合にはコモノマー含有量分布に鑑みて、単形であっても多峰形であってもよい。

0033

プロピレンホモポリマーまたはコポリマーが、分子量分布および/またはコモノマー含有量に関して単峰形であるとき、それは単一段階プロセスで、たとえばスラリーまたは気相プロセスとしてそれぞれスラリーまたは気相リアクタ内で調製されてもよい。

0034

好ましくは、単峰形プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、スラリーリアクタ内で調製される。代替的に、単峰形プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、各段階において類似のポリマー特性をもたらすプロセス条件を用いた多段階プロセスにおいて生成されてもよい。

0035

本明細書において用いられる「多峰性」または「二峰性」という表現は、ポリマーの様式、すなわち以下を示すものである。
ホモポリマーまたはコポリマーの、分子量フラクションをその分子量の関数としてグラフで表したものである分子量分布曲線の形、
または
・コポリマーの、コモノマー含有量をポリマーフラクションの分子量の関数としてグラフで表したものであるコモノマー含有量分布曲線の形。

0036

以下に説明されるとおり、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーのポリマーフラクションは、異なる反応条件にて動作する連続的構成のリアクタを用いた逐次ステッププロセスにおいて生成され得る。その結果として、特定のリアクタ内で調製された各フラクションは、生成されたプロピレンポリマーのタイプ(プロピレンホモポリマーまたはコポリマー)に依存して、独自の分子量分布および/またはコモノマー含有量分布を有し得る。これらのフラクションからの分布曲線(分子量またはコモノマー含有量)を重ね合わせて、最終ポリマーの分子量分布曲線またはコモノマー含有量分布曲線を得るとき、これらの曲線は2つまたはそれ以上の極大を示したり、少なくとも個々のフラクションに対する曲線に比べて明らかに広がったりすることがある。2つまたはそれ以上の連続ステップで生成されたこうしたポリマーを、ステップの数によって二峰性または多峰性と呼ぶ。したがってプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、生成されたプロピレンポリマーのタイプ(プロピレンホモポリマーまたはコポリマー)に依存して、分子量および/またはコモノマー含有量に鑑みて、たとえば二峰性などの多峰性であってもよい。

0037

プロピレンコポリマーが、コモノマー含有量に鑑みてたとえば二峰性などの多峰性の特徴である場合、個々のフラクションが材料の特性に影響する量で存在することが認識される。したがって、これらのフラクションの各々は、プロピレンコポリマーに基づいて少なくとも10wt%の量で存在することが認識される。したがって、特にコモノマー含有量に鑑みた二峰性系の場合、2つのフラクションの分割は好ましくは40:60から60:40、たとえばおよそ50:50などである。

0038

本発明のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーを生成するために好適な重合プロセスは当該技術分野において公知であり、そのプロセスは少なくとも1つの重合段階を含み、典型的に重合は溶液、スラリー、バルクまたは気相において行われる。典型的に、重合プロセスは付加的な重合段階またはリアクタを含む。1つの特定の実施形態において、このプロセスは少なくとも1つのバルクリアクタゾーンと、少なくとも1つの気相リアクタゾーンとを含み、各ゾーンは少なくとも1つのリアクタを含み、すべてのリアクタはカスケード式に配置される。1つの特に好ましい実施形態において、重合プロセスは、その順序で配置された少なくとも1つのバルクリアクタと、少なくとも1つの気相リアクタとを含む。いくつかの好ましいプロセスにおいて、そのプロセスは1つのバルクリアクタと、少なくとも2つ、たとえば2つまたは3つなどの気相リアクタとを含む。このプロセスはさらに、プレリアクタおよびポストリアクタを含んでもよい。プレリアクタは典型的に、予備重合リアクタを含む。この種のプロセスにおいては、ポリマーの特定の特性を達成するために、高い重合温度を用いる方が好ましい。これらのプロセスにおける典型的な温度は70℃またはそれ以上、好ましくは80℃またはそれ以上、さらには85℃またはそれ以上である。上述の高い重合温度は、リアクタカスケードのいくつかまたはすべてのリアクタに適用されてもよい。

0039

本発明の第2の実施形態に従うと、特定のタイプのチーグラー・ナッタ触媒が用いられる。内部供与体が非フタル酸化合物であることが必須である。好ましくは、触媒調製全体を通じてフタレート化合物が使用されないことによって、最終触媒は一切のフタル酸化合物を含有しない。したがって、プロピレンホモポリマーまたはコポリマーはフタル酸化合物を含まない。

0040

本発明において用いられる触媒は、チーグラー・ナッタ触媒のグループに属する。一般的にこれらの触媒は、IUPACバージョン2013において定義される第4族から第6族の遷移金属、たとえばチタンなどの1つまたはそれ以上の化合物と、さらに第2族金属化合物、たとえばマグネシウム化合物などと、内部供与体(ID:internal donor)とを含む。本発明において、内部供与体(ID)は非フタル酸化合物となるように選択され、このやり方で触媒は望ましくないフタル酸化合物を完全に含まない。さらに、固体触媒は好ましくはたとえばシリカまたはMgCl2などの任意の外部支持材料を含まず、よって触媒は自立している。

0041

固体触媒は、次の一般的手順によって得られる。
a)次の溶液、
a1)第2族金属化合物と、ヒドロキシル部分に加えて少なくとも1つのエーテル部分を含むアルコール(A)との反応生成物であり、任意には有機液体反応媒体中の、少なくとも第2族金属アルコキシ化合物(Ax)の溶液、または
a2)第2族金属化合物と、アルコール(A)および式ROHの一価アルコール(B)のアルコール混合物との反応生成物であり、任意には有機液体反応媒体中の、少なくとも第2族金属アルコキシ化合物(Ax’)の溶液、または
a3)任意には有機液体反応媒体中の、第2族金属アルコキシ化合物(Ax)と、第2族金属化合物および一価アルコール(B)の反応生成物である第2族金属アルコキシ化合物(Bx)との混合物の溶液、または
a4)式M(OR1)n(OR2)mX2−n−mの第2族金属アルコキシ化合物、もしくは第2族アルコキシドM(OR1)n’X2−n’およびM(OR2)m’X2−m’の混合物であり、ここでMは第2族金属であり、Xはハロゲンであり、R1およびR2は2から16炭素原子の異なるアルキル基であり、0≦n<2、0≦m<2かつn+m+(2−n−m)=2であり、ただしnおよびmは同時に0ではなく、0<n’≦2かつ0<m’≦2であるものの溶液
を提供するステップ、および
b)ステップa)からの前記溶液を、第4族から第6族の遷移金属の少なくとも1つの化合物に加えるステップ、および
c)固体触媒成分粒子を得るステップ、
およびステップc)の前の少なくとも1つのステップにおいて、非フタル酸内部電子供与体(ID)を加えるステップ。

0042

内部供与体(ID)またはその前駆物質は、好ましくはステップa)の溶液に加えられるか、またはステップa)の溶液を加える前の遷移金属化合物に加えられる。

0043

上記の手順に従って、物理的条件、特にステップb)およびc)において用いられる温度に依存して、沈降法またはエマルション凝固法によって固体触媒を得ることができる。エマルションは、液体−液体2相系とも呼ばれる。どちらの方法(沈降またはエマルション−凝固)においても、触媒化学は同じである。

0044

沈降法においては、ステップa)の溶液と、ステップb)における少なくとも1つの遷移金属化合物との組み合わせを行い、全体の反応混合物を少なくとも50℃、より好ましくは55℃から110℃の温度範囲、より好ましくは70℃から100℃の範囲内に保って、固体触媒成分粒子の形の触媒成分の完全な沈降を確実にする(ステップc)。

0045

エマルション−凝固法においては、ステップb)でステップa)の溶液を、典型的にはたとえば−10℃から50℃未満、好ましくは−5℃から30℃などのより低い温度にて、少なくとも1つの遷移金属化合物に加える。エマルションの撹拌中の温度は、典型的に−10℃から40℃未満、好ましくは−5℃から30℃に保たれる。エマルションの分散相小滴が、活性触媒組成物を形成する。小滴の凝固(ステップc)は、好適にはエマルションを70℃から150℃、好ましくは80℃から110℃の温度に加熱することによって行われる。本発明においては、好ましくはエマルション−凝固法によって調製された触媒が用いられる。

0046

ステップa)において、好ましくはa2)またはa3)の溶液、すなわち(Ax’)の溶液または(Ax)と(Bx)との混合物の溶液が用いられる。

0047

好ましくは、第2族金属はマグネシウムである。マグネシウムアルコキシ化合物(Ax)、(Ax’)、(Bx)は、触媒調製プロセスの第1のステップであるステップa)において、マグネシウム化合物と上述のアルコール(類)とを反応させることによってインサイチュで調製されてもよい。別の選択肢は、前記マグネシウムアルコキシ化合物を別に調製することであり、またはそれらはすぐに使用できるマグネシウムアルコキシ化合物として商業的に入手可能であって、こうして本発明の触媒調製プロセスに使用されてもよい。

0048

アルコール(A)の実例はグリコールモノ−エーテルである。好ましいアルコール(A)はC2からC4グリコールモノ−エーテルであり、ここでエーテル部分は2から18の炭素原子、好ましくは4から12の炭素原子を含む。好ましい例は、2−(2−エチルヘキシルオキシエタノール、2−ブチルオキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、および1,3−プロピレン−グリコール−モノブチルエーテル、3−ブトキシ2−プロパノールであり、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エタノール、および1,3−プロピレン−グリコール−モノブチルエーテル、3−ブトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。

0049

例示的な一価アルコール(B)は構造式ROHによって表され、Rは直鎖または分岐C2〜C16アルキル残基、好ましくはC4からC10アルキル残基、より好ましくはC6からC8アルキル残基である。最も好ましい一価アルコールは、2−エチル−1−ヘキサノールまたはオクタノールである。

0050

好ましくは、Mgアルコキシ化合物(Ax)および(Bx)の混合物、またはアルコール(A)および(B)の混合物はそれぞれ、Bx:AxまたはB:Aのモル比が10:1から1:10、より好ましくは6:1から1:6、なおより好ましくは5:1から1:3、最も好ましくは5:1から3:1にて使用および利用される。

0051

マグネシウムアルコキシ化合物は、上記に定義されたとおりのアルコール(類)と、ジアルキルマグネシウムアルキルマグネシウムアルコキシドマグネシウムジアルコキシド、アルコキシマグネシウムハライド、およびアルキルマグネシウムハライドから選択されるマグネシウム化合物との反応生成物であってもよい。さらに、マグネシウムジアルコキシド、マグネシウムジアリールオキシド、マグネシウムアリールオキシハライド、マグネシウムアリールオキシド、およびマグネシウムアルキルアリールオキシドが用いられ得る。マグネシウム化合物中のアルキル基は類似または異なるC1〜C20アルキル基、好ましくはC2〜C10アルキル基であってもよい。使用されるときの典型的なアルキル−アルコキシマグネシウム化合物は、エチルマグネシウムブトキシドブチルマグネシウムペントキシド、オクチルマグネシウムブトキシド、およびオクチルマグネシウムオクトキシドである。好ましくは、ジアルキルマグネシウムが用いられる。最も好ましいジアルキルマグネシウムは、ブチルオクチルマグネシウムまたはブチルエチルマグネシウムである。

0052

加えて、前記マグネシウムアルコキシド化合物を得るために、マグネシウム化合物がアルコール(A)およびアルコール(B)に加えて、式R’’(OH)mの多価アルコール(C)と反応することも可能である。使用されるとき、好ましい多価アルコールは、R’’が直鎖、環式または分岐のC2からC10炭化水素残基であり、mが2から6の整数であるアルコールである。

0053

よって、ステップa)のマグネシウムアルコキシ化合物は、マグネシウムジアルコキシド、ジアリールオキシマグネシウム、アルキルオキシマグネシウムハライド、アリールオキシマグネシウムハライド、アルキルマグネシウムアルコキシド、アリールマグネシウムアルコキシド、およびアルキルマグネシウムアリールオキシド、またはマグネシウムジハライドとマグネシウムジアルコキシドとの混合物からなる群より選択される。

0054

本触媒の調製のために使用される溶剤は、5から20の炭素原子、より好ましくは5から12の炭素原子を有する、芳香族および脂肪族の直鎖、分岐および環式炭化水素、またはそれらの混合物から選択されてもよい。好適な溶剤は、ベンゼントルエンクメンキシロールペンタンヘキサンヘプタンオクタン、およびノナンを含む。ヘキサンおよびペンタンが特に好ましい。

0055

マグネシウムアルコキシ化合物の調製のための反応は、40℃から70℃の温度にて行われてもよい。当業者は、使用されるMg化合物およびアルコール(類)によって最も好適な温度を選択する方法を知っている。

0056

IUPACバージョン2013において定義される第4族から第6族の遷移金属化合物は、好ましくはチタン化合物、最も好ましくはチタンハライド、たとえばTiCl4などである。

0057

本発明において用いられる触媒の調製に用いられる非フタル酸内部供与体(ID)は、好ましくは非フタル酸カルボン(二)酸の(ジ)エステル、1,3−ジエーテル、それらの誘導体および混合物から選択される。特に好ましい供与体は、モノ不飽和フタル酸ジカルボン酸のジエステル、特にマロン酸塩マレイン酸塩コハク酸塩シトラコン酸塩、グルタル酸塩、シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、および安息香酸塩、ならびにそれらの任意のものの誘導体および/またはそれらの任意のものの混合物を含む群に属するエステルである。好ましい例は、たとえば置換マレイン酸塩およびシトラコン酸塩などであり、最も好ましいのはシトラコン酸塩である。

0058

以後、誘導体という用語は置換化合物を含む。

0059

エマルション−凝固法において、2相液体−液体系は、単純な撹拌ならびに任意の(さらなる)溶剤(類)および/または添加剤の添加によって形成されてもよく、添加剤はたとえば乱流最小化剤(TMA:turbulence minimizing agent)および/または乳化剤および/またはエマルション安定剤、たとえば界面活性剤などであり、それらは当該技術分野において公知の態様で用いられる。これらの溶剤および/または添加剤は、エマルションの形成促進および/または安定化のために用いられる。好ましくは、界面活性剤はアクリルまたはメタクリルポリマーである。特に好ましいのは、非分岐C12からC20(メトアクリレート、たとえばポリヘキサデシル)−メタクリレートおよびポリ(オクタデシル)−メタクリレートなど、ならびにそれらの混合物である。使用されるとき、乱流最小化剤(TMA)は好ましくは6から20の炭素原子を有するα−オレフィンモノマーのポリマー、たとえばポリオクテン、ポリノネン、ポリデセン、ポリウンデセン、もしくはポリドデセンなど、またはそれらの混合物から選択される。最も好ましいのはポリデセンである。

0060

沈降またはエマルション−凝固法によって得られた固体粒子状生成物は、少なくとも1回、好ましくは少なくとも2回、最も好ましくは少なくとも3回洗浄されてもよい。洗浄は、芳香族および/または脂肪族炭化水素、好ましくはトルエン、ヘプタン、またはペンタンによって行われてもよい。加えて、任意には芳香族および/または脂肪族炭化水素と組み合わされたTiCl4による洗浄も可能である。加えて、洗浄液は供与体および/または第13族の化合物、たとえばトリアルキルアルミニウムハロゲン化アルキルアルミニウム化合物、またはアルコキシアルミニウム化合物などを含有してもよい。アルミニウム化合物は、触媒合成の際に加えられてもよい。触媒は、たとえば蒸発または窒素による洗浄などによってさらに乾燥されてもよいし、任意の乾燥ステップを伴わずに油性液体のスラリーにされてもよい。

0061

最終的に得られるチーグラー・ナッタ触媒は、望ましくは一般的に5μmから200μm、好ましくは10μmから100μmの平均粒径範囲を有する粒子の形で得られる。粒子は一般的にコンパクトで空隙率が低く、一般的には20g/m2未満、より好ましくは10g/m2未満の表面積を有する。典型的に、触媒中に存在するTiの量は触媒組成物の1wt%から6wt%の範囲、Mgの量は10wt%から20wt%の範囲であり、触媒中に存在する内部供与体の量は10wt%から40wt%の範囲である。本発明において用いられる触媒の調製の詳細な説明は、本明細書において引用により援用される国際公開第2012/007430号、欧州特許出願公開第2610271号、および欧州特許出願公開第2610272号に開示されている。

0062

外部供与体(ED)は、好ましくは重合プロセスにおけるさらなる構成要素として存在する。好適な外部供与体(ED)は、特定のシラン、エーテル、エステル、アミンケトン複素環化合物、およびそれらの混合物を含む。シランを用いることが特に好ましい。一般式(III)のシランを用いることが最も好ましく、
RapRbqSi(ORc)(4−p−q) (III)
ここでRa、RbおよびRcは炭化水素ラジカル、特にアルキルまたはシクロアルキル基を示し、pおよびqは0から3までの数であって、それらの合計(p+q)は3以下である。Ra、RbおよびRcは、互いに独立して選択されてもよく、同じであっても異なっていてもよい。式(III)に従うシランの特定の例は、(tert−ブチル)2Si(OCH3)2、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH3)2、(フェニル)2Si(OCH3)2、および(シクロペンチル)2Si(OCH3)2である。別の最も好ましいシランは、一般式(IV)に従うものであり、
Si(OCH2CH3)3(NR3R4) (IV)
ここでR3およびR4は同じであっても異なっていてもよく、1から12の炭素原子を有する直鎖、分岐または環式の炭化水素基を表す。特に好ましくは、R3およびR4はメチル、エチル、n−プロピルn−ブチル、オクチル、デカニルイソ−プロピル、イソ−ブチル、イソ−ペンチル、tert.−ブチル、tert.−アミルネオペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、およびシクロヘプチルからなる群より独立に選択される。最も好ましくはエチルが用いられる。

0063

チーグラー・ナッタ触媒および任意の外部供与体(ED)に加えて、共触媒が用いられてもよい。共触媒は、好ましくは周期表(IUPAC、バージョン2013)の第13族の化合物、たとえば有機アルミニウムまたはアルミニウムハライド化合物などのアルミニウム化合物などである。好適な有機アルミニウム化合物の例は、アルミニウムアルキルまたはアルミニウムアルキルハライド化合物である。したがって、1つの特定の実施形態において、共触媒(Co)はトリアルキルアルミニウム、たとえばトリエチルアルミニウム(TEAL:triethylaluminium)など、ジアルキルアルミニウムクロリド、もしくはアルキルアルミニウムジクロリド、またはそれらの混合物である。1つの特定の実施形態において、共触媒(Co)はトリエチルアルミニウム(TEAL)である。

0064

一般的に、共触媒(Co)と外部供与体(ED)との比率[Co/ED]、および/または共触媒(Co)と遷移金属(TM)との比率[Co/TM]は、各プロセスに対して注意深く選択される。共触媒(Co)と外部供与体(ED)との比率[Co/ED]は、好適には3.0mol/molから45.0mol/molの範囲、好ましくは4.0mol/molから35.0mol/molの範囲、より好ましくは5.0mol/molから30.0mol/molの範囲であってもよい。好適な下限は3.0mol/mol、好ましくは4.0mol/mol、より好ましくは5.0mol/molであってもよい。好適な上限は45.0mol/mol、好ましくは35.0mol/mol、より好ましくは30.0mol/molであってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0065

共触媒(Co)と遷移金属(TM)との比率[Co/TM]は、好適には40.0mol/molから500mol/molの範囲、好ましくは50.0mol/molから400mol/molの範囲、より好ましくは60.0mol/molから350mol/molの範囲であってもよい。好適な下限は40.0mol/mol、好ましくは50.0mol/mol、より好ましくは60.0mol/molであってもよい。好適な上限は500mol/mol、好ましくは400mol/mol、より好ましくは350mol/molであってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0066

加えて本発明は、本発明に従うプロピレンホモポリマーまたはコポリマーを生成するためのプロセスを提供し、こうしたプロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、以下を含む触媒系の存在下での重合プロセスにおいて生成され、すなわちa)第4族から第6族の遷移金属(TM)を有するチーグラー・ナッタベースの触媒であって、この触媒は内部供与体を含有する、触媒、b)任意には共触媒(Co)、c)任意には外部供与体(ED)であり、存在するときの共触媒(Co)対外部供与体(ED)のモル比[Co/ED]は3.0mol/molから45.0mol/molの範囲であり、かつ共触媒(Co)対第4族から第6族の遷移金属(TM)のモル比[Co/TM]は40.0mol/molから500mol/molの範囲であり、チーグラー・ナッタ触媒(a)に含まれる内部供与体は非フタル酸化合物であることを特徴とする。

0067

触媒系、およびこうした触媒系に含まれる化合物に対しては、前に記載されたものが参照される。

0068

本発明は、上述のプロピレンホモポリマーまたはコポリマーの次に、本発明に従うプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーと、少なくとも1つまたはそれ以上の添加剤とを含むポリプロピレン組成物を提供し、このポリプロピレン組成物はフタル酸化合物を含まないことを特徴とする。本発明のポリプロピレン組成物に使用される例示的添加剤は、たとえば抗酸化剤(たとえば立体障害フェノール亜リン酸塩ホスホナイト硫黄含有抗酸化剤、アルキルラジカルスカベンジャー芳香族アミンヒンダードアミン安定剤、またはそれらの混合物など)、金属不活性化剤(たとえばイルガノックス(Irganox)(登録商標)MD1024など)、またはUV安定剤(たとえばヒンダードアミン光安定剤など)などの安定剤を含むが、それらに限定されない。その他の典型的な添加剤は、修飾因子、たとえば静電気防止剤または防曇剤(たとえばエトキシ化アミンおよびアミド、またはグリセロールエステルなど)など、酸スカベンジャー(たとえばCa−ステアリン酸など)、発泡剤、付着剤(たとえばポリイソブテンなど)、潤滑剤および樹脂(たとえばイオノマーワックス、ポリエチレン−およびエチレンコポリマーワックスフィッシャートロプシュワックス、モンタンベースのワックス、フルオロベースの化合物、またはパラフィンワックスなど)、核形成剤(たとえばタルク、安息香酸塩、リンベースの化合物、ソルビトールノニトールベースの化合物、またはアミドベースの化合物など)、ならびに滑剤およびブロッキング防止剤(たとえばエルカ酸アミドオレアミド、タルク天然シリカおよび合成シリカ、またはゼオライトなど)、ならびにそれらの混合物である。

0069

一般的に、ポリプロピレン組成物中の添加剤の総量は、ポリプロピレン組成物の総重量に基づいて5.0wt%以下、好ましくは1.0wt%以下、たとえば0.005wt%から0.995wt%の範囲など、より好ましくは0.8wt%以下である。

0070

加えて本発明は、本発明に従うポリプロピレン組成物を生成するためのプロセスを提供し、このプロセスにおいては、本発明に従うプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーが、少なくとも1つまたはそれ以上の添加剤と混合される。添加剤は、たとえばマスターバッチなどを介して溶融混合デバイスに導入されてもよい。混合は好ましくは溶融混合デバイス内で行われ、より好ましくは押出し機内で行われる。添加剤は、たとえばサイドフィーダなどを介して押出し機に導入されてもよい。

0071

本発明はさらに、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)を提供し、このコポリマー内にエチレン、C4〜C20−アルファオレフィン、およびそれらの任意の組み合わせから選択されるコモノマーと、0.1wt%から7.0wt%の範囲のコモノマー含有量とを有し、
a)ISO 1133に従って測定されるb−PPのメルトフローレートMFR2(230℃)は1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であり、
b)b−PPのF30溶融強度は18.0cNから50.0cNの範囲であり、ここでb−PPのF30溶融強度はISO 16790:2005に従って測定され、
c)EN 579に従って測定されるb−PPの高温キシレン不溶成分(XHU:xylene hot insoluble)フラクションは2.5wt%未満であり、かつ
d)b−PPはフタル酸化合物を含まないことを特徴とする。

0072

長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは、以後b−PPと呼ばれることもある。(b−PP)内のコモノマーおよびその含有量に対しては、前に記載されたものが参照される。

0073

長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)のメルトフローレート(MFR2)は、1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であってもよい。長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)のMFR2は、230℃の温度および2.16kgの荷重にてISO規格1133に従って定められる。長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)の正確な性質にかかわらず、好ましくはMFR2は1.8g/10minから5.7g/10min、より好ましくはMFR2は2.0g/10minから5.5g/10minである。好適な下限は1.5g/10min、好ましくは1.8g/10min、より好ましくは2.0g/10minであってもよい。好適な上限は6.0g/10min、好ましくは5.7g/10min、より好ましくは5.5g/10minであってもよい。示される範囲の下側および上側の値は含まれる。

0074

一般的に、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)は2.5wt%未満、好ましくは2.0wt%未満、より好ましくは1.8wt%未満という、EN 579に従って測定された高温キシレン不溶成分(XHU)フラクションによって表現される低いゲル含有量を有する。

0075

長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)のF30溶融強度はISO 16790:2005に従って測定され、それは18.0cNから50.0cNの範囲、好ましくは20.0cNから45.0cNの範囲、より好ましくは21.0cNから40.0cNの範囲である。好適な下限は18.0cN、好ましくは20.0cN、より好ましくは21.0cNであってもよい。好適な上限は50.0cN、好ましくは45.0cN、より好ましくは40.0cNであってもよい。示されるF30溶融強度範囲の下側および上側の値は含まれる。

0076

好ましくは、長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)のISO 16790:2005に従って測定されたv30溶融伸展性は200mm/s以上、好ましくは210mm/sから500mm/sの範囲、より好ましくは220mm/sから400mm/sの範囲である。好適な下限は200mm/s、好ましくは210mm/s、より好ましくは220mm/sであってもよい。好適な上限は500mm/s、好ましくは400mm/sであってもよい。示されるv30溶融伸展性範囲の下側および上側の値は含まれる。

0077

本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)は、好ましくは以下から選択される。
a)ISO 11357に従って示差走査熱量測定DSC:differential scanning calorimetry)によって定められた159℃から170℃、好ましくは161℃から167℃の融点を有する長鎖分岐プロピレンホモポリマーの群、
b)ISO 11357に従って示差走査熱量測定(DSC)によって定められた135℃から161℃、好ましくは136℃から158℃の融点を有する長鎖分岐プロピレンコポリマーの群、または
c)(a)および(b)の混合物。

0078

本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)は一般的に、本発明に従う少なくとも1つのプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの反応性修飾によって生成される。この反応性修飾プロセスも本発明の一部である。本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)を生成するための反応性修飾は、好ましくはプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーと、熱分解フリーラジカル形成剤と、任意には以下から選択される官能不飽和化合物との反応によって行われる。
a)少なくとも1つの二官能不飽和モノマーおよび/もしくはポリマー、または
b)少なくとも1つの多官能不飽和モノマーおよび/もしくはポリマー、または
c)(a)および(b)の混合物。

0079

過酸化物は、好ましい熱分解フリーラジカル形成剤である。より好ましくは、熱分解フリーラジカル形成剤は、アシルペルオキシド、アルキルペルオキシドヒドロペルオキシドペルエステル、およびペルオキシカルボネートを含む群より選択される。最も好ましくは、熱分解フリーラジカル形成剤は、好ましくはアシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルエステル、およびペルオキシカルボネートからなる群より選択される。以下のアシルペルオキシド(ACPER:acyl peroxides)は特に好ましい:ベンゾイルペルオキシド、4−クロロベンゾイルペルオキシド、3−メトキシベンゾイルペルオキシド、および/またはメチルベンゾイルペルオキシド。アルキルペルオキシド(ALPER:alkyl peroxides)の特に好ましい例は、アリルt−ブチルペルオキシド、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシブタン)、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)吉草酸ジイソプロピルアミノメチル−t−アミルペルオキシド、ジメチルアミノメチル−t−アミルペルオキシド、ジエチルアミノメチル−t−ブチルペルオキシド、ジメチルアミノメチル−t−ブチルペルオキシド、1,1−ジ−(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、t−アミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、および/または1−ヒドロキシブチルn−ブチルペルオキシドである。ペルエステルおよびペルオキシカルボネート(PER:peroxy carbonates)の特に好ましい例は、ブチルペルアセテート、クミルペルアセテート、クミルペルプロピオネート、シクロヘキシルペルアセテート、ジ−t−ブチルペルアジペート、ジ−t−ブチルペルアゼレート、ジ−t−ブチルペルグルタレート、ジ−t−ブチルペルタレート、ジ−t−ブチルペルセバケート、4−ニトロクミルペルプロピオネート、1−フェニルエチルペルベンゾエート、フェニルエチルニトロ−ペルベンゾエート、t−ブチルビシクロ−(2,2,1)ヘプタンペルカルボキシレート、t−ブチル−4−カルボメトキシペルブチレート、t−ブチルシクロブタンペルカルボキシレート、t−ブチルシクロヘキシルペルオキシカルボキシレート、t−ブチルシクロペンチルペルカルボキシレート、t−ブチルシクロプロパンペルカルボキシレート、t−ブチルジメチルペルシンナメート、t−ブチル−2−(2,2−ジフェニルビニル)ペルベンゾエート、t−ブチル−4−メトキシペルベンゾエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルカルボキシシクロヘキサン、t−ブチルペルナフトエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、t−ブチルペルトルエート、t−ブチル−1−フェニルシクロプロピルペルカルボキシレート、t−ブチル−2−プロピルペルペンテン−2−オエート、t−ブチル−1−メチルシクロプロピルペルカルボキシレート、t−ブチル−4−ニトロフェニルペルアセテート、t−ブチルニトロフェニルペルオキシカルバメート、t−ブチル−N−スクイミドペルカルボキシレート、t−ブチルペルクロトネート、t−ブチルペルマレイン酸、t−ブチルペルメタクリレート、t−ブチルペルオクトエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペルアクリレート、および/またはt−ブチルペルプロピオネートである。

0080

加えて、上に挙げたこれらのフリーラジカル形成剤の混合物が予期される。よってたとえば、次の組み合わせが可能である。
i)ACPERおよびALPER
ii)ACPERおよびPER
iii)ALPERおよびPER
iv)ACPERおよびALPERおよびPER

0081

本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)を生成するための反応性修飾において、プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、好適には100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.25重量部から1.00重量部(ppw:parts per weight)の過酸化物と混合され、好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.30重量部から0.90重量部(ppw)の過酸化物と混合され、より好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.35重量部から0.85重量部(ppw)の過酸化物の存在下で混合される。好ましい作業のやり方において、プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、好適には100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.25重量部から1.00重量部(ppw)のアシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペル−エステル、および/またはペル−オキシカルボネートと混合され、好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.25重量部から1.00重量部(ppw)のアシルペルオキシド、アルキルペルオキシド、ペル−エステル、および/またはペルオキシカルボネートと混合され、より好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.25重量部から1.00重量部(ppw)のtert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート(CAS No.2372−21−6)と混合される。Tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート(CAS No.2372−21−6)は、トリノックス(Trigonox)(登録商標)BPIC−C75(アクゾノベル(Akzo Nobel)、NL)として商業的に入手可能である。過酸化物の量は、混合されたすべてのプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの合計に基づいて算出される。

0082

上記で用いられる「二官能不飽和または多官能不飽和」とは、それぞれ2つまたはそれ以上の非芳香族二重結合の存在を意味する。フリーラジカルの助けによって重合され得る二官能または多官能不飽和化合物のみが使用される。好適な例は、ジビニルベンゼンまたはシクロペンタジエンまたはポリブタジエンである。好ましくは、二官能不飽和モノマーは以下から選択される。
ジビニル化合物、たとえばジビニルアニリン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、ジビニルペンタン、およびジビニルプロパンなど、
アリル化合物、たとえばアクリル酸アリルメタクリル酸アリル、マレイン酸アリルメチル、およびアリルビニルエーテルなど、
ジエン、たとえば1,3−ブタジエン、クロロプレンシクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、ヘプタジエンヘキサジエンイソプレン、および1,4−ペンタジエンなど、
−芳香族および/または脂肪族ビス(マレイミド)ビス(シトラコンイミド)、
− ならびにこれらの不飽和モノマーの任意のものの混合物。

0083

特に好ましい二官能不飽和モノマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、およびジビニルベンゼンである。二官能不飽和ポリマーとは、好ましくは上述の二官能不飽和モノマーの少なくとも1つを含むポリマーである。多官能不飽和ポリマーは、上述の2つ以上の不飽和モノマーを含有する。オリゴマーを含むこうしたポリマーの例は次のとおりである。
−ポリブタジエン、特にポリマー鎖中の異なる微細構造、すなわち1,4−シス、1,4−トランスおよび1,2−(ビニル)が主に1,2−(ビニル)構成であるもの。
− ポリマー鎖中に1,2−(ビニル)構成を有する、ブタジエンおよびスチレンのコポリマー。

0084

好ましいポリマーはポリブタジエン、特にブタジエンの50.0wt%より多くが1,2−(ビニル)構成であるポリブタジエンである。1,2−(ビニル)構成は、1Hおよび13C NMR分光法によって定められる。

0085

本発明に従うと、任意には少なくとも1つの官能不飽和化合物が過酸化物の次に用いられる。通常は、3つ以下の異なる官能不飽和化合物が用いられる。好ましくは、1つの官能不飽和化合物が用いられる。「官能不飽和化合物」という用語は、前に定義された官能不飽和化合物を示す。

0086

一般的に、官能不飽和化合物は、100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.4重量部から2.5重量部(ppw)の官能不飽和化合物の濃度で、好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.5重量部から2.2重量部(ppw)の官能不飽和化合物の濃度で、より好ましくは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.7重量部から2.0重量部(ppw)の官能不飽和化合物の濃度で用いられてもよい。好ましい作業のやり方において、プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、好適には100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.4重量部から2.5重量部(ppw)の二官能不飽和モノマーおよび/または二官能不飽和ポリマーおよび/または多官能不飽和モノマーおよび/または多官能不飽和ポリマーと混合される。より好ましくは、プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.4重量部から2.5重量部(ppw)の二官能不飽和モノマーおよび/または多官能不飽和ポリマーと混合される。最も好ましくは、それは100重量部のプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー当り0.4重量部から2.5重量部(ppw)の1,3−ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、ジビニルベンゼン、ポリブタジエン、および/またはそれらの任意のものの混合物と混合される。官能不飽和化合物の量は、混合されたすべてのプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの合計に基づいて算出される。

0087

本発明はさらに、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)を生成するための反応性修飾プロセスを提供し、このプロセスは、本発明に従うプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーと、熱分解フリーラジカル形成剤と、任意には少なくとも1つの官能不飽和化合物とを、20℃から100℃の温度にて少なくとも2分間混合して予備混合材料を形成するステップと、溶融混合デバイス内で180℃から300℃の範囲のバレル温度にて予備混合材料を溶融混合するステップとを含む。

0088

以下において、これに反することが明確に述べられていない限り、「プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー」という用語は、前に定義されたポリマー材料を示す。以下において、これに反することが明確に述べられていない限り、「官能不飽和化合物」という用語は、前に定義された化合物を示す。

0089

過酸化物および官能不飽和化合物の両方が用いられるとき、それらは各々の場合に1つまたはそれ以上の部分に分けて一緒または別々に加えられてもよいことが理解されるべきである。過酸化物および官能不飽和化合物が一緒に加えられるとき、それらはたとえば予備混合段階で一度に加えられてもよい。過酸化物および官能不飽和化合物が別々に加えられるとき、それらの各々が2つまたはそれ以上の添加に分けられてもよい。たとえば、予備混合段階における第1の添加、および溶融混合段階における第2の添加などである。しかし、その他の添加スキームも可能である。予備混合段階において官能不飽和化合物および過酸化物を完全に添加することが好ましい。

0090

任意には、官能不飽和化合物はマスターバッチ組成物の形で加えられて混合される。

0091

プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーは、たとえばパドルスターラを有する水平ミキサなどの粉末混合デバイス内で、官能不飽和化合物および過酸化物と予備混合されてもよい。予備混合は通常は20℃から100℃の温度にて、好ましくは30℃から90℃のポリマー粉末温度にて、最も好ましくは40℃から80℃の範囲にて行われる。予備混合ステップにおけるプロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの滞留時間は、通常少なくとも2分間、好ましくは5分間から30分間の範囲、より好ましくは8分間から20分間の範囲である。予備混合ステップの後、次いで予備混合材料は180℃から300℃の範囲のバレル温度にて溶融混合され、このバレル温度は溶融混合プロセス全体にわたって必ずしも一定ではない。バレル温度は、好ましくは200℃から280℃の範囲である。予備混合材料は、好ましくはたとえばシングルスクリュー押出し機、共回転ツインスクリュー押出し機、または共回転ニーダーなどの連続溶融混合デバイスにおいて溶融混合される。好ましくは、溶融混合デバイスはフィードゾーンと、ニーディングゾーンと、ダイゾーンとを含む。より好ましくは、溶融混合デバイスのスクリューに沿って特定の温度プロファイルが維持され、その温度プロファイルはフィードゾーンにおける初期温度T1と、ニーディングゾーンにおける最高温度T2と、ダイゾーンにおける最終温度T3とを有し、すべての温度がバレル温度と定義される。(フィードゾーンの)バレル温度T1は、好ましくは180℃から260℃の範囲である。(ニーディングゾーンの)バレル温度T2は、好ましくは260℃から300℃の範囲である。(ダイゾーンの)バレル温度T3は、好ましくは220℃から280℃の範囲である。溶融混合デバイスのスクリュー速度は、材料特性によって調整され得る。当業者はこのことに精通しており、適切なスクリュー速度を容易に定めることができる。一般的に、スクリュー速度は100回転/分から750回転/分(rpm:rotations per minute)の範囲、好ましくは150回転/分から650回転/分(rpm)の範囲に調整されてもよい。溶融混合ステップの後、得られた長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー溶融物は、たとえば水中ペレタイザーにおいてペレット状にされてもよいし、水浴における1つまたはそれ以上のストランドの凝固後にストランドペレタイザーにおいてペレット状にされてもよい。

0092

本発明はさらに、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー(b−PP)と、添加剤およびポリマーから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のその他の化合物とを含む長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C:branched polypropylene composition)に関し、こうした長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は、
a)ISO 1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)が1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であり、
b)F30溶融強度が18.0cNから50.0cNの範囲であり、ここでF30溶融強度はISO 16790:2005に従って測定され、
c)EN 579に従って測定される高温キシレン不溶成分(XHU)が2.5wt%未満であり、かつ
d)長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)はフタル酸化合物を含まないことを特徴とする。

0093

好ましくは本発明は、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー(b−PP)と、添加剤および/またはポリマーから選択される少なくとも1つまたはそれ以上のその他の化合物とからなる長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)に関し、こうした長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は、
a)ISO 1133に従って測定されるメルトフローレートMFR2(230℃)が1.5g/10minから6.0g/10minの範囲であり、
b)F30溶融強度が18.0cNから50.0cNの範囲であり、ここでF30溶融強度はISO 16790:2005に従って測定され、
c)EN 579に従って測定される高温キシレン不溶成分(XHU)が2.5wt%未満であり、かつ
d)長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)はフタル酸化合物を含まないことを特徴とする。

0094

したがってこの組成物は、フィラーおよび/または補強剤を含有しない。

0095

本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)に含まれる添加剤のタイプに対しては、前に記載されたものが参照される。本発明のポリプロピレン組成物において用いられるポリマーは、好ましくは熱可塑性ポリマーを含む。好ましくは、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)における添加剤、ポリマー、および/またはそれらの組み合わせの総量は、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)の総重量に基づいて5.0wt%以下、より好ましくは0.995wt%以下、たとえば0.005wt%から1.0wt%の範囲などである。

0096

本発明の長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)のメルトフローレート(MFR2)は、1.5g/10minから6.0g/10minの範囲である。好ましくは、前記長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)に対するMFR2は1.8g/10minから5.7g/10minの範囲、より好ましくは2.0g/10minから5.5g/10minの範囲である。長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)に対するMFR2は、230℃の温度および2.16kgの荷重にてISO規格1133に従って定められる。好適な下限は1.5g/10min、好ましくは1.8g/10min、より好ましくは2.0g/10minであってもよい。好適な上限は6.0g/10min、好ましくは5.7g/10min、より好ましくは5.5g/10minであってもよい。示されるMFR2範囲の下側および上側の値は含まれる。

0097

一般的に、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は2.5wt%未満、好ましくは2.0wt%未満、より好ましくは1.8wt%未満という、EN 579に従って測定された高温キシレン不溶成分(XHU)フラクションによって表現される低いゲル含有量を有する。

0098

本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)のF30溶融強度はISO 16790:2005に従って測定され、それは18.0cNから50.0cNの範囲、好ましくは20.0cNから45.0cNの範囲、より好ましくは21.0cNから40.0cNの範囲である。好適な下限は18.0cN、好ましくは20.0cN、より好ましくは21.0cNであってもよい。好適な上限は50.0cN、好ましくは45.0cN、より好ましくは40.0cNであってもよい。示されるF30溶融強度範囲の下側および上側の値は含まれる。

0099

好ましくは、長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)のISO 16790:2005に従って測定されたv30溶融伸展性は200mm/s以上、好ましくは210mm/sから500mm/sの範囲、より好ましくは220mm/sから400mm/sの範囲である。好適な下限は200mm/s、好ましくは210mm/s、より好ましくは220mm/sであってもよい。好適な上限は500mm/s、好ましくは400mm/sであってもよい。示されるv30溶融伸展性範囲の下側および上側の値は含まれる。

0100

好ましくは、最終的な長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は次の特徴に関して、それぞれの長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマー(b−PP)と同じ要求を満たす。すなわちMFR2、F30溶融強度、XHU、v30溶融伸展性、およびフタル酸化合物を含まないことである。

0101

本発明において、長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)はさらに、フィラーおよび/または補強剤を含んでもよい。本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)において用いられるフィラーは、タルク、炭酸カルシウム硫酸カルシウムクレイカオリン、シリカ、ガラスフュームドシリカマイカケイ灰石長石ケイ酸アルミニウムケイ酸カルシウムアルミナアルミナ水和物、たとえばアルミナ三水和物など、ガラス微小球セラミック微小球木粉大理石ダスト酸化マグネシウム水酸化マグネシウム酸化アンチモン酸化亜鉛硫酸バリウム、および/または二酸化チタンを含むが、それらに限定されない。本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)において用いられる補強剤は、鉱物繊維ガラス繊維炭素繊維有機繊維、および/またはポリマー繊維を含むが、それらに限定されない。好ましくは、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)中の添加剤、ポリマー、フィラー、補強剤、および/またはそれらの組み合わせの総量は、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)の総重量に基づいて5.0wt%以下、より好ましくは1.0wt%以下、たとえば0.005wt%から0.995wt%の範囲などである。

0102

加えて本発明は、本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物を生成するためのプロセスを提供し、このプロセスにおいては、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマー(b−PP)が、添加剤、ポリマー、フィラー、補強剤、およびそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つまたはそれ以上の化合物と混合される。添加剤、ポリマー、フィラー、および/または補強剤から選択される化合物は、たとえばマスターバッチなどを介して溶融混合デバイスに導入されてもよい。混合は好ましくは溶融混合デバイス内で行われ、より好ましくは押出し機内で行われる。化合物は、たとえばサイドフィーダなどを介して押出し機に導入されてもよい。

0103

加えて本発明は、次のものから作られる物品を提供する。
a)本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または
b)本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)。

0104

本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)から作られる好適な物品は、たとえば玩具グリップハンドルフローリングホイール家具およびアプライアンスフィートホース事務用品チューブ、蓋、キャップ台所用品、パイプ、繊維、テープ、または発泡体などである。本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)ならびに/または長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)から作られる好ましい物品は、発泡体または発泡物品である。

0105

発泡体は、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物を含んでもよい。発泡体は好ましくは少なくとも70.0wt%、より好ましくは少なくとも80.0wt%、最も好ましくは少なくとも90.0wt%、なお最も好ましくは少なくとも95.0wt%の本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物を含む。上に示した重量パーセント(wt%:weight percent)は、発泡体に含まれる熱可塑性材料の合計に基づいて算出される。好ましい実施形態において、発泡体は、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物からなる。

0106

本発明はさらに、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)を含む物品、好ましくは発泡体または発泡物品を製造するための溶融状態変形プロセスを提供する。

0107

発泡は、化学的および/または物理的発泡剤によって達成され得る。適切な発泡ラインは当該技術の水準であり、たとえばS.−T.Lee(edt.),Foam Extrusion Principles and Practice,CRCPress(2000)などに記載されている。

0108

さらに、本発明は上記に定義された発泡体の調製のためのプロセスに関し、このプロセスにおいて、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)は発泡されて、40.0kg/m3から600kg/m3の発泡体密度を達成する。こうしたプロセスにおいて、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または本発明に従う長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)の溶融物と、化学的または物理的発泡剤とが押出し機内で混合される。たとえばブタン、部分フッ素化炭化水素(HFC)またはCO2などの気体状発泡剤は、一般的に圧力降下によって膨張される。連続発泡プロセス不連続プロセスも適用され得る。

0109

連続発泡プロセスにおいて、ポリマーは融解されて、典型的に20.0バールを超える圧力下で気体とともに押出し機に装填され、その後ダイを通って押出されるときに、ダイにおける圧力降下によって発泡体が形成する。発泡押出しにおけるポリプロピレンの発泡の機構は、たとえばH.E.Naguib,C.B.Park,N.Reichelt,「Fundamental foaming mechanisms governing the volume expansion of extruded polypropylene foams,Journal of Applied Polymer Science」,91,2661−2668(2004)などに説明されている。

0110

不連続発泡プロセスにおいて、ポリマー(マイクロ)ペレットは圧力下で発泡剤とともに装填され、融解温度未満に加熱された後に、オートクレーブ内の圧力が突然緩和される。溶解した発泡剤が気泡を形成し、発泡構造を作製する。発泡ビーズのこうした不連続調製は、たとえば独国特許第3 539 352号などに記載されている。

0111

最後に本発明は、物品、好ましくは発泡体または発泡物品を製造するための、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーおよび/もしくはコポリマー(b−PP)、ならびに/または長鎖分岐ポリプロピレン組成物(b−PP−C)の使用にも向けられる。

0112

I.測定方法
別様に定義されない限り、以下の用語の定義および判定方法は、上記の本発明の一般的説明および以下の実施例にも適用される。

0113

a)粒径/粒径分布
ポリマーサンプルに対して、ISO 3310に従うふるい分析を行った。ふるい分析は、以下のサイズを有するワイヤメッシュスクリーンを有するふるいの入れ子カラムを伴った。>20μm、>32μm、>63μm、>100μm、>125μm、>160μm、>200μm、>250μm、>315μm、>400μm、>500μm、>710μm、>1mm、>1.4mm、>2mm、>2.8mm。最大のスクリーン開口部を有する頂部のふるいにサンプルを注ぎ入れた。カラムの下側のふるいの各々は、上のものよりも小さい開口部を有する(上に示すサイズを参照)。底部には受器がある。カラムを機械式振とう機に入れた。振とう機はカラムを振とうした。振とうが完了した後、各ふるい上の材料を計量した。次いで、各ふるいのサンプルの重量を総重量で割って、各ふるいに保持されたパーセンテージを与えた。ISO 9276−2に従って、ふるい分析の結果から粒径分布および特徴的中央粒径d50、ならびにトップカット粒径d95を定めた。

0114

b)コモノマー含有量
ポリマーのコモノマー含有量およびコモノマー配列分布を定量化するために、定量的核磁気共鳴(NMR:nuclear−magnetic resonance)分光法を用いた。1Hおよび13Cに対してそれぞれ400.15MHzおよび100.62MHzにて動作するBruker Advance III(登録商標)400 NMR分光計を用いて、溶液状態で定量的13C{1H}NMRスペクトルを記録した。すべての空気圧に対して窒素ガスを用いた125℃における13C最適化10mm拡張温度プローブヘッドを用いて、すべてのスペクトルを記録した。約200mgの材料を3mlの1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2:tetrachloroethane−d2)にクロム−(III)−アセチルアセトネート(acetylacetonate)(Cr(acac)3)とともに溶解することによって、溶剤中の緩和剤の65mM溶液を得た(Singh,G.,Kothari,A.,Gupta,V.,Polymer Testing 28 5(2009),475)。均質な溶液を確実にするために、ヒートブロックにおける最初のサンプル調製の後に、回転オーブン中でNMRチューブを少なくとも1時間さらに加熱した。磁石への挿入の際に、チューブを10Hzで回転させた。このセットアップは主に高分解能のために選択されたものであり、正確なエチレン含有量の定量のために定量的に必要であった。核オーバーハウザー効果(NOE:Nuclear Overhauser Effect)を伴わない標準的なシングルパルス励起を使用し、最適化した先端角度、1sリサイクル遅延、およびバイレベルALTZ16デカップリングスキームを用いた(Zhou,Z.,Kuemmerle,R.,Qiu,X.,Redwine,D.,Cong,R.,Taha,A.,Baugh,D.Winniford,B.,J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.,Carbonniere,P.,Cipullo,R.,Pellecchia,R.,Severn,J.,Talarico,G.,Macromol.Rapid Commun.2007,28,1128)。スペクトル当り合計6144(6k)のトランジェントを取得した。

0115

コンピュータプログラムを用いて、定量的13C{1H}NMRスペクトルを処理し、積分し、その積分値から関連する定量的特性を定めた。溶剤の化学シフトを用いて、30.00ppmにおけるエチレンブロック(EEE)の中心メチレン基に対して、すべての化学シフトを間接的に参照した。このアプローチは、たとえこの構造単位が存在しないときにも同等の参照を可能にした。Cheng,H.N.,Macromolecules 17(1984),1950)に記載されるとおりに、エチレンの取り込みに対応する特徴信号を観察した。2,1エリトロ部位欠陥に対応する特徴信号を観察したため(L.Resconi,L.Cavallo,A.Fait,F.Piemontesi,Chem.Rev.2000,100(4),1253、Cheng,H.N.,Macromolecules 1984,17,1950、およびW−J.Wang and S.Zhu,Macromolecules 2000,33,1157に記載されるとおり)、決定した特性に対する部位欠陥の影響に対する補正が必要であった。他のタイプの部位欠陥に対応する特徴信号は観察しなかった。

0116

ワン(Wang)ら(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)の方法を用い、13C{1H}スペクトルのスペクトル領域全体にわたる複数の信号の積分によって、コモノマーフラクションを定量化した。この方法を選択したのは、その頑健な性質および必要なときに部位欠陥の存在を考慮できることのためであった。遭遇したコモノマー含有量の全範囲にわたる適用性を増加させるために、積分領域をわずかに調整した。PPEPP配列の単離エチレンしか観察されない系に対しては、存在が既知である部位の非ゼロ積分の影響を低減させるようにワンらの方法を修正した。このアプローチは、こうした系に対するエチレン含有量の過大評価を低減するものであり、絶対エチレン含有量を定めるために用いる部位の数を低減させることによって達成した。
E=0.5(Sββ+Sβγ+Sβδ+0.5(Sαβ+Sαγ))

0117

この部位の組を用いることによって、対応する積分方程式は次のとおりになる。
E=0.5(IH+IG+0.5(IC+ID))
ここではワンらの論文(Wang,W−J.,Zhu,S.,Macromolecules 33(2000),1157)で用いているものと同じ表記法を用いている。絶対プロピレン含有量に対して使用した等式は修正しなかった。モル分率から、モルパーセントコモノマー取り込みを算出した。
E[mol%]=100*fE

0118

モル分率から、重量パーセントコモノマー取り込みを算出した。
E[wt%]=100*(fE*28.06)/((fE*28.06)+((1−fE)*42.08))

0119

カクゴ(Kakugo)ら(Kakugo,M.,Naito,Y.,Mizunuma,K.,Miyatake,T.Macromolecules 15(1982)1150)の分析方法を用いて、3つ組レベルのコモノマー配列分布を定めた。この方法はその頑健な性質のために選択したものであり、より広範囲のコモノマー含有量に適用性を増加させるために、積分領域をわずかに調整した。

0120

次の関係(等式(I))を用いて、3つ組配列分布から単離対ブロックエチレン取り込みの相対含有量を算出した。

0121

0122

ここで
I(E)は単離対ブロックエチレン配列の相対含有量[%]であり、
fPEPは、サンプル中のプロピレン/エチレン/プロピレン配列(PEP)のモル分率であり、
fPEEは、サンプル中のプロピレン/エチレン/エチレン配列(PEE)およびエチレン/エチレン/プロピレン配列(EEP)のモル分率であり、
fEEEは、サンプル中のエチレン/エチレン/エチレン配列(EEE)のモル分率である。

0123

c)低温キシレン可溶性成分フラクション(XCS、wt%)
ISO 16152;第5版;2005−07−01に従って、25.0℃にてキシレンに可溶性のポリマーの量を定める。

0124

d)メルトフローレート
ISO 1133に従ってメルトフローレート(MFR)を定め、g/10minで示す。MFRは流動性を示すものであり、よってポリマーの加工性を示す。メルトフローレートが高いほど、ポリマーの粘度は低い。230℃の温度および2.16kgの荷重にて、ポリプロピレンのMFR2を定める。

0125

e)F30溶融強度およびv30溶融伸展性
本明細書に記載されるテストは、ISO 16790:2005に従う。論文「Rheotens−Mastercurves and Drawability of Polymer Melts」、M.H.Wagner,Polymer Engineering and Sience,Vol.36,925頁から935頁に記載される方法によって、歪み硬化挙動を定める。ポリマーの歪み硬化挙動をレオテンス(Rheotens)装置(ゴットフェルト(Goettfert),ジーメンス通り(Siemensstr.)2,74711 ブーヘン(Buchen),ドイツ(Germany)の製品)によって分析し、この装置においては、定められた加速引き下げることによって溶融ストランド伸長させる。レオテンスの実験は、工業的紡績および押出しプロセスをシミュレートするものである。原則として、円形ダイを通じて溶融物を押圧または押出し、得られたストランドを引き出す。押出し物における応力を、溶融特性および測定パラメータ(特に出力と引き出し速度との比率、実際には伸展速度尺度)の関数として記録する。

0126

以下に提供する結果については、実験用押出し機HAKEポリラブ(Polylab)システムと、円筒形ダイ(L/D=6.0/2.0mm)を有するギヤポンプとによって材料を押出した。5mm/sのストランド押出し速度に対してギヤポンプを予め調整し、融解温度を200℃に設定した。ダイとレオテンスホイールとの間のスピンラインの長さは80mmであった。実験の初めに、レオテンスホイールの巻取り速度を押出されるポリマーストランドの速度に調整した(張力0)。次いで実験を開始し、ポリマーフィラメント切れるまでレオテンスホイールの巻取り速度をゆっくりと増加させた。張力を準定常条件下で測定するように、ホイールの加速を十分に小さくした。引き下げた溶融ストランドの加速は、120mm/sec2である。レオテンスを、PCプログラムEXTENSと組み合わせて動作させた。これはリアルタイムデータ取得プログラムであり、張力および引き下げ速度の測定データを表示および保存する。ポリマーストランドが破断するレオテンス曲線(力対プーリー回転速度)の終点を、F30溶融強度および延伸性の値として取る。

0127

f)XHUフラクション。ゲル含有量
EN 579に従って高温キシレン不溶成分(XHU)フラクションを定める。約2.0gのポリマー(mp)を計量し、計量した金属のメッシュに入れて、総重量を(mp+m)で表す。メッシュ内のポリマーを、ソックスレー装置内で沸騰したキシレンによって5時間抽出する。次いで溶離剤新鮮なキシレンに交換し、さらに1時間沸騰を続ける。その後、メッシュを乾燥して再び計量する(mXHU+m)。式mXHU+m−mm=mXHUによって得た高温キシレン不溶成分の質量(mXHU)を、ポリマーの重量(mp)と関係付けて、キシレン不溶成分のフラクションmXHU/mpを得る。

0128

g)融解温度
RSC冷却装置およびデータステーションを有するTA−インスツルメンツ(TA−Instruments)2920デュアルセル(Dual−Cell)によって、ISO 11357−3に従う示差走査熱量測定(DSC)によって融解温度Tmを定める。+23℃から+210℃の加熱/冷却/加熱サイクルにおいて、10℃/minの加熱および冷却速度を適用する。第2の加熱ステップにおいて、融解温度(Tm)を定める。

0129

h)空隙率および比孔容量
DIN 66133に従う水銀ポロシメトリーと、DIN 66137−2に従うヘリウム密度測定との組み合わせによって、ポリマーの空隙率および比孔容量を測定する。最初に加熱キャビネット内でサンプルを70℃にて3時間乾燥し、次いで測定まで乾燥器中で保存した。サンプルの純粋密度を、カンクロームウルトラピクノメータ(Quantachrome Ultrapyknometer)1000−T(DIN 66137−2)において、25℃にてヘリウムを用いて粉砕粉末に対して定めた。DIN 66133に従うカンタクローム・ポアマスタ(Quantachrome Poremaster)60−GTにおいて、非粉砕粉末に対して水銀ポロシメトリーを行った。

0130

空隙率は、たとえば次のものなどの等式(II)によって算出される。

0131

0132

II 本発明の実施例および比較実施例
a)触媒の調製
3.4リットルの2−エチルヘキサノールと、810mlのプロピレングリコールブチルモノ−エーテル(モル比4/1)とを20.0Lリアクタに加えた。次いで、クロンプトン社(Crompton GmbH)の提供するBEM(ブチルエチルマグネシウム(butyl ethyl magnesium))の20.0%トルエン溶液7.8リットルを、よく撹拌したアルコール混合物にゆっくりと加えた。添加中の温度を10.0℃に保った。添加後、反応混合物の温度を60.0℃に上げて、この温度にて混合を30分間続けた。最後に室温に冷却後、得られたMg−アルコキシドを保存容器に移した。

0133

上で調製したMgアルコキシド21.2gを、4.0mlのビス(2−エチルヘキシル)シトラコネートと5分間混合した。混合後、得られたMg錯体を直ちに触媒成分の調製に用いた。

0134

19.5mlの四塩化チタンを、25.0℃にて機械式スターラを備えた300mlリアクタに入れた。混合速度を170rpmに調整した。上で調製したMg錯体26.0gを30分以内に加え、温度を25.0℃に保った。3.0mlのViscoplex(登録商標)1−254と、2mgのNecadd 447(商標)を有する1.0mlのトルエン溶液とを加えた。次いで、24.0mlのヘプタンを加えてエマルションを形成した。25.0℃にて30分間混合を続け、その後30分以内にリアクタ温度を90.0℃に上げた。反応混合物を90.0℃にてさらに30分間撹拌した。その後撹拌を停止し、反応混合物を90.0℃にて15分間沈降させた。固体材料を5回洗浄した。洗浄は80.0℃にて、170rpmで30分間撹拌することによって行った。撹拌停止後、反応混合物を20〜30分間沈降させ、その後サイホン吸引した。

0135

洗浄1:100mlのトルエンと1mlの供与体との混合物によって洗浄を行った。
洗浄2:30mlのTiCl4と1mlの供与体との混合物によって洗浄を行った。
洗浄3:100mlのトルエンによって洗浄を行った。
洗浄4:60mlのヘプタンによって洗浄を行った。
洗浄5:10分間の撹拌下で60mlのヘプタンによって洗浄を行った。

0136

その後撹拌を停止し、温度を70℃に下げながら反応混合物を10分間沈降させた後にサイホンで吸引し、その後20分間N2散布をして、空気感受性の粉末を得た。

0137

b)重合
本発明の実施例および比較実施例はすべて、予備重合リアクタと、1つのスラリーループリアクタと、1つの気相リアクタとを有するパイロットプラントにおいて生成した。本発明の実施例IE1およびIE2に対しては、上述の固体触媒成分を、共触媒としてのトリエチル−アルミニウム(TEAL)および外部供与体としてのジシクロペンチルジメトキシシラン(D−供与体)とともに用いた。

0138

比較実施例CE1の重合プロセスに対しては、内部供与体としてビス(2−エチルヘキシル)フタレートを含む固体触媒成分を調製し、アルミニウム化合物としてトリエチル−アルミニウムの代わりにジエチル−アルミニウムクロリドを用いたことを除き、その他の点は国際公開第2004/029112号の実施例8に従った。共触媒としてトリエチル−アルミニウム(TEAL)を用い、外部供与体としてジシクロペンチルジメトキシシラン(D−供与体)を用いた。

0139

比較実施例CE2の重合プロセスに対しては、内部供与体としてジエチルフタレートを含む、伝統的なトランスエステル化した高収率MgCl2支持チーグラー・ナッタポリプロピレン触媒成分を用いた。共触媒としてトリエチル−アルミニウム(TEAL)を用い、外部供与体としてジシクロペンチルジメトキシシラン(D−供与体)を用いた。触媒成分およびその調製概念は一般的に、たとえば欧州特許出願公開第491566号、欧州特許出願公開第591224号、および欧州特許出願公開第586390号などに記載されている。

0140

したがって、触媒成分を次のとおりに調製する。最初に大気圧リアクタ中で、0.1molのMgCl2×3EtOHを不活性条件下で250mlのデカンに懸濁した。溶液を−15℃に冷却し、温度を前記温度に維持しながら300mlの冷TiCl4を加えた。次いで、スラリーの温度をゆっくりと20℃まで上げた。この温度にて、0.02molのジオクチルフタレートDOP:dioctylphthalate)をスラリーに加えた。フタレートの添加後、温度を90分間で135℃まで上昇させて、スラリーを60分間置いた。次いで、再び300mlのTiCl4を加え、120分間にわたり温度を135℃に保った。この後、液体から触媒をろ過し、80℃にて300mlヘプタンで6回洗浄した。次いで、固体触媒成分をろ過して乾燥した。

0141

共触媒対供与体の比率、共触媒対チタンの比率、および重合条件を表1に示す。

0142

0143

表1に記載したポリマー粉末の反応性修飾は、すでに前述したとおり、欧州特許出願公開第2520425 A1号のプロセス説明に従って行った。ブタジエン(BD:butadiene)および過酸化物(POX:peroxide)はどちらも、65℃の温度にてパドルスターラを有する水平ミキサ内で、溶融混合ステップの前にポリマー粉末と予備混合し、15分間の平均滞留時間だけ維持した。BDおよびPOXの量は、プロピレンホモポリマーおよび/またはコポリマーの総量に基づく。予備混合物不活性雰囲気下で、3つのニーディングゾーンおよび2ステップ脱気セットアップを有する高強度混合スクリューを備えたバレル直径60mmおよびL/D比率48を有するゼイソン(Theyson)TSK60のタイプの共回転ツインスクリュー押出し機に移した。選択した融解温度プロファイルは、フィードゾーンにおける初期温度T1=240℃と、最終ニーディングゾーンにおける最高温度T2=280℃と、ダイゾーンにおける最終温度T3=230℃とを有し、すべての温度がバレル温度と定義された。スクリュー速度を350rpmに設定した。

0144

溶融混合ステップに続いて、得られたポリマー溶融物を、40℃の水温でのストランドペレタイザー内の水浴におけるストランドの凝固後にペレット状にした。反応条件および結果として得られた長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマーの特性を、本発明の実施例については表2に、比較実施例については表3にまとめている。

0145

表2および表3から、本発明に従う長鎖分岐プロピレンホモポリマーまたはコポリマーは比較実施例よりもかなり低いXHU値を示すことが導き出せる。

0146

実施例

0147

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